JP7394025B2 - 電気・電子機器用部品 - Google Patents
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Description
これら溶接で接合される場合、溶接部は、高温に加熱されることにより一度溶融させた後に再凝固させることによって形成されるため、板材に焼きなましをした場合と同様、軟質化して、板材自体の強度よりも軟質化して強度が低くなるという問題がある。強度が低くなると、変形しやすくなる。
しかしながら、特許文献1の技術では、析出硬化型銅合金を用いる必要があり、非析出型銅合金や、純銅には適用できないという問題がある。また、特許文献1の技術では、時効処理を行う必要があり、工程数増加に伴う生産性の低下が生じるという問題がある。
このため、析出硬化型銅合金を用い時効処理して析出硬化させる方法以外の方法によって、溶接部の強度を高くすることが望まれる。
(1)90質量%以上のCuを含有する複数の板材で構成され、前記複数の板材同士を、互いに突き合わせた状態又は重ね合わせた状態で溶接により線状又は点状に接合して一体化する溶接部を有し、前記溶接部は、前記板材の厚さ全体に亘って延在し、接合された前記複数の板材が延在する方向に前記溶接部を切断したときの断面において、前記溶接部の溶接幅と前記板材の厚さとで区画される長方形の領域にて、SEM-EBSD法の結晶方位解析データから得られるGAM値を測定したとき、前記GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒は、測定面積に存在する全ての結晶粒に対する面積割合が20%以上であり、かつ、前記測定面積に存在する前記全ての結晶粒から求めた平均結晶粒径は、前記複数の板材のうち、薄い方の板材の厚さと同等以下の寸法である、電気・電子機器用部品。
(2)前記板材が、Ag、Fe、Ni、Co、Si、Cr、Sn、Zn、MgおよびPからなる群より選択される1種以上の元素を含む、上記(1)に記載の電気・電子機器用部品。
(3)前記GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒は、前記測定面積に存在する全ての結晶粒に対する面積割合が42%以上であり、かつ前記平均結晶粒径は、前記板材の厚さの60%以下の寸法である、上記(2)に記載の電気・電子機器用部品。
(4)前記板材が、99.96質量%以上のCuおよび不可避不純物である、上記(1)に記載の電気・電子機器用部品。
(5)前記電気・電子機器用部品がベーパーチャンバである、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の電気・電子機器用部品。
(6)前記電気・電子機器用部品がバスバーである、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の電気・電子機器用部品。
板材がCu合金の場合には、板材は、合金成分としてAg、Fe、Ni、Co、Si、Cr、Sn、Zn、Mg、Pから選ばれる1種から2種以上の元素を含み残部のCuが90質量%以上である成分組成を有することが好ましい。Cu合金は、析出硬化型Cu合金でも、非析出硬化型Cu合金でもよい。板材がCu合金の場合、板材のビッカース硬さHVは、添加する合金成分の種類や添加量によっても異なるため、特に限定はしないが、例えば、一般的には75以上240以下である。
図3は、突き合わせた2枚のCu板材1、2をレーザ溶接したCu接合体10のレーザを照射した側とは反対側の表面状態を観察したときの光学顕微鏡写真であり、図2の裏面の表面状態を観察したときの光学顕微鏡写真である。
図2及び図3に示すように、溶接部3は、板材1、2の厚さ全体に亘って延在しているため、レーザ溶接の痕は、Cu接合体10のレーザを照射した側の表面(表)とレーザを照射した側とは反対側の表面(裏)に現れる。そして、図2及び図3に示すように、レーザを照射した側の表面のレーザ溶接の痕の幅は、レーザを照射した側とは反対側の表面のレーザ溶接の痕よりも広くなる。このレーザを照射した側の表面のレーザ溶接の痕の幅を本発明における溶接幅と規定し、また点線状の断面観察位置で切断し、断面組織の観察を行った。
図4は、Cu板材をレーザ溶接してCu接合体を形成したときの断面状態を示す光学顕微鏡写真である。図4に示すように、レーザが照射されて溶融し、再度凝固した溶接部の、レーザが照射された側の表面の幅が溶接幅に相当する。図4に示す断面図からも、溶接幅を認めることができる。
