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JP7172981B2 - 透明電極用基材フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

透明電極用基材フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明電極用基材フィルム、およびその製造方法に関する。
スマートフォン、タブレット端末、車載機器等のタッチパネル用の電極基材フィルムとしては、従来、ポリエチレンテレフタラートやシクロオレフィンポリマー等の樹脂が多く用いられている(例えば、特開2014-67187号公報を参照)。
このような用途の電極基材フィルムの上には、真空成膜工程を経て電極材料のITO等からなる膜が形成される。真空成膜工程では、最高温度が250℃以上となる場合がある。したがって、電極基材フィルムは、高い耐熱性と寸法安定性とを有することが求められる。また、電極基材フィルムは、高い折り曲げ耐性を有することも求められる。
これらの要求に対して、電極基材として用いられる透明導電性フィルムにポリイミドまたはポリアリレート等の耐熱性樹脂を用いる技術が提案されている(例えば、特開2016-177821号公報を参照)。
しかしながら、特開2016-177821号公報に記載の技術では、透明導電性フィルムに色ムラが発生することや、長期間使用しているとタッチパネルの打鍵性能が悪くなる等の問題があった。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、色ムラが抑えられ、且つ長期間使用してもタッチパネルの打鍵性能が維持できる透明電極用基材フィルムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記透明電極用基材フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題について鋭意検討を行った。その過程で、耐熱性樹脂等を含む基材フィルムに対して真空成膜処理を施す際に、基材フィルムに微小なつれが発生することが上記問題の原因となっていることを見出した。より具体的な原因は、以下のように推測される。すなわち、基材フィルムを真空状態で、且つ高温で処理する際に、基材フィルムと真空成膜装置のキャンロール(冷却ロール)との間に不均一に力が発生し、その力の作用によって基材フィルム上に微小なつれが生じると考えられる。そして、この微小なつれによって、基材フィルム上に電極を形成する際、電極材料の蒸着膜が不均一となり、色ムラが生じたのではないかと考えられる。また、タッチパネルを長期間使用した後に、この微細なつれによって基材フィルムと電極とが剥離するため、タッチパネルの打鍵性能が低下すると考えられる。
そこで、本発明者は、上記推測に基づき検討した結果、ガラス転移温度が所定の値以上である耐熱性樹脂を含み、かつ少なくとも片方の表面のRaを所定の範囲とした基材フィルムを用いることで、キャンロールと基材フィルムとの接触面に微細な浮きができ、基材フィルムの色ムラ、および長期間使用後の打鍵性能の悪化の問題を改善することに成功した。
より具体的には、本発明者は、ガラス転移温度(Tg)が180℃以上である耐熱性樹脂を含み、少なくとも片面の算術平均粗さRaが0.5nm以上、4.0nm以下である透明電極用基材フィルムを用いることにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成するに至った。
フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。 基材フィルムの型押し処理の過程を示す図である。 基材フィルムの型押し処理装置の一部を示す図である。
本発明の一実施形態は、ガラス転移温度が180℃以上である耐熱性樹脂を含み、少なくとも片面の算術平均粗さRaが0.5nm以上、4.0nm以下である、透明電極用基材フィルムである。
かような透明電極用基材フィルムによれば、色ムラが抑えられ、且つ長期間使用してもタッチパネルの打鍵性能が維持できる。
以下、本発明に係る透明電極用基材フィルム、およびその製造方法について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%の条件で測定する。
<透明電極用基材フィルム>
本発明の透明電極用基材フィルム(以下、単に「基材フィルム」とも称する)は、ガラス転移温度(Tg)が180℃以上である耐熱性樹脂を含み、少なくとも片面の算術平均粗さRaが0.5nm以上、4.0nm以下である。かかる構成によって、基材フィルムの色ムラが抑えられ、且つ長期間使用してもタッチパネルの打鍵性能が維持できる。
本発明に係る基材フィルムがタッチパネル等の用途で用いられる場合、電極を作製する工程において、150℃を超えるような高温に曝されて、真空成膜処理が行われることがある。特に、キャンロールを有する装置により電極を製造する場合、基材フィルムは常にある程度の張力が印加されている。もし、プロセス温度(150℃を超えるような高温)が基材フィルムのガラス転移温度よりも高い場合、基材フィルムの弾性率が急激に低下するため、このときさらに張力が印加されると、張力により基材フィルムが伸び、基材フィルムがダメージを受ける懸念がある。こうした点から、本発明に係る基材フィルムは、180℃以上のガラス転移温度を有する耐熱性樹脂を含む。
また、従来のような基材フィルムを真空状態で且つ高温で処理する際に、基材フィルムと装置のキャンロール(冷却ロール)との間に不均一に力が発生し、その力の作用によって基材フィルム上に微小なつれが生じると考えられる。この微小なつれにより、基材フィルムの性能が低下すると、本発明者は考えた。そこで、本発明者は鋭意検討した結果、基材フィルムの少なくとも片面の算術平均粗さRaを特定の範囲とすることで、基材フィルムと装置のキャンロール(冷却ロール)との間に微細な浮きを作り、微小なつれを解消し、上記のような問題が解決され得ることを見出した。具体的には、本発明の基材フィルムの少なくとも片面の算術平均粗さRaは、0.5nm以上、4.0nm以下である。
以下、本発明に係る基材フィルムに含まれる耐熱性樹脂、および本発明の基材フィルムのRaについて説明する。
<耐熱性樹脂>
本発明に係る基材フィルムは、ガラス転移温度が180℃以上である耐熱性樹脂を含む。このような耐熱性樹脂の種類としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。耐熱性樹脂の具体例としては、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした樹脂等が挙げられる。ただし、入手の容易性の点で、本発明に係る耐熱性樹脂は、ポリアリレート、ポリアミドイミドまたはポリイミドを含むことが好ましく、ポリアリレートを含むことがさらに好ましい。下記では、ポリアリレートおよびポリイミドについて説明する。
(ポリアリレート)
本発明の基材フィルムに使用し得るポリアリレートは、芳香族ジオール成分単位と、芳香族ジカルボン酸成分単位とを含む。
〔芳香族ジオール成分単位〕
芳香族ジオール成分単位を得るための芳香族ジオールは、好ましくは下記一般式(1)で表される構造を有するビスフェノール類、より好ましくは下記一般式(1’)で表される構造を有するビスフェノール類である。
Figure 0007172981000001
一般式(1)および一般式(1’)のLは、それぞれ独立して、単結合または二価の有機基を表す。二価の有機基は、好ましくはアルキレン基、-S-、-SO-、-SO-、-O-、-C(O)-、-CR-(RとRは互いに結合して脂肪族環または芳香族環を形成する)、または、アルキレン-アリーレン-アルキレン基である。好ましくは、柔軟性をもたせる観点で、-CR-(RとRは互いに結合して脂肪族環または芳香族環を形成する)、または、アルキレン-アリーレン-アルキレン基である。
アルキレン基は、好ましくは炭素数1~10のアルキレン基であり、その例には、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基等が含まれる。なお、アルキレン基は、ハロゲン原子やアリール基等の置換基をさらに有してもよい。また、アリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、ナフタレニレン基などが挙げられる。アリーレン基も同様に、ハロゲン原子やアリール基等の置換基をさらに有してもよい。
一般式(1)および一般式(1’)のRは、それぞれ独立して置換基を表す。nは、それぞれ独立して0~4の整数を表し、好ましくは0~3の整数である。Rは、それぞれ独立して炭素数1~5のアルキル基または炭素数6~10のアリール基であることが好ましい。
一般式(1)および一般式(1’)の-CR-のRおよびRが、脂肪族環を形成する場合、脂肪族環は、好ましくは炭素数5~20の脂肪族炭化水素環であり、好ましくは置換基を有してもよいシクロヘキサン環である。かかる置換基もRと同様のものが好適である。ここで、-CR-のRおよびRが脂肪族環を形成する場合、一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0007172981000002
Rおよびnは、一般式(1)と同義である。また、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数が1~4のアルキル基であることを表し、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。RおよびRが炭素数4以下のアルキル基である場合、耐熱性が向上するので好ましい。Xは炭素原子を表す。mは4~7の整数を表し、4、または5であることが好ましく、5であることが更に好ましい。mが4以上の整数である場合、環のひずみが小さくなり、化合物としての安定性が向上するので好ましい。また、mが7以下の整数である場合、得られるポリアリレートフィルムの耐熱性が向上するので好ましい。
