以下、図面を参照しながら実施形態に係るX線診断装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合に行う。
図1は、本実施形態に係るX線診断装置1の構成を示す構成図である。X線診断装置1は、高電圧発生器11と、X線管13と、X線絞り装置15と、X線検出器17と、支持フレーム19と、天板21を有する不図示の寝台と、画像発生回路(画像発生部)23と、通信インタフェース回路25と、入力インタフェース回路(入力部)27と、制御回路(制御部)29と、記憶回路(記憶部)31と、表示回路(表示部)33とを有する。
なお、本実施形態に係るX線診断装置1の構成は、図12に示すように構成されてもよい。図12は、本実施形態に関する構成の変形例を示す図である。X線診断装置1は、高電圧発生器11と、X線管13と、X線絞り装置15と、X線検出器17と、支持フレーム19と、天板21を有する不図示の寝台と、通信インタフェース回路25と、入力インタフェース回路(入力部)27と、処理回路(処理部)30と、記憶回路(記憶部)31と、表示回路(表示部)33とを有する。図12における処理回路(processing circuitry)30は、図1における制御回路29に相当する回路である。すなわち、処理回路30における各種処理および動作は、制御回路29に関する各種処理および動作を含む。このため、以下の説明において、処理回路30に関する説明は、「制御回路29」を「処理回路30」に読み替えることで理解できる。また、処理回路30における画像発生機能(画像発生部)301は、図1における画像発生回路23において実行される各種処理および動作を実行する機能を有する。このため、画像発生機能301に関する説明は、「画像発生回路23」を「処理回路30における画像発生機能301」に読み替えることで理解できる。
高電圧発生器11は、X線管13に供給する管電流と、X線管13に印加する管電圧(高電圧)とを発生する。高電圧発生器11は、制御回路29による制御のもとで、後述するX線照射条件に従って、X線撮影およびX線透視にそれぞれ適した管電流をX線管13に供給する。高電圧発生器11は、制御回路29による制御のもとで、後述するX線照射条件に従って、X線撮影およびX線透視各々にそれぞれ適した管電圧をX線管13に印加する。
X線照射条件とは、例えば、X線照射ごとの管電流、管電圧、照射時間、管電流(mA)と照射時間(s)との積(以下、管電流時間積(mAs)と呼ぶ)などである。なお、高電圧発生器11による管電圧の印加は、時間的に連続してX線管13に管電圧を印加する方式でもよいし、高電圧のスイッチングによりパルス状の高電圧をX線管13に印加する方式(以下、高電圧パルス印加方式と呼ぶ)であってもよい。以下、高電圧発生器11は、高電圧パルス印加方式を用いて、X線透視を行うものとして説明する。
X線管13は、高電圧発生器11から供給された管電流と、高電圧発生器11により印加された管電圧とに基づいて、X線の焦点(以下、管球焦点と呼ぶ)から、X線を発生する。管球焦点から発生されたX線は、X線絞り装置15により不要な領域のX線が遮蔽された状態で、被検体Pに照射される。X線の照射範囲131は、点線で示されている。本実施形態におけるX線管13は、回転陽極型のX線管であるとして説明する。なお、本実施形態におけるX線管13は、固定陽極型X線管などの他の型のX線管でもよい。X線管13は、高電圧のスイッチングによるパルス状の高電圧の印加に伴って、所定の時間間隔で離散したパルスX線を発生する。X線管13のX線放射窓には、管球焦点以外で発生した焦点外X線を遮断する鉛コーン(lead cone)が取り付けられる。
図2は、本実施形態におけるX線絞り装置15の構成の一例を示す図である。図2に示すように、X線絞り装置15は、X線フィルタ151と、X線フィルタ151を駆動するX線フィルタ駆動装置153と、絞り羽根155と、絞り羽根155を駆動する絞り羽根駆動装置157とを有する。
X線絞り装置15は、X線管13のX線放射窓133に隣接して、X線管13の前面に設けられる。X線絞り装置15は、管球焦点135で発生したX線の照射範囲を限定する。なお、X線絞り装置15は、X線フィルタ151の他に各種フィルタ(線質調整フィルタ、付加フィルタ、線量低減フィルタなど)を有していてもよい。また、X線フィルタ151と絞り羽根155との相対的な位置関係は、図2に限定されず、例えば、管球焦点135側に、X線フィルタ151が配置され、天板側に絞り羽根155が配置されてもよい。
X線フィルタ151は、開口領域を有し、開口領域外を通過するX線の線量を低減する。なお、X線フィルタ151は、X線の照射範囲131において被検体Pの関心領域(Region of Interest:ROI)の大きさに応じて開口領域の大きさを変更可能なフィルタであってもよい。
なお、X線フィルタ151は、開口領域の替わりに、他の領域よりもX線の透過率が大きい部分領域を有していてもよい。図13は、開口領域を有する上述のX線フィルタとは異なる他のX線フィルタの断面の一例を示す図である。図13に示すように、X線フィルタ151は、他の領域151ORよりもX線の透過率が大きい部分領域151PRを有する。このとき、X線フィルタ151は、部分領域外、すなわち他の領域151ORを通過するX線の線量を、部分領域151PR比べて低減する。すなわち、本実施形態おけるX線絞り装置15は、他の領域よりもX線の透過率が大きい部分領域または開口領域を有するX線フィルタと前記X線を遮蔽する絞り羽根とを有する。
X線フィルタ駆動装置153は、制御回路29におけるX線フィルタ制御機能291による制御のもとで、X線フィルタ151を駆動する。具体的には、X線フィルタ駆動装置153は、X線フィルタ制御機能291により、図2に示すX軸、Y軸に沿ってX線フィルタ151を並進移動する。また、X線フィルタ駆動装置153は、入力インタフェース回路27を介した関心領域の拡大指示または縮小指示に従って、X線フィルタ制御機能291により、図2に示すZ軸に沿ってX線フィルタ151を並進移動する。なお、X線フィルタ駆動装置153は、関心領域の拡大または縮小指示に従って、X線フィルタ制御機能291により、X線フィルタ151における開口領域の大きさを変更してもよい。
絞り羽根155は、例えば複数の羽根により構成され、X線を遮蔽する。絞り羽根155は、管球焦点135で発生されたX線を撮影対象領域以外に不要な被爆をさせないために、被検体Pの体表面にX線を照射する照射面積に応じて、X線の照射範囲131を限定する。絞り羽根155は、例えば、X軸方向に移動可能な複数の第1絞り羽根と、Y軸方向に移動可能な複数の第2絞り羽根とを有する。第1、第2絞り羽根各々は、例えば、X線を遮蔽する鉛により構成される。第1、第2絞り羽根各々は、絞り羽根駆動装置157により同期して移動される。なお、絞り羽根155は、方形の絞り羽根に限定されず、多角形の絞り羽根であってもよいし、円形の絞り羽根であってもよい。
