以下、本発明の導電性基板、および導電性基板の製造方法の一実施形態について説明する。
(導電性基板)
本実施形態の導電性基板は、透明基材と、透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層と、金属層上に形成された黒化層とを有することができる。そして、黒化層は、ニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有する粗化めっき層とすることができる。
なお、本実施形態における導電性基板とは、金属層等をパターン化する前の、透明基材の表面に金属層、及び黒化層を有する基板と、金属層等をパターニングした基板、すなわち配線基板と、を含む。金属層及び黒化層をパターニングした後の導電性基板は透明基材が金属層等により覆われていない領域を含むため光を透過することができ、透明導電性基板となっている。
ここでまず、本実施形態の導電性基板に含まれる各部材について以下に説明する。
透明基材としては特に限定されるものではなく、可視光を透過する絶縁体フィルムや、ガラス基板等を好ましく用いることができる。
可視光を透過する絶縁体フィルムとしては例えば、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、シクロオレフィン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリカーボネート系フィルム等の樹脂フィルム等を好ましく用いることができる。特に、可視光を透過する絶縁体フィルムの材料として、PET(ポリエチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート等をより好ましく用いることができる。
透明基材の厚さについては特に限定されず、導電性基板とした場合に要求される強度や、静電容量、光の透過率等に応じて任意に選択することができる。透明基材の厚さとしては例えば10μm以上200μm以下とすることができる。特にタッチパネルの用途に用いる場合、透明基材の厚さは20μm以上120μm以下とすることが好ましく、20μm以上100μm以下とすることがより好ましい。タッチパネルの用途に用いる場合で、例えば特にディスプレイ全体の厚さを薄くすることが求められる用途においては、透明基材の厚さは20μm以上50μm以下であることが好ましい。
透明基材の全光線透過率は高い方が好ましく、例えば全光線透過率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。透明基材の全光線透過率が上記範囲であることにより、例えばタッチパネルの用途に用いた場合にディスプレイの視認性を十分に確保することができる。
なお透明基材の全光線透過率はJIS K 7361-1に規定される方法により評価することができる。
次に金属層について説明する。
金属層を構成する材料は特に限定されず用途にあった電気伝導率を有する材料を選択できるが、電気特性に優れ、且つエッチング処理のし易さから、金属層を構成する材料として銅を用いることが好ましい。すなわち、金属層は銅を含有することが好ましい。
金属層が銅を含有する場合、金属層を構成する材料は、例えばCu(銅)と、Ni,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Mn,Co,Wの金属群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属との銅合金、または銅と上記金属群から選ばれる1種類以上の金属とを含む材料であることが好ましい。また、金属層は銅から構成される銅層とすることもできる。
すなわち、金属層が銅を含有する場合、金属層は、銅、銅を含有する金属、銅合金から選択された1種類以上の層とすることができる。金属層が銅を含有する場合、金属層は銅、または銅合金の層であることが好ましい。これは、銅または銅合金の層は、特に電気伝導率(導電性)が高く、エッチング加工により配線形成を容易に行うことができるためである。また、銅または銅合金の層は、特に後述するサイドエッチングが生じやすいところ、本実施形態の導電性基板においてはサイドエッチングを抑制できるためである。
金属層を形成する方法は特に限定されないが、パターン化した導電性基板の透明基材が露出した部分において、光の透過率を低減させないため、他の部材と金属層との間に接着剤を配置しないようにして形成することが好ましい。すなわち、金属層は、他の部材の上面に直接配置されていることが好ましい。なお、金属層は例えば後述する密着層や、透明基材の上面に形成、配置することができる。このため、金属層は、密着層、または透明基材の上面に直接形成、配置されていることが好ましい。
他の部材の上面に金属層を直接形成するため、金属層は乾式めっき法を用いて成膜された金属薄膜層を有することが好ましい。乾式めっき法としては特に限定されるものではないが、例えば蒸着法や、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を用いることができる。特に膜厚の制御が容易であることからスパッタリング法を用いることが好ましい。
また金属層をより厚くする場合には、乾式めっきにより金属薄膜層を形成した後に湿式めっき法を用いて金属めっき層を積層をすることができる。具体的には例えば、透明基材または密着層上に、金属薄膜層を乾式めっき法により形成し、該金属薄膜層を給電層として用い、湿式めっき法の一種である電解めっきにより金属めっき層を形成することができる。
なお、上述の様に乾式めっき法のみで金属層を成膜した場合、金属層は金属薄膜層により構成できる。また、乾式めっき法と湿式めっき法とを組み合わせて金属層を形成した場合、金属層は金属薄膜層と金属めっき層とにより構成できる。
