JP7566325B2 - ケーブル端末処理装置及びケーブル端末処理方法 - Google Patents
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Description
通常、各電線は、外皮の内側で互いに螺旋状に組み込まれている。このため、外皮を除去して、各電線端末の絶縁被覆を除去したり、電線の端末に配線用の端子を取り付ける等の端末処理をするときは、先ず撚り合わされた電線をほぐしてバラバラに分散させる必要がある。しかしながら、この作業は煩雑で非常に工数がかかるため、自動化が困難であった。
この課題に対応して、特許文献1では、ほぐした電線のすきまに櫛を挿入して、互いに撚り合わされている電線を分散させる装置が提案されている。
本発明の一実施形態(第1実施形態)を図を用いて詳細に説明する。第1実施形態に係るケーブル端末処理方法では、複数の電線11が外皮12で被覆された多芯のケーブル10について、端から所定の長さの外皮12を除去して、露出した電線11を配線可能に処理している。露出させた部分の電線11の長さは、通常、数センチメートルから10センチメートル程度である。以下の説明では、除去されるケーブル端末の外皮12を「端末外皮12a」といい、ケーブル10の本体側に残留する外皮12を「本体外皮12b」という。
ケーブル端末処理装置70は、外皮操作部21、整線部31、計測部41、及び、仕切操作部51を備えている。各部21、31、41、51は、制御装置61によって統合して制御されている。制御装置61は、記憶部61aと演算部61bとを備えている。演算部61bは、所定のプログラムが設定されており、記憶部61aのデータや外部機器からの入力信号に基づいて演算した結果に基づいて、外部機器の動作を制御することができる。各部21、31、41、51は、一の架台68(図3参照)に搭載されており、制御装置61と信号を送受信することによって、協働してケーブル10に作用して、ケーブル10の端末処理を行っている。説明の便宜のため、図3に示すように、各部21、31、41、51を搭載する架台68の搭載面を水平面からなるXY平面とし、鉛直方向にZ軸を定める。なお、各部21、31、41、51は、同時に架台68に搭載されているが、図が煩雑になるため、以下の説明では、各工程で使用する要素のみを示して、使用しない要素の図示を省略する。
図3、図4によって、引抜工程について説明する。図3は、外皮操作部21の構成を示す模式図であり、図4は、引抜工程における、外皮操作部21の動作を説明するための説明図である。引抜工程では、被加工物としてのケーブル10を外皮操作部21に組み付けて、ケーブル10の端から所定の長さの端末外皮12aを引き抜いて、電線11を露出させている。このとき、端末外皮12aは完全に引き抜かれるのではなく、端末外皮12aの内側に電線11の一部が残留する状態まで引き抜かれる。なお、以下の説明では、各軸の矢印の向きを(+)、矢印と反対の向きを(-)という場合がある。
シャフト22aは、その中心軸nをY軸方向に向けて設置され、深溝玉軸受などの転がり軸受で回転自在に支持されており、モータ22cで駆動される。シャフト22aにはエンコーダ22dが取り付けられており、回転角に応じたパルス信号S2が制御装置61に送信されている。第1把持手段22bは、制御装置61からの指令に応じて、所定の角度だけ回転することができる。
第1クランプ装置23bはエアチャックであり、空気圧を供給することによって互いに接近しまたは離反する一対のクランプ23a、23aを有する。
一組のクランプ23a、23aは、互いに向き合う側の端部にそれぞれ凹部23cを備えている。図3(a)は、クランプ23aの端部をY軸方向から見た部分側面図である。各凹部23cは半円形状であって、上下のクランプ23aが互いに接近したときには、単一の円筒孔を形成する。この円筒孔の直径は、ケーブル10の外皮12の外径より小径で、かつ、内部の複数の電線11の外接円の直径より大径である。
第1クランプ装置23bは、第1直動装置71のベースHに固定されており、制御装置61からの指令に応じて、Y軸方向に所定距離だけ移動することができる。
