JP7281851B1 - 植物総体の栽培装置および栽培方法、ならびに栽培装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
有機物の大部分は植物の体内で無機原料から複雑な化学反応を経て合成することができ、植物が行う化学反応は有害な廃棄物を全く排出しないため究極のグリーンケミストリーである。
従来の植物栽培技術は、「農業」=「土栽培」を通じてのみ可能であった。しかしながら、農業では季節、気候変動、場所、土壌条件、そして肥培管理など栽培の科学性を担保するための制約条件が多くあり、科学的に実験結果を実際に適用することが難しい。それゆえ、植物を要件とするグリーンケミストリーを発展させるためには、上記制約条件から解放された栽培技術が求められる。
(1)人類の植物栽培の始まり:土耕栽培(約1万年前~)
人類の「植物栽培」の歴史は約1万年前と言われている。目的の植物を栽培する気候を含む適地に、灌漑や施肥により畑や水田を営むことであった。木本類の植林・栽培も基本的には同じ方法である。現在に至るも「食用植物」の大部分(ほぼ全部)はこの土耕栽培であるが、世界的な土壌流亡や気候変動により生産状況が不安定化し食料生産が不安視されるに至っている。
一部では土地から分離させた「容器で栽培する方法(ポット栽培・コンテナ栽培)」も開発された。植物を生きたまま遠くに運んだり、ちかくで観察したり、栽培技術の開発などの目的のためである。植物の栽培が場所の束縛から離れた「農地・土地フリー化栽培」である。
植物の苗・苗木の生産・流通の大部分が「ポット栽培」であり、そのまま観賞用としても流通する。近頃は果物の糖度を上げたり、季節フリーで生産する目的でも使われる。
一方では、園芸品や野菜の一部で水または、水と養分を含む養液で栽培することが可能なものが見つかり、「土壌フリー」、すなわち土壌なしでの植物栽培技術開発の可能性が出てきた。室内でも、艦上でも、極寒地でも、暑熱地でも植物が清潔に栽培でき、人類の活動範囲が広がった。
第2次大戦の末期及び戦後に、米軍が遠隔地の兵士に新鮮な野菜を供給するために流水装置を含む植物工場を建設したことが、日本での水耕栽培の始まりである。流水装置を導入したことにより、停滞水で起こる「溶存酸素」の低下による根の呼吸障害を回避することが可能になったのである。その後、この流水野菜栽培装置をまねた水耕の植物栽培工場が広まった。しかしながら、この時点では、水耕栽培できる植物は葉物野菜・トマト・キュウリなどの少数の植物種に限られていた。
本発明者らは、停滞水でも根が呼吸できる水栽培であるセラミック栽培を開発し、完全に土壌を不要とする「土壌不要植物栽培」を世界で初めて可能にした[特許文献1および2]。
本発明者らによって開発されたセラミック栽培は、大規模な水流装置が不要であり、室内で小規模かつ清潔に野菜を栽培することが可能になった。この栽培方法によれば、植物の根が特殊な微多孔質セラミック器具の内壁に接触して、微多孔質セラミック器具の微多孔内に存在する水分を吸水するので根系がコンパクトに収まる(牽引根が不必要)。
上記セラミック器具を用いた土壌不要栽培は、セラハイト、セラミック苗などの商品名ですでに販売され、さらに、その技術を応用した閉鎖型野菜工場「オハベベファーム」やイネ栽培装置「セラ不動」も稼働し、高い評価を得ている。
さらに、宇宙ステーション「きぼう」にも搭載されている。「宇宙インフレータブル構造の実証実験」のため、発明者らが開発および製造に携わった宇宙栽培用特殊セラミック製の種子発芽実験装置を積んだHTV-3(こうのとり3号)を搭載したH-IIBロケットが宇宙に旅立ち、宇宙空間での種子発芽の栽培の可能性の調査が行われた[非特許文献1]。
本発明者らによって開発されたセラミック栽培技術は狭隙や管の中で根を育成させるので、より多くの水を必要とする植物、根系が肥大する植物の栽培には、物理的な制約があった。そこで、本発明者らは、上記の制約を打破するために、さらなる研究開発を行い、多種多様の植物に対して有用な新たなセラミック栽培の方法を確立した。
そもそも植物の生育に土壌は不要であり、根部からの水分および酸素の吸収と、植物総体を支持する手段さえあれば、どんな場所でも、ひいては、宇宙空間でも植物栽培は可能なのであるが、今まではそのような発想がなかったため、本発明者らが提唱する、ありとあらゆる植物を栽培できる土壌不要栽培方法は誰にも達成することができなかった。
コペルニクスやガリレオが「地動説」を唱え「それでも地球は回る」と言い続けたように、新セラミック栽培では「それでも植物は育っている」のである。
しかしながら、植物工場の設置が真に要求される場合とは、十分な水の補給が期待できない場所や、災害を受けた直後で作物を栽培することができない場所などである。そうすると、経済的な観点から、水の補給ができても狭い土地、今後被災から復興する場所などに現在の植物工場を設置することが活発化するとは思えない。