前記一般式(2)で表される構造を有する化合物としては、例えば、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン〔ビスTMC〕、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,4-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチル-5-エチルシクロヘキサン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチル-シクロペンタン、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス-(3,5-ジフェニル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス-(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチル-シクロヘキサン、1,1-ビス-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(3,5-ジフェニル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが挙げられる。中でも、透明性の観点で、ビスTMCが好ましい。
前記一般式(1)および一般式(1’)の-CR-のRおよびRが、芳香族環を形成する場合、芳香族環は、炭素数6~20の芳香族炭化水素環であることが好ましい。より好ましくは置換基を有してもよいフルオレン環である。かかる置換基もRと同様のものが好適である。
置換基を有してもよいフルオレン環を形成する-CR-の例には、下記一般式(3)で表される構造を有するフルオレンジイル基が含まれる。
Figure 0007172981000003
よって、より具体的には、芳香族ジオール(二価のフェノール成分)が、下記一般式(4)で表される構造を有する残基:
Figure 0007172981000004
を含むと好ましい。
一般式(1)および一般式(1’)のLが、アルキレン-アリーレン-アルキレン基である場合、アルキレン-アリーレン-アルキレン基は、炭素数1~5のアルキレン-炭素数5~7のアリーレン-炭素数1~5のアルキレンの形態であることが好ましく、アルキレンは、直鎖状でも、分岐状でもよいが、分岐状であることが好ましい。
よって、より具体的には、二価のフェノール成分が、下記一般式(5)で表される構造を有する残基:
Figure 0007172981000005
Rは、一般式(1)と同義である、
を含むと好ましい。
一般式(1)および一般式(1’)において、Lがアルキレン基であるビスフェノール類の例には、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-メチル-2-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPC)、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(TMBPA)等が含まれる。中でも、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPC)、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(TMBPA)等のイソプロピリデン含有ビスフェノール類が好ましい。
Lが-S-、-SO-またはSO-であるビスフェノール類の例には、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン(TMBPS)、ビス(3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,4-ジヒドロキシジフェニルスルホン等が含まれる。
Lが-O-であるビスフェノール類の例には、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテルが含まれる。
Lが-C(O)-であるビスフェノール類の例には、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトンが含まれる。
なお、芳香族ジオール成分は、1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に、一般式(1)および一般式(1’)のLがアルキレン-アリーレン-アルキレン基である場合、Lが-CR-(RとRは互いに結合して脂肪族環または芳香族環を形成する)である化合物と組み合わせて用いることがよい。混合比としても制限はないが、一般式(1)および一般式(1’)のLがアルキレン-アリーレン-アルキレン基である化合物が100質量部である場合、Lが-CR-(RとRは互いに結合して脂肪族環または芳香族環を形成する)である化合物は、好ましくは105~200質量部、より好ましくは110~150質量部である。かかる範囲であると、物性担保に対して技術的効果を有する。
〔芳香族ジカルボン酸成分単位〕
芳香族ジカルボン酸成分単位を構成する芳香族ジカルボン酸は、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、tert-ブチルイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、それらの任意の混合物でありうる。
耐熱性、フィルムの機械的特性を高める等の観点から、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物が好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸との含有比率は、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸=90/10~10/90(mol比)、より好ましくは70/30~30/70、さらに好ましくは50/50である。テレフタル酸の含有比率が上記範囲であると、十分な重合度を有するポリアリレートが得られやすく、十分な耐熱性、機械的特性を有するフィルムが得られやすい。
本発明の好ましい形態においては、テレフタル酸、イソフタル酸の混合物の構成比率が、95mol%以上であることが好ましい。
本発明に用いられるポリアリレートの重量平均分子量は、1万~50万が好ましく、2万~30万がさらに好ましく、3万~20万が特に好ましい。かかる範囲であれば、フィルム成形が容易となりやすく、また力学特性が低下しない。また、合成上、分子量のコントロールも容易となり、また溶液の粘度が適度で取扱い性も向上する。
本発明に用いられるポリアリレートの合成方法としては、本願の実施例の方法や、あるいは、従来公知の合成方法が適用できる。従来公知の合成方法としては、特開2014-218659号公報、特開2013-173928号公報等に記載の合成方法を採用することができるがこれらに限られない。
なお、耐熱性樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下のとおりである。
溶媒:THF
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(株式会社 日立製作所 製)
流量:1.0mL/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500~2800000の範囲内の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
(ポリイミド)
本発明のポリイミドは、芳香族、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸またはその誘導体と、ジアミンまたはその誘導体とを反応させてポリアミド酸を調製し、当該ポリアミド酸をイミド化させることにより得られる。
脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸の誘導体としては、例えば、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸エステル類、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。なお、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸またはその誘導体のうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
ジアミンの誘導体としては、例えば、ジイソシアネート、ジアミノジシラン類等が挙げられる。ジアミンまたはその誘導体のうち、ジアミンが好ましい。
