以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略および構成の簡略化がなされるものである。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
<基板処理装置の概略構成>
図1は、基板処理装置1の構成の一例を概略的に示す平面図である。この基板処理装置1は、基板Wに対して1枚ずつ処理を行う枚葉式の処理装置である。例えば、基板Wは半導体デバイス用の基板であり、円板形状を有する。この基板処理装置1は、基板Wに対してウェット処理およびドライ処理を連続的に行うことができる。
図1の例では、基板処理装置1は、搬入部の一例であるロードポートLPと、インデクサロボットIRと、搬送機構の一例である搬送ロボットTRと、複数の処理モジュール100と、制御部200とを含んでいる。
ロードポートLPは、基板処理装置1の外部と基板Wを受け渡すためのインターフェース部である。ロードポートLPには、複数の基板Wを収納したキャリアが搬入される。キャリアとしては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、または、基板Wを外気にさらすOC(Open Cassette)が採用されてもよい。ロードポートLPは、例えば、複数のキャリアを水平な配列方向D1に沿って並べた状態で、複数のキャリアを保持する。
インデクサロボットIRは、配列方向D1に直交する水平な方向D2において、ロードポートLPと隣り合う位置に設けられている。インデクサロボットIRは、例えばボールねじ機構等の移動機構により、配列方向D1に沿って移動可能に設けられている。インデクサロボットIRは、ロードポートLPに保持された各キャリアと向かい合う位置で停止することができる。図1の例では、インデクサロボットIRは、配列方向D1におけるロードポートLPの中央部と向かい合う中央位置で停止している。
インデクサロボットIRは例えばハンドを有しており、当該ハンドを、例えばアーム機構等の駆動機構により水平方向に移動させることができ、また、例えばボールねじ機構等の昇降機構により鉛直方向に移動させることもできる。インデクサロボットIRは、取り出し対象となるキャリアと向かい合う位置に移動し、ハンドを水平方向および鉛直方向に移動させて基板Wをキャリアから取り出したり、基板Wをキャリアに収納したりすることができる。
また、インデクサロボットIRはモータ等の回転機構により、ハンドの向きを変化させることができる。インデクサロボットIRは回転機構により、ハンドを搬送ロボットTRと向かい合わせることができる。インデクサロボットIRはこの状態でハンドを水平方向および鉛直方向に移動させて、搬送ロボットTRと基板Wを受け渡すことができる。搬送ロボットTRは、インデクサロボットIRに対してロードポートLPとは反対側に設けられている。図1の例では、搬送ロボットTRは、中央位置で停止するインデクサロボットIRと方向D2において並んで配置されている。
なお、インデクサロボットIRは必ずしも基板Wを直接に搬送ロボットTRと受け渡す必要はなく、基板通過部110を経由して基板Wを受け渡してもよい。この基板通過部110は、中央位置で停止したインデクサロボットIRと、搬送ロボットTRとの間に設けられている。つまり、中央位置で停止したインデクサロボットIR、基板通過部110および搬送ロボットTRは方向D2において、この順で並んで配置されている。基板通過部110は、基板Wを載置または保持する部材を含む。インデクサロボットIRは基板Wを当該部材に渡し、搬送ロボットTRは当該部材から基板Wを取り出す。また逆に、搬送ロボットTRは基板Wを当該部材に渡し、インデクサロボットIRは基板Wを当該部材から取り出す。
搬送ロボットTRは各処理モジュール100とインデクサロボットIR(もしくは基板通過部110)との間で基板Wを搬送する。以下では、搬送ロボットTRが収容された空間を搬送空間55と呼ぶ。
図1の例では、2つの処理モジュール100が示されている。2つの処理モジュール100は配列方向D1において搬送空間55を隔てて配置されている。つまり、2つの処理モジュール100は搬送空間55に対して互いに反対側に設けられている。
処理モジュール100の各々は、単一のウェット処理ユニット10と、単一のドライ処理ユニット20と、移載機構の一例である単一の移載ユニット30とを含んでいる。言い換えれば、単一のウェット処理ユニット10、単一のドライ処理ユニット20および単一の移載ユニット30が単一の処理モジュール100を構成する。
ウェット処理ユニット10は基板Wにウェット処理を行う。ウェット処理とは、基板Wに対して処理液を供給することで行われる処理をいう。例えばウェット処理は、処理液を用いた洗浄処理である。処理液は、例えば、SC1、SC2、フッ酸、硫酸、アンモニア水、硫酸および過酸化水素水の混合液、リン酸、オゾン水およびポリマー洗浄液等の洗浄薬液、ならびに、純水およびイソプロピルアルコール等のリンス液の少なくともいずれかを含む。SC1はアンモニア過酸化水素水混合液である。SC2は塩酸過酸化水素水混合液である。このウェット処理は、大気圧に近い雰囲気中において行われる。
ドライ処理ユニット20は平面視において、ウェット処理ユニット10と異なる位置に設けられ、基板Wにドライ処理を行う。ここでいうドライ処理とは、基板Wに向かって処理ガスを供給することで行われる処理をいう。例えばドライ処理は、処理ガスとしてオゾン(O3)ガスを用いた処理、処理ガスとしてエッチングガスを用いた気相エッチング処理、または、水素(H2)ガスを用いた酸化膜に対する還元処理を含む。オゾンガスを用いた処理は、例えば、酸化処理またはレジスト除去処理を含む。気相エッチング処理は、プラズマを用いないエッチング処理であり、例えば、フッ化水素(HF)ガス、三フッ化塩素(ClF3)ガス、アンモニア(NH3)ガスおよびフッ化ヨウ素(IF7)ガス等のエッチングガスを用いたエッチング処理を含む。あるいは、気相エッチング処理は、フッ素(F2)ガスおよび水素ガスの混合ガスまたは三フッ化窒素(NF3)ガス等のエッチングガスに紫外線を照射して発生するラジカルを用いたエッチング処理を含んでもよい。これらのドライ処理も、大気圧に近い雰囲気中において行われる。
移載ユニット30は、同一平面内に配置されたウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間に設けられている。移載ユニット30は、同一平面内に配置されたウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間で基板Wを移載する。つまり、移載ユニット30はウェット処理ユニット10からドライ処理ユニット20に基板Wを移載することができ、また、ドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10に基板Wを移載することもできる。図1の例では、ウェット処理ユニット10、移載ユニット30およびドライ処理ユニット20は方向D2に沿ってこの順で並んで配置されている。なおここでは、処理モジュール100内における基板Wの搬送を「移載」と呼んでいるものの、ここでいう「移載」は技術的な意味で「搬送」と区別される必要はない。
移載ユニット30の構成は特に制限されないものの、例えばハンドと、当該ハンドを移動させるハンド駆動機構とを含む。当該ハンド駆動機構は、ハンドを水平に移動させる水平駆動機構と、ハンドを鉛直方向に移動させる鉛直駆動機構とを含む。水平駆動機構は例えばアーム機構、ボールねじ機構およびシリンダ機構などの機構を含む。鉛直駆動機構は例えばボールねじ機構およびシリンダ機構などの機構を含む。移載ユニット30はハンドを移動させることにより、ウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と基板Wを受け渡す。
図1に例示されるように、ウェット処理ユニット10、移載ユニット30およびドライ処理ユニット20の配列順序は複数の処理モジュール100において同じでもよい。図1の例では、一方の処理モジュール100に属するウェット処理ユニット10は、他方の処理モジュール100に属するウェット処理ユニット10と、配列方向D1において搬送空間55を隔てて向かい合っている。同様に、両移載ユニット30は配列方向D1において搬送空間55を隔てて互いに向かっており、両ドライ処理ユニット20は配列方向D1において搬送空間55を隔てて互いに向かい合っている。
