[go: up one dir, main page]

JP7430571B2 - 研磨液組成物 - Google Patents

研磨液組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7430571B2
JP7430571B2 JP2020082719A JP2020082719A JP7430571B2 JP 7430571 B2 JP7430571 B2 JP 7430571B2 JP 2020082719 A JP2020082719 A JP 2020082719A JP 2020082719 A JP2020082719 A JP 2020082719A JP 7430571 B2 JP7430571 B2 JP 7430571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
polishing
liquid composition
polishing liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020082719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021177534A (ja
Inventor
太基 吉野
洋一郎 伊森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2020082719A priority Critical patent/JP7430571B2/ja
Publication of JP2021177534A publication Critical patent/JP2021177534A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7430571B2 publication Critical patent/JP7430571B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本開示は、研磨液組成物、並びにこれを用いた研磨方法、半導体基板の製造方法に関する。
近年、半導体メモリの高記録容量化に対する要求の高まりから半導体装置のデザインルールは微細化が進んでいる。このため半導体装置の製造過程で行われるフォトリソグラフィーにおいて焦点深度は浅くなり、シリコンウェーハ(ベアウェーハ)の表面欠陥(LPD:Light point defects)や表面粗さ(ヘイズ)の低減に対する要求はますます厳しくなっている。
シリコンウェーハの品質を向上する目的で、シリコンウェーハの研磨は多段階で行われている。特に研磨の最終段階で行われる仕上げ研磨は、ヘイズの低減とパーティクルやスクラッチ、ピット等の表面欠陥の低減とを目的として行われている。
例えば、特許文献1では、セルロース誘導体及び水を含む研磨液組成物であって、前記セルロース誘導体は、水と混合される前において、セルロース誘導体の表面にアルデヒド類が付加した疎水化セルロース誘導体の形態であり、かつ、疎水化セルロース誘導体の清掃時の乾燥工程において、以下の条件:(1)疎水化セルロース誘導体の最高到達温度αが65℃未満である;及び(2)疎水化セルロース誘導体の温度と時間とから算出される熱量パラメータβが2500℃・min以下である;の少なくとも一方を満たす、研磨液組成物が提案されている。
特許文献2では、多価アルコールと複数のホルミル基を有する化合物とを反応させることにより得られる環状アセタール化合物により表面を処理することにより水への溶解度を改善した水酸基を有する水溶性高分子が提案されている。
特許文献3では、砥粒と組み合わせてシリコンウェーハなどの半導体基板を研磨する研磨助剤などに有効に利用できる疎水化ヒドロキシセルロースの製造方法及び研磨錠剤が提案されている。
国際公開第2019/111686号 特開2006-335836号公報 特開2019-104781号公報
近年、シリコンウェーハの表面品質に対する要求はますます厳しくなっており、研磨速度の向上とともに、シリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)の低減が可能な研磨液組成物が求められている。
そこで、本開示は、研磨速度の向上とシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できる研磨液組成物、並びに、これを用いた研磨方法、及び半導体基板の製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、含窒素塩基性化合物(成分B)、多糖又は多糖誘導体にカチオン性基と炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基とが結合している化合物(成分C)を含有する研磨液組成物に関する。
本開示は、一態様において、本開示のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、研磨方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法に関する。
本開示によれば、研磨速度の向上とシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できる研磨液組成物、及び該研磨液組成物を用いた研磨方法、並びに半導体基板の製造方法を提供できる。
本開示は、シリカ粒子及び含窒素塩基性化合物を含む研磨液組成物に、カチオン性基及び特定の疎水基を有する多糖又は多糖誘導体を含有させることにより、研磨速度の向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、シリカ粒子(成分A)、含窒素塩基性化合物(成分B)、多糖又は多糖誘導体にカチオン性基と炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基とが結合している化合物(成分C)を含有する研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示の効果発現機構の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
本開示において、成分Cが炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基を有することで、成分Cのシリコンウェーハへの吸着性が増大すると考えられる。そして、成分Cがシリコンウェーハに吸着することで、表面粗さ(ヘイズ)悪化の原因となるシリカ粒子(成分A)が直接シリコンウェーハに接触することが抑制され、さらに、表面粗さ(ヘイズ)悪化の原因となる含窒素塩基性化合物(成分B)によるウェーハ表面の腐食が抑制され、表面粗さ(ヘイズ)を低減できる又は表面粗さ(ヘイズ)の悪化を抑制できると考えられる。
また、成分Cがカチオン性基を有することで、シリカ粒子(成分A)と静電引力により相互作用することにより、研磨速度が向上すると考えられる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[シリカ粒子(成分A)]
本開示の研磨液組成物は、研磨材としてシリカ粒子(以下、「成分A」ともいう)を含有する。成分Aの具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、粉砕シリカ、及びそれらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、コロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Aの使用形態としては、操作性の観点から、スラリー状が好ましい。本開示の研磨液組成物に含まれる成分Aがコロイダルシリカである場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属等によるシリコンウェーハの汚染を防止する観点から、コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましい。アルコキシシランの加水分解物から得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって作製できる。
成分Aの平均一次粒子径は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、そして、40nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの平均一次粒子径は、10nm以上40nm以下が好ましく、15nm以上35nm以下がより好ましく、15nm以上30nm以下が更に好ましく、20nm以上30nm以下が更に好ましい。特に、成分Aとしてコロイダルシリカを用いた場合、成分Aの平均一次粒子径は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、そして、40nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましく、30nm以下が更に好ましい。
本開示において、成分Aの平均一次粒子径は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出される。比表面積は、例えば、実施例に記載の方法により測定できる。