本発明において、測定領域は、上記断面A、A1、A2の表面について、電解研磨で鏡面仕上げされた表面において、溶接部の溶接幅と板材の厚さとで区画される長方形の領域全体である。所定範囲内のGAM値の結晶粒の面積割合は、0°以上0.25°未満のGAM値を第1区分とし、0.25°刻みで15区分、0°以上3.75°未満までのGAM値を測定対象とし、SEM-EBSD法で得られるSEM画像全体に占める各区分の結晶粒の面積割合の合計から算出することができる。
本発明では、このようにして求めた平均結晶粒径が、接合された複数のCu板材のうち、薄い方の板材の厚さと同等以下の寸法である。
しかしながら、後述する実施例に示すように、90質量%以上のCuを含有する組成の板材を用い、レーザ溶接条件を制御することにより、溶接部の組織であるGAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒の面積割合および平均結晶粒径を制御することができ、溶接部の軟質化による強度低下を抑制できる。
このため、本実施形態では、溶接部のビッカース硬さを高くすることができ、溶接部のビッカース硬さを60以上、さらには100以上にすることができる。本発明における溶接部はビッカース硬さが高いため、強度が高く耐変形性に優れた電気・電子機器用部品を提供することができる。ビッカース硬さと強度には比例関係があるため、ビッカース硬さを高くすることにより、強度を高くすることができる。なお、特許文献1のように時効処理を行う場合、硬化型銅合金を用いない限りは、溶接部を含むCu接合体全体が加熱されて軟化する傾向があることから、溶接部のビッカース硬さ60以上、さらには100以上を維持することは難しいと考えられる。
本発明の電気・電子機器用部品を構成する板材は、90質量%以上のCuを含有する板材であればよく、Cu合金でも純Cuでもいずれでもよい。
(1)板材がCu合金である場合
板材は、Ag、Fe、Ni、Co、Si、Cr、Sn、Zn、MgおよびPからなる群より選択される1種以上の元素を含むことが好ましい。
Ag(銀)は、電気的特性を損ねることなく機械的特性を向上させる作用を有する成分であり、かかる作用を発揮させる場合には、Ag含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。また、Ag含有量の上限については特に設ける必要はないが、Agは高価であるため、材料コストの観点から、Ag含有量の上限を5.0質量%とすることが好ましい。
Fe(鉄)は、機械的特性を向上する作用を有する成分である。かかる作用を発揮させる場合には、Fe含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。しかしながら、Feを0.50質量%より多く含有させても、それ以上の向上効果が期待できず、さらに耐食性低下の懸念が生じる。このため、Fe含有量は、0.05~0.50質量%とすることが好ましい。
Ni(ニッケル)は、Cuの母相(マトリクス)中に、単体またはSiとの化合物からなる第二相粒子の析出物として、例えば50~500nm程度の大きさで微細析出し、この析出物が転位移動を抑制することにより析出硬化させ、さらに、粒成長が抑制されて結晶粒の微細化によって材料強度を上昇させる作用を有する成分である。かかる作用を発揮させる場合には、Ni含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Ni含有量が5.00質量%を超えると、導電率や熱伝導率の低下が顕著になることから、Ni含有量の上限は5.00質量%とすることが好ましい。
Co(コバルト)は、Cuの母相(マトリクス)中に、単体またはSiとの化合物からなる第二相粒子の析出物として、例えば50~500nm程度の大きさで微細析出し、この析出物が転位移動を抑制することにより析出硬化させ、さらに、粒成長が抑制されて結晶粒の微細化によって材料強度を上昇させる作用を有する成分である。かかる作用を発揮させる場合には、Co含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Co含有量が2.00量%を超えると、導電率や熱伝導率の低下が顕著になることから、Co含有量の上限は2.00質量%以下にすることが好ましい。