絞り羽根駆動装置157は、制御回路29における絞り制御機能293により、絞り羽根155を駆動する。絞り羽根155の駆動により、X線の照射範囲131が変更される。例えば、絞り羽根駆動装置157は、X線の照射範囲131を関心領域に絞るために、絞り羽根155を駆動する。また、絞り羽根駆動装置157は、X線の照射範囲131をX線フィルタ151の開口領域または部分領域151PRに合わせるために、絞り羽根155を駆動する。
X線検出器17は、X線管13に対向し、X線管13から発生されたX線を検出する。X線検出器17は、例えば、フラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:以下、FPDと呼ぶ)により構成される。FPDは、複数の半導体検出素子を有する。なお、X線検出器17として、イメージインテンシファイア(Imageintensifier)が用いられてもよい。X線の入射に伴って複数の半導体検出素子で発生された電気信号は、図示していないアナログディジタル変換器(Analog to
Digital converter:以下、A/D変換器と呼ぶ)に出力される。A/D変換器は、電気信号をディジタルデータに変換する。A/D変換器は、ディジタルデータを、画像発生回路23または処理回路30に出力する。
支持フレーム19は、X線管13とX線検出器17とを移動可能に支持する。具体的には、支持フレーム19は、Cアームである。Cアームは、X線管13とX線検出器17とを、互いに向き合うように搭載する。図示していない支柱は、CアームのC形状に沿う方向(以下、第1方向と呼ぶ)に、ガイドレールおよび直動軸受等を介して、Cアームをスライド可能に支持する。支柱は、検査室の床面に設けられる。支柱は、ベアリング等を介して、第1方向に直交する方向(以下、第2方向と呼ぶ)に回転可能にCアームを支持する。なお、支柱は、ベアリング等を介して、天板21の短軸方向(のX軸)と長軸方向(Y軸)とに平行移動可能に、Cアームを支持することも可能である。また、Cアームは、X線管13における管球焦点135とX線検出器17の中心との距離(線源受像面間距離(Source Image Distance:以下、SIDと呼ぶ))を変更可能に、例えばガイドレールおよび直動軸受等を介して、X線管13とX線検出器17とを支持する。
なお、支持フレーム19として、Cアームの代わりに、Ωアームが用いられてもよいし、例えばX線管13およびX線検出器17をそれぞれ独立に支持する2つのアーム(例えばロボットアームなど)が用いられてもよい。また、支持フレーム19は、CアームとΩアームとによるバイプレーン構造を有していてもよい。
図示していない寝台は、被検体Pが載置される天板21(臥位テーブルとも言う)を移動可能に支持する。天板21には、被検体Pが載置される。
図示していない駆動装置は、例えば、支持フレーム19と寝台とを駆動する。駆動装置は、例えば、モータと、モータで発生した力を駆動対象の各種ユニットに伝達する伝達機構(例えば、チェーンドライブ、ベルトドライブ、ボールねじなど)とを有する。駆動装置は、制御回路29からの制御信号に応じた駆動信号に従って、支持フレーム19を第1方向にスライド、第2方向に回転させる。X線透視時およびX線撮影時においては、X線管13とX線検出器17との間に、天板21に載置された被検体Pが配置される。駆動装置は、制御回路29の制御のもとで、SIDを回転軸としてX線検出器17を回転させてもよい。
駆動装置は、制御回路29の制御のもとで、天板21を駆動することにより、天板21を移動させる。具体的には、駆動装置は、制御回路29からの制御信号に基づいて、天板21の短軸方向(X軸方向)、および天板21の長軸方向(Y軸方向)に、ベアリング、ガイドレール、直動軸受等を介して天板21をスライドさせる。また、駆動装置は、鉛直方向(Z軸方向)に関して、ベアリング、ガイドレール、直動軸受等を介して天板21を昇降する。加えて、駆動装置は、長軸方向と短軸方向とのうち少なくとも一つの方向を回転軸として天板21を傾けるために、ベアリング、ガイドレール、直動軸受等を介して、天板21を回転してもよい。
画像発生回路23(処理回路30における画像発生機能301)は、X線検出器17からの出力に基づいて各種画像を発生する。画像発生回路23は、発生した各種X線画像を、例えば、制御回路29、記憶回路31、および表示回路33等の各回路に出力する。画像発生回路23は、処理回路(Processing circuitry)で実現され、例えば、記憶回路31から各種プログラムを読み出し、実行することで、読み出したプログラムに対応する各種画像処理を実現するプロセッサである。なお、上記説明においては、単一の処理回路において画像発生に関する各種機能が実行されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各種機能を実現するものとしても構わない。
通信インタフェース回路25は、例えば、ネットワーク、図示していない外部記憶装置に関するインタフェース機能を有する回路である。本X線診断装置1によって得られた各種画像のデータは、通信インタフェース回路25およびネットワークを介して他の装置に転送可能である。
入力インタフェース回路27は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本X線診断装置1に取り込む。入力インタフェース回路27は、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インタフェース回路27は、操作者から受け取った入力操作を電気信号に変換する。なお、本明細書において入力インタフェース回路27は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限らない。例えば、本X線診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を各種回路へ出力するような電気信号の処理回路も入力インタフェース回路27の例に含まれる。
具体的には、入力インタフェース回路27は、操作者が所望するX線撮影の撮影条件およびX線透視の透視条件などのX線照射条件、透視・撮影位置、照射範囲、X線画像における関心領域の位置および大きさなどを、操作者の指示により入力する。例えば、関心領域の位置は、X線の照射範囲131の中央部分に限定されず、照射範囲における非中心の位置などの任意の位置に設定可能である。
制御回路(Controlling circuitry)29は、図示していないCPU(Central Processing Unit)とメモリを備える。制御回路29は、本X線診断装置1における各種回路、駆動装置等を制御するための各種プログラムを記憶回路31から読み出して、読み出したプログラムを実行することで、各種機能を実現する。制御回路29は、入力インタフェース回路27から送られてくる操作者の指示、撮影条件・透視条件などのX線照射条件などの情報を、図示していなメモリに一時的に記憶する。制御回路29は、メモリに記憶された操作者の指示、透視・撮影位置、X線照射条件などに従って、X線撮影・X線透視(パルスX線撮影)を実行するために、高電圧発生器11、X線絞り装置15、駆動装置などを制御する。