成分Aの平均二次粒子径は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上が更に好ましく、そして、80nm以下が好ましく、75nm以下がより好ましく、70nm以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの平均二次粒子径は、20nm以上80nm以下が好ましく、30nm以上75nm以下がより好ましく、40nm以上70nm以下が更に好ましい。本開示において、平均二次粒子径は、動的光散乱(DLS)法によって測定される値であり、例えば、実施例に記載の装置を用いて測定できる。
成分Aの会合度は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、3以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.3以下が更に好ましく、そして、1.1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上が更に好ましい。成分Aがコロイダルシリカである場合、その会合度は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、3以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.3以下が更に好ましく、そして、1.1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上が更に好ましい。
本開示において、成分Aの会合度とは、シリカ粒子の形状を表す係数であり、下記式により算出される。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
成分Aの会合度の調整方法としては、例えば、特開平6-254383号公報、特開平11-214338号公報、特開平11-60232号公報、特開2005-060217号公報、特開2005-060219号公報等に記載の方法を採用することができる。
成分Aの形状は、いわゆる球型及び/又はいわゆるマユ型であることが好ましい。
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Aの含有量は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、SiO2換算で、0.01質量%以上が好ましく、0.07質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、0.6質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Aの含有量は、SiO2換算で、0.01質量%以上0.6質量%以下が好ましく、0.07質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上0.4質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上の組合せの場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[含窒素塩基性化合物(成分B)]
本開示の研磨液組成物は、含窒素塩基性化合物(以下、「成分B」ともいう)を含有する。成分Bとしては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Bの具体例としては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N-メチル-N,N一ジエタノ-ルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノ-ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、ジエチレントリアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、及びヒドロキシアミンから選ばれる1種又は2種以上の組合せが挙げられる。なかでも、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、成分Bとしては、アンモニア、又は、アンモニアとヒドロキシアミンの混合物が好ましく、アンモニアがより好ましい。
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Bの含有量は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、そして、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.025質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Bの含有量は、0.001質量%以上0.1質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.05質量%以下がより好ましく、0.005質量%以上0.025質量%以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の組合せの場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Aと成分Bとの質量比(A/B)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、0.1以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、そして、500以下が好ましく、100以下がより好ましく、50以下が更に好ましい。より具体的には、質量比A/Bは、0.1以上500以下が好ましく、5以上100以下がより好ましく、10以上50以下が更に好ましい。
[化合物(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、多糖又は多糖誘導体にカチオン性基と炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基(以下、単に「疎水基」ともいう)とが結合している化合物(以下、「成分C」ともいう)を含有する。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
(多糖又は多糖誘導体)
前記多糖又は多糖誘導体は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、ヒドロキシアルキルセルロースであることが好ましい。ここで、ヒドロキシアルキルセルロースとは、セルロースの水酸基の水素原子の一部がヒドロキシアルキル基で置換された化合物をいう。
前記多糖又は多糖誘導体がヒドロキシアルキルセルロースである場合、研磨液組成物中での溶解性確保の観点から、ヒドロキシアルキルセルロースが有するヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1つが好ましく、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基のみであることがより好ましく、ヒドロキシエチル基のみであることが更に好ましい。前記ヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基の双方を有していてもよく、いずれか一方のみを有することが好ましく、ヒドロキシエチル基のみを有することがより好ましい。
前記多糖又は多糖誘導体がヒドロキシアルキルセルロースである場合、ヒドロキシアルキルセルロースは、研磨液組成物中での溶解性確保の観点から、好ましくはヒドロキシエチルセルロース(以下、「HEC」ともいう)、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルセルロースから選ばれる少なくとも1種が好ましく、HEC又はヒドロキシプロピルセルロースがより好ましく、HECが更に好ましい。
前記多糖又は多糖誘導体がヒドロキシアルキルセルロースである場合、ヒドロキシアルキルセルロースにおけるヒドロキシアルキル基の置換度(MS)は、研磨液組成物中での溶解性確保の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、より更に好ましくは1.5以上であり、そして、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3.5以下、より更に好ましくは3以下である。
本開示において、X基の置換度とは、X基のモル平均置換度であり、セルロースの構成単糖単位あたりのX基の置換数を意味する。例えば、「ヒドロキシエチル基の置換度」は、アンヒドログルコース単位1モルに対して導入された(結合している)ヒドロキシエチル基の平均モル数を意味する。前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基の双方を有する場合には、ヒドロキシアルキル基の置換度は、ヒドロキシエチル基の置換度と、ヒドロキシプロピル基の置換度の合計である。ヒドロキシエチル基の置換度(MS)は、例えば、実施例に記載の方法により測定できる。
前記多糖又は多糖誘導体の重量平均分子量は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは1万以上、更に好ましくは3万以上、より更に好ましくは5万以上、より更に好ましくは7万以上、そして、研磨液組成物中での溶解性の観点から、好ましくは300万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下、より更に好ましくは50万以下、より更に好ましくは40万以下である。多糖又は多糖誘導体として、製品を入手して使用する場合には、製造社の公表値を使用してもよい。
