以下、図面を参照して本願の開示するプラズマ処理装置、熱抵抗導出方法及び熱抵抗導出プログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態により、開示するプラズマ処理装置、熱抵抗導出方法及び熱抵抗導出プログラムが限定されるものではない。
半導体ウエハ等の基板に対してプラズマエッチングなどのプラズマ処理を行うプラズマ処理装置が知られている。プラズマ処理装置では、基板の温度は重要なパラメータである。プラズマ処理装置では、基板の温度を直接測定することは難しい。このため、プラズマ処理装置では、基板を載置する載置台を構成するセラミック板やアルミ基台の温度を測定して基板の温度が変化していないかを推測している。
しかし、基板の温度は、設置台の表面の状態の変化の影響で、推測された温度からの誤差が大きい場合がある。このため、プラズマ処理した基板の状態を定期的に調査して、基板の温度の経時変化の有無を確認している。設置台の表面の状態の変化は、基板と載置台間の熱抵抗の変化として現れる。
そこで、基板と載置台間の熱抵抗を導出する技術が期待されている。
[第1実施形態]
[装置構成]
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るプラズマ処理装置1の一例を示す概略断面図である。一実施形態において、プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、RF(Radio Frequency)電力供給部30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、載置台11及び上部電極シャワーヘッド12を含む。載置台11は、プラズマ処理チャンバ10内のプラズマ処理空間10sの下部領域に配置される。上部電極シャワーヘッド12は、載置台11の上方に配置され、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の一部として機能し得る。また、プラズマ処理装置1は、制御部100を更に備える。
載置台11は、プラズマ処理空間10sにおいて、半導体ウエハ等の基板Wを支持するように構成される。一実施形態において、載置台11は、下部電極111、静電チャック112、及びエッジリング113を含む。静電チャック112は、下部電極111上に配置され、静電チャック112の上面で基板Wを支持するように構成される。エッジリング113は、下部電極111の周縁部上面において基板Wを囲むように配置される。下部電極111は、導電性の金属、例えばアルミニウム等で構成されている。下部電極111は、静電チャック112及びエッジリング113を支持する基台として機能する。載置台11は、静電チャック112及び基板Wのうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒーター、流路、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、下部電極111は、内部に温調媒体を流すための流路111aが形成されている。流路111aは、基板Wが載置される載置領域に対応して、載置領域の全面に形成されている。流路111aには、冷媒、熱媒のような温調媒体が流れる。例えば、流路111aは、配管13を介してチラーユニット14と接続されている。チラーユニット14は、供給する冷媒の温度を制御可能とされている。プラズマ処理装置1は、チラーユニット14から温度を制御した冷媒(例えば冷却水)を流路111aに循環させることによって、載置台11の温度を制御可能な構成とされている。なお、プラズマ処理装置1は、基板Wやエッジリング113の裏面側に伝熱ガスを供給して温度を制御可能な構成としてもよい。例えば、載置台11等を貫通するように、基板Wの裏面にヘリウムガス等の伝熱ガス(バックサイドガス)を供給するためのガス供給管が設けられてもよい。ガス供給管は、ガス供給源に接続されている。これらの構成によって、載置台11の上面に静電チャック112によって吸着保持された基板Wを、所定の温度に制御する。
また、載置台11は、温度が検出可能な不図示の温度センサが設けられている。温度センサは、載置台11の温度を検出する。温度センサは、熱電対など接触型のセンサであってもよく、放射温度計などの非接触型のセンサであってもよい。温度センサは、検出した温度のデータを制御部100に出力される。
上部電極シャワーヘッド12は、ガス供給部20からの1又はそれ以上の処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給するように構成される。一実施形態において、上部電極シャワーヘッド12は、ガス入口12a、ガス拡散室12b、及び複数のガス出口12cを有する。ガス入口12aは、ガス供給部20及びガス拡散室12bと流体連通している。複数のガス出口12cは、ガス拡散室12b及びプラズマ処理空間10sと流体連通している。一実施形態において、上部電極シャワーヘッド12は、1又はそれ以上の処理ガスをガス入口12aからガス拡散室12b及び複数のガス出口12cを介してプラズマ処理空間10sに供給するように構成される。
ガス供給部20は、1又はそれ以上のガスソース21、及び1又はそれ以上の流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、1又はそれ以上の処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してガス入口12aに供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、1又はそれ以上の処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
RF電力供給部30は、RF電力、例えば1又はそれ以上のRF信号を、下部電極111、上部電極シャワーヘッド12、又は、下部電極111及び上部電極シャワーヘッド12の双方のような1又はそれ以上の電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された1又はそれ以上の処理ガスからプラズマが生成される。従って、RF電力供給部30は、プラズマ処理チャンバにおいて1又はそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。一実施形態において、RF電力供給部30は、2つのRF生成部31a,31b及び2つの整合回路32a,32bを含む。一実施形態において、RF電力供給部30は、第1のRF信号を第1のRF生成部31aから第1の整合回路32aを介して下部電極111に供給するように構成される。例えば、第1のRF信号は、27MHz~100MHzの範囲内の周波数を有してもよい。