シャフト24aは、モータ24cで駆動されており、エンコーダ24dが取り付けられている。これにより、第2把持手段24bは、制御装置61からの指令に応じて所定の角度だけ回転する。また、第2把持手段24bは、第2直動装置72に搭載されており、Y軸方向に移動することができる。第2直動装置72の構造は第1直動装置71と同様であり説明を省略する。
なお、本実施形態では、第1クランプ装置23b及び各把持手段22b、24bとしてエアチャックを使用しているが、電動チャックなどその他のアクチュエータを使用してもよい。
次に、ケーブル10の切込部15の位置で一対のクランプ23a、23aが互いに接近し、内部の電線11をZ軸方向に挟んだ状態となる。各クランプ23aの凹部23c(図3(a)参照)の内径は複数の電線11の外接円の直径より大径であるため、電線11を拘束しない。
図4(c)によって緩み工程の処理方法を説明する。
緩み工程では、端末外皮12aと本体外皮12bとの間で撚り合わされた状態で露出している電線11を緩ませて、電線11と電線11との間にすきまsを形成している。図4(c)は、図4(b)で露出部28が形成されたあと、端末外皮12aがY軸の周りで矢印R1の向きに回転するとともにY軸の(+)方向に変位した状態を模式的に示している。
このように、緩み工程では、端末外皮12aと本体外皮12bとを相対的に変位させることによって露出部28の電線11を緩ませて、各電線11の間にすきまsを形成している。
計測工程では、露出部28における電線11の位置情報を取得している。図5は、電線11の位置情報を取得する計測部41の構成を示すとともに、露出部28の複数の電線11をY軸と直交する向きの断面で示している。計測部41では、レーザ装置42を使用して電線11の位置情報を取得している。
位置情報とは、各電線11のX軸、Y軸、Z軸方向の位置に関する情報であって、各電線11の位置や、電線11と電線11との間のすきまsの位置や大きさなどが含まれる。なお、図5の電線11の配置は例示である。通常、露出部28では、各電線11は不規則に配置される。
レーザ光は、露出部28の電線11に向けてX軸方向に照射されている。電線11で反射したレーザ光が受光部42bに到達すると、レーザ装置42から制御装置61に受光信号S1が送信される。レーザ光が電線11の存在しない場所に照射されたときには、受光部42bに反射光が到達しないので、受光信号S1は送信されない。
第3直動装置73は、第1直動装置71と同様の構成であり、ボールねじGとモータMを備えている。ボールねじGにはエンコーダFが取り付けられており、ボールねじGが回転すると、回転角に応じたパルス信号S2が制御装置61に送信される。制御装置61は、演算部61bを内蔵しており、パルス信号S2に基づいて算出した回転角とあらかじめ記憶部61aに記憶されているボールねじGのリード長さとに基づいて、レーザ装置42のZ軸方向の位置を計測することができる。
レーザ装置42が、電線11よりZ軸方向(+)側に位置しているとき(計測例のAで示す領域)は、レーザ光が電線11に照射されないので受光部42bに反射光が到達せず、受光信号S1は0である。レーザ装置42がZ軸の(-)方向に移動して、レーザ光が電線11に照射されたとき(計測例のBで示す領域)は、反射光が受光部42bに到達し、受光信号S1は1である。更に、レーザ装置42がZ軸の(-)方向に移動して、レーザ光が電線11よりZ軸方向(-)側に位置しているとき(計測例のCで示す領域)は、レーザ光が電線11に照射されないので受光部42bに反射光が到達せず、受光信号S1は0である。
また、上記の例では、反射光の有無によってZ軸方向の電線11の外周を検出して電線11の位置を特定しているが、これに限定されない。例えば、レーザ装置42が被照射体との距離を計測できる場合には、各電線11の頂点の位置(X軸方向でレーザ装置42に最も近い点)を検出して、各電線11の位置を特定することができる。電線11の直径dが既知であるので、記憶部61aに直径dの値を記憶しておくことによって、頂点の位置よりZ軸方向(+)側にd/2の位置と、Z軸方向(-)側にd/2の位置をそれぞれ電線11の外周として特定することができる。