搬送ロボットTRは搬送空間55内に設けられる。搬送ロボットTRは、例えばボールねじ機構等の移動機構により、方向D2に沿って移動可能である。搬送ロボットTRは、ウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と向かい合う位置で停止することができる。
搬送ロボットTRの構成は特に制限されないものの、例えばハンドと、当該ハンドを移動させるハンド駆動機構とを含む。ハンド駆動機構は、ハンドを水平に移動させる水平駆動機構と、ハンドを鉛直方向に移動させる鉛直駆動機構とを含む。水平駆動機構は例えばアーム機構、ボールねじ機構およびシリンダ機構などの機構を含む。鉛直駆動機構は例えばボールねじ機構およびシリンダ機構などの機構を含む。搬送ロボットTRは当該ハンドを用いて、各処理モジュール100におけるウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と基板Wを受け渡す。
ところで、ハンドおよびハンド駆動機構を含む搬送ロボットTRは、方向D2に沿って移動可能である。これにより、搬送ロボットTRは、方向D2において互いに離れて配置されたウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と、配列方向D1において向かい合うことができる。搬送ロボットTRはウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と基板Wを受け渡すことができる。
一方で、移載ユニット30はウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間に配置されている。よって、移載ユニット30(例えばハンドおよびハンド駆動機構)は方向D2において移動しなくてもよい。つまり、移載ユニット30を移動させる移動機構は設けられなくてよい。
図1の例では、平面視において、複数の処理モジュール100が配置されている。しかしながら、複数段の処理モジュール100が鉛直方向に積層されてもよい。図2は、複数の処理モジュール100の構成の一例を概略的に示す側断面図である。この場合、鉛直方向に積層された複数段の処理モジュール100が1つのタワーTWを構成する。図1の例では、平面視において、2つのタワーTWが搬送空間55を隔てて互いに向かい合って配置される。
この場合、搬送ロボットTR(例えばハンドおよびハンド駆動機構)は、例えばボールねじ機構等の昇降機構により昇降可能であり、各段の処理モジュール100と向かい合う位置で停止することができる。搬送ロボットTRは各段の処理モジュール100のウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と基板Wを受け渡すことができる。
制御部200は基板処理装置1の動作を制御する。例えば制御部200はインデクサロボットIR、搬送ロボットTRおよび処理モジュール100の各種構成を制御する。制御部200は、基板処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。
制御部200のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部200は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM(Read Only Memory)、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM(Random Access Memory)および制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部200のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって基板処理装置1における基板Wに対する処理が進行する。なお、制御部200の機能の一部または全部は専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
<複数の処理モジュールの構成>
<筐体>
図2に例示されるように、処理モジュール100の各々は、ウェット処理ユニット10、ドライ処理ユニット20および移載ユニット30を収容する筐体40を含んでいる。筐体40は例えば直方体の箱形形状を有しており、その長手方向は方向D2に沿っている。
筐体40は、天井部41と、床部42と、側壁43と、内壁44と、内壁45とを有している。天井部41、床部42および側壁43は互いに連結され、内部空間を形成する。この内部空間は例えば密閉空間である。
内壁44および内壁45は内部空間内に設けられており、方向D2において互いに向かい合って設けられる。内壁44および内壁45は、内部空間をウェット処理空間51、ドライ処理空間52および移載空間53に仕切るための壁である。具体的には、内壁44はウェット処理空間51と移載空間53とを仕切る壁であり、例えば、その厚み方向が方向D2に沿う姿勢で設けられる。内壁45は移載空間53とドライ処理空間52とを仕切る壁であり、例えば、その厚み方向が方向D2に沿う姿勢で設けられる。これらウェット処理空間51、移載空間53およびドライ処理空間52は方向D2に沿ってこの順に並ぶこととなる。ウェット処理空間51、ドライ処理空間52および移載空間53は例えば密閉空間である。
なお、筐体40の形状は特に制限されず、ウェット処理空間51、ドライ処理空間52および移載空間53の形状も特に制限されない。例えば、ドライ処理空間52が円柱形状を有するように、筐体40および内壁46の形状が設計されてもよい。
ウェット処理空間51にはウェット処理ユニット10が収容され、移載空間53には移載ユニット30が収容され、ドライ処理空間52にはドライ処理ユニット20が収容される。
内壁44には、開口44aが形成されている。開口44aは方向D2に沿って内壁44を貫通しており、移載ユニット30のハンドおよび基板Wが通過可能なサイズを有している。内壁44には、開口44aを開閉するシャッタ61も設けられている。シャッタ61は制御部200によって制御される。シャッタ61が開口44aを閉じることで、ウェット処理空間51と移載空間53とが互いに仕切られる。シャッタ61が開くことで、ウェット処理空間51と移載空間53とが開口44aを介して互いに繋がる。移載ユニット30は開口44aを介してウェット処理ユニット10と基板Wを受け渡すことができる。
内壁45には、開口45aが形成されている。開口45aは方向D2に沿って内壁45を貫通しており、移載ユニット30のハンドおよび基板Wが通過可能なサイズを有している。内壁45には、開口45aを開閉するシャッタ62も設けられている。シャッタ62は制御部200によって制御される。シャッタ62が開口45aを閉じることで、移載空間53とドライ処理空間52とが互いに仕切られる。シャッタ62が開くことで、移載空間53とドライ処理空間52とが開口45aを介して互いに繋がる。移載ユニット30は開口45aを介してドライ処理ユニット20と基板Wを受け渡すことができる。
図1に例示されるように、側壁43のうち搬送空間55に接する側壁431には、搬送ロボットTRとウェット処理ユニット10との間の基板Wの搬送用の開口43aおよびシャッタ63が設けられている。具体的には、側壁431のうち、ウェット処理空間51に接する一部に開口43aおよびシャッタ63が設けられている。開口43aは側壁431を配列方向D1に沿って貫通しており、搬送ロボットTRのハンドおよび基板Wが通過可能なサイズを有している。シャッタ63は制御部200によって制御される。シャッタ63が開口43aを閉じることにより、ウェット処理空間51および搬送空間55が互いに仕切られる。またシャッタ63が開くことにより、ウェット処理空間51および搬送空間55が開口43aを介して互いに繋がる。搬送ロボットTRは開口43aを介してウェット処理ユニット10と基板Wを受け渡すことができる。
同様に、側壁431のうち、ドライ処理空間52に接する一部には、開口43bおよびシャッタ64が設けられている。開口43bも側壁431を配列方向D1に沿って貫通しており、搬送ロボットTRのハンドおよび基板Wが通過可能なサイズを有している。シャッタ64は制御部200によって制御される。シャッタ64が開口43bを閉じることにより、ドライ処理空間52および搬送空間55が互いに仕切られる。またシャッタ64が開くことにより、ドライ処理空間52および搬送空間55が開口43bを介して互いに繋がる。搬送ロボットTRは開口43bを介してドライ処理ユニット20と基板Wを受け渡すことができる。