(カチオン性基)
成分Cは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基に、カチオン性基が結合していることが好ましい。多糖又は多糖誘導体がヒドロキシアルキルセルロースである場合、多糖又は多糖誘導体の水酸基は、セルロースに結合したヒドロキシアルキル基が有する水酸基と、セルロース骨格を形成するグルコースが有する水酸基(ヒドロキシアルキル基が結合していない水酸基)とを含む。
成分Cが有するカチオン性基は、第4級アンモニウムカチオンを含むことが好ましく、全体として、下記式(2-1)又は下記式(2-2)で表される基であることが好ましい。
上記式(2-1)及び式(2-2)中、R21、R22及びR23はそれぞれ独立に、炭素数1以上24以下の炭化水素基を示し、X-はアニオンを示し、tは0以上3以下の整数を示し、*は多糖又は多糖誘導体(例えば、ヒドロキシアルキルセルロース)の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示す。
上記式(2-1)及び式(2-2)において、R21、R22及びR23はそれぞれ独立に、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、炭素数1以上3以下の直鎖又は分岐の炭化水素基であることが好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、R21、R22及びR23の全てがメチル基又はエチル基であることが更に好ましく、R21、R22及びR23の全てがメチル基であることがより更に好ましい。
tは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは1以上3以下の整数、より好ましくは1又は2、更に好ましくは1である。
-は、第4級アンモニウムカチオンの対イオンであり、例えば、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1以上3以下のカルボン酸イオン(ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン)、及びハロゲン化物イオンが例示される。これらの中でも、製造の容易性及び原料入手容易性の観点から、X-は、好ましくはメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、塩化物イオン、及び臭化物イオンから選択される1種以上であり、得られる成分Cの水溶性及び化学的安定性の観点から、より好ましくは塩化物イオンである。X-は1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
式(2-1)又は式(2-2)で表される基は、カチオン性基の導入剤(以下、「カチオン化剤」ともいう)を使用することによって得ることができる。カチオン化剤としては、例えば、グリシジルトリアルキルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムクロリドが挙げられ、原料の入手の容易性及び化学的安定性の観点から、グリシジルトリアルキルアンモニウムクロリドが好ましい。これらのカチオン化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分Cにおけるカチオン性基の置換度(以下、「MSC」ともいう)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、更に好ましくは0.01以上であり、そして、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.015以下である。カチオン性基の置換度(MSC)は、例えば、実施例に記載の方法により測定できる。
(疎水基)
成分Cは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、多糖又は多糖誘導体に炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基が結合している。
前記疎水基に含まれる炭化水素基は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基、更に好ましくは直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、より更に好ましくは直鎖状のアルキル基である。
前記疎水基に含まれる炭化水素基の炭素数は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、4以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下である。
前記疎水基は、下記式(1)で表される疎水基であることが好ましい。
上記式(1)中、Zは、単結合、又は、酸素原子及び窒素原子の少なくとも1つを有する炭化水素基を示し、R1は炭素数4以上の炭化水素基を示し、*は多糖又は多糖誘導体(例えば、ヒドロキシアルキルセルロース)の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示す。
上記式(1)において、R1の好ましい態様は、前述の疎水基が含有する炭化水素基と同様である。本開示において、R1は、炭化水素基の炭素数が最大となるように定義される。従って、式(1)において、Z中のR1と結合する原子は、例えば、酸素原子、窒素原子、カーボネート炭素、水酸基が結合している炭素原子、ヒドロキシアルキル基が結合している炭素原子等である。
上記式(1)において、Zは、単結合、又は、酸素原子及び窒素原子の少なくとも1つを有する炭化水素基を表す。Zは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、単結合、又は、少なくとも酸素原子を有する炭化水素基であることが好ましく、単結合、又は、酸素原子を有する炭化水素基であることがより好ましい。前記炭化水素基は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、アルキレン基であることが好ましく、アルキレン基の一部のメチレン基がエーテル結合で置換されていてもよく、メチレン基の一部がカルボニル基(-C(=O)-)で置換されていてもよく、メチレン基の一部がアミド結合で置換されていてもよく、アルキレン基の一部の水素原子が、水酸基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基で置換されていてもよい。
Zが酸素原子を有する炭化水素基(以下、炭化水素基(Z)ともいう)である場合、炭化水素基(Z)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、エポキシ基由来の基、オキシグリシジル基由来の基、又はカルボン酸(若しくはその無水物)由来の基を含むが好ましく、オキシグリシジル基由来の基を含むことがより好ましい。
式(1)で表される疎水基は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、下記式(1-1-1)で表される疎水基、式(1-1-2)で表される疎水基、式(1-2-1)で表される疎水基、式(1-2-2)で表される疎水基、式(1-3)で表される疎水基、及び式(1-4)で表される疎水基から選ばれる少なくとも1つを含むことがより好ましい。
上記式(1-1-1)~式(1-4)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数2~4のアルキレン基を示し、R1は式(1)におけるR1と同義であり、*は多糖又は多糖誘導体(例えば、ヒドロキシアルキルセルロース)の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示し、n1は-R11-O-の付加モル数を示し、n2は-R12-O-の付加モル数を示し、n1及びn2は0以上30以下の整数である。
上記式(1-1-1)~式(1-4)におけるR1の好ましい態様は、式(1)中のR1と同じである。式(1-1-1)~式(1-4)からR1を除いた基は、炭化水素基Zの好ましい態様である。
式(1-1-1)~式(1-4)において、R11及びR12はそれぞれ独立に、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくはエチレン基又はプロピレン基、より好ましくはエチレン基である。R11及びR12の炭素数は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは2以上3以下である。R11及びR12が複数存在する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。n1及びn2は、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下、より更に好ましくは1以下であり、そして、0以上であってもよく、0であることがより更に好ましい。
式(1)で表される疎水基が、式(1-1-1)で表される疎水基及び式(1-1-2)で表される疎水基から選択される少なくとも1つの基を含有する場合、-R11-O-の平均付加モル数は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下、より更に好ましくは1以下であり、そして、好ましくは0以上である。
