JP7430571B2 - 研磨液組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2では、多価アルコールと複数のホルミル基を有する化合物とを反応させることにより得られる環状アセタール化合物により表面を処理することにより水への溶解度を改善した水酸基を有する水溶性高分子が提案されている。
特許文献3では、砥粒と組み合わせてシリコンウェーハなどの半導体基板を研磨する研磨助剤などに有効に利用できる疎水化ヒドロキシセルロースの製造方法及び研磨錠剤が提案されている。
本開示において、成分Cが炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基を有することで、成分Cのシリコンウェーハへの吸着性が増大すると考えられる。そして、成分Cがシリコンウェーハに吸着することで、表面粗さ(ヘイズ)悪化の原因となるシリカ粒子(成分A)が直接シリコンウェーハに接触することが抑制され、さらに、表面粗さ(ヘイズ)悪化の原因となる含窒素塩基性化合物(成分B)によるウェーハ表面の腐食が抑制され、表面粗さ(ヘイズ)を低減できる又は表面粗さ(ヘイズ)の悪化を抑制できると考えられる。
また、成分Cがカチオン性基を有することで、シリカ粒子(成分A)と静電引力により相互作用することにより、研磨速度が向上すると考えられる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示の研磨液組成物は、研磨材としてシリカ粒子(以下、「成分A」ともいう)を含有する。成分Aの具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、粉砕シリカ、及びそれらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、コロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
本開示の研磨液組成物は、含窒素塩基性化合物(以下、「成分B」ともいう)を含有する。成分Bとしては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
本開示の研磨液組成物は、多糖又は多糖誘導体にカチオン性基と炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基(以下、単に「疎水基」ともいう)とが結合している化合物(以下、「成分C」ともいう)を含有する。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
前記多糖又は多糖誘導体は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、ヒドロキシアルキルセルロースであることが好ましい。ここで、ヒドロキシアルキルセルロースとは、セルロースの水酸基の水素原子の一部がヒドロキシアルキル基で置換された化合物をいう。
成分Cは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基に、カチオン性基が結合していることが好ましい。多糖又は多糖誘導体がヒドロキシアルキルセルロースである場合、多糖又は多糖誘導体の水酸基は、セルロースに結合したヒドロキシアルキル基が有する水酸基と、セルロース骨格を形成するグルコースが有する水酸基(ヒドロキシアルキル基が結合していない水酸基)とを含む。
tは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは1以上3以下の整数、より好ましくは1又は2、更に好ましくは1である。
X-は、第4級アンモニウムカチオンの対イオンであり、例えば、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1以上3以下のカルボン酸イオン(ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン)、及びハロゲン化物イオンが例示される。これらの中でも、製造の容易性及び原料入手容易性の観点から、X-は、好ましくはメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、塩化物イオン、及び臭化物イオンから選択される1種以上であり、得られる成分Cの水溶性及び化学的安定性の観点から、より好ましくは塩化物イオンである。X-は1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
成分Cは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、多糖又は多糖誘導体に炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基が結合している。
前記疎水基に含まれる炭化水素基は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基、更に好ましくは直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、より更に好ましくは直鎖状のアルキル基である。
前記疎水基に含まれる炭化水素基の炭素数は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、4以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下である。
Zが酸素原子を有する炭化水素基(以下、炭化水素基(Z)ともいう)である場合、炭化水素基(Z)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、エポキシ基由来の基、オキシグリシジル基由来の基、又はカルボン酸(若しくはその無水物)由来の基を含むが好ましく、オキシグリシジル基由来の基を含むことがより好ましい。
式(1-1-1)~式(1-4)において、R11及びR12はそれぞれ独立に、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくはエチレン基又はプロピレン基、より好ましくはエチレン基である。R11及びR12の炭素数は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは2以上3以下である。R11及びR12が複数存在する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。n1及びn2は、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下、より更に好ましくは1以下であり、そして、0以上であってもよく、0であることがより更に好ましい。