なお図2の例では、3段の処理モジュール100が設けられているものの、これに限らない。1段または2段の処理モジュール100が設けられてもよく、あるいは、4段以上の処理モジュール100が設けられてもよい。
また、図2では図示省略しているものの、ウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各種の配管(後述)を配策するための空間が形成されていてもよい。例えば、鉛直方向において隣り合う天井部41と床部42との間には、配管配策用の内部空間が形成され、その内部空間に配管が収容されてもよい。
また、複数の処理モジュール100が方向D2に沿って並んで配置されてもよい。図3は、基板処理装置1の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。図3の例では、平面視において、4つの処理モジュール100として、処理モジュール100a~100dが設けられている。処理モジュール100a,100bは方向D2において互いに隣接して配置されており、処理モジュール100c,100dは方向D2において互いに隣接して配置されている。処理モジュール100a,100bの一組と処理モジュール100c,100dの一組との間には、搬送空間55が形成される。処理モジュール100a,100cは配列方向D1において互いに向かい合っており、処理モジュール100b,100dは配列方向D1において互いに向かい合っている。
この場合、搬送ロボットTRの方向D2における移動可能量は、図1に比して大きい。搬送ロボットTRは、処理モジュール100aのウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20ならびに処理モジュール100bのウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と向かい合う位置で停止できる程度に、方向D2に沿って移動可能である。搬送ロボットTRは、処理モジュール100c,100dのウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20の各々と向かい合う位置でも停止できる。
図3の例では、2つの処理モジュール100が方向D2において互いに隣接しているものの、3つ以上の処理モジュール100が方向D2において互いに隣接していてもよい。
<ウェット処理ユニット>
図2に例示されるように、ウェット処理ユニット10は、基板保持部11と、ノズル12と、カップ13とを含んでいる。基板保持部11、ノズル12およびカップ13はウェット処理空間51内に収容される。
基板保持部11は基板Wを水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。例えば基板保持部11として、基板Wの周縁を複数のチャックピンで保持する基板保持部を採用してもよく、あるいは、基板Wの下面を吸着して保持する基板保持部を採用してもよい。
基板保持部11は、例えばモータ等の回転機構により、基板Wを回転軸線Q1まわりで回転させる。回転軸線Q1は、基板Wの中心部を通って鉛直方向に延びる軸線である。このような基板保持部11はスピンチャックとも呼ばれる。基板保持部11の保持動作および回転動作は制御部200によって制御される。
ノズル12は、基板保持部11に保持された基板Wの主面に処理液を吐出する。図2の例では、ノズル12は、基板保持部11に保持された基板Wよりも鉛直上方に位置しており、基板Wの上面に処理液を吐出する。回転中の基板Wに処理液が吐出されると、基板Wの上面に着液した処理液は遠心力を受けて基板Wの周縁側に流れ、当該周縁から外側に飛散する。これにより、処理液の種類に応じたウェット処理を基板Wに対して行うことができる。
ノズル12は処理液供給管18を介して処理液供給源(不図示)に接続される。処理液供給管81にはバルブ(不図示)が設けられ、バルブの開閉によって処理液の吐出および停止が切り替えられる。バルブは制御部200によって制御される。
ノズル12は複数種類の処理液を順次に基板Wに供給してもよい。つまり、処理液供給管18は分岐路を含み、その分岐路の端部がそれぞれ複数種類の処理液供給源に接続されてもよい。この場合、分岐路のそれぞれにバルブが設けられる。また、複数のノズル12が設けられ、それぞれが処理液供給管18を介して、異なる処理液供給源に接続されてもよい。
カップ13は筒状の形状を有しており、基板保持部11を取り囲む。カップ13は、基板Wの周縁から飛散した処理液を受け止める。カップ13は昇降可能に設けられていてもよい。この場合、カップ13の昇降は制御部200によって制御される。
ところで、ノズル12から処理液が吐出されると、処理液の一部が揮発したり、あるいは、処理液が飛散したりして、その揮発成分または処理液の微小液滴がウェット処理空間51内に広がり得る。つまり、ウェット処理空間51内には、処理液の揮発成分および微小液滴が含まれ得る。
そこで、ウェット処理ユニット10は、ウェット処理空間51内のガス(雰囲気ガスと呼ぶ)を排気するための機構を含んでいてもよい。図4は、ウェット処理ユニット10の構成の一例を概略的に示す図であり、図4の例では、ノズル12、カップ13および処理液供給管18の図示が省略される。
図4の例では、ウェット吸引管14が設けられている。ウェット吸引管14の吸引口14aはウェット処理空間51内において開口している。具体的な一例として、ウェット吸引管14の吸引口14aは筐体40の床部42の上面に形成されており、ウェット処理空間51に開口する。吸引口14aは平面視において、例えば円形状を有する。
ウェット吸引管14は吸引機構16に接続されている。吸引機構16は例えばポンプを含み、ウェット吸引管14内の雰囲気ガスを吸引する。吸引機構16は制御部200によって制御される。吸引機構16としては、基板処理装置1に専用の吸引機構(例えばポンプ)を採用してもよく、他の装置にも利用され得る工場ユーティリティ設備を採用してもよい。吸引機構16の吸引動作により、ウェット処理空間51内の雰囲気ガスが吸引口14aに吸引され、ウェット吸引管14を通じて外部に排気される。これによれば、ウェット処理空間51内で処理液の揮発成分または微小液滴が蓄積することを抑制できる。
図4の例では、2つのウェット吸引管14が設けられている。一方のウェット吸引管14の吸引口14aは、基板保持部11に対して他方のウェット吸引管14の吸引口14aと反対側に形成される。なお、ウェット吸引管14は1つであってもよく、あるいは3つ以上のウェット吸引管14が設けられてもよい。
吸引機構16の吸引動作により、ウェット処理空間51内の圧力は大気圧よりも僅かに小さい値(例えば750Torr)に調整されてもよい。これにより、ウェット処理空間51内の圧力が搬送空間55よりも低くなる。よって、シャッタ63が開いたときに、ウェット処理空間51から搬送空間55に流出する雰囲気ガスの量を低減させることができる。ひいては、処理液の揮発成分または微小液滴が搬送空間55内の各種構成に付着して不具合(例えば材料劣化)を生じさせることを抑制できる。
図4の例では、ウェット処理ユニット10にはウェット吸引管15も設けられているものの、これについては後に詳述する。
<ドライ処理ユニット>
図5は、ドライ処理ユニット20の構成の一例を概略的に示す図である。ドライ処理ユニット20は、基板載置部21と、ガス供給部22と、ドライ吸引管23とを含んでいる。
基板載置部21はドライ処理空間52内に収容されている。基板載置部21は、基板Wが水平姿勢で載置される部材である。基板載置部21は載置面21aを有し、この載置面21aの上に基板Wが載置される。なお、基板載置部21は、例えばチャックピンまたは吸着等により、基板Wを保持しても構わない。
図5の例では、ドライ処理ユニット20には温度調整器211が設けられている。図5に例示されるように、温度調整器211は基板載置部21に内蔵されてもよい。温度調整器211は、基板載置部21の載置面21aの上に載置された基板Wの温度を調整する。より具体的には、温度調整器211は、基板Wの温度がドライ処理に適した温度範囲内になるように、基板Wの温度を調整する。温度調整器211は制御部200によって制御される。
