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JP7114555B2 - 水蒸気電解用電極 - Google Patents

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JP7114555B2 JP2019213913A JP2019213913A JP7114555B2 JP 7114555 B2 JP7114555 B2 JP 7114555B2 JP 2019213913 A JP2019213913 A JP 2019213913A JP 2019213913 A JP2019213913 A JP 2019213913A JP 7114555 B2 JP7114555 B2 JP 7114555B2
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Description

本発明は、水蒸気電解用電極に関し、さらに詳しくは、固体酸化物型電解セル(SOEC)の水素極として好適な水蒸気電解用電極に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質として酸化物イオン伝導体を用いた燃料電池である。SOFCのアノードに、H2、CO、CH4などの燃料ガスを供給し、カソードにO2を供給すると、電極反応が進行し、電力を取り出すことができる。電極反応により生成したCO2やH2Oは、SOFC外に排出される。
一方、固体酸化物形電解セル(SOEC)は、SOFCと構造は同じであるが、SOFCとは逆の反応を起こさせるものである。すなわち、SOECのカソード(水素極)にCO2やH2Oを供給し、電極間に電流を流すと、COやH2を生成させることができる。
SOECは、電解質の一方の面に酸素極が接合され、他方の面に水素極が接合された単セルを備えている。このようなSOECを構成する部材の材料として、一般的には、以下のような材料が用いられている(非特許文献1~6参照)。
(a)電解質: イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、サマリアドープトセリア(SDC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)など。
(b)酸素極: ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)など。
(c)水素極: Ni/YSZ、NI/SDC、Ni-Fe/SDCなど。
SOECの水素極には、一般に、Ni/YSZサーメットが用いられる。しかし、水素極には、燃料となる水蒸気が高温下(700℃以上)で供給される。そのため、電極に含まれるNiが容易に酸化され、NiOが形成される。NiOは絶縁体であるため、電極中にNiOが形成されると、その部分では電子パスが途絶え、電極反応が進行しなくなる。その結果、電解特性が低下する。
Ebbesen, S. D.; Hansen, J. B.; Morgensen, M. B. ECS Trans. 2013, 57, 3217. Jensen, S. H.; Larsen, P. H.; Mogensen, M. Int. J. Hydrogen Energy 2007, 32, 3253. Katahira, K.; Kohchi, Y.; Shimura, T.; Iwahara, H. Solid State Ionics 2000, 138, 91. Languna-Bercero, M. A.; Skinner, S. J.; Kilner, J. A. J. Power Sources 2009, 192, 126. O'Brien, J. E.; Stoots, C. M.; Herring, J. S.; Lessing, P. A.; Hartvigsen, J. J.; Elangovan, S. J. Fuel Cell Sci. Technol. 2005, 2, 156. Sune Dalgaard Ebbesen, Soren Hojgaard Jensen, Anne Hauch, and Morgens Bjerg Morgensen, Chem. Rev. 2014, 114, 1069