Si(珪素)は、Cuの母相(マトリクス)中に、NiやCoなどとともに化合物からなる第二相粒子の析出物として微細析出し、この析出物が転位移動を抑制することにより析出硬化させ、さらに、粒成長が抑制されて結晶粒の微細化によって材料強度を上昇させる作用を有する重要な成分である。かかる作用を発揮させる場合には、Si含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が1.10質量%を超えると、導電率や熱伝導率の低下が顕著になることから、Si含有量の上限は1.10質量%にすることが好ましい。
Cr(クロム)は、Cuの母相(マトリクス)中に、化合物や単体として、例えば10~500nm程度の大きさの析出物の形で微細析出し、この析出物が転位移動を抑制することにより析出硬化させ、さらに、粒成長が抑制されて結晶粒の微細化によって材料強度を上昇させる作用を有する成分である。この作用を発揮させる場合には、Cr含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。また、Cr含有量が0.50質量%を超えると、導電率および熱伝導率の低下が顕著になることから、Cr含有量は、0.05~0.50質量%とすることが好ましい。
Sn(錫)は、Cuの母相(マトリクス)中に固溶し、Cu合金の強度向上に寄与する成分であり、Sn含有量は0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Sn含有量が9.50質量%を超えると脆化が生じやすくなる。このため、Sn含有量は0.05~9.50質量%とすることが好ましい。また、Snの含有は、導電率および熱伝導率を低下させる傾向があることから、導電率及び熱伝導率の低下を抑制する場合には、Sn含有量を0.05~0.50質量%とするのがより好ましい。
Zn(亜鉛)は、Snめっきやはんだめっきの密着性やマイグレーション特性を改善する作用を有する成分である。かかる作用を発揮させる場合には、Zn含有量を0.05質量%以上とすることが好ましい。一方、Zn含有量が0.50質量%を超えると、溶接時に亜鉛の蒸気量が増え、溶接部に欠陥が生じる恐れがある。このため、Zn含有量は、0.05~0.50質量%とすることが好ましい。
Mg(マグネシウム)は、機械的特性を向上させる作用を有する成分である。かかる作用を発揮させる場合には、Mg含有量を0.01質量%以上とすることが好ましい。一方、Mg含有量が0.50質量%を超えると、導電率や熱伝導率が低下する傾向がある。このため、Mg含有量は、0.01~0.50質量%とすることが好ましい。
P(リン)はCu合金の脱酸材として寄与するだけでなく、FeやNiなどと化合物として20~500nm程度の大きさの析出物の形で微細析出し、この析出物が転位移動を抑制することにより析出硬化させ、さらに、粒成長が抑制されて結晶粒の微細化によって材料強度を上昇させることができる。かかる作用を発揮させるためにはP含有量を0.01質量%以上とすることが好ましい。一方、P含有量が0.50質量%を超えると、溶接後の凝固部で割れが生じやすくなる傾向がある。このため、P含有量は、0.01~0.50質量%とする。
板材は、99.96%以上のCuかつ、不可避不純物として、たとえばCd、Mg、Pb、Sn、Cr、Bi、Se、Teが合計5ppm以下かつ、Ag、Oがそれぞれ400ppm以下である成分組成を有する純Cuであることが好ましい。
本発明の一実施形態である電気・電子機器用部品の製造方法は、90質量%以上のCuを含有する複数の板材同士を、互いに突き合わせた状態又は重ね合わせた状態にセットした後に、接合する箇所を、400~1200nmの波長を有し且つ異なるスポット径を持つ複数のレーザ光を照射すると共に、溶融部に非酸化性ガスを主成分するガスを噴射しながら溶接することで、複数の板材同士を線状に接合して一体化する溶接工程を含む。
2つのレーザ光を照射する場合について説明したが、400~1200nmの波長を有し且つ異なるスポット径を持つ3つ以上のレーザ光であって、上述のスポット(照射範囲)及びスポット径の関係を満たす3つ以上のレーザ光を照射してもよい。
レーザ溶接法は、指向性や集中性の良い波長の光をレンズで集め、きわめて高いエネルギー密度のレーザ光を熱源とする溶接方法である。レーザ光の出力を調整することで、深さに対して幅の狭い溶込み溶接も可能である。また、レーザ光は、アーク溶接のアークに比べてきわめて小さく絞り込むことができる。集光レンズにより高密度化されたエネルギーで、レーザ溶接装置は局所の溶接や融点の異なる材料の接合が可能である。溶接による熱影響が少なく溶接の模様は細く、加工反力も発生しないため、微細な溶接にも向いている。
