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JP7344665B2 - 換気用開口構造 - Google Patents

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JP7344665B2 JP2019066707A JP2019066707A JP7344665B2 JP 7344665 B2 JP7344665 B2 JP 7344665B2 JP 2019066707 A JP2019066707 A JP 2019066707A JP 2019066707 A JP2019066707 A JP 2019066707A JP 7344665 B2 JP7344665 B2 JP 7344665B2
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Description

本発明は、室内における騒音低減と共に、屋外における周辺環境に対する騒音低減にも配慮がなされた換気用開口構造を提供する。
これまで発明者は、長尺状スリット共鳴器を用いて建物に設けた換気用開口からの騒音伝搬を低減する方法について、例えば、特許文献1(特開2017-101530号公報)において、建物の換気用開口部からの騒音を低減する騒音低減構造として、前記換気用開口部が設けられている内装壁に、スリット状開口部を有する共鳴器を対向するように対で配することを提案した。
特開2017-101530号公報
特許文献1記載の共鳴器を用いた騒音低減法においては、スリットを有する共鳴器(「スリット共鳴器」ともいう)の断面形状によって定まる共鳴周波数に近い周波数において大きな騒音低減効果が得られるが、一方で、騒音低減効果が得られる周波数範囲が狭く、共鳴周波数から離れた周波数では殆ど効果が得られないという課題がある。このような課題は、例えば道路騒音のような幅広い周波数範囲に成分を持つ騒音を低減しようとした場合に特に顕著になる。
特許文献1記載の発明では、このような課題を解決するために、図10に関連して、スリット共鳴器と共に吸音材を組み込んだ実施形態を提案している。吸音材としてはグラスウールやポリエステル吸音材等の多孔質性吸音材が用いられることが多いが、一般に多孔質性吸音材は高周波数域で大きな吸音効果を発揮する。
そこで、スリット共鳴器を共鳴周波数が吸音材の効果の得にくい低周波数になるように設計することで、両者の補完により幅広い周波数帯域に対する騒音低減効果が期待できる。しかしながら、スリット共鳴器と吸音材を併用する場合、それらの位置関係をどのように設定すれば効果的かという指針はこれまでに示されておらず、問題であった。
この発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明に係る換気用開口構造は、建物の開口部の内壁に設けられ、スリット状開口部を有する共鳴器と、前記共鳴器と隣接するように設けられる吸音材と、を含む換気用開口構造であって、前記内壁が囲む空間が通気経路として機能し、前記スリット状開口部が前記共鳴器を構成する筐体の一面に配され、前記吸音材は、前記共鳴器の前記一面と、前記吸音材の表面とが、面一となって段差なく通気経路を構成するように、前記共鳴器より音源側に配され、前記吸音材が、前記共鳴器の共鳴周波数から離れた周波数で吸音効果を発揮することを特徴とする。
また、本発明に係る換気用開口構造は、前記共鳴器が、スリット状開口部が対向するように対で配されることを特徴とする。
また、本発明に係る換気用開口構造は、複数隣接させた前記共鳴器を備え、全ての前記共鳴器より音源側に前記吸音材が配されることを特徴とする。
また、本発明に係る換気用開口構造は、前記共鳴器が、空気層を有することを特徴とする。
