以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値である。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<着色組成物>
本発明の着色組成物の第1の態様は、有機顔料を含む色材と、樹脂と、フェノール系酸化防止剤のフェノール性ヒドロキシ基を加熱により脱離可能な保護基で保護した化合物Aと、を含む着色組成物であり、着色組成物の全固形分中に色材を40質量%以上含むことを特徴とする。
また、本発明の着色組成物の第2の態様は、有機顔料を含む色材と、樹脂と、式(AO-1)で表される化合物と、を含む着色組成物であり、着色組成物の全固形分中に色材を40質量%以上含むことを特徴とする。
以下、上述した化合物Aと式(AO-1)で表される化合物とを合わせて特定化合物ともいう。
本発明の着色組成物は、着色組成物の全固形分中に有機顔料を含む色材を40質量%以上含有しているにもかかわらず、上述した特定化合物を含むことにより、長期間の加熱処理後も分光変動が小さく、色ムラの発生が抑制された膜を形成することができる。このような効果が得られる詳細な理由は不明であるが、以下によるものであると推測される。
本発明の着色組成物に含まれる上述した特定化合物は、製膜時(例えばポストベーク時など)に保護基が脱離してフェノール性ヒドロキシ基が生成され、酸化防止剤としての機能が発揮されると推測される。そして、特定化合物から生成される酸化防止剤として機能する成分の作用により、高温下での有機顔料の劣化や凝集を抑制することができたと推測される。このため、本発明の着色組成物は、長期間の加熱処理後も分光変動が小さく、色ムラの発生が抑制された膜を形成することができると推測される。
また、酸化防止剤を含む着色組成物を用いて膜を形成する場合、製膜時の加熱や露光などによって酸化防止剤が分解や変性して、膜中に十分な量の酸化防止剤が残存していないことがある。これに対し、上述した特定化合物は、製膜時に保護基が脱離してフェノール性ヒドロキシ基が生成されて、酸化防止剤としての機能が発揮されるものであるため、特定化合物の含有量が少量であっても膜中に十分な量の酸化防止剤として機能する成分を含有させることができる。このため、本発明の着色組成物は処方設計の自由度をより高めることもできる。
本発明の着色組成物は、カラーフィルタ用の着色組成物として好ましく用いられる。
具体的には、カラーフィルタの着色画素形成用の着色組成物として好ましく用いることができる。着色画素としては、赤色画素、緑色画素、青色画素、マゼンタ色画素、シアン色画素および黄色画素などが挙げられ、緑色画素またはシアン色画素であることが好ましい。また、本発明の着色組成物は、固体撮像素子用の着色組成物として好ましく用いることができ、固体撮像素子に用いられるカラーフィルタの着色画素形成用の着色組成物としてより好ましく用いることができる。
以下、本発明の着色組成物に用いられる各成分について説明する。
<<色材>>
本発明の着色組成物は色材を含有する。本発明の着色組成物に含まれる色材は、有機顔料を含む。なお、本明細書において、有機顔料とは有機化合物で構成された顔料のことである。また、本明細書において、顔料とは溶剤に対して溶解しにくい色材を意味する。顔料は、23℃の水100gおよび23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度がいずれも0.1g以下であることが好ましく、0.01g以下であることがより好ましい。
有機顔料の平均一次粒子径は、1~200nmが好ましい。下限は5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。上限は、180nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましい。有機顔料の平均一次粒子径が上記範囲であれば、着色組成物中における有機顔料の分散安定性が良好である。なお、本発明において、有機顔料の一次粒子径は、有機顔料の一次粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた画像写真から求めることができる。具体的には、顔料の一次粒子の投影面積を求め、それに対応する円相当径を顔料の一次粒子径として算出する。また、本発明における平均一次粒子径は、400個の顔料の一次粒子についての一次粒子径の算術平均値とする。また、顔料の一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
有機顔料は有彩色有機顔料であることが好ましい。有彩色有機顔料としては、例えば、黄色顔料、オレンジ色顔料、赤色顔料、緑色顔料、紫色顔料、青色顔料などが挙げられる。本発明で用いられる有機顔料は、緑色顔料、黄色顔料および赤色顔料から選ばれる少なくとも1種を含むものであることが好ましく、緑色顔料を含むものであることがより好ましい。
緑色顔料としては、フタロシアニン化合物、スクアリリウム化合物などが挙げられる。ここで、緑色顔料であるフタロシアニン化合物(フタロシアニン緑色顔料ともいう)は、膜中で熱拡散し易い傾向にあり、加熱後の膜中においてフタロシアニン緑色顔料が凝集して加熱後の膜の分光特性が変動したり、色ムラが生じ易い傾向にあるが、本発明の着色組成物によれば、フタロシアニン緑色顔料を用いた場合であっても、分光特性の変動や色ムラの発生を効果的に抑制することができる。このため、緑色顔料としてフタロシアニン化合物(フタロシアニン緑色顔料)を用いた場合において特に顕著な効果が得られる。
フタロシアニン緑色顔料としては、Cu、Al、Co、Ni、TiまたはZnを中心金属として有するフタロシアニン化合物が挙げられ、本発明の効果がより顕著に奏されるという理由から、フタロシアニン緑色顔料は、Cu、ZnまたはAlを中心金属として有するフタロシアニン化合物であることが更に好ましく、CuまたはZnを中心金属として有するフタロシアニン化合物であることがより一層好ましい。上記中心金属にはさらに配位子が配位していてもよい。また、上記フタロシアニン化合物はハロゲン化フタロシアニン化合物であることが好ましい。ここで、ハロゲン化フタロシアニン化合物とは、ハロゲン原子を置換基として有するフタロシアニン化合物のことである。
緑色顔料の具体例としては、カラーインデックス(C.I.)ピグメントグリーン7,10,36,37,58,59,62,63,64,65,66等が挙げられる。また、緑色顔料として、1分子中のハロゲン原子の平均個数が10~14個であり、かつ、臭素原子の平均個数が8~12個で、塩素原子の平均個数が2~5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/118720号に記載されたフタロシアニン顔料が挙げられる。また、緑色顔料として中国特許出願第106909027号明細書に記載の化合物、国際公開第2012/102395号に記載のリン酸エステルを配位子として有するフタロシアニン化合物、特開2019-008014号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開2018-180023号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開2019-038958号公報に記載の化合物などを用いることもできる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7,36,58,59,62,63が好ましい。
黄色顔料としては、アゾ化合物、アゾメチン化合物、キノフタロン化合物、イソインドリノン化合物、イソインドリン化合物、プテリジン化合物、アントラキノン化合物等が挙げられる。
黄色顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214,215,228,231,232,233,234,235,236等が挙げられる。
また、黄色顔料としては、下記構造のアゾバルビツール酸ニッケル錯体を用いることもできる。
また、黄色顔料として、特開2013-054339号公報の段落番号0011~0034に記載のキノフタロン化合物、特開2014-026228号公報の段落番号0013~0058に記載のキノフタロン化合物、特開2018-062644号公報に記載のイソインドリン化合物、特開2018-203798号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-062578号公報に記載のキノフタロン化合物、特許第6432076号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-155881号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-111757号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2018-040835号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2017-197640号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2016-145282号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014-085565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2014-021139号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-209614号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-209435号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-181015号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-061622号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2013-032486号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2012-226110号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074987号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-081565号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074986号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-074985号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-050420号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2008-031281号公報に記載のキノフタロン化合物、特公昭48-032765号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2019-008014号公報に記載のキノフタロン化合物、特許第6607427号公報に記載のキノフタロン化合物、特開2020-033525号公報に記載の化合物、特開2020-033524号公報に記載の化合物、特開2020-033523号公報に記載の化合物、特開2020-033522号公報に記載の化合物、特開2020-033521号公報に記載の化合物、国際公開第2020/045200号に記載の化合物、国際公開第2020/045199号に記載の化合物、国際公開第2020/045197号に記載の化合物を用いることもできる。また、これらの化合物を多量体化したものも、色価向上の観点から好ましく用いられる。
また、黄色顔料として、下記式(QP1)で表される化合物、および、下記式(QP2)で表される化合物を用いることもできる。
式(QP1)中、X1~X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子を表し、Z1は炭素数1~3のアルキレン基を表す。式(QP1)で表される化合物の具体例としては、特許第6443711号公報の段落番号0016に記載されている化合物が挙げられる。
式(QP2)中、Y1~Y3は、それぞれ独立にハロゲン原子を示す。n、mは0~6の整数、pは0~5の整数を表す。(n+m)は1以上である。式(QP2)で表される化合物の具体例としては、特許6432077号公報の段落番号0047~0048に記載されている化合物が挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー129,138,139,150,185,215が好ましく、C.I.ピグメントイエロー139,150,185がより好ましい。
赤色顔料としては、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、ナフトール化合物、アゾメチン化合物、キサンテン化合物、キナクリドン化合物、ペリレン化合物およびチオインジゴ化合物などが挙げられる。
赤色顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,269,270,272,279,291,294,295,296,297等が挙げられる。また、赤色顔料として、特開2017-201384号公報に記載の構造中に少なくとも1つの臭素原子が置換したジケトピロロピロール化合物、特許第6248838号の段落番号0016~0022に記載のジケトピロロピロール化合物、国際公開第2012/102399号に記載のジケトピロロピロール化合物、国際公開第2012/117965号に記載のジケトピロロピロール化合物、特開2012-229344号公報に記載のナフトールアゾ化合物、特許第6516119号公報に記載の赤色顔料、特許第6525101号公報に記載の赤色顔料などを用いることもできる。また、赤色顔料として、芳香族環に対して酸素原子、硫黄原子または窒素原子が結合した基が導入された芳香族環基がジケトピロロピロール骨格に結合した構造を有する化合物を用いることもできる。
オレンジ色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等が挙げられる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1,19,23,27,32,37,42,60,61等が挙げられる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,29,60,64,66,79,80,87,88等が挙げられる。
各種顔料が有していることが好ましい回折角については、特許第6561862号公報、特許第6413872号公報、特許第6281345号公報、特開2020-026503号公報、特開2020-033526号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
有彩色有機顔料は、2種以上組み合わせて用いてもよい。例えば、本発明の着色組成物をカラーフィルタの緑色画素形成用として用いる場合には、緑色顔料と黄色顔料とを併用することが好ましい。また、緑色顔料と黄色顔料との割合は、緑色顔料100質量部に対して、黄色顔料が10~120質量部であることが好ましく、20~100質量部であることがより好ましく、25~75質量部であることが更に好ましい。
本発明の着色組成物に用いられる色材には、有機顔料に加えて更に染料を用いることもできる。染料としては特に制限はなく、公知の染料が使用できる。例えば、ピラゾールアゾ化合物、アニリノアゾ化合物、トリアリールメタン化合物、アントラキノン化合物、アントラピリドン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、ピロロピラゾールアゾメチン化合物、キサンテン化合物、フタロシアニン化合物、ベンゾピラン化合物、インジゴ化合物、ピロメテン化合物が挙げられる。また、特開2012-158649号公報に記載のチアゾール化合物、特開2011-184493号公報に記載のアゾ化合物、特開2011-145540号公報に記載のアゾ化合物を用いることもできる。また、染料としては、色素多量体を用いることもできる。色素多量体は、一分子中に、色素構造を2以上有するものであり、色素構造を3以上有することが好ましい。上限は、特に限定はないが、100以下とすることもできる。一分子中に有する複数の色素構造は、同一の色素構造であってもよく、異なる色素構造であってもよい。色素多量体の重量平均分子量(Mw)は、2000~50000が好ましい。下限は、3000以上がより好ましく、6000以上がさらに好ましい。上限は、30000以下がより好ましく、20000以下がさらに好ましい。色素多量体は、特開2011-213925号公報、特開2013-041097号公報、特開2015-028144号公報、特開2015-030742号公報、特開2016-102191号公報、国際公開第2016/031442号等に記載されている化合物を用いることもできる。
着色組成物の全固形分中における色材の含有量は、40質量%以上であり、45質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、着色組成物の全固形分中における色材の含有量の上限は、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。
また、着色組成物の全固形分中における有機顔料の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることが更に好ましく、45質量%以上であることが特に好ましい。また、着色組成物の全固形分中における有機顔料の含有量の上限は、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。
また、色材中における有機顔料の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。上限は100質量%以下であってもよい。
<<樹脂>>
本発明の着色組成物は、樹脂を含有する。樹脂は、例えば、顔料を着色組成物中で分散させる用途やバインダーの用途で配合される。なお、主に顔料を分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で使用することもできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000~2000000が好ましい。上限は、1000000以下が好ましく、500000以下がより好ましい。下限は、4000以上が好ましく、5000以上がより好ましい。
樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、特開2017-206689号公報の段落番号0041~0060に記載の樹脂、特開2018-010856号公報の段落番号0022~0071に記載の樹脂を用いることもできる。
本発明において、樹脂として酸基を有する樹脂を用いることが好ましい。酸基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられ、カルボキシル基が好ましい。酸基を有する樹脂は、例えば、アルカリ可溶性樹脂として用いることができる。
酸基を有する樹脂は、酸基を側鎖に有する繰り返し単位を含むことが好ましく、酸基を側鎖に有する繰り返し単位を樹脂の全繰り返し単位中5~70モル%含むことがより好ましい。酸基を側鎖に有する繰り返し単位の含有量の上限は、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。酸基を側鎖に有する繰り返し単位の含有量の下限は、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。
酸基を有する樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および/または下記式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分に由来する繰り返し単位を含むことも好ましい。
式(ED1)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1~25の炭化水素基を表す。
