以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るウェブ加工装置100の説明図である。ウェブロール2は、軸部材である紙管1にウェブ4がロール状に巻き付けられて構成されている。ウェブロール2からは、ウェブ4を引き出すことができる。ウェブ4は、プラスチック等の樹脂、布、紙、金属、これらを組み合わせたものなどで形成された帯状又は糸状の部材である。
ウェブ加工装置100は、架台101、及び架台101に立設されたベースプレート102を備える。また、ウェブ加工装置100は、支持部の一例である支持機構200、張力付加部の一例である張力付加機構300、引出部の一例である引出機構400、加工部の一例である加工機構500、及び固定把持部の一例である固定把持機構600を備える。また、ウェブ加工装置100は、制御部の一例である制御システム700、及び入力部の一例である入力装置800を備える。
支持機構200は、ウェブロール2を、ウェブ4を引き出す方向A1、及び方向A1とは反対の方向であって、ウェブ4を巻き取る方向A2に回転可能に支持する。引出機構400は、支持機構200に支持されたウェブロール2からウェブ4を引き出すものである。張力付加機構300は、支持機構200に設けられ、引出機構400によってウェブロール2から引き出されるウェブ4に張力を付加する。加工機構500は、引出機構400に引き出され、張力付加機構300に張力が付加されたウェブ4に加工を施す。固定把持機構600は、架台101に固定して設けられ、引出機構400により引き出されたウェブ4をクランプ保持する。支持機構200と固定把持機構600との間には、ウェブ4の引き出し角度を一定にするためのフリーローラ22が配置されている。フリーローラ22は、ウェブ4の引き出し経路に配置され、ウェブ4に接触する曲面を有している。
フリーローラ22は、不図示の複数の軸受の外輪に取り付けられている。軸受間の隙間には、軸受に対する予圧を小さくするために、軸受間の隙間より公差分程度大きい不図示のカラーが挿入されていてもよい。軸受の内輪には、ベースプレート102に固定されている不図示の軸が固定される。これによりフリーローラ22は軸に対して回転方向に回転自在である。ウェブ4が幅細の場合、フリーローラ22にガイド溝が設けられていてもよい。この場合、ウェブ4が蛇行してもフリーローラ22からウェブ4が脱落するのを防止することができる。
図2は、支持機構200及び張力付加機構300の断面模式図である。まず、支持機構200の構成について説明する。支持機構200は、ウェブロール2を支持する回転軸203と、紙管1を回転軸203に固定する固定部材205と、回転軸203を回転可能に支持する複数の軸受207と、軸受207を保持する軸受ホルダ206と、を有する。
回転軸203には、軸受207の内輪が固定される。軸受207の外輪は、軸受ホルダ206に固定される。軸受ホルダ206は、ベースプレート102に固定される。軸受ホルダ206と軸受207の外輪とは、回転軸203が軸方向に動かないように、穴用のC型止め輪などで固定されている。軸受207同士の隙間には、軸受間の隙間より公差分程度大きい不図示のカラーが挿入されていてもよい。軸受207は、例えば単列深溝玉軸受であるが、これに限定するものではなく、回転軸203が回転自在であれば他の軸受、例えばすべり軸受け等やフランジ付きの軸受であってもよい。
ベースプレート102には、軸受207の内輪の軸方向への移動を規制する軸受押さえ部材208が取り付けられている。軸受押さえ部材208は、不図示の複数のセットビスにより、回転軸203に固定される。回転軸203には、軸受押さえ部材208の取り付け位置にDカット加工が施されていてもよい。これにより、回転軸203に軸受押さえ部材208を強固に取り付けでき、軸受207のメンテナンス時の取り外しを容易にすることができる。なお、軸受押さえ部材208の代わりに、軸用のC型止め輪による固定であってもよい。
以上の支持機構200の構成により、ウェブ4の引き出しを円滑に行うことができ、ウェブ4に生じる張力が必要以上に上昇することを防止できる。また、固定部材205を設けることで紙管1を回転軸203に強く固定できるため、紙管1が回転軸203に対して滑るのを防ぐことができ、ウェブ4が必要以上に巻き出されることによる加工不良が生じにくくなる。
次に、張力付加機構300について説明する。張力付加機構300は、モータ312と、複数の支柱309によりベースプレート102に固定され、モータ312を支持するプレート313とを有する。また、張力付加機構300は、プレート313に取り付けられ、モータ312の回転力を伝達又は遮断するクラッチ311と、回転軸203の端部に取付けられ、クラッチ311と連結される軸継ぎ手310と、を有する。
モータ312は、例えばブラシレスDCモータなどのDCモータ、ACモータ、ステッピングモータ、パルスモータ、シンクロナスモータ、インダクションモータ、あるいはそれらと減速機と組み合わせたものである。
クラッチ311は、例えばヒステリシスクラッチ等である。回転軸203の端部には、クラッチ311と連結させる軸継ぎ手310が取り付けられている。軸継ぎ手310は、不図示のスリットを有し、偏角や偏心に強い構造となっている。なお、クラッチ311が偏角や偏心に強ければスリット形状でなくてもよい。モータ312は、図1に示すウェブ4を巻き取る方向A2に駆動可能に構成されている。
次に、図1に示す引出機構400について説明する。引出機構400は、フリーローラ22に対してウェブ4の引き出し方向A1の下流側の位置に配置されている。引出機構400は、ウェブ4を把持する第1把持部である把持部401と、架台101に配置され、把持部401を方向A1,A2に駆動する駆動機構402と、を有する。具体的に説明すると、把持部401は、ブラケット404を介して移動プレート405に取り付けられている。移動プレート405は、駆動機構402に取り付けられている。
駆動機構402は、例えば単軸ロボットで構成されたスライダである。駆動機構402として単軸ロボットを用いた場合、引出速度の値を出力することができ、かつ、その値を制御システム700へ入力できる。よって、駆動機構402として単軸ロボットを用いた場合には、張力制御に必要なパラメータの一つである引出速度を測定する手段を、別途設ける必要がなくなる。
駆動機構402は、架台101に取り付けられている。駆動機構402は、把持部401を加工機構500に対してウェブ4の引き出し方向A1の上流側の位置から下流側の位置へ直線移動させることが可能である。フリーローラ22よって案内されたウェブ4を把持部401に把持させて、把持部401を方向A1に駆動することにより、ウェブ4を加工機構500に対向する位置に搬送することができる。
図3は、把持部401の斜視図である。図3に示すように、把持部401は、複数、本実施形態では2つの把持部材411,412と、把持部材411,412を互いに近接又は離間する方向Zに開閉駆動する駆動機構403とを有する。把持部材411及び把持部材412は、ウェブ4を把持するのに用いるものであり、互いに近接することでウェブ4を把持し、互いに離間することでウェブ4の把持を解放する。把持部材411,412の材質は、例えば樹脂や金属(鋼、ステンレスなど)である。
駆動機構403は、例えばエアシリンダや電動チャックなどで構成されており、ウェブ4の把持力の調整が可能である。駆動機構403が電動チャックの場合、把持動作の加減速度を容易に調整することができるため、ウェブ4を把持する時にウェブ4に与える衝撃力を緩和することが可能になる。駆動機構403がエアシリンダの場合でも、不図示の衝撃力緩和部材を設けることで、ウェブ4を把持する時にウェブ4に与える衝撃力を緩和することが可能になる。
次に、図1に示す加工機構500について説明する。加工機構500は、フリーローラ22に対してウェブ4の引き出し方向A1の下流側の位置であって、把持部401が移動するウェブ4の引き出し方向A1の最上流の位置と、最下流の位置との間に配置されている。加工機構500は、加工ツール510と、加工ツール510をウェブ4に接触させる駆動機構520とを有する。
加工ツール510は、例えば切断機構又は穴あけ機構などである。切断機構の例としては、ロータリーカッタやギロチンカッタ、レーザ切断機などであり、これらはユーザ自身がウェブ加工装置100で加工するウェブ4の材質や厚みに応じて適切なものを選択すればよい。穴あけ機構は、ウェブ4の切断形状が切断機構と異なるだけで、切断機構と同様のものである。駆動機構520は、例えばエアシリンダや単軸ロボットなどであり、配置スペースの制約などに合わせ、ユーザが適切なものを選択すればよい。
次に、図1に示す固定把持機構600について説明する。固定把持機構600は、加工機構500に対してウェブ4の引き出し方向A1の上流側の位置であって、フリーローラ22に対して引き出し方向A1の下流側の位置に、架台101に固定して配置されている。固定把持機構600は、引出機構400の把持部401が移動可能なウェブ4の引き出し方向A1の最上流の位置と最下流の位置との間に配置されている。固定把持機構600は、第2把持部である把持部601を有する。把持部601にウェブ4を把持させておくことで、把持部401がウェブ4の把持を解放しても、ウェブ4が引き回し経路から脱落するのを防ぐことができる。
把持部601は、複数、本実施形態では2つの把持部材611,612と、把持部材611,612を互いに近接又は離間するように開閉駆動する駆動機構613とを有する。把持部材611及び把持部材612は、ウェブ4を把持するのに用いるものであり、互いに近接することでウェブ4を把持し、互いに離間することでウェブ4の把持を解放する。
