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JP7390121B2 - リチウムイオン伝導体および蓄電デバイス - Google Patents

リチウムイオン伝導体および蓄電デバイス Download PDF

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JP7390121B2
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Description

本明細書によって開示される技術は、リチウムイオン伝導体および蓄電デバイスに関する。
近年、パソコンや携帯電話等の電子機器の普及、電気自動車の普及、太陽光や風力等の自然エネルギーの利用拡大等に伴い、高性能な電池の需要が高まっている。なかでも、電池要素がすべて固体で構成された全固体リチウムイオン二次電池(以下、「全固体電池」という。)の活用が期待されている。全固体電池は、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた有機電解液を用いる従来型のリチウムイオン二次電池と比べて、有機電解液の漏洩や発火等のおそれがないため安全であり、また、外装を簡略化することができるため単位質量または単位体積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
全固体電池の固体電解質層や電極を構成するリチウムイオン伝導体として、例えば、Li(リチウム)とLa(ランタン)とZr(ジルコニウム)とO(酸素)とを少なくとも含有するガーネット型構造を有するリチウムイオン伝導性粉末を含むリチウムイオン伝導体が知られている。このようなリチウムイオン伝導体に含まれるリチウムイオン伝導性粉末としては、例えば、LiLaZr12(以下、「LLZ」という。)や、LLZに対して、Mg(マグネシウム)とA(Aは、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)およびBa(バリウム)から構成される群より選択される少なくとも一種の元素)との少なくとも一方の元素置換を行ったもの(例えば、LLZに対してMgおよびSrの元素置換を行ったもの(以下、「LLZ-MgSr」という。))が知られている(例えば、特許文献1参照)。以下、これらのリチウムイオン伝導性粉末を、「LLZ系リチウムイオン伝導性粉末」という。
特開2016-40767号公報
LLZ系リチウムイオン伝導性粉末は、該粉末を加圧成形した成形体(圧粉体)の状態においては、粒子間の接触が点接触であるために粒子間の抵抗が高く、リチウムイオン伝導性が比較的低い。LLZ系リチウムイオン伝導性粉末を高温で焼成することにより、リチウムイオン伝導性を高くすることはできるが、高温焼成に伴う反りや変形が起こるために電池の大型化が困難であり、また、高温焼成に伴う電極活物質等との反応により高抵抗層が生成されてリチウムイオン伝導性が低下するおそれがある。
なお、このような課題は、全固体電池の固体電解質層や電極に用いられるリチウムイオン伝導体に限らず、リチウムイオン伝導性粉末を含むリチウムイオン伝導体一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるリチウムイオン伝導体は、LiとLaとZrとOとを少なくとも含有するガーネット型構造を有するリチウムイオン伝導性粉末を含むリチウムイオン伝導体において、さらに、リチウムイオン伝導性を有するイオン液体を含み、X線光電子分光法(XPS)により各元素の原子濃度を特定したとき、前記イオン液体に含有される元素(ただし、O元素およびC元素を除く)の内の前記リチウムイオン伝導性粉末に含有されない元素である特定元素と、Li元素とLa元素とZr元素とのそれぞれの原子濃度の合計C1に対する、前記特定元素のそれぞれの原子濃度の合計C2の割合R1(=C2/C1)が、0.25以上、0.90以下である。本リチウムイオン伝導体では、リチウムイオン伝導体に含まれるリチウムイオン伝導性粉末の粒径にかかわらず、リチウムイオン伝導体の表面近傍の部分にイオン液体が過度に低くも高くもない割合で存在しているため、リチウムイオン伝導体のリチウムイオン伝導性を十分に向上させることができる。
(2)上記リチウムイオン伝導体において、前記リチウムイオン伝導性粉末の粒径(D90)は、10μm以下である構成としてもよい。本リチウムイオン伝導体によれば、リチウムイオン伝導体を圧粉体として構成した場合において、圧粉体のパッキング性を高くすることができ、その結果、気孔率を低くしてリチウムイオン伝導性をさらに向上させることができ、リチウムイオン伝導体をシート状の成形体として構成した場合において、シートの厚さを薄くすることができ、リチウムイオン伝導性をさらに向上させることができる。
(3)また、本明細書に開示される蓄電デバイスは、固体電解質層と、正極と、負極と、を備え、前記固体電解質層と、前記正極と、前記負極との少なくとも1つは、上記リチウムイオン伝導体を含む。本蓄電デバイスによれば、固体電解質層と正極と負極との少なくとも1つのリチウムイオン伝導性を十分に向上させることができ、ひいては、蓄電デバイスの電気的性能を十分に向上させることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、リチウムイオン伝導体、該リチウムイオン伝導体を含む固体電解質層または電極、該固体電解質層または該電極を備える蓄電デバイス、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における全固体リチウムイオン二次電池102の断面構成を概略的に示す説明図 リチウムイオン伝導体202の構成を模式的に示す説明図 性能評価の結果を示す説明図 性能評価の結果を示す説明図