式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1~30の有機基を表す。式(ED2)の詳細については、特開2010-168539号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013-029760号公報の段落番号0317の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明で用いられる樹脂は、下記式(X)で示される化合物に由来する繰り返し単位を含むことも好ましい。
式(X)中、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数2~10のアルキレン基を表し、R3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1~20のアルキル基を表す。nは1~15の整数を表す。
酸基を有する樹脂については、特開2012-208494号公報の段落番号0558~0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0685~0700)の記載、特開2012-198408号公報の段落番号0076~0099の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、酸基を有する樹脂は市販品を用いることもできる。
酸基を有する樹脂の酸価は、5~200mgKOH/gが好ましい。上限は150mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以下であることがより好ましく、80mgKOH/g以下であることが更に好ましい。下限は10mgKOH/g以上であることが好ましく、15mgKOH/g以上であることがより好ましく、20mgKOH/g以上であることが更に好ましい。酸基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000~35000であることが好ましい。上限は25000以下であることが好ましく、20000以下であることがより好ましく、15000以下であることが更に好ましい。下限は、4000以上であることが好ましく、6000以上であることがより好ましく、7000以上であることが更に好ましい。
本発明の着色組成物は、塩基性基を有する樹脂を用いることもできる。塩基性基を有する樹脂は、塩基性基を側鎖に有する繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましく、塩基性基を側鎖に有する繰り返し単位と塩基性基を含まない繰り返し単位とを有する共重合体であることがより好ましく、塩基性基を側鎖に有する繰り返し単位と、塩基性基を含まない繰り返し単位とを有するブロック共重合体であることが更に好ましい。塩基性基を有する樹脂は分散剤として用いることもできる。塩基性基を有する樹脂のアミン価は、5~300mgKOH/gが好ましい。下限は、10mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、200mgKOH/g以下が好ましく、100mgKOH/g以下がより好ましい。塩基性基を有する樹脂としては、特開2014-219665号公報の段落番号0063~0112に記載されたブロック共重合体(B)、特開2018-156021号公報の段落番号0046~0076に記載されたブロック共重合体A1が挙げられる。
本発明の着色組成物は、酸基を有するグラフト樹脂(以下、酸性グラフト樹脂ともいう)を含むことが好ましい。この態様によれば、長期間の加熱処理後の膜の分光変動や、色ムラの発生をより効果的に抑制することができる。このような効果が得られる詳細な理由は不明であるが、次によるものであると推測される。すなわち、製膜時に酸性グラフト樹脂の酸基の作用によって、上述した特定化合物からの保護基の脱離反応が促進されて、膜中に特定化合物から生成される酸化防止剤として機能する成分の含有量を高めることができると推測される。そして、酸性グラフト樹脂のグラフト鎖によって有機顔料の凝集を抑制でき、更には、特定化合物から生成される酸化防止剤として機能する成分の作用により、高温下での有機顔料の劣化や凝集を抑制することができると推測される。このような理由により、長期間の加熱処理後の膜の分光変動や、色ムラの発生をより抑制することができると推測される。
酸性グラフト樹脂は分散剤として好ましく用いることができる。ここで、グラフト樹脂とは、グラフト鎖を有する繰り返し単位を含む樹脂を意味する。また、グラフト鎖とは、繰り返し単位の主鎖から枝分かれして伸びるポリマー鎖のことを意味する。
グラフト鎖は、ポリエステル構造、ポリエーテル構造、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリスチレン構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造およびポリアミド構造から選ばれる少なくとも1種の構造を含むポリマー鎖であることが好ましく、ポリエステル構造、ポリエーテル構造およびポリ(メタ)アクリル構造から選ばれる少なくとも1種の構造を含むポリマー鎖であることがより好ましい。
グラフト鎖の末端構造としては、特に限定されない。水素原子であってもよく、置換基であってもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。なかでも、顔料などの分散性向上の観点から、立体反発効果を有する基が好ましく、炭素数5~24のアルキル基又はアルコキシ基が好ましい。アルキル基およびアルコキシ基は、直鎖、分岐、及び、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
グラフト鎖の重量平均分子量は、500~10000であることが好ましい。上限は、5000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましい。下限は800以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。なお、本明細書において、グラフト鎖の重量平均分子量は、グラフト鎖を有する繰り返し単位の重合に用いた原料モノマーの重量平均分子量から算出した値である。例えば、グラフト鎖を有する繰り返し単位は、マクロモノマーを重合することで形成できる。ここで、マクロモノマーとは、ポリマー末端に重合性基が導入された高分子化合物を意味する。また、原料モノマーの重量平均分子量の値は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値を用いる。
酸性グラフト樹脂が有する酸基としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基が挙げられ、カルボキシル基が好ましい。酸性グラフト樹脂の酸価は、20~150mgKOH/gが好ましい。上限は120mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以下であることがより好ましく、80mgKOH/g以下であることが更に好ましい。下限は25mgKOH/g以上であることが好ましく、30mgKOH/g以上であることがより好ましく、35mgKOH/g以上であることが更に好ましい。
酸性グラフト樹脂の重量平均分子量は、3000~35000であることが好ましい。上限は25000以下であることが好ましく、20000以下であることがより好ましく、15000以下であることが更に好ましい。下限は、4000以上であることが好ましく、6000以上であることがより好ましく、7000以上であることが更に好ましい。
酸性グラフト樹脂としては、グラフト鎖を有する繰り返し単位と酸基を有する繰り返し単位とを含む樹脂、下記の式(Ac-2)で表される繰り返し単位を有する樹脂などが挙げられる。酸性グラフト樹脂は、さらに重合性基を有する繰り返し単位などの他の繰り返し単位を含んでいてもよい。重合性基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などエチレン性不飽和結合含有基が挙げられる。
酸性グラフト樹脂が、グラフト鎖を有する繰り返し単位と、酸基を有する繰り返し単位とを含む樹脂である場合、酸性グラフト樹脂は、酸性グラフト樹脂の全繰り返し単位中にグラフト鎖を有する繰り返し単位を1モル%以上含むことが好ましく、2モル%以上含有することがより好ましく、3モル%以上含有することが更に好ましい。上限は、90モル%とすることもでき、80モル%以下とすることもでき、70モル%以下とすることもでき、60モル%以下とすることもでき、50モル%以下とすることもできる。また、酸性グラフト樹脂は、酸性グラフト樹脂の全繰り返し単位中に酸基を有する繰り返し単位を1モル%以上含むことが好ましく、2モル%以上含有することがより好ましく、3モル%以上含有することが更に好ましい。上限は、90モル%とすることもでき、80モル%以下とすることもでき、70モル%以下とすることもでき、60モル%以下とすることもでき、50モル%以下とすることもできる。
次に、式(Ac-2)で表される繰り返し単位について説明する。
式(Ac-2)中、Ar10は芳香族カルボキシル基を含む基を表し、L11は、-COO-または-CONH-を表し、L12は3価の連結基を表し、P10はポリマー鎖を表す。
式(Ac-2)においてAr10が表す芳香族カルボキシル基を含む基としては、芳香族トリカルボン酸無水物から由来する構造、芳香族テトラカルボン酸無水物から由来する構造などが挙げられる。芳香族トリカルボン酸無水物および芳香族テトラカルボン酸無水物としては、下記構造の化合物が挙げられる。
上記式中、Q1は、単結合、-O-、-CO-、-COOCH2CH2OCO-、-SO2-、-C(CF3)2-、下記式(Q-1)で表される基または下記式(Q-2)で表される基を表す。
Ar10が表す芳香族カルボキシル基を含む基は、重合性基を有していてもよい。重合性基は、エチレン性不飽和結合含有基および環状エーテル基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合含有基であることがより好ましい。Ar10が表す芳香族カルボキシル基を含む基の具体例としては、式(Ar-11)で表される基、式(Ar-12)で表される基、式(Ar-13)で表される基などが挙げられる。
式(Ar-11)中、n1は1~4の整数を表し、1または2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式(Ar-12)中、n2は1~8の整数を表し、1~4の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
式(Ar-13)中、n3およびn4はそれぞれ独立して0~4の整数を表し、0~2の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。ただし、n3およびn4の少なくとも一方は1以上の整数である。
式(Ar-13)中、Q1は、単結合、-O-、-CO-、-COOCH2CH2OCO-、-SO2-、-C(CF3)2-、上記式(Q-1)で表される基または上記式(Q-2)で表される基を表す。
式(Ar-11)~(Ar-13)中、*1はL11との結合位置を表す。
式(Ac-2)においてL11は、-COO-であることが好ましい。
式(Ac-2)においてL12が表す3価の連結基としては、炭化水素基、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-、-S-およびこれらの2種以上を組み合わせた基が挙げられる。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~15が更に好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。芳香族炭化水素基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~10が更に好ましい。炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基などが挙げられる。L12が表す3価の連結基は、式(L12-1)で表される基であることが好ましく、式(L12-2)で表される基であることがより好ましい。
式(L12-1)中、L12bは3価の連結基を表し、X1はSを表し、*1は式(Ac-2)のL11との結合位置を表し、*2は式(Ac-2)のP10との結合位置を表す。L12bが表す3価の連結基としては、炭化水素基;炭化水素基と、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-および-S-から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた基などが挙げられ、炭化水素基または炭化水素基と-O-とを組み合わせた基であることが好ましい。
式(L12-2)中、L12cは3価の連結基を表し、X1はSを表し、*1は式(Ac-2)のL11との結合位置を表し、*2は式(Ac-2)のP10との結合位置を表す。L12cが表す3価の連結基としては、炭化水素基;炭化水素基と、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NH-および-S-から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた基などが挙げられ、炭化水素基であることが好ましい。
式(Ac-2)のP10が表すポリマー鎖は、ポリエステル構造、ポリエーテル構造、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリスチレン構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造およびポリアミド構造から選ばれる少なくとも1種の構造を含むポリマー鎖が挙げられ、ポリエステル構造、ポリエーテル構造およびポリ(メタ)アクリル構造から選ばれる少なくとも1種の構造を含むポリマー鎖であることが好ましい。P10が表すポリマー鎖の重量平均分子量は、500~10000であることが好ましい。上限は、5000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましい。下限は800以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。
P10が表すポリマー鎖は、側鎖にエチレン性不飽和結合含有基を含む繰り返し単位を含むことも好ましい。また、P10を構成する全繰り返し単位中におけるエチレン性不飽和結合含有基を側鎖に含む繰り返し単位の割合は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。上限は、100質量%とすることができ、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
P10が表すポリマー鎖は、酸基を含む繰り返し単位を含むことも好ましい。酸基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられる。P10を構成する全繰り返し単位中における酸基を含む繰り返し単位の割合は、1~30質量%であることが好ましく、2~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
酸性グラフト樹脂の具体例としては、後述する実施例に記載の樹脂B-1~B-7などが挙げられる。また、酸性グラフト樹脂としては、特開2012-255128号公報の段落番号0025~0094に記載された樹脂、特開2012-255128号公報の段落番号0102~0166に記載されたポリイミン樹脂を用いることもできる。
本発明の着色組成物は、分散剤としての樹脂を含むことが好ましい。分散剤としては、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。酸性分散剤(酸性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占める樹脂が好ましく、実質的に酸基のみからなる樹脂がより好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は、40~105mgKOH/gが好ましく、50~105mgKOH/gがより好ましく、60~105mgKOH/gがさらに好ましい。また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。塩基性分散剤(塩基性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%を超える樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミノ基であることが好ましい。
分散剤として用いる樹脂は、コア部に複数個のポリマー鎖が結合した構造の樹脂であることも好ましい。このような樹脂としては、例えばデンドリマー(星型ポリマーを含む)が挙げられる。また、デンドリマーの具体例としては、特開2013-043962号公報の段落番号0196~0209に記載された高分子化合物C-1~C-31などが挙げられる。
また、上述した酸性グラフト樹脂などの樹脂を分散剤として用いることもできる。
また、分散剤として用いる樹脂は、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する繰り返し単位を含む樹脂であることも好ましい。エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全繰り返し単位中10モル%以上であることが好ましく、10~80モル%であることがより好ましく、20~70モル%であることが更に好ましい。
分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、BYKChemie社製のDISPERBYKシリーズ(例えば、DISPERBYK-111、161など)、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパースシリーズ(例えば、ソルスパース76500など)などが挙げられる。また、特開2014-130338号公報の段落番号0041~0130に記載された顔料分散剤を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。なお、上記分散剤として説明した樹脂は、分散剤以外の用途で使用することもできる。例えば、バインダーとして用いることもできる。
着色組成物の全固形分中における樹脂の含有量は、1~45質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
また、着色組成物の全固形分中における酸性グラフト樹脂の含有量は、1~45質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
また、酸性グラフト樹脂の含有量は、特定化合物100質量部に対して100~3000質量部が好ましい。下限は、200質量部以上が好ましく、300質量部以上がより好ましい。上限は、2500質量部以下が好ましく、2000質量部以下がより好ましい。
<<特定化合物>>
本発明の着色組成物は、フェノール系酸化防止剤のフェノール性ヒドロキシ基を加熱により脱離可能な保護基で保護した化合物A、または、式(AO-1)で表される化合物を含む。以下、上述した化合物Aと式(AO-1)で表される化合物とを合わせて特定化合物ともいう。
化合物Aは、180℃以上に加熱されることで保護基が脱離してフェノール性ヒドロキシ基が生成される化合物であることが好ましい。化合物Aにおける上記保護基としては、酸無水物、酸塩化物、tert-ブトキシカルボニル化剤、アルキルハライド化合物、シリルクロライド化合物、アリルエーテル化合物またはメタリルエーテル化合物の反応残基などが挙げられる。保護基の具体例としては、式(AO-1)のR2が表す構造の基が挙げられる。また、保護基の式量はベーク時に揮発して残存しない方が好ましいという理由から30~200であることが好ましく、35~100であることがより好ましく、40~70であることが更に好ましい。
化合物Aは、上記保護基で保護されたフェノール性ヒドロキシ基(以下、保護ヒドロキシ基ともいう)を1分子中に1~10個含む化合物であることが好ましい。下限は2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。上限は6個以下であることが好ましく、4個以下であることがより好ましい。
化合物Aは、式(AO-1)で表される化合物であることが好ましい。
式中、R1は、置換基を表し、
R2は、-COOR11、-CH2-CH=CR12R13、-CH2(-O-LR1)q-O-R14またはSiR15R16R17を表し、
R11、R12、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立してアルキル基を表し、