上述のように乾式めっき法のみ、又は乾式めっき法と湿式めっき法とを組み合わせて金属層を形成することにより透明基材または密着層上に接着剤を介さずに直接金属層を形成、配置することができる。
金属層の厚さは特に限定されるものではなく、金属層を配線として用いた場合に、該配線に供給する電流の大きさや配線幅等に応じて任意に選択することができる。
ただし、金属層が厚くなると、配線パターンを形成するためにエッチングを行う際にエッチングに時間を要するためサイドエッチが生じ易くなり、細線が形成しにくくなる等の問題を生じる場合がある。このため、金属層の厚さは5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
また、特に導電性基板の抵抗値を低くし、十分に電流を供給できるようにする観点から、例えば金属層は厚さが50nm以上であることが好ましく、60nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。
なお、金属層が上述のように金属薄膜層と、金属めっき層とを有する場合には、金属薄膜層の厚さと、金属めっき層の厚さとの合計が上記範囲であることが好ましい。
金属層が金属薄膜層により構成される場合、または金属薄膜層と金属めっき層とにより構成される場合のいずれの場合でも、金属薄膜層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば50nm以上700nm以下とすることが好ましい。
次に、黒化層について説明する。
金属層は金属光沢を有するため、透明基材上に金属層をエッチングして配線を形成するのみでは配線が光を反射し、例えばタッチパネル用の配線基板として用いた場合、ディスプレイの視認性が低下するという問題があった。そこで、黒化層を設ける方法が検討されてきた。しかしながら、金属層と黒化層とでエッチング液に対する反応性が大きく異なる場合があり、金属層と黒化層とを同時にエッチングしようとすると、金属層や、黒化層について所望の形状にエッチングできず、または寸法ばらつきが生じる等の問題があった。このため、従来検討されている導電性基板では、金属層と黒化層とを別工程でエッチングする必要があり、金属層と黒化層とを同時に、すなわち1つの工程でエッチングすることは困難であった。
そこで、本発明の発明者らは金属層と同時にエッチングできる黒化層、すなわちエッチング液に対する反応性に優れ、金属層と同時にエッチングを行った場合でも、所望の形状にパターン化でき、寸法ばらつきの発生を抑制できる黒化層について検討を行った。そして、黒化層がニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有することで、黒化層のエッチング液に対する反応性を、金属層の場合とほぼ同等にできることを見出した。
本実施形態の導電性基板の黒化層は、上述の様にニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含むことができる。
ここで、黒化層に含まれる銅の状態は特に限定されるものではないが、銅は、例えば銅の単体および銅の化合物から選択された1種類以上として含むことができる。銅の化合物としては、例えば銅酸化物や、銅水酸化物等を挙げることができる。
このため、黒化層は例えば、ニッケルの単体、ニッケル酸化物、およびニッケル水酸化物を含有し、さらに、銅の単体すなわち金属銅と、銅酸化物と、銅水酸化物とから選択された1種類以上を含有することができる。
上述の様に黒化層がニッケル酸化物、及びニッケル水酸化物を含有することで、黒化層が金属層表面での光の反射を抑制できる色となり、黒化層としての機能を発揮することができる。
また、黒化層が、銅、例えば銅の単体および銅の化合物から選択された1種類以上も含有することで、黒化層のエッチング液に対する反応性を金属層と同等にすることができる。このため、金属層と、黒化層とを同時にエッチングした場合でも、両層を目的の形状にエッチングすることができ、平面内で均一にエッチングし、寸法ばらつきの発生を抑制することが可能になる。すなわち、金属層と、黒化層とを同時にエッチングすることが可能になる。
黒化層中に含まれる各成分の割合については特に限定されるものではなく、導電性基板に要求される光の反射の抑制の程度や、エッチング液に対する反応性の程度等に応じて任意に選択することができる。ただし、エッチング液に対する反応性を十分に高める観点から、例えば黒化層について、X線光電子分光法(XPS)により測定した、Ni 2Pスペクトル及びCu LMMスペクトルから求めた、ニッケルの原子数を100とした場合の銅の原子数の比が5以上90以下であることが好ましい。すなわち、黒化層中に含まれるニッケルと、銅とは、原子数の比率で、ニッケルを100とした場合に、銅が5以上90以下であることが好ましい。ニッケルの原子数を100とした場合の銅の原子数の比は、7以上90以下であることがより好ましく、7以上65以下であることがさらに好ましい。
なお、ここでのニッケルの原子数とは、黒化層中に含まれている全てのニッケルの原子数を意味しており、単体として存在するニッケルだけではなく、ニッケル酸化物等の化合物を形成しているニッケルも含む。
また、黒化層についてXPSにより測定した、Ni 2Pスペクトルのピーク分離解析を行い、算出した、黒化層に含まれるニッケルの単体、すなわち金属ニッケルの原子数を100としたときのニッケル酸化物となっているニッケルの原子数は、15以上280以下であることが好ましく、ニッケル水酸化物となっているニッケルの原子数は10以上220以下であることが好ましい。これは、黒化層が、金属ニッケルに対して、所定の割合でニッケル酸化物、およびニッケル水酸化物を含有することで、黒化層を、金属層表面での光の反射を抑制するのに特に適した色とすることができるからである。