また、一実施形態において、RF電力供給部30は、第2のRF信号を第2のRF生成部31bから第2の整合回路32bを介して下部電極111に供給するように構成される。例えば、第2のRF信号は、400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数を有してもよい。代わりに、第2のRF生成部31bに代えて、DC(Direct Current)パルス生成部を用いてもよい。
さらに、図示は省略するが、本開示においては他の実施形態が考えられる。例えば、代替実施形態において、RF電力供給部30は、第1のRF信号をRF生成部から下部電極111に供給し、第2のRF信号を他のRF生成部から下部電極111に供給し、第3のRF信号をさらに他のRF生成部から下部電極111に供給するように構成されてもよい。加えて、他の代替実施形態において、DC電圧が上部電極シャワーヘッド12に印加されてもよい。
またさらに、種々の実施形態において、1又はそれ以上のRF信号(即ち、第1のRF信号、第2のRF信号等)の振幅がパルス化又は変調されてもよい。振幅変調は、オン状態とオフ状態との間、あるいは、2又はそれ以上の異なるオン状態の間でRF信号振幅をパルス化することを含んでもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられた排気口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力弁及び真空ポンプを含んでもよい。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、粗引きポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
上記のように構成されたプラズマ処理装置1は、制御部100によって、その動作が統括的に制御される。制御部100は、例えば、コンピュータであり、プラズマ処理装置1の各部を制御する。プラズマ処理装置1は、制御部100によって、その動作が統括的に制御される。制御部100は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させる制御を行う。
[制御部の構成]
次に、制御部100について詳細に説明する。図2は、第1実施形態に係る制御部100の概略的な構成を示したブロック図である。制御部100は、外部インターフェース101と、プロセスコントローラ102と、ユーザインターフェース103と、記憶部104とが設けられている。
外部インターフェース101は、プラズマ処理装置1の各部と通信可能とされ、各種のデータを入出力する。例えば、外部インターフェース101には、載置台11に設けられた温度センサ115から温度のデータが入力する。
プロセスコントローラ102は、CPU(Central Processing Unit)を備えプラズマ処理装置1の各部を制御する。
ユーザインターフェース103は、工程管理者がプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作を行うキーボードや、プラズマ処理装置1の稼動状況を可視化して表示するディスプレイ等から構成されている。
記憶部104には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をプロセスコントローラ102の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記憶されたレシピが格納されている。なお、制御プログラムやレシピは、コンピュータで読み取り可能なコンピュータ記録媒体(例えば、ハードディスク、DVDなどの光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)などに格納された状態のものを利用したり、或いは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
プロセスコントローラ102は、プログラムやデータを格納するための内部メモリを有し、記憶部104に記憶された制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムの処理を実行する。プロセスコントローラ102は、制御プログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、プロセスコントローラ102は、計測部102aと、導出部102bと、調整部102cの機能を有する。なお、本実施形態では、プロセスコントローラ102が、計測部102a、導出部102b及び調整部102cの機能を有する場合を例に説明する。しかし、計測部102a、導出部102b及び調整部102cの機能は、複数のコントローラで分散して実現してもよい。
基板Wの温度に影響を与えるエネルギーの流れを説明する。図3は、第1実施形態に係る載置台11の構成を概略的に示した図である。図3には、基板Wや載置台11が簡略化して示されている。載置台11は、静電チャック(ESC)112及び下部電極111を有している。静電チャック112と下部電極111は、接着層114により接着されている。下部電極111の内部には、冷媒、熱媒のような温調媒体が流れる流路111aが形成されている。
載置台11は、温度が検出可能な温度センサ115が設けられている。本実施形態では、温度センサ115が静電チャック112に設けられている。例えば、温度センサ115は、静電チャック112に形成された穴の内部に配置され、不図示の配線を介して制御部100に接続されている。温度センサ115は、少なく1つ設けられていればよい。なお、温度センサ115は、下部電極111に設けてもよい。温度センサ115は、下部電極111内に設けてもよい。例えば、温度センサ115は、下部電極111内の流路111aと上面との間となる位置に設ける。本実施形態では、温度センサ115により、載置台11の温度として、静電チャック112の温度を検出する。
ところで、プラズマ処理では、基板Wの温度によって処理の進行が変化する。例えば、プラズマエッチングでは、基板Wの温度によってエッチングの進行速度が変化する。プラズマ処理装置1では、基板Wの温度を直接測定することは難しい。このため、プラズマ処理装置1では、基板Wを載置する載置台11を構成する静電チャック112や下部電極111の温度を測定して基板Wの温度が変化していないかを推測している。しかし、基板Wの温度は、載置台11の表面の状態の変化の影響で、推測された温度からの誤差が大きい場合がある。
図3には、プラズマ処理の際の熱の流れが矢印で示されている。図3では、プラズマを点火した点火状態での載置台11のエネルギーの流れを矢印で模式的に示している。プラズマ処理を行っている場合、基板Wは、プラズマからの入熱により、温度が上昇する。図3では、プラズマから基板Wへの入熱量を基板Wの面積で割った単位面積当たりのプラズマからの熱流束qpとして示している。