式(1)で表される疎水基が、式(1-4)で表される疎水基を含有する場合、式(1-4)における-R12-O-の平均付加モル数は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下、より更に好ましくは1以下であり、そして、好ましくは0以上である。
式(1-2-1)及び式(1-2-2)で表される疎水基は、Zがエポキシ基に由来する基である。式(1-2-1)及び式(1-2-2)で表される疎水基は、疎水化剤として、末端エポキシ化炭化水素、好ましくは末端エポキシ化アルカンを使用することで得られる。
式(1-3)で表される疎水基は、疎水基が直接にヒドロキシアルキルセルロースの水酸基から水素原子を除いた基と結合している。式(1-3)で表される疎水基は、疎水化剤として、ハロゲン化炭化水素を使用することで得られる。
式(1-4)で表される疎水基は、Zがカルボニル基を含有する基である。式(1-4)で表される疎水基は、疎水化剤として、R1-C(=O)-OH、R1-C(=O)-A(Aはハロゲン原子を示す。)、R1-C(=O)-O-C(=O)-R1等を使用することで得られる。
これらの中でも、成分Cの製造時に塩の副生がなく、また、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、疎水基は、式(1-1-1)、式(1-1-2)、式(1-2-1)又は式(1-2-2)で表される疎水基であることが好ましく、より好ましくは式(1-1-1)又は式(1-1-2)で表される疎水基である。
R31、R32及びR33のうちの少なくとも1つは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、炭素数が4以上であり、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは12以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下である。研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、R31、R32及びR33のうちの1つが炭素数4以上の炭化水素基であり、2つが炭素数1~3の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1~3の炭化水素基としては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、メチル基又はエチル基が好ましく、R31、R32及びR33のうちの2つがメチル基又はエチル基であることがより好ましく、R31、R32及びR33のうちの2つがメチル基であることが更に好ましい。
Y-は、第4級アンモニウムカチオンの対イオンである。具体的には、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1以上3以下のカルボン酸イオン(ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン)、及びハロゲン化物イオンが例示される。これらの中でも、製造の容易性及び原料入手容易性の観点から、Y-は、好ましくはメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、塩化物イオン、及び臭化物イオンから選択される1種以上であり、得られる成分Cの水溶性及び化学的安定性の観点から、より好ましくは塩化物イオンである。Y-は1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
前記導入剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分Cがアニオン性基を有する場合、成分Cにおけるアニオン性基の置換度(以下、「MSA」ともいう)とカチオン性基の置換度の比(MSA/MSC)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは3以下、より好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.1以下であり、そして、0以上であってもよく、0であることがより更に好ましい。MSAは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.01未満、より好ましくは0.001以下である。
成分Cがアニオン性基を有する場合、該アニオン性基としては、カルボキシメチル基等が例示される。カルボキシメチル基の導入反応(カルボキシメチル化反応)は、ヒドロキシアルキルセルロースに塩基性化合物の存在下、モノハロゲン化酢酸及び/又はその金属塩を反応させることにより行われる。モノハロゲン化酢酸及びモノハロゲン化酢酸の金属塩としては、具体的には、モノクロル酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸カリウム、モノブロモ酢酸ナトリウム、モノブロモ酢酸カリウム等が例示される。これらモノハロゲン化酢酸及びその金属塩は単独あるいは2種以上を組み合せても使用することができる。
成分Cは、多糖又は多糖誘導体に対し、カチオン化剤及び疎水化剤から選ばれる1種以上と反応させて、カチオン性基及び疎水基を導入して得ることが好ましい。
多糖又は多糖誘導体に対する、カチオン性基の導入反応(以下、「カチオン化反応」ともいう)及び疎水基の導入反応(以下、「疎水化反応」ともいう)は、いずれも塩基性化合物の共存下で行うことが好ましい。
導入反応の反応速度の観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。
前記反応は、反応性の観点から、非水溶剤の存在下で行ってもよい。前記非水溶剤としては、2-プロパノール等の極性溶剤が挙げられる。
反応後は、酸を用いて塩基性化合物を中和することができる。酸としては、例えばリン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。
得られた成分Cは、必要に応じて、濾過、洗浄、イオン交換処理等により精製してもよい。
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、水(成分D)を含んでいてもよい。成分Dとしては、例えば、イオン交換水や超純水等の水が挙げられ、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、超純水が好ましい。本開示の本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、例えば、成分A、成分B、成分C及び後述するその他の成分の残余とすることができる。