図6は、レーザ溶接装置の概略構成の一例を示す図である。レーザ溶接装置20は、レーザ制御部21、発振器221、222、レーザヘッド29、加工台(図示せず)およびガス供給ノズル30を備えている。加工台上に、被加工材であるCu板材111,112を突き合せた状態又は重ね合わせた状態にして配置する。レーザ制御部21は、レーザ光を発振するレーザ発振器221、222、図示しないスキャナ、レーザヘッド29、加工台等の制御を行う。制御部21は、例えば、図示しないX軸モータ及びY軸モータの回転を制御することによって、被加工材であるCu板材111、112の進路方向を制御する。また、制御部21は、レーザ光231、232を移動させ制御するものであってもよい。これは、被加工材の大きさによって適宜選択することができる。制御部21は、発振器221、222から発振される複数の第1及び第2レーザ光231、232を発振する。発振した第1及び第2レーザ光231、232は、グラスファイバー25を通して、レーザヘッド29内のそれぞれの第1及び第2集光レンズ261、262によって平行な光に集められる。この第1及び第2レーザ光231、232を第1及び第2ミラー271、272で加工台の方向に変更し、この第1及び第2レーザ光231、232を、集束レンズ28を通してCu板材111、112の接合すべき位置に集束させて照射することで、溶接を実施する。このとき、ガス供給ノズル30から、非酸化性ガスを主成分とするガスを供給する。
図7は、レーザ溶接装置のレーザ光のスポット径を示す図である。400~500nmの波長をもつ第1レーザ光231と、800~1200nmの波長をもつ第2レーザ光232とを照射する場合、図7に示すように、第1レーザ光231のスポット径が第2レーザ光232のスポット径よりも大きく、且つ、第2レーザ光232のスポット(照射範囲)が、第1レーザ光231のスポットに含まれる。また、第1レーザ光のスポット径Φmaxと第2レーザ光のスポット径Φminとの比Φmin/Φmaxは、0.25~0.75の範囲内である。図7においては、第1レーザ光231と第2レーザ光232が板材表面で同心円となって重なるように照射した例を示している。波長が400~500nmである第1レーザ光のスポット径は例えば150~650μmであり、波長が800~1200nmである第2レーザ光のスポット径は例えば20~60μmである。
本発明の電気・電子機器用部品は、半導体装置、LSI、あるいはこれらを利用した多くの電子機器で使用することが考えられる、さらに、例えば、特に小型化、高集積化の必要がある、家庭用ゲーム機、医療機器、ワークステーション、サーバー、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、携帯電話、ロボットのコネクタ、バッテリー端子、ジャック、リレー、スイッチ、オートフォーカスカメラモジュール、リードフレーム等の電気・電子機器への利用が可能である。
本発明の電気・電子機器用部品は、優れた熱伝導性を有する純CuやCu合金からなり、且つ強度が高く耐変形性に優れるため、ヒートパイプや、ベーパーチャンバに適用することが好ましい。
また、本発明の電気・電子機器用部品は、優れた熱伝導性を有する純CuやCu合金からなり、且つ強度が高く耐変形性に優れるため、バスバーとして好適である。バスバーは、電気的に接続する電気経路、また、放熱のための輸送経路としても適用することができ、特に、発熱部分からバスバーをつないで放熱部分又は外部まで経路を設けることで冷却装置としても適用できる。
実施例1~10および比較例1~17では、表1に記載の成分組成を持つCu合金からなる板材を厚さ0.15mm、幅20mm、長さ1000mmに2枚切り出した。切り出した2枚の板材について、長さ方向に延在する端面同士を互いに接近させる方向に移動させて、図1(a)に示すような突き合せ状態に配置した。そして、波長が400~500nm及びスポット径(以下、「ビーム径」と記すことがある。)Φmaxが150~660μmである第1レーザ光と、波長が800~1200nm及びスポット径Φminが25~40μmである第2レーザ光とを、図7に示すようなスポット径の位置関係を維持しながら、50mm/秒で掃引しながら照射することで、レーザ溶接した。レーザ条件を、表1及び表2に示す。レーザ溶接は、溶融部に、非酸化性ガスを含むガスを供給しながら行った。非酸化性ガスを含むガスとして、99.9995Vol%N2を使用した。