脂肪族テトラカルボン酸としては、例えば、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。脂環式テトラカルボン酸としては、例えば、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸エステル類としては、例えば、上記脂肪族テトラカルボン酸のモノアルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキルエステル、テトラアルキルエステルが挙げられる。脂環式テトラカルボン酸エステル類としては、例えば、上記脂環式テトラカルボン酸のモノアルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキルエステル、テトラアルキルエステルが挙げられる。なお、アルキル基部位は、炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましい。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物等が挙げられる。特に好ましくは、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物である。一般に、脂肪族ジアミンを構成成分とするポリイミドは、中間生成物であるポリアミド酸とジアミンとが強固な塩を形成するため、高分子量化するためには塩の溶解性が比較的高い溶媒(例えばクレゾール、N,N-ジメチルアセトアミド、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン等)を用いることが好ましい。ところが、脂肪族ジアミンを構成成分とするポリイミドでも、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物を構成成分としている場合には、ポリアミド酸とジアミンとの塩は比較的弱い結合で結ばれているので、高分子量化が容易で、フィルムが得られ易い。
芳香族テトラカルボン酸としては、例えば、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4’-オキシジフタル酸無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物(ピグメントレッド224)、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)-フェニル]フルオレン無水物等が挙げられる。
他にも、例えば、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[6.4.0.02,7]ドデカン-1,8:2,7-テトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物等を用いることができる。
芳香族、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸またはその誘導体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、ポリイミドの溶媒可溶性、フィルムのフレキシビリティ、熱圧着性、透明性を損なわない範囲で、他のテトラカルボン酸またはその誘導体(特に二無水物)を併用しても良い。
ジアミンは、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミンまたはこれらの混合物のいずれでも良い。なお、本発明において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香族環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等)を含んでいても良い。「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香族炭化水素基、その他の置換基(例えば、ハロゲン原子、スルホニル基、カルボニル基、酸素原子等)を含んでいても良い。
芳香族ジアミンとしては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、ベンジジン、o-トリジン、m-トリジン、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、オクタフルオロベンジジン、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジフルオロ-4,4’-ジアミノビフェニル、2,6-ジアミノナフタレン、1,5-ジアミノナフタレン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(2-メチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(2,6-ジメチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-(2-メチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-(2,6-ジメチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(2-メチル-4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(2-メチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(2,6-ジメチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4-(2-メチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4-(2,6-ジメチル-4-アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-メチル-4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(2-メチル-4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メチル-4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-エチル-4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、α,α’-ビス(4-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン(ビスアニリンP)、α,α’-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、α,α’-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、α,α’-ビス(3-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、α,α’-ビス(4-アミノフェニル)-1,3-ジイソプロピルベンゼン(ビスアニリンM)、α,α’-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)-1,3-ジイソプロピルベンゼン、α,α’-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)-1,3-ジイソプロピルベンゼン、α,α′-ビス(3-アミノフェニル)-1,3-ジイソプロピルベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)フルオレン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)4-メチル-シクロヘキサン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)ノルボルナン、1,1-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)ノルボルナン、1,1-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)ノルボルナン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)アダマンタン、1,1-ビス(2-メチル-4-アミノフェニル)アダマンタン、1,1-ビス(2,6-ジメチル-4-アミノフェニル)アダマンタン、1,4-フェニレンジアミン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3-アミノベンジルアミン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレン、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、ビス(2-アミノフェニル)スルフィド、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-エチレンジアニリン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、5,5’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジ-o-トルイジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル、レソルシノールビス(3-アミノフェニル)エーテル、レソルシノールビス(4-アミノフェニル)エーテル、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェニル)スルホン(SEIKACURE-S、株式会社セイカ製)、4,4’-チオジアニリン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,7-ジアミノフルオレン、2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミン、4,4’-メチレンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,2′-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトライソプロピルジフェニルメタン、3,3-ジアミノジフェニルスルホン、1-(4-アミノフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-1H-インデン-5-アミン、1,4-ビス(2-アミノ-イソプロピル)ベンゼン、1,3-ビス(2-アミノ-イソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(cis体およびtrans体の混合物)、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(cis体およびtrans体の混合物)、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、シロキサンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,3-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,2-ビス(4,4’-ジアミノシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4’-ジアミノメチルシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン(異性体混合物)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジメタンアミン(異性体混合物)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)(異性体混合物)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(異性体混合物)等が挙げられる。
ジアミン誘導体であるジイソシアネートとしては、例えば、上記芳香族または脂肪族ジアミンとホスゲンとを反応させて得られるジイソシアネートが挙げられる。
また、ジアミン誘導体であるジアミノジシラン類としては、例えば上記芳香族または脂肪族ジアミンとクロロトリメチルシランを反応させて得られるトリメチルシリル化した芳香族または脂肪族ジアミンが挙げられる。
以上のジアミンおよびその誘導体は任意に混合して用いても良いが、それらの中におけるジアミンの量が50~100mol%となることが好ましく、80~100mol%となることがより好ましい。
ポリアミド酸は、適当な溶媒中で、前記テトラカルボン酸類の少なくとも1種類と、前記ジアミン類の少なくとも1種類を重合反応させることにより得られる。
また、ポリアミド酸エステルは、前記テトラカルボン酸二無水物を、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール等のアルコールを用いて開環することによりジエステル化し、得られたジエステルを適当な溶媒中で前記ジアミン化合物と反応させることにより得ることができる。更に、ポリアミド酸エステルは、上記のように得られたポリアミド酸のカルボン酸基を、上記のようなアルコールと反応させることによりエステル化することによっても得ることができる。
前記テトラカルボン酸二無水物と、前記ジアミン化合物との反応は、従来知られている条件で行うことができる。テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の添加順序や添加方法には特に限定はない。例えば、溶媒にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを順に投入し、適切な温度で撹拌することにより、ポリアミド酸を得ることができる。
ジアミン化合物の量は、テトラカルボン酸二無水物1molに対して、通常0.8mol以上、好ましくは1mol以上である。一方、通常1.2mol以下、好ましくは1.1mol以下である。ジアミン化合物の量をこのような範囲とすることにより、得られるポリアミド酸の収率が向上し得る。
溶媒中のテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の濃度は、反応条件やポリアミド酸溶液の粘度に応じて適宜設定する。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との合計の質量は、特段の制限はないが、全溶液量に対し、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、一方、通常70質量%以下、好ましくは30質量%以下である。反応基質の量をこのような範囲とすることにより、低コストで収率良くポリアミド酸を得ることができる。
反応温度は、特段の制限はないが、通常0℃以上、好ましくは20℃以上であり、一方、通常100℃以下、好ましくは80℃以下である。反応時間は、特段の制限はないが、通常1時間以上、好ましくは2時間以上であり、一方、通常100時間以下、好ましくは24時間以下である。このような条件で反応を行うことにより、低コストで収率良くポリアミド酸を得ることができる。
この反応で用いられる重合溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレン等の炭化水素系溶媒;四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンおよびフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メトキシベンゼン、アルキレングリコールモノアルキルエーテルおよびアルキレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミドおよびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン等の非プロトン系極性溶媒;ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、スルホラン等の複素環系溶媒;フェノールおよびクレゾール等のフェノール系溶媒;アルキルカルビトールアセテートおよび安息香酸エステル等のその他の溶媒等が挙げられるが、特に限定されるものではない。重合溶媒としては、1種のみを用いることもできるし、2種類以上の溶媒を混合して用いることもできる。
ここで、ポリイミドは、ポリアミド酸溶液を加熱してポリアミド酸をイミド化させる方法(熱イミド化法)、または、ポリアミド酸溶液に閉環触媒(イミド化触媒)を添加してポリアミド酸をイミド化させる方法(化学イミド化法)により得ることができる。
熱イミド化法においては、上記重合溶媒中のポリアミド酸を、例えば80~300℃の温度範囲で1~200時間加熱処理してイミド化を進行させる。また、上記温度範囲を150~200℃とすることが好ましく、150℃以上とすることにより、イミド化を確実に進行させて完了させることができ、一方、200℃以下とすることにより、溶媒や未反応原材料の酸化、溶剤溶媒の揮発による樹脂濃度の上昇を防止することができる。
更に、熱イミド化法においては、イミド化反応により生成する水を効率良く除去するために、上記重合溶媒に共沸溶媒を加えることができる。共沸溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等を用いることができる。共沸溶媒を使用する場合は、その添加量は、全有機溶媒量中の1~30質量%程度、好ましくは5~20質量%である。
一方、化学イミド化法においては、上記重合溶媒中のポリアミド酸に対し、公知の閉環触媒を添加してイミド化を進行させる。閉環触媒としては、通常、ピリジンを用いれば良いが、これ以外にも例えば、置換若しくは非置換の含窒素複素環化合物、含窒素複素環化合物のN-オキシド化合物、置換若しくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシ基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2-ジメチルイミダゾール、N-メチルイミダゾール、N-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、5-メチルベンズイミダゾール等の低級アルキルイミダゾール、N-ベンジル-2-メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、イソキノリン、3,5-ジメチルピリジン、3,4-ジメチルピリジン、2,5-ジメチルピリジン、2,4-ジメチルピリジン、4-n-プロピルピリジン等の置換ピリジン、p-トルエンスルホン酸等を好適に使用することができる。閉環触媒の添加量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01~2倍当量、特に0.02~1倍当量程度であることが好ましい。閉環触媒を使用することによって、得られるポリイミドの物性、特に伸びや破断抵抗が向上する場合がある。
また、上記熱イミド化法または化学イミド化法においては、ポリアミド酸溶液中に脱水剤を添加しても良く、そのような脱水剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。また、脱水剤を用いると、低温で反応を進めることができ好ましい。なお、ポリアミド酸溶液に対し脱水剤を添加するのみでもポリアミド酸をイミド化させることが可能ではあるが、反応速度が遅いため、上記したように加熱または閉環触媒の添加によりイミド化させることが好ましい。
また、ポリイミドは、後述するように、ポリアミド酸溶液を流延したフィルムに対して加熱処理を行う(熱イミド化法)か、または、閉環触媒を混合したポリアミド酸溶液を支持体上に流延してイミド化させる(化学イミド化法)ことにより、フィルムの状態で得ることもできる。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミン等の脂肪族第3級アミンおよびイソキノリン、ピリジン、ピコリン等の複素環式第3級アミン等が挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを使用することが好ましい。ポリアミド酸に対する閉環触媒の含有量は、閉環触媒の含有量(mol)/ポリアミド酸の含有量(mol)が、0.5~8.0となる範囲が好ましい。
