JP7554661B2 - 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Description
特に、金属顔料やパール顔料を用いたインキでは顔料の比重が一般的にインキ組成物に用いられる溶剤に比べ大きいため、インキ中で顔料沈降しやすく、インキ経時安定性に劣る。
さらに、特許文献3では、ゲル化剤を用いて、インキ粘度を高くして、インキの粘度が10000~150000(mPa・s)と設定しているので、顔料沈降を抑制することはでき、金属材の撹拌体を必要としないものの、インキ粘度が高すぎて、マーキングペン用インキ、万年筆用インキなどのように低粘度インキには適さず、さらにインキ吐出量も少ないため、筆跡の色調(金属光沢性)が十分ではなく、筆跡カスレが発生してしまう。
「1.水、着色剤、ポリアミド系樹脂、脂肪酸アミドを含んでなることを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。
2.前記ポリアミド系樹脂と脂肪酸アミドとの総含有量は、インキ組成物全量に対し、0.01~5質量%を含んでなることを特徴とする第1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
3.前記着色剤が金属顔料であることを特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
4.前記筆記具用水性インキ組成物に、溶解度パラメーターが8~12である溶剤を含んでなることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
5.前記筆記具用水性インキ組成物のpH値が6~10であることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に筆記具用水性インキ組成物
6.第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物をインキ収容筒に直詰めしたことを特徴とする筆記具。」
とする。
ポリアミド系樹脂については、アミド結合を有する樹脂であり、ポリアミド、変性ポリアミドなどが挙げられ、中和剤で中和することで、インキ中で脂肪酸アミドと安定した構造を形成しやすいため、ポリアミド塩とすることが好ましく、より考慮すれば、ポリアミドアミン塩とすることが好ましい。
炭素数2~22を有するモノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
炭素数2~12を有するジアミンとしては、エチレンジアミン、1,4-ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミンなどを挙げることができ、炭素数2~22を有するモノアミンとしてはエチルアミン、モノエタノールアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミンなどを挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
前記ポリアミド系樹脂と、脂肪酸アミドとの混合物の酸価については、酸価が40(mgKOH/g)以下とすることが好ましい。これは、ポリアミド系樹脂と、脂肪酸アミドとによって形成する3次元網目構造を密に保ちやすくして、着色剤(顔料)、樹脂粒子を引っかけやすい安定構造を形成しやすく、沈降を抑制しやすく、さらに筆跡の色調(金属光沢性)を良好としやすいためである。より顔料の沈降抑制を考慮すれば、酸価が30(mgKOH/g)以下とすることが好ましく、より考慮すれば、酸価が20(mgKOH/g)以下とすることが好ましく、より好ましくは、酸価が3~20(mgKOH/g)である。
また、ポリアミド系樹脂の酸価は、公知の方法で求めることができ、例えば樹脂をキシレンとジメチルホルムアミド1:1溶液に溶解し、電位差滴定法により0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液で滴定し、水酸化カリウム溶液の終点までの滴定量から酸価を算出する。詳細には「JIS-K2501-2003石油製品及び潤滑油-中和価試験方法」に基づいて行うことができる。
本発明で用いる着色剤は、顔料、染料は、特に限定されないが、本発明のようにポリアミド系樹脂、脂肪酸アミドを含んでなる筆記具用水性インキ組成物は、顔料分散を安定化させる効果が得られることから、顔料インキでは、効果的であるため、好ましく、特に比重の大きい顔料の分散を安定化させて、顔料を沈降抑制できるため、金属顔料を用いた場合は、より効果的である。
顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、マイクロカプセル、金属顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
金属顔料としては、アルミニウムペースト状顔料、アルミ粉顔料、酸化チタン顔料、金属蒸着粉顔料(金属薄膜を樹脂にて被覆した顔料)、ガラスフレーク顔料、パール顔料などが挙げられる。
さらに、シリカ等の被覆材により被覆された金属顔料は、水、溶剤との反応性が低く安定性が高いため、気泡発生や、経時的に金属光沢性の劣化しにくいため、好ましく、上記被覆の中でも、水、溶剤との反応性が低く安定性が高いという点からは、シリカ被覆、リン酸化合物被覆が好ましい。さらに、より考慮すれば、リン酸化合物被覆が好ましい。
