(詳細な説明)
一般に、本発明は、白血球免疫グロブリン様受容体B2(LILRB2)に対する抗体、例えば、疾患(例えば、がん)を治療するために有用な抗体を特徴とする。この発明は、同時に、(1)LILRB2に対して特異的な(他のLILRA及びLILRBファミリーメンバーに結合しないという意味で)、(2)マクロファージにおいてHLA-G及び/またはHLA-A2のLILRB2への結合を遮断することができる、及び(3)接触されたマクロファージにおいて炎症促進性表現型を促進することができる、抗体を生成することが可能であるという発見に一部基づく。実際に、本出願は、そのような抗体の3つの独立したファミリーの特定を開示し、上記の特性を有する抗体が腫瘍関連マクロファージを誘導して抗がん特性を示すことができることを開示する。これらの特性、ならびにヒトの生理機能に関連した動物モデルにおける好ましい薬物動態及び安全特性に一部基づいて、開示される抗体は、ヒトにおける治療的使用のための候補である。
LILRB2(例えば、ヒトLILRB2)に特異的に結合する抗体が提供される。LILRB2(例えば、ヒトLILRB2)に結合する抗体を形成することができる抗体重鎖及び軽鎖も提供される。加えて、1つ以上の特定の相補性決定領域(CDR)を含む抗体、重鎖、及び軽鎖が提供される。また、LILRB2(例えば、ヒトLILRB2)との結合について、本明細書に説明される抗体のいずれかと交差競合する抗体も提供される。いくつかの態様では、本発明は、LILRB2(例えば、ヒトLILRB2)と特異的に結合し、HLA-G及び/またはHLA-A2のヒトLILRB2との結合を遮断する、抗体を提供する。また、LILRB2(例えば、ヒトLILRB2)と特異的に結合し、M2様マクロファージをM1様マクロファージに変換することが可能である抗体も提供される。LILRB2(例えば、本明細書に提供されるLILRB2抗体のいずれか)に対する抗体をコードするポリヌクレオチドが提供される。また、抗体のその重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドも提供される。また、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを含有する宿主細胞も提供される。さらに、本明細書に提供される抗体またはポリヌクレオチドのいずれかを含む医薬組成物が提供される。LILRB2に対する抗体を使用する治療方法が提供される。このような方法としては、がんを治療する方法が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される節の見出しは、構成目的のみのためであり、説明される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
特許出願、特許公報、及びGenbank受託番号を含む、本明細書に引用される全ての参考文献は、各個々の参考文献が参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で説明または言及される技術及び手法は、当業者によって概してよく理解され、従来の方法論を使用して一般に用いられており、そのような広く利用されている方法学は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3rd.edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003))、the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,and Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1987))、Oligonucleotide Synthesis (M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press、Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons、Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction(Mullis et al.,eds.,1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)、Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989)、Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、及びCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,1993)、ならびにそれらの最新版において説明されている。
I.定義
別途定義されない限り、本開示に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上別途要求されない限り、または明らかに指定されない限り、単数形の用語は、複数形の用語を含むものとし、複数形の用語は単数形の用語を含むものとする。様々な出典または参考文献間の定義におけるあらゆる矛盾に対し、本明細書で提供される定義が優先される。
本明細書に説明される発明の実施形態は、実施形態「からなる」及び/または「から本質的になる」を含むことが理解される。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途指定されない限り、複数の対象を含む。本明細書における用語「または」の使用は、選択肢が相互に排他的であることを意味するものではない。
本出願では、「または」の使用は、明白に記述されない限り、または当業者によって理解されない限り、「及び/または」を意味する。多項従属請求項の文脈では、「または」の使用は、複数の先行する独立または従属請求項を参照する。
用語「核酸分子」、「核酸」、及び「ポリヌクレオチド」は、互換的に使用されてもよく、ヌクレオチドのポリマーを指す。このようなヌクレオチドのポリマーは、天然及び/または非天然のヌクレオチドを含有してもよく、DNA、RNA、及びPNAを含むが、これらに限定されない。「核酸配列」は、核酸分子またはポリヌクレオチドを含むヌクレオチドの直鎖配列を指す。
「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され、アミノ酸残基のポリマーを指し、最小長に限定されない。このようなアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然アミノ酸残基を含有してもよく、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、及び多量体を含むが、これらに限定されない。完全長タンパク質及びそれらの断片の両方が、定義に包含される。用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化なども含む。さらに、本開示の目的のために、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然の配列に対する欠失、付加、及び(一般に天然で保存的な)置換などの修飾を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位特異的変異原性によるような計画的なものであってもよいし、またはPCR増幅によってタンパク質もしくはエラーを生成する宿主の変異によるような偶発的なものであってもよい。
抗原またはエピトープに「特異的に結合する」という用語は、当該技術分野においてよく理解されている用語であり、そのような特異的な結合を決定するための方法もまた、当該技術分野において周知である。分子が、他の細胞または物質とよりも、特定の細胞または物質と、より頻繁に、より迅速に、より長い持続期間で、及び/またはより高い親和性で反応または会合した場合、分子は「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言われる。抗体は、他の物質に結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、及び/またはより長い持続時間で結合する場合、標的に「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。例えば、LILRB2エピトープに特異的または優先的に結合する抗体は、他のLILRB2エピトープまたは非LILRB2エピトープに結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、及び/またはより長い持続時間でこのエピトープに結合する抗体である。また、この定義を読むことによって、例えば、第1の標的に特異的または優先的に結合する抗体(または部分もしくはエピトープ)が、第2の標的に特異的または優先的に結合してもよいし、しなくてもよいということも理解される。このように、「特異的結合」または「優先的結合」は、排他的結合を(含むことができるが)必ずしも必要としない。必ずしもそうではないが、一般的には、結合への言及は優先的な結合を意味する。「特異性」とは、結合タンパク質の抗原に選択的に結合する能力を指す。
本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」とは、少なくとも50%純粋、例えば、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも98%純粋、または少なくとも99%である(すなわち、汚染物質を含まない)材料を指す。
「交差競合する」という用語は、ある分子の、例えば、同じエピトープの全部または一部に結合することによる、別の分子との競合結合を指す。交差競合は、本明細書に説明される実験(例えば、バイオレイヤー干渉法)を使用して、例えば、第1の抗体がシグナルに結合された後に、第2の抗体をセンサへ添加する際に、陽性応答シグナルを全く検出しないことによって、決定することができる。特定の実施形態では、あるLILRB2抗体は、LILRB2との結合について別のLILRB2抗体と交差競合する。このようなLILRB2抗体間の交差競合の特性評価は、例えば、実施例3に説明されている。
本明細書の「抗体」という用語は、最も広義に使用され、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性(例えば、二重特異性T細胞エンゲージャー)及び三重特異性)、ならびに抗体断片を含むがこれらに限定されない、様々な抗体構造を包含する。
抗体という用語は、例えば、Fv、一本鎖Fv(scFv)、Fab、Fab’、di-scFv、sdAb(単一ドメイン抗体)、及び(Fab’)2(化学的に連結されたF(ab’)2を含む)などの抗原に結合することができる断片を含むが、これらに限定されない。抗体のパパイン消化は、各々が単一の抗原結合部位を有する「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、及び容易に結晶化する能力を反映した名称を持つ残存「Fc」断片を産生する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、かつ依然として抗原を架橋することができるF(ab’)2断片を得る。抗体という用語はまた、キメラ抗体、ヒト化抗体、及びマウス、ヒト、カニクイザルなどの様々な種の抗体を含むが、これらに限定されない。さらに、本明細書で提供される全ての抗体構築物について、他の生物由来の配列を有するバリアントもまた企図される。したがって、抗体のヒト型が開示された場合、当業者は、ヒト配列ベースの抗体を、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ウマなどの配列に変換する方法を理解するであろう。抗体断片はまた、一本鎖scFv、タンデムdi-scFv、ダイアボディ、タンデムtri-sdcFv、ミニボディなどのいずれかの配向を含む。抗体断片はまた、ナノボディ(sdAb、単一の単量体ドメイン、例えば、軽鎖を含まない、重鎖の可変ドメインの対を有する抗体)を含む。抗体断片は、いくつかの実施形態において、特定の種(例えば、ヒトscFvまたはマウスscFv)であるとして言及され得る。これは、構築物の供給源というよりは、むしろ非CDR領域の少なくとも一部の配列を意味する。
「モノクローナル抗体」という用語は、抗体の実質的に均質な集団の抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る可能性のある天然型の変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位を対象としている。さらに、異なる決定基(エピトープ)を対象とする異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象としている。したがって、モノクローナル抗体の試料は、抗原上の同じエピトープに結合することができる。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,1975,Nature 256:495によって最初に説明されたハイブリドーマ法によって作製され得るか、または米国特許第4,816,567号などに説明される組み換えDNA法により作製され得る。モノクローナル抗体はまた、例えば、McCafferty et al.,1990,Nature 348:552-554に説明される手法を使用して生成されたファージライブラリから単離され得る。
用語「CDR」は、Kabat付番スキームによって定義される相補性決定領域を意味する。Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991)。例示的なCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3)は、アミノ酸残基24~34のL1、50~56のL2、89~97のL3、31~35BのH1、50~65のH2、及び95~102のH3において生じる。CDRはまた、添付の図面のいずれか1つ以上に示されるように提供することもできる。可変重鎖領域(VH)におけるCDR1を除いて、CDRは一般に、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。抗体内の様々なCDRは、それらの適切な数及び鎖の種類によって指定することができ、a)CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3、b)CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3、c)LCDR-1,LCDR-2,LCDR-3,HCDR-1,HCDR-2、及びHCDR-3、またはd)LCDR1、LCDR2、LCDR3、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3などが挙げられるが、これらに限定されない。用語「CDR」はまた、HVRまたは超可変ループを含む「超可変領域」を包含するために本明細書中で使用される。例示的な超可変ループは、アミノ酸残基26~32(L1)、50~52(L2)、91~96(L3)、26~32(H1)、53~55(H2)、及び96~101(H3)において生じる。(Chothia and Lesk,1987,J.Mol.Biol.196:901-917)。
本明細書で使用される場合、用語「重鎖可変領域」またはVHは、少なくとも3つの重鎖CDRを含む領域を指す。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、3つのCDR及び少なくともFR2及びFR3を含む。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域は、少なくとも重鎖HCDR1、フレームワーク(FR)2、HCDR2、FR3、及びHCDR3を含む。いくつかの実施形態では、重鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部分及び/またはFR4の少なくとも一部分を含む。
本明細書で使用される場合、用語「重鎖定常領域」は、少なくとも3つの重鎖定常領域、CH1、CH2、及びCH3を含む領域を指す。もちろん、特に指定されない限り、ドメイン内の非機能変化型欠失及び変化は、「重鎖定常領域」という用語の範囲内に包含される。非限定的な例示的な重鎖定常領域は、γ、δ、及びαを含む。非限定的な例示的な重鎖定常領域はまた、ε及びμも含む。各重鎖定常領域は、抗体アイソタイプに対応する。例えば、γ定常領域を含む抗体はIgG抗体であり、δ定常領域を含む抗体はIgD抗体であり、α定常領域を含む抗体はIgA抗体である。さらに、μ定常領域を含む抗体はIgM抗体であり、ε定常領域を含む抗体はIgE抗体である。特定のアイソタイプは、サブクラスにさらに細分化することができる。例えば、IgG抗体としては、IgG1(γ1定常領域を含む)、IgG2(γ2定常領域を含む)、IgG3(γ3定常領域を含む)、及びIgG4(γ4定常領域を含む)抗体が挙げられるが、これらに限定されない。IgA抗体としては、IgA1(α1定常領域を含む)及びIgA2(α2定常領域を含む)抗体が挙げられるが、これらに限定されない。IgM抗体としては、IgM1及びIgM2が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「重鎖」は、リーダー配列の有無にかかわらず、少なくとも重鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、重鎖は、重鎖定常領域の少なくとも一部分を含む。本明細書で使用される場合、用語「全長重鎖」は、リーダー配列の有無にかかわらず、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、VLの「軽鎖可変領域」という用語は、少なくとも3つの軽鎖CDRを含む領域を指す。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域は、3つのCDR及び少なくともFR2及びFR3を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域は、少なくとも軽鎖LCDR1、フレームワーク(FR)2、LCDR2、FR3、及びLCDR3を含む。例えば、軽鎖可変領域は、軽鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、及びCDR3を含み得る。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部分及び/またはFR4の少なくとも一部分を含む。
本明細書で使用される場合、「軽鎖定常領域」という用語はまた、軽鎖定常ドメイン、CLを含む領域を指す。非限定的な例示的な軽鎖定常領域は、λ及びκを含む。もちろん、特に指定されない限り、ドメイン内の非機能変化型欠失及び変化は、「軽鎖定常領域」という用語の範囲内に包含される。
本明細書で使用される場合、用語「軽鎖」は、リーダー配列の有無にかかわらず、少なくとも軽鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、軽鎖は、軽鎖定常領域の少なくとも一部分を含む。本明細書で使用される場合、用語「全長軽鎖」は、リーダー配列の有無にかかわらず、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
本明細書における目的のために、「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下に定義されるように、ヒト免役グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来する、軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワークまたは重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免役グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来するアクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含むことができるか、またはそれはアミノ酸配列変化を含有することができる。いくつかの実施形態では、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下である。いくつかの実施形態では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免役グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列と、配列において同一である。
「親和性」は、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の、総計の非共有性相互作用の強度を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は、一般に、平衡解離定数(KD)によって表すことができる。親和性は、当該技術分野で既知の一般的な方法(例えば、ELISA KD、KinExA、バイオレイヤー干渉法(BLI)、及び/または表面プラズモン共鳴装置(例えば、BIACORE(登録商標)装置)など、本明細書に説明されるものを含む)によって測定することができる。
本明細書で使用する場合、用語「KD」は、抗体-抗原相互作用の平衡解離定数を指す。
いくつかの実施形態では、抗体の「KD」は、約10応答単位(RU)で固定化抗原CM5チップを有するBIACORE(登録商標)-2000またはBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,N.J.)を25℃で使用する表面プラズモン共鳴アッセイを使用することによって測定される。簡潔には、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサチップ(CM5、BIACORE,Inc.)は、供給者の説明書に従ってN-エチル-N′-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化される。抗原を、10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/mL(約0.2μM)になるまで希釈した後に、5μL/分の流速で注入して、およそ10応答単位(RU)のカップリングされたタンパク質を得る。抗原の注入に続いて、1Mのエタノールアミンを注入して、未反応の基を遮断する。動態測定のために、ポリペプチド、例えば、全長抗体の段階希釈液を、0.05%のTWEEN-20(商標)界面活性剤を含むPBS(PBST)中に、25℃で、およそ25μL/分の流速で注入する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)を、単純な1対1Langmuir結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して、会合センサグラム及び解離センサグラムを同時に適合することによって計算する。平衡解離定数(KD)を、比率koff/konとして計算する。例えば、Chen et al.,1999,J.Mol.Biol.293:865-881を参照されたい。オン速度が、上の表面プラズモン共鳴アッセイによって、106M-1s-1を超える場合、オン速度は、撹拌されたキュベットを備えるストップトフロー装着分光光度計(Aviv Instruments)または8000-シリーズSLM-AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)などの分光計において測定される、漸増濃度の抗原の存在下で、25℃で、PBS(pH7.2)中20nM抗-抗原抗体の蛍光発光強度(励起=295nm、発光=340nm、16nm帯域通過)の増加または減少を測定する、蛍光消光技法を使用することによって、決定することができる。
いくつかの実施形態では、該2つの値(例えば、KD値)の間の差異は、参照/比較値の関数と実質的に同じ、例えば、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、及び/または約10%未満である。
いくつかの実施形態では、該2つの値(例えば、KD値)の間の差異は、参照/比較分子の値の関数と実質的に異なる、例えば、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、及び/または約50%超である。
「表面プラズモン共鳴」とは、例えば、BIAcore(商標)システム(BIAcore International AB、GE Healthcare company、Uppsala,Sweden及びPiscataway,N.J.)を使用した、バイオセンサマトリックス内のタンパク質濃度の変化の検出によってリアルタイム生体特異的相互作用の分析を可能にする、光学現象を意味する。さらなる説明については、Jonsson et al.,1993,Ann.Biol.Clin.51:19-26を参照されたい。
「バイオレイヤー干渉法」は、バイオセンサチップ上の固定化されたタンパク質の層及び内部参照層から反射された光の干渉パターンを分析する光学分析技術を指す。バイオセンサチップに結合した分子の数における変化は、リアルタイムで測定することができる干渉パターンにおける変動をもたらす。バイオレイヤー干渉法のための非限定的な例示的なデバイスは、FORTEBIO(登録商標)OCTET(登録商標)RED96システム(Pall Corporation)である。例えば、Abdiche et al.,2008,Anal.Biochem.377:209-277を参照されたい。
用語「kon」は、本明細書で使用される場合、抗原への抗体の会合についての速度定数を指す。具体的には、速度定数(kon及びkoff)及び平衡解離定数(KD)は、一価の抗原(例えば、LILRB2抗原)を含むIgG(二価)を使用して測定される。「Kon」、「kon」、「会合速度定数」、または「ka」は、本明細書において互換的に使用される。値は、結合タンパク質のその標的抗原への結合速度、または抗体と抗原との間の複合体形成速度を示し、以下の式で示される。
抗体(「Ab」)+抗原(「Ag」)→Ab-Ag。
用語「koff」は、本明細書で使用される場合、抗体/抗原複合体からの抗体の解離についての速度定数を指す。koffはまた、「Koff」または「解離速度定数」とも表される。この値は、抗体のその標的抗原からの解離速度、またはAb-Ag複合体の遊離抗体及び抗原への経時的な分離速度を示し、以下の式で表される。
Ab+Ag←Ab-Ag。
用語「生物学的活性」は、分子の任意の1つ以上の生物学的特性(インビボで見出されるように天然に存在するか、または組み換え手段によって提供もしくは有効化される)を指す。生物学的特性としては、レセプターの結合、細胞増殖の誘導、細胞増殖の阻害、成熟または活性化(例えば、骨髄細胞の成熟または活性化)の誘導、成熟または活性化(例えば、骨髄細胞の成熟または活性化)の阻害、サイトカインの発現または分泌(例えば、炎症性サイトカインまたは免疫抑制性サイトカイン)の誘導、アポトーシスの誘導、及び酵素活性が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、LILRB2タンパク質の生物学的活性は、例えば、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換を含む。
本明細書で使用される場合、「M2様マクロファージ」は、参照に対して1つ以上の免疫抑制特性によって特徴付けられたマクロファージを指す。免疫抑制特性は、成熟マーカーまたは活性化マーカーの発現の減少(例えば、1つ以上の共刺激マーカーの発現の減少(例えば、CD80またはCD86)、抗原提示の減少(例えば、HLA発現による)、炎症性サイトカインの発現の減少(例えば、TNFα、IL-6、またはIL-1β)、及び調節性または抑制性マーカーの発現の増加(例えば、IL-10またはCCL-2の発現または分泌の増加)を含む。免疫抑制特性は、追加的にまたは代替的に、当該技術分野で既知の方法に従って、免疫原性もしくは炎症性遺伝子発現の減少、または免疫抑制もしくは免疫調節遺伝子発現の増加によって特徴付けられ得る。免疫抑制特性は、追加的にまたは代替的に、他の免疫細胞の活性化及び/または増殖を阻害する能力などの、1つ以上の機能的性質によって特徴付けられ得る。マクロファージをM2様マクロファージとして特定するための好適なアッセイは、当該技術分野において既知であり、本明細書に説明される。例えば、初代ヒトマクロファージアッセイを使用して、マクロファージがM2様マクロファージであるか、またはM1様マクロファージであるかを決定することができる。いくつかの例では、M2様マクロファージは、腫瘍関連マクロファージである。マクロファージがM2様マクロファージであるかどうかを決定する文脈において、同じまたは異なる起源の対照マクロファージ(例えば、未処理対照またはLPS処理された対照)によって、参照を提供することができる。候補マクロファージが腫瘍関連マクロファージである実施形態では、対照は、(例えば、健康なドナー由来の)非腫瘍関連マクロファージであり得る。あるいは、参照は、所定の閾値、例えば、技術分野で既知の免疫抑制閾値由来のパラメータであり得る。
本明細書で使用される場合、「M1様マクロファージ」は、参照に対して1つ以上の免疫原性(例えば、免疫賦活性または活性化の)特性によって特徴付けられたマクロファージを指す。免疫原性特性は、成熟マーカーまたは活性化マーカーの発現の増加(例えば、1つ以上の共刺激マーカーの発現の増加(例えば、CD80またはCD86)、抗原提示の増加(例えば、HLA発現による)、活性化サイトカインの発現の増加(例えば、TNFα、IL-6、またはIL-1β)、及び調節性または抑制性マーカーの発現の減少(例えば、IL-10またはCCL-2の発現または分泌の減少)を含む。免疫原性特性は、追加的にまたは代替的に、当該技術分野で既知の方法に従って、免疫原性もしくは炎症性遺伝子発現の増加、または免疫抑制もしくは免疫調節遺伝子発現の減少によって特徴付けられ得る。免疫原性特性は、追加的にまたは代替的に、他の免疫細胞を活性化する及び/または増殖する能力などの、1つ以上の機能的性質によって特徴付けられ得る。マクロファージをM1様マクロファージとして特定するための好適なアッセイは、当該技術分野において既知であり、本明細書に説明される。例えば、初代ヒトマクロファージアッセイを使用して、マクロファージがM2様マクロファージであるか、またはM1様マクロファージであるかを決定することができる。いくつかの例では、M1様マクロファージは、腫瘍関連マクロファージ(例えば、LILRB2に対する抗体に曝露されている腫瘍関連マクロファージ)である。マクロファージがM1様マクロファージであるかどうかを決定する文脈において、同じまたは異なる起源の対照マクロファージ(例えば、未処理対照または免疫抑制された対照)によって、参照を提供することができる。候補マクロファージが腫瘍関連マクロファージである実施形態では、対照は、(例えば、健康なドナー由来の)非腫瘍関連マクロファージであり得る。あるいは、参照は、所定の閾値、例えば、技術分野で既知の免疫原性閾値由来のパラメータであり得る。
「M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換」は、M1様マクロファージの任意の1つ以上の特性の増加、M2様マクロファージの任意の1つ以上の特性の減少、またはそれらの組み合わせを検出する際に特定することができる。
本明細書で使用される場合、「ヒト単球由来マクロファージ」、「ヒト単球分化マクロファージ」、または「HMDM」は、初代ヒト単球に由来しているマクロファージを指す。いくつかの実施形態では、初代ヒトマクロファージは、全血からの(例えば、PBMC集団からの)単球に由来する。いくつかの実施形態では、初代ヒト単球を、M-CSFの存在下で7日間インキュベートした。ヒト単球由来マクロファージは、実施例6に説明される方法を使用して得ることができる。
本明細書で使用する場合、用語「四量体遮断アッセイ」とは、以下のステップを含むアッセイを指す。
(1)1×105のマクロファージ(例えば、ヒト単球分化マクロファージ(HMDM))を、96ウェル丸底組織培養プレートのウェルに播種し、
(2)50μLの試験抗体(例えば、LILRB2抗体またはアイソタイプ対照)を、緩衝液(例えば、FACS緩衝液(2%のHI-FBS(Sigma)+0.05%のアジ化ナトリウムを含有する1xDPBS))に添加し、
(3)4℃で30分間インキュベートし、
(4)細胞を、緩衝液(例えば、FACS緩衝液)中で洗浄し、1μg/mLの四量体(例えば、蛍光色素標識された四量体、例えば、HLA-GまたはHLA-A2四量体)を含有する50μLの緩衝液(例えば、FACS緩衝液)中で再懸濁し、
(5)4℃で30~60分間、光から保護してインキュベートし、
(6)細胞を緩衝液(例えば、FACS緩衝液)中で洗浄し、
(7)四量体結合を(例えば、フローサイトメトリーを使用して)定量化する。
本明細書で使用される場合、「キメラ抗体」という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部分が特定の源または種に由来し、一方、重鎖及び/または軽鎖の残りの部分の少なくとも一部が、異なる源または種に由来する抗体を指す。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、第1の種(例えば、マウス、ラット、カニクイザルなど)由来の少なくとも1つの可変領域及び第2の種(例えば、ヒト、カニクイザルなど)由来の少なくとも1つの定常領域を含む抗体を指す。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、少なくとも1つのマウス可変領域及び少なくとも1つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、少なくとも1つのカニクイザル可変領域及び少なくとも1つのヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗体の可変領域の全ては第1の種由来であり、キメラ抗体の定常領域の全ては第2の種由来である。上述のように、キメラ構築物はまた、機能的断片であり得る。