制御回路29は、X線フィルタ制御機能291に関するフィルタ制御プログラムを記憶回路31から読み出して、読み出したフィルタ制御プログラムを実行することで、X線フィルタ制御機能291を実現する。X線フィルタ制御機能291とは、関心領域の移動および関心領域の大きさの変更などに伴ってX線フィルタ駆動装置153を制御することにより、X線フィルタ151を移動させる機能である。
制御回路29は、絞り制御機能293に関する絞り制御プログラムを記憶回路31から読み出して、読み出した絞り制御プログラムを実行することで、絞り制御機能293を実現する。絞り制御機能293とは、X線フィルタ151の開口領域または部分領域151PRにX線の照射範囲131を合わせるため、またはX線の最大照射範囲まで絞り羽根155を開放するために絞り羽根駆動装置157を制御することにより、絞り羽根155を移動させる機能である。
制御回路29は、自動輝度調整(Automatic Brightness Control:ABC)に関するプログラム(以下、ABCプログラムと呼ぶ)を記憶回路31から読み出して、読み出したABCプログラムを実行することで、自動輝度調整機能295を実現する。自動輝度調整とは、X線画像における適切な輝度(以下、輝度レベルと呼ぶ)を得るための技術である。自動輝度調整は、例えば、あるフレームのX線画像における関心領域内の画素値の平均値もしくは重み付け平均値を次のフレームの目標範囲内に近づけるように次のフレームのX線照射条件を変化させて、輝度レベルを目標範囲内で一定に保つための動的な制御である。なお、自動輝度調整の対象領域は、関心領域に限定されず、X線画像の全域に対して実行されてもよい。自動輝度調整は、例えば、動きのある透視対象部位、X線の照射範囲131において透過線量が大きく変わる部位を有する場合などにおいて実施される。また、自動輝度調整は、サブトラクション処理を行う場合などでは、実行されないこともある。このとき、X線照射条件は固定されたままとなる。
制御回路29は、判定機能297に関する判定プログラムを記憶回路31から読み出して、読み出した判定プログラムを実行することで、判定機能297を実現する。判定機能297とは、X線の最大照射範囲まで絞り羽根155を開放しX線フィルタ151を用いて透視を行う第1透視(以下、ROI透視と呼ぶ)から、X線の照射範囲131を絞り羽根155によりX線フィルタ151の開口領域または部分領域151PRに限定して透視を行う第2透視(以下、SPOT透視と呼ぶ)への移行の判定、およびSPOT透視からROI透視への移行の判定を実行する機能である。本実施形態における上記機能については後程詳述する。
なお、上記説明においては、制御回路29において各種機能が単一の回路で実行されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて制御回路29を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各種機能を実現するものとしても構わない。
また、本実施形態の各種回路(各部)におけるプロセッサは、プロセッサごとにそれぞれ単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その各種機能を実現するようにしてもよい。すなわち、制御回路29において実行される各種機能は、それぞれ異なる処理回路により実行されてもよい。更に、例えば、制御回路29と画像発生回路23とを1つのプロセッサ(図12に示す処理回路30)へ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(graphics processing unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Comlex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
プロセッサは、後述する記憶回路31に保存されたプログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。なお、記憶回路31にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは、回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。
なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その各種機能を実現するようにしてもよい。更に、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
記憶回路31は、各種メモリ、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどにより構成される。記憶回路31は、画像発生回路23により発生された種々のX線画像、本X線診断装置1のシステム制御プログラム、画像発生回路23において実行される各種画像発生プログラム、制御回路29において実行されるフィルタ制御プログラム、絞り制御プログラム、ABCプログラム、および判定プログラムを記憶する。また、記憶回路31は、診断プロトコル、入力インタフェース回路27から送られてくる操作者の指示、X線撮影に関する撮影条件および透視条件などの各種データ群、通信インタフェース回路25とネットワークとを介して送られてくる種々のデータなどを記憶する。
表示回路33は、例えばディスプレイ、モニタ等の表示デバイスに対応する。ディスプレイは、X線画像や透視画像を表示する。ディスプレイは、ROI透視およびSPOT透視における撮影のフレームレートにしたがって、複数の透視画像を動画表示する。ディスプレイは、透視・撮影位置、X線照射条件などの入力に関する入力画面を表示する。
以上が本実施形態におけるX線診断装置1の全体構成についての説明である。続いて、本実施形態の詳細について説明する。本実施形態におけるX線診断装置1における制御回路29は、ROI透視からSPOT透視への移行時において、X線フィルタ151の開口領域外または部分領域151PR外を通過するX線を遮蔽するようにX線絞り装置15を制御する。なお、X線管13とX線フィルタ151と絞り羽根155との位置関係によっては、制御回路29は、ROI透視からSPOT透視への移行時において、X線フィルタ151の開口領域外または部分領域151PR外を通過しようとするX線、または通過したX線を遮蔽するようにX線絞り装置15を制御してもよい。例えば、X線管13の前面にX線フィルタ151が配置され、かつX線フィルタ151の前面に絞り羽根155が配置される場合、制御回路29は、ROI透視からSPOT透視への移行時において、X線フィルタ151の開口領域外または部分領域151PR外を通過したX線を遮蔽するようにX線絞り装置15を制御する。また、X線管13の前面に絞り羽根155が配置され、かつ絞り羽根155の前面にX線フィルタ151が配置される場合、制御回路29は、ROI透視からSPOT透視への移行時において、X線フィルタ151の開口領域外または部分領域151PR外を通過しようとするX線を遮蔽するようにX線絞り装置15を制御する。