温度調整器211は例えばヒータを含む。ヒータは例えば電熱線を有しており、当該電熱線に電流が流れることによってジュール熱が生じる。当該熱が基板Wに伝達されて基板Wが加熱される。あるいは、温度調整器211は冷却ユニットを含む。冷却ユニットは例えばペルチェ素子または冷媒配管を含み、周囲の熱を吸収する。これにより、基板Wが冷却される。
ガス供給部22は処理ガスをドライ処理空間52に供給する。図5の例では、ガス供給部22は、基板載置部21に載置された基板Wよりも鉛直上方から、基板Wに向けて処理ガスを供給する。ガス供給部22は、例えば筐体40の天井部41の下面に形成された供給口22aを有しており、供給口22aはドライ処理空間52に向けて開口している。図5の例では、供給口22aは基板載置部21と鉛直方向において向かい合う位置に形成される。
ガス供給部22は、供給口22aを一端口とした内部流路を有する配管を含み、当該供給口22aからドライ処理空間52に処理ガスを供給する。当該配管は処理ガス供給源(不図示)に接続され、当該配管にはバルブ(不図示)が設けられる。バルブは制御部200によって制御される。バルブが開閉することにより、処理ガスの供給および停止が切り替えられる。
図5の例では、ガス供給部22の供給口22aと基板載置部21との間には、整流部24が設けられている。整流部24は例えば整流板241を含む。図5の例では、2枚の整流板241が鉛直方向において間隔を空けて設けられている。整流板241は例えばパンチングプレートであり、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で設けられる。整流板241には、自身を厚み方向に貫通する複数の開口242が形成されている。複数の開口242は平面視において二次元に配列され、例えばマトリックス状に配列される。
供給口22aから供給された処理ガスは整流部24(具体的には開口242)を通過することにより整流され、基板Wの上面に向かって流れる。処理ガスが基板Wの上面に作用することにより、処理ガスの種類に応じたドライ処理を行うことができる。
処理ガスとしては、例えばオゾンガスを採用することができる。オゾンガスを用いた処理としては、例えば酸化膜の成膜処理が挙げられる。例えば基板Wの上面にシリコン等が露出している場合、加熱中の基板Wの上面にオゾンガスが作用することにより、基板Wの上面にシリコン酸化膜を成膜することができる。
オゾンガスを用いた処理としては、レジスト除去処理も挙げられる。例えば炭素元素、水素元素および酸素元素などから構成されたレジストが基板Wの上面に形成されている場合、オゾンガスが基板Wのレジストと反応し、レジストを除去することができる。
ドライ吸引管23は、ドライ処理空間52内のガス(雰囲気ガスと呼ぶ)を排気するための配管である。ドライ吸引管23の吸引口23aはドライ処理空間52において開口する。図5の例では、ドライ吸引管23の吸引口23aは筐体40の床部42の上面に形成されている。吸引口23aは平面視において、例えば円形状を有する。
ドライ吸引管23は吸引機構25に接続されている。吸引機構25は例えばポンプを含み、ドライ吸引管23内のガスを吸引する。吸引機構25としては、基板処理装置1に専用の吸引機構(例えばポンプ)を採用してもよく、他の装置にも利用され得る工場ユーティリティ設備を採用してもよい。吸引機構25は制御部200によって制御される。吸引機構25の吸引動作により、ドライ処理空間52内の雰囲気ガスが吸引口23aに吸引され、ドライ吸引管23を通じて外部に排気される。これにより、基板Wの反応に寄与しなかった処理ガス、および、処理ガスと基板Wとの反応により生成された不要なガスを外部に排気することができる。なお、図5の例では、1つのドライ吸引管23が設けられているものの、2つ以上のドライ吸引管23が設けられてもよい。
オゾンガスは漏洩すると危険であるために、排気ラインにオゾンガス検知器(不図示)を配置し、オゾンガス検知器がオゾンガスを検知した場合に、ガス供給部22がオゾンガスの供給を停止してもよい。
吸引機構25の吸引動作により、ドライ処理空間52内の圧力は大気圧よりも僅かに小さい値(例えば750Torr)に調整されてもよい。これにより、ドライ処理空間52内の圧力が搬送空間55よりも低くなる。よって、シャッタ64が開いたときに、ドライ処理空間52から搬送空間55に流出する雰囲気ガスの量を低減させることができる。ひいては、処理ガスなどのガスが搬送空間55内の各種構成に付着して不具合(例えば材料劣化)を生じさせることを抑制できる。
また、図5の例では、ドライ処理ユニット20にはドライ吸引管26も設けられているものの、これについては後に詳述する。
<移載ユニット>
図6は、移載ユニット30の構成の一例を示す図である。移載ユニット30は移載空間53に収容されている。図6に例示されるように、この移載空間53には、ガス供給部31によって不活性ガスが供給されてもよい。ここでいう不活性ガスとは、基板Wとの反応性が低いガスをいう。具体的な一例として、不活性ガスは、アルゴンガス等の希ガスおよび窒素ガスの少なくともいずれかを含む。
図6の例では、ガス供給部31は、天井部41の下面に形成された供給口31aを有しており、供給口31aは移載空間53に開口している。ガス供給部31は、供給口31aを一端口とした内部流路を有する配管を含み、当該供給口31aから移載空間53に不活性ガスを供給する。当該配管は不活性ガス供給源(不図示)に接続され、当該配管にはバルブ(不図示)が設けられる。バルブは制御部200によって制御され、当該バルブの開閉により不活性ガスの供給および停止が切り替えられる。
ガス供給部31は移載空間53に不活性ガスを供給することにより、移載空間53の圧力を大気圧よりも僅かに大きい値に調整する。この移載空間53の圧力はウェット処理空間51の圧力およびドライ処理空間52の圧力の両方よりも高い。
なお、ガス供給部31が設けられていなくても、ウェット吸引管14およびドライ吸引管23が設けられていれば、移載空間53の圧力はウェット処理空間51の圧力およびドライ処理空間52の圧力の両方よりも高くなり得る。しかるに、シャッタ61およびシャッタ62の各々が開くたびに、移載空間53内の雰囲気ガスが流出するので、移載空間53内の圧力は徐々に低下し得る。よって、移載空間53とウェット処理空間51との間の圧力差および移載空間53とドライ処理空間52との間の圧力差が低下し得る。
これに対して、ガス供給部31が設けられている場合には、各圧力差をより大きな値に維持することができる。
移載空間53の圧力がウェット処理空間51の圧力よりも高ければ、シャッタ61が開いたときにウェット処理空間51から移載空間53に流出する雰囲気ガスの量を低減させることができる。ひいては、ウェット処理空間51内の雰囲気ガスが移載空間53を経由してドライ処理空間52に流入することも抑制できる。これによれば、処理液の揮発成分または微小液滴が移載空間53およびドライ処理空間52内の各種構成に付着して生じる不具合を抑制できる。
同様に、移載空間53の圧力がドライ処理空間52の圧力よりも高ければ、シャッタ62が開いたときにドライ処理空間52から移載空間53に流出する雰囲気ガスの量を低減させることができる。ひいては、ドライ処理空間52内の雰囲気ガスが移載空間53を経由してウェット処理空間51に流入することも抑制できる。これによれば、処理ガスなどのガスが移載空間53およびウェット処理空間51内の各種構成に付着して生じる不具合を抑制できる。
<基板処理装置1の動作の一例>
次に、基板処理装置1の動作の流れの一例について述べる。ここでは一例として、基板Wの上面にはレジストが形成されており、基板処理装置1は当該レジストを除去するものとする。
図7は、基板処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ロードポートLPに保持されたキャリア内の基板Wがドライ処理ユニット20に搬送される(ステップS1)。具体的には、インデクサロボットIRが、ロードポートLPに保持されたキャリアから基板Wを1枚ずつ順次に取り出し、基板Wを搬送ロボットTRに順次に搬送する。搬送ロボットTRは、複数のドライ処理ユニット20のうち空いているドライ処理ユニット20に基板Wを順次に搬送する。具体的には、搬送ロボットTRが、空いているドライ処理ユニット20と向かい合う位置に移動しつつ、そのドライ処理ユニット20のシャッタ64が開く。そして、搬送ロボットTRは開口43bを介して基板Wを当該ドライ処理ユニット20に搬入する。これにより、基板Wが基板載置部21の載置面21a上に載置される。次に、シャッタ64が閉じる。