本発明が解決しようとする課題は、高温の水蒸気に曝されても電子伝導性の低下が少ない水蒸気電解用電極を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る水蒸気電解用電極は、以下の構成を備えている。
(1)前記水蒸気電界用電極は、
拡散層と、
前記拡散層の電解質層側表面に形成された活性層と
を備えている。
(2)前記拡散層は、
Ni粒子(A)と、
固体酸化物からなる電解質粒子(A)と
を含むサーメット(A)からなる。
(3)前記活性層は、
Ni粒子(B)と、
イットリア安定化ジルコニアからなるYSZ粒子と、
LaドープCeO2-ZrO2固溶体からなるLCZ粒子と
を含むサーメット(B)からなる。
CeO2-ZrO2固溶体(CZ)は、酸化物イオン伝導体としての機能に加えて、酸素吸蔵・放出能を持つ。そのため、Ni/YSZサーメットからなる電極にCZを添加すると、Niの酸化をある程度抑制することができる。
しかしながら、Ni、YSZ、及びCZの混合物を焼成して電極を作製する場合、CZが高温に曝されるために、CZの一部が分解し、別の相が生成する場合がある。CZの分解が進行すると、酸素吸蔵・放出能力が低下し、Niの酸化を抑制する効果が低下する。
これに対し、LaドープCeO2-ZrO2固溶体(LCZ)は、CZに比べて結晶構造の熱的安定性が高い。そのため、Ni、YSZ、及びLCZの混合物を高温で焼成した場合であっても、LCZの分解が抑制される。LCZの分解が抑制された電極は、高い酸素吸蔵・放出能力が維持される。そのため、これを用いて水蒸気電解を行うと、Niの酸化が抑制され、水蒸気電解性能が向上する。
CZの酸素吸蔵・放出過程の模式図である。 Ni/(YSZ+LCZ)を活性層に用いた固体酸化物形電解セルの模式図である。 Ni/YSZを活性層に用いた従来の固体酸化物形電解セルの模式図である。 LCZによるNi酸化抑制メカニズムの模式図である。 実施例1及び比較例1で得られたSOECのIV特性である。 実施例1及び比較例1で得られたSOECの電解効率の比較である。
図7(A)は、LaxCe2-xZr27(x=0.125)の熱処理前のX線回折パターンである。図7(B)は、LaxCe2-xZr27(x=0.125)の1450℃での熱処理後のX線回折パターンである。 図8(A)は、LaxCe2-xZr27(x=0.25)の熱処理前のX線回折パターンである。図8(B)は、LaxCe2-xZr27(x=0.25)の1450℃での熱処理後のX線回折パターンである。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 水蒸気電解用電極]
本発明に係る水蒸気電界用電極は、
拡散層と、
前記拡散層の電解質層側表面に形成された活性層と
を備えている。
[1.1. 拡散層]
本発明において、拡散層は、Ni粒子(A)と、固体酸化物からなる電解質粒子(A)とを含むサーメット(A)からなる。拡散層は、活性層を支持するためのものである。拡散層と活性層との積層体からなる電極において、還元反応は、主として活性層内で生じる。そのため、拡散層は、必ずしも高いイオン伝導度を有している必要はない。
すなわち、拡散層は、少なくとも、
(a)その電解質層側表面に形成される活性層を支持するための機能、
(b)燃料(電解原料)を活性層まで拡散させる機能、
(c)還元反応に必要な電子を集電体から活性層まで輸送する機能、及び、
(d)還元反応により活性層で生成した水素を電極外に排出する機能
を備えている必要がある。
拡散層の組成は、このような機能を奏する限りにおいて、特に限定されない。
[1.1.1. Ni粒子(A)]
Ni粒子(A)の含有量は、拡散層としての機能を奏する限りにおいて、特に限定されない。また、拡散層に含まれるNi粒子(A)の含有量は、活性層に含まれるNi粒子(B)の含有量と同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。Ni粒子(A)の含有量は、通常、30~70wt%である。
[1.1.2. 電解質粒子(A)]