式(1)で表される疎水基が、式(1-4)で表される疎水基を含有する場合、式(1-4)における-R12-O-の平均付加モル数は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下、より更に好ましくは1以下であり、そして、好ましくは0以上である。
式(1-1-1)及び式(1-1-2)で表される疎水基は、グリシジル((ポリ)アルキレンオキシ)ヒドロカルビルエーテルに由来する基であり、Zがオキシグリシジル基又は(ポリ)アルキレンオキシグリシジル基由来の基である。式(1-1-1)又は式(1-1-2)で表される疎水基は、疎水基の導入剤(以下、「疎水化剤」ともいう)として、グリシジル((ポリ)アルキレンオキシ)ヒドロカルビルエーテル、好ましくはグリシジル((ポリ)アルキレンオキシ)アルキルエーテル、より好ましくはグリシジルアルキルエーテルを使用することによって得られる。
式(1-2-1)及び式(1-2-2)で表される疎水基は、Zがエポキシ基に由来する基である。式(1-2-1)及び式(1-2-2)で表される疎水基は、疎水化剤として、末端エポキシ化炭化水素、好ましくは末端エポキシ化アルカンを使用することで得られる。
式(1-3)で表される疎水基は、疎水基が直接にヒドロキシアルキルセルロースの水酸基から水素原子を除いた基と結合している。式(1-3)で表される疎水基は、疎水化剤として、ハロゲン化炭化水素を使用することで得られる。
式(1-4)で表される疎水基は、Zがカルボニル基を含有する基である。式(1-4)で表される疎水基は、疎水化剤として、R1-C(=O)-OH、R1-C(=O)-A(Aはハロゲン原子を示す。)、R1-C(=O)-O-C(=O)-R1等を使用することで得られる。
これらの中でも、成分Cの製造時に塩の副生がなく、また、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、疎水基は、式(1-1-1)、式(1-1-2)、式(1-2-1)又は式(1-2-2)で表される疎水基であることが好ましく、より好ましくは式(1-1-1)又は式(1-1-2)で表される疎水基である。
式(1)で表される疎水基の中で、式(1-1-1)で表される疎水基、式(1-1-2)で表される疎水基、式(1-2-1)で表される疎水基、式(1-2-2)で表される疎水基、式(1-3)で表される疎水基、及び式(1-4)で表される疎水基の合計含有量は、好ましくは50mol%、より好ましくは80mol%以上、更に好ましくは90mol%以上であり、100mol%以下であり、100mol%であることがより更に好ましい。
成分Cにおける疎水基の置換度(以下、「MSR」ともいう)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、更に好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上であり、そして、溶解性の観点から、好ましくは1以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.04以下である。疎水基の置換度(MSR)は、実施例に記載の方法により測定できる。
成分Cにおける疎水基の置換度(MSR)とカチオン性基の置換度(MSC)の比(MSR/MSC)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.5以上、更に好ましくは1.5以上であり、そして、好ましくは1000以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは5以下である。
成分Cは疎水基及びカチオン性基の双方を有しているが、疎水基とカチオン性基とが互いに異なる側鎖上に結合していてもよく、一つの側鎖上に疎水基及びカチオン性基を有してもよい。研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、疎水基とカチオン性基とは、多糖又は多糖誘導体の有する、異なる水酸基から水素原子を除いた基と結合していることが好ましい。すなわち、疎水基及びカチオン性基が、多糖又は多糖誘導体の異なる側鎖上に結合していることが好ましい。
成分Cが一つの側鎖上にカチオン性基及び疎水基を有する場合、成分Cは、下記式(3-1)又は(3-2)で表される基を有することが好ましい。
上記式(3-1)及び式(3-2)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に、炭素数1以上24以下の炭化水素基を示し、R31、R32及びR33のうちの少なくとも1つは炭素数4以上の炭化水素基を示し、Y-はアニオンを示し、sは0以上3以下の整数を示し、*は多糖又は多糖誘導体(例えば、ヒドロキシアルキルセルロース)の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示す。
上記式(3-1)及び式(3-2)において、R31、R32及びR33のうちの少なくとも1つは、炭素数4以上の炭化水素基を示し、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基、更に好ましくは直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、より更に好ましくは直鎖状のアルキル基である。
31、R32及びR33のうちの少なくとも1つは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、炭素数が4以上であり、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは12以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下である。研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、R31、R32及びR33のうちの1つが炭素数4以上の炭化水素基であり、2つが炭素数1~3の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1~3の炭化水素基としては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、メチル基又はエチル基が好ましく、R31、R32及びR33のうちの2つがメチル基又はエチル基であることがより好ましく、R31、R32及びR33のうちの2つがメチル基であることが更に好ましい。
sは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは1以上3以下の整数、より好ましくは1又は2、更に好ましくは1である。
-は、第4級アンモニウムカチオンの対イオンである。具体的には、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1以上3以下のカルボン酸イオン(ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン)、及びハロゲン化物イオンが例示される。これらの中でも、製造の容易性及び原料入手容易性の観点から、Y-は、好ましくはメチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、塩化物イオン、及び臭化物イオンから選択される1種以上であり、得られる成分Cの水溶性及び化学的安定性の観点から、より好ましくは塩化物イオンである。Y-は1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
式(3-1)又は式(3-2)で表される基を有する成分Cは、例えば、後述の成分Cの製造工程において、カチオン性基及び疎水基の導入剤を作用させることによって得ることができる。前記導入剤としては、グリシジルジメチルラウリルアンモニウムクロリド、及びグリシジルジエチルラウリルアンモニウムクロリドが好ましく挙げられる。
前記導入剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分Cは、アニオン性基をさらに有していてもよい。
成分Cがアニオン性基を有する場合、成分Cにおけるアニオン性基の置換度(以下、「MSA」ともいう)とカチオン性基の置換度の比(MSA/MSC)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは3以下、より好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.1以下であり、そして、0以上であってもよく、0であることがより更に好ましい。MSAは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.01未満、より好ましくは0.001以下である。
成分Cがアニオン性基を有する場合、該アニオン性基としては、カルボキシメチル基等が例示される。カルボキシメチル基の導入反応(カルボキシメチル化反応)は、ヒドロキシアルキルセルロースに塩基性化合物の存在下、モノハロゲン化酢酸及び/又はその金属塩を反応させることにより行われる。モノハロゲン化酢酸及びモノハロゲン化酢酸の金属塩としては、具体的には、モノクロル酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸カリウム、モノブロモ酢酸ナトリウム、モノブロモ酢酸カリウム等が例示される。これらモノハロゲン化酢酸及びその金属塩は単独あるいは2種以上を組み合せても使用することができる。