R13は水素原子またはアルキル基を表し、
LR1はアルキレン基を表し、
qは0または1を表し、
qが1の場合、LR1とR14は結合して環を形成していてもよく、
mは0~4の整数を表し、
nは1~10の整数を表し、
X1はn価の基を表す。
式(AO-1)のR1が表す置換基としては、後述する置換基Tが挙げられ、アルキル基、アリール基、複素環基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。アルキル基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐および環状のいずれでもよいが、脱離後にフェノール系酸化防止剤としての機能が良好であるという理由から分岐または環状であることが好ましく、分岐であることがより好ましい。
式(AO-1)のR2は、-COOR11、-CH2-CH=CR12R13、-CH2(-O-LR1)q-O-R14またはSiR15R16R17を表す。R11、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立してアルキル基を表し、R12およびR13はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、LR1はアルキレン基を表し、qは0または1を表し、qが1の場合、LR1とR14は結合して環を形成していてもよい。
R11が表すアルキル基の炭素数は1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5が更に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐または環状のいずれでもよいが、脱離する温度が適切であるという理由から分岐のアルキル基であることが好ましい。R11が表すアルキル基は置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられ、アリール基であることが好ましい。R11の具体例としては、tert-ブチル基、ベンジル基などが挙げられる。
R12およびR13が表すアルキル基の炭素数は1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5が更に好ましい。R11およびR12が表すアルキル基は直鎖、分岐または環状のいずれでもよいが、より低コストでの製造が可能という理由から直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましく、直鎖のアルキル基であることがより好ましい。なかでも、R12およびR13はそれぞれ独立してアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
R14が表すアルキル基の炭素数は1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5が更に好ましく、1~3が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐または環状のいずれでもよいが、より低コストでの製造が可能という理由から直鎖のアルキル基であることが好ましい。
R15~R17が表すアルキル基の炭素数は1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5が更に好ましく、1~3が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐または環状のいずれでもよいが、より低コストでの製造が可能という理由から直鎖のアルキル基であることが好ましい。
LR1が表すアルキレン基の炭素数は、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5が更に好ましく、1~3が特に好ましい。アルキレン基は直鎖、分岐または環状のいずれでもよいが、より低コストでの製造が可能という理由から直鎖または分岐のアルキレン基であることが好ましい。また、LR1とR14は結合して環を形成していてもよい。なお、「-CH2(-O-LR1)q-O-R14」で表される基において、qが0である場合は、-CH2-O-R14で表される構造の基である。
R2が表す基の具体例としては、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、メトキシメチル基、2-メトキシエトキシメチル基、トリメチルシリル基、-CH2-CH=C(CH3)2、-CH2-CH=CH2などが挙げられ、tert-ブトキシカルボニル基および-CH2-CH=C(CH3)2が好ましい。
式(AO-1)のX1が表すn価の基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-SO2-、-NRX-、-NRXCO-、-CONRX-、-NRXSO2-、-SO2NRX-およびこれらの組み合わせからなる基が挙げられ、RXは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1~20が好ましく、2~20がより好ましく、2~10がさらに好ましく、2~5が特に好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、環状の脂肪族炭化水素基は、単環、多環のいずれであってもよい。芳香族炭化水素基の炭素数は、6~18が好ましく、6~14がより好ましく、6~10がさらに好ましい。芳香族炭化水素基は、単環または縮合数が2~4の縮合環の芳香族炭化水素基であることが好ましい。芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環基であることが好ましい。複素環基は、単環または縮合数が2~4の縮合環が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がより好ましく、3~12がより好ましい。脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよい。置換基としては、後述する置換基Tで挙げた基が挙げられる。また、RXが表すアルキル基の炭素数は1~20が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。RXが表すアルキル基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。RXが表すアリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。RXが表すアリール基はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
X1が表すn価の基は、式(X-1)~(X-4)のいずれかで表される基であることが好ましい。
式(X-1)中、L3は3価の基を表し、T3は単結合又は2価の連結基を表し、3個存在するT3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(X-2)中、L4は4価の基を表し、T4は単結合又は2価の連結基を表し、4個存在するT4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(X-3)中、L5は5価の基を表し、T5は単結合又は2価の連結基を表し、5個存在するT5は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(X-4)中、L6は6価の基を表し、T6は単結合又は2価の連結基を表し、6個存在するT6は互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記式中、*は結合手を表す。
T3~T6が表す2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環基、-NH-、-SO-、-SO2-、-CO-、-O-、-COO-、-OCO-、-S-、-NHCO-、-CONH-、およびこれらの2以上を組み合わせてなる基が挙げられる。
アルキレン基の炭素数は1~20が好ましく、1~10がより好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6~20が好ましく、6~12がより好ましい。
アルキレン基、アリーレン基および複素環基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
L3が表す3価の基としては、上記の2価の連結基から水素原子を1個除いた基が挙げられる。L4が表す4価の基としては、上記の2価の連結基から水素原子を2個除いた基が挙げられる。L5が表す5価の基としては、上記の2価の連結基から水素原子を3個除いた基が挙げられる。L6が表す6価の基としては、上記の2価の連結基から水素原子を4個除いた基が挙げられる。L3~L6が表す3~6価の基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては後述する置換基Tが挙げられる。
式(AO-1)のmは0~4の整数を表し、mは0~3の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、1または2であることが特に好ましい。
式(AO-1)のnは1~10の整数を表し、nの下限は2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。nの上限は6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
(置換基T)
置換基Tとしては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、-ORt1、-CORt1、-COORt1、-OCORt1、-NRt1Rt2、-NRt3CORt1、-CONRt1Rt2、-NRt3CONRt1Rt2、-NRt3COORt1、-SRt1、-SO2Rt1、-SO2ORt1、-NRt3SO2Rt1または-SO2NRt1Rt2が挙げられる。Rt1~Rt3は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。Rt1とRt2が結合して環を形成してもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~30が好ましく、1~15がより好ましく、1~8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルケニル基の炭素数は、2~30が好ましく、2~15がより好ましく、2~8が更に好ましい。
アリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12が更に好ましい。
複素環基は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。複素環基は、単環または縮合数が2~4の縮合環が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。複素環基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がより好ましく、3~12がより好ましい。
アルキル基、アリール基および複素環基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基Tの群から選ばれる基が挙げられる。
特定化合物は、例えば、特開昭57-111375号公報、特開平03-173843号公報、特開平06-128195号公報、特開平07-206771号公報、特開平07-252191号公報、特表2004-501128号公報に記載された方法により製造されたフェノール化合物と、酸無水物、酸塩化物、tert-ブトキシカルボニル化試薬、アルキルハライド化合物、シリルクロライド化合物、アリルエーテル化合物、1-クロロ-3-メチル-2-ブテン等を反応させて得ることができる。特定化合物の具体例としては、後述する実施例に記載の化合物1~6、特開2015-131937号公報の段落番号0106~0109に記載の化合物、特開2015-132791号公報の段落番号0028~0049に記載の化合物、国際公開第2017/170183号の0043~0044に記載の化合物などが挙げられる。
着色組成物の全固形分中における上述した化合物Aの含有量は1~10質量%であることが好ましい。下限は、2.5質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。上限は、8質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。また、有機顔料の100質量部に対して化合物Aを2~25質量部含むことが好ましい。下限は、5.5質量部以上であることが好ましく、7質量部以上であることがより好ましい。上限は、18質量部以下であることが好ましく、13質量部以下であることがより好ましい。本発明の着色組成物において、化合物Aは1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、着色組成物の全固形分中における式(AO-1)で表される化合物の含有量は1~10質量%であることが好ましい。下限は、2.5質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。上限は、8質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。また、有機顔料の100質量部に対して式(AO-1)で表される化合物を2~25質量部含むことが好ましい。下限は、5.5質量部以上であることが好ましく、7質量部以上であることがより好ましい。上限は、18質量部以下であることが好ましく、13質量部以下であることがより好ましい。本発明の着色組成物において、特定化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<酸化防止剤>>
本発明の着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、チオ―テル系酸化防止剤などが挙げられ、フェノール系酸化防止剤であることが好ましい。上述した特定化合物とフェノール系酸化防止剤とを併用することで、着色組成物の保存安定性が良化するという効果が期待できる。フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。フェノール系酸化防止剤は、フェノール性ヒドロキシ基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1~22の置換又は無置換のアルキル基が好ましい。フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブ AO-20、アデカスタブ AO-30、アデカスタブ AO-40、アデカスタブ AO-50、アデカスタブ AO-50F、アデカスタブ AO-60、アデカスタブ AO-60G、アデカスタブ AO-80、アデカスタブ AO-330(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。また、酸化防止剤は、特許第6268967号公報の段落番号0023~0048に記載された化合物を使用することもできる。
着色組成物の全固形分中における酸化防止剤の含有量は、0.001~3質量%であることが好ましい。下限は、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。上限は、1.5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。また、着色組成物の全固形分中におけるフェノール系酸化防止剤の含有量は、0.001~2質量%であることが好ましい。下限は、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。上限は、1.5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
また、着色組成物の全固形分中における上述した特定化合物と酸化防止剤との合計の含有量は1~10質量%であることが好ましい。下限は、2.5質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。上限は、8質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。また、着色組成物の全固形分中における上述した特定化合物とフェノール系酸化防止剤との合計の含有量は1~10質量%であることが好ましい。下限は、2.5質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。上限は、8質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。
また、酸化防止剤の含有量は、上述した特定化合物100質量部に対して0.1~200質量部であることが好ましく、1~100質量部であることがより好ましく、2~50質量部であることが更に好ましい。また、フェノール系酸化防止剤の含有量は、上述した特定化合物100質量部に対して0.1~200質量部であることが好ましく、1~100質量部であることがより好ましく、2~50質量部であることが更に好ましい。上述した特定化合物とフェノール系酸化防止剤との割合が上記範囲であれば着色組成物の保存安定性が良化するという効果が期待できる。
酸化防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合性化合物>>
本発明の着色組成物は、重合性化合物を含有することができる。重合性化合物としては、ラジカル、酸または熱により架橋可能な公知の化合物を用いることができる。本発明で用いられる重合性化合物は、エチレン性不飽和結合含有基を有する化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和結合含有基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。本発明で用いられる重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
重合性化合物としては、モノマー、プレポリマー、オリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよいが、モノマーが好ましい。重合性化合物の分子量は、100~3000が好ましい。上限は、2000以下がより好ましく、1500以下が更に好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上が更に好ましい。
重合性化合物は、エチレン性不飽和結合含有基を3個以上含む化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合含有基を3~15個含む化合物であることがより好ましく、エチレン性不飽和結合含有基を3~6個含む化合物であることが更に好ましい。また、重合性化合物は、3~15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3~6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。重合性化合物の具体例としては、特開2009-288705号公報の段落番号0095~0108、特開2013-029760号公報の段落番号0227、特開2008-292970号公報の段落番号0254~0257、特開2013-253224号公報の段落番号0034~0038、特開2012-208494号公報の段落番号0477、特開2017-048367号公報、特許第6057891号公報、特許第6031807号公報に記載されている化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、NKエステルA-DPH-12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール残基を介して結合している構造の化合物(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。また、重合性化合物としては、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としてはM-460;東亞合成製)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステルA-TMMT)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD HDDA)、RP-1040(日本化薬(株)製)、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)、NKオリゴUA-7200(新中村化学工業(株)製)、8UH-1006、8UH-1012(大成ファインケミカル(株)製)、ライトアクリレートPOB-A0(共栄社化学(株)製)などを用いることもできる。