電解質粒子(A)の組成は、拡散層としての機能を奏する限りにおいて、特に限定されない。電解質粒子(A)は、活性層に含まれる電解質と同一の組成を有するものでも良く、あるいは、異なる組成を有するものでも良い。
電解質粒子(A)としては、例えば、
(a)3~15mol%のY23を含むイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、
(b)活性層に含まれる電解質と同一又は類似の組成を持つ材料、
などがある。
これらの中でも、電解質粒子(A)は、YSZが好適である。これは、機械的強度が安定しているためである。
[1.1.3. 気孔率]
拡散層の気孔率は、電極のガス拡散性、強度、電子伝導性などに影響を与える。一般に、拡散層の気孔率が小さすぎると、ガス拡散性が低下する。従って、拡散層の気孔率は、40%以上が好ましい。気孔率は、好ましくは、45%以上、さらに好ましくは、50%以上である。
一方、拡散層の気孔率が大きくなりすぎると、強度及び電子伝導性が低下する。従って、拡散層の気孔率は、60%以下が好ましい。気孔率は、好ましくは、58%以下、さらに好ましくは、55%以下である。
[1.2. 活性層]
活性層は、電極反応の反応場となる部分である。本発明において、活性層は、Ni粒子(B)と、イットリア安定化ジルコニアからなるYSZ粒子と、LaドープCeO2-ZrO2固溶体からなるLCZ粒子とを含むサーメット(B)からなる。
[1.2.1. Ni粒子(B)]
Ni粒子(B)は、活性層中において、電極触媒及び電子伝導体としての機能を有する。高い触媒活性及び高い電子伝導性を得るには、Ni粒子(B)は、実質的にNiのみからなり、残部が不可避的不純物からなるものが好ましい。
[1.2.2. YSZ粒子]
YSZ粒子は、イットリア安定化ジルコニアからなり、活性層中において酸素イオン伝導体としての機能を有する。YSZ粒子に含まれるYの含有量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な量を選択することができる。
相対的に高いイオン伝導度と、相対的に高い機械的強度を得るためには、YSZ粒子は、3mol%以上15mol%以下のY23を含むものが好ましい。
[1.2.3. LCZ粒子]
[A. 酸素吸蔵・放出能]
LCZ粒子は、LaがドープされたCeO2-ZrO2固溶体からなり、活性層中において、Ni粒子(B)の酸化を抑制する機能を有する。CeO2は、ZrO2に酸素吸蔵・放出能を付与する作用がある。一方、Laは、CeO2-ZrO2固溶体(CZ)のCeサイトを置換し、CZの耐熱性を向上させる作用がある。そのため、CZに適量のLaをドープすると、焼成時におけるCZの分解を抑制することができる。
図1に、CZの酸素吸蔵・放出過程の模式図を示す。また、次の式(1)に、CZの酸素吸蔵・放出反応の反応式を示す。式(1)中、右側に進む反応は酸化反応を表し、左側に進む反応は還元反応を表す。
CeO2-x-ZrO2+(x/2)O2 ⇔ CeO2-ZrO2 …(1)
ZrO2中に固溶しているCeイオンは、周囲の雰囲気中の酸素分圧に応じて、可逆的に3価の状態(還元状態)と、4価の状態(酸化状態)とを取ることができる。そのため、CZが酸化雰囲気に曝される時には、CZは雰囲気中にある酸素イオンを結晶格子内に取り込む。一方、CZが還元雰囲気に曝される時には、CZは結晶格子内にある酸素イオンを雰囲気中に放出する。この点は、LCZも同様である。
[B. 組成]
LCZ粒子は、特に、次の式(2)で表される組成を有するものが好ましい。
LaxCe2-xZr27 … (2)
但し、0<x<0.2。
式(2)中、xは、LCZ粒子に含まれるLa及びCeの総モル数に対するLaのモル数を表す。xが小さくなりすぎると、LCZ粒子の耐熱性が低下する。従って、xは、0超である必要がある。xは、好ましくは、0.05以上、さらに好ましくは、0.1以上である。
一方、xが過剰になると、LCZ粒子の酸素吸蔵・放出能力が低下する。従って、xは、0.2未満が好ましい。xは、好ましくは、0.15以下である。
[1.2.4. 活性層の組成]
活性層は、次の式(3)~式(6)を満たしているのが好ましい。
