JP7487011B2 - 接合材、接合材の製造方法及び接合方法 - Google Patents
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[1]金属粒子粉末及び溶剤を含む接合材であって、25℃で0.157s-1にて測定した粘度が1000Pa・s以下である、接合材。
[接合材]
本発明の接合材の実施の形態は、金属粒子粉末及び溶剤を含んでおり、非常に低いせん断速度で測定した粘度(後述する0.157s-1、25℃の条件で測定した粘度、以下「低せん断粘度」とも言う)が低いことを特徴としている。
本発明の接合材の実施の形態の、せん断速度0.157s-1、温度25℃にて測定した粘度は、1000Pa・s以下である。このように非常に低いせん断速度は、基板等の被接合物に接合材が塗布され形成された塗膜にかかる重力におよそ対応するものと考えられる。このようなせん断力(それに対応するせん断速度)での粘度がある程度低ければ、塗膜が自重により被接合物上に濡れ広がると考えられる。これにより被接合物(基板等)と塗膜の間に隙間(ギャップ)ができず、金属接合層が形成されるときに、前記ギャップ由来のボイドが形成されないものと考えられる。
本発明の接合材の実施の形態は金属粒子粉末を含んでおり、基本的にはこれが焼成により焼結することで、金属接合層となる。
以上説明した金属粒子粉末の一部は、レーザー回折型粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)が0.8~3.2μmであり、充填率が65.0%以上である金属大粒子粉末であることが好ましい。
本発明の接合材の実施の形態は、金属粒子粉末の一部として平均一次粒子径が150nm以下の金属微粒子粉末を含むことが好ましい。このように微小サイズの金属微粒子粉末は焼結性に優れ、これを含む接合材からは、接合強度に優れた金属接合層が形成される。
本発明の接合材の実施の形態は、溶剤を含む。この溶剤としては、金属粒子粉末を分散させることができ、接合材中の成分との反応性を実質的に有しないものを広く使用可能である。
ターピネオール、テキサノール、フェノキシプロパノール、1-オクタノール、1-デカノール、1-ドデカノール、1-テトラデカノール、テルソルブMTPH(日本テルペン化学株式会社製)、ジヒドロターピニルオキシエタノール(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブTOE-100(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブDTO-210(日本テルペン化学株式会社製)等のモノアルコール;
3-メチル-1,3-ブタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール(オクタンジオール)、ヘキシルジグリコール、2-エチルヘキシルグリコール、ジブチルジグリコール、グリセリン、ジヒドロキシターピネオール、3-メチルブタン-1,2,3-トリオール(イソプレントリオールA(IPTL-A)、日本テルペン化学株式会社製)、2-メチルブタン-1,2,4-トリオール(イソプレントリオールB(IPTL-B)、日本テルペン化学株式会社製)等のポリオール;
ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ターピニルメチルエーテル(日本テルペン化学株式会社製)、ジヒドロターピニルメチルエーテル(日本テルペン化学株式会社製)等のエーテル化合物;
ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート;
1-メチルピロリジノン、ピリジン等の含窒素環状化合物;
γ―ブチロラクトン、メトキシブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、3-ヒドロキシ-3-メチルブチルアセテート、ジヒドロターピニルアセテート、テルソルブIPG-2Ac(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブTHA-90(日本テルペン化学株式会社製)、テルソルブTHA-70(日本テルペン化学株式会社製)等のエステル化合物;