重合性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能の(メタ)アクリレート化合物を用いることも好ましい。3官能の(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、アロニックスM-309、M-310、M-321、M-350、M-360、M-313、M-315、M-306、M-305、M-303、M-452、M-450(東亞合成(株)製)、NKエステル A9300、A-GLY-9E、A-GLY-20E、A-TMM-3、A-TMM-3L、A-TMM-3LM-N、A-TMPT、TMPT(新中村化学工業(株)製)、KAYARAD GPO-303、TMPTA、THE-330、TPA-330、PET-30(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
重合性化合物としては、酸基を有する重合性化合物を用いることもできる。酸基としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、カルボキシル基が好ましい。酸基を有する重合性化合物の市販品としては、アロニックスM-510、M-520、アロニックスTO-2349(東亞合成(株)製)等が挙げられる。酸基を有する重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1~40mgKOH/gであり、より好ましくは5~30mgKOH/gである。重合性化合物の酸価が0.1mgKOH/g以上であれば、現像液に対する溶解性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば、製造や取扱い上、有利である。
重合性化合物としては、カプロラクトン構造を有する重合性化合物を用いることもできる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120等が挙げられる。
重合性化合物としては、アルキレンオキシ基を有する重合性化合物を用いることもできる。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物は、エチレンオキシ基および/またはプロピレンオキシ基を有する重合性化合物が好ましく、エチレンオキシ基を有する重合性化合物がより好ましく、エチレンオキシ基を4~20個有する3~6官能(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましい。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ基を4個有する4官能(メタ)アクリレートであるSR-494、イソブチレンオキシ基を3個有する3官能(メタ)アクリレートであるKAYARAD TPA-330などが挙げられる。
重合性化合物としては、フルオレン骨格を有する重合性化合物を用いることもできる。フルオレン骨格を有する重合性化合物の市販品としては、オグソールEA-0200、EA-0300(大阪ガスケミカル(株)製、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレートモノマー)などが挙げられる。
重合性化合物としては、トルエンなどの環境規制物質を実質的に含まない化合物を用いることも好ましい。このような化合物の市販品としては、KAYARAD DPHA LT、KAYARAD DPEA-12 LT(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
重合性化合物としては、特公昭48-041708号公報、特開昭51-037193号公報、特公平02-032293号公報、特公平02-016765号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特公昭58-049860号公報、特公昭56-017654号公報、特公昭62-039417号公報、特公昭62-039418号公報に記載されたエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物、特開昭63-277653号公報、特開昭63-260909号公報、特開平01-105238号公報に記載された分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物を用いることも好ましい。また、重合性化合物としては、UA-7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA-40H(日本化薬(株)製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600、LINC-202UA(共栄社化学(株)製)などの市販品を用いることもできる。
着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量は0.1~50質量%であることが好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。本発明の着色組成物において、重合性化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<光重合開始剤>>
本発明の着色組成物は光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視光領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物などが挙げられる。光重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン-ベンゼン-鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3-アリール置換クマリン化合物であることが好ましく、オキシム化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物であることがより好ましく、オキシム化合物であることが更に好ましい。また、光重合開始剤としては、特開2014-130173号公報の段落0065~0111、特許第6301489号公報に記載された化合物、MATERIAL STAGE 37~60p,vol.19,No.3,2019に記載されたパーオキサイド系光重合開始剤、国際公開第2018/221177号に記載の光重合開始剤、国際公開第2018/110179号に記載の光重合開始剤、特開2019-043864号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-044030号公報に記載の光重合開始剤、特開2019-167313号公報に記載の過酸化物系開始剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
α-ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、Omnirad 184、Omnirad 1173、Omnirad 2959、Omnirad 127(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 184、Irgacure 1173、Irgacure 2959、Irgacure 127(以上、BASF社製)などが挙げられる。α-アミノケトン化合物の市販品としては、Omnirad 907、Omnirad 369、Omnirad 369E、Omnirad 379EG(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 907、Irgacure 369、Irgacure 369E、Irgacure 379EG(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、Omnirad 819、Omnirad TPO(以上、IGM Resins B.V.社製)、Irgacure 819、Irgacure TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。
オキシム化合物としては、特開2001-233842号公報に記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653-1660)に記載の化合物、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156-162)に記載の化合物、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202-232)に記載の化合物、特開2000-066385号公報に記載の化合物、特表2004-534797号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、特開2017-019766号公報に記載の化合物、特許第6065596号公報に記載の化合物、国際公開第2015/152153号に記載の化合物、国際公開第2017/051680号に記載の化合物、特開2017-198865号公報に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0038に記載の化合物、国際公開第2013/167515号に記載の化合物などが挙げられる。オキシム化合物の具体例としては、3-ベンゾイルオキシイミノブタン-2-オン、3-アセトキシイミノブタン-2-オン、3-プロピオニルオキシイミノブタン-2-オン、2-アセトキシイミノペンタン-3-オン、2-アセトキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ベンゾイルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、3-(4-トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン-2-オン、及び2-エトキシカルボニルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オンなどが挙げられる。市販品としては、Irgacure OXE01、Irgacure OXE02、Irgacure OXE03、Irgacure OXE04(以上、BASF社製)、TR-PBG-304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカオプトマーN-1919((株)ADEKA製、特開2012-014052号公報に記載の光重合開始剤2)が挙げられる。また、オキシム化合物としては、着色性が無い化合物や、透明性が高く変色し難い化合物を用いることも好ましい。市販品としては、アデカアークルズNCI-730、NCI-831、NCI-930(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014-137466号公報に記載の化合物、特許06636081号に記載の化合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、カルバゾール環の少なくとも1つのベンゼン環がナフタレン環となった骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。そのようなオキシム化合物の具体例としては、国際公開第2013/083505号に記載の化合物が挙げられる。
光重合開始剤としては、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010-262028号公報に記載の化合物、特表2014-500852号公報に記載の化合物24、36~40、特開2013-164471号公報に記載の化合物(C-3)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013-114249号公報の段落番号0031~0047、特開2014-137466号公報の段落番号0008~0012、0070~0079に記載されている化合物、特許4223071号公報の段落番号0007~0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI-831((株)ADEKA製)が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。具体例としては、国際公開第2015/036910号に記載されているOE-01~OE-75が挙げられる。
光重合開始剤としては、カルバゾール骨格にヒドロキシ基を有する置換基が結合したオキシム化合物を用いることもできる。このような光重合開始剤としては国際公開第2019/088055号に記載された化合物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、芳香族環に電子求引性基が導入された芳香族環基ArOX1を有するオキシム化合物(以下、オキシム化合物OXともいう)を用いることもできる。上記芳香族環基ArOX1が有する電子求引性基としては、アシル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基が挙げられ、アシル基およびニトロ基が好ましく、耐光性に優れた膜を形成しやすいという理由からアシル基であることがより好ましく、ベンゾイル基であることが更に好ましい。ベンゾイル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルケニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アシル基またはアミノ基であることが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基またはアミノ基であることがより好ましく、アルコキシ基、アルキルスルファニル基またはアミノ基であることが更に好ましい。
オキシム化合物OXは、式(OX1)で表される化合物および式(OX2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、式(OX2)で表される化合物であることがより好ましい。
式中、RX1は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、ホスフィノイル基、カルバモイル基またはスルファモイル基を表し、
RX2は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基またはアミノ基を表し、
RX3~RX14は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す;
ただし、RX10~RX14のうち少なくとも一つは、電子求引性基である。
上記式において、RX12が電子求引性基であり、RX10、RX11、RX13、RX14は水素原子であることが好ましい。
オキシム化合物OXの具体例としては、特許第4600600号公報の段落番号0083~0105に記載の化合物が挙げられる。
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、波長350~500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、波長360~480nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物がより好ましい。また、オキシム化合物の波長365nm又は波長405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、高いことが好ましく、1000~300000であることがより好ましく、2000~300000であることが更に好ましく、5000~200000であることが特に好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、分光光度計(Varian社製Cary-5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤としては、2官能あるいは3官能以上の光ラジカル重合開始剤を用いてもよい。そのような光ラジカル重合開始剤を用いることにより、光ラジカル重合開始剤の1分子から2つ以上のラジカルが発生するため、良好な感度が得られる。また、非対称構造の化合物を用いた場合においては、結晶性が低下して溶剤などへの溶解性が向上して、経時で析出しにくくなり、着色組成物の経時安定性を向上させることができる。2官能あるいは3官能以上の光ラジカル重合開始剤の具体例としては、特表2010-527339号公報、特表2011-524436号公報、国際公開第2015/004565号、特表2016-532675号公報の段落番号0407~0412、国際公開第2017/033680号の段落番号0039~0055に記載されているオキシム化合物の2量体、特表2013-522445号公報に記載されている化合物(E)および化合物(G)、国際公開第2016/034963号に記載されているCmpd1~7、特表2017-523465号公報の段落番号0007に記載されているオキシムエステル類光開始剤、特開2017-167399号公報の段落番号0020~0033に記載されている光開始剤、特開2017-151342号公報の段落番号0017~0026に記載されている光重合開始剤(A)、特許第6469669号公報に記載されているオキシムエステル光開始剤などが挙げられる。
着色組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量は0.1~30質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。本発明の着色組成物において、光重合開始剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<環状エーテル基を有する化合物>>
本発明の着色組成物は、環状エーテル基を有する化合物を含有することができる。環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。環状エーテル基を有する化合物は、エポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合物ともいう)であることが好ましい。エポキシ化合物としては、特開2013-011869号公報の段落番号0034~0036、特開2014-043556号公報の段落番号0147~0156、特開2014-089408号公報の段落番号0085~0092に記載された化合物、特開2017-179172号公報に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
エポキシ化合物は、低分子化合物(例えば、分子量2000未満、さらには、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)でもよい。エポキシ化合物の重量平均分子量は、200~100000が好ましく、500~50000がより好ましい。重量平均分子量の上限は、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましい。
エポキシ化合物としては、エポキシ樹脂を好ましく用いることができる。エポキシ樹脂としては、例えばフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、エポキシ基をもつケイ素化合物とそれ以外のケイ素化合物との縮合物、エポキシ基を持つ重合性不飽和化合物とそれ以外の他の重合性不飽和化合物との共重合体等が挙げられる。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、310~3300g/eqであることが好ましく、310~1700g/eqであることがより好ましく、310~1000g/eqであることが更に好ましい。
環状エーテル基を有する化合物の市販品としては、例えば、EHPE3150((株)ダイセル製)、EPICLON N-695(DIC(株)製)、マープルーフG-0150M、G-0105SA、G-0130SP、G-0250SP、G-1005S、G-1005SA、G-1010S、G-2050M、G-01100、G-01758(以上、日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)等が挙げられる。
着色組成物の全固形分中における環状エーテル基を有する化合物の含有量は、0.1~20質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は、例えば、15質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。環状エーテル基を有する化合物は1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<顔料誘導体>>
本発明の着色組成物は、顔料誘導体を含有することが好ましい。顔料誘導体としては、色素骨格に酸基または塩基性基が結合した構造を有する化合物が挙げられる。顔料誘導体を構成する色素骨格としては、キノリン色素骨格、ベンゾイミダゾロン色素骨格、ベンゾイソインドール色素骨格、ベンゾチアゾール色素骨格、イミニウム色素骨格、スクアリリウム色素骨格、クロコニウム色素骨格、オキソノール色素骨格、ピロロピロール色素骨格、ジケトピロロピロール色素骨格、アゾ色素骨格、アゾメチン色素骨格、フタロシアニン色素骨格、ナフタロシアニン色素骨格、アントラキノン色素骨格、ジアントラキノン色素骨格、キナクリドン色素骨格、ジオキサジン色素骨格、ペリノン色素骨格、ペリレン色素骨格、チアジンインジゴ色素骨格、チオインジゴ色素骨格、イソインドリン色素骨格、イソインドリノン色素骨格、キノフタロン色素骨格、イミニウム色素骨格、ジチオール色素骨格、トリアリールメタン色素骨格、ピロメテン色素骨格等が挙げられ、フタロシアニン色素骨格、ジケトピロロピロール色素骨格、ベンゾイソインドール色素骨格、アントラキノン色素骨格、ジアントラキノン色素骨格、チアジンインジゴ色素骨格、アゾ色素骨格、キノフタロン色素骨格またはキナクリドン色素骨格であることが好ましく、フタロシアニン色素骨格またはジケトピロロピロール色素骨格であることがより好ましい。すなわち、顔料誘導体はフタロシアニン化合物またはジケトピロロピロール化合物であることが好ましい。酸基としては、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基及びこれらの塩が挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、アルカリ金属イオン(Li+、Na+、K+など)、アルカリ土類金属イオン(Ca2+、Mg2+など)、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。塩基性基としては、アミノ基、ピリジニル基およびその塩、アンモニウム基の塩、並びにフタルイミドメチル基が挙げられる。塩を構成する原子または原子団としては、水酸化物イオン、ハロゲンイオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、フェノキシドイオンなどが挙げられる。
顔料誘導体としては、可視透明性に優れた顔料誘導体(以下、透明顔料誘導体ともいう)を含有することもできる。透明顔料誘導体の400~700nmの波長領域におけるモル吸光係数の最大値(εmax)は3000L・mol-1・cm-1以下であることが好ましく、1000L・mol-1・cm-1以下であることがより好ましく、100L・mol-1・cm-1以下であることがさらに好ましい。εmaxの下限は、例えば1L・mol-1・cm-1以上であり、10L・mol-1・cm-1以上でもよい。
顔料誘導体の具体例としては、後述する実施例に記載の化合物、特開昭56-118462号公報、特開昭63-264674号公報、特開平01-217077号公報、特開平03-009961号公報、特開平03-026767号公報、特開平03-153780号公報、特開平03-045662号公報、特開平04-285669号公報、特開平06-145546号公報、特開平06-212088号公報、特開平06-240158号公報、特開平10-030063号公報、特開平10-195326号公報、国際公開第2011/024896号の段落番号0086~0098、国際公開第2012/102399号の段落番号0063~0094、国際公開第2017/038252号の段落番号0082、特開2015-151530号公報の段落番号0171、特開2011-252065号公報の段落番号0162~0183、特開2003-081972号公報、特許第5299151号公報、特開2015-172732号公報、特開2014-199308号公報、特開2014-085562号公報、特開2014-035351号公報、特開2008-081565号公報に記載の化合物が挙げられる。
着色組成物の全固形分中における顔料誘導体の含有量は0.3~20質量%であることが好ましい。下限は0.6質量%以上であることが好ましく、0.9質量%以上であることがより好ましい。上限は15質量%以下であることが好ましく、12.5質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。また、顔料誘導体の含有量は有機顔料100質量部に対して1~30質量部であることが好ましい。下限は2質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましい。上限は、25質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。本発明の着色組成物において、顔料誘導体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合はそれらの合計量が上記範囲であることが好ましい。
<<特定アミン化合物>>
本発明の着色組成物は、1分子中に塩基性基を3個以上含み、アミン価が2.7mmol/g以上で、分子量が100以上の化合物(以下特定アミン化合物ともいう)を含有することもできる。
特定アミン化合物の分子量は、200以上であることが好ましく、250以上であることがより好ましい。上限は、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、10000以下であることが更に好ましく、2000以下であることが特に好ましい。なお、特定アミン化合物の分子量の値について、構造式から分子量が計算できる場合は、特定アミン化合物の分子量は構造式から計算した値である。一方、特定アミン化合物の分子量が構造式から計算できない、あるいは、計算が困難な場合には、沸点上昇法で測定した数平均分子量の値を用いる。また、沸点上昇法でも測定できない、あるいは、測定が困難な場合は、粘度法で測定した数平均分子量の値を用いる。また、粘度法でも測定できない、あるいは、粘度法での測定が困難な場合は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値での数平均分子量の値を用いる。
特定アミン化合物のアミン価は5mmol/g以上であることが好ましく、10mmol/g以上であることがより好ましく、15mmol/g以上であることが更に好ましい。
特定アミン化合物に含まれる塩基性基の数は4個以上であることが好ましく、6個以上であることがより好ましく、10個以上であることが更に好ましい。
特定アミン化合物が有する塩基性基は、アミノ基であることが好ましい。また、特定アミン化合物は、1級アミノ基を有する化合物であることが好ましく、1級アミノ基と、3級アミノ基とをそれぞれ含む化合物であることがより好ましく、1級アミノ基と2級アミノ基と3級アミノ基とをそれぞれ含む化合物であることが更に好ましい。
また、特定アミン化合物が有するアミノ基は、環状アミノ基であってもよい。環状アミノ基は、ピペリジノ基等のような脂肪族環状アミノ基であってもよく、ピリジル基等のような芳香族環状アミノ基であってもよい。環状アミノ基は、5員環又は6員環構造を有する環状アミノ基であることが好ましく、6員環構造を有する環状アミノ基であることがより好ましく、6員環構造を有する脂肪族環状アミノ基であることが更に好ましい。環状アミノ基は、ヒンダードアミン構造を有することが好ましく、6員環のヒンダードアミン構造を有することが特に好ましい。ヒンダードアミン構造としては、環状アミノ基の窒素原子に隣接する環構造における2つの炭素原子にアルキル基等の置換基を有することが好ましい。ヒンダードアミン構造を有する環状アミノ基としては、例えば、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル基、2,2,6,6-テトラメチルピペリジル基、1,2,6,6-トリメチルピペリジル基、2,6-ジメチルピペリジル基、1-メチル-2,6-ジ(t-ブチル)ピペリジル基、2,6-ジ(t-ブチル)ピペリジル基、1,2,2,5,5-ペンタメチルピロリジル基、2,2,5,5-テトラメチルピロリジル基等が挙げられる。なかでも、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル基、又は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジル基が好ましく、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル基がより好ましい。
特定アミン化合物としては、着色組成物の保存安定性をより向上できるという理由から、ポリアルキレンイミンであることが好ましい。ポリアルキレンイミンとは、アルキレンイミンを開環重合したポリマーであって1級アミノ基と、2級アミノ基と、3級アミノ基とをそれぞれ含む分岐構造を有するポリマーである。アルキレンイミンの炭素数は2~6が好ましく、2~4がより好ましく、2または3であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。アルキレンイミンの具体例としては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2-ブチレンイミン、2,3-ブチレンイミンなどが挙げられ、エチレンイミンまたはプロピレンイミンであることが好ましく、エチレンイミンであることがより好ましい。ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミンであることが特に好ましい。また、ポリエチレンイミンは、1級アミノ基を、1級アミノ基と2級アミノ基と3級アミノ基との合計に対して10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むことがより好ましく、30モル%以上含むことが更に好ましい。ポリエチレンイミンの市販品としては、エポミンSP-003、SP-006、SP-012、SP-018、SP-200、P-1000(以上、(株)日本触媒製)などが挙げられる。
着色組成物の全固形分中における特定アミン化合物の含有量は0.1~5質量%であることが好ましい。下限は0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが更に好ましい。上限は4.5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。
また、特定アミン化合物の含有量は、顔料100質量部に対して0.5~10質量部であることが好ましい。下限は0.6質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることが更に好ましい。上限は8質量部以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。
また、特定アミン化合物の含有量は、酸基を有するグラフト樹脂の100質量部に対して0.5~50質量部であることが好ましい。下限は0.6質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることが更に好ましい。上限は45質量部以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量部以下であることが更に好ましい。
<<溶剤>>
本発明の着色組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。有機溶剤としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの詳細については、国際公開第2015/166779号の段落番号0223を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、環状アルキル基が置換したエステル系溶剤、環状アルキル基が置換したケトン系溶剤も好ましく用いることもできる。有機溶剤の具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジクロロメタン、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、3-ペンタノン、4-ヘプタノン、シクロヘキサノン、2-メチルシクロヘキサノン、3-メチルシクロヘキサノン、4-メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、酢酸シクロヘキシル、シクロペンタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、プロピレングリコールジアセテート、3-メトキシブタノール、メチルエチルケトン、ガンマブチロラクトン、スルホラン、アニソール、1,4-ジアセトキシブタン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、二酢酸ブタン-1,3-ジイル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。ただし有機溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
本発明においては、金属含有量の少ない有機溶剤を用いることが好ましく、有機溶剤の金属含有量は、例えば10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルの有機溶剤を用いてもよく、そのような有機溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
有機溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。ろ過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましい。フィルタの材質は、ポリテトラフロロエチレン、ポリエチレンまたはナイロンが好ましい。
有機溶剤には、異性体(原子数が同じであるが構造が異なる化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
有機溶剤中の過酸化物の含有率は0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。
着色組成物中における溶剤の含有量は、10~95質量%であることが好ましく、20~90質量%であることがより好ましく、30~90質量%であることが更に好ましい。
また、本発明の着色組成物は、環境規制の観点から環境規制物質を実質的に含有しないことが好ましい。なお、本発明において、環境規制物質を実質的に含有しないとは、着色組成物中における環境規制物質の含有量が50質量ppm以下であることを意味し、30質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることが更に好ましく、1質量ppm以下であることが特に好ましい。環境規制物質は、例えばベンゼン;トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン類;クロロベンゼン等のハロゲン化ベンゼン類等が挙げられる。これらは、REACH(Registration Evaluation Authorization and Restriction of CHemicals)規則、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)法、VOC(Volatile Organic Compounds)規制等のもとに環境規制物質として登録されており、使用量や取り扱い方法が厳しく規制されている。これらの化合物は、着色組成物に用いられる各成分などを製造する際に溶媒として用いられることがあり、残留溶媒として着色組成物中に混入することがある。人への安全性、環境への配慮の観点よりこれらの物質は可能な限り低減することが好ましい。環境規制物質を低減する方法としては、系中を加熱や減圧して環境規制物質の沸点以上にして系中から環境規制物質を留去して低減する方法が挙げられる。また、少量の環境規制物質を留去する場合においては、効率を上げる為に該当溶媒と同等の沸点を有する溶媒と共沸させることも有用である。また、ラジカル重合性を有する化合物を含有する場合、減圧留去中にラジカル重合反応が進行して分子間で架橋してしまうことを抑制するために重合禁止剤等を添加して減圧留去してもよい。これらの留去方法は、原料の段階、原料を反応させた生成物(例えば重合した後の樹脂溶液や多官能モノマー溶液)の段階、またはこれらの化合物を混ぜて作製した着色組成物の段階などのいずれの段階でも可能である。
<<硬化促進剤>>
本発明の着色組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、チオール化合物、メチロール化合物、アミン化合物、ホスホニウム塩化合物、アミジン塩化合物、アミド化合物、塩基発生剤、イソシアネート化合物、アルコキシシラン化合物、オニウム塩化合物などが挙げられる。硬化促進剤の具体例としては、国際公開第2018/056189号の段落番号0094~0097に記載の化合物、特開2015-034963号公報の段落番号0246~0253に記載の化合物、特開2013-041165号公報の段落番号0186~0251に記載の化合物、特開2014-055114号公報に記載のイオン性化合物、特開2012-150180号公報の段落番号0071~0080に記載の化合物、特開2011-253054号公報に記載のエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物、特許第5765059号公報の段落番号0085~0092に記載の化合物、特開2017-036379号公報に記載のカルボキシル基含有エポキシ硬化剤などが挙げられる。硬化促進剤を含有する場合、着色組成物の全固形分中における硬化促進剤の含有量は0.3~8.9質量%が好ましく、0.8~6.4質量%がより好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の着色組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は、共役ジエン化合物、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、インドール化合物、トリアジン化合物などを用いることができる。これらの詳細については、特開2012-208374号公報の段落番号0052~0072、特開2013-068814号公報の段落番号0317~0334、特開2016-162946号公報の段落番号0061~0080に記載された化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。紫外線吸収剤の市販品としては、UV-503(大東化学(株)製)などが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としては、ミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)が挙げられる。また、紫外線吸収剤は、特許第6268967号公報の段落番号0049~0059に記載された化合物を用いることもできる。着色組成物の全固形分中における紫外線吸収剤の含有量は、0.01~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましい。本発明の着色組成物において、紫外線吸収剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合禁止剤>>
本発明の着色組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、p-メトキシフェノールが好ましい。重合禁止剤を含有する場合、着色組成物の全固形分中における重合禁止剤の含有量は、0.0001~5質量%が好ましい。重合禁止剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<シランカップリング剤>>
