本発明は、PD1の阻害剤と組み合わせてレナラーゼの阻害剤を使用した、がんの処置、阻害、予防または低下に関する。一実施形態では、レナラーゼの阻害剤は、抗レナラーゼ抗体またはその結合断片であり、PD1の阻害剤は、抗PD1抗体またはその結合断片である。別の実施形態では、レナラーゼの阻害剤は、抗レナラーゼ抗体またはその結合断片であり、PD1の阻害剤は、抗PD-L1抗体またはその結合断片である。
定義
他に定めがなければ、本明細書で使用されている全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意義を有する。
一般に、細胞培養、分子遺伝学、有機化学および核酸化学およびハイブリダイゼーションにおける、本明細書で使用されている命名法および実験室手順は、本技術分野で周知かつ一般的に用いられているものである。
核酸およびペプチド合成のために標準技法が使用される。技法および手順は一般に、本文書を通じて提供される、本技術分野の従来方法および様々な一般参考文献(例えば、SambrookおよびRussell、2012年、Molecular Cloning, A Laboratory Approach、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、NYならびにAusubelら、2012年、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、NY)に従って行われる。
本明細書で使用されている命名法、ならびに後述する分析化学および有機合成において使用されている実験室手順は、本技術分野で周知かつ一般的に用いられているものである。化学合成および化学解析のために標準技法またはその修正が使用される。
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、冠詞の文法上の目的語の1つまたは1つより多く(すなわち、少なくとも1つ)を指すように本明細書で使用されている。例として、「1つのエレメント(an element)」は、1つのエレメントまたは1つより多くのエレメントを意味する。
「約」は、本明細書において使用される場合、量、および時間的な期間などの測定可能な値を指す場合、指定の値から±20%または±10%または±5%または±1%または±0.1%の変動を包含することを意味するが、その理由として、このような変動が、開示されている方法を行うのに適切であることが挙げられる。
用語「異常な」は、生物、組織、細胞またはその構成成分の文脈で使用される場合、少なくとも1種の観察可能または検出可能な特徴(例えば、年齢、処置、時刻など)が、「正常」な(予想される/恒常性)それぞれの特徴を呈する生物、組織、細胞またはその構成成分とは異なる、生物、組織、細胞またはその構成成分を指す。ある細胞、組織型または被験体にとって正常なまたは予想される特徴は、異なる細胞または組織型にとって異常であり得る。
用語「アナログ」は、本明細書において使用される場合、それがアナログである化合物または「親」化合物と一般に構造的に同様な化合物を一般に指す。一般に、アナログは、親化合物のある特定の特徴、例えば、生物学的または薬理学的活性を保持する。アナログは、他のより望ましくない特徴、例えば、抗原性、タンパク質分解不安定性、および毒性などを欠くことができる。アナログは、親の特定の生物学的活性が低下されるが、親の1種または複数の別個の生物学的活性は「アナログ」において影響されない、化合物を含む。ポリペプチドに適用される場合、用語「アナログ」は、親化合物に対する変動する範囲のアミノ酸配列同一性、例えば、親、または親の選択される部分もしくはドメインの所与のアミノ酸配列におけるアミノ酸の少なくとも約70%、より好ましくは、少なくとも約80%~85%または約86%~89%、さらにより好ましくは、少なくとも約90%、約92%、約94%、約96%、約98%または約99%を有し得る。ポリペプチドに適用される場合、用語「アナログ」は、結合ドメイン融合タンパク質の少なくとも部分と実質的同一性を有する少なくとも約3アミノ酸のセグメントで構成されるポリペプチドを一般に指す。アナログは、典型的に、少なくとも5アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長またはそれより長い、少なくとも50アミノ酸長またはそれより長い、少なくとも100アミノ酸長またはそれより長い、少なくとも150アミノ酸長またはそれより長い、少なくとも200アミノ酸長またはそれより長く、より典型的には、少なくとも250アミノ酸長またはそれより長い。一部のアナログは、実質的な生物学的活性を欠くことができるが、依然として、所定のエピトープに対する抗体の作製のため、親和性クロマトグラフィーによって反応性抗体を検出および/もしくは精製するための免疫学的試薬として、または結合ドメイン融合タンパク質機能の競合的もしくは非競合的アゴニスト、アンタゴニストもしくは部分的アゴニストとしてなど、様々な使用に用いることができる。
用語「抗体」は、本明細書において使用される場合、結合パートナー分子の特異的エピトープに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を指す。抗体は、天然供給源に由来するまたは組換え供給源に由来するインタクト免疫グロブリンであり得、インタクト免疫グロブリンの免疫反応性部分であり得る。本発明における抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体(「イントラボディ(intrabody)」)、Fv、Fab、Fab’、F(ab)2およびF(ab’)2、ならびに単鎖抗体(scFv)、ラクダ科抗体などの重鎖抗体、およびヒト化抗体を含む、種々の形態で存在することができる(Harlowら、1999年、Using Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY;Harlowら、1989年、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、New York;Houstonら、1988年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85巻:5879~5883頁;Birdら、1988年、Science 242巻:423~426頁)。
用語「抗体断片」または「結合断片」は、抗体の少なくとも1つの部分を指し、インタクト抗体の抗原性決定可変領域を指す。抗体断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFv断片、直鎖状抗体、sdAb(VLまたはVHのいずれか)、ラクダ科VHHドメイン、scFv抗体、ならびに抗体断片から形成された多特異性抗体が挙げられるがこれらに限定されない。用語「scFv」は、軽鎖の可変領域を含む少なくとも1種の抗体断片、および重鎖の可変領域を含む少なくとも1種の抗体断片を含む融合タンパク質を指し、軽および重鎖可変領域は、短い可撓性ポリペプチドリンカーを介して近接して連結されており、単鎖ポリペプチドとして発現され得、scFvは、これが由来するインタクト抗体の特異性を保持する。指定されない限り、本明細書において使用される場合、scFvは、例えば、ポリペプチドのN末端およびC末端側の端に関して、いずれかの順序でVLおよびVH可変領域を有することができ、scFvは、VL-リンカー-VHを含むことができる、またはVH-リンカー-VLを含むことができる。
「抗体重鎖」は、本明細書において使用される場合、その天然に存在するコンフォメーションにおける抗体分子に存在する2種類のポリペプチド鎖の大きい方を指し、これは、通常、抗体が属するクラスを決定する。
「抗体軽鎖」は、本明細書において使用される場合、その天然に存在するコンフォメーションにおける抗体分子に存在する2種類のポリペプチド鎖の小さい方を指す。カッパー(κ)およびラムダ(λ)軽鎖は、2種の主要な抗体軽鎖アイソタイプを指す。
用語「合成抗体」とは、本明細書において使用される場合、例えば、本明細書に記載されているバクテリオファージによって発現される抗体など、組換えDNA技術を使用して生成される抗体を意味する。用語はまた、抗体をコードするDNA分子の合成によって生成された抗体を意味すると解釈されるべきであり、このDNA分子は、抗体タンパク質または抗体を指定するアミノ酸配列を発現し、DNAまたはアミノ酸配列は、本技術分野で利用可能かつ周知の合成DNAまたはアミノ酸配列決定技術を使用して得た。
「キメラ抗体」は、アクセプター抗体に由来する軽および重鎖定常領域と会合した、ドナー抗体に由来する天然に存在する可変領域(軽鎖および重鎖)を含有する操作された抗体の種類を指す。
「ヒト化抗体」は、非ヒトドナー免疫グロブリンに由来するそのCDRを有する操作された抗体の種類を指し、分子の残っている免疫グロブリン由来部分は、1種(または複数)のヒト免疫グロブリン(複数可)に由来する。加えて、フレームワーク支持残基は、結合親和性を保存するように変更させることができる(例えば、1989年、Queenら、Proc. Natl. Acad Sci USA、86巻:10029~10032頁;1991年、Hodgsonら、Bio/Technology、9巻:421頁を参照)。適したヒトアクセプター抗体は、従来データベース、例えば、KABATデータベース、Los AlamosデータベースおよびSwiss Proteinデータベースから、ドナー抗体のヌクレオチドおよびアミノ酸配列に対する相同性によって選択される抗体であり得る。ドナー抗体のフレームワーク領域に対する相同性(アミノ酸ベースで)によって特徴付けられるヒト抗体は、ドナーCDRの挿入のための重鎖定常領域および/または重鎖可変フレームワーク領域の提供に適することができる。軽鎖定常または可変フレームワーク領域を供与することができる適したアクセプター抗体は、同様の様式で選択することができる。アクセプター抗体重および軽鎖は、同じアクセプター抗体に起源をもつことを要求されないことに留意されたい。先行技術は、斯かるヒト化抗体を産生するいくつかの仕方について記載する(例えば、EP-A-0239400およびEP-A-054951を参照)。
用語「ドナー抗体」は、変更された免疫グロブリンコード領域、ならびにドナー抗体の結合特異性および中和活性特徴を有するその結果生じる発現された変更された抗体を提供するように、その可変領域、CDR、またはそれらの他の機能的断片もしくはアナログのアミノ酸配列を、第1の免疫グロブリンパートナーに与える抗体(モノクローナルおよび/または組換え)を指す。
用語「アクセプター抗体」は、その重および/もしくは軽鎖フレームワーク領域、ならびに/またはその重および/もしくは軽鎖定常領域をコードするアミノ酸配列の全て(または任意の部分、ただし、一部の実施形態では、全て)を、第1の免疫グロブリンパートナーに与える、ドナー抗体にとって異種の抗体(モノクローナルおよび/または組換え)を指す。ある特定の実施形態では、ヒト抗体がアクセプター抗体である。
「CDR」は、免疫グロブリン重および軽鎖の高頻度可変領域である、抗体の相補性決定領域アミノ酸配列として定義される。例えば、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第4版、U.S. Department of Health and Human Services、National Institutes of Health(1987年)を参照されたい。免疫グロブリンの可変部分には、3個の重鎖および3個の軽鎖CDR(またはCDR領域)が存在する。よって、「CDR」は、本明細書において使用される場合、全3個の重鎖CDRまたは全3個の軽鎖CDR(または適切であれば全重鎖CDRおよび全軽鎖CDRの両方)を指す。抗体の構造およびタンパク質フォールディングは、他の残基が、結合領域の一部と考慮され、当業者によってそのように理解されると予想されることを意味し得る。例えば、Chothiaら(1989年)Conformations of immunoglobulin hypervariable regions;Nature 342巻、877~883頁を参照されたい。
用語「フレームワーク」または「フレームワーク配列」は、可変領域マイナスCDRの残っている配列を指す。CDR配列の正確な定義は、異なる方式によって決定することができるため、フレームワーク配列の意味は、対応して異なる解釈に付される。6個のCDR(軽鎖のCDR-L1、-L2および-L3、ならびに重鎖のCDR-H1、-H2および-H3)はまた、軽鎖および重鎖におけるフレームワーク領域を、各鎖における4個の小領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)へと分け、この場合、CDR1はFR1およびFR2の間に、CDR2はFR2およびFR3の間に、ならびにCDR3はFR3およびFR4の間に位置する。FR1、FR2、FR3またはFR4として特定の小領域を指定することなく、フレームワーク領域は、他によって参照される通り、単一の天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わされたFRを表す。FRは、4個の小領域の1個を表し、FR(複数)は、フレームワーク領域を構成する4個の小領域の2個またはそれよりも多くを表す。
本明細書において使用される場合、「イムノアッセイ」は、標的分子に特異的に結合することができる抗体を使用して、標的分子を検出および定量化する、任意の結合アッセイを指す。
抗体に関して、用語「特異的に結合する」とは、本明細書において使用される場合、特異的結合パートナー分子を認識するが、試料中の他の分子を実質的に認識も結合もしない抗体を意味する。例えば、ある種由来の結合パートナー分子に特異的に結合する抗体は、1つまたは複数の種由来の当該結合パートナー分子にも結合することができる。ただし、斯かる種間反応性それ自体は、特異的として抗体の分類を変更しない。別の例では、結合パートナー分子に特異的に結合する抗体は、結合パートナー分子の異なるアレル型にも結合することができる。しかし、斯かる交差反応性それ自体は、特異的として抗体の分類を変更しない。
一部の実例では、用語「特異的結合」または「特異的に結合すること」は、抗体、タンパク質またはペプチドの第2の結合パートナー分子との相互作用を参照して使用して、相互作用が、結合パートナー分子における特定の構造(例えば、抗原性決定基またはエピトープ)の存在に依存性であることを意味し得る;例えば、抗体は、概してタンパク質ではなく特異的タンパク質構造を認識しこれに結合する。抗体が、エピトープ「A」に特異的である場合、標識された「A」および抗体を含有する反応における、エピトープA(または遊離した、標識されていないA)を含有する分子の存在は、抗体に結合された標識されたAの量を低下させる。一部の実例では、用語「特異的結合」および「特異的に結合すること」は、選択的結合を指し、抗体は、結合パートナー分子への結合の親和性増強に重要な配列またはコンフォメーションエピトープを認識する。
本明細書において使用される場合、結合タンパク質が、レナラーゼと特異的に結合する場合、用語「中和」は、レナラーゼの生物学的活性の中和を指す。好ましくは、中和結合タンパク質は、中和抗体であり、そのレナラーゼへの結合は、レナラーゼの生物学的活性の阻害をもたらす。好ましくは、中和結合タンパク質は、レナラーゼと結合し、レナラーゼの生物学的な活性を、少なくとも約20%、40%、60、80%、85%またはそれよりも多く低下させる。一部の実施形態では、レナラーゼは、ヒトレナラーゼである。
用語「エピトープ」は、例えば、scFvなど、抗体もしくはその結合部分または他の結合分子によって認識される結合パートナー分子における部位のその通常の意味を有する。エピトープは、タンパク質またはポリペプチド全体の小部分を表すセグメントを含む、アミノ酸の分子またはセグメントであり得る。エピトープは、コンフォメーション性(すなわち、不連続)であり得る。すなわち、エピトープは、タンパク質フォールディングによって並置された、一次配列の非近接部分によってコードされるアミノ酸から形成され得る。
語句「生物学的試料」は、本明細書において使用される場合、核酸またはポリペプチドの発現が検出され得る、細胞、組織または体液を含む任意の試料を含むことが意図される。斯かる生物学的試料の例として、血液、リンパ液、骨髄、生検材料およびスメアが挙げられるがこれらに限定されない。本来液体である試料は、本明細書において使用される場合、「体液」と称される。生物学的試料は、例えば、区域の擦過もしくは拭き取りによる、または体液を得るための針の使用によるものを含む種々の技法によって患者から得ることができる。様々な身体試料を収集するための方法は、本技術分野で周知である。
用語「がん」は、本明細書において使用される場合、異常な細胞の異常成長によって特徴付けられる疾患として定義される。がん細胞は、局所的に、または血流およびリンパ系を介して他の身体部分に拡散することができる。様々ながんの例として、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮頸部がん、皮膚がん(例えば、メラノーマ)、膵がん、結腸直腸がん、腎がん、肝臓がん、脳がん、リンパ腫、白血病、肺がん、および肉腫などが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「コンジュゲートされる」は、ある分子の、第2の分子への共有結合的付着を指す。
遺伝子の「コード領域」は、遺伝子の転写によって産生されるmRNA分子のコード領域とそれぞれ相同または相補的な、遺伝子のコード鎖のヌクレオチド残基および遺伝子の非コード鎖のヌクレオチドからなる。
mRNA分子の「コード領域」はまた、mRNA分子の翻訳の際にトランスファーRNA分子のアンチコドン領域とマッチする、または終止コドンをコードするmRNA分子のヌクレオチド残基からなる。よって、コード領域は、mRNA分子によってコードされる成熟タンパク質に存在しないアミノ酸残基(例えば、タンパク質輸送シグナル配列におけるアミノ酸残基)のコドンを含むヌクレオチド残基を含むことができる。
核酸を指すための「相補的」は、本明細書において使用される場合、2個の核酸鎖の領域の間の、または同じ核酸鎖の2個の領域の間の配列相補性の広い概念を指す。第1の核酸領域のアデニン残基は、第1の領域と逆平行である第2の核酸領域の残基と(残基がチミンまたはウラシルである場合)特異的水素結合を形成(「塩基対形成」)することができることが公知である。同様に、第1の核酸鎖のシトシン残基は、第1の鎖と逆平行である第2の核酸鎖の残基と(残基がグアニンである場合)塩基対形成することができることが公知である。2個の領域が逆平行様式で配置されると、第1の領域の少なくとも1個のヌクレオチド残基が、第2の領域の残基と塩基対形成することができる場合、核酸の第1の領域は、同じまたは異なる核酸の第2の領域に相補的である。好ましくは、第1の領域は、第1の部分を含み、第2の領域は、第2の部分を含み、それによって、第1および第2の部分が逆平行様式で配置されると、第1の部分のヌクレオチド残基の少なくとも約50%、好ましくは、少なくとも約75%、少なくとも約90%または少なくとも約95%は、第2の部分におけるヌクレオチド残基と塩基対形成することができる。より好ましくは、第1の部分の全てのヌクレオチド残基は、第2の部分におけるヌクレオチド残基と塩基対形成することができる。
本明細書において使用される場合、用語「誘導体」は、ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは他の分子の化学修飾を含む。本発明の文脈では、「誘導体ポリペプチド」、例えば、グリコシル化、ペグ化または任意の同様のプロセスによって修飾されたポリペプチドは、結合活性を保持する。例えば、結合ドメインの「誘導体」という用語は、例えば、1個または複数のポリエチレングリコール分子、糖、ホスフェートおよび/または他の斯かる分子の付加によって化学修飾された結合ドメイン融合タンパク質、バリアントまたは断片を含み、分子(単数または複数)は、野生型結合ドメイン融合タンパク質に天然に付着されていない。ポリペプチドの「誘導体」は、例えば、参照ポリペプチドと比べてアミノ酸置換、欠失または挿入を有することにより、参照ポリペプチドに「由来」するポリペプチドをさらに含む。よって、ポリペプチドは、野生型ポリペプチドまたは任意の他のポリペプチドに「由来」することができる。本明細書において使用される場合、ポリペプチドを含む化合物は、特定の供給源、例えば、特定の生物、組織型、または特定の生物もしくは特定の組織型に存在する特定のポリペプチド、核酸もしくは他の化合物に「由来」することもできる。
用語「DNA」は、本明細書において使用される場合、デオキシリボ核酸として定義される。
「コードする」は、ヌクレオチド(すなわち、rRNA、tRNAおよびmRNA)の定義される配列またはアミノ酸の定義される配列のいずれか、およびそれに起因する生物学的特性を有する、生物学的プロセスにおける他のポリマーおよび高分子の合成のための鋳型として機能する、遺伝子、cDNAまたはmRNAなど、ポリヌクレオチドにおけるヌクレオチドの特異的配列の固有の特性を指す。よって、遺伝子に対応するmRNAの転写および翻訳が、細胞または他の生物系においてタンパク質を産生する場合、当該遺伝子は、タンパク質をコードする。そのヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であり、配列表に通常提示されるコード鎖、および遺伝子またはcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖の両方が、当該遺伝子またはcDNAのタンパク質または他の産物をコードすると称されてよい。
他に指定がなければ、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、互いの縮重バージョンであり、同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチド配列を含む。タンパク質またはRNAをコードするヌクレオチド配列という語句は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列が、一部のバージョンにおいてイントロン(複数可)を含有することができる程度まで、イントロンを含むこともできる。
「疾患」は、動物の健康状態であり、動物は、恒常性を維持することができず、疾患が好転(ameliorate)されない場合には、動物の健康は、悪化し続ける。
対照的に、動物における「障害」は、動物が恒常性を維持することができるが、動物の健康状態は、障害の非存在下よりも都合が悪い健康状態である。未処置のままでは、障害は、動物の健康状態のさらなる低下を必ずしも引き起こさない。
疾患もしくは障害の徴候もしくは症状の重症度、患者によって斯かる徴候もしくは症状が経験される頻度、または両方が低下される場合、疾患または障害は、「軽減される」。
化合物の「有効量」または「治療有効量」は、化合物が投与される被験体に有益な効果をもたらすのに十分な化合物の量である。
本明細書に記載されている結合ドメインポリペプチドに対する「高い親和性」という用語は、少なくとも約10-6M、好ましくは、少なくとも約10-7M、より好ましくは少なくとも約10-8Mまたはそれよりも強い、より好ましくは少なくとも約10-9Mまたはそれよりも強い、より好ましくは少なくとも約10-10Mまたはそれよりも強い、例えば、最大10-12Mまたはそれよりも強い解離定数(Kd)を指す。しかし、「高い親和性」の結合は、他の結合ドメインポリペプチドに対して変動し得る。
用語「阻害する」は、本明細書において使用される場合、活性または機能を、例えば、対照値と比べて約10パーセント抑制または遮断することを意味する。好ましくは、活性は、対照値と比較して50%、より好ましくは75%、なおより好ましくは95%抑制または遮断される。「阻害する」は、本明細書において使用される場合、分子、反応、相互作用、遺伝子、mRNAおよび/またはタンパク質の発現、安定性、機能または活性のレベルを測定可能な量だけ低下させること、または完全に予防することも意味する。阻害剤は、例えば、タンパク質、遺伝子、ならびにmRNA安定性、発現、機能および活性に結合する、活性を部分的にまたは総体的に遮断する、活性化を減少させる、予防する、遅延させる、不活性化する、脱感作するまたは下方調節する化合物、例えば、アンタゴニストである。
目的の分子の「モジュレーター」および「モジュレーション」という用語は、本明細書において使用される場合、その様々な形態において、目的のプロテアーゼに関連する活性のアンタゴニズム、アゴニズム、部分的アンタゴニズムおよび/または部分的アゴニズムを包含することが意図される。様々な実施形態では、「モジュレーター」は、プロテアーゼ発現または活性を阻害または刺激することができる。斯かるモジュレーターは、プロテアーゼ分子の小分子アゴニストおよびアンタゴニスト、アンチセンス分子、リボザイム、三重鎖分子、ならびにRNAiポリヌクレオチドその他を含む。
本明細書において使用される場合、「指導的材料」は、本明細書に列挙されている様々な疾患または障害の軽減をもたらすためのキット内の本発明の化合物、組成物、ベクターまたは送達系の有用性を伝えるために使用することができる、刊行物、記録、図表または任意の他の表現媒体を含む。必要に応じてまたはその代わりに、指導的材料は、哺乳動物の細胞または組織における疾患または障害を軽減する1種または複数の方法について記載することができる。本発明のキットの指導的材料は、例えば、本発明の同定された化合物、組成物、ベクターもしくは送達系を含有する容器に貼る、または同定された化合物、組成物、ベクターもしくは送達系を含有する容器と一緒に発送することができる。あるいは、指導的材料および化合物がレシピエントによって協同的に使用される意図により、指導的材料は、容器とは別々に発送することができる。
「単離された」は、天然状態から変更または除去されることを意味する。例えば、生きている動物におけるその通常の状況で天然に存在する核酸またはペプチドは、「単離されて」いないが、その天然の状況の共存する材料から部分的にまたは完全に分離された同じ核酸またはペプチドは、「単離されている」。単離された核酸またはタンパク質は、実質的に精製された形態で存在することができる、または例えば、宿主細胞などの非ネイティブ環境に存在することができる。
「単離された核酸」は、天然に存在する状態でこれに近接する配列から分離された核酸セグメントまたは断片、すなわち、断片に通常隣接する配列、すなわち、これが天然に存在するゲノム内で断片に隣接する配列から除去されたDNA断片を指す。用語は、核酸に天然に付随する他の構成成分、すなわち、細胞においてこれに天然に付随するRNAまたはDNAまたはタンパク質から実質的に精製された核酸にも適用される。したがって、用語は、例えば、ベクターに、自律的に複製するプラスミドもしくはウイルスに、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAに取り込まれた、または他の配列とは独立して別々の分子として(すなわち、PCRまたは制限酵素消化によって産生されたcDNAまたはゲノムもしくはcDNA断片として)存在する組換えDNAを含む。これはまた、追加のポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAを含む。
本発明の文脈では、一般的に存在する核酸塩基のための以下の略語が使用される。「A」は、アデノシンを指し、「C」は、シトシンを指し、「G」は、グアノシンを指し、「T」は、チミジンを指し、「U」は、ウリジンを指す。
用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書において使用される場合、ヌクレオチドの鎖として定義される。さらに、核酸は、ヌクレオチドのポリマーである。よって、核酸およびポリヌクレオチドは、本明細書において使用される場合、互換的である。当業者は、核酸が、加水分解されて単量体「ヌクレオチド」となることができるポリヌクレオチドであるという一般知識を有する。単量体ヌクレオチドは加水分解されてヌクレオシドとなることができる。本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチドとして、組換え手段、すなわち、通常のクローニング技術およびPCRを使用した、組換えライブラリーまたは細胞ゲノムからの核酸配列のクローニングなどを限定することなく含む本技術分野で利用可能な任意の手段によって、ならびに合成手段によって、得られる全ての核酸配列が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される場合、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」は、互換的に使用され、ペプチド結合によって共有結合的に連結されたアミノ酸残基で構成される化合物を指す。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2個のアミノ酸を含有する必要があり、タンパク質またはペプチドの配列を構成し得るアミノ酸の最大数に限界はない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに接合された2個またはそれよりも多いアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を含む。本明細書において使用される場合、この用語は、本技術分野において一般的に、例えば、ペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも称される、短い鎖、ならびに本技術分野において一般に、多くの種類があるタンパク質と称される、より長い鎖の両方を指す。「ポリペプチド」は、例えば、とりわけ、生物学的に活性な断片、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドのバリアント、修飾されたポリペプチド、誘導体、アナログ、融合タンパク質を含む。ポリペプチドは、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、またはこれらの組み合わせを含む。