成分Cは、置換基としてグリセロール基をさらに有していてもよい。成分Cがグリセロール基を有する場合、成分Cにおけるグリセロール基の置換度は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.1未満であり、そして、0以上であってもよく、0であることが更に好ましい。グリセロール基を有する成分Cは、例えば、後述の成分Cの製造工程において、グリセロール化剤を作用させることによって得られる。該グリセロール化剤としては、グリシドール、3-クロロ-1,2-プロパンジオール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、グリセリン、グリセリンカーボネート等が挙げられ、塩が副生しないこと、及び反応性の観点から、グリシドールが好ましい。
<成分Cの製造方法>
成分Cは、多糖又は多糖誘導体に対し、カチオン化剤及び疎水化剤から選ばれる1種以上と反応させて、カチオン性基及び疎水基を導入して得ることが好ましい。
多糖又は多糖誘導体に対する、カチオン性基の導入反応(以下、「カチオン化反応」ともいう)及び疎水基の導入反応(以下、「疎水化反応」ともいう)は、いずれも塩基性化合物の共存下で行うことが好ましい。
導入反応の反応速度の観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。
前記反応は、反応性の観点から、非水溶剤の存在下で行ってもよい。前記非水溶剤としては、2-プロパノール等の極性溶剤が挙げられる。
反応後は、酸を用いて塩基性化合物を中和することができる。酸としては、例えばリン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。
得られた成分Cは、必要に応じて、濾過、洗浄、イオン交換処理等により精製してもよい。
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Cの含有量は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.003質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましく、そして、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.03質量%以下が更に好ましい。より具体的には、成分Cの含有量は、0.001質量%以上0.1質量%以下が好ましく、0.003質量%以上0.05質量%以下がより好ましく、0.005質量%以上0.03質量%以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せの場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物に含まれる成分Aと成分Cとの質量比(A/C)は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、1以上が好ましく、5以上がより好ましく、20以上が更に好ましく、そして、500以下が好ましく、100以下がより好ましく、50以下が更に好ましい。より具体的には、質量比A/Cは、1以上500以下が好ましく、5以上100以下がより好ましく、20以上50以下が更に好ましい。
[水(成分D)]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、水(成分D)を含んでいてもよい。成分Dとしては、例えば、イオン交換水や超純水等の水が挙げられ、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、超純水が好ましい。本開示の本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、例えば、成分A、成分B、成分C及び後述するその他の成分の残余とすることができる。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、本開示の効果が妨げられない範囲で、その他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分としては、一又は複数の実施形態において、成分C以外の水溶性高分子、成分B以外のpH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤、酸化剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示の研磨液組成物のpHは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、そして、12以下が好ましく、11.5以下がより好ましく、11以下が更に好ましい。より具体的には、本開示の研磨液組成物のpHは、9以上12以下が好ましく、9.5以上11.5以下がより好ましく、10以上11以下が更に好ましい。本開示の研磨液組成物のpHは、上述した成分Bや公知のpH調整剤を用いて調整できる。本開示において、上記pHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM-30G)を用いて測定でき、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して1分後の数値とすることができる。
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、成分B及び成分Cと、さらに所望により任意成分(成分D、その他の成分)とを公知の方法で配合することにより製造できる。すなわち、本開示は、その他の態様において、少なくとも成分A、成分B及び成分Cを配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、成分C、及び必要に応じて任意成分(成分D、その他の成分)を同時に又は任意の順に混合することを含む。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。上記本開示の研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示において、「研磨液組成物中の各成分の含有量」は、使用時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点における各成分の含有量をいう。
本開示の研磨液組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、濃縮物として製造され、使用時に希釈されてもよい。希釈倍率としては、製造及び輸送コストの観点、保存安定性の観点から、2倍以上180倍以下が好ましい。本開示の研磨液組成物の濃縮物は、使用時に各成分の含有量が、上述した含有量(すなわち、使用時の含有量)となるように水(成分D)で希釈して使用することができる。本開示において研磨液組成物の濃縮物の「使用時」とは、研磨液組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
[被研磨シリコンウェーハ]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、シリコンウェーハ用研磨組成物であり、例えば、半導体基板の製造方法における、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程や、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む研磨方法に用いられうる。本開示の研磨液組成物を用いて研磨される被研磨シリコンウェーハとしては、一又は複数の実施形態において、単結晶シリコンウェーハ又はポリシリコンウェーハが挙げられる。単結晶シリコンウェーハとしては、例えば、単結晶100面シリコンウェーハ、111面シリコンウェーハ、110面シリコンウェーハ等が挙げられる。また、前記シリコンウェーハの抵抗率としては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、好ましくは0.0001Ω・cm以上、より好ましくは0.001Ω・cm以上、更に好ましくは0.01Ω・cm以上、更に好ましくは0.1Ω・cm以上であり、そして、好ましくは100Ω・cm以下、より好ましくは50Ω・cm以下、更に好ましくは20Ω・cm以下である。
[半導体基板の製造方法]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本開示の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の半導体基板製造方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いることで、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できるため、高品質の半導体基板を高収率で、生産性よく製造できる。
本開示の半導体基板製造方法における研磨工程は、例えば、単結晶シリコンインゴットを薄円板状にスライスすることにより得られた単結晶シリコンウェーハを平面化するラッピング(粗研磨)工程と、ラッピング単結晶されたシリコンウェーハをエッチングした後、単結晶シリコンウェーハ表面を鏡面化する仕上げ研磨工程とを含むことができる。本開示の研磨液組成物は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、上記仕上げ研磨工程で用いられるとより好ましい。