本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」とは、非ヒト可変領域のフレームワーク領域中の少なくとも1つのアミノ酸を、ヒト可変領域からの対応するアミノ酸で置換している抗体を指す。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つのヒト定常領域またはそれらの断片を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、抗体断片、例えば、Fab、scFv、(Fab’)2などである。ヒト化という用語はまた、非ヒト免疫グロブリンの最小配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそれらの断片(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合サブ配列)である、非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態も意味する。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基に置換された、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含むことができる。いくつかの事例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基に置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRまたはフレームワーク配列にも見出されないが、抗体性能をさらに洗練し、最適化するために含まれる残基を含むことができる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことができ、ここで、CDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体はまた、典型的にはヒト免疫グロブリンのものである、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部分も含むことができる。ヒト化抗体の他の形態は、1つ以上のCDR(CDR L1、CDR L2、CDR L3、CDR H1、CDR H2、及び/またはCDR H3)を有し、これは元の抗体に対して変更され、また元の抗体からの1つ以上のCDR「に由来する」1つ以上のCDRとも称される。理解されるように、ヒト化配列は、その一次配列によって特定することができ、必ずしも抗体が作成されたプロセスを意味しない。
本明細書で使用される場合、「CDR移植抗体」とは、1つ以上の第1の(非ヒト)種の相補性決定領域(CDR)が第2の(ヒト)種のフレームワーク領域(FR)に移植されているヒト化抗体を指す。
本明細書で使用される「ヒト抗体」は、ヒトにおいて産生される抗体、XENOMOUSE(登録商標)マウスなどのヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物において産生される抗体、ならびにファージディスプレイ(Vaughan et al.,1996,Nat.Biotechnol.,14:309-314、Sheets et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),95:6157-6162、Hoogenboom and Winter,1991,J.Mol.Biol.,227:381、Marks et al.,1991,J.Mol.Biol.,222:581)などのインビトロ法を使用して選択される抗体を包含し、ここで、抗体レパートリーは、ヒト免疫グロブリン配列に基づく。用語「ヒト抗体」は、ヒト配列である配列の属を意味する。したがって、この用語は、抗体が作成されたプロセスを指定しないが、関連する配列の属を指定する。
「機能的Fc領域」は、天然配列Fc領域の「エフェクター機能」を保有する。例示的な「エフェクター機能」には、Fc受容体結合;C1q結合;CDC;ADCC;食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方調節などが含まれる。このようなエフェクター機能は、一般に、結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と組み合わせるためのFc領域を必要とし、様々なアッセイを使用して評価することができる。
「天然配列Fc領域」は、天然で見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域には、天然配列ヒトIgG1 Fc領域(非A及びAアロタイプ)、天然配列ヒトIgG2 Fc領域、天然配列ヒトIgG3 Fc領域、及び天然配列ヒトIgG4 Fc領域、ならびにそれらの天然型のバリアントが含まれる。
「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって天然配列Fc領域のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって天然配列Fc領域のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含むが、天然配列Fc領域の少なくとも1つのエフェクター機能を保持する。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列Fc領域中または親ポリペプチドのFc領域中に約1~約10個のアミノ酸置換、及び好ましくは約1~約5個のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の配列同一性、それらと少なくとも約90%の配列同一性、それらと少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を保有する。
「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を表す。いくつかの実施形態では、FcγRは、天然ヒトFcRである。いくつかの実施形態では、FcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合するものであり、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体を含み、それらの受容体の対立遺伝子バリアント、あるいはスプライス形態を含む。FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「阻害受容体」)を含み、これらは、主にその細胞質ドメインが異なる同様のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)をその細胞質ドメインにおいて含有し、阻害化受容体FcγRIIBは、免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)をその細胞質ドメインにおいて含有する。例えば、Daeron,1997,Annu.Rev.Immunol.15:203-234を参照されたい。FcRは、例えば、Ravetch and Kinet,1991,Annu.Rev.Immunol 9:457-92、Capel et al.,1994,Immunomethods,4:25-34、及びde Haas et al.,1995,J.Lab.Clin.Med.126:330-41に概説されている。将来的に特定されるものも含む他のFcRは、本明細書では「FcR」という用語に包含される。
用語「Fc受容体」または「FcR」はまた、母体のIgGの胎児への転移(Guyer et al.,1976,J.Immunol.117:587及びKim et al.,1994,J.Immunol.24:249)、及び免疫グロブリンの恒常性の調節に関与する新生児受容体である、FcRnも含む。FcRnへの結合を測定する方法は既知である。例えば、Ghetie and Ward,1997,Immunol.Today,18(12):592-598、Ghetie et al.,1997,Nat.Biotechnol.,15(7):637-640、Hinton et al.,2004,J.Biol.Chem.279(8):6213-6216、及びWO2004/92219(Hinton et al.)を参照されたい。
「エフェクター機能」は、抗体アイソタイプにより様々である、抗体のFc領域に起因し得る生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、Clq結合及び補体依存性細胞毒性(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介型細胞毒性(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方調節、及びB細胞活性化が挙げられる。
「抗体依存性細胞媒介型細胞毒性」または「ADCC」は、ある特定の細胞毒性細胞(例えば、NK細胞、好中球、及びマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)と結合した分泌Igが、これらの細胞毒性エフェクター細胞が抗原保有標的細胞と特異的に結合して、続いて細胞毒を用いて標的細胞を死滅させることができるようにする細胞毒性の形態を指す。ADCCを媒介する初代細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現し、一方、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現は、Ravetch and Kinet,1991,Annu.Rev.Immunol 9:457-92の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号、同第5,821,337号、または同第6,737,056号(Presta)に説明されるもののような、インビトロADCCアッセイを実施してもよい。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、PBMC及びNK細胞が挙げられる。あるいは、または加えて、目的の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、動物モデル、例えば、Clynes et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)95:652-656に開示される動物モデルにおいて評価され得る。改変されたFc領域アミノ酸配列を有する追加のポリペプチドバリアント(バリアントFc領域を有するポリペプチド)及び増加または減少したADCC活性については、例えば、米国特許第7,923,538号及び米国特許第7,994,290号に説明されている。
「補体依存性細胞毒性」または「CDC」とは、補体の存在下での標的細胞の溶解を指す。従来の補体経路の活性化は、補体系の第1の成分(C1q)の(適切なサブクラスの)抗体への結合によって開始され、これらの抗体は、それらの同族抗原に結合している。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano-Santoro et al.,1996,J.Immunol.Methods202:163に説明されるようなCDCアッセイを実施してもよい。改変されたFc領域アミノ酸配列を有するポリペプチドバリアント(バリアントFc領域を有するポリペプチド)及び増加または減少したC1q結合能力については、例えば、米国特許第6,194,551(B1)号、米国特許第7,923,538号、米国特許第7,994,290号、及びWO1999/51642に説明されている。例えば、Idusogie et al.,2000,J.Immunol.164:4178-4184も参照されたい。
「改変された」FcR結合親和性またはADCC活性を有するポリペプチドバリアントは、親ポリペプチドまたは天然型配列Fc領域を含むポリペプチドと比較して、増強もしくは低下したFcR結合活性及び/またはADCC活性のいずれかを有するものである。FcRへの「結合の増加を示す」ポリペプチドバリアントは、親ポリペプチドよりも優れた親和性で少なくとも1つのFcRと結合する。FcRへの「結合の減少を示す」ポリペプチドバリアントは、親ポリペプチドよりも低い親和性で少なくとも1つのFcRと結合する。FcRへの結合の減少を示すこのようなバリアントは、FcRへの感知できる結合をほとんど保有しないか、または全く保有しない場合があり、例えば、天然配列のIgG Fc領域と比較して、FcRに0~20%結合する。
親抗体よりも「より効果的にヒトエフェクター細胞の存在下で抗体依存性細胞媒介型細胞毒性(ADCC)を媒介する」ポリペプチドバリアントは、アッセイで使用されるポリペプチドバリアント及び親抗体の量が本質的に同じである場合に、ADCCの媒介においてより効果的である、インビトロまたはインビボのポリペプチドバリアントである。一般に、このようなバリアントは、本明細書に開示されるようなインビトロADCCアッセイを使用して特定されるが、例えば、動物モデルなどにおいて、ADCC活性を決定するための他のアッセイまたは方法が企図される。
本明細書で使用される場合、「実質的に類似した」または「実質的に同じ」という用語は、当業者が、2つ以上の値の間の差異を、該値により測定される生物学的特質の文脈において、生物学的及び/または統計学的に有意性がほとんどないか、または全くないと見なすような、2つ以上の数値間の十分に程度の高い類似性を意味する。いくつかの実施形態では、2つ以上の実質的に類似した数値は、5%、10%、15%、20%、25%、または50%のうちのいずれか1つ程度以下異なる。
「実質的に異なる」という語句は、本明細書で使用される場合、当業者が、2つの値の間にある差異を、該値により測定される生物学的特質の文脈において、統計学的に有意性があると見みなすような、2つの数値間の十分に程度の高い差異を意味する。いくつかの実施形態では、2つの実質的に異なる数値は、10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のうちのいずれか1つ程度を超えて異なる。
「実質的に減少した」という語句は、本明細書で使用される場合、当業者が、2つの値の間にある差異を、該値により測定される生物学的特質の文脈において、統計学的に有意性があると見なすような、数値と参照数値と間の十分に程度の高い減少を意味する。いくつかの実施形態では、実質的に減少した数値は、参照値と比較して、10%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のうちのいずれか1つ程度を超えて減少する。
用語「リーダー配列」は、哺乳動物細胞由来のポリペプチドの分泌を促進するポリペプチドのN末端に位置するアミノ酸残基の配列を指す。リーダー配列は、成熟タンパク質を形成する、哺乳動物細胞由来のポリペプチドの輸送の際に切断することができる。リーダー配列は、天然または合成であり得、それらが結合しているタンパク質に対して異種または同種であり得る。
「天然配列」ポリペプチドは、自然界に見出されるポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。したがって、天然配列ポリペプチドは、任意の哺乳動物由来の天然型のポリペプチドのアミノ酸配列を有することができる。そのような天然配列ポリペプチドは、天然から単離することができるか、または組み換えもしくは合成手段によって産生することができる。「天然配列」ポリペプチドという用語は、具体的には、ポリペプチドの天然型の切断形態または分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、天然型のバリアント形態(例えば、オルタナティブスプライシング形態)、及びポリペプチドの天然型の対立遺伝子バリアントを包含する。
ポリペプチド「バリアント」は、配列同一性最大パーセントを達成するために、必要に応じて配列を整合し、ギャップを導入した後に、天然配列ポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有し、配列同一性の一部としていずれの保存的置換も考慮に入れない、生物学的に活性なポリペプチドを意味する。このようなバリアントとしては、例えば、1つ以上のアミノ酸残基がポリペプチドのN末端またはC末端に付加または欠失されたポリペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、バリアントは、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。いくつかの実施形態では、バリアントは、少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。いくつかの実施形態では、バリアントは、天然配列ポリペプチドと少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。
本明細書で使用される場合、ペプチド、ポリペプチド、または抗体配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」及び「相同性」は、配列同一性最大パーセントを達成するために、必要に応じて配列を整合させ、ギャップを導入した後の、配列同一性の一部としていずれの保存的置換も考慮しない、特定のペプチドもしくはポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補配列におけるアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、当該技術分野における技術の範囲内である様々な方式で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
アミノ酸置換は、ポリペプチド中の1つのアミノ酸の別のアミノ酸との置換を含み得るが、これに限定されない。例示的な置換を表1に示す。アミノ酸置換は、目的の抗体中に導入されてもよく、その産物は、所望の活性、例えば、保持/改善された抗原結合、減少した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCについてスクリーニングされてもよい。
表1.
アミノ酸は、以下の一般的な側鎖特性に従って分類されてもよい。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、
(3)酸性:Asp、Glu、
(4)塩基性:His、Lys、Arg、
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro、
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴うであろう。
用語「ベクター」は、宿主細胞中においてクローン化されたポリヌクレオチドまたは増殖することができるポリヌクレオチドを含有するように操作することができるポリヌクレオチドを説明するために使用される。ベクターは、以下の要素:複製起点、目的のポリペプチドの発現を調節する1つ以上の調節配列(例えば、プロモーター及び/またはエンハンサー)、及び/または1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子、及び比色アッセイにおいて使用することができる遺伝子、例えば、βガラクトシダーゼ)、のうちの1つ以上を含むことができる。用語「発現ベクター」は、宿主細胞における目的のポリペプチドを発現するために使用されるベクターを指す。
「宿主細胞」は、ベクターもしくは単離ポリヌクレオチドのレシピエントであり得るか、またはそれらである細胞を指す。宿主細胞は、原核細胞または真核細胞であり得る。例示的な真核細胞としては、霊長類または非霊長類動物細胞などの哺乳動物細胞、酵母などの真菌細胞、植物細胞、及び昆虫細胞が挙げられる。非限定的な例示的な哺乳動物細胞としては、NSO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell)、ならびに293及びCHO細胞、ならびにそれらの誘導体、例えば、それぞれ293-6E及びDG44細胞が挙げられるが、これらに限定されない。宿主細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含み、子孫は、天然の、偶発の、または意図的な変異のため、元の親細胞と(形態学において、またはゲノムのDNA相補体において)必ずしも完全に同一でなくてもよい。宿主細胞は、本明細書で提供されるポリヌクレオチド(複数可)を用いてインビボで形質移入された細胞を含む。
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、典型的には天然に見出されるかまたは産生される少なくともいくつかの構成要素から分離されている分子を指す。例えば、ポリペプチドは、それが中に産生された細胞の構成要素の少なくともいくつかから分離されている場合、「単離された」と称される。ポリペプチドは、発現後に細胞によって分泌され、それが産生した細胞からポリペプチドを含有する上清を物理的に分離する場合、ポリペプチドを「単離している」と考えられる。同様に、ポリヌクレオチドは、それが典型的に天然に見出されるより大きなポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチドの場合には、ゲノムDNAまたはミトコンドリアDNAなど)の一部でない場合、または、例えばRNAポリヌクレオチドの場合には、それが産生された細胞の構成要素の少なくともいくつかから分離されている場合、「単離された」と称される。したがって、宿主細胞内部のベクターに含有されるDNAポリヌクレオチドは、「単離された」と称され得る。
用語「個体」または「対象」は、動物、例えば哺乳動物を指すために本明細書で互換的に使用される。いくつかの実施形態では、ヒト、げっ歯類、サル、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、哺乳動物の実験動物、哺乳動物の家畜、哺乳動物の競技用動物、及び哺乳動物のペット、を含むがこれらに限定されない、哺乳動物を治療する方法が提供される。いくつかの例では、「個体」または「対象」は、疾患または障害のための治療を必要とする個体または対象を指す。いくつかの実施形態では、治療を受ける対象は、対象が、治療と関連性のある障害を有しているか、または障害に罹患する危険性が十分にあると特定されているという事実を示す、患者であり得る。
本明細書で使用する場合、「疾患」または「障害」とは、治療が必要とされる及び/または所望される状態を指す。
本明細書で使用する場合、「がん」及び「腫瘍」は、動物における任意の異常な細胞または組織の成長もしくは増殖を指す互換的な用語である。本明細書で使用する場合、「がん」及び「腫瘍」という用語は、固体及び血液/リンパ性癌を包含し、また、悪性、前悪性、及び異形成などの両性腫瘍も包含する。がんの例としては、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。そのようながんのより具体的な非限定的な例としては、腎癌(例えば、腎細胞癌、例えば、乳頭状腎細胞癌)、扁平上皮癌、中皮腫、奇形腫、小細胞肺癌、下垂体癌、食道癌、星状細胞腫、軟部肉腫、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌)、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌(例えば、胃癌(stomach cancer))、膵臓癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、肝臓癌、前立腺癌、陰門癌、甲状腺癌、胸腺腫、肝癌、脳癌、神経膠腫、神経膠芽腫、子宮内膜癌、精巣癌、胆管癌、胆管肉腫、胆嚢癌、胃癌(gastric cancer)、黒色腫(例えば、ブドウ膜黒色腫)、褐色細胞腫、傍神経節腫、腺様嚢胞癌、及び様々な種類の頭頸部癌(例えば、扁平頭頸部癌)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「治療」とは、有益なまたは所望の臨床結果を得るためのアプローチである。本明細書で使用される場合、「治療」は、ヒトを含む哺乳動物における疾患の治療の任意の投与または適用を網羅する。この開示の目的のための、有益または所望の臨床結果としては、1つ以上の症状の緩和、疾患の程度の縮小、疾患の拡散(例えば、転移、例えば、肺またはリンパ節への転移)の予防または遅延、疾患の再発の予防または遅延、疾患の進行の遅延または減速、疾患状態の緩和、疾患またはその疾患の進行の阻害、疾患またはその進行の阻害もしくは減速、その発達の抑止、及び緩解(部分的かまたは全体的かに関わらず)のうちのいずれか1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。増殖性疾患の病理学的結果の軽減もまた、「治療」に包含される。本明細書に提供される方法は、治療のこれらの態様のうちの任意の1つ以上を企図する。上記と一致して、治療という用語は、障害の全て態様の100パーセントの除去を必要としない。
「寛解」は、抗LILRB2抗体を投与しない場合と比較した、1つ以上の症状の軽減または改善を意味する。「寛解」はまた、症状の持続時間における短縮または低減も含む。
がんの文脈において、用語「治療する」は、がん細胞の増殖を阻害する、がん細胞の複製を阻害する、全体腫瘍負荷を低減する、及び疾患に関連する1つ以上の症状を寛解する、のうちのいずれかまたは全てを含む。
用語「生体試料」は、生きているものまたは以前生きていたもの由来の、ある量の物質を意味する。このような物質としては、血液(例えば、全血)、血漿、血清、尿、羊水、滑液、内皮細胞、白血球、単球、他の細胞、器官、組織、骨髄、リンパ節、及び脾臓が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「対照」は、分析物を含有しない(「陰性対照」)、または分析物を含有する(「陽性対照」)ことが知られている組成物を指す。陽性対照は、分析物の既知の濃度を含むことができる。「対照」、「陽性対照」、及び「標準物質」は、分析物の既知の濃度を含む組成物を指すために、本明細書で互換的に使用され得る。「陽性対照」は、アッセイ性能特性を確立するために使用することができ、試薬(例えば、分析物)の完全性の有用な指標である。
「所定のカットオフ」及び「所定のレベル」は、一般的に、所定のカットオフ/レベルに対するアッセイ結果を比較することによって、診断の/予後の/治療の有効性の結果を評価するために使用される、アッセイカットオフ値を指し、ここで、所定のカットオフ/レベルは、様々な臨床パラメータ(例えば、疾患の重症度、進行、非進行、改善など)と既に連結または会合されている。本開示は、例示的な所定のレベルを提供し得るが、カットオフ値がイムノアッセイの性質(例えば、用いられる抗体など)に依存して変動し得ることは周知である。本開示に基づくそのような他のイムノアッセイのイムノアッセイ特異的カットオフ値を得るために、本明細書の開示を他のイムノアッセイに適応させることは、当業者内でさらに既知である。所定のカットオフ/レベルの正確な値はアッセイ間で変動し得るが、本明細書に説明されるような相関(存在する場合)は一般的に適用し得る。
用語「阻害」または「阻害する」は、任意の表現型特性の低下もしくは停止、またはその特性の発生率、程度、もしくは可能性の低下もしくは停止を指す。「低減する」または「阻害する」とは、参照と比較して活性、機能、及び/または量を減少、低減、または抑止することである。いくつかの実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、20%以上の全体的な減少を生じる能力を意味する。いくつかの実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、50%以上の全体的な減少を生じる能力を意味する。いくつかの実施形態では、「低減する」または「阻害する」とは、75%、85%、90%、または95%以上の全体的な減少を生じる能力を意味する。いくつかの実施形態では、上述した量は、同じ期間の対照用量(例えば、プラセボ)と比較して、ある期間にわたって阻害または減少する。本明細書で使用される場合、「参照」とは、比較目的のために使用される任意の試料、標準、またはレベルを指す。参照は、健康な及び/または無疾患の試料から得ることができる。いくつかの例では、参照は、未処理の試料から得ることができる。いくつかの例では、参照は、対象個体の無疾患または未処理の試料から得られる。いくつかの例では、参照は、対象または患者ではない1または複数の健康な個体から得られる。
本明細書で使用される場合、「疾患の発症を遅延させる」とは、疾患(例えば、がん)の発症を留保し、妨害し、減速し、遅延させ、安定させ、抑制し、及び/または延期することを意味する。この遅延は、治療されている病歴及び/または個体に応じて異なる期間のものであり得る。当業者に明らかであるように、十分な、または有意な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で予防を包含し得る。例えば、転移の発症などの末期がんを遅延させることができる。
本明細書で使用される場合、「予防」とは、疾患にかかりやすい可能性があるが、まだ疾患を有すると診断されていない対象における疾患の発症または再発に対する予防を提供することを含む。特に指定しない限り、用語「減少する」、「阻害する」、または「予防する」は、全期間の完全な予防を意味しないか、またはそれを必要としない。
本明細書で使用する場合、機能または活性を「抑制」することは、目的の条件またはパラメータを除いてそれ以外は同じ条件と比較した場合、あるいは、他の条件と比較して、機能または活性を低下させることである。例えば、腫瘍の増殖を抑制する抗体は、抗体の非存在下での腫瘍の増殖速度と比較して、腫瘍の増殖速度を低下させる。
物質/分子、アゴニスト、またはアンタゴニストの「治療有効量」とは、個体の疾患状態、年齢、性別、及び体重などの要因、ならびに個体における所望の応答を引き出す物質/分子、アゴニスト、またはアンタゴニストの能力により変動し得る。また、治療有効量とは、治療的に有益な効果が、物質/分子、アゴニスト、またはアンタゴニストのあらゆる中毒作用または有害効果を上回る量のことである。治療有効量は、1回以上の投与で送達されてもよい。治療有効量は、所望の治療結果及び/または予防結果を達成するために必要な投与量及び期間での有効な量を指す。
「予防有効量」は、所望の予防結果を達成するために必要な投与量及び期間での有効な量を指す。必ずしもそうではないが、典型的には、予防用量は疾患の早期段階以前または早期段階で対象において使用されるため、予防有効量は治療有効量よりも少ないであろう。
「医薬製剤」及び「医薬組成物」という用語は、活性成分(複数可)の生物学的活性が有効になるような形態であり、かつ製剤が投与される対象にとって許容不可能なほど毒性であるいかなる追加の成分も含有しない調製物を指す。そのような製剤は、無菌であり得る。
「薬学的に許容される担体」は、非毒性の固体、半固体、または液体の充填剤、希釈剤、封入材料、製剤補助剤、または対照に投与するための「医薬組成物」を一緒に含む治療剤と使用するための当該技術分野で慣用の担体を指す。薬学的に許容される担体は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、製剤の他の成分と適合性である。薬学的に許容される担体は、用いられる製剤に適切である。
「滅菌」製剤は、無菌であるか、または生きた微生物及びそれらの胞子を本質的に含まない。
「PD-1療法」は、PD-1のPD-L1及び/またはPD-L2への結合を調節する任意の療法を包含する。PD-1療法は、例えば、PD-1及び/またはPD-L1と直接相互作用し得る。いくつかの実施形態では、PD-1療法は、PD-1に直接に結合する及び/またはその活性に影響を与える分子を含む。いくつかの実施形態では、PD-1療法は、PD-L1に直接に結合する及び/またはその活性に影響を与える分子を含む。したがって、PD-1またはPD-L1に結合し、PD-1のPD-L1への相互作用を遮断する抗体は、PD-1療法的である。所望のPD-1療法のサブタイプが意図される場合、PD-1と直接相互作用する分子を含む療法については「PD-1特異的」、またはPD-L1と直接相互作用する分子を含む療法については「PD-L1特異的」という語句によって、適宜指定されるであろう。特に指定されない限り、PD-1療法に関する本明細書に含有される全ての開示は、一般的なPD-1療法、ならびにPD-1特異的及び/またはPD-L1特異的療法に適用される。非限定的な例示的なPD-1療法としては、ニボルマブ(BMS-936558、MDX-1106、ONO-4538);ピディリズマブ、ランブロリズマブ/ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標)、MK-3475);デュルバルマブ;RG-7446;MSB-0010718C;AMP-224;BMS-936559(抗PD-L1抗体);AMP-514;MDX-1105;ANB-011;抗LAG-3/PD-1;抗PD-1 Ab(CoStim);抗PD-1 Ab(Kadmon Pharm.);抗PD-1 Ab(Immunovo);抗TIM-3/PD-1 Ab(AnaptysBio);抗PD-L1 Ab(CoStim/Novartis);MEDI-4736(抗PD-L1抗体、Medimmune/AstraZeneca);RG7446/MPDL3280A(抗PD-L1抗体、Genentech/Roche);KD-033、PD-1アンタゴニスト(Agenus);STI-A1010;STI-A1110;TSR-042;及びプログラムされた死1(PD-1)またはプログラムされた死リガンド1(PD-L1)を対象とする他の抗体が挙げられる。
1つ以上のさらなる治療剤「と組み合わせた」投与には、同時(同時進行)及び任意の順序での連続または順次投与が含まれる。
「同時に」という用語は、投与の少なくとも一部が同時に重複するか、または1つの治療剤の投与が別の治療剤の投与に対して短期間内に収まる場合の、2つ以上の治療剤の投与を指すために本明細書で使用される。例えば、2つ以上の治療剤は、指定された分数を超えない程度の時間間隔で投与される。
用語「順次」は、1つ以上の薬剤(複数可)の投与が、1つ以上の他の薬剤(複数可)の投与を中止した後に継続する場合の、2つ以上の治療剤の投与を指すために本明細書で使用される。例えば、2つ以上の治療剤の投与は、およそ指定された分数を超える時間間隔で投与される。
本明細書で使用される場合、「と併せて」とは、ある治療法を、別の治療法に加えて投与することを指す。したがって、「と併せて」とは、ある治療法を、別の治療法の投与前、投与中、または投与後に個体へ投与することを指す。
用語「添付文書」は、治療薬の市販パッケージに通例含まれる、そのような治療薬の使用に関する適応症、用途、投与量、投与、複合療法、禁忌、及び/または警告についての情報を含有する説明書を指すために使用される。
「製品」とは、少なくとも1つの試薬、例えば、疾患もしくは障害(例えば、がん)の治療のための医薬品、または本明細書に説明されるバイオマーカーを特異的に検出するためのプローブを含む、任意の製造物(例えば、パッケージもしくは容器)またはキットである。いくつかの実施形態では、製造物またはキットは、本明細書に説明される方法を実施するためのユニットとして、推奨、流通、または販売される。