図3および図14は、ROI透視の実行中におけるX線の照射範囲131をX線放射窓133側から見た図である。図3および図14において、絞り羽根155は、ROI透視の実行中においてX線の最大照射範囲まで開放されているため、図示されていない。図3におけるX線フィルタ151の開口領域152および図14における部分領域151PRは、X線の照射範囲131の中心部分に配置されているが、これに限定されない。すなわち、X線フィルタ151の開口領域152および部分領域151PRは、関心領域の位置に応じて、制御回路29におけるX線フィルタ制御機能291の制御のもとで、X線フィルタ駆動装置153により移動されてもよい。
図4は、SPOT透視の実行中におけるX線の照射範囲131をX線放射窓133側から見た図である。図4において、絞り羽根155の開口領域154は、SPOT透視の実行中において、X線フィルタ151の開口領域152および部分領域151PRと一致する。すなわち、ROI透視からSPOT透視への移行時において、絞り羽根155は、絞り制御機能293による制御された絞り羽根駆動装置157により、X線フィルタ151の開口領域152および部分領域151PRと絞り羽根155の開口領域154とが合うようにX線の照射範囲131を絞り込むよう駆動される(図4の矢印156)。
画像発生回路23は、ROI透視の実行中におけるX線検出器17からの出力に基づいて、第1透視画像(以下、ROI透視画像と呼ぶ)を発生する。画像発生回路23は、SPOT透視の実行中におけるX線検出器17からの出力に基づいて、第2透視画像(以下、SPOT透視画像と呼ぶ)を発生する。画像発生回路23は、SPOT透視の実行中において、ROI透視画像における、開口領域外または部分領域151PR外を通過したX線の照射領域に対応する非関心領域画像(以下、非ROI画像と呼ぶ)とSPOT透視画像における、前記開口領域または部分領域151PRを通過したX線の照射領域に対応する関心領域画像(以下、ROI画像と呼ぶ)とを合成した合成画像を発生する。
図5は、合成画像231の一例を示す図である。図5における領域233は、SPOT透視画像における関心領域に対応する。図5における領域235は、非ROI画像に対応する。図5に示すように、SPOT透視の実行中において、SPOT透視により得られたROI画像と、ROI透視により得られた非ROI画像とを合成した合成画像231がディスプレイに表示される。
図6は、本実施形態における透視機能の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、本フローチャートにおける説明において、図3に示すように、開口領域152を有するX線フィルタ151が用いられるものとして説明する。なお、部分領域を有するX線フィルタ151が用いられる場合、以下の説明において、「X線フィルタ151の開口領域152」を「X線フィルタ151の部分領域151PR」に読み替えることで理解される。
(ステップSa1)
入力インタフェース回路27を介した操作者の指示により、関心領域が設定される。制御回路29は、X線フィルタ制御機能291により、ROI透視の実行に先立って、設定された関心領域にX線フィルタ151の開口領域152を合わせるために、X線フィルタ駆動装置153を制御する。X線フィルタ駆動装置153は、X線フィルタ制御機能291により、X線フィルタ151を移動させる。これにより、X線フィルタ151の開口領域152は関心領域に一致する。次いで、制御回路29は、所定の透視条件に従ってROI透視を実行する。画像発生回路23は、X線検出器17からの出力に基づいてROI透視画像を発生する。処理回路30は、表示制御機能303により、ROI透視の実行中においてROI透視画像をディスプレイに表示させる。表示回路33は、ROI透視画像を表示する。表示制御機能303は、表示制御部の一例である。
ROI透視が繰り返される場合、ROI透視画像は、パルスX線の発生に応じて更新されることにより、動画表示される。なお、ROI透視が1回のパルスX線により実行されてもよい。このとき、1枚のROI透視画像が表示される。また、ROI透視において、自動輝度調整機能295が実行されてもよい。このとき、制御回路29は、自動輝度調整機能295により、ROI透視画像の全域または関心領域などの一部領域において輝度レベルが目標範囲内で所定の時間に亘って一定となるまで、すなわち自動輝度調整によりROI透視画像における輝度値が落ち着くまで、透視条件を変化させてROI透視を繰り返し実行する。なお、当該所定の時間は、装置の設置までの段階で設定される場合だけでなく、ユーザが使用中に設定・変更したり、ユーザによる操作の履歴に基づいて自動的に設定・変更されたりしてもよい。すなわち、当該所定の時間は、本実施形態における透視機能の実行前までに設定されていればよい。
(ステップSa2)
画像発生回路23は、ROI透視画像に基づいて、非ROI画像を発生する。具体的には、画像発生回路23は、ROI透視画像における、開口領域外を通過したX線の照射領域(非関心領域)に対応する複数の画素値のコントラストを、X線フィルタ151を用いたX線の線量の低減に応じて補償すること(以下、線量補償処理と呼ぶ)により、非ROI画像を発生する。線量補償処理は、例えば、X線フィルタ151を用いない透視とX線フィルタ151を用いた透視とにおける画素値の差を、X線フィルタ151を用いた透視における画素値に補填する処理である。
なお、ROI透視により複数枚のROI透視画像が発生された場合、画像発生回路23は、複数枚のROI透視画像の画素値を同一位置の画素についてリカーシブフィルタなどの時間的なフィルタを用いて加算後、平均化し、平均化された画素値に対して線量補償処理を実行することにより、非ROI画像を発生してもよい。また、透視対象部位が、例えば心臓などの所定の周期(心拍)で動作する臓器である場合、所定の周期に亘ってROI透視を実行することにより、時系列に沿った一連のROI透視画像が発生される。このとき、非ROI画像は、所定の周期における時相(例えば心電波形における心位相)と関連づけられて、記憶回路31等に一時的に記憶される。
なお、ROI透視に対して自動輝度調整が実行された場合、画像発生回路23は、例えば、最後に変更された透視条件により実行されたROI透視に対応するROI透視画像に基づいて、線量補償処理を実行することにより、非ROI画像を発生する。非ROI画像は、記憶回路31等に一時的に記憶される。