上記のようにして構成されるポリアミド酸またはポリイミドは、フィルムの形成しやすさの観点から、重量平均分子量3万~100万のものが用いられる。
(ポリアミドイミド)
本発明のポリアミドイミドは、芳香族、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸またはその誘導体と、ジアミンまたはその誘導体とを反応させてポリアミド酸を生成させ、ポリアミド酸を閉環してポリアミドイミドを製造する方法により得られる。
前記芳香族、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸またはその誘導体と、ジアミンまたはその誘導体との反応は、ジアミンに対し、テトラカルボン酸またはその誘導体を添加しながら、実質的に無水状態で、通常、有機極性溶媒の存在下、約70℃以下の温度で行われるが、40℃以下が好ましい。
ポリアミド酸溶液からポリアミド酸を回収する際には、水またはメタノール等のポリアミド酸の貧溶媒中にポリアミド酸溶液を投じて水中またはメタノール中にポリアミド酸を沈殿させて(再沈)、回収することができる。沈殿させたポリアミド酸は、濾過および/または脱水あるいは脱液により、ポリアミド酸として回収することができる。回収されたポリアミド酸は、乾燥し、80~370℃の温度で、0.1~100時間処理することによって加熱閉環させ、ポリアミドイミドを得ることができる。
ポリアミドイミドの合成に使用できる芳香族、脂肪族若しくは脂環式テトラカルボン酸またはその誘導体、およびジアミンまたはその誘導体としては、前述したポリイミドの合成に使用される化合物と同様の化合物が例示できる。
上記のようにして構成されるポリアミドイミドは、フィルムの形成しやすさの観点から、重量平均分子量3万~100万のものが用いられる。
本発明の基材フィルムは、前記耐熱性樹脂を主成分として含有することが好ましい。耐熱性樹脂を主成分として含有するとは、基材フィルム中の耐熱性樹脂の含有量が50質量%以上であることを表す。基材フィルム中の耐熱性樹脂の含有量は、好ましくは80質量%以上である。基材フィルム中の耐熱性樹脂の含有量が50質量%以上であると、折り曲げ耐性などの機械的強度、耐熱性、および透明性が良好であるという観点から好ましい。さらに、基材フィルム中の耐熱性樹脂の含有量が50質量%以上であると、比較的に高いプロセス温度(例えば、150℃を超えるような高温)下においても、基材フィルムの弾性率が低下しすぎないため、張力によるダメージが減少できると考えられる。
(耐熱性樹脂のガラス転移温度)
本発明に係る耐熱性樹脂のガラス転移温度は、180℃以上である。該ガラス転移温度が180℃未満の場合、真空成膜が困難となる。当該ガラス転移温度は180℃以上350℃以下であることが好ましく、265℃以上300℃未満であることがより好ましい。
耐熱性樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121(1987)に準拠して測定されうる。具体的には、例えば、測定装置として株式会社セイコーインスツル製DSC6220を用いて、ポリアリレートの試料10mg、昇温速度20℃/分の条件で測定することができる。
耐熱性樹脂のガラス転移温度は、耐熱性樹脂を構成する単位の種類等によって調整し得る。例えば、ポリアリレートのガラス転移温度は、その構成単位である芳香族ジオール成分の種類等によって調整されうる。ガラス転移温度を高めるためには、例えば芳香族ジオール成分単位として「主鎖に硫黄原子を含有するビスフェノール類由来の単位」を含有させればよい。
<算術表面粗さRa>
本発明に係る基材フィルムは、上記のように、耐熱性樹脂のTgが180℃以上であることの他に、少なくとも片面の算術平均粗さRaが0.5nm以上、4.0nm以下であることを必須とする。Raが0.5nm以上であれば、基材フィルム上の微小なつれの発生を減少させることができ、基材フィルムの性能低下を改善できる。一方、Raが4.0nm以下であれば、基材フィルムの平滑性が確保できるため、基材フィルムの凹凸による電極の剥がれ、または基材フィルムの上に成膜する際、膜の不均一化等の現象が避けられる。かような観点から、Raは、1nm以上、3nm以下であることがより好ましい。
なお、当該算術平均粗さRaは、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の基材フィルムは、少なくとも片面のRaが上記範囲内であれば所望の効果は得られるが、両面のRaを上記範囲内としてもよい。基材フィルムの片面のRaだけが上記範囲内である場合、真空成膜処理を行う際に、上記範囲のRaを有する面を真空成膜処理装置のキャンロールに接触させれば、成膜のコストを抑えながら、本発明の所定の効果が得られる。また、基材フィルムの両面のRaが上記範囲内である場合も、上記本発明の効果は得られ、さらに真空成膜処理の際に、両面の区別が不要となるため、操作がより簡便になる等の利点を有する。
基材フィルムの少なくとも片面を所定のRaの範囲とするためには、公知の各種方法を使用して基材フィルムを製造することによって実現できる。例えば、基材フィルムの製造工程において、ドープにマット剤を添加し延伸工程等を経る方法や、フィルムを成形させた後、エキシマ光照射法または再軟化プレス転写法等の方法を用いて、基材フィルムの少なくとも片面を所定のRaを有するようにする方法等が挙げられる。
<その他の添加剤>
本発明の基材フィルムは、紫外線吸収剤、剥離促進剤、位相差調整剤等のその他の添加剤を含んでもよい。
ここで「位相差調整剤」とは、フィルムの位相差の発現の程度を調整するという機能を有する添加剤の総称である。位相差調整剤としては、糖エステル化合物、非リン酸エステル系の化合物、アクリル系化合物、ビニル系化合物のいずれでもよく、特にビニル系化合物としては、ポリスチレンなどのアリール基を構造に含むビニル系化合物であることが好ましい。
<基材フィルムの製造方法>
次に、本発明の基材フィルムの製造方法を、例を挙げて説明する。本製造方法を説明するに際して、マット剤、エキシマ光照射処理、および再軟化プレス転写(型押し処理)についても説明する。また、本発明の基材フィルムは、それ以外の方法によって製造することも可能であり、以下の方法に限られることはない。
具体的には、本発明の好ましい一実施形態において、(1)耐熱性樹脂と、マット剤と、溶媒とを混合することを有して、ドープを得る工程と;(2)前記ドープを流延することを有して、膜状物を得る工程と;(3)前記膜状物を乾燥する、乾燥工程と;を有する、基材フィルムの製造方法(方法A)が採用されうる。
また、本発明の他の好ましい一実施形態において、(1)耐熱性樹脂と、溶媒とを混合することを有して、ドープを得る工程と;(2)前記ドープを流延して、膜状物を得る工程と;(3)前記膜状物を乾燥する、乾燥工程と;(4)前記膜状物の少なくとも片面に対してエキシマ光を照射することを有する、エキシマ処理工程と、を有する、基材フィルムの製造方法(方法B)が採用されうる。
さらに、本発明のさらに他の好ましい一実施形態において、(1)耐熱性樹脂と、溶媒とを混合することを有して、ドープを得る工程と;(2)前記ドープを流延することを有して、膜状物を得る工程と;(3)前記膜状物を乾燥する、乾燥工程と;(5)前記膜状物の少なくとも片面を再軟化プレス転写することを有する、再軟化プレス転写工程と、を有する、基材フィルムの製造方法(方法C)が採用されうる。
本発明の基材フィルムの製造方法は、上記の方法A~Cを2つ以上組み合わせた方法であってもよい。基材フィルムの製造は、例えば、図1に示される製造装置を用いて行うことができる。図1に示すフィルム製造装置10は、流延装置20と、乾燥装置30とを有しうる。以下各工程について説明する。
(1)ドープを得る工程
ドープを得る工程は、耐熱性樹脂と、溶媒と、を混合することを有する。必要に応じてマット剤と、水素結合性溶媒とを添加することを有してもよい。
当該溶媒は、乾燥温度を低くする観点から、沸点が70℃以下の溶媒(好ましくは良溶媒)であることが好ましい。沸点が70℃以下である良溶媒の例には、ジクロロメタン(メチレンクロライド)(沸点40.4℃)、クロロホルム(沸点61.2℃)、テトラヒドロフラン(沸点66℃)が含まれる。乾燥温度を低くする観点から、好ましくは沸点60℃以下の良溶媒であり、より好ましくはジクロロメタン(メチレンクロライド)である。なお、ドープ(ポリマー溶液)における耐熱性樹脂の濃度は、8質量%以上、好ましくは10~30質量%程度であることが好ましい。なお、ポリマー溶液は、濾過により、不溶物や異物等を除去してもよい。