なお、上述のように黒化層についてXPSにより測定する際には、内部の状態を分析できるように、例えば黒化層の最表面から10nmをArイオンエッチング等により除去してから測定することが好ましい。
さらに、本実施形態の導電性基板の黒化層は、その表面、具体的には黒化層の透明基材と対向する面とは反対側の面、すなわち後述するようにパターン化を行う際にレジストを配置する面が粗化面である粗化めっき層(粗化層)であることが好ましい。
透明基材上に金属層、及び黒化層をその順に積層した導電性基板は、黒化層上に、形成する配線パターンに対応した形状を有するレジストを配置し、エッチングすることで、金属層、及び黒化層を所望のパターンとすることができる。
ところが、金属層、及び黒化層をエッチングする際、金属層の厚み方向のみではなく、面方向にもエッチングが進行するサイドエッチングが発生する場合がある。そこで、金属層をパターン化した配線について所望の形状が得られるように、サイドエッチング量を考慮してレジストのパターンを所望の配線のパターンから導き出されるパターンよりも太く補正しておくことも考えられる。しかしながら、サイドエッチング量を考慮して、レジストのパターンを太く補正することは、配線パターンの微細化の障害になっていた。
そこで、本発明の発明者らが検討を行ったところ、黒化層を、黒化層の表面、すなわち透明基材と対向する面とは反対側の面が粗化面である粗化めっき層とすることでサイドエッチングの発生を抑制できることを見出した。これは、黒化層の表面を粗化面とすることで、レジストを配置した際に、黒化層と、レジストとの密着性を高めることができ、エッチングを行う際に黒化層とレジストとの間にエッチング液が入り込むことを抑制できるためと考えられる。
サイドエッチングの発生を特に抑制する観点から、黒化層は、粒状結晶、および針状結晶から選択される1種類以上の結晶を含むことが好ましい。
黒化層が粒状結晶を含む場合、黒化層は平均結晶粒サイズが50nm以上150nm以下の粒状結晶を含むことが好ましい。
これは、黒化層が粒状結晶を含み、その平均結晶粒サイズを50nm以上とすることで、黒化層の表面を粗化面として黒化層とレジストとの密着性を高め、サイドエッチングの発生を特に抑制できるからである。また、黒化層が粒状結晶を含み、その平均結晶粒サイズを150nm以下とすることで、黒化層について、金属層表面での光の反射を抑制するために特に適した色とすることができるからである。黒化層が粒状結晶を含む場合、その平均結晶粒サイズは70nm以上150nm以下であることがより好ましい。
また、黒化層が粒状結晶を含む場合、粒状結晶の結晶粒サイズの標準偏差σは、10nm以上であることが好ましく、15nm以上であることがより好ましい。これは標準偏差σを10nm以上とすることで、黒化層が含有する粒状結晶について、一定程度以上のばらつきを有することを意味し、黒化層とレジストとの密着性を特に高めることができるからである。粒状結晶の結晶粒サイズの標準偏差σの上限値は特に限定されるものではないが、例えば100nm以下とすることができる。
なお、粒状結晶の結晶粒サイズとは、後述のように走査型電子顕微鏡等で黒化層の粗化面の観察を行った場合に、測定を行う粒状結晶を完全に包摂する最小サイズの円の直径を意味する。
また、黒化層が針状結晶を含む場合、黒化層は平均長さが100nm以上300nm以下であり、平均幅が30nm以上80nm以下、平均アスペクト比が2.0以上4.5以下の針状結晶を含むことが好ましい。
これは、黒化層が針状結晶を含み、その平均長さを100nm以上、平均幅を30nm以上、アスペクト比を2.0以上とすることで、黒化層の表面を粗化面として黒化層とレジストとの密着性を高め、サイドエッチングの発生を特に抑制できるからである。また、黒化層が針状結晶を含み、その平均長さを300nm以下、平均幅を80nm以下、平均アスペクト比を4.5以下とすることで、黒化層について、金属層表面での光の反射を抑制するために適した色とすることができるからである。
黒化層が針状結晶を含む場合、その平均長さは120nm以上260nm以下、平均幅は40nm以上70nm以下、平均アスペクト比は2.5以上4.5以下であることがより好ましい。
また、黒化層が針状結晶を含む場合、針状結晶の長さ、幅、アスペクト比の標準偏差σは、それぞれ10nm以上、5nm以上、0.5以上であることが好ましい。これは針状結晶の長さ、幅、アスペクト比の標準偏差σを上述の範囲とすることで、黒化層が含有する針状結晶について、一定程度以上のばらつきを有することを意味し、黒化層とレジストとの密着性を特に高めることができるからである。針状結晶の長さ、幅、アスペクト比の標準偏差σの上限値は特に限定されるものではないが、例えばそれぞれ100nm以下、50nm以下、5以下とすることができる。
なお、針状結晶の長さ、幅とは、後述のように走査型電子顕微鏡等で黒化層の粗化面の観察を行った場合に、それぞれ針状結晶の長辺の長さ、短辺の長さを意味する。そして、アスペクト比は、長さを幅で除した値となる。
黒化層が含有する結晶の平均結晶粒サイズや、平均長さ、平均幅、平均アスペクト比、また標準偏差σは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により黒化層の粗化面を観察した際の観察画像から測定、算出できる。