本発明の着色組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応及び縮合反応の少なくともいずれかによってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基、フェニル基などが挙げられ、アミノ基、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-602)、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-603)、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBE-602)、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-903)、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBE-903)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-502)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名 KBM-503)等がある。また、シランカップリング剤の具体例については、特開2009-288703号公報の段落番号0018~0036に記載の化合物、特開2009-242604号公報の段落番号0056~0066に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。シランカップリング剤を含有する場合、着色組成物の全固形分中におけるシランカップリング剤の含有量は、0.01~15.0質量%が好ましく、0.05~10.0質量%がより好ましい。シランカップリング剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明の着色組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。界面活性剤については、国際公開第2015/166779号の段落番号0238~0245に記載された界面活性剤が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、界面活性剤はフッ素系界面活性剤であることが好ましい着色組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで液特性(特に、流動性)がより向上し、省液性をより改善することができる。また、厚みムラの小さい膜を形成することもできる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3~40質量%が好適であり、より好ましくは5~30質量%であり、特に好ましくは7~25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、着色組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、特開2014-041318号公報の段落番号0060~0064(対応する国際公開第2014/017669号の段落番号0060~0064)等に記載の界面活性剤、特開2011-132503号公報の段落番号0117~0132に記載の界面活性剤、特開2020-008634号公報に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF-171、F-172、F-173、F-176、F-177、F-141、F-142、F-143、F-144、F-437、F-475、F-477、F-479、F-482、F-554、F-555-A、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-565、F-563、F-568、F-575、F-780、EXP、MFS-330、R-41、R-41-LM、R-01、R-40、R-40-LM、RS-43、TF-1956、RS-90、R-94、RS-72-K、DS-21(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-382、SC-101、SC-103、SC-104、SC-105、SC-1068、SC-381、SC-383、S-393、KH-40(以上、AGC(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)、フタージェント710FM、610FM、601AD、601ADH2、602A、215M、245F(以上、株)NEOS製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))、例えばメガファックDS-21が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素化アルキル基またはフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体を用いることも好ましい。このようなフッ素系界面活性剤は、特開2016-216602号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011-089090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。また、特開2010-032698号公報の段落番号0016~0037に記載されたフッ素含有界面活性剤や、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3000~50000であり、例えば、14000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
また、フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010-164965号公報の段落番号0050~0090および段落番号0289~0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K等が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤は、特開2015-117327号公報の段落番号0015~0158に記載の化合物を用いることもできる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW-101、NCW-1001、NCW-1002(富士フイルム和光純薬工業製)、パイオニンD-6112、D-6112-W、D-6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP-341、KF-6001、KF-6002(以上、信越シリコーン株式会社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
着色組成物の全固形分中における界面活性剤の含有量は、0.001質量%~5.0質量%が好ましく、0.005~3.0質量%がより好ましい。本発明の着色組成物において、界面活性剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他成分>>
本発明の着色組成物は、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、可塑剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を含有してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012-003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008-250074号公報の段落番号0101~0104、0107~0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物は、耐光性改良剤を含んでもよい。耐光性改良剤としては、特開2017-198787号公報の段落番号0036~0037に記載の化合物、特開2017-146350号公報の段落番号0029~0034に記載の化合物、特開2017-129774号公報の段落番号0036~0037、0049~0052に記載の化合物、特開2017-129674号公報の段落番号0031~0034、0058~0059に記載の化合物、特開2017-122803号公報の段落番号0036~0037、0051~0054に記載の化合物、国際公開第2017/164127号の段落番号0025~0039に記載の化合物、特開2017-186546号公報の段落番号0034~0047に記載の化合物、特開2015-025116号公報の段落番号0019~0041に記載の化合物、特開2012-145604号公報の段落番号0101~0125に記載の化合物、特開2012-103475号公報の段落番号0018~0021に記載の化合物、特開2011-257591号公報の段落番号0015~0018に記載の化合物、特開2011-191483号公報の段落番号0017~0021に記載の化合物、特開2011-145668号公報の段落番号0108~0116に記載の化合物、特開2011-253174号公報の段落番号0103~0153に記載の化合物などが挙げられる。
本発明の着色組成物は、顔料などと結合または配位していない遊離の金属の含有量が100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることが更に好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。この態様によれば、顔料分散性の安定化(凝集抑止)、分散性良化に伴う分光特性の向上、硬化性成分の安定化、金属原子・金属イオンの溶出に伴う導電性変動の抑止、表示特性の向上などの効果が期待できる。また、特開2012-153796号公報、特開2000-345085号公報、特開2005-200560号公報、特開平08-043620号公報、特開2004-145078号公報、特開2014-119487号公報、特開2010-083997号公報、特開2017-090930号公報、特開2018-025612号公報、特開2018-025797号公報、特開2017-155228号公報、特開2018-036521号公報などに記載された効果も得られる。上記の遊離の金属の種類としては、Na、K、Ca、Sc、Ti、Mn、Cu、Zn、Fe、Cr、Co、Mg、Al、Sn、Zr、Ga、Ge、Ag、Au、Pt、Cs、Ni、Cd、Pb、Bi等が挙げられる。また、本発明の着色組成物は、顔料などと結合または配位していない遊離のハロゲンの含有量が100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることが更に好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。ハロゲンとしては、F、Cl、Br、I及びそれらの陰イオンが挙げられる。着色組成物中の遊離の金属やハロゲンの低減方法としては、イオン交換水による洗浄、ろ過、限外ろ過、イオン交換樹脂による精製等の方法が挙げられる。
本発明の着色組成物は、テレフタル酸エステルを実質的に含まないことも好ましい。ここで、「実質的に含まない」とは、テレフタル酸エステルの含有量が、着色組成物の全量中、1000質量ppb以下であることを意味し、100質量ppb以下であることがより好ましく、ゼロであることが特に好ましい。
環境規制の観点から、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩の使用が規制されることがある。本発明の着色組成物において、上記した化合物の含有率を小さくする場合、パーフルオロアルキルスルホン酸(特にパーフルオロアルキル基の炭素数が6~8のパーフルオロアルキルスルホン酸)及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸(特にパーフルオロアルキル基の炭素数が6~8のパーフルオロアルキルカルボン酸)及びその塩の含有率は、着色組成物の全固形分に対して、0.01ppb~1,000ppbの範囲であることが好ましく、0.05ppb~500ppbの範囲であることがより好ましく、0.1ppb~300ppbの範囲であることが更に好ましい。本発明の着色組成物は、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩を実質的に含まなくてもよい。例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩の代替となりうる化合物、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩の代替となりうる化合物を用いることで、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩を実質的に含まない着色組成物を選択してもよい。規制化合物の代替となりうる化合物としては、例えば、パーフルオロアルキル基の炭素数の違いによって規制対象から除外された化合物が挙げられる。ただし、上記した内容は、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩の使用を妨げるものではない。本発明の着色組成物は、許容される最大の範囲内で、パーフルオロアルキルスルホン酸及びその塩、並びにパーフルオロアルキルカルボン酸及びその塩を含んでもよい。
<<収容容器>>
着色組成物の収容容器としては、特に限定はなく、公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器として、原材料や着色組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成する多層ボトルや6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015-123351号公報に記載の容器が挙げられる。また、容器内壁は、容器内壁からの金属溶出を防ぎ、着色組成物の保存安定性を高めたり、成分変質を抑制するなど目的で、ガラス製やステンレス製などにすることも好ましい。
<着色組成物の調製方法>
本発明の着色組成物は、前述の成分を混合して調製できる。着色組成物の調製に際しては、全成分を同時に溶剤に溶解および/または分散して着色組成物を調製してもよいし、必要に応じて、各成分を適宜2つ以上の溶液または分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して着色組成物を調製してもよい。
また、着色組成物の調製に際して、有機顔料を分散させるプロセスを含むことが好ましい。有機顔料を分散させるプロセスにおいて、有機顔料の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。またサンドミル(ビーズミル)における有機顔料の粉砕においては、径の小さいビーズを使用する、ビーズの充填率を大きくする事等により粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。また、粉砕処理後にろ過、遠心分離などで粗粒子を除去することが好ましい。また、有機顔料を分散させるプロセスおよび分散機は、「分散技術大全集、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」、特開2015-157893号公報の段落番号0022に記載のプロセス及び分散機を好適に使用出来る。また有機顔料を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程にて粒子の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は、例えば特開2015-194521号公報、特開2012-046629号公報の記載を参酌できる。
着色組成物の調製にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、着色組成物をフィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン-6、ナイロン-6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリオレフィン樹脂を含む)等の素材を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01~7.0μmが好ましく、0.01~3.0μmがより好ましく、0.05~0.5μmが更に好ましい。フィルタの孔径が上記範囲であれば、微細な異物をより確実に除去できる。フィルタの孔径値については、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。フィルタは、日本ポール株式会社(DFA4201NXEY、DFA4201NAEY、DFA4201J006Pなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)および株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタを用いることができる。
また、フィルタとしてファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられる。市販品としては、ロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)が挙げられる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタ(例えば、第1のフィルタと第2のフィルタなど)を組み合わせてもよい。その際、各フィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。また、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみに対して行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタでろ過を行ってもよい。
<膜>
本発明の膜は、上述した本発明の着色組成物から得られる膜である。本発明の膜は、カラーフィルタなどに用いることができる。具体的には、カラーフィルタの着色層(画素)として好ましく用いることができる。着色画素としては、赤色画素、緑色画素、青色画素、マゼンタ色画素、シアン色画素、黄色画素などが挙げられる。本発明の膜の膜厚は、目的に応じて適宜調整できる。例えば、膜厚は、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.6μm以下がさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。
<膜の製造方法>
次に、本発明の膜の製造方法について説明する。本発明の膜は、本発明の着色組成物を塗布する工程を経て製造できる。膜の製造方法においては、更にパターン(画素)を形成する工程を含むことが好ましい。パターン(画素)の形成方法としては、フォトリソグラフィ法、ドライエッチング法が挙げられ、フォトリソグラフィ法が好ましい。
フォトリソグラフィ法によるパターン形成は、本発明の着色組成物を用いて支持体上に着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン状に露光する工程と、着色組成物層の未露光部を現像除去してパターン(画素)を形成する工程と、を含むことが好ましい。必要に応じて、着色組成物層をベークする工程(プリベーク工程)、および、現像されたパターン(画素)をベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。
着色組成物層を形成する工程では、本発明の着色組成物を用いて、支持体上に着色組成物層を形成する。支持体としては、特に限定は無く、用途に応じて適宜選択できる。例えば、ガラス基板、シリコン基板などが挙げられ、シリコン基板であることが好ましい。また、シリコン基板には、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、透明導電膜などが形成されていてもよい。また、シリコン基板には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されている場合もある。また、シリコン基板には、上部の層との密着性改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下地層が設けられていてもよい。下地層の表面接触角は、ジヨードメタンで測定した際に20~70°であることが好ましい。また、水で測定した際に30~80°であることが好ましい。下地層の表面接触角が上記範囲であれば、着色組成物の塗れ性が良好である。下地層の表面接触角の調整は、例えば、界面活性剤の添加などの方法で行うことができる。