A.実施形態:
A-1.全固体電池102の構成:
(全体構成)
図1は、本実施形態における全固体リチウムイオン二次電池(以下、「全固体電池」という。)102の断面構成を概略的に示す説明図である。図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向という。
全固体電池102は、電池本体110と、電池本体110の一方側(上側)に配置された正極側集電部材154と、電池本体110の他方側(下側)に配置された負極側集電部材156とを備える。正極側集電部材154および負極側集電部材156は、導電性を有する略平板形状部材であり、例えば、ステンレス鋼、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、これらの合金から選択される導電性金属材料、炭素材料等によって形成されている。以下の説明では、正極側集電部材154と負極側集電部材156とを、まとめて集電部材ともいう。
(電池本体110の構成)
電池本体110は、電池要素がすべて固体で構成されたリチウムイオン二次電池本体である。なお、本明細書において、電池要素がすべて固体で構成されているとは、すべての電池要素の骨格が固体で構成されていることを意味し、例えば該骨格中に液体が含浸した形態等を排除するものではない。電池本体110は、正極114と、負極116と、正極114と負極116との間に配置された固体電解質層112とを備える。以下の説明では、正極114と負極116とを、まとめて電極ともいう。電池本体110は、特許請求の範囲における蓄電デバイスに相当する。
(固体電解質層112の構成)
固体電解質層112は、略平板形状の部材であり、リチウムイオン伝導性を有するリチウムイオン伝導体202を含んでいる。
(正極114の構成)
正極114は、略平板形状の部材であり、正極活物質214を含んでいる。正極活物質214としては、例えば、S(硫黄)、TiS、LiCoO(以下、「LCO」という。)、LiMn、LiFePO、Li(Co1/3Ni1/3Mn1/3)O(以下、「NCM」という。)、LiNi0.8Co0.15Al0.05等が用いられる。また、正極114は、リチウムイオン伝導助剤としてのリチウムイオン伝導体204を含んでいる。正極114は、さらに電子伝導助剤(例えば、導電性カーボン、Ni(ニッケル)、Pt(白金)、Ag(銀))を含んでいてもよい。
(負極116の構成)
負極116は、略平板形状の部材であり、負極活物質216を含んでいる。負極活物質216としては、例えば、Li金属、Li-Al合金、LiTi12(以下、「LTO」という。)、カーボン(グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、表面に低結晶性炭素がコーティングされたコアシェル型黒鉛)、Si(ケイ素)、SiO等が用いられる。また、負極116は、リチウムイオン伝導助剤としてのリチウムイオン伝導体206を含んでいる。負極116は、さらに電子伝導助剤(例えば、導電性カーボン、Ni、Pt、Ag)を含んでいてもよい。
A-2.リチウムイオン伝導体の構成:
次に、固体電解質層112に含まれるリチウムイオン伝導体202の構成について説明する。なお、正極114に含まれるリチウムイオン伝導体204および負極116に含まれるリチウムイオン伝導体206の構成は、固体電解質層112に含まれるリチウムイオン伝導体202の構成と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態において、固体電解質層112に含まれるリチウムイオン伝導体202は、リチウムイオン伝導性粉末を含んでいる。より詳細には、リチウムイオン伝導体202は、上述したLLZ系リチウムイオン伝導性粉末(LiとLaとZrとOとを少なくとも含有するガーネット型構造を有するリチウムイオン伝導性粉末であり、例えば、LLZやLLZ-MgSr)を含んでいる。なお、リチウムイオン伝導性粉末がLiとLaとZrとOとを少なくとも含有するガーネット型構造を有するものであることは、X線回折装置(XRD)で分析することにより確認することができる。具体的には、リチウムイオン伝導性粉末をX線回折装置により分析することにより、X線回折パターンを得る。得られたX線回折パターンと、LLZに対応するICDD(International Center for Diffraction Data)カード(01-080-4947)(LiLaZr12)とを対比し、両者における回折ピークの回折角度及び回折強度比が概ね一致していれば、該リチウムイオン伝導性粉末はLiとLaとZrとOとを少なくとも含有するガーネット型構造を有するものであると判定することができる。例えば、後述の「A-5.LLZ系リチウムイオン伝導性粉末の好ましい態様」に記載された各リチウムイオン伝導性粉末(LLZ系リチウムイオン伝導性粉末)は、該粉末から得られたX線回折パターンとLLZに対応するICDDカードとの両者における回折ピークの回折角度及び回折強度比が概ね一致するため、LiとLaとZrとOとを少なくとも含有するガーネット型構造を有するものであると判定される。
また、本実施形態において、リチウムイオン伝導体202は、さらに、リチウムイオン伝導性を有するイオン液体を含んでいる。リチウムイオン伝導性を有するイオン液体は、例えば、リチウム塩を溶解させたイオン液体である。なお、イオン液体は、カチオンおよびアニオンのみからなり、常温で液体の物質である。