基板Wに伝わった熱は、静電チャック112に伝わる。ここで、後述する過渡状態では、静電チャック112に基板Wの熱が全て伝わるわけではなく、基板Wと静電チャック112との接触度合など、熱の伝わりやすさに応じて静電チャック112に熱が伝わる。図3では、基板Wから静電チャック112の表面への熱の伝わりやすさを、基板Wと静電チャック112の表面間の単位面積当たりの熱抵抗Rthとして示している。また、図3では、基板Wから静電チャック112表面への入熱量を、基板Wから静電チャック112表面への単位面積当たりの熱流束qとして示している。
静電チャック112の表面に伝わった熱は、静電チャック112、接着層114、下部電極111と順に伝わり、静電チャック112、接着層114、下部電極111の温度を上昇させる。
一方、下部電極111は、流路111aを流れる冷媒により冷却されており、冷媒よりも温度が高い場合、冷媒によって抜熱される。冷媒によって抜熱される熱のエネルギーは、下部電極111と冷媒との温度差が大きいほど多くなる。
図4は、未点火状態での載置台11のエネルギーの流れを模式的に示す図である。例えば、プラズマを点火して無い未点火状態では、熱流束qp、熱流束qが無く冷媒との温度差があると抜熱される。このため、基板W及び載置台11は、冷媒の温度となる。
一方、プラズマを点火した点火状態では、図3に示したように、プラズマからの熱流束qpがあるため、基板W及び載置台11の温度が上昇する。ここで、プラズマを点火した点火状態には、過度状態と定常状態とがある。過度状態は、例えば、基板W及び載置台11に対する入熱量が出熱量よりも多く、基板W及び載置台11の温度が経時的に上昇傾向となる状態である。定常状態は、基板W及び載置台11の入熱量と出熱量が等しくなり、基板W及び載置台11の温度に経時的な上昇傾向がなくなり、温度が略一定となる温度が安定した状態である。
図5は、載置台11の温度の変化の一例を示す図である。図5の例は、プラズマを点火して無い未点火状態からプラズマを点火して、載置台11の温度を測定した結果の一例を示している。図5の期間P1は、プラズマを点火して無い未点火状態である。期間P1では、載置台11の温度が冷媒の温度T0となっている。図5の期間P2は、プラズマを点火した点火状態であり、過渡状態である。過渡状態では、載置台11の温度が安定するまで継続的に上昇する。期間P2では、載置台11の温度が一定の温度T1まで上昇する。図5の期間P3は、プラズマを点火した点火状態である。期間P3では、載置台11の温度は一定であり、定常状態となっている。図5の期間P4は、プラズマを消火した未点火状態である。期間P4では、プラズマが消えて基板Wに対するプラズマから入熱が無くなるため、載置台11の温度が低下する。
図5の期間P2に示される過度状態での載置台11の温度の変化の傾向は、プラズマから基板Wへの入熱量や、基板Wと静電チャック112の表面間の熱抵抗Rthなどによって変化する。
プラズマから基板Wへの入熱量は、プラズマ処理の処理条件から推測できる。また、プラズマから基板Wへの入熱量は、流路111aを流れる冷媒の温度変化からも推測できる。例えば、定常状態では、基板W及び載置台11の温度が一定であるため、プラズマから基板Wへの入熱が冷媒によって全て抜熱される。そこで、定常状態において、流路111aを通過した冷媒の温度の上昇量を測定する。例えば、冷媒の温度の上昇量として、流路111aから排出された冷媒の温度と流路111aの供給した冷媒の温度の温度差を測定する。そして、測定した温度の上昇量と、冷媒の比熱と、流路111aへの単位時間当たりの冷媒の供給量とを乗算すると、冷媒が温度上昇するための熱量を求めることができる。この求めた熱量は、プラズマから基板Wへの入熱量と推測できる。熱流束qpは、例えば、プラズマから基板Wへの入熱量を基板Wの面積で割ることで推測できる。定常状態ではプラズマから基板Wへの入熱が全て伝わるため、熱流束qは、熱流束qpと同じとなる。
プラズマ処理装置1は、基板Wを交換しつつ各基板Wに同じプラズマ処理を実施する場合、各プラズマ処理におけるプラズマから基板Wへの入熱量を同じとみなすことができる。
一方、プラズマ処理装置1は、載置台11の表面の状態が基板Wとの接触やプラズマの影響により経時的に変化する。基板Wと静電チャック112との接触度合など、熱の伝わりやすさが変わるため、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthが変化し、定常状態での基板の温度が変化する。また、熱抵抗Rthが変化すると、過渡状態での載置台11の温度変化の変化度合いが変化する。
図6は、熱抵抗Rthの変化による載置台11の温度の変化の一例を示す図である。図6は、プラズマを点火してから載置台11の温度が安定するまでの過渡状態の載置台11の温度変化を示している。温度T0は、プラズマを点火する前の温度であり、例えば、冷媒の温度である。温度T1は、載置台11の温度が安定した定常状態の温度である。熱抵抗Rthが大きい場合、載置台11の温度は、曲線C1に示すように、緩やかに増加する。一方、熱抵抗Rthが小さい場合、曲線C2に示すように、曲線C1に比べて大きく増加する。
過渡状態における載置台11の温度Tの変化の曲線は、以下の式(1)のように表すことができる。
T = -(T1-T0)exp(-t/τ)+T1 ・・・(1)
ここで、
Tは、載置台11の温度である。
T0は、プラズマを点火する前の載置台11の温度である。
T1は、定常状態での載置台11の温度である。
tは、経過時間である。
τは、時定数である。
過渡状態における載置台11の温度Tの変化の曲線は、熱抵抗Rthが大きい場合、式(1)の時定数τも大きな値となり、熱抵抗Rthが小さい場合、時定数τも小さな値となる。このため、熱抵抗Rthと時定数τには、図7に示すような相関関係がある。すなわち、熱抵抗Rthと時定数τには、熱抵抗Rthの値が大きいほど時定数τの値も大きくなる関係がある。
そこで、事前に、熱抵抗Rthと時定数τとの対応関係を求める。対応関係は、実際のプラズマ処理装置1を使用しても求めてよく、プラズマ処理装置1と同等の実験用の装置を使用して求めてよい。例えば、プラズマ処理装置1では、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを様々変えて、プラズマを点火してから載置台11の温度が安定するまでの過渡状態の載置台11の温度変化を計測する。熱抵抗Rthは、載置台11の表面形状を変えたり、基板Wの裏面側に供給する伝熱ガスの供給量を変えることで、変化させることができる。熱抵抗Rthは、実際に計測してもよく、演算で求めてもよい。そして、計測された温度変化から、熱抵抗Rthと時定数τとの対応関係を求める。例えば、熱抵抗Rthごとに、時定数τを求める。