当該マット剤は、基材フィルムの少なくとも片面のRaを所定の範囲内に調整するために添加される。マット剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタンまたはセリア等の微粒子が使用され得る。本発明におけるマット剤の平均一次粒子径は、5nm以上300nm未満であることが好ましい。マット剤の平均一次粒子径が5nm以上である場合、基材フィルムの少なくとも片面のRaを所定の範囲内にすることがより容易にでき、平均一次粒子径が300nm未満の場合、基材フィルムの凹凸に由来する電極の剥がれ等を抑える効果が得られる。なお、基材フィルムの製造にあたり、マット剤は分散媒中に分散しているものを用いてもよく、当該分散媒としては、エタノールなどのアルコール、ドープ(ポリマー溶液)を調製するための溶媒等が好適である。例えば、アルコールでマット剤の分散を行い、ドープ(ポリマー溶液)を調製するための溶媒等に添加することができる。このように添加順を工夫することによって、マット剤が均一に分散する効果が期待できる。また、マット剤は基材フィルム中で一次粒子として存在していてもよいし、複数の粒子が集合して二次粒子(二次凝集体)を形成して存在していてもよい。マット剤が二次粒子として存在する場合、マット剤の平均二次粒子径は、0.005~3μmの範囲内であることが好ましく、0.005~2μmの範囲内であることがより好ましく、0.005~1μmの範囲内であることが特に好ましい。なお、本発明に用いるマット剤の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱法などにより、測定することができる。例えば、粒度分布計Microtrac(日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。シリカ粒子が表面修飾された場合は、表面修飾を含めた粒子の粒子径を本発明における粒子径とする。また、マット剤の平均二次粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万~200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察して粒子径を測定し、その平均値をもって、平均二次粒子径とする。
また、水素結合性溶媒としては、特に制限はなく、上記のアルコールの他、ケトン(例えば、アセトン等)、カルボン酸類(例えば、酢酸等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ピロリドン類(例えば、N-メチルピロリドン等)、アミン類(例えば、トリメチルアミン、ピリジン等)、アンモニア等を例示することができる。
当該マット剤は、耐熱性樹脂100質量部に対して、例えば、0.05~1.0質量部の割合で含有させることができ、さらには、0.1~0.5質量部の割合で含有させることが好ましく、0.1~0.3質量部の割合で含有させることがより好ましい。かかる範囲であると、透明性とすべり性の両立との技術的効果を有する。
(2)膜状物を得る工程
膜状物を得る工程は、前記ドープを流延することを有して、膜状物を得ることを有する。
例えば、上記で得られたドープを、図1に示す流延装置20のダイス21から金属支持体23上に流延した後、流延膜を乾燥させて膜状物を得る。金属支持体23は、ロール23Aで搬送される無端状のステンレスベルトでありうる。また、膜状物を、金属支持体23から剥離ロール25等で剥離するため、流延膜に対して乾燥を行うことが好ましい。流延膜の乾燥は、種々の方法で行うことができ、例えば金属支持体23の表面温度を調整し、且つ流延膜に風を当てて行うことができる。金属支持体23の表面温度の制御は、例えば金属支持体の裏側に温水を接触させる方法によって行うことができる。本発明では、ベルト上での流延膜の乾燥温度(金属支持体23の表面温度や風Wの温度)を低くすることが好ましい。乾燥温度を低くすることで、引張弾性率が高い膜状物を得ることができる。流延膜の乾燥温度、具体的には金属支持体23の表面温度および流延膜に当てる風の温度は、それぞれ70℃未満であることが好ましく、5~60℃であることが好ましく、10~50℃であることがより好ましく、15~40℃であることがさらに好ましい。乾燥は、一度に行ってもよいし、温度を変えて段階的に行ってもよい。
ドープにマット剤を添加した場合、上記の流延操作によって膜状物と空気とが接触する面は、Raが本発明の範囲内である面となり、金属支持体23と接触する面は鏡面のままである。すなわち、片面のRaのみが本発明の範囲内である膜状物が得られる。なお、両面のRaを所定の範囲内にしたい場合は、膜状物を得た後に延伸操作を行うことによって、所定の範囲のRaを実現することができる。例えば、得られた膜状物を、ロール間の周速差を利用してMD方向(フィルムの流れ方向)に170℃で1.2倍に延伸した後、テンターでTD方向(MD方向と直交する方向)に230℃で1.2倍に延伸することによって、両面のRaを所定範囲内に調整できる。
(3)乾燥工程
乾燥工程は、前記膜状物を乾燥する工程である。装置としては公知の乾燥装置を使用することが可能であり、特に制限されることはない。乾燥の条件としては、乾燥温度が70~140℃であることが好ましく、乾燥時間が3~60分であることが好ましい。
上記で説明したように、(1)ドープを得る工程においてドープにマット剤を添加した場合は、乾燥工程の後に少なくとも片面のRaが所定の範囲内である基材フィルムを得ることができる。一方、(1)ドープを得る工程においてマット剤を添加していない場合は、乾燥工程に次いで、エキシマ光照射処理、または再軟化プレス転写を行うことによって、少なくとも片面のRaが所定の範囲内である基材フィルムを得ることができる。
(4)エキシマ光照射処理
上記(3)乾燥工程で得られた膜状物は、エキシマ光照射処理により少なくとも片面のRaが所定の範囲内になるように処理されてもよい。エキシマ光照射処理において、膜状物の浮きを作る面での該エキシマ光の照度は30~300mW/cmの範囲であることが好ましく、50~200mW/cmの範囲であることがより好ましい。30mW/cm以上では効率よくRaを上記範囲内に収めることができ、300mW/cm以下では膜状物にダメージをほとんど与えないため好ましい。
膜状物の浮きを作る面におけるエキシマ光の積算光量は、200~10000mJ/cmの範囲であることが好ましく、500~7000mJ/cmの範囲であることがより好ましい。この範囲であれば、クラック発生や基材の熱変形を抑えることができる。
エキシマ光源としては、Xe、Kr、Ar、Neなどの希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
これらのうち、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。
また、波長の短い172nmの光のエネルギーは、有機物の結合を解離させる能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間で基材フィルムの表面に、所定のRaを付与する処理を実現することができる。
エキシマ光照射時の反応には、酸素が必要であるが、エキシマ光は、酸素による吸収があるためエキシマ光照射工程での効率が低下しやすい。このことから、エキシマ光の照射は、可能な限り酸素濃度および水蒸気濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、エキシマ光照射時の酸素濃度は、1~10000体積ppmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは3~5000体積ppmの範囲、更に好ましくは5~4000体積ppmの範囲である。
エキシマ光照射時に用いられる、照射雰囲気を満たすガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度は、照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
(5)再軟化プレス転写(型押し処理)
上記(3)乾燥工程で得られた膜状物は、少なくとも片面のRaが所定の範囲を有するように、再軟化プレス転写(型押し処理)されてもよい。
前記再軟化プレス転写は、鋳型の凹凸パターンを基材フィルムの全面または一部に転写させる転写工程を有するものである。以下、図2を用いて、転写工程について詳しく説明する。図2(A)は、本発明における基材フィルムの製造方法の一例において転写工程直前の基材フィルム1および鋳型2を示す概略断面図であり、図2(B)は、転写工程時の基材フィルム1および鋳型2を示す概略断面図であり、図2(C)は、転写工程直後の基材フィルム1および鋳型2を示す概略断面図である。
本発明の転写工程において以下に示す加工条件が採用される。
(1)基材フィルムの粘度が1~1200Pa・sである。粘度が前記範囲内である場合、凹凸高さが均一になり転写率が適宜であり得る。基材フィルムの粘度は、鋳型への剥離残りをより一層有効に抑制する観点から、1~1000Pa・s、特に5~500Pa・sとすることが好ましい。
なお、本明細書中、粘度は、JIS-K7117に規定された手法で動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製)を用いて測定された値を用いている。
(2)鋳型の基材フィルムに対する荷重が1~350N/mmである。荷重が前記範囲内である場合、凹凸高さが均一になり転写率が適宜であり得る。基材フィルムに対する荷重は、凹凸高さの均一性をより一層向上させ、かつ鋳型への剥離残りをより一層有効に抑制する観点から、1~350N/mm、特に1~300N/mmとすることが好ましい。
基材フィルムに対して上記範囲内の荷重を付与し続ける時間は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、10-4~10-1秒間が適当である。
(3)基材フィルムの搬送速度が25~170m/minである。当該搬送速度が小さすぎると、加工時間が長すぎるため、転写率が大きくなりすぎる。当該搬送速度が大きすぎると、加工時間が短すぎるため、転写形状が安定しなかったり、転写率が小さすぎたりする。基材フィルムの搬送速度は、凹凸高さの均一性をより一層向上させ、かつ鋳型への剥離残りをより一層有効に抑制する観点から、30~150m/min、特に30~100m/minとすることが好ましい。
本発明の一実施形態によれば、再軟化プレス転写処理により、基材フィルムを一旦成膜した後、再軟化させた基材フィルムに鋳型を押し当てるに際し、前記した基材フィルムの粘度、鋳型の基材フィルムに対する荷重および基材フィルムの搬送速度等の転写加工条件を採用する。