駆動機構613は、ブラケット614を介して架台101に固定されている。駆動機構613は、例えばエアシリンダや電動チャックなどで構成されており、ウェブ4の把持力の調整が可能である。駆動機構613が電動チャックの場合、把持動作の加減速度を容易に調整することができるため、ウェブ4を把持する時にウェブ4に与える衝撃力を緩和することが可能になる。駆動機構613がエアシリンダの場合でも、不図示の緩和部材を設けることで、ウェブ4を把持する時にウェブ4に与える衝撃力を緩和することが可能になる。
把持部401がウェブ4を把持して、固定把持機構600に対して、ウェブ4の引き出し方向A1の上流側から下流側に把持部401を移動させるとき、駆動機構613は、把持部材611,612を所定の間隔以上に開ける。これにより、把持部401が把持部601に接触するのを防ぐことができる。逆に、把持部601がウェブ4を把持して、固定把持機構600に対して、ウェブ4の引き出し方向A1の下流側から上流側に把持部401を移動させるとき、駆動機構403は、把持部材411,412を所定の間隔以上に開ける。これにより、把持部401が把持部601に接触するのを防ぐことができる。このような構造にすることで、加工後の再引き出しを自動で行うことが可能になる。
ところで、一対のローラとダンサローラとでウェブを挟み込み、張力測定のために、ダンサローラにセンサ部を配置する構成とすると、これら複数のローラによりウェブに作用する摺動抵抗が高くなる。この摺動抵抗による摩擦力が検出される張力に重畳すると、張力の測定精度が低下する。
本実施形態では、ダンサローラではなく把持部401の把持部材411(図3)に、張力付加機構300によってウェブ4に生じさせた張力を検出するためのセンサ部430が設けられている。センサ部430は、把持部材411の変形を検出することができれば、把持部材411とは別の箇所に配置されていてもよいが、装置を小型化するには、把持部材411に配置されているのが好ましい。センサ部430は、本実施形態では、歪ゲージである。なお、図1に示す把持部601には、把持部401とは異なり、力検出機能を有するセンサ部は設けられていない。
センサ部430は、ウェブ4に付加された張力に応じた信号として、把持部材411の変形に応じた信号を、制御システム700に出力する。制御システム700は、センサ部430から信号を取得し、この信号に対応する値として、ウェブ4に生じる張力の測定値を求める。制御システム700は、キーボードやマウスなどの入力装置800から張力の目標値のデータの入力を受け、予め、記憶部に保存しておく。制御システム700は、求めた測定値と予め設定された目標値との偏差に基づき、張力付加機構300をフィードバック制御して、ウェブ4に付加する張力を調整する。具体的には、制御システム700は、求めた偏差に基づいて、ウェブロール2にかかるトルクをクラッチ311のオンオフによりPWM制御し、把持部401に把持されたウェブ4に付加する張力を調整する。制御システム700におけるフィードバック制御は、P制御、PI制御、PID制御のいずれであってもよい。
制御システム700の具体的な構成について説明する。制御システム700は、指令部の一例である制御装置701と、駆動制御部の一例であるドライバ702とを有する。制御装置701は、CPU711と、ROM712と、RAM713と、I/O714とを有するコンピュータで構成されており、ドライバ702に指令を送り、装置全体を統括的に制御する。ドライバ702は、制御装置701の指令に従って、張力付加機構300、引出機構400、加工機構500及び固定把持機構600のそれぞれに含まれる駆動機構への電流を制御する。
制御装置701は、ウェブロール2の直径、支持機構200の回転速度、引出機構400の引出速度、センサ部430より取得した張力の測定値をパラメータとして求める。制御装置701は、そのパラメータを演算処理することにより、クラッチ311における適切な伝達トルクとなるトルク指令を、ドライバ702に出力する。
ドライバ702は、モータ312を、ウェブ4を引き出す方向A1とは逆の方向A2に駆動制御し、入力を受けたトルク指令に対応するトルクを実現するように、クラッチ311のオンオフを制御する。このフィードバック制御を高速の周期(例えば1ms)で行うことにより、ウェブ4に生じさせる張力が目標値に近づけられ、張力の変動が抑制される。
なお、モータ312をサーボモータとし、サーボモータにおける巻き取り方向A2のトルクを制御することで、ウェブ4の張力を制御してもよい。この場合、クラッチ311を省略し、モータ312の軸を軸継ぎ手310に直結すればよい。この場合、クラッチ311を必要としないので、装置の簡易化することができ、トルク制御速度が向上する。
ここで、図2に示す支持機構200の回転軸203は、図1に示すフリーローラ22よりも上方に位置するように配置されている。この配置により、ウェブロール2の径が変化しても、フリーローラ22におけるウェブ4の引き出し角度を一定に維持することが可能となり、引き出し角度による張力の測定値の変動を抑えることができる。
加工機構500によるウェブ加工の動作について具体的に説明する。固定把持機構600の把持部601にウェブ4が把持された状態で、引出機構400の把持部401を、固定把持機構600に対する方向A1の上流側に移動させ、把持部401にウェブ4を把持させる。把持部401にウェブ4を把持させた後、把持部601にウェブ4を把持解放させ、把持部401を、加工機構500よりも方向A1の下流側に移動させてウェブ4をウェブロール2から引き出す。引出機構400でウェブ4を引出した後、センサ部430を用いて測定した張力の測定値が目標値に収束したら、把持部601にウェブ4を把持させる。その後、加工機構500の駆動機構520を動作させることで、加工ツール510を、ウェブ4において把持部601に把持された部分と把持部401に把持された部分との間の部分に接触させ、ウェブ4に所望の加工、例えば切断加工を施す。
ここで、測定値が目標値に収束するとは、測定値が、目標値を含む所定範囲内(例えば目標値±目標値の1%の範囲内)に収まることをいう。
本実施形態では、センサ部430が把持部401に配置されているので、ウェブ4において加工機構500により加工させる部分の近傍の張力を高精度に測定することができる。
把持部材411と把持部材412とは、把持したウェブ4の張力により共に同様に変形するように形成されているのが好ましい。把持部材411,412は、先端部422,432を有する。先端部422,432は、ウェブ4に接触する部分である。具体的には、先端部422と先端部432とでウェブ4を挟み込んで保持する。よって、歪ゲージであるセンサ部430は、把持部材411において先端部422よりも根元側に配置されるのが好ましい。
本実施形態では、センサ部430は、複数の把持部材411,412のうち、ウェブ4の張力により変形する把持部材411の方向A2の変形量に応じた信号を出力する。したがって、ダンサローラを配置してウェブの張力を検出する場合と比較して、ウェブ4にかかる抵抗が低減し、ウェブ4の張力を高精度に測定することができる。
また、センサ部430により把持部材411の変形を検出するようにしたので、省スペース化が図れ、ウェブ加工装置100をコンパクト化することができる。ウェブ加工装置100がコンパクト化されることで、ウェブ4の引き回し距離が短くなり、ウェブ4の引き回し作業の簡易化が実現できる。
なお、第1実施形態では、把持部材411にセンサ部430が設けられている場合について説明したが、把持部材412にもセンサ部が設けられているのが好ましい。この場合、これら複数のセンサ部は、把持部材411,412の互いに近接又は離間する方向Zに、互いに対向して配置されることになる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るウェブ加工装置について説明する。図4は、第2実施形態に係るウェブ加工装置の第1把持部である把持部401Aの斜視図である。なお、第2実施形態のウェブ加工装置において把持部401A以外の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図4に示すように、把持部401Aは、複数、本実施形態では2つの把持部材411A,412Aと、把持部材411A,412Aを互いに近接又は離間する方向Zに開閉駆動する、第1実施形態と同様の駆動機構403とを有する。把持部材411A及び把持部材412Aは、ウェブ4を把持するのに用いるものであり、互いに近接することでウェブ4を把持し、互いに離間することでウェブ4の把持を解放する。
本実施形態では、把持部401Aの把持部材411Aには、張力付加機構300(図1)によってウェブ4に生じさせた張力を検出するセンサ部450が設けられている。センサ部450は、ウェブ4に付加された張力に応じた信号として、把持部材411Aの変形に応じた信号を、制御システム700(図1)に出力する。なお、把持部601(図1)には、把持部401Aとは異なり、力検出機能を有するセンサ部は設けられていない。本実施形態では、センサ部450が把持部材411Aに配置されているので、ウェブ4において加工機構500(図1)により加工させる部分の近傍の張力を高精度に測定することができる。
センサ部450及び把持部材411A,412Aの構成について、図4を参照しながら具体的に説明する。本実施形態では、センサ部450は、複数の把持部材411A,412Aのうち、ウェブ4の張力により変形する把持部材411Aの方向A2の変形量に応じた信号を出力する。したがって、一対のローラと、ダンサローラとを互い違いに配置してウェブの張力を検出する場合と比較して、ウェブ4にかかる摺動抵抗が低減し、ウェブ4の張力を高精度に測定することができる。