このようにして搬送ロボットTRが基板Wを、空いているドライ処理ユニット20に順次に搬送する。これにより、複数のドライ処理ユニット20に基板Wが搬入される。
なお、ここでは、ドライ処理空間52内の雰囲気ガスはドライ吸引管23を通じて外部に排気されており、ドライ処理空間52内の圧力は大気圧よりも僅かに小さい値に調整されている。よって、ドライ処理ユニット20への基板Wの搬入時において、ドライ処理空間52から搬送空間55への雰囲気ガスの流出が抑制される。
基板Wが搬入された各ドライ処理ユニット20は、基板Wにドライ処理を行う(ステップS2)。具体的には、まず温度調整器211は基板Wの温度を、レジスト除去処理に適した規定範囲内に調整する。基板Wの温度が規定範囲内となると、ガス供給部22は処理ガスとしてオゾンガスを基板Wの上面に向かって供給する。オゾンガスが基板Wの上面のレジストと反応することにより、当該レジストが除去される。
温度調整器211が基板Wの温度を規定範囲内に調整することにより、オゾンガスとレジストとの反応を促進することができる。言い換えれば、温度調整器211は当該反応の促進に適した温度範囲に基板Wの温度を調整する。
オゾンガスの供給開始から所定時間が経過すると、ガス供給部22はオゾンガスの供給を停止する。これにより、レジスト除去処理が終了する。また温度調整器211は基板Wの温度調整を停止してもよい。
このレジスト除去処理により、基板Wの上面のレジストが除去されるものの、レジストを構成していた炭素が基板Wの上面に残留し得る。この残留炭素は不要であるので、基板Wからの除去が望まれる。そこで、ウェット処理によって基板Wの残留炭素を洗浄除去する。
まず、移載ユニット30は基板Wをドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10に移載する(ステップS3)。具体的には、シャッタ62が開いた後に、移載ユニット30がドライ処理ユニット20から基板Wを搬出し、シャッタ62が閉じる。またシャッタ61が開いた後に、移載ユニット30がウェット処理ユニット10に基板Wを搬入する。これにより、基板Wが基板保持部11によって保持される。そして、シャッタ61が閉じる。
ここでは、ガス供給部31が移載空間53に不活性ガスを供給しており、移載空間53内の圧力は大気圧よりも僅かに大きな値に調整されている。また、ウェット処理空間51内の雰囲気ガスはウェット吸引管14を通じて外部に排気されており、ウェット処理空間51内の圧力は大気圧よりも僅かに小さい値に調整されている。また、ドライ処理空間52内の雰囲気ガスはドライ吸引管23を通じて外部に排気されており、ドライ処理空間52内の圧力は大気圧よりも僅かに小さい値に調整されている。よって、ドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10への基板Wの移載時において、ドライ処理空間52内の雰囲気ガスの流出およびウェット処理空間51内の雰囲気ガスの流出が抑制される。
基板Wが搬入されたウェット処理ユニット10は、基板Wにウェット処理を行う(ステップS4)。具体的には、基板保持部11が基板Wを水平に保持しつつ、基板Wを回転軸線Q1のまわりで回転させる。そして、回転中の基板Wの主面(ここでは上面)の中央部に向けてノズル12から処理液が吐出される。処理液は、基板Wの残留炭素を除去するための洗浄薬液であって、例えばSC1、フッ酸または硫酸である。
基板Wの上面に着液した処理液は、遠心力を受けて基板Wの上面を広がり、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面の残留炭素が除去される。
なお、ノズル12は必要に応じて種々の処理液を順次に吐出してもよい。例えば洗浄薬液の吐出後にノズル12はリンス液を基板Wの上面に吐出して洗浄薬液を洗い流す。その後、ノズル12からの処理液の供給を停止し、基板保持部11が基板Wの回転速度を増加させて、基板Wを乾燥させる(いわゆるスピンドライ)。これにより、基板Wを洗浄して乾燥させることができる。
ウェット処理ユニット10における処理が終了すると、基板WはロードポートLPに搬送される(ステップS5)。具体的には、シャッタ63が開き、搬送ロボットTRがウェット処理ユニット10から基板Wを搬出する。そして、シャッタ63が閉じる。
なおここでは、ウェット処理空間51内の圧力は大気圧よりも僅かに小さい値に調整されている。よって、搬送ロボットTRによるウェット処理ユニット10からの基板Wの搬出時において、ウェット処理空間51から移載空間53への雰囲気ガスの流出は抑制される。
搬送ロボットTRは、処理が終了したウェット処理ユニット10から順に基板Wを搬出し、都度、当該基板WをインデクサロボットIRに渡し、インデクサロボットIRは基板WをロードポートLPのキャリアに順次に搬入する。
以上のようにして、基板処理装置1は基板Wに対してドライ処理およびウェット処理を連続的に行う。
<実施の形態の効果>
この基板処理装置1によれば、各処理モジュール100において、移載ユニット30がウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間で基板Wを移載する。
比較のために、搬送ロボットTRがウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間で基板Wを搬送する場合について考慮する。この場合、搬送ロボットTRがロードポートLPと処理モジュール100との間で基板Wを搬送している期間では、ウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間で基板Wの搬送はできない。
これに対して、基板処理装置1によれば、搬送ロボットTRによるロードポートLPと処理モジュール100との間の基板Wの搬送中でも、各処理モジュール100において移載ユニット30がウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間で基板Wを移載することができる。よって、ウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間で基板Wを速やかに移載することができる。
図7の動作例では、ドライ処理ユニット20が基板Wにドライ処理(ステップS2)を行った後に、速やかに、移載ユニット30がドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10に基板Wを移載する(ステップS3)。よって、ドライ処理(ステップS2)の後に速やかにウェット処理(ステップS4)を開始することができる。
上述の動作例では、ドライ処理として、オゾンガスを用いたレジスト除去処理が採用されている。レジストは、炭素を含む有機化合物であり、オゾンと反応することで、分解除去される。このようなレジスト除去処理後には、基板Wの上面に炭素が残留し得る。このような残留炭素は、その下地膜(例えばシリコン)が空気中の酸素と反応して酸化することにより、その酸化膜に取り込まれ得るので、時間の経過とともにとともに、炭素の除去が困難となり得る。
基板処理装置1によれば、ドライ処理ユニット20によるレジスト除去処理の後に速やかに基板Wをウェット処理ユニット10に移載し、基板Wに対してウェット処理を行うことができる。よって、残留炭素が除去しやすい状態でウェット処理を開始することができる。したがって、基板Wの残留炭素を適切に除去することができる。
また、基板処理装置1によれば、ウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間には、いわゆるロードロックまたはエアロックと呼ばれる高真空の減圧室が設けられていない。つまり、基板Wは減圧室内の減圧空間を経由せずに、ウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間で移載される。これによっても、ウェット処理ユニット10とドライ処理ユニット20との間の基板Wの搬送時間を短縮することができる。
また、ロードロックまたはエアロックを必要としないので、基板処理装置1のフットプリントを低減させることもできる。
<ドライ処理>
上述の例では、ドライ処理の一例としてレジスト除去処理を説明した。以下では、他のドライ処理について述べる。