用語「保存的置換」は、ポリペプチドについて記載する場合、ポリペプチドの活性を実質的に変更しない、ポリペプチドのアミノ酸組成の変化、すなわち、アミノ酸の、同様の特性を有する他のアミノ酸による置換を指す。機能的に同様のアミノ酸を提示する保存的置換表は、本技術分野で周知である。以下の6群はそれぞれ、互いに対する保存的置換を表すと一般に理解されているアミノ酸を含有する:(1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T);(2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);(3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);(4)アルギニン(R)、リシン(K);(5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);および(6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)(Creighton、1984年、Proteins、W.H. Freeman and Companyも参照)。上で定義された保存的置換に加えて、アミノ酸残基の他の修飾も、「保存的に修飾されたバリアント」をもたらすことができる。例えば、正であれ負であれ、全ての荷電アミノ酸を、互いに対する置換として考慮することができる。加えて、保存的に修飾されたバリアントは、コードされる配列における単一のアミノ酸または少ないパーセンテージのアミノ酸、例えば、多くの場合、5%未満を変更、付加または欠失する、個々の置換、欠失または付加に起因することもできる。さらに、保存的に修飾されたバリアントは、ネイティブまたは野生型遺伝子によって用いられるアミノ酸のコドンを、同じアミノ酸の異なるコドンにより置換することにより、組換えポリペプチドから作製することもできる。
用語「RNA」は、本明細書において使用される場合、リボ核酸として定義される。
用語「組換えDNA」は、本明細書において使用される場合、異なる供給源由来のDNAの小片を接合することにより産生されるDNAとして定義される。
用語「組換えポリペプチド」は、本明細書において使用される場合、組換えDNA方法を使用することにより産生されるポリペプチドとして定義される。
「薬学的に許容される」とは、例えば、製剤の他の成分と適合性であり、一般に、そのレシピエントへの投与に安全である担体、希釈剤または賦形剤を意味する。本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、コンジュゲートと組み合わされた場合、コンジュゲートの活性を保持し、被験体の免疫系と非反応性である任意の材料を含む。例として、リン酸緩衝食塩水溶液、水、油/水エマルションなどのエマルション、および様々な種類の湿潤剤など、標準医薬担体のいずれかが挙げられるがこれらに限定されない。他の担体は、無菌溶液、コーティングされた錠剤を含む錠剤、およびカプセルを含むこともできる。典型的には、斯かる担体は、デンプン、ミルク、糖、ある特定の種類の粘土、ゼラチン、ステアリン酸もしくはその塩、ステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、タルク、植物性脂肪もしくは油、ガム、グリコール、または他の公知の賦形剤など、賦形剤を含有する。斯かる担体は、矯味矯臭および着色添加物または他の成分を含むこともできる。斯かる担体を含む組成物は、周知の従来方法によって製剤化される。
用語「患者」、「被験体」、および「個体」などは、本明細書で互換的に使用され、状態もしくはその続発症の治療法を必要とするヒト、または状態もしくはその続発症に対して感受性を有するヒトを含む、補体系を有する任意の動物、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトを指す。よって、個体は、例えば、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、サルおよびマウスおよびヒトを含むことができる。
語句「パーセント(%)同一性」は、2種またはそれよりも多いアミノ酸配列の比較において見出される配列類似性のパーセンテージを指す。パーセント同一性は、任意の適したソフトウェアを使用して電子的に決定することができる。同様に、2種のポリペプチド(またはそのいずれか一方もしくは両方の1種もしくは複数の部分)の間の「類似性」は、あるポリペプチドのアミノ酸配列を、第2のポリペプチドのアミノ酸配列と比較することにより決定される。斯かる比較に有用な任意の適したアルゴリズムは、本発明の文脈における適用に適応させることができる。
「治療的」処置は、病理の徴候を示す被験体に、それらの徴候を縮小または排除する目的で投与される処置である。
「治療有効量」は、患者に投与されると疾患の症状を好転させる、本発明の化合物の量である。「治療有効量」を構成する本発明の化合物の量は、化合物、疾患状態およびその重症度、および処置されるべき患者の年齢などに応じて変動する。治療有効量は、当業者が、自身の知識および本開示を考慮することによって慣例的に決定することができる。
用語「処置する」、「処置すること」および「処置」は、本明細書に記載されている治療的または予防的方策を指す。「処置」の方法は、障害または再発する障害の1種または複数の症状を予防する、治癒する、遅延させる、その重症度を低下させる、または好転させるための、あるいは斯かる処置の非存在下で予想される生存を越えて被験体の生存を延長するための、斯かる処置、本発明の組成物を必要とする被験体、例えば、がんを含む疾患もしくは障害を患う被験体、またはがんを含む斯かる疾患もしくは障害を最終的に得る可能性がある被験体への投与を用いる。
「バリアント」は、用語が本明細書で使用される場合、それぞれ参照核酸配列またはペプチド配列とは配列が異なるが、参照分子の本質的生物学的特性を保持する核酸配列またはペプチド配列である。核酸バリアントの配列の変化は、参照核酸によってコードされるペプチドのアミノ酸配列を変更させなくてよい、またはアミノ酸置換、付加、欠失、融合およびトランケーションをもたらしてよい。参照ペプチドおよびバリアントの配列が、全体的に密接に類似し、多くの領域で同一となるように、ペプチドバリアントの配列の変化は典型的に、限定的または保存的である。バリアントおよび参照ペプチドは、任意の組み合わせの1個または複数の置換、付加、欠失によって、アミノ酸配列において異なることができる。核酸またはペプチドのバリアントは、アレルバリアントなど、天然に存在し得る、または天然に存在することが知られていないバリアントであり得る。核酸およびペプチドの天然に存在しないバリアントは、変異誘発技法によってまたは直接的合成によって作製することができる。
範囲:本開示を通して、本発明の様々な態様が、範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載が、単に便利さおよび簡潔さのためであり、本発明の範囲における柔軟性がない限定として解釈するべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、全ての可能な部分的範囲ならびに当該範囲内の個々の数値を具体的に開示したと考慮するべきである。例えば、1~6など、範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分的範囲、ならびに当該範囲内の個々の数、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3および6を具体的に開示したと考慮するべきである。このことは、範囲の幅に関係なく適用される。
記載
本発明は、PD1の阻害剤と組み合わせてレナラーゼの阻害剤を使用した、がんの処置、阻害、予防または低下のための組成物および方法に関する。一実施形態では、レナラーゼの阻害剤は、抗レナラーゼ抗体またはその結合断片であり、PD1の阻害剤は、抗PD1抗体またはその結合断片である。別の実施形態では、レナラーゼの阻害剤は、抗レナラーゼ抗体またはその結合断片であり、PD1の阻害剤は、抗PD-L1抗体またはその結合断片である。
様々な実施形態では、本発明は、抗体またはその結合断片などのPD1の阻害剤と組み合わせて、抗体またはその結合断片などのレナラーゼの阻害剤を、それを必要とする被験体に投与することにより、個体におけるがんを処置、阻害、予防または低下させるための組成物および方法に関する。
様々な実施形態では、本発明は、PD1のレベル、産生、活性または結合活性の1種または複数と組み合わせて、レナラーゼのレベル、産生または活性の1種または複数を減少させるための組成物および方法を提供する。他の様々な実施形態では、本発明は、PD-L1のレベル、産生、活性または結合活性の1種または複数と組み合わせて、レナラーゼのレベル、産生または活性の1種または複数を減少させるための組成物および方法を提供する。
治療用阻害剤組成物および使用方法
様々な実施形態では、本発明は、レナラーゼの縮小されたレベルまたは活性が望まれる疾患または障害の処置または予防における使用のための、レナラーゼ阻害剤組成物および方法ならびにPD1阻害剤組成物および方法の組み合わせを含む。本発明の組成物および方法で処置または予防することができる、PD1の縮小されたレベルまたは活性と組み合わせたレナラーゼの縮小されたレベルまたは活性が望まれる疾患または障害の一例は、がんを含む。様々な実施形態では、本発明の処置または予防のレナラーゼ阻害剤組成物および方法は、レナラーゼポリペプチドの量、レナラーゼペプチド断片の量、レナラーゼmRNAの量、レナラーゼ酵素活性の量、レナラーゼ基質結合活性の量、レナラーゼ受容体結合活性の量、またはこれらの組み合わせを縮小する。様々な実施形態では、本発明の処置または予防のPD1阻害剤組成物および方法は、PD1ポリペプチドの量、PD1 mRNAの量、PD1酵素活性の量、PD1結合活性の量、PD1受容体結合活性の量、またはこれらの組み合わせを縮小する。当業者は、PD1活性の量を縮小するための1種の仕方が、抗PD1抗体もしくはその結合断片とPD1を結合させることによる、および/または抗PD-L1抗体もしくはその結合断片とPD-L1を結合させることによるなど、PD1へのPD-L1の結合に干渉するおよび/またはこれを予防することによることを理解すると予想される。
当業者であれば、本明細書に提供される本開示に基づき、レナラーゼのレベルの減少が、転写、翻訳または両方を含むレナラーゼ発現の減少を包含し、RNAレベル(例えば、RNAi、shRNAなど)およびタンパク質レベル(例えば、ユビキチン化など)を含むレナラーゼの分解の促進も包含することが理解されよう。当業者は、本発明の教示を具備したら、レナラーゼのレベルの減少が、レナラーゼ活性(例えば、酵素活性、基質結合活性、受容体結合活性など)の減少を含むことも認めると予想される。当業者であれば、本明細書に提供される本開示に基づき、PD1のレベルの減少が、転写、翻訳または両方を含むPD1発現の減少を包含し、RNAレベル(例えば、RNAi、shRNAなど)およびタンパク質レベル(例えば、ユビキチン化など)を含むPD1の分解の促進も包含することも理解されよう。当業者は、本発明の教示を具備したら、PD1のレベルの減少が、PD1活性(例えば、酵素活性、基質結合活性、受容体結合活性、リガンド結合活性など)の減少を含むことも認めると予想される。よって、レナラーゼまたはPD1のレベルまたは活性を減少させることとして、レナラーゼまたはPD1をコードする核酸の転写、翻訳または両方を減少させることが挙げられるがこれらに限定されず;これは、同様に、レナラーゼもしくはPD1ポリペプチド、またはそれらのペプチド断片の任意の活性を減少させることも含む。
阻害は、本明細書に開示されている方法、ならびに本技術分野で公知のまたは将来開発されることになる方法を含む多種多様な方法を使用して評価することができる。すなわち、慣例に従う者(routineer)は、本明細書に提供される本開示に基づき、レナラーゼまたはPD1のレベルまたは活性を減少させることを、レナラーゼまたはPD1をコードする核酸(例えば、mRNA)のレベル、生物学的試料中に存在するレナラーゼもしくはPD1ポリペプチドまたはそれらのペプチド断片のレベル、レナラーゼ活性(例えば、酵素活性、基質結合活性、受容体結合活性、リガンド結合活性など)のレベル、あるいはこれらの組み合わせを評価する方法を使用して容易に評価することができることを認めると予想される。
当業者は、本明細書に提供される本開示に基づき、被験体が、同様に他の薬物療法または治療法によって処置されているか否かにかかわらず、本発明が、それを必要とする被験体におけるがんの処置または予防において有用であることを理解すると予想される。さらに、当業者は、本明細書に提供される教示に基づき、本明細書に記載されている組成物および方法によって処置可能な疾患または障害が、レナラーゼおよびPD1が役割を果たし、縮小されたPD1レベルまたは活性と組み合わせた縮小されたレナラーゼレベルまたは活性が、肯定的な治療転帰を促進すると予想される任意の疾患または障害を包含することをさらに認めると予想される。一実施形態では、本発明の化合物および方法を使用して処置可能または予防可能な疾患または障害は、がんである。
PD1のレベルまたは活性と組み合わせてレナラーゼのレベルまたは活性を減少させる本発明の阻害剤組成物および方法は、抗体およびその結合断片を含む。本発明の抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体(「イントラボディ」)、Fv、FabおよびF(ab)2、単鎖抗体(scFv)、重鎖抗体(ラクダ科抗体など)、合成抗体、キメラ抗体ならびにヒト化抗体を含む、種々の形態の抗体を含む。一実施形態では、本発明の抗体は、レナラーゼに特異的に結合する抗体である。別の実施形態では、本発明の抗体は、PD1に特異的に結合する抗体である。
一部の実施形態では、被験体への、がんの処置のための本発明の抗体の投与は、がんに対する被験体の免疫系による免疫応答を惹起および/または補充するように機能する。がんに対する被験体の免疫応答は、自然免疫応答、液性免疫応答、細胞媒介性免疫応答またはこれらの組み合わせを含む、いずれかの宿主防御または応答であり得る。
当業者は、抗レナラーゼ抗体ならびに抗PD1抗体および/または抗PD-L1抗体の組み合わせを、急性的に(例えば、1日間、1週間または1ヶ月間など、短い期間にわたる)または慢性的に(例えば、数ヶ月間または1年間もしくはそれよりも長いなど、長い期間にわたる)投与することができることを認めると予想される。当業者は、両方の抗体が同時発生的に投与されるように、またはそれぞれが他方の前および/もしくは後に単独で投与され得るという点において、各抗体が被験体に時間的な意味で単独で投与されるように、抗レナラーゼ抗体および抗PD1抗体の組み合わせを投与することができることも認めると予想される。当業者は、2種の抗体のそれぞれが単独で投与され、一方が他方の前に投与される場合、投与された抗体のそれぞれの活性が依然として被験体において生じている限りにおいて、2種の抗体は依然として、組み合わせて送達されていることを理解すると予想される。よって、組み合わせの第1の抗体は、数秒間から数分間、数時間、数日間、数週間までの範囲の間隔で、組み合わせの第2の抗体に先行するまたは後続することができる。
様々な実施形態では、本明細書に記載されている本発明のレナラーゼまたはレナラーゼ断片の阻害剤のいずれかは、単独で、またはがんに関連する他の分子の他の阻害剤と組み合わせて投与することができる。
当業者であれば、本明細書に詳述されている方法を含む本開示を具備すると、本発明が、既に確立されているがんなどの疾患または障害の処置に限定されないことが認められよう。特に、疾患または障害は、被験体への損傷時点に顕在化している必要はない;実際に、疾患または障害は、処置が投与される前の被験体において検出されている必要はない。すなわち、顕著な疾患または障害は、本発明が利益をもたらすことができる前に発生している必要はない。したがって、本明細書の他の箇所に以前に考察されている抗レナラーゼ抗体および抗PD1抗体またはそれらの結合断片の組み合わせが、疾患または障害の発病に先立ち被験体に投与し、これにより、疾患または障害の発症を予防することができるという点において、本発明は、被験体における疾患または障害を予防するための方法を含む。本明細書に記載されている予防的方法は、疾患または障害の再発の予防のための、寛解にある被験体の処置も含む。
本発明のその結合断片を含む抗体は、ある特定の実施形態では、任意の適したポリヌクレオチドによってコードされる、本明細書に開示されている抗体アミノ酸配列、または任意の単離もしくは製剤化された抗体を含む。さらに、本開示の抗体は、本明細書に記載されている抗レナラーゼまたは抗PD1抗体の構造的および/または機能的特色を有する抗体を含む。
一実施形態では、本発明の抗体は、レナラーゼもしくはPD1もしくはPD-L1タンパク質、ペプチド、サブユニット、断片、部分、またはこれらの任意の組み合わせに特異的な少なくとも1種の指定されたエピトープを免疫特異的に結合し、他のポリペプチドには特異的に結合しない。少なくとも1種のエピトープは、標的タンパク質(すなわち、レナラーゼ、PD1、PD-L1)の少なくとも1種の部分を含む少なくとも1種の抗体結合領域を含むことができる。用語「エピトープ」は、本明細書において使用される場合、抗体に結合することができるタンパク質決定基を指す。エピトープは、通常、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面グループ分けからなり、通常、特異的三次元構造的特徴ならびに特異的電荷特徴を有する。コンフォメーションエピトープおよび非コンフォメーションエピトープは、変性溶媒の存在下で前者への結合が失われるが後者への結合は失われないという点において区別される。一部の実施形態では、本発明の抗レナラーゼ抗体は、配列番号1~7、8、50、92、94およびこれらの断片の少なくとも1種に特異的に結合する。
抗体の結合部分は、結合パートナー分子(例えば、レナラーゼ)に特異的に結合する能力を保持する抗体の1種または複数の断片を含む。抗体の結合機能は、全長抗体の断片によって行われ得ることが示されている。抗体の「結合部分」という用語内に包含される結合断片の例として、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結された2個のFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら(1989年)Nature 341巻:544~546頁);ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2個のドメインであるVLおよびVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、組換え方法を使用して、VLおよびVH領域が対形成して一価分子を形成する単一のタンパク質鎖として作製することができるようにする合成リンカーによって接合されていてよい(単鎖Fv(scFv)として公知;例えば、Birdら(1988年)Science 242巻:423~426頁;およびHustonら(1988年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85巻:5879~5883頁を参照)。斯かる単鎖抗体はまた、抗体の「結合部分」という用語内に包含されることが意図される。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来技法を使用して得られ、断片は、インタクト抗体と同じ様式で有用性についてスクリーニングされる。結合部分は、組換えDNA技法によって、またはインタクト免疫グロブリンの酵素によるもしくは化学的な切断によって産生することができる。
一部の実施形態では、抗レナラーゼ抗体は、レナラーゼ-1に特異的に結合する。他の実施形態では、抗レナラーゼ抗体は、レナラーゼ-2に特異的に結合する。さらに別の実施形態では、抗レナラーゼ抗体は、レナラーゼ-1およびレナラーゼ-2の両方に特異的に結合する。加えて、エピトープ特異的抗体が生成された。本発明の好ましい抗体は、モノクローナル抗体1C-22-1、1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7および3A-5-2を含む。二重特異性抗体、例えば、レナラーゼ-1およびレナラーゼ-2を認識する抗体の例として、抗体1C-22-1、1D-28-4、1D-37-10、および表1に記載されているポリクローナル抗体が挙げられる。レナラーゼ型特異的抗体の例として、レナラーゼ-1に特異的な1F-26-1、1F42-7が挙げられる。3A-5-2は、レナラーゼ-2に特異的である。抗レナラーゼモノクローナル抗体をコードする配列は、図5に表記されている。
モノクローナル抗体1D-28-4の重鎖コード配列の核酸(配列番号52)およびアミノ酸配列(配列番号9)は、図5Aに見出される。モノクローナル抗体1D-28-4の軽鎖コード配列の核酸(配列番号53)およびアミノ酸配列(配列番号10)は、図5Bに見出される。
モノクローナル抗体1D-37-10の重鎖コード配列の核酸(配列番号60)およびアミノ酸配列(配列番号17)は、図5Cに見出される。モノクローナル抗体1D-37-10の軽鎖コード配列の核酸(配列番号61)およびアミノ酸配列(配列番号18)は、図5Dに見出される。
モノクローナル抗体1F-26-1の重鎖コード配列の核酸(配列番号68)およびアミノ酸配列(配列番号25)は、図5Eに見出される。モノクローナル抗体1F-26-1の軽鎖コード配列の核酸(配列番号69)およびアミノ酸配列(配列番号26)は、図5Fに見出される。
モノクローナル抗体1F-42-7の重鎖コード配列の核酸(配列番号76)およびアミノ酸配列(配列番号33)は、図5Gに見出される。モノクローナル抗体1F-42-7の軽鎖コード配列の核酸(配列番号77)およびアミノ酸配列(配列番号34)は、図5Hに見出される。
モノクローナル抗体3A-5-2の重鎖コード配列の核酸(配列番号84)およびアミノ酸配列(配列番号41)は、図5Iに見出される。モノクローナル抗体3A-5-2の軽鎖コード配列の核酸(配列番号85)およびアミノ酸配列(配列番号42)は、図5Jに見出される。
配列のそれぞれにおける下線を引かれた配列は、重および軽鎖のそれぞれのCDR1、CDR2およびCDR3配列を取り込む。
モノクローナル抗体のうちの特定のものが、レナラーゼタンパク質に結合することができることを考慮すると、VHおよびVL配列を「混合およびマッチ」して、本開示の他の抗レナラーゼ結合分子を創出することができる。斯かる「混合およびマッチされた」抗体のレナラーゼ結合は、上および実施例に記載されている結合アッセイを使用して検査することができる(例えば、イムノブロット、Bia-Coreなど)。好ましくは、VHおよびVL鎖が混合およびマッチされる場合、特定のVH/VL対形成由来のVH配列は、構造的に同様のVH配列により置き換えられる。同様に、好ましくは、特定のVH/VL対形成由来のVL配列は、構造的に同様のVL配列により置き換えられる。
したがって、一態様では、本開示は、(a)配列番号9、17、25、33および41からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;ならびに(b)配列番号10、18、26、34および42からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、単離されたモノクローナル抗体またはその結合部分であって、抗体が、レナラーゼタンパク質と特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその結合部分を提供する。
好ましい重および軽鎖組み合わせは、(a)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(b)配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(c)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(d)配列番号33のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号34のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(e)配列番号41のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
別の態様では、本開示は、1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7もしくは3A-5-2、またはこれらの組み合わせの重鎖および軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を含む抗体を提供する。1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7および3A-5-2のVH CDR1のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号11、19、27、35および43に示す配列を取り込む。1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7または3A-5-2のVH CDR2のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号12、20、28、36および44に示す配列を取り込む。1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7または3A-5-2のVH CDR3のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号13、21、29、37および45に示す配列を取り込む。1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7または3A-5-2のVK CDR1のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号14、22、30、38および46に示す配列を取り込む。1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7または3A-5-2のVK CDR2のアミノ酸配列は、配列番号15、23、31、39および47に示す配列を取り込む。1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7または3A-5-2のVκCDR3のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号16、24、32、40および48に示す配列を取り込む。CDR領域は、Kabat方式を使用して描写される(Kabat, E. A.ら(1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S. Department of Health and Human Services、NIH公開番号91-3242)。