また、第3直動装置73が、Y軸方向に変位し得る他の直動装置で支持された構造にすることによって、レーザ装置42のY軸方向の位置を変えて、すきまsの位置を計測することができる。これにより、YZ面内ですきまsの位置や大きさを測定できるので、更に詳細な位置情報を取得することができる。
次に、図8によって仕切工程について説明する。仕切工程では、計測工程で取得した位置情報に基づいて、爪52が露出部28の電線11のすきまsに挿入されるように、仕切操作部51が制御装置61によって制御されている。図8は、仕切操作部51の構成を示す模式図である。図8では、図5と同様に、露出部28における複数の電線11を、Y軸と直交する向きの断面で示している。以下で詳細に説明するが、仕切工程では、露出部28よりX軸(+)側に配置された爪52が、白抜き矢印J1で示す向き(X軸(-)方向である)に移動して、露出部28に挿入された状態を模式的に示している。露出部28の電線11については、図5と同様に、Z軸方向の中央の電線11を11aとし、Z軸方向(+)側の電線11を11b、Z軸方向(-)側の電線11を11cとして説明する。
各爪52は、先端部52a(図8ではX軸方向(-)側の端部である)のZ軸方向の厚さが薄くなっている。また、先端部52aは、本体部52bに対して内方(一組の爪52部材が互いに近づく向きを内方といい、互いに離れる向きを外方という)に傾いて設けられており、先端部52aでは、一組の爪52、52の内幅w1が本体部52b、52bの内幅w2よりわずかに狭くなっている。
各爪52の外方に、電線ガイド53が一体に取り付けられている。それぞれの電線ガイド53は、爪52が露出部28に挿入されたときに、露出部28の電線11をZ軸方向の両外側で囲むように配置されている。
仕切工程では、一組の爪52、52が、先端部52aを露出部28の電線11に向けて、露出部28よりX軸(+)方向に離れて配置される。このとき、一組の爪52、52の内幅w1が、電線11の直径dよりわずかに大きくなるように配置される。次に、計測工程で取得した位置情報に基づいて3本の電線11のうちZ軸方向の中央にある電線11aを選択し、一組の爪52、52のZ軸方向の位置と電線11aのZ軸方向の位置とが一致するように、第5直動装置75が制御装置61の指令を受けてZ軸方向に移動する。この状態で、制御装置61の指令を受けて、第4直動装置74がX軸(-)方向に移動して、一対の爪52、52が電線11aを跨いで露出部28に挿入される。
各電線11a、11b、11cは、Z軸方向に互いにすきまsをもって配置されている(図5参照)。このため、爪52が、電線11aの近傍を通過することによって、電線11aのZ軸方向(+)側に挿入した爪52は、電線11aと電線11bとのすきまsに確実に挿入され、同時に、電線11aのZ軸方向(-)側に挿入した爪52は、電線11aと電線11cとのすきまsに確実に挿入される。また、爪52は、先端部52aの板厚が薄く形成されているので、すきまsが小さいときでも電線11と電線11との間隔を押し広げながら挿入される。
なお、爪52を支持する第2クランプ装置54の可動アームを操作して、内幅w1を変更することにより、電線11の直径dが異なるケーブル10にも対応できる。
また、本実施形態では、爪52は、第5直動装置75によってZ軸方向に移動しているが、第4直動装置74を計測部41の第3直動装置73に搭載して、爪52とレーザ装置42とを一つの直動装置で移動させてもよい。また、爪52,52を6軸多関節ロボットで支持して、制御装置61の指示に基づいて6軸多関節ロボットを制御することによって、爪52を露出部28に向けて挿入してもよい。
図9によって、分散工程における処理方法を説明する。
分散工程では、爪52を電線11のすきまsに挿入した状態でY軸方向に変位させて電線11を分散させている。一組の爪52と、爪52をY軸方向に移動させる第6直動装置76とは、ケーブル端末処理装置70の分散部を構成する。
図9は、分散工程において、電線11の端末を分散する過程を示す模式図であって、(a)(b)(c)の順に処理が行われる。なお、爪52は、電線ガイド53を一体に備えているが、図9では、図が煩雑になるため電線ガイド53の表示を省略している。