着色組成物の塗布方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(例えば、特開2009-145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えば、オンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット-特許に見る無限の可能性-、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された方法(特に115ページ~133ページ)や、特開2003-262716号公報、特開2003-185831号公報、特開2003-261827号公報、特開2012-126830号公報、特開2006-169325号公報などに記載の方法が挙げられる。また、着色組成物の塗布方法については、国際公開第2017/030174号、国際公開第2017/018419号の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
支持体上に形成した着色組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。低温プロセスにより膜を製造する場合は、プリベークを行わなくてもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10~300秒が好ましく、40~250秒がより好ましく、80~220秒がさらに好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
次に、着色組成物層をパターン状に露光する(露光工程)。例えば、着色組成物層に対し、ステッパー露光機やスキャナ露光機などを用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン状に露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等が挙げられる。また、波長300nm以下の光(好ましくは波長180~300nmの光)を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられ、KrF線(波長248nm)が好ましい。また、300nm以上の長波な光源も利用できる。
また、露光に際して、光を連続的に照射して露光してもよく、パルス的に照射して露光(パルス露光)してもよい。なお、パルス露光とは、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光する方式の露光方法のことである。
照射量(露光量)は、例えば、0.03~2.5J/cm2が好ましく、0.05~1.0J/cm2がより好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば、酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、または、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、または、50体積%)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m2~100000W/m2(例えば、5000W/m2、15000W/m2、または、35000W/m2)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m2、酸素濃度35体積%で照度20000W/m2などとすることができる。
次に、着色組成物層の未露光部を現像除去してパターン(画素)を形成する。着色組成物層の未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の着色組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。現像液の温度は、例えば、20~30℃が好ましい。現像時間は、20~180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
現像液は、有機溶剤、アルカリ現像液などが挙げられ、アルカリ現像液が好ましく用いられる。アルカリ現像液としては、アルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液(アルカリ現像液)が好ましい。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ剤は、分子量が大きい化合物の方が環境面および安全面で好ましい。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。また、現像液は、さらに界面活性剤を含有していてもよい。現像液は、移送や保管の便宜などの観点より、一旦濃縮液として製造し、使用時に必要な濃度に希釈してもよい。希釈倍率は特に限定されないが、例えば1.5~100倍の範囲に設定することができる。また、現像後純水で洗浄(リンス)することも好ましい。また、リンスは、現像後の着色組成物層が形成された支持体を回転させつつ、現像後の着色組成物層へリンス液を供給して行うことが好ましい。また、リンス液を吐出させるノズルを支持体の中心部から支持体の周縁部に移動させて行うことも好ましい。この際、ノズルの支持体中心部から周縁部へ移動させるにあたり、ノズルの移動速度を徐々に低下させながら移動させてもよい。このようにしてリンスを行うことで、リンスの面内ばらつきを抑制できる。また、ノズルを支持体中心部から周縁部へ移動させつつ、支持体の回転速度を徐々に低下させても同様の効果が得られる。
現像後、乾燥を施した後に追加露光処理や加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。追加露光処理やポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の硬化処理である。ポストベークにおける加熱温度は、例えば、100~240℃が好ましく、200~240℃がより好ましい。ポストベークは、現像後の膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。追加露光処理を行う場合、露光に用いられる光は、波長400nm以下の光であることが好ましい。また、追加露光処理は、韓国公開特許第10-2017-0122130号公報に記載された方法で行ってもよい。
ドライエッチング法でのパターン形成は、本発明の着色組成物を用いて支持体上に着色組成物層を形成し、この着色組成物層の全体を硬化させて硬化物層を形成する工程と、この硬化物層上にフォトレジスト層を形成する工程と、フォトレジスト層をパターン状に露光したのち、現像してレジストパターンを形成する工程と、このレジストパターンをマスクとして硬化物層に対してエッチングガスを用いてドライエッチングする工程と、を含むことが好ましい。フォトレジスト層の形成においては、更にプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジスト層の形成プロセスとしては、露光後の加熱処理、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。ドライエッチング法でのパターン形成については、特開2013-064993号公報の段落番号0010~0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上述した本発明の膜を有する。好ましくは、カラーフィルタの着色画素として、より好ましくは緑色画素として本発明の膜を有する。
カラーフィルタの一態様としては、赤色画素、緑色画素及び青色画素を少なくとも有し、赤色画素、緑色画素及び青色画素の少なくとも1色の着色画素が本発明の膜で構成されているカラーフィルタが挙げられる。カラーフィルタの他の態様としては、シアン色画素、マゼンタ色画素及び黄色画素を少なくとも有し、シアン色画素、マゼンタ色画素及び黄色画素の少なくとも1色の着色画素が本発明の膜で構成されているカラーフィルタが挙げられる。
カラーフィルタは、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子や画像表示装置などに用いることができる。
カラーフィルタにおいて本発明の膜の膜厚は、目的に応じて適宜調整できる。膜厚は、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.6μm以下がさらに好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。
カラーフィルタに含まれる画素の幅は0.4~10.0μmであることが好ましい。下限は、0.4μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、0.6μm以上であることが更に好ましい。上限は、5.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが更に好ましく、0.8μm以下であることがより一層好ましい。また、画素のヤング率は0.5~20GPaであることが好ましく、2.5~15GPaがより好ましい。
カラーフィルタに含まれる各画素は高い平坦性を有することが好ましい。具体的には、画素の表面粗さRaは、100nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることが更に好ましい。下限は規定されないが、例えば0.1nm以上であることが好ましい。画素の表面粗さは、例えばVeeco社製のAFM(原子間力顕微鏡) Dimension3100を用いて測定することができる。また、画素上の水の接触角は適宜好ましい値に設定することができるが、典型的には、50~110°の範囲である。接触角は、例えば接触角計CV-DT・A型(協和界面科学(株)製)を用いて測定できる。また、画素の体積抵抗値は高いことが好ましい。具体的には、画素の体積抵抗値は109Ω・cm以上であることが好ましく、1011Ω・cm以上であることがより好ましい。上限は規定されないが、例えば1014Ω・cm以下であることが好ましい。画素の体積抵抗値は、例えば超高抵抗計5410(アドバンテスト社製)を用いて測定することができる。
カラーフィルタにおいては、本発明の膜(画素)の表面に保護層が設けられていてもよい。保護層を設けることで、酸素遮断化、低反射化、親疎水化、特定波長の光(紫外線、近赤外線等)の遮蔽等の種々の機能を付与することができる。保護層の厚さとしては、0.01~10μmが好ましく、0.1~5μmがより好ましい。保護層の形成方法としては、有機溶剤に溶解した樹脂組成物を塗布して形成する方法、化学気相蒸着法、成型した樹脂を接着材で貼りつける方法等が挙げられる。保護層を構成する成分としては、(メタ)アクリル樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、セルロース樹脂、Si、C、W、Al2O3、Mo、SiO2、Si2N4などが挙げられ、これらの成分を二種以上含有しても良い。例えば、酸素遮断化を目的とした保護層の場合、保護層はポリオール樹脂と、SiO2と、Si2N4を含むことが好ましい。また、低反射化を目的とした保護層の場合、保護層は(メタ)アクリル樹脂とフッ素樹脂を含むことが好ましい。
樹脂組成物を塗布して保護層を形成する場合、樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、キャスト法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の公知の方法を用いることができる。樹脂組成物に含まれる有機溶剤は、公知の有機溶剤(例えば、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート、シクロペンタノン、乳酸エチル等)を用いることが出来る。保護層を化学気相蒸着法にて形成する場合、化学気相蒸着法としては、公知の化学気相蒸着法(熱化学気相蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法、光化学気相蒸着法)を用いることができる。
保護層は、必要に応じて、有機・無機微粒子、特定波長の光(例えば、紫外線、近赤外線等)の吸収剤、屈折率調整剤、密着剤、界面活性剤等の添加剤を含有しても良い。有機・無機微粒子の例としては、例えば、高分子微粒子(例えば、シリコーン樹脂微粒子、ポリスチレン微粒子、メラミン樹脂微粒子)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、窒化チタン、酸窒化チタン、フッ化マグネシウム、中空シリカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。特定波長の光の吸収剤は公知の吸収剤を用いることができる。これらの添加剤の含有量は適宜調整できるが、保護層の全質量に対して0.1~70質量%が好ましく、1~60質量%がさらに好ましい。
また、保護層としては、特開2017-151176号公報の段落番号0073~0092に記載の保護層を用いることもできる。
カラーフィルタは、下地層を有していてもよい。下地層の表面接触角は、ジヨードメタンで測定した際に20~70°であることが好ましい。また、水で測定した際に30~80°であることが好ましい。下地層の表面接触角の調整は、たとえば、界面活性剤の添加などの方法で行うことができる。
カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各画素が埋め込まれた構造を有していてもよい。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の膜を有する。固体撮像素子の構成としては、本発明の膜を備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基板上に、固体撮像素子(CCD(電荷結合素子)イメージセンサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、カラーフィルタを有する構成である。更に、デバイス保護膜上であってカラーフィルタの下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各着色画素が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は各着色画素よりも低屈折率であることが好ましい。このような構造を有する撮像装置の例としては、特開2012-227478号公報、特開2014-179577号公報、国際公開第2018/043654号、米国特許出願公開第2018/0040656号明細書に記載の装置が挙げられる。本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、デジタルカメラや、撮像機能を有する電子機器(携帯電話等)の他、車載カメラや監視カメラ用としても用いることができる。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、上述した本発明の膜を有する。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などが挙げられる。画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<分散液の製造>
下記の表に記載の原料を混合したのち、直径0.3mmのジルコニアビーズ230質量部を加えて、ペイントシェーカーを用いて5時間分散処理を行い、ビーズをろ過で分離して分散液を製造した。下記の表の各原料の配合量の数値は質量部である。なお、樹脂(分散剤)の配合量の値は、固形分20質量%の樹脂溶液での配合量の値である。
上記表の略語で記載した原料は以下の通りである。
(色材)
[有機顔料]
PR122 : C.I.ピグメントレッド122(赤色顔料)
PR177 : C.I.ピグメントレッド177(赤色顔料)
PR254 : C.I.ピグメントレッド254(赤色顔料)
PR264 : C.I.ピグメントレッド264(赤色顔料)
PR269 : C.I.ピグメントレッド269(赤色顔料)
PR272 : C.I.ピグメントレッド272(赤色顔料)
PY129 : C.I.ピグメントイエロー129(黄色顔料)
PY139 : C.I.ピグメントイエロー139(黄色顔料)
PY150 : C.I.ピグメントイエロー150(黄色顔料)
PY185 : C.I.ピグメントイエロー185(黄色顔料)
PY215 : C.I.ピグメントイエロー215(黄色顔料)
Yellow1:下記構造の化合物
Yellow2:下記構造の化合物
Yellow3:下記構造の化合物
PO71 : C.I.ピグメントオレンジ71(オレンジ色顔料)
PG7 : C.I.ピグメントグリーン7(緑色顔料)
PG36 : C.I.ピグメントグリーン36(緑色顔料)
PG58 : C.I.ピグメントグリーン58(緑色顔料)
PG62 : C.I.ピグメントグリーン62(緑色顔料)
PG63 : C.I.ピグメントグリーン63(緑色顔料)
PB15:6 : C.I.ピグメントブルー15:6(青色顔料)
PB60 : C.I.ピグメントブルー60(青色顔料)
PV23 : C.I.ピグメントバイオレット23(紫色顔料)
PV29 : C.I.ピグメントバイオレット29(紫色顔料)
Alフタロシアニン:下記構造の化合物
[染料]
AR289:C.I.アシッドレッド289
染料1:下記構造の化合物(キサンテン染料、以下の構造式中、iPrはイソプロピル基である)
染料2:下記構造のポリマー(重量平均分子量7000)とC.I.アシッドレッド52の造塩化合物(キサンテン染料)
染料3:下記構造の化合物(キサンテン染料)
(顔料誘導体)
誘導体1:下記構造の化合物
誘導体2:下記構造の化合物
誘導体3:下記構造の化合物
誘導体4:下記構造の化合物
誘導体5:下記構造の化合物
(分散助剤)
分散助剤1: ポリエチレンイミン(エポミンSPー003、(株)日本触媒製、分子量300、樹脂分98質量%以上、粘度200~500mPa・s)
分散助剤2: ポリエチレンイミン(エポミンSPー006、(株)日本触媒製、分子量600、樹脂分98質量%以上、粘度500~2500mPa・s)
分散助剤3: ポリエチレンイミン(エポミンSPー018、(株)日本触媒製、分子量1800、樹脂分98質量%以上、粘度8500~15000mPa・s)
分散助剤4: ポリエチレンイミン(エポミンSPー200、(株)日本触媒製、分子量10000、樹脂分98質量%以上、粘度40000~150000mPa・s)
<樹脂>
B-1:以下の方法で合成した樹脂B-1の樹脂溶液(固形分濃度20質量%)。
メチルメタクリレート50質量部、n-ブチルメタクリレート50質量部、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)45.4質量部を反応容器に仕込み、雰囲気ガスを窒素ガスで置換した。反応容器内を70℃に加熱して、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6質量部を添加して、さらにAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.12質量部を加え、12時間反応させた。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物9.7質量部、PGMEA70.3質量部、触媒としてDBU(1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン)0.20質量部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。PGMEAを加えて不揮発分(固形分濃度)を20質量%に調整し、酸価43mgKOH/g、重量平均分子量9000の下記構造の樹脂B-1(酸基を有するグラフト樹脂)の樹脂溶液を得た。
B-2:以下の方法で合成した樹脂B-2の樹脂溶液(固形分濃度20質量%)。
メチルメタクリレート50質量部、n-ブチルメタクリレート30質量部、t-ブチルメタクリレート20質量部、PGMEA45.4質量部を反応容器に仕込み、雰囲気ガスを窒素ガスで置換した。反応容器内を70℃に加熱して、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6質量部を添加して、さらにAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.12質量部を加え、12時間反応させた。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物9.7質量部、PGMEA70.3質量部、触媒としてDBU(1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン)0.20質量部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。PGMEAを加えて不揮発分(固形分濃度)を20質量%に調整し、酸価43mgKOH/g、重量平均分子量9000の下記構造の樹脂B-2(酸基を有するグラフト樹脂)の樹脂溶液を得た。