尚、前記金属粉は、インキ組成物中での金属粉の分散状態で前記した作用効果を奏するため、分散状態の粒子径を求めることが好ましい。
アルミニウム粉末としては、AA12、AA8、No.900、No.18000(以上、福田金属箔粉工業(株)製)などが挙げられる。
金属蒸着粉顔料としては、合成樹脂にアルミニウムを真空蒸着し、金属層を樹脂により保護して片状に粉砕したエルジーSilver#500、同#325、同#200(以上、尾池工業(株)製)などがある。さらに、樹脂層に着色を施したエルジーR.Gold#500、同B.Gold#500、同R.Gold#325、同B.Gold#325、同Red#325、同Blue#325、同Green#325、同Violet#325、同Black#325、同Copper#325、同R.Gold#200、同B.Gold#200、同Red#200、同Blue#200、同Green#200、同Violet#200、同Black#200、同Copper#200(以上、尾池工業(株)製)などが挙げられる。
ガラスフレーク顔料としては、ガラスフレークに無電解めっき法により金属を被覆したメタシャインREFSX-2015PS、同-2025PS、同-2040PS、RCFSX-5030NS、同-5030NB、同-5030PS、同-2015PS、同-5090GG(以上、日本板硝子(株)製)などが挙げられる。
パール顔料としては、イリオジン120 Luster Satin、同123 Bright Luster Satin、同201 Rutile Fine Gold、同211 Rutile Fine Red、同221 Rutile Fine Blue、同223 Rutile Fine Lilac、同231 Rutile Fine Green、同302 Gold Satin、同323 Royal Gold Satin、同520 Bronze Satin、同522 Red Brown Satin、同524 Red Satin(以上、メルクジャパン(株)製)などが挙げられる。
酸化チタン顔料としては、タイトーンSR-1、同R-650、同R-3L、同A-110、同A-150、同R-5N、同R-7E(以上、堺化学工業(株)社製)、タイペークR-580、同R-550、同R-780、同R-780-2,同R-930、同A-100、同A-220、同CR-58(以上、石原産業(株)社製)、クロノスKR-310、同KR-380、同KR-480、同KA-10、同KA-20、同KA-30(以上、チタン工業(株)社製)、タイピュアーR-900、同R-931、同R-960、同R-960VHG(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド社製)などが挙げられる。また、LIOFAST WHITE H201、EM WHITE H、EMWHITE FX9048(以上、東洋インキ(株)社製)、ポルックスホワイトPC-CR(住友カラー(株)社製)、FUJISP WHITE 11、同1011、同1036、同1051(以上、富士色素(株)社製)などの市販の酸化チタン水性分散体を使用すれば、生産面での分散工程の省略ができ、簡便にインキ化できるので、好ましい。
本発明では、インキ成分の溶解性、分散安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、溶剤を用いることが好ましい。
本発明のようにポリアミド系樹脂、脂肪酸アマイドを用いる場合は、インキ中で、3次元網目構造を安定的に形成しやすくすることで、顔料の沈降抑制効果を考慮すれば、溶解度パラメーター(SP値)8~12の溶剤を用いることが好ましく、より考慮すれば、溶解度パラメーター(SP値)8.5~10.5の溶剤を用いることが好ましい。
具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値10.2)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(SP値9.4)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(SP値9.0)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値9.1)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値11.2)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値9.1)、エチレングリコール-2-エチルヘキシルエーテル(SP値9.0)、ジエチレングリコール-2-エチルヘキシルエーテル(SP値9.2)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(SP値9.2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値9.5)、2-エチルヘキサノール(SP値9.5)、3-メトキシ-3-メチルブタノール(SP値9.3)、ヘキシレングリコール(SP値10.5)