本発明に係る換気用開口構造は、吸音材は、共鳴器と面一で、共鳴器より音源側に配されており、このような本発明に係る換気用開口構造によれば、吸音材が共鳴器より受音側に配される場合に比べて、換気用開口構造から再放射される騒音を低減することができ、周辺を含む環境全体の騒音を低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係る換気用開口構造100に用いる共鳴器10を説明する図である。 本発明の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。 (A)吸音材150が共鳴器10より音源側に配置された構造(本発明)を示す図であり、(B)吸音材150が共鳴器10より受音側に配置された構造(比較例)を示す図である。 2次元境界要素法による解析対象の寸法を示す図である。 解析により求めた仮想面2を受音側に通過する音響エネルギを示す図である。 解析により求めた吸音材に吸収される騒音のエネルギを示す図である。 解析により求めた仮想面1を受音側に通過する音響エネルギを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本発明に係る換気用開口構造100では、図1に示すような背後に密閉された空洞を持つ、スリット構造によって共鳴現象が生じる共鳴器10を利用する。図1(A)はそのような共鳴器10の斜視図である。また、図1(B)は、図1(A)の共鳴器10のスリット状開口部50の長手方向を垂直で切って見た断面図である。
図1に示すように、本発明に係る換気用開口構造100に用いる共鳴器10は、基本的に、内側の空間が中空である四角柱状の筐体40から構成されている。共鳴器10を構成する筐体40の一面には、長手状のスリット状開口部50と、このスリット状開口部50の両側に配され、共鳴器10の内側の空間に延在する隔壁部60と、を有することを特徴としている。対向する2つの隔壁部60は同様の寸法を有している。ここで、共鳴現象が生じる共鳴器10の各寸法は図1に示す記号で表す。なお、スリット状開口部50が構成されている筐体40の一面と、隔壁部60の主面とは互いに直交している。
共鳴器10の各寸法が波長に対して十分に小さい場合、スリット状開口部50における音響インピーダンス比Zは次式(1)で求めることができる。
Figure 0007344665000001
ただし、fは騒音の周波数、cは音速、ρは媒質(空気)密度を表す。また、Vnは、スリット状開口部50と隔壁部60とで囲まれた、図1(B)の斜線部以外の空間の体積(対向する隔壁部60の間の空間の体積)で、開口端補正を考慮して次式(2)で計算される。なお、式(2)における[ ]内の第2項が、開口端補正に関連する項である。また、図1(B)で斜線部の空間は、共鳴現象が生じる共鳴器10の空気層に相当する。
Figure 0007344665000002
また、Vは共鳴器10の空洞部の体積(空気層の体積)で、次式(3)で計算される。
Figure 0007344665000003
また、Sは、スリット状開口部50(スリット開口)の面積で、次式(4)で計算される。
Figure 0007344665000004
式(1)の右辺第1項のrは、共鳴現象が生じる共鳴器10の隔壁部60表面と空気の間に生じる摩擦などの音響抵抗である。隔壁部60を金属など表面が平滑な材料で構成する場合、音響抵抗rは極めて小さな値となり、次式を満足する共鳴周波数fにおいてスリット状開口部50の開口における音響インピーダンス比Zがほぼ0となる。
Figure 0007344665000005
このような共鳴現象を生じさせる共鳴器として機能する、2つの共鳴器10を、図2に示すように、換気用開口構造100の上下の内壁105に沿って対向配置すると、上記の周波数fにおいては対向するスリット部が音響的に“ソフト”な状態となり、音源側から伝搬してきた周波数fの騒音は音源側へ反射され受音側に伝搬しない。
図2は本発明の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。図2は換気用開口構造100を、換気用開口構造100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。換気用開口構造100は内壁105を有しており、内壁105が囲む空間が通気路(通気経路)として機能する。