把持部材411Aと把持部材412Aとは、把持したウェブ4の張力により共に同様に変形するように形成されているのが好ましい。把持部材411Aは、基部421、先端部422、及び基部421と先端部422との間に配置され、基部421と先端部422とを連結する連結部423を有する。本実施形態では、把持部材412Aは、把持部材411Aと同様、基部431、先端部432、及び基部431と先端部432との間に配置され、基部431と先端部432とを連結する連結部433を有する。
先端部422,432は、ウェブ4に接触する部分である。具体的には、先端部422と先端部432とでウェブ4を挟み込んで保持する。基部421,431は、連結部423,433を介して先端部422,432を支持する部分である。連結部423,433は、それぞれ1つのばね、具体的には板ばねで構成されており、先端部422と先端部432とで挟み込んだウェブ4の張力に応じた変形量で変形する。センサ部450は、把持部材411Aの変形に応じた信号として、基部421に対する先端部422の変位量に応じた信号を制御システム700(図1)に出力する。
把持部材411A,412Aの材質は、例えば樹脂や金属(鋼、ステンレスなど)である。連結部423,433は、方向A1,A2の厚みが先端部422,432よりも薄く形成され、方向A1,A2に変形しやすい弾性部として機能する。
把持部材411Aが連結部423を有するので、把持部材411Aは、ウェブ4の張力により引っ張られる方向、図4では方向A2に変形しやすくなり、センサ部450において把持部材411Aの変形の検出精度が高まる。そして、把持部材412Aも連結部433を有することで、把持部材412Aも把持部材411Aと同様に変形するので、センサ部450を用いた張力の測定精度が向上する。
図5(a)は、把持部材411Aの動作を説明するための模式図である。本実施形態では、センサ部450は、基部421に対する先端部422の、方向A1と平行な方向、具体的には逆の方向A2の変位量xに応じた信号を、制御システム700に出力する。
図1に示す制御システム700の制御装置701(CPU711)は、センサ部450からの信号が示す変位量xを求め、予め実験等で求めておいた連結部423,433全体のばね係数kにより、張力の測定値Fを求める。具体的には、制御装置701(CPU711)は、F=k×xの演算式に従って張力の測定値Fを求める。この場合、k×xの演算を行ってもよいが、テーブルデータを用いて、xに対応するFを求めてもよい。
センサ部450は、把持部材411Aとは別の箇所に配置されていてもよいが、装置を小型化するには、把持部材411Aに配置されているのが好ましい。センサ部450は、連結部423に配置される歪ゲージであってもよいが、広いレンジで検出可能な光学式のリニアエンコーダであるのが好ましく、本実施形態では、光学式のリニアエンコーダである。センサ部450は、スケール451と、スケール451から位置情報を検出する検出ヘッド452とを有する。本実施形態では、スケール451と検出ヘッド452とは、基部421と先端部422との間に配置されている。スケール451は、基部421及び先端部422のうちの一方、本実施形態では先端部422に配置され、検出ヘッド452は、基部421及び先端部422のうちの他方、本実施形態では基部421に、スケール451と対向するように配置されている。検出ヘッド452の配線を考慮すると、検出ヘッド452は、基部421に配置するのが好ましい。
検出ヘッド452は、不図示の発光素子と不図示の受光素子とを有する反射型の光学センサで構成されており、変位量xに応じた信号を出力する。スケール451において検出ヘッド452に対向するパターン面には、不図示のスケールパターンが配置されている。スケールパターンは、例えば濃淡や反射率を特定のパターンで異ならせて配置することにより構成される。
なお、スケールパターンは、検出演算の方式によっては1条のみで構成されていてもよいが、例えば配置位相の異なる濃淡パターンを複数条配置して構成されていてもよい。スケールパターンのピッチは、位置検出に必要とされる分解能などに応じて決定すればよく、例えばμmオーダのピッチが好ましい。
張力測定に求められる張力の分解能をfとする。また、検出ヘッド452において検出可能なスケール451と検出ヘッド452との相対移動量の分解能をdとする。分解能fの張力が先端部422に作用したとき、連結部423が変形して生じるスケール451と検出ヘッド452との相対変位量をxとする。その場合、スケール451と検出ヘッド452との相対移動量の分解能dと相対変位量xとの関係は、
d≦x … (1)
である。
連結部423は、把持部材411Aにウェブ4の張力が作用したとき、変形の大部分を担う箇所であり、連結部423の寸法が張力測定精度に大きく影響する。図5(b)は、連結部423の説明図である。連結部423は、直方体形状の1枚の板ばねで構成されている。図5(b)に示すように、連結部423においてウェブ4の張力により引っ張られる方向A2の厚みをS、ウェブ面に平行でかつ方向A2に垂直な方向の幅をW、ウェブ面に垂直な方向、即ちウェブ4を把持する把持方向の高さをHとする。
本実施形態では、連結部423の厚みSと高さHを、把持部材411A,412Aに張力が作用した時の連結部423の変形量が上記の式(1)を満たすように設定する。
また、連結部423の厚みSと幅Wとは、
W≧2×S … (2)
を満たすように設定するのが好ましい。すなわち、連結部423は、幅Wよりも厚みSが小さく構成されるのが好ましい。このような寸法設定を採用することにより、連結部423は、張力により引っ張られる方向A2に関しては変形し易い低剛性、それ以外の方向、特に把持方向に関しては変形し難い高剛性となるように、連結部423の剛性に異方性を持たせることができる。
連結部423の高さHは、式(1)に示される必要分解能を満たす範囲内で、例えば幅Wよりも小さくするのが好ましい。これにより、ウェブの張力により引っ張られる方向A2以外の方向、特に把持方向に関しては変形し難い高剛性を確保し、ウェブの張力により引っ張られる方向A2に関しては必要分解能を満たす低剛性を得ることができる。
よって、把持部材411A,412Aは、方向A2には小さな張力によって大きな変形量を得ることができる。このため、光学式エンコーダであるセンサ部450を用いて高精度かつ高分解能に変位検出が可能であり、これにより張力測定の必要分解能が向上し、また張力測定の高精度化が可能となる。
把持部材411A,412Aは、張力により引っ張られる方向以外の方向、即ち把持方向の力に関しては変形しにくい高剛性を示す。このため、把持部材411A,412Aは、ウェブ4を把持する時に、把持方向に加わる把持力で変形を起こしにくくなり、把持力に起因したセンサ部450の検出誤差を低減することができる。また、把持部材411A,412Aは、把持力で変形しにくいことからウェブ把持時の片当たりが発生しにくくなる。したがって、把持部材411A,412Aに強い把持力が作用しても、把持部材411A,412Aにおいてウェブ4が滑りにくくなり、ウェブ4の加工精度の低下が防止される。
把持部材411A,412Aにおいて、基部421,431と、先端部422,432と、連結部423,433とを別部材とし、ねじ止め、接着、溶接などで結合する方法もあるが、これらを一体に形成するのが好ましい。その手法として、金属材や樹脂材の削り出し加工や鋳造などにより形成することが考えられる。基部、先端部及び連結部を一体に製造することにより、把持部材411A,412Aを高精度に製造することができ、センサ部450において基部に対する先端部の変位量を高精度に検出することが可能になる。また、一体で製作することで部品点数を少なくでき、装置コストを下げることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のウェブ加工装置について説明する。図6は、第3実施形態に係るウェブ加工装置の第1把持部の斜視図である。第3実施形態の第1把持部である把持部401Aは、第2実施形態と同様、把持部材411A,412Aと、把持部材411A,412Aを互いに近接又は離間する方向Zに開閉駆動する駆動機構403とを有する。
第2実施形態では、ウェブ加工装置が、一対の把持部材411A,412Aのうち、一方の把持部材411Aの変形を検出するように、把持部材411Aに対応するセンサ部450を備える場合について説明した。第3実施形態では、ウェブ加工装置は、一対の把持部材411A,412Aの両方の変形を検出するように、把持部材411Aに対応するセンサ部450と、把持部材412Aに対応するセンサ部460とを備える。第3実施形態のウェブ加工装置において、これ以外の構成は、第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
センサ部460は、センサ部450と同様の構成であり、スケール461と、検出ヘッド462とを有する。ウェブ4に生じる張力Fは、把持部材411Aの変位量をx1、把持部材411Aのばね係数をk1、把持部材412Aの変位量をx2、把持部材412Aのばね係数をk2とすると、F=k1×x1+k2×x2で求まる。したがって、第3実施形態では、図1に示す制御システム700の制御装置701(CPU711)は、F=k1×x1+k2×x2で張力の測定値を求める。