本開示の半導体基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、前記研磨工程の前に、本開示の研磨液組成物の濃縮物を希釈する希釈工程を含んでいてもよい。希釈媒には、例えば、水(成分D)を用いることができる。
本開示の半導体基板製造方法における研磨工程では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨シリコンウェーハを挟み込み、3~20kPaの研磨圧力で被研磨シリコンウェーハを研磨することができる。本開示において、研磨圧力とは、研磨時に被研磨シリコンウェーハの被研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。
本開示の半導体基板製造方法における研磨工程では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨シリコンウェーハを挟み込み、15℃以上40℃以下の研磨液組成物及び研磨パッド表面温度で被研磨シリコンウェーハを研磨することができる。研磨液組成物の温度及び研磨パッド表面温度としては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、15℃以上又は20℃以上が好ましく、40℃以下又は30℃以下が好ましい。
本開示の半導体基板製造方法は、前記研磨工程の後に、研磨された被研磨シリコンウェーハを洗浄する工程を更に含むことができる。
[研磨方法]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含む、研磨方法(以下、[本開示の研磨方法]ともいう)に関する。本開示の研磨方法における研磨工程は、上述した本開示の半導体基板製造方法における研磨工程と同様にして行うことができる。本開示の研磨方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いるため、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できる。
[研磨液キット]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を製造するための研磨液キット(以下、「本開示のキット」と略称する場合もある。)に関する。本開示のキットによれば、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できる研磨液組成物が得られうる。
本開示のキットの一実施形態としては、成分A、成分B及び成分Cを含む溶液を含有する研磨液キットが挙げられる。前記溶液には、必要に応じて上述した任意成分(成分D、その他の成分)が含まれていてもよい。前記溶液は、使用時に、必要に応じて水(成分D)を用いて希釈してもよい。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.化合物C1~10(成分C又は非成分C)の調製
表1に示す化合物C1~C10を以下のようにして調製した。
(化合物C1の合成例)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(Ashland社、Natrosol 250 LR、重量平均分子量:9万、ヒドロキシエチル基の置換度:2.5)100gを1Lセパラフラスコに入れ、窒素フローを行った。イオン交換水81.6g、イソプロピルアルコール(以下「IPA」という)450.4gを加え、200r.p.m.で5分間撹拌した後、48%水酸化ナトリウム水溶液11.8gを加え、更に15分間撹拌した。次に、ラウリルグリシジルエーテル(四日市合成株式会社、LA-EP)3.0gを加え、80℃で13時間アルキル化反応を行った。更にグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(以下「GMAC」ともいう、阪本薬品工業株式会社、SY-GTA80)1.0gを加え、50℃で1.5時間カチオン化反応を行った。その後、90%酢酸水溶液11.8gを加え、30分撹拌することで中和反応を行った。
得られた懸濁液を500mLの遠沈管2本に均等に移し替え、高速冷却遠心機(日立工機株式会社、CR21G III)を用いて遠心分離を行った。上澄みをデカンテーションにより取り除き、取り除いた上澄みと同量の85%IPA水溶液を加え、再分散を行った。再度、遠心分離と再分散の操作を繰り返し、3回目の遠心分離を行った後に沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を真空乾燥機(アドバンテック社、VR-420)を用いて80℃で12時間減圧乾燥し、エクストリームミル(ワーリング社、MX-1200XTM)により解砕することで、粉末状のセルロース誘導体C1(化合物C1)を得た。
(化合物C2の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を1.6gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C2(化合物C2)を合成した。
(化合物C3の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C3(化合物C3)を合成した。
(化合物C4の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を4.8gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C4(化合物C4)を合成した。
(化合物C4の合成例)
ラウリルグリシジルエーテルの仕込み量を6.3g、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更した以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C5(化合物C5)を合成した。
(化合物C6の合成例)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(Ashland社、Natrosol 250 JR、重量平均分子量:15万、ヒドロキシエチル基の置換度:2.5)を用いて、ラウリルグリシジルエーテルの仕込み量を3.9g、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更した以外は実施例1と同様の方法を用いて表1に示すセルロース誘導体を合成した。
(化合物C7)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(Ashland社、Natrosol 250 JR、重量平均分子量:15万、ヒドロキシエチル基の置換度:2.5)を用いた。
(化合物C8)
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(ダイセルファインケム社、SE-400、重量平均分子量:30万、ヒドロキシエチル基の置換度:非開示)を用いた。
(化合物C9の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを投入しなかった以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C9(化合物C9)を合成した。
(化合物C10の合成例)
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの仕込み量を2.1gへ変更、ラウリルグリシジルエーテルを投入しなかった以外は、化合物C1と同様の方法を用いてセルロース誘導体C10(化合物C10)を合成した。
2.研磨液組成物の調製(実施例1~9及び比較例1~5)
シリカ粒子(成分A)、アンモニア(成分B)、表1~2に示す化合物(成分C又は非成分C)、及び超純水(成分D)を撹拌混合して実施例1~9及び比較例1~5の研磨液組成物を得た。表1~2中の各成分の含有量は、研磨液組成物の使用時における各成分の含有量(質量%、有効分)である。成分Dの含有量は、成分A、成分B、成分C又は非成分Cを除いた残余である。各研磨液組成物(使用時)の25℃におけるpHは10.5であった。
各研磨液組成物の調製に用いた成分A及び成分Bには下記のものを用いた。
(成分A)
コロイダルシリカ[平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径49nm、会合度2.0]
(成分B)
アンモニア[28質量%アンモニア水、キシダ化学社製、試薬特級]
であった。
2.各種パラメータの測定方法
(1)シリカ粒子(成分A)の平均一次粒子径の測定
成分Aの平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
成分Aの比表面積Sは、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置「フローソーブIII2305」、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の成分Aを硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の成分Aをシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過する。
(e)フィルタ上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルタをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(成分A)をフィルタ屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