本開示の研磨液組成物は、本開示の効果が妨げられない範囲で、その他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分としては、一又は複数の実施形態において、成分C以外の水溶性高分子、成分B以外のpH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤、酸化剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、シリコンウェーハ用研磨組成物であり、例えば、半導体基板の製造方法における、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程や、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む研磨方法に用いられうる。本開示の研磨液組成物を用いて研磨される被研磨シリコンウェーハとしては、一又は複数の実施形態において、単結晶シリコンウェーハ又はポリシリコンウェーハが挙げられる。単結晶シリコンウェーハとしては、例えば、単結晶100面シリコンウェーハ、111面シリコンウェーハ、110面シリコンウェーハ等が挙げられる。また、前記シリコンウェーハの抵抗率としては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.0001Ω・cm以上、より好ましくは0.001Ω・cm以上、更に好ましくは0.01Ω・cm以上、更に好ましくは0.1Ω・cm以上であり、そして、好ましくは100Ω・cm以下、より好ましくは50Ω・cm以下、更に好ましくは20Ω・cm以下である。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本開示の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の半導体基板製造方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いることで、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できるため、高品質の半導体基板を高収率で、生産性よく製造できる。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含む、研磨方法(以下、[本開示の研磨方法]ともいう)に関する。本開示の研磨方法における研磨工程は、上述した本開示の半導体基板製造方法における研磨工程と同様にして行うことができる。本開示の研磨方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いるため、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できる。
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を製造するための研磨液キット(以下、「本開示のキット」と略称する場合もある。)に関する。本開示のキットによれば、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できる研磨液組成物が得られうる。
本開示のキットの一実施形態としては、成分A、成分B及び成分Cを含む溶液を含有する研磨液キットが挙げられる。前記溶液には、必要に応じて上述した任意成分(成分D、その他の成分)が含まれていてもよい。前記溶液は、使用時に、必要に応じて水(成分D)を用いて希釈してもよい。
表1に示す化合物C1~C10を以下のようにして調製した。
(化合物C1の合成例)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(Ashland社、Natrosol 250 LR、重量平均分子量:9万、ヒドロキシエチル基の置換度:2.5)100gを1Lセパラフラスコに入れ、窒素フローを行った。イオン交換水81.6g、イソプロピルアルコール(以下「IPA」という)450.4gを加え、200r.p.m.で5分間撹拌した後、48%水酸化ナトリウム水溶液11.8gを加え、更に15分間撹拌した。次に、ラウリルグリシジルエーテル(四日市合成株式会社、LA-EP)3.0gを加え、80℃で13時間アルキル化反応を行った。更にグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(以下「GMAC」ともいう、阪本薬品工業株式会社、SY-GTA80)1.0gを加え、50℃で1.5時間カチオン化反応を行った。その後、90%酢酸水溶液11.8gを加え、30分撹拌することで中和反応を行った。
得られた懸濁液を500mLの遠沈管2本に均等に移し替え、高速冷却遠心機(日立工機株式会社、CR21G III)を用いて遠心分離を行った。上澄みをデカンテーションにより取り除き、取り除いた上澄みと同量の85%IPA水溶液を加え、再分散を行った。再度、遠心分離と再分散の操作を繰り返し、3回目の遠心分離を行った後に沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を真空乾燥機(アドバンテック社、VR-420)を用いて80℃で12時間減圧乾燥し、エクストリームミル(ワーリング社、MX-1200XTM)により解砕することで、粉末状のセルロース誘導体C1(化合物C1)を得た。
(化合物C2の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を1.6gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C2(化合物C2)を合成した。
(化合物C3の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C3(化合物C3)を合成した。
(化合物C4の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を4.8gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C4(化合物C4)を合成した。
(化合物C4の合成例)
ラウリルグリシジルエーテルの仕込み量を6.3g、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C5(化合物C5)を合成した。
(化合物C6の合成例)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(Ashland社、Natrosol 250 JR、重量平均分子量:15万、ヒドロキシエチル基の置換度:2.5)を用いて、ラウリルグリシジルエーテルの仕込み量を3.9g、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更した以外は実施例1と同様の方法を用いて表1に示すセルロース誘導体を合成した。
(化合物C7)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(Ashland社、Natrosol 250 JR、重量平均分子量:15万、ヒドロキシエチル基の置換度:2.5)を用いた。