第3実施形態によれば、複数のセンサ部450,460が、複数の把持部材411A,412Aに配置されることで、複数のセンサ部450,460が、把持部材411A,412Aの互いに近接又は離間する方向に、互いに対向して配置されている。制御装置701(CPU711)は、各センサ450,460からの信号により、ウェブ4の表面と裏面それぞれの張力を求めることができるので、ウェブ4の張力を高精度に求めることができ、もってウェブ4に高精度な加工を施すことができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のウェブ加工装置について説明する。図7は、第4実施形態に係るウェブ加工装置の第1把持部の把持部材の模式図である。第4実施形態の第1把持部の複数の把持部材のうちの把持部材411Bは、第1~第3実施形態の把持部材411,411Aと構成が異なる。
把持部材411Bは、基部421と、先端部422と、基部421と先端部422とを連結する連結部423Bとを有する。基部421と、先端部422との間には、スケール451及び検出ヘッド452を有する第2実施形態と同様の構成のセンサ部450が配置されている。
連結部423Bは、第2,第3実施形態の連結部423と異なり、複数、第4実施形態では2つのばねを含んでいる。各ばねは、第2,第3実施形態の連結部423を構成するばねと同じ構成である。連結部423Bを構成する複数のばねは、方向A1,A2に間隔をあけて並設されている。なお、複数の把持部材のうち把持部材411Bについて説明したが、他の把持部材も、把持部材411Bと同様、基部、先端部及び連結部を有する構成であるのが好ましい。
第4実施形態では、連結部423Bは複数のばねを有する。このため、把持部材411Bの先端部422は、ウェブ4を引き出す方向A1と平行を保った状態で変位しやすくなる。これにより、スケール451と検出ヘッド452の光学的距離を一定に保つことができ、ウェブ4の加工精度が低下するのを効果的に防止することができる。
なお、第4実施形態では、把持部材411Bにセンサ部450が配置されているが、第3実施形態のように、他の把持部材にもセンサ部が配置されているのが好ましい。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態のウェブ加工装置について説明する。図8は、第5実施形態に係るウェブ加工装置の第1把持部の斜視図である。第5実施形態の第1把持部である把持部401Cは、把持部材411C,412Bと、把持部材411C,412Bを互いに近接又は離間する方向Zに開閉駆動する、第1実施形態と同様の駆動機構403とを有する。
把持部材411Cは、第4実施形態と同様、基部421、先端部422及び連結部423Bを有する。把持部材412Bは、基部431、先端部432、及び基部431と先端部432とを連結する連結部433Bを有する。連結部433Bは、連結部423Bと同様の構成であり、複数、第5実施形態では2つのばねを有する。
把持部材411Cは、センサ部450のスケール及び検出ヘッドのうちの一方を支持する支持部材471Cを更に有する。支持部材471Cは、基部421又は先端部422、第5実施形態では基部421に、連結部423Bと間隔をあけて固定されている。
図9は、把持部材411Cにおける連結部423Bから支持部材471Cを取り外した状態を示す斜視図である。図9に示すように、センサ部450の検出ヘッド452が支持部材471Cに取り付けられ、スケール451が先端部422に取り付けられる。
本実施形態では、支持部材471Cが、一対の側板と、一対の側板をつなぐ底板とで構成されたU字形状の部材であり、底板に検出ヘッド452が固定される。そして、支持部材471Cが、連結部423Bの2つのばねの間に配置され、基部421に固定される。
このように、基部421又は先端部422に固定される支持部材471Cに、スケール451又は検出ヘッド452が固定されるので、スケール451と検出ヘッド452との距離が短くなる。これにより、検出光の減衰量が低減され、検出ヘッド452において検出される変位量の分解能を向上させることができる。また、検出ヘッド452が支持部材471Cに囲われることで、検出ヘッド452に埃が付着しにくくなる。
なお、連結部423Bと支持部材471Cとで形成される図8に示す隙間C1に、高伸縮性を有する不図示のフィルム材等を配置して隙間C1を埋めてもよい。これにより、スケール451及び検出ヘッド452に埃が付着しにくくなる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態のウェブ加工装置について説明する。図10は、第6実施形態に係るウェブ加工装置の第1把持部の斜視図である。第6実施形態の第1把持部である把持部401Dは、把持部材411C,412Cと、把持部材411C,412Cを互いに近接又は離間する方向Zに開閉駆動する、第1実施形態と同様の駆動機構403とを有する。
把持部材411Cは、第5実施形態で説明した通りの構成であり、支持部材471Cを有し、支持部材471Cには、センサ部450のスケール及び検出ヘッドのうち、一方が支持されている。
第6実施形態では、把持部材411Cと同様、把持部材412Cにもセンサ部460が設けられており、把持部材412Cは、把持部材411Cと同様、支持部材481Cを有する。支持部材481Cには、センサ部460のスケール及び検出ヘッドのうち、一方が支持されている。支持部材481Cは、一対の側板と、一対の側板をつなぐ底板とで構成されたU字形状の部材であり、底板にスケール又は検出ヘッドが固定される。支持部材481Cにより、センサ部450と同様、センサ部460における検出精度が向上する。また、支持部材481Cにより、センサ部460に埃が付着するのを防止することができる。なお、連結部433Bと支持部材481Cとで形成される隙間に、高伸縮性を有する不図示のフィルム材等を配置して隙間を埋めてもよい。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態のウェブ加工装置について説明する。図11は、第7実施形態に係るウェブ加工装置100Eの斜視図である。ウェブ加工装置100Eは、幅広のウェブ4からなるウェブロール2を支持する、第1実施形態と同様の構成の支持機構200と、第1実施形態と同様の構成の張力付加機構300と、第1実施形態と同様の構成の加工機構500と、を備える。また、ウェブ加工装置100Eは、第1実施形態と同様の構成の制御システム700を備える。
第7実施形態では、幅広のウェブ4に対応して、ウェブ加工装置100Eは、第1~第6実施形態のいずれかの第1把持部と同様の構成の第1把持部を複数備える引出機構400Eを有する。各第1把持部には、第1~第6実施形態で説明したセンサ部が設けられている。引出機構400Eに含まれる複数の第1把持部は、ウェブ4の幅方向の両側に分かれて配置されている。
第7実施形態では、引出機構400Eは、複数の第1把持部として、2つの把持部401E1,401E2を有する。把持部401E1は、ウェブ4の幅方向の一方側、把持部401E2は、ウェブ4の幅方向の他方側に配置されている。2つの把持部401E1,401E2により、ウェブ4の幅方向の両端部が把持されることになる。
よって、第7実施形態によれば、幅広のウェブ4であっても、複数の把持部401E1,401E2によりウェブ4が把持されるので、ウェブ4が垂れ下がるのを防止でき、加工機構により高精度に加工することができる。
なお、ウェブ加工装置100Eは、複数の第2把持部である複数の把持部601E1,601E2を有する固定把持機構600Eを備える。複数(本実施形態では2つ)の把持部601E1,601E2は、第1把持部と同様、ウェブ4の幅方向の両側に分かれて配置されている。具体的には、把持部601E1は、ウェブ4の幅方向の一方側、把持部601E2は、ウェブ4の幅方向の他方側に配置されている。
2つの把持部401E1,401E2を搭載したウェブ加工装置100Eは、ウェブ4が蛇行した時に発生するウェブ4の幅方向の端部における張力差を検知することができる。すなわち、把持部401E1,401E2には、それぞれセンサ部が配置されているので、ウェブ4の幅方向の一方の端部と、ウェブ4の幅方向の他方の端部との張力差を、制御システム700により計測することができる。両方の把持部401E1,401E2それぞれに、蛇行補正機構414を設けることで、左右の張力の偏りに応じて、蛇行を補正することが可能になる。蛇行補正機構414は、例えば、エアシリンダや単軸ロボットを駆動機構403に搭載することで実現する。蛇行補正機構414は、ウェブ4の蛇行に応じて、蛇行を解消する方向に動作し、蛇行補正を行う。
なお、第7実施形態では、引出機構400Eが2つの把持部401E1,401E2を有する場合について説明したがこれに限定するものではない。第1把持部を1つ有する引出機構を、ウェブ4の幅方向に2つ配置してもよい。この構成によっても、ウェブ4の蛇行検出及び蛇行補正を行うことが可能である。ウェブ蛇行検出の原理は、第7実施形態と同様であるが、この方法の場合、左右の把持部は、それぞれの独立した引出機構に搭載されているため、独立して駆動することができ、蛇行補正機構414を搭載することなく蛇行補正を行うことができる。上記のような構成により、ウェブの蛇行検出および蛇行補正が可能となり、ウェブの加工精度を向上させることができる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態のウェブ加工装置について説明する。図12は、第8実施形態に係るウェブ加工装置100Fの説明図である。第8実施形態におけるウェブ加工装置100Fは、第1~第7実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Fの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Fは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Fと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Fは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
