JP7261345B1 - 耐酸化性に優れたオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
60≧7.4Si+2.8×Cr+6.9×Al+3.2×Ti+3374×REM-5914×S-3.87×Mn-42.3×Mo-3072×B-1024×N≧30 …(1)
(ここで、上記式中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を示す。)
4.5≦REM(La、Ce、Y)/S …(2)
(ここで、上記式中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を示す。)
C:0.01~0.10mass%
Cはオーステナイト相の安定化に寄与する元素である。しかし、多量に添加した場合は、CrおよびMo等と結合して炭化物を形成し、その近傍の固溶Crの量が低下し、耐酸化性を低下させる。一方、Cは固溶強化によって合金強度を高める効果を有することから、下限値を0.01mass%とする。よって、Cは0.01~0.10mass%に制限する。好ましくは0.02~0.08mass%であり、より好ましくは0.03~0.07mass%である。
Siは耐酸化性の向上、酸化皮膜の剥離防止に有効な元素である。また、酸素濃度を0.0002~0.0040%に制御するためには、0.02%は必要である。更に、CaO-SiO2-MgO一Al2O3-F系スラグ中のCaOを還元し、溶湯中のCaを0.0020%以下に調整する役割もある。その観点からも0.02%は必要である。しかし、Siの過剰な添加はσ相などの金属間化合物の析出を促進し、金属間化合物起因の表面疵を発生させる原因ともなるので、0.02~0.45mass%とする。好ましくは0.04~0.30mass%以下であり、より好ましくは0.06~0.20mass%以下である。
Mnはオーステナイト相安定化元素であり、また、脱酸作用を有する元素でもあるため、その効果を得るためには少なくとも0.10mass%以上は必要である。しかし、MnもSiと同様にσ相などの金属間化合物の析出を招き、また、Cr-Mn系酸化物形成による耐酸化性の低下を招くため、必要以上の添加は好ましくない。そのため、0.10~0.85mass%にする必要がある。好ましくは0.15~0.70mass%、より好ましくは0.20~0.60mass%である。
Pは不純物として不可避的に混入してくる元素であり、リン化物として結晶粒界に偏析するため熱間加工性を害する元素である。従って、極力低減することが望ましい。しかしながら、Pの含有量を極端に低減させることは製造コストの増加を招く。よって本発明においては、Pは0.015mass%以下に制限する。好ましくは0.010mass%以下であり、より好ましくは0.006mass%以下である。
SはPと同様に不純物として不可避的に混入してくる元素であり、結晶粒界に偏析し易く、特に熱間加工性を著しく阻害する。さらに、後述の耐酸化性に寄与するCrと化合物を形成することにより表面酸化スケール形成に必要なCrが消費されてしまい、酸化皮膜と母材の密着性を低下させることで酸化皮膜を脱落させ、酸化を促進させてしまうことから、耐酸化性に有害な元素である。0.0015mass%を超えて含有するとその有害性が顕著に現れるため、0.0015mass%以下に制御する必要がある。好ましくは0.0010mass%以下、より好ましくは0.0006mass%以下である。Sの低下には後述する通り、Alの添加とスラグ成分の間での反応により低下することが可能である。
Crは高温環境下における腐食の抑制に寄与する元素であり、また、高温環境下で合金表面に保護性の酸化皮膜を形成し、高温酸化を抑制する効果もある。上記のような効果を十分得るには13.0mass%以上含有する必要がある。しかしながら、Crの過剰な添加は、表面酸化スケールが過大に形成されてしまい、かえって密着性が乏しく耐酸化性が悪化してしまう。加えて、オーステナイト相の安定性が低下してしまうので、13.0~18.0mass%とした。好ましくは14.0~17.5mass%、より好ましくは15.0~17.0mass%である。
Feは、熱間加工性および冷間加工性に影響する元素であり、5.0%を下回ると熱間加工性および冷間加工性が低下する。また、11.0%を超えて添加させると、耐食性が損なわれるおそれがある。よって、Fe含有量の範囲は5.0~11.0massと規定する。好ましくは、6.0~10.5%である。より好ましくは、8.0~10.0%である。
Moは少量の添加でも合金中に固溶して、高温強度を高める効果がある。しかし、Moを多量に添加した材料では、高温環境下でかつ表面の酸素ポテンシャルが少ない場合において、Moが優先酸化を起こして酸化スケールの剥離が生じるため、むしろ悪影響となる。そのため、保護性の表面酸化スケールの密着性確保の観点から、Moは0.6mass%以下に制限する。好ましくは0.4mass%以下であり、より好ましくは0.2mass%以下である。
