以下、本発明のエアロゾル吸引器の一実施形態であるエアロゾル吸引器1について、図1から図5を参照して説明する。
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、香味成分が付加されたエアロゾルを、燃焼を伴わずに生成して、吸引可能とするための器具であり、図1及び図2に示すように、所定方向(以下、長手方向Xと呼ぶ)に沿って延びる棒形状となっている。エアロゾル吸引器1は、長手方向Xに沿って、電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、がこの順に設けられている。第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能(換言すると、交換可能)である。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対して着脱可能(換言すると、交換可能)である。図3に示すように、第1カートリッジ20には、第一負荷21と第二負荷31が設けられている。エアロゾル吸引器1の全体形状は、図1のように、電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、が一列に並ぶ形状には限らない。電源ユニット10に対して、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30が交換可能に構成されていれば、略箱状等の任意の形状を採用可能である。なお、第2カートリッジ30は、電源ユニット10に対して着脱可能(換言すると、交換可能)であってもよい。
(電源ユニット)
電源ユニット10は、図3、図4、及び図5に示すように、円筒状の電源ユニットケース11の内部に、電源12と、充電IC55Aと、MCU(Micro Controller Unit)50と、DC/DCコンバータ51と、吸気センサ15と、電圧センサ52及び電流センサ53を含む温度検出用素子T1と、電圧センサ54及び電流センサ55を含む温度検出用素子T2と、を収容する。
電源12は、充電可能な二次電池、電気二重層キャパシタ等であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。電源12の電解質は、ゲル状の電解質、電解液、固体電解質、イオン液体の1つ又はこれらの組合せで構成されていてもよい。
図5に示すように、MCU50は、吸気センサ15、電圧センサ52、電流センサ53、電圧センサ54、及び電流センサ55等の各種センサ装置と、DC/DCコンバータ51と、操作部14と、通知部45と、に接続されており、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う。
MCU50は、具体的にはプロセッサを主体に構成されており、プロセッサの動作に必要なRAM(Random Access Memory)及び各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)等の記憶媒体により構成されるメモリ50aを更に含む。本明細書におけるプロセッサとは、具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
図4に示すように、電源ユニットケース11の長手方向Xの一端側(第1カートリッジ20側)に位置するトップ部11aには、放電端子41が設けられる。放電端子41は、トップ部11aの上面から第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられ、第1カートリッジ20の第一負荷21及び第二負荷31の各々と電気的に接続可能に構成される。
また、トップ部11aの上面には、放電端子41の近傍に、第1カートリッジ20の第一負荷21に空気を供給する空気供給部42が設けられている。
電源ユニットケース11の長手方向Xの他端側(第1カートリッジ20と反対側)に位置するボトム部11bには、外部電源(図示省略)と電気的に接続可能な充電端子43が設けられる。充電端子43は、ボトム部11bの側面に設けられ、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子、microUSB端子、又はLightning(登録商標)端子等が接続可能である。
なお、充電端子43は、外部電源から送電される電力を非接触で受電可能な受電部であってもよい。このような場合、充電端子43(受電部)は、受電コイルから構成されていてもよい。非接触による電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよい。また、充電端子43は、外部電源から送電される電力を無接点で受電可能な受電部であってもよい。別の一例として、充電端子43は、USB端子、microUSB端子、又はLightning端子が接続可能であり、且つ上述した受電部を有していてもよい。
電源ユニットケース11には、ユーザが操作可能な操作部14が、トップ部11aの側面に充電端子43とは反対側を向くように設けられる。より詳述すると、操作部14と充電端子43は、操作部14と充電端子43を結ぶ直線と長手方向Xにおける電源ユニット10の中心線の交点について点対称の関係にある。操作部14は、ボタン式のスイッチ又はタッチパネル等から構成される。
図3に示すように、操作部14の近傍には、パフ(吸引)動作を検出する吸気センサ15が設けられている。電源ユニットケース11には、内部に外気を取り込む不図示の空気取込口が設けられている。空気取込口は、操作部14の周囲に設けられていてもよく、充電端子43の周囲に設けられていてもよい。
吸気センサ15は、後述の吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を出力するよう構成されている。吸気センサ15は、例えば、空気取込口から吸口32に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する内圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力する圧力センサである。吸気センサ15は、アナログ値を出力してもよいし、アナログ値から変換したデジタル値を出力してもよい。
吸気センサ15は、検出する圧力を補償するために、電源ユニット10の置かれている環境の温度(外気温)を検出する温度センサを内蔵していてもよい。吸気センサ15は、圧力センサではなく、コンデンサマイクロフォン等から構成されていてもよい。
MCU50は、パフ動作が行われて、吸気センサ15の出力値が閾値を超えると、エアロゾルの生成要求がなされたと判定し、その後、吸気センサ15の出力値がこの閾値を下回ると、エアロゾルの生成要求が終了されたと判定する。なお、エアロゾル吸引器1においては、第一負荷21の過熱を抑制する等の目的のために、エアロゾルの生成要求がなされている期間が第一既定値tupper(例えば、2.4秒)に達すると、吸気センサ15の出力値にかかわらずに、エアロゾルの生成要求が終了されたと判定されるようにしている。このように、吸気センサ15の出力値はエアロゾルの生成要求を示す信号として利用される。したがって、吸気センサ15は、エアロゾルの生成要求を出力するセンサを構成する。
なお、吸気センサ15に代えて、操作部14の操作に基づいてエアロゾルの生成要求を検出するようにしてもよい。例えば、ユーザがエアロゾルの吸引を開始するために操作部14に対し所定の操作を行うと、操作部14がエアロゾルの生成要求を示す信号をMCU50に出力するように構成してもよい。この場合には、操作部14が、エアロゾルの生成要求を出力するセンサを構成する。
充電IC55Aは、充電端子43に近接して配置され、充電端子43から入力される電力の電源12への充電制御を行う。なお、充電IC55Aは、MCU50の近傍に配置されていてもよい。
(第1カートリッジ)
図3に示すように、第1カートリッジ20は、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化するための第一負荷21と、リザーバ23から第一負荷21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、第2カートリッジ30の一部を収容するエンドキャップ26と、エンドキャップ26に設けられた、第2カートリッジ30を加熱するための第二負荷31と、を備える。
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿上の多孔質体が収容されず、エアロゾル源22のみが貯留されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、又は水などの液体を含む。
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22を第一負荷21へ引き込む液保持部材である。ウィック24は、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成される。
第一負荷21は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって、燃焼を伴わずにエアロゾル源22を加熱することで、エアロゾル源22を霧化する。第一負荷21は、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成されている。
なお、第一負荷21は、エアロゾル源22を加熱することで、これを霧化してエアロゾルを生成可能な素子であればよい。第一負荷21は、例えば、発熱素子である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
第一負荷21は、温度と電気抵抗値が相関を持つものが用いられる。第一負荷21としては、例えば、温度の増加に伴って電気抵抗値も増加するPTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有するものが用いられる。
エアロゾル流路25は、第一負荷21の下流側であって、電源ユニット10の中心線L上に設けられる。エンドキャップ26は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部26aと、エアロゾル流路25とカートリッジ収容部26aとを連通させる連通路26bと、を備える。
第二負荷31は、カートリッジ収容部26aに埋設されている。第二負荷31は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって、カートリッジ収容部26aに収容される第2カートリッジ30(より詳細にはこれに含まれる香味源33)を加熱する。第二負荷31は、例えば、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成される。
なお、第二負荷31は、第2カートリッジ30を加熱することのできる素子であればよい。第二負荷31は、例えば、発熱素子である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
第二負荷31は、温度と電気抵抗値が相関を持つものが用いられる。第二負荷31としては、例えば、PTC特性を有するものが用いられる。
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源33を貯留する。第二負荷31によって第2カートリッジ30が加熱されることで、香味源33が加熱される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20のエンドキャップ26に設けられたカートリッジ収容部26aに着脱可能に収容される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20側とは反対側の端部が、ユーザの吸口32となっている。なお、吸口32は、第2カートリッジ30と一体不可分に構成される場合に限らず、第2カートリッジ30と着脱可能に構成されてもよい。このように吸口32を電源ユニット10と第1カートリッジ20とは別体に構成することで、吸口32を衛生的に保つことができる。
第2カートリッジ30は、第一負荷21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源33に通すことによってエアロゾルに香味成分を付加する。香味源33を構成する原料片としては、刻みたばこ、又は、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源33は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、又はハーブ等)によって構成されてもよい。香味源33には、メントール等の香料が付加されていてもよい。