図9(b)は、爪52が露出部28に挿入された状態で、端末外皮12aを除去したときの電線11の状態を示している。図9(a)では端末外皮12aの内側に電線11の一部が残留しているに過ぎず、端末外皮12aを容易に取り除くことができる。端末外皮12aを除去したときには、電線11の端末が互いに近接した状態となっているので、個々の電線11を他の電線11から分離して取り出しにくく、この状態のままでは各電線端末の絶縁被覆14を除去したり、配線用端子を取り付けたりする作業が困難である。
爪52はZ軸方向に所定の厚みを有しており、また、本体部52bの内幅w2は電線11の直径dより大きくしているので、爪52の本体部52bの外幅w3(図9(c)参照)は、電線11b,11cを外向きに折り曲げるのに十分な大きさを有している。
なお、図9(a)において、端末外皮12aの内部に残留する電線11の長さを、螺旋のピッチの1/4以下にすれば、両外側の電線11b、11cを更に容易に変形させることができる。
これにより、後の工程において各電線端末の絶縁被覆14を除去したり、配線用端子を取り付けたりする端末処理の自動化が容易になる。
分散工程の後、各電線端末の絶縁被覆14を除去して配線用端子を固定する端末処理工程を設けることができる。これにより、ケーブル10について、外皮12を除去して配線用の端子を取り付けるまでの工程を一貫して自動化することができる。絶縁被覆14を除去する被覆除去装置80、及び、配線用端子を固定する圧着装置85は、端末処理部を構成する。
分散工程で電線11が分散された状態のケーブル10は、例えば、6軸多関節ロボット(図示を省略する。以下、単に「ロボット」という)によって、被覆除去装置80に搬送することができる。
分散工程で電線11を分散させた後、電線ガイド53をY軸(-)方向に移動することにより、ロボットが電線11を容易に把持することができる。
そこで、図10(b)に示すように、爪52を再びY軸(-)方向に移動させて、爪52と一体に形成された電線ガイド53を電線11b、11cに押し付けることによって、両外側の電線11b、11cを弾性をもってY軸(-)方向に変位させている。これにより、電線11b、11cが、電線ガイド53と接触して、概ね一定の位置に配置される。
このため、ロボットが各電線11を把持するときに、電線11の位置を個別にセンシングする必要がなく、各電線を容易に把持して被覆除去装置80に搬送することができる。
被覆除去装置80は、回転軸58と、電線11の絶縁被覆14を切り取る刃60を有している。回転軸58は、図示しない転がり軸受等で支持されており、中心軸kの周りで回転する。刃60は、径方向の任意の位置に固定することができて、絶縁被覆14の切込量を調整することができる。
分散工程で分散された電線11は、ロボットで搬送されて、回転軸58と同軸に配置される。その後、刃60が回転して、絶縁被覆14の全周に切り込みが形成される。次に、刃60を軸方向に白抜き矢印J2の向きに移動させて絶縁被覆14が除去される。
その後、図12に示すように、電線端末に露出した信号線13が配線用端子の一例としての圧着端子86の嵌合部86aに嵌め合わされた状態で、嵌合部86aが圧着装置85で白抜き矢印J4で示す向きにカシメられることによって、電線端末に圧着端子86が固定される。圧着端子86には、配線の目的に応じて種々の圧着端子を使用できる。また、圧着装置85は、公知の圧着装置が使用される。
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態に比べて計測工程の動作のみが異なっている。図示を省略するが、第2実施形態の計測工程では、第1実施形態のレーザ装置42に替えてイメージセンサ62を備えた第1CCDカメラ(撮影装置)を用いて露出部28を撮影し、電線11の位置情報を取得している。第1CCDカメラは、第3直動装置73のベースHに搭載され、図5におけるレーザ装置42の位置に、X軸(-)方向に向けて設置され、露出部28の複数の電線11a~11cを撮影している。