などを使用することができる。これらは1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の接合材の実施の形態は、その他の成分として公知の添加剤を含んでいてもよい。添加剤として具体的には、酸系分散剤やリン酸エステル系分散剤などの分散剤、ガラスフリットなどの焼結促進剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤、緩衝剤、消泡剤、レベリング剤、揮発抑制剤が挙げられる。添加剤の接合材における含有量は、2質量%以下(複数種類の添加剤を含む場合は合計含有量が2質量%以下)であることが好ましい(接合材が添加剤を含む場合、その含有量は好ましくは0.005質量%以上(複数種類の添加剤を含む場合は各々の含有量が0.005質量%以上)とされる)。
本発明の接合材の実施の形態は、以上説明した、金属粒子粉末(上述の通り好ましくは金属大粒子粉末及び金属微粒子粉末を含む)及び溶剤、更に他の任意成分(添加剤等)を公知の方法で混練することで、製造することができる。なお、各成分の使用量については、接合材中の各成分の含有量が、各成分の仕込み量から計算してそれらの好ましい含有量として上記で説明したものとなる量であることが好ましい。特に、金属微粒子粉末及び金属大粒子粉末の使用量の合計が、接合材中の金属微粒子粉末及び金属大粒子粉末の含有量の合計が90~96質量%となる量であることがボイド低減の観点から好ましい。
本発明の接合方法の実施の形態は、本発明の接合材の実施の形態、又は本発明の接合材の製造方法の実施の形態により製造された接合材を用いて2つの被接合部材を接合する方法である。本発明の接合方法の実施の形態は、塗膜形成工程と、載置工程と、金属接合層形成工程とを有し、その他予備乾燥工程等を実施してもよい。以下、これら各工程について説明する。
本工程では、一方の被接合部材上に本発明の接合材の実施の形態又は本発明の接合材の製造方法の実施の形態により製造された接合材を、(印刷(例えばメタルマスク印刷、スクリーン印刷、ピン転写)などにより)塗布して塗膜を形成する。本発明の接合材の実施の形態は低せん断粘度が低いので、塗膜が前記一方の被接合部材に濡れ広がり、これらの間にギャップが形成されにくいと考えられる。
続いて、前記の一方の被接合部材上に形成された塗膜の上に、他方の被接合部材を載置する。この他方の被接合部材の例としては、SiチップやSiC、GaNチップなどの半導体素子、一方の被接合部材の例として挙げたのと同様の基板が挙げられる。前記塗膜からはボイドの低減された金属接合層が形成されることから、本発明の接合方法の実施の形態は、基板と半導体素子の接合に使用されることが好ましい。すなわち、前記他方の被接合部材としては半導体素子が好ましい。
他方の被接合部材が載置された塗膜を焼成して金属粒子粉末を焼結させる際に、形成される金属接合層中のボイドを低減するため、塗膜上に他方の被接合部材を載置した後に(載置工程の後に)、塗膜を予備乾燥する予備乾燥工程を実施してもよい。予備乾燥は塗膜から溶剤を除去することを目的としており、溶剤が揮発し、かつ金属粒子粉末が焼結を実質的に起こさないような条件で乾燥する。このため、予備乾燥は塗膜を60~150℃で加熱することによって実施することが好ましい。この加熱による乾燥は大気圧下で行ってもよいし、減圧ないし真空下で行ってもよい。また、次に説明する金属接合層形成工程において、焼成温度までの昇温速度が7℃/分以下程度であれば、焼成温度までの昇温をもって予備乾燥工程を実施することができる。
載置工程を実施して、必要に応じて予備乾燥工程を実施した後、2つの被接合部材にサンドイッチされた塗膜を160~350℃で焼成し、金属粒子粉末(特に微細な金属微粒子粉末)を焼結させることで、金属接合層を形成し、2つの被接合部材を接合する。
以下で説明する実施例及び比較例において使用した銀微粒子粉末及び銀大粒子粉末1~4の諸物性は、以下の表1の通りである。
透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製のJEM-1011)により粒子を倍率50000倍で観察した画像上の250個の任意の粒子の一次粒子径(粒子と面積が同じ円(面積相当円)の直径)から平均一次粒子径を算出した。面積相当円の直径の算出は、画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製のA像くん(登録商標))により行った。このとき、あわせて粒子形状も観察した。なお銀大粒子粉末1~4の形状については、電界放出形走査電子顕微鏡(JSM-7200M、日本電子株式会社製)で倍率20000倍にて観察した。