エアロゾル吸引器1では、エアロゾル源22と香味源33によって、香味成分が付加されたエアロゾルを発生させることができる。つまり、エアロゾル源22と香味源33は、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成源を構成している。
エアロゾル吸引器1におけるエアロゾル生成源は、ユーザが交換して使用する部分である。この部分は、例えば、1つの第1カートリッジ20と、1つ又は複数(例えば5つ)の第2カートリッジ30とが1セットとしてユーザに提供される。したがって、エアロゾル吸引器1においては、電源ユニット10の交換頻度が最も低く、第1カートリッジ20の交換頻度が次に低く、第2カートリッジ30の交換頻度が最も高くなっている。そのため、第1カートリッジ20と第2カートリッジ30の製造コストを下げることが重要になる。なお、第1カートリッジ20と第2カートリッジ30を一体化して1つのカートリッジとして構成してもよい。
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、図3中の矢印Bで示すように、電源ユニットケース11に設けられた不図示の取込口から流入した空気が、空気供給部42から第1カートリッジ20の第一負荷21付近を通過する。第一負荷21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、取込口から流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路26bを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源33を通過することで香味成分が付加され、吸口32に供給される。
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を通知する通知部45が設けられている(図5参照)。通知部45は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。通知部45は、発光素子、振動素子、及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。通知部45は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、電源ユニット10に設けられることが好ましい。例えば、操作部14の周囲が透光性を有し、LED等の発光素子によって発光するように構成される。
(電源ユニットの詳細)
図5に示すように、DC/DCコンバータ51は、電源ユニット10に第1カートリッジ20が装着された状態において、第一負荷21と電源12の間に接続される。MCU50は、DC/DCコンバータ51と電源12の間に接続されている。第二負荷31は、電源ユニット10に第1カートリッジ20が装着された状態において、MCU50とDC/DCコンバータ51との接続ノードに接続される。このように、電源ユニット10では、第1カートリッジ20が装着された状態において、DC/DCコンバータ51及び第一負荷21の直列回路と、第二負荷31とが、電源12に並列接続される。
DC/DCコンバータ51は、入力電圧を昇圧可能な昇圧回路であり、入力電圧又は入力電圧を昇圧した電圧を第一負荷21に供給可能に構成されている。DC/DCコンバータ51によれば第一負荷21に供給される電力を調整できるため、第一負荷21が霧化するエアロゾル源22の量を制御することができる。DC/DCコンバータ51としては、例えば、出力電圧を監視しながらスイッチング素子のオン/オフ時間を制御することで、入力電圧を希望する出力電圧に変換するスイッチングレギュレータを用いることができる。DC/DCコンバータ51としてスイッチングレギュレータを用いる場合には、スイッチング素子を制御することで、入力電圧を昇圧せずに、そのまま出力させることができる。
MCU50のプロセッサは、後述する第二負荷31への放電を制御するため、香味源33の温度を取得できるように構成される。また、MCU50のプロセッサは、第一負荷21の温度を取得できるように構成されることが好ましい。第一負荷21の温度は、第一負荷21やエアロゾル源22の過熱の抑制や、第一負荷21が霧化するエアロゾル源22の量を高度に制御するために用いることができる。
電圧センサ52は、第二負荷31に印加される電圧値を測定して出力する。電流センサ53は、第二負荷31を貫流する電流値を測定して出力する。電圧センサ52の出力と、電流センサ53の出力は、それぞれ、MCU50に入力される。MCU50のプロセッサは、電圧センサ52の出力と電流センサ53の出力に基づいて第二負荷31の抵抗値を取得し、この抵抗値に応じた第二負荷31の温度を取得する。第二負荷31の温度は、第二負荷31によって加熱される香味源33の温度と厳密には一致しないが、香味源33の温度とほぼ同じと見做すことができる。このため、温度検出用素子T1は、香味源33の温度を検出するための温度検出用素子を構成している。
なお、第二負荷31の抵抗値を取得する際に、第二負荷31に定電流を流す構成とすれば、温度検出用素子T1において電流センサ53は不要である。同様に、第二負荷31の抵抗値を取得する際に、第二負荷31に定電圧を印加する構成とすれば、温度検出用素子T1において電圧センサ52は不要である。
また、図6に示すように、温度検出用素子T1に代えて、第1カートリッジ20に、第2カートリッジ30の温度を検出するための温度検出用素子T3を設ける構成としてもよい。温度検出用素子T3は、第2カートリッジ30の近傍に配置される例えばサーミスタにより構成される。図6の構成においては、MCU50のプロセッサは、温度検出用素子T3の出力に基づいて、第2カートリッジ30(換言すると香味源33)の温度を取得する。
図6に示すように、温度検出用素子T3を用いて第2カートリッジ30(香味源33)の温度を取得することで、図5の温度検出用素子T1を用いて香味源33の温度を取得するよりも、香味源33の温度をより正確に取得することが可能となる。なお、温度検出用素子T3は、第2カートリッジ30に搭載される構成としてもよい。温度検出用素子T3を第1カートリッジ20に搭載する図6に示す構成によれば、エアロゾル吸引器1において最も交換頻度の高い第2カートリッジ30の製造コストを下げることができる。
なお、図5に示すように、温度検出用素子T1を用いて第2カートリッジ30(香味源33)の温度を取得する場合には、エアロゾル吸引器1において交換頻度が最も低い電源ユニット10に温度検出用素子T1を設けることができる。このため、第1カートリッジ20と第2カートリッジ30の製造コストを下げることができる。
電圧センサ54は、第一負荷21に印加される電圧値を測定して出力する。電流センサ55は、第一負荷21を貫流する電流値を測定して出力する。電圧センサ54の出力と、電流センサ55の出力は、それぞれ、MCU50に入力される。MCU50のプロセッサは、電圧センサ54の出力と電流センサ55の出力に基づいて第一負荷21の抵抗値を取得し、この抵抗値に応じた第一負荷21の温度を取得する。なお、第一負荷21の抵抗値を取得する際に、第一負荷21に定電流を流す構成とすれば、温度検出用素子T2において電流センサ55は不要である。同様に、第一負荷21の抵抗値を取得する際に、第一負荷21に定電圧を印加する構成とすれば、温度検出用素子T2において電圧センサ54は不要である。
図7は、図5に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。図7では、温度検出用素子T1として電流センサ53を持たず、且つ、温度検出用素子T2として電流センサ55を持たない構成の具体例を示している。
図7に示すように、電源ユニット10は、電源12と、MCU50と、LDO(Low Drop Out)レギュレータ60と、開閉器SW1と、開閉器SW1に並列接続された抵抗素子R1及び開閉器SW2の直列回路とからなる並列回路C1と、開閉器SW3と、開閉器SW3に並列接続された抵抗素子R2及び開閉器SW4の直列回路とからなる並列回路C2と、電圧センサ54を構成するオペアンプOP1及びアナログデジタル変換器(以下、ADCと記載)50cと、電圧センサ52を構成するオペアンプOP2及びADC50bと、を備える。
本明細書にて説明する抵抗素子とは、固定の電気抵抗値を持つ素子であればよく、例えば抵抗器、ダイオード、又はトランジスタ等である。図7の例では、抵抗素子R1及び抵抗素子R2が、それぞれ抵抗器となっている。
本明細書にて説明する開閉器とは、配線路の遮断と導通を切り替えるトランジスタ等のスイッチング素子である。図7の例では、開閉器SW1~SW4は、それぞれトランジスタとなっている。
LDOレギュレータ60は、電源12の正極に接続された主正母線LUに接続されている。MCU50は、LDOレギュレータ60と、電源12の負極に接続された主負母線LDとに接続されている。MCU50は、開閉器SW1~SW4の各々にも接続されており、これらの開閉制御を行う。LDOレギュレータ60は、電源12からの電圧を降圧して出力する。LDOレギュレータ60の出力電圧V1は、MCU50、DC/DCコンバータ51、オペアンプOP1、及びオペアンプOP2の各々の動作電圧としても利用される。
DC/DCコンバータ51は、主正母線LUに接続されている。第一負荷21は、主負母線LDに接続される。並列回路C1は、DC/DCコンバータ51と第一負荷21とに接続されている。
並列回路C2は、主正母線LUに接続されている。第二負荷31は、並列回路C2と主負母線LDとに接続される。
オペアンプOP1の非反転入力端子は、並列回路C1と第一負荷21との接続ノードに接続されている。オペアンプOP1の反転入力端子は、オペアンプOP1の出力端子及び主負母線LDの各々に抵抗素子を介して接続されている。
オペアンプOP2の非反転入力端子は、並列回路C2と第二負荷31との接続ノードに接続されている。オペアンプOP2の反転入力端子は、オペアンプOP2の出力端子及び主負母線LDの各々に抵抗素子を介して接続されている。
ADC50cは、オペアンプOP1の出力端子に接続されている。ADC50bは、オペアンプOP2の出力端子に接続されている。ADC50cとADC50bは、MCU50の外部に設けられていてもよい。
図8は、図6に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。図8では、温度検出用素子T2として電流センサ55を持たない構成の具体例を示している。図8に示す回路は、オペアンプOP2、ADC50b、抵抗素子R2、及び開閉器SW4が削除された点を除いては、図7と同じ構成である。
(MCU)
次に、MCU50の機能について説明する。MCU50は、ROMに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される機能ブロックとして、温度検出部と、電力制御部と、通知制御部と、を備える。
温度検出部は、温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて、香味源33の温度を取得する。また、温度検出部は、温度検出用素子T2の出力に基づいて、第一負荷21の温度を取得する。
図7に示す回路例の場合、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW3、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。
なお、オペアンプOP1の非反転入力端子を抵抗素子R1のDC/DCコンバータ51側の端子に接続し、オペアンプOP1の反転入力端子を抵抗素子R1の開閉器SW2側の端子に接続する構成としてもよい。この場合には、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW3、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(抵抗素子R1に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得することができる。