上記リチウム塩としては、例えば、4フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CFSOLi)、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(SOCF)(以下、「Li-TFSI」という。)、リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(LiN(SOF))(以下、「Li-FSI」という。)、リチウム ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(SO)等が用いられる。
また、上記イオン液体としては、カチオンとして、
ブチルトリメチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム等のアンモニウム系、
1-エチル-3メチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム系、
1-ブチル-1-メチルピペリジニウム、1-メチル-1-プロピルピペリジニウム等のピペリジニウム系、
1-ブチル-4-メチルピリジニウム、1-エチルピリジニウム等のピリジニウム系、
1-ブチル-1-メチルピロリジニウム、1-メチル-1-プロピルピロリジニウム等のピロリジニウム系、
トリメチルスルホニウム、トリエチルスルホニウム等のスルホニウム系、
ホスホニウム系、
モルホリニウム系、
等を有するものが用いられる。
また、上記イオン液体としては、アニオンとして、
Cl、Br等のハロゲン化物系、
BF 等のホウ素化物系、
(NC)
(CFSO、(FSO等のアミン系、
CHSO
CFSO 等のスルファート、スルホナート系、
PF 等のリン酸系、
等を有するものが用いられる。
より具体的には、上記イオン液体として、ブチルトリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、「EMI-FSI」という。)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート、1-メチル-1-プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、「P13-FSI」という。)、1-メチル-1-プロピルピペリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、「PP13-FSI」という。)等が用いられる。
なお、本実施形態のリチウムイオン伝導体202は、高温焼成を行うことにより形成された焼結体ではない。そのため、本実施形態のリチウムイオン伝導体202は、炭化水素を含んでいる。より具体的には、本実施形態のリチウムイオン伝導体202を構成するイオン液体は、炭化水素を含んでいる。なお、リチウムイオン伝導体202(イオン液体)が炭化水素を含んでいることは、NMR(核磁気共鳴)、ラマン分光法、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)、GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)、FT-IR(フーリエ変換赤外分光法)等の方法の内の1つまたは複数の組合せにより特定することができる。
このように、本実施形態のリチウムイオン伝導体202は、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末に加えて、リチウムイオン伝導性を有するイオン液体を含んでおり、加圧成形された成形体(圧粉体)の状態において高いリチウムイオン伝導性を発揮する。本実施形態のリチウムイオン伝導体202がこのような高いリチウムイオン伝導性を有する理由は、必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。
LLZ系リチウムイオン伝導性粉末は、他の酸化物系リチウムイオン伝導体や酸化物系以外のリチウムイオン伝導体(例えば、硫化物系リチウムイオン伝導体)と比較して硬いため、該粉末を加圧成形した成形体(圧粉体)の状態においては、粒子間の接触が点接触となって粒子間の抵抗が高くなり、リチウムイオン伝導性が比較的低い。また、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末を高温で焼成することにより、リチウムイオン伝導性を高くすることはできるが、高温焼成に伴い反りや変形が起こるために電池の大型化が困難であり、また、高温焼成に伴う電極活物質等との反応により高抵抗層が生成されてリチウムイオン伝導性が低下するおそれがある。しかしながら、本実施形態のリチウムイオン伝導体202は、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末に加えて、リチウムイオン伝導性を有するイオン液体を含んでいる。そのため、加圧成形された成形体の状態において、該成形体の全体にわたってLLZ系リチウムイオン伝導性粉末の粒界にリチウムイオン伝導パスとして機能するイオン液体が介在し、該粒界におけるリチウムイオン伝導性が向上し、その結果、リチウムイオン伝導体202のリチウムイオン伝導性が向上したものと考えられる。