(ステップSa3)
制御回路29は、判定機能297による判定結果に基づいて、ROI透視からSPOT透視に移行し、SPOT透視を実行する。具体的には、制御回路29は、所定のタイミングを契機として、ROI透視からSPOT透視への移行期間において、開口領域外(非関心領域)のX線を遮蔽する絞り制御機能293により、X線絞り装置15を制御する。ROI透視からSPOT透視への移行期間におけるX線絞り装置15の制御の説明は、図4のフィルタを用いた上記説明と重複するため、省略する。所定のタイミングとは、例えば、ROI透視において、1枚のROI透視画像を発生した場合、複数枚のROI透視画像を発生した場合、または自動輝度調整が完了した場合などである。すなわち、制御回路29は、ROI透視の実行中において、1枚のROI透視画像の発生、複数枚のROI透視画像の発生、または自動輝度調整の完了を契機として、X線絞り装置15を制御する。
X線フィルタ151の開口領域152と絞り羽根155の開口領域154とが合うようにX線の照射範囲が絞り込まれたとき、制御回路29は、SPOT透視を実行する。なお、制御回路29は、ROI透視からSPOT透視への移行時における絞り羽根155の動作期間において、X線管13への高電圧の印加を停止させるように、高電圧発生器11を制御してもよい。このとき、制御回路29は、直前のROI透視(第1透視)において取得したROI透視画像(第1透視画像)を継続して表示させるように表示回路33を制御してもよい。画像発生回路23は、X線検出器17からの出力に基づいてSPOT透視画像を発生する。
(ステップSa4)
画像発生回路23は、SPOT透視画像からROI画像を抽出する。画像発生回路23は、非ROI画像とROI画像とを位置整合して合成することにより、合成画像231を発生する。透視対象部位が例えば心臓などの所定の周期(心拍)で動作する臓器である場合、画像発生回路23は、ROI画像に、心電波形に基づく心位相などの時相の情報を付帯させる。このとき、画像発生回路23は、略同一な心位相のROI画像と非ROI画像とを位置整合して合成することにより、時系列に沿った合成画像231を発生する。処理回路30は、表示制御機能303により、SPOT透視の実行中において合成画像をディスプレイに表示させる。表示回路33は、SPOT透視中において、合成画像231を表示する。
(ステップSa5)
SPOT透視の終了指示が、入力インタフェース回路27を介して入力された場合(ステップSa5のYes)、本実施形態に係る透視機能の処理は終了する。SPOT透視の終了指示が、入力インタフェース回路27を介して入力されない場合(ステップSa5のNo)、ステップSa6の処理に移る。
(ステップSa6)
制御回路29は、判定機能297により、SPOT透視からROI透視への切り替えの有無を判定する。具体的には、制御回路29は、SPOT透視の実行中において、天板21の移動と、支持フレーム19の移動と、SPOT画像における関心領域の位置の移動と、関心領域の大きさの変更と、関心領域の拡大または縮小とのうち少なくとも一つの実行に応じて(ステップSa6のYes)、SPOT透視からROI透視へ移行するように、絞り制御機能293によりX線絞り装置15を制御する。なお、制御回路29は、SPOT透視の実行中において、入力インタフェース回路27を介した操作者の指示によりROI透視の実行指示を受け付けると、SPOT透視からROI透視へ移行するために、X線絞り装置15を制御してもよい。
なお、SPOT透視からROI透視への切り替えの有無の判定において、天板21の移動量と、支持フレーム19の移動量と、SPOT画像における関心領域の位置の移動量と、関心領域の大きさの変更量と、関心領域の拡大量または縮小量とにそれぞれ対応する複数の所定の閾値が用いられてもよい。例えば、SPOT透視の実行中において制御回路29または処理回路30は、判定機能297により、上記量を、それぞれ対応する所定の閾値と比較する。上記量のうち少なくとも一つが、対応する閾値を超えた場合、制御回路29または処理回路30は、SPOT透視からROI透視へ移行するように、絞り制御機能293によりX線絞り装置15を制御する。すなわち、上記量が、SPOT透視の実行中において対応する閾値を超えない場合、SPOT透視からROI透視への切り替えを抑制することができる。換言すれば、SPOT透視からROI透視への切り替えに関するロバスト性を向上させることができる。なお、当該所定の閾値は、装置の設置までの段階で設定される場合だけでなく、ユーザが使用中に設定・変更したり、ユーザによる操作の履歴に基づいて自動的に設定・変更されたりしてもよい。すなわち、当該所定の閾値は、天板21の移動と、支持フレーム19の移動と、SPOT画像における関心領域の位置の移動と、関心領域の大きさの変更と、関心領域の拡大または縮小とのうち少なくとも一つが実施されたか否かの判定(ステップSa6)の際までに設定されていればよい。
関心領域の拡大は、X線管13とX線検出器17とのうち少なくとも一方を被検体Pに近づけること、すなわちSIDを短くすることにより相対的に関心領域に含まれる被検体Pの部位の大きさを拡大することに対応する。なお、関心領域の拡大は、合成画像231における関心領域の拡大であってもよい。関心領域の縮小は、X線管13とX線検出器17との少なくとも一方を被検体Pから遠ざけること、すなわちSIDを長くすることにより相対的に関心領域に含まれる被検体Pの部位の大きさを小さくすることに対応する。なお、関心領域の縮小は、合成画像231における関心領域の縮小であってもよい。
具体的には、制御回路29は、ROI透視の実行に先立って入力された関心領域の位置にX線フィルタ151の開口領域152を合わせるために、X線フィルタ制御機能291により、X線フィルタ駆動装置153を制御する。X線フィルタ駆動装置153は、例えば、図4に示すように、制御回路29の制御のもとでX線フィルタ151を移動させる。これにより、X線フィルタ151の開口領域152は、関心領域に一致する。なお、制御回路29は、SPOT透視からROI透視への移行時における絞り羽根155の動作期間において、X線管13への高電圧の印加を停止させるように、高電圧発生器11を制御してもよい。このとき、制御回路29は、直前のSPOT透視(第2透視)において取得したSPOT透視画像(第2透視画像)を継続して表示させるように表示回路33を制御してもよい。
図7は、SPOT透視からROI透視への移行後におけるX線の照射範囲をX線放射窓133側から見た図である。図7において、絞り羽根155は、ROI透視において、X線の最大照射範囲まで開放されている。すなわち、SPOT透視からROI透視への移行時において、絞り羽根155は、絞り羽根駆動装置157により、X線の最大照射範囲まで開放される(図7の矢印158)。これにより、非関心領域に対してもX線が照射されることによりROI透視画像が発生される。ROI透視画像に基づいて非ROI画像が発生される。