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、計測工程において、イメージセンサ62を備えたCCDカメラ(図示を省略する)を用いて露出部28を撮影している。更に、第3実施形態の制御装置61の演算部61bには、AI(人工知能)のプログラムが設定されている。AIを使うことにより、電線11を明確に識別できるので、露出部28の電線11の位置情報をさらに明確に取得することができる。特に、CCDカメラで撮影した画像において複数の電線11の重なり状態を判別できるので、仕切工程に移行することの可否を判断することが出来る。
教育画像データ取得プロセスでは、図7(a)、(b)に示すような電線11の教育画像データを大量に取得し、制御装置61の記憶部61aに記憶される。第3実施形態では、3千から1万の教育画像データを記憶しているが、取得する教育画像データの数は、記憶部61aの容量に応じて更に増減させてもよい。
マスク画像作成プロセスでは、撮影した各教育画像データについて、電線11の色、形状、及び背景W等を明確にしてマスク画像を作成している。背景Wとは、電線11および外皮12を除いた領域を意味する。一般的に、マスク画像の作成は人の手を介して行われる。露出部28を撮影して取得した画像は、照明の反射や背景Wとのコントラストなどの影響で電線11の輪郭を明確に識別できない場合があるが、マスク画像を作成することにより、電線11の位置を明確にすることができる。
図7(c)、図7(d)は、それぞれ図7(a)、図7(b)の教育画像データについて、各電線11a~11cの輪郭や背景Wとの境界を明確にするとともに、外皮12の形状を明確にしたマスク画像の例である。図7(c)、(d)では、説明のために電線11および外皮12の輪郭を実線で表示しているが、実際のマスク画像では、各電線11a、11b、11cおよび外皮12を、それぞれの輪郭を含めて別々の単一色で塗りつぶして作成する。また、図7(c)、(d)では、背景Wにクロスハッチングを施しているが、実際のマスク画像では、背景Wは、電線11や外皮12とは別の単一色で塗りつぶしている。こうして、マスク画像では、各電線11a、11b、11c、外皮12、背景Wがそれぞれ別々の単一色で塗り分けられて、電線11の位置が明確に表されている。
すなわち、学習済みモデルは、画素63に撮影されているものが電線11である確率を画素63のフィーチャーに基づいて推定するための指標である。したがって、位置情報が未知の電線11の画像データTを取得したときに、その画像データTの各画素63のフィーチャーを知ることにより、学習済みモデルに基づいてその画素63に撮影されているものが電線11である確率を推定して、電線11の色、形状、及び背景W等を明確にした画像データを作成することが出来る。
電線11の重なりがなく、仕切工程に移行できると判断された場合には、演算部61bは、撮影した画像データに基づき各電線11と電線11とのすきまsの位置、大きさなどの位置情報を取得する。
電線11と電線11とが重なっていると判断された場合には、第1把持手段22b及び第2把持手段24bを回転させて、端末外皮12aと本体外皮12bを同時に同一の方向に回転させることによってケーブル10の向きを修正し、電線11が互いに重ならない向きに配置することができる。こうして、再度画像データを取得して、電線11の重なりがない状態で位置情報を取得することができる。
本発明の他の実施形態(第4実施形態)について説明する。第4実施形態では、第1実施形態のケーブル端末処理方法に対して、緩み工程が終了した後、整線工程を設けた点が異なっている。第4実施形態のケーブル端末処理方法は、第1実施形態のケーブル端末処理方法に比べて、更に確実に電線11を分散させることができる。
なお、第4実施形態における引抜工程と緩み工程の処理方法は、第1実施形態と完全に同じ処理内容であり、説明を省略する。
図13によって整線工程について説明する。整線工程では、露出部28の電線11が、一対の整線部材32、32によって平面状に整列している。