また、本実施形態のリチウムイオン伝導体202は、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末およびイオン液体に加えて、さらにバインダーを含んでおり、シート状に形成されていてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(以下、「PVDF-HFP」という。)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ポリアミド、シリコーン(ポリシロキサン)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等が用いられる。このような構成とすれば、リチウムイオン伝導体202のリチウムイオン伝導性を向上させつつ、リチウムイオン伝導体202の成形性やハンドリングを向上させることができる。
ここで、本願発明者は鋭意検討を重ね、リチウムイオン伝導性粉末とイオン液体とを含むリチウムイオン伝導体202の好ましい構成を特定するために、以下に説明するイオン液体元素割合R1を使用することを新たに見出した。イオン液体元素割合R1は、X線光電子分光法(XPS)により各元素の原子濃度を特定したとき、イオン液体に含有される元素(ただし、O元素およびC元素を除く)の内のリチウムイオン伝導性粉末に含有されない元素である特定元素と、Li元素とLa元素とZr元素とのそれぞれの原子濃度の合計(以下、「元素原子濃度合計C1」という。)に対する、上記特定元素のそれぞれの原子濃度の合計(以下、「イオン液体元素原子濃度合計C2」という。)の割合である。すなわち、イオン液体元素割合R1=イオン液体元素原子濃度合計C2/元素原子濃度合計C1である。例えば、リチウムイオン伝導体202が、イオン液体としてLiTFSI(EMI-FSI)を含み、かつ、リチウムイオン伝導性粉末としてLLZ-Mg,Srを含む場合においては、特定元素は、元素N,S,Fであり、元素原子濃度合計C1は、元素Li,La,Zr,N,S,Fのそれぞれの原子濃度の合計であり、イオン液体元素原子濃度合計C2は、特定元素N,S,Fのそれぞれの原子濃度の合計である。
なお、XPSは、物体の表面近傍の部分における特性を調べる分析方法であるため、イオン液体元素割合R1は、リチウムイオン伝導体202の表面近傍の部分にどの程度のイオン液体が存在するかを示す指標値であると言える。例えばSEM観察等によりリチウムイオン伝導体の表面に存在するイオン液体の厚さを測定することも考えられるが、イオン液体の厚さは非常に薄く(nmオーダー)、電子線に非常に弱いため、SEM観察を行うことができない。この点、XPSであれば、リチウムイオン伝導体の表面に存在するイオン液体の状態を適切に把握できるものと考えられる。
リチウムイオン伝導性粉末とイオン液体とを含むリチウムイオン伝導体202において、イオン液体の量が少なすぎると、リチウムイオン伝導性粉末の粒界にリチウムイオン伝導パスとして機能するイオン液体が少なくなり、リチウムイオン伝導性が十分に向上しない。一方、イオン液体の量が多すぎると、リチウムイオン以外(アニオン等)も含めた全伝導率としては高くなるが、輸率の低いイオン液体主体の伝導となるため、結果的にリチウムイオン伝導率としては低下してしまう。そのため、リチウムイオン伝導体202のリチウムイオン伝導性を向上させるためには、リチウムイオン伝導体202におけるイオン液体の含有量が重要である。
従来は、リチウムイオン伝導体202におけるイオン液体の含有量を特定するために、リチウムイオン伝導性粉末の含有量(vol%)とイオン液体の含有量(vol%)との合計に対する、イオン液体の含有量の割合(以下、「イオン液体体積割合R2」という。)が用いられてきた。しかしながら、以下に説明するように、イオン液体体積割合R2では、リチウムイオン伝導体202の好ましい構成(高いリチウムイオン伝導性を有する構成)を適切に特定することができない。
図2は、リチウムイオン伝導体202の構成を模式的に示す説明図である。図2のA欄およびB欄には、イオン液体体積割合R2が互いに等しいリチウムイオン伝導体202の構成が示されている。図2のA欄に示すリチウムイオン伝導体202では、リチウムイオン伝導性粉末SEの表面の全体がイオン液体ILにより覆われている。そのため、図2のA欄に示すリチウムイオン伝導体202では、リチウムイオン伝導性粉末SEの粒界の全体にわたってリチウムイオン伝導パスとして機能するイオン液体ILが介在し、リチウムイオン伝導性が十分に向上されている。一方、図2のB欄に示すリチウムイオン伝導体202では、リチウムイオン伝導性粉末SEの表面の一部のみが、イオン液体ILにより覆われている。これは、図2のB欄に示すリチウムイオン伝導体202では、図2のA欄に示すリチウムイオン伝導体202と比べてリチウムイオン伝導性粉末SEの直径が小さく(D2<D1)、リチウムイオン伝導性粉末SEの比表面積が大きいからである。そのため、図2のB欄に示すリチウムイオン伝導体202では、リチウムイオン伝導性粉末SEの粒界の一部においてイオン液体ILが介在せず、リチウムイオン伝導性が十分に向上されていない。このように、イオン液体体積割合R2が同一値であっても、リチウムイオン伝導性粉末SEの表面におけるイオン液体ILの分布状態は異なり得るため、イオン液体体積割合R2では、リチウムイオン伝導体202の好ましい構成(高いリチウムイオン伝導性を有する構成)を適切に特定することができない。
これに対し、上述したイオン液体元素割合R1は、リチウムイオン伝導体202の表面近傍の部分にどの程度のイオン液体ILが存在するかを示す指標値であるため、リチウムイオン伝導体202の好ましい構成(高いリチウムイオン伝導性を有する構成)を適切に特定することができると考えられる。