黒化層の粗化面を観察する際の具体的な条件は特に限定されないが、例えば任意の位置で50000倍に拡大することが好ましい。そして黒化層が粒状結晶を含有する場合、1視野内において任意に選択した20個の粒状結晶について結晶粒サイズを測定し、該20個の粒状結晶についての結晶粒サイズの平均値を平均結晶粒サイズとすることができる。また、20個の粒状結晶の結晶粒サイズの測定値、および算出した平均結晶粒サイズから、結晶粒サイズの標準偏差を算出できる。
黒化層が針状結晶を含有する場合、同様に1視野内において任意に選択した20個の針状結晶について長さおよび幅を測定し、アスペクト比を算出することができる。そして、20個の針状結晶についての長さ、幅、およびアスペクト比の平均値を平均長さ、平均幅、平均アスペクト比とすることができる。また、20個の針状結晶の長さ、幅の測定値、アスペクト比の計算値、および算出した平均長さ、平均幅、平均アスペクト比から、それぞれの標準偏差を算出できる。
なお、粒状結晶、もしくは針状結晶について、1視野内に20個以上含むように観察視野の位置を選択することが好ましいが、20個となる視野を選択できない場合には、20個未満の粒状結晶、もしくは針状結晶を用いて、平均結晶粒サイズ、もしくは平均長さ、平均幅、平均アスペクト比を算出しても良い。
上述のように、黒化層の粗化面について走査型電子顕微鏡等により粒状結晶等の結晶のサイズを算出できるため、上述の粒状結晶や、針状結晶は、黒化層の粗化面に含有される結晶ともいえる。
黒化層の形成方法は特に限定されるものではなく、上述の各成分を含有し、粗化めっき層となるように形成できる方法であれば任意の方法を選択することができる。ただし、上述の各成分を含有するように黒化層の組成を比較的容易にコントロールできることから、湿式法を用いることが好ましい。
湿式法としては、特に電解めっき法を用いることが好ましい。
電解めっき法により黒化層を成膜する際に用いる、黒化めっき液については、上述の組成を有する黒化層を成膜できるように調製すればよく、その組成は特に限定されるものではない。例えば、ニッケルイオンと、銅イオンと、pH調整剤とを含む黒化めっき液を好ましく用いることができる。
黒化めっき液中の各成分の濃度は特に限定されるものではなく、成膜した黒化層に要求される金属層表面での光の反射を抑制する程度等に応じて任意に選択することができる。
例えば、黒化めっき液中のニッケルイオン濃度は、2.0g/L以上であることが好ましく、3.0g/L以上であることがより好ましい。これは、黒化めっき液中のニッケルイオン濃度を2.0g/L以上とすることで、黒化層を金属層表面での光の反射を抑制するのに特に適した色とし、導電性基板の反射率を抑制できるからである。
黒化めっき液中のニッケルイオン濃度の上限値についても特に限定されるものではないが、例えば20.0g/L以下であることが好ましく、15.0g/L以下であることがより好ましい。これは、黒化めっき液中のニッケルイオン濃度を20.0g/L以下とすることで、成膜した黒化層中のニッケル成分が過剰になることを抑制し、黒化層表面が光沢ニッケルメッキのような面になることを防止し、導電性基板の反射率を抑制できるからである。
また、黒化めっき液中の銅イオン濃度は、0.005g/L以上であることが好ましく、0.008g/L以上であることがより好ましい。これは、黒化めっき液中の銅イオン濃度が0.005g/L以上の場合、黒化層を金属層表面での光の反射を抑制するのに特に適した色とし、黒化層のエッチング液に対する反応性を高め、金属層と共に黒化層をエッチングした場合でも所望の形状にパターン化することができるためである。
黒化めっき液中の銅イオン濃度の上限値は特に限定されるものではないが、例えば4.0g/L以下であることが好ましく、1.02g/L以下であることがより好ましい。これは、黒化めっき液中の銅イオン濃度を4.0g/L以下とすることで、成膜した黒化層のエッチング液に対する反応性が高くなりすぎることを抑制し、黒化層を金属層表面での光の反射を抑制するのに特に適した色とし、導電性基板の反射率を抑制できるからである。
黒化めっき液を調製する際、ニッケルイオンと、銅イオンとの供給方法は特に限定されるものではなく、例えば塩の状態で供給することができる。例えばスルファミン酸塩や、硫酸塩を好適に用いることができる。なお、塩の種類は各金属元素について全て同じ種類の塩でもよく、異なる種類の塩を同時に用いることもできる。具体的には例えば硫酸ニッケルと、硫酸銅とのように同じ種類の塩を用いて黒化めっき液を調製することもできる。また、例えば硫酸ニッケルと、スルファミン酸銅と、のように異なる種類の塩を同時に用いて黒化めっき液を調製することもできる。
そして、pH調整剤としてはアルカリ金属水酸化物を好ましく用いることができる。これは、pH調整剤としてアルカリ金属水酸化物を用いることで、該黒化めっき液を用いて成膜した黒化層を有する導電性基板の反射率を特に低くすることができるからである。pH調整剤として、アルカリ金属水酸化物を用いた場合に、該黒化めっき液を用いて成膜した黒化層を有する導電性基板の反射率を低く抑制できる理由は明らかではないが、黒化めっき液中に供給した水酸化物イオンが酸化ニッケルの析出を促進できるためと考えられる。酸化ニッケルの析出が促進されることで、該黒化層を金属層表面での光の反射を抑制するのに特に適した色とすることができる。このため、該黒化層を有する導電性基板の反射率を特に抑制できるものと推認される。
pH調整剤であるアルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムから選択された1種類以上を用いることができる。特に、pH調整剤であるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選択された1種類以上であることがより好ましい。これは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムは特に入手しやすく、コスト的にも優れるからである。
