JP7489695B2 - ホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物 - Google Patents
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Description
[1]上昇融点が55℃以下の食用油脂に、水中油型乳化物を乾燥した粉末油脂が分散されてなるホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。
[2]食用油脂と上記粉末油脂の比率が85:15~30:70(質量比)である[1]に記載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。
[3]前記粉末油脂中の油脂の含量が、30~80質量%である[1]又は[2]記載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。
[4]ジグリセリン脂肪酸エステルを含む[1]~[3]いずれかに記載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。
[5]油脂加工デンプン及び/又はオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを含む[1]~[4]いずれかに記載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。
[6]25℃においてペースト状又は流動状である[1]~[5]いずれかに記載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。
[7] 前記油脂組成物が即席食品用である [1]~[6]いずれかに記載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。
本発明に用いられる食用油脂は、上昇融点55℃以下であり、50℃以下であることが好ましく、45℃以下がより好ましく、40℃以下がさらに好ましい。食用油脂を前記範囲とすることで、本油脂組成物の表面を構成する食用油脂が適度に粘度を持つことになり、水分を含有する飲食品に供した際に、本油脂組成物に含まれる粉体物の急激な吸水を抑制でき、ままこにならず、均一な分散性が得られる。食用油脂の上昇融点が55℃を超えると、本油脂組成物自体の分散性や溶解性が悪化し、口溶けにも悪影響を及ぼすので好ましくない。特に、本油脂組成物を常温でペースト状又は流動状にする場合は、より上昇融点の低い食用油脂を選択するのが好ましく、20℃において液状の油脂がより好ましい。食用油脂の上昇融点は、 基準油脂分析試験法に記載の方法により測定することができる。
本発明における粉末油脂は、水中油型乳化物を乾燥して得られる。乾燥の方法としては、一般に知られている噴霧乾燥法や真空乾燥法等を用いることができる。乳化した油脂が粉末化されていることで、本発明の油脂組成物は、例えばスープ等水分の多い飲食品に供した際に、均一な白い状態を保つことができる。また、かき混ぜた時にも油脂は分離せず均一に乳化して白濁する。また、本油脂組成物中に粉末油脂を含有することにより、良好なコク味を付与することができる。この粉末油脂中の油脂の含量は、25~85質量%であることが好ましく、30~80質量%がより好ましく、35~75質量%がさらに好ましい。粉末油脂中の油相部が25質量%よりも少ないと、ホワイトナー効果が薄れてしまいやすい。また、85質量%よりも多いと、油脂をタンパク質や糖類等からなる賦形剤が被覆し切れず、粉末油脂自体を安定的に作ることが困難となりやすい。前記粉末油脂に含まれる油脂としては、食用油脂であればよく、動植物油脂及び/又はその加工油脂である。前記食用油脂と粉末油脂の比率は質量比で、85:15~30:70が好ましく、80:20~40:60がより好ましく、75:25~50:50がさらに好ましい。粉末油脂の食用油脂に対する比率が前記下限未満であると、水分の多い飲食品に供した際に食用油脂のみが分離して不均一な見た目になりやすく、かき混ぜた時の白濁感が劣る場合がある。また、前記上限を超える場合、食用油脂が粉末油脂の表面を十分に覆い切れず、分散性が劣りやすい。本油脂組成物を常温でペースト状にする場合は、前記食用油脂と粉末油脂の比率は質量比で、30:70~60:40が好ましく、流動状にする場合は、前記食用油脂と粉末油脂の比率は質量比で、60:40~75:25が好ましい。
本発明においては乳化剤を含むことが好ましい。乳化剤を含むことで、本油脂組成物の分散性や乳化性、白濁性を向上させることができる。乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等が挙げられる。これらの中で、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが好ましく、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステルがより好ましく、ジグリセリン脂肪酸エステルを含むことがさらに好ましい。本油脂組成物が乳化剤を含む場合、乳化剤の含有量は本油脂組成物中に0.01~10質量%が好ましく、0.05~5質量%がより好ましい。