図2に戻る。記憶部104は、このようにして求めた熱抵抗Rthと時定数τとの対応関係のデータを記憶する。例えば、記憶部104は、載置台11の温度変化の時定数τごとに、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを記憶した熱抵抗データ104aを記憶する。
計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間の載置台11の温度変化を温度センサ115により計測する。例えば、計測部102aは、プラズマを点火して無い未点火状態と、プラズマを点火してから載置台11の温度が安定するまでの過渡状態での載置台11の温度変化を計測する。未点火状態での載置台11の温度は、少なくとも1つ計測されていればよく、複数回計測して平均値を未点火状態の載置台11の温度としてもよい。過渡状態での載置台11の温度は、2回以上計測されていればよい。温度を計測する計測タイミングは、温度の増加傾向が大きいタイミングであることが好ましい。また、計測タイミングは、計測回数が少ない場合、所定期間以上離れていることが好ましい。計測部102aは、プラズマ処理の期間中、所定周期(例えば、0.1秒周期)で載置台11の温度を計測する。これにより、過渡状態での載置台11の温度が多数計測される。
計測部102aは、所定のサイクルで、載置台11の温度変化を計測する。例えば、計測部102aは、基板Wが交換され、交換された基板Wを載置台11に載置してプラズマ処理を行う際に、毎回、載置台11の温度変化を計測する。なお、例えば、計測部102aは、プラズマ処理ごとに、載置台11の温度変化を計測してもよい。
導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化に基づいて、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から載置台11の温度変化の時定数τを求める。例えば、導出部102bは、式(1)に対して、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化のフィッティングを行って、時定数τを求める。式(1)の温度T0及び温度T1は、温度変化の計測結果から定めることができる。例えば、温度T0は、冷媒の温度、又は、温度を計測した初期の温度と定めることができる。温度T1は、載置台11の温度が安定した定常状態の温度と定めることができる。式(1)は、時定数τがパラメータとなる。導出部102bは、時定数τをパラメータとした式(1)に対して、計測された載置台11の温度変化のフィッティングを行い、誤差が最も小さくなる時定数τを求める。
導出部102bは、記憶部104を参照して、求めた時定数τに対応する熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、求めた時定数τに対応する熱抵抗Rthを熱抵抗データ104aから読み出すことで、熱抵抗Rthを導出する。このように、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、基板Wと載置台11間の熱抵抗Rthを導出できる。
導出部102bは、所定のサイクルごとに、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から熱抵抗Rthを導出する。これにより、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthから載置台11の表面の状態の変化を検知できる。
調整部102cは、導出部102bにより所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthの経時変化に基づき、載置台11の温度、又は基板Wと載置台11の熱抵抗Rthを調整する。定常状態における熱抵抗Rthの変化による基板Wの温度変化は、以下の式(2)のように表すことができる。
ΔTw = q・ΔRth ・・・(2)
ここで、
ΔTwは、基板Wの温度変化である。
qは、基板Wから静電チャック112表面への熱流束である。
ΔRthは、熱抵抗Rthの変化量である。
例えば、調整部102cは、式(2)により、熱抵抗Rthの変化量ΔRthから基板Wの温度変化ΔTを求める。調整部102cは、基板Wの温度変化ΔTが小さくなるように、載置台11の温度、又は基板Wと載置台11の熱抵抗Rthを調整する。例えば、調整部102cは、温度変化ΔTが温度低下である場合、温度変化ΔT分だけ冷媒の温度が上昇し、温度変化ΔTが温度上昇である場合、温度変化ΔT分だけ冷媒の温度が低下するようチラーユニット14を制御する。また、例えば、調整部102cは、温度変化ΔTが温度低下である場合、基板Wの裏面に供給する伝熱ガスの供給量が減少し、温度変化ΔTが温度上昇である場合、基板Wの裏面に供給する伝熱ガスの供給量が増加するように制御する。
これにより、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、熱抵抗Rthが経時的に変化する場合であっても、プラズマ処理中の基板Wの温度が経時的に変化することを抑制できる。これにより、プラズマ処理装置1は、プラズマ処理の特性が変化することを抑制できる。
なお、実施形態では、図5の期間P2に示したように、プラズマを点火してから載置台11の温度が安定するまで過渡状態の載置台11の温度変化から、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する場合を例に説明した。しかし、熱抵抗Rthの導出に利用できる期間は、これに限定されるものではない。例えば、図5の期間P4のような、プラズマを消火してから載置台11の温度が安定するまで期間の載置台11の温度の変化の傾向も、基板Wと静電チャック112の表面間の熱抵抗Rthによって変化する。そこで、図5の期間P4に示すプラズマを消火してから載置台11の温度が安定するまでの載置台11の温度変化から、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出してもよい。例えば、事前に、図5の期間P4のようなプラズマを消火してからの載置台11の温度が低下する際の載置台11の温度変化の時定数と載置台11の熱抵抗の対応関係を求める。記憶部104は、プラズマを消火してからの載置台11の温度変化の時定数ごとに、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを記憶する。計測部102aは、プラズマ処理が終了してプラズマを消火してから載置台11の温度が下降している間の載置台11の温度変化を温度センサ115により計測する。導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化に基づいて、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、図5の期間P4の載置台11の温度変化から載置台11の温度変化の時定数を求める。導出部102bは、記憶部104を参照して、求めた時定数に対応する熱抵抗Rthを導出する。この場合も、プラズマ処理装置1は、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出できる。