図7に示す回路例の場合、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW2、及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW4を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値(第二負荷31に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第二負荷31の温度を香味源33の温度として取得する。
なお、オペアンプOP2の非反転入力端子を抵抗素子R2の主正母線LU側の端子に接続し、オペアンプOP2の反転入力端子を抵抗素子R2の開閉器SW4側の端子に接続する構成としてもよい。この場合には、温度検出部は、開閉器SW1、開閉器SW2、及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW4を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値(抵抗素子R2に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第二負荷31の温度を香味源33の温度として取得することができる。
図8に示す回路例の場合、温度検出部は、開閉器SW1及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。
通知制御部は、各種情報を通知するように通知部45を制御する。例えば、通知制御部は、第2カートリッジ30の交換タイミングの検出に応じて、第2カートリッジ30の交換を促す通知を行うように通知部45を制御する。通知制御部は、第2カートリッジ30の交換を促す通知に限らず、第1カートリッジ20の交換を促す通知、電源12の交換を促す通知、電源12の充電を促す通知等を行わせてもよい。
電力制御部は、吸気センサ15から出力されたエアロゾルの生成要求を示す信号に応じて、電源12から第一負荷21及び第二負荷31のうちの少なくとも第一負荷21への放電(負荷の加熱に必要な放電)を制御する。
図7に示す回路例の場合、電力制御部は、開閉器SW2、開閉器SW3、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW1を導通状態に制御することで、電源12から第一負荷21へエアロゾル源22を霧化するための放電を行う。また、電力制御部は、開閉器SW1、開閉器SW2、及び開閉器SW4を遮断状態に制御し、開閉器SW3を導通状態に制御することで、電源12から第二負荷31へ香味源33を加熱するための放電を行う。
図8に示す回路例の場合、電力制御部は、開閉器SW2及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW1を導通状態に制御することで、電源12から第一負荷21へエアロゾル源22を霧化するための放電を行う。また、電力制御部は、開閉器SW1及び開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW3を導通状態に制御することで、電源12から第二負荷31へ香味源33を加熱するための放電を行う。
このように、エアロゾル吸引器1では、第二負荷31への放電によって香味源33の加熱が可能となっている。エアロゾルに付加される香味成分量を増やすためには、エアロゾル源22から発生させるエアロゾル量を多くすること、香味源33の温度を高くすること、が有効であることが実験的にわかっている。
そこで、電力制御部は、香味源33の温度に関する情報に基づいて、エアロゾルの生成要求毎に生成されるエアロゾルに付加される香味成分の量である単位香味量(以下に説明する香味成分量Wflavor)が目標量へ収束するように、電源12から第一負荷21と第二負荷31への加熱のための放電を制御する。この目標量は適宜決められる値であるが、例えば、単位香味量の目標範囲を適宜決定し、この目標範囲における中央値を目標量として定めてもよい。これにより、単位香味量(香味成分量Wflavor)を目標量に収束させることで、単位香味量をある程度幅を持たせた目標範囲にも収束させることが可能である。なお、単位香味量、香味成分量Wflavor、目標量の単位としては重量が用いられてよい。
また、電力制御部は、香味源33の温度に関する情報を出力する温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づき、香味源33の温度が目標温度(以下に記載する目標温度Tcap_target)へ収束するように、電源12から第二負荷31への加熱のための放電を制御する。
(エアロゾル生成に用いられる各種パラメータ)
以下、MCU50の具体的な動作の説明に移る前に、エアロゾル生成のための放電制御に用いられる各種パラメータ等について説明する。
ユーザによる1回の吸引動作によって、第1カートリッジ20にて生成されて香味源33を通過するエアロゾルの重量[mg]をエアロゾル重量Waerosolと記載する。このエアロゾルの生成のために第一負荷21に供給が必要な電力を霧化電力Pliquidと記載する。エアロゾル重量Waerosolは、エアロゾル源22が十分に存在すると仮定すると、霧化電力Pliquidと、霧化電力Pliquidの第一負荷21への供給時間tsense(換言すると、第一負荷21への通電時間又はパフの行われている時間)に比例する。このため、エアロゾル重量Waerosolは、以下の式(1)によりモデル化することができる。式(1)のαは、実験的に求められる係数である。なお、供給時間tsenseは、上述した第一既定値tupperが上限値とされる。また、以下の式(1)は、式(1A)に置き換えてもよい。式(1A)では、式(1)に対し、正の値を有する切片bを導入している。これは、霧化電力Pliquidの一部がエアロゾル源22において霧化の前に起きるエアロゾル源22の昇温に用いられる点を考慮して、任意に導入可能な項である。切片bもまた実験的に求めることができる。
Waerosol ≡ α ×Pliquid× tsense・・(1)
Waerosol ≡ α ×Pliquid× tsense-b・・(1A)
吸引がnpuff回(npuffは0以上の自然数)行われた状態において香味源33に含まれている香味成分の重量[mg]を香味成分残量Wcapsule(npuff)と記載する。なお、新品の状態の第2カートリッジ30の香味源33に含まれている香味成分残量(Wcapsule(npuff=0))をWinitialとも記載する。香味源33の温度に関する情報をカプセル温度パラメータTcapsuleと記載する。ユーザによる1回の吸引動作によって、香味源33を通過するエアロゾルに付加される香味成分の重量[mg]を香味成分量Wflavorと記載する。香味源33の温度に関する情報とは、例えば、温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得される香味源33の温度や第二負荷31の温度である。
香味成分量Wflavorは、香味成分残量Wcapsule(npuff)、カプセル温度パラメータTcapsule、及びエアロゾル重量Waerosolに依存することが実験的にわかっている。したがって、香味成分量Wflavorは、以下の式(2)によりモデル化することができる。
Wflavor = β × {Wcapsule(npuff) × Tcapsule} × γ
× Waerosol・・(2)
1回の吸引が行われる毎に、香味成分残量Wcapsule(npuff)は、香味成分量Wflavorずつ減少する。このため、香味成分残量Wcapsule(npuff)は、以下の式(3)によりモデル化することができる。
式(2)のβは、1回の吸引において、香味源33に含まれている香味成分のうちのどの程度の量がエアロゾルに付加されるかの割合を示す係数であり、実験的に求められる。式(2)のγと式(3)のδは、それぞれ実験的に求められる係数である。1回の吸引が行われる期間において、カプセル温度パラメータTcapsuleと香味成分残量Wcapsule(npuff)はそれぞれ変動し得るが、このモデルでは、これらを一定値として取り扱うために、γとδを導入している。
(エアロゾル吸引器の動作)
図9及び図10は、図1のエアロゾル吸引器1の動作を説明するためのフローチャートである。操作部14の操作等によってエアロゾル吸引器1の電源がONされると(ステップS0:YES)、MCU50は、電源ON後、又は、第2カートリッジ30の交換後にエアロゾルの生成を行ったか(ユーザによる吸引が1度でも行われたか)否かを判定する(ステップS1)。
例えば、MCU50には、吸引(エアロゾルの生成要求)が行われる毎に、npuffを初期値(例えば0)からアップカウントするパフ数カウンタが内蔵されている。このパフ数カウンタのカウント値はメモリ50aに記憶される。MCU50は、このカウント値を参照することで、吸引が1度でも行われた後の状態か否かを判定する。
電源ON後の最初の吸引である、又は、第2カートリッジ30が交換された後の最初の吸引の前のタイミングである場合(ステップS1:NO)には、香味源33の加熱がまだ行われていない又は加熱がしばらく行われておらず、香味源33の温度は外部環境に依存する可能性が高い。したがって、この場合には、MCU50は、温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得した香味源33の温度を、カプセル温度パラメータTcapsuleとして取得し、この取得した香味源33の温度を、香味源33の目標温度Tcap_targetとして設定し、メモリ50aに記憶する(ステップS2)。
なお、ステップS1の判定がNOとなる状態では、香味源33の温度が外気温又は電源ユニット10の温度に近い状態である可能性が高い。そのため、ステップS2においては、変形例として、外気温又は電源ユニット10の温度をカプセル温度パラメータTcapsuleとして取得して、これを目標温度Tcap_targetとしてもよい。
外気温は、例えば、吸気センサ15に内蔵される温度センサから取得することが好ましい。電源ユニット10の温度は、例えば、MCU50の内部の温度を管理するためにMCU50に内蔵されている温度センサから取得することが好ましい。この場合、吸気センサ15に内蔵される温度センサと、MCU50に内蔵されている温度センサは、いずれも、香味源33の温度に関する情報を出力する素子として機能する。
エアロゾル吸引器1では、上述したように、香味源33の温度が目標温度Tcap_targetへ収束するように、電源12から第二負荷31への放電を制御する。したがって、電源ON後又は第2カートリッジ30の交換後に1回でも吸引が行われた後では、香味源33の温度が目標温度Tcap_targetに近い状態である可能性が高い。したがって、この場合(ステップS1:YES)には、MCU50は、前回のエアロゾルの生成に用いた、メモリ50aに記憶されている目標温度Tcap_targetを、カプセル温度パラメータTcapsuleとして取得し、これをそのまま目標温度Tcap_targetとして設定する(ステップS3)。この場合には、メモリ50aが、香味源33の温度に関する情報を出力する素子として機能する。
なお、ステップS3において、MCU50は、温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得した香味源33の温度を、カプセル温度パラメータTcapsuleとして取得し、この取得した香味源33の温度を、香味源33の目標温度Tcap_targetとして設定してもよい。このようにすることで、カプセル温度パラメータTcapsuleをより正確に取得できる。
ステップS2又はステップS3の後、MCU50は、設定した目標温度Tcap_targetと、現時点における香味源33の香味成分残量Wcapsule(npuff)とに基づいて、目標の香味成分量Wflavorを達成するために必要なエアロゾル重量Waerosolを、式(4)の演算により決定する(ステップS4)。式(4)は、TcapsuleをTcap_targetとした式(2)を変形したものである。
Waerosol = Wflavor / [β × {Wcapsule(npuff) × T
cap_target} × γ]
・・(4)
次に、MCU50は、ステップS4にて決定したエアロゾル重量Waerosolを実現するために必要な霧化電力Pliquidを、tsenseを第一既定値tupperとした式(1)の演算により決定する(ステップS5)。
なお、目標温度Tcap_target及び香味成分残量Wcapsule(npuff)の組み合わせと、霧化電力Pliquidとを対応付けたテーブルをMCU50のメモリ50aに記憶しておき、MCU50は、このテーブルを用いて霧化電力Pliquidを決定してもよい。これにより、霧化電力Pliquidを高速且つ低消費電力にて決定することができる。