具体的には、本実施形態のリチウムイオン伝導体202は、イオン液体元素割合R1が、0.25以上、0.90以下となるように構成されている。すなわち、本実施形態では、リチウムイオン伝導体202の表面近傍の部分に、イオン液体が過度に低くも高くもない割合で存在している。このようにすれば、リチウムイオン伝導体202のリチウムイオン伝導性を十分に向上させることができる。なお、リチウムイオン伝導体202のリチウムイオン伝導性をさらに向上させるために、イオン液体元素割合R1は、0.36以上であることがより好ましく、0.52以上であることがさらに好ましく、0.57以上であることが一層好ましい。また、リチウムイオン伝導体202のリチウムイオン伝導性をさらに向上させるために、イオン液体元素割合R1は、0.90以下であることがより好ましく、0.80以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態のリチウムイオン伝導体202において、リチウムイオン伝導性粉末の粒径(D90)は、10μm以下であることが好ましい。このようにすれば、リチウムイオン伝導体202を圧粉体として構成した場合において、圧粉体のパッキング性を高くすることができ、その結果、気孔率を低くしてリチウムイオン伝導性をさらに向上させることができる。また、このようにすれば、リチウムイオン伝導体202をシート状の成形体として構成した場合において、シートの厚さを薄くすることができ、リチウムイオン伝導性をさらに向上させることができる。
なお、XPSに関し、リチウムイオン伝導体202が粉体である場合には、リチウムイオン伝導体202の表面を対象としてXPSを行うものとし、リチウムイオン伝導体202が圧粉体である場合には、リチウムイオン伝導体202の断面を対象としてXPSを行うものとし、リチウムイオン伝導体202がシート状の成形体である場合には、リチウムイオン伝導体202の表面または断面を対象としてXPSを行うものとする。
A-3.全固体電池102の製造方法:
次に、本実施形態の全固体電池102の製造方法の一例を説明する。はじめに、固体電解質層112を作製する。具体的には、リチウムイオン伝導性粉末を準備し、該リチウムイオン伝導性粉末とイオン液体とを混合してリチウムイオン伝導体202を作製し、該リチウムイオン伝導体202を所定の圧力で加圧成形したり、バインダーを添加してシート状に成形したりすることにより、リチウムイオン伝導体202の成形体である固体電解質層112を作製する。
また、別途、正極114および負極116を作製する。具体的には、正極活物質214の粉末と、イオン液体を含むリチウムイオン伝導体204と、必要により電子伝導助剤の粉末とを所定の割合で混合し、所定の圧力で加圧成形したり、バインダーを添加してシート状に成形したりすることにより正極114を作製する。また、負極活物質216の粉末と、イオン液体を含むリチウムイオン伝導体206と、必要により電子伝導助剤の粉末とを混合し、所定の圧力で加圧成形したり、バインダーを添加してシート状に成形したりすることにより負極116を作製する。
次に、正極側集電部材154と、正極114と、固体電解質層112と、負極116と、負極側集電部材156とをこの順に積層して加圧することにより一体化する。以上の工程により、上述した構成の全固体電池102が製造される。
A-4.性能評価:
リチウムイオン伝導性粉末とイオン液体とを含むリチウムイオン伝導体を対象として、性能評価を行った。図3および図4は、性能評価の結果を示す説明図である。
図3および図4に示すように、性能評価には、9個のリチウムイオン伝導体のサンプル(S1~S5,S11~S14)が用いられた。各サンプルは、いずれもリチウムイオン伝導性粉末であるLLZ-Mg,Srの粉末と、イオン液体であるLiTFSI(EMI-FSI)とを含んでいる点では共通しているが、その組成(各成分の含有比率(vol%))と、LLZ-Mg,Srの粒径(D90)とが、互いに異なっている。具体的には、サンプルS1~S5では、LLZ-Mg,Srの粒径(D90)が5.1μmであり、サンプルS11~S14では、LLZ-Mg,Srの粒径(D90)が3.2μmであった。また、各サンプルの組成は、図3および図4に示される通りの組成である。
各サンプルの作製方法は、以下の通りである。まず、リチウムイオン伝導性粉末であるLLZ-Mg・Srの粉末を作製した。具体的には、組成:Li6.95Mg0.15La2.75Sr0.25Zr2.012(LLZ-Mg・Sr)となるように、LiCO、MgO、La(OH)、SrCO、ZrOを秤量した。その際、焼成時のLiの揮発を考慮し、元素換算で15mol%程度過剰になるように、LiCOをさらに加えた。この原料をジルコニアボールとともにナイロンポットに投入し、有機溶剤中で15時間、ボールミルで粉砕混合を行った。粉砕混合後、スラリーを乾燥させ、1200℃で10時間、MgO板上にて還元焼成を行うことにより、LLZ-Mg・Srの粉末を作製した。得られた粉末を大気非曝露環境で遊星ボールミルにて湿式粉砕することにより、LLZ-Mg,Srの粉末の粒径(D90)を5.1μmまたは3.2μmに調整した。
また、イオン液体であるLiTFSI(EMI-FSI)を作製した。具体的には、イオン液体EMI-FSIにリチウム塩Li-TFSIを、リチウム塩濃度が0.8mol/L相当となるように溶解させて、LiTFSI(EMI-FSI)を得た。
次に、リチウムイオン伝導性粉末であるLLZ-Mg・Srの粉末とイオン液体であるLiTFSI(EMI-FSI)とを、図3および図4に示された比率(vol%)で乳鉢上で混合することにより、リチウムイオン伝導体(リチウムイオン伝導性粉末とイオン液体との複合体)を得た。