[熱抵抗導出の流れ]
次に、本実施形態に係るプラズマ処理装置1を用いた熱抵抗導出方法について説明する。図8は、実施形態に係る熱抵抗導出方法の流れの一例を示すフローチャートである。この温度制御方法は、所定のタイミング、例えば、プラズマ処理を開始するタイミングで実行される。
計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間の載置台11の温度変化を温度センサ115により計測する(ステップS10)。
導出部102bは、計測された載置台11の温度変化に基づいて、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthを導出する(ステップS11)。例えば、導出部102bは、計測された載置台11の温度変化から載置台11の温度変化の時定数τを求める。導出部102bは、記憶部104を参照して、求めた時定数τに対応する熱抵抗Rthを導出する。
調整部102cは、導出される熱抵抗Rthの経時変化に基づき、載置台11の温度、又は基板Wと載置台11の熱抵抗Rthを調整し(ステップS12)、処理を終了する。
以上のように、第1実施形態に係るプラズマ処理装置1は、載置台11と、温度センサ115(検出部)と、計測部102aと、導出部102bとを有する。載置台11は、プラズマ処理の対象となる基板Wが載置される。温度センサ115は、載置台11の温度を検出する。計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間、又はプラズマ処理が終了してプラズマを消火してから載置台11の温度が下降している間の載置台11の温度変化を温度センサ115により計測する。導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化に基づいて、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する。このように、プラズマ処理装置1は、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出できる。
また、プラズマ処理装置1は、調整部102cをさらに有する。計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間、又はプラズマ処理が終了してプラズマを消火してから載置台11の温度が下降している間の載置台11の温度変化を所定のサイクルで計測する。導出部102bは、所定のサイクルごとに、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から熱抵抗Rthを導出する。調整部102cは、導出部102bにより所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthの経時変化に基づき、載置台11の温度、又は基板Wと載置台11の熱抵抗を調整する。このように、プラズマ処理装置1は、熱抵抗Rthが経時的に変化する場合であっても、プラズマ処理中の基板Wの温度が経時的に変化することを抑制できる。
また、プラズマ処理装置1は、記憶部104をさらに有する。記憶部104は、載置台11の温度変化の時定数τごとに、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを記憶する。導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から載置台11の温度変化の時定数τを求める。導出部102bは、記憶部104を参照して、求めた時定数τに対応する熱抵抗Rthを導出する。このように、プラズマ処理装置1は、熱抵抗Rthを導出できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るプラズマ処理装置1及び制御部100は、図1及び図2に示した第1実施形態に係るプラズマ処理装置1及び制御部100と同様の構成であるため、説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係る載置台11の概略構成の一例を示す図である。第2実施形態に係る載置台11は、図3に示した第1実施形態に係る載置台11と一部同様の構成であるため、同一部分に同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
静電チャック112と下部電極111は、接着層114により接着されている。第2実施形態に係る載置台11は、温度センサ115a、115bが設けられえている。温度センサ115aは、静電チャック112の温度を検出する。温度センサ115bは、下部電極111の温度を検出する。
プラズマ処理を行っている場合、基板Wは、プラズマからの入熱により、温度が上昇する。基板Wに伝わった熱は、静電チャック112に伝わる。ここで、過渡状態では静電チャック112には、基板Wの熱が全て伝わるわけではなく、基板Wと静電チャック112との接触度合など、熱の伝わりやすさに応じて静電チャック112に熱が伝わる。また、載置台11は、プラズマの影響や劣化等により接着層114の熱の伝わりやすさが変化する場合がある。
図9では、基板Wから静電チャック112の表面への熱の伝わりやすさを、基板Wと静電チャック112の表面間の単位面積当たりの熱抵抗Rthとして示している。また、図9では、接着層114の熱の伝わりやすさを、接着層114の単位面積当たりの熱抵抗Rthsとして示している。
静電チャック112の表面に伝わった熱は、静電チャック112、接着層114、下部電極111と順に伝わり、静電チャック112、接着層114、下部電極111の温度を上昇させる。静電チャック112及び下部電極111は、過渡状態において、温度が上昇する。この静電チャック112及び下部電極111の温度変化は、熱抵抗Rthと熱抵抗Rthsの影響を受ける。よって、静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数は、熱抵抗Rthと熱抵抗Rthsに関係がある。