40mass%≦u≦70mass% …(3)
30mass%≦v≦70mass% …(4)
0<w≦20mass% …(5)
u+v+w=100mass% …(6)
但し、
uは、前記水蒸気電解用電極の前記活性層に含まれる前記Ni粒子(B)の質量割合(mass%)、
vは、前記水蒸気電解用電極の前記活性層に含まれる前記YSZ粒子の質量割合(mass%)、
wは、前記水蒸気電解用電極の前記活性層に含まれる前記LCZ粒子の質量割合(mass%)。
[A. Ni粒子(B)の含有量]
「u」は、Ni粒子(B)、YSZ粒子、及びLCZ粒子の総質量に対する、Ni粒子(B)の質量の割合を表す。uが小さくなりすぎると、セル全抵抗が高くなり、電解効率も低下する。従って、uは、40mass%以上が好ましい。
一方、uが大きくなりすぎると、活性層中におけるYSZ粒子の割合が少なくなるために、かえってセル全抵抗が高くなり、電解効率も低下する。従って、uは、70mass%以下が好ましい。uは、好ましくは、60mass%以下である。
[B. YSZ粒子の含有量]
「v」は、Ni粒子(B)、YSZ粒子、及びLCZ粒子の総質量に対する、YSZ粒子(B)の質量の割合を表す。vが小さくなりすぎると、セル全抵抗が高くなり、電解効率も低下する。従って、vは、30mass%以上が好ましい。vは、好ましくは、40mass%以上である。
一方、vが大きくなりすぎると、Ni粒子の割合が少なくなるため、電解効率が低下する。従って、vは、70mass%以下が好ましい。vは、好ましくは、60mass%以下である。
[C. LCZ粒子の含有量]
「w」は、Ni粒子(B)、YSZ粒子、及びLCZ粒子の総質量に対する、LCZ粒子(B)の質量の割合を表す。wが小さくなりすぎると、Ni粒子(B)の酸化を十分に抑制できなくなる。従って、wは、0mass%超が好ましい。wは、好ましくは、5mass%以上である。
一方、wが大きくなりすぎると、かえってセル全抵抗が高くなり、電解効率も低下する。従って、wは、20mass%以下が好ましい。
[1.2.5. 気孔率]
活性層の気孔率は、電解特性に影響を与える。活性層の気孔率が小さすぎると、ガスの拡散性が低下し、電解効率が低下する。従って、活性層の気孔率は、15%以上が好ましい。気孔率は、好ましくは、20%以上、さらに好ましくは、25%以上である。
一方、活性層の気孔率が大きくなりすぎると、三相界面が相対的に少なくなり、かえって電解特性が低下する。従って、活性層の気孔率は、40%以下が好ましい。気孔率は、好ましくは、35%以下、さらに好ましくは、30%以下である。
[2. 水蒸気電解用電極の製造方法]
本発明に係る水蒸気電解用電極は、
(a)NiO粉末、及び、電解質粒子(A)の原料を含む原料混合物(A)を用いて拡散層成形体を作製し、
(b)拡散層成形体の表面に、NiO粉末、YSZ粉末、及びLCZ粉末を含む原料混合物(B)を用いて活性層成形体を形成し、
(c)得られた積層体を焼結し、
(d)得られた焼結体を還元処理する
ことにより製造することができる。
[2.1. 拡散層成形体作製工程]
まず、NiO粉末、及び、電解質粒子(A)の原料を含む原料混合物(A)を用いて拡散層成形体を作製する(拡散層成形体作製工程)。
電解質粒子(A)の原料の種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な原料を選択することができる。
例えば、電解質粒子(A)がYSZである場合、その原料としては、
(a)目的とする組成を有するYSZ粉末、
(b)目的とする組成となるように配合されたZrO2粉末と、Y23粉末との混合物
などがある。
また、原料混合物(A)中には、造孔材(例えば、カーボン粉末)が含まれていても良い。原料混合物(A)中に添加されたNiO粉末は、焼結体作製後に還元処理される。その際、体積収縮が起こり、焼結体内に気孔が導入される。そのため、造孔材は、必ずしも必要ではない。しかし、原料混合物(A)中に造孔材を添加すると、気孔率の制御の自由度が増大する。
拡散層成形体の作製方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法を選択することができる。拡散層成形体の作製方法としては、例えば、