各サンプルを対象として、大気非曝露状態でXPS測定を行い、各元素の原子濃度を特定した。各元素の原子濃度の特定結果から、元素原子濃度合計C1(イオン液体に含有される元素(ただし、O元素およびC元素を除く)の内のリチウムイオン伝導性粉末に含有されない元素である特定元素と、Li元素とLa元素とZr元素とのそれぞれの原子濃度の合計)に対する、イオン液体元素原子濃度合計C2(上記特定元素のそれぞれの原子濃度の合計)の割合であるイオン液体元素割合R1を算出した。本性能評価では、各サンプルは、イオン液体としてLiTFSI(EMI-FSI)を含み、リチウムイオン伝導性粉末としてLLZ-Mg,Srの粉末を含んでいるため、元素原子濃度合計C1は、元素Li,La,Zr,N,S,Fのそれぞれの原子濃度の合計であり、イオン液体元素原子濃度合計C2は、元素N,S,Fのそれぞれの原子濃度の合計である。なお、XPS測定による各原子濃度の特定は、以下の条件で行った。
・測定装置:アルバック・ファイ株式会社製 PHI Quantera SXM
・励起X線源:単色AlKα線(25W、15kV、100μm径)
・光電子取り出し角:45°
・解析ソフトウェア:MultiPack
また、各サンプルを500MPaで加圧した状態で、各サンプルのリチウムイオン伝導率を測定した。
各サンプルについて、成形時にイオン液体の染み出しが発生したか、または、リチウムイオン伝導率が1.0×10-6S/cm未満であった場合には、不合格(×)と判定し、成形時にイオン液体の染み出しが発生せず、かつ、リチウムイオン伝導率が1.0×10-6S/cm以上であった場合には、合格(〇)と判定した。
サンプルS1およびS11では、リチウムイオン伝導率が1.0×10-6S/cm未満であったため、不合格(×)と判定された。これらのサンプルでは、イオン液体元素割合R1が0.25未満であり、リチウムイオン伝導体の表面近傍の部分に十分な量のイオン液体が存在していないため、リチウムイオン伝導性が低くなったものと考えられる。
一方、サンプルS5では、成形時にイオン液体の染み出しが発生したため、不合格(×)と判定された。このサンプルでは、イオン液体元素割合R1が0.90を超えており、リチウムイオン伝導体の表面近傍の部分に過剰な量のイオン液体が存在しているため、イオン液体の染み出しが発生したものと考えられる。
これに対し、サンプルS2~S4,S12~S14では、成形時にイオン液体の染み出しが発生せず、かつ、リチウムイオン伝導率が1.0×10-6S/cm以上であったため、合格(〇)と判定された。これらのサンプルでは、イオン液体元素割合R1が0.25以上、0.90以下であり、リチウムイオン伝導体の表面近傍の部分に、過度に多くも少なくもない適切な量のイオン液体が存在しているため、イオン液体の染み出しが発生せず、かつ、リチウムイオン伝導性が高くなったものと考えられる。
以上説明した性能評価結果を参照すると、リチウムイオン伝導性粉末とイオン液体とを含むリチウムイオン伝導体において、イオン液体元素割合R1が0.25以上、0.90以下であると、イオン液体の染み出しを発生させることなく、リチウムイオン伝導性を向上させることができると言える。
なお、本性能評価結果から、リチウムイオン伝導性粉末とイオン液体とを含むリチウムイオン伝導体において、イオン液体体積割合R2(リチウムイオン伝導性粉末の含有量(vol%)とイオン液体の含有量(vol%)との合計に対する、イオン液体の含有量の割合)が互いに等しくても、リチウムイオン伝導性粉末の粒径が異なると、イオン液体元素割合R1の値が異なることが確認されたと言える。例えば、サンプルS2とサンプルS12とは、イオン液体体積割合R2が互いに等しいが、サンプルS12の方がリチウムイオン伝導性粉末の粒径が小さいため、リチウムイオン伝導性粉末の比表面積が大きくなり、その結果、イオン液体元素割合R1の値が小さくなっている。サンプルS4とサンプルS13との間、および、サンプルS5とサンプルS14との間でも、同様のことが言える。ただし、サンプルS1とサンプルS11との間では、サンプルS11の方がリチウムイオン伝導性粉末の粒径が小さいにも関わらず、イオン液体元素割合R1の値が大きくなっている。これは、サンプルS1およびサンプルS11では、両者とも、イオン液体の添加量が極めて少ないため、リチウムイオン伝導性粉末の表面の一部がイオン液体により覆われず、測定位置によってイオン液体元素割合R1の値にばらつきが出たためであると考えられる。
A-5.LLZ系リチウムイオン伝導性粉末の好ましい態様:
上述したように、本実施形態におけるリチウムイオン伝導体は、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末(LiとLaとZrとOとを少なくとも含有するガーネット型構造を有するリチウムイオン伝導性粉末)を含んでいる。LLZ系リチウムイオン伝導性粉末としては、Mg、Al、Si、Ca(カルシウム)、Ti、V(バナジウム)、Ga(ガリウム)、Sr、Y(イットリウム)、Nb(ニオブ)、Sn(スズ)、Sb(アンチモン)、Ba(バリウム)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Bi(ビスマス)およびランタノイド元素からなる群より選択される少なくとも1種類の元素を含むものを採用することが好ましい。このような構成とすれば、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末が良好なリチウムイオン伝導率を示す。
なお、ガーネット型構造を有するLLZ系リチウムイオン伝導体としては、例えば以下のものが挙げられる。
LiLaZr1.50.512
Li6.15LaZr1.75Ta0.25Al0.212
Li6.15LaZr1.75Ta0.25Ga0.212
Li6.25LaZrGa0.2512
Li6.4LaZr1.4Ta0.612
Li6.5LaZr1.75Te0.2512
Li6.75LaZr1.75Nb0.2512