<気相エッチング処理(紫外線なし)>
ドライ処理としては、エッチングガスを用いた気相エッチング処理を採用してもよい。この場合のドライ処理ユニット20の構成は例えば図5と同様である。ただし、ガス供給部22は処理ガスとしてエッチングガスをドライ処理空間52に供給する。エッチングガスは基板Wの上面のエッチング対象をエッチング可能なガスであり、例えば、フッ化水素ガスまたはフッ素ガスなどのフッ素元素を含有する反応性ガスを含む。また、エッチングガスは、水蒸気またはアルコールガスなどの水酸基(OH基)を有する添加ガスをさらに含んでもよい。また、エッチングガスは不活性ガスをさらに含んでもよい。
温度調整器211は、基板Wの温度が気相エッチング処理に適した規定範囲内となるように、基板Wの温度を調整する。
基板Wの温度が規定範囲内に調整された状態で、ガス供給部22がエッチングガスをドライ処理空間52に供給する。エッチングガスが基板Wの上面に供給されると、エッチングガスがエッチング対象と反応し、エッチング対象を除去する。このような気相エッチング処理の終了後には、基板Wの上面にフッ素が残留し得る。
ウェット処理ユニット10のノズル12は、処理液として、フッ素を除去するための洗浄薬液(例えば硫酸)を吐出する。これにより、基板Wの上面の残留フッ素を洗浄除去することができる。
この基板処理装置1の動作の一例も図7と同様である。ただし、ステップS2にて、ドライ処理ユニット20は上述のように気相エッチング処理を行う。これにより、基板Wの上面のエッチング対象をエッチングすることができる。気相エッチング処理の終了後において、基板Wの上面にはフッ素が残留し得る。
そこで、気相エッチング処理に続けて、残留フッ素を除去するためのウェット処理を行う。具体的には、移載ユニット30はドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10に基板Wを移載し(ステップS3)、ウェット処理ユニット10はノズル12から硫酸などの洗浄薬液を基板Wの上面に供給して、残留フッ素を基板Wから除去する(ステップS4)。そして、ウェット処理ユニット10は洗浄薬液の供給後にノズル12からリンス液を基板Wの上面に供給し、続けて乾燥処理を行う。
以上のように、基板処理装置1は基板Wにエッチング処理を行うことができる。
さて、残留フッ素が水分と反応すると、基板Wに不具合(例えば欠陥またはパーティクル)を発生させ得るので、速やかに基板Wから残留フッ素を除去することが望まれる。
基板処理装置1によれば、各処理モジュール100において、ウェット処理ユニット10およびドライ処理ユニット20に対応して移載ユニット30が設けられている。よって、移載ユニット30は気相エッチング処理の後、速やかに、ドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10に基板Wを移載することができる。よって、気相エッチング処理の後、速やかに、残留フッ素を除去する洗浄処理を開始することができる。ひいては、基板Wに生じる不具合をより適切に抑制することができる。
<気相エッチング処理(紫外線あり)>
ドライ処理として、紫外線を用いた気相エッチング処理を採用してもよい。この場合のドライ処理ユニット20の構成は、例えば図5の構成に加えて、紫外線を照射する光源を含む。当該光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプおよびUV(ultraviolet)-LED(Light Emitting Diode)などの光源が採用され得る。当該光源は、ドライ処理空間52内に設けられ、エッチングガスに紫外線を照射する。当該光源は、エッチングガスが基板Wに到達する前に、当該エッチングガスに紫外線を供給可能な位置に設けられれば良い。
ガス供給部22は、エッチングガスとして、例えば、フッ素ガスおよび水素ガスを含む混合ガスまたは三フッ化水素(NF3)ガスなどの反応性ガスを含む。
温度調整器211は、基板Wの温度が気相エッチング処理に適した規定範囲内となるように、基板Wの温度を調整する。
基板Wの温度が規定範囲内に調整された状態で、ガス供給部22がエッチングガスをドライ処理空間52に供給しつつ、光源がエッチングガスに向かって紫外線を照射する。紫外線がエッチングガスに照射されると、紫外線がエッチングガスに吸収されてラジカル(例えばフッ素ラジカル)が発生し、当該ラジカルが基板Wの上面のエッチング対象と反応し、エッチング対象を除去する。
このような紫外線を用いた気相エッチング処理の後でも、基板Wの上面にはフッ素が残留し得る。基板処理装置1によれば、気相エッチング処理の後、速やかに、ウェット処理を開始することができるので、残留フッ素を速やかに除去することができる。ひいては、基板Wに生じる不具合をより適切に抑制できる。
<水素還元処理>
基板Wの上面には金属膜が形成される場合があり、しかも、その金属膜の表面が酸化している場合がある。図8は、基板Wに形成された膜構成の一部の一例を概略的に示す断面図である。図8の例では、基板Wの上面には金属膜91、絶縁膜92および絶縁膜93が形成されている。図8の例では、絶縁膜92の上面には凹部が形成されており、金属膜91は当該凹部に埋設するように形成されている。金属膜91が形成された部分以外の絶縁膜92の上面には、絶縁膜93が形成されている。言い換えれば、絶縁膜93には、金属膜91の上面に繋がるビアホール931が形成されている。図8の例では、金属膜91の上面が酸化しており、金属酸化膜91aが形成されている。このような基板Wに対して洗浄薬液(例えばポリマー洗浄液)を供給すると、金属膜91の表面の金属酸化膜91aが洗浄薬液に溶出し、金属膜91が薄膜化する。これにより、金属膜91の抵抗値が規定値よりも高くなり得る。
そこで、基板Wを洗浄するウェット処理に先立って、水素ガスを用いた水素還元処理を基板Wに行う。この場合のドライ処理ユニット20の構成は例えば図5と同様である。ただし、ガス供給部22は、水素ガスを含む処理ガスをドライ処理空間52に供給する。なお、処理ガスには、水素ガス以外のガス(例えば窒素ガスなどの不活性ガス)が含まれてもよい。この処理ガスにおいて、水素ガスの濃度は例えば4vol%以下に設定される。
温度調整器211は、基板Wの温度が水素還元処理に適した規定範囲内となるように、基板Wの温度を調整する。
基板Wの温度が規定範囲内に調整された状態で、ガス供給部22が処理ガスをドライ処理空間52に供給する。処理ガスが基板Wの上面に供給されると、水素ガスが金属酸化膜91aと反応し、金属酸化膜91aを還元する。これにより、金属酸化膜91aは金属膜91の一部に戻る。
また、ウェット処理ユニット10において、ノズル12は処理液として、ポリマー洗浄液等の洗浄薬液を吐出する。
この基板処理装置1の動作の一例も図7と同様である。ただし、ステップS2にて、ドライ処理ユニット20は上述のように基板Wに水素還元処理を行う。これにより、金属酸化膜91aが金属膜91の一部に戻る。
次に、移載ユニット30は基板Wをドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10に移載する(ステップS3)。次に、ウェット処理ユニット10はノズル12からポリマー洗浄液などの洗浄薬液を基板Wの上面に供給し、基板Wを洗浄する(ステップS4)。ウェット処理ユニット10は洗浄薬液の供給後にノズル12からリンス液を基板Wの上面に供給し、続けて乾燥処理を行う。
以上のように、基板処理装置1は金属膜91の薄膜化を抑制しつつ、基板Wに洗浄処理を行うことができる。
さて、水素還元処理の後に金属膜91の表面が再び酸化すると、洗浄処理においてその金属酸化膜が溶出する。よって、水素還元処理の後に速やかに洗浄処理を開始することが望ましい。基板処理装置1によれば、移載ユニット30は水素還元処理の後、速やかに基板Wをドライ処理ユニット20からウェット処理ユニット10に移載することができる。よって、水素還元処理の後、速やかに基板Wに対する洗浄処理を開始することができる。ひいては、金属膜91の不要な薄膜化を適切に抑制することができる。言い換えれば、金属膜91が所定形状から逸脱することを適切に抑制できる。
<異種酸化膜に対する選択エッチング>