植物総体において「茎」とは、維管束植物において、植物本体の軸となり、葉や果実などを支持し、根からの水分や養分を葉や果実に送り、葉で生産された養分を根に送る器官である。養分を根に貯蔵する食用または薬用植物として、例えば、サツマイモ、ヤマイモ、ダイコン、ニンジン、カブ、ゴボウ、薬用人参などが挙げられる。
また、「地下茎」とは、土壌栽培において地下に発生する茎の変態のひとつであり、根と同様に植物総体を支持する機能があり、さらに、養分を貯蔵する機能を有する植物もある。養分を地下茎に貯蔵する食用または薬用植物として、例えば、ジャガイモ、キクイモ、コンニャク、サトイモ、クワイ、タマネギ、ショウガ、ユリネなどが挙げられる。
しかしながら、根系の役割について、根系は土壌中に隠れているので直接目視確認することができず、土粒を取り除いても土壌中での各種形態の根の分布が分からない。また、水耕栽培では根系の目視観察ができたとしても、根系の全体が水中にあるため、水分吸収する部位と酸素吸収する部位の区別がつかず、現在、詳細な究明はされていないのが実情である。
より詳しくは、セラミック筒の内壁に接触する根の部分からは水分を吸収するが、接触していない側には根毛が多く存在していた。すなわち、根には、水分の多い側、すなわち液相に向けて成長して、主に水分および養分を吸収する根部と、気相に向けて成長して、主に空気中の酸素を吸収すると推測される根部とが存在することが確認された。
本発明においては、主に水分および養分を吸収する役割を担う形態の根部を「液相根」と称し、主に酸素を吸収する役割を担う形態の根部を「気相根」と称する。
そこで、本発明者らは、土壌を用いることなく、根系において液相根と気相根とを分離して発生させることができる植物総体の栽培装置及びそのような植物総体の栽培方法を提供することを課題とした。ここで、「植物総体の栽培」とは、香りなど;酸素放出およびCO2吸収;周囲環境の湿度や温度の和らぎなどの目的で、植物総体を利用するために、植物を工業的に育成することを含む。
本明細書において、毛管力とは、重力に逆らって水を上部に運ぶ能力、すなわち、毛管現象による吸引能をいい、毛管力を示す構造体内部の微細構造および、その構造体の材質に対する水の濡れ性が毛管力に影響する。
本発明による栽培装置および栽培方法を用いると、根系のうち液相に存在する部位は、液相から水分および養分を吸収する液相根として生育し、気相に存在する部位は、気相から酸素を吸収する気相根として生育する。その結果、土壌栽培や従来の水耕栽培とは異なり、液相根および気相根のそれぞれを統合し、かつ、適切な相にて別々に生育することが可能となり、停滞水の溶存酸素が欠乏して、液相根から酸素を吸収することができなくなっても、気相根が継続的に酸素を吸収するので、植物総体全体が酸素不足になることがない。
また、本発明による栽培装置は植物総体の支持手段を有するので、土壌栽培で必要とされる支持根は必須でないため、液相根および気相根の総量が大幅に増加する。
液体を貯留する水盤内に、毛管力を示す構造体で構成される容器を、その開放または閉鎖下端が前記水盤の内表面に接するように載置して、前記水盤の内表面と前記容器の内壁とで、前記植物総体の根系を包含できる空間域を形成する工程;
前記空間域を形成する工程の前または後、前記水盤に液体を導入する工程;
前記水盤内に貯留した液体中で、液相から水分および養分を吸収する根部を生育する工程;および
前記空間域の内部に存在する水分および酸素中で、気相から酸素を吸収する根部を生育する工程
を含む、栽培方法を提供する。
前記毛管力を示す構造体で構成される容器は、筒部と閉鎖部とからなり、前記筒部の上端は閉鎖部により閉鎖され、前記筒部と前記閉鎖部とは一体成形されているか、または、前記閉鎖部が、前記筒部の上端から取り外し可能に形成された蓋であり、前記閉鎖部には貫通孔が形成され、前記筒部の下端は開放された形状または閉鎖された形状を有し、
前記製造方法は、少なくとも、
液体を貯留する水盤内に、毛管力を示す構造体で構成される容器を、その開放下端が前記水盤の内表面に接するように載置して、前記水盤の内表面と前記容器の内壁とで、前記植物総体の根系を包含できる空間域を形成する工程;
を含む、
製造方法を提供する。
ひとつの具体例として、前記毛管力を示す構造体は、非金属無機質固体材料の焼成物であって、少なくとも筒部は空隙である連通孔を含み、該空隙の平均孔径が3μm以下であり、孔径3μm以下の空隙が体積比で全空隙の70%以上であり、10~80%(vol/vol)の空隙率を有する焼成物であることを特徴とする。
一方、本発明によれば、土壌による束縛も土壌からの不純物の影響も受けることがなくなれば、工業的に植物総体を製造し、その化学合成力を利用して目的の物質を収穫する技術の開発を活発化することができ、植物に目的物を合成させるのに必要な養分を適宜補給し、効率的に目的の成分を合成させるために、根からの吸収が直接的かつ効率よく行うことができる。