粒度分布は、レーザー回折型粒度分布測定装置(SYMPATEC社製のへロス粒度分布測定装置(HELOS&RODOS(気流式の分散モジュール)))を使用して、分散圧5barで、焦点距離20mmのレンズを使用して試料粉末の体積基準の粒度分布を求めることで、累積10%粒子径(D10)、累積50%粒子径(D50)及び累積90%粒子径(D90)を求めた。
タップ密度は、特開2007-263860号公報に記載された方法と同様に、試料粉末を内径6mm×高さ11.9mmの有底円筒形のダイに容積の80%まで充填して粉末層を形成し、この粉末層の上面に0.160N/m2の圧力を均一に加え、この圧力で粉末がこれ以上密に充填されなくなるまで前記粉末層を圧縮した後、粉末層の高さを測定し、この粉末層の高さの測定値と、充填された試料粉末の重量とから、粉末の密度を求め、これを粉末のタップ密度とした。
求められたタップ密度の、銀のバルク密度(10.49g/cm3)に対する百分率を計算することで求めた。
比表面積は、BET比表面積測定器(株式会社マウンテック製のMacsorb)を使用して、測定器内に105℃で20分間窒素ガスを流して試料粉末の粒子表面に付着した物質を除去した後、窒素とヘリウムの混合ガス(N2:30体積%、He:70体積%)を流しながら、BET1点法により測定した。
銀微粒子粉末を17.2質量%と、銀大粒子粉末1を75.8質量%と、分散剤としてLubrizol社製SOLPLUSD-540を0.2質量%と、溶剤として、富士フィルム和光純薬株式会社製デカノールを2.35質量%、日本テルペン化学株式会社製テルソルブIPTL-Aを0.6質量%、日本テルペン化学株式会社製TOE-100を2.35質量%とを混錬して、銀ペーストを調製した。
<実施例1>
銀微粒子粉末を16.3質量%と、銀大粒子粉末2を76.8質量%と、分散剤としてLubrizol社製SOLPLUSD-540を0.2質量%と、溶剤として、富士フィルム和光純薬株式会社製デカノールを2.35質量%、日本テルペン化学株式会社製テルソルブIPTL-Aを0.6質量%、日本テルペン化学株式会社製TOE-100を2.35質量%とを混錬して、銀ペーストを調製した。
銀微粒子粉末を17.6質量%と、銀大粒子粉末2を75.5質量%と、分散剤としてLubrizol社製SOLPLUSD-540を0.2質量%と、溶剤として、富士フィルム和光純薬株式会社製デカノールを2.35質量%、日本テルペン化学株式会社製テルソルブIPTL-Aを0.6質量%、日本テルペン化学株式会社製TOE-100を2.35質量%とを混錬して、銀ペーストを調製した。
銀微粒子粉末を16.7質量%と、銀大粒子粉末3を76.4質量%と、分散剤としてLubrizol社製SOLPLUSD-540を0.2質量%と、溶剤として、富士フィルム和光純薬株式会社製デカノールを2.35質量%、日本テルペン化学株式会社製テルソルブIPTL-Aを0.6質量%、日本テルペン化学株式会社製TOE-100を2.35質量%とを混錬して、銀ペーストを調製した。
銀微粒子粉末を17.2質量%と、銀大粒子粉末4を75.8質量%と、分散剤としてLubrizol社製SOLPLUSD-540を0.2質量%と、溶剤として、日本テルペン化学株式会社製テルソルブIPTL-Aを0.6質量%、富士フィルム和光純薬株式会社製デカノールを2.35質量%、日本テルペン化学株式会社製TOE-100を2.35質量%とを混錬して、銀ペーストを調製した。
<低せん断粘度>
比較例及び実施例1~4の接合材について、E型の回転式粘度計であるレオメーター(回転式動的粘弾性測定装置)(Thermo社製のHAAKE RheoStress 600、コーン径35mm、コーン角度2°のコーンを使用)を用い、25℃、せん断速度0.157s-1の条件で粘度(低せん断粘度)の評価を行った。粘度測定は、以下のようにしておこなった。ステージとコーンの隙間に接合材を注入し、コーンを0.157s-1で回転させたときの、回転開始から60秒後の時点のせん断応力から低せん断粘度を算出した。なおその際のせん断速度が、回転開始から30秒後~60秒後の30秒の間、設定値である0.157s-1の±1%以内のせん断速度に収まっていることを確認したうえで、低せん断粘度を求めた。
更に比較例及び実施例1~4の接合材について、上記と同様のレオメーターを用いて、25℃にて、回転数1rpm(3.1s-1)、及び5rpm(15.7s-1)での粘度及びチキソ比(1rpmでの粘度/5rpmでの粘度)を求めた。