Li6.9LaZr1.675Ta0.289Bi0.03612
Li6.46Ga0.23LaZr1.850.1512
Li6.8La2.95Ca0.05Zr1.75Nb0.2512
Li7.05La3.00Zr1.95Gd0.0512
また、ガーネット型構造を有するLLZ系リチウムイオン伝導性粉末として、Mgと元素A(Aは、Ca、SrおよびBaからなる群より選択される少なくとも1種類の元素)との少なくとも一方を含み、含有される各元素がモル比で下記の式(1)~(3)を満たすものを採用することが好ましい。なお、Mgおよび元素Aは、比較的埋蔵量が多く安価であるため、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末の置換元素としてMgおよび/または元素Aを用いれば、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末の安定的な供給が期待できると共にコストを低減することができる。
(1)1.33≦Li/(La+A)≦3
(2)0≦Mg/(La+A)≦0.5
(3)0≦A/(La+A)≦0.67
また、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末としては、Mgと元素Aとの両方を含み、含有される各元素がモル比で下記の式(1´)~(3´)を満たすものを採用することがより好ましい。
(1´)2.0≦Li/(La+A)≦2.5
(2´)0.01≦Mg/(La+A)≦0.14
(3´)0.04≦A/(La+A)≦0.17
上述の事項を換言すると、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末は、次の(a)~(c)のいずれかを満たすことが好ましく、これらの中でも(c)を満たすことがより好ましく、(d)を満たすことがさらに好ましいと言える。
(a)Mgを含み、各元素の含有量がモル比で、1.33≦Li/La≦3、かつ、0≦Mg/La≦0.5 を満たす。
(b)元素Aを含み、各元素の含有量がモル比で、1.33≦Li/(La+A)≦3、かつ、0≦A/(La+A)≦0.67 を満たす。
(c)Mgおよび元素Aを含み、各元素の含有量がモル比で、1.33≦Li/(La+A)≦3、0≦Mg/(La+A)≦0.5、かつ0≦A/(La+A)≦0.67 を満たす。
(d)Mgおよび元素Aを含み、各元素の含有量がモル比で、2.0≦Li/(La+A)≦2.5、0.01≦Mg/(La+A)≦0.14、かつ0.04≦A/(La+A)≦0.17 を満たす。
LLZ系リチウムイオン伝導性粉末は、上記(a)を満たすとき、すなわち、Li、La、ZrおよびMgを、モル比で上記式(1)および(2)を満たすように含むとき、良好なリチウムイオン伝導率を示す。そのメカニズムは明らかではないが、例えば、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末がMgを含有すると、Liのイオン半径とMgのイオン半径とは近いので、LLZ結晶相においてLiが配置されているLiサイトにMgが配置されやすく、LiがMgに置換されることで、LiとMgとの電荷の違いにより結晶構造内のLiサイトに空孔が生じてLiイオンが動きやすくなり、その結果、リチウムイオン伝導率が向上すると考えられる。LLZ系リチウムイオン伝導性粉末において、Laと元素Aとの和に対するLiのモル比が1.33未満または3を超えると、ガーネット型結晶構造を有するリチウムイオン伝導性粉末だけでなく、別の金属酸化物が形成されやすくなる。別の金属酸化物の含有量が大きくなるほど相対的にガーネット型結晶構造を有するリチウムイオン伝導性粉末の含有量が小さくなり、また別の金属酸化物のリチウムイオン伝導率は低いので、リチウムイオン伝導率が低下する。LLZ系リチウムイオン伝導性粉末におけるMgの含有量が多くなるほどLiサイトにMgが配置され、Liサイトに空孔が生じ、リチウムイオン伝導率が向上するが、Laと元素Aとの和に対するMgのモル比が0.5を超えると、Mgを含有する別の金属酸化物が形成されやすくなる。このMgを含有する別の金属酸化物の含有量が大きくなるほど相対的にガーネット型結晶構造を有するリチウムイオン伝導性粉末の含有量が小さくなる。Mgを含有する別の金属酸化物のリチウムイオン伝導率は低いので、Laと元素Aとの和に対するMgのモル比が0.5を超えると、リチウムイオン伝導率が低下する。
LLZ系リチウムイオン伝導性粉末は、上記(b)を満たすとき、すなわち、Li、La、Zrおよび元素Aを、モル比で上記式(1)および(3)を満たすように含むとき、良好なリチウムイオン伝導率を示す。そのメカニズムは明らかではないが、例えば、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末が元素Aを含有すると、Laのイオン半径と元素Aのイオン半径とが近いので、LLZ結晶相においてLaが配置されているLaサイトに元素Aが配置されやすく、Laが元素Aに置換されることで、格子ひずみが生じ、かつLaと元素Aとの電荷の違いにより自由なLiイオンが増加し、リチウムイオン伝導率が向上すると考えられる。LLZ系リチウムイオン伝導性粉末において、Laと元素Aとの和に対するLiのモル比が1.33未満または3を超えると、ガーネット型結晶構造を有するリチウムイオン伝導性粉末だけでなく、別の金属酸化物が形成されやすくなる。別の金属酸化物の含有量が大きくなるほど相対的にガーネット型結晶構造を有するリチウムイオン伝導性粉末の含有量が小さくなり、また別の金属酸化物のリチウムイオン伝導率は低いので、リチウムイオン伝導率が低下する。LLZ系リチウムイオン伝導性粉末における元素Aの含有量が多くなるほどLaサイトに元素Aが配置され、格子ひずみが大きくなり、かつLaと元素Aとの電荷の違いにより自由なLiイオンが増加し、リチウムイオン伝導率が向上するが、Laと元素Aとの和に対する元素Aのモル比が0.67を超えると、元素Aを含有する別の金属酸化物が形成されやすくなる。この元素Aを含有する別の金属酸化物の含有量が大きくなるほど相対的にガーネット型結晶構造を有するリチウムイオン伝導性粉末の含有量が小さくなり、また元素Aを含有する別の金属酸化物のリチウムイオン伝導率は低いので、リチウムイオン伝導率が低下する。