要するに、本発明による土壌不要の植物栽培技術は究極のグリーンケミストリーの入口であり基礎となる技術である。
本発明による植物総体の栽培方法は、イネ、トウモロコシ、コムギ、ダイズなどの穀物;ワタなどの工芸用植物;タバコ、チャノキなどの嗜好用植物;レタス、キャベツ、ブロッコリー、バジル、ミョウガなどの葉菜類;サツマイモ、ジャガイモ、ニンジン、サトイモ、ショウガ、タマネギ、ダイコン、カブなどの根菜類;キュウリ、メロン、トマト、イチゴなどの果菜類;ブドウ、ウンシュウミカンなどの果樹;オタネニンジン、キハダなどの薬用植物;バラ、ヤブツバキ、クスノキ、ウルシ、ヒノキ、スギなどの小型~大型樹木まで、あらゆる植物に適用することができる。
本発明による植物総体の製造方法および栽培方法を用いれば、土壌不要なので、場所の制限がなく、いつでもどこでも誰にでも所望する植物を栽培することができる。また、根系が土壌に隠されていないため、根系のなかでも、特に、根毛の働きを直接観察することができるので、植物の生態の研究がより一層発展する。さらに、研究開発から商品化、事業化まで(地域実装、社会実装)一貫した「同じ製造方法」で成長させるので、実装化および産業化するまでの期間が短縮され、あらゆる最先端技術(ITはもちろん光技術、ナノテク、遺伝子の編集技術など)と簡単にコラボ可能であり、植物の移動はもちろん、同一性、同質性、清潔性、再現性など科学的な手法を取り入れることができ、そのことが新しい技術開発につながる。
したがって、本発明を礎として、新たなコンセプトの「植物工場」を立ち上げることができ、植物の栽培が地上に限定されず、光合成に必要な光さえあれば、豊富な水の供給が期待できない乾燥地帯や被災地のみならず、車両、貨車、船舶、航空機等の限られた空間、さらには、宇宙ステーションや他の惑星など宇宙空間での設置を実現する発明を生み出す推進力となる。
(1)植物総体の栽培装置
本発明による、植物総体の栽培装置1は、毛管力を示す構造体(以下、「毛管力体」ともいう。)で構成される容器10;および液体Lを貯留する水盤20を含む(図1)。
前記毛管力体で構成される容器10は、筒部11と閉鎖部12とからなる。前記筒部の上端111は閉鎖部により閉鎖され、前記閉鎖部は、前記筒部と一体成形された上面部12aであるか、または、前記閉鎖部は、前記筒部の上端から取り外し可能に形成された蓋12bであり、前記閉鎖部12には貫通孔121が形成されている。また、前記筒部の下端112は開放された形状または閉鎖された形状を有する。
前記筒部11の形状は、栽培対象とする植物総体を支持できれば、特に限定されず、横断面において、略円形や略楕円形、または略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの定型形状であっても、前記形状以外の非定型形状でもよい。また、縦断面において、略正方形、略長方形または、略台形であってよく、安定性の観点から、上底が下底よりも短い略台形の形状が好ましい。
前記筒部11の内径および高さは、栽培対象とする植物総体に依存するが、植物総体の根系および生育した地下貯蔵器官(貯蔵根(例えば、サツマイモ、ヤマイモ、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、高麗人参)、地下茎(例えば、ジャガイモ、サトイモ、タマネギ、ニンニク、ウコン)など)を包含することができる空間域を有していればよく、限定されないが、例えば、上端の内径が3~25cmであり、下端の内径が6~30cmであって、高さ5~25cmである。
前記筒部11の内径および高さは、例えば、ダイコンを収穫する場合、下端の内径10cmであって、高さ30cmのように、筒部を縦長に成形し、ジャガイモを収穫する場合、下端の内径25cmであって、高さ20cmのように、筒部を横長に成形することができる。さらに、メロンやスイカなどの大型の果実を収穫する場合は、さらに大型の筒部を成形すればよい。
また、筒部11の重量は、下記するような取り外し可能な蓋の重量を除いて、例えば、30~5,000gである。
前記閉鎖部12が、前記筒部11の上端111から取り外し可能に形成された蓋12bである場合、その形状および寸法は前記筒部11の上端に安定的に載置できれば限定されないが、栽培対象とする植物総体が倒れないように支持できる厚さおよび重量を有することが必要であり、例えば、厚さ0.5~3cm、重量30~1,500gである。また、前記筒部の上端と前記蓋とが容易にずれないような摩擦があることも考慮されるべきである。
前記貫通孔121の位置は、限定されないが、前記容器10の中心軸上にあることが好ましい。