ウェブロール2からウェブ4を引き出し、高精度にウェブ4を加工するには、一定の張力をウェブ4に付加する必要がある。そのため、制御システム700Fは、ウェブ4に生じる張力が目標値から外れた場合、モータ312のトルクを制御することで、一定の張力をウェブ4に付加するように制御する。
第8実施形態における制御部の一例である制御システム700Fは、指令部である制御装置701Fと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Fのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Fにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図12には、この制御装置701Fにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701FのCPU711(図1)は、予めROM712(図1)などに格納されたプログラムを実行することにより、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。
測定部721は、把持部401に設けられたセンサ部430から、ウェブ4に付加された張力に応じた信号を取得して、この信号からウェブ4に生じる張力の測定値Fを求める。
減算部722及び張力制御部723は、P制御、PI制御又はPID制御などにより、張力を目標値F*に近づけるようにフィードバック制御を行う。具体的に説明すると、減算部722は、張力の測定値Fと目標値F*との偏差ΔFを求める。張力制御部723は、偏差ΔFに応じて、張力を目標値F*に近づけるトルク指令値τ0
*を求める。張力の目標値F*は、入力装置800によってユーザが設定する。
ウェブ4を高速に引き出す際、ウェブ4の引き出し速度とモータ312の巻出し速度とに速度差が生じると、ウェブロール2のイナーシャ(慣性力)により、ウェブ4が伸縮し、張力の振動(時間変化)が発生することがある。張力の振動が発生すると、引き出し後も張力の振動が続き、加工する位置が定まらないため、張力が目標値に収束するまで、加工を待機させておく必要がある。
そこで、本実施形態では、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726により、測定値Fの時間変化量に応じてトルク指令値τ0
*を補正し、補正したトルク指令値τ*を生成する。
具体的に説明すると、微分演算部724は、張力の測定値Fの時間変化量として、以下の式(3)を用いて、時間微分の演算を行う。ここで、現在の時刻をT
n[s]、1つ前の周期の時刻をT
b[s]、1つ前の周期で測定した張力の測定値をF
b[N]、現在の時刻で測定した張力の測定値をF
n[N]、張力値を時間微分した値をF(・)[N/s]とする。なお、式(3)におけるFの上付きドットは、時間の一階微分を示し、文章中は、便宜上(・)で表記する。時間微分は、一定の周期、例えば上述の10[ms]で行われる。
ゲイン乗算部725は、時間変化量F(・)に、ゲイン値Gを乗算することにより、補正値τRを求める(τR=F(・)×G)。ここで、ゲイン値Gは、トルク指令値の次元に変換するためのものであり、予め決められた値であり、定数である。加算部726は、補正値τRをトルク指令値τ0
*に加える補正を行い、トルク指令値τ*を求める(τ*=τ0
*+τR)。
ドライバ702は、トルク指令値τ*に対応するトルクを張力付加機構300のモータ312に発生させて、張力付加機構300においてウェブ4に付加させる張力を調整する。具体的には、ドライバ702は、トルク指令値τ*に応じた電流をモータ312へ出力し、モータ312が発生するトルクを制御する。
トルク指令値τ0
*により、モータ312を、ウェブ4を引き出す方向A1とは逆の方向A2に駆動して、ウェブ4を方向A2に引っ張り、ウェブ4に張力を付与するのに必要なトルクを発生させる。そして、補正値τRにより、トルク指令値τ0
*を、振動する張力が目標値F*に早く収束するように微調整するものである。
具体的には、振動する張力によりウェブ4の張力が強くなった時には、その変化量に相当するトルクでウェブロール2を巻き出し、ウェブ4を緩めることで、張力の増加を打消し、張力の振動を抑制する。そのため、ウェブロール2から引き出したウェブ4の伸縮により発生する張力の振動が早く整定(収束)される。これにより、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
図13は、第8実施形態のウェブ加工装置における張力変動を示すグラフである。図26は、比較例のウェブ加工装置における張力変動を示すグラフである。なお、比較例のウェブ加工装置は、図12において、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726を省略したものである。
図13及び図26には、張力の目標値F*=0.4[N]として、実験を行った結果を示している。図13及び図26において、横軸は時間[s]、縦軸は張力[N]を表している。また、目標値の±1%の範囲に振動が収まった場合を、張力の振動が整定した、即ち張力が目標値に収束したとする。また、張力制御部723におけるフィードバック制御は、PI制御として実験を行った。
図26に示すように、比較例では、引き出しが終わった時刻から振動が整定する時刻までの時間(以下、整定時間)が、0.8[s]であることがわかる。これに対して、図13に示すように、第8実施形態では、補正値τRでトルク指令値τ0
*を補正することで、整定時間が0.6[s]となり、比較例に比べて0.2[s]短くなっていることがわかる。これにより、第8実施形態によれば、張力が目標値に収束する時間、即ち整定時間が短縮されることが確認できる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態のウェブ加工装置について説明する。図14は、第9実施形態に係るウェブ加工装置100Gの説明図である。第9実施形態におけるウェブ加工装置100Gは、第1~第8実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Gの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Gは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Gと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Gは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第9実施形態における制御部の一例である制御システム700Gは、指令部である制御装置701Gと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Gのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Gにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図14には、この制御装置701Gにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701GのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727G、ゲイン演算部729G及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727G、ゲイン演算部729G及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定するものではない。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726は、第8実施形態で説明した通りに処理を行う。
第9実施形態では、ゲイン演算部729Gは、時間変化量F(・)に乗算するゲイン値Gを、基準位置に対する方向A1のウェブ4の引き出し距離に応じて変更する。ウェブ4の引き出し距離は、把持部401が基準位置に対して方向A1に移動する距離である。距離演算部727Gは、ウェブ4の引き出し距離を演算する。
図15(a)は、引出機構によりウェブを引き出すときの模式図であり、図15(b)は、図15(a)に示す引き出し距離の場合に発生する振動を模式的に示すグラフである。図15(c)は、引出機構によりウェブを引き出すときの模式図であり、図15(d)は、図15(c)に示す引き出し距離の場合に発生する振動を模式的に示すグラフである。図15(d)には、図15(a)よりも更にウェブ4を引き出した状態を図示している。ウェブ4が引き出されると、ウェブ4が伸縮して、ばねのように振動が発生する。図15(a)から図15(c)のように、ウェブ4を引き出した距離が長くなると、ばねが長くなるのと同様に、図15(b)から図15(d)のように、伸縮量(変位量)も大きくなる。
