JP7322271B1 - ポリウレタン樹脂、透湿性フィルム、及び透湿防水布帛 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(i)ポリオール成分、(ii)鎖伸長剤、及び(iii)ポリイソシアネート成分の反応物であるポリウレタン樹脂である。(i)ポリオール成分が、(i-1)ポリエチレングリコールと、(i-2)ポリエーテルポリオールと、を含み、(ii)鎖伸長剤が、(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールを2種以上含み、(iii)ポリイソシアネート成分が、(iii-1)芳香族ジイソシアネートと、(iii-2)脂肪族ジイソシアネートと、を含み、下記要件(1)等を満たす。
要件(1):(ii)鎖伸長剤が、(ii-3)トリオールをさらに含む。
【選択図】なし
Description
[1](i)ポリオール成分、(ii)鎖伸長剤、及び(iii)ポリイソシアネート成分の反応物であるポリウレタン樹脂であって、前記(i)ポリオール成分が、(i-1)ポリエチレングリコールと、前記(i-1)ポリエチレングリコール以外の(i-2)ポリエーテルポリオールと、を含み、前記(ii)鎖伸長剤が、(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールを2種以上含む、又は、前記(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールと、前記(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオール以外の(ii-2)直鎖状、分岐状、又は環状アルカンジオールと、を含み、前記(iii)ポリイソシアネート成分が、(iii-1)芳香族ジイソシアネートと、(iii-2)脂肪族ジイソシアネートと、を含み、下記要件(1)及び(2)の少なくともいずれかを満たすポリウレタン樹脂。
要件(1):前記(ii)鎖伸長剤が、(ii-3)トリオールをさらに含む。
要件(2):前記(iii)ポリイソシアネート成分が、(iii-3)3官能以上の多官能イソシアネートをさらに含む。
[2]前記(i)ポリオール成分中、前記(i-2)ポリエーテルポリオールの量が、30~70質量%である前記[1]に記載のポリウレタン樹脂。
[3]前記(ii-3)トリオールが、トリメチロールプロパンである前記[1]又は[2]に記載のポリウレタン樹脂。
[4]前記(i)ポリオール成分100質量部に対する、前記(ii-3)トリオールの量が、0.06~0.5質量部である前記[1]~[3]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。
[5]前記(iii-1)芳香族ジイソシアネートに対する、前記(iii-3)多官能イソシアネートの量が、0.1~0.65mol%である前記[1]~[4]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。
[6]前記(i)ポリオール成分、前記(ii)鎖伸長剤、及び前記(iii)ポリイソシアネート成分の少なくともいずれかが、植物由来の化合物である前記[1]~[5]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。
[7]透湿性フィルムの構成材料として用いられる前記[1]~[6]のいずれかに記載のポリウレタン樹脂。
[8]前記[7]に記載のポリウレタン樹脂で形成された透湿性フィルム。
[9]基布と、前記基布の表面上に設けられる表皮層とを備え、前記表皮層が、前記[8]に記載の透湿性フィルムである透湿防水布帛。
[10]前記基布と前記表皮層の間に設けられる接着層をさらに備える前記[9]に記載の透湿防水布帛。
[11]前記基布と前記表皮層の間に設けられるポーラス層をさらに備える前記[9]又は[10]に記載の透湿防水布帛。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明のポリウレタン樹脂の一実施形態は、(i)ポリオール成分、(ii)鎖伸長剤、及び(iii)ポリイソシアネート成分の反応物である、透湿性フィルムを製造するための材料等として好適なポリウレタン樹脂である。以下、本発明のポリウレタン樹脂の詳細について説明する。
(i)ポリオール成分は、(i-1)ポリエチレングリコールと、(i-1)ポリエチレングリコール以外の(i-2)ポリエーテルポリオールと、を含む。なお、(i)ポリオール成分は、(i-1)ポリエチレングリコール及び(i-2)ポリエーテルポリオールのみで実質的に構成されることが好ましい。
(i-1)ポリエチレングリコールは、形成されるフィルムの透湿性に寄与しうる親水性ポリオールである。(i-1)ポリエチレングリコールの数平均分子量(Mn)は、600~10,000であることが好ましく、1,000~7,000であることがさらに好ましい。