本実施形態の黒化めっき液のpHは特に限定されるものではないが、例えば4.0以上5.2以下であることが好ましく、4.5以上5.0以下であることがより好ましい。
これは、黒化めっき液のpHを4.0以上とすることで、係る黒化めっき液を用いて黒化層を形成した際に、黒化層に色ムラが生じることをより確実に抑制でき、光の反射を特に抑制できる色を有する黒化層を形成することができるからである。また黒化めっき液のpHを5.2以下とすることで、黒化めっき液の成分の一部が析出することを抑制することができるからである。
また、黒化めっき液は、錯化剤をさらに含有することもできる。錯化剤としては例えばアミド硫酸を好ましく用いることができる。黒化めっき液がアミド硫酸を含有することで、金属層表面での光の反射を抑制するのに特に適した色の黒化層を形成することができる。
黒化めっき液中の錯化剤の含有量については特に限定されるものではなく、形成する黒化層に要求される反射率の抑制の程度等に応じて任意に選択することができる。
例えば、錯化剤としてアミド硫酸を用いる場合、黒化めっき液中のアミド硫酸の濃度は特に限定されないが、例えば1g/L以上50g/L以下であることが好ましく、5g/L以上20g/L以下であることが好ましい。これは、アミド硫酸の濃度が1g/L以上とすることで、黒化層を金属層表面での光の反射を抑制するのに特に適した色とし、導電性基板の反射率を抑制できるからである。また、アミド硫酸を過剰に添加しても、導電性基板の反射率を抑制する効果は高くならないことから、上述のように50g/L以下であることが好ましい。
なお、黒化層を成膜する際のめっき液のpHや、電流密度を調整することで、黒化層が含有する結晶の形状や、サイズを選択することができる。例えばめっき液のpHを高くしたり、成膜時の電流密度を高くすることで針状結晶が生じやすくなり、めっき液のpHを低くしたり、成膜時の電流密度を低くすることで粒状結晶が生じやすくなる。
このため、例えば予備試験を行い、所望の形状、サイズの結晶を含む黒化層となるように、条件を選択することができる。
黒化層の厚さは特に限定されるものではなく、導電性基板に要求される光の反射の抑制する程度等に応じて任意に選択することができる。
黒化層の厚さは例えば50nm以上であることが好ましく、70nm以上であることがより好ましい。黒化層は、金属層による光の反射を抑制する機能を有するが、黒化層の厚さが薄い場合には、金属層による光の反射を十分に抑制できない場合がある。これに対して、黒化層の厚さを50nm以上とすることにより、金属層の表面での反射をより確実に抑制できるため好ましい。
また、黒化層の厚さの上限値は特に限定されるものではないが、必要以上に厚くすると、配線を形成する際のエッチングに要する時間が長くなり、コストの上昇を招くことになる。このため、黒化層の厚さは350nm以下とすることが好ましく、200nm以下とすることよりが好ましく、150nm以下とすることがさらに好ましい。
また、導電性基板は上述の透明基材、金属層、黒化層以外に任意の層を設けることもできる。例えば密着層を設けることができる。
密着層の構成例について説明する。
上述のように金属層は透明基材上に形成することができるが、透明基材上に金属層を直接形成した場合に、透明基材と金属層との密着性は十分ではない場合がある。このため、透明基材の上面に直接金属層を形成した場合、製造過程、または、使用時に透明基材から金属層が剥離する場合がある。
そこで、本実施形態の導電性基板においては、透明基材と金属層との密着性を高めるため、透明基材上に密着層を配置することができる。すなわち、透明基材と金属層との間に密着層を有する導電性基板とすることもできる。
透明基材と金属層との間に密着層を配置することにより、透明基材と金属層との密着性を高め、透明基材から金属層が剥離することをより確実に抑制できる。
また、密着層は黒化層としても機能させることができる。このため、金属層の下面側、すなわち透明基材側からの光による金属層の光の反射も抑制することが可能になる。
密着層を構成する材料は特に限定されるものではなく、透明基材及び金属層との密着力や、要求される金属層表面での光の反射の抑制の程度、また、導電性基板を使用する環境(例えば湿度や、温度)に対する安定性の程度等に応じて任意に選択することができる。
密着層は例えば、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を含むことが好ましい。また、密着層は炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種類以上の元素をさらに含むこともできる。
なお、密着層は、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも2種類以上の金属を含む金属合金を含むこともできる。この場合についても、密着層は炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種類以上の元素をさらに含むこともできる。この際、Ni,Zn,Mo,Ta,Ti,V,Cr,Fe,Co,W,Cu,Sn,Mnから選ばれる少なくとも2種類以上の金属を含む金属合金としては、Cu-Ti-Fe合金や、Cu-Ni-Fe合金、Ni-Cu合金、Ni-Zn合金、Ni-Ti合金、Ni-W合金、Ni-Cr合金、Ni-Cu-Cr合金を好ましく用いることができる。