(化合物C8)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(ダイセルファインケム社、SE-400、重量平均分子量:30万、ヒドロキシエチル基の置換度:非開示)を用いた。
(化合物C9の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを投入しなかった以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C9(化合物C9)を合成した。
(化合物C10の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更、ラウリルグリシジルエーテルを投入しなかった以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C10(化合物C10)を合成した。
シリカ粒子(成分A)、アンモニア(成分B)、表1~2に示す化合物(成分C又は非成分C)、及び超純水(成分D)を撹拌混合して実施例1~9及び比較例1~5の研磨液組成物を得た。表1~2中の各成分の含有量は、研磨液組成物の使用時における各成分の含有量(質量%、有効分)である。成分Dの含有量は、成分A、成分B、成分C又は非成分Cを除いた残余である。各研磨液組成物(使用時)の25℃におけるpHは10.5であった。
(成分A)
コロイダルシリカ[平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径49nm、会合度2.0]
(成分B)
アンモニア[28質量%アンモニア水、キシダ化学社製、試薬特級]
であった。
(1)シリカ粒子(成分A)の平均一次粒子径の測定
成分Aの平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
[前処理]
(a)スラリー状の成分Aを硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の成分Aをシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過する。
(e)フィルタ上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルタをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(成分A)をフィルタ屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
成分Aの平均二次粒子径(nm)は、成分Aの濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水分散液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:「ゼータサイザーNano ZS」、シスメックス社製)を用いて測定した。
成分C又は非成分Cの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づき算出した。
<HECの測定条件>
装置:HLC-8320 GPC(東ソー社製、検出器一体型)
カラム:α-M+α-M(カチオン)
溶離液:0.15mol/L Na2SO4,1質量%酢酸,溶媒:水
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:ショーデックスRI SE-61示差屈折率検出器
標準物質:分子量が既知のプルラン
・前処理
粉末状のセルロース誘導体1gを100gの水に溶かした後、水溶液を透析膜(スペクトラポア、分画分子量1,000)に入れ、2日間透析を行った。得られた水溶液を凍結乾燥機(eyela,FDU1100)を用いて凍結乾燥することで精製セルロース誘導体を得た。
精製したセルロース誘導体の200mgを精秤し、硫酸10mLとケルダール錠(Merck)1錠を加え、ケルダール分解装置(BUCHI社、K-432)にて加熱分解を行った。分解終了後、サンプルにイオン交換水30mLを加え、自動ケルダール蒸留装置(BUCHI社、K-370)を用いてサンプルの窒素含量(質量%)を求めることで、カチオン性基の質量を算出した。
精製したセルロース誘導体200mg、アジピン酸220mgを10mLバイアル(マイティーバイアルNo.3)に精秤し、内標溶液(テトラデカン/o-キシレン=1/25(v/v)) 3mL及びヨウ化水素酸3mLを加えて密栓した。また、セルロース誘導体の代わりに1-ヨードドデカンを2、4、又は9mg加えた検量線用の試料を調製した。各試料をスターラーチップにより撹拌しながら、ブロックヒーター(PIERCE社、Reacti-ThermIII Heating/Stirring module)を用いて160℃、2時間の条件で加熱した。試料を放冷した後、上層(o-キシレン層)を回収し、ガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所、GC-2010 plus)にて、1-ヨードドデカン量を分析した。
・GC分析条件
カラム:Agilent HP-1(長さ:30m、液相膜厚:0.25μL、内径:32mm)
スプリット比:20
カラム温度:100℃(2min)→10℃/min→300℃(15min)
インジェクター温度:300℃
検出器:FID
検出器温度:330℃
打ち込み量:2μL
GCにより得られた1-ヨードドデカンの検出量から、サンプル中の疎水基(アルキル基)の質量を求めた。
ヒドロキシアルキル基由来のヨウ化アルキルを定量することで、前述の疎水基(アルキル基)質量の測定と同様にしてヒドロキシアルキル基の質量の測定を行った。
上述のカチオン性基と疎水基(アルキル基)の質量及び全サンプル質量からヒドロキシエチルセルロース(HEC)骨格の質量を計算し、それぞれ物質量(mol)に変換することで、カチオン性基の置換度(MSC)、及び疎水基(アルキル基)の置換度(MSR)を算出した。ヒドロキシアルキル基の置換度(MS)についても同様にして算出した。
各研磨液組成物について、それぞれ研磨直前にフィルタ(コンパクトカートリッジフィルタ「MCP-LX-C10S」、アドバンテック社製)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記のシリコンウェーハに対して仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨液組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供した単結晶シリコンウェーハのヘイズは、2~3ppmであり、ポリシリコンウェーハのヘイズは、3~5ppmであった。ヘイズは、KLA Tencor社製「Surfscan SP1-DLS」を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値である。
<シリコンウェーハ>