(i-2)ポリエーテルポリオールは、形成されるフィルムの機械的物性を向上させる成分である。(i-2)ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)は、650~3,000であることが好ましく、1,000~2,500であることがさらに好ましい。
(ii)鎖伸長剤は、(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールを2種以上含む、又は、(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールと、(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオール以外の(ii-2)直鎖状、分岐状、又は環状アルカンジオールと、を含む。すなわち、アルキレンの炭素数等が異なる2種類以上のアルカンジオールを組み合わせて(ii)鎖伸長剤として用いることによって、1種類のアルカンジオールのみを鎖伸長剤として用いた場合に比して、溶剤系の接着剤を塗布しても収縮等しにくい、いわゆる重ね塗り適性が向上した透湿性フィルムを製造しうるポリウレタン樹脂とすることができる。このような効果が得られる理由については必ずしも明らかではないが、アルキレンの炭素数等が異なる2種類以上のアルカンジオールを組み合わせて用いることによって、ポリウレタン樹脂の分子鎖に適度な「遊び」が生じ、結晶性がやや低下したためであると推測される。
(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、及び1,4-ブタンジオール等を挙げることができる。環境配慮型の樹脂やフィルムとする観点から、(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールは、植物由来の化合物であってもよい。植物由来の化合物である(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールとしては、例えば、植物由来の、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、及び1,4-ブタンジオール等を挙げることができる。また、植物由来の直鎖状アルカンジオールと、石油由来の直鎖状アルカンジオールとを組合せることもできる。
直鎖状アルカンジオールとしては、炭素数5以上の直鎖状アルカンジオールを用いることができる。炭素数5以上の直鎖状アルカンジオールとしては、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、及び1,12-ドデカンジオール等を挙げることができる。
(iii)ポリイソシアネート成分は、1分子中にイソシアネート基(NCO基)を2以上有する化合物であり、(iii-1)芳香族ジイソシアネートと、(iii-2)脂肪族ジイソシアネートと、を含む。
(iii-1)芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’-MDI、2,4’-MDI、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-TDI、m-キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,4-フェニレンジイソシアネート、4-メトキシ-1,3-フェニレンジイソシアネート、4-イソプロピル-1,3-フェニレンジイソシアネート、4-ブトキシ-1,3-フェニレンジイソシアネート、2,4-ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5-ナフタレンジイソシアネート、及びベンジジンジイソシアネート等を挙げることができる。これらのなかでも、MDIが好ましい。
(iii-2)脂肪族ジイソシアネートとしては、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタンジイソシアネート(PDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及び1,10-デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添XDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水添MDI)、及び1-メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート(水添TDI)等の脂環族ジイソシアネート;等を挙げることができる。これらのなかでも、HDI及び植物由来のPDIが好ましい。