次に、MCU50は、ステップS5にて決定した霧化電力Pliquidが第二既定値以下であるか否かを判定する(ステップS6)。第二既定値は、その時点において電源12から第一負荷21に放電することのできる電力の最大値、又は最大値から所定値を減じた値とされる。
電源12から第一負荷21への放電時において、第一負荷21を貫流する電流と電源12の電圧をそれぞれI、VLIBと記載し、DC/DCコンバータ51の昇圧率の上限値をηupperと記載し、DC/DCコンバータ51の出力電圧の上限値をPDC/DC_upperと記載し、第二既定値をPupperと記載し、第一負荷21の温度がエアロゾル源22の沸点の温度に到達している状態における第一負荷21の電気抵抗値をRHTR(THTR=TB.P)と記載する。このように記載すると、第二既定値Pupperは以下の式(5)により表すことができる。
式(5)においてΔ=0としたものが、第二既定値Pupperの理想値である。しかし、実際の回路では、第一負荷21に繋がる導線の抵抗成分や、第一負荷21に繋がる抵抗成分以外の抵抗成分等を考慮する必要がある。このため、ある程度のマージンを設けるべく、式(5)にて調整値のΔを導入している。
なお、エアロゾル吸引器1において、DC/DCコンバータ51は、必須ではなく省略することも可能である。DC/DCコンバータ51を省略した場合には、第二既定値Pupperは、以下の式(6)により表すことができる。
MCU50は、ステップS5にて決定した霧化電力Pliquidが第二既定値Pupperを超えていた場合(ステップS6:NO)には、目標温度Tcap_targetを所定量増加して、ステップS4に処理を戻す。式(4)から分かるように、目標温度Tcap_targetを増やすことで、目標の香味成分量Wflavorを達成するために必要なエアロゾル重量Waerosolを減らすことができ、その結果、ステップS5にて決定される霧化電力Pliquidを減らすことができる。MCU50は、ステップS4~S7を繰り返すことで、当初NOと判断されたステップS6における判断をYESとし、処理をステップS8に移行させることができる。
MCU50は、ステップS5にて決定した霧化電力Pliquidが第二既定値Pupper以下であった場合(ステップS6:YES)には、現時点での香味源33の温度Tcap_senseを温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得する(ステップS8)。
そして、MCU50は、温度Tcap_senseと目標温度Tcap_targetとに基づいて、第二負荷31を加熱するための第二負荷31への放電を制御する(ステップS9)。具体的には、MCU50は、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_targetに収束するように、PID(Proportional-Integral-Differential )制御、又は、ON/OFF制御によって第二負荷31へ電力供給を行う。
PID制御は、温度Tcap_senseと目標温度Tcap_targetの差をフィードバックし、そのフィードバック結果に基づいて、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_targetに収束するよう電力制御を行うものである。PID制御によれば、温度Tcap_senseを目標温度Tcap_targetに高精度に収束させることができる。なお、MCU50は、PID制御に代えてP(Proportional)制御やPI(Proportional-Integral)制御を用いてもよい。
ON/OFF制御は、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_target未満の状態では第二負荷31への電力供給を行い、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_target以上の状態では、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_target未満になるまで第二負荷31への電力供給を停止する制御である。ON/OFF制御によれば、PID制御よりも香味源33の温度を早く上昇させることができる。このため、後述のエアロゾルの生成要求が検知される前の段階にて、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_targetに到達する可能性を高めることができる。なお、目標温度Tcap_targetは、ヒステリシスを有していてもよい。
ステップS9の後、MCU50は、エアロゾルの生成要求の有無を判定する(ステップS10)。MCU50は、エアロゾルの生成要求を検出しなかった場合(ステップS10:NO)には、ステップS11にて、エアロゾルの生成要求が行われていない時間(以下、無操作時間と記載)の長さを判定する。そして、MCU50は、無操作時間が所定時間に達していた場合(ステップS11:YES)には、第二負荷31への放電を終了して(ステップS12)、消費電力を低減させたスリープモードへと移行する(ステップS13)。MCU50は、無操作時間が所定時間未満であった場合(ステップS11:NO)には、ステップS8に処理を移行する。
MCU50は、エアロゾルの生成要求を検知すると(ステップS10:YES)、第二負荷31への放電を終了し、その時点での香味源33の温度Tcap_senseを温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得する(ステップS14)。そして、MCU50は、ステップS14にて取得した温度Tcap_senseが目標温度Tcap_target以上かを否かを判定する(ステップS15)。
温度Tcap_senseが目標温度Tcap_target未満である場合(ステップS15:NO)には、MCU50は、ステップS5にて決定した霧化電力Pliquid(第一電力)を所定量増加した霧化電力Pliquid’(第二電力)を第一負荷21に供給して、第一負荷21の加熱を開始する(ステップS19)。ここでの電力の増加は、霧化電力Pliquid’が前述した第二既定値Pupperの理想値を超えない範囲で決められる。
なお、例えば、ステップS17とステップS19において、第一負荷21に供給すべき霧化電力(MCU50が決定した電力)が、DC/DCコンバータ51による昇圧を行わなくとも(換言すると、DC/DCコンバータ51による昇圧を停止しても)電源12から第一負荷21へ放電できる値である場合を想定する。この場合には、MCU50は、DC/DCコンバータ51が入力電圧をそのまま出力するよう、DC/DCコンバータ51のスイッチング素子を制御して、電源12からの電圧を昇圧せずに第一負荷21に供給することが好ましい。一例として、DC/DCコンバータ51が昇圧型スイッチングレギュレータである場合には、DC/DCコンバータ51は、スイッチング素子をOFFにし続けることで、入力電圧をそのまま出力することができる。このようにすることで、DC/DCコンバータ51における昇圧に伴う電力損失を減らして、電力消費を抑制することができる。
一方、例えば、ステップS17とステップS19において、第一負荷21に供給すべき霧化電力が、DC/DCコンバータ51による昇圧を行わないと電源12から第一負荷21へ放電できない値である場合を想定する。この場合には、MCU50は、DC/DCコンバータ51が入力電圧を昇圧して出力するよう、DC/DCコンバータ51のスイッチング素子を制御して、電源12からの電圧を昇圧して第一負荷21に供給すればよい。このようにすることで、電力消費を抑制しながらも必要な電力を第一負荷21に供給可能となる。式(5)や式(6)からも明らかなように、DC/DCコンバータ51を有すれば、電源12から第一負荷21に放電することのできる電力を増加させることができる。従って、単位香味量をより安定させることが可能となる。
更に、上述したDC/DCコンバータ51の昇圧停止の制御を行う代わりに、図11に示すように、図8に示す回路において、DC/DCコンバータ51へ並列接続された迂回回路(開閉器SW7)を追加した構成を採用してもよい。この構成では、DC/DCコンバータ51による昇圧が不要な場合には、MCU50は、開閉器SW7を導通状態に制御し、DC/DCコンバータ51を経由せずに開閉器SW7を経由させて電源12から第一負荷21へ放電させる。一般的に、開閉器SW7は昇圧を停止したDC/DCコンバータ51よりも低い抵抗値を有するため、このように開閉器SW7を経由させれば、導通による電力損失を減らすことができる。また、DC/DCコンバータ51による昇圧が必要な場合には、MCU50は、開閉器SW7を遮断状態に制御し、DC/DCコンバータ51によって昇圧した電圧を第一負荷21へ放電させる。このようにすることで、DC/DCコンバータ51の停止制御を行う場合と比較して、第一負荷21の放電制御を簡易なものとすることができ、MCU50のコストを下げることができる。また、昇圧が不要な場合の電力損失も減らすことができる。
ステップS19での第一負荷21の加熱開始後、MCU50は、エアロゾルの生成要求が終了されていない場合(ステップS20:NO)には加熱を継続し、エアロゾルの生成要求が終了された場合(ステップS20:YES)には、第一負荷21への電力供給を停止する(ステップS21)。
ステップS15において、MCU50は、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_target以上であった場合(ステップS15:YES)には、ステップS5にて決定した霧化電力Pliquid(第一電力)を第一負荷21に供給して第一負荷21の加熱を開始し、エアロゾルを生成する(ステップS17)。
ステップS17での第一負荷21の加熱開始後、MCU50は、エアロゾルの生成要求が終了されていない場合(ステップS18:NO)には加熱を継続し、エアロゾルの生成要求が終了された場合(ステップS18:YES)には、第一負荷21への電力供給を停止する(ステップS21)。
MCU50は、温度検出用素子T2の出力に基づき、ステップS17やステップS19での第一負荷21の加熱を制御してもよい。例えば、MCU50が、温度検出用素子T2の出力に基づき、エアロゾル源22の沸点を目標温度としたPID制御やON/OFF制御を実行すれば、第一負荷21やエアロゾル源22の過熱を抑制したり、第一負荷21が霧化するエアロゾル源22の量を高度に制御したりすることができる。
図12は、図10のステップS17において第一負荷21に供給される霧化電力を示す模式図である。図13は、図10のステップS19において第一負荷21に供給される霧化電力を示す模式図である。図13に示すように、エアロゾルの生成要求が検出された時点において、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_targetに到達していない場合には、霧化電力Pliquidが増加された上で、第一負荷21に供給される。
このように、エアロゾルの生成要求がなされた時点にて、香味源33の温度が目標温度に到達していない場合であっても、ステップS19の処理が行われることで、生成されるエアロゾル量を増やすことができる。この結果、香味源33の温度が目標温度よりも低いことに起因するエアロゾルに付加される香味成分量の減少を、エアロゾル量の増加によって補うことが可能となる。したがって、エアロゾルに付加される香味成分量を目標量に収束させることができる。
一方、エアロゾルの生成要求がなされた時点にて、香味源33の温度が目標温度に到達していた場合には、ステップS5にて決定した霧化電力によって、目標の香味成分量を達成するのに必要な所望のエアロゾル量が生成される。このため、エアロゾルに付加する香味成分量を目標量に収束させることができる。
次に、MCU50は、ステップS17又はステップS19にて第一負荷21に供給した霧化電力の第一負荷21への供給時間tsenseを取得する(ステップS22)。なお、MCU50が第一既定値tupperを越えてエアロゾル生成要求を検知する場合には、供給時間tsenseは第一既定値tupperと等しくなる点に留意されたい。更に、MCU50は、パフ数カウンタを“1”進める(ステップS23)。