本実施形態に係る換気用開口構造100においては、音源側(建物外の屋外側)に騒音源が存在し、騒音源からの騒音が受音側(建物内の室内側)に伝搬されることを例として説明を行う。また、換気用開口構造100自体の長手方向(紙面に対して垂直な方向)は水平方向に設置されることを前提として説明するが、換気用開口構造100の設置方法はこのような例に限られない。
この換気用開口構造100においては、換気用開口構造100を形成する4つの内壁105のうち、上下で対向する2つの内壁105を、音響的に“ソフト”な状態とする。すなわち、図2に示すように、換気用開口構造100内側で、上下の内壁105に対向するように2つの共鳴器10が設けられることで、対向する壁面が音響的に“ソフト”な状態、すなわち、壁面の表面における音響インピーダンス比Zが0となり、音源側から伝搬してきた騒音は音源側へ反射され受音側へ伝搬しないようにする。
なお、本実施形態では、表面における音響インピーダンス比Zが0である対向する2つの壁面が、鉛直方向で対向する例に基づいて説明を行っているが、表面における音響インピーダンス比Zが0である対向する2つの壁面が、水平方向で対向するものであってもよい。
図2に示すような換気用開口構造100によれば、共鳴器10の共鳴周波数において、対向した共鳴器10のスリット状開口部50における音響インピーダンス比がほぼ0となり、屋外側(上流側)から入射した騒音は屋外側へ反射され室内側(下流側)に伝搬することがない。
一方で、上式(5)に基づく共鳴周波数fについては騒音低減の効果は期待できるが、当該共鳴周波数から離れた周波数では殆ど効果が得られない。そこで、幅広い周波数範囲に成分を持つ騒音を低減するために、本発明に係る換気用開口構造100では、2つの共鳴器10と共に、グラスウールやポリエステル等の多孔質性の吸音材150を用いるようにしている。本発明では、2つの共鳴器10には低周波数域の騒音低減を担当させ、一方吸音材150に高周波数域の騒音低減を担当させることで、より幅広い周波数帯域に対する騒音低減効果を生じさせるようにしている。
さらに、本発明に係る換気用開口構造100においては、2つの共鳴器10と、2つの吸音材150とは、それぞれ互いに隣接させて配置する。また、本発明に係る換気用開口構造100においては、表面が段差なく通気経路を構成するように配置される。すなわち、互いに隣接する共鳴器10と吸音材150とは面一で配置される。
また、本発明に係る換気用開口構造100においては、吸音材150は、共鳴器10より音源側に配置するようにする。なお、隣接する複数の共鳴器と、吸音材とを並べて配するような場合には、吸音材はすべての共鳴器より音源側に配置する。
以下では、吸音材150が共鳴器10より音源側に配置されることについて、理論的背景と数値解析により本発明の効果を検証した結果を述べる。
[理論的背景]
図3には、建物外壁の一部分とそこに設けられたスリット状の換気用開口構造100の例を断面図として示しており、図3(A)は吸音材150が共鳴器10より音源側に配置された構造(本発明)を示す図であり、図3(B)は吸音材150が共鳴器10より受音側に配置された構造(比較例)を示す図である。
この換気用開口構造を介して屋外側即ち音源側から、室内側即ち受音側へ伝搬する騒音を低減する目的で、共鳴器10を対向配置する。また、吸音材150は本発明では、上記共鳴器10より音源側に配置することを提案している。
なお、図3では、吸音材150は共鳴器10と同様に通気経路を挟んで対向配置されているが、必ずしも図示したように対向配置する必要はない。吸音材150を片側のみに配置した場合でもある程度の騒音低減効果は期待できる。
ここで、音源側から通気路に入射し、受音側へ伝搬、或いは音源側へ再放射される騒音のエネルギについて考える。なお、以下では一般に知られている、騒音の周波数と通気経路長に応じて通気路を伝搬する騒音のエネルギが変化する効果については特に記述しない。
音源側から通気路へ入射する騒音のエネルギをEi、通気路を介して受音側へ伝搬する騒音のエネルギをEtとする。また、通気路から入射して音源側へ再放射する騒音のエネルギをErとする。
吸音材を配置しない場合、通気路へ入射する騒音のエネルギEiと受音側へ伝搬する騒音のエネルギEtの関係を以下の(7)式で表すことができる。
t=τ×Ei ・・・(7)