これらの抗体のそれぞれが、レナラーゼファミリーメンバーに結合することができ、結合特異性が、主にCDRl、CDR2およびCDR3領域によってもたらされることを考慮すると、VH CDRl、CDR2およびCDR3配列ならびにVL CDR1、CDR2およびCDR3配列を「混合およびマッチ」して(すなわち、各抗体は、VH CDRl、CDR2およびCDR3ならびにVL CDRl、CDR2およびCDR3を含有しなければならないが、異なる抗体由来のCDRを混合およびマッチすることができる)、本開示の他の抗レナラーゼ結合分子を創出することができる。斯かる「混合およびマッチされた」抗体のレナラーゼ結合は、上および実施例に記載されている結合アッセイを使用して検査することができる(例えば、イムノブロット、Biacore(登録商標)解析など)。好ましくは、VH CDR配列が混合およびマッチされる場合、特定のVH配列由来のCDRl、CDR2および/またはCDR3配列は、構造的に同様のCDR配列(複数可)により置き換えられる。同様に、VL CDR配列が混合およびマッチされる場合、特定のVL配列由来のCDRl、CDR2および/またはCDR3配列は、好ましくは、構造的に同様のCDR配列(複数可)により置き換えられる。当業者には、1個または複数のVHおよび/またはVL CDR領域配列を、モノクローナル抗体1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F-42-7または3A-5-2について本明細書に開示されているCDR配列由来の構造的に同様の配列により置換することにより、新規VHおよびVL配列を創出することができることが容易に明らかとなると予想される。
したがって、別の態様では、本発明は、(a)配列番号11、19、27、35および43からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDRl;(b)配列番号12、20、28、36および44からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;(c)配列番号13、21、29、37および45からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;(d)配列番号14、22、30、38および46からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDRl;(e)配列番号15、23、31、39および47からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;ならびに(f)配列番号16、24、32、40および48からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3から選択される少なくとも1種を含む、単離されたモノクローナル抗体またはその結合部分であって、抗体が、レナラーゼと特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体またはその結合部分を提供する。
別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号11を含む重鎖可変領域CDRl;(b)配列番号12を含む重鎖可変領域CDR2;(c)配列番号13を含む重鎖可変領域CDR3;(d)配列番号14を含む軽鎖可変領域CDRl;(e)配列番号15を含む軽鎖可変領域CDR2;および(f)配列番号16を含む軽鎖可変領域CDR3から選択されるCDRの少なくとも1種を含む。
別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号19を含む重鎖可変領域CDRl;(b)配列番号20を含む重鎖可変領域CDR2;(c)配列番号21を含む重鎖可変領域CDR3;(d)配列番号22を含む軽鎖可変領域CDRl;(e)配列番号23を含む軽鎖可変領域CDR2;および(f)配列番号24を含む軽鎖可変領域CDR3から選択されるCDRの少なくとも1種を含む。
別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号27を含む重鎖可変領域CDRl;(b)配列番号28を含む重鎖可変領域CDR2;(c)配列番号29を含む重鎖可変領域CDR3;(d)配列番号30を含む軽鎖可変領域CDRl;(e)配列番号31を含む軽鎖可変領域CDR2;および(f)配列番号32を含む軽鎖可変領域CDR3から選択されるCDRの少なくとも1種を含む。
別の他の実施形態では、抗体は、(a)配列番号35を含む重鎖可変領域CDRl;(b)配列番号36を含む重鎖可変領域CDR2;(c)配列番号37を含む重鎖可変領域CDR3;(d)配列番号38を含む軽鎖可変領域CDRl;(e)配列番号39を含む軽鎖可変領域CDR2;および(f)配列番号40を含む軽鎖可変領域CDR3から選択されるCDRの少なくとも1種を含む。
別の実施形態では、抗体は、(a)配列番号43を含む重鎖可変領域CDRl;(b)配列番号44を含む重鎖可変領域CDR2;(c)配列番号45を含む重鎖可変領域CDR3;(d)配列番号46を含む軽鎖可変領域CDRl;(e)配列番号47を含む軽鎖可変領域CDR2;および(f)配列番号48を含む軽鎖可変領域CDR3から選択されるCDRの少なくとも1種を含む。
様々な実施形態では、本発明の抗体は、1×10-6Mもしくはそれに満たない、より好ましくは1×10-7Mもしくはそれに満たない、より好ましくは1×10-8Mもしくはそれに満たない、より好ましくは5×10-9Mもしくはそれに満たない、より好ましくは1×10-9Mもしくはそれに満たない、またはなおより好ましくは3×10-10Mもしくはそれに満たないKDで、その標的タンパク質(すなわち、レナラーゼまたはPD1またはPD-L1)に結合する。タンパク質にも細胞にも「実質的に結合しない」という用語は、本明細書において使用される場合、タンパク質にも細胞にも結合しないことまたは高い親和性で結合しないこと、すなわち、1×106Mまたはそれよりも高い、より好ましくは1×105Mまたはそれよりも高い、より好ましくは1×104Mまたはそれよりも高い、より好ましくは1×103Mまたはそれよりも高い、なおより好ましくは1×102Mまたはそれよりも高い値を超えるKDでタンパク質または細胞に結合することを意味する。用語「KD」は、本明細書において使用される場合、KdのKaに対する比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表現される解離定数を指すことが意図される。レナラーゼ結合分子(例えば、抗体など)に対するKD値は、本技術分野で十分に確立された方法を使用して決定することができる。結合分子(例えば、抗体など)のKDを決定するための好ましい方法は、表面プラズモン共鳴を使用すること、好ましくは、Biacore(登録商標)システムなどのバイオセンサーシステムを使用することによる。
本明細書において使用される場合、IgG抗体に対する「高い親和性」という用語は、標的結合パートナー分子に対して1×10-7Mまたはそれに満たない、より好ましくは5×10-8Mまたはそれに満たない、なおより好ましくは1×10-8Mまたはそれに満たない、なおより好ましくは5×10-9Mまたはそれに満たない、なおより好ましくは1×10-9Mまたはそれに満たないKDを有する抗体を指す。しかし、「高い親和性」結合は、他の抗体アイソタイプに対して変動し得る。例えば、IgMアイソタイプに対する「高い親和性」結合は、10-6Mまたはそれに満たない、より好ましくは10-7Mまたはそれに満たない、なおより好ましくは10-8Mまたはそれに満たないKDを有する抗体を指す。
ある特定の実施形態では、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域など、重鎖定常領域を含む。好ましくは、重鎖定常領域は、IgG1重鎖定常領域またはIgG4重鎖定常領域である。さらに、抗体は、カッパー軽鎖定常領域またはラムダ軽鎖定常領域のいずれかの軽鎖定常領域を含むことができる。好ましくは、抗体は、カッパー軽鎖定常領域を含む。あるいは、抗体部分は、例えば、Fab断片または単鎖Fv断片であり得る。
抗レナラーゼ抗体の生成
本発明は、レナラーゼに結合する組成物を提供する。本明細書に開示されているレナラーゼ分子は、本明細書に開示されている他のポリペプチドと高いおよび/または有意な配列同一性を有する分子を含む分子のクラスである。より具体的には、推定レナラーゼは、配列番号49または51の配列を有する核酸と少なくとも約40%の配列同一性を共有する。より好ましくは、レナラーゼをコードする核酸は、本明細書に開示されている配列番号49または51と少なくとも約45%の同一性、または少なくとも約50%の同一性、または少なくとも約55%の同一性、または少なくとも約60%の同一性、または少なくとも約65%の同一性、または少なくとも約70%の同一性、または少なくとも約75%の同一性、または少なくとも約80%の同一性、または少なくとも約85%の同一性、または少なくとも約90%の同一性、または少なくとも約95%の同一性、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する。なおより好ましくは、核酸は、配列番号49または51または93または95である。用語「レナラーゼ」は、レナラーゼアイソフォームも含む。レナラーゼ遺伝子は、ヒトゲノムの第10染色体における310188bpに及ぶ9個のエクソンを含有する。本明細書に開示されているレナラーゼクローン(配列番号49、GenBank受託番号:BC005364)は、エクソン1、2、3、4、5、6、8を含有する遺伝子である。ヒトゲノムデータベースに示す通り、レナラーゼタンパク質の少なくとも2種の追加の選択的にスプライシングされた形態が存在する。一方の選択的にスプライシングされた形態は、その配列を明確に参照により本明細書に組み込む、GenBank受託番号AK002080およびNMJ)18363としてのヒトゲノムデータベースにおけるクローンによって同定された、エクソン1、2、3、4、5、6、9を含有する。他方の選択的にスプライシングされた形態は、その配列を明確に参照により本明細書に組み込む、GenBank受託番号BX648154としてのヒトゲノムデータベースにおけるクローンによって同定された、エクソン5、6、7、8を含有する。他に断りがなければ、「レナラーゼ」は、本明細書に開示されているレナラーゼの特徴および/または物理的特色を有する、ヒトレナラーゼおよびチンパンジーレナラーゼが挙げられるがこれらに限定されない、全ての公知のレナラーゼ(例えば、ラットレナラーゼおよびヒトレナラーゼ)、および発見されるはずのレナラーゼを包含する。
加えて、推定レナラーゼは、配列番号8または50の配列を有するポリペプチドと少なくとも約60%の配列同一性を共有する。より好ましくは、レナラーゼは、本明細書に開示されている配列番号8または50と少なくとも約45%の同一性、または少なくとも約50%の同一性、または少なくとも約55%の同一性、または少なくとも約60%の同一性、または少なくとも約65%の同一性、または少なくとも約70%の同一性、または少なくとも約75%の同一性、または少なくとも約80%の同一性、または少なくとも約85%の同一性、または少なくとも約90%の同一性、または少なくとも約95%の同一性、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する。なおより好ましくは、レナラーゼポリペプチドは、配列番号8または50または92または94のアミノ酸配列を有する。
一実施形態では、レナラーゼの配列に由来するペプチドを使用して動物を免疫化し、それによって、動物が、免疫原に対する抗体を産生することにより、本発明の抗体を生成することができる。例示的な免疫原は、レナラーゼに由来するペプチドを含む。すなわち、レナラーゼ配列の断片を有するペプチドを、本発明において使用することができる。ペプチドは、組換えペプチドとしての発現、より大型のポリペプチドとしての発現および酵素によるまたは化学的な切断を含む種々の仕方で産生することができる。あるいは、これは、本技術分野で公知の通り、合成により産生することができる。本発明の親和性試薬を生成するために使用される好ましいペプチドは、表1(配列番号1~7)に見出される。
本発明の抗レナラーゼ抗体は、KohlerおよびMilstein(1975年)Nature 256巻:495頁の標準体細胞ハイブリダイゼーション技法(ハイブリドーマ方法)を含む、種々の技法によって必要に応じて産生することができる。ハイブリドーマ方法において、マウスまたはハムスターもしくはマカクザルなどの他の適切な宿主動物は、本明細書に記載されている通りに免疫化されて、免疫化に使用されるタンパク質に特異的に結合すると予想される抗体を産生するまたは産生することができるリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球は、in vitroで免疫化することができる。次いで、リンパ球は、ポリエチレングリコールなどの適した融合剤を使用して骨髄腫細胞と融合されて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding、Monoclonal Antibodies: Principles and Practice、59~103頁(Academic Press、1986年))。
ハイブリドーマ技術を使用して特異的抗体を産生およびスクリーニングするための方法は、本技術分野で慣例的かつ周知である。一実施形態では、本発明は、本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養するステップを含む、モノクローナル抗体を生成する方法、およびこの方法によって産生された抗体を提供し、ここで好ましくは、ハイブリドーマが、本発明のポリペプチドまたはペプチドにより免疫化されたマウスまたはウサギまたは他の種から単離された脾細胞を骨髄腫細胞と融合し、次いで、融合に起因するハイブリドーマを、本発明のポリペプチドと結合できる抗体を分泌するハイブリドーマクローンに関してスクリーニングすることにより生成される。簡潔に説明すると、マウスは、レナラーゼポリペプチドまたはそのペプチドにより免疫化することができる。好ましい実施形態では、レナラーゼポリペプチドまたはそのペプチドは、アジュバントと共に投与されて、免疫応答を刺激する。斯かるアジュバントは、フロイントの完全もしくは不完全アジュバント、RIBI(ムラミルジペプチド)またはISCOM(免疫賦活性複合体)を含む。斯かるアジュバントは、局所的沈着においてポリペプチドを隔絶することにより、急速分散からポリペプチドを保護することができる、またはマクロファージおよび免疫系の他の構成成分に対して走化性の因子を分泌するように宿主を刺激する物質を含有することができる。好ましくは、ポリペプチドが投与されている場合、免疫化スケジュールは、数週間かけて拡散する、ポリペプチドの2回またはそれよりも多い投与を含む。
あるいは、ウサギを、レナラーゼポリペプチドまたはそのペプチドにより免疫化することができる。本実施形態では、全長レナラーゼタンパク質またはレナラーゼに由来するペプチドのいずれかを、免疫原として使用することができる。
本発明において使用されるレナラーゼは、種々の形態をとることができる。例えば、これは、精製されたレナラーゼタンパク質またはその断片、組換えにより産生されたレナラーゼまたはその断片を含むことができる。一部の実施形態では、レナラーゼは、ヒトレナラーゼである。組換えレナラーゼが使用される場合、これは、本技術分野で公知の通り、真核または原核細胞において産生することができる。追加の免疫原は、レナラーゼに由来するペプチドを含む。すなわち、レナラーゼ配列の断片を有するペプチドを本発明において使用することができる。ペプチドは、組換えペプチドとしての発現、より大型のポリペプチドとしての発現および酵素によるまたは化学的な切断を含む種々の仕方で産生することができる。あるいは、これは、本技術分野で公知の通り、合成により産生することができる。本発明の親和性試薬を生成するために使用されるペプチドは、表1(配列番号1~7)に見出される。ヒトレナラーゼの全長アミノ酸配列は、配列番号8に描写され、示されている通りに公知の多型が可能である(配列番号92と比較)。レナラーゼ-2のアミノ酸配列は、配列番号50に見出され、これもまた、示されている通りに公知の多型が可能である(配列番号94と比較)。他の多型が存在することが認められる。これらもレナラーゼの定義に含まれる。一部の実施形態では、本発明のレナラーゼ結合分子は、配列番号1~7、8、50、92、94、およびこれらの断片の少なくとも1種に特異的に結合する。
抗レナラーゼ抗体は、本明細書に記載されている通りおよび/または本技術分野で公知の通り、ヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、および非ヒト霊長類など)の免疫化によって必要に応じて生成することもできる。ヒト抗レナラーゼ抗体を産生する細胞は、斯かる動物から単離し、本明細書に記載されている方法など、適した方法を使用して不死化することができる。あるいは、本明細書に教示されている方法および本技術分野で公知の方法による抗体の発現および単離のために、抗体コード配列をクローニングし、適したベクターに導入し、宿主細胞のトランスフェクトに使用することができる。
その生殖系列構成でヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子座を保有するトランスジェニックマウスの使用は、正常ヒト免疫系が寛容性であるヒト自己抗原を含む、種々の標的に対する高い親和性の完全ヒトモノクローナル抗体の単離をもたらす(Lonberg, N.ら、米国特許第5,569,825号、米国特許第6,300,129号および1994年、Nature 368巻:856~9頁;Green, L.ら、1994年、Nature Genet.7巻:13~21頁;Green, L.およびJakobovits、1998年、Exp. Med.188巻:483~95頁;Lonberg, N.およびHuszar, D.、1995年、Int. Rev. Immunol.13巻:65~93頁;Kucherlapatiら、米国特許第6,713,610号;Bruggemann, M.ら、1991年、Eur. J. Immunol.21巻:1323~1326頁;Fishwild, D.ら、1996年、Nat. Biotechnol.14巻:845~851頁;Mendez, M.ら、1997年、Nat. Genet.15巻:146~156頁;Green, L.、1999年、J. Immunol. Methods 231巻:11~23頁;Yang, X.ら、1999年、Cancer Res.59巻:1236~1243頁;Bruggemann, M.およびTaussig, M J.、Curr. Opin. Biotechnol.8巻:455~458頁、1997年;Tomizukaら、WO02043478)。斯かるマウスにおける内在性免疫グロブリン遺伝子座が破壊または欠失されて、内在性遺伝子によってコードされる抗体を産生する動物の能力を排除することができる。加えて、本明細書の他の箇所に記載されている技術を使用して、選択された標的結合パートナー分子(例えば、抗原など)に対するヒト抗体を提供するように、Abgenix,Inc.(Freemont、Calif.)およびMedarex(San Jose、Calif.)などの会社を手配することができる。
別の実施形態では、ヒト抗体は、ファージライブラリーから選択され、このファージは、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含み、ライブラリーは、例えば、単鎖抗体(scFv)、Fab、または対形成されたもしくは対形成されていない抗体可変領域を示す他の何らかの構築物としてヒト抗体結合ドメインを発現する(Vaughan et lo al.、Nature Biotechnology 14巻:309~314頁(1996年):Sheetsら、PITAS (USA) 95巻:6157~6162頁(1998年));HoogenboomおよびWinter、J. Mol. Biol.、227巻:381頁(1991年);Marksら、J. Mol. Biol.、222巻:581頁(1991年))。本発明のヒトモノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリーをスクリーニングするためのファージディスプレイ方法を使用して調製することもできる。ヒト抗体を単離するための斯かるファージディスプレイ方法は、本技術分野で確立されている。例えば:米国特許第5,223,409号;同第5,403,484号;および同第5,571,698号、Ladnerら;米国特許第5,427,908号および同第5,580,717号、Dowerら;米国特許第5,969,108号および同第6,172,197号、McCaffertyら;ならびに米国特許第5,885,793号;同第6,521,404号;同第6,544,731号;同第6,555,313号;同第6,582,915号および同第6,593,081号、Griffithsらを参照されたい。
免疫原性抗原の調製、およびモノクローナル抗体産生は、組換えタンパク質産生など、任意の適した技法を使用して行うことができる。免疫原性抗原は、精製されたタンパク質、または細胞全体もしくは細胞もしくは組織抽出物を含むタンパク質混合物の形態で動物に投与することができる、あるいは抗原は、前記抗原またはその部分をコードする核酸から動物の身体においてde novoで形成することができる。
本発明の単離された核酸は、本技術分野で周知の通り、(a)組換え方法、(b)合成技法、(c)精製技法、またはこれらの組み合わせを使用して作製することができる。モノクローナル抗体をコードするDNAは、本技術分野で公知の方法を使用して容易に単離および配列決定される(例えば、マウス抗体の重および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)。ハイブリドーマが産生される場合、斯かる細胞は、斯かるDNAの供給源として機能することができる。あるいは、ファージまたはリボソームディスプレイライブラリーなど、コード配列および翻訳産物が連結されているディスプレイ技法を使用して、結合剤および核酸の選択が単純化される。ファージ選択後に、ファージ由来の抗体コード領域を単離および使用して、ヒト抗体を含む抗体全体、または任意の他の所望の結合断片を生成し、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含む任意の所望の宿主において発現させることができる。
ヒト化抗体
本発明はさらに、ヒトレナラーゼまたはPD1またはPD-L1と結合するヒト化免疫グロブリン(または抗体)を提供する。ヒト化形態の免疫グロブリンは、ヒト免疫グロブリン(アクセプター免疫グロブリンと命名)に実質的に由来する可変フレームワーク領域(複数可)、およびレナラーゼと特異的に結合する非ヒトmAbに実質的に由来するCDRを有する。存在するのであれば、定常領域(複数可)も、ヒト免疫グロブリンに実質的に由来する。ヒト化抗体は、少なくとも約10-6M(1マイクロM)、約10-7M(100nM)またはそれに満たない、レナラーゼに対するKDを示す。ヒト化抗体の結合親和性は、これが由来するマウス抗体のものよりも大きいまたは小さい場合がある。レナラーゼに対するヒト化抗体の親和性の変化に影響を与え、親和性を改善するために、CDR残基またはヒト残基のいずれかにおける置換を作製することができる。
レナラーゼに結合するヒト化抗体の産生のための供給源は、好ましくは、その生成、単離および特徴付けが本明細書に提供される実施例に記載されている、1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7または3A-5-2マウス抗体であるが、レナラーゼへの結合に関して1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F42-7または3A-5-2マウス抗体と競合する他のマウス抗体を使用することもできる。配列表に表記されている同定されたCDRは、ヒト化プロセスの出発点であり得る。例えば、以下のアミノ酸配列(およびその対応する核酸配列)のいずれか1種または複数は、ヒト化プロセスの出発点であり得る:(a)配列番号11、19、27、35および43からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDRl;(b)配列番号12、20、28、36および44からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2;(c)配列番号13、21、29、37および45からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3;(d)配列番号14、22、30、38および46からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDRl;(e)配列番号15、23、31、39および47からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR2;ならびに(f)配列番号16、24、32、40および48からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3。
ヒト可変ドメインフレームワークが、CDRの起源であるマウス可変フレームワークと同じまたは同様のコンフォメーションを採用する場合、ヒト可変ドメインフレームワークへのマウスCDRの置換が、その正しい空間的配向性の保持をもたらす可能性が最も高い。これは、ヒト抗体からヒト可変ドメインを得ることにより達成され、そのフレームワーク配列は、CDRが由来するマウス可変フレームワークドメインと高度な配列同一性を示す。重および軽鎖可変フレームワーク領域は、同じまたは異なるヒト抗体配列に由来し得る。ヒト抗体配列は、天然に存在するヒト抗体の配列であるか、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来し得る、またはいくつかのヒト抗体および/もしくは生殖系列配列のコンセンサス配列であり得る。
適したヒト抗体配列は、マウス可変領域の、公知のヒト抗体の配列とのアミノ酸配列のコンピュータ比較によって同定される。比較は、重および軽鎖に対して別々に行われるが、それぞれの原理は同様である。
一例では、抗レナラーゼmAbのアミノ酸配列を使用して、公開抗体配列データベースからコンパイルされたヒト抗体データベースを検索する。重鎖可変領域を使用して、最高の配列同一性を有するヒト可変領域を見出すことができる。同様に、軽鎖の可変領域を使用して、最高の配列同一性を有するヒト可変領域を見出すことができる。マウスmAbドナー由来の重鎖可変領域の1種のCDRをコードする領域が、選択されたヒト重鎖可変配列に移入されてヒト可変領域のCDRを置き換えているDNA構築物が、各マウス可変領域に調製される。
マウスCDR領域の、ヒト可変フレームワーク領域との非天然並置は、非天然コンフォメーション的制約をもたらし得、これは、ある特定のアミノ酸残基の置換によって補正されない限り、結合親和性の損失につながる。上に記す通り、本発明のヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリンに実質的に由来する可変フレームワーク領域(複数可)、およびマウス免疫グロブリンに実質的に由来するCDRを含む。マウス抗体のCDRおよび適切なヒトアクセプター免疫グロブリン配列を同定したら、次のステップは、これらの構成成分由来のどの残基(あるとすれば)を置換して、その結果得られるヒト化抗体の特性を最適化するべきかどうかを決定することである。一般に、マウス残基の導入は、ヒトにおいてHAMA応答を誘発する抗体のリスクを増加させるため、マウスによるヒトアミノ酸残基の置換は最小化されるべきである。アミノ酸は、CDRコンフォメーションおよび/または標的結合パートナー分子への結合に対するその可能な影響に基づき、置換のために選択される。斯かる可能な影響の調査は、モデル化、特定の位置におけるアミノ酸の特徴の試験、または特定のアミノ酸の置換もしくは変異誘発の効果の経験的観察によって行うことができる。経験的方法に関して、所望の活性、結合親和性または特異性に関してスクリーニングされ得るバリアント配列のライブラリーを創出することが特に簡便であることが見出された。斯かるバリアントのライブラリーの創出のための一形式は、ファージディスプレイベクターである。あるいは、バリアントは、可変ドメイン内の標的化残基をコードする核酸配列の多様化のための他の方法を使用して生成することができる。
さらなる置換が要求されるかどうかを決定する別の方法、および置換のためのアミノ酸残基の選択は、コンピュータモデル化を使用して達成することができる。免疫グロブリン分子の三次元画像を産生するためのコンピュータハードウェアおよびソフトウェアが広く利用できる。一般に、分子モデルは、免疫グロブリン鎖またはそのドメインの解析された構造から出発して産生される。モデル化されるべき鎖は、解析された三次元構造の鎖またはドメインと、アミノ酸配列類似性に関して比較され、最大配列類似性を示す鎖またはドメインが、分子モデルの構築のための出発点として選択される。解析された出発構造は、モデル化されている免疫グロブリン鎖またはドメインにおける実際のアミノ酸と、出発構造におけるアミノ酸との間の差を許容するように修飾される。次いで、修飾された構造は、複合的免疫グロブリンへとアセンブルされる。最後に、エネルギー最小化により、また、全原子が、互いに適切な距離内にあること、ならびに結合の長さおよび角度が、化学的に許容される限界内にあることを検証することにより、モデルが緻密化される。