前記貫通孔121の形状は限定されず、その孔径は、栽培対象とする植物総体の幹や茎が収まる大きさであればよく、例えば、1~10cmである。
本発明を、例えば、ショウガに適用する場合、孔径を2cmとし、ヒノキに適用する場合、孔径を10cmに成形することができる。
前記閉鎖部12が前記筒部の上端111から取り外し可能に形成されている場合、少なくとも蓋12bが分割可能に形成されていることが好ましく、前記筒部11および蓋12bの双方が分割可能に形成されていることがより好ましい。
上記のように、前記毛管力体で構成される容器10が分割可能に形成されていれば、栽培対象とする植物総体の出し入れが容易であり、特に、根系が肥大したときに前記毛管力体で構成される容器10から植物総体の根系を観察し、回収することが容易になるので望ましい。
前記栽培装置のひとつの具体例として、前記毛管力体で構成される容器10は非金属無機質固体材料の焼成物であって、少なくとも前記筒部11は空隙である連通孔を含み、該空隙の平均孔径が3μm以下であり、孔径3μm以下の空隙が体積比で全空隙の70%以上であり、10~80%(vol/vol)の空隙率を有する焼成物であってもよい。
このような機能を有する容器として、例えば、20℃において、容器素材の単位重量あたり0.005~500倍量、好ましくは0.01~100倍量、さらに好ましくは0.025~50倍量、最も好ましくは0.05~5倍量(重量/重量)の水を保持し得る吸水能を有する。容器素材は、例えば、空隙径0.02~900μm、好ましくは0.05~80μm、さらに好ましくは0.1~9μm、最も好ましくは0.2~5μmの連通する孔を、当該微多孔質体に対して0.05~1、好ましくは0.2~0.4の空隙率(体積/体積)で有する微多孔質体であれば特に限定されるものではない。
この様に、微多孔質体中の空隙径や空隙率を調整することにより、ウイルス、細菌、糸状菌、藻類、原生動物などが培養基にコンタミネーションしても、微多孔質体のフィルター効果により栽培対象の植物総体まで至ることができないか、あるいは少なくとも至るまでに長時間がかかり、その間に前記植物総体を他の栽培装置に移して、それ自体がコンタミネーションすることを防ぐことができる。
前記液体Lは溶存酸素が不足した停滞水でよく、したがって、前記栽培装置1に流水機構や酸素補給機構は不要であるが、それらの機構を付加することは排除しない。また、一定の水位を維持ための水位管理機構を付加することもできる。
また、栽培対象とする植物総体の栽培を種子または球根の形態から開始する場合、前記栽培装置1は、種子または球根載置台50をさらに含んでもよい。前記載置台50の寸法は、対象とする種子または球根が載置でき、かつ、前記容器10の内部に収容されればよい。前記種子または球根から発生した幹、茎、枝、葉など植物本体が前記容器10の高さ未満である期間または栽培対象とする植物総体の栽培を前記容器10の高さ未満の小苗の形態から開始する場合、前記閉鎖部12に形成された貫通孔121からの光に向かって成長するように誘導する支持体60をさらに含んでもよい。
本発明は、第2の局面において、上記した本発明による栽培装置1を用いる、植物総体の栽培方法であって、少なくとも、
液体Lを貯留する水盤20内に、毛管力体で構成される容器10を、その開放下端112が前記水盤20の内表面に接するように載置して、前記水盤の内表面と前記容器の内壁とで、前記植物総体の根系を包含できる空間域を形成する工程;
前記空間域を形成する工程の前または後、前記水盤20に液体Lを導入する工程;
前記水盤20内に貯留した液体L中で、液相から水分および養分を吸収する根部を生育する工程;および
前記空間域の内部に存在する水分および酸素中で、気相から酸素を吸収する根部を生育する工程
を含む、栽培方法を提供する。
本発明において、「植物総体を育成するのに適した環境」とは、土壌不要としつつ、20~100%RHの湿度を保ち、栽培対象とする植物総体の根に、主に水分および養分を吸収する「液相根」の領域と、主に酸素を吸収する「気相根」の領域とを、分離して育成できる空間域を意味する。この空間域には、前記水盤20に貯留する液体由来の水分および、酸素、窒素、二酸化炭素等の気体成分が含まれる。貫通孔経由で、上記気体成分は容器の内外での通気は可能である。また、空間域内の温度は、栽培対象とする植物総体に適切な温度範囲にあればよく、根系が外気と不完全であるが隔離されているため、急激な温度変化がないため、特別な温度管理機構は必要ではない。
また、本発明者らが開発したセラミック栽培[特許文献1および2]とは異なり、本発明による植物総体の栽培方法では、いずれの根部も前記毛管力体で構成される容器10の内表面に接して生育することを必要としない。ただし、徒長した根が容器10の内表面に接することは排除しない。