MCU50は、ステップS22にて取得した供給時間tsenseと、エアロゾルの生成要求を受けて第一負荷21に供給した霧化電力と、エアロゾルの生成要求を検知した時点での目標温度Tcap_targetと、に基づいて、香味源33の香味成分残量Wcapsule(npuff)を更新する(ステップS24)。
図12に示す制御が行われた場合には、エアロゾルの生成要求の開始から終了までに生成されたエアロゾルに付加される香味成分量は、以下の式(7)により求めることができる。式(7)の(tend‐tstart)は、供給時間tsenseを示す。
Wflavor
=β× (Wcapsule(npuff)× Tcap_target)×γ×α× Pliq
uid×(tend‐tstart)
・・(7)
図13に示す制御が行われた場合には、エアロゾルの生成要求の開始から終了までに生成されたエアロゾルに付加される香味成分量は、以下の式(8)により求めることができる。式(8)の(tend‐tstart)は、供給時間tsenseを示す。
Wflavor
=β×(Wcapsule(npuff)×Tcap_target)×γ×α× Pliqu
id’×(tend‐tstart)
・・(8)
このようにして求めたエアロゾルの生成要求毎のWflavorをメモリ50aに蓄積しおき、今回のエアロゾル生成時におけるWflavorと、前回以前のエアロゾル生成時におけるWflavorを含む過去のWflavorの値を式(3)に代入することで、エアロゾルの生成後における香味成分残量Wcapsule(npuff)を高精度に導出してこれを更新することができる。
ステップS24の後、MCU50は、更新後の香味成分残量Wcapsule(npuff)が残量閾値未満であるか否かを判定する(ステップS25)。MCU50は、更新後の香味成分残量Wcapsule(npuff)が残量閾値以上であった場合(ステップS25:NO)には、ステップS29に処理を移行する。MCU50は、更新後の香味成分残量Wcapsule(npuff)が残量閾値未満であった場合(ステップS25:YES)には、第2カートリッジ30の交換を促す通知を通知部45に行わせる(ステップS26)。そして、MCU50は、パフ数カウンタを初期値(=0)にリセットし、上述の過去のWflavorの値を消去し、更に、目標温度Tcap_targetを初期化する(ステップS27)。
目標温度Tcap_targetの初期化とは、メモリ50aに記憶しているその時点での目標温度Tcap_targetを設定値から除外することを意味する。したがって、目標温度Tcap_targetが初期化されても、メモリ50aには、直前に設定していた目標温度Tcap_targetが記憶されたままとなる。なお、この記憶されたままの目標温度Tcap_targetは、MCU50が次にステップS2を実行する際に取得されるカプセル温度パラメータTcapsuleとして利用されることになる。
なお、別の一例として、ステップS1とステップS2を省略して常にステップS3を実行する場合には、目標温度Tcap_targetの初期化とは、メモリ50aに記憶しているその時点での目標温度Tcap_targetを常温又は室温に設定することを意味する。
ステップS27の後、MCU50は、電源がオフされなければ(ステップS28:NO)、ステップS1に処理を戻し、電源がオフされたら(ステップS28:YES)、処理を終了する。
ここで、ステップS25の判定で用いる残量閾値の詳細について説明する。
香味成分残量Wcapsule(npuff)は、式(1)と式(2)により、以下の式(8)により表すことができる。
目標の香味成分量Wflavorを実現するためには、最も厳しい条件(第一負荷21への放電を最大限継続し、且つ、香味源33の温度が上限まで達しており、且つ、電源12の電圧が放電可能な最低値(放電終止電圧VEOD)にある状態)において、式(8)の関係が成り立つ必要がある。換言すると、最も厳しい条件において、式(8)の左辺が右辺未満になると、目標の香味成分量Wflavorを実現できなくなる。
式(8)において、香味成分量Wflavorは、目標量に収束させることを目的としていることから既知の値として取り扱うことができる。式(8)において、α、β、γは定数である。また、式(8)において、tsenseは、上限値として第一既定値tupperが存在するため、この上限値を最も厳しい条件の値として代入することができる。また、式(8)において、Tcapsuleは、第二負荷31によって加熱することのできる香味源33の上限温度Tmaxを、最も厳しい条件の値として代入することができる。上限温度Tmaxは、香味源33を収容している容器の材質の耐熱温度等によって決められる。具体的一例として、上限温度Tmaxは80℃であってもよい。また、式(8)において、Pliquidは、式(5)における電圧VLIBに放電終止電圧VEODを代入して得られる第二既定値Pupperを最も厳しい条件の値として代入することができる。これらの値を式(8)に代入すると、式(9)が得られる。
したがって、残量閾値を式(9)の右辺の値に設定することで、適切なタイミングにて、第2カートリッジ30の交換をユーザに促すことができる。香味成分残量Wcapsule(npuff)が式(9)の右辺未満となる状態は、エアロゾルの生成要求に応じて第一負荷21へ放電した場合に香味成分量が目標量を下回る状態、エアロゾルの生成要求に応じて最大時間(第一既定時間tupper)だけ第一負荷21へ放電した場合に香味成分量が目標量を下回る状態、エアロゾルの生成要求に応じて第一負荷21へ電源12から放電可能な最大電力(Pupper)を供給した場合に香味成分量が目標量を下回る状態のいずれかを構成している。この最大電力は、電源12の電圧をDC/DCコンバータ51が昇圧可能な最大電圧まで昇圧した場合に、電源12から第一負荷21へ供給可能な電力、又は、放電終止状態にある電源12から第一負荷21へ放電可能な電力である。
このように残量閾値を設定することで、香味成分量が目標量を下回る前の状態にて、第2カートリッジ30の交換をユーザに促すことができる。このため、目標に達しない少ない香味成分量が付加されたエアロゾルをユーザが吸引するのを防ぐことができ、エアロゾル吸引器1の商品価値をさらに高めることができる。
(実施形態の効果)
以上のように、エアロゾル吸引器1によれば、ユーザがエアロゾルを吸引する度にそのエアロゾルに含まれる香味成分量が目標量に収束するよう電源12から第一負荷21及び第二負荷31への放電制御がなされる。このため、ユーザに提供される香味成分量を吸引毎に安定させることができ、エアロゾル吸引器1の商品価値を高めることができる。また、第一負荷21にのみ放電を行う場合と比べて、ユーザに提供される吸引毎の香味成分量を安定させることが可能となり、エアロゾル吸引器1の商品価値を更に高めることができる。
また、エアロゾル吸引器1によれば、ステップS5にて決定した霧化電力が第二既定値を超えていて、目標の香味成分量を達成するために必要なエアロゾルの生成が行えないような場合に、電源12から第二負荷31に放電する制御が行われる。このように、必要に応じて第二負荷31への放電を行うため、ユーザに提供される吸引毎の香味成分量を安定させつつ、これを実現するための電力量を低減することができる。
エアロゾルの生成要求が繰り返し行われると、電源12の電圧は低下する。しかし、エアロゾル吸引器1によれば、電源12の電圧の低下に応じて目標温度が増加されて第二負荷31への放電量が増加し、香味源33の温度が目標温度に収束するよう制御される。このため、電源12の電圧の低下によるエアロゾル量の減少による香味成分量の減少を、香味源33の温度上昇によって補うことができ、ユーザに提供される香味成分量を安定させることができる。
また、エアロゾル吸引器1によれば、エアロゾルの生成要求に応じた第一負荷21への放電時間(tsense)と、生成要求を受けた時点でのTcap_targetと、生成要求に応じて第一負荷に放電した電力(霧化電力Pliquid、霧化電力Pliquid’)又は電力量(この電力×tsense))とに基づいて、ステップS24にて香味成分残量を更新し、この香味成分残量に基づいて、ステップS4及びステップS5にて第一負荷21へ放電する電力を決定する。このため、エアロゾルに付加可能な香味成分量に大きな影響を与える第一負荷21へ放電した電力又は電力量を適切に考慮し、更に、エアロゾルに付加可能な香味成分量に大きな影響を与える第一負荷21へ放電した際の香味源33の温度を適切に考慮した上で、第一負荷21への放電を制御できる。このように、エアロゾル吸引器1の状態を適切に考慮した上で、第一負荷21への放電を制御することで、吸引毎の香味成分量を高精度に安定させることができ、エアロゾル吸引器1の商品価値を高めることができる。
また、エアロゾル吸引器1によれば、エアロゾルの生成要求を検知する前に香味源33の加熱が行われる。このため、エアロゾル生成の前に香味源33を温めておくことができ、エアロゾルの生成要求を受けてから、所望の香味成分量が付加されたエアロゾルを生成するまでに要する時間を短くすることができる。
また、エアロゾル吸引器1によれば、エアロゾルの生成要求を受けてからは第二負荷31への放電が停止される。このため、第一負荷21と第二負荷31へ同時に放電せずにすみ、第二負荷31へ放電される電力の不足を抑制することができる。加えて、電源12から大電流が放電されることが抑制される。したがって、電源12の劣化を抑制することができる。
また、エアロゾル吸引器1によれば、エアロゾルの生成後は、第二負荷31への放電を再開することで、続けざまにエアロゾルを生成する場合でも、香味源33を温めた状態を維持できる。このため、連続した複数の吸引に亘って、ユーザに安定した香味成分量を提供することができる。
(エアロゾル吸引器の第一変形例)
図14は、図1のエアロゾル吸引器のハードウエア構成の第一変形例を示す模式図である。図14は、図6の構成において、電流センサ55が削除され、且つ、昇圧回路としてのDC/DCコンバータ51Aが追加された構成となっている。
DC/DCコンバータ51Aは、DC/DCコンバータ51及びMCU50の接続ノードと、第二負荷31とに接続されている。つまり、図14に示す電源ユニット10では、第1カートリッジ20が装着された状態において、DC/DCコンバータ51及び第一負荷21の直列回路と、DC/DCコンバータ51A及び第二負荷31の直列回路とが、電源12に対し並列接続される。
図15は、図14に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。図15に示す回路は、主正母線LUと開閉器SW3の間にDC/DCコンバータ51Aが追加された点を除いては、図8と同じ構成である。具体的には、DC/DCコンバータ51Aの入力端子が主正母線LUに接続され、DC/DCコンバータ51Aの出力端子が開閉器SW3に接続されている。
この第一変形例によれば、DC/DCコンバータ51Aによって、第二負荷31に印加される電圧を適切に制御しつつ、第一負荷21とは異なる電圧を第二負荷31に印加することができる。この結果、エアロゾルに付加する香味成分の量をより柔軟に制御することができる。
(エアロゾル吸引器の第二変形例)
図16は、図1のエアロゾル吸引器のハードウエア構成の第二変形例を示す模式図である。図16は、図14に示す構成において、DC/DCコンバータ51Aを削除し、DC/DCコンバータ51の出力を第二負荷31にも接続した構成である。つまり、図16に示す電源ユニット10では、DC/DCコンバータ51に、第一負荷21と第二負荷31が並列接続されている。
図17は、図16に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。図17に示す回路は、図8に示す回路において、開閉器SW1~SW3と抵抗素子R1の接続位置を変更した構成となっている。図17に示す回路では、第一負荷21の高電位側の端子に開閉器SW2が接続され、開閉器SW2とDC/DCコンバータ51の出力端子に開閉器SW1が接続されている。また、第二負荷31の高電位側の端子に開閉器SW3が接続され、開閉器SW3とDC/DCコンバータ51の出力端子に抵抗素子R1が接続されている。また、開閉器SW1及び開閉器SW2の接続ノードと、抵抗素子R1及び開閉器SW3の接続ノードとが接続されている。
図17に示す回路構成では、MCU50の温度検出部は、開閉器SW1及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。また、MCU50の電力制御部は、開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW1及び開閉器SW2を導通状態に制御することで、電源12から第一負荷21へエアロゾル源22を霧化するための放電を行う。また、電力制御部は、開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW1及び開閉器SW3を導通状態に制御することで、電源12から第二負荷31へ香味源33を加熱するための放電を行う。