基材フィルムの再軟化方法としては、前記した基材フィルムの粘度を達成する程度に軟化できればよく、例えば、加熱によって軟化を行う加熱軟化法を採用してもよいし、または溶媒による膨潤によって軟化を行う膨潤軟化法を採用してもよい。
加熱軟化法を採用する場合、例えば、図3に示す転写装置が使用できる。
図3において、基材フィルム1は所定の搬送速度で搬送されて、加熱室10内での加熱によって所定の基材フィルムの粘度に達した後、鋳型ロール2とバックロール3との間を通過することにより、所定荷重での転写が行われる。その結果、上記範囲内のRaを有する基材フィルムが得られる。
<透明電極、およびタッチパネルの製造方法>
本発明の基材フィルムは、従来の基材フィルムと同様に、高い透明性と耐熱性とを有することから、それらの特性が要求される幅広い用途;例えば、フレキシブルパネルディスプレイ(有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、電子ペーパー等)や太陽電池等における透明基板または透明電極基材(ガラス基板に代わる基板);透明性が求められる用途のフレキシブルプリント基板(FPC)の絶縁基材やカバーフィルム;タッチパネル等に用いられる透明導電性フィルム等に用いられる。
本発明の基材フィルム上に透明電極を製造する際、キャンロールを備えた真空成膜装置を用いて、真空状態で且つ高温条件で真空成膜処理を実施する場合がある。このような場合、本発明の基材フィルムを用いれば、基材フィルムと装置のキャンロール(冷却ロール)との間の力の発生を抑制し、基材フィルム上の微小なつれを抑制することができる。これにより、基材フィルムの色ムラおよびタッチパネルの打鍵性能を改善することができる。
すなわち、本発明は、本発明の透明電極用基材フィルムの少なくとも一方の面に、真空成膜法により透明電極を形成することを含む、透明電極の製造方法を提供する。より具体的には、本発明は、前記透明電極用基材フィルムの算術平均粗さRaが0.5nm以上、4.0nm以下である面を、前記キャンロールの外周面に接触させて搬送しながら、真空成膜法により透明電極を形成することを含む、透明電極の製造方法を提供する。
かような透明電極の製造方法によれば、基材フィルムとキャンロールとの間の張力がある程度緩和され、基材フィルムに微小なつれの発生を抑える効果が得られると考えられる。よって、上記製造方法により製造された透明電極を使用したタッチパネルは、長期間使用してもその打鍵性能が維持できる。したがって、本発明は、前記透明電極の製造方法で透明電極を作製することを含む、タッチパネルの製造方法をも提供する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%RHの条件で測定した。
各実施例にて使用した成分は、以下の方法によって製造された。
・ポリアリレート(PAR)の合成
攪拌装置を備えた反応容器中に1,1’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼン383.38質量部、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(ビスTMC)314.69質量部、p-tert-ブチルフェノール(以下、PTBPと略す)9.97質量部、水酸化ナトリウム228.51質量部、ベンジルトリ-n-ブチルアンモニウムクロライド4.67質量部を仕込み、水17373.6質量部に溶解させて水相を調製した。これとは別に、塩化メチレン13285.7質量部に、テレフタル酸/イソフタル酸=1/1混合物(mol比)456.04質量部を溶解させて有機相を調製した。
この有機相を先に調製した水相中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間重合反応を行った。この後、酢酸 41.8質量部を添加して重合反応を停止させ、水相と有機相とをデカンテーションして分離した。この有機相に対し、1回の洗浄につき2倍量のイオン交換水を用いて、有機相が中性になるまで洗浄と分離を繰り返した。その後、この洗浄後の有機相を、ホモミキサーで攪拌されている50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させることにより粉末状とし、これをさらに脱水し乾燥させて、ポリアリレート(Tg=270℃、重量平均分子量:7万)を得た。
・ポリイミド1(PI1)の合成
窒素雰囲気下、NMP 1062.5kgに、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を107.0kg(0.26kmol)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)を40.81kg(0.13kmol)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を37.15kg(0.13kmol)を添加し、常温、大気圧中で3時間撹拌、反応させ、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸組成物)を得た。
得られたポリアミド酸を、100℃で1時間、続いて200℃で1時間、縮合水を系外へ除去しながら加熱攪拌し、ポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド溶液を放冷後、メタノール中に投入してポリイミドを析出させ、析出物をさらに洗浄・乾燥して、ポリイミド1(Tg=180℃、重量平均分子量:8万)樹脂固形分を得た。
・ポリイミド2(PI2)の合成
反応釜中で、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)0.43tをN,N-ジメチルアセトアミド(1.68t)に加え、窒素気流下、室温で撹拌した。
それに4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFDB)0.24tを加え、80℃で6時間加熱撹拌した。その後、外温を190℃まで加熱して、イミド化に伴って発生する水を留去した。6時間加熱、還流、撹拌を続けたところ、水の発生は認められなくなった。反応終了後にメタノールを投入して再沈殿し、ポリイミドAの粉体を得た。この作業を三回繰り返し、必要量のポリイミド2(Tg=350℃、重量平均分子量:8万)を得た。
・ポリアミドイミド(PAI)の合成
反応釜にN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)832kgを満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)64.046kg(0.2kmol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)31.09kg(0.07kmol)と4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)8.83kg(0.03kmol)を投入した後、一定の時間撹拌して溶解および反応させた。この際、溶液の温度は25℃に維持した。そして、塩化テレフタロイル(TPC)20.302kg(0.1kmol)を添加して固形分濃度13重量%のポリアミド酸溶液を得た。前記ポリアミド酸溶液にピリジン25.6kgおよび無水酢酸33.1kgを投入して30分撹拌した後、さらに70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノールで沈澱させ、沈澱した固形分を濾過して粉砕した後、100℃で真空にて6時間乾燥させて固形分粉末のポリアミドイミド(Tg=340℃、重量平均分子量:14万)を得た。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
JIS K7121(1987)に基づき、PAR、PIおよびPAIのガラス転移温度を測定した。測定装置としてはセイコーインスツル社製DSC6220を用い、透明基材の試料10mgを用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定を行った。結果を表1にまとめた。
続いて、上記各成分を用いて基材フィルムA1~A9およびC1~C4を作製した。
・基材フィルムの作製
(基材フィルムA1)
<マット剤添加液1の調製>
マット剤として、アエロジル(登録商標)R812(日本アエロジル株式会社製)を使用した。
アエロジル(登録商標)R812 11質量部
エタノール 89質量部
上記成分を、ディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行って、マット剤分散液1を調製した。
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分攪拌しながら、上記マット剤分散液1をゆっくりと添加した。メチレンクロライドとマット剤分散液1との使用量は、下記の通りである:
メチレンクロライド 99質量部
マット剤分散液1 5質量部
さらに、二次粒子の粒子径が所定の大きさ(平均二次粒子径:0.01μm)となるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線株式会社製のファインメットNFで濾過し、マット剤添加液1を調製した。
<ドープ1の調製>
下記組成のドープ1を調製した:
メチレンクロライド 390質量部
水素結合性溶媒(エタノール) 10質量部
ポリアリレート(PAR) 100質量部
マット剤添加液1(マット剤の固形分として) 0.05質量部
より具体的には、上記の成分を、密閉容器に入れ、攪拌しながら徐々に45℃まで昇温し、樹脂成分を完全に溶解させた。得られた液を、安積濾紙株式会社製の安積濾紙No.244を使用して濾過して、ドープ1を調製した。
<成膜>