前記植物の育成に要求される養分は、炭素、水素および酸素の他、少なくとも窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよび硫黄の必須多量元素である。さらに、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素、ニッケルの必須微量元素、ケイ素、ナトリウム、コバルトなどの有用元素を包含する。
本発明は、第3の局面において、少なくとも、毛管力体で構成される容器10;および液体Lを貯留する水盤20を含む、植物総体の栽培装置の製造方法であって、
前記毛管力体で構成される容器10は、筒部11と閉鎖部12とからなり、前記筒部の上端111は閉鎖部により閉鎖され、下端は開放された形状を有し、前記筒部11と前記閉鎖部12とは一体成形されているか、または、前記閉鎖部12が、前記筒部11の上端から取り外し可能に形成された蓋12bであり、前記閉鎖部には貫通孔121が形成され、
前記製造方法は、少なくとも、
液体Lを貯留する水盤20内に、毛管力体で構成される容器10を、その開放下端が前記水盤の内表面に接するように載置して、前記水盤20の内表面と前記容器の内壁とで、前記植物総体の根系を包含できる空間域を形成する工程;
を含むことを特徴とする。
製造方法を提供する。
(1)栽培装置
本発明による植物総体の製造装置は、主に、毛管力体で構成される容器10;および液体Lを貯留する水盤20を含む(図1)。
本発明による植物総体の育成方法は、大型の植物や、根系が肥大する植物を育成対象とするため、容器10は、育成する植物を支持し、かつ、肥大した根系を収容することができる形状、大きさおよび重量を有することを必要とする。このような容器として、植物を支持する観点から、上から下に向けて広がる形状を有する容器であって、例えば、従来の植木鉢を上下逆さまにしたような形状が有用である。
水盤20の素材は液体Lを収容できればよく、その内径は、上記の容器10の下端が収まれば、特に限定されることはない。
本発明における容器10の形状および寸法について、図2((a)筒部、(b-1))に概略図を示し、筒部および蓋のいくつかの具体例の写真を図3に示す。
(ii)容器の素材
(a)焼成素材
本発明において用いる焼成素材のひとつの具体例として、三河陶器瓦用粘土R2-6を用いた。三河陶器瓦用粘土R2-6の定量分析(あいち産業科学技術総合センターにて実施)の結果を表1に示した。
(1)対象の微多孔質焼成素材サンプルを破砕して、マイクロ遠心チューブ途中で引っかかる寸法のサンプル小片(5~8mm四方、約0.5g)を得る。
(2)サンプル小片を恒量になるまで乾燥し、乾燥重量Wsを測定し、マイクロ遠心チューブ乾燥重量Wtを測定する。
(3)サンプル小片を24時間蒸留水に浸漬する。
(4)サンプル小片を取り出し、ティッシュペーパーで表面に付着した水を軽く拭き取り、サンプル小片の含水重量Wを測定する。含水重量Wからサンプル小片の乾燥重量Wsを差し引いて、サンプル小片の総吸水量W0(=W-Ws)を求める。
(5)このサンプル小片をマイクロ遠心チューブに投入する。このとき、サンプル小片がチューブ途中で引っかかり、底部に接していないことを確認する。
(6)3,000rpmで5分間遠心した後、サンプル小片を取り出し、底部に水が貯留した状態のマイクロ遠心チューブの重量Waを測定する。この重量からマイクロ遠心チューブの重量Wtを差し引いて3,000rpmでの脱水量W3000(=Wa-Wt)を求める。
(7)貯留した水を維持したままのマイクロ遠心チューブに、再度、サンプル小片を投入し、5,500rpmで5分間遠心した後、サンプル小片を取り出し、底部に水が貯留した状態のマイクロ遠心チューブの重量Wbを測定する。この重量から底部に水が貯留した状態のマイクロ遠心チューブの重量Waを差し引いて5,500rpmでの脱水量W5500(=Wb-Wa)を求める。
(8)貯留した水を維持したままのマイクロ遠心チューブに、再度、サンプル小片を投入し、8,000rpmで5分間遠心した後、サンプル小片を取り出し、底部に水が貯留した状態のマイクロ遠心チューブの重量Wcを測定する。この重量から底部に水が貯留した状態のマイクロ遠心チューブの重量Wbを差し引いて8,000rpmでの脱水量W8000(=Wc-Wb)を求める。
(8)貯留した水を維持したままのマイクロ遠心チューブに、再度、サンプル小片を投入し、10,500rpmで5分間遠心した後、サンプル小片を取り出し、底部に水が貯留した状態のマイクロ遠心チューブの重量Wdを測定する。この重量から底部に水が貯留した状態のマイクロ遠心チューブの重量Wcを差し引いて10,500rpmでの脱水量W105000(=Wd-Wc)を求める。
(9)最後に総吸水量W0から脱水された合計量を差し引いて、10,500rpmでの遠心でも脱水されなかった残水量Wr(=W0-Wa-Wb-Wc-Wd)を求める。