図8は、SPOT画像における関心領域の位置の移動に伴うX線フィルタ151の移動と、SPOT透視からROI透視へ移行するための絞り羽根155の移動との一例を示す図である。図8における点線の四角1521は、関心領域の位置の移動前におけるX線フィルタ151の開口領域152を示している。関心領域の位置の移動に伴って、X線フィルタ151が、X線フィルタ制御機能291による制御のもとでX線フィルタ駆動装置153により移動される(図8の矢印1523)。X線フィルタ151の移動とともに、絞り羽根155は、絞り制御機能293による制御のもとで絞り羽根駆動装置157により、X線の最大照射範囲まで開放される(図8の矢印159)。
図9は、関心領域の位置の移動後におけるROI透視からSPOT透視への移行後におけるSPOT透視の実行中のX線の照射範囲131をX線放射窓133側から見た図である。図9において、絞り羽根155の開口領域154は、SPOT透視の実行中において、X線フィルタ151の開口領域152と一致する。すなわち、ROI透視からSPOT透視への移行時において、絞り羽根155は、絞り制御機能293による制御された絞り羽根駆動装置157により、X線フィルタ151の開口領域152と絞り羽根155の開口領域154とが合うようにX線の照射範囲131を絞り込む(図9の矢印160)。
制御回路29は、SPOT透視の実行中において、天板21の移動と、支持フレーム19の移動と、SPOT画像における関心領域の位置の移動と、関心領域の大きさの変更と、関心領域の拡大または縮小とがすべて実行されない場合、SPOT透視を続行する(ステップSa6のNo)。
(ステップSa7)
制御回路29は、ROI透視を実行する。画像発生回路23は、X線検出器17からの出力に基づいてROI透視画像を発生する。表示回路33は、ROI透視画像を表示する。本ステップにおける処理は、ステップSa1とほぼ同様なため、詳細な説明は省略する。
(ステップSa8)
画像発生回路23は、ROI透視画像に基づいて、非ROI画像を発生する。本ステップにおける処理は、ステップSa2とほぼ同様なため、詳細な説明は省略する。非ROI画像は、更新され、記憶回路31等に一時的に記憶される。
(ステップSa9)
制御回路29は、判定機能297により、ROI透視からSPOT透視への切り替えの有無を判定する。具体的には、制御回路29は、SPOT透視の実行中において、天板21の移動と、支持フレーム19の移動と、SPOT画像における関心領域の位置の移動と、関心領域の大きさの変更と、関心領域の拡大または縮小とのうち少なくとも一つがさらに実行されたとき、ROI透視を続行する(ステップSa9のNo)。制御回路29は、所定のタイミングを契機として、ROI透視からSPOT透視に移行し(ステップSa9のYes)、SPOT透視を実行する。上記内容は、ステップSa3に記載されているため、詳細な説明は省略する。
また、SPOT透視からROI透視への移行後におけるROI透視の実行中において、天板21の移動と、支持フレーム19の移動と、関心領域の位置の移動と、関心領域の大きさの変更と、関心領域の拡大または縮小とが実行されなければ、制御回路29は、再度実行されたROI透視からSPOT透視へ移行するように、絞り制御機能293によりX線絞り装置15を制御する(ステップSa9のYES)。なお、再度実行されたROI透視からSPOT透視へ移行するためのX線絞り装置15の制御は、ステップSa3で記載したように、所定のタイミングも加味して実行されてもよい。
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態におけるX線診断装置1によれば、ROI透視からSPOT透視への移行時において、X線フィルタ151の開口領域外または部分領域外を通過するX線を遮蔽するようX線絞り装置15を制御し、SPOT透視の実行中において、ROI透視画像における、開口領域外または部分領域外を通過したX線の照射領域に対応する非ROI画像と、SPOT透視画像における、開口領域または部分領域を通過したX線の照射領域に対応するROI画像とを合成した合成画像231を発生し、ROI透視の実行中においてROI透視画像を表示し、SPOT透視の実行中において合成画像231を表示することができる。これにより、ROI透視とSPOT透視とを併用することで、SPOT透視に近い線量低減を実現しつつ、SPOT透視に置いて関心領域の周辺部(非関心領域)の画像も表示することができる。
また、本実施形態によれば、線量補償処理により、ROI透視画像における、開口領域外または部分領域外を通過したX線の照射領域に対応する複数の画素値のコントラストをX線フィルタ151を用いたX線の線量(透過率)の低減に応じて補償することにより、非ROI画像を発生することができる。これにより、合成画像231における関心領域のコントラストに、合成画像231における非関心領域のコントラストを近づけることができるため、関心領域と非関心領域との境界の視認性を低減させた合成画像231を表示することができる。
また、本実施形態によれば、ROI透視の実行中における1枚のROI透視画像の発生を契機として、ROI透視からSPOT透視への移行するようにX線絞り装置15を制御することができる。これにより、ROI透視の実行時間を短くすることができ、被検体Pにおける非関心領域に対する被曝線量を低減することができる。
また、本実施形態によれば、ROI透視の実行中における複数枚のROI透視画像の発生を契機として、ROI透視からSPOT透視への移行するようにX線絞り装置15を制御し、複数枚のROI透視画像の画素値を同一位置の画素において平均化することにより非ROI画像を発生することができる。これにより、非ROI画像におけるノイズを低減させることができ、高画質な合成画像231を表示することができる。
また、本実施形態によれば、ROI透視の実行中においてROI透視画像の輝度レベルが目標範囲内で所定の時間に亘って一定となったことを契機として、ROI透視からSPOT透視への移行するようにX線絞り装置15を制御するとともに直前のROI透視において取得したROI透視画像を継続して表示させることができる。これにより、ROI透視画像および合成画像231の表示に最適な透視条件でROI透視およびSPOT透視を実行することができ、最適な輝度レベルでROI透視画像および合成画像231を表示することができる。
また、本実施形態によれば、ROI透視からSPOT透視への移行時とSPOT透視からROI透視への移行時とのうち少なくとも一方における絞り羽根155の動作期間において、X線管13への高電圧の印加を停止させることができる。これにより、絞り羽根155の移動期間において、被検体Pへの被曝を低減させることができる。