用語「標識」及び「検出可能な標識」は、検出可能な特異的結合対のメンバー間に反応(例えば、結合)をもたらすために、抗体またはその分析物に結合した部分を意味する。特異的結合対の標識されたメンバーは、「検出可能に標識された」と称される。したがって、用語「標識された結合タンパク質」は、結合タンパク質の特定をもたらす、組み込まれた標識を有するタンパク質を指す。いくつかの実施形態では、標識は、視覚的または機器的手段、例えば、放射標識されたアミノ酸の組み込み、またはマーカーされたアビジン(例えば、蛍光マーカー、または光学法もしくは比色法によって検出することができる酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出することができるビオチニル部分のポリペプチドへの結合によって、検出可能なシグナルを生成することができる、検出可能なマーカーである。ポリペプチドのための標識の例としては、放射性同位体または放射性核種(例えば、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Ho、または153Sm)、色素原、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドリン光体)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)、及びガドリニウムキレートなどの磁気剤が挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイのために一般に用いられる標識の代表的な例としては、光を生成する部分、例えば、アクリジニウム化合物、及び蛍光を生成する部分、例えば、フルオレセインが挙げられる。この点に関して、部分それ自体は検出可能に標識されない場合があるが、さらに別の部分と反応した際に検出可能となり得る。
用語「コンジュゲート」とは、治療剤または細胞毒性剤などの第2の化学部分に化学的に連結されている抗体を指す。「薬剤」という用語には、化学化合物、化学化合物の混合物、生物学的巨大分子、または生物学的材料から抽出された抽出物が含まれる。いくつかの実施形態では、治療剤または細胞毒性剤には、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭素エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルチシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及びピュロマイシン、ならびにそれらの類似体または相同体が挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイの文脈において用いられる場合、コンジュゲート抗体は、検出抗体として使用される検出可能に標識された抗体であり得る。
II.抗LILRB2抗体
LILRB2を対象とする新規抗体が提供される。抗LILRB2抗体としては、ヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、ヒト抗体、ならびに本明細書で考察される重鎖及び/または軽鎖CDRを含む抗体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、LILRB2に結合する単離された抗体が提供される。いくつかの実施形態では、LILRB2に結合するモノクローナル抗体が提供される。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号95のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗LILRB2抗体と競合する、抗LILRB2抗体が提供される。いくつかの実施形態では、結合について、本明細書で提供される抗体のいずれかと競合(すなわち、交差競合)する抗体を作成及び/または使用することができる。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号95のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される6つのCDRのいずれかは、サブパーツとして、本明細書で提供される他のCDRのいずれかと、構築物におけるCDRの合計が6つであるように組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の抗体からの2つのCDR(例えば、CDR-H1及びCDR-H2)は、第2の抗体からの4つのCDR(CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3)と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のCDR中の2つ以下の残基を置換して、それらのバリアントを得ることができる。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、または6つのCDRにおいて、2つ以下の残基を置換することができる。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号13において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号13のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号14において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号14のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号13において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号14において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号13のVHドメイン配列、及び配列番号14のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号13及び配列番号14のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号53において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号53のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号54において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号54のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号53において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号54において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号53のVHドメイン配列、及び配列番号54のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号53及び配列番号54のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号52のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号63において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号63のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号64のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号64において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号64のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号64のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号63において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号64において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号63のVHドメイン配列、及び配列番号64のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号63及び配列番号64のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号73において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号73のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号74のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号74において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号74のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号74のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号73において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号74において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号73のVHドメイン配列、及び配列番号74のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号73及び配列番号74のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号71のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号83のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号83において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号83のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号84において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号84のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号83のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号83において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号84において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号83のVHドメイン配列、及び配列番号84のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号83及び配列番号84のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号81のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号82のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号93において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号93のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号95のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号94のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号94において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号94のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号94のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号93において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号94において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号93のVHドメイン配列、及び配列番号94のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号93及び配列番号94のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号92のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号103のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号103において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号103のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号104のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号104において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号104のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号103のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号104のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号103において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号104において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号103のVHドメイン配列、及び配列番号104のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号103及び配列番号104のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号101のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号102のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号113のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号113において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号113のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号114のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号114において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号114のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号113のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号114のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号113において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号114において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号113のVHドメイン配列、及び配列番号114のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、それぞれ、配列番号113及び配列番号114のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号111のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号112のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗LILRB2抗体と競合する、抗LILRB2抗体が提供される。いくつかの実施形態では、結合について、本明細書で提供される抗体のいずれかと競合(すなわち、交差競合)する抗体を作成及び/または使用することができる。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される6つのCDRのいずれかは、サブパーツとして、本明細書で提供される他のCDRのいずれかと、構築物におけるCDRの合計が6つであるように組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の抗体からの2つのCDR(例えば、CDR-H1及びCDR-H2)は、第2の抗体からの4つのCDR(CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3)と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のCDR中の2つ以下の残基を置換して、それらのバリアントを得ることができる。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、または6つのCDRにおいて、2つ以下の残基を置換することができる。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号3において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号3のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、抗体は、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号4において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号4のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号3において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号4において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号3のVHドメイン配列、及び配列番号4のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、本抗体は、それぞれ、配列番号3及び配列番号4のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗LILRB2抗体と競合する、抗LILRB2抗体が提供される。いくつかの実施形態では、結合について、本明細書で提供される抗体のいずれかと競合(すなわち、交差競合)する抗体を作成及び/または使用することができる。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される6つのCDRのいずれかは、サブパーツとして、本明細書で提供される他のCDRのいずれかと、構築物におけるCDRの合計が6つであるように組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の抗体からの2つのCDR(例えば、CDR-H1及びCDR-H2)は、第2の抗体からの4つのCDR(CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3)と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のCDR中の2つ以下の残基を置換して、それらのバリアントを得ることができる。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、または6つのCDRにおいて、2つ以下の残基を置換することができる。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号23において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号23のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号24において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号24のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号23において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号24において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号23のVHドメイン配列、及び配列番号24のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、本抗体は、それぞれ、配列番号23及び配列番号24のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗LILRB2抗体と競合する、抗LILRB2抗体が提供される。いくつかの実施形態では、結合について、本明細書で提供される抗体のいずれかと競合(すなわち、交差競合)する抗体を作成及び/または使用することができる。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される6つのCDRのいずれかは、サブパーツとして、本明細書で提供される他のCDRのいずれかと、構築物におけるCDRの合計が6つであるように組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の抗体からの2つのCDR(例えば、CDR-H1及びCDR-H2)は、第2の抗体からの4つのCDR(CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3)と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のCDR中の2つ以下の残基を置換して、それらのバリアントを得ることができる。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、または6つのCDRにおいて、2つ以下の残基を置換することができる。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号33において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号33のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号34において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号34のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号33において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号34において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号33のVHドメイン配列、及び配列番号34のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、本抗体は、それぞれ、配列番号33及び配列番号34のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの態様では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR-H2、(c)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR-H3、(d)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(e)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(f)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、または6つのCDRを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗LILRB2抗体と競合する、抗LILRB2抗体が提供される。いくつかの実施形態では、結合について、本明細書で提供される抗体のいずれかと競合(すなわち、交差競合)する抗体を作成及び/または使用することができる。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての重鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、(a)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全ての軽鎖CDR配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される6つのCDRのいずれかは、サブパーツとして、本明細書で提供される他のCDRのいずれかと、構築物におけるCDRの合計が6つであるように組み合わせることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の抗体からの2つのCDR(例えば、CDR-H1及びCDR-H2)は、第2の抗体からの4つのCDR(CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3)と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のCDR中の2つ以下の残基を置換して、それらのバリアントを得ることができる。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、または6つのCDRにおいて、2つ以下の残基を置換することができる。
特定の実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号43のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する可変重鎖(VH)ドメイン配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号43において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号43のVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VHは、(a)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(b)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR-H2、及び(c)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する、可変軽鎖(VL)ドメインを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号44において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号44のVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(b)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び(c)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号43のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVHドメイン配列、及び配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVHドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有し、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するVLドメイン配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗LILRB2抗体は、LILRB2に結合する能力を保有する。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号43において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、合計1~10個のアミノ酸が、配列番号44において置換、挿入、及び/または欠失されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外部の領域で(すなわち、FR内で)生じる。任意に、抗LILRB2抗体は、配列番号43のVHドメイン配列、及び配列番号44のVLドメイン配列を含み、一方または両方の配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVHドメイン、及び本明細書で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLドメインを含む。いくつかの実施形態では、本抗体は、それぞれ、配列番号43及び配列番号44のVH及びVLドメイン配列を含み、それらの配列の翻訳後修飾を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、配列番号41のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、上記実施形態のいずれかに説明されるような6つのCDRを含み、LILRB2(例えば、ヒトLILRB2)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、上記に説明される実施形態のいずれかの6つのCDRを含み、LILRB2に特異的に結合し、HLA-G及び/またはHLA-A2のLILRB2(例えば、ヒトLILRB2)への結合を遮断する。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、上記実施形態のいずれかに説明されるような6つのCDRを含み、LILRB2(例えば、ヒトLILRB2)に特異的に結合し、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換を引き起こす。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、可変重鎖領域及び可変軽鎖領域を含む。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、可変重鎖領域及び重鎖定常領域の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの重鎖、ならびに可変軽鎖領域及び軽鎖定常領域の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、2つの重鎖(ここで、各重鎖は、可変重鎖領域及び定常重鎖領域の少なくとも一部分を含む)、及び2つの軽鎖(ここで、各軽鎖は、可変軽鎖領域及び定常軽鎖領域の少なくとも一部分を含む)を含む。本明細書で使用される場合、一本鎖Fv(scFv)、または例えば、6つ全てのCDR(3つの重鎖CDR及び3つの軽鎖CDR)を含む単一ポリペプチド鎖を含む任意の他の抗体は、重鎖及び軽鎖を有すると考えられる。いくつかの実施形態では、重鎖は、3つの重鎖CDRを含む抗LILRB2抗体の領域である。いくつかの実施形態では、軽鎖は、3つの軽鎖CDRを含む抗LILRB2抗体の領域である。
いくつかの実施形態では、LILRB2との結合について、本明細書に提供される抗LILRB2抗体と競合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、LILRB2上のエピトープとの結合について、本明細書に提供される抗LILRB2抗体と交差競合する。
いくつかの実施形態では、LILRB2との結合について、本明細書に説明される抗LILRB2抗体と競合するモノクローナル抗体を特定するために、競合アッセイが使用され得る。競合アッセイを使用して、2つの抗体が、同一または立体的に重複するエピトープを認識することによって同じエピトープに結合するかどうか、あるいは1つの抗体が、別の抗体の抗原への結合を競合的に阻害するかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、そのような競合抗体は、本明細書に説明される抗体によって結合される、同一のエピトープに結合する。例示的な競合アッセイとしては、Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.)に提供されるものなどの日常的なアッセイが挙げられるが、これに限定されない。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な例示的な方法は、Morris(1996)「Epitope Mapping Protocols」Methods in Molecular Biology vol.66(Humana Press,Totowa,N.J.)に提供されている。いくつかの実施形態では、2つの抗体は、それぞれがもう一方の結合を50%以上遮断する場合、同一のエピトープに結合すると言われている。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗LILRB2抗体と競合する抗体は、キメラ、ヒト化、またはヒト抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるようなキメラ、ヒト化、またはヒト抗LILRB2抗体と競合する抗体が提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体のエピトープのいずれか1つ以上に結合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本抗体が結合するエピトープに結合し、重複する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体の少なくとも1つと競合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体の少なくとも2つと競合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体の少なくとも3つと競合する抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、本明細書の実施例で説明される抗体として重複するエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、全エピトープは、競合抗体によって結合及び/または妨害される。いくつかの実施形態では、エピトープの一部は、競合抗体によって結合及び/または妨害される。いくつかの実施形態では、競合抗体のパラトープは、本明細書に提供される抗体のエピトープの少なくとも一部と結合する。いくつかの実施形態では、競合抗体のパラトープは、標的と結合し、競合する抗体の構成の異なる部分は、本明細書に提供される抗体のエピトープの少なくとも一部を妨害する。