(10)9個のサンプル小片について上記測定を行い、各測定値の合計を用いて、対象の微多孔質焼成素材サンプルを空隙率および空隙組成を算出した結果を表3に示した。
植木鉢状に構成した針金の枠組みに、紙、織物、不織布などの繊維質シートを巻き付けて、容器を形成することができる。
また、パルプ、糸くずなどの繊維質を植木鉢状に押し固めて、容器を形成することもできる。
公知の方法によって樹脂素材を用いて、上記焼成体素材と同様に、特定の連通孔が存在する微多孔質体容器を形成することができる。
プラスチックケースに水道水を入れ、停滞させた状態で、水中に焼成体の平板を載置した。この平板の上面は、わずかに水上に出るようにした。この平板の上面に、マツ科マツ属アカマツの苗を設置した(図5右)。このとき、苗の下端は水没していない。苗の根元を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS1)を設置して、屋外温室内で10か月間栽培した。
同時に、栽培装置を用いず、一定以上に生長した植物の上部を支持した以外は同じ栽培条件下でアカマツを栽培した。
(3)結果
本発明による栽培装置を用いて栽培した植物は、アカマツは良好に生長した。なお、栽培期間中、本発明によって製造した微多孔質体の容器を用いて栽培した植物の水中根及び気相根は装置の内壁に接触していなかった。取り出した植物は、土壌や藻類などが付着しておらず綺麗な状態であり、そのまま出荷できる状態であった。
一方、本発明による栽培装置を用いずに栽培したアカマツには気相根が形成されず、栽培3か月後に枯死した(図5左)。
実施例1の結果から、水上にある根部に一定量以上の水分が恒常的に供給されることにより植物の気相根が形成されることが示された。また、植物の上部が一定の温度範囲に保たれることも気相根の形成に必要であることが示唆された。
これらの環境要素をさらに検討するために、種々の素材の容器を用いて植物の栽培を行った。
(1)栽培装置
(a)本発明による容器
本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS1)は、栽培期間中、筒部全体が均一に湿潤し、内表面への結露は観察されなかった。
アカマツの育成状態は、試験例1で報告したものである。
(b)市販の素焼き植木鉢
産地を特定しない粘土を700℃程度で焼成して製造された、市販の素焼き植木鉢を用いてアカマツを栽培した。素焼き植木鉢は、表面が多孔質であるが、毛管力が不十分である一方、通気性や排水性が高いため、鉢内の水分が蒸発してすぐ乾燥するという特徴があることが知られている。実際に、栽培期間中、筒部の下方は湿潤しているが、上部は乾燥した状態となり、全体が均一に湿潤することはなかった。
市販の素焼き植木鉢で栽培したアカマツには気相根が形成されず、枯死した。
(c)ポリプロピレン製シェルター
ポリプロピレン製ボードを用いて作製したツリーシェルター(ハイトカルチャ株式会社製ヘキサチューブ)を用いて小松菜を栽培した。栽培期間中、内表面には水滴が流れ落ちるほど結露が発生した。
ツリーシェルターで栽培した小松菜には気相根が形成されず、枯死した。
(d)紙製容器
紙繊維を押し固めた作製した容器を停滞水に載置して、湿潤状態を観察した。容器全体が均一に湿潤し、内表面への結露は観察されなかった。
したがって、紙製容器は、本願発明による栽培方法に有用であることが示唆された。
(e)布製容器
植木鉢状に構成した針金の枠組みに木綿布を巻き付けて製造した容器を停滞水に載置して、湿潤状態を観察した。容器全体が均一に湿潤し、内表面への結露は観察されなかった。
したがって、布製容器は、本願発明による栽培方法に有用であることが示唆された。
(f)結果
本発明の栽培方法には、毛管力を示す構造体で構成される容器が有用であることが分かったが、通気性や排水性が高すぎると、容器内部の温度や湿度(特に、湿度)を安定に保てないので、植物総体に気相根と液相根とを十分に成長させることができないことが示された。
本発明による栽培装置及び栽培方法を用いることにより、土壌の団粒構造の中では明確には観察できなかった気相根と液相根とが異なる部位に成長することが確認された。そして、気相根が大気中から酸素を吸収し、かつ、液相根が水中から水分および養分を吸収できるようにすれば、土壌及び複雑な水循環設備を用いることなく植物を栽培できることが示された。
本発明において作製した各種の微多孔質体の容器(表1のGS1~GS9、GSH2~GSH9)を適宜用いて、様々な植物を栽培した。
ポット苗で購入したカブ苗の根部を水洗いして、土を除去した。
プラスチック製トレーに水道水を入れ、停滞させた状態で、カブ苗を設置した。このとき、苗の下端は水没している。苗の根元を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS1)を設置して、屋外温室内で2021年3月29日まで栽培した。