B-3:以下の方法で合成した樹脂B-3の樹脂溶液(固形分濃度20質量%)。
樹脂B-2の合成において、t-ブチルメタクリレート20質量部を、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート20質量部に変更した以外は同様にして、酸価43mgKOH/g、重量平均分子量9000の下記構造の樹脂B-3(酸基を有するグラフト樹脂)の樹脂溶液を得た。
B-4:下記構造の樹脂(酸基を有するグラフト樹脂、主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量24000、酸価47mgKOH/g)の20質量%PGMEA溶液
B-5:下記構造の樹脂(酸基を有するグラフト樹脂、主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量16000、酸価67mgKOH/g)の20質量%PGMEA溶液
B-6:下記構造の樹脂(酸基を有するグラフト樹脂、主鎖に付記された数値は質量比であり、側鎖に付記された数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量13000、酸価65mgKOH/g)の20質量%PGMEA溶液
B-7:下記構造の樹脂(酸基を有するグラフト樹脂、主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量10000)の20質量%PGMEA溶液
B-8:下記構造の樹脂(主鎖に付記された数値は質量比である。重量平均分子量13000、酸価74mgKOH/g)の20質量%PGMEA溶液
B-9:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量11000、酸価69mgKOH/g)の20質量%PGMEA溶液
B-10:下記構造の樹脂(ブロック共重合体、主鎖に付記された数値は質量比である。重量平均分子量74000、酸価8mgKOH/g、アミン価95mgKOH/g)の20質量%PGMEA溶液
B-11:下記構造の樹脂(ブロック共重合体、主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量6000)の20質量%PGMEA溶液
B-12:下記構造の樹脂(酸基を有するグラフト樹脂、主鎖に付記された数値は質量比であり、側鎖に付記された数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量13000、酸価19mgKOH/g)の20質量%PGMEA溶液
(溶剤)
K-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
K-2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
K-3:シクロペンタノン
K-4:シクロヘキサノン
K-5:酢酸シクロヘキシル
K-6:1,4-ジアセトキシブタン
K-7:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート
K-8:3-エトキシプロピオン酸エチル
K-9:3-ペンタノン
K-10:3-メチルシクロヘキサノン
K-11:4-メチルシクロヘキサノン
K-12:2-ヘプタノン
K-13:ガンマブチロラクトン
K-14:二酢酸ブタン-1,3-ジイル
K-15:ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート
K-16:ジアセトンアルコール
<着色組成物の製造>
下記の表に記載の原料を混合して、着色組成物を調製した。なお、樹脂の配合量の値は、固形分20質量%の樹脂溶液での配合量の値である。下記表に、着色組成物の全固形分中における色材の含有量を「色材含有量」の欄に示す。また、着色組成物の全固形分中における特定化合物の含有量を「特定化合物含有量」の欄に示す。
上記表の略語で記載した原料のうち、分散液および樹脂以外の原料は以下の通りである。
(重合性モノマー)
M-1~M-3:下記構造の化合物
(光重合開始剤)
G-1、G-2:下記構造の化合物
G-3:Irgacure OXE01(BASF社製、オキシム化合物)
G-4:Irgacure OXE02(BASF社製、オキシム化合物)
G-5:Omnirad 379(IGM Resins B.V.社製、α-アミノケトン化合物)
(特定化合物)
化合物1~6:下記構造の化合物(構造式中のt-Buはtert-ブチル基である。)
(界面活性剤)
I-1:下記構造の化合物(重量平均分子量14000)の1質量%PGMEA溶液。下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
(その他添加剤)
A-1:EHPE3150((株)ダイセル製、2,2’-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物)
酸化防止剤1:下記構造の化合物(フェノール系酸化防止剤、構造式中のt-Buはtert-ブチル基である)
酸化防止剤2:下記構造の化合物(フェノール系酸化防止剤、構造式中のt-Buはtert-ブチル基である)
酸化防止剤3:下記構造の化合物(リン系酸化防止剤)
(溶剤)
K-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
K-2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
<耐熱性>
(分光変動)
ガラスウエハ上に、各着色組成物をスピンコート法で塗布し、次いで、ホットプレートを使用して100℃で120秒加熱処理(プリベーク)し、次いでi線で1000mJ/cm2の露光量で露光し、次いで、200℃で5分間加熱を行い、表に記載する膜厚の膜を作製した。膜付きのガラスウエハを120℃に設定した高温庫に1000時間保管し、耐熱性試験を実施した。耐熱性試験前後の膜について、大塚電子(株)製のMCPD-3000を用い波長400~700nmの光の透過率を測定し、透過率の変化量の最大値(ΔTmax)を求め、以下の基準にて耐熱性試験後の分光変動を評価した。ここで、透過率の変化量とは、耐熱性試験前後の膜の透過率の差分(|耐熱性試験前の膜の透過率-耐熱性試験後の膜の透過率|)のことであり、透過率の変化量の最大値(ΔTmax)とは、耐熱性試験前後の膜の、透過率の変化量が最も大きい波長における透過率の変化量のことである。
〔評価基準〕
A:ΔTmaxが1%未満である
B:ΔTmaxが1%以上3%未満である
C:ΔTmaxが3%以上5%未満である
D:ΔTmaxが5%以上である
(色ムラ)
ガラスウエハ上に、下地層形成用組成物(CT-4000、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を膜厚が0.1μmとなるようにスピンコート法で塗布し、ホットプレートを用いて220℃で1時間加熱して下地層を形成した。この下地層付きガラスウエハ上に各着色組成物をポストベーク後の膜厚が表に記載する膜厚になるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱して組成物層を形成した。次いで、この組成物層に対して、i線ステッパー露光装置(FPA-3000i5+、キヤノン(株)製)を使用し、365nmの波長の光を500mJ/cm2の露光量で露光した。
露光後の組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにて水を用いてリンスを行い、更に純水にて水洗いを行った。その後、水滴を高圧のエアーで飛ばし、ガラスウエハを自然乾燥させたのち、ホットプレートを用いて220℃で300秒間ポストベークを行い、表に記載の膜厚の膜を形成した。
得られた膜について、120℃に設定した高温庫に1000時間保管し、耐熱性試験を実施した。耐熱性試験前後の膜が形成されたガラスウエハ(評価用基板)を用いて輝度分布を下記方法で解析し、平均からのずれが±10%以上である画素数をもとに色ムラの評価を行った。
輝度分布の測定方法について説明する。評価用基板を光学顕微鏡の観測レンズと光源との間に設置して光を観測レンズに向けて照射し、その透過光状態をデジタルカメラが設置された光学顕微鏡MX-50(オリンパス社製)を用いて観察した。膜表面の撮影は、任意に選択した5つの領域に対して行った。撮影画像の輝度を0~255までの256階調の濃度分布として数値化して保存した。この画像から輝度分布を解析し、平均からのズレが±10%を超える画素数にて色ムラを評価した。評価基準は以下の通りである。A~Cの評価であれば実用上問題ないと判断する。
A:平均からのズレが±10%を超える画素数が1000以下である
B:平均からのズレが±10%を超える画素数が1000を超え3000以下である
C:平均からのズレが±10%を超える画素数が3000を超え5000以下である
D:平均からのズレが±10%を超える画素数が5000を超える
<密着性>
直径8インチ(=203.2mm)のシリコンウエハ上に下地層形成用組成物(CT-4000、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を膜厚が0.1μmとなるようにスピンコート法で塗布し、ホットプレートを用いて220℃で1時間加熱して下地層を形成した。この下地層付きのシリコンウエハ上に、各着色組成物をポストベーク後の膜厚が表に記載する膜厚になるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱して組成物層を形成した。次いで、この組成物層に対して、i線ステッパー露光装置(FPA-3000i5+、キヤノン(株)製)を使用し、一辺1.1μmの正方ピクセルがそれぞれ基板上の4mm×3mmの領域に配列されたマスクパターンを介して、365nmの波長の光を500mJ/cm2の露光量で照射して露光した。露光後の組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにて水を用いてリンスを行い、更に純水にて水洗いを行った。その後、水滴を高圧のエアーで飛ばし、シリコンウエハを自然乾燥させたのち、ホットプレートを用いて220℃で300秒間ポストベークを行い、画素を形成した。得られた画素について、光学顕微鏡を用いて観察し、全画素中シリコンウエハに密着している画素の数をカウントして密着性を評価した。A~Cが使用に問題ない範囲である。
〔評価基準〕
A:すべての画素がシリコンウエハに密着している。
B:シリコンウエハに密着している画素が全画素の98%以上100%未満である。
C:シリコンウエハに密着している画素が全画素の95%以上98%未満である。
D:シリコンウエハに密着している画素が全画素の95%未満である。
<混色>
カラスウエハ上に下地層形成用組成物(CT-4000、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を膜厚が0.1μmとなるようにスピンコート法で塗布し、ホットプレートを用いて220℃で1時間加熱して下地層を形成した。この下地層付きガラスウエハ上に各着色組成物をポストベーク後の膜厚が表に記載する膜厚になるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱して組成物層を形成した。次いで、この組成物層に対して、i線ステッパー露光装置(FPA-3000i5+、キヤノン(株)製)を使用し、365nmの波長の光を1000mJ/cm2の露光量で露光した。次いで、露光後の組成物層が形成されているガラスウエハをスピン・シャワー現像機(DW-30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD-2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の60%希釈液を用いて23℃で60秒間パドル現像を行った。次いで、ガラスウエハを真空チャック方式で水平回転テーブルに固定し、回転装置によってガラスウエハを回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行い、その後スプレー乾燥した。さらに、200℃のホットプレートを用いて480秒間加熱処理(ポストベーク)を行い、1層目の着色膜を得た。得られた1層目の着色膜上に、混色評価用の着色組成物をプリベーク後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行い、1層目の着色膜上に混色評価用の着色組成物層(2層目)が形成された積層カラーフィルタを得た。次いで、得られた積層カラーフィルタを1層目の着色画素の形成と同様の方法で現像、リンス及びスプレー乾燥を施して、混色評価用の着色組成物層を現像除去した。
1層目の着色膜の作製直後と、混色評価用の着色組成物層を現像除去後の1層目の着色膜の最大透過率の分光変動(ΔT%max)をMCPD-3000(大塚電子(株)製)を使用して測定し、1層目の着色膜上に残る2層目の着色組成物の残渣混色を評価した。最大透過率とは、1層目の着色膜の作製直後と、混色評価用の着色組成物層を現像除去後の1層目の着色膜の透過率の変化量であって、透過率の変化量が最も大きい波長における透過率の変化量のことである。最大透過率の分光変動(ΔT%max)が小さいほど残渣混色が発生しにくいとみなされ、より望ましい。A~Cが使用に問題ない範囲である。
なお、実施例B1~B9以外については、混色評価用の着色組成物には、分散液B9の65質量部と、樹脂B-9の6質量部と重合性モノマーM-2の2.8質量部と、光重合開始剤G-3の0.8質量部と、界面活性剤I-1の5質量部と、溶剤K-1の20.4質量部とを混合して調製した着色組成物を用いた。また、実施例B1~B9については、混色評価用の着色組成物には実施例R1の着色組成物を用いた。
〔評価基準〕
A:ΔT%maxが1.5%以下である。
B:ΔT%maxが1.5%より大きく2.0%以下である。
C:ΔT%maxが2.0%より大きく2.5%以下である。
D:ΔT%maxが2.5%より大きい。
上記結果を下記表に示す。
上記表に示すように、実施例は、耐熱性試験後も分光変動が小さく、色ムラの小さい膜を形成することができた。
密着性の評価において、下地層形成用組成物を、CT-4000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)から以下で調製した下地層形成用組成物1~11に変更し、これらの下地層形成用組成物を用いて膜厚が3nmとなるようにスピンコート法で塗布し、ホットプレートを用いて220℃で5分加熱して下地層を形成し、得られた下地層付きのシリコンウエハ上に各実施例の着色組成物を用いて同様の手順により密着性を評価した場合であっても、各実施例と同様の効果が得られた。
(樹脂)
樹脂C-1:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量20000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-2:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量25000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-3:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量20000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-4:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量15000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-5:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量20000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-6:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量22000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-7:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量23000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-8:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量22000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-9:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。重量平均分子量13000)のPGMEA30質量%溶液
樹脂C-10:下記構造の樹脂(重量平均分子量15000)のPGMEA30質量%溶液
(界面活性剤)
界面活性剤1:下記構造の化合物(重量平均分子量14000、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。)
界面活性剤2:KF6001(信越化学工業(株)製、シロキサン系界面活性剤)
(溶剤)
溶剤1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
(実施例1001)
シリコンウエハ上に、緑色着色組成物を製膜後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(キヤノン(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量で2μm四方のドットパターンのマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、更に純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用いて、200℃で5分間加熱することで、緑色着色組成物をパターニングして緑色画素を形成した。赤色着色組成物、青色着色組成物についても同様のプロセスでパターニングして、赤色画素、青色画素を順次形成して、緑色画素、赤色画素および青色画素を有するカラーフィルタを形成した。このカラーフィルタにおいては、緑色画素がベイヤーパターンで形成されており、その隣接する領域に、赤色画素、青色画素がアイランドパターンで形成されている。得られたカラーフィルタを公知の方法に従い固体撮像素子に組み込んだ。この固体撮像素子は好適な画像認識能を有していた。なお、緑色着色組成物としては、実施例G1の着色組成物を使用した。赤色着色組成物としては、実施例R1の着色組成物を使用した。青色着色組成物としては、実施例B1の着色組成物を使用した。
(実施例1002)
シリコンウエハ上に、シアン色着色組成物を製膜後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(キヤノン(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量で2μm四方のドットパターンのマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、更に純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用いて、200℃で5分間加熱することで、シアン色着色組成物をパターニングしてシアン色画素を形成した。黄色着色組成物、マゼンタ色着色組成物についても同様のプロセスでパターニングして、黄色画素、マゼンタ色画素を順次形成して、シアン色画素、黄色画素およびマゼンタ色画素を有するカラーフィルタを形成した。このカラーフィルタにおいては、シアン色画素がベイヤーパターンで形成されており、その隣接する領域に、黄色画素、マゼンタ色画素がアイランドパターンで形成されている。得られたカラーフィルタを公知の方法に従い固体撮像素子に組み込んだ。この固体撮像素子は好適な画像認識能を有していた。なお、シアン色着色組成物としては、実施例C1の着色組成物を使用した。黄色着色組成物としては、実施例Y1の着色組成物を使用した。マゼンタ色着色組成物としては、実施例M1の着色組成物を使用した。