(a)原料混合物(A)を含むスラリーをテープ成形し、得られたグリーンシートを複数枚積層し、積層体を静水圧プレスして圧着させる方法、
(b)原料混合物(A)を金型でプレス成形する方法、
などがある。
[2.2. 活性層成形体作製工程]
次に、拡散層成形体の表面に、NiO粉末、YSZ粉末、及びLCZ粉末を含む原料混合物(B)を用いて活性層成形体を形成する(活性層成形体作製工程)。
活性層を形成するための原料としてCZ粉末を用いると、焼成中にCZが分解するおそれがある。従って、活性層を作製するための原料には、所定量のLaがドープされたLCZ粉末を用いるのが好ましい。
さらに、原料混合物(A)と同様の理由から、原料混合物(B)中には、造孔材(例えば、カーボン粉末)が含まれていても良い。
活性層成形体の作製方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法を選択することができる。活性層成形体の作製方法としては、例えば、
(a)原料混合物(B)を含むスラリーをテープ成形し、得られたグリーンシートを拡散層成形体の上に積層し、積層体を静水圧プレスして圧着させる方法、
(b)原料混合物(B)を含むスラリーを作製し、拡散層成形体の表面にスラリーをスクリーン印刷する方法、
などがある。
[2.3. 焼結工程]
次に、得られた積層体を焼結させる(焼結工程)。焼結条件は、原料組成に応じて最適な条件を選択するのが好ましい。焼結は、通常、大気雰囲気下において、1000℃~1500℃で1時間~5時間行うのが好ましい。
原料混合物中に2種以上の酸化物が含まれている場合、焼結中に固相反応が進行し、所定の組成を有する固溶体が生成する場合がある。また、原料混合物中に造孔材が含まれている場合、焼結時に造孔材が消失し、焼結体内に気孔が形成される。
[2.4. 還元工程]
次に、得られた焼結体を還元処理する(還元工程)。これにより、本発明に係る水蒸気電解用電極が得られる。還元処理は、焼結体中に含まれるNiO粒子をNi粒子に還元するために行われる。還元条件は、特に限定されるものではなく、電極の組成に応じて最適な条件を選択するのが好ましい。
なお、固体酸化物形電解セルは、後述するように、水素極(カソード)/電解質層/反応防止層/酸素極(アノード)の接合体からなる。水素極の還元は、通常、各層を接合した後に行われる。
[3. 固体酸化物形電解セル]
図2に、Ni/(YSZ+LCZ)を活性層に用いた固体酸化物形電解セルの模式図を示す。図2において、固体酸化物形電解セル(SOEC)10は、
電解質12と、
電解質12の一方の面に接合された水素極14と、
電解質12の他方の面に接合された酸素極16と、
電解質12と酸素極16との間に挿入された中間層18と
を備えている。
水素極14には、本発明に係る水蒸気電解用電極が用いられる。すなわち、水素極14は、活性層14aと、活性層14aを支持する拡散層14bとの積層体からなる。活性層14aは、Ni粒子と、YSZ粒子と、LCZ粒子とを含むサーメット(B)からなる。
電解質12、酸素極16、及び中間層18の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。
例えば、電解質12には、YSZなどを用いることができる。
酸素極16には、(La,Sr)CoO3(LSC)、(La,Sr)(Co,Fe)O3(LSCF)、(La,Sr)MnO3(LSM)などを用いることができる。
中間層18は、電解質12と酸素極16とが直接、接触することにより生じる反応を防止するための層であり、必要に応じて挿入される。例えば、電解質12がYSZであり、酸素極16がLSCである場合、中間層18には、GdドープCeO2(GDC)を用いるのが好ましい。
[4. 作用]
図3に、Ni/YSZを活性層に用いた従来の固体酸化物形電解セルの模式図を示す。従来のSOEC10’は、電解質12と、電解質12の一方の面に接合された水素極14’と、電解質12の他方の面に接合された酸素極16と、電解質12と酸素極16との間に挿入された中間層18とを備えている。従来のSOEC10’は、水素極14’として、Ni-YSZサーメットが用いられている。