また、本実施形態によれば、SPOT透視の実行中において、天板21の移動と、支持フレーム19の移動と、関心領域の位置の移動と、関心領域の大きさの変更と、関心領域の拡大または縮小とのうち少なくとも一つの実行に応じて、SPOT透視からROI透視へ移行するようにX線絞り装置15を制御することができる。すなわち、SPOT透視における関心領域に間接的または直接的に関連する各種動作が発生すれば、合成画像231に適した非ROI画像を得るためにROI透視を実行することができる。これにより、SPOT透視の実行中に表示される合成画像231に適した非ROI画像を取得することができ、合成画像231におけるROI画像と非ROI画像との間におけるズレを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、SPOT透視からROI透視への移行後におけるROI透視の実行中において、天板21の移動と、支持フレーム19の移動と、関心領域の位置の移動と、関心領域の大きさの変更と、関心領域の拡大または縮小とが実行されなければ、再度実行されたROI透視からSPOT透視へ移行するようにX線絞り装置15を制御することができる。すなわち、関心領域に間接的または直接的に関連する各種動作が無ければ、基本的にSPOT透視を行うことができる。これにより、ROI透視の実行時間を短くすることができ、被検体Pにおける非関心領域に対する被曝線量を低減することができる。
(第1の変形例)
本実施形態との相違は、SPOT透視の実行時間が所定の期間に到達したとき、SPOT透視からROI透視へ移行するためにX線絞り装置15を制御することにある。なお、本変形例における処理は、上記実施形態における処理に組み合わせることも可能である。
記憶回路31は、所定の期間を記憶する。所定の期間は、透視対象部位や被検体Pの年齢等に応じて任意に設定可能であり、例えば、数分である。なお、当該所定の期間は、装置の設置までの段階で設定される場合だけでなく、ユーザが使用中に設定・変更したり、ユーザによる操作の履歴に基づいて自動的に設定・変更されたりしてもよい。すなわち、当該所定の期間は、SPOT透視をROI透視に切り替えるか否かの判定(ステップSa6)の際までに設定されていればよい。
制御回路29は、例えば、ステップSa6の処理において、判定機能297により、SPOT透視の実行時間が所定の期間に到達したか否かを判定する。制御回路29は、SPOT透視の実行時間が所定の期間に到達した場合、SPOT透視からROI透視へ移行するためにX線絞り装置15を制御する。
以上のような制御により、本変形例によれば、SPOT透視における関心領域に間接的または直接的に関連する各種動作が発生しなくても、所定の期間ごとにROI透視を実行することができるため、合成画像231の非関心領域を所定の期間ごとに更新することができる。すなわち、本変形例によれば、被検体Pが動いたとしても所定の期間ごとに最新の非ROI画像を得ることができるため、合成画像231においてROI画像と非ROI画像との間のズレを抑制することができる。
(第2の変形例)
本実施形態との相違は、SPOT透視画像または合成画像231における関心領域の辺縁部分に含まれる少なくとも一つの画素の画素値が所定の範囲から外れたとき、SPOT透視からROI透視へ移行するために、X線絞り装置15を制御することにある。なお、本変形例における処理は、上記実施形態および上記第1の変形例における処理に組み合わせることも可能である。
記憶回路31は、所定の範囲を記憶する。所定の範囲とは、合成画像231の関心領域の辺縁部分において、上下限の画素値により規定される画素値の範囲である。上下限の画素値は、例えば、自動輝度調整等により透視条件が変更された場合に画素値に影響が出る程度の値である。なお、本変形例における所定の範囲は、装置の設置までの段階で設定される場合だけでなく、ユーザが使用中に設定・変更したり、ユーザによる操作の履歴に基づいて自動的に設定・変更されたりしてもよい。すなわち、当該所定の範囲は、SPOT透視をROI透視に切り替えるか否かの判定(ステップSa6)の際までに設定されていればよい。
制御回路29は、例えば、ステップSa6の処理において、判定機能297により、SPOT透視画像または合成画像における関心領域の辺縁部分に含まれる少なくとも一つの画素の画素値が画素値の範囲から外れたか否かを判定する。なお、画素値の範囲との比較対象は、辺縁部分に含まれる複数の画素に対応する複数の画素値の平均値または中央値であってもよい。制御回路29は、SPOT透視の実行中において、辺縁部分に含まれる画素値をモニタリングする。制御回路29は、辺縁部分に含まれる少なくとも一つの画素の画素値が画素値の範囲から外れた場合、SPOT透視からROI透視へ移行するために、X線絞り装置15を制御する。
図10は、合成画像231において、関心領域2311と関心領域2311内の辺縁部分2313と非関心領域2315との一例を示す図である。図10に示すように、関心領域2311は、一点鎖線の枠内に対応する。関心領域2311内の辺縁部分2313は、図10において点でハッチングされた領域、すなわち一点鎖線と点線とに囲まれた領域に対応する。辺縁部分2313の幅は、任意の画素数に予め設定される。
以上のような制御により、本変形例によれば、SPOT透視における関心領域2311に間接的または直接的に関連する各種動作が発生しなくても、SPOT透視画像または合成画像231における関心領域2311の辺縁部分2313に含まれる少なくとも一つの画素の画素値が所定の範囲から外れたとき、SPOT透視からROI透視へ移行するために、X線絞り装置15を制御することができる。すなわち、本変形例によれば、モニタリングしている画素値が画素値の範囲から外れたとき非ROI画像を得ることができ、合成画像231においてROI画像と非ROI画像との間のズレを抑制することができる。
(第3の変形例)
本実施形態との相違は、合成画像231における関心領域2311の辺縁部分2313に含まれる少なくとも一つの画素の画素値と、この画素に隣接する画素であってかつ非関心領域2315に含まれる画素の画素値との差分値を計算し、計算された差分値が所定の範囲から外れたとき、SPOT透視からROI透視へ移行するためにX線絞り装置15を制御することにある。なお、本変形例における処理は、上記実施形態および上記変形例における処理に組み合わせることも可能である。
記憶回路31は、所定の範囲を記憶する。所定の範囲とは、上下限の差分値により規定される差分値の範囲である。上下限の差分値は、例えば、自動輝度調整等により透視条件が変更された場合に、合成画像231において関心領域2311と非関心領域2315との境界が視認される程度の値である。なお、本変形例における所定の範囲は、装置の設置までの段階で設定される場合だけでなく、ユーザが使用中に設定・変更したり、ユーザによる操作の履歴に基づいて自動的に設定・変更されたりしてもよい。すなわち、当該所定の範囲は、SPOT透視をROI透視に切り替えるか否かの判定(ステップSa6)の際までに設定されていればよい。