(2)シリカ粒子(成分A)の平均二次粒子径
成分Aの平均二次粒子径(nm)は、成分Aの濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水分散液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:「ゼータサイザーNano ZS」、シスメックス社製)を用いて測定した。
(3)化合物(成分C又は非成分C)の重量平均分子量の測定
成分C又は非成分Cの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づき算出した。
<HECの測定条件>
装置:HLC-8320 GPC(東ソー社製、検出器一体型)
カラム:α-M+α-M(カチオン)
溶離液:0.15mol/L Na2SO4,1質量%酢酸,溶媒:水
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:ショーデックスRI SE-61示差屈折率検出器
標準物質:分子量が既知のプルラン
(4)置換度(モル平均置換度)の測定
・前処理
粉末状のセルロース誘導体1gを100gの水に溶かした後、水溶液を透析膜(スペクトラポア、分画分子量1,000)に入れ、2日間透析を行った。得られた水溶液を凍結乾燥機(eyela,FDU1100)を用いて凍結乾燥することで精製セルロース誘導体を得た。
<ケルダール法によるカチオン性基質量の算出>
精製したセルロース誘導体の200mgを精秤し、硫酸10mLとケルダール錠(Merck)1錠を加え、ケルダール分解装置(BUCHI社、K-432)にて加熱分解を行った。分解終了後、サンプルにイオン交換水30mLを加え、自動ケルダール蒸留装置(BUCHI社、K-370)を用いてサンプルの窒素含量(質量%)を求めることで、カチオン性基の質量を算出した。
<Zeisel法による疎水基(アルキル基)質量の算出>
精製したセルロース誘導体200mg、アジピン酸220mgを10mLバイアル(マイティーバイアルNo.3)に精秤し、内標溶液(テトラデカン/o-キシレン=1/25(v/v)) 3mL及びヨウ化水素酸3mLを加えて密栓した。また、セルロース誘導体の代わりに1-ヨードドデカンを2、4、又は9mg加えた検量線用の試料を調製した。各試料をスターラーチップにより撹拌しながら、ブロックヒーター(PIERCE社、Reacti-ThermIII Heating/Stirring module)を用いて160℃、2時間の条件で加熱した。試料を放冷した後、上層(o-キシレン層)を回収し、ガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所、GC-2010 plus)にて、1-ヨードドデカン量を分析した。
・GC分析条件
カラム:Agilent HP-1(長さ:30m、液相膜厚:0.25μL、内径:32mm)
スプリット比:20
カラム温度:100℃(2min)→10℃/min→300℃(15min)
インジェクター温度:300℃
検出器:FID
検出器温度:330℃
打ち込み量:2μL
GCにより得られた1-ヨードドデカンの検出量から、サンプル中の疎水基(アルキル基)の質量を求めた。
<ヒドロキシアルキル基質量の測定>
ヒドロキシアルキル基由来のヨウ化アルキルを定量することで、前述の疎水基(アルキル基)質量の測定と同様にしてヒドロキシアルキル基の質量の測定を行った。
<カチオン性基、疎水基、及びヒドロキシアルキル基の置換度(モル平均置換度)の算出>
上述のカチオン性基と疎水基(アルキル基)の質量及び全サンプル質量からヒドロキシエチルセルロース(HEC)骨格の質量を計算し、それぞれ物質量(mol)に変換することで、カチオン性基の置換度(MSC)、及び疎水基(アルキル基)の置換度(MSR)を算出した。ヒドロキシアルキル基の置換度(MS)についても同様にして算出した。
3.研磨方法
各研磨液組成物について、それぞれ研磨直前にフィルタ(コンパクトカートリッジフィルタ「MCP-LX-C10S」、アドバンテック社製)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記のシリコンウェーハに対して仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨液組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供した単結晶シリコンウェーハのヘイズは、2~3ppmであり、ポリシリコンウェーハのヘイズは、3~5ppmであった。ヘイズは、KLA Tencor社製「Surfscan SP1-DLS」を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値である。
<シリコンウェーハ>
単結晶シリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満]
ポリシリコンウェーハ[直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満の上にSiO2膜を4400Å分プラズマCVD法により堆積させ、続いてポリシリコン膜を8000Å同じくプラズマCVD法により堆積させたウェーハ]
<仕上げ研磨条件>
研磨機:片面8インチ研磨機「GRIND-X SPP600s」(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製、アスカー硬度:64、厚さ:1.37mm、ナップ長:450um、開口径:60um)
シリコンウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:150g/cm2
研磨液組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:62rpm
4.洗浄方法
仕上げ研磨後、シリコンウェーハに対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5質量%のフッ化水素アンモニウム(特級、ナカライテクス株式会社)を含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1,500rpmでシリコンウェーハを回転させた。
5.評価
[研磨速度]
研磨前後の各シリコンウェーハの重さを精密天秤(Sartorius社製「BP-210S」)を用いて測定し、得られた重量差をシリコンウェーハの密度、面積および研磨時間で除して、単位時間当たりの片面研磨速度を求めた。
[シリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)の評価]
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)の評価には、表面粗さ測定装置「Surfscan SP1-DLS」(KLA Tencor社製)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値(DWOヘイズ)を用いた。ヘイズ(DWO)の数値は小さいほど、表面の平滑性が高いことを示す。表面粗さ(ヘイズ)の測定は、各々2枚のシリコンウェーハに対して行い、各々平均値を表1及び表2に示した。表1は、実施例1~8及び比較例1~4の研磨液組成物を用いて単結晶シリコンウェーハを研磨した場合の結果を示し、表2は、実施例9及び比較例5の研磨液組成物を用いてポリシリコンウェーハを研磨した場合の結果を示す。
Figure 0007430571000005
表1に示されるように、実施例1~8の研磨液組成物は、比較例1~4の研磨液組成物に比べて、研磨速度の向上と研磨された単結晶シリコンウェーハのヘイズ低減とを両立できていることが分かった。
Figure 0007430571000006
表2に示されるように、実施例9の研磨液組成物は、比較例5の研磨液組成物に比べて、研磨速度の向上と研磨されたポリシリコンウェーハのヘイズ低減とを両立できていることが分かった。
本開示の研磨液組成物を用いれば、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立できる。よって、本開示の研磨液組成物は、様々な半導体基板の製造過程で用いられる研磨液組成物として有用であり、なかでも、シリコンウェーハの仕上げ研磨用の研磨液組成物として有用である。

Claims (13)

  1. シリカ粒子(成分A)、含窒素塩基性化合物(成分B)、多糖又は多糖誘導体にカチオン性基と炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基とが結合している化合物(成分C)を含有する研磨液組成物。
  2. 多糖又は多糖誘導体が、ヒドロキシアルキルセルロースである、請求項1に記載の研磨液組成物。
  3. 炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基が、下記式(1)で表される疎水基である、請求項1又は2記載の研磨液組成物。
    前記式(1)中、Zは、単結合、又は、酸素原子及び窒素原子の少なくとも1つを有する炭化水素基を示し、R1は炭素数4以上の炭化水素基を示し、*は多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示す。