第二変形例によれば、DC/DCコンバータ51によって、第一負荷21と第二負荷31に印加される電圧を適切に制御できる。この結果、エアロゾルに付加する香味成分の量をより柔軟に制御することができる。また、第一変形例と比較すると、DC/DCコンバータ51Aを省略できることで、回路規模を抑制することができる。
なお、図17に示す回路において、開閉器SW1及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値が、抵抗素子R1に印加される電圧値となるよう回路構成を変更し、MCU50の温度検出部がこの出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得してもよい。
(エアロゾル吸引器の第三変形例)
図18は、図1のエアロゾル吸引器のハードウエア構成の第三変形例を示す模式図である。図18は、図16に示す構成において、温度検出用素子T3の代わりに、温度検出用素子T1を構成する電圧センサ52を追加した構成である。
図19は、図18に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。図19に示す回路は、図17に示す回路に、電圧センサ52を構成するオペアンプOP2及びADC50bを追加し、抵抗素子R1及び開閉器SW1を削除し、開閉器SW4~SW6、抵抗素子R2、及び抵抗素子R3を追加した構成となっている。
図19に示す回路では、第二負荷31及び開閉器SW3の接続ノードに、オペアンプOP2の非反転入力端子が接続されている。オペアンプOP2の反転入力端子は、オペアンプOP2の出力端子と主負母線LDとにそれぞれ抵抗素子を介して接続されている。また、開閉器SW2及び開閉器SW3の接続ノードと、DC/DCコンバータ51の出力とに、並列回路C3が接続されている。
並列回路C3は、抵抗素子R2及び開閉器SW4の直列回路と、抵抗素子R3及び開閉器SW5の直列回路と、開閉器SW6とが並列接続されたものである。抵抗素子R2の高電位側の端子はDC/DCコンバータ51の出力端子に接続されている。開閉器SW4の低電位側の端子は、開閉器SW2及び開閉器SW3の接続ノードに接続されている。抵抗素子R3の高電位側の端子はDC/DCコンバータ51の出力端子に接続されている。開閉器SW5の低電位側の端子は、開閉器SW2及び開閉器SW3の接続ノードに接続されている。開閉器SW6の高電位側の端子はDC/DCコンバータ51の出力端子に接続され、開閉器SW6の低電位側の端子は、開閉器SW2及び開閉器SW3の接続ノードに接続されている。
図19に示す回路構成では、MCU50の温度検出部は、開閉器SW3、開閉器SW5、及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW2及び開閉器SW4を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。また、MCU50の温度検出部は、開閉器SW2、開閉器SW4、及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW3及び開閉器SW5を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値(第二負荷31に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第二負荷31の温度を取得する。
また、MCU50の電力制御部は、開閉器SW3、開閉器SW4、及び開閉器SW5を遮断状態に制御し、開閉器SW2及び開閉器SW6を導通状態に制御することで、電源12から第一負荷21へエアロゾル源22を霧化するための放電を行う。また、MCU50の電力制御部は、開閉器SW2、開閉器SW4、及び開閉器SW5を遮断状態に制御し、開閉器SW3及び開閉器SW6を導通状態に制御することで、電源12から第二負荷31へ香味源33を加熱するための放電を行う。
第三変形例によれば、第2カートリッジ30に温度検出用素子T3を設けることなく、第二負荷31の温度を取得可能となる。このため、安価な構成で香味源33の状態を把握することができる。また、第2カートリッジ30に専用のセンサを設けることなく、第一負荷21の温度も取得できるため、安価な構成でエアロゾル源22の状態を把握することができる。また、第一負荷21の温度の取得に用いる抵抗素子R2と、第二負荷31の温度の取得に用いる抵抗素子R3が個別に設けられるため、オペアンプOP1,オペアンプOP2,ADC50b、ADC50cの性能や仕様に応じて、最適な抵抗素子R2と抵抗素子R3を用いることができる。
なお、図19に示す回路において、開閉器SW3、開閉器SW5、及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW2及び開閉器SW4を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値が、抵抗素子R2に印加される電圧値となるよう回路構成を変更し、MCU50の温度検出部がこの出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得してもよい。
同様に、図19に示す回路において、開閉器SW2、開閉器SW4、及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW3及び開閉器SW5を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値が、抵抗素子R3に印加される電圧値となるように回路構成を変更し、MCU50の温度検出部がこの出力値に基づいて第二負荷31の温度を取得してもよい。
(エアロゾル吸引器の第四変形例)
図20は、図18に示す電源ユニット10の具体例の変形例を示す図である。図20に示す回路は、図19に示す回路から、抵抗素子R3、開閉器SW4、及び開閉器SW5を削除した構成となっている。
図20に示す回路構成では、MCU50の温度検出部は、開閉器SW3及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。また、MCU50の電力制御部は、開閉器SW2及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW3を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値(第二負荷31に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第二負荷31の温度を取得する。
また、MCU50の電力制御部は、開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW2及び開閉器SW6を導通状態に制御することで、電源12から第一負荷21へエアロゾル源22を霧化するための放電を行う。また、MCU50の電力制御部は、開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW3及び開閉器SW6を導通状態に制御することで、電源12から第二負荷31へ香味源33を加熱するための放電を行う。
第三変形例によれば、1つの抵抗素子R2を有するだけで、専用の温度検出用素子を第二負荷31の近傍に配置することなく、回路上のセンサから第一負荷21と第二負荷31の温度を取得できる。このため、より安価な構成でエアロゾル源22と香味源33の状態を把握することができる。また、第三変形例と比較すると、DC/DCコンバータ51の出力に接続される並列回路における電力損失を抑制することができる。このため、香味成分が付加されたエアロゾル生成のための放電と、第一負荷21及び第二負荷31の温度を取得するための放電と、を低消費電力にて行うことができる。
なお、図20に示す回路において、開閉器SW3及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW2を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値が、抵抗素子R2に印加される電圧値となるよう回路構成を変更し、MCU50の温度検出部がこの出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得してもよい。
同様に、図20に示す回路において、開閉器SW2及び開閉器SW6を遮断状態に制御し、開閉器SW3を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値が、抵抗素子R2に印加される電圧値となるように回路構成を変更し、MCU50の温度検出部がこの出力値に基づいて第二負荷31の温度を取得してもよい。
(エアロゾル吸引器の第五変形例)
図21は、図1のエアロゾル吸引器のハードウエア構成の第五変形例を示す模式図である。図21は、図18に示す構成に、DC/DCコンバータ51に並列接続された開閉器SW8を追加した構成である。
図22は、図21に示す電源ユニット10の具体例を示す図である。図22に示す回路は、図17に示す回路に、開閉器SW8と、電圧センサ52を構成するオペアンプOP2及びADC50bを追加した構成となっている。
図22に示す回路では、第二負荷31及び開閉器SW3の接続ノードに、オペアンプOP2の非反転入力端子が接続されている。オペアンプOP2の反転入力端子は、オペアンプOP2の出力端子と主負母線LDとにそれぞれ抵抗素子を介して接続されている。開閉器SW8は、抵抗素子R1の高電位側の端子と主正母線LUとに接続されている。DC/DCコンバータ51の出力端子は開閉器SW1に接続されている。DC/DCコンバータ51及び開閉器SW1の接続ノードと、開閉器SW8及び抵抗素子R1の接続ノードとは接続されている。
図22に示す回路構成では、MCU50の温度検出部は、開閉器SW1及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW2及び開閉器SW8を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得する。また、MCU50の温度検出部は、開閉器SW1及び開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW3及び開閉器SW8を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値(第二負荷31に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第二負荷31の温度を取得する。
また、MCU50の電力制御部は、開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW1及び開閉器SW2を導通状態に制御し、開閉器SW8を遮断状態に制御することで、DC/DCコンバータ51によって昇圧した電圧を第一負荷21に放電する。なお、同時にADC50cの出力値(第一負荷21に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得してもよい。MCU50の電力制御部は、開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW1及び開閉器SW2を導通状態に制御し、開閉器SW8を導通状態に制御することで、電源12からの電圧をDC/DCコンバータ51によって昇圧することなく、第一負荷21に放電する。
また、電力制御部は、開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW1及び開閉器SW3を導通状態に制御し、開閉器SW8を遮断状態に制御することで、DC/DCコンバータ51によって昇圧した電圧を第二負荷31に放電する。なお、同時にADC50bの出力値(第二負荷31に印加される電圧値)を取得し、この出力値に基づいて第一負荷31の温度を取得してもよい。MCU50の電力制御部は、開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW1及び開閉器SW3を導通状態に制御し、開閉器SW8を導通状態に制御することで、電源12からの電圧をDC/DCコンバータ51によって昇圧することなく、第二負荷31に放電する。