Cuは湿潤環境下における耐食性を向上させる元素として添加される場合はあるが、本発明のように高温環境下においては、その効果はほとんど認められない。一方、過剰な添加は材料表面に斑状の模様有した不均一な被膜を形成して、耐食性を低下させる。従って、Cuの添加量は0.5mass%以下に制限する。好ましくは0.3mass%以下、より好ましくは0.1mass%以下である。
Bは粒界偏析により希土類元素(REM)の効果を補助する効果があり、高温強度にも寄与する元素である。しかしながら、多量の添加は表面酸化スケールのポーラス化による密着性低下や合金の溶接性、熱間加工性が低下する。本発明では、Bの含有量は0.005mass%以下とした。好ましくは0.004mass%以下、より好ましくは0.002mass%以下である。
Alは繊密な皮膜の形成を促し、耐酸化性を向上させる元素であり、その効果は0.01mass%以上の添加で得ることができる。また、脱酸材として添加される元素であり、(a)式に従って酸素濃度を本願発明の範囲:0.0002~0.0040mass%に制御する重要な元素である。
2Al+3O=(Al2O3) …(a)
下線は溶鋼中元素を表し、括弧はスラグ中成分を示す。
2Al+3S+3(CaO)=3(CaS)+(Al2O3) …(b)
これによって、S濃度を本願発明の範囲である0.0015mass%以下に制御できる。これより、Alは0.01mass%以上が必要である。しかし、過剰な添加は(c)式が著しく右辺に向かって進行してしまい、Ca濃度が0.002mass%を超えてしまい、Ca-Al酸化物系介在物を多く形成し、合金中のAlを消費することにより耐酸化性を低下させてしまう。
3(CaO)+2Al=3Ca+(Al2O3) …(c)
これより、Alの上限は0.3mass%とした。好ましくは0.01~0.2mass%、より好ましくは0.01~0.1mass%である。
Tiは繊密な皮膜形成を促し、耐酸化性を向上させる元素であり、その効果は0.01mass%以上の添加で得ることができる。しかし、過剰な添加は多量の炭窒化物(TiN、Ti C、TiCN)形成による表面疵の発生原因となるため、Tiの上限は0.3mass%とした。好ましくは0.01~0.2mass%、より好ましくは0.01~0.1mass%である。さらに、CとN濃度を本発明の範囲に制御することも効果的に炭窒化物を抑制する手段である。
CoはCおよびNと同様にオーステナイト相を安定させるのに有効な元素である。加えて、CおよびNはAlやTi等と炭窒化物を形成して表面疵の発生原因となるため多量に添加することができないが、Coは炭窒化物を形成しないため有利である。しかし、多量の添加は、原料コストの上昇を招くため、Coの含有量は1.00mass%以下とした。好ましくは0.90mass%以下、より好ましくは0.80mass%以下である。
NbはCおよびNと微細な炭化物や炭窒化物を形成し、合金の高温強度を高める効果を有しているが、多量の添加は炭化物や炭窒化物が多量に析出していまい、かえって延性及び靭性が低下してしまう。従って、Nbの添加量は1.00mass%以下に制限する。好ましくは0.90mass%以下、より好ましくは0.80mass%以下である。
TaはNbと同様に微細な炭化物や炭窒化物を形成し、合金の高温強度を高める効果を有する。しかしながら、多量の添加は炭化物や炭窒化物が多量に析出することにより、かえって延性及び靭性が低下してしまうことから、Taの含有量は0.05mass%以下とした。好ましくは0.04mass%以下、より好ましくは0.03mass%以下である。
Nは不純物として不可避的に混入してくる元素であるが、オーステナイト相生成元素でもあるため、組織安定化に寄与する。しかし、本発明のようにAlやTi、Zrなどを添加する場合、Nはこれらの元素と結合して窒化物の析出し、また熱間変形抵抗が極めて増加し、熱間加工性を阻害する。また、上記窒化物の形成により、表面酸化スケールの繊密性向上に寄与する元素であるA1やTiが消費されてしまうため、耐酸化性を低下させてしまう。そこで、本発明では、Nの含有量は0.01mass%以下とした。好ましくは0.009mass%以下、より好ましくは0.008mass%以下である。
合金中のOは溶鋼中でAl、Ti、Si、La、Ce、Yと結合し、酸化物を形成することにより、それら元素の有用な効果、耐酸化性などを損なう原因となる。また、アルミナ系の酸化物系非金属介在物が多く形成し、連続鋳造機のタンディッシュから鋳型に溶鋼を注ぐ浸漬ノズル内に付着し、それらが脱落することにより表面疵の原因となる。これより、酸素濃度は0.0040mass%以下と低いほうが望ましい。この範囲を達成するには、Alを上述の通りに本願発明の濃度に制御して脱酸すれば良い。一方で合金中のOを低減しすぎると、(c)式に従い、Ca濃度が0.002mass%を超えて高くなってしまう。これより、下限は0.0002mass%とする。好ましくは0.0003~0.0035mass%、より好ましくは0.0005~0.0030mass%である。