例示的なキメラ抗体
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗体は、キメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855に説明されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、またはサルなどの非ヒト霊長類に由来する可変領域)及びヒト定常領域を含む。さらなる例においては、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のそれから変更されている「クラススイッチされた」抗体である。キメラ抗体は、それらの抗原結合断片を含む。
非限定的な例示的なキメラ抗体としては、本明細書に説明される抗LILRB2抗体のいずれかの重鎖及び/または軽鎖可変領域を含むキメラ抗体が挙げられる。非限定的な例示的なキメラ抗体としては、本明細書に説明される抗LILRB2抗体のいずれかのCDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3及び/またはCDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3を含むキメラ抗体が挙げられる。いくつかの実施形態では、キメラ抗LILRB2抗体は、上記の可変領域を含み、LILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、キメラ抗LILRB2抗体は、上記の可変領域を含み、LILRB2に結合し、かつM2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換を引き起こす。
いくつかの実施形態では、キメラ抗LILRB2抗体は、配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93、103、及び113から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、抗体はLILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、キメラ抗LILRB2抗体は、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94、104、及び114から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、抗体はLILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、キメラ抗LILRB2抗体は、配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93、103、及び113から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖、ならびに配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94、104、及び114から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、抗体はLILRB2に結合する。
また、例示的なキメラ抗LILRB2抗体としては、LILRB2との結合について、本明細書に説明される抗体またはその断片と競合するキメラ抗体も挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、LILRB2との結合について、本明細書に説明されるLILRB2抗体のいずれかまたはその断片と競合する、キメラ抗LILRB2抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、LILRB2との結合について競合し、かつM2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換を引き起こす。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるキメラ抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDから選択されるアイソタイプである。いくつかの実施形態では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλから選択されるアイソタイプである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるキメラ抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるキメラ抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
上述のように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体のために意図される特定の治療方法に依存し得る。したがって、いくつかの実施形態では、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3の重鎖定常領域を含むキメラ抗LILRB2抗体が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含むキメラ抗LILRB2抗体が選択される。
例示的なヒト化抗体
いくつかの実施形態では、LILRB2に結合するヒト化抗体が提供される。ヒト化抗体は、抗体治療に対する免疫応答(例えば、ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答)及び治療の有効性の減少をもたらし得る非ヒト抗体と比較して、ヒト免疫応答を低減または排除するため、ヒト化抗体は治療用分子として有用である。
いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的に、非ヒト抗体は、親の非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低減するために、ヒト化される。一般に、ヒト化抗体は、CDR(またはそれらの部分)が非ヒト抗体に由来し、FR(またはそれらの部分)がヒト抗体配列に由来する、1つ以上の可変ドメインを含む。任意に、ヒト化抗体はまた、ヒト定常領域の少なくとも一部分も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体におけるいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を復元または向上させるために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基の由来となった抗体)由来の対応する残基で置換される。
ヒト化抗体及びそれらを作製する方法は、例えば、Almagro and Fransson,2008,Front.Biosci.,13:1619-1633に概説され、例えば、Riechmann et al.,1988,Nature,332:323-329;Queen et al.,1989,Proc.Natl Acad.Sci.USA,86:10029-10033;米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号、及び同第7,087,409号;Kashmiri et al.,2005,Methods,36:25-34;Padlan,1991,Mol.Immunol.,28:489-498(「リサーフェイシング」を説明する);Dall’Acqua et al.,2005,Methods,36:43-60(「FRシャッフリング」を説明する);ならびにOsbourn et al.,2005,Methods,36:61-68及びKlimka et al.,2000,Br.J.Cancer,83:252-260(FRシャッフリングに対する「誘導選択」アプローチを説明する)にさらに説明される。
ヒト化に使用することができるヒトフレームワーク領域としては、「最良適合」法を使用して選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al.,1993,J.Immunol.151:2296を参照)、軽鎖または重鎖可変領域の特定の下位集団のヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285、及びPresta et al.,1993,J.Immunol.,151:2623を参照)、ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞株フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,2008,Front.Biosci.,13:1619-1633を参照)、及びFRライブラリのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,1997,J.Biol.Chem.,272:10678-10684、及びRosok et al.,1996,J.Biol.Chem.,271:22611-22618を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
非限定的な例示的なヒト化抗体には、配列番号53、63、73、83、93、103、及び113から選択されるVHドメイン、及び/または配列番号54、64、74、84、94、104、及び114から選択されるVLドメインを含む抗体、またはそれらの任意の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは6つのCDRが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、上記のCDRを含み、LILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、上記のCDRを含み、LILRB2に結合し、かつM2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換を引き起こす。
いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、配列番号53、63、73、83、93、103、及び113から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖を含み、抗体はLILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、配列番号54、64、74、84、94、104、及び114から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、抗体はLILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、配列番号53、63、73、83、93、及び113から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む重鎖、ならびに配列番号54、64、74、84、94、104、及び114から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である可変領域配列を含む軽鎖を含み、抗体はLILRB2に結合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるCDR配列のいずれか1つ以上が維持され、一方、残りの重鎖及び/または軽鎖領域(すなわち、FR1、FR2、FR3、及びFR4)は、配列番号53、54、63、64、73、74、83、84、93、94、103、104、113、及び114から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である。
いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、本明細書で考察されるCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、本明細書で考察されるCDR-H1、本明細書で考察されるCDR-H2、本明細書で考察されるCDR-H3、本明細書で考察されるCDR-L1、本明細書で考察されるCDR-L2、及び本明細書で考察されるCDR-L3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、いくつかの実施形態では、ヒト化抗LILRB2抗体は、本明細書で考察されるCDRに基づく少なくとも1つの変異したCDRを含み、変異したCDRは、本明細書で考察されるCDRに対して、1、2、3、または4つのアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列のための1つ以上の好適な保存的アミノ酸置換を選択することができ、好適な保存的アミノ酸置換は、変異したCDRを含む抗体の結合特性を有意に変化させることは予測されていない。
また、例示的なヒト化抗LILRB2抗体としては、LILRB2との結合について、本明細書に説明される抗体またはその断片と競合する抗体も挙げられる。いくつかの実施形態では、LILRB2との結合について、本明細書に説明される任意の抗LILRB2抗体またはその断片と競合し、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換を引き起こす、ヒト化抗LILRB2抗体が提供される。
例示的なヒト抗体
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗LILRB2抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で既知の様々な技法を使用して産生することができる。ヒト抗体は、概して、van Dijk and van de Winkel,2001,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368-374、及びLonberg,2008,Curr.Opin.Immunol.,20:450-459に説明されている。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、天然型のヒト抗体ではない。いくつかの実施形態では、ヒト抗体は、モノクローナル抗体であり、したがって、いくつかの実施形態では、一組のヒト抗体の各々は、抗原上の同じエピトープに結合することができる。
ヒト抗体は、免疫原を、抗原投与に応答してインタクトなヒト抗体またはヒト可変領域を含むインタクトな抗体を産生するように修飾されているトランスジェニック動物に投与することによって、調製することができる。そのような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン座位を置換するか、または染色体外に存在するかもしくは動物の染色体内にランダムに組み込まれたヒト免疫グロブリン座位の全てまたは一部を含有する。そのようなトランスジェニックマウスにおいて、内因性免役グロブリン座位は、概して不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg,2005,Nat.Biotech.,23:1117-1125を参照されたい。また例えば、XENOMOUSE(商標)技術について説明している米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号、HUMAB(登録商標)技術について説明している米国特許第5,770,429号、K-M MOUSE(登録商標)技術について説明している米国特許第7,041,870号、ならびにVELOCIMOUSE(登録商標)技術について説明している米国特許出願公開第US2007/0061900号も参照されたい。そのような動物によって生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによって、さらに修飾され得る。
ヒト抗体はまた、ハイブリドーマベースの方法によって作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫細胞株及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が説明されている。例えば、Kozbor,1984,J.Immunol.,133:3001、Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)、及びBoerner et al.,1991,J.Immunol.,147:86を参照されたい。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されるヒト抗体はまた、Li et al.,2006,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562にも説明されている。追加の方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株由来のモノクローナルヒトIgM抗体の産生について説明する)、及びNi,2006,Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(ヒト-ヒトハイブリドーマについて説明する)に説明されるものが含まれる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)はまた、Vollmers and Brandlein,2005,Histology and Histopathology,20(3):927-937、及びVollmers and Brandlein,2005,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-191にも説明されている。
ヒト抗体はまた、ヒト由来ファージディスプレイライブラリから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成することもできる。そのような可変ドメイン配列は、次いで、所望のヒト定常ドメインと組み合わされてもよい。抗体ライブラリからヒト抗体を選択するための技法を、以下に説明する。
抗体は、組み合わせのライブラリを、所望の活性(単数または複数)を有する抗体についてスクリーニングすることによって、単離されてもよい。例えば、ファージディスプレイライブラリを生成し、そのようなライブラリを、所望の結合特性を保有する抗体についてスクリーニングするための、様々な方法が当該技術分野で知られている。そのような方法は、例えば、Hoogenboom et al.,Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に概説され、さらに、例えば、McCafferty et al.,1990,Nature,348:552-554、Clackson et al.,1991,Nature,352:624-628、Marks et al.,1992,J.Mol.Biol.,222:581-597、Marks and Bradbury,Methods in Molecular Biology,248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003)、Sidhu et al.,2004 J.Mol.Biol.,338(2):299-310、Lee et al.,2004,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093、Fellouse,2004,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,101(34):12467-12472、及びLee et al.,2004,J.Immunol.Methods,284(1-2):119-132、ならびにPCT公開第WO99/10494号に説明される。
ある特定のファージディスプレイ法において、VH及びVL遺伝子のレパートリーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別個にクローニングされ、ファージライブラリ中でランダムに組み換えられ、次いで、それをWinter et al.,1994,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455に説明されるように抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、典型的には、一本鎖Fv(scFv)断片としてまたはFab断片としてのいずれかで、抗体断片を提示する。免疫化供給源由来のライブラリは、ハイブリドーマの構築を必要とすることなく、高親和性抗体を免疫原に提供する。あるいは、Griffiths et al.,EMBO J,12:725-734(1993)によって説明されるように、ナイーブレパートリーを(例えば、ヒトから)クローニングして、いかなる免疫化も伴わずに、広範な非自己抗原及びまた自己抗原に対する抗体の単一供給源を提供することができる。最後に、ナイーブライブラリはまた、Hoogenboom and Winter 1992,J.Mol.Biol.,227:381-388に説明されるように、幹細胞からの再配列されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含有するPCRプライマーを使用して高度可変CDR3領域をコードし、インビトロで再配列を達成することによって、合成的に作製することができる。ヒト抗体ファージライブラリについて説明する特許公報としては、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が挙げられる。
いくつかの実施形態では、キメラヒト抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、LILRB2を結合するヒト抗体由来の可変領域、及び異なるヒト抗体由来の定常領域を含む。いくつかの実施形態では、キメラヒト抗LILRB2抗体が提供され、この抗体は、LILRB2を結合するヒト抗体由来のCDR、及び異なるヒト抗体由来のフレームワークを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、天然型のヒト抗体ではない。
いくつかの実施形態では、ヒト抗LILRB2抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDから選択されるアイソタイプである。いくつかの実施形態では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλから選択されるアイソタイプである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるヒト抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるヒト抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
いくつかの実施形態では、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3の重鎖定常領域を含むヒト抗LILRB2抗体が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含むヒト抗LILRB2抗体が選択される。
本明細書に記載のとおり、用語「ヒト抗体」は、抗体の供給源というよりは、抗体構築物のための可能性のある配列の属を意味する。
例示的な抗体定常領域
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗体は、1つ以上のヒト定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、及びIgDから選択されるアイソタイプである。いくつかの実施形態では、ヒト軽鎖定常領域は、κ及びλから選択されるアイソタイプである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗体は、ヒトIgG4定常領域及びヒトκ軽鎖を含む。
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、明白に記載されているかまたは当業者に既知でない限り、免疫グロブリン重鎖中の残基の番号付けは、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991)のようなEUインデックスの番号付けである。「KabatにあるようなEUインデックス」とは、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。
上述のように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体のために意図される特定の治療方法に依存し得る。したがって、いくつかの実施形態では、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3の重鎖定常領域を含む抗LILRB2抗体が選択される。いくつかの実施形態では、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含む抗LILRB2抗体が選択される。
いくつかの実施形態では、バリアントFc領域を含む抗体は、野生型IgGまたは野生型抗体のFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、野生型抗体のFc領域において2つ以上のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、野生型抗体のFc領域において3つ以上のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントFc領域は、少なくとも1、2、または3つ以上の本明細書に説明されるFc領域アミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、本明細書におけるバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約80%の相同性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書におけるバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約90%の相同性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書におけるバリアントFc領域は、天然配列Fc領域及び/または親ポリペプチドのFc領域と少なくとも約95%の相同性を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加または減少させるように変化される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1つ以上のグリコシル化部位が作り出されるか、または除去されるように、アミノ酸配列を変化させることによって、好都合に達成され得る。
抗体がFc領域を含む場合、そこに結合した炭水化物は変化され得る。哺乳動物細胞によって産生される天然抗体は、典型的には、一般にN-結合によってFc領域のCH2ドメインのAsn297に結合される、分岐した二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.,1997,TIBTECH,15:26-32を参照されたい。オリゴ糖類には、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖類構造の「ステム」においてGlcNAcに結合したフコースが含まれ得る。いくつかの実施形態では、抗体におけるオリゴ糖の修飾は、ある特定の改善された特性を有する抗体バリアントを作り出すためになされ得る。
いくつかの実施形態では、Fc領域に(直接または間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体バリアントが提供される。例えば、そのような抗体におけるフコースの量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%、または20%~40%であってもよい。フコースの量は、例えば、WO2008/077546に説明されるように、MALDI-TOF質量分析によって測定される場合、Asn297に結合した全ての糖構造(例えば、複合体、ハイブリッド、及び高マンノース構造)の合計に対する、Asn297での糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域における約297位(Fc領域残基のEU付番)に位置するアスパラギン残基を指すが、Asn297はまた、抗体における小規模な配列変異に起因して、297位から約±3アミノ酸上流または下流、すなわち、294位~300位の間にも位置し得る。そのようなフコシル化バリアントは、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許公開第2003/0157108号(Presta,L.)、同第2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体バリアントに関する刊行物の例としては、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、WO2002/031140、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004)、Yamane-Ohnuki et al.,2004,Biotech.Bioeng.87:614が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例としては、タンパク質フコシル化が欠損したLec13 CHO細胞(Ripka et al.,1986,Arch.Biochem.Biophys.249:533-545、米国特許出願第U.S.2003/0157108(A1)号(Presta,L)、及びWO2004/056312(A1)号(Adams et al.、特に実施例11において)、ならびにノックアウト細胞株、例えば、アルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.,2004,Biotech.Bioeng.87:614、Kanda,Y.et al.,2006,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688、及びWO2003/085107を参照されたい)が挙げられる。
例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分されている、二分されたオリゴ糖を有する抗体バリアントがさらに提供される。そのような抗体バリアントは、低減されたフコシル化、及び/または改善されたADCC機能を有し得る。そのような抗体バリアントの例は、例えば、WO2003/011878(Jean-Mairet et al.)、米国特許第U.S.6,602,684号(Umana et al.)、及び同第U.S.2005/0123546号(Umana et al.)に説明されている。Fc領域に結合したオリゴ糖類において少なくとも1個のガラクトース残基を有する抗体バリアントもまた提供される。そのような抗体バリアントは、改善されたCDC機能を有し得る。そのような抗体バリアントは、例えば、WO1997/30087(Patel et al.)、WO1998/58964(Raju,S.)、及びWO1999/22764(Raju,S.)に説明されている。
アミノ末端リーダー伸長を備えた抗体バリアントもまた提供される。例えば、アミノ末端リーダー配列の1つ以上のアミノ酸残基は、抗体の重鎖または軽鎖のいずれか1つ以上のアミノ末端に存在する。例示的なアミノ末端リーダー伸長は、抗体バリアントの軽鎖の一方または両方の上に存在する3つのアミノ酸残基、VHSを含むか、またはそれらからなる。
インビボのまたは血清半減期のヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドは、例えば、バリアントFc領域を有するポリペプチドを投与されたトランスジェニックマウス、ヒト、または非ヒト霊長類においてアッセイすることができる。例えば、Petkova et al.,2006,International Immunology 18(12):1759-1769も参照されたい。
いくつかの実施形態では、抗体バリアントは、親抗体よりも効果的にヒトエフェクター細胞の存在下でADCCを媒介する。いくつかの実施形態では、抗体バリアントは、アッセイにおいて使用されるポリペプチドバリアント及び親抗体の量が本質的に同じである場合、インビトロでのADCCの媒介において実質的により効果的である。いくつかの実施形態では、抗体バリアントは、アッセイにおいて使用されるポリペプチドバリアント及び親抗体の量が本質的に同じである場合、インビボでのADCCの媒介において実質的により効果的である。一般に、このようなバリアントは、本明細書に開示されるようなインビトロADCCアッセイを使用して特定されるが、例えば、動物モデルなどにおいて、ADCC活性を決定するための他のアッセイまたは方法が企図される。
例示的な抗体コンジュゲート