ウェブ4の張力の振動を抑えるためには、ウェブ4の変位量に合わせたトルク指令値τ*を、モータ312を駆動するドライバ702に与える必要があり、そのためには、ウェブ4の引き出し距離に応じて補正値τRを変える必要がある。
そこで、本実施形態では、ゲイン演算部729Gは、ウェブ4の引き出し距離が長くなるのに応じて、ゲイン値Gが大きくなるように変更する。これにより、ウェブ4の張力の振動がより早く整定され、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
図16は、第9実施形態のウェブ加工装置における張力変動を示すグラフである。図16には、張力の目標値F*=0.4[N]として、実験を行った結果を示している。図16において、横軸は時間[s]、縦軸は張力[N]を表している。また、目標値の±1%の範囲に振動が収まった場合を、張力の振動が整定した、即ち張力が目標値に収束したとする。また、張力制御部723におけるフィードバック制御は、PI制御としてシミュレーションを行った。
図16に示すように、第9実施形態では、補正値τRを求めるゲイン値Gを、ウェブ4の引き出し距離に応じて変更することで、整定時間が0.1[s]となり、第8実施形態と比べて0.5[s]短くなっていることがわかる。これにより、第9実施形態によれば、張力が目標値に収束する時間、即ち整定時間が、更に短縮されることが確認できる。
本実施形態では、距離演算部727Gは、ウェブ4の引き出し距離を求める。具体的に説明すると、距離演算部727Gは、引出機構400の駆動機構402に指令する駆動指令値に基づいてウェブ4の引き出し距離を推定する。つまり、駆動機構402は、把持部401を駆動指令値に従って制御を行っているので、この駆動指令値により把持部401の移動距離、即ちウェブ4の引き出し距離を求めることができる。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態のウェブ加工装置について説明する。図17は、第10実施形態に係るウェブ加工装置100Hの説明図である。第10実施形態におけるウェブ加工装置100Hは、第1~第9実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Hの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Hは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Hと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Hは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第10実施形態における制御部の一例である制御システム700Hは、指令部である制御装置701Hと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Hのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Hにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図17には、この制御装置701Hにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701HのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727H、ゲイン演算部729G及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727H、ゲイン演算部729G及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定するものではない。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726は、第8実施形態で説明した通りに処理を行い、ゲイン演算部729Gは、第9実施形態で説明した通りに処理を行う。
第10実施形態では、距離演算部727Hにおける距離を求める方法が、第9実施形態の距離演算部727Gにおける距離を求める方法と異なる。即ち、引出機構400の駆動機構402には、エンコーダ901が設けられている。エンコーダ901は、例えばリニアエンコーダである。エンコーダ901は、把持部401の移動位置に応じたエンコーダ値を出力する。距離演算部727Hは、エンコーダ値を取得し、エンコーダ値に基づいてウェブ4の引き出し距離を求める。
第10実施形態では、第9実施形態と同様、ウェブ4の引き出し距離を求めることができ、ゲイン演算部729Gは、第9実施形態と同様、ウェブ4の引き出し距離に応じてゲイン値Gを変更する。これにより、第10実施形態によれば、第9実施形態と同様、張力の振動がより早く整定され、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
なお、エンコーダ901の代わりに、モータに設けられたロータリエンコーダ、又はレーザ測定器などを用いて、把持部401の移動距離、即ちウェブ4の引き出し距離を求めてもよい。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態のウェブ加工装置について説明する。図18は、第11実施形態に係るウェブ加工装置100Iの説明図である。第11実施形態におけるウェブ加工装置100Iは、第1~第10実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Iの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Iは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Iと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Iは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第11実施形態における制御部の一例である制御システム700Iは、指令部である制御装置701Iと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Iのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Iにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図18には、この制御装置701Iにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701IのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727I、ゲイン演算部729G及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727I、ゲイン演算部729G及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定するものではい。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726は、第8実施形態で説明した通りに処理を行い、ゲイン演算部729Gは、第9実施形態で説明した通りに処理を行う。
第11実施形態では、距離演算部727Iにおける距離を求める方法が、第9実施形態の距離演算部727G、又は第10実施形態の距離演算部727Hにおける距離を求める方法と異なる。即ち、ロール径測定器の一例である距離センサ902を用いて、ウェブロール2の径を測定する。また、回転角度測定器の一例であるエンコーダ903を用いて、ウェブロール2の回転角度を測定する。距離演算部727Iは、ウェブロール2の径の測定値と回転角度の測定値を用いて、ウェブ4の引き出し距離を演算する。
距離センサ902は、ターゲットとなるウェブロール2の外周面にLED等のレーザ光源からレーザ光を照射するとともに、そのレーザ光の反射光を受光部で受光する。これにより、距離センサ902からロール外周面までの距離を測定することができる。距離センサ902からウェブロール2の外周面までの距離は、ウェブロール2の外径が大きくなるほど小さくなる。したがって、距離センサ902は、例えばウェブロール2の回転中に距離センサ902からウェブロール2の外周面までの距離を、所定の時間刻み、例えばウェブロール2の回転周期の1/nの時間刻みで連続的にサンプリングする。例えば、n=10回にわたってサンプリングする。距離センサ902は、この測定結果をサンプリング回数nで割って平均値を求めることにより、ウェブロール2の外径を測定する。なお、距離センサ902として、レーザ光を用いた非接触式のセンサの場合について説明したが、接触式のセンサであってもよく、ウェブロール2の径を測定できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
エンコーダ903は、ウェブロール2の回転角度を測定するのに用いるものであり、例えばモータ312に設けられたロータリエンコーダである。なお、エンコーダ903は、ロータリエンコーダに限定するものではない。また、回転角度測定器は、エンコーダ903に限らず、ウェブロール2の回転角度を測定するものであれば、いかなるものを用いてもよい。
距離演算部727Iは、ウェブロール2の径とウェブロール2の回転角度から、ウェブ4の引き出し距離を演算する。演算方法は以下の通りになる。ウェブロール2の半径をra[m]、ウェブロール2の回転角度をθa[rad]とする。距離演算部727Iは、ウェブ4の引き出し距離を、ra×θa[m]で求める。