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値10.7)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値11.2)、フェニルグリコール(SP値11.5)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(SP値9.4)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(SP値8.9)、トリエチレングリコールモノブチルメチルエーテル(SP値8.9)などが挙げられ、ポリアミド系樹脂との安定性を考慮すれば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値10.2)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(SP値9.0)を用いることが好ましい。
水としては、特に制限はなく、例えば、水道水、イオン交換水、限外ろ過水または蒸留水などを用いることができる。
本発明では、樹脂粒子を含有することで、ボールペンの場合、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間に物理的な障害を起こして、インキ漏れを抑制しやすいため、好ましい。さらに、有機樹脂粒子は無機粒子と比較して硬度が低いことから、粒子同士が一部変形などして、お互い密着することで、微弱な凝集により形成された構造を生じることにより、静置時のインキ漏れに対しての抵抗作用の高い構造をインキ中で形成することで、高いインキ漏れ抑制をしやすいため、好ましい。本発明では、ポリアミド系樹脂と、脂肪酸アミドを用いることで、形成された3次元網目構造に、樹脂粒子を引っかけやすく、樹脂粒子を分散安定させ、沈降を抑制しやすいため、効果的である。
さらに、該筆記具用水性インキ組成物は、ガラス瓶などのガラス製のインキ収容器に収容されることがある。ガラス瓶は成形が容易で安価に入手しやすく、その上、所望の強度が得られやすいという反面、特に廉価で汎用性の高いソーダ石灰ガラスなどを用いた場合には、インキ組成物を長期間収容していると、筆記具用水性インキ組成物中にガラス中のアルカリ成分が溶出する可能性が高く、この溶出したアルカリ成分と筆記具用水性インキ組成物の成分が反応して、析出物が形成される可能性がある。
このため、本発明の筆記具用水性インキ組成物にキレート剤をさらに用いることは効果的であり、ガラス製のインキ収容器に収容した場合にも、溶出するアルカリ成分を補足し、該アルカリ成分が筆記具用水性インキ組成物中の成分と反応して水に不溶な析出物が発生するのを防止し、発生した析出物などによりインキ流路が塞がれて、筆跡がカスレたり、筆記不能になることを抑制することができる。
アルカリ成分を十分に補足できること、また、筆記具用水性インキ組成物のキレート剤の配合前後の物性に大きく影響を及ぼし難い傾向にあることなどを考慮すると、前記キレート剤の中でも、アミノカルボン酸を用いることが好ましく、中でも、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩を用いることが好ましい。
また、キレート剤は、適正量添加することにより、ペン先からの耐漏れ出し性能をさらに向上できる傾向がある。よって、析出物の発生抑制とペン先からの耐漏れ出し性能の更なる向上を考慮すると、0.01~0.5質量%であることがより好ましい。
また、ボールペンに用いる場合は、リン酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制し、書き味を向上しやすいためであり、さらに、潤滑性を考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましく、アルキル基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましい。
アルキル基を有するリン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、オクチルアルコール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすく、さらに前記金属顔料との相性により、インキ経時安定性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いるのが、好ましい。
また、20℃環境下、剪断速度38.4(sec-1)で、インキ粘度が100(mPa・s)以下とすることが好ましい。これは、インキ吐出量を多く保つことで、筆跡の色調(金属光沢性)を良好とし、さらに、筆跡カスレを抑制することができるため、70(mPa・s)以下が好ましく、より考慮すれば、55(mPa・s)以下が好ましく、筆跡カスレを抑制して、良好な筆記性、筆跡の色調(金属光沢性)をより考慮すれば、45(mPa・s)以下が好ましく、35(mPa・s)以下が好ましい。また、着色剤(顔料)、樹脂粒子などの沈降を抑制することを考慮すれば、5(mPa・s)以上が好ましく、10(mPa・s)以上が好ましく、さらに15(mPa・s)以上がより好ましい。上記のように、インキ粘度を低粘度とした場合は、顔料が沈降しやすいため、本発明のようにポリアミド系樹脂、脂肪酸アミドを用いると顕著な効果が出やすいため好ましい。