本実施形態のポリウレタン樹脂は、下記要件(1)及び(2)の少なくともいずれかを満たす。
要件(1):(ii)鎖伸長剤が、(ii-3)トリオールをさらに含む。
要件(2):(iii)ポリイソシアネート成分が、(iii-3)3官能以上の多官能イソシアネートをさらに含む。
(ii-3)トリオールは、1分子中に水酸基(OH基)を3つ有する3官能ポリオールである。(ii-3)トリオールの分子量(化学式量)は、500以下であることが好ましく、300以下であることがさらに好ましい。(ii-3)トリオールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ヘプタントリオール、及びオクタントリオール等を挙げることができる。これらのなかでも、グリセリン及びトリメチロールプロパンが好ましく、トリメチロールプロパンがさらに好ましい。
(iii-3)多官能イソシアネートは、1分子中にイソシアネート基(NCO基)を3以上有する3官能以上の多官能イソシアネートである。(iii-3)多官能イソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート系、トルエンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系、ペンタメチレンジイソシアネート系及びイソホロンジイソシアネート系;これらのトリメチロールプロパンアダクト体、ビウレット体、及びヌレート体;ポリメリックMDI;末端イソシアネートプレポリマー;等を挙げることができる。また、これらのブロック体のポリイソシアネートを用いることもできる。これらのなかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートのアダクト体、ビウレット体、及びヌレート体が好ましい。
ポリウレタン樹脂は、例えば、(i)ポリオール成分、(ii)鎖伸長剤、及び(iii)ポリイソシアネート成分を、ワンショット法又は多段法により、好ましくは60~150℃、さらに好ましくは60~110℃で反応させることによって製造することができる。反応時には、必要に応じて触媒を併用してもよい。触媒としては、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、スタナスオクトエート、オクチル酸鉛、テトラn-ブチルチタネート等の金属塩や有機金属誘導体;トリエチルアミン等の有機アミン;ジアザビシクロウンデセン系触媒;等を挙げることができる。
本発明の透湿性フィルムの一実施形態は、前述のポリウレタン樹脂で形成された、透湿性及び防水性のフィルムである。すなわち、本実施形態の透湿性フィルムは、前述のポリウレタン樹脂で形成されたフィルムであることから、透湿性に優れているとともに、耐洗濯性、耐アルコール性、重ね塗り適性、耐熱性、耐光性、及び柔軟性に優れている。このため、本実施形態の透湿性フィルムは、透湿防水布帛を構成するための材料として好適である。
図1は、本発明の透湿防水布帛の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の透湿防水布帛100は、基布2と、基布2の表面上に設けられる表皮層4とを備える。そして、表皮層4が、特定のポリウレタン樹脂で形成された前述の透湿性フィルムである。本実施形態の透湿防水布帛100は、耐洗濯性、耐アルコール性、重ね塗り適性、耐熱性、耐光性、及び柔軟性にも優れた、透湿性及び防水性のフィルムを表皮層4としたものである。このため、本実施形態の透湿防水布帛100は、透湿性及び防水性に優れているとともに、耐洗濯性、耐アルコール性、耐熱性、耐光性、及び柔軟性にも優れている。
(実施例1)
撹拌機及び温度計を装着したガラス製の反応容器中に、(i)ポリオール成分及び(ii)鎖伸長剤として、ポリエチレングリコール2000(数平均分子量:2,000)17.9部、ポリテトラメチレングリコール2000(数平均分子量:2,000)41.7部、エチレングリコール3.6部、1,4-ブタンジオール5.2部、及びトリメチロールプロパン0.2部を入れた。その後、ジメチルホルムアミド(DMF)163.9部及びメチルエチルケトン(MEK)70.2部を添加し、50℃で30分間撹拌した。次いで、(iii)ポリイソシアネート成分として、ヘキサメチレンジイソシアネート10.0部、及びジフェニルメタンジイソシアネート21.9部を添加し、80℃で3時間反応させて、ポリウレタン樹脂を含有する溶液を得た。得られた溶液の固形分は30.0%であり、25℃における粘度は1,000dPa・sであった。
表1-1~1-4の上段に示す配合(単位:部)としたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂を含有する溶液を得た。得られた溶液の固形分は、いずれも30.0%であった。また、用いた材料の詳細を表2~4に示す。