Caは本発明合金において、上述の通りスラグ中CaOから混入する元素である。CaはCa-Al酸化物系介在物を多く形成し、合金中のAlを消費することにより耐酸化性を低下させるため低く抑える必要がある。そのためには、Al濃度は0.01~0.3mass%に制御して、酸素濃度を0.0002~0.0040mass%にする必要がある。これより、Caは0.002mass%以下にする必要がある。
REM(La、Ce、Y)は合金の熱間加工性や表面酸化スケールと母材表面の密着性を高め、耐酸化性を向上させる効果があり、微量でも顕著な効果が得られる。さらに、合金中に固溶しているSと化合物を形成することにより、表面酸化スケールの構成元素であるCrとSとの化合物の形成を抑制、局所的なCr量低減を防止できる効果が期待できる。また、REMは一般的に複数のREMを含有した合金であるミッシュメタルとして原料に使用されるが、REMのいずれか一種を含有したNi-Fe合金を使用する場合もある。しかし、過剰な添加は合金の熱間加工性および溶接性が低下し、REM系介在物が過剰に形成することによりかえって表面酸化スケールの密着性が低下する。さらに、連続鋳造時にイマースノズルの閉塞を引き起こし製造性が著しく悪化する。これより本発明では、REMの添加量は0.001~0.010mass%とした。好ましくは0.002~0.009mass%、より好ましくは0.003~0.008mass%である。
(1)式は、オーステナイト系Ni-Cr-Fe合金の耐酸化性において、合金表面に形成する表面酸化スケールに影響する元素について、その影響の程度を重向帰分析により式として表したものである。Si、Cr、Al、Ti、REM(La、Ce、Y)は5%O2-16%H2O-12%CO2-0.8%CO-0.1%NO2-bal.N2からなる混合ガス雰囲気中で室温と1000~1200℃程度の高温を繰り返すようなサイクル試験で評価される耐酸化性を向上させる。一方でSは酸化皮膜と母材の密着性を低下させることで酸化皮膜を脱落させ、酸化を促進させてしまう。MnはCr-Mn系酸化物形成による耐酸化性の低下を招いてしまう。Moは含有量が多い場合に高温環境下でかつ表面の酸素ポテンシャルが少ない場合において、Moが優先酸化を起こして酸化スケールの剥離が生じてしまう。またBは含有量が多い場合、合金の酸化スケールをボーラス状とするため、高温時における酸化速度が増大し、スケールの増大と剥離を促進させてしまう。Nは耐酸化性向上に寄与するAlとTiとAlN、TiNをそれぞれ形成し、Al、Tiの効果を減じてしまう。加えて、耐酸化性向上に寄与する合金元素の過剰な添加は表面酸化スケールの成長過多によりかえって密着性が低下し、表面疵発生の原因となる介在物が多量に生成されるため好ましくない。そのため、これら元素は(1)式に基づいて下限を30以上、上限を60以下とする。好ましくは31以上、59以下であり、より好ましくは32以上、58以下である。
合金の熱間加工性および耐酸化性を向上させる効果を十分に得るための指標として、希士類元素(REM)と化合物を形成するSとの含有量の関係が、4.5≦REM/Sを満足することにより、Sを介在物として固定するのに十分なREM含有量を有し、上記の効果を得ることができる。一方、4.5未満ではREMの効果が十分に得られないため望ましくない。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金板は上記(1)式、および(2)式を満足する成分組成を有するオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金を素地BMとしている。5%O2-16%H2O-12%CO2-0.8%CO-0.1%NO2-bal.N2からなる混合ガス雰囲気中で室温から1000~1200℃を繰り返すサイクル試験において本発明のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金母材の表面にCr酸化物を主体とした酸化スケールが形成する。このとき、同図において表面酸化スケールの厚みは上記試験後の断面ミクロ組織観察において、表面酸化スケールの最表層からスケール/合金界面までの領域LEを示す。