さらに、筆跡カスレを抑制し、筆記性を良好にしやすくするには、20℃環境下、剪断速度384(sec-1)(筆記時)で、インキ粘度が15(mPa・s)以下とすることが好ましく、より好ましくは、10(mPa・s)以下とすることが好ましい。
さらに、インキ吐出量を保ち、筆跡の色調(金属光沢性)を良好とし、筆跡カスレを抑制しながらも、金属顔料の沈降を抑制することを考慮すると、インキ組成物の流動時の粘度勾配が一定以上あること、つまりは、高剪断時(筆記時)と低剪断時(静止時)のインキ組成物の粘度比が一定以上あることが好ましい。
よって、高剪断時(筆記時)と低剪断時(静止時)のインキ組成物の粘度比(剪断速度1.92sec-1における粘度/剪断速度384sec-1における粘度)は、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上であり、さらに好ましくは25以上であり、また好ましくは、粘度比(剪断速度1.92sec-1における粘度(静止時)/剪断速度384sec-1における粘度(筆記時))は、50以下であり、より好ましくは40以下である。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン芯またはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペン、金属製のペン先を用いた万年筆などの筆記具に用いることができる。本発明のように、インキ粘度を低粘度としても、顔料沈降を抑制できるため、マーキングペン用や万年筆用インキ組成物として用いることが効果的であり、特に万年筆用インキ組成物に用いると効果的である。
上記のようなインキ貯蔵体は、筆記具の軸筒内に備える可能性があるため、インキ貯蔵体の内径が制約される可能性が高い。よって、インキ貯蔵体内でインキ組成物は流動しにくく、インキ貯蔵体内のインキ移動性に特に考慮が必要となる。本発明のインキ組成物は、インキに動きが生じた際のインキ貯蔵体に対する濡れ性の低下を抑制することができ、インキ貯蔵体内のインキ移動性に優れていることから、上記のようなインキ貯蔵体を備える筆記具に、好適に用いることができる。
特に、前記インキ貯蔵体の素材が樹脂材により成形されている場合、インキ貯蔵体はインキ組成物との濡れ性が悪くなる傾向にあり、インキ貯蔵体内のインキ移動性を特に考慮する必要がある。本発明のインキ組成物は、樹脂材に対してもインキに動きが生じた際の濡れ性の低下を抑制することができることから、樹脂製のインキ貯蔵体を有する筆記具に好適に用いることができる。
また、インキ貯蔵体は、インキ組成物を長期間保管するため、耐薬品性に優れる、結晶性樹脂を用いることが好ましく、よって、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどの結晶性オレフィン樹脂を用いることがより好ましい。
本発明による水性インキ製品は、本発明の筆記具用水性インキ組成物をガラス製のインキ収容部に収容しても良い。
特に、前記筆記具用水性インキ組成物にキレート剤を含んでなる場合は、ガラス製のインキ収容器に収容した場合にも、溶出するアルカリ成分を補足し、該アルカリ成分が筆記具用水性インキ組成物中の成分と反応して水に不溶な析出物が発生するのを防止し、発生した析出物などによりインキ流路が塞がれて、筆跡がカスレたり、筆記不能になることを抑制しやすいため、効果的であり、好ましい。特に、筆記具用水性インキ組成物とソーダ石灰ガラスを使用したガラス製のインキ収容部との組合せの時に、特に高い効果が発揮されやすいため、好ましい。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、各インキ成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
(筆記具用水性インキ組成物)
実施例1
金属顔料(アルミニウム粉65%含有、オクチルホスホン酸3%含有、リーフィングタイプ、金属粉の質量に対して、アルキルホスホン酸の質量比:0.05倍(アルキルホスホン酸/金属粉)) 2.0質量部
染料(ダイレクトブラック154) 0.01質量部
水 80.5質量部
多価アルコール(ジエチレングリコール) 7.0質量部
ポリアミド系樹脂と脂肪酸アミドの混合物(有効成分10%、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値10.2)含有、酸価:7.5(mgKOH/g)、アルカノールアミン中和) 8.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 1.0質量部
アミノカルボン酸(エチレンジアミン四酢酸) 0.5質量部
リン酸エステル系界面活性剤 1.0質量部
その後、染料、水、多価アルコール、ポリアミド系樹脂と脂肪酸アミドの混合物、pH調整剤、アミノカルボン酸、リン酸エステル系界面活性剤を加温撹拌してベースインキを作成し、先に作製していた金属顔料と、ベースインキを混合し、加温撹拌して筆記具用水性インキ組成物を作成した。
20℃の環境下で、剪断速度1.92sec-1(回転速度0.5rpm)にてインキ粘度を測定したところ、実施例1:315(mPa・s)、実施例2:514(mPa・s)、実施例12:80(mPa・s)、実施例13:150(mPa・s)、実施例14:172(mPa・s)、比較例1:3.2(mPa・s)であった。