そこで、事前に、静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数と、熱抵抗Rthと熱抵抗Rthsとの対応関係を求める。対応関係は、実際のプラズマ処理装置1を使用しても求めてよく、プラズマ処理装置1と同等の実験用の装置を使用して求めてよい。例えば、プラズマ処理装置1では、接着層114の熱抵抗Rths、及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthをそれぞれ様々変えて、プラズマを点火してから載置台11の温度が安定するまでの過渡状態の静電チャック112及び下部電極111の温度変化を計測する。熱抵抗Rthsは、接着層114の厚さを変えることで、変化させることができる。熱抵抗Rthは、載置台11の表面形状を変えたり、基板Wの裏面側に供給する伝熱ガスの供給量を変えることで、変化させることができる。熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthは、実際に計測してもよく、演算で求めてもよい。そして、計測された温度変化から、熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthと、静電チャック112及び下部電極111の時定数との対応関係を求める。例えば、熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthの組み合わせごとに、静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数を求める。
記憶部104には、このようにして求めた熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthと、静電チャック112及び下部電極111の時定数の対応関係のデータを記憶する。例えば、記憶部104は、静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数の組み合わせごとに、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを記憶した熱抵抗データ104aを記憶する。
計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間の静電チャック112及び下部電極111の温度変化を温度センサ115a、115bにより計測する。例えば、計測部102aは、プラズマを点火して無い未点火状態と、プラズマを点火してから温度センサ115a、115bの温度が安定するまでの過渡状態での温度センサ115a、115bの温度変化を計測する。
計測部102aは、所定のサイクルで、静電チャック112及び下部電極111の温度変化を計測する。例えば、計測部102aは、基板Wが交換され、交換された基板Wを載置台11に載置してプラズマ処理を行う際に、毎回、静電チャック112及び下部電極111の温度変化を計測する。なお、例えば、計測部102aは、プラズマ処理ごとに、静電チャック112及び下部電極111の温度変化を計測してもよい。
導出部102bは、計測部102aにより計測された静電チャック112及び下部電極111の温度変化に基づいて、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数をそれぞれ求める。例えば、導出部102bは、時定数τをパラメータとした式(1)に対して、静電チャック112の温度変化のフィッティングをそれぞれ行い、誤差が最も小さくなる静電チャック112の温度変化の時定数を求める。また、導出部102bは、時定数τをパラメータとした式(1)に対して、下部電極111の温度変化のフィッティングをそれぞれ行い、誤差が最も小さくなる下部電極111の温度変化の時定数を求める。
導出部102bは、記憶部104を参照して、求めた静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数の組み合わせに対応する接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、求めた静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数の組み合わせに対応する熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthを熱抵抗データ104aから読み出すことで、熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthを導出する。このように、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11間の熱抵抗Rthを導出できる。
導出部102bは、所定のサイクルごとに、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthを導出する。これにより、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthから載置台11の表面の状態の変化を検知できる。また、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthsから接着層114の状態の変化を検知できる。
以上のように、載置台11は、基板Wを静電吸着する静電チャック112と下部電極111(基台)とが積層されて接着層114により接着されている。温度センサ115a、115b(検出部)は、静電チャック112及び下部電極111にそれぞれ設けられる。計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間、又はプラズマ処理が終了してプラズマを消火してから載置台11の温度が下降している間の静電チャック112及び下部電極111の温度変化を温度センサ115a、115bによりそれぞれ計測する。記憶部104は、静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数の組み合わせごとに、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを記憶する。導出部102bは、計測部102aにより計測された静電チャック112及び下部電極111の温度変化から静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数をそれぞれ求める。導出部102bは、記憶部104を参照して、求めた静電チャック112及び下部電極111の温度変化の時定数の組み合わせに対応する接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する。このように、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11間の熱抵抗Rthを導出できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るプラズマ処理装置1及び制御部100は、図1及び図2に示した第1及び第2実施形態に係るプラズマ処理装置1及び制御部100と同様の構成であるため、説明を省略する。
第3実施形態に係る載置台11は、第1実施形態と同様に、図3のように概略的に示すことができる。