図13は、各整線部材32の形態を示すとともに、一対の整線部材32、32を用いて露出部28の電線11を整列させた状態を模式的に示している。図13(a)は、露出部28の電線11をX軸方向からみた要部拡大図であって、露出部28に整線部材32、32が組付けられた状態を示している。図13(b)は、図13(a)をY軸の方向から見た側面図である。図13(a)、(b)では、互いにZ軸方向に離れた状態の整線部材32、32を一点鎖線で示しており、接近したときの状態を実線で示している。
各整線部材32は、それぞれ第3クランプ装置34の可動アームで支持されており、互いにZ軸方向に接近し又は離反することができる。一対の整線部材32,32と第3クランプ装置34は、整線部31を構成する。一対の整線部材32、32は、図13(a)に示すように、互いにY軸方向にδだけ位置ずれした位置で、露出部28を挟んで、Z軸方向に離れて配置されている。
各整線部材32、32は、それぞれの長孔33の中心線を一致させて、互いに開口部が向き合うように配置されている。互いに接近したときには、それぞれの長孔33が重なって、Y軸方向に貫通するとともにZ軸方向に延在する空間Kが形成される。図13(b)では、理解を容易にするため、各整線部材32がX軸方向にわずかに位置ずれした状態で図示しているが、実際には各整線部材32の長孔33の位置はX軸方向で重なっている。
整線工程では、一対の整線部材32、32が露出部28を挟んで互いにZ軸方向に接近し、双方の長孔33で形成される空間Kに、露出部28の電線11が並べて組み込まれる。露出部28の電線11は、緩み工程で緩んだ状態となっており、また、長孔33の開口部には大きな面取りが設けられているので、容易に空間Kに導入することができる。
長孔33の幅w4が電線11の2本分の直径(2×d)より十分に小さいので、各電線11は、長孔33の幅方向(X軸方向である)で互いに重なることがない。こうして整線工程では、露出部28の電線11が、中心軸mを含む一の平面(ケーブル10の中心軸mを含み長孔33の中心を通る平面である)上に概ね整列する。なお、電線11は、ケーブル10に組み込まれていたときの歪みが残留している。したがって、「一の平面上」とは、各電線が、概ねYZ平面に沿って配置されていればよく、幾何学的にYZ平面上に配置されることを意味するものではない。
次に、第4実施形態の計測工程における処理方法を説明する。図14は、第4実施形態の計測工程における処理方法を説明する説明図である。図14では、露出部28の電線11が、整線工程によってYZ方向に延在する一の平面p上に配置された状態を示している。なお、図14では、整線部材32については長孔33のみを図示している。
また、図14では、中央の電線11aがZ軸方向の(-)側の電線11cと接しており、電線11aと電線11cとの間にすきまsを有していない状態を例示している。
互に接触している電線11aと電線11cの位置情報は、領域Eを特定することによって取得される。ここで、領域EのZ軸方向の長さは、電線11の2本分の直径(d×2)と等しい。各電線11の直径dが既知であるので、制御装置61では、領域Eに2本の電線11が存在することを容易に識別できる。
したがって、電線11aの中心が、領域EのZ軸(+)側の端からd/2の位置にあり、電線11cの中心が、領域EのZ軸(-)側の端からd/2の位置にあるという位置情報を取得できる。
図15によって第4実施形態の仕切工程における処理方法を説明する。図15は、露出部28に爪52を挿入する処理方法を説明する説明図である。仕切工程では、第1実施形態と同様の仕切操作部51が使用される。一組の爪52、52が、先端部52aを露出部28の電線11に向けて、露出部28よりX軸(+)方向に離れて配置される。
具体的に説明すると、まず、計測工程で取得した位置情報に基づいて、一対の爪52、52のZ軸方向の位置と、中央の電線11aのZ軸方向の位置とが一致するように、第5直動装置75が制御装置61からの指令を受けてZ軸方向に移動する。
その後、第4直動装置74が制御装置61からの指令を受けてX軸(-)方向に移動して、一対の爪52、52が、白抜き矢印J3の向きに移動して電線11aを跨いで挿入される。