エタノールで脱脂した後に10質量%硫酸で処理した30mm×36.6mm×2.32mm(Cu/SiN/Cu=1.0mm/0.32mm/1.0mm)の大きさのDBC基板(SiN(窒化珪素)を銅板で挟んだセラミック基板)と、接合面(底面全面)にAgめっきを施した8mm×8mm×0.1mmの大きさの半導体素子を用意した。
Claims (23)
- 金属粒子粉末及び溶剤を含む接合材であって、25℃で0.157s-1にて測定した粘度が500Pa・s以下である、接合材。
- 前記金属粒子粉末の一部が、平均一次粒子径が150nm以下の金属微粒子粉末である、請求項1に記載の接合材。
- 前記接合材中の金属微粒子粉末の含有量が、2~45質量%である、請求項2に記載の接合材。
- 前記金属粒子粉末の一部が、充填率が65.0%以上であり、レーザー回折型粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)が0.8~3.2μmである金属大粒子粉末である、請求項1~3のいずれかに記載の接合材。
- 前記接合材中の金属大粒子粉末の含有量が、40~88質量%である、請求項4に記載の接合材。
- 前記金属大粒子粉末の充填率が66.5%以上である、請求項4又は5に記載の接合材。
- 金属粒子粉末及び溶剤を含む接合材であって、25℃で0.157s -1 にて測定した粘度が1000Pa・s以下であり、前記金属粒子粉末の一部が、充填率が66.5%以上であり、レーザー回折型粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)が0.8~3.2μmである金属大粒子粉末である、接合材。
- 前記金属粒子粉末の一部が、平均一次粒子径が150nm以下の金属微粒子粉末である、請求項7に記載の接合材。
- 前記接合材中の金属微粒子粉末の含有量が、2~45質量%である、請求項8に記載の接合材。
- 前記粘度が800Pa・s以下である、請求項7~9のいずれかに記載の接合材。
- 前記粘度が500Pa・s以下である、請求項7~10のいずれかに記載の接合材。
- 前記接合材中の金属大粒子粉末の含有量が、40~88質量%である、請求項7~11のいずれかに記載の接合材。
- 前記金属が、金、銀及び銅からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1~12のいずれかに記載の接合材。
- 前記金属が銀である、請求項1~13のいずれかに記載の接合材。
- 無加圧方式の接合に使用される、請求項1~14のいずれかに記載の接合材。
- 前記接合材中の金属粒子粉末の含有量が、90~96質量%である、請求項1~15のいずれかに記載の接合材。
- 平均一次粒子径が150nm以下の金属微粒子粉末と、充填率が66.5%以上であり、レーザー回折型粒度分布測定装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)が0.8~3.2μmである金属大粒子粉末と、溶剤とを混合する、接合材の製造方法。
- 前記金属微粒子粉末及び金属大粒子粉末の使用量が、前記接合材中の金属微粒子粉末及び金属大粒子粉末の含有量が、それぞれ2~45質量%及び40~88質量%となる量である、請求項17に記載の接合材の製造方法。
- 前記金属微粒子粉末及び金属大粒子粉末の使用量の合計が、前記接合材中の金属微粒子粉末及び金属大粒子粉末の含有量の合計が90~96質量%となる量である、請求項17又は18に記載の接合材の製造方法。
- 前記金属が、金、銀及び銅からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項17~19のいずれかに記載の接合材の製造方法。
- 2つの被接合部材を接合する接合方法であって、一方の前記被接合部材上に請求項1~16のいずれかに記載の接合材又は請求項17~20のいずれかに記載の接合材の製造方法で製造された接合材を塗布して塗膜を形成する工程と、該塗膜上に他方の前記被接合部材を載置する工程と、該他方の被接合部材が載置された塗膜を160~350℃で焼成して、前記塗膜から金属接合層を形成する工程とを有する、接合方法。
- 前記塗膜を焼成して金属接合層を形成する際に、前記2つの被接合部材及び塗膜に圧力を加えない、請求項21に記載の接合方法。
- 前記一方の被接合部材が基板であり、前記他方の被接合部材が半導体素子である、請求項21又は22に記載の接合方法。
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