<油脂加工デンプン>
油脂加工デンプンとは、デンプンに油脂を混合した後、加熱処理して得られるデンプンであり、従来より水産練り製品やフライ製品のバッターに用いられている。本発明における油脂加工デンプンの原料となるデンプンとしては、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、甘藷デンプン、サゴデンプン、エンドウデンプン等とそれらの加工デンプンが挙げられる。これらの中で、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、ワキシーコーンスターチの未加工のデンプンが好ましい。油脂加工デンプンに含まれる油脂としては食用油脂であればよく、動植物油脂及び/又はその加工油脂である。また、油脂加工デンプンには乳化剤を含んでいてもよい。油脂加工デンプンの含有量としては、本油脂組成物中、1~20質量%が好ましく、3~18質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましい。油脂加工デンプンの含有量が前記下限未満であると、水分の多い飲食品に供した際に食用油脂のみが分離して不均一な見た目になりやすい。油脂加工デンプンの含有量が前記上限を超える場合、組成物の比重が重くなり、粘度の低い飲食品に供した際には沈んでしまいやすい。
オクテニルコハク酸デンプンナトリウムとは、デンプンにオクテニルコハク酸基を導入して親油性を付与したデンプンで、デンプン懸濁液をアルカリ性下、オクテニルコハク酸無水物で処理することで得られる。本発明におけるオクテニルコハク酸デンプンナトリウムの原料となるデンプンとしては、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、甘藷デンプン、サゴデンプン、エンドウデンプン等から選ばれる一種以上を組み合わせたものが挙げられる。これらのデンプンをオクテニルコハク酸エステル化処理したもの、それをさらに焙焼処理により低粘度化したもの、また更にアルファー化処理したもの等が挙げられる。これらのオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを一種または、二種以上組み合わせて用いることができる。オクテニルコハク酸デンプンナトリウムの含有量としては、本油脂組成物中、1~20質量%が好ましく、3~18質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましい。オクテニルコハク酸デンプンナトリウムの含有量が前記下限未満であると、水分の多い飲食品に供した際に食用油脂のみが分離して不均一な見た目になりやすい。オクテニルコハク酸デンプンナトリウムの含有量が前記上限を超える場合、組成物の比重が重くなり、粘度の低い飲食品に供した際には沈んでしまいやすい。
本油脂組成物は、前記食用油脂、粉末油脂、乳化剤、油脂加工デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム以外にその他の原材料を含むことができる。例えば、前記以外のデンプン類、デキストリン、糖類、食物繊維等の炭水化物、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等の粉乳類、香料、酸化防止剤、着色料等が挙げられるが、常温流通可能な油脂組成物とするためには、水分を全くあるいはほとんど含まないものである必要がある。前記油脂組成物への風味付与のために粉乳類を含むことが好ましい。前記その他の成分は、本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。特に、即席食品に用いる場合は、長期保存でも成分の変質、分離、褐変、風味劣化等を生じない成分を選択する必要がある。
本発明の油脂組成物は、食用油脂に、粉末油脂と必要に応じてその他の粉体原料を混合、分散させたものである。より均一でなめらかな状態を保つために、含有する粉体原料が粉砕あるいは磨砕されて微粒化していることが好ましい。微粒化には、ロールミルやカッターミル、ハンマーミル、ボールミル、ピンミル等の粉砕装置が用いられる。予め、粉末油脂と必要に応じてその他の粉体原料に食用油脂の一部を混合して前記粉砕装置にて微粒化した後、残りの食用油脂を加えて調製することができる。
<油脂組成物の調製>
組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
大豆油、パーム油(ヨウ素価51):植田製油株式会社製
ハイエルシン菜種極度硬化油:横関油脂工業株式会社製
ジグリセリン脂肪酸エステル:理研ビタミン株式会社製「ポエムDO-100V」
ソルビタン脂肪酸エステル:理研ビタミン株式会社製「ポエムS-320YN」
レシチン:日清オイリオグループ株式会社製「日清レシチンDX」
ポリグリセリン脂肪酸エステル:阪本薬品工業株式会社製「SYグリスターTHL-15」
油脂加工デンプン(1):日澱化学株式会社製「エフコートNR-10」
油脂加工デンプン(2):日本食品化工株式会社製「日食ねりこみ澱粉K-1」
オクテニルコハク酸デンプンナトリウム(1):松谷化学工業株式会社製「エマルスター500」
オクテニルコハク酸デンプンナトリウム(2):イングレディオン・ジャパン株式会社製「ピュリティガムBE」