水素極14’がNi-YSZサーメットからなるSOEC10’において、水素極14’にH2Oを供給し、水素極14’-酸素極16間に電流を流すと、水素極14’では、次の式(7)に示す還元反応が進行する。
2O+2e- → H2+O2- …(7)
しかし、SOEC10’を用いた水電解においては、水素極14’に、原料となる高温(700℃以上)の水蒸気が供給される。そのため、水素極14’に含まれるNiが容易に酸化され、NiOが形成される。NiOは絶縁体であるため、NiOが形成されると、その部分では電子パスが途絶え、電極反応が進行しなくなる。その結果、電解特性は低下する。
この問題を解決するために、水素極にCeO2-ZrO2固溶体(CZ)を添加することが有効である。CZは、酸化物イオン伝導体としての機能に加えて、酸素吸蔵・放出能を持つ。そのため、Ni/YSZサーメットからなる電極にCZを添加すると、Niの酸化をある程度抑制することができる。
しかしながら、Ni、YSZ、及びCZの混合物を焼成して電極を作製する場合、CZが高温に曝されるために、CZの一部が分解し、別の相が生成する場合がある。CZの分解が進行すると、酸素吸蔵・放出能力が低下し、Niの酸化を抑制する効果が低下する。
これに対し、LaドープCeO2-ZrO2固溶体(LCZ)は、CZに比べて結晶構造の熱的安定性が高い。そのため、Ni、YSZ、及びLCZの混合物を高温で焼成した場合であっても、LCZの分解が抑制される。LCZの分解が抑制された電極は、高い酸素吸蔵・放出能力が維持される。そのため、これを用いて水蒸気電解を行うと、Niの酸化が抑制され、水蒸気電解性能が向上する。
図4に、LCZによるNi酸化抑制メカニズムの模式図を示す。LCZによるNi酸化の抑制は、以下のようにして進行すると考えられる。
すなわち、Ni/(YSZ+LCZ)からなる水素極が高温の水蒸気に曝されると、Niが酸化され、Ni粒子の表面がNiOで被覆された状態となる(ステップ1)。この時、Ni粒子の近傍にLCZ粒子があると、NiOから酸素原子又は酸素イオンがスピルオーバーする(ステップ2)。そのトリガーとなるのは、LCZの酸素吸蔵能力と考えられる。
NiOからスピルオーバーした酸素は、LCZに一時的にトラップされる(ステップ3)。水素極は生成したH2によって還元雰囲気になっているが、還元雰囲気下では、LCZはトラップした酸素原子又は酸素イオンを酸素分子として容易に放出する。LCZから放出された酸素分子は、Niを再酸化させる前に、拡散層を通って系外に排出される(ステップ4)。以下、このようなステップ1~4が繰り返されることにより、Ni酸化が抑制されると考えられる。
(実施例1、比較例1)
[1. SOECの作製]
[1.1. 実施例1]
[1.1.1. 拡散層成形体の作製]
電解質粒子(A)の原料には、8mol%のY23を含むYSZ粉末(以下、「8YSZ粉末」ともいう)を用いた。Ni源には、NiO粉末を用いた。8YSZ:Ni=50:50(重量比)となるように、8YSZ粉末及びNiO粉末を配合し、混合粉末に溶媒及びバインダーを加えてスラリーを作製した。このスラリーを用いてテープ成形を行い、グリーンシート(拡散層成形体)を得た。
[1.1.2. 活性層成形体の作製]
YSZ源には、8YSZ粉末を用いた。LCZ源には、Laを含むCeO2-ZrO2固溶体(x=0.125)からなるLCZ粉末を用いた。さらに、Ni源には、NiO粉末を用いた。8YSZ粉末、LCZ粉末、及びNiO粉末を質量比で48:4:48となるように配合し、混合粉末に溶媒及びバインダーを加えてスラリーを得た。このスラリーを用いてテープ成形を行い、グリーンシート(活性層成形体)を得た。
[1.1.3. 電解質層成形体の作製]
8YSZ粉末に溶媒及びバインダーを加えてスラリーを得た。このスラリーを用いてテープ成形を行い、グリーンシート(電解質層成形体)を得た。
[1.1.4. 中間層成形体の作製]
GDC粉末に溶媒及びバインダーを加えてスラリーを得た。このスラリーを用いてテープ成形を行い、グリーンシート(中間層成形体)を得た。
[1.1.5. 1次焼成]