上式(7)では、τは共鳴器10を配置した部分を音源側から受音側へ騒音が伝搬する割合、即ち騒音伝達率を示す(0≦τ≦1)。共鳴器10の共鳴周波数付近ではτが極めて小さくなり、受音側へ伝搬する騒音のエネルギが大幅に低減される。また、スリット共鳴器が配置された部分で騒音が反射して再度音源側へ伝搬する割合は(1-τ)であることから、通気路の音源側から再放射する騒音のエネルギErは下式(8)の通りである。
r=(1-τ)×Ei ・・・(8)
図3(A)に示すように、吸音材150を共鳴器10の音源側に配置した場合、騒音が吸音材150を配置した部分を伝搬する際に吸音材150に吸収されるエネルギはα×Eiと表すことができる。ここで、αは吸音材150を配置した部分を騒音が伝搬する際に吸音材にエネルギが吸収される割合を示す(0≦α≦1)。言い換えれば、吸音材150を配置した部分を吸音材150に吸収されずに伝搬するエネルギの割合は(1-α)である。
この場合、吸音材150と共鳴器10が配置された部分を通過して受音側に伝搬する騒音のエネルギは、下式(9)となる。
t=(1-α)τ×Ei ・・・(9)
更に、共鳴器10が配置された部分で反射して音源側から再放射する騒音のエネルギは、
r=(1-α)2(1-τ)×Ei ・・・(10)
である。
ここで、(1-α)2は、吸音材150が配置された部分を通気路の音源側から共鳴器10が配置された部分に向けて騒音が伝搬する際と、その後共鳴器10が配置された部分で騒音が反射して吸音材150が配置された部分を音源側へ伝搬する際の、2度にわたり吸音材150にエネルギが吸収されていることを表す。
吸音材150に吸収される騒音のエネルギをEaとすると、エネルギ保存則より以下の関係式(11)が成り立ち、
i=Et+Er+Ea・・・(11)
(9)及び(10)式を代入すると下式(12)のように整理される。
a={α+(1-α)(1-τ)α}Ei・・・(12)
上式(12)の{ }内の第1項は吸音材150が配置された部分を通気路の音源側から共鳴器10が配置された部分に向けて騒音が伝搬する際に吸音材に吸収すされるエネルギを意味し、第2項はその後共鳴器10が配置された部分で騒音が反射して吸音材150が配置された部分を音源側へ伝搬する際に吸音材150に吸収されるエネルギを意味する。
一方で、図3(B)に示すようにて吸音材150を共鳴器10の受音側に配置した場合、共鳴器10と吸音材150が配置された部分を通過して受音側に伝搬する騒音のエネルギは、
t=τ(1-α)×Ei ・・・(13)
である。また、共鳴器10が配置された部分で反射して音源側から再放射する騒音のエネルギは、
r=(1-τ)×Ei ・・・(14)
である。
この場合、吸音材150に吸収される騒音のエネルギEaはエネルギ保存則より、下式(15)の通りとなる。
a=τα×Ei ・・・(15)
以上より、吸音材150を共鳴器10の音源側に配置した場合と、受音側に配置した場合を比較する。
まず、(9)式と(13)式を比較とすると、吸音材150に配置位置に関わらず、通気路を受音側に伝搬する騒音のエネルギは変わらない。即ち、吸音材150に配置位置が異なっても建物に設けた換気用通気路からの騒音伝搬を低減するという本来の性能は損なわれない。
次に、(12)式の右辺から(15)式の右辺を減算すると(2-α)(1-τ)α×Eiであり、0≦τ≦1及び0≦α≦1の条件より正の値となる。これは、吸音材150を共鳴器10の音源側に配置したほうが吸音材に吸収される騒音のエネルギが大きい、即ち吸音材150を共鳴器10と併用した場合により効果的に騒音のエネルギを吸収できることを示す。
更に、(10)式と(14)式を比較すると、(10)式におけるErは、(14)式におけるErより明らかに小さい。このことより、吸音材150を共鳴器10の音源側に配置したほうが、通気路から再放射される騒音のエネルギが小さいことが明らかである。これは、当該建物とその周辺を含む環境全体として騒音を低減することが可能であることを意味する。
当該建物の周辺に同程度以上の高さの他の建物がある場合、通気路から再放射された騒音は、周辺建物の外壁面で反射したのち、再び当該建物の外壁及び通気路に入射する。周辺を含む環境全体の騒音を低減することは、屋外から当該建物の室内に伝搬する騒音を低減する観点でも有効である。