  4. 前記式(1)で表される疎水基が、下記式(1-1-1)で表される疎水基、式(1-1-2)で表される疎水基、式(1-2-1)で表される疎水基、式(1-2-2)で表される疎水基、式(1-3)で表される疎水基、及び式(1-4)で表される疎水基から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項3に記載の研磨液組成物。
    前記式(1-1-1)~式(1-4)中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数2~4のアルキレン基を示し、R1は式(1)におけるR1と同義であり、*は多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示し、n1は-R11O-の付加モル数を示し、n2は-R12-O-の付加モル数を示し、n1及びn2は0以上30以下の整数である。
  5. カチオン性基が、第4級アンモニウムカチオンを含む、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
  6. カチオン性基が、下記式(2-1)又は下記式(2-2)で表される基である、請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物。
    前記式(2-1)及び前記式(2-2)中、R21、R22及びR23はそれぞれ独立に、炭素数1以上24以下の炭化水素基を示し、X-はアニオンを示し、tは0以上3以下の整数を示し、*は多糖又は多糖誘導体の水酸基から水素原子を除いた基との結合位置を示す。
  7. 多糖又は多糖誘導体の重量平均分子量が1,000以上50万以下である、請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物。
  8. 成分Cにおける炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基の置換度が、0.005以上0.05以下である、請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物。
  9. 成分Cにおけるカチオン性基の置換度が0.001以上0.05以下である、請求項1から8のいずれかに記載の研磨液組成物。
  10. 成分Cにおける炭素数4以上の炭化水素基を含む疎水基の置換度に対する、カチオン性基の置換度の比(疎水基置換度/カチオン性基置換度)が0.1以上50以下である、請求項1から9のいずれかに記載の研磨液組成物。
  11. 単結晶シリコンウェーハ又はポリシリコンウェーハの研磨に用いられる、請求項1から10のいずれかに記載の研磨液組成物。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、研磨方法。
  13. 請求項1から11のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
JP2020082719A 2020-05-08 2020-05-08 研磨液組成物 Active JP7430571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020082719A JP7430571B2 (ja) 2020-05-08 2020-05-08 研磨液組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020082719A JP7430571B2 (ja) 2020-05-08 2020-05-08 研磨液組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021177534A JP2021177534A (ja) 2021-11-11
JP7430571B2 true JP7430571B2 (ja) 2024-02-13

Family

ID=78409592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020082719A Active JP7430571B2 (ja) 2020-05-08 2020-05-08 研磨液組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7430571B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN120187763A (zh) * 2022-09-30 2025-06-20 弗萨姆材料美国有限责任公司 用于化学机械平面化的浆料的具有不同阳离子类型的改性的水溶性多糖

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003171401A (ja) 2001-12-10 2003-06-20 Sumitomo Seika Chem Co Ltd ヒドロキシアルキルセルロースの製造方法
JP2006335836A (ja) 2005-05-31 2006-12-14 Toho Chem Ind Co Ltd 水溶性高分子化合物及びその製造方法
JP2012015462A (ja) 2010-07-05 2012-01-19 Kao Corp シリコンウエハ用研磨液組成物
WO2018079675A1 (ja) 2016-10-28 2018-05-03 花王株式会社 シリコンウェーハ用リンス剤組成物
WO2019111947A1 (ja) 2017-12-06 2019-06-13 花王株式会社 組成物
WO2019111686A1 (ja) 2017-12-08 2019-06-13 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物
JP2019104781A (ja) 2017-12-08 2019-06-27 ダイセルファインケム株式会社 疎水化ヒドロキシエチルセルロースの製造方法及び研磨助剤

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003171401A (ja) 2001-12-10 2003-06-20 Sumitomo Seika Chem Co Ltd ヒドロキシアルキルセルロースの製造方法
JP2006335836A (ja) 2005-05-31 2006-12-14 Toho Chem Ind Co Ltd 水溶性高分子化合物及びその製造方法
JP2012015462A (ja) 2010-07-05 2012-01-19 Kao Corp シリコンウエハ用研磨液組成物
WO2018079675A1 (ja) 2016-10-28 2018-05-03 花王株式会社 シリコンウェーハ用リンス剤組成物
WO2019111947A1 (ja) 2017-12-06 2019-06-13 花王株式会社 組成物
WO2019111686A1 (ja) 2017-12-08 2019-06-13 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物
JP2019104781A (ja) 2017-12-08 2019-06-27 ダイセルファインケム株式会社 疎水化ヒドロキシエチルセルロースの製造方法及び研磨助剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021177534A (ja) 2021-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5893706B2 (ja) シリコンウェーハ用研磨液組成物
JP6655354B2 (ja) シリコンウェーハ用研磨液組成物、又はシリコンウェーハ用研磨液組成物キット
JP6060970B2 (ja) スラリー、研磨液セット、研磨液及び基体の研磨方法
WO2013175856A1 (ja) スラリー、研磨液セット、研磨液、基体の研磨方法及び基体
JP6087143B2 (ja) シリコンウェーハ用研磨液組成物
JP2016115809A (ja) 半導体基板用研磨液組成物
JPWO2013175854A1 (ja) スラリー、研磨液セット、研磨液、基体の研磨方法及び基体
JP6893835B2 (ja) シリコンウェーハ用仕上げ研磨液組成物
JP7430571B2 (ja) 研磨液組成物
JP6039419B2 (ja) シリコンウェーハ用研磨液組成物
JP6245939B2 (ja) シリコンウェーハ用研磨液組成物
JP2018074048A (ja) シリコンウェーハ用研磨液組成物
JP7606315B2 (ja) 研磨方法
JP7712838B2 (ja) シリコン基板用研磨液組成物
JP7405567B2 (ja) 研磨液組成物
JP7599502B2 (ja) シリコン基板用研磨液組成物
JP2023003634A (ja) シリコンウェーハ用リンス剤組成物
JP7606314B2 (ja) フィルター通液量を向上させる方法
TW202221099A (zh) 矽基板之研磨
JP7743212B2 (ja) シリコン基板用研磨液組成物
JP2023154963A (ja) シリコン基板用研磨液組成物
JP6168984B2 (ja) シリコンウェーハ用研磨液組成物
JP2022063112A (ja) 研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240131

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7430571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151