爪52、52は電線11aの近傍に挿入されるので、中央の電線11aのZ軸方向の(-)側では、爪52の先端が、電線11aと電線11cとの間に正確に挿入される。爪52の先端部52aは厚さが薄くなっているので、電線11aと電線11cとの間隔を押し広げながら爪52を挿入することができる。
第4実施形態の分散工程における処理方法は、第1実施形態と同様であるため簡単に説明する。
分散工程では、端末外皮12aを除去した後、第6直動装置76のベースHがY軸方向に移動することによって、一対の爪52、52が、電線11aを跨いだ状態で本体外皮12bの側に軸方向に移動する(図9参照)。これにより、電線11aの両外側の電線11b、電線11cが爪52に押されて、電線11aから離れる向きに強く折り曲げられる。電線11の数が4以上のときは、一の電線11について分散工程の処理方法を実行した後、他の電線11を選択して同様の操作を順次繰り返せばよい。
なお、以上説明した実施形態は例示であって、これらに限定されるものではない。目的を達成する範囲で種々の変更が可能である。
Claims (9)
- 複数の電線が外皮で被覆された多芯のケーブルについて、前記ケーブルの端から所定の長さの端末外皮を除去して、露出した前記電線を分散処理するケーブル端末処理装置であって、
前記端末外皮と前記ケーブルの本体側に残留する本体外皮とを相対的に変位させる外皮操作部と、
前記端末外皮と前記本体外皮との間に露出した前記電線の位置情報を取得する計測部と、
仕切部材を有し、前記位置情報に基づいて、露出した前記電線のすきまに前記仕切部材を挿入する仕切操作部と、
前記仕切部材を前記すきまに挿入した状態で変位させて露出した前記電線を分散させる分散部と、を備えたケーブル端末処理装置。 - 前記端末外皮と前記本体外皮との間に露出した前記電線を平面状に整列する整線部を備えた請求項1に記載するケーブル端末処理装置。
- 前記計測部は、前記本体外皮と前記端末外皮との間に露出した前記電線にレーザ光を照射して反射光を検出することによって前記電線の位置情報を取得するレーザ装置を備える請求項1又は請求項2のいずれかに記載するケーブル端末処理装置。
- 前記計測部は、前記本体外皮と前記端末外皮との間に露出した前記電線を撮影して画像データを取得する撮影装置と、前記画像データを画像解析することによって前記電線の位置情報を取得する画像処理装置とを備える請求項1又は2のいずれかに記載するケーブル端末処理装置。
- 前記画像処理装置は、AI(人工知能)を備え、画像データとマスク画像とを対応させた機械学習を行うことにより、前記画像データにおける前記電線を識別して、前記本体外皮と前記端末外皮との間に露出した前記電線の位置情報を取得する請求項4に記載するケーブル端末処理装置。
- 前記電線の絶縁被覆を除去して配線用端子を取り付ける端末処理部を更に備えた請求項1から5のいずれかに記載するケーブル端末処理装置。
- 複数の電線が外皮で被覆されたケーブルについて、前記ケーブルの端から所定の長さの端末外皮を除去して、露出した前記電線を分散処理するケーブル端末処理方法であって、
前記端末外皮を前記電線の一部が内側に残留する状態まで引き抜き、前記端末外皮と前記ケーブルの本体側に残留した本体外皮との間に前記電線が露出した露出部を形成する引抜工程と、
前記端末外皮を、前記本体外皮に対して相対的に変位させ、前記露出部の前記電線を緩ませる緩み工程と、
前記露出部の前記電線の位置情報を取得する計測工程と、
前記露出部の前記電線に対して変位可能な仕切部材を備え、前記位置情報に基づいて前記仕切部材の位置を制御して、前記露出部の前記電線のすきまに前記仕切部材を挿入する仕切工程と、
前記仕切部材を前記すきまに挿入した状態で変位させて露出した前記電線を分散させる分散工程と、
を備えたケーブル端末処理方法。 - 前記緩み工程の後、露出した前記電線を平面状に整列する整線工程を備えた請求項7に記載するケーブル端末処理方法。
- 前記分散工程の後に、前記電線の絶縁被覆を除去して配線用端子を取り付ける端末処理工程を備えた請求項7または8のいずれかに記載するケーブル端末処理方法。
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