載置台11は、温度が検出可能な温度センサ115が設けられている。本実施形態では、静電チャック112に温度が検出可能な温度センサ115が設けられている。なお、温度センサ115は、下部電極111に設けてもよい。温度センサ115は、下部電極111内の流路111aの上部となる位置に設けてもよい。本実施形態では、温度センサ115により、載置台11の温度として、静電チャック112の温度を検出する。
図3には、プラズマ処理の際の熱の流れが矢印で示されている。このような載置台11の熱の流れは、熱回路として表すことができる。図10は、載置台11を熱回路として表した図である。「qp」は、プラズマからの熱流束である。「T」は、温度である。「ρ」は、密度である。「C」は、比熱である。「Z」は、厚さである。「T」、「ρ」、「C」、「Z」には、添え字「w」、「c」、「a」、「b」を付して、対応する部材を表している。「w」は、基板Wを表す。「c」は、静電チャック112を表す。「a」は、下部電極111を表す。「b」、冷媒を表す。例えば、Twは、基板Wの温度を表す。また、ρcは、静電チャック112の密度を表す。Caは、下部電極111の比熱を表す。また、Zbは、冷媒の厚さを表し、例えば、流路111aの高さ(厚さ)が対応する。Rthは、基板Wと静電チャック112(ESC)の熱抵抗である。Rthsは、接着層114の単位面積当たりの熱抵抗である。Rthbは、冷媒の単位面積当たりの熱抵抗である。
載置台11を熱回路として表した場合、関係式を定めることができる。例えば、k0、k1、k2、k3、k4、k5を以下の式(3)-(8)のように表し、微分Dを式(9)のように表す。
この場合、静電チャック112の温度Tcの挙動は、以下の式(10)の微分方程式の解に従う。
基板Wの厚さZw、基板Wの密度ρw、基板Wの比熱Cwは、基板Wに応じて事前に定まる。静電チャック112の厚さZc、静電チャック112の密度ρc、静電チャック112の比熱Ccは、静電チャック112の設計データや、静電チャック112の実際の構成、材料に応じて事前に定まる。下部電極111の厚さZa、下部電極111の密度ρa、下部電極111の比熱Caは、下部電極111の設計データや、下部電極111の実際の構成、材料に応じて事前に定まる。冷媒の厚さZb、冷媒の密度ρb、冷媒の比熱Cbは、流路111aの設計データや、冷媒の材料に応じて事前に定まる。
接着層114の熱の伝わりやすさが変化しないものとした場合、熱抵抗Rthsは、一定の値となり、接着層114の設計データや、接着層114の実際の構成、材料に応じて事前に定まる。冷媒の単位面積当たりの熱抵抗Rthbも、流路111aの設計データや、冷媒の材料、冷媒の流量等に応じて事前に定まる。
tは、プラズマを点火からの経過時間である。温度Tcは、静電チャック112の温度である。経過時間t及び温度Tcは、過渡状態の計測結果を適用できる。
よって、式(10)は、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthをパラメータとした、静電チャック112の温度Tcの伝熱に関する関係式となっている。
計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間の載置台11の温度変化を温度センサ115により計測する。例えば、計測部102aは、プラズマを点火して無い未点火状態と、プラズマを点火してから静電チャック112の温度Tcが安定するまでの過渡状態での静電チャック112の温度Tcの変化を計測する。
計測部102aは、所定のサイクルで、載置台11の温度の変化を計測する。例えば、計測部102aは、基板Wが交換され、交換された基板Wを載置台11に載置してプラズマ処理を行う際に、毎回、静電チャック112の温度Tcの変化を計測する。なお、例えば、計測部102aは、プラズマ処理ごとに、静電チャック112の温度Tcの変化を計測してもよい。
導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化に基づいて、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthをパラメータとした式(10)に対して、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化のフィッティングを行って、熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、式(10)に対して、計測された経過時間tでの静電チャック112の温度Tcのフィッティングを行い、誤差が最も小さくなる熱抵抗Rthを求める。このように、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、基板Wと載置台11間の熱抵抗Rthを導出できる。
導出部102bは、所定のサイクルごとに、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から熱抵抗Rthを導出する。これにより、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthから載置台11の表面の状態の変化を検知できる。
なお、温度センサ115により、載置台11の温度として、静電チャック112の温度を検出する場合を例に説明した。しかし、温度センサ115により、載置台11の温度として、下部電極111の温度Taを検出する場合は、式(10)に変えて、以下の式(11)を用いる。下部電極111の温度Taの挙動は、式(11)の微分方程式の解に従う。
式(11)において、温度Taは、下部電極111の温度である。経過時間t及び温度Taは、過渡状態の計測結果を適用できる。
式(11)は、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthをパラメータとした、下部電極111の温度Taの伝熱に関する関係式となっている。
この場合も、計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間の載置台11の温度変化を温度センサ115により計測する。例えば、計測部102aは、プラズマを点火して無い未点火状態と、プラズマを点火してから下部電極111の温度Taが安定するまでの過渡状態での下部電極111の温度Taの変化を計測する。
導出部102bは、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化に基づいて、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、式(11)に対して、計測された経過時間tでの下部電極111の温度Taのフィッティングを行い、誤差が最も小さくなる熱抵抗Rthを求める。この場合も、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、基板Wと載置台11間の熱抵抗Rthを導出できる。