制御回路29は、例えば、ステップSa6の処理において、合成画像231における関心領域2311の辺縁部分2313に含まれる少なくとも一つの画素の画素値と、この画素に隣接する画素であってかつ非関心領域2315に含まれる画素の画素値との差分値を計算する。次いで、制御回路29は、判定機能297により、計算された差分値が差分値の範囲から外れたか否かを判定する。なお、差分値の範囲との比較対象は、辺縁部分2313に含まれる複数の画素に対応する複数の画素値の平均値と、辺縁部分2313に隣接し非関心領域2315の辺縁部分に含まれる複数の画素に対応する複数の画素値の平均値との差分値であってもよい。また、平均値の代わりに中央値が用いられてもよい。制御回路29は、SPOT透視の実行中において、計算した差分値をモニタリングする。制御回路29は、計算された差分値が差分値の範囲から外れた場合、SPOT透視からROI透視へ移行するために、X線絞り装置15を制御する。
図11は、合成画像231における関心領域2311と、関心領域2311内の辺縁部分2313と、辺縁部分2313に隣接しかつ非関心領域2315に含まれる辺縁部分2317との一例を示す図である。図11に示すように、関心領域2311は、一点鎖線の枠内に対応する。関心領域2311内の辺縁部分2313は、図11において点でハッチングされた領域に対応する。非関心領域2315に含まれる辺縁部分2317は、図11において左上から右下にかけての斜線でハッチングされた領域に対応する。辺縁部分2313、2317の幅は、任意の画素数に予め設定される。
以上のような制御により、本変形例によれば、SPOT透視における関心領域2311に間接的または直接的に関連する各種動作が発生しなくても、合成画像231における関心領域2311の辺縁部分2313に含まれる少なくとも一つの画素の画素値と、この画素に隣接する画素であってかつ非関心領域2315に含まれる画素の画素値との差分値を計算し、計算された差分値が差分値の範囲から外れたとき、SPOT透視からROI透視へ移行するためにX線絞り装置15を制御することができる。すなわち、本変形例によれば、計算された差分値が差分値の範囲から外れたとき非ROI画像を得ることができるため、合成画像231においてROI画像と非ROI画像との間のズレを抑制することができる。
(応用例)
本応用例は、被検体Pに挿入されたカテーテルの先端部分に対して、本透視機能を適用することにある。
制御回路29は、ROI透視により発生されたROI透視画像において、カテーテルの先端部分を検出する。具体的には、制御回路29は、ROI透視画像に対するエッジ検出処理等により、ROI透視画像におけるカテーテルの先端部分を特定する。制御回路29は、ROI透視画像において、カテーテルの先端部分を包含するように、X線フィルタ151における開口領域の位置を設定する。制御回路29は、ROI透視画像における関心領域の位置に応じて、X線フィルタ151の開口領域152を関心領域に合わせるために、X線フィルタ駆動装置153を制御する。
制御回路29は、判定機能297により、ROI透視画像において、カテーテルの先端部分の移動の有無を判定する。制御回路29は、例えば、現在のROI透視画像から直前に発生したROI透視画像を差分することにより、カテーテルの先端部分の移動の有無を決定する。制御回路29は、ROI透視画像において、カテーテルの先端部分の移動を検出すると、カテーテルの先端部分を包含するように関心領域を設定する。このとき、制御回路29は、上述したように、カテーテルの先端部分を包含する関心領域の位置に応じて、X線フィルタ151の開口領域152を関心領域に合わせるために、X線フィルタ駆動装置153を制御する。制御回路29は、ROI透視画像においてカテーテルの先端部分の移動が検出されている期間、すなわちカテーテルの先端部分の移動中において、カテーテルの先端部分に追従して関心領域を移動させながらROI透視を実行する。
なお、カテーテルの先端部分の移動によりカテーテルの先端部分がROI透視画像の端部近傍に位置した場合、制御回路29は、カテーテルの先端部分の移動方向および移動距離に基づいて、支持フレーム19と天板21とのうち少なくとも一方を移動させるために、駆動装置を制御することも可能である。これにより、本応用例によれば、カテーテルの先端部分の移動に追従して、ROI透視画像を発生することができる。また、制御回路29は、ROI透視画像の中心部に関心領域を固定し、カテーテルの先端部分の移動に追従して、カテーテルの先端部分が常に関心領域に包含されるように、支持フレーム19と天板21とのうち少なくとも一方の移動を制御することも可能である。
ROI透視画像においてカテーテルの先端部分の移動が未検出、すなわちカテーテルの先端部分の移動の停止を契機として、制御回路29は、ROI透視からSPOT透視へ移行するために、X線絞り装置15を制御する。制御回路29は、SPOT透視の実行中に発生された合成画像231に対するエッジ検出処理等により、合成画像231におけるカテーテルの先端部分を特定する。制御回路29は、判定機能297により、SPOT透視の実行中において、カテーテルの先端部分の移動の有無を判定する。制御回路29は、例えば、現在の合成画像231から直前に発生した合成画像を差分することにより、カテーテルの先端部分の移動の有無を決定する。制御回路29は、SPOT透視の実行中において、カテーテルの先端部分の移動を検出すると、SPOT透視からROI透視へ移行するために、X線絞り装置15を制御する。制御回路29は、合成画像231においてカテーテルの先端部分の移動が未検出となる期間、すなわちカテーテルの先端部分の停止期間において、SPOT透視を実行する。
以下、本実施形態における透視機能が終了するまで、上記処理を繰り返す。なお、ROI透視からSPOT透視への移行、およびSPOT透視からROI透視への移行において、上述の実施形態および変形例における各種処理を併用することも可能である。
以上のような制御により、本応用例によれば、ROI透視画像においてカテーテルの先端部分を検出することによりカテーテルの先端部分を含むように開口領域の位置を設定し、カテーテルの先端部分の移動の検出を契機として、SPOT透視からROI透視へ移行するためにX線絞り装置15を制御し、カテーテルの先端部分の移動中においてROI透視を実行し、カテーテルの先端部分の移動の停止を契機として、ROI透視からSPOT透視へ移行するためにX線絞り装置15を制御し、カテーテルの先端部分の停止期間において、SPOT透視を実行することができる。これにより、本応用例によれば、カテーテルの先端部分に追従して関心領域を設定することが可能となり、さらにカテーテルの先端部分の移動の有無に応じて、ROI透視とSPOT透視とを切り替えることができる。
以上述べた実施形態、少なくとも一つの変形例および応用例に記載のX線診断装置1によれば、SPOT透視の実行時において、SPOT透視に相当する線量低減を行いつつ、ROI周辺部の画像を表示することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。