密着層の成膜方法は特に限定されるものではないが、乾式めっき法により成膜することが好ましい。乾式めっき法としては例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法や蒸着法等を好ましく用いることができる。密着層を乾式法により成膜する場合、膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることがより好ましい。なお、密着層には上述のように炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種類以上の元素を添加することもでき、この場合は反応性スパッタリング法をさらに好ましく用いることができる。
密着層が炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種類以上の元素を含む場合には、密着層を成膜する際の雰囲気中に炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種類以上の元素を含有するガスを添加しておくことにより、密着層中に添加することができる。例えば、密着層に炭素を添加する場合には一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガスから選択された1種類以上を、酸素を添加する場合には酸素ガスを、水素を添加する場合には水素ガスおよび水から選択された1種類以上を、窒素を添加する場合には窒素ガスを、乾式めっきを行う際の雰囲気中に添加しておくことができる。
炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種類以上の元素を含有するガスは、不活性ガスに添加し、乾式めっきの際の雰囲気ガスとすることが好ましい。不活性ガスとしては特に限定されないが、例えばアルゴンを好ましく用いることができる。
密着層を上述のように乾式めっき法により成膜することにより、透明基材と密着層との密着性を高めることができる。そして、密着層は例えば金属を主成分として含むことができるため金属層との密着性も高い。このため、透明基材と金属層との間に密着層を配置することにより、金属層の剥離を抑制することができる。
密着層の厚さは特に限定されるものではないが、例えば3nm以上50nm以下とすることが好ましく、3nm以上35nm以下とすることがより好ましく、3nm以上33nm以下とすることがさらに好ましい。
密着層についても黒化層として機能させる場合、すなわち金属層における光の反射を抑制する場合、密着層の厚さを上述のように3nm以上とすることが好ましい。
密着層の厚さの上限値は特に限定されるものではないが、必要以上に厚くしても成膜に要する時間や、配線を形成する際のエッチングに要する時間が長くなり、コストの上昇を招くことになる。このため、密着層の厚さは上述のように50nm以下とすることが好ましく、35nm以下とすることがより好ましく、33nm以下とすることがさらに好ましい。
次に、導電性基板の構成例について説明する。
上述のように、本実施形態の導電性基板は透明基材と、金属層と、黒化層と、を有することができる。また、任意に密着層等の層を設けることもできる。
具体的な構成例について、図1A、図1Bを用いて以下に説明する。図1A、図1Bは、本実施形態の導電性基板の、透明基材、金属層、黒化層の積層方向と平行な面における断面図の例を示している。
本実施形態の導電性基板は、例えば透明基材の少なくとも一方の面上に、透明基材側から金属層と、黒化層とがその順に積層された構造を有することができる。
具体的には例えば、図1Aに示した導電性基板10Aのように、透明基材11の一方の面11a側に金属層12と、黒化層13と、を一層ずつその順に積層することができる。黒化層13は、黒化層13の透明基材11と対向する面とは反対側の面である表面Aを粗化面とすることができる。また、図1Bに示した導電性基板10Bのように、透明基材11の一方の面11a側と、もう一方の面(他方の面)11b側と、にそれぞれ金属層12A、12Bと、黒化層13A、13Bと、を一層ずつその順に積層することができる。この場合も黒化層13A、13Bは、透明基材11と対向する面とは反対側の面である表面A、表面Bを粗化面とすることができる。
また、さらに任意の層として、例えば密着層を設けた構成とすることもできる。この場合例えば、透明基材の少なくとも一方の面上に、透明基材側から密着層と、金属層と、黒化層とがその順に形成された構造とすることができる。
具体的には例えば図2Aに示した導電性基板20Aのように、透明基材11の一方の面11a側に、密着層14と、金属層12と、黒化層13とをその順に積層することができる。
この場合も透明基材11の両面に密着層、金属層、黒化層を積層した構成とすることもできる。具体的には図2Bに示した導電性基板20Bのように、透明基材11の一方の面11a側と、他方の面11b側と、にそれぞれ密着層14A、14Bと、金属層12A、12Bと、黒化層13A、13Bとをその順に積層できる。
なお、図1B、図2Bには、透明基材の両面に金属層、黒化層等を積層した場合において、透明基材11を対称面として透明基材11の上下に積層した層が対称になるように配置した例を示したが、係る形態に限定されるものではない。例えば、図2Bにおいて、透明基材11の一方の面11a側の構成を図1Bの構成と同様に、密着層14Aを設けずに金属層12Aと、黒化層13Aとをその順に積層した形態とし、透明基材11の上下に積層した層を非対称な構成としてもよい。
ところで、本実施形態の導電性基板においては、透明基材上に金属層と、黒化層とを設けることで、金属層による光の反射を抑制し、導電性基板の反射率を抑制することができる。