上記元素Aは、Ca、SrおよびBaからなる群より選択される少なくとも1種類の元素である。Ca、SrおよびBaは、周期律表における第2族元素であり、2価の陽イオンになりやすく、いずれもイオン半径が近いという共通の性質を有する。Ca、SrおよびBaは、いずれもLaとイオン半径が近いので、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末におけるLaサイトに配置されているLaと置換されやすい。LLZ系リチウムイオン伝導性粉末が、これらの元素Aの中でもSrを含有することが、焼結により容易に形成されることができ、高いリチウムイオン伝導率が得られる点で好ましい。
LLZ系リチウムイオン伝導性粉末は、上記(c)を満たすとき、すなわち、Li、La、Zr、Mgおよび元素Aを、モル比で上記式(1)~(3)を満たすように含むとき、焼結により容易に形成されることができ、リチウムイオン伝導率がより一層向上する。また、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末が、上記(d)を満たすとき、すなわち、Li、La、Zr、Mgおよび元素Aを、モル比で上記式(1´)~(3´)を満たすように含むとき、リチウムイオン伝導率がより一層向上する。そのメカニズムは明らかではないが、例えば、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末におけるLiサイトのLiがMgに置換され、また、LaサイトのLaが元素Aに置換されることで、Liサイトに空孔が生じ、かつ自由なLiイオンが増加し、リチウムイオン伝導率がより一層良好になると考えられる。さらに、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末が、Li、La、Zr、MgおよびSrを上記式(1)~(3)を満たすように、特に上記式(1´)~(3´)を満たすように含むことが、高いリチウムイオン伝導率が得られ、また、高い相対密度を有するリチウムイオン伝導体が得られる点から好ましい。
なお、上記(a)~(d)のいずれの場合においても、LLZ系リチウムイオン伝導性粉末は、Zrを、モル比で以下の式(4)を満たすように含むことが好ましい。Zrを該範囲で含有することにより、ガーネット型結晶構造を有するリチウムイオン伝導性粉末が得られやすくなる。
(4)0.33≦Zr/(La+A)≦1
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における全固体電池102の構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、上記実施形態では、リチウムイオン伝導体が、固体電解質層112と正極114と負極116とのすべてに含まれているが、該リチウムイオン伝導体が、固体電解質層112と正極114と負極116との少なくとも1つに含まれているとしてもよい。
また、本明細書に開示される技術は、全固体電池102を構成する固体電解質層や電極に限られず、他の蓄電デバイス(例えば、リチウム空気電池やリチウムフロー電池、固体キャパシタ等)を構成する固体電解質層や電極にも同様に適用可能である。
102:全固体リチウムイオン二次電池 110:電池本体 112:固体電解質層 114:正極 116:負極 154:正極側集電部材 156:負極側集電部材 202:リチウムイオン伝導体 204:リチウムイオン伝導体 206:リチウムイオン伝導体 214:正極活物質 216:負極活物質

Claims (3)

  1. LiとLaとZrとOとを少なくとも含有するガーネット型構造を有するリチウムイオン伝導性粉末を含むリチウムイオン伝導体において、さらに、
    リチウムイオン伝導性を有するイオン液体を含み、
    X線光電子分光法(XPS)により各元素の原子濃度を特定したとき、前記イオン液体に含有される元素(ただし、O元素およびC元素を除く)の内の前記リチウムイオン伝導性粉末に含有されない元素である特定元素と、Li元素とLa元素とZr元素とのそれぞれの原子濃度の合計C1に対する、前記特定元素のそれぞれの原子濃度の合計C2の割合R1(=C2/C1)が、0.25以上、0.709以下である、
    ことを特徴とするリチウムイオン伝導体。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン伝導体において、
    前記リチウムイオン伝導性粉末の粒径(D90)は、10μm以下である、
    ことを特徴とするリチウムイオン伝導体。
  3. 固体電解質層と、正極と、負極と、を備える蓄電デバイスにおいて、
    前記固体電解質層と、前記正極と、前記負極との少なくとも1つは、請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン伝導体を含む、
    ことを特徴とする蓄電デバイス。
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