栽培開始時期の不明であるが、栽培開始から数週間後には、水面より上方に白色の気相根が密集して出現し、水中では液相根が伸長した。地上部が枯れることなく生育した(図6)。
また、いずれの根も容器の内壁に接触していなかった。
(2)ジャガイモ
プラスチック製トレーに水道水を入れ、停滞させた状態で、ジャガイモの種芋を設置した。このとき、種芋の下部は水没している。種芋を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS2+GSH2)を設置して、屋外温室内で2021年2月22日~2021年6月7日まで栽培した。
栽培開始から8日目には、発芽および発根が確認され、50日目には、水面より上方に白色の気相根の出現が確認された。水中では液相根が伸長した。地上部が枯れることなく生育した(図7)。さらに、64日目には、地下茎の先端が膨らみ始め、85日目には、十分に肥大したジャガイモ(直径約3.5cm)に成長した。106日目にジャガイモが直径約4.5cmに成長し、収穫するまでは地上部が枯れることはなかった。
また、容器内の空間が小さかったため、伸長した根が容器の内壁に接触し、根鉢様に渦巻きを形成していたが、気相根が容器内壁に吸着する様子はなく、気相根は十分に成長していた。
(3)キャベツ
ポット苗で購入したキャベツ苗の根部を水洗いして、土を除去した。
プラスチック製トレーに水道水を入れ、停滞させた状態で、キャベツ苗を設置した。このとき、苗の下端は水没している。苗の根元を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS1)を設置して、屋外温室内で2021年8月23日~2022年2月9日まで栽培した。
栽培開始から46日目には、地上部では葉巻が始まった。49日目には、水面より上方に白色の気相根の出現が確認された。水中では液相根が伸長した。地上部が枯れることなく生育した(図8)。144日目には、地上部が結球し、170日目に収穫した。
また、容器内の空間が小さかったため、伸長した根が容器の内壁に接触したが、根鉢様に渦巻きを形成していたが、気相根が容器内壁に吸着する様子はなく、気相根は十分に成長していた。
(4)コーヒーA
地上部が70cm程度にまで成長したコーヒーノキの根部を水洗いして、土を除去した。土栽培時にすでに形成されていた根は濃茶色であった。
プラスチック製トレーに水道水を入れ、停滞させた状態で、コーヒーの木を設置した。このとき、木の下端は水没している。木の根元を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS1)を設置して、屋外温室内で2021年5月13日~2021年12月2日まで栽培した。
栽培開始から127日目には、水面より上方に白色の気相根の出現が確認された。水中では液相根が伸長した。地上部が枯れることなく生育した(図9)。269日目には、地上部の高さは80cmにまで伸長した。
また、容器内の空間が小さかったため、伸長した根が容器の内壁に接触したが、根鉢様に渦巻きを形成していたが、気相根が容器内壁に吸着する様子はなく、気相根は十分に成長していた。
(5)コーヒーB
ポット苗で購入したコーヒー苗の根部を水洗いして、土を除去した。
プラスチック製トレーに水道水を入れ、停滞させた状態で、コーヒー苗を設置した。このとき、苗の下端は水没している。苗の根元を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS1)を設置して、屋外温室内で2021年4月2日~2021年11月29日まで栽培した。
栽培開始から43日目には、水面より上方に白色の気相根の出現が確認された。水中では液相根が伸長した。地上部が枯れることなく生育した(図10)。
また、伸長した根が容器の内壁に接触することはなかった。
(6)アカマツ
地上部が20cm程度にまで成長したアカマツの根部を水洗いして、土を除去した。土栽培時にすでに形成されていた根は濃茶色であった。
プラスチック製トレーに水道水を入れ、停滞させた状態で、アカマツの木を設置した。このとき、木の下端は水没している。木の根元を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS1)を設置して、屋外温室内で2021年4月7日~2022年1月19日まで栽培した。
栽培開始から205日目には、水面より上方に白色の気相根の出現が確認された。水中では液相根が伸長した。地上部が枯れることなく生育した(図11)。
また、容器内の空間が小さかったため、伸長した根が容器の内壁に接触したが、根鉢様に渦巻きを形成していたが、気相根が容器内壁に吸着する様子はなく、気相根は十分に成長していた。