本実施形態の導電性基板の反射率の程度については特に限定されるものではないが、例えばタッチパネル用の導電性基板として用いた場合のディスプレイの視認性を高めるためには、反射率は低い方が良い。例えば、波長400nm以上700nm以下の光の平均反射率が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
反射率の測定は、導電性基板の黒化層に光を照射するようにして測定を行うことができる。具体的には例えば図1Aのように透明基材11の一方の面11a側に金属層12、黒化層13の順に積層した場合、黒化層13に光を照射するように黒化層13の表面Aに対して光を照射し、測定できる。測定に当たっては波長400nm以上700nm以下の光を例えば波長1nm間隔で上述のように導電性基板の黒化層13に対して照射し、測定した値の平均値を該導電性基板の反射率とすることができる。
本実施形態の導電性基板はタッチパネル用の導電性基板として好ましく用いることができる。この場合導電性基板はメッシュ状の配線を備えた構成とすることができる。
メッシュ状の配線を備えた導電性基板は、ここまで説明した本実施形態の導電性基板の金属層、及び黒化層、場合によってはさらに密着層をエッチングすることにより得ることができる。
例えば、二層の配線によりメッシュ状の配線とすることができる。具体的な構成例を図3に示す。図3はメッシュ状の配線を備えた導電性基板30を金属層等の積層方向の上面側から見た図を示しており、配線パターンが分かり易いように、透明基材、及び金属層をパターン化して形成した配線31A、31B以外の層は記載を省略している。また、透明基材11を介してみえる配線31Bも示している。
図3に示した導電性基板30は、透明基材11と、図中Y軸方向に平行な複数の配線31Aと、X軸方向に平行な配線31Bとを有している。なお、配線31A、31Bは金属層をエッチングして形成されており、該配線31A、31Bの上面または下面には図示しない黒化層が形成されている。また、黒化層は配線31A、31Bと同じ形状にエッチングされている。
透明基材11と配線31A、31Bとの配置は特に限定されない。透明基材11と配線との配置の構成例を図4A、図4Bに示す。図4A、図4Bは図3のA-A´線での断面図に当たる。
まず、図4Aに示したように、透明基材11の上下面にそれぞれ配線31A、31Bが配置されていてもよい。なお、図4Aでは配線31Aの上面、及び配線31Bの下面には、配線と同じ形状にエッチングされた黒化層32A、32Bが配置されている。
また、図4Bに示したように、1組の透明基材11を用い、一方の透明基材11を挟んで上下面に配線31A、31Bを配置し、かつ、一方の配線31Bは透明基材11間に配置されてもよい。この場合も、配線31A、31Bの上面には配線と同じ形状にエッチングされた黒化層32A、32Bが配置されている。なお、既述のように、金属層、黒化層以外に密着層を設けることもできる。このため、図4A、図4Bいずれの場合でも、例えば配線31Aおよび配線31Bのいずれか一方、もしくは両方と透明基材11との間に密着層を設けることもできる。密着層を設ける場合、密着層も配線31A、31Bと同じ形状にエッチングされていることが好ましい。
図3及び図4Aに示したメッシュ状の配線を有する導電性基板は例えば、図1Bのように透明基材11の両面に金属層12A、12Bと、黒化層13A、13Bとを備えた導電性基板から形成することができる。
図1Bの導電性基板を用いて形成した場合を例に説明すると、まず、透明基材11の一方の面11a側の金属層12A、黒化層13Aを、図1B中Y軸方向に平行な複数の線状のパターンがX軸方向に沿って所定の間隔をあけて配置されるようにエッチングを行う。なお、図1B中のX軸方向は、各層の幅方向と平行な方向を意味している。また、図1B中のY軸方向とは、図1B中の紙面と垂直な方向を意味している。
そして、透明基材11の他方の面11b側の金属層12B、黒化層13Bを図1B中X軸方向と平行な複数の線状のパターンが所定の間隔をあけてY軸方向に沿って配置されるようにエッチングを行う。
以上の操作により図3、図4Aに示したメッシュ状の配線を有する導電性基板を形成することができる。なお、透明基材11の両面のエッチングは同時に行うこともできる。すなわち、金属層12A、12B、黒化層13A、13Bのエッチングは同時に行ってもよい。また、図4Aにおいて、配線31A、31Bと、透明基材11との間にさらに配線31A、31Bと同じ形状にパターン化された密着層を有する導電性基板は、図2Bに示した導電性基板を用いて同様にエッチングを行うことで作製できる。
図3に示したメッシュ状の配線を有する導電性基板は、図1Aまたは図2Aに示した導電性基板を2枚用いることにより形成することもできる。図1Aの導電性基板を2枚用いて形成した場合を例に説明すると、図1Aに示した導電性基板2枚についてそれぞれ、金属層12、黒化層13を、X軸方向と平行な複数の線状のパターンが所定の間隔をあけてY軸方向に沿って配置されるようにエッチングを行う。そして、上記エッチング処理により各導電性基板に形成した線状のパターンが互いに交差するように向きをあわせて2枚の導電性基板を貼り合せることによりメッシュ状の配線を備えた導電性基板とすることができる。2枚の導電性基板を貼り合せる際に貼り合せる面は特に限定されるものではない。例えば、金属層12等が積層された図1Aにおける表面Aと、金属層12等が積層されていない図1Aにおける他方の面11bとを貼り合せて、図4Bに示した構造となるようにすることもできる。
また、例えば透明基材11の金属層12等が積層されていない図1Aにおける他方の面11b同士を貼り合せて断面が図4Aに示した構造となるようにすることもできる。
なお、図4A、図4Bにおいて、配線31A、31Bと、透明基材11との間にさらに配線31A、31Bと同じ形状にパターン化された密着層を有する導電性基板は、図1Aに示した導電性基板にかえて図2Aに示した導電性基板を用いることで作製できる。