[数値解析]
解析には2次元境界要素法を用いた。
図4に示すように、解析対象は、厚さ300mmの無限大壁面に設けられた幅100mmの換気用開口構造を想定した。2次元解析のため、図中奥行き方向には図に示す断面が無限に続く構造を想定する。
図4(A)には吸音材を共鳴器の音源側に配置した場合、図4(B)には吸音材を共鳴器の受音側に配置した場合の計算モデルを示す。共鳴器の各部寸法は、共鳴周波数が630Hz付近となるように設定されている。また、吸音材は密度32kg/m3、厚さ50mmのグラスウール相当の吸音性能を持つと想定した。
屋外側、即ち音源側から平面音波を入射し、図4中に破線で示した仮想面1及び2を屋内側即ち受音側方向に通過する音響エネルギを解析により求めた。
解析は1/27オクターブ毎の純音について行い、得られた仮想面を受音側方向に通過する音響エネルギを1/3オクターブバンド中心周波数を中心とした9つずつエネルギ平均することで、1/3オクターブバンドにおける解析結果とした。
図5には、仮想面2を受音側に通過する音響エネルギ、即ち上記におけるEtの計算結果を示す。吸音材をスリット共鳴器の音源側に配置した場合と受音側に配置した場合で計算結果に違いはなく、上記で述べたように、吸音材の配置位置に関わらず、通気路を受音側に伝搬する騒音のエネルギは変わらないことが確認できる。
図6には、仮想面1を受音側に通過する音響エネルギから仮想面2を受音側に通過する音響エネルギ減算した結果、即ち上記における吸音材に吸収される騒音のエネルギEaの計算結果を示す。共鳴器の共鳴周波数を含む帯域とその周辺の帯域において、吸音材を共鳴器の音源側に配置した場合、受音側に配置した場合と比較して吸音材に吸収される騒音のエネルギが大きく、上記で述べたようにより効果的に騒音のエネルギを吸収できることが確認できる。
図7には、仮想面1を受音側に通過する音響エネルギ、即ち上記におけるEi-Erの計算結果を示す。
共鳴器の共鳴周波数を含む帯域とその周辺の帯域において、吸音材を共鳴器の音源側に配置した場合、受音側に配置した場合と比較して仮想面1を受音側に通過する音響エネルギが大きい。ここで、二つの解析において、音源位置等の条件は同一であるため、通気路に入射するエネルギEiは同じである。つまりこれらの解析結果から、吸音材をスリット共鳴器の音源側に配置した場合、受音側に配置した場合と比較して通気路の音源側から再放射するエネルギErが小さいことが確認できる。
本発明に係る換気用開口構造100は、吸音材150は、共鳴器10と面一で、共鳴器10より音源側に配されており、このような本発明に係る換気用開口構造100によれば、吸音材150が共鳴器10より受音側に配される場合に比べて、換気用開口構造100から再放射される騒音を低減することができ、周辺を含む環境全体の騒音を低減することが可能となる。
次に本発明の他の実施形態について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。図8は、他の実施形態に換気用開口構造100を、換気用開口構造100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。
他の実施形態に換気用開口構造100においては、これまで説明してきた共鳴器10にさらに仕切り板部材35を設け、共鳴器10内の空間を2つに分割した構造を有している。このような仕切り板部材35は、隔壁部60としても機能する。図8のように仕切り板部材35を設けることで、1つの共鳴器の中に、空間A及び空間Bを有する2つのスリット共鳴器を構成することができる。 なお、空間Aや空間Bなどの「空間」については、図面中にアンダーバーが付されている。
それぞれの空間に基づく共鳴器はそれぞれの共鳴周波数f1、f2においてスリット部50の音響インピーダンス比Zがほぼ0となり、図8に図示するようにこれらを、換気用開口部100の壁面に対向配置することで複数の周波数に対して騒音低減効果を発揮する。そして、本実施形態においては、さらに吸音材150が、共鳴器10と面一で、かつ、共鳴器10より音源側に配される構成となっている。