本発明のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金においては5%O2-16%H2O-12%CO2-0.8%CO-0.1%NO2-bal.N2からなる混合ガス雰囲気中で室温から1000~1200℃を繰り返すサイクル試験において合金母材の表面にCr酸化物を主体とした酸化スケールを形成し、上記高温環境中における耐酸化性を得る。このとき、表面酸化スケールの厚みが60μm未満の場合は十分な耐酸化性が得られず、一方で60μmを上回ると表面酸化スケールの剥離性が増加してしまい、表面酸化スケールと母材表面の密着性が損なわれる。これより、上記高温環境中において形成する保護性の表面酸化スケールは6~60μmの厚さが必要となる。好ましくは8~55μm、より好ましくは10~50μmである。
Ni-17%Cr-9%Feを基本組成とし、これのSi、Cr、Al、Ti、La、Ce、Y、B、Mn、Mo、S、Nの添加量を変化させた各種合金を真空溶解炉で溶製し、熱間鍛造の後、8mmt×80mmwの熱間鍛造板を作製した。得られた熱間鍛造板を1200℃×10分の条件で固溶化熱処理、表面研削後に冷間圧延にて2mmtとした後、1150℃×1分の条件で固溶化熱処理を行った。その後、20mm×30mmに切断し、表面を湿式研磨#320で仕上げて試験片とした。得られた試験片を5%O2-16%H2O-12%CO2-0.8%CO-0.1%NO2-bal.N2からなる混合ガス雰囲気中で1200℃×10分、1000℃×10分、1200℃×10分、室温×20分を1サイクルとした繰り返し酸化試験を行った。200サイクル後の試験片について、剥離したスケール重量を除いた質量変化を試験前の表面積で除した値で評価した。
本発明のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金は、鉄屑、ステンレス屑、フェロニッケル、フェロクロムなどの原料を電気炉で溶解し、AOD(Argon Oxygen Decarburization)炉またはVOD(Vacuum Oxygen Decarbutization)炉にて、酸素および希ガスの混合ガスを吹錬して脱炭精錬し、生石灰、Fe-Si合金、Al等を添加してスラグ中のCr酸化物を還元処理した後、蛍石を添加してCaO-SiO2-Al2O3-MgO-F系スラグを形成して脱酸および脱硫し、その後La、Ce、Yのいずれか一種を含有したNi基合金を添加した。CaO-SiO2-Al2O3-MgO-F系スラグを用いる理由は、上記の通り、脱酸、脱硫を効果的に実行できるためであり、さらにREM添加時にREMが酸化、硫化させずに効果的に添加できる点にある。この際、スラグ中CaO濃度は、40~80%の範囲が望ましい。つまり、40%未満では上記の脱硫反応が進行しない。80%以上ではCaが溶鋼中に0.002%を超えて混入させてしまう。また、Al2О3濃度は50%以下が望ましい。その理由は、スラグ中のアルミナ活量が低くないと脱酸が進行し難く、ひいては脱硫も困難となるからである。精錬後、連続鋳造機にてスラブを製造し、その後、上記鋼片を、熱間圧延し、あるいは、さらに冷間圧延して、薄鋼板、厚鋼板、形鋼、棒鋼、線材等の各種鋼材とするのが好ましい。連続鋳造機に限定されるものではなく、造塊-分塊圧延法で鋼片としても良い。
(2)Nの組成は、酸素・窒素同時分析装置(不活性ガス-インパルス加熱溶融法)を用いて分析した。
(3)C、S、N以外の組成、ならびにスラグ成分は蛍光X線分析を用いた検量線法により分析した。
高温環境下の耐酸化性を評価するため、上記試験片の表面を#320のエメリー紙で湿式研磨したものを用意し、高真空雰囲気熱処理炉を用いて5.0×10-3Paまで真空引きを行ったのち5%O2-16%H2O-12%CO2-0.8%CO-0.1%NO2-bal.N2からなる混合ガス雰囲気中で1200℃×10分、40℃/minの降温速度で温度調整した後1000℃×10分、40℃/minの昇温速度で温度調整した後1200℃×10分、その後室温×20分を1サイクルとした繰り返し酸化試験を行った。200サイクル後の試験片について、剥離したスケール重量を除いた質量変化を試験前の表面積で除した値(mg/cm2)を酸化減量として評価した。酸化減量が30mg/cm2未満のものを耐酸化性良好(○)、30mg/cm2以上のものを耐酸化性不良(×)と判定した。併せて、200サイクル後の試験片を切断し断面を観察できるようCuメッキ処理を施した後に埋没試料を作製、湿式研磨を行い、最終的にパフ研磨で仕上げ鏡面とし観察に供した。これをFE-SEMで断面ミクロ組織を観察して表面酸化スケールの厚みを測定し、付属のEDSで酸化物の同定を行った。
2:表面酸化スケール/母材界面
Claims (7)
- 質量%で、C:0.01~0.10%、Si:0.02~0.45%、Mn:0.10~0.85%、P:≦0.015%、S:≦0.0015%、Cr:13.0~18.0%、Fe:5.0~11.0%、Mo:≦0.6%、Cu:≦0.5%、B:≦0.005%、AI:0.01~0.3%、Ti:0.01~0.3%、Co:≦1.00%、Nb:≦1.00%、Ta:≦0.05%、N:≦0.01%、O:0.0002~0.0040%、Ca:≦0.002%、希土類元素(REM)であるLa、Ce、Yのいずれか一種または二種以上の総重量:0.001~0.010%を含有し、残部がNiおよび不可避的な不純物からなる成分組成からなり、下記の(1)式を満足して含有することを特徴とするオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金。