また、実施例11~20および比較例18~27では、突合せ配置することに代えて、図1(b)に示す重ね合わせ配置にして実施例1と同様な条件でレーザ溶接を行った。
ビッカース硬さHVは、JIS Z2244(2009)に規定の方法に準拠して測定した。このときの荷重(試験力)は20~100gfの間から、圧痕の対角線長さが0.03mmを超えない範囲で選択して試験した。なお、圧子の圧下時間(押し込み時間)は15secである。
板材を突き合せた実施例および比較例では、図1(a)に示すように、溶接方向をX軸方向、溶接方向に対して垂直な方向をY軸方向、板材法線方向をZ軸方向とした時、このY軸方向に溶接部を切断したときの断面Aに存在する溶接部の板材の厚さaの半分の寸法に相当する位置bにおいて、ビッカース硬さを測定した。溶接方向(X軸方向)に1mmの間隔で切断した5つの断面A(YZ面)において測定し、それらの測定結果の平均値として求めた。
また、板材を重ね合わせた実施例および比較例では、図1(b)に示すように、Y軸方向に溶接部を切断したときの断面A1に存在する溶接部の板材の厚さa1の半分の寸法に相当する位置b1、および、Y軸方向に溶接部を切断したときの断面A2に存在する溶接部の板材の厚さa2の半分の寸法に相当する位置b2において、ビッカース硬さを測定した。溶接方向(X軸方向)に1mmの間隔で切断したそれぞれ5つの断面A1、A2(YZ面)において測定し、それらの測定結果の平均値として求めた。
GAM値は、高分解能走査型分析電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM-7001FA)に付属するEBSD検出器を用いて連続して測定した結晶方位データから解析ソフト(TSL社製、OIM Analysis)を用いて算出した結晶方位解析データから得た。測定は、400μm×800μmの視野領域において、ステップサイズ0.1μmで行った。測定領域は、上記断面A、A1、A2の表面について、電解研磨で鏡面仕上げされた表面において、溶接部の溶接幅と板材の厚さとで区画される長方形の領域全体である。
所定範囲内のGAM値の結晶粒の面積割合は、0°以上0.25°未満のGAM値を第1区分とし、0.25°刻みで15区分、0°以上3.75°未満までのGAM値を測定対象とし、SEM-EBSD法で得られるSEM画像全体に占める各区分の結晶粒の面積割合の合計から算出した。なお、2ピクセル以上からなる結晶粒を解析の対象とする。
板材を重ね合わせた場合は、2枚の板材それぞれについて測定された、GAM値の結晶粒の面積割合の平均値を求め、この平均値を表に記載した。
上記ビッカース硬さおよびGAM値の測定において用いた上記断面A、A1、A2について、15°以上の方位差を結晶粒界と定義し、結晶粒界を描写した図を作成した。その図から、板厚方向と板厚方向に垂直な方向とに対し、それぞれJISH0501-1986に規定されている結晶粒度の測定方法(切断法)に基づいて、結晶粒径を測定した。測定された板厚方向の結晶粒径および板厚方向に垂直な方向の結晶粒径の平均値を、平均結晶粒径とした。
一方、上記特定の溶接条件を満たさなかった比較例1~27は、内部酸化が過剰になり脆化が生じ損傷が大きい(比較例1)、接合しない(比較例13)、溶断(比較例14)となり、溶接できないか、または、溶接はできたが、GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒の面積割合が20%以上でかつ平均結晶粒径が板材の板厚と同等以下の寸法であることを満たさなかった。このため、溶接部のビッカース硬さは60未満であった。
実施例21~24および比較例28~33は、表3に記載の成分組成を持つ純Cuからなる2枚の板材を用い、表3に記載した溶接条件で溶接したことの他は、実施例1(突き合わせ溶接)と同様にした。
実施例25および比較例34では、表4に記載の成分組成を持つ純Cuからなる2枚の板材を用い、表4に記載した溶接条件で溶接したことの他は、実施例11(重ね合わせ溶接)と同様にした。