(7)チャノキ
地上部が30cm程度にまで成長したチャノキの根部を水洗いして、土を除去した。土栽培時にすでに形成されていた根は濃茶色であった。
プラスチック製トレーに水道水を入れ、停滞させた状態で、チャノキの木を設置した。このとき、木の下端は水没している。木の根元を囲むように、本発明において作製した微多孔質体の容器(表1のGS7+GSH8)を設置して、屋外温室内で2021年11月16日~2022年1月19日まで栽培した。
栽培開始から64日目には、水面より上方に白色の気相根の出現が確認された。水中では液相根が伸長した。地上部が枯れることなく生育した(図12)。
また、容器内の空間が小さかったため、伸長した根が容器の内壁に接触したが、気相根が容器内壁に吸着する様子はなく、気相根は十分に成長していた。
植物の種類によって、気相根の外観が異なるが、いずれの気相根も、水面より上方に出現し、容器の内壁に接することなく成長した。
例えば、コーヒーBの気相根は、ふっくらとした白い形状をしており、その表面にごく細い側根が沢山生えていた。さらに、その先端が水中に没することとなった気相根が存在したので、詳細に確認したところ、水中に没している部位では、側根が存在せずにつるつるとしていた。水中では、側根が発生しないのか、発生しても水の影響で脱落したのかは不明である。
また、本発明は、土壌を用いないので、栽培終了時には、植物の根部には土壌や藻類などが付着しておらず綺麗な状態であり、煩雑な洗浄作業を行うことなく、そのまま出荷することができる。
本発明者らが提唱する「土壌不要植物栽培」は、広範な植物品種に適用することができ、土壌が不要なだけでなく、広い敷地も、流れる水も使わずに、根量の必要な穀類や小型の木本類の収穫(コーヒー・茶など)、果樹に至るまでほぼ全ての植物の植物工場での栽培を可能とする。土壌不要植物栽培技術により、植物栽培の自由度が飛躍的に高まりこれまで土壌栽培または設備を伴った水耕栽培に限られた植物栽培方法を多様化して産業化して食料や植物由来原材料の供給に寄与できる。さらには、植物の移動はもちろん、同一性、同質性、清潔性、再現性など科学的な手法を取り入れることができ、そのことが新しい技術開発につながる。また、当該技術は研究開発から商品化および事業化まで一貫した「同じ植物総体製造方法」で製造するので、地域実装、社会実装するまでの期間が短縮される。
10 毛管力体で構成される容器
11 筒部
111 上端
112 開放下端
12 閉鎖部
121 貫通孔
12a 上面部
12b 蓋
20 水盤
30 保護膜
40 スリーブ
50 種子または球根載置台
60 支持体
70 棚
Claims (4)
- 毛管力を示す構造体で構成される容器;および液体を貯留する水盤を含み、前記毛管力を示す構造体で構成される容器は、筒部および閉鎖部からなり、前記筒部の上端は閉鎖部により閉鎖され、前記閉鎖部は、前記筒部と一体成形された上面部であるか、または、前記筒部の上端から取り外し可能に形成された蓋であって、前記閉鎖部には貫通孔が形成され、また、前記筒部の下端は開放されまたは閉鎖され、前記毛管力を示す構造体で構成される容器は、非金属無機質固体材料の焼成物であって、少なくとも前記筒部は空隙である連通孔を含み、焼成物全体に対する空隙率が10~80%(vol/vol)であり、前記空隙の平均孔径が3μm以下であって、孔径3μm以下の空隙が体積比で全空隙の70%以上である、植物総体の栽培装置。
- 請求項1に記載の栽培装置を用いる、植物総体の栽培方法であって、少なくとも、
液体を貯留する水盤内に、毛管力を示す構造体で構成される容器を、その開放下端が前記水盤の内表面に接するように載置して、前記水盤の内表面と前記容器の内壁とで、前記植物総体の根系を包含できる空間域を形成する工程;
前記空間域を形成する工程の前または後、前記水盤に液体を導入する工程;
前記水盤内に貯留した液体中で、液相から水分および養分を吸収する根部を生育する工程;および
前記空間域の内部に存在する水分および酸素中で、気相から酸素を吸収する根部を生育する工程
を含む、栽培方法。 - 前記水盤に貯留する液体は、水または栽培対象とする植物総体の育成に要求される養分を含んだ養液であって、停滞水である、請求項2に記載の栽培方法。
- 前記養分は、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよび硫黄から選択される必須多量元素、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素、ニッケルから選択される必須微量元素、または、ケイ素、ナトリウム、コバルトなどから選択される有用元素である、請求項3に記載の栽培方法。
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