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、別の分子にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、追加の分子は、標識などの検出可能なマーカーであり得る。いくつかの実施形態では、追加の分子は、細胞毒性剤などの治療的分子であり得る。いくつかの実施形態では、標識及び/または細胞毒性剤は、抗体にコンジュゲートされ得る。本明細書で使用される場合、標識は、抗体の検出を容易にする、及び/または抗体が結合する分子の検出を容易にする部分である。非限定的な例示的な標識としては、放射性同位元素、蛍光基、酵素グループ、化学発光基、ビオチン、エピトープタグ、金属結合タグなどが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、特定の用途に応じて好適な標識を選択することができる。
本明細書で使用する場合、細胞毒性剤は、1つ以上の細胞の増殖能力を低下させる部分である。例えば、細胞がアポトーシスを受けた、あるいは死んだために、細胞の増殖能力が低下した場合、細胞は、低下した増殖能力を有し、細胞は、細胞周期を通して進行することができない、及び/または分割、すなわち細胞分化することができない。非限定的な例示的な細胞毒性剤としては、放射性同位体、毒素、及び化学療法剤が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、意図される用途に応じて好適な細胞毒性を選択することができる。いくつかの実施形態では、細胞毒性剤は、代謝抵抗物質、アルキル化剤、抗生物質、増殖因子、サイトカイン、血管新生阻害物質、抗有糸分裂剤、アントラサイクリン、毒素、またはアポトーシス剤のうちの少なくとも1つである。
いくつかの実施形態では、標識及び/または細胞毒性剤は、インビトロの化学的方法を使用して抗体にコンジュゲートされる。コンジュゲートの非限定的な例示的な化学的方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Thermo Scientific Life Science Research Produces(以前にはPierce;Rockford,Ill.)、Prozyme(Hayward,Calif.)、SACRI Antibody Services(Calgary,Canada)、AbD Serotec(Raleigh,N.C.)などから市販されているサービス、方法、及び/または試薬が挙げられる。いくつかの実施形態では、標識及び/または細胞毒性剤がポリペプチドである場合、標識及び/または細胞毒性剤は、少なくとも1つの抗体鎖を含む同じ発現ベクターから発現されて、抗体鎖に融合した標識及び/または細胞毒性剤を含むポリペプチドを産生することができる。当業者は、意図される用途に応じて、標識及び/または細胞毒性剤を抗体にコンジュゲートするための好適な方法を選択することができる。
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは共有結合であり得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは非共有結合であり得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、特異的結合相互作用を介して、例えば、二次抗体の結合を介するものであり得る。
例示的なリーダー配列
一部の分泌タンパク質が大量に発現し分泌するためには、異種タンパク質由来のリーダー配列が望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、異種リーダー配列を用いることは、分泌プロセス中にERにおいてリーダー配列が除去されるときに、得られた成熟ポリペプチドが変化しないままであるという点において有利であり得る。異種リーダー配列の付加は、いくつかのタンパク質を発現し分泌するために、有用であり得る。
特定の例示的なリーダー配列シーケンスは、例えば、Department of Biochemistry,National University of Singaporeによって維持されるオンラインのリーダー配列データベースに説明されている。Choo et al.,2005,BMC Bioinformatics,6:249、及びPCT出願公開第WO2006/081430号を参照されたい。
III.抗体活性
本明細書では、特定の機能特性を提供する抗LILRB2抗体を提供する。本発明の特定の態様では、抗LILRB2抗体は、(例えば、M1様マクロファージによって示されるような)免疫原性を促進して、病態、例えば、がんに応答する。さらに、またはあるいは、本発明の抗LILRB2抗体は、例えば、M2様マクロファージによって示されるような、免疫調節性(例えば、免疫抑制性)応答を阻害することができる。
HLA-A2の遮断は、LILRB2と古典的MHCクラスI分子との間の結合を破壊するためのモデルであり得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、HLA-GまたはHLA-A2のLILRB2(例えば、ヒトLILRB2)への結合を遮断する。遮断は、当該技術分野で既知の、または本明細書に説明される任意の好適な手段によって、検出及び/または定量化することができる。例えば、HLA-GまたはHLA-A2の遮断は、例えば、実施例10に説明されるような、(例えば、ヒト単球を使用する)四量体遮断アッセイを使用して検出及び/または定量化することができる。
いくつかの実施形態では、HLA-GのLILRB2への結合を遮断する抗LILRB2抗体は、LILRB2のHLA-Gと(すなわち、完全にまたは部分的に)同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、HLA-GのLILRB2への結合を遮断する抗LILRB2抗体は、HLA-Gに結合されたLILRB2エピトープの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または少なくとも8つの残基に結合する。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、四量体結合アッセイにおいて、HLA-G四量体の少なくとも50%(例えば、50~100%、55~95%、60~90%、65~85%、または70~80%、例えば、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~100%、例えば、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%)を遮断する。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、四量体結合アッセイにおいて、1.0nM未満(例えば、0.9nM未満、0.8nM未満、0.7nM未満、0.6nM未満、0.5nM未満、0.4nM未満、0.3nM未満、0.2nM未満、0.15nM未満、0.14nM未満、0.13nM未満、0.12nM未満、0.11nM未満、0.1nM未満、0.09nM未満、または0.08nM未満)のEC50でHLA-G四量体を遮断する。
いくつかの実施形態では、HLA-A2のLILRB2への結合を遮断する抗LILRB2抗体は、LILRB2のHLA-A2と(すなわち、完全にまたは部分的に)同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、HLA-A2のLILRB2への結合を遮断する抗LILRB2抗体は、HLA-A2に結合されたLILRB2エピトープの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または少なくとも8つの残基に結合する。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、四量体結合アッセイにおいて、HLA-A2四量体の少なくとも50%(例えば、50~100%、55~95%、60~90%、65~85%、または70~80%、例えば、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90~100%、例えば、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%)を遮断する。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、四量体結合アッセイにおいて、1.0nM未満(例えば、0.9nM未満、0.8nM未満、0.7nM未満、0.6nM未満、0.5nM未満、0.4nM未満、0.3nM未満、0.2nM未満、0.15nM未満、0.14nM未満、0.13nM未満、0.12nM未満、0.11nM未満、0.1nM未満、0.09nM未満、または0.08nM未満)のEC50でHLA-A2四量体を遮断する。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗LILRB2抗体は、M2様マクロファージ集団をM1様マクロファージ集団に変換することができる。M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換は、当該分野で既知の、または本明細書に説明されるような任意の好適な方法、例えば、実施例6に説明されるようなヒト単球由来マクロファージアッセイ、または実施例13に説明されるような組織培養アッセイを使用して検出または定量化することができる。
いくつかの実施形態では、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換は、CXCL9、CXCL11、IRF1、TAP1、IL6R、及びIL15からなる群から選択される1つ以上の遺伝子の発現の増加、例えば、CXCL9、CXCL11、IRF1、TAP1、IL6R、及びIL15からなる群から選択される1つ以上の遺伝子のうちのいずれかの少なくとも1%(例えば、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、またはそれ以上)の発現の増加によって示される。いくつかの実施形態では、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換は、CCL2、PTPN22、KLRC3、IL10、IL18R1、G6PD、CD68、及びBAT3からなる群から選択される1つ以上の遺伝子の発現の減少、例えば、CCL2、PTPN22、KLRC3、IL10、IL18R1、G6PD、CD68、及びBAT3からなる群から選択される1つ以上の遺伝子のうちのいずれかの少なくとも1%(例えば、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%)の発現の減少によって示される。
いくつかの実施形態では、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換は、TNFα、IL-1β、IL-6、CCL3、EGR2、TRAF1、IL1A、IRAK2、TNFアルファ、IL7R、CCL2、IL8、CCL4、CXCL1、BCL2、EGR1、IL1RN、TNFSF15、DUSP4、ICAM1、TNFAIP3、TNFRSF9、CD83、TNFAIP6、CCL20、NFKB1、TNFRSF4、CXCL2、PTGS2、NFKBIA、NFKB2、CLEC4E、NFKBIZ、CCL5、CCL7、CLEC5A、CEBPB、TLR2、SRC、RELB、PLAUR、SOCS3、GBP1、CCL18、CSF1、CD40、NT5E、CCL23、CCL8、GBP5、ITGAX、C3、TNFSF15、ICAM5、DPP4、ZEB1、SPP1、IL23A、CD123、及びIL6からなる群から選択される1、2、または3つのサイトカインの発現の増加、例えば、TNFα、IL-1β、IL-6、CCL3、EGR2、TRAF1、IL1A、IRAK2、TNF、IL7R、CCL2、IL8、CCL4、CXCL1、BCL2、EGR1、IL1RN、TNFSF15、DUSP4、ICAM1、TNFAIP3、TNFRSF9、CD83、TNFAIP6、CCL20、NFKB1、TNFRSF4、CXCL2、PTGS2、NFKBIA、NFKB2、CLEC4E、NFKBIZ、CCL5、CCL7、CLEC5A、CEBPB、TLR2、SRC、RELB、PLAUR、SOCS3、GBP1、CCL18、CSF1、CD40、NT5E、CCL23、CCL8、GBP5、ITGAX、C3、TNFSF15、ICAM5、DPP4、ZEB1、SPP1、IL23A、CD123、及びIL6からなる群から選択される1つ以上の遺伝子のうちのいずれかの少なくとも1%(例えば、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも1倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、またはそれ以上)の発現の増加によって示される。いくつかの実施形態では、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換は、IL-10、CCL2、TGFBR2、CXCL13、IL21R、CD36、CR1、C1QB、及びTGFBIの発現の減少、例えば、IL-10、CCL2、TGFBR2、CXCL13、IL21R、CD36、CR1、C1QB、及びTGFBIからなる群から選択される1つ以上の遺伝子のうちのいずれかの少なくとも1%(例えば、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%)の発現の減少によって示される。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗LILRB2抗体は、ヒトLILRB1、ヒトLILRB3、ヒトLILRB4、ヒトLILRB5、ヒトLILRA1、ヒトLILRA2、ヒトLILRA3、ヒトLILRA4、ヒトLILRA5、またはヒトLILRA6のうちの任意の1つ以上よりも高い親和性でヒトLILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、本発明の抗LILRB2抗体は、ヒトLILRB1、ヒトLILRB3、ヒトLILRB4、ヒトLILRB5、ヒトLILRA1、ヒトLILRA2、ヒトLILRA3、ヒトLILRA4、ヒトLILRA5、またはヒトLILRA6のうちの任意の1つ以上と比較して少なくとも2倍以上高い親和性で(例えば、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、またはそれ以上)高い親和性でヒトLILRB2に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗LILRB2抗体の、ヒトLILRB1、ヒトLILRB3、ヒトLILRB4、ヒトLILRB5、ヒトLILRA1、ヒトLILRA2、ヒトLILRA3、ヒトLILRA4、ヒトLILRA5、またはヒトLILRA6のうちの任意の1つ以上への結合は、例えば、バイオレイヤー干渉法(例えば、OCTET(登録商標)による0.08nm未満)で検出不可能である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体の、LILRB1、ヒトLILRB3、ヒトLILRB4、ヒトLILRB5、ヒトLILRA1、ヒトLILRA2、ヒトLILRA3、ヒトLILRA4、ヒトLILRA5、またはヒトLILRA6のうちの任意の1つ以上に対するKDは、10nMより大きい(例えば、15nMより大きいより大きい、20nMより大きい、25nMより大きい、30nMより大きい、35nMより大きい、40nMより大きい、45nMより大きい、50nMより大きい、60nMより大きい、70nMより大きい、80nMより大きい、90nMより大きい、100nMより大きい、500nMより大きい、1μMより大きい、10μMより大きい、または100μMより大きい)。
IV.抗体の発現及び産生
抗LILRB2抗体をコードする核酸分子
抗LILRB2抗体の1つ以上の鎖をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、核酸分子は、抗LILRB2抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、抗LILRB2抗体の重鎖をコードするポリヌクレオチド及び軽鎖をコードするポリヌクレオチドの両方を含む。いくつかの実施形態では、第1の核酸分子は、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2の核酸分子は、軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖は、1つの核酸分子から、または2つの別個の核酸分子から、2つの別個のポリペプチドとして発現される。抗体がscFvである場合などのいくつかの実施形態では、単一ポリヌクレオチドは、一緒に連結した重鎖及び軽鎖を両方含む単一ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、本明細書に提供されるCDRのうちの少なくとも1つをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、本明細書に提供されるCDRのうちの少なくとも3つをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、本明細書に提供されるCDRのうちの少なくとも6つをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含み、これは、翻訳された場合、重鎖または軽鎖のN末端に位置する。上記で考察されたように、リーダー配列は、天然の重鎖または軽鎖リーダー配列であっても、別の異種リーダー配列であってもよい。
いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書中の配列表中の抗体のアミノ酸配列のうちのいずれかをコードする核酸である。いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書中の配列表中の抗体のアミノ酸配列のうちのいずれかをコードする核酸と少なくとも80%の同一性、例えば、少なくとも80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の同一性を有する核酸である。いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書に提供される核酸配列のうちの任意の1つ以上とハイブリダイズする核酸である。実施形態のいくつかでは、ハイブリダイゼーションは、穏和な条件下である。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションは、例えば、65℃で少なくとも約6倍SSC及び1%のSDSで、0.1倍SSC中の約20%(v/v)のホルムアミドを用いた約42℃で10分間の最初の洗浄、及びそれに続く0.2倍SSC及び0.1%のSDSを用いた65℃での洗浄のような非常に厳しい条件下である。
核酸分子は、当該技術分野における従来の組み換えDNA技術を使用して構築することができる。いくつかの実施形態では、核酸分子は、選択された宿主細胞での発現に好適な発現ベクターである。
ベクター
抗LILRB2重鎖及び/または抗LILRB2軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。抗LILRB2重鎖及び/または抗LILRB2軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターもまた提供される。そのようなベクターとしては、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベクターは、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチド配列及び軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖は、2つの別個のポリペプチドとしてベクターから発現される。いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖は、例えば、抗体がscFvである場合、単一ポリペプチドの一部として発現される。
いくつかの実施形態では、第1のベクターは、重鎖をコードするポリヌクレオチドを含み、第2のベクターは、軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1ベクター及び第2のベクターは、同様の量(例えば、同様のモル量または同様の質量)で宿主細胞に形質移入される。いくつかの実施形態では、5:1~1:5のモル比または質量比の第1のベクター及び第2のベクターが、宿主細胞に形質移入される。いくつかの実施形態では、重鎖をコードするベクター及び軽鎖をコードするベクターについて、1:1~1:5の質量比が使用される。いくつかの実施形態では、重鎖をコードするベクター及び軽鎖をコードするベクターについて、1:2の質量比が使用される。
いくつかの実施形態では、CHOもしくはCHO由来細胞、またはNSO細胞におけるポリペプチドの発現のために最適化されたベクターが選択される。例示的なそのようなベクターは、例えば、Running Deer et al.,2004,Biotechnol.Prog.20:880-889に説明されている。
宿主細胞
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体重鎖及び/または抗LILRB2抗体軽鎖は、細菌細胞などの原核細胞内で、または真菌細胞(酵母など)、植物細胞、昆虫細胞、及び哺乳動物細胞などの真核細胞内で発現され得る。そのような発現は、例えば、当該技術分野で既知の手順に従って実行され得る。ポリペプチドを発現させるために使用され得る例示的な真核細胞としては、COS7細胞を含むCOS細胞;293-6E細胞を含む293細胞;CHO-S、DG44、Lec13 CHO細胞、及びFUT8 CHO細胞を含むCHO細胞;PER.C6(登録商標)細胞(Crucell);ならびにNSO細胞が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体重鎖及び/または抗LILRB2抗体軽鎖は、酵母において発現され得る。例えば、米国公開第U.S.2006/0270045(A1)号を参照されたい。いくつかの実施形態では、特定の真核生物宿主細胞は、抗LILRB2抗体重鎖及び/または抗LILRB2抗体軽鎖に所望の翻訳後修飾を行う能力に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施形態では、CHO細胞は、293細胞中で産生される同じポリペプチドよりも高いレベルのシアリル化を有するポリペプチドを産生する。
所望の宿主細胞への1つ以上の核酸の導入は、リン酸カルシウム形質移入法、DEAE-デキストラン媒介形質移入法、カチオン性脂質媒介形質移入法、電気穿孔法、形質導入、感染などを含むがこれらに限定されない任意の方法によって達成され得る。非限定的な例示的方法は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)に説明されている。核酸は、任意の好適な方法に従って、所望の宿主細胞に一時的または安定的に形質移入され得る。
本明細書に説明されるポリヌクレオチドまたはベクターのいずれかを含む宿主細胞もまた提供される。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体を含む宿主細胞が提供される。異種DNAを過剰発現することができる任意の宿主細胞を、関心対象の抗体、ポリペプチド、またはタンパク質をコードする遺伝子を単離する目的のために使用することができる。哺乳動物宿主細胞の非限定的な例としては、COS、HeLa、及びCHO細胞が挙げられるが、これらに限定されない。PCT公開第WO87/04462号も参照されたい。好適な非哺乳動物宿主細胞としては、原核生物(例えば、E.coliまたはB.subtillis)及び酵母(例えば、S.cerevisae、S.pombe、またはK.lactis)が挙げられる。
抗体の精製
抗LILRB2抗体は、任意の好適な方法によって精製することができる。そのような方法としては、親和性マトリックスまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用が挙げられるが、これらに限定されない。好適な親和性リガンドとしては、抗体定常領域に結合するROR1 ECD及びリガンドが挙げられる。例えば、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、または抗体親和性カラムを使用して、定常領域に結合し、抗LILRB2抗体を精製し得る。疎水性相互作用クロマトグラフィー、例えば、ブチルまたはフェニルカラムはまた、抗体などのいくつかのポリペプチドを精製するのにも好適であり得る。イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー及び/または陽イオン交換クロマトグラフィー)はまた、抗体などのいくつかのポリペプチドを精製するのにも好適であり得る。混合モードクロマトグラフィー(例えば、逆相/陰イオン交換、逆相/陽イオン交換、親水性相互作用/陰イオン交換、親水性相互作用/陽イオン交換など)はまた、抗体などのいくつかのポリペプチドを精製するのにも好適であり得る。ポリペプチドを精製する多くの方法が、当該技術分野で知られている。
抗体の無細胞産生
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、無細胞システムで産生される。非限定的な例示的な無細胞システムは、例えば、Sitaraman et al.,2009,Methods Mol.Biol.498:229-44、Spirin,2004,Trends Biotechnol.22:538-45、Endo et al.,2003,Biotechnol.Adv.21:695-713において説明されている。
組成物
いくつかの実施形態では、上記に説明される方法によって調製される抗体が提供される。いくつかの実施形態では、抗体は、宿主細胞中で調製される。いくつかの実施形態では、抗体は、無細胞システム中で調製される。いくつかの実施形態では、抗体は精製される。いくつかの実施形態では、宿主細胞または無細胞システム中で調製される抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態では、宿主細胞または無細胞システム中で調製される抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、宿主細胞または無細胞システム中で調製される抗体は、ヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体を含む細胞培養培地が提供される。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体を含む宿主細胞培養流体が提供される。
いくつかの実施形態では、上記に説明される方法によって調製される抗体を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞中で調製された抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、無細胞システム中で調製された抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、精製された抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞または無細胞システム中で調製されたキメラ抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞または無細胞システム中で調製されたヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞または無細胞システム中で調製されたヒト抗体を含む。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体を、約10mg/mL、20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、125mg/mL、150mg/mL、175mg/mL、200mg/mL、225mg/mL、または250mg/mLのうちのいずれか1つより高い濃度で含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞または無細胞システム中で調製されたキメラ抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞または無細胞システム中で調製されたヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、宿主細胞または無細胞システム中で調製されたヒト抗体を含む。
V.治療組成物及び方法
抗LILRB2抗体を使用する疾患を治療する方法
抗体及び抗体を含む組成物は、ヒトまたは動物の治療の方法における使用のために提供される。また、抗LILRB2抗体を投与することを含む、疾患を治療する方法も提供される。抗LILRB2抗体を用いて治療することができる非限定的な例示的な疾患としては、がんが挙げられるが、これに限定されない。
より詳細には、本発明の方法に従って治療することができるがんなどの疾患の例として、固形及び血液/リンパがん、ならびに異形成などの悪性、前悪性、及び良性腫瘍も挙げられる。がんの例としては、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。そのようながんのより具体的な非限定的な例としては、腎癌(例えば、腎細胞癌、例えば、乳頭状腎細胞癌)、扁平上皮癌、中皮腫、奇形腫、小細胞肺癌、下垂体癌、食道癌、星状細胞腫、軟部肉腫、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌)、腹膜癌、肝細胞癌、胃腸癌(例えば、胃癌(stomach cancer))、膵臓癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、肝臓癌、前立腺癌、陰門癌、甲状腺癌、胸腺腫、肝癌、脳癌、神経膠腫、神経膠芽腫、子宮内膜癌、精巣癌、胆管癌、胆管肉腫、胆嚢癌、胃癌(gastric cancer)、黒色腫(例えば、ブドウ膜黒色腫)、褐色細胞腫、傍神経節腫、腺様嚢胞癌、及び様々な種類の頭頸部癌(例えば、扁平頭頸部癌)が挙げられる。
抗LILRB2抗体は、必要に応じて対象に投与することができる。投与の頻度の決定は、治療される状態の考慮、治療される対象の年齢、治療される状態の重症度、治療される対象の一般的な健康状態などに基づいて、主治医などの当業者によってなされる。いくつかの実施形態では、有効用量の抗LILRB2抗体は、1回以上対象に投与される。いくつかの実施形態では、有効用量の抗LILRB2抗体は、月に1回、月に1回未満、例えば、2か月または3か月に1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、有効用量の抗LILRB2抗体は、月に1回未満、例えば、2週間に1回、週に1回、対象に投与される。有効用量の抗LILRB2抗体は、少なくとも1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、有効用量の抗LILRB2抗体は、少なくとも1か月、少なくとも6か月、または少なくとも1年の期間を含んで、複数回投与され得る。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、(がんの予防を含む)がんの治療に有効な量で投与される。治療有効量は、一般的に、治療される対象の体重、彼もしくは彼女の身体状態もしくは健康状態、治療される状態の広範さ、または治療される対象の年齢に基づく。一般に、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約10μg/体重kg~約100mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約50μg/体重kg~約5mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約100μg/体重kg~約10mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約100μg/体重kg~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約0.5mg/体重kg~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換をもたらすのに有効な量で投与される。
治療有効量は、一般的に、治療される対象の体重、彼もしくは彼女の身体状態もしくは健康状態、治療される状態の広範さ、または治療される対象の年齢に基づく。一般に、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約10μg/体重kg~約100mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約50μg/体重kg~約5mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約100μg/体重kg~約10mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約100μg/体重kg~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約0.5mg/体重kg~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。
医薬組成物