第五変形例によれば、開閉器SW8によって電源12からの電圧を、DC/DCコンバータ51を経由せずに負荷に供給可能となる。このため、昇圧が不要な場合には、より高効率に負荷への放電を行うことができる。
なお、図22に示す回路において、開閉器SW1及び開閉器SW3を遮断状態に制御し、開閉器SW2及び開閉器SW8を導通状態に制御した状態にて、ADC50cの出力値が、抵抗素子R1に印加される電圧値となるよう回路構成を変更し、MCU50の温度検出部がこの出力値に基づいて第一負荷21の温度を取得してもよい。
同様に、図22に示す回路において、開閉器SW1及び開閉器SW2を遮断状態に制御し、開閉器SW3及び開閉器SW8を導通状態に制御した状態にて、ADC50bの出力値が、抵抗素子R1に印加される電圧値となるように回路構成を変更し、MCU50の温度検出部がこの出力値に基づいて第二負荷31の温度を取得してもよい。
(エアロゾル吸引器の第六変形例)
図23は、図1のエアロゾル吸引器1の動作の変形例を説明するためのフローチャートである。図23は、図9及び図10に示したフローチャートにおけるステップS14以降の変形例を示している。図23に示すフローチャートでは、ステップS20の判定がNOの場合にステップS20に処理を戻すのではなく、ステップS31及びステップS32に処理を移行する点が図10と異なっている。
ステップS31において、MCU50は、その時点での香味源33の温度Tcap_senseを温度検出用素子T1(又は温度検出用素子T3)の出力に基づいて取得する。ステップS31の後のステップS32において、MCU50は、ステップS15と同じ処理を行う。そして、MCU50は、ステップS32の判定がNOの場合にはステップS20に処理を移行し、ステップS32の判定がYESの場合にはステップS17に処理を移行する。
図24は、図23のステップS15の判定がNOとなり、その後、ステップS20の判定がNOとなり、その後、ステップS32の判定がYESとなった場合の霧化電力の変化を示す模式図である。
図24に示すように、エアロゾルの生成要求が検出された時点において、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_targetに到達していない場合には、霧化電力Pliquidが増加された上で、第一負荷21に供給される。このため、増加された霧化電力Pliquid’の第一負荷21への供給によって温度Tcap_senseが目標温度Tcap_targetに近づいていく。エアロゾルの生成要求が継続されている間の図24に示す時刻treachにおいて、温度Tcap_senseが目標温度Tcap_targetに到達すると、霧化電力は減少されて元の値(図9のステップS5にて決定された値)に戻る。そして、エアロゾルの生成要求が終了されるまでは、その状態が継続される。
なお、図24に示す制御が行われた場合には、エアロゾルの生成要求の開始から終了までに生成されたエアロゾルに付加される香味成分量は、以下の式(9)により求めることができる。式(9)の(treach‐tstart)と(tend‐treach)の和が、第一負荷21に電力を供給した供給時間tsenseを示す。このようにして求めた香味成分量を用いることで、香味成分残量の正確な更新が可能である。
Wflavor
=β×{ (Wcapsule(npuff) ×Tcap_target)×γ×α×Pli
quid×(tend‐treach)
+ (Wcapsule(npuff)×Tcap_target)×γ×α×Pliquid
’ ×(treach‐tstart) }
・・(9)
この変形例によれば、図12に示す制御と図13に示す制御に加えて図24に示す制御を行うため、エアロゾルの生成中における第一負荷21に供給する電力を減らすことができる。このため、電力消費を抑制することができる。また、エアロゾルの生成要求の開始から終了までに生成されたエアロゾルに付加される香味成分量が高度に安定するため、エアロゾル吸引器1の商品価値をさらに高めることができる。
なお、図23のステップS32からステップS17に移行した場合に、第一負荷21に供給すべき霧化電力(MCU50が変更した電力)が、DC/DCコンバータ51による昇圧を行わなくとも(換言すると、DC/DCコンバータ51による昇圧を停止しても)電源12から第一負荷21へ放電できる値である場合を想定する。この場合には、MCU50は、DC/DCコンバータ51が入力電圧をそのまま出力するようDC/DCコンバータ51のスイッチング素子を制御して、電源12からの電圧を昇圧せずに第一負荷21に供給することが好ましい。このようにすることで、DC/DCコンバータ51における昇圧に伴う損失を減らして電力消費を抑制することができる。
一方、図23のステップS32からステップS17に移行した場合に、第一負荷21に供給すべき霧化電力が、DC/DCコンバータ51による昇圧を行わないと電源12から第一負荷21へ放電できない値である場合を想定する。この場合には、MCU50は、DC/DCコンバータ51が入力電圧を昇圧して出力するようDC/DCコンバータ51のスイッチング素子を制御して、電源12からの電圧を昇圧して第一負荷21に供給すればよい。このようにすることで、電力消費を抑制しながらも必要な電力を第一負荷21に供給可能となる。
更に、図11に示す回路構成を採用し、図22のステップS32からステップS17に移行した場合を想定する。この場合には、昇圧が不要であれば、MCU50は、開閉器SW7を導通状態に制御し、DC/DCコンバータ51を経由せずに開閉器SW7を経由させて電源12から第一負荷21へ放電させる。一般的に、開閉器SW7は昇圧を停止したDC/DCコンバータ51よりも低い抵抗値を有するため、このように開閉器SW7を経由させれば、導通による電力損失を減らすことができる。また、昇圧が必要であれば、MCU50は開閉器SW7を遮断状態に制御し、DC/DCコンバータ51によって昇圧した電圧を第一負荷21へ放電させる。このようにすることで、DC/DCコンバータ51の停止制御を行う場合と比較して、第一負荷21の放電制御を簡易なものとすることができ、MCU50のコストを下げることができる。また、昇圧が不要な場合の導通損失も減らすことができる。
ここまでの実施形態と変形例においては、第1カートリッジ20が電源ユニット10に着脱自在な構成とされているが、第1カートリッジ20は電源ユニット10と一体化された構成であってもよい。
ここまでの実施形態と変形例においては、第一負荷21と第二負荷31は、電源12から放電される電力によって発熱するヒータとされているが、第一負荷21と第二負荷31は電源12から放電される電力によって発熱と冷却の双方が可能なペルチェ素子であってもよい。このように第一負荷21と第二負荷31を構成すれば、エアロゾル源22の温度と香味源33の温度に関する制御の自由度が広がるため、単位香味量をより高度に制御することができる。
また、第一負荷21を、超音波などによってエアロゾル源22を加熱することなくエアロゾル源22を霧化することのできる素子で構成してもよい。また、第二負荷31を、超音波などによって香味源33を加熱することなく、香味源33がエアロゾルに付加する香味成分量を変更できるような素子で構成してもよい。
第二負荷31に例えば超音波素子を用いる場合、MCU50は、香味源33を通過するエアロゾルに付加される香味成分量に影響を与えるパラメータとして香味源33の温度ではなく、香味源33に与えている超音波の波長などに基づき、第一負荷21と第二負荷31への放電を制御してもよい。
第一負荷21に用いることができる素子は、上述したヒータ、ペルチェ素子、超音波素子に限られず、電源12から供給される電力を消費することでエアロゾル源22の霧化が可能な素子であればさまざまな素子又はその組合せを利用することができる。同様に、第二負荷31に用いることができる素子は、上述したヒータ、ペルチェ素子、超音波素子に限られず、電源12から供給される電力を消費することでエアロゾルに付加する香味成分量の変更が可能な素子であればさまざまな素子又はその組合せを利用することができる。
以上の説明では、MCU50が、香味成分量Wflavorが目標量へ収束するように、電源12から第一負荷21及び第二負荷31への放電を制御するものとした。この目標量は、特定の1つの値に限らず、ある程度の幅を持たせた範囲としてもよい。
以上の説明では、MCU50が、香味源33の温度が目標温度へ収束するように、電源12から第二負荷31への放電を制御するものとした。この目標温度は、特定の1つの値に限らず、ある程度の幅を持たせた範囲としてもよい。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1)
エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されたエアロゾルを香味源(香味源33)に通過させて、前記エアロゾルに前記香味源の香味成分を付加するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記エアロゾル源を加熱する第一負荷(第一負荷21)に放電可能に構成された電源(電源12)と、
処理装置(MCU50)と、を備え、
前記処理装置は、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力するセンサ(吸気センサ15又は操作部14)からの前記信号に応じて前記電源から前記第一負荷への放電を制御し、
前記処理装置は、前記香味源の温度に関する情報を出力する素子の出力に基づき、前記生成要求毎に生成されるエアロゾルに付加される香味成分の量である単位香味量(香味成分量Wflavor)が目標量へ収束するように、前記電源から前記第一負荷への放電を制御する電源ユニット。
(1)によれば、ユーザがエアロゾルを吸引する度にそのエアロゾルに含まれる香味成分量が目標量に収束するよう電源から第一負荷への放電制御がなされる。このため、ユーザに提供される香味成分量を吸引毎に安定させることができ、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
(2)
(1)記載の電源ユニットであって、
前記電源は、前記香味源を加熱する第二負荷(第二負荷31)に放電可能に構成され、
前記処理装置は、前記素子の出力に基づき、前記単位香味量が前記目標量へ収束するように、前記電源から前記第一負荷及び前記第二負荷への放電を制御する電源ユニット。
(2)によれば、ユーザがエアロゾルを吸引する度にそのエアロゾルに含まれる香味成分量が目標量に収束するよう電源から第一負荷及び第二負荷への放電制御がなされる。このため、第一負荷にのみ放電を行う場合と比べて、ユーザに提供される吸引毎の香味成分量を更に安定させることが可能となり、エアロゾル吸引器の商品価値を更に高めることができる。
(3)
(1)記載の電源ユニットであって、
前記電源は、前記香味源を加熱する第二負荷(第二負荷31)に放電可能に構成され、
前記処理装置は、前記素子の出力に基づき、前記単位香味量を前記目標量へ収束させるために前記電源から前記第一負荷へ放電する必要がある第一電力(Pliquid)を決定し、前記第一電力が第一閾値(第二既定値Pupper)以下の場合には、前記電源から前記第一負荷に前記第一電力を放電させ、前記第一電力が前記第一閾値を超える場合には、前記電源から前記第二負荷に電力を放電させ、且つ、前記電源から前記第一負荷に前記第一閾値以下の電力を放電させる電源ユニット。
(3)によれば、第一電力が第一閾値を超えていて目標の単位香味量の達成に必要なエアロゾルの生成が行えないような場合には、電源から第一負荷及び第二負荷に放電する制御が行われる。このように、第二負荷への放電が行われることで香味源が加熱されるため、エアロゾルの生成量やエアロゾル源の残量が少ない場合でも単位香味量を増加させることができる。この結果、ユーザに提供される吸引毎の香味成分量を安定させることが可能となる。さらに、第一負荷でユーザに提供される吸引毎の香味成分量を安定させることが困難な場合にのみ第二負荷への放電が行われるため、吸引毎の香味成分量の安定を実現するための電力量を低減することができる。
(4)
(1)記載の電源ユニットであって、
前記電源は、前記香味源を加熱する第二負荷(第二負荷31)に放電可能に構成され、
前記処理装置は、前記素子の出力に基づき、前記単位香味量を前記目標量へ収束させるために前記電源から前記第一負荷へ放電する必要がある第一電力(Pliquid)を決定し、前記第一電力が第一閾値(第二既定値Pupper)を超える場合には、前記電源から前記第二負荷に放電させる電力を増加させ、且つ、前記電源から前記第一負荷に前記第一閾値以下の電力を放電させる電源ユニット。