一方、上記特定の溶接条件を満たさなかった比較例28~34は、接合せず溶接できないか(比較例33)、または、溶接はできたが、GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒の面積割合が20%以上でかつ平均結晶粒径が板材の板厚と同等以下の寸法であることを満たさなかった。このため、溶接部のビッカース硬さは60未満であった。
実施例26~28および比較例35~38では、表5に記載の成分組成を持つCu合金からなる板材を用い、表5に記載した溶接条件で溶接したことの他は、実施例1と同様にした。結果を表5に示す。
一方、上記特定の溶接条件を満たさなかった比較例35~38は、GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒の面積割合が20%以上でかつ平均結晶粒径が板材の板厚と同等以下の寸法であることを満たさなかった。このため、溶接部のビッカース硬さは60未満であった。
実施例29~30および比較例39~41では、表6に記載の成分組成を持つ純Cuからなる板材を用い、表6に記載した溶接条件で溶接したことの他は、実施例1と同様にした。結果を表6に示す。
一方、上記特定の溶接条件を満たさなかった比較例39~41は、GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒の面積割合が20%以上でかつ平均結晶粒径が板材の板厚と同等以下の寸法であることを満たさなかった。このため、溶接部のビッカース硬さは60未満であった。
実施例31および比較例42~44では、表7に記載の成分組成を持つ純Cuからなる板材とCu合金からなる板材を用い、表7に記載した溶接条件で溶接したことの他は、実施例1と同様にした。結果を表7に示す。
一方、上記特定の溶接条件を満たさなかった比較例42~44は、GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒の面積割合が20%以上でかつ平均結晶粒径が板材の板厚と同等以下の寸法であることを満たさなかった。このため、溶接部のビッカース硬さは60未満であった。
3、3A、3B、3C 溶接部
10、10A、10B、10C 接合体
20 レーザ溶接装置
21 レーザ制御部
25 グラスファイバー
26 集光レンズ
28 集束レンズ
29 レーザヘッド
30 ガス供給ノズル
221,222 レーザ発振器
231 第1レーザ光
232 第2レーザ光
261 第1集光レンズ
262 第2集光レンズ
271 第1ミラー
272 第2ミラー
Claims (6)
- 90質量%以上のCuを含有する複数の板材で構成され、
前記複数の板材同士を、互いに突き合わせた状態又は重ね合わせた状態で溶接により線状又は点状に接合して一体化する溶接部を有し、
前記溶接部は、前記板材の厚さ全体に亘って延在し、
接合された前記複数の板材が延在する方向に前記溶接部を切断したときの断面において、
前記溶接部の溶接幅と前記板材の厚さとで区画される長方形の領域にて、SEM-EBSD法の結晶方位解析データから得られるGAM値を測定したとき、前記GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒は、測定面積に存在する全ての結晶粒に対する面積割合が20%以上であり、かつ、
前記測定面積に存在する前記全ての結晶粒から求めた平均結晶粒径は、前記複数の板材のうち、薄い方の板材の厚さと同等以下の寸法である、電気・電子機器用部品。 - 前記板材が、Ag、Fe、Ni、Co、Si、Cr、Sn、Zn、MgおよびPからなる群より選択される1種以上の元素を含む、請求項1に記載の電気・電子機器用部品。
- 前記GAM値が0.5°以上2.0°未満である結晶粒は、前記測定面積に存在する全ての結晶粒に対する面積割合が42%以上であり、かつ前記平均結晶粒径は、薄い方の板材の厚さの60%以下の寸法である、請求項2に記載の電気・電子機器用部品。
- 前記板材が、99.96質量%以上のCuおよび不可避不純物である、請求項1に記載の電気・電子機器用部品。
- 前記電気・電子機器用部品がベーパーチャンバである、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気・電子機器用部品。
- 前記電気・電子機器用部品がバスバーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気・電子機器用部品。
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