20℃の環境下で、剪断速度38.4sec-1(回転速度10rpm)にてインキ粘度を測定したところ、実施例1:32(mPa・s)、実施例2:51(mPa・s)、実施例12:7(mPa・s)、実施例13:14(mPa・s)、実施例14:17(mPa・s)、比較例1:3.0(mPa・s)であった。
また、20℃の環境下で、剪断速度384sec-1(回転速度100rpm)にてインキ粘度を測定したところ、実施例1:9.5(mPa・s)、実施例2:14(mPa・s)、実施例12:4.1(mPa・s)、実施例13:6.1(mPa・s)、実施例14:6.7(mPa・s)、比較例1:2.4(mPa・s)であった。
インキ組成物の粘度比(剪断速度1.92sec-1における粘度/剪断速度384sec-1における粘度)は、実施例1:33.2、実施例2:36.7、実施例12:19.5、実施例13:24.6、実施例14:25.7、比較例1:1.3であった。
また、実施例1、2のpH値は、東亜ディーケーケー社製pHメーター HM-30R型を用いて、20℃にて測定したところ、実施例1:pH値=8.2、実施例2:pH値=8.1であった。
インキ配合を表に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2~15の筆記具用水性インキ組成物を得た。表に、インキ配合および評価結果を示す。
実施例1~15、比較例1~3の筆記具用水性インキ組成物を、結晶性オレフィン樹脂(ポリメチルペンテン)製のインキ吸入器(インキ吸入器内に前後方向に移動可能な樹脂製の移動体を配したもの)に、インキ吸入器開口部上向きの状態で注入し、移動体がインキ組成物中に完全に浸漬された状態にした。このインキ吸入器を、くし歯状のインキ保留部材をインキ流量調節体として配置された、万年筆形態のペン先を有するノック式の出没式筆記具(パイロットコーポレーション社製、万年筆、FCN-1MR-BM)に、装着した筆記具を用いて、以下の試験および評価を行い、色調試験、筆記性試験の評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い行った。
上澄み液(顔料・樹脂粒子の沈降)が、ほとんどなく良好であるもの ・・・◎
上澄み液(顔料・樹脂粒子の沈降)が、一部確認されたが、実用上問題ないレベルのもの・・・○
顔料など(顔料・樹脂粒子の沈降)の沈降がひどく、問題になるレベルのもの ・・・×
筆跡の色調(金属光沢)が非常に良く、濃淡がないもの ・・・◎
筆跡の色調(金属光沢)が良いもの ・・・○
筆跡の色調(金属光沢)がやや劣るもの ・・・△
筆跡の色調(金属光沢)が劣り、実用性に乏しいもの ・・・×
筆跡にカスレがないもの ・・・◎
若干、筆跡にカスレがあるもの ・・・○
筆跡にカスレがあり、実用性に乏しいもの ・・・×
Claims (6)
- 水、アルミニウム粉を用いた顔料、ポリアミド系樹脂、脂肪酸アミドを含んでなる筆記具用水性インキ組成物であって、
前記顔料の全質量に対して、ポリアミド系樹脂と脂肪酸アミドとの総質量比(ポリアミド系樹脂+脂肪酸アミド/顔料)は0.1倍~3倍であり、
前記筆記具用水性インキ組成物のインキ粘度については、20℃環境下において、剪断速度1.92(sec -1 )で、インキ粘度が100(mPa・s)以上600(mPa・s)以下、剪断速度384(sec -1 )で、インキ粘度が15(mPa・s)以下であり、
かつ、インキ粘度比(剪断速度1.92sec -1 における粘度/剪断速度384sec -1 における粘度)は、20以上50以下であることを特徴とする筆記具用水性インキ組成物(筆記板用消去性インキ組成物を除く)。 - 前記筆記具用水性インキ組成物のインキ粘度については、20℃環境下において、剪断速度38.4(sec -1 )で、インキ粘度が10(mPa・s)以上70(mPa・s)以下であることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物(筆記板用消去性インキ組成物を除く)。
- 前記筆記具用水性インキ組成物に、さらに黒色着色剤を含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用水性インキ組成物(筆記板用消去性インキ組成物を除く)。
- 前記ポリアミド系樹脂と脂肪酸アミドとの総含有量は、インキ組成物全量に対し、0.01~5質量%を含んでなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物(筆記板用消去性インキ組成物を除く)。
- 前記筆記具用水性インキ組成物に、溶解度パラメーターが8~12である溶剤を含んでなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物(筆記板用消去性インキ組成物を除く)。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物(筆記板用消去性インキ組成物を除く)をインキ収容筒に直詰めしたことを特徴とする筆記具。
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