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体を含む組成物は、多種多様な薬学的に許容される担体と配合されて提供される(例えば、Gennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus,20th ed.(2003)、Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th ed.,Lippencott Williams and Wilkins(2004)、Kibbe et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照されたい)。ビヒクル、アジュバント、及び希釈剤を含む、様々な薬学的に許容される担体が利用可能である。さらに、pH調整及び緩衝剤、張度調整剤、安定剤、湿潤剤などのような、様々な薬学的に許容される補助物質もまた利用可能である。非限定的な例示的な担体には、生理食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、キメラ抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ヒト化抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、宿主細胞中または本明細書で説明されるような無細胞システムで調製された抗体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、(がんの予防を含む)がんの治療に有効な量で投与される。治療有効量は、一般的に、治療される対象の体重、彼もしくは彼女の身体状態もしくは健康状態、治療される状態の広範さ、または治療される対象の年齢に基づく。一般に、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約0.05mg/体重kg~約100mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約10μg/体重kg~約100mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約50μg/体重kg~約5mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約100μg/体重kg~約10mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約100μg/体重kg~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約0.5mg/体重kg~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約0.5mg/体重kg~約10mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約0.05mg/体重kg~約20mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約0.05mg/体重kg~約10mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、約5mg/体重kg以下、例えば、4未満、3未満、2未満、または1mg/体重kgの範囲の量で投与され得る。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、1用量あたり約50μg/体重kg~約5mg/体重kgの範囲の量で存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、20kgの人の1用量は、約1mg~約100mgの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、2mg~200mgの抗LILRB2抗体の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、10mg~400mgの抗LILRB2抗体の範囲内であり得る。
投与経路
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、静脈内、動脈内、非経口、腫瘍内、腹腔内、または皮下を含むがこれらに限定されない、様々な経路によってインビボで投与することができる。適切な製剤及び投与経路は、意図する用途に応じて選択することができる。
併用療法
抗LILRB2抗体は、単独で、または他の治療形式で、例えば、追加の治療剤とともに投与することができる。それらは、他の形式の治療、例えば、外科手術、化学療法、放射線療法、または別の治療抗体などの生物の投与の前に、実質的に同時に、または後に、提供することができる。いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、別の抗がん剤と併せて投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体は、PD-1療法で投与される。例示的なPD-1療法としては、ニボルマブ(BMS-936558、MDX-1106、ONO-4538);ピディリズマブ、ランブロリズマブ/ペンブロリズマブ(KEYTRUDA、MK-3475);デュルバルマブ;RG-7446;アベルマブ(MSB-0010718C);AMP-224;BMS-936559(抗PD-L1抗体);AMP-514;MDX-1105;ANB-011;抗LAG-3/PD-1;抗PD-1 Ab(CoStim);抗PD-1 Ab(Kadmon Pharm.);抗PD-1 Ab(Immunovo);抗TIM-3/PD-1 Ab(AnaptysBio);抗PD-L1 Ab(CoStim/Novartis);MEDI-4736(抗PD-L1抗体、Medimmune/AstraZeneca);RG7446/MPDL3280A(抗PD-L1抗体、Genentech/Roche);KD-033、PD-1アンタゴニスト(Agenus);STI-A1010;STI-A1110;TSR-042;ならびにプログラムされた死1(PD-1)またはプログラムされた死リガンド1(PD-L1)を対象とする他の抗体及び他の薬剤(例えば、JTX-4014、US2018/0118829)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書で提供される抗LILRB2抗体、及び対象の腫瘍がPD-L1高である場合にはPD-1療法を用いた治療のために選択される。PD-L1のレベルの決定は、例えば、IHCを使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、対象は、最初にPD-1療法で治療され、後に、PD-1療法を継続するかしないかに関わらず、本明細書で提供される抗LILRB2抗体を用いて治療される。したがって、本明細書で提供される方法は、抗LILRB2抗体を用いた対象の治療を含み、ここで、対象は、PD-1療法で以前に治療されている。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体は、1つ以上の腫瘍においてマクロファージの存在を示す患者に投与される。マクロファージの存在は、例えば、mRNAシグネチャーまたはIHCによって決定することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体は、抗CD47抗体(例えば、CC90002(Celgene)またはHu5F9-G4(Forty Seven,Inc.))、抗SIRPアルファ抗体(例えば、OSE-172(OSE Immunotherapuetics))、ペグ化IL-2(例えば、NKTR-214(Nektar Therapeutics))、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(AVASTIN(商標登録)))、TTI-621またはTTI-624(Trillium Therapeutics SIRPa-Fc)、ALX148(Alexo、SIRPa-Fc)、及びIDO阻害剤(例えば、epacadostat(Incyte))から選択される1つ以上の療法とともに投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書で提供される抗LILRB2抗体、及びICOS療法を用いた治療のために選択される(例えば、JTX-2011、例えば、米国特許公開第2016/0304610号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に説明される)。いくつかの実施形態では、対象は、最初にICOS療法で治療され、後に、ICOS療法を継続するかしないかに関わらず、本明細書で提供される抗LILRB2抗体を用いて治療される。したがって、本明細書で提供される方法は、抗LILRB2抗体を用いた対象の治療を含み、ここで、対象は、ICOS療法で以前に治療されている。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体は、アゴニスト抗OX40抗体(例えば、Medi6469、MedImmune、MOXR0916/RG7888、Roche)とともに投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体は、抗CTLA4抗体(例えば、イピリムマブ、YERVOY(登録商標)、BMS-734016、MDX-101)とともに投与される。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、化学療法剤である。本明細書に提供される抗LILRB2抗体と組み合わせられ得る例示的な化学療法剤としては、カペクチアビン、シクロホスファミド、ダカルバジン、テモゾロミド、シクロホスファミド、ドセタキセル、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シスプラチン、カルボプラチン、エピルビシン、エリブリン、5-FU、ゲムシタビン、イリノテカン、イクサベピロン、メトトレキサート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、nab-パクリタキセル、ABRAXANE(登録商標)(プロテイン結合パクリタキセル)、ペメトレキセド、ビノレルビン、及びビンクリスチンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗LILRB2抗体は、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤とともに投与される。非限定的な例示的なキナーゼ阻害剤としては、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ、及びコビメタニブが挙げられる。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、IDO阻害剤である。非限定的な例示的なIDO阻害剤は、US2016/0060237、及びUS2015/0352206に説明されている。非限定的な例示的なIDO阻害剤としては、Indoximod(New Link Genetics)、INCB024360(Incyte Corp)、1-メチル-D-トリプトファン(New Link Genetics)、及びGDC-0919(Genentech)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体は、免疫修飾薬(IMiD)と組み合わせて投与される。非限定的な例示的なIMiDとしては、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイドが挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗LILRB2抗体は、治療のための第2の治療方法で投与される。したがって、本明細書で提供される抗体の投与は、治療の別のシステムとの組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、がんワクチンである。がんワクチンは、樹状細胞の抗原転送及び活性化のための潜在的なアプローチとして調査されている。特に、共刺激経路の免疫学的チェックポイントまたはアゴニストと組み合わせたワクチン接種は、耐性を克服し、増加した抗腫瘍応答を生成する証拠を示している。腫瘍に対する免疫応答の促進に異なるアプローチを用いる様々ながんワクチンが試験されている(例えば、Emens,2008,Expert Opin.Emerg.Drugs,13(2):295-308を参照されたい)。アプローチは、腫瘍に対するB細胞、T細胞、またはプロフェッショナル抗原提示細胞の応答を増強するように設計されている。例示的ながんワクチンの種類としては、ペプチド/タンパク質として、または遺伝子操作されたDNAベクター、ウイルス、細菌などとして送達され得る、別個の腫瘍抗原の標的化を用いるペプチド系ワクチン、及び、例えば、患者由来の樹状細胞、自己腫瘍細胞、または腫瘍細胞溶解物、同種異系の腫瘍細胞などから開発されたワクチンを含むが、これらに限定されない、より明確でない標的に対するがんワクチンの開発のための細胞生物学アプローチが挙げられるが、これらに限定されない。
非限定的な例示的ながんワクチンとしては、抗原提示細胞を含む自己末梢血単核細胞(PBMC)由来のSipuleucel-Tが挙げられる(例えば、Kantoff PW et al.,2010,N Engl J Med363:411-22を参照されたい)。Sipuleucel-T世代において、患者のPBMCは、前立腺酸性ホスファターゼ(前立腺抗原)及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(免疫細胞活性化因子)の組み換え融合タンパク質であるPA2024を用いて、エクスビボで活性化される。候補がんワクチンへの別のアプローチは、黒色腫などの腫瘍組織において変異した特異的ペプチドに対する免疫応答を生成することである(例えば、Carreno et al.,2015,Science348:6236を参照されたい)。そのような変異ペプチドは、いくつかの実施形態では、新抗原と称され得る。腫瘍ワクチンにおける新抗原の使用の非限定的な例として、主要組織適合遺伝子複合体タンパク質HLA-A*02:01に結合すると予測される腫瘍内の新生抗原は、黒色腫などのがんを有する個々の患者のために特定される。患者由来の樹状細胞は、エクスビボで成熟され、次いで新抗原でインキュベートされる。活性化樹状細胞は、次いで、患者に投与される。いくつかの実施形態では、がんワクチンの投与後に、新抗原に対する堅固なT細胞免疫が検出可能である。
いくつかのこのような実施形態では、がんワクチンは、新抗原を使用して開発される。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、DNAワクチン、例えば、マンマグロビン-A DNAワクチンである(例えば、Gillanders et al.,2014,Clin.Canc.Res.,20:5964-75を参照されたい)。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、PROSTVAC(rilimogene galvacirepvec/rilimogene glafolivec)などのがん抗原を含む、操作されたウイルスである。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)遺伝子形質移入腫瘍細胞ワクチンである、GVAXなどの操作された腫瘍細胞を含む(例えば、Nemunaitis,2005,Expert Rev Vaccines,4:259-74を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される抗LILRB2抗体は、がんワクチンの前に、同時に、または後に投与される。いくつかの実施形態では、新抗原を使用して開発されたがんワクチンは、本明細書で説明される抗LILRB2抗体と組み合わせて使用される。いくつかのこのような実施形態では、高変異量を有するがん、例えば、黒色腫、肺癌、膀胱癌、または結腸直腸癌を治療するために、組み合わせが使用される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗LILRB2抗体は、キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T療法)と組み合わせて投与される。CAR-T細胞は、腫瘍細胞によって発現される抗原を認識する受容体を発現するように遺伝子修飾され得る。抗原は、腫瘍によって特異的に発現される抗原、またはがん細胞及び健康な組織の両方によって発現される抗原であり得る。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、抗BCMA CAR-T細胞である。いくつかの実施形態では、CAR-T療法は、患者のT細胞を除去し、キメラ抗原受容体を発現するように修飾して、次いで患者に戻す、養子CAR-T療法である。例えば、Dai et al.,2016,J Natl Cancer Inst,108(7):djv439,doi:10.1093/jnci/djv439、Gill et al.,2015,Blood Rev,pii:S0268-960X(15)00080-6,doi:10.1016/j.blre.2015.10.003、Gill et al.,2015,Immunol.Rev,263(1):68-89.doi:10.1111/imr.12243を参照されたい。
キット/製品
本明細書に説明される方法のいずれかにおいて使用するためのキット、医薬品、組成物、及び単位剤形も、本明細書に提供される。
キットは、抗LILRB2抗体を含む1つ以上の容器(または単位剤形及び/または製品)を含むことができる。いくつかの実施形態では、単位投与量が提供され、単位投与量は、1つ以上の追加の薬剤を含むか、または含まずに、抗LILRB2を含む所定の量の組成物を含有する。いくつかの実施形態では、このような単位投与量は、注射のための使い捨てプレフィルド注射器で供給される。いくつかの実施形態では、単位投与量に含有される組成物は、生理食塩水、スクロースなど、緩衝液、例えば、リン酸などを含むことができ、及び/または安定かつ効果的なpH範囲内で製剤化することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、適切な液体、例えば、滅菌水の添加によって再構成され得る、凍結乾燥粉末として提供することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、スクロース及びアルギニンを含むがこれらに限定されない、タンパク質の凝集を阻害する1つ以上の物質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ヘパリン及び/またはプロテオグリカンを含む。
いくつかの実施形態では、単位用量で使用される抗LILRB2抗体の量は、説明される様々な方法及び/または組成物について本明細書で提供される量のいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に説明される方法のいずれかに従うがんの治療における使用説明書をさらに含む。キットは、個々の好適なまたは治療の選択の説明をさらに含んでもよい。キット内に供給される説明書は、典型的には、ラベルまたは添付文書(例えば、キット内に含まれる用紙)上に書かれた説明書であるが、機械読み取り可能な説明書(例えば、磁気または光学記憶ディスクで保持される説明書)もまた許容される。いくつかの実施形態では、キットは、別の治療剤をさらに含む。
キットは、好適な包装の中に入っている。好適な包装としては、バイアル、ボトル、瓶、可撓性パッケージング(例えば、密封マイラーまたはプラスチック袋)などが挙げられるが、これらに限定されない。キットは、任意に、緩衝液などの追加の成分及び解釈情報を提供することができる。したがって、本出願は、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、瓶、可撓性包装などを含む製品も提供する。
以下に考察される実施例は、単に本発明の例示として意図されており、決して本発明を限定するものと見なされるべきではない。実施例は、以下の実験が実施される全てのまたは唯一の実験であることを表すことを意図していない。使用される数(例えば、量、温度など)に関して正確性を確実にするための努力がなされているが、いくらかの実験誤差及び偏差が考慮に入れられるべきである。別段指定されない限り、温度は摂氏温度であり、気圧は大気圧であるか、またはそれに近い。
実施例1.HLA-G細胞培養実験
以下の例では、骨髄細胞機能の抑制におけるHLA-Gの役割を調査する。図1は、LILRB2発現骨髄細胞及びHLA-G発現腫瘍細胞のモデルを示す。抗LILRB2遮断抗体は、骨髄細胞上に発現されるLILRB2と腫瘍細胞上に発現されるHLA-Gとの間で示される。四量体として発現される多量体HLA-Gを初代ヒト骨髄細胞アッセイで使用して、樹状細胞機能の抑制におけるHLA-Gの役割を調査した。
非付着性未成熟樹状細胞(iDC)を採集し、1倍DPBS(Gibco)中で2回洗浄し、次いで、GLUTAMAX(商標)(Gibco)及び10%のHI-FBS(Sigma)で補充されたRPMI1640において96ウェルの丸底組織培養処理プレート中にウェルあたり1×105細胞で播種した。iDCを、培地単独中に播種するか、またはHLA-G四量体(Fred Hutchinson Cancer Research Center)の存在下または非存在下でPGE2、IL-1β、及びTNFαを含有する培地中で成熟させるかのいずれかをして、37℃+5%のCO2でインキュベートした。24時間後、上清を製造者のプロトコル(BD)に従ってcytometric bead array(CBA)を介したサイトカイン分析のために採集して、Accuri C6アナライザー(BD)を使用して分析した。細胞を、重要な抗原提示分子に特異的な抗体を用いて染色し、これらのマーカーの細胞発現を、FACSCELESTA(商標)フローサイトメーターアナライザー(BD)を使用して評価した。
HLA-G四量体の存在下で成熟したDCは、成熟マーカーCD80及びCD86の発現において減少を示した(図2A~2F)。この阻害効果は、HLA-G四量体をLILRB2低ドナー樹状細胞でインキュベートしたときに消滅した(図2G~2L)。これらの結果は、可溶性HLA-Gが、樹状細胞の成熟及び強力な抗原提示細胞へと発達する能力を遮断し、HLA-G媒介型抑制が、樹状細胞上に発現されるLILRB2に依存することを示す。
実施例2.抗体の生成
マウス及びラットを、ヒトLILRB2タンパク質またはヒトLILRB2をコードするDNAプラスミドを有するヒトLILRB2を過剰発現する細胞で免疫した。J-16及びJ-18~J-20を除く全ての抗体はマウス起源であり、J-16及びJ-18~J-20はラット免疫由来である。ハイブリドーマクローンの上清を、全長LILRタンパク質を過剰発現する細胞株を使用して、他のLILRファミリーメンバーに対するヒトLILRB2に対する特異性についてスクリーニングした。関心対象のハイブリドーマクローンをスケールアップし、上清をより広範な抗体スクリーニングのために精製した後、関心対象のクローンを配列決定して、ヒトIgG4キメラとして組み換え産生した。(図3A及び3B参照)。
実施例3.キメラ抗体スクリーニング:初期の抗LILRB2スクリーニングセットアップ
11の報告されているヒトLILRファミリーメンバー間における高度の配列類似性のため、抗体を、ハイブリドーマクローン、ハイブリドーマスケールアップ、キメラ、及びヒト化抗体段階で全てのファミリーメンバーに対する特異性についてスクリーニングした。特異性を、細胞ならびに組み換えタンパク質の両方において、キメラ抗体段階でFORTEBIO(登録商標)OCTET(登録商標)を使用して確認した。
2倍未満のアイソトープ対照カットオフで結合する抗体によって、細胞に対する特異性を定義した。陽性対照の抗体を利用して、細胞表面上のファミリーメンバーの発現を確立し、また、抗体も、陽性対照との比較において評価した。
可溶性組み換えタンパク質アッセイについて、組み換えLILRファミリータンパク質を、6xHis及び/またはヒトFc1融合タンパク質と表した。抗体を、抗ヒト捕捉(AHC)センサに10μg/mLで充填し、センサを動態緩衝液でベースライン化した。対照抗体を、同様にセンサに充填した。ヒトFc融合タンパク質を使用した場合、センサはヒトFcタンパク質で遮断され、動態緩衝液でベースライン化された。センサを、次いで、300nMでのファミリーメンバータンパク質との関連について試験した。結合は、OCTET(登録商標)機器上で0.08nmのカットオフを超える応答と考えられる。
キメラ(hIgG4)抗LILRB2抗体を、10の他のヒトLILRファミリーメンバーに対する細胞発現型hLILRB2に対する特異性、細胞発現型LILRB2とのリガンド相互作用を遮断する能力、及び初代ヒトマクロファージアッセイにおいて炎症活性化状態を有するM1様マクロファージにM2様マクロファージを変換する能力に基づいて選択した。選択したLILRB2特異性、リガンド遮断抗体を、非ヒト霊長類(NHP)単球との結合についてさらにスクリーニングした。全てのスクリーニングにおいてアイソタイプ対照抗体を含み、バックグラウンドシグナルを決定した。リガンド遮断、hLILRB2特異性、キメラ抗体を特定するために実施される、特定の基準及び戦略を以下に説明する。結果を図3A及び図3Bに要約し、以下に詳細に説明する。
抗体ビニングの概要
LILRB2に対する抗体のサブセットを、サンドイッチ形式でOCTET(登録商標)Red96を使用してビニングした。簡潔に言えば、抗体#1(列1に示される)を、10μg/mLでAHCセンサに充填した。先端を動態緩衝液でベースライン化し、hFc1で遮断し、動態緩衝液でベースライン化し、次いでヒトLILRB2で充填した。先端を再び動態緩衝液でベースライン化し、10μg/mLの抗体#2(行1に示される)で充填した。以下の表2に示される応答値は、説明されるサンドイッチ形式の抗体#2の結合である。
表2.競合結合アッセイの結果
LILRB2への特異的な結合剤、及びLILRB2へのHLA-Gの結合の強力な遮断剤として特定された抗体(J-19、J-11、及びJ-17)は、近いが完全には重複しないエピトープビンに入る。J-11及びJ-19は、互いのLILRB2への結合を遮断しなかったが、両方ともJ-17によって遮断された。LILRB2に特異的であるが、HLA-G、J-04、J-03、及びJ-07を遮断しない抗体は、特異的でかつHLA-Gを遮断する3つの抗体由来の別個のビンで結合するが、HLA-GのLILRB2への結合を遮断するが、LILRA1に対して交差反応性である抗体、J-16と同じビンである。結果を以下の表3に示す。
実施例4.キメラ抗体スクリーニング:LILRファミリーメンバーとの交差反応性に対するスクリーニング
このスクリーニングの目的は、細胞上で発現されたhLILRB2への特異的な結合を有する抗体を、細胞発現型hLILRB1、hLILRB3、hLILRB4、hLILRB5、hLILRA1、hLILRA2、hLILRA3、hLILRA4、hLILRA5、及びhLILRA6に対するカウンタースクリーニングを用いて特定することであった。25のキメラ(hIgG4)抗体を、細胞のhLILRB2特異性についてスクリーニングした。hLILRB2結合の陽性ヒットを、アイソタイプ対照mAb結合に対して2倍超のhLILRB2-CHO-sに結合する抗体として特定した。また、アイソタイプ対照mAb結合に対して2倍超の非LILRB2発現細胞に結合した抗体も、非LILRB2特異的または交差反応性として指定した。
図4に示されるように、試験されたキメラ抗体の76%が細胞発現型ヒトLILRB2と結合することを確認した。これらのhLILRB2結合抗体の78%が、CHO-s上で過剰発現された他の10のhLILRファミリーメンバーに対してhLILRB2への特異的な結合を示した。hLILRB2 CHO-sに加えて、別のLILR過剰発現細胞株のアイソタイプ対照の2倍超の結合を検出された抗体は、hLILRB3、hLILRA1、hLILRA2、及び/またはhLILRA3に対して交差反応性であることが見出された。hLILRB1、hLILRB4、hLILRA4、hLILRA5、またはhLILRA6交差反応性抗体は、このスクリーニングでは特定されなかった。
実施例5.キメラ抗体スクリーニング:抗LILRB2キメラmAbを遮断するHLA-G及び抗LILRB2キメラmAbを遮断するHLA-A2のスクリーニング
抗体を、細胞ベースのアッセイにおいて、リガンド-レセプター相互作用を遮断する能力についてさらにスクリーニングした。HLA-GがLILRB2に結合すると、骨髄細胞は免疫抑制性になる。したがって、HLA-G:LILRB2相互作用を遮断することができる抗LILRB2抗体を特定することは、抗腫瘍応答の促進において有益であると予測される。HLA-Gに加えて、骨髄細胞を抑制することができる別のLILRB2リガンドは、古典的な主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子、例えば、HLA-A2である。
二次スクリーニングでは、ヒトLILRB2を過剰発現する1×105CHO-s細胞を、96ウェルの丸底組織培養処理プレート中に播種し、1xDPBS(Gibco)で2回洗浄して、50μLのFACS緩衝液(2%のHI-FBS(Sigma)及び0.05%のアジ化ナトリウムを含有する1xDPBS)中で調製された10μg/mLの一次抗体(抗LILRB2 mAbまたは対照)でインキュベートした。4℃で30分間、mAbでインキュベートした後、細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、次いで、5μg/mLのAPCコンジュゲートHLA-A2またはHLA-G四量体(Fred Hutch)を含有する50μLのFACS緩衝液中で再懸濁した。細胞を、4℃で30~60分間、光から保護してインキュベートした。四量体でインキュベートした後、細胞をFACS緩衝液で洗浄し、固定緩衝液(1xDPBSで希釈した1.5%のパラホルムアルデヒド)中で再懸濁した。試料を、Celestaフローサイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用して分析した。データは四量体単独に対するmAbによって遮断された四量体パーセンを表し、以下の式に従って計算した。
HLA-G遮断抗体をHLA-G非遮断抗体から区別する研究の結果を、図5に示す。細胞上のHLA-G:LILRB2相互作用を遮断することができる抗体を、抗体の非存在下で細胞に結合した四量体と比較した、抗体の存在下でLILRB2+細胞に結合した四量体のパーセントとして特定する。25の抗LILRB2抗体のうち7つが、HLA-G四量体がhLILRB2+CHO-sと結合するのを少なくとも50%遮断した。アイソタイプ対照抗体のいずれも、HLA-GがLILRB2+細胞と結合するのを遮断しなかった。
HLA-A2遮断抗体をHLA-A2非遮断抗体から区別する研究の結果を、図6に示す。細胞上のHLA-A2:LILRB2相互作用を遮断することができる抗体を、抗体の非存在下で細胞に結合した四量体と比較した、抗体の存在下でLILRB2+細胞に結合した四量体のパーセントとして特定する。25の抗LILRB2抗体のうち6つが、HLA-A2四量体がhLILRB2+CHO-sと結合するのを少なくとも50%遮断した。アイソタイプ対照抗体のいずれも、HLA-A2がLILRB2+細胞と結合するのを遮断しなかった。
実施例6.キメラ抗体スクリーニング:細胞培養中の生物学的活性についての抗LILRB2キメラmAbのスクリーニング
ヒトマクロファージ単一培養サイトカイン放出アッセイ
健康なドナーの末梢血からの初代ヒト単球を、M-CSFの存在下でマクロファージに分化した。分化の7日後、1×105のヒト単球分化マクロファージ(HMDM)を、細胞培養培地(RPMI(Gibco)+10%のFBS(Sigma))中1μg/mLの可溶性mAbの存在または非存在下で、100ng/mLのLPSを含有する200μLの最終体積で、96ウェルの丸底組織培養処理プレート中にウェルごとに播種した。37℃で24時間、5%のCO2でインキュベートした後、上清を採集し、製造者のプロトコル(BD Biosciences)に従ってサイトカインビーズアレイ(CBA)を実施して、mAbに応答して産生されるサイトカインを測定した。試料を、Accuri C6サイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用して分析した。データは、2~4人のドナーの平均値を表す。
一次HMDMによるM1/炎症性及びM2/抗炎症性サイトカイン産生を、図7A及び7Bに示すように、可溶性抗LILRB2 mAbでの処理時に検出した。測定されたM1/炎症性サイトカインは、TNFα、ならびにIL-6及びIL-1βを含んだ(データは示さず)。測定されたM2/抗炎症性サイトカインは、IL-10、ならびにCCL-2を含んだ(データは示さず)。サイトカインの産生を、LPS処理のみに対する正規化レベルとして説明する。
M1促進活性(TNFαの増加により測定される)と、抗LILRB2 mAbがHLA-G/A:LILRB2相互作用を遮断する能力との間に正の相関を観察した(図8A及び8B)。
ヒトマクロファージ単一培養Nanostringアッセイ
初代ヒト単球を、M-CSFの存在下でマクロファージに分化した。分化の7日後、1×105HMDMを、細胞培養培地(RPMI(Gibco)+10%のFBS(Sigma))中10μg/mLの可溶性抗hLILRB2 mAbの存在または非存在下で、100ng/mLのLPSを含有する200μLの最終体積で、96ウェルの丸底組織培養処理プレート中にウェルごとに播種した。同様の条件を調整して、LPSの不存在下でのmAb活性を評価した。細胞を37℃で5%のCO2でインキュベートし、別個のウェルを播種して、処理後4時間及び24時間での遺伝子変化を評価した。各時点で、上清を採集し、RNAを細胞から抽出し、Quibitを使用して定量化し、AATIのFragment Analyzerを使用して品質管理した。十分なRNAが試料から抽出された場合、遺伝子発現を、Human Immunology V2パネルならびに特注のマクロファージ特異的スパイクインを使用した、NanoString nCounterを使用して実施した。遺伝子発現を、ハウスキーピング遺伝子の発現に対して正規化し、次いで、負のプローブからのデータを使用してノイズ閾値化を実施した。遺伝子発現をlog2空間に変換し、LILRB2結合剤で処理された試料からのデータを、同じドナー由来のパリビズマブ処理された試料からのデータに対して正規化した。データは、4人のドナーからの結果を表す。
各ドナー及び各処理について、log2(遺伝子発現)をパリビズマブ対照に応答するlog2(遺伝子発現)に対して正規化した。表4及び5は、MATLABでt検定関数を使用して計算された、LPSの存在下または非存在下で差次的に発現された遺伝子をそれぞれ列挙する。薬物に4時間曝露された後、LPSの不在下で全ての抗LILRB2抗体に応答して0.05未満のpを伴って全てのドナー間で1より大きい(すなわち、2倍の増加)または-1未満(すなわち、2倍の減少)のいずれかの中央値log2(倍率変化)を有した遺伝子(表4)、及び薬物に24時間曝露された後、LPSの存在下で全ての抗LILRB2抗体に応答して差次的に発現された遺伝子(表5)。これらの変化は、ドナー間で一貫しており、組織培養の項で定義された単一培養シグネチャースコアの基礎である。
表4.LPSを含まない4時間での単一培養抗LILRB2差次的遺伝子発現
表5.LPSを含む24時間での単一培養抗LILRB2差次的遺伝子発現
実施例7.キメラ抗体スクリーニング:抗LILRB2キメラmAbの非ヒト霊長類に対する交差反応性についてのスクリーニング
方法
初代細胞結合