表1に示す配合により粉末油脂を調製した。油相部は、油脂を70℃に加温して、油相部の欄に示した配合割合(質量部)で調製した。一方、水相部は、水を60℃に加温し、水相部の欄に示した配合割合で原材料を溶解して調製した。次いで、前記油相部と水相部を混合乳化し、さらにホモゲナイザーで均質化した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)を用いて、150℃の温度条件で噴霧乾燥し、表面が賦型剤で被覆された粉末油脂(1)~(4)を得た。
脱脂粉乳:雪印メグミルク株式会社製「脱脂粉乳」
全粉乳:雪印メグミルク株式会社製「全粉乳」
デキストリン:松谷化学工業株式会社製「パインデックス#3」
加熱溶解したパーム油10質量部に、粉末油脂(1)25質量部を加え、混合したものを三本ロールミルで微粒化した。前記微粒化したもの35質量部に加熱溶解したパーム油を65質量部加えて均一に混ぜ合わせ、油脂組成物を得た。
実施例1と同様に、表2に示す配合により油脂組成物を得た。なお、各種乳化剤は予め食用油脂に溶解させて用いた。デンプンや粉乳等の粉体原料は、予め粉末油脂と混合してから用いた。表2中の実施例2、3及び比較例2の上昇融点「-」は、20℃で液状であったことを示す。また、同表中の比較例1及び2の「食用油脂:粉末油脂」における「-」は、粉末油脂を含まないことを示す。
熱湯200mLをビーカーに注ぎ、その上に本油脂組成物10gを供した時の均一性及びかき混ぜた時の分散性、白濁性を目視評価した。
(均一性)
分離せず均一な白い状態を保った:〇
透明な食用油脂が一部分離した:△
透明な食用油脂が分離した:×
(分散性)
速やかに分散した:〇
一部溶け残りがあった:△
かき混ぜても分散しにくい、あるいは沈殿した:×
(白濁性)
均一に白濁した:〇
白濁するが白さが不足した:△
白濁しなかった:×
熱湯200mLをビーカーに注ぎ、その上に本油脂組成物10gを供し、かき混ぜた後の水溶液を10人のパネラーが試飲して風味及びコク味と口溶け感を評価した。
(風味・コク味)
10人中8人以上が風味及びコク味良好と判断した:◎
10人中5~7人が風味及びコク味良好と判断した:〇
10人中3~4人が風味及びコク味良好と判断した:△
10人中8人以上が風味及びコク味不良と判断した:×
(口溶け感)
10人中8人以上が口溶け感良好と判断した:◎
10人中5~7人が口溶け感良好と判断した:〇
10人中3~4人が口溶け感良好と判断した:△
10人中8人以上が口溶け感不良と判断した:×
常温での長期間保存を想定して、本油脂組成物を40℃で4カ月間保存したものについて、風味(官能検査)及び色調(外観検査)の変化を調べ、以下の評価基準で長期保存性の評価を行なった。
官能検査、外観検査いずれも大きな変化なし:〇
若干香ばしい風味に変化し、色が薄い茶色に変化した:△
香ばしい風味に変化し、色が茶色に変化した:×
Claims (6)
- 上昇融点が55℃以下の食用油脂に、水中油型乳化物を乾燥した粉末油脂が分散されてな
る25℃においてペースト状又は流動状であるホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。 - 食用油脂と前記粉末油脂の比率が85:15~30:70(質量比)である請求項1に記
載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。 - 前記粉末油脂中の油脂の含量が、30~80質量%である請求項1又は2記載のホワイト
ナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。 - ジグリセリン脂肪酸エステルを含む請求項1~3いずれかに記載のホワイトナー機能を有
する常温流通可能な油脂組成物。 - 油脂加工デンプン及び/又はオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを含む請求項1~4
いずれかに記載のホワイトナー機能を有する常温流通可能な油脂組成物。 - 前記油脂組成物が即席食品用である請求項1~5いずれかに記載のホワイトナー機能を有
する常温流通可能な油脂組成物。
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Publications (2)
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|---|---|
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Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013051885A (ja) | 2011-08-31 | 2013-03-21 | Morinaga Milk Ind Co Ltd | ホワイトナーおよびその製造方法 |
| JP2018191655A (ja) | 2018-09-13 | 2018-12-06 | ミヨシ油脂株式会社 | 飲料用粉末油脂 |
-
2020
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