第11実施形態では、第9、第10実施形態と同様、ウェブ4の引き出し距離を求めることができ、ゲイン演算部729Gは、第9、第10実施形態と同様、ウェブ4の引き出し距離に応じてゲイン値Gを変更する。これにより、第11実施形態によれば、第9、第10実施形態と同様、張力の振動がより早く整定され、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態のウェブ加工装置について説明する。図19は、第12実施形態に係るウェブ加工装置100Jの説明図である。第12実施形態におけるウェブ加工装置100Jは、第1~第11実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Jの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Jは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Jと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Jは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第12実施形態における制御部の一例である制御システム700Jは、指令部である制御装置701Jと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Jのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Jにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図19には、この制御装置701Jにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701JのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727J、ゲイン演算部729G及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、距離演算部727J、ゲイン演算部729G及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定するものではない。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726は、第8実施形態で説明した通りに処理を行い、ゲイン演算部729Gは、第9実施形態で説明した通りに処理を行う。
第12実施形態では、距離演算部727Jにおける距離を求める方法が、第9~第11実施形態の距離演算部727G,727H,727Iにおける距離を求める方法と異なる。即ち、距離演算部727Jは、引出機構400からの起動中信号を受信し、この信号がオンしている間、内部カウンタにより計時することによって、引き出し時間を測定する。また、距離演算部727Jは、引出機構400に設けた速度計904から、ウェブ4の引き出し速度、即ち把持部401の移動速度の値を取得する。距離演算部727Jは、測定した引き出し時間を用いて、ウェブ4の引き出し距離を演算する。ウェブ4の引き出し距離の演算方法は以下の通りである。即ち、距離演算部727Jは、引き出し速度をvb[m/s]、測定した引き出し時間をtb[s]、引き出し距離をLb[m]とすると、Lb=vb×tb[m]で引き出し距離を求める。
第12実施形態では、第9~第11実施形態と同様、ウェブ4の引き出し距離を求めることができ、ゲイン演算部729Gは、第9~第11実施形態と同様、ウェブ4の引き出し距離に応じてゲイン値Gを変更する。これにより、第12実施形態によれば、第9~第11実施形態と同様、張力の振動がより早く整定され、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
[第13実施形態]
次に、第13実施形態のウェブ加工装置について説明する。図20は、第13実施形態に係るウェブ加工装置100Kの説明図である。第13実施形態におけるウェブ加工装置100Kは、第1~第12実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Kの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Kは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Kと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Kは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第13実施形態における制御部の一例である制御システム700Kは、指令部である制御装置701Kと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Kのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Kにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図20には、この制御装置701Kにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701KのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、ロール径演算部727K、ゲイン演算部729K及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、ロール径演算部727K、ゲイン演算部729K及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726は、第8実施形態で説明した通りに処理を行う。
第13実施形態では、ロール径演算部727Kは、ウェブロール2の径のデータを事前にパラメータとして求めておく。ゲイン演算部729Kは、ロール径演算部727Kから取得したウェブロール2の径を用いて、ゲイン値Gを決定する。具体的には、ゲイン演算部729Kは、ゲイン値Gを、ウェブロール2の径が小さくなるのに応じて、小さくなるように変更する。即ち、ウェブロール2の径が小さくなるほど、イナーシャが小さくなるため、それに応じて、ゲイン値Gを小さくする。
ゲイン演算部729Kによって演算されたゲイン値Gは、ゲイン乗算部725において微分演算により求められた時間変化量F(・)と乗算されて、加算部726においてトルク指令値τ0
*に加算され、補正されたトルク指令値τ*が求められる。
第13実施形態によれば、ウェブロール2から引き出したウェブ4の伸縮により発生する張力の振動が早く整定(収束)される。これにより、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
図21は、第13実施形態のウェブ加工装置における張力変動を示すグラフである。図21には、張力の目標値F*=0.4[N]として、実験を行った結果を示している。図21において、横軸は時間[s]、縦軸は張力[N]を表している。また、目標値の±1%の範囲に振動が収まった場合を、張力の振動が整定した、即ち張力が目標値に収束したとする。また、張力制御部723におけるフィードバック制御は、PI制御として実験を行った。
図21に示すように、第13実施形態では、補正値τRを求めるゲイン値Gを、ウェブロール2の径に応じて変更することで、整定時間が0.3[s]となり、第8実施形態と比べて0.3[s]短くなっていることがわかる。これにより、第13実施形態によれば、張力が目標値に収束する時間、即ち整定時間が、更に短縮されることが確認できる。
[第14実施形態]
次に、第14実施形態のウェブ加工装置について説明する。図22は、第14実施形態に係るウェブ加工装置100Lの説明図である。第14実施形態におけるウェブ加工装置100Lは、第1~第13実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Lの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Lは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Lと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Lは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第14実施形態における制御部の一例である制御システム700Lは、指令部である制御装置701Lと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Lのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Lにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図22には、この制御装置701Lにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701LのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、ロール径演算部727L、ゲイン演算部729K及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、ロール径演算部727L、ゲイン演算部729K及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726は、第8実施形態で説明した通りに処理を行い、ゲイン演算部729Kは、第13実施形態で説明した通りに処理を行う。