ヒトにおけるLILRB2発現は、単球及び好中球を含む自然免疫細胞の種類に制限されている。選択したHLA-G/A遮断、M2からM1様マクロファージへの変換を促進することができる抗LILRB2 mAbを、全血中のヒト、カニクイザル、及びアカゲザルの単球に結合する可能性について試験した。健康なヒト、カニクイザル、及びアカゲザルドナーから得た全血を、ナトリウムヘパリンチューブ中に得た。受容すると、100μLの全血原液を、製造業者のプロトコルに従ってFc受容体遮断試薬(TruStain、Biologend)でインキュベートした。15分間のインキュベーションの後、ビオチン化mAbを25μg/mLで血液に添加し、室温でインキュベートした。20分後、希釈したstreptavidin-APC(BioLegend)及びヒト/NHP交差反応性抗CD14-BV421クローンM5E2(BioLegend)を添加し、室温で20分間インキュベートした。赤血球を溶解し、試料を、製造業者のプロトコルに従って1倍のLyse/Fix溶液(BD Biosciences)を使用して固定した。試料を、Celestaフローサイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用して分析した。単球を側方散乱(SSC)hiCD14hi細胞として種間同定し、好中球をSSChiCD14lo細胞として特定し、リンパ球をSSCloCD14neg細胞として特定した。
過剰発現アカゲザルLILRB2への細胞上結合
アカゲザルLILRB2(LILRBb)タンパク質に結合する抗hLILRB2 mAbを、選択した抗hLILRB2 mABでLILRBb-CHO細胞を30分間インキュベートすることによって評価した。インキュベーション後、細胞を洗浄し、製造業者のプロトコルに従って抗hIgG-APC(Jackson Labs)でインキュベートした。細胞結合を、Celestaフローサイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用するフローサイトメトリーによって評価した。
結果
このアッセイで試験された全ての抗LILRB2 mAbは、ヒト全血中でリンパ球より単球及び好中球に優先的に結合した(図9A~9C)。単一抗LILRB2 mAbは、カニクイザル及びヒトの両方に異種間反応性を示し、同様にリンパ球より単球及び好中球に優先的に結合した。アイソタイプ対照抗体は、ヒトまたはNHP血液中のいかなる細胞の種類にも有意に結合しなかった。図10A及び10Bは、これらの結果が、NHP LILRB2(LILRBb)を過剰発現する細胞に翻訳され、そのためNHP単球及び好中球に優先的に交差結合する同じ抗hLILRB2が、用量依存性様式でアカゲザルLILRB2(LILRBb)過剰発現CHO-sにも特異的に結合し、かつLILRBaを含むアカゲザルの近縁ファミリーメンバーとは交差反応しないことを確認した。
実施例8.リードキメラ抗体のヒト化、親和性特性評価、及び評価戦略
リードキメラを、ループ構造及び鎖インタフェースを支持するために特定のアミノ酸を維持しながら、リード抗体のCDRをヒトフレームワークに移植することによってヒト化した。合計5つの重鎖可変領域及び5つの軽鎖可変領域を生成し、組み合わせて発現させて、ヒトIgG4バックボーン中に合計25個のヒト化バリアントを作成した。これらのバリアントは組み換えタンパク質として発現し、タンパク質力価及びヒトLILRB2標的に対する親和性に基づいて選別した。抗体を、機能及び生物物理学的特性についてさらに特性評価して、パネルを絞り込み、ヒト化リードを選択した。
AffiniPure Goat Anti-Human IgG、Fcγ Fragment Specific抗体を用いて事前固定されたMass-2(Sierra Sensors)高容量アミンチップを使用して、ヒト化抗体を抗ヒト表面上で捕捉し、次いで、ヒトLILRB2-Hisへの結合を、65~0.27nMの6つの異なる濃度の分析物を抗体表面上に流動させることによって測定した。抗LILRB2の表面を除去し(10mMのグリシン、pH2.0)、全ての濃度または緩衝液単独サイクルの間で再捕捉した。データを、Sierra Analyzerソフトウェア(バージョン3.1.14)を使用して分析した。全ての曲線を二重減算し、1:1のLangmuir Fitに適合した。結果を以下の表6に示す。
ヒト化(hIgG4)抗LILRB2抗体を、10の他のヒトLILRファミリーメンバーに対する細胞発現型hLILRB2に対する特異性、細胞発現型LILRB2とのリガンド相互作用を遮断する能力、及び初代ヒトマクロファージアッセイにおいてM2様マクロファージをM1様炎症活性化状態に変換する能力に基づいてさらに特性評価した。抗体を、非ヒト霊長類(NHP)単球との結合についてさらにスクリーニングした。ヒト化バリアントを、細胞発現型LILRB2に対する親和性の特異的EC/IC50、リガンド遮断、及びサイトカイン産生について、初代ヒトマクロファージ機能アッセイにおいてさらに評価した。全てのスクリーニングにおいてアイソタイプ対照抗体を含み、バックグラウンドシグナルを決定した。EC/IC50を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して、形質転換された非正規化データに基づいて計算した。結果を図11A及び図11B図に要約し、以下に詳細に説明する。
実施例9.ヒト化抗体特性評価:LILRファミリー交差反応性スクリーニング
この評価の目的は、抗LILRB2抗体が、hLILRB1、hLILRB3、hLILRB4、hLILRB5、hLILRA1、hLILRA2、hLILRA3、hLILRA4、hLILRA5、及びhLILRA6を含む他の関連LILRファミリーメンバーに結合することなく、ヒト化後の細胞上で発現されたhLILRB2への特異性を維持することを検証することであった。hLILRB2結合の陽性ヒットを、アイソタイプ対照抗体結合に対して3倍以上結合する抗体として特定した。試験されたバリアントのいずれも、アイソタイプに対して非特異的結合は3倍を超えなかった。さらに、EC50細胞ベースの親和性測定を決定した。
方法
10のLILRファミリーメンバーのいずれかに向けてではなく、hLILRB2に対する特異性を試験するために、多重化細胞ベースのバーコード化アプローチを、製造業者のプロトコルに従ってFar Red及び/またはViolet Cell Trace色素(Thermo Scientific)を用いて細胞を染色することによって、または染色しないままにすることによって、使用した。簡潔に言えば、細胞を1xDPBSで2回洗浄し、次いで37℃で20分間、1xDPBS中で希釈した色素でインキュベートし、5~10分ごとに穏やかに混合した。色素標識を、100%のHI-FBS(Sigma)の等量を細胞に添加することによってクエンチした。LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、及びLILRB5細胞株はまたGFP陽性であり、一方LILRA1、LILRA2、LILRA3、LILRA4、LILRA5、及びLILRA6細胞株はGFP陰性であることに留意されたい。次いで、細胞を1xDPBSで2回洗浄し、次いで、11個全ての細胞株を、96ウェル丸底組織培養処理プレート中でウェルごとに組み合わせた。各細胞株の少なくとも25×103個の細胞をウェルごとに播種した。次いで、細胞を、FACS緩衝液(2%のHI-FBS(Sigma)+0.05%のアジ化ナトリウムを含有する1xDPBS)中で調製された一次抗体(抗LILRB2 mAbまたは対照)中で再懸濁した。4℃で30分間インキュベートした後、細胞を1xDPBSで2回洗浄し、FACS緩衝液中で1:200に希釈された抗ヒトIgG-PE(BioLegend)中で再懸濁した。4℃で30分間、光から保護してインキュベートした後、細胞を1xDPBSで洗浄し、固定緩衝液(1xDPBSで希釈した1.5%のパラホルムアルデヒド)中で再懸濁した。試料を、Celestaフローサイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用して分析した。PEの幾何平均蛍光強度(gMFI)を、各細胞株にわたって各抗体について決定した。バックグラウンドMFIを、アイソタイプ対照を用いて検出し、試験された抗体の相対結合を、アイソタイプに対する倍として測定した。
結果
hLILRB2への結合及び特異性について試験された抗hLILRB2ヒト化抗体は、細胞ベースの結合アッセイにおいて、全ての抗体はhLILRB2と高度に結合し、10の追加のhLILRファミリーメンバーのうちのいずれとも交差結合しなかった(図12)。LILRB2発現CHO-sに対する各抗体のEC50は、サブナノモル範囲内であった(図13)。
実施例10.ヒト化抗体特性評価:HLA-G及びHLA-A2のhLILRB2+細胞への遮断
HLA-G及びHLA-A2の初代ヒトマクロファージ発現hLILRB2との相互作用の遮断における、選択したヒト化バリアントの効力を評価した。初代ヒト単球を、M-CSFの存在下でマクロファージに分化した。分化の7日後、1×105のHMDMを、96ウェルの丸底組織培養処理プレート中に播種し、1xDPBS(Gibco)で2回洗浄して、次いでFACS緩衝液(2%のHI-FBS(Sigma)及び0.05%のアジ化ナトリウムを含有する1xDPBS)中で調製された50μLの一次抗体(抗LILRB2 mAbまたは対照)でインキュベートした。4℃で30分間、mAbでインキュベートした後、細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、次いで、5μg/mLのAPCコンジュゲートHLA-GまたはHLA-A2四量体(Fred Hutch)を含有する50μLのFACS緩衝液中で再懸濁した。細胞を、4℃で30~60分間、光から保護してインキュベートした。四量体でインキュベートした後、細胞をFACS緩衝液で洗浄し、固定緩衝液(1xDPBSで希釈した1.5%のパラホルムアルデヒド)中で再懸濁した。試料を、Celestaフローサイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用して分析した。
図14に示すように、試験された全ての抗hLILRB2ヒト化抗体は、ナノモル範囲でEC50を有する細胞発現型hLILRB2とのHLA-Gの相互作用を遮断した。試験した各バリアントのEC50値を、図11Bに示す。アイソタイプ対照を含む対照抗体及び非リガンド遮断抗hLILRB2キメラ抗体は、このアッセイにおいていかなる活性も示さなかった。
図15に示すように、試験された全ての抗hLILRB2ヒト化抗体は、ナノモル範囲でEC50を有する細胞発現型hLILRB2とのHLA-A2の相互作用を遮断した。試験した各バリアントのEC50値を、図11Bに示す。
実施例11.ヒト化抗体特性評価:細胞培養中のヒト化抗LILRB2 mAbの生物学的活性
腫瘍関連マクロファージ(TAM)は、M2様、免疫抑制性マクロファージと一致する機能的活性化状態を示す。理論に束縛されるものではないが、マクロファージ上の抑制性受容体、LILRB2を弱めることは、免疫抑制マクロファージの誘導を防止し、過剰炎症反応を促進すると仮定される。抗LILRB2抗体の機能的活性を特性評価するために、EC/IC50を、ヒト単球由来マクロファージ(HMDM)サイトカイン放出アッセイにおいて、M2をM1様マクロファージに変換することができる抗LILRB2 mAbの効力測定値として決定した。このアッセイにおいてサブnM活性(EC50)を有する抗体を、M1促進mAbと指定した。
方法
分化の7日後、1×105HMDMを、細胞培養培地(RPMI(Gibco)+10%のFBS(Sigma))中mAbの存在または非存在下で、100ng/mLのLPSを含有する200μLの最終体積で、96ウェルの丸底組織培養処理プレート中にウェルごとに播種した。37℃で24時間、5%のCO2でインキュベートした後、上清を採集し、製造者のプロトコル(BD Biosciences)に従ってCBAを実施して、mAbに応答して産生されるサイトカインを測定した。試料を、Accuri C6サイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用して分析した。
結果
図16A及び16Bに示すように、全ての抗hLILRB2ヒト化mAbは、M1促進活性を示す一方、IL-10及びCCL-2を含む産生M2関連サイトカインを抑制した。試験されたヒト化抗hLILRB2 mAbの67%は、このアッセイにおいてサブナノモル活性を有することを示した。試験した各バリアントのEC50値を、図10Bに示す。
実施例12.ヒト化抗体特性評価:非ヒト霊長類LILRB2(LILRBb)への選択的結合
ヒト化mAbを異種間反応性について評価するために、hLILRB2特異的、リガンド遮断mAbを、近縁のNHP LILRファミリーメンバーへではなく、推定上のアカゲザルLILRB2(LILRBb)過剰発現細胞へのさらなる選択的結合について評価した。
方法
アカゲザルLILRB2(LILRBb)タンパク質に結合する抗hLILRB2 mAbを、選択した抗hLILRB2 mAbでLILRBb-CHO細胞を30分間インキュベートすることによって評価した。インキュベーション後、細胞を洗浄し、製造業者のプロトコルに従って抗hIgG-APC(Jackson Labs)でインキュベートした。細胞結合を、Celestaフローサイトメーターアナライザー(BD Biosciences)を使用するフローサイトメトリーによって評価した。
結果
全ての抗hLILRB2ヒト化mAbsが、用量依存性及び特定の様式でアカゲザルLILRB2(LILRBb)に結合した(図17A)。これらの抗hLILRB2 mAbsは、細胞上に発現したアカゲザル近縁のLILRBaタンパク質には結合しなかった(図17B)。
実施例13.遺伝子発現分析:組織培養実験
新鮮なヒト腎臓腫瘍試料を、手術後に得た。各腫瘍の一部分を切断し、IHCのために固定した。残った腫瘍のおよそ300μMの切片を、6ウェルプレートに載置した。示された処理を培地に添加し、プレートを37℃でインキュベートした。各切片を、6種類の薬物のうちの1つの10μg/mLで24時間処理した。実験に含められた6つの処理は、J-19、J-17、及びJ-11(全てLILRB2結合剤及びリガンド遮断剤)、J-04(リガンド結合を遮断しないLILRB2結合剤)、抗TIM3抗体、ならびに陰性対照として使用されたパリビズマブである。
腫瘍切片を、QiagenのTissueLyserのプロセッサを使用して溶解し、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料を脱パラフィンした。RNAを、FFPE及び新鮮な腫瘍試料から抽出し、Quibitを使用して定量化し、かつ特定の場合には、AATIのFragment Analyzerを使用して品質管理した。十分なRNAが試料から抽出された場合、遺伝子発現を、Human Immunology V2パネルならびに特注のマクロファージ特異的スパイクインを使用した、NanoString nCounterを使用して実施した。遺伝子発現を、ハウスキーピング遺伝子の発現に対して正規化し、負のプローブからのデータを使用してノイズ閾値化を実施した。遺伝子発現をlog2空間に変換し、LILRB2結合剤または抗TIM3で処理された試料からのデータを、同じ患者由来のパリビズマブ処理された試料からのデータに対して正規化した。図18は、パリビズマブ対照に対する処理に応答した遺伝子発現における変化を示す。パリビズマブ対照に対する差次的遺伝子発現は、以下の表7に定量化される。リスト中の各遺伝子は、0.055未満の名目上のp値を有する少なくとも2回の処理に対して差次的発現を示した。遺伝子発現における倍率変化は、全ての処理について陽性であるか、または全ての処理について陰性であるかのいずれかであった。
各処理された試料(列)における各遺伝子(行)の発現におけるlog2(倍率変化)を示す階層的クラスタリングヒートマップを、図19に示す。リスト中の各遺伝子は、0.055未満の名目上のp値を有する少なくとも2回の処理に対して差次的発現を示した。セット1の遺伝子の発現は、一般的に処理に応答して下方調節され(灰色の枠)、セット2の遺伝子の発現は、一般的に処理に応答して上方調節される(黒枠)。
各試料の応答スコアを、以下の式に従い、セット2における遺伝子のサブセットのlog2(倍率変化)の和を、セット1における遺伝子のサブセットのlog2(倍率変化)の負の和に加算し、含まれる遺伝子の数で除算することによって計算した。
各リガンド遮断抗LILRB2薬物に対する各ドナーの応答スコアを、図20に示す。治療に対する応答は、ドナー内の治療を通して一貫しており、したがって、抗LILRB2治療に対するそれらの応答によって、ドナーの分類を可能にする。0.5超の平均応答スコアを有するドナーを「完全応答者」として分類し、0.3~0.5の平均応答スコアを有するドナーを「部分的応答者」として分類し、0.3未満のスコアを有するドナーを「無応答者」として分類する。
単一培養シグネチャーを、LPSの非存在下で4時間後及びLPSの存在下で24時間後の、抗LILRB2リガンド遮断薬物に応答するドナー間の遺伝子発現における平均log2(倍率変化)に基づいて導出した(図21A及び21B)。単一培養シグネチャースコアを、単一培養シグネチャーによって定義されたベクターへの遺伝子発現におけるlog2(倍率変化)の投影によって、抗LILRB2リガンド遮断薬物で処理された各組織培養試料について計算した。単一培養シグネチャースコア(LPSの非存在下で4時間及びLPSの存在下で24時間)は、部分的応答者及び無応答者と比較して、完全応答者において有意により高い(p<0.01)。
要するに、単一培養結果は、LILRB2結合薬物が、マクロファージにドナー間で一貫して多数の遺伝子を差次的に発現させることを示した。このシステムにおける変調された遺伝子の組は、規模及び方向性の両方を組み込む単一培養シグネチャーを構成する。これらの経路がより複雑なシステムにおいても変調され得ることを確認するために、組織培養実験を実施した。組織培養データの分析は、腎臓腫瘍切片のLILRB2結合薬物への曝露が、炎症性ケモカイン発現の上方調節ならびに既知の骨髄特異的遺伝子の差次的発現をもたらすことを示す。遺伝子は同時調節され、試料のサブセットにおいて差次的にのみ発現される。遺伝子のこのサブセットは、薬物への応答に基づいて応答スコアを計算し試料を分類するために使用される、PD応答シグネチャーを構成する。1つの抗LILRB2薬物に応答するドナーは、一般的にそれらの全てに応答することに留意すべきである。さらに、組織培養データを単一培養シグネチャーに投影した場合、応答者は、統計的に有意な単一培養スコアを示した。したがって、骨髄特異的遺伝子の変調は、インビトロでの実験における発見と一致し、同じ生物学的経路が影響を受けていることを示唆した。
実施例14.毒性学
抗LILRB2抗体の特異性を、抗体の赤血球及び血小板への結合をフローサイトメトリーによって、または血清タンパク質への結合をELISAによって評価することにより決定した。これらのアッセイでは、標的外結合は観察されなかった(図22)。
抗LILRB2抗体のサイトカインストームを誘発する潜在能力を、可溶性抗体の滴定を使用するヒト全血サイトカイン放出アッセイにおいて評価した。アッセイを、37℃で24時間インキュベートした。次いで、血漿を単離し、サイトカインを10サイトカインMSDパネルを使用して測定した。データは、3人のドナーの平均値+/-SDである。図23A~23Dに示すように、抗LILRB2抗体は、このアッセイにおいて、サイトカインストーム(例えば、IL-4、IL-6、IL-18、またはTNFα)に関連したサイトカインの誘導を示さなかった。
抗LILRB2抗体の好中球活性化を誘発する潜在能力を、可溶性抗体の滴定を使用するヒト全血において評価した。アッセイを、37℃で2時間インキュベートした。好中球活性化マーカーにおける変化(CD11bにおける増加及びCD62Lにおける減少)を、フローサイトメトリーによって評価した。データは、2人のドナーの平均値+/-SDである。抗LILRB2抗体は、低CD11b発現(図24A及び24B)及びCD62Lの保持(図24C及び24D)によって示されるように、好中球活性化を誘導しなかった。
実施例15.薬物動態
カニクイザル(1群あたりn=3)は、指示濃度の抗LILRB2抗体の単回静脈内注入を受けた。薬物の血清濃度を、電気化学発光アッセイを使用して測定し、図25に示される結果は、カニクイザルにおける単一用量の薬物動態が、典型的なヒトIgG4抗体の半減期を表すことを示す。
好中球集団における抗LILRB2の効果を評価するために、CBCアッセイを、カニクイザルの事前研究、及びそれに続く抗LILRB2抗体の投与において実行した。図26A及び26Bに示されるように、末梢血の好中球は、正常範囲内のままであり、有意でない下降傾向を示した。
実施例16.PirBノックアウトマウス実験
生後8~12週間のPirBホモ接合型ノックアウトマウスまたは野生型同腹子対照に、B16.SIY(1×106)、LLC(2×105)、またはMC38(5×105)腫瘍細胞を皮下接種した。一度触知可能な腫瘍が感じられると、マウスをモニタリングし、腫瘍が2,000mm3を超えるか、またはマウスの体重が20%超減少するまで、腫瘍測定値を少なくとも週2回記録した。一部のマウスを、腫瘍浸潤性細胞の分析のために早期に屠殺した。全ての実験を、動物飼育及び使用についての制定ガイドラインに従って実行した。
腫瘍は全ての野生型マウスにおいて検出され、Jounce Therapeuticsにおける過去の増殖動態と一致した。野生型マウスとPirBノックアウトマウスとの間に、B16.SIYまたはLLC腫瘍の増殖における有意な差異は観察されなかったが(図27A、27B、28A、及び28B)、野生型マウスと比較した場合、MC38腫瘍増殖における有意な減少がPirBノックアウトマウスに見出された(図29A及び29B)。MC38腫瘍浸潤性細胞の分析は、野生型対照(データは示されない)と比較して、PirBノックアウトマウスにおいて低い免疫抑制特性(より低いIL-4R)及び増加した抗原提示能力(より高いMHCクラスII)を示す、腫瘍関連マクロファージの表現型と一致した。
実施例17.アラニンスキャン分析
J-19.h1の重鎖及び軽鎖可変領域を、図30に示す。KabatのCDR定義によって定義されるようなJ-19.h1の重鎖及び軽鎖の相補性決定領域(CDR)を、図30に下線で示す。標的に結合するために必要なJ-19.h1の重要な結合残基、LILRB2を、CDR中の個々の残基を変異させることによって特定した。CDR中の34個の重鎖及び18個の軽鎖残基を個々にアラニンへ変異させることによってスキャンを実施した。J-19.h1のこの領域はLILRB2結合に貢献することが決定されなかったため、CDRL2への変異は含まれなかった。J-19.h1の生殖細胞系CDRL2配列への完全変異は、標的に対する結合親和性を変更しなかった。
全てのバリアントを、チャイニーズハムスター卵巣細胞株内で一過的に産生し、自動液体ハンドラーにクエン酸緩衝液を使用して精製した。親和性を、ForteBio Octet Red96を使用して決定した。J-19.h1バリアントを10ug/mLに正規化し、抗ヒト捕捉センサに充填した。充填されたセンサを、次いでベースラインを確立するために動態緩衝液中に浸漬し、50nM~5nMの2つの濃度でLILRB2を含有するウェル中に浸漬した後、緩衝液への解離ステップを行った。動態データを、ForteBioデータ解析ソフトウェアを使用して計算した。
J-19.h1バリアントのLILRB2への得られた親和性は、灰色で強調された重要な残基を示し、LILRB2結合に決定的である。アラニンへの変異は、対照より5倍低い親和性をもたらしたか、または結合の完全な廃止をもたらした。点線の下線付き残基は、対照の2~5倍の親和性を有した。CDR中の全ての他の残基は、アラニンに変異した場合、LILRB2に対して同様の親和性を維持した。
実施例18.qPCRプライマー
Applied Biosystems(TaqMan)及びBiorad(PrimePCR)の両方から市販されているLILRB2についてのqPCRアッセイは、LILRファミリーメンバー過剰発現細胞株のRNA由来のcDNAにおいて実行した場合、それらの標的に対する特異性を示さなかった。LILRファミリーメンバーは互いに高い相同性を有し、したがって、プライマーセットは、PCR中に標的外効果を生み出すことができる。
以下のプライマーセットを過剰発現細胞株において試験し、1つのプライマーセットは、特定のPCR条件下で特異性を示した。cDNAライブラリを、BioRad iScript Reverse Transcription Supermix及びFluidigm Reverse Transcriptionマスターミックスの両方を使用して生成した。プローブを伴わない場合、プライマーセットを、BioRad SsoFast EvaGreen SupermixをLow ROXマスターミックスを使用して実行した。プローブを含むプライマーセットを、Applied Biosystems TaqMan Fast Advanced Master Mixを使用して実行した。プライマーをオリゴとしてIDTから注文し、プローブをFAMで標識した。
セット1~15のためのフォワードプライマーは配列番号135~149であり、セット1~15のためのリバースプライマーは配列番号150~164であり、セット7~10のためのプローブは配列番号165~168であり、それぞれ表8に記載の順序である。
上記に列挙されたセット9は、TaqManアッセイ(Applied Biosystemsマスターミックス及びIDT GEマスターミックスの両方)、ならびにプライマーセットEvaGreenアッセイ(BioRad Masterミックス)として実行した場合に、多数のLILRファミリーメンバー過剰発現細胞株にわたってアッセイした場合、LILRB2に特異的であることが証明された。以下のPCRサイクル条件:サイクル1:95℃で60秒間;サイクル2:96℃で5秒間;サイクル3:65℃で20秒間;サイクル2~3を繰り返して合計40サイクル;60~95℃のEvaGreen化学の融解曲線に従った。プライマー及びプローブ配列:フォワード:CGTCACCCTCAGTTGTCAG(配列番号143)、リバース:TCCGTGTAATCCAAGATGCTG(配列番号158)、プローブ:CCTTGAAGCCCAGGAGTACCGTCTA(配列番号167)。
プライマーいずれかの端部への最大5個のヌクレオチドの添加は、UCSC In-Silico PCRツールごとにPCR特異性に影響を与えるべきではない(太字は湿式検証済みのプライマーセットである)。https://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgPcr?hgsid=693240227_npi8w0U7mF4EWHuVaOYA4nIqdtsZ AGTCC-CGTCACCCTCAGTTGTCAG-GGGAG(配列番号169)、TCGTA-TCCGTGTAATCCAAGATGCTG-ATTTT(配列番号170)。
実施例19.新鮮腫瘍試料のPDシグネチャースコア分析
新鮮なヒト腫瘍試料を、手術後に得た。各腫瘍の一部分を切断し、IHCのために固定した。残った腫瘍の300μMの切片を、6ウェルプレートに載置した。処理を培地に添加し、プレートを37℃でインキュベートした。腫瘍切片を、インキュベーションの後、RNAlaterに保存した。各切片を10μg/mLの薬物で24時間処理し、試料を複数の薬物で処理した場合には、各薬物を10μg/mL使用した。
腫瘍切片を、QiagenのTissueLyserのプロセッサを使用して溶解し、FFPE試料を脱パラフィンした。RNAを、FFPE及び新鮮な腫瘍試料から抽出し、Quibitを使用して定量化し、AATIのFragment Analyzerを使用して品質管理した。十分なRNAが試料から抽出された場合、遺伝子発現を、Human Immunology V2パネルならびに特注のマクロファージ特異的スパイクインを使用した、NanoString nCounterを使用して実施した。遺伝子発現を、ハウスキーピング遺伝子の発現に対して正規化し、次いで、負のプローブからのデータを使用してノイズ閾値化を実施し、データをlog2空間に変換した。このデータを、以降「正規化遺伝子発現」と称することとする。次いで、正規化遺伝子発現データを、同じ患者由来のパリビズマブ処理された試料からの平均データに対してさらに正規化した。このデータを、以降「パリビズマブ正規化遺伝子発現」と称することとする。
薬力学的(PD)シグネチャースコアを、各試料について計算した。単一培養シグネチャーを、LPSの非存在下で4時間後の、抗LILRB2リガンド遮断薬物に応答する4人のドナー由来の単球由来マクロファージ間の遺伝子発現における平均log2(パリビズマブ処理された試料と比較した倍数変化)から導出した。「単一培養シグネチャースコア」を、単一培養シグネチャーによって定義されたベクターにパリビズマブ正規化遺伝子発現を投影することによって、各処理された組織培養試料について計算した。「IFNγシグネチャースコア」を、抗PD1処置に応答して変調された発現を示す、Hirsch et al.(32nd Annual Meeting and Pre-Conference Programs of the Society for Immunotherapy of Cancer(SITC 2017):Part One,P39、J.Immunother.Cancer 5(Suppl.2):86,2017)によって特定された6つの遺伝子のパリビズマブ正規化遺伝子発現を平均することによって計算した。「Keytrudaシグネチャースコア」を、ペンブロリズマブに対する臨床応答を予測するものとして、Ayers et al.(J.Clin.Invest.127:2930-2940,2017)によって特定された18個の遺伝子のパリビズマブ正規化遺伝子発現を平均することによって計算した。
システムにおけるノイズを評価し、応答カットオフを決定するために、80の腎臓、肺、及び頭頸部腫瘍由来の173個の腫瘍切片(試料)を、24時間、対照抗体パリビズマブで処置した。各腫瘍からの少なくとも2つの試料を、パリビズマブで処置した。各PD応答シグネチャーについてのノイズ閾値を、173個の試料間のシグネチャースコアの分布の95パーセンタイルとして定義した。腫瘍を、特定の薬物で処理されたその腫瘍由来の全ての試料間の平均PDシグネチャースコアがそのシグネチャーのノイズ閾値より大きい場合、その特定の薬物に対する「応答者」として分類する。
ほとんどの腫瘍由来のベースライン(未処理)試料を特性評価した。細胞型特異的シグネチャーを、特定の細胞型に関連付けられている遺伝子の正規化遺伝子発現を平均することによって計算した。Keytrudaシグネチャースコアを、ペンブロリズマブに対する臨床応答を予測するものとして、Ayers et al.(前述)によって特定された18個の遺伝子の正規化遺伝子発現を平均することによって、各ベースライン試料について計算した。
上記の実験の結果を、図31~34に示す。
図31は、パリビズマブで24時間処置した80個の腫瘍由来の173個の腫瘍試料からのIFNγ PD応答スコアのヒストグラムである。各腫瘍において、少なくとも2つの試料をパリビズマブで処置した。シグネチャーについてのノイズ閾値を、分布の95パーセンタイルとして定義する。IFNγシグネチャーについては、ノイズ閾値は0.43である。
図32は、腎細胞癌腫、頭頸部癌、及び肺癌の3つの適応症間のJ-19.h1に対するPD応答率を説明するVenn図及びチャートである。腫瘍を、その腫瘍の全てのJ-19.H1で処置された切片間の平均PD応答スコアがノイズ閾値より大きい場合、「応答者」として分類する。上述したように、各PDシグネチャーについてのノイズ閾値を、複数のパリビズマブ処理された試料を用いて、腫瘍間のパリビズマブ処理された試料のPD応答スコアの分布の95パーセンタイルとして定義する。組織培養では、J-19.H1は、適応症間の異なるPD応答を誘導し、複数の作用機序を示唆する。単一培養シグネチャーは、マクロファージ偏光を示す。IFNガンマシグネチャーは、チェックポイント阻害剤に対する同様の応答を示唆する。Keytrudaシグネチャーは、チェックポイント阻害剤に応答するための腫瘍プライミングの兆候である。
図33は、正規化遺伝子発現に基づいて、未処理試料について計算されたKeytrudaシグネチャースコアを示す、一連のグラフである(生の遺伝子発現をハウスキーピング遺伝子及び陰性対照プローブに対して正規化し、次いで、log2変換する)。腫瘍を、J-19.H1で処置されたその腫瘍における全ての試料の平均応答がIFNγシグネチャーのノイズ閾値よりも大きい場合、IFNγ PD応答者として分類する。各点は、未処理腫瘍試料のKeytrudaシグネチャースコアを表す。点線は、各適応症おいてプロファイルされた試料についての平均ベースラインKeytrudaシグネチャースコアを示す。ベースラインKeytrudaシグネチャースコアは、組織培養におけるペンブロリズマブに対するIFNガンマPD応答の必須ではあるが不十分な条件であり、これは他者によって報告された臨床観察と一致し、したがって臨床結果に対する組織培養モデルの関連性を示唆する。
図34、左パネルは、J-19.h1、ペンブロリズマブ、またはJ-19.H1と組み合わされたペンブロリズマブに応答する18個の頸部腫瘍について計算された平均IFNγ PDシグネチャースコアを示す表である。灰色で強調されたセルは、治療に対する応答がノイズ閾値よりも大きい腫瘍を示す。横にアスタリスクが付いている行は、J-19.h1が応答を増強する腫瘍を示し、すなわち、J-19.H1+ペンブロリズマブに応答するIFNγ PDシグネチャースコアは、ペンブロリズマブ単独に応答するスコア+0.43(IFNγ PDシグネチャーのノイズ閾値)以上である。J-19.H1で応答を増強している腫瘍を、右パネルで「コンボ効果」を有すると称する。図34、右パネルは、治療前の腫瘍の適応症正規化された腫瘍マクロファージ含有量の比較を示すグラフである。グラフは、J-19.H1に起因するいかなる増強も示さない腫瘍と比較した、J-19.H1+ペンブロリズマブに応答する組み合わせ効果を示す腫瘍のベースラインマクロファージ含有量を示す。腎細胞癌腫、肺癌、及び頭頸部癌の3つの適応症間の腫瘍の比較を行った。腫瘍マクロファージ含有量を、未処理試料中のマクロファージに関連する遺伝子の発現を平均することによって計算し、各適応症内で正規化する。組織培養におけるペンブロリズマブに対するIFNガンマPD応答は、マクロファージで富化された試料中のJ-19.H1によって増強される。
実施例20.抗体変異体
J-19.h1の重鎖可変域を以下に記載する。
QITLKESGPTLVKPTQTLTLTCTFSGFSLNTYAMGVSWIRQPPGKALEWLASIWWNGNKYNNPSLKSRLTVTKDTSKNQVVLTMTNMDPVDTATYYCAHSRIIR*FTDYVMDAWGQGTLVTVSS(配列番号53)
CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を、順に、下線で示す。R*は、アラニン(J-19.h5)に変異した場合、J-19.h1と比較して、LILRB2に対してより高い親和性を測定したCDRH3における残基を示す。この測定を、ForteBio Octet Red96を使用して決定した。バリアントを、10ug/mLに正規化し、抗ヒト捕捉センサに充填した。次いで、充填されたセンサを、動態緩衝液に浸漬してベースラインを確立し、50nM及び5nMの2つの濃度でLILRB2を含有するウェル中に浸漬した後、緩衝液中で解離ステップを行った。動態データを、ForteBioデータ解析ソフトウェアを使用して計算した。結果は、J-19.h5が、J-19.h1の非変異バージョンと比較して、LILRB2に対して2倍高い親和性を有することを示した。