通常、ヒト化抗体におけるCDR領域は、これが由来するマウス抗体における対応するCDR領域と実質的に同一であり、より通常では、同一である。通常望ましくないが、その結果得られるヒト化免疫グロブリンの結合親和性に認識できるほど影響を与えることなく、CDR残基の1個または複数の保存的アミノ酸置換を作製することが可能な場合もある。時おり、CDR領域の置換は、結合親和性を増強することができる。
上に記述されている特異的アミノ酸置換に関する以外に、ヒト化免疫グロブリンのフレームワーク領域は、通常、これが由来するヒト抗体のフレームワーク領域と実質的に同一であり、より通常では、同一である。当然ながら、フレームワーク領域におけるアミノ酸の多くは、抗体の特異性または親和性に対する直接的な寄与を殆ど有さないかまたは全く有さない。よって、フレームワーク残基の多くの個々の保存的置換は、その結果得られるヒト化免疫グロブリンの特異性または親和性の認識できる変化を伴わずに耐容性を示すことができる。
コードの縮重のため、種々の核酸配列が、各免疫グロブリンアミノ酸配列をコードする。所望の核酸配列は、de nova固相DNA合成によって、または所望のポリヌクレオチドの早期に調製されたバリアントのPCR変異誘発によって産生することができる。本願に記載されている抗体をコードする全核酸が、本発明に明確に含まれている。
上に記載されている通りに産生されたヒト化抗体の可変セグメントは、典型的に、ヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも部分に連結される。抗体は、軽鎖および重鎖定常領域の両方を含有する。重鎖定常領域は通常、CH1、ヒンジ、CH2、CH3、および場合により、CH4ドメインを含む。
ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む任意のクラス、ならびにIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む任意のサブクラス(アイソタイプ)の抗体由来のいずれかの種類の定常ドメインを含むことができる。ヒト化抗体が、細胞傷害活性を示すことが望まれる場合、定常ドメインは通常、補体結合定常ドメインであり、クラスは典型的に、IgG1である。斯かる細胞傷害活性が望ましくない場合、定常ドメインは、IgG2クラスのものであり得る。ヒト化抗体は、1つより多くのクラスまたはアイソタイプ由来の配列を含むことができる。
定常領域に必要に応じて連結された、ヒト化軽および重鎖可変領域をコードする核酸は、発現ベクターに挿入される。軽および重鎖は、同じまたは異なる発現ベクターにおいてクローニングすることができる。免疫グロブリン鎖をコードするDNAセグメントは、免疫グロブリンポリペプチドの発現を確実にする、発現ベクター(複数可)における制御配列に作動可能に連結される。斯かる制御配列は、シグナル配列、プロモーター、エンハンサーおよび転写終結配列を含む(あらゆる目的のためにそれらの全体を参照により本明細書に組み込む、Queenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86巻、10029頁(1989年);WO90/07861;Coら、J. Immunol.148巻、1149頁(1992年)を参照)。
処置および予防方法
一般に、本発明の処置および予防方法は、治療または予防有効量の抗レナラーゼ抗体またはその結合断片および抗PD1抗体(および/または抗PD-L1抗体)またはその結合断片の組み合わせを、それを必要とする被験体に投与するステップを含む。被験体に、抗レナラーゼおよび抗PD1抗体(および/または抗PD-L1抗体)を提供する際に、投与される薬剤の投薬量は、患者の年齢、体重、身長、性別、全身の医学的状態、以前の病歴などのような因子に応じて変動する。
一般に、全身性用量を投与する場合、レシピエントに、約1ng/kg~100ng/kg、100ng/kg~500ng/kg、500ng/kg~1μg/kg、1μg/kg~100μg/kg、100μg/kg~500μg/kg、500μg/kg~1mg/kg、1mg/kg~50mg/kg、50mg/kg~100mg/kg、100mg/kg~500mg/kg(レシピエントの体重)の範囲内の投薬量を提供することが望ましいが、より低いまたはより高い投薬量を投与してもよい。約1.0mg/kgもの低さの投薬量は、ある程度の有効性を示すと予想することができる。好ましくは、約5mg/kgが許容される投薬量であるが、最大約50mg/kgの投薬量レベルも、特に治療使用に好ましい。あるいは、1μg~100μg、1mg~100mgまたは1gm~100gmの範囲内の量など、患者の体重に基づかない特異的な量の投与を与えることができる。例えば、部位特異的投与は、関節内、気管支内、腹内、包内、軟骨内、腔内性、腔内、小脳内(intracelebella)、脳室内、結腸内、子宮頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病巣内、腟、直腸、頬側、舌下、鼻腔内、眼科的または経皮手段など、身体区画または腔への投与であり得る。
抗体またはその結合断片は、特に、液体の溶液もしくは懸濁物の形態での、非経口的(皮下、筋肉内または静脈内)もしくは任意の他の投与のための使用のため;特に、クリーム剤および坐剤などだがこれらに限定されない、半固体形態での、腟もしくは直腸投与における使用のため;錠剤もしくはカプセル剤の形態などだがこれらに限定されない、頬側もしくは舌下投与のため;または散剤、点鼻剤もしくはエアゾール剤もしくはある特定の薬剤の形態などだがこれらに限定されない、鼻腔内;または点眼剤などだがこれらに限定されない、眼科的に;または歯科疾患の処置のため;またはゲル剤、軟膏剤、ローション剤、懸濁剤、もしくは皮膚構造を修飾するためもしくは経皮パッチにおける薬物濃度を増加させるためのジメチルスルホキシドなどの化学的エンハンサーによる、もしくはタンパク質およびペプチドを含有する製剤の皮膚への塗布(WO98/53847)、もしくはエレクトロポレーションなどの一過性輸送経路を創出するためもしくはイオントフォレーシスなどの皮膚を通した荷電薬物の移動度を増加させるための電場の印加、またはソノフォレーシスなどの超音波の適用(米国特許第4,309,989号および同第4,767,402号)を可能にする酸化剤によるパッチ送達系などだがこれらに限定されない、経皮のために調製することができる。
本発明の抗体またはその結合断片は、薬学的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従って製剤化することができ、それによって、これらの材料またはその機能的誘導体は、薬学的に許容される担体ビヒクルとの混和物において組み合わされる。他のヒトタンパク質、例えば、ヒト血清アルブミンを含む、適したビヒクルおよびその製剤は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(第16版、Osol, A.編、Mack Easton Pa.(1980年))に記載されている。有効な投与に適した薬学的に許容される組成物を形成するために、斯かる組成物は、適した量の担体ビヒクルと共に、有効量の上述の化合物を含有する。追加の薬学的方法を用いて、作用の持続時間を制御することができる。制御放出調製物は、化合物を複合体形成または吸収するためのポリマーの使用により達成することができる。制御放出調製物による作用の持続時間を制御するための別の可能な方法は、ポリエステル、ポリアミノ酸、ハイドロゲル、ポリ(乳酸)またはエチレン酢酸ビニルコポリマーなど、ポリマー材料の粒子へと本発明の化合物を取り込むことである。あるいは、ポリマー粒子へとこれらの薬剤を取り込む代わりに、調製されたマイクロカプセル、例えば、界面重合、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート(methylmethacylate))-マイクロカプセルにおいて、またはコロイド薬物送達系、例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、およびナノカプセルにおいて、またはマクロエマルションにおいて、これらの材料を捕捉することが可能である。
処置は、単一用量スケジュール、または好ましくは、複数用量スケジュールで与えることができ、複数用量スケジュールにおいて、処置の一次コースが1~100の別々の用量を用い、続いて他の用量を、応答の維持およびまたは強化に要求されるその後の時間間隔で、例えば、1~4ヶ月目に第2の用量、および必要であれば数ヶ月後にその後の用量(複数可)を与えることができる。適した処置スケジュールの例として、(i)0、1ヶ月および6ヶ月、(ii)0、7日および1ヶ月、(iii)0および1ヶ月、(iv)0および6ヶ月、または疾患症状を低下もしくは疾患の重症度を低下させることが予想される所望の応答の誘発に十分な他のスケジュールが挙げられる。
本発明はまた、本発明の実行に有用なキットを提供する。本キットは、上述の抗体を含有するまたはこれと関連付けられて包装された第1の容器を含む。キットは、本発明の実行に必要なまたは簡便な溶液を含有するまたはこれと関連付けられて包装された別の容器を含むこともできる。容器は、ガラス、プラスチックまたはホイルでできていてよく、バイアル、ボトル、パウチ、チューブ、バッグなどであってよい。キットは、第1の容器手段に含有される試薬の量など、本発明を実行するための手順または分析情報など、書面の情報を含有することもできる。容器は、別の容器器具、例えば、箱またはバッグ内に、書面の情報と共に入っていてよい。
本発明のさらに別の態様は、生物学的試料におけるレナラーゼを検出するためのキットである。キットは、レナラーゼのエピトープと結合する1種または複数のレナラーゼ結合分子を保持する容器、およびレナラーゼに結合させて複合体を形成し、複合体の存在または非存在が試料におけるレナラーゼの存在または非存在と相関するように、複合体の形成を検出する目的で、レナラーゼ結合分子を使用するための指示を含む。容器の例として、複数試料におけるレナラーゼの同時検出を可能にするマルチウェルプレートが挙げられる。
本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせは、がんを処置するための別の治療的処置または薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせは、単独で、または1種もしくは複数の治療的に有効な薬剤もしくは処置と組み合わせて投与することができる。他の治療的に有効な薬剤は、本発明の抗体もしくはその結合断片にコンジュゲートする、本発明の抗体もしくはその結合断片と同じ組成物に取り込むことができる、または別々の組成物として投与することができる。他の治療的薬剤または処置は、本発明の抗体もしくはその結合断片の組み合わせまたは関連化合物の投与に先立ち、その間におよび/またはその後に投与することができる。
ある特定の実施形態では、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせは、1種または複数の他の治療剤または処置と同時投与される。他の実施形態では、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせは、1種または複数の他の治療剤または処置の投与とは独立して投与される。例えば、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせが先ず投与され、続いて1種または複数の他の治療剤または処置が投与される。あるいは、1種または複数の他の治療剤が先ず投与され、続いて本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせが投与される。別の例として、処置(例えば、外科手術、放射線照射など)が先ず実行され、続いて本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせが投与される。
他の治療的に有効な薬剤/処置は、外科手術、抗新生物薬(anti-neoplastics)(化学療法剤および放射線照射を含む)、抗血管新生剤、他の標的に対する抗体、小分子、光ダイナミック療法、免疫療法、免疫増強療法、細胞傷害剤、サイトカイン、ケモカイン、成長阻害剤、抗ホルモン剤、キナーゼ阻害剤、心保護薬、免疫賦活剤、免疫抑制剤、および血液学的細胞の増殖を促進する薬剤を含む。
一実施形態では、「別の治療剤」は、本明細書において使用される場合、第2の別個の治療剤または抗がん剤、すなわち、本発明のレナラーゼ結合分子「以外の」治療剤または抗がん剤である。本発明の併用療法において、任意の二次治療剤を使用することができる。また、二次治療剤または「第2の抗がん剤」は、以下のガイダンスに従って、相加的、相加的よりも大きい、および潜在的に相乗的な効果を達成することを目的として選択することができる。
組み合わせた抗腫瘍療法を実施するために、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせを、別の、すなわち、第2の別個の抗がん剤と組み合わせて、動物または患者内にそれらの組み合わせた抗腫瘍作用をもたらすのに有効な様式で、動物または患者に投与すると予想される。したがって、薬剤は、腫瘍または腫瘍脈管構造内にそれらの組み合わせたまたは同時発生的な存在および腫瘍環境にそれらの組み合わせた作用をもたらすのに有効な量で、有効な期間にわたり提供されると予想される。この目標を達成するために、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせおよび第2の別個の抗がん剤は、単一の組成物において、または異なる投与経路を使用した2種の別個の組成物として、実質的に同時に動物に投与することができる。
あるいは、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせは、第2の別個の抗がん剤に、数秒間から数分間、数時間、数日間、数週間までの範囲の間隔で先行するまたは後続することができる。
別々のタイミングの併用療法のための二次治療剤は、本明細書の他の箇所に記述されている判定基準を含む、ある特定の判定基準に基づき選択することができる。しかし、先のまたはその後の投与のための1種または複数の第2の別個の抗がん剤を選択するための優先度は、望むのであれば、実質的に同時投与におけるそれらの使用を妨げない。第2の別個の抗がん剤は、本発明の一次治療剤「に先立つ」投与のために選択され、増大した潜在的に相乗的な効果を達成するように設計される。
本発明の一次治療剤「の後の」投与のために選択され、増大した潜在的に相乗的な効果を達成するように設計された、第2の別個の抗がん剤は、一次治療剤の効果から利益を得る薬剤を含む。したがって、その後の投与のための有効な第2の別個の抗がん剤は、転移を阻害する抗血管新生剤;in vivoで悪性細胞から到達可能になる細胞内結合パートナー分子に特異的な抗体など、壊死性腫瘍細胞を標的とする薬剤(それぞれ具体的に参照により本明細書に組み込む、米国特許第5,019,368号、同第4,861,581号および同第5,882,626号);化学療法剤;および任意の腫瘍細胞を攻撃する抗腫瘍細胞イムノコンジュゲートを含む。
本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせは、がん免疫療法と組み合わせて投与することもできる。がん免疫療法は、被験体のがん細胞に対する液性免疫応答、または被験体のがん細胞に対する細胞媒介性免疫応答、または被験体のがん細胞に対する液性応答および細胞媒介性応答の組み合わせを誘発するように設計された療法であり得る。本発明のレナラーゼ結合分子と組み合わせて有用ながん免疫療法の非限定例として、がんワクチン、DNAがんワクチン、養子細胞療法、養子免疫療法、CAR T細胞療法、抗体、免疫増強化合物、サイトカイン、インターロイキン(例えば、IL-2など)、インターフェロン(IFN-αなど)およびチェックポイント阻害剤(例えば、PD-1阻害剤、PDL-1阻害剤、CTLA-4阻害剤など)が挙げられる。
一部の状況では、処置のための期間を大幅に拡張することが望ましい場合があり、その場合、数日間(2、3、4、5、6または7)、数週間(1、2、3、4、5、6、7または8)またはさらには数ヶ月間(1、2、3、4、5、6、7または8)が、それぞれの投与の間に経過する。これは、1回の処置が、本発明の一次治療剤など、腫瘍を実質的に破壊するように意図され、別の処置が、抗血管新生剤の投与など、微小転移または腫瘍再成長を予防するように意図された局面で有利と予想される。抗血管新生薬は、外科手術後の注意を要する時間(careful time)において、しかし、有効な創傷治癒を可能にするように投与されるべきである。次いで、抗血管新生剤は、患者の生存期間にわたり投与することができる。
本発明の抗体もしくはその結合断片の組み合わせまたは第2の別個の抗がん剤のいずれかの1回より多くの投与が利用されることを想定することもできる。本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせおよび第2の別個の抗がん剤は、隔日もしくは隔週で交互に投与することができる;または一連の一方の薬剤処置を与え、続いて一連の他方の処置を行うことができる。いずれにしても、組み合わせた治療法を使用して腫瘍退縮を達成するために、要求されることは、投与の回数とは無関係に、抗腫瘍効果の発揮に有効な組み合わせた量で両方の薬剤を送達することのみである。
化学療法薬は、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせと組み合わせて使用することができる。化学療法薬は、増殖している腫瘍細胞を死滅させ、全体的処置によって創出された壊死性区域を増強することができる。
本発明の一態様は、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせを使用してがんを処置または予防する方法を提供する。当業者は、患者におけるがんの処置または予防が、非限定例として、がん細胞を死滅および破壊する、ならびにがん細胞の増殖または細胞分裂速度を低下させることを含むことを理解すると予想される。当業者は、がん細胞が、非限定例として、原発性がん細胞、がん幹細胞、転移性がん細胞であり得ることも理解すると予想される。以下は、開示されている方法および組成物によって処置され得るがんの非限定例である:急性リンパ芽球性;急性骨髄球性白血病;副腎皮質癌;副腎皮質癌、小児期;虫垂がん;基底細胞癌;胆管がん、肝外;膀胱がん;骨がん;骨肉腫および悪性線維性組織球腫;脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、成人期;脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、中枢神経系非定型奇形様/ラブドイド腫瘍、小児期;中枢神経系胚芽腫;小脳性星状細胞腫;大脳性星状細胞腫/悪性神経膠腫;頭蓋咽頭腫;上衣芽腫;上衣腫;髄芽腫;髄上皮腫;中間分化の松果体実質腫瘍;テント上未分化神経外胚葉性腫瘍および松果体芽腫;視路および視床下部神経膠腫;脳および脊髄腫瘍;乳がん;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;カルチノイド腫瘍;カルチノイド腫瘍、胃腸管;中枢神経系非定型奇形様/ラブドイド腫瘍;中枢神経系胚芽腫;中枢神経系リンパ腫;小脳性星状細胞腫大脳性星状細胞腫/悪性神経膠腫、小児期;子宮頸部がん;脊索腫、小児期;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性障害;結腸がん;結腸直腸がん;頭蓋咽頭腫;皮膚t細胞リンパ腫;食道がん;ユーイングファミリー腫瘍;性腺外生殖細胞腫瘍;肝外胆管がん;眼がん、眼球内メラノーマ;眼がん、網膜芽細胞腫;胆嚢がん;胃(gastric/stomach)がん;胃腸管カルチノイド腫瘍;胃腸管間質腫瘍(gist);生殖細胞腫瘍、頭蓋外;生殖細胞腫瘍、性腺外;生殖細胞腫瘍、卵巣;妊娠性絨毛性腫瘍;神経膠腫;神経膠腫、小児期脳幹;神経膠腫、小児期大脳性星状細胞腫;神経膠腫、小児期視路および視床下部;ヘアリー細胞白血病;頭頸部がん;肝細胞(肝臓)がん;組織球増殖症、ランゲルハンス細胞;ホジキンリンパ腫;下咽頭がん;視床下部および視路神経膠腫;眼球内メラノーマ;島細胞腫瘍;腎臓(腎細胞)がん;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;喉頭がん;白血病、急性リンパ芽球性;白血病、急性骨髄球性;白血病、慢性リンパ球性;白血病、慢性骨髄性;白血病、ヘアリー細胞;口唇および口腔がん;肝臓がん;肺がん、非小細胞;肺がん、小細胞;リンパ腫、aids関連;リンパ腫、バーキット;リンパ腫、皮膚t細胞;リンパ腫、ホジキン;リンパ腫、非ホジキン;リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫;髄芽腫;メラノーマ;メラノーマ、眼球内(眼);メルケル細胞癌;中皮腫;原発不明の転移性扁平上皮頸部がん;口のがん;多発性内分泌腺腫症候群、(小児期);多発性骨髄腫/形質細胞新生物;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄球性白血病、成人期急性;骨髄球性白血病、小児期急性;骨髄腫、多発性;骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔および副鼻腔がん;鼻咽頭がん;神経芽細胞腫;非小細胞肺がん;口内がん;口腔がん;中咽頭がん;骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん;卵巣上皮がん;卵巣生殖細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵がん;膵がん、島細胞腫瘍;乳頭腫症;副甲状腺がん;陰茎がん;咽頭がん;褐色細胞腫;傍神経節腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫およびテント上未分化神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽細胞腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺がん;直腸がん;腎細胞(腎臓)がん;腎盂および尿管、移行細胞がん;第15染色体上のnut遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;唾液腺がん;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;肉腫、カポジ;肉腫、軟部組織;肉腫、子宮;セザリー症候群;皮膚がん(非メラノーマ);皮膚がん(メラノーマ);皮膚癌、メルケル細胞;小細胞肺がん;小腸がん;軟部組織肉腫;扁平細胞癌、原発不明の扁平上皮頸部がん、転移性;胃(stomach/gastric)がん;テント上未分化神経外胚葉性腫瘍;t細胞リンパ腫、皮膚性;精巣がん;喉のがん;胸腺腫および胸腺癌;甲状腺がん;腎盂および尿管の移行細胞がん;絨毛性腫瘍、妊娠性;尿道がん;子宮がん、子宮内膜;子宮肉腫;膣がん;外陰部がん;ワルデンストレームマクログロブリン血症;ならびにウィルムス腫瘍。
一実施形態では、本発明は、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせの投与に先立ち、それと同時発生的に、またはその後に、外科手術、化学療法、化学療法剤、放射線療法もしくはホルモン療法またはこれらの組み合わせなど、がんのための補完療法により被験体を処置するステップを含む、がんを処置するための方法を提供する。
化学療法剤は、細胞傷害剤(例えば、5-フルオロウラシル、シスプラチン、カルボプラチン、メトトレキセート、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、オキソルビシン(oxorubicin)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、シタラビンUSP、シクロホスファミド、エストラムスチンリン酸エステルナトリウム(estramucine phosphate sodium)、アルトレタミン、ヒドロキシウレア、イホスファミド、プロカルバジン、マイトマイシン、ブスルファン、シクロホスファミド、ミトキサントロン、カルボプラチン、シスプラチン、インターフェロンアルファ-2a組換え、パクリタキセル、テニポシドおよびストレプトゾシン(streptozoci))、細胞傷害性アルキル化剤(例えば、ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファランまたはエタンスルホン酸(ethylesulfonic acid))、アルキル化剤(例えば、アサレイ(asaley)、AZQ、BCNU、ブスルファン、ビスルファン(bisulphan)、カルボキシフタレート白金(carboxyphthalatoplatinum)、CBDCA、CCNU、CHIP、クロラムブシル、クロロゾトシン、シス-白金、クロメソン、シアノモルホリノドキソルビシン、シクロジソン、シクロホスファミド、ジアンヒドロガラクチトール、フルオロドパン(fluorodopan)、ヘプスルファム、ヒカントン、イフォスファミド(iphosphamide)、メルファラン、メチルCCNU、マイトマイシンC、ミトゾラミド(mitozolamide)、ナイトロジェンマスタード、PCNU、ピペラジン、ピペラジンジオン、ピポブロマン、ポルフィロマイシン、スピロヒダントインマスタード、ストレプトゾトシン、テロキシロン(teroxirone)、テトラプラチン、チオテパ、トリエチレンメラミン、ウラシルナイトロジェンマスタードおよびYoshi-864)、有糸分裂阻害薬剤(例えば、アロコルヒチン、ハリコンドリンM、コルヒチン、コルヒチン誘導体、ドラスタチン10、マイタンシン、リゾキシン、パクリタキセル誘導体、パクリタキセル、チオコルヒチン、トリチルシステイン、ビンブラスチン硫酸塩およびビンクリスチン硫酸塩)、植物アルカロイド(例えば、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、L-アスパラギナーゼ、イダルビシン、ビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、ミトラマイシン、マイトマイシン、ダウノルビシン、VP-16-213、VM-26、ナベルビンおよびタキソテール)、生物製剤(biologicals)(例えば、アルファインターフェロン、BCG、G-CSF、GM-CSFおよびインターロイキン-2)、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、カンプトテシン、カンプトテシン誘導体およびモルホリノドキソルビシン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、ミトキサントロン、アモナフィド、m-AMSA、アントラピラゾール誘導体、ピラゾロアクリジン、ビサントレンHCL、ダウノルビシン、デオキシドキソルビシン、メノガリル、N,N-ジベンジルダウノマイシン、オキサントラゾール(oxanthrazole)、ルビダゾン(rubidazone)、VM-26およびVP-16)および合成剤(synthetics)(例えば、ヒドロキシウレア、プロカルバジン、o,p’-DDD、ダカルバジン、CCNU、BCNU、シス-ジアミンジクロロ白金、ミトキサントロン、CBDCA、レバミゾール、ヘキサメチルメラミン、オールトランスレチノイン酸、ギリアデルおよびポルフィマーナトリウム)を含む。