単結晶シリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満]
ポリシリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満の上にSiO2膜を4400Å分プラズマCVD法により堆積させ、続いてポリシリコン膜を8000Å同じくプラズマCVD法により堆積させたウェーハ]
研磨機:片面8インチ研磨機「GRIND-X SPP600s」(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製、アスカー硬度:64、厚さ:1.37mm、ナップ長:450um、開口径:60um)
シリコンウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:150g/cm2
研磨液組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:62rpm
仕上げ研磨後、シリコンウェーハに対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5質量%のフッ化水素アンモニウム(特級、ナカライテクス株式会社)を含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1,500rpmでシリコンウェーハを回転させた。
[研磨速度]
研磨前後の各シリコンウェーハの重さを精密天秤(Sartorius社製「BP-210S」)を用いて測定し、得られた重量差をシリコンウェーハの密度、面積および研磨時間で除して、単位時間当たりの片面研磨速度を求めた。
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)の評価には、表面粗さ測定装置「Surfscan SP1-DLS」(KLA Tencor社製)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値(DWOヘイズ)を用いた。ヘイズ(DWO)の数値は小さいほど、表面の平滑性が高いことを示す。表面粗さ(ヘイズ)の測定は、各々2枚のシリコンウェーハに対して行い、各々平均値を表1及び表2に示した。表1は、実施例1~8及び比較例1~4の研磨液組成物を用いて単結晶シリコンウェーハを研磨した場合の結果を示し、表2は、実施例9及び比較例5の研磨液組成物を用いてポリシリコンウェーハを研磨した場合の結果を示す。
Claims (13)
- シリカ粒子(成分A)、含窒素塩基性化合物(成分B)、多糖又は多糖誘導体にカチオン性基と炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基とが結合している化合物(成分C)を含有する研磨液組成物。
- 多糖又は多糖誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロースである、請求項1に記載の研磨液組成物。
- 炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基が、下記式(1)で表される疎水基である、請求項1又は2記載の研磨液組成物。
前記式(1)中、Zは、単結合、又は、酸素原子及び窒素原子の少なくとも1つを有する炭化水素基を示し、R1は炭素数4以上の炭化水素基を示し、*は多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示す。 - 前記式(1)で表される疎水基が、下記式(1-1-1)で表される疎水基、式(1-1-2)で表される疎水基、式(1-2-1)で表される疎水基、式(1-2-2)で表される疎水基、式(1-3)で表される疎水基、及び式(1-4)で表される疎水基から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項3に記載の研磨液組成物。
前記式(1-1-1)~式(1-4)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数2~4のアルキレン基を示し、R1は式(1)におけるR1と同義であり、*は多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示し、n1は-R11O-の付加モル数を示し、n2は-R12-O-の付加モル数を示し、n1及びn2は0以上30以下の整数である。 - カチオン性基が、第4級アンモニウムカチオンを含む、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
- カチオン性基が、下記式(2-1)又は下記式(2-2)で表される基である、請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物。
前記式(2-1)及び前記式(2-2)中、R21、R22及びR23はそれぞれ独立に、炭素数1以上24以下の炭化水素基を示し、X-はアニオンを示し、tは0以上3以下の整数を示し、*は多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示す。 - 多糖又は多糖誘導体の重量平均分子量が1,000以上50万以下である、請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 成分Cにおける炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基の置換度が、0.005以上0.05以下である、請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 成分Cにおけるカチオン性基の置換度が0.001以上0.05以下である、請求項1から8のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 成分Cにおける炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基の置換度に対する、カチオン性基の置換度の比(疎水基置換度/カチオン性基置換度)が0.1以上50以下である、請求項1から9のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 単結晶シリコンウェーハ又はポリシリコンウェーハの研磨に用いられる、請求項1から10のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 請求項1から11のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、研磨方法。
- 請求項1から11のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
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