所定枚数の拡散層成形体を重ね合わせた。次いで、その上に、さらに、活性層成形体、電解質層成形体、及び中間層成形体をこの順で重ね合わせた。得られた積層体を静水圧プレス成形した。さらに、得られた成形体を1400℃で焼成した。
[1.1.6. 酸素極の作製]
LSC粉末に溶媒及びバインダーを加えてスラリーを得た。このスラリーを中間層の表面に塗布した。さらに、塗膜を1000℃で焼成し、酸素極を形成した。酸素極の面積は、0.5cm2とした。
[1.2. 比較例1]
活性層を作製する際に、LCZ粉末を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてSOECを作製した。
[2. 試験方法]
得られたSOECを用いて、水蒸気電解を行った。セル温度は、700℃とした。また、電解は、H2O/H2比=1となる条件下で行った。
[3. 結果]
図5に、実施例1及び比較例1で得られたSOECのIV特性を示す。図5より、実施例1は、比較例1に比べてIV性能が高いことが分かる。これは、活性層にLCZを添加することによって、Niの酸化が抑制されたためと考えられる。
図6に、実施例1及び比較例1で得られたSOECの電解効率の比較を示す。比較例1の電解効率は、68.7%であった。これに対し、実施例1の電解効率は94.9%であり、比較例1の約1.4倍の値が得られた。
(実施例2)
[1. 試料の作製]
x=0.125、又は、0.25である2種類のLaxCe2-xZr27(LCZ)粉末を試験に供した。
[2. 試験方法]
LCZ粉末を大気中、1450℃で1時間熱処理した。熱処理前後において、LCZ粉末のXRDパターンの測定を行い、生成相の同定を行った。
[3. 結果]
図7(A)及び図7(b)に、それぞれ、LaxCe2-xZr27(x=0.125)の熱処理前及び1450での熱処理後のX線回折パターンを示す。図8(A)及び図8(B)に、それぞれ、LaxCe2-xZr27(x=0.25)の熱処理前及び1450℃での熱処理後のX線回折パターンを示す。図7及び図8より、x=0.125の時は熱処理後も単相を維持しているのに対し、x=0.25の時は熱処理後にLCZが2相に分離していることが分かる。これらの結果から、xは0.2未満が好ましいことが分かった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る水蒸気電解用電極は、固体酸化物形電解セルの水素極として使用することができる。

Claims (4)

  1. 以下の構成を備えた水蒸気電解用電極。
    (1)前記水蒸気電界用電極は、
    拡散層と、
    前記拡散層の電解質層側表面に形成された活性層と
    を備えている。
    (2)前記拡散層は、
    Ni粒子(A)と、
    固体酸化物からなる電解質粒子(A)と
    を含むサーメット(A)からなる。
    (3)前記活性層は、
    Ni粒子(B)と、
    イットリア安定化ジルコニアからなるYSZ粒子と、
    LaドープCeO2-ZrO2固溶体からなるLCZ粒子と
    を含むサーメット(B)からなる。
  2. 前記YSZ粒子は、3mol%以上15mol%以下のY23を含む請求項1に記載の水蒸気電解用電極。
  3. 前記LCZ粒子は、次の式(2)で表される組成を有する請求項1又は2に記載の水蒸気電解用電極。
    LaxCe2-xZr27 … (2)
    但し、0<x<0.2。
  4. 次の式(3)~式(6)を満たす請求項1から3までのいずれか1項に記載の水蒸気電解用電極。
    40mass%≦u≦70mass% …(3)
    30mass%≦v≦70mass% …(4)
    0<w≦20mass% …(5)
    u+v+w=100mass% …(6)
    但し、
    uは、前記水蒸気電解用電極の前記活性層に含まれる前記Ni粒子(B)の質量割合(mass%)、
    vは、前記水蒸気電解用電極の前記活性層に含まれる前記YSZ粒子の質量割合(mass%)、
    wは、前記水蒸気電解用電極の前記活性層に含まれる前記LCZ粒子の質量割合(mass%)。
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