第14実施形態では、ロール径演算部727Lにおいてウェブロール2の径を求める方法が、第13実施形態のロール径演算部727Kにおいてウェブロール2の径を求める方法と異なる。即ち、ロール径演算部727Lは、ロール径測定器の一例である距離センサ902を用いて、ウェブロール2の径を測定する。このような構成にすることで、稼働中に変化する、ウェブロール2の径の大きさに応じたフィードバック値を、ゲイン演算部729Kに与えることができ、張力の振動をより早く整定することができる。これにより、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
[第15実施形態]
次に、第15実施形態のウェブ加工装置について説明する。図23は、第15実施形態に係るウェブ加工装置100Mの説明図である。第15実施形態におけるウェブ加工装置100Mは、第1~第14実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Mの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Mは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Mと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Mは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第15実施形態における制御部の一例である制御システム700Mは、指令部である制御装置701Mと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Mのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Mにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図23には、この制御装置701Mにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701MのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、ロール径演算部727M、ゲイン演算部729K及び加算部726として機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、ロール径演算部727M、ゲイン演算部729K及び加算部726を、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725及び加算部726は、第8実施形態で説明した通りに処理を行い、ゲイン演算部729Kは、第13実施形態で説明した通りに処理を行う。
第15実施形態では、ロール径演算部727Mにおいてウェブロール2の径を求める方法が、第13及び第14実施形態のロール径演算部727K,727Lにおいてウェブロール2の径を求める方法と異なる。即ち、ロール径演算部727Mは、エンコーダ901を用いてウェブ4の引き出し距離を測定し、エンコーダ903を用いてウェブロール2の回転角度を測定し、これらの測定結果から、ウェブロール2の径を求める。
具体的な演算について説明する。測定したウェブ4の引き出し距離をLc[m]、測定したウェブロール2の回転角度をθc[rad]、ウェブロール2の半径をrc[m]とする。ロール径演算部727Mは、換算式Lc=rc×θc[m]に従って、ウェブロール2の半径を求める。
このような構成にすることで、稼働中に変化する、ウェブロール2の径の大きさに応じたフィードバック値を、ゲイン演算部729Kに与えることができ、張力の振動をより早く整定することができる。これにより、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
また、第15実施形態では、ウェブロール2の径の測定に、レーザ光を用いないので、ウェブ4が透明であっても、誤検出することがない。また、接触式のリニアゲージを用いないので、ウェブロール2の外周面にリニアゲージを当てる必要がなく、接触痕がウェブ4に形成されるのを防ぐことができる。
[第16実施形態]
次に、第16実施形態のウェブ加工装置について説明する。図24は、第16実施形態に係るウェブ加工装置100Nの説明図である。第16実施形態におけるウェブ加工装置100Nは、第1~第15実施形態におけるウェブ加工装置と制御が異なる。なお、ウェブ加工装置100Nの制御部以外の構成は、ウェブ加工装置100と同様とし、同一符号を用いて詳細な説明は省略する。
ウェブ加工装置100Nは、張力付加機構300と、引出機構400と、加工機構500と、制御システム700Nと、入力装置800と、を備える。引出機構400は、第1実施形態で説明した通り、把持部401を有する。把持部401は、駆動機構402により、ウェブ4を引き出す方向A1と、方向A1とは逆の方向A2とのいずれかの方向に駆動される。張力付加機構300のモータ312は、本実施形態ではサーボモータとする。制御システム700Nは、ウェブ4を引き出す方向A1または逆の方向A2に発生させるトルクを制御する。
第16実施形態における制御部の一例である制御システム700Nは、指令部である制御装置701Nと、駆動制御部である第1実施形態と同様の構成のドライバ702と、を有する。制御装置701Nのハード構成は、図1に示す制御装置701と同様である。本実施形態では、制御装置701Nにおける制御を、一定周期(例えば、1ms周期)で行う。図24には、この制御装置701Nにおける制御動作を、機能ブロックで示している。制御装置701NのCPU711(図1)は、プログラムに従って動作することで、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、加速度演算部727N、ゲイン乗算部729N及び加算部726Nとして機能する。
なお、測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724、ゲイン乗算部725、加速度演算部727N、ゲイン乗算部729N及び加算部726Nを、コンピュータの機能により実現する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、これらの機能を、論理回路などの電気回路で実現してもよい。測定部721、減算部722、張力制御部723、微分演算部724及びゲイン乗算部725は、第8実施形態で説明した通りに処理を行う。
第16実施形態では、微分演算部724、ゲイン乗算部725、加速度演算部727N、ゲイン乗算部729N及び加算部726Nにより、トルク指令値τ0
*を時間変化量F(・)及び把持部401の方向A1の加速度aに応じて補正する。
加速度演算部727Nは、加速度aを、エンコーダ901を用いて測定する。具体的には、加速度演算部727Nは、ウェブ4の引き出し距離を示すエンコーダ901からのエンコーダ値を、時間で二階微分することにより求める。なお、加速度測定器としてエンコーダ901を用いる場合について説明したが、これに限定するものではなく、速度計を用いて時間で一階微分してもよいし、加速度計を用いてもよい。
ゲイン乗算部729Nは、加速度aにゲイン値G2を乗算して補正値a×G2を求める。加算部726Nは、トルク指令値τ0
*に、補正値F(・)×Gと、補正値a×G2とを加算して、補正したトルク指令値τ*を求める。このように、トルク指令値τ0
*を加速度aに応じて補正することで、張力の振動がより早く整定され、振動が整定するまで加工機構500を待機させておく時間を短くすることができ、加工品の生産性が向上する。
図25は、第16実施形態のウェブ加工装置における張力変動を示すグラフである。図25には、張力の目標値F*=0.4[N]として、実験を行った結果を示している。図25において、横軸は時間[s]、縦軸は張力[N]を表している。また、目標値の±1%の範囲に振動が収まった場合を、張力の振動が整定した、即ち張力が目標値に収束したとする。また、張力制御部723におけるフィードバック制御は、PI制御として実験を行った。
図25に示すように、第16実施形態では、整定時間が0.05[s]となり、第8実施形態と比べて0.55[s]短くなっていることがわかる。これにより、第16実施形態によれば、張力が目標値に収束する時間、即ち整定時間が、更に短縮されることが確認できる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
上述の実施形態では、センサ部からの信号からウェブに生じる張力の測定値を求め、この測定値を用いてフィードバック制御する場合について説明したが、これに限定するものではない。センサ部から出力される信号が示す値を、力に換算しなくてもよく、この信号が示す値そのもの、又は適宜の換算処理を施した値でフィードバック制御してもよい。即ち、センサ部が出力する信号に対応する値を用いてフィードバック制御すればよい。
また、上述の第8~第16実施形態では、第1把持部及びセンサ部を第1実施形態の構成としたが、これに限定するものではない。第8~第16実施形態において、第1把持部及びセンサ部を第2~第7実施形態の構成としてもよい。