また、実施形態では、載置台11の伝熱に関する関係式を、式(10)、式(11)のように微分方程式とした場合を例に説明した。しかし、載置台11の伝熱に関する関係式は、これに限定されるものではない。例えば、載置台11の伝熱に関する関係式は、式(10)、式(11)をそれぞれ熱抵抗Rthについて解いた式としてもよい。このような式についても、熱抵抗thをパラメータとしてフィッティングを行うことで、熱抵抗Rthを導出できる。
以上のように、導出部102bは、基板Wと載置台11との間の熱抵抗thをパラメータとし、載置台11の伝熱に関する関係式(式(10)、式(11))に対して、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化のフィッティングを行って、熱抵抗Rthを導出する。このように、プラズマ処理装置1は、基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係るプラズマ処理装置1及び制御部100は、図1及び図2に示した第1~第3実施形態に係るプラズマ処理装置1及び制御部100と同様の構成であるため、説明を省略する。
第4実施形態に係る載置台11は、図9に示した第2実施形態と同様に、静電チャック112と下部電極111の温度を検出する温度センサ115a、115bが設けられえている。
載置台11は、第2実施形態において説明したように、プラズマの影響や劣化等により接着層114の熱の伝わりやすさが変化する場合がある。すなわち、接着層114の熱抵抗Rthsが変化する。
第4実施形態では、第3実施形態において説明した式(10)、式(11)を、基板Wと静電チャック112の熱抵抗Rthと、接着層114の熱抵抗Rthsをパラメータとした、載置台11の伝熱に関する関係式とする。なお、載置台11の伝熱に関する関係式は、式(10)、式(11)をそれぞれ熱抵抗Rthについて解いた式を用いてもよい。
計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間の静電チャック112及び下部電極111の温度変化を温度センサ115a、115bにより計測する。例えば、計測部102aは、プラズマを点火して無い未点火状態と、プラズマを点火してから温度センサ115a、115bの温度が安定するまでの過渡状態での温度センサ115a、115bの温度変化を計測する。
計測部102aは、所定のサイクルで、静電チャック112及び下部電極111の温度変化を計測する。例えば、計測部102aは、基板Wが交換され、交換された基板Wを載置台11に載置してプラズマ処理を行う際に、毎回、静電チャック112及び下部電極111の温度変化を計測する。なお、例えば、計測部102aは、プラズマ処理ごとに、静電チャック112及び下部電極111の温度変化を計測してもよい。
導出部102bは、計測部102aにより計測された静電チャック112及び下部電極111の温度変化に基づいて、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、式(10)及び式(11)に対して、計測部102aにより計測された静電チャック112及び下部電極111の温度変化のフィッティングを行って、熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthを導出する。例えば、導出部102bは、式(10)及び式(11)に対して、計測された経過時間tでの静電チャック112の温度Tc及び下部電極111の温度Taのフィッティングを行い、誤差が最も小さくなる熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthを求める。このように、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出できる。
導出部102bは、所定のサイクルごとに、計測部102aにより計測された載置台11の温度変化から熱抵抗Rths及び熱抵抗Rthを導出する。これにより、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthから載置台11の表面の状態の変化を検知できる。また、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、所定のサイクルごとに導出される熱抵抗Rthsから接着層114の状態の変化を検知できる。
以上のように、載置台11は、基板Wを静電吸着する静電チャック112と下部電極111(基台)とが積層されて接着層114により接着されている。温度センサ115a、115b(検出部)は、静電チャック112及び下部電極111にそれぞれ設けられる。計測部102aは、プラズマを点火してから載置台11の温度が上昇している間、又はプラズマ処理が終了してプラズマを消火してから載置台11の温度が下降している間の静電チャック112及び下部電極111の温度変化を温度センサ115a、115bによりそれぞれ計測する。導出部102bは、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthをパラメータとした、載置台11の伝熱に関する関係式(式(10)、式(11))に対して、計測部102aにより計測された静電チャック112及び下部電極111の温度変化のフィッティングを行って、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11との間の熱抵抗Rthを導出する。このように、本実施形態に係るプラズマ処理装置1は、接着層114の熱抵抗Rths及び基板Wと載置台11間の熱抵抗Rthを導出できる。
以上、実施形態について説明してきたが、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上述した実施形態は、多様な形態で具現され得る。また、上述した実施形態は、請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
例えば、上記の実施形態では、基板Wとして半導体ウエハにプラズマ処理を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板Wは、温度によってプラズマ処理の進行に影響があるものであれば何れであってもよい。
また、上記の実施形態では、プラズマ処理としてプラズマエッチングを行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。プラズマ処理は、プラズマを用いており、温度によって処理の進行に影響があるものであれば何れであってもよい。
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。