(標準布帛)
(1)透湿性フィルムの製造
溶剤系ウレタン樹脂(商品名「ハイムレンY-286FM」、大日精化工業社製)100部、DMF10部、及びMEK5部を混合して、表皮層用の配合液を得た。クリアランスコーターを用いて、得られた表皮層用の配合液を離型紙上に50μm・wetの塗布量で均一に塗工した。80℃で2分間乾燥させた後、120℃で3分間さらに乾燥させて、膜厚10~15μmである透湿性フィルム(表皮層)を得た。
溶剤系ウレタン樹脂(商品名「Y-173」、大日精化工業社製)100部、溶剤系ポリイソシアネート架橋剤A(商品名「レザミンNE-架橋剤」、大日精化工業社製)10部、溶剤系ポリイソシアネート架橋剤B(商品名「レザミンUD-架橋剤」、大日精化工業社製)1部、DMF20部、及びMEK40部を混合して接着層用の配合液を得た。得られた接着層用の配合液を表皮層(透湿性フィルム)上に塗布及び乾燥して接着層を形成した。形成した接着層上に基布(ナイロンタフタ)を積層し、ラミネート温度40℃で加温圧着した。その後、50℃で48時間熟成させて、透湿防水性の標準布帛を得た。
表皮層用の配合液に代えて、製造したポリウレタン樹脂を含有する溶液をそれぞれ用いたこと以外は、前述の標準布帛の場合と同様にして、評価用布帛を得た。
以下に示す各評価の評価基準のうち、「◎」、「○」、及び「△」を合格とし、「×」を不合格とした。評価結果を表5に示す。
製造した標準布帛及び評価用布帛をそれぞれ手で触った感触を比較し、以下に示す評価基準にしたがって風合い(柔軟性)を評価した。
◎:評価用布帛は標準布帛よりも柔らかかった。
○:評価用布帛は標準布帛と同等程度に柔らかかった。
×:評価用布帛は標準布帛よりも固かった。
表皮層と基布を接着する際に、接着層用の配合液を塗布した直後及び乾燥後の表皮層の状態を目視にて確認し、以下に示す評価基準にしたがって重ね塗り適性を評価した。なお、比較例4については、接着層用の配合液を塗布した直後に表皮層(フィルム)が溶解してしまったため、重ね塗り適性を評価することができなかった。
○:スエリングがなかった。
△:軽微なスエリングがあった。
×:全面にスエリングがあった、又は表皮層が溶解した。
製造したポリウレタン樹脂の溶液をそれぞれ離型紙に塗布した後、80℃で2分間及び120℃で3分間乾燥した。乾燥後に離型紙から剥離して、厚さ50μm、幅1.5cm、長さ6cmの半透明フィルムを得た。オートグラフ(商品名「AGS-J」、島津製作所社製)を使用し、温度25℃、湿度30%RH以下の条件下、200mm/minの速度で得られた半透明フィルムを引っ張り、20%モジュラス(MPa)及び100%モジュラス(MPa)をそれぞれ測定した。
上述の「フィルム物性」で作製した半透明フィルム(厚さ50μm、幅1.5cm、長さ6cm)を試験片とした。図3に示すように、フィルム10の上下にクリップ12を取り付け、セロハンテープでさらにクリップ12を固定した。一方のクリップ12に吊り下げたときに450g/cm2の荷重がかかるような重り14を取り付けて試料16を作製した。なお、フィルム10の中央部(2cm)はセロハンテープで覆われていない。次いで、図4に示すように、試料16の重り14が取り付けられていないクリップ12をギアオーブン20の回転盤22に取り付けた。その後、回転盤22を5rpmで回転させながら、室温から3℃/minの速度でギアオーブン20内を昇温し、フィルム10が切断したときの温度(熱軟化点(℃))を測定した。
製造したポリウレタン樹脂の溶液をそれぞれ離型紙に塗布した後、80℃で2分間及び120℃で3分間乾燥した。乾燥後に離型紙から剥離して、厚さ50μm、幅5cm、長さ5cmのフィルムを得た。得られたフィルムをエタノールに10分間浸漬した後に取り出した。取り出したフィルムの線膨潤率(={(浸漬後のフィルムの幅)/(浸漬前のフィルムの幅)}×100(%))を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐溶剤性を評価した。
○:フィルムの1辺の線膨潤率が200%未満であった。
△:フィルムの1辺の線膨潤率が200%以上であった。
×:フィルムが溶解した。
製造したポリウレタン樹脂の溶液をそれぞれ離型紙上に塗布した後、80℃で2分間及び120℃で3分間乾燥した。乾燥後に離型紙から剥離して、厚さ50μm、幅8cm、長さ15cmのフィルムを得た。キセノンウェザオメーターを使用して、得られたフィルムについて、70±3℃、照射エネルギー:20MJの条件で耐光促進試験を実施した。引張試験装置を使用して、25℃、引張速度:200mm/minの条件で耐光促進試験前後のフィルムの破断強度をそれぞれ測定し、以下に示す評価基準にしたがって耐光性を評価した。
○:破断強度の保持率が50%以上であった。
△:破断強度の保持率が25%以上50%未満であった。
×:破断強度の保持率が25%未満であった、又はフィルムが溶解した。