得られたドープ1を、ベルト流延装置のステンレスベルト上に均一に流延した。ステンレスベルトの長さは20mのものを用いた。ステンレスベルトの表面温度は35℃とし、かつ流延膜に35℃の風を当てて、残留溶媒量が38%となるまで溶剤を蒸発させた後、ステンレスベルトから剥離して膜状物を得た。
<延伸>
得られた膜状物を、ロール間の周速差を利用してMD方向に170℃で1.2倍に延伸した後、テンターでTD方向に230℃で1.2倍に延伸した。
<乾燥>
得られた膜状物を、125℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら30分間乾燥させた後、フィルムの幅方向両端部に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施して、膜厚20μmの基材フィルムA1を得た。
(基材フィルムA2~A4)
基材フィルムの作製において、マット剤の添加量を表1に記載の通りとした以外は、基材フィルムA1と同様の方法で基材フィルムA2~A4を作製した。
(基材フィルムA5)
基材フィルムの作製において、マット剤の種類をアエロジル(登録商標)NAX50(日本アエロジル株式会社製)とした以外は、基材フィルムA1と同様の方法で基材フィルムA5を作製した。
(基材フィルムA6)
<ドープ2の調製>
下記組成のドープ2を、上記(ドープ1の調製)と同様の方法で調製した:
メチレンクロライド 390質量部
水素結合性溶媒(エタノール) 10質量部
ポリアリレート(PAR) 100質量部
得られたドープ2を用いたこと以外は、実施例1と同様の成膜、延伸、乾燥処理を行った。その後、得られたフィルムの片面を、下記の装置および条件でエキシマ処理をして凸凹を形成し、ロール状に巻き取って、基材フィルムA6を作製した。
エキシマ光照射装置:MECL-M-1-200(株式会社エム・ディ・コム製)
エキシマ光照射条件
ランプ封入ガス:Xe
波長:172nm
エキシマ光強度:130mW/cm(172nm)
試料と光源の距離:2mm
照射装置内の酸素濃度:0.3%(窒素パージ)
積算光量:3550mJ/cm
(基材フィルムA7)
得られたドープ2を用いたこと以外は、実施例1と同様の成膜、延伸、乾燥処理を行った。その後、図1に示す装置を用いて、得られたフィルムを搬送速度25m/minで搬送しながら、以下に示す型押し処理(再軟化プレス転写法)を実施して凸凹を形成し、基材フィルムA7を得た。
詳しくは、得られたフィルムを加熱室10中、粘度50Pa・sに加熱し(図2(A))、荷重100N/mmにて鋳型ロール2(アルミニウム製、直径φ=100mm、ロール長l=2000mm、表面粗さRa=3nm)と、表面が鏡面加工されたバックロール3(アルミニウム製、直径φ=100mm、ロール長l=2000mm)との間を通過させて、鋳型ロール2の凹凸パターンを転写率80%でフィルム1の第1表面1aの全面に転写させた(図2(B))。その後、フィルムを鋳型から離型し(図2(C))、凸部平坦フィルムを巻き取って基材フィルムA7を得た。
(基材フィルムA8、A9)
基材フィルムの作製において、樹脂の種類を表1に記載のものとした以外は、基材フィルムA1と同様の方法で基材フィルムA8、A9を作製した。
(基材フィルムC1)
基材フィルムの作製において、ドープ2を使用したこと以外は、基材フィルムA1と同様の方法で基材フィルムC1を作製した。
(基材フィルムC2)
基材フィルムの作製において、マット剤の添加量を表1に記載の通りとした以外は、基材フィルムA1と同様の方法で基材フィルムC2を作製した。
(基材フィルムC3)
基材フィルムの作製において、基材フィルムの表面Raが50nmになるようにした以外は、基材フィルムA7と同様の方法で基材フィルムC2を作製した。
(基材フィルムC4)
基材フィルムの作製において、マット剤の種類をシリカ粒子(シーホスター(登録商標) KE-S30、日本触媒製)とした以外は、基材フィルムA1と同様の方法で基材フィルムC4を作製した。
・基材フィルムの各物性測定
(算術平均粗さ(Ra)の測定)
上記作製した各フィルムの算術粗さRa(nm)について、JIS B0601:2001に従って、光学干渉式表面粗さ計(RST/PLUS、WYKO社製)を用いて測定した。
Figure 0007172981000006
・透明電極の作製
(実施例1)
基材フィルムA1のRaが0.5nmである面とキャンロールの外周面とを接触させて、基材フィルムA1上に厚さ50nmのITO膜をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、透明電極を形成した。具体的にスパッタは、以下のように行った。
<ITOターゲットのプリスパッタ>
真空条件下で、高磁場RF重畳DCスパッタ成膜装置の電極上に、予めセットしてあったITO酸化物ターゲットを以下の条件でプリスパッタを行った。インラインの抵抗値が安定状態になるまで行った。
ITO酸化物ターゲット: スズ酸化物の割合=10重量%(住友金属鉱山社製)
DC電力密度: 1.1W/cm
電力比: RF電力(13.56MHz)/DC電力=0.6
ターゲット表面の水平磁場: 100mT
温度: 150℃
気圧: 0.32Pa
導入ガス: アルゴンガス
<ITOターゲットの本スパッタ成膜>
プリスパッタと同様のITOターゲットを用いて、上記同様の高磁場RF重畳DCスパッタ成膜装置により、以下の条件で本スパッタを行って、膜厚28nmのITO膜を成膜した。
DC電力密度: 1.1W/cm
電力比: RF電力(13.56MHz)/DC電力=1
ターゲット表面の水平磁場: 100mT
温度: 150℃
気圧: 0.32Pa
導入ガス: アルゴンガス
(実施例2~9および比較例1~4)
透明電極の作製において、基材フィルムの種類を表1に記載の通りにした以外は、実施例1と同様の方法で各透明電極を作製した。
・評価
(色味評価)
作製した各基材フィルムについて、分光測色計(CM-3600d、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、透過モードでb値を測定し、下記の評価ランクに従って評価した。b値は、L表色系におけるbの値を表し、値が大きいほど基材フィルムの透過光が黄色味を帯びていることを表す。評価結果を表2に示す。
○:0以上1.0未満
×:1.0以上。
・タッチパネル表示装置の作製
特表2010-541109号公報に記載のようにパターン化された前記の各透明電極を用いて、各タッチパネル部材を作製した。
次に、SONY製21.5インチVAIOTap21(SVT21219DJB)のあらかじめ貼合されていたタッチパネル部材を剥がして、上記作製したタッチパネル部材を貼合し、各タッチパネル表示装置を作製した。
このようにして作製したタッチパネル表示装置に対し、下記の打鍵試験を行った。
(打鍵試験)
得られたタッチパネル表示装置に対し、打鍵試験機202型-950-2(株式会社タッチパネル研究所製)を用いて、打鍵速度を2Hz、荷重150gの条件で、カバーガラス側の上方から入力ペンを1万5000回押し当てた。なお、入力ペンのペン先材料はゴム(ポリアセタール)であり、Rは0.8mmであった。また、下に敷く測定盤をガラス基板とし、その上に、導電メッシュがガラス側になるようにして置き、上方から入力ペンを300g荷重で押し当て、摺動距離5cm、往復1秒(5cmを1秒間で往復)の条件で繰り返し摺動させることができる実験装置を用いて実験を行った。
タッチパネル試験機001型-29-2(株式会社タッチパネル研究所製)を用いて、打鍵試験前後のタッチパネル表示装置の端子間抵抗値を測定し、抵抗値変化率を下記評価基準に基づいて評価し、打鍵試験の評価とした。評価結果を表2に示す。
○:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が1.5%未満の値を示す
×:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が1.5%以上の値を示す
Figure 0007172981000007
上記実施例1~10の基材フィルムは、色ムラが抑えられ、且つ打鍵試験前後にタッチパネルの表面抵抗値の上昇率が抑えられたことが分かった。一方、フィルムのRaが本発明の所定の範囲を超えた比較例1~4の基材フィルムは、色味にムラができたことが観察され、また、打鍵試験前後にタッチパネルの表面抵抗値の上昇が顕著であった。
10 フィルム製造装置、
20 流延装置、
21 ダイス、
23 金属支持体、
23A ロール
w 風、
25 剥離ロール、
30 乾燥装置
31 ロール装置、
1 基材フィルム、
2 鋳型ロール。

Claims (5)

  1. ガラス転移温度が180℃以上である耐熱性樹脂と、マット剤とを含み、少なくとも片面の算術平均粗さRaが0.5nm以上、4.0nm以下である、透明電極用基材フィルムであって、
    前記耐熱性樹脂はポリアリレートを含み、
    前記マット剤の平均一次粒子径は5nm以上30nm以下であり、前記耐熱性樹脂100質量部に対して、前記マット剤が0.05質量部以上0.6質量部以下の割合で含まれる、透明電極用基材フィルム。
  2. 請求項に記載の透明電極用基材フィルムを含む、タッチパネル。
  3. 請求項に記載の透明電極用基材フィルムの少なくとも一方の面に、真空成膜法により透明電極を形成することを含む、透明電極の製造方法。
  4. 前記真空成膜法に用いられる真空成膜装置はキャンロールを備えた真空成膜装置であり、
    前記透明電極用基材フィルムの算術平均粗さRaが0.5nm以上、4.0nm以下である面を、前記キャンロールの外周面に接触させて搬送しながら、真空成膜法により透明電極を形成することを含む、請求項に記載の製造方法。
  5. 請求項またはに記載の製造方法で透明電極を作製することを含む、タッチパネルの製造方法。
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