基板Wの上面には、異なる成膜方法で複数種類の酸化膜が形成されている場合がある。例えば、基板Wの上面には、熱酸化により成膜された熱酸化膜、および、CVD法により成膜されたCVD酸化膜が混在して形成される場合がある。またこのCVD酸化膜には、不純物がドープされる場合もある。具体的な一例として、ボロンがCVD酸化膜にドープされてBSG膜(Boron Silicon Glass)を形成する場合がある。
ドライ処理としては、熱酸化膜およびCVD酸化膜(ここではBSG膜)の一方に対して他方を選択的にエッチングする気相エッチング処理を採用してもよい。ここでは一例として、熱酸化膜に対してCVD酸化膜をエッチングする。図9は、ドライ処理ユニット20の構成の他の一例を概略的に示す図である。このドライ処理ユニット20でも、図5と同様に、基板載置部21、温度調整器211、ガス供給部22およびドライ吸引管23を含んでいる。
ガス供給部22は処理ガス(エッチングガス)として、フッ化水素ガスおよび水蒸気をドライ処理空間52に供給する。ガス供給部22は、窒素などの不活性ガスをキャリアガスまたは圧力調整用のガスとして、エッチングガスとともに供給してもよい。
図9の例では、2つのドライ吸引管23が設けられている。ドライ吸引管23の吸引口23aは床部42の上面に形成されており、ドライ処理空間52に開口している。しかしながら、1つのドライ吸引管23が設けられてもよく、3つ以上のドライ吸引管23が設けられてもよい。
図9の例では、ドライ吸引管23には、圧力調整バルブ28が設けられている。圧力調整バルブ28は、ドライ吸引管23内の開度を調節することにより、ドライ処理空間52内の圧力を調節する。圧力調整バルブ28は制御部200によって制御される。
図9の例では、ドライ処理ユニット20には、圧力センサ29も設けられている。圧力センサ29は、ドライ処理空間52内の真空度を検出する。圧力センサ29によって検出される真空度が規定の範囲内となるように、制御部200が圧力調整バルブ28を制御してドライ処理空間52内の圧力を調節する。
ドライ処理ユニット20に基板Wが搬入されると、ドライ処理空間52内の真空引きが開始される。圧力調整バルブ28は、ドライ処理空間52内の圧力を一旦、数十Torrから数百Torrに低減させ、その後、圧力を500~700Torrに調整する。圧力を一旦より小さい値に低減させることにより、ドライ処理空間52内の不純物を高い精度で排気し、ドライ処理空間52を清浄化することができる。
また、温度調整器211は、基板Wの温度を例えば25~50℃の範囲に調整する。この温度範囲は、熱酸化膜に対するCVD酸化膜のエッチング比を高めるのに適した範囲である。
圧力および温度が調整されると、ガス供給部22は、フッ化水素ガス、窒素ガスおよび水蒸気をドライ処理空間52に供給する。フッ化水素ガスおよび水蒸気が基板Wの上面に供給されると、フッ化水素ガスおよび水の反応により、フッ化水素イオンが生成され、当該フッ化水素イオンが基板WのCVD酸化膜のエッチングに寄与する。
このような気相エッチング処理後でも、基板Wの上面にフッ素が残留し得るので、速やかに、フッ素を除去するためのウェット処理を開始することが望ましい。基板処理装置1によれば、気相エッチング処理の後、速やかにウェット処理を開始することができるので、残留フッ素を速やかに除去することができる。ひいては、基板Wに生じる不具合をより適切に抑制できる。
<ドライ処理およびウェット処理の順序>
図7の動作例では、ドライ処理に連続してウェット処理を行っている。つまり、ドライ処理の後にウェット処理を行っている。しかしながら、ドライ処理の前にもウェット処理が行われてもよい。つまり、基板Wを洗浄するためのウェット処理を行った後に、続けてドライ処理を行ってもよい。基板Wを洗浄するウェット処理が行われた後には、基板Wの上面が時間の経過とともに例えばパーティクル等によって再び汚染され得るので、ウェット処理の後に速やかにドライ処理を開始することが望まれる。本基板処理装置1によれば、移載ユニット30はウェット処理の後、速やかにドライ処理を開始することができる。
<圧力>
<ウェット吸引管>
図4の例では、ウェット処理ユニット10はウェット吸引管15をさらに含んでいる。ウェット吸引管15の吸引口15aはウェット処理空間51内において開口しており、内壁44の開口44aの近傍に配置される。ここで、ウェット吸引管15の吸引口15aと開口44aとの位置関係を、まず、ウェット吸引管14の吸引口14aを用いて説明しておく。ウェット吸引管15の吸引口15aは、水平方向において、吸引口14aの両方よりも開口44aに近い位置に設けられており、鉛直方向においても、吸引口14aの両方よりも開口44aに近い位置に設けられている。つまり、吸引口15aと開口44aとの間の水平方向における距離は、各吸引口14aと開口44aとの間の水平方向における距離よりも短く、吸引口15aと開口44aとの間の鉛直方向における距離は、各吸引口14aと開口44aとの間の鉛直方向における距離よりも短い。
図10は、ウェット吸引管15の構成の一例を概略的に示す斜視図である。図9では、開口44aも示されている。図10の例では、開口44aは矩形状の形状を有しており、その一辺が鉛直方向に沿うように形成されている。
ウェット吸引管15は、方向D2に沿った側面視において、開口44aよりも外側に位置している。これにより、移載ユニット30による基板Wの搬出入の際に、ウェット吸引管15が移載ユニット30および基板Wと衝突することを回避できる。図10の例では、ウェット吸引管15の吸引口15aは開口44aよりも鉛直下方に配置されており、ウェット吸引管15は吸引口15aから鉛直下方に延在している。
ウェット吸引管15はウェット処理空間51の外部において、吸引機構17に接続される。吸引機構17は例えばポンプを含み、ウェット吸引管15内の雰囲気ガスを吸引する。吸引機構17は制御部200によって制御される。吸引機構17としては、基板処理装置1に専用の吸引機構(例えばポンプ)を採用してもよく、他の装置にも利用され得る工場ユーティリティ設備を採用してもよい。吸引機構17の吸引動作により、開口44aの近傍のガスが吸引口15aに吸引され、ウェット吸引管15を通じて外部に排気される。
なお、図4の例では、ウェット吸引管14に対応して吸引機構16が設けられ、ウェット吸引管15に対応して吸引機構17が設けられているものの、ウェット吸引管14およびウェット吸引管15が共通に接続された吸引機構が設けられてもよい。
ところで、移載ユニット30のハンドが開口44aを通過すると、当該ハンドの移動に伴って、当該ハンドの周囲の雰囲気ガスがハンドの移動方向と同じ方向に移動する。例えば、移載ユニット30がウェット処理空間51から移載空間53へ向かってハンドを移動させると、当該ハンドの移動に伴って、ウェット処理空間51内の雰囲気ガスが移載空間53側に移動し得る。よって、当該ハンドが開口44aを通過する際に、当該通過に伴ってウェット処理空間51内の雰囲気ガスが移載空間53に少し流出し得る。
これに対して、図4の例では、ウェット吸引管15の吸引口15aはウェット処理空間51内の開口44aの近傍に配置されている。よって、ウェット処理空間51において開口44aの近傍の雰囲気ガスを吸引することができる。したがって、ハンドが開口44aを通過する際のウェット処理空間51から移載空間53への雰囲気ガスの流出をさらに抑制することができる。
なお、ウェット吸引管15による吸引動作は、シャッタ61が開いた期間の少なくとも一部において行われればよい。例えば、吸引機構17は、シャッタ61が開き始める以前に吸引動作を開始し、シャッタ61が閉じ終わる以後に吸引動作を終了してもよい。逆に言えば、吸引機構17は、シャッタ61が閉じている期間の少なくとも一部において吸引動作を行わなくてもよい。これによれば、基板Wの移載時におけるウェット処理空間51内の雰囲気ガスの流出を抑制しつつ、吸引機構17による消費電力を低減させることができる。
また図4の例では、ウェット吸引管15は開口44aの下端よりも鉛直下方に位置しており、その吸引口15aは鉛直上方に向かって開口している。つまり、方向D2に沿った側面視において、ウェット吸引管15の吸引口15aは開口44aに向かって開口している。これによれば、開口44aの近傍の雰囲気ガスを吸引しやすい。よって、ウェット処理空間51から移載空間53への雰囲気ガスの流出をさらに抑制することができる。
また、図10の例では、ウェット吸引管15の吸引口15aの幅H11は開口44aの幅H2よりも広い。ここでいう開口44aの幅H2は、移載ユニット30のハンドが開口44aを通過する方向(ここでは方向D2)に垂直、かつ、水平な方向(ここでは配列方向D1)に沿う幅である。吸引口15aの幅H11は、幅H2と同方向に沿う幅である。