JIS L 1099:2012の「酢酸カルシウム法(B-1法)」に準拠した方法により、評価用布帛の透湿度(g/m2・24h)を測定した。なお、透湿度が40,000g/m2・24h以上であった場合を「○」、20,000g/m2・24h以上40,000g/m2・24h未満であった場合を「△」、20,000g/m2・24h未満であった場合を「×」と評価することができる。なお、(ii)鎖伸長剤を用いずに製造した比較例5のポリウレタン樹脂を含有する溶液で形成したフィルムは極めて柔らかく、測定中に破れてしまったため、透湿度を測定することができなかった。
評価用布帛について、JIS L 1930:2014の「C形基準洗濯機(パラセータ式)」に準拠した洗濯、及び「乾燥C法(平干し乾燥)」に準拠した乾燥を交互に合計20回繰り返した。そして、JIS L 1092:2009の「B法(高水圧法)」に準拠した方法により、洗濯・乾燥前後の評価用布帛の耐水圧を測定し、以下に示す評価基準にしたがって耐洗濯性を評価した。
◎:耐水圧の保持率が80%以上であった。
○:耐水圧の保持率が70%以上80%未満であった。
×:耐水圧の保持率が70%未満であった。
4:表皮層
6:ポーラス層
8:接着層
10:フィルム
12:クリップ
14:重り
16:試料
20:ギアオーブン
22:回転盤
100,200:透湿防水布帛
Claims (11)
- (i)ポリオール成分、(ii)鎖伸長剤、及び(iii)ポリイソシアネート成分の反応物であるポリウレタン樹脂であって、
前記(i)ポリオール成分が、(i-1)ポリエチレングリコールと、前記(i-1)ポリエチレングリコール以外の(i-2)ポリエーテルポリオールと、を含み、
前記(ii)鎖伸長剤が、(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールを2種以上含む、又は、
前記(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオールと、前記(ii-1)炭素数2~4の直鎖状アルカンジオール以外の(ii-2)直鎖状、分岐状、又は環状アルカンジオールと、を含み、
前記(iii)ポリイソシアネート成分が、(iii-1)芳香族ジイソシアネートと、(iii-2)脂肪族ジイソシアネートと、を含み、
前記(iii-1)芳香族ジイソシアネートが、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートであり、
前記(iii-1)芳香族ジイソシアネートと、前記(iii-2)脂肪族ジイソシアネートとの質量比が、30:70~85:15であり、
下記要件(1)及び(2)の少なくともいずれかを満たすポリウレタン樹脂。
要件(1):前記(ii)鎖伸長剤が、(ii-3)トリオールをさらに含む。
要件(2):前記(iii)ポリイソシアネート成分が、(iii-3)3官能以上の多官能イソシアネートをさらに含む。 - 前記(i)ポリオール成分中、前記(i-2)ポリエーテルポリオールの量が、30~70質量%である請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
- 前記(ii-3)トリオールが、トリメチロールプロパンである請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
- 前記(i)ポリオール成分100質量部に対する、前記(ii-3)トリオールの量が、0.06~0.5質量部である請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
- 前記(iii-1)芳香族ジイソシアネートに対する、前記(iii-3)多官能イソシアネートの量が、0.1~0.65mol%である請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
- 前記(i)ポリオール成分、前記(ii)鎖伸長剤、及び前記(iii)ポリイソシアネート成分の少なくともいずれかが、植物由来の化合物である請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
- 透湿性フィルムの構成材料として用いられる請求項1~6のいずれか一項に記載のポリウレタン樹脂。
- 請求項7に記載のポリウレタン樹脂で形成された透湿性フィルム。
- 基布と、前記基布の表面上に設けられる表皮層とを備え、
前記表皮層が、請求項8に記載の透湿性フィルムである透湿防水布帛。 - 前記基布と前記表皮層の間に設けられる接着層をさらに備える請求項9に記載の透湿防水布帛。
- 前記基布と前記表皮層の間に設けられるポーラス層をさらに備える請求項9に記載の透湿防水布帛。
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