J-19.h1からさらなるバリアントを作製し、ここでアルギニンをアスパラギン酸(J-19.h6)及びグルタミン酸(J-19.h7)変異させた。全てのバリアントを、チャイニーズハムスター卵巣細胞株を使用して一時的に産生し、自動液体ハンドラーにおいてクエン酸緩衝液を使用して精製した。LILRB2に対する親和性を、J-19.h5に対して以前測定したのと全く同様に測定した。データは、これらの2つのバリアントが、J-19.h1及びJ-19.h5と比較して、LILRB2に対してさらに高い親和性を有していることを示した。
4つの抗体(J-19.h1、J-19.h5、J-19.h6、及びJ-19.h7)に対する親和性を、SierraSensor Mass-2を使用して表面プラズモン共鳴(SPR)によって確認した。抗体を、2ug/mLの濃度で抗ヒトFcチップを使用して捕捉した。LILRB2を、捕捉された抗体上に7つの濃度(65、21.67、7.22、2.41、0.802、0.267、0.089nM)で流した。J-19.h5及びJ-19.h6を3通り実行し、J-19.h7及びJ-19.h1を2通り実行した。以下は、4つの抗体の会合、解離、及びKdを説明する表である。
表9.J-19.h1及び高親和性変異体の反応速度測定
表10.配列表
他の実施形態
本開示は、その趣旨または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。したがって、前述の実施形態は、本開示を限定するものではなく、あらゆる点において例示的であると見なされるべきである。したがって、本開示の範囲は、前述の説明よりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の意味及び同等の範囲内に入る全ての変更が本明細書に含まれることが意図される。本明細書に引用される全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
配列表中の配列と明細書中の配列との間に不一致がある場合には、明細書中の配列が優先されると見なされるべきである。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
ヒトLILRB2と特異的に結合する抗体であって、前記抗体が、
(a)JY(J)
2
G(J)
2
(配列番号171)のアミノ酸配列を含むCDR-H1、
(b)(J)
2
W(J)
11
KJ(配列番号172)のアミノ酸配列を含むCDR-H2、
(c)(J)
2
I(J)
3
TDYV(J)
3
(配列番号173)のアミノ酸配列を含むCDR-H3、
(d)(J)
8
DLJ(配列番号174)のアミノ酸配列を含むCDR-L1、
(e)(J)
7
(配列番号175)のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び
(f)(J)
3
YJYPLJ(配列番号176)のアミノ酸配列を含むCDR-L3の相補性決定領域(CDR)を含み、
各Jが、独立して天然起源アミノ酸である、前記抗体。
(態様2)
前記CDR-H2が、SJW(J)
11
KJ(配列番号177)のアミノ酸配列を含み、及び/または前記CDR-L3が、(J)
3
YDYPLJ(配列番号178)のアミノ酸配列を含む、態様1に記載の抗体。
(態様3)
前記CDR-H1が、
(i)TYAMGVS(配列番号15)、
(ii)JYAMGVS(配列番号179)、
(iii)TYJMGVS(配列番号180)、
(iv)TYAJGVS(配列番号181)、
(v)TYAMGJS(配列番号182)、
(vi)TYAMGVJ(配列番号183)、または
(vii)配列番号171においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含む(ii)~(vi)のうちのいずれか1つのバリアントのアミノ酸配列を含む、態様1または2に記載の抗体。
(態様4)
前記CDR-H2が、
(i)SIWWNGNKYNNPSLKS(配列番号16)、
(ii)SJWWNGNKYNNPSLKS(配列番号184)、
(iii)SIWJNGNKYNNPSLKS(配列番号185)、
(iv)SIWWJGNKYNNPSLKS(配列番号186)、
(v)SIWWNJNKYNNPSLKS(配列番号187)、
(vi)SIWWNGJKYNNPSLKS(配列番号188)、
(vii)SIWWNGNJYNNPSLKS(配列番号189)、
(viii)SIWWNGNKJNNPSLKS(配列番号190)、
(ix)SIWWNGNKYJNPSLKS(配列番号191)、
(x)SIWWNGNKYNJPSLKS(配列番号192)、
(xi)SIWWNGNKYNNJSLKS(配列番号193)、
(xii)SIWWNGNKYNNPJLKS(配列番号194)、
(xiii)SIWWNGNKYNNPSJKS(配列番号195)、
(xiv)SIWWNGNKYNNPSLKJ(配列番号196)、または
(xv)配列番号172においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含む(ii)~(xiv)のうちのいずれか1つのバリアントのアミノ酸配列を含む、態様1~3のいずれか1項に記載の抗体。
(態様5)
前記CDR-H3が、
(i)SRIIRFTDYVMDA(配列番号17)、
(ii)JRIIRFTDYVMDA(配列番号197)、
(iii)SJIIRFTDYVMDA(配列番号198)、
(iv)SRIJRFTDYVMDA(配列番号199)、
(v)SRIIJFTDYVMDA(配列番号200)、
(vi)SRIIRJTDYVMDA(配列番号201)、
(vii)SRIIRFTDYVJDA(配列番号202)、
(viii)SRIIRFTDYVMJA(配列番号203)、
(ix)SRIIRFTDYVMDJ(配列番号204)、または
(x)配列番号173においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含む(ii)~(ix)のうちのいずれか1つのバリアントのアミノ酸配列を含む、態様1~4のいずれか1項に記載の抗体。
(態様6)
前記CDR-L1が、
(i)RASEDIYNDLA(配列番号18)、
(ii)JASEDIYNDLA(配列番号205)、
(iii)RJSEDIYNDLA(配列番号206)、
(iv)RAJEDIYNDLA(配列番号207)、
(v)RASJDIYNDLA(配列番号208)、
(vi)RASEJIYNDLA(配列番号209)、
(vii)RASEDJYNDLA(配列番号210)、
(viii)RASEDIJNDLA(配列番号211)、
(ix)RASEDIYJDLA(配列番号212)、
(x)RASEDIYNDLJ(配列番号213)、または
(xi)配列番号174においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含む(ii)~(x)のうちのいずれか1つのバリアントのアミノ酸配列を含む、態様1~5のいずれか1項に記載の抗体。
(態様7)
前記CDR-L2が、
(i)NANSLHT(配列番号19)、
(ii)JANSLHT(配列番号214)、
(iii)NJNSLHT(配列番号215)、
(iv)NAJSLHT(配列番号216)、
(v)NANJLHT(配列番号217)、
(vi)NANSJHT(配列番号218)、
(vii)NANSLJT(配列番号219)、
(viii)NANSLHJ(配列番号220)、または
(ix)配列番号175においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含む(ii)~(viii)のうちのいずれか1つのバリアントのアミノ酸配列を含む、態様1~6のいずれか1項に記載の抗体。
(態様8)
前記CDR-L3が、
(i)QQYYDYPLT(配列番号20)、
(ii)JQYYDYPLT(配列番号221)、
(iii)QJYYDYPLT(配列番号222)、
(iv)QQJYDYPLT(配列番号223)、
(v)QQYYDYPLJ(配列番号224)、または
(vi)配列番号176においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含む(ii)~(v)のうちのいずれか1つのバリアントのアミノ酸配列を含む、態様1~7のいずれか1項に記載の抗体。
(態様9)
前記CDR-H2が、JIWWNGNKYNNPSLKS(配列番号225)のアミノ酸配列、もしくは配列番号172においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含むそのバリアントを含む、及び/または前記CDR-L3が、QQYYJYPLT(配列番号226)のアミノ酸配列、もしくは配列番号176においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含むそのバリアントを含む、態様1に記載の抗体。
(態様10)
前記1つ以上のCDRが、前記追加のJアミノ酸を含む、態様3~9のいずれか1項に記載の抗体。
(態様11)
前記CDR-H3が、(J)
2
IJXJTDYV(J)
3
(配列番号227)のアミノ酸配列を含み、Xが、アルギニンではない、態様1~10のいずれか1項に記載の抗体。
(態様12)
Xが、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びアラニンからなる群から選択される、態様11に記載の抗体。
(態様13)
前記CDR-H3が、
(i)JRIIXFTDYVMDA(配列番号228)、
(ii)SJIIXFTDYVMDA(配列番号229)、
(iii)SRIJXFTDYVMDA(配列番号230)、
(iv)SRIIXFTDYVMDA(配列番号231)、
(v)SRIIXJTDYVMDA(配列番号232)、
(vi)SRIIXFTDYVJDA(配列番号233)、
(vii)SRIIXFTDYVMJA(配列番号234)、
(viii)SRIIXFTDYVMDJ(配列番号235)、または
(ix)配列番号173においてJで表される、列挙されたアミノ酸の代わりに追加のJアミノ酸を含む(ii)~(iii)もしくは(v)~(viii)のうちのいずれか1つのバリアントの配列を含む、態様11または12に記載の抗体。
(態様14)
前記抗体が、配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93、103、もしくは113のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む可変重鎖(V
H
)領域、及び/または配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94、104、もしくは114のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む可変軽鎖(V
L
)領域を含む、態様1~13のいずれか1項に記載の抗体。
(態様15)
前記抗体が、配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93、103、もしくは113のアミノ酸配列を含む可変重鎖(V
H
)領域、及び/または配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94、104、もしくは114のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(V
L
)領域を含む、態様1~8のいずれか1項に記載の抗体。
(態様16)
前記抗体が、配列番号1、11、21、31、41、51、61、71、81、91、101、もしくは111のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖、及び/または配列番号2、22、32、42、52、62、72、82、92、102、もしくは112のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様1~15のいずれか1項に記載の抗体。
(態様17)
ヒトLILRB2と特異的に結合する抗体であって、前記抗体が、
(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H1、
(b)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、
(c)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H3、
(d)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L1、
(e)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び
(f)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-L3の6つの相補性決定領域(CDR)を含む、前記抗体。
(態様18)
前記抗体が、配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む可変重鎖(V
H
)領域、及び配列番号14のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む可変軽鎖(V
L
)領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号15~17のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号18~20のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様19)
前記抗体が、配列番号13のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号14のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様17または18に記載の抗体。
(態様20)
前記抗体が、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17~19のいずれか1項に記載の抗体。
(態様21)
前記抗体が、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号15~17のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号18~20のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様22)
前記抗体が、配列番号53のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽鎖V
L
領域を含む、態様17または21に記載の抗体。
(態様23)
前記抗体が、配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号52のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17、21、及び22のいずれか1項に記載の抗体。
(態様24)
前記抗体が、配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号15~17のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号18~20のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様25)
前記抗体が、配列番号63のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号64のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様17または24に記載の抗体。
(態様26)
前記抗体が、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17、24、及び25のいずれか1項に記載の抗体。
(態様27)
前記抗体が、配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号15~17のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号18~20のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様28)
前記抗体が、配列番号73のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号74のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様17または27に記載の抗体。
(態様29)
前記抗体が、配列番号71のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17、27、及び28のいずれか1項に記載の抗体。
(態様30)
前記抗体が、配列番号83のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号84のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号15~17のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号18~20のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様31)
前記抗体が、配列番号83のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号84のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様17または30に記載の抗体。
(態様32)
前記抗体が、配列番号81のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号82のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17、30、及び31のいずれか1項に記載の抗体。
(態様33)
前記抗体が、配列番号93のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号94のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号95~97のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号98~100のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様34)
前記抗体が、配列番号93のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号94のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様17または33に記載の抗体。
(態様35)
前記抗体が、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号92のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17、33、及び34のいずれか1項に記載の抗体。
(態様36)
前記抗体が、配列番号103のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号104のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号105~107のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号108~110のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様37)
前記抗体が、配列番号103のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号104のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様17または36に記載の抗体。
(態様38)
前記抗体が、配列番号101のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号102のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17、36、及び37のいずれか1項に記載の抗体。
(態様39)
前記抗体が、配列番号113のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号114のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号115~117のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号118~120のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様17に記載の抗体。
(態様40)
前記抗体が、配列番号113のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号114のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様17または39に記載の抗体。
(態様41)
前記抗体が、配列番号111のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号112のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様17、39、及び40のいずれか1項に記載の抗体。
(態様42)
ヒトLILRB2と特異的に結合する抗体であって、前記抗体が、
(a)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H1、
(b)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H2、
(c)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-H3、
(d)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-L1、
(e)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び
(f)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR-L3の6つのCDRを含む、前記抗体。
(態様43)
前記抗体が、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号5~7のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号8~10のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様42に記載の抗体。
(態様44)
前記抗体が、配列番号3のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号4のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様42または43に記載の抗体。
(態様45)
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様42~44のいずれか1項に記載の抗体。
(態様46)
ヒトLILRB2と特異的に結合する抗体であって、前記抗体が、
(a)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-H1、
(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-H2、
(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-H3、
(d)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-L1、
(e)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR-L2、及び
(f)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR-L3の6つのCDRを含む、前記抗体。
(態様47)
前記抗体が、配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号24のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むV
L
領域を含み、前記V
H
領域が、配列番号25~27のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含み、前記V
L
領域が、配列番号28~30のアミノ酸配列を含む3つのCDRを含む、態様46に記載の抗体。
(態様48)
前記抗体が、配列番号23のアミノ酸配列を含むV
H
領域、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むV
L
領域を含む、態様46または47に記載の抗体。
(態様49)
前記抗体が、配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、態様46~48のいずれか1項に記載の抗体。
(態様50)
前記重鎖が、C末端リジンを追加で含む、態様1~49のいずれか1項に記載の抗体。
(態様51)
態様1~50のいずれか1項に記載の抗体とヒトLILRB2との結合について交差競合する、抗体。
(態様52)
ヒトLILRB2と特異的に結合し、HLA-G及び/またはHLA-A2のヒトLILRB2との結合を遮断する、抗体。
(態様53)
前記遮断することが、ヒト単球由来マクロファージ、ヒト骨髄細胞、及び/またはLILRB2を発現する細胞株を使用する、HLA-G四量体遮断アッセイで決定される、態様52に記載の抗体。
(態様54)
前記アッセイが、HLA-G抱合化ビーズの使用を含む、態様53に記載の抗体。
(態様55)
前記抗体が、20nM未満、2nM未満、または0.2nM未満のEC
50
でHLA-G四量体を遮断する、態様53または54に記載の抗体。
(態様56)
前記遮断することが、ヒト単球由来マクロファージを使用する、HLA-A2四量体遮断アッセイで決定される、態様52~55のいずれか1項に記載の抗体。
(態様57)
前記抗体が、20nM未満、2nM未満、または0.2nM未満のEC
50
でHLA-A2四量体を遮断する、態様56に記載の抗体。
(態様58)
態様1~51のいずれか1項に記載の抗体である、態様52~57のいずれか1項に記載の抗体。
(態様59)
ヒトLILRB2と特異的に結合する抗体であって、前記抗体が、M2様マクロファージをM1様マクロファージに変換することが可能である、前記抗体。
(態様60)
前記M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換が、CXCL9、CXCL11、IRF1、TAP1、IL6R、及びIL15からなる群から選択される1つ以上の遺伝子の増加した発現により示される、態様59に記載の抗体。
(態様61)
前記M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換が、IL-10、CCL2、TGFBR2、CXCL13、IL21R、CD36、CR1、C1QB、及びTGFBIからなる群から選択される1つ以上の遺伝子の低減した発現により示される、態様59または60に記載の抗体。
(態様62)
前記M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換が、腫瘍組織培養アッセイを使用して検出される、態様59~61のいずれか1項に記載の抗体。
(態様63)
前記M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換が、ヒト単球由来マクロファージを使用する初代ヒトマクロファージアッセイを使用して検出される、態様59~62のいずれか1項に記載の抗体。
(態様64)
前記M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換が、TNFα、IL-1β、及びIL-6からなる群から選択される1つ、2つ、もしくは3つ全てのサイトカインの増加した発現により示される、及び/または前記M2様マクロファージのM1様マクロファージへの変換が、IL-10及びCCL-2からなる群から選択される1つもしくは両方のサイトカインの低減した発現により示される、態様63に記載の抗体。
(態様65)
態様1~51のいずれか1項に記載の抗体である、態様58~64のいずれか1項に記載の抗体。
(態様66)
態様52~57のいずれか1項に記載の抗体である、態様58~64のいずれか1項に記載の抗体。
(態様67)
前記抗体が、3.0nM未満の解離定数(K
D
)でLILRB2と結合する、態様1~66のいずれか1項に記載の抗体。
(態様68)
前記抗体が、1.5nM未満のK
D
でLILRB2と結合する、態様67に記載の抗体。
(態様69)
前記抗体が、1.0nM未満のK
D
でLILRB2と結合する、態様68に記載の抗体。
(態様70)
前記抗体が、750pM未満の解離定数(K
D
)でLILRB2と結合する、態様69に記載の抗体。
(態様71)
前記抗体が、モノクローナル抗体である、態様1~66のいずれか1項に記載の抗体。
(態様72)
前記抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体、CDR移植抗体、またはヒト抗体である、態様1~71のいずれか1項に記載の抗体。
(態様73)
前記抗体が、天然Fc領域、バリアントFc領域、及び機能的Fc領域からなる群から選択されるFc領域を含む、態様1~72のいずれか1項に記載の抗体。
(態様74)
前記抗体が、抱合抗体であるか、または検出可能に標識されている、態様1~73のいずれか1項に記載の抗体。
(態様75)
前記抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、またはIgG4抗体である、態様1~74のいずれか1項に記載の抗体。
(態様76)
IgG4抗体である、態様75に記載の抗体。
(態様77)
態様1~76のいずれか1項に記載の抗体のポリペプチドをコードする、核酸分子。
(態様78)
態様77に記載の核酸分子を含む、宿主細胞またはベクター。
(態様79)
態様1~76のいずれか1項に記載の抗体、または態様77に記載の核酸分子を含む、薬学的組成物。
(態様80)
疾患の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記方法が、前記対象に、治療有効量の態様1~76のいずれか1項に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
(態様81)
前記疾患が、がんである、態様80に記載の方法。
(態様82)
抗腫瘍免疫応答の増強を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記方法が、前記対象に、治療有効量の態様1~76のいずれか1項に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
(態様83)
前記抗体を第2の治療手段と組み合わせて施すことをさらに含む、態様80~82のいずれか1項に記載の方法。
(態様84)
前記第2の治療手段が、免疫療法またはがんワクチンである、態様83に記載の方法。
(態様85)
前記第2の治療手段が、PD-1療法及び/またはICOS療法を含む免疫療法である、態様84に記載の方法。
(態様86)
態様79に記載の薬学的組成物及び使用説明書を含む、キット。
(態様87)
核酸断片を含むオリゴヌクレオチドであって、前記核酸断片が、CGTCACCCTCAGTTGTCAG(配列番号143)、またはTCCGTGTAATCCAAGATGCTG(配列番号158)のオリゴヌクレオチド配列の少なくとも16個の連続した核酸残基を含む、前記オリゴヌクレオチド。
(態様88)
前記核酸断片が、AGTCCCGTCACCCTCAGTTGTCAGGGGAG(配列番号169)、またはTCGTATCCGTGTAATCCAAGATGCTGATTTT(配列番号170)のオリゴヌクレオチド配列の少なくとも16個の連続した核酸残基を含む、態様87に記載のオリゴヌクレオチド。
(態様89)
フォワードプライマー及びリバースプライマーを含むqPCRプライマーセットであって、前記フォワードプライマーが、配列番号143または169のオリゴヌクレオチド配列の少なくとも16個の連続した核酸残基を含む核酸断片を含み、前記リバースプライマーが、配列番号158または170のオリゴヌクレオチド配列の少なくとも16個の連続した核酸残基を含む核酸断片を含み、前記qPCRプライマーセットが、任意で、配列番号167の少なくとも16個の連続した残基を含むプローブをさらに含むキット内に含まれる、前記qPCRプライマーセット。
(態様90)
生物学的試料中のLILRB2発現のレベルを定量化する方法であって、前記方法が、
(a)生物学的試料に由来するcDNAを取得することと、
(b)増幅産物を生成するために、態様87または88に記載のオリゴヌクレオチド、または態様89に記載のqPCRプライマーセットもしくはキットを使用して、前記cDNAに対してqPCRを実行することであって、前記qPCRが、LILRB2に特異的である、実行することと、
(c)前記LILRB2発現のレベルを決定するために前記増幅産物を定量化することと、を含む、前記方法。
(態様91)
態様1~76のいずれか1項に記載の抗体の使用であって、疾患の治療または予防を、それを必要とする対象において、治療有効量の前記抗体を前記対象に投与することにより行うための、前記方法。
(態様92)
前記疾患が、がんである、態様91に記載の使用。
(態様93)
治療有効量の態様1~76のいずれか1項に記載の抗体の使用であって、抗腫瘍免疫応答の増強を、それを必要とする対象において、有効量の前記抗体を前記対象に投与することにより行うための、前記使用。
(態様94)
前記抗体を第2の治療手段と組み合わせて施すことをさらに含む、態様91~93のいずれか1項に記載の使用。
(態様95)
前記第2の治療手段が、免疫療法またはがんワクチンである、態様94に記載の方法。
(態様96)
前記第2の治療手段が、PD-1療法及び/またはICOS療法を含む免疫療法である、態様95に記載の使用。