図の例では、吸引口15aの幅H11は等幅であるものの、方向D2の各位置で幅H11が相違する場合もあり得る。同様に、開口44aの幅H2も鉛直方向の各位置で相違する場合もあり得る。この場合、少なくとも、吸引口15aの幅H11の最大値が開口45aの幅H2の最小値よりも広く設定され、より好ましくは、幅H11の最小値が幅H2の最大値よりも広く設定される。
これによれば、開口44aを通過しようとする雰囲気ガスの全体を吸引口15aに効果的に流入させることができる。よって、ウェット処理空間51から移載空間53への雰囲気ガスの流出をさらに抑制することができる。
また図10の例では、ウェット吸引管15は扁平な筒状形状を有しており、その吸引口15aは長尺形状を有する。ここで、吸引口15aの幅H12を導入する。幅H12は、配列方向D1に直交する方向D2に沿う幅である。ここでいう長尺形状とは、幅H11が幅H12よりも長い形状である。図10の例では、吸引口15aは長方形形状を有する。このように吸引口15aが配列方向D1に長い長尺形状を有している場合、幅H11を確保しつつも吸引口15aの面積を低減させることができる。これにより、吸引口15a近傍での雰囲気ガスの吸引速度を向上することができ、ウェット処理空間51内の雰囲気ガスをより強力に吸引することができる。よって、ウェット処理空間51から移載空間53へのガスの流出をさらに抑制することができる。
<ドライ吸引管>
図5の例では、ドライ処理ユニット20はドライ吸引管26をさらに含んでいる。このドライ吸引管26の吸引口26aはドライ処理空間52内において開口しており、内壁45の開口45aの近傍に配置される。ここで、ドライ吸引管26の吸引口26aと開口45aとの位置関係を、まず、ドライ吸引管23の吸引口23aを用いて説明しておく。ドライ吸引管26の吸引口26aは、水平方向において、吸引口23aよりも開口45aに近い位置に設けられており、鉛直方向においても、吸引口23aよりも開口45aに近い位置に設けられている。つまり、吸引口26aと開口45aとの間の水平方向における距離は、吸引口23aと開口45aとの間の水平方向における距離よりも短く、吸引口23aと開口45aとの間の鉛直方向における距離は、吸引口23aと開口45aとの間の鉛直方向における距離よりも短い。
ドライ吸引管26と開口45aとの関係は図10のウェット吸引管15と開口44aとの関係と同様である。また、ドライ吸引管26の形状もウェット吸引管15の形状と同様である。よって、ここでは繰り返しの説明を避ける。
ドライ吸引管26はドライ処理空間52の外部において、吸引機構27に接続される。吸引機構27は例えばポンプを含み、ドライ吸引管26内の雰囲気ガスを吸引する。吸引機構27は制御部200によって制御される。吸引機構27としては、基板処理装置1に専用の吸引機構(例えばポンプ)を採用してもよく、他の装置にも利用され得る工場ユーティリティ設備を採用してもよい。吸引機構27の吸引動作により、開口45aの近傍の雰囲気ガスが吸引口26aに吸引され、ドライ吸引管26を通じて外部に排気される。
なお、図5の例では、ドライ吸引管23に対応して吸引機構25が設けられ、ドライ吸引管26に対応して吸引機構27が設けられているものの、ドライ吸引管23およびドライ吸引管26が共通に接続された吸引機構が設けられてもよい。
吸引機構27の吸引動作により、ドライ処理空間52において開口45aの近傍の雰囲気ガスを吸引することができる。したがって、移載ユニット30のハンドがドライ処理空間52から移載空間53に向かって開口45aを通過する際に、ドライ処理空間52から移載空間53への雰囲気ガスの流出をさらに抑制することができる。また図の例では、ドライ吸引管26の吸引口26aはウェット吸引管15の吸引口15aと同様の形状を有しているので、ドライ処理空間52から移載空間53への雰囲気ガスの流出をさらに抑制することができる。
<移載空間53のガス排気>
上述のように、移載空間53内には、駆動機構である移載ユニット30が収容されている。この移載ユニット30の作動によってパーティクルが発生し得る。当該パーティクルが基板Wに付着すると、製品不良を招き得る。そこで、移載空間53内のパーティクルを除去するために、移載空間53内の雰囲気ガスを排気してもよい。
図11は、移載ユニット30の一例を概略的に示す図である。図11の例では、移載空間53内の雰囲気ガスを排気する移載吸引管32が設けられている。移載吸引管32の吸引口32aは移載空間53において開口している。具体的な一例として、移載吸引管32の吸引口32aは筐体40の床部42の上面に形成されており、移載空間53に開口する。
移載吸引管32は吸引機構33に接続されている。吸引機構33は例えばポンプを含んでおり、移載吸引管32内の雰囲気ガスを吸引する。吸引機構33は制御部200によって制御される。吸引機構33の吸引動作により、移載空間53内の雰囲気ガスが吸引口32aに吸引され、移載吸引管32を通じて外部に排気される。なお、吸引機構33としては、基板処理装置1に専用のポンプを採用してもよく、他の装置にも利用され得る工場ユーティリティ設備を採用してもよい。
図11の例では、2つの移載吸引管32が設けられている。一方の移載吸引管32の吸引口32aは、平面視において、移載ユニット30に対して他方の移載吸引管32の吸引口32aと反対側に形成される。なお、移載吸引管32は1つであってもよく、あるいは3つ以上の移載吸引管32が設けられてもよい。
吸引機構33は、移載ユニット30が基板Wを保持しておらず、かつ、シャッタ61,62が閉じている状態で、吸引動作を行う。これによれば、移載空間53内に基板Wが存在していない状態で、移載空間53内の雰囲気ガスが外部に排気され、移載空間53内の圧力が低下する。吸引機構33は、例えば、移載空間53内の圧力がウェット処理空間51およびドライ処理空間52の圧力よりも低い閾値以下となるまで、移載空間53内の雰囲気ガスを吸引する。当該閾値は適宜に設定されればよい。
このような減圧処理により、移載ユニット30の作動によって移載空間53内に生じたパーティクルを外部に排出することができる。したがって、パーティクルが基板Wに付着する可能性を低減させることができる。
パーティクルを外部に排出した後には、吸引機構33は吸引動作を終了する。そして、ガス供給部31による不活性ガスの供給により、移載空間53内の圧力は再び大気圧よりも僅かに大きい値に調整される。これにより、移載空間53内の圧力は再びウェット処理ユニット10内の圧力およびドライ処理ユニット20内の圧力の両方よりも高くなる。移載ユニット30はこの状態で基板Wを移載する。つまり、基板Wの移載時には、基板Wは減圧空間を経由しない。
<処理モジュール間の連結>
隣り合う2つの処理モジュール100の筐体40どうしは互いに着脱可能に連結されてもよい。図2を参照して、例えば筐体40の天井部41は、その上段の筐体40の床部42と着脱可能に連結されてもよい。あるいは、図3を参照して、方向D2において隣接する筐体40の側壁43どうしは互いに着脱可能に連結されてもよい。筐体40を着脱可能に連結する連結部材としては、種々の構成を採用することができ、例えばねじ止め構造などを採用できる。
筐体40どうしが着脱可能であれば、基板処理装置1における処理モジュール100に関する構成を容易に変更することができる。例えば、ある1つの処理モジュール100を容易に取り換えることができる。また処理モジュール100の増設または削減も容易である。
以上のように、基板処理装置1は詳細に説明されたが、上記の説明は、全ての局面において、例示であって、この基板処理装置1がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施の形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
例えば、ドライ処理として、大気圧プラズマを用いたプラズマ処理を採用してもよい。この場合、ドライ処理ユニット20は、大気圧プラズマを生成するための電極と、当該電極に電圧を印加する電圧印加回路とを含む。また、複数のウェット処理ユニット10は互いに同じ種類のウェット処理を行ってもよく、あるいは、少なくとも一つのウェット処理ユニット10が他のウェット処理ユニット10と異なる種類のウェット処理を行ってもよい。ドライ処理ユニット20も同様である。