抗増殖剤は、細胞の増殖を減少させる化合物である。抗増殖剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、酵素、生物学的応答調節剤、種々の薬剤、ホルモンおよびアンタゴニスト、アンドロゲン阻害剤(例えば、フルタミドおよびリュープロリド酢酸塩)、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェンクエン酸塩およびそのアナログ、トレミフェン、ドロロキシフェンならびにロロキシフェン(roloxifene))を含む。具体的な抗増殖剤の追加の例として、レバミゾール、ガリウム硝酸塩、グラニセトロン、サルグラモスチムストロンチウム-89クロライド、フィルグラスチム、ピロカルピン、デクスラゾキサンおよびオンダンセトロンが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明のレナラーゼ結合分子は、単独で、または細胞傷害性/抗新生物剤および抗血管新生剤を含む他の抗腫瘍薬剤と組み合わせて投与することができる。細胞傷害性/抗新生物剤は、がん細胞を攻撃および死滅させる薬剤として定義される。一部の細胞傷害性/抗新生物剤は、腫瘍細胞における遺伝的材料をアルキル化するアルキル化剤、例えば、シス-プラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、トリメチレンチオホスホラミド、カルムスチン、ブスルファン、クロラムブシル、ベルスチン、ウラシルマスタード、クロマファジン(chlomaphazin)およびダカルバジン(dacabazine)である。他の細胞傷害性/抗新生物剤は、腫瘍細胞のための代謝拮抗薬、例えば、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、メトトレキセート、メルカプトプリン(mercaptopuirine)、アザチオプリン(azathioprime)およびプロカルバジンである。他の細胞傷害性/抗新生物剤は、抗生物質、例えば、ドキソルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、マイトマイシン(mytomycin)Cおよびダウノマイシンである。これらの化合物のための市販の多数のリポソーム製剤が存在する。さらに他の細胞傷害性/抗新生物剤は、有糸分裂阻害剤(ビンカアルカロイド)である。これは、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびエトポシドを含む。種々の細胞傷害性/抗新生物剤は、タキソールおよびその誘導体、L-アスパラギナーゼ、抗腫瘍抗体、ダカルバジン、アザシチジン、アムサクリン、メルファラン、VM-26、イホスファミド、ミトキサントロンならびにビンデシンを含む。
抗血管新生剤は、当業者に周知である。本開示の方法および組成物における使用に適した抗血管新生剤は、ヒト化およびキメラ抗体を含む抗VEGF抗体、抗VEGFアプタマーならびにアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。血管新生の他の公知の阻害剤は、アンジオスタチン、エンドスタチン、インターフェロン、インターロイキン1(アルファおよびベータを含む)、インターロイキン12、レチノイン酸、ならびにメタロプロテイナーゼ-1および-2の組織阻害剤(TIMP-1および-2)を含む。抗血管新生活性を有するトポイソメラーゼII阻害剤である、ラゾキサンなどのトポイソメラーゼを含む小分子を使用することもできる。
開示されている化合物と組み合わせて使用することができる他の抗がん剤として、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);アメタントロン酢酸塩;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシル酸塩(bisnafide dimesylate);ビセレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシル酸塩;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン(dexormaplatin);デザグアニン(dezaguanine);デザグアニンメシル酸塩;ジアジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;ドロモスタノロンプロピオン酸塩;デュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキセート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン(enloplatin);エンプロメート(enpromate);エピプロピジン(epipropidine);エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール(erbulozole);エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸エステルナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;エトポシドリン酸塩;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;フルダラビンリン酸塩;フルオロウラシル;フルオロシタビン;フォスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシウレア;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモフォシン(ilmofosine);インターロイキンII(組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンアルファ-2a;インターフェロンアルファ-2b;インターフェロンアルファ-n1;インターフェロンアルファ-n3;インターフェロンベータ-Ia;インターフェロンガンマ-Ib;イプロプラチン(iproplatin);イリノテカン塩酸塩;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;リュープロリド酢酸塩;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロール酢酸塩;メレンゲストロール酢酸塩;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトギリン;ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン(oxisuran);パクリタキセル;アルブミン結合パクリタキセル;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine);ペプロマイシン硫酸塩;ペルフォスファミド(perfosfamide);ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン(piroxantrone)塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン(plomestane);ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド(rogletimide);サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン(simtrazene);スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン(spiromustine);スピロプラチン(spiroplatin);ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル(sulofenur);タリソマイシン;テコガラン(tecogalan)ナトリウム;テガフール;テロキサントロン(teloxantrone)塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロン酢酸塩;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキセート;トリメトレキセートグルクロン酸塩;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ(uredepa);バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩;ビングリシネート硫酸塩;ビンロウロシン(vinleurosine)硫酸塩;ビノレルビン;ビノレルビン酒石酸塩;ビンロシジン硫酸塩;ビンゾリジン(vinzolidine)硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン(zeniplatin);ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩が挙げられるがこれらに限定されない。他の抗がん薬として、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamustine);アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィディコリングリシネート(aphidicolin glycinate);アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビセレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン(budotitane);ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルフォスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリアポックスIL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシン(collismycin)A;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスフェート;細胞溶解性因子;サイトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデムニン(dehydrodidemnin)B;デスロレリン;デキサメタゾン;デクスイホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン(ecomustine);エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシドリン酸塩;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin)塩酸塩;フォルフェニメクス(forfenimex);フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテクサフィリン;ガリウム硝酸塩;ガロシタビン(galocitabine);ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活薬ペプチド;インスリン様増殖因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリド(kahalalide)F;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナン硫酸塩;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;リュープロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖状ポリアミンアナログ;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテクサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ(methioninase);メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチした二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド(mitonafide);マイトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン(mofarotene);モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;マルチプル腫瘍サプレッサー(multiple tumor suppressor)1に基づく治療法;マスタード抗がん剤;マイカペルオキシド(mycaperoxide)B;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸(neridronic acid);中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン(onapristone);オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカイン誘導因子;オルマプラチン;
オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン(panomifene);パラバクチン;パゼリプチン(pazelliptine);ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルフォスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸塩;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチン(placetin)A;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;レテリプチン(retelliptine)脱メチル化;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル(ruboxyl);サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣物;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン(sizofuran);ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルフォス酸(sparfosic acid);スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン(spongistatin)1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト(superactive vasoactive intestinal peptide antagonist);スラジスタ(suradista);スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン(tallimustine);タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣物;サイマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン(thymotrinan);甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセンビクロライド(titanocene bichloride);トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害性因子(urogenital sinus-derived growth inhibitory factor);ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン(veramine);ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ(zilascorb);イミリムマブ(imilimumab);ミルタザピン;BrUOG 278;BrUOG 292;RAD0001;CT-011;folfirinox;ティピファニブ;R115777;LDE225;カルシトリオール;AZD6244;AMG 655;AMG 479;BKM120;mFOLFOX6;NC-6004;セツキシマブ;IM-C225;LGX818;MEK162;BBI608;MEDI4736;ベムラフェニブ;イピリムマブ;イボルマブ(ivolumab);ニボルマブ;パノビノスタット;レフルノミド;CEP-32496;アレムツズマブ;ベバシズマブ;オファツムマブ;パニツムマブ;ペムブロリズマブ;リツキシマブ;トラスツズマブ;STAT3阻害剤(例えば、STA-21、LLL-3、LLL12、XZH-5、S31-201、SF-1066、SF-1087、STX-0119、クリプトタンシノン、クルクミン、ジフェルロイルメタン、FLLL11、FLLL12、FLLL32、FLLL62、C3、C30、C188、C188-9、LY5、OPB-31121、ピリメタミン、OPB-51602、AZD9150など);低酸素誘導因子1(HIF-1)阻害剤(例えば、LW6、ジゴキシン、ラウレンジテルペノール、PX-478、RX-0047、ビテキシン、KC7F2、YC-1など)およびジノスタチンスチマラマーが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、抗がん薬は、5-フルオロウラシル、タキソールまたはロイコボリンである。
キット
本発明はまた、本発明の抗体(すなわち、抗レナラーゼおよび抗PD1(および/または抗PD-L1抗体))またはその結合断片の組み合わせと、例えば、本明細書の他の箇所に記載されている通り、治療的または予防的処置としての個体への抗体またはその結合断片の組み合わせを投与することについて記載する指導的材料とを含むキットを含む。ある実施形態では、本キットは、例えば、個体への本発明のレナラーゼ結合分子を投与することに先立つ、本発明の抗体またはその結合断片の組み合わせを含む治療組成物(複数可)を溶解または懸濁するために適した(好ましくは無菌の)薬学的に許容される担体をさらに含む。必要に応じて、キットは、レナラーゼ結合分子を投与するためのアプリケーターを含む。
次に、以下の実施例を参照しつつ、本発明について記載する。これらの実施例は、単なる説明目的のために提供されており、本発明は、決して、これらの実施例に限定されるものとして解釈するべきではなく、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明らかになる、ありとあらゆる変化形を包含するものと解釈するべきである。
さらなる記載なしで、当業者であれば、先行する記載および以下の説明的な実施例を使用して、本発明の化合物を作製および利用し、特許請求されている方法を実施することができると考えられる。したがって、以下の実際の実施例は、本発明の好ましい実施形態に具体的に注目し、決して、本開示の残りを限定するものとして解釈するべきではない。
(実施例1:レナラーゼ抗体の開発)
免疫原としてペプチドを使用した。生成されたペプチドは、9~21アミノ酸の範囲にあり、レナラーゼ-1およびレナラーゼ-2タンパク質の領域に対応した。ペプチドは全て、NまたはC末端システイン残基を有した。ペプチドの配列は、表1に見出すことができ、レナラーゼ-1または2配列に対応するこれらのペプチドは、図4の配列アライメントに示されている。示されている通り、レナラーゼ-1特異的ペプチドは、1A-Fと標識されており、レナラーゼ-2特異的ペプチドは、3A5と標識されている。各ペプチドを、システインを介してアジュバントKLHにコンジュゲートし、6匹のウサギの免疫化に使用した。各動物から収集された抗血清を、関連ペプチド(BSA-コンジュゲート)または全長レナラーゼ-1もしくは2の両方を使用したELISAアッセイによって、抗レナラーゼ抗体力価に関してスクリーニングした。抗血清は、ウエスタンブロットによって、組織ライセートにおける内在性レナラーゼを検出するその能力に関しても検査した。これらのスクリーニング判定基準を使用して、好ましい特徴を有する抗体を産生する動物を選択した。一部の例では、また、一部のペプチドのため、数匹の動物が、要求される特異性を有する抗体を産生した。これらの場合、1匹の動物に、ポリクローナル抗体産生のために最終抗血清出血させ、他の1匹または一部の例では2匹の動物を使用して、脾臓リンパ球を回収した。他の例では、単一の動物に終末出血させ、脾摘出術を行った。プロテインGクロマトグラフィーによる終末出血からの総IgGの精製の後、ペプチド親和性クロマトグラフィーにおけるさらなる精製によって、全てのペプチドに対して作製されたポリクローナル抗体を生成した。さらに、標準手順を使用して、選択された動物の脾臓由来のリンパ球を、ハイブリドーマ生成のために骨髄腫細胞に融合させた。ハイブリドーマ上清を、これらが作製されたペプチドの両方への結合に関してスクリーニングし、レナラーゼタンパク質全体に対して二次的にスクリーニングした。抗体精製のため、選択されたハイブリドーマをサブクローニングし、増やした。馴化されたハイブリドーマ培養上清から、プロテインA親和性クロマトグラフィーによってモノクローナル抗体を精製した。
Biocoreによって決定された抗体親和性
Biacore T100を使用して結合研究を行った。ランニングバッファーとして25mM Tris pH8、150mM NaCl、1mM EDTA、10%グリセロール、0.005%Tween-20および0.1mg/mL BSAを使用して、25℃で結合研究を行った。ビオチン化抗体を、下に示す通り、個々のストレプトアビジンセンサーチップフローセルに捕捉した。研究は、2個のセンサーチップを採用したため、第2のセンサーチップにおけるmAbの2種の解析を反復して、より多くのデータを集めた。レナラーゼ-1は、3倍希釈系列における最高濃度として、50nMで検査した。5種の濃度のそれぞれを2連で検査した。1/1000リン酸の短い瞬間適用(short pulse)により、結合した複合体を再生した。データセットをグローバルフィットして、表2に要約されている結合定数の推定値を抽出した。
抗レナラーゼ抗体のヌクレオチドおよびアミノ酸配列
モノクローナル抗体1D-28-4、1D-37-10、1F-26-1、1F-42-7および3A-5-2を、そのレナラーゼ結合特異性および高い親和性のために選択した。標準ポリメラーゼ連鎖反応手順および縮重プライマーセットを使用して、サブクローニングされたハイブリドーマから、これらの抗体の抗体重および軽鎖可変領域のcDNAを増幅した。1D-28-4(RP-220)の可変領域ヌクレオチドおよびアミノ酸配列を図5に示す。このようにして、好ましい特徴を有する抗体の組成を例証する。
抗体によるレナラーゼシグナル伝達の阻害は、がん細胞の生存を減少させる
レナラーゼ発現は、いくつかのがん細胞株において上方調節されるため(図6)、実験を行って、レナラーゼが、がん細胞に生存利点をもたらしたか否かを決定した。レナラーゼ発現が、正常皮膚と比較して、母斑および転移性メラノーマにおいて著しく増加したことが見出され(図7)、レナラーゼが、メラニン形成細胞に生存利点をもたらしたことを示唆する。加えて、RenMonoAb1(RP-220に対して作製されたモノクローナル)は、A375.S2(変異体B-Raf(V600E)を有するメラノーマ細胞株)の生存度を低下させることにおいて高度に有効であり、メラノーマに対して活性な2種のアルキル化剤:テモゾロミド(図8)およびダカルバジン(図9)との相乗作用を呈した。RenMonoAb1は、メラノーマ細胞株Sk-Mel-28(変異体B-Raf(V600E)および野生型N-Rasを発現)の生存度を低下させることにおいても有効であり、テモゾロミドとの相乗作用を示した(図10)。
次に、実験を行って、RenMonoAb1の阻害性作用が、メラノーマに特異的であるか否か、またはより広い範囲の腫瘍細胞に影響を与えたか否かを決定した。CCL-119細胞(CCF-MEC、急性リンパ芽球性白血病細胞株;アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection))は、急速に分裂し、NCI-60パネルを構成する細胞の間の平均よりもおよそ3.8倍と(BioGPS.org由来のマイクロアレイデータ)、高レベルのレナラーゼを発現する。RenMonoAb1は、培養中のCCL-119細胞の生存度を大幅に減少させた(図11)。同様に、RenMonoAb1は、2種の膵がん細胞株、MiaPacおよびPanc1の成長も阻害した(図12~13)。図14は、メラノーマ細胞の数および形態に対するレナラーゼモノクローナル抗体の効果を描写する顕微鏡写真である。レナラーゼモノクローナル(例えば、1D-28-4)が、培養中のメラノーマ細胞を阻害することが観察された。図15は、2種の追加の1C-22-1およびD-37-10レナラーゼモノクローナル抗体も、メラノーマ細胞成長を阻害することを示す。これらのデータは、レナラーゼ阻害が、いくつかのがんにおいて有用な治療選択肢であり得ることを示す。
レナラーゼ過剰発現は、メラノーマ患者における不十分な転帰に関連した
イェール大学の発見および転移シリーズ(Yale discovery and metastatic series)(最大30年間追跡した263名の患者)から得られた原発性および転移性腫瘍試料におけるレナラーゼの発現を試験した。抗S-100および抗gp100の両方による標識化によって定義された区画内の標的抗原発現が決定される方法である、自動定量的解析(AQUA)技術(Gouldら、2009年、Journal of Clinical Oncology、27巻:5772~5780頁)を使用して、蛍光に基づく免疫組織化学的染色を行った。メラノーマ組織におけるレナラーゼ発現上昇が、疾患特異的死亡率の大幅な増加に関連したことが見出され(図16)、レナラーゼの作用の阻害が、この疾患における有用な治療選択肢であり得ることを示唆する。
(実施例2:選択的活性化腫瘍関連マクロファージによるレナラーゼ発現は、STAT3媒介性機構によるメラノーマ成長を促進する)
RNLSは、MAPKおよびPI3K経路に関与する生存因子として機能するため、また、その発現は、STAT3によって調節されるため(Sonawaneら、2014年、Biochemistry.53巻(44号):6878~6892頁)、問題は、RNLS発現およびシグナル伝達が、がん細胞に生存利点をもたらすかということである。MAPK、PI3KおよびJAK/STAT経路が異常に調節され、追加の治療標的が望ましいと思われる障害であるメラノーマに焦点が置かれる。
RNLS発現は、メラノーマ細胞株および腫瘍試料において著しく増加される。転移性メラノーマ患者において、RNLS発現は、疾患特異的生存と逆相関する。メラノーマにおけるRNLSの発現のパターンの試験は、上方調節が、主に腫瘍関連間質の細胞構成成分において、特にCD163+マクロファージにおいて発生することを示唆する。実験データは、腫瘍に動員された選択的活性化マクロファージ(M2様、CD163+)が、腫瘍に対する免疫応答を抑制し、血管新生を増加させ、腫瘍細胞遊走、浸潤および播種を容易にすることを示す(Ruhrbergら、2010年、Nat Med.16巻:861~2頁;Pollardら、2004年、Nat Rev Cancer.4巻:71~8頁;Haoら、2012年、Clinical and Developmental Immunology.2012年:11頁)。TAMは、ヒトメラノーマにおける、また、本研究に記載されている異種移植モデルにおける腫瘍塊の大幅なパーセンテージを占める。
RNLSは、CD162+ TAMにおいて優先的に発現され、M2様TAMが、RNLSを分泌することにより腫瘍進行を容易にすることができることを示唆する。図22Cは、RNLSシグナル伝達の阻害により観察される抗腫瘍効果の根底にある肝要な機構を取り込む実用モデルを説明する。RNLSモノクローナルm28-RNLSによるRNLSシグナル伝達の阻害は、CD86+のCD163+ TAMに対する比を増加させ、CD163+ TAMによるRNLS分泌を減少させる。加えて、m28-RNLSは、メラノーマ細胞におけるRNLSシグナル伝達を阻害する。正味の結果は、アポトーシスをもたらす、総およびリン酸化STAT3の劇的な下落である。