60≧7.4Si+2.8×Cr+6.9×Al+3.2×Ti+3374×REM- 5914×S-3.87×Mn-42.3×Mo-3072×B-1024×N≧30 …(1)
(ここで、上記式中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を示す。) - さらに、希土類元素(REM)であるLa、Ce、Yいずれかの一種または二種以上の総重量が下記の (2) 式を満足した成分組成である請求項1に記載のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金。
4.5≦REM(La、Ce、Y)/S …(2)
(ここで、上記式中の各元素記号は、各元素の含有量(質量%)を示す。) - 5%O2-16%H2O-12%CO2-0.8%CO-0.1%NO2-bal.N2からなる混合ガス雰囲気中で室温から1000~1200℃を繰り返すサイクル試験にて前記合金表面に形成される表面酸化スケールの組成が、質量%でCr:50%以上、Fe:0~10%、Ni:0~5%、O:10~40%、REM:0.05~0.5%、残部は不可避元素としてMn、Si、Al、Tiを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金。
- 前記表面酸化スケールは6~60μmの厚さを有することを特徴とする請求項3に記載のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金。
- 請求項1または2に記載のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金の製造方法であって、合金組成は、合金原料を溶解した後、精錬を行うことによって調整を行い、精錬では溶解させた合金原料(溶融合金)に酸素およびアルゴンの混合ガスを吹き込み脱炭し、窒素濃度を0.01%以下に制御した後、Cr還元し、その後、アルミニウム、石灰石および蛍石を溶融合金に添加して、CaO-SiO2-Al2O3-MgO-F系スラグを形成し、溶融合金中の酸素濃度を0.0002~0.0040mass%とし、その後にLa、Ce、Yのいずれか一種または二種以上含んだ原料を添加した後、鋳造を行いスラブを得て、これを熱間圧延工程に供することを特徴とするオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金の製造方法。
- 請求項3に記載のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金の製造方法であって、合金組成は、合金原料を溶解した後、精錬を行うことによって調整を行い、精錬では溶解させた合金原料(溶融合金)に酸素およびアルゴンの混合ガスを吹き込み脱炭し、窒素濃度を0.0 1%以下に制御した後、Cr還元し、その後、アルミニウム、石灰石および蛍石を溶融合金に添加して、CaO-SiO2-Al203-MgO-F系スラグを形成し、溶融合金中の酸素濃度を0.0002~0.0040mass%とし、その後にLa、Ce、Yのいずれか一種または二種以上含んだ原料を添加した後、鋳造を行いスラブを得て、これを熱間圧延工程に供することを特徴とするオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金の製造方法。
- 請求項4に記載のオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金の製造方法であって、合金組成は、合金原料を溶解した後、精錬を行うことによって調整を行い、精錬では溶解させた合金原料(溶融合金)に酸素およびアルゴンの混合ガスを吹き込み脱炭し、窒素濃度を0.0 1%以下に制御した後、Cr還元し、その後、アルミニウム、石灰石および蛍石を溶融合金に添加して、CaO-SiO2-Al203-MgO-F系スラグを形成し、溶融合金中の酸素濃度を0.0002~0.0040mass%とし、その後にLa、Ce、Yのいずれか一種または二種以上含んだ原料を添加した後、鋳造を行いスラブを得て、これを熱間圧延工程に供することを特徴とするオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金の製造方法。
Priority Applications (5)
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