このような他の実施形態に係る騒音低減構造1は、仕切り板部材35の位置を適宜代えることで、同じ寸法の共鳴器1を用いても様々な共鳴周波数を持つ共鳴器10が構成可能である。また、本実施形態によっても、換気用開口構造100から再放射される騒音を低減することができ、周辺を含む環境全体の騒音を低減することが可能となる、という効果を享受することができる。
次に本発明の他の実施形態について説明する。図9は本発明の他の実施形態に係る換気用開口構造100を説明する図である。図9は換気用開口構造100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。
図9の他の実施形態に係る換気用開口構造100においては、共鳴器10は空間A及び空間Cからなる2つの共鳴器が、間隔at離れた2枚の仕切り板部材35で隔てられた構成となっている。この場合、2つの共鳴器の間のスリットは、背後に空気層を持たないスリット状開口部50となる。仕切り板部材35は、この場合、隔壁部60としても機能する。
このような共鳴器10を換気用開口構造100の内壁に沿って対向配置した場合、換気用開口構造100の断面寸法及び仕切り板部材35の間隔atが半波長以下となる周波数に対して、背後に空気層を持たないスリット状開口部50は音響管(空間B)として機能する。
このとき、外殻部材20の寸法Dが音響管の管長に相当し、波長の1/4がDと等しくなる周波数ft及びその奇数倍の周波数において、音響管のスリット状開口部50の音響インピーダンス比Zが0となり騒音低減効果を発揮する。
一般に、上記のようなftはスリット共鳴器(空間A及び空間C)の共鳴周波数f1あるいはf2より高い周波数となるため、図9のようにスリット共鳴器と音響管を組み合わせた構造の共鳴器10による騒音低減構造1は、幅広い周波数に対して騒音低減効果を発揮することができる。空間A及び空間Cを形成するにあたっては、スリット共鳴器(空間A及び空間C)における隔壁部60の長さla、lcを異ならせるようにしている。
さらに、本実施形態においては、吸音材150が、共鳴器10と面一で、かつ、共鳴器10より音源側に配される構成となっている。
このような他の実施形態に係る騒音低減構造1は、音響管(空間B)を含む共鳴器10と、吸音材150とからなる構成で、幅広い周波数の騒音を低減することが可能となると共に、換気用開口構造100から再放射される騒音を低減することができ、周辺を含む環境全体の騒音を低減することが可能となる、という効果を享受することができる。
次に本発明の他の実施形態について説明する。これまで説明してきた実施形態においては、同じ寸法の共鳴器1を、互いのスリット部50が対向するようにして配置していた。これに対して、本実施形態においては、共鳴器1を換気用開口構造100における通気路の一方側にのみ設けるようにしたものである。図10はこのような換気用開口構造100を示す図であり、図10(A)は共鳴器10を「片側配置」した場合、また、図10(B)は共鳴器10を「片側並列配置」した場合をそれぞれ示している。吸音材150は、共鳴器10と面一で、かつ、いずれの共鳴器10よりも音源側に配される構成となっている。
このような「片側配置」や「片側並列配置」などの配置方法にも十分な騒音低減効果を期待することができることを数値解析によって確認している。レイアウトなどの都合上、「片側配置」や「片側並列配置」しか採用し得ない場合には、このような配置を適宜採用することもできる。
さらに、本実施形態においても、吸音材150は、いずれの共鳴器10よりも音源側に配されており、換気用開口構造100から再放射される騒音を低減することができ、周辺を含む環境全体の騒音を低減することが可能となる、という効果を享受することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図11は本発明の他の実施形態に係る騒音低減構造1に用いる共鳴器10を説明する図である。図11(A)はこれまで説明してきた実施形態に係る換気用開口構造100に用いる共鳴器10を示しており、図11(B)は本実施形態に係る騒音低減構造1に用いる共鳴器10を示している。本実施形態態に係る換気用開口構造100では、図11(B)で示す共鳴器10が換気用開口構造100に配されることを特徴としている。その他の構成は、これまで説明した実施形態と相違することはないので、説明を省略する。