RNLS遺伝子発現を調節する調節プロモーターエレメントおよび転写因子は、近年調査されており(Sonawaneら、2014年、Biochemistry.53巻(44号):6878~6892頁)、これらのデータは、STAT3についての肝要な役割を指し示す。結果は、STAT3を上方調節するシグナルがRNLS遺伝子発現を増加させ、これが次いでSTAT3活性を増加させる、RNLSおよびSTAT3の間のフィードフォワードループの存在を示唆する。RNLSおよびSTAT3の間の斯かる相互作用の存在は、がんの病因におけるRNLSシグナル伝達の役割に関する重要な意義を有する。実際に、悪性形質転換およびがん進行を容易にする炎症性微小環境の誘導および維持における、STATファミリータンパク質、特に、STAT3のための肝要な役割を指し示す大規模データが存在する(Yuら、2009年、Nat Rev Cancer.9巻:798~809頁)。STAT3シグナル伝達は多くの場合、悪性細胞において持続的に活性化され、斯かる活性化は、腫瘍細胞増殖を駆動するだけではなく、腫瘍微小環境における炎症を持続する多数の遺伝子の産生も増加させる。がん細胞および形質転換していない間質細胞の間のSTAT3フィードフォワードループが、がんにおいて記録された(Catlett-Falconeら、1999年、Immunity.10巻:105~15頁;Yuら、2007年、Nat Rev Immunol.7巻:41~51頁;Araら、2009年、Cancer Res.69巻:329~37頁)。例えば、STAT3は、多発性骨髄腫患者において構成的に活性化される。IL-6依存性ヒト骨髄腫細胞株U266において、IL-6は、ヤヌスキナーゼを介してシグナル伝達して、STAT3を活性化し、これは次いで、抗アポトーシス因子を上方調節し、腫瘍細胞の生存を促進する(Catlett-Falconeら、1999年、Immunity.10巻:105~15頁)。様々な機構により、STAT3は、大部分のメラノーマにおいて構成的に活性化され、腫瘍細胞生存、増殖、転移、血管新生の増加、および腫瘍免疫応答の減少をもたらすことも見出された(Lesinskiら、2013年、Future oncology.9巻:925~7頁;Kortylewskiら、2005年、Cancer metastasis reviews.24巻:315~27頁;Emeagiら、2013年、Gene therapy.20巻:1085~92頁;Yangら、2010年、International journal of interferon, cytokine and mediator research : IJIM.、2010年:1~7頁)。
RNLSは、抗アポトーシス因子Bcl2を増加させ、エフェクターカスパーゼの活性化を予防することにより、細胞保護を媒介する(Wangら、2014年、Journal of the American Society of Nephrology.、DOI:10.1681/asn.2013060665)。A375.S2細胞におけるRNLSシグナル伝達の阻害は、p38 MAPKの持続した活性化と続くアポトーシス因子Baxの活性化、およびアポトーシスと関連する。MAPK p38は、炎症、細胞分化、細胞周期調節およびアポトーシスに関係付けられたストレス活性化プロテインキナーゼである(Onoら、2000年、Cellular Signalling.12巻:1~13頁)。例えば、神経増殖因子の中止は、JNKおよびp38の持続した活性化、ならびにERKの下方調節の後に、アポトーシスを引き起こすことが示された(Xiaら、1995年、Science.270巻:1326~31頁)。しかし、ある特定の条件下で、p38の阻害は、アポトーシスを遮断することができるため(Onoら、2000年、Cellular Signalling.12巻:1~13頁)、アポトーシスにおけるp38の役割は、明らかに状況依存性である。データは、A375.S2細胞において、p38のRNLS依存性活性化が、アポトーシスを引き起こすことを示唆する。
RNLSシグナル伝達の阻害は、メラノーマの異種移植におけるKi-67の発現を著しく減少させる。Ki-67は、腫瘍の増殖能の評価に大規模に使用されてきた細胞増殖の十分に定義されたマーカーであるため、データは、RNLSシグナル伝達が、腫瘍増殖の肝要な駆動因子であり、RNLS阻害が、腫瘍の増殖速度を減少させることを示すものとして解釈される。細胞周期進行を決定する肝要な因子の多くが同定されており、2つのクラスのCDK阻害剤、すなわち、サイクリン依存性キナーゼ4の阻害剤(INK4)およびCDK相互作用タンパク質/キナーゼ阻害剤タンパク質(CIP/KIP)ファミリー(Jungら、2010年、Cellular Signalling.22巻:1003~12頁)と共にサイクリン依存性キナーゼ(CDK)のセットを含む。CIP/KIPファミリーに属するCDK阻害剤であるp21の発現は、RNLSシグナル伝達によって調節される。RNLSシグナル伝達の阻害は、p21発現の著しい増加に関連する。p21は、細胞をG0に維持し、G1/S移行を遮断し、G1またはS期の間の停止を引き起こすことができる、細胞周期の負の調節因子である(Jungら、2010年、Cellular Signalling.22巻:1003~12頁)。したがって、p21発現の増加は、抗RNLS抗体で処置した腫瘍において観察される細胞増殖の減少を説明することができる。加えて、p38は、細胞周期進行に影響を与えることも示され(Onoら、2000年、Cellular Signalling.12巻:1~13頁)、抗RNLS処置によるp38の活性化は、細胞周期停止に寄与することもできる。
これらの知見は、がん細胞の生存および成長を促進することができる分泌タンパク質としてRNLSを同定し、単独での、またはそれぞれCSF-1R阻害剤もしくはMAPK経路阻害剤などの他のTAMもしくはメラノーマ阻害薬物と併せた、悪性メラノーマの処置のための抗RNLS療法の使用をさらに調査するためのフレームワークを提供する。MAPKおよびPI3KおよびJAK/STAT3を調節するための複数の機構が存在するため、また、経路間にクロストークが存在するため、細胞運命は、複数のシグナルの動的平衡および統合に依存し、データは、RNLS阻害が、がん細胞死に向けて平衡を傾けることを示唆する。
次に、本実施例で使用されている材料および方法について記載する。
試薬
ヒトメラノーマ細胞株A375.S2、SkMel28、SkMel5、MeWoおよびWM266-4をアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関から得て、推奨される通りに維持した。記載されている通りに、組換えヒトRNLSを発現させ、精製し、濃縮し、PBSに対して透析した(Desirら、Journal of the American Heart Association.2012年;1巻:e002634頁)。RNLSペプチドRP220および変異したペプチドRP220AをUnited Peptideで合成した。ウサギ抗RNLSモノクローナル抗体(AB178700)、ヤギポリクローナル抗RNLS抗体(AB31291)、ヤギIgGおよびウサギIgGは、Abcamから購入した。
抗RNLSモノクローナル抗体m28-RNLS(1D-28-4としても公知)、m37-RNLS(1D-37-10としても公知)の合成
RNLSペプチドRP-220をKLHにコンジュゲートし、6匹のウサギの免疫化に使用し、選択された動物の脾臓由来のリンパ球を、ハイブリドーマ生成のために骨髄腫細胞に融合させた。ハイブリドーマ上清をrRNLSに対してスクリーニングし、選択されたハイブリドーマを、抗体精製のためにクローニングし、増やした。馴化されたハイブリドーマ培養上清から、プロテインA親和性クロマトグラフィーによってモノクローナル抗体を精製した。
2種のクローン、m28-RNLS(1D-28-4としても公知)、m37-RNLS(1D-37-10としても公知)を、Biacore T100システムを使用して決定された、それらの高い結合親和性(それぞれ0.316および2.67nMのKD)に基づき選択した。m28-RNLSのヌクレオチド配列をPCRによって決定し、合成し、これを哺乳動物発現ベクターへとクローニングした。293-F細胞への一過性発現によって合成されたm28-RNLSをプロテインAクロマトグラフィーによって精製した。
組織標本
ヒトメラノーマcDNAアレイIおよびIIをOriGene Technologies(Rockville、MD、USA)から得た。関連病理報告は、オンラインで利用できる:http://www.origene.com/assets/documents/TissueScan。US Biomax(Rockville、MD、USA)から得たヒトメラノーマおよび正常皮膚組織試料を、免疫組織化学または免疫蛍光に使用した。
定量的RT-PCR
以前に記載された通りに、様々な遺伝子の相対的発現レベルをqRT-PCRによって評価した(Leeら、2013年、J Am Soc Nephrol.24巻:445~55頁)。TaqMan遺伝子発現リアルタイムPCRアッセイ(Applied Biosystems、Carlsbad、CA、USA)を使用して、RNLS、2’-5’-オリゴアデニル酸シンテターゼ1(OAS1)、β-アクチンおよび18s rRNAのmRNAレベルを評価した。結果は、閾値サイクル(Ct)として表現した。内在性対照18s rRNAまたはβ-アクチンに対して正規化された標的転写物の相対的定量化を、比較Ct方法(ΔCt)によって決定し、製造業者のプロトコール(ユーザー会報番号2、Applied Biosystems)に従って、2-ΔΔCt方法を使用して、被験細胞株間の遺伝子発現の相対的変化を解析した。
免疫組織化学的染色およびウエスタンブロット解析
以前に記載された通りに免疫組織化学を行った(Guoら、2012年、Cancer science.103巻:1474~80頁)。簡潔に説明すると、腫瘍組織をホルマリン固定し、パラフィン包埋し、スライドグラス上で5μm切片にカットした。スライドを脱パラフィンし、水分添加した後、10mMクエン酸ナトリウム、pH6バッファーを含有する圧力釜において抗原回復を行った。切片を3%過酸化水素において30分間、PBS/0.1%Tween20中2.5%正常ウマ血清において1時間ブロッキングした後、一次抗体およびアイソタイプ対照IgGと共に一晩4℃でインキュベートした。本研究において以下の抗体を使用した:m28-RNLS、500ng/ml;ヤギポリクローナル抗RNLS、250ng/ml(Abcam、ab31291);ウサギモノクローナル抗CD68(BDBioscience、1:100);ウサギモノクローナル抗CD163(AbD Serotec、1:100);ウサギモノクローナル抗CD86(Abcam、1:100);ウサギモノクローナル抗Ki67(Vector Lab、VP-RM04、1:100);ウサギモノクローナル抗p21、ホスホ-Tyr705-Stat3および総Stat3(Cell Signaling Technologies、それぞれ#2947、1:100、#9145、1:400および#4904、1:400)。ImmPRESSペルオキシダーゼ-抗ウサギIgG(Vector Laboratories、Burlingame、CA、USA)を使用して、一次抗体を検出した。Vector DAB基質キットを使用して発色させ、ヘマトキシリン(Vector Laboratories)で対比染色した。Olympus BX41顕微鏡およびカメラ(Olympus America Inc、Center Valley、PA、USA)を使用して、スライドを観察および撮影した。
以前に記載された通りにウエスタンブロット解析を実行した(Wangら、2014年、Journal of the American Society of Nephrology.、DOI:10.1681/asn.2013060665)。
組織マイクロアレイ
メラノーマ組織マイクロアレイは、US BioMax,Inc.およびイェール大学組織病理サービスから購入した。本研究は、イェール大学医学部の人体研究倫理委員会(Human Investigation Committee of Yale University School of Medicine)(HICプロトコール番号1003006479)によって承認された。以前に記載された通りにイェール大学メラノーマ組織マイクロアレイを構築した(Bergerら、2003年、Cancer research.63巻:8103~7頁;Rimmら、2001年、Cancer journal.7巻:24~31頁)。542種の総メラノーマ症例を表す総計570種の組織コアおよび0.6mmの寸法の小さい一連の対照を、単一のスライドグラス上に0.8mm離れた間隔をあけて置いた。イェール大学医学部病理学科のアーカイブから得た、ホルマリン固定し、パラフィン包埋した組織ブロックからコホートを構築した。病理学者は、各症例を試験して、組織マイクロアレイにおける組み入れのための領域を選択した。標本由来のコア生検材料を、Tissue Micorarrayer(Beecher Instruments、Sun Prairie、WI)を用いて組織マイクロアレイに置いた。次いで、組織マイクロアレイを5um切片にカットし、UV架橋による粘着テープ移行システム(Instumedics,Inc.、Hackensack、NJ)を有するスライドグラスに置いた。2ヶ月間~38年間(メジアンの経過観察時間、60ヶ月間)の経過観察範囲により、1959年~1994年の間に切除された腫瘍のアーカイブから標本を全て引き出した。コホート特徴は、以前に記載されている(Bergerら、2004年、Cancer research.64巻:8767~72頁)。
以前に記載された通りに組織マイクロアレイスライドを染色した(Bergerら、2004年、Cancer research.64巻:8767~72頁;Nicholsonら、2014年、Journal of the American College of Surgeons.219巻:977~87頁)。上述の免疫組織化学の処理と同じ仕方でスライドを脱パラフィンし、再度水分添加し、露出させ、ブロッキングした。メラノーマ組織アレイを、BSA/TBSに希釈したm28-RNLSプラス抗S100マウスモノクローナル(1:100、Millipore、Temecula、CA、USA)および抗HMB45マウスモノクローナル(1:100、Thermo Scientific、Fremont、CA、USA)のカクテルで4℃にて一晩染色した。BSA/TBSに希釈した二次抗体Alexa 488コンジュゲートヤギ抗マウス(1:100、Molecular Probes、Eugene、OR)プラスEnvision抗ウサギ(DAKO)を1時間室温で適用した。スライドをTBSTで(各5分間を3回)洗浄し、次いでCy5-チラミド(Perkin-Elmer Life Science Products、Boston、MA)と共にインキュベートし、西洋ワサビペルオキシダーゼによって活性化し、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート二次抗体に直接隣接する多数の共有結合的に会合したCy5色素の沈着をもたらした。Cy5は、その発光ピーク(赤色)が、組織自家蛍光の緑色-橙色スペクトルの十分に外側にあるため使用した。4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドールを含有するProlong Gold退色防止試薬によりカバーガラスでスライドを封着して、核を可視化した。
細胞生存度アッセイ
総細胞数および生細胞のパーセンテージをトリパンブルー排除によって評価し、BioRad TC10自動細胞計数器を使用して細胞を計数した。追加の研究のため、製造業者の指示に従ってWST-1試薬(Roche Diagnostics、Indianapolis、IN、USA)を使用して細胞生存度を決定した。マイクロプレートリーダー(Power Waves XS、BioTek Instruments、Winooski、VT、USA)を使用して吸光度を読み取った。
RNA干渉
RNLSを標的とする4種の個々のsiRNAおよびsiRNA SMARTプールは、Dharmacon(Lafayette、CO、USA)から購入した。製造業者によって指示される通りにDharmaFECT 4試薬(Dharmacon)を使用して、細胞に、RNLS siRNAまたはユニバーサル陰性対照低分子干渉RNA(対照siRNA、Dharmacon)をトランスフェクトした。qPCRによってノックダウン効率を決定した。
マウス腫瘍モデル
18~20gの雌胸腺欠損ヌードマウス(nu/nu)を、Charles River(Willimantic、CT)から得て、12時間の明/暗周期による、特定の病原体を含まない施設におけるオートクレーブした寝床を備えるマイクロアイソレーターケージに収容した。動物に、水および食物を自由に与え、VACHS IACUCによって承認された研究プロトコールに従って、腫瘍成長の徴候、活動性、採餌および疼痛に関して観察した。
A375.S2細胞(100μlのPBS、pH7.6における2×106個)の皮下注射によって異種移植腫瘍を確立した。腫瘍が、50~100mm3の体積に達したら、マウスを対照群(n=14、腹腔内注射(IP)週1回によるウサギIgG、40μg、および3日毎に腫瘍部位周囲に40ug皮下(SQ)で処置)と、m28-RNLS(40μg IP、週1回および40ug SQ、3日毎)を受ける実験群(n=14)とに分けた。腫瘍サイズをデジタルノギスで測定し、体積を式(長さ×幅2)×π/2に従って計算した。
研究の終わりに、マウスを屠殺し、腫瘍を切除し、液体窒素中で直ちに瞬間凍結し、-80℃で貯蔵した。製造業者の指示に従って、TUNELアッセイ(Roche in situアポトーシス検出システム)を使用してアポトーシスを試験した。切片を光学顕微鏡で調べ、10個のランダムに選択された高倍率視野(×200拡大率)における≧1000個の細胞を計数することにより、アポトーシス指数を決定した。
統計解析
ウィルコクソン順位和検定およびマン-ホイットニーのU検定を、それぞれ対形成したおよび対形成していないデータのために使用した。ノンパラメトリック反復処理に適切な場合、ANOVA(フリードマン検定)を使用して、統計的有意性を評価した。フリードマン検定が、統計的有意性を明らかにした場合、ダンの検定をペアワイズ比較のために使用した。カプラン-マイヤー生存解析および多変量Cox回帰解析も実行した。全データは、平均±平均の標準誤差(平均±SEM)であり、統計的有意差としてP<0.05の値が許容された。SPSS(登録商標)ソフトウェア、バージョン21.0(SPSS Inc.、Chicago、IL、USA)を使用して組織アレイデータの統計解析を行った。
次に、本実施例の結果について記載する。
メラノーマにおけるRNLS過剰発現
RNLS発現が、正常ヒト皮膚および悪性メラノーマの間で異なるかどうかを決定するために、正常皮膚から良性母斑から原発性および転移性メラノーマの進行に及ぶ、組織マイクロアレイ(TMA;イェール大学組織マイクロアレイ施設およびUS Biomax,Inc.)を試験した。Yale TMAは、1959年~1994年の間に収集された192種の原発性メラノーマのコホート、1997年~2004年に収集された246種の系列原発性および転移性メラノーマのコホート、295名の良性母斑患者のコホート、ならび15名の患者に由来するマッチした正常皮膚標本から得た、ホルマリン固定し、パラフィン包埋した標本を含有した。これらの組織マイクロアレイの人口統計学および臨床特徴は、以前に記載されている(Gould Rothbergら、2009年、Journal of clinical oncology:official journal of the American Society of Clinical Oncology.27巻:5772~80頁)。US Biomaxアレイは、35種の原発性メラノーマ、11種の転移性病変、14種の良性母斑および14種の正常試料を含む74種の標本を含有した。定量的自動免疫蛍光(IF)顕微鏡システム(AQUA)を使用した、RNLSタンパク質発現のためのおよそ600種のヒストスポット(histospot)の試験は、正常皮膚から良性母斑から原発性悪性メラノーマから転移性メラノーマへの進行が、RNLS発現の大幅な増加を伴うことを明らかにした(それぞれp=0.009、p=0.0003およびp<0.001、図17A~C)。
問題は、調節不全のRNLS発現およびシグナル伝達が、メラノーマ成長を容易にし、したがって、予後マーカーとして機能することができるかどうかである。1997年~2004年に収集された246種の系列原発性および転移性試料のコホート由来の各原発性メラノーマを試験した。119名の患者が、AQUA技術による評価に適したヒストスポットを有した。この群において、その腫瘍が、高いRNLSレベル(RNLS AQUAスコア>メジアンAQUAスコア75,764.45)を発現した患者の転帰を、低いRNLS発現を有する患者の転帰と比較した。高いRNLS発現は、メラノーマ特異的死亡増加に関連した:5年間および10年間の疾患特異的生存率、それぞれ55%対69%および39.7%対58.5%、p=0.008(図17D)。このコホートの多変量解析後に、RNLSレベルは、メラノーマにおける生存を独立して予測することが判明した(p=0.004、HR=3.130)。診断時の疾患のステージ(p=0.05、HR=3.940)、クラークレベル(p=0.015、HR=1.687)および原発性腫瘍の潰瘍化(p=0.001、HR=2.54)も、メラノーマにおける生存を独立して予測することが判明した。これらの知見は、RNLS発現が、メラノーマにおける有用な予後マーカーとして機能することができ、より高悪性度表現型を有する患者のサブセットの同定に役立つことができることを示唆する。
RNLS過剰発現は、がん細胞生存を支持する
RNLS媒介性シグナル伝達は、抗アポトーシス性であり、毒性ストレスに曝露された正常細胞をアポトーシス死から保護する(Wangら、2014年、J Am Soc Nephrol.;Leeら、2013年、J Am Soc Nephrol.24巻:445~55頁)。RNLSシグナル伝達が、がん細胞の生存を支持したか探索するために、組換えRNLS(rRNLS)またはウシ血清アルブミン(BSA)のいずれかを、培養中の血清飢餓状態にされたメラノーマ細胞(A375.S2、MeWo、SkMel5およびSkMel28)に添加し、細胞生存度を決定した。BSAと比較して、RNLSは、血清飢餓状態にされた細胞の生存を著しく増加させ、WST-1アッセイによって測定される増殖速度の見かけの増加を引き起こした(n=6、p<0.05、図18A)。RNLSで処置された細胞の総細胞数および生細胞のパーセンテージを計数して、増殖速度の見かけの増加が、細胞増殖の増加またはアポトーシスの速度の減少によるものであったかを決定した。図18Bに示す通り、RNLSによる処置は、BSAで処置した細胞と比較して、増加した細胞計数および増加した生細胞のパーセンテージを示し、RNLSが、抗アポトーシス生存因子として機能することを示唆する。
RNLSシグナル伝達の阻害は、in vitroでメラノーマ細胞にとって細胞傷害性である
メラノーマにおけるRNLS発現およびシグナル伝達を阻害する機能的帰結を決定するための3種のアプローチを使用した。第一に、細胞生存度に対するRNLS発現減少の効果を評価した。siRNAによるRNLSノックダウンは、メラノーマ細胞株A375.S2およびSkMel28の生存度を著しく低下させた(それぞれp=0.03およびp=0.003、図19A)。第二に、RNLSペプチドRP-220は、rRNLSの保護効果およびシグナル伝達特性を模倣するため、これが、細胞外RNLSに対する受容体の決定的な領域と相互作用する可能性が高く、これに対する抗体が、阻害特性を有し得ると判断された。したがって、RP-220に対するモノクローナル抗体のパネルを開発し、がん細胞生存に対するこれらの効果を検査した。RNLSに対して生成された2種のモノクローナル抗体[クローン#28-4(m28-RNLS)、37-10(m37-RNLS)]は、検査した全(総計5種の)メラノーマ細胞株の生存度を減少させ、代表例を図19B~Cに示す。m28-RNLSは、処置濃度増加と相関した細胞傷害性のレベル増加を実証した(p<0.05、図19B)。第三に、RP-220の正味の電荷を減少させることにより(3個のリシン/アルギニンをアラニンに変化、図19D)、ペプチドアンタゴニスト(RP-220A)を生成した。RP220Aは、RNLS依存性シグナル伝達を媒介しないが、PMCA4bに結合し、内在性RNLSの作用をアンタゴナイズする(Wangら、2015年、PLoS ONE.10巻:e0122932頁)。RP-220Aは、培養中のメラノーマ細胞にとって、漸増用量において細胞傷害性であることが判明した(p<0.005、図19D)。
RNLSシグナル伝達の阻害は、in vivoで腫瘍成長を遮断する
A375.S2(ヒトメラノーマ)細胞を、胸腺欠損ヌードマウスに皮下注射して、腫瘍を生成した。腫瘍が、ほぼ50mm3の体積に達したら、次いで、対照ウサギIgGまたはRNLS中和モノクローナル抗体、m28-RNLSのいずれかで動物を処置した。全体的な動物の健康および活動性は、研究を通して維持されたため、抗体処置は、毒性であるとは思われなかった。腫瘍サイズを1日おきに測定し、m28-RNLSによる処置は、検査した全てのポイントにおいて腫瘍体積を減少させた(p<0.05、図20A)。一部の動物において全体的腫瘍サイズおよび潰瘍化のために11日目に動物を屠殺した。細胞増殖マーカーKi67による異種移植腫瘍由来の切片のIHC染色は、抗RNLS抗体で処置した腫瘍内の、ウサギIgGで処置した腫瘍と比べて細胞増殖の大幅な減少を明らかにした:対照群における35.1±2.3陽性細胞/高倍率視野 対 RNLS Ab処置群における13.4±3.0、n=14、p=0.0004(図20B)。
RNLSシグナル伝達の阻害は、内在性RNLS発現およびSTAT3活性化を遮断し、アポトーシスおよび細胞周期停止を誘導する
STAT3は、RNLS遺伝子のプロモーター領域に結合し、その発現を増加させることが公知であり、正のRNLS-STAT3フィードバックループが示唆されている(Sonawaneら、2014年、Biochemistry.53巻(44号):6878~6892頁)。免疫蛍光組織染色、ならびに対照IgGおよびm28-RNLSで処置した異種移植腫瘍由来の細胞ライセートの研究により、この関係性をさらに調査した。リン酸化および総STAT3とRNLSの顕著な同時発現が、IFによって評価される通り、腫瘍試料において認められた(図21A)。m28-RNLSによる処置は、RNLSタンパク質発現の、ならびに総およびリン酸化STAT3の両方の劇的な低下を引き起こした(図21A)。図21B~Cに示す通り、ウエスタンブロットによりタンパク質発現の変化が確認された。m28-RNLSで処置した腫瘍において、チロシン705におけるSTAT3リン酸化(p-Y705-STAT3)および総STAT3は、大幅に減少した(n=8、p<0.005、図21B~C)。
RNLS発現の大幅な減少が、メラノーマ細胞において主に発生していたか検査するために、ヒトおよびマウス特異的プライマーを使用して、腫瘍塊における腫瘍(ヒト)および内在性(マウス)RNLSを増幅した。図21Dに描写される通り、m28-RNLSによる処置は、ヒト(腫瘍)発現に影響を与えることなく、マウスRNLS発現の大幅な低下を引き起こし、腫瘍浸潤細胞が、RNLS産生および分泌における肝要な役割を果たすことを示唆する。
加えて、細胞周期阻害剤p21の発現増加が認められた。抗体処置は、腫瘍試料における細胞周期調節因子p21の発現を著しく増加させた:抗体処置群における24.2±2.4陽性細胞 対 対照群における12.2±1.0、n=14、p=0.009(図21E)。末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼdUTPニック末端標識化(TUNEL)染色は、対照群を上回る抗体処置腫瘍におけるアポトーシスを起こす細胞の平均数の大幅な増加を明らかにした、平均13.3±0.6陽性細胞 対 4.3±0.2、n=14、p<0.001(図21E)。アポトーシスの増加は、p38 MAPKのリン酸化およびB細胞リンパ腫2関連タンパク質Baxのその後の活性化に時間的に関係付けられた(図21F)。これらのデータは、抗RNLS抗体による処置が、総およびリン酸化STAT3の著しい低下を引き起こし、腫瘍細胞における細胞増殖を減少させ、アポトーシスを増加させることを示す。
RNLSシグナル伝達の阻害は、CD86+のCD163+ TAMに対する比を増加させる
RNLSおよびメラニン形成細胞染色の間に認められる重複は最小であるため、メラニン形成細胞は、メラノーマヒストスポットにおけるRNLSの主な供給源であるとは思われなかった(図17A)。メラノーマは、多くの場合、マクロファージを含む免疫細胞の顕著な浸潤を有する。浸潤マクロファージは、汎マクロファージマーカーCD68と大幅に重複した、各ヒストスポットに認められるRNLS染色の実質的構成成分として大部分の腫瘍RNLSに寄与すると思われた(図22A上パネル)。さらなる調査の際に、RNLSが、CD163+(M2様)TAMと主に同時発現されたことが決定された(図22A、中央パネル)。CD86+(M1様)マクロファージとのRNLSの同時発現は、最小であった(図22A、下パネル)。M2様(CD163+)マクロファージは、免疫回避と関連し、がん発症および拡散を促進することが示される一方、M1様(CD86+)マクロファージは典型的に炎症促進性であり、腫瘍成長を阻害する(Biswasら、2010年、Nat Immunol.11巻:889~96頁;Mantovaniら、Trends in Immunology.23巻:549~55頁)。m28-RNLS抗体による異種移植片の処置は、CD163+ TMAの数の相当な減少をもたらし、残っている細胞は、検出可能なレベルのRNLSを発現しなかった(図22B)。