(4)によれば、第一電力が第一閾値を超えていて目標の単位香味量の達成に必要なエアロゾルの生成が行えないような場合には、第二負荷への放電量が増加される。第二負荷の放電量が増加されることで香味源が加熱されるため、エアロゾルの生成量やエアロゾル源の残量が少ない場合でも単位香味量を増加させることができる。このため、ユーザに提供される吸引毎の香味成分量を安定させることが可能となる。さらに、第一負荷でユーザに提供される吸引毎の香味成分量を安定させることが困難な場合にのみ第二負荷へ放電される電力が増加されるため、吸引毎の香味成分量の安定を実現するための電力量を低減することができる。
(5)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル吸引器は、前記電源ユニットに対し交換可能且つ前記エアロゾル源を含む第一ユニット(第1カートリッジ20)と、前記電源ユニット又は前記第一ユニットに対し交換可能且つ前記香味源を含む第二ユニット(第2カートリッジ30)と、を有するものであり、
前記素子は、前記香味源の温度を検出するための温度検出用素子(温度検出用素子T1又は温度検出用素子T3)を含み、
前記温度検出用素子は、前記電源ユニット、又は、前記第一ユニットに収容されている電源ユニット。
(5)によれば、処理装置の放電制御に必要な温度検出用素子が、交換頻度が高い第二ユニット以外に設けられている。このため、エアロゾル吸引器の製造コストを下げることができる。
(6)
(5)記載の電源ユニットであって、
前記温度検出用素子は、前記第二負荷の温度を検出するための素子(温度検出用素子T3)である電源ユニット。
(7)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記第二負荷の電気抵抗値と前記第二負荷の温度は相関を有しており、
前記素子は、前記第二負荷を流れる電流値を出力する電流センサ(電流センサ53)と、前記第二負荷に印加される電圧値を出力する電圧センサ(電圧センサ52)の少なくとも一方を含み、
前記処理装置は、前記素子の出力に基づき前記第二負荷の電気抵抗値又は温度を取得する電源ユニット。
(7)によれば、第二負荷によって加熱される香味源の温度を、電流センサと電圧センサの少なくとも一方を利用して取得することができる。このため、エアロゾル吸引器において交換頻度が低い電源ユニットに素子を搭載することが容易となり、エアロゾル吸引器の製造コストを下げることができる。
(8)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記香味源の温度が目標温度(Tcap_target)へ収束するように、前記電源から前記第二負荷への放電を制御し、
前記素子は、前記目標温度を記憶したメモリ(メモリ50a)を含む電源ユニット。
(8)によれば、処理装置の放電制御に必要な情報がセンサによって取得される場合と比べて、情報の誤差や消費電力の増大がなくなり、吸引毎の香味成分量を安定させるための放電制御をより簡便に行うことができる。
(9)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル吸引器は、前記電源ユニットに対し前記香味源が交換可能に構成されており、
前記処理装置は、前記香味源の温度が目標温度(Tcap_target)へ収束するように、前記電源から前記第二負荷への放電を制御し、
前記素子は、前記目標温度を記憶したメモリ(メモリ50a)と、前記香味源の温度を検出するための温度検出用素子(温度検出用素子T1又は温度検出用素子T3)と、を含み、
前記香味源の交換を促す通知を行う通知部(通知部45)を備え、
前記処理装置は、前記通知部に前記通知を行わせた後、又は、前記電源ユニットが起動した後、における最初の前記生成要求に対しては、前記温度検出用素子の出力に基づき、前記単位香味量が前記目標量へ収束するように、前記電源から前記第一負荷への放電を制御し、
前記処理装置は、前記通知部に前記通知を行わせた後、又は、前記電源ユニットが起動した後、における最初以外の前記生成要求に対しては、前記メモリの出力に基づき、前記単位香味量が前記目標量へ収束するように、前記電源から前記第一負荷への放電を制御する電源ユニット。
(9)によれば、香味源の交換後又は電源ユニットの起動後は、正確性に優れる温度検出用素子から香味源の温度を取得し、それ以外は、簡易に利用できるメモリから香味源の温度に関する情報を取得する。このため、状況に応じて、最適な取得先から香味源の温度又はそれに関する情報を取得することができる。
(10)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記エアロゾル吸引器は、前記電源ユニットに対し前記香味源が交換可能に構成されており、
前記処理装置は、前記香味源の温度が目標温度(Tcap_target)へ収束するように、前記電源から前記第二負荷への放電を制御し、
前記第二負荷の電気抵抗値と前記第二負荷の温度は相関を有しており、
前記素子は、前記目標温度を記憶したメモリ(メモリ50a)と、前記第二負荷を流れる電流値を出力する電流センサ(電流センサ53)及び前記第二負荷に印加される電圧値を出力する電圧センサ(電圧センサ52)の少なくとも一方と、を含み、
前記香味源の交換を促す通知を行う通知部(通知部45)を備え、
前記処理装置は、前記通知部に前記通知を行わせた後、又は、前記電源ユニットが起動した後、における最初の前記生成要求に対しては、前記電流センサ及び前記電圧センサの少なくとも一方の出力に基づき、前記単位香味量が前記目標量へ収束するように、前記電源から前記第一負荷への放電を制御し、
前記処理装置は、前記通知部に前記通知を行わせた後、又は、前記電源ユニットが起動した後、における最初以外の前記生成要求に対しては、前記メモリの出力に基づき、前記単位香味量が前記目標量へ収束するように、前記電源から前記第一負荷への放電を制御する電源ユニット。
(10)によれば、香味源の交換後又は電源ユニットの起動後は、正確性に優れる電流センサと電圧センサの少なくとも一方から香味源の温度を取得し、それ以外は、簡易に利用できるメモリから香味源の温度に関する情報を取得する。このため、状況に応じて、最適な取得先から香味源の温度又はそれに関する情報を取得することができる。
(11)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記香味源の温度が目標温度(Tcap_target)へ収束するように、前記電源から前記第二負荷への放電を制御する電源ユニット。
(11)によれば、香味源の加熱不足や過熱が抑制される。このため、吸引毎の香味成分量をより安定させることができる。
(12)
(11)記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記香味源の温度が前記目標温度未満の場合には前記電源から前記第二負荷への放電を継続し且つ前記香味源の温度が前記目標温度以上の場合には前記電源から前記第二負荷への放電を停止する電源ユニット。
(12)によれば、香味源の温度を目標温度に早く到達させることができる。この結果、ユーザに提供する香味成分量が不足するのを抑制できる。
(13)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記信号を取得する前に、前記電源から前記第二負荷への放電を開始する電源ユニット。
(13)によれば、エアロゾルの生成要求を検知する前に香味源の加熱が行われる。このため、エアロゾル生成の前に香味源を温めておくことができ、エアロゾルの生成要求を受けてから、所望の香味成分量が付加されたエアロゾルを生成するまでに要する時間を短くすることができる。
(14)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記信号の取得を契機として、前記電源から前記第二負荷への放電を少なくとも一時的に停止する電源ユニット。
(14)によれば、エアロゾルの生成要求を受けてからは第二負荷への放電が停止される。このため、第一負荷と第二負荷へ同時に放電せずにすむため、第二負荷へ放電される電力の不足を抑制することができる。加えて、電源から大電流が放電させることが抑制される。したがって、電源の劣化を抑制することができる。
(15)
(2)から(4)のいずれか1つに記載の電源ユニットであって、
前記処理装置は、前記生成要求が終了してから次回の前記生成要求を検知するまでの間に、前記電源から前記第二負荷への放電を再開する電源ユニット。
(15)によれば、エアロゾルの生成後は、第二負荷への放電を再開することで、続けざまにエアロゾルを生成する場合でも、香味源を温めた状態を維持できる。このため、連続した複数の吸引に亘って、ユーザに安定した香味成分量を提供することができる。
(16)
エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されたエアロゾルを香味源(香味源33)に通過させて、前記エアロゾルに前記香味源の香味成分を付加するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
電力を消費することで前記エアロゾル源の霧化が可能な第一負荷(第一負荷21)に放電可能に構成された電源(電源12)と、
処理装置(MCU50)と、を備え、
前記処理装置は、エアロゾルの生成要求を示す信号を出力するセンサ(吸気センサ15又は操作部14)からの前記信号に応じて前記電源から前記第一負荷への放電を制御し、
前記処理装置は、前記香味源を通過するエアロゾルに付加可能な香味成分量に影響を与えるパラメータに関する情報を出力する素子の出力に基づき、前記生成要求毎に生成されるエアロゾルに付加される香味成分の量である単位香味量(香味成分量Wflavor)が目標量へ収束するように、前記電源から前記第一負荷への放電を制御する電源ユニット。
(17)
エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されたエアロゾルを香味源(香味源33)に通過させて、前記エアロゾルに前記香味源の香味成分を付加するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記エアロゾル源を加熱する第一負荷(第一負荷21)と前記香味源を加熱する第二負荷(第二負荷31)とに放電可能に構成された電源(電源12)と、
処理装置(MCU50)と、を備え、
前記処理装置は、前記香味源の温度に関する情報を出力する素子(温度検出用素子T1又は温度検出用素子T3と、メモリ50aの少なくとも一方)の出力に基づき、前記電源から前記第一負荷と前記第二負荷への放電を制御する電源ユニット。
(17)によれば、ユーザに提供される香味成分量を吸引毎に安定させることができ、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
(18)
エアロゾル源(エアロゾル源22)から生成されたエアロゾルを香味源(香味源33)に通過させて、前記エアロゾルに前記香味源の香味成分を付加するエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
電力を消費することで前記エアロゾル源の霧化が可能な第一負荷(第一負荷21)と、電力を消費することで前記香味源が前記エアロゾルに付加する香味成分量の変更が可能な第二負荷(第二負荷31)とに放電可能に構成された電源(電源12)と、
処理装置(MCU50)と、を備え、
前記処理装置は、前記香味源を通過するエアロゾルに付加可能な香味成分量に影響を与えるパラメータに関する情報を出力する素子(温度検出用素子T1又は温度検出用素子T3と、メモリ50aの少なくとも一方)の出力に基づき、前記電源から前記第一負荷と前記第二負荷への放電を制御する電源ユニット。
(19)
(1)から(16)のいずれか1つに記載の電源ユニットと、
前記エアロゾル源と、
前記香味源と、
前記第一負荷と、
前記素子と、
前記センサと、を備えるエアロゾル吸引器。
(19)によれば、ユーザに提供される香味成分量を吸引毎に安定させることができ、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。
(20)
(17)又は(18)記載の電源ユニットと、
前記エアロゾル源と、
前記香味源と、
前記第一負荷と、
前記第二負荷と、
前記素子と、を備えるエアロゾル吸引器。
(20)によれば、ユーザに提供される香味成分量を吸引毎に安定させることができ、エアロゾル吸引器の商品価値を高めることができる。