図11(A)に示すように、これまで説明してきた実施形態に係る換気用開口構造100の共鳴器10は、スリット部50の両側に配され隔壁部60が設けられ、これらの隔壁部60は奥行き方向にlの長さを有するものであった。
これに対して、図11(B)に示す本実施形態に換気用開口構造100の共鳴器10は、スリット部50の両側の隔壁部60が省かれた構造を有している。隔壁部60が省かれているが、この代わりに、少なくともスリット部50が含まれる共鳴器10の前面の板厚がlの厚さを有するものとなっている。
前記板厚lにより、本実施形態で用いる共鳴器10においても、第1の実施形態で説明したVnが生じることとなる。これにより、隔壁部60が省かれた共鳴器10が用いられる本実施形態に係る換気用開口構造100によっても、これまで説明した換気用開口構造100と同様の効果を享受することが可能となる。
以上、本発明に係る換気用開口構造は、吸音材は、共鳴器と面一で、共鳴器より音源側に配されており、このような本発明に係る換気用開口構造によれば、吸音材が共鳴器より受音側に配される場合に比べて、換気用開口構造から再放射される騒音を低減することができ、周辺を含む環境全体の騒音を低減することが可能となる。
また、本発明に係る換気用開口構造によれば、吸音材と共鳴器を隣接して配置することで、騒音低減装置を小型化することができる。吸音材を配置するスペースと共鳴器を一体化して騒音低減部を構成することなども可能となる。
また、本発明に係る換気用開口構造によれば、小型化・一体化した換気用開口構造は、製造コストを低く抑えることができると共に、通気経路への取り付けを容易にし、施工コストを低く抑えることができる。
また、本発明に係る換気用開口構造によれば、吸音材と共鳴器を表面が段差なく通気経路を構成するように配置することで、空気のスムーズな流れを実現し、段差で乱流等が生じて換気性能が低下することを防ぐことができる。
本発明に係る換気用開口構造によれば、吸音材を共鳴器より音源側に配置することで、より効果的に吸音材により騒音のエネルギを吸収することができる。
また、本発明に係る換気用開口構造によれば、共鳴器を配置した部分で反射し通気開口から屋外へ再放射される騒音を低減し、当該建物とその周辺を含む環境全体として騒音を低減することができる。
上記の各効果を、建物に設けた換気用通気開口からの騒音伝搬を低減するという本来の性能を損なうことなく実現できる。
10・・・共鳴器
35・・・仕切り板部材
40・・・筐体
50・・・スリット状開口部
60・・・隔壁部
100・・・換気用開口構造
105・・・内壁
110・・・内装壁
120・・・外装壁
150・・・吸音材

Claims (4)

  1. 建物の開口部の内壁に設けられ、スリット状開口部を有する共鳴器と、
    前記共鳴器と隣接するように設けられる吸音材と、を含む換気用開口構造であって、
    前記内壁が囲む空間が通気経路として機能し、
    前記スリット状開口部が前記共鳴器を構成する筐体の一面に配され、
    前記吸音材は、前記共鳴器の前記一面と、前記吸音材の表面とが、面一となって段差なく通気経路を構成するように、前記共鳴器より音源側に配され
    前記吸音材が、前記共鳴器の共鳴周波数から離れた周波数で吸音効果を発揮することを特徴とする換気用開口構造。
  2. 前記共鳴器が、スリット状開口部が対向するように対で配されることを特徴とする請求項1に記載の換気用開口構造。
  3. 複数隣接させた前記共鳴器を備え、全ての前記共鳴器より音源側に前記吸音材が配されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の換気用開口構造。
  4. 前記共鳴器が、空気層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の換気用開口構造。
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