(実施例3:原形質膜カルシウムATPase PMCA4bを介した持続したレナラーゼシグナル伝達は、膵がん成長を促進する)
RNLSは、膵がんにおいて障害されているMAPKおよびPI3K経路に関与する生存因子として機能するため、また、その発現は、シグナル伝達性転写因子STAT3によって調節されるため(Sonawaneら、2014年、Biochemistry.53巻(44号):6878~6892頁)、RNLS発現およびシグナル伝達の異常調節が、がん細胞に生存利点をもたらし、腫瘍形成を促進し得ることが仮定された(Guoら、2014年、Curr Opin Nephrol Hypertens.23巻(5号):513~8頁)。
本明細書において示されるように、RNLS発現が、いくつかの種類のがんにおいて増加され、膵管腺癌(PDAC)患者のコホートにおいて、全生存は、腫瘍においてRNLS発現と逆相関し、RNLSについての病原性役割を示唆した。siRNAまたは阻害性抗RNLS抗体を使用したRNLS発現の阻害は、培養PDAC細胞生存度を減少させた。異種移植マウスモデルにおいて、RNLSモノクローナル抗体m28-RNLSは、PDAC成長を阻害し、STAT3を下方調節し、p21およびp38を上方調節することにより、アポトーシスおよび細胞周期停止を引き起こした。腫瘍細胞におけるRNLS発現の下方調節は、PMCA4b(RNLS受容体)発現の等しい減少をもたらし、阻害性抗RNLS抗体により観察されるものと同様の腫瘍サイズの低下をもたらした。これらの結果は、がんにおけるRNLS経路の以前に認識されなかった生存促進性機能を明らかにし、RNLS発現が、予後マーカーとして機能し得ることを示し、膵がんの管理のための新規治療標的を同定する。
PDACにおけるRNLS発現増加の病原性役割、およびRNLSシグナル伝達を阻害することの治療有用性の両方の証拠が本明細書に提供される。加えて、RNLSシグナル伝達の阻害剤の観察される抗腫瘍活性を媒介する分子機構が探索されている。
まとめると、これらの知見は、上方調節されたRNLS媒介性シグナル伝達が、PDACにおける病原性役割を果たすことを示す。本明細書において、高いRNLS腫瘍発現が、全体的3年死亡率の2倍増加に関連することが示されており、診断または予後マーカーとしてのRNLSの使用を支持する。さらに、RNLSは、分泌タンパク質であるため、腫瘍の一次検出のためのバイオマーカーとして、または処置応答もしくは再発のための代理マーカーとして使用することができる。
RNLS媒介性細胞保護の一次機構は、AKT、ERKおよびSTATを活性化する、抗アポトーシス因子Bcl2を増加させる、ならびにエフェクターカスパーゼの活性化を予防する能力であると思われる(Wangら、2014年、Journal of the American Society of Nephrology.、DOI:10.1681/asn.2013060665)。Panc1細胞におけるRNLSシグナル伝達の阻害は、p38 MAPKの持続した活性化およびアポトーシスと関連する。p38は、炎症、細胞分化、細胞周期調節およびアポトーシスに関係付けられたストレス活性化キナーゼである(Onoら、2000年、Cellular Signalling.12巻(1号):1~13頁)。例えば、神経増殖因子の中止は、JNKおよびp38の持続した活性化ならびにERKの下方調節と共にアポトーシスを引き起こす(Xiaら、1995年、Science.270巻(5240号):1326~31頁)。しかし、ある特定の条件下で、p38の阻害は、アポトーシスを遮断することができるため(Onoら、2000年、Cellular Signalling.12巻(1号):1~13頁)、アポトーシスプロセスにおけるp38の役割は、明らかに状況依存性である。本明細書に記載されているデータは、Panc1細胞において、p38のm28-RNLS依存性活性化が、アポトーシスに関連するという説明と一貫している。
RNLSシグナル伝達の阻害は、膵がんの異種移植片におけるKi-67の発現を著しく減少させる。Ki-67は、細胞分裂のレベルの評価に使用されるため、データは、RNLS阻害が、腫瘍の増殖速度を減少させるという説明と一貫する。細胞周期進行を決定する肝要な因子の多くが同定されており、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)ならびに2つのクラスの内在性CKD阻害剤、すなわち、サイクリン依存性キナーゼ4の阻害剤(INK4)およびCDK相互作用タンパク質/キナーゼ阻害剤(CIP/KIP)タンパク質ファミリーを含む(Jungら、2010年、Cellular Signalling.22巻(7号):1003~12頁)。データは、CIP/KIPファミリーに属するCKD阻害剤であるp21の発現が、RNLSシグナル伝達によって調節されることを明らかにする。RNLSシグナル伝達の阻害は、p21発現の著しい増加に関連する。p21は、細胞をG0に維持し、G1/S移行を遮断し、G1またはs期の間の停止を引き起こすことができる細胞周期の負の調節因子であるため(Jungら、2010年、Cellular Signalling.22巻(7号):1003~12頁)、その上方調節は、m28-RNLSで処置した腫瘍において観察される細胞増殖の減少を説明することができる。加えて、p38も、細胞周期進行に影響を与えることが示されており(Onoら、2000年、Cellular Signalling.12巻(1号):1~13頁)、抗RNLS処置によるその活性化も、細胞周期停止に寄与することができる。
RNLS遺伝子発現を調節する調節プロモーターエレメントおよび転写因子は、近年調査され(Sonawaneら、2014年、Biochemistry.53巻(44号):6878~6892頁)、これらのデータは、STAT3についての肝要な役割を指し示す。結果は、RNLSおよびSTAT3の間のフィードフォワードループを示唆する:STAT3を上方調節するシグナルが、RNLS遺伝子発現を増加させ、次いでRNLSが、STAT3活性を増加させる。RNLSおよびSTAT3の間の斯かる相互作用は、がんの病因におけるRNLSシグナル伝達の役割に関する重要な意義を有する。STATファミリータンパク質、特に、STAT3は、悪性形質転換およびがん進行を容易にする炎症性微小環境の誘導および維持に堅く関係付けられる(Yuら、2009年、Nat Rev Cancer.9巻(11号):798~809頁)。STAT3シグナル伝達は多くの場合、がん細胞において持続的に活性化され、斯かる活性化は、腫瘍細胞増殖を駆動するだけではなく、腫瘍微小環境における炎症を持続させる多数の遺伝子の産生も増加させる。がん細胞および形質転換していない間質細胞の間のSTAT3フィードフォワードループが、がんにおいて記録された(Catlett-Falconeら、1999年、Immunity.10巻(1号):105~15頁;Yuら、2007年、Nat Rev Immunol.7巻(1号):41~51頁;Araら、2009年、Cancer Res.69巻(1号):329~37頁)。例えば、STAT3は、多発性骨髄腫患者において構成的に活性化される。IL-6依存性ヒト骨髄腫細胞株U266において、IL-6は、ヤヌスキナーゼを介してシグナル伝達して、STAT3を活性化し、これは次いで、抗アポトーシス因子を上方調節し、腫瘍細胞の生存を促進する(Catlett-Falconeら、1999年、Immunity.10巻(1号):105~15頁)。同様に、STAT3は、大部分の膵管腺癌において構成的に活性化され、KRAS誘導性膵腫瘍形成の惹起および進行に要求されると思われる(Corcoranら、2011年、Cancer Res.71巻(14号):5020~9頁)。
STAT3経路およびRNLSは、PDAC発症における最も一般的かつ重要な環境因子、紙巻きタバコ喫煙の促進における役割を有することもできる(Muscatら、1997年、Cancer epidemiology, biomarkers & prevention: a publication of the American Association for Cancer Research, cosponsored by the American Society of Preventive Oncology.6巻(1号):15~9頁;Boyleら、1996年、International journal of cancer Journal international du cancer.67巻(1号):63~71頁;Fuchsら、1996年、Archives of internal medicine.156巻(19号):2255~60頁)。紙巻タバコ煙の肝要な構成要素であるニコチンは、がんにおける増殖の速度および血管新生を増強することが示された(Heeschenら、2002年、J Clin Invest.110巻(4号):527~36頁;Heeschenら、2001年、Nat Med.7巻(7号):833~9頁)。腫瘍成長および転移のニコチンの作用は、JAK-STAT3およびMEK-ERK1-2下流シグナル伝達カスケードをもたらすアセチルコリン受容体アルファ-7nACHRとの、その相互作用によって媒介されると考えられる(Momiら、2013年、Oncogene.32巻(11号):1384~95頁)。この文脈において、ニコチンは、Sp1およびSTAT3の相乗的な作用により、RNLSプロモーター活性を増加させる(Sonawaneら、2014年、Biochemistry.53巻(44号):6878~6892頁)。
PMCA4bは、細胞シグナル伝達、心肥大およびがんに関与する原形質膜ATPaseとして以前に特徴付けされた(Cartwrightら、2007年、Annals of the New York Academy of Sciences.1099巻(1号):247~53頁;Pintonら、2001年、EMBO J.20巻(11号):2690~2701頁;Oceandyら、2011年、Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Molecular Cell Research.1813巻(5号):974~8頁)。これは、サイトゾルから外部環境へとCa2+を輸送し、局所的カルシウム濃度を調節すると思われる。細胞質Ca2+の調節におけるその役割に加えて、PMCA4bは、RasおよびMAPKを介してシグナル伝達することもできる高分子複合体の中心である(Araら、2009年、Cancer Res.69巻(1号):329~37頁;Corcoranら、2011年、Cancer Res.71巻(14号):5020~9頁;Muscatら、1997年、Cancer epidemiology, biomarkers & prevention: a publication of the American Association for Cancer Research, cosponsored by the American Society of Preventive Oncology.6巻(1号):15~9頁)。例えば、これは、腫瘍サプレッサーRASSF1との、その相互作用を介してRasシグナル伝達およびERK活性化をモジュレートする(Armesillaら、2004年、Journal of Biological Chemistry.279巻(30号):31318~28頁)。データは、RNLSが、PMCA4bを介してシグナル伝達すること、PMCA4b発現の下方調節またはその酵素機能の阻害が、膵腺癌細胞にとって細胞傷害性であることを示す。これらの知見は、PMCA4bが、PDACの管理における治療標的を表すことを示唆する。
要約すると、これらの知見は、RNLSが、PDACの生存および成長を促進することができる分泌タンパク質であることを実証する。これは、がんの処置のためにRNLSを阻害する治療法の使用をさらに調査するためのフレームワークを提供する。この文脈において、MAPK、PI3KおよびJAK-STAT3を媒介する複数の相互に関係するシグナルをモジュレートするRNLSは、がんにおいて活性であり、この分子は、特に魅力的な治療標的であり得る(図27E)。
次に、本実施例で使用されている材料および方法について記載する。
試薬
ヒト管膵腺癌細胞株BxPC-3、Panc1およびMiaPaCa-2をアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)(Manassas、VA、USA)から得て、推奨される通りに維持した。p38およびSTAT3遮断薬SB203580およびStatticは、Abcam(Cambridge、UK)から購入した。JNK阻害剤SP600125およびERK阻害剤U0126は、それぞれSigma Aldrich(St.Louis、MO、USA)およびCell Signaling Technologies(Beverly MA、USA)から得た。以前に記載された通りに、組換えヒトRNLS(rRNLS)を発現させ、精製し、濃縮し、PBSに対して透析した(Desirら、2012年、J Am Heart Assoc.1巻(4号):e002634頁)。ウサギ抗RNLSモノクローナル(AB178700)、ヤギポリクローナル抗RNLS(AB31291)、ヤギIgGおよびウサギIgGは、Abcamから購入した。
抗RNLSモノクローナル抗体m28-RNLS(1D-28-4としても公知)、m37-RNLS(1D-37-10としても公知)の合成
RNLSペプチドRP-220をKLHにコンジュゲートし、6匹のウサギの免疫化に使用し、選択された動物の脾臓由来のリンパ球を、ハイブリドーマ生成のために骨髄腫細胞に融合させた。ハイブリドーマ上清をrRNLSに対してスクリーニングし、選択されたハイブリドーマを、抗体精製のためにクローニングし、増やした。馴化されたハイブリドーマ培養上清から、プロテインA親和性クロマトグラフィーによってモノクローナル抗体を精製した。
2種のクローン、m28-RNLS、m37-RNLSを、Biacore T100システムを使用して決定された、それらの高い結合親和性(それぞれ0.316および2.67nMのKD)に基づき選択した。m28-RNLSのヌクレオチド配列をPCRによって決定し、合成し、これを哺乳動物発現ベクターへとクローニングした。293-F細胞への一過性発現によって合成されたm28-RNLSをプロテインAクロマトグラフィーによって精製した。
組織標本
OriGene Technologies(Rockville、MD、USA)からヒトがんcDNAアレイ(Screen cDNA Arrays IおよびII、膵がんcDNAアレイ)を得た。関連病理報告は、オンラインで利用できる:www.origene.com/assets/documents/TissueScan。US Biomax(Rockville、MD、USA)から得たヒト膵がんおよび正常組織試料を、免疫組織化学または免疫蛍光に使用した。
定量的PCR
様々な遺伝子の相対的発現レベルをqPCRによって評価した。TaqMan遺伝子発現リアルタイムPCRアッセイ(Applied Biosystems、Carlsbad、CA、USA)を使用して、RNLS、2’-5’-オリゴアデニル酸シンテターゼ1(OAS1)、β-アクチンおよび18s rRNAのmRNAレベルを評価した。結果は、閾値サイクル(Ct)として表現した。内在性対照18s rRNAまたはβ-アクチンに対して正規化された標的転写物の相対的定量化は、比較Ct方法(ΔCt)によって決定し、製造業者のプロトコール(ユーザー会報番号2、Applied Biosystems)に従って、2-ΔΔCt方法を使用して、被験細胞株間の遺伝子発現の相対的変化を解析した。
免疫組織化学およびウエスタンブロット解析
以前に記載された通りに免疫組織化学を行った(Guoら、2012年、Cancer Science.103巻(8号):1474~80頁)。簡潔に説明すると、腫瘍組織をホルマリン固定し、パラフィン包埋し、スライドグラス上で5μm切片にカットした。スライドを脱パラフィンし、水分添加した後、10mMクエン酸ナトリウム、pH6バッファーを含有する圧力釜において抗原回復を行った。切片を3%過酸化水素において30分間、PBS/0.1%Tween20中2.5%正常ウマ血清において1時間ブロッキングした後、一次抗体およびアイソタイプ対照IgGと共に一晩4℃でインキュベートした。本研究において以下の抗体を使用した:m28-RNLS、500ng/ml;ヤギポリクローナル抗RNLS、250ng/ml(Abcam、AB31291);ウサギモノクローナル抗Ki67(Vector Lab、VP-RM04、1:100);ウサギモノクローナル抗p21およびホスホ-Tyr705-Stat3(Cell Signaling Technologies、それぞれ#2947、1:100および#9145、1:400)。ImmPRESSペルオキシダーゼ-抗ウサギIgG(Vector Laboratories、Burlingame、CA、USA)を使用して、一次抗体を検出した。Vector DAB基質キットを使用して発色させ、ヘマトキシリン(Vector Laboratories)で対比染色した。Olympus BX41顕微鏡およびカメラ(Olympus America Inc、Center Valley、PA、USA)を使用して、スライドを観察および撮影した。
以前に記載された通りにウエスタンブロット解析を実行した(Wangら、2014年、Journal of the American Society of Nephrology.、DOI:10.1681/asn.2013060665)。
組織マイクロアレイ
膵臓組織マイクロアレイは、US BioMaxから購入した。以前に記載された通りに組織マイクロアレイスライドを染色した(Nicholsonら、2014年、Journal of the American College of Surgeons.219巻(5号):977~87頁)。手短に言えば、標本は、m28-RNLSおよびマウスモノクローナル汎サイトケラチン抗体(1:100、DAKO M3515)で4℃にて一晩共染色した。二次抗体Alexa 488コンジュゲートヤギ抗マウス(1:100、Molecular Probes、Eugene、OR)およびEnvision抗ウサギ(DAKO)を1時間室温で適用した。スライドをTris緩衝食塩水で洗浄し(5分間を3回)、Cy5-チラミド(Perkin-Elmer Life Science Products、Boston、MA)と共にインキュベートし、西洋ワサビペルオキシダーゼによって活性化した。Cy5は、その発光ピーク(赤色)が組織自家蛍光の緑色-橙色スペクトルの外側にあるため使用した。4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドールを含有するProlong Gold退色防止試薬によりカバーガラスでスライドを封着して、核の可視化を容易にした。
細胞生存度アッセイ
トリパンブルー排除によって細胞生存度を評価し、BioRad TC10自動計数器を使用して細胞を計数した。一部の研究のため、細胞生存度を、以前に記載された通りにWST-1試薬(Roche Diagnostics、Indianapolis、IN、USA)を使用して決定した(Wangら、2014年、Journal of the American Society of Nephrology.、DOI:10.1681/asn.2013060665)。
アポトーシスおよび細胞周期解析
細胞周期解析のため、培養細胞を、10mM EDTAを使用して解離し、氷冷70%エタノールで固定し、RNAse Aで消化し、ヨウ化プロピジウムで染色した。プロピジウム染色を、BD FACSCaliburフローサイトメーター(BD Biosciences、San Jose、CA、USA)を使用して検出し、CellQuestソフトウェアを使用して解析した。
以前に行った通りにアポトーシスを検出および定量化した(Guoら、2012年、Cancer Science.103巻(8号):1474~80頁)。手短に言えば、製造業者の指示に従って、FITC標識アネキシン-Vおよびヨウ化プロピジウムで細胞を染色した(Bender MedSystems、Burlingame、CA、USA)。少なくとも20,000個のイベントを、BD FACSCaliburフローサイトメーター(BD Biosciences、San Jose、CA、USA)において収集し、CellQuestソフトウェアを使用して解析した。
RNA干渉
RNLSを標的とする4種の個々のsiRNAおよびsiRNA SMARTプールは、Dharmacon(Lafayette、CO、USA)から購入した。製造業者によって示唆される通りにDharmaFECT 4試薬(Dharmacon)を使用して、細胞に、RNLS siRNAまたはユニバーサル陰性対照siRNA(対照siRNA、Dharmacon)をトランスフェクトした。
安定にトランスフェクトされたPanc1細胞株を生成するために、製造業者のプロトコールに従って、細胞に、RNLS shRNA(sh-RNLS)または対照shRNA(sh-対照)のいずれかを保有するレンチウイルス(Santa Cruz)を形質導入した。細胞を2回形質導入して、shRNAコピー数を増加させ、10日間の80μg/mlピューロマイシンにおける選択後に、安定したクローンを樹立した。qPCRによってノックダウン効率を決定した。
マウス異種移植腫瘍モデル
18~20gの雌胸腺欠損ヌードマウス(nu/nu)をCharles River(Willimantic、CT)から得て、12時間の明/暗周期で、特定の病原体を含まない施設におけるオートクレーブした寝床を備えるマイクロアイソレーターケージに収容した。動物に、水および食物を自由に与え、VACHS IACUCによって承認された研究プロトコールに従って、腫瘍成長の徴候、活動性、採餌および疼痛に関して観察した。
BxPC3細胞(100μlのPBS、pH7.6における2×106個)の皮下注射によって異種移植腫瘍を確立した。腫瘍が、50~100mm3の体積に達したら、マウスを対照群(n=14、腹腔内注射(IP)によりウサギIgG、40μgで処置)と、m28-RNLS(40μg IP、3日毎)を受ける実験群(n=14)とに分けた。腫瘍サイズをデジタルノギスで測定し、式(長さ×幅2)×π/2に従って体積を計算した。別の動物群において(各n=6)、sh-RNLSまたはsh-対照Panc1細胞(100μlのPBS、pH7.6における2×106個)を皮下注射した。これらの動物は、さらなる処置を受けず、腫瘍サイズおよび体積を最大30日間測定した。
研究の終わりに、マウスを屠殺し、腫瘍を切除し、液体窒素中で直ちに瞬間凍結し、-80℃で貯蔵した。製造業者の指示に従ってTUNELアッセイ(Roche in situアポトーシス検出システム)を使用して、アポトーシスを試験した。切片を光学顕微鏡で調べ、5個のランダムに選択された高倍率視野(×200拡大率)における≧1000個の細胞を計数することによりアポトーシス指数を決定した。
統計解析
ウィルコクソン順位検定およびマン-ホイットニー検定は、それぞれ対形成したおよび対形成していないデータのために使用した。適切であれば、ノンパラメトリック反復処理ANOVA(フリードマン検定)を使用して、統計的有意性を評価した。フリードマン検定が、統計的有意性を明らかにした場合、ダンの検定をペアワイズ比較のために使用した。全データは、平均±平均の標準誤差(平均±SEM)であり、統計的有意差としてP<0.05の値が許容された。SPSS(登録商標)ソフトウェア、バージョン21.0(SPSS Inc.、Chicago、IL、USA)を使用して、組織アレイデータの統計解析を行った。
次に、本実施例の結果について記載する。
PDACにおけるRNLS過剰発現および生存減少との関連
RNLS発現が、正常およびがん組織の間で異なるかどうかを決定するために、定量的PCR(qPCR)を使用して市販のヒト組織cDNAアレイをスクリーニングすることにより、15種の異なる種類のがんを試験した。RNLS発現は、膵臓、膀胱および乳房のがんならびにメラノーマにおいて大幅に増加された(図23A)。その特に不十分な生存および限定的な治療選択肢のため、膵新生物に焦点を置いた。RNLS発現は、PDAC(ほぼ3倍)および膵神経内分泌(8倍)腫瘍の両方において上昇された(図23B)。抗RNLSモノクローナルm28-RNLSを使用した免疫細胞化学的研究は、図23Cおよび図28)に示す通り、RNLS発現が、PDACグレード1~4に存在し、がん細胞に主に局在化されたことを示した。大部分のRNLSは、がん細胞における細胞質分布を有すると思われた;これは、全ての腫瘍グレードに存在したが、より分化したがん(グレードI~III)において最も明らかであった。膵臓の神経内分泌腫瘍において、RNLSは、腫瘍の至るところの細胞において発現された(図29)。RNLS遺伝子発現は、KRAS変異を有する膵管腺癌細胞(PDACC)株(MiaPaCa2およびPanc1)において、BxPC3などの野生型KRASを有する株よりも高かった(図30)。
マッチした隣接正常組織を有するホルマリン固定し、パラフィン包埋した腫瘍コアからなる組織マイクロアレイ(TMA)を使用して、69名のPDAC患者におけるRNLS発現を特徴付けた。試料を得た個体の人口統計学および臨床特徴を表3に示す。不偏の定量的自動免疫蛍光顕微鏡システム(AQUA)(Gould Rothbergら、2009年、Journal of Clinical Oncology.27巻(34号):5772~80頁)を使用した、対形成したPDAC腫瘍およびその非腫瘍隣接組織由来の138種のヒストスポットの、RNLSタンパク質発現に関する試験は、全体的RNLSレベルが、PDAC腫瘍において、その隣接非腫瘍膵組織よりも2倍を超えて大きかったことを示した(p<0.001、図23D)。
RNLS発現増強が、PDACの臨床挙動に影響を与え得るかどうかを決定するために、発現のレベルが予後に影響を与えたかに関する疑問を呈した。その腫瘍が高いRNLSレベルを発現した個体(n=34、RNLS AQUAスコア>メジアン)は、劇的に低下した3年生存率を有した(24%対49%、p=0.024、図23E)。これらの知見は、RNLS発現の腫瘍レベルが、PDACにおける有用な予後マーカーであり、より高悪性度表現型を有する患者のサブセットの同定に役立つことができることを示す。
RNLSは、PMCA4bを介してシグナル伝達し、膵がん細胞のための生存因子として機能する
RNLS媒介性シグナル伝達は、毒性ストレスに曝露されたHK-2細胞をアポトーシスから保護する(Leeら、2013年、J Am Soc Nephrol.24巻(3号):445~55頁;Wangら、2014年、Journal of the American Society of Nephrology.、DOI:10.1681/asn.2013060665)。RNLSシグナル伝達が、ストレスに曝露された膵管腺癌細胞(PDACC)に生存利点をもたらしたか探索するために、培養BxPC3、Panc1およびMiaPaCa2細胞から血清を48時間取り除き、組換えRNLS(rRNLS)またはウシ血清アルブミン(BSA)のいずれかを培養培地にさらに72時間添加した;総および生(トリパンブルー排除)細胞計数を決定した。BSAと比較して、rRNLSは、PDACC生存率を2~5倍増加させた(図24A)。
過酸化水素またはシスプラチン傷害に曝露されたHK-2細胞へのrRNLSの添加によって提供された細胞保護は、ERK活性化に依存したことが示された(Leeら、2013年、J Am Soc Nephrol.24巻(3号):445~55頁;Wangら、2014年、Journal of the American Society of Nephrology.、DOI:10.1681/asn.2013060665)。図24Bに示す結果は、MAPKキナーゼMEK1の阻害剤であるU0126による前処置が、rRNLSの保護効果を抑止したため、rRNLSが、ERK依存性様式でPDACC生存も改善することを示す。
siRNAを使用してPMCA4b発現を特異的に下方調節することにより、膵がんにおけるRNLS依存性シグナル伝達におけるPMCA4bの役割に関する証拠を得た。対照研究において、非標的化siRNAは、PMCA4b遺伝子発現にもRNLS媒介性ERKリン酸化にも影響を与えなかった(図24C)。対照的に、PMCA4b標的化siRNAは、遺伝子発現を90%を超えて減少させ、RNLS依存性ERKリン酸化をほぼ70%低下させた(図24C)。PMCA4b阻害は、RNLS媒介性STAT3リン酸化に識別可能な効果がなく、追加のRNLS受容体(複数可)の存在を示唆する。
rRNLSの存在下において観察されるPDAC細胞数増加は、細胞死を予防するおよび/または細胞増殖を増加させるRNLSシグナル伝達と一貫する。蛍光標識細胞分取(FACS)解析によって細胞周期に対するRNLSの効果を試験して、PDACC生存度の見かけの増加が、細胞増殖増加によるものであるか、または細胞死の速度の減少によるものであるかを決定した。図24Dに示す通り、BSAによる処置と比較して、rRNLSは、細胞周期進行に効果がなく、RNLSが、増殖プログラムに影響を与えないが、むしろ、細胞死を予防し、生存因子として機能することを示す。
RNLSシグナル伝達の阻害剤は、膵がん成長を遮断する
膵がん細胞におけるRNLS発現およびシグナル伝達阻害の機能的帰結を決定するために、siRNAによるRNLSノックダウンによって、in vitroでの細胞生存度に対するRNLS発現減少の効果を評価した。この処置は、PDACC株Panc1およびMiaPaCa2の生存度を著しく低下させた(図25Aおよび31)。RNLSペプチドRP-220は、rRNLSの保護効果およびシグナル伝達特性を模倣するため、これが、細胞外RNLSに対する受容体の決定的な領域と相互作用する可能性が高く、これに対して生成された抗体が阻害性であり得ると判断された。RP-220に対してウサギにおいて生成されたモノクローナル抗体のパネルから、2種のクローン、m28-RNLS、m37-RNLSを、それらの高い結合親和性(それぞれ0.316および2.67nMのKD)に基づき選択した。PDACC成長に対するm28-RNLS、m37-RNLSおよび市販のポリクローナル(RP-220の部分的配列に対する)の阻害性効果は、図25Bおよび25Cにおいて描写される代表例によって示されている。培養細胞におけるこれらの研究は、RNLSが、自己分泌/パラ分泌経路を介して作用して、PDACC成長を刺激することができることを示唆する。
RNLSシグナル伝達の阻害が、in vivoで腫瘍成長に影響を与えたかどうかを決定するために、shRNAを使用して、2種の安定にトランスフェクトされたPanc1細胞株を生成した:一方は、非標的化shRNA(sh-対照)を含有し、もう一方は、RNLS標的化shRNA(sh-RNLS)を含む。sh-RNLS細胞におけるRNLS発現は、qPCRによって評価された場合、90%を超えて減少された(図31)。驚いたことに、RNLS標的化shRNAによるRNLS発現の阻害は、その受容体PMCA4bの発現の著しい低下をもたらし、RNLSおよびPMCA4b発現が同時調節されることを示唆する(図32)。トランスフェクトされた細胞を胸腺欠損ヌードマウスに皮下注射し、30日間の期間にわたって腫瘍サイズを評価した。sh-RNLS細胞によって生成された腫瘍体積は、8日目から動物が屠殺された30日目までsh-対照細胞のものよりも大幅に小さかった(図25D)。宿主マウスによるRNLS産生および分泌は影響を受けなかったため、これらの結果は、RNLS受容体PMCA4bの随伴性阻害のため、sh-RNLS腫瘍細胞が、循環RNLSに対して無応答性であったことを示す。
阻害性抗体の治療潜在能を評価するために、対照ウサギIgGまたはm28-RNLSのいずれかで処置した、胸腺欠損ヌードマウスにBxPC3細胞を皮下注射し、腫瘍体積を最大3週間測定した。図25Eに示す通り、ウサギIgGと比較して、m28-RNLS処置は、腫瘍体積の大幅な減少を引き起こした。まとめると、培養PDACC細胞におけるおよびPDACCのin vivoモデルにおけるこれらの研究は、RNLS経路が、膵がん成長をモジュレートし、治療標的として機能し得ることの説得力のある証拠を提供する。
m28-RNLSによる腫瘍細胞におけるアポトーシスおよび細胞周期停止の誘導
RNLSレベルを低下させるために、ウサギIgGまたはm28-RNLSのいずれかで処置したマウス由来のBxPC3異種移植腫瘍の切片は、抗体処置腫瘍におけるアポトーシス(TUNEL染色)のほぼ2倍増加を明らかにした(図26A):m28-RNLS 対 IgG;28.4±3.3陽性細胞/高倍率視野 対 IgG-14.8±2.3、n=14、p=0.002。培養中のPanc1細胞のFACS解析は、m28-RNLSがアポトーシスを引き起こしたことを確認した(図26Bおよび33)。m28-RNLS抗体による処置は、処置後1日目から始まるp38 MAPKの持続したリン酸化を引き起こした(図26C)。
BxPC3腫瘍のm28-RNLS処置はまた、細胞増殖マーカーKi67の発現の2.5分の1への減少(m28-RNLS 対 IgG:IgG、137.1±14.9 対 340.2±11.9陽性細胞/高倍率視野、n=14、p=1.4×10-8)(図26D、上パネル)、および細胞周期調節因子p21発現の発現のほぼ4倍の増加をもたらした(m28-RNLS 対 IgG:IgG、178.1±11.4 対 42.2±4.7.6陽性細胞/高倍率視野、n=14、p=1.6×10-10)(図26D、下パネル)。Panc1細胞のFACS解析を行って、細胞周期に対するRNLSシグナル伝達阻害の効果を試験した。図26Eに示すデータは、大きいプレG1ピークの出現によって証明される通り、RNLS阻害がアポトーシスを引き起こしたことを確認する。これらは、G2の著しい減少も明らかにし、m28-RNLSによるRNLSシグナル伝達の阻害が、プレG2細胞周期停止を引き起こすことを示す。
正のRNLS-STAT3フィードバックループの存在およびm28-RNLSによるその中断
STAT3は、RNLS遺伝子のプロモーター領域に結合し、その発現を増加させる(Sonawaneら、2014年、Biochemistry.53巻(44号):6878~6892頁)。正のRNLS-STAT3フィードバックループは、RNLSで処置したHK-2細胞において、セリン727(p-Ser727-STAT3)およびチロシン705(p-Y705-STAT3)におけるSTAT3リン酸化が、それぞれ2および4倍増加するが、STAT1は影響を受けないことの観察によって示唆される(図34)。図27A~Bに描写される通り、PDACC株Panc1へのRNLSの添加は、リン酸化STAT3(p-Ser727-STAT3およびp-Y705-STAT3)の急速増加を引き起こした。RNLS-STAT3フィードバックループのための追加の支持は、m28-RNLSによるPanc1におけるRNLSシグナル伝達の阻害が、p-Y705-STAT3の長続きするおよび持続した減少をもたらすという知見によって提供される(図27C~D)。
(実施例4:がんに対する抗レナラーゼ抗体および抗PD1抗体の間の相乗作用)
実験を行って、抗PD1薬剤に対して抵抗性である腫瘍細胞株(すなわち、YUMM)に対する抗RNLS抗体および抗PD1抗体の間の相乗作用を評価した(図35)。抗PD1抵抗性マウスメラノーマ細胞株(YUMM)を、免疫応答性C57B6マウスに生着させた。生着されたYUMM腫瘍体積が、約100mm3に達した後(すなわち、0日目)、図23の矢印によって示される通り、0、7、9および12日目に処置を投与した。図35に示す通り、抗RNLS抗体(m28;15μg、30μgまたは60μg)および抗PD1抗体(120μg)の組み合わせによる処置は、抗RNLS抗体(60μg)単独または抗PD1抗体(120μg)単独のいずれかよりも高い程度まで腫瘍成長を低下させた。
実験を行って、抗RNLS抗体(m28)単独、抗PD1抗体単独、ならびに抗RNLS抗体(m28)および抗PD1抗体の組み合わせによる処置後の未分画腫瘍塊において、qPCRによってPD1およびPD-L1 mRNA発現を測定した(図36)。
実験を行って、抗RNLS抗体(m28)単独、抗PD1抗体単独、ならびに抗RNLS抗体(m28)および抗PD1抗体の組み合わせによる処置後の未分画腫瘍塊において、qPCRによってCD8a mRNA発現を測定した。結果は、m28が、細胞傷害性T細胞を活性化することを示す(図37)。
配列
<配列番号1-抗原seq1a;PRT;Homo sapiens>
<配列番号2-抗原seq1b;PRT;Homo sapiens>
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<配列番号92-代替ヒトレナラーゼ-1タンパク質(37位にアスパラギン酸のアミノ酸をもたらす多型;PRT;Homo sapiens>
<配列番号93-代替ヒトレナラーゼ-1核酸配列(注記:ヌクレオチド111位における可能な多型;DNA;Homo sapiens>
<配列番号94-代替ヒトレナラーゼ-2アミノ酸配列(37位にアスパラギン酸のアミノ酸をもたらす多型;PRT;Homo sapiens>
<配列番号95-代替ヒトレナラーゼ-2核酸配列(注記:ヌクレオチド111位における可能な多型;DNA;Homo sapiens>
<配列番号96-Ren-7ペプチド;PRT;Homo sapiens>
<配列番号97-Rp-224;PRT;Homo sapiens>
<配列番号98-RP-220;PRT;Homo sapiens>
<配列番号99-RP-H220;PRT;Homo sapiens>
<配列番号100-Rp-Scr220;PRT;Homo sapiens>
<配列番号101-抗原seq3b;PRT;Homo sapiens>
本明細書に引用されているありとあらゆる特許、特許出願および刊行物の開示は、本明細書より、それらの全体を参照により本明細書に組み込む。
具体的な実施形態を参照しつつ本発明を開示してきたが、当業者であれば、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態および変化形を考案することができることが明らかである。添付の特許請求の範囲は、斯かる実施形態および均等な変化形の全てを含むものと解釈されることが意図される。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
少なくとも1種の抗レナラーゼ抗体またはその結合断片、および少なくとも1種の抗PD1抗体またはその結合断片を含む組成物。
(項目2)
前記抗レナラーゼ抗体またはその結合断片が、少なくとも10
-6
Mの親和性で、レナラーゼに特異的に結合する、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記抗PD1抗体またはその結合断片が、少なくとも10
-6
Mの親和性で、PD1に特異的に結合する、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号1~7からなる群より選択されるペプチド配列と特異的に結合する、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記少なくとも1種の抗体またはその結合断片が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単鎖抗体、イムノコンジュゲート、脱フコシル化抗体、二特異性抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、および完全ヒト抗体からなる群より選択される、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記抗レナラーゼ抗体が、a)配列番号11および配列番号19からなる群より選択される重鎖CDR1配列;b)配列番号12および配列番号20からなる群より選択される重鎖CDR2配列;c)配列番号13および配列番号21からなる群より選択される重鎖CDR3配列;d)配列番号14および配列番号22からなる群より選択される軽鎖CDR1配列;e)配列番号15および配列番号23からなる群より選択される軽鎖CDR2配列;f)配列番号16および配列番号24からなる群より選択される軽鎖CDR3配列からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記抗レナラーゼ抗体が、a)配列番号27および配列番号35からなる群より選択される重鎖CDR1配列;b)配列番号28および配列番号36からなる群より選択される重鎖CDR2配列;c)配列番号29および配列番号37からなる群より選択される重鎖CDR3配列;d)配列番号30および配列番号38からなる群より選択される軽鎖CDR1配列;e)配列番号31および配列番号39からなる群より選択される軽鎖CDR2配列;f)配列番号32および配列番号40からなる群より選択される軽鎖CDR3配列からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項目1に記載の組成物。
(項目9)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する、項目1に記載の組成物。
(項目10)
前記抗レナラーゼ抗体が、a)重鎖CDR1配列、配列番号43;b)重鎖CDR2配列、配列番号44;c)重鎖CDR3配列、配列番号45;d)軽鎖CDR1配列、配列番号46;e)軽鎖CDR2配列、配列番号47;f)軽鎖CDR3配列、配列番号48からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項目1に記載の組成物。
(項目11)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する、項目1に記載の組成物。
(項目12)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号9、17、25、33および41からなる群より選択される重鎖配列を含む、項目1に記載の組成物。
(項目13)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号10、18、26、34および42からなる群より選択される軽鎖配列を含む、項目1に記載の組成物。
(項目14)
がんの処置または予防を必要とする被験体においてがんを処置または予防する方法であって、少なくとも1種の抗レナラーゼ抗体またはその結合断片を含む組成物を前記被験体に投与するステップと、少なくとも1種の抗PD1抗体またはその結合断片を含む組成物を前記被験体に投与するステップとを含む、方法。
(項目15)
前記少なくとも1種の抗レナラーゼ抗体またはその結合断片を含む組成物、および前記少なくとも1種の抗PD1抗体またはその結合断片を含む組成物が、少なくとも1種の追加の治療剤と組み合わせて前記被験体に投与される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記がんが、急性リンパ芽球性;急性骨髄球性白血病;副腎皮質癌;副腎皮質癌、小児期;虫垂がん;基底細胞癌;胆管がん、肝外;膀胱がん;骨がん;骨肉腫および悪性線維性組織球腫;脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、成人期;脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、中枢神経系非定型奇形様/ラブドイド腫瘍、小児期;中枢神経系胚芽腫;小脳性星状細胞腫;大脳性星状細胞腫/悪性神経膠腫;頭蓋咽頭腫;上衣芽腫;上衣腫;髄芽腫;髄上皮腫;中間分化の松果体実質腫瘍;テント上未分化神経外胚葉性腫瘍および松果体芽腫;視路および視床下部神経膠腫;脳および脊髄腫瘍;乳がん;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;カルチノイド腫瘍;カルチノイド腫瘍、胃腸管;中枢神経系非定型奇形様/ラブドイド腫瘍;中枢神経系胚芽腫;中枢神経系リンパ腫;小脳性星状細胞腫大脳性星状細胞腫/悪性神経膠腫、小児期;子宮頸部がん;脊索腫、小児期;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性障害;結腸がん;結腸直腸がん;頭蓋咽頭腫;皮膚t細胞リンパ腫;食道がん;ユーイングファミリー腫瘍;性腺外生殖細胞腫瘍;肝外胆管がん;眼がん、眼球内メラノーマ;眼がん、網膜芽細胞腫;胆嚢がん;胃(gastric/stomach)がん;胃腸管カルチノイド腫瘍;胃腸管間質腫瘍(gist);生殖細胞腫瘍、頭蓋外;生殖細胞腫瘍、性腺外;生殖細胞腫瘍、卵巣;妊娠性絨毛性腫瘍;神経膠腫;神経膠腫、小児期脳幹;神経膠腫、小児期大脳性星状細胞腫;神経膠腫、小児期視路および視床下部;ヘアリー細胞白血病;頭頸部がん;肝細胞(肝臓)がん;組織球増殖症、ランゲルハンス細胞;ホジキンリンパ腫;下咽頭がん;視床下部および視路神経膠腫;眼球内メラノーマ;島細胞腫瘍;腎臓(腎細胞)がん;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;喉頭がん;白血病、急性リンパ芽球性;白血病、急性骨髄球性;白血病、慢性リンパ球性;白血病、慢性骨髄性;白血病、ヘアリー細胞;口唇および口腔がん;肝臓がん;肺がん、非小細胞;肺がん、小細胞;リンパ腫、aids関連;リンパ腫、バーキット;リンパ腫、皮膚t細胞;リンパ腫、ホジキン;リンパ腫、非ホジキン;リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫;髄芽腫;メラノーマ;メラノーマ、眼球内(眼);メルケル細胞癌;中皮腫;原発不明の転移性扁平上皮頸部がん;口のがん;多発性内分泌腺腫症候群、(小児期);多発性骨髄腫/形質細胞新生物;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄球性白血病、成人期急性;骨髄球性白血病、小児期急性;骨髄腫、多発性;骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔および副鼻腔がん;鼻咽頭がん;神経芽細胞腫;非小細胞肺がん;口内がん;口腔がん;中咽頭がん;骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん;卵巣上皮がん;卵巣生殖細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵がん;膵がん、島細胞腫瘍;乳頭腫症;副甲状腺がん;陰茎がん;咽頭がん;褐色細胞腫;傍神経節腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫およびテント上未分化神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽細胞腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺がん;直腸がん;腎細胞(腎臓)がん;腎盂および尿管、移行細胞がん;第15染色体上のnut遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;唾液腺がん;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;肉腫、カポジ;肉腫、軟部組織;肉腫、子宮;セザリー症候群;皮膚がん(非メラノーマ);皮膚がん(メラノーマ);皮膚癌、メルケル細胞;小細胞肺がん;小腸がん;軟部組織肉腫;扁平細胞癌、原発不明の扁平上皮頸部がん、転移性;胃(stomach/gastric)がん;テント上未分化神経外胚葉性腫瘍;t細胞リンパ腫、皮膚性;精巣がん;喉のがん;胸腺腫および胸腺癌;甲状腺がん;腎盂および尿管の移行細胞がん;絨毛性腫瘍、妊娠性;尿道がん;子宮がん、子宮内膜;子宮肉腫;膣がん;外陰部がん;ワルデンストレームマクログロブリン血症;ならびにウィルムス腫瘍からなる群より選択される少なくとも1種である、項目14に記載の方法。
(項目17)
少なくとも1種の抗レナラーゼ抗体またはその結合断片、および少なくとも1種の抗PD-L1抗体またはその結合断片を含む組成物。
(項目18)
前記抗レナラーゼ抗体またはその結合断片が、少なくとも10
-6
Mの親和性で、レナラーゼに特異的に結合する、項目17に記載の組成物。
(項目19)
前記抗PD-L1抗体またはその結合断片が、少なくとも10
-6
Mの親和性で、PD-L1に特異的に結合する、項目17に記載の組成物。
(項目20)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号1~7からなる群より選択されるペプチド配列と特異的に結合する、項目17に記載の組成物。
(項目21)
前記少なくとも1種の抗体またはその結合断片が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単鎖抗体、イムノコンジュゲート、脱フコシル化抗体、二特異性抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、および完全ヒト抗体からなる群より選択される、項目17に記載の組成物。
(項目22)
前記抗レナラーゼ抗体が、a)配列番号11および配列番号19からなる群より選択される重鎖CDR1配列;b)配列番号12および配列番号20からなる群より選択される重鎖CDR2配列;c)配列番号13および配列番号21からなる群より選択される重鎖CDR3配列;d)配列番号14および配列番号22からなる群より選択される軽鎖CDR1配列;e)配列番号15および配列番号23からなる群より選択される軽鎖CDR2配列;f)配列番号16および配列番号24からなる群より選択される軽鎖CDR3配列からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項目17に記載の組成物。
(項目23)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する、項目17に記載の組成物。
(項目24)
前記抗レナラーゼ抗体が、a)配列番号27および配列番号35からなる群より選択される重鎖CDR1配列;b)配列番号28および配列番号36からなる群より選択される重鎖CDR2配列;c)配列番号29および配列番号37からなる群より選択される重鎖CDR3配列;d)配列番号30および配列番号38からなる群より選択される軽鎖CDR1配列;e)配列番号31および配列番号39からなる群より選択される軽鎖CDR2配列;f)配列番号32および配列番号40からなる群より選択される軽鎖CDR3配列からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項目17に記載の組成物。
(項目25)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する、項目17に記載の組成物。
(項目26)
前記抗レナラーゼ抗体が、a)重鎖CDR1配列、配列番号43;b)重鎖CDR2配列、配列番号44;c)重鎖CDR3配列、配列番号45;d)軽鎖CDR1配列、配列番号46;e)軽鎖CDR2配列、配列番号47;f)軽鎖CDR3配列、配列番号48からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項目17に記載の組成物。
(項目27)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する、項目17に記載の組成物。
(項目28)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号9、17、25、33および41からなる群より選択される重鎖配列を含む、項目17に記載の組成物。
(項目29)
前記抗レナラーゼ抗体が、配列番号10、18、26、34および42からなる群より選択される軽鎖配列を含む、項目17に記載の組成物。
(項目30)
がんの処置または予防を必要とする被験体においてがんを処置または予防する方法であって、少なくとも1種の抗レナラーゼ抗体またはその結合断片を含む組成物を前記被験体に投与するステップと、少なくとも1種の抗PD-L1抗体またはその結合断片を含む組成物を前記被験体に投与するステップとを含む、方法。
(項目31)
前記少なくとも1種の抗レナラーゼ抗体またはその結合断片を含む組成物、および前記少なくとも1種の抗PD-L1抗体またはその結合断片を含む組成物が、少なくとも1種の追加の治療剤と組み合わせて前記被験体に投与される、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記がんが、急性リンパ芽球性;急性骨髄球性白血病;副腎皮質癌;副腎皮質癌、小児期;虫垂がん;基底細胞癌;胆管がん、肝外;膀胱がん;骨がん;骨肉腫および悪性線維性組織球腫;脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、成人期;脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、中枢神経系非定型奇形様/ラブドイド腫瘍、小児期;中枢神経系胚芽腫;小脳性星状細胞腫;大脳性星状細胞腫/悪性神経膠腫;頭蓋咽頭腫;上衣芽腫;上衣腫;髄芽腫;髄上皮腫;中間分化の松果体実質腫瘍;テント上未分化神経外胚葉性腫瘍および松果体芽腫;視路および視床下部神経膠腫;脳および脊髄腫瘍;乳がん;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;カルチノイド腫瘍;カルチノイド腫瘍、胃腸管;中枢神経系非定型奇形様/ラブドイド腫瘍;中枢神経系胚芽腫;中枢神経系リンパ腫;小脳性星状細胞腫大脳性星状細胞腫/悪性神経膠腫、小児期;子宮頸部がん;脊索腫、小児期;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性障害;結腸がん;結腸直腸がん;頭蓋咽頭腫;皮膚t細胞リンパ腫;食道がん;ユーイングファミリー腫瘍;性腺外生殖細胞腫瘍;肝外胆管がん;眼がん、眼球内メラノーマ;眼がん、網膜芽細胞腫;胆嚢がん;胃(gastric/stomach)がん;胃腸管カルチノイド腫瘍;胃腸管間質腫瘍(gist);生殖細胞腫瘍、頭蓋外;生殖細胞腫瘍、性腺外;生殖細胞腫瘍、卵巣;妊娠性絨毛性腫瘍;神経膠腫;神経膠腫、小児期脳幹;神経膠腫、小児期大脳性星状細胞腫;神経膠腫、小児期視路および視床下部;ヘアリー細胞白血病;頭頸部がん;肝細胞(肝臓)がん;組織球増殖症、ランゲルハンス細胞;ホジキンリンパ腫;下咽頭がん;視床下部および視路神経膠腫;眼球内メラノーマ;島細胞腫瘍;腎臓(腎細胞)がん;ランゲルハンス細胞組織球増殖症;喉頭がん;白血病、急性リンパ芽球性;白血病、急性骨髄球性;白血病、慢性リンパ球性;白血病、慢性骨髄性;白血病、ヘアリー細胞;口唇および口腔がん;肝臓がん;肺がん、非小細胞;肺がん、小細胞;リンパ腫、aids関連;リンパ腫、バーキット;リンパ腫、皮膚t細胞;リンパ腫、ホジキン;リンパ腫、非ホジキン;リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫;髄芽腫;メラノーマ;メラノーマ、眼球内(眼);メルケル細胞癌;中皮腫;原発不明の転移性扁平上皮頸部がん;口のがん;多発性内分泌腺腫症候群、(小児期);多発性骨髄腫/形質細胞新生物;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄球性白血病、成人期急性;骨髄球性白血病、小児期急性;骨髄腫、多発性;骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔および副鼻腔がん;鼻咽頭がん;神経芽細胞腫;非小細胞肺がん;口内がん;口腔がん;中咽頭がん;骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん;卵巣上皮がん;卵巣生殖細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵がん;膵がん、島細胞腫瘍;乳頭腫症;副甲状腺がん;陰茎がん;咽頭がん;褐色細胞腫;傍神経節腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫およびテント上未分化神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;形質細胞新生物/多発性骨髄腫;胸膜肺芽細胞腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺がん;直腸がん;腎細胞(腎臓)がん;腎盂および尿管、移行細胞がん;第15染色体上のnut遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;唾液腺がん;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;肉腫、カポジ;肉腫、軟部組織;肉腫、子宮;セザリー症候群;皮膚がん(非メラノーマ);皮膚がん(メラノーマ);皮膚癌、メルケル細胞;小細胞肺がん;小腸がん;軟部組織肉腫;扁平細胞癌、原発不明の扁平上皮頸部がん、転移性;胃(stomach/gastric)がん;テント上未分化神経外胚葉性腫瘍;t細胞リンパ腫、皮膚性;精巣がん;喉のがん;胸腺腫および胸腺癌;甲状腺がん;腎盂および尿管の移行細胞がん;絨毛性腫瘍、妊娠性;尿道がん;子宮がん、子宮内膜;子宮肉腫;膣がん;外陰部がん;ワルデンストレームマクログロブリン血症;ならびにウィルムス腫瘍からなる群より選択される少なくとも1種である、項目30に記載の方法。