図3、図4A、図4Bに示したメッシュ状の配線を有する導電性基板における配線の幅や、配線間の距離は特に限定されるものではなく、例えば、配線に流す電流量等に応じて選択することができる。
ただし、本実施形態の導電性基板によれば、ニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有する黒化層を有しており、黒化層と金属層とを同時にエッチングし、パターン化した場合でも、黒化層、及び金属層を所望の形状にパターン化できる。また、サイドエッチングの発生を抑制できる。具体的には例えば配線幅が10μm以下の配線を形成することができる。このため、本実施形態の導電性基板は、配線幅が10μm以下の配線を含むことが好ましい。配線幅の下限値は特に限定されないが、例えば3μm以上とすることができる。
また、図3、図4A、図4Bにおいては、直線形状の配線を組み合わせてメッシュ状の配線(配線パターン)を形成した例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、配線パターンを構成する配線は任意の形状とすることができる。例えばディスプレイの画像との間でモアレ(干渉縞)が発生しないようメッシュ状の配線パターンを構成する配線の形状をそれぞれ、ぎざぎざに屈曲した線(ジグザグ直線)等の各種形状にすることもできる。
このように2層の配線から構成されるメッシュ状の配線を有する導電性基板は、例えば投影型静電容量方式のタッチパネル用の導電性基板として好ましく用いることができる。
以上の本実施形態の導電性基板によれば、透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層上に、黒化層を積層した構造を有している。そして、黒化層はニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有しているため、金属層と、黒化層とをエッチングによりパターン化する際、黒化層を容易に所望の形状にパターン化することができる。
また、黒化層は、透明基材と対向する面とは反対側の面が粗化面である粗化めっき層となっている。このため、レジストとの密着性が高く、サイドエッチングの発生を抑制できる。
また、本実施形態の導電性基板に含まれる黒化層は、金属層表面における光の反射を十分に抑制し、反射率を抑制した導電性基板とすることができる。また、例えばタッチパネル等の用途に用いた場合にディスプレイの視認性を高めることができる。
(導電性基板の製造方法)
次に本実施形態の導電性基板の製造方法の一構成例について説明する。
本実施形態の導電性基板の製造方法は、以下の工程を有することができる。
透明基材の少なくとも一方の面上に金属層を形成する金属層形成工程。
金属層上に黒化層を形成する黒化層形成工程。
そして、黒化層形成工程では、ニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有する黒化層を形成することができる。
以下に本実施形態の導電性基板の製造方法について具体的に説明する。
なお、本実施形態の導電性基板の製造方法により既述の導電性基板を好適に製造することができる。このため、以下に説明する点以外については上述の導電性基板の場合と同様の構成とすることができるため説明を一部省略する。
金属層形成工程に供する透明基材は予め準備しておくことができる。用いる透明基材の種類は特に限定されるものではないが、既述のように可視光を透過する絶縁体フィルム(樹脂フィルム)や、ガラス基板等の透明基材を好ましく用いることができる。透明基材は必要に応じて予め任意のサイズに切断等行っておくこともできる。
そして、金属層は既述のように、金属薄膜層を有することが好ましい。また、金属層は金属薄膜層と金属めっき層とを有することもできる。このため、金属層形成工程は、例えば乾式めっき法により金属薄膜層を形成する工程を有することができる。また、金属層形成工程は、乾式めっき法により金属薄膜層を形成する工程と、該金属薄膜層を給電層として、湿式めっき法の一種である電気めっき法により金属めっき層を形成する工程と、を有していてもよい。
金属薄膜層を形成する工程で用いる乾式めっき法としては、特に限定されるものではなく、例えば、蒸着法、スパッタリング法、又はイオンプレーティング法等を用いることができる。なお、蒸着法としては真空蒸着法を好ましく用いることができる。金属薄膜層を形成する工程で用いる乾式めっき法としては、特に膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることがより好ましい。
次に金属めっき層を形成する工程について説明する。湿式めっき法により金属めっき層を形成する工程における条件、すなわち、電気めっき処理の条件は、特に限定されるものではなく、常法による諸条件を採用すればよい。例えば、金属めっき液を入れためっき槽に金属薄膜層を形成した基材を供給し、電流密度や、基材の搬送速度を制御することによって、金属めっき層を形成できる。
次に、黒化層形成工程について説明する。
黒化層形成工程においては、ニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有する黒化層を形成することができる。
黒化層は湿式法により形成できる。具体的には例えば、金属層を給電層として用いて、既述の黒化めっき液を含むめっき槽内で、金属層上に電解めっき法により黒化層を形成することができる。このように金属層を給電層として、電解めっき法により黒化層を形成することで、金属層の透明基材と対向する面とは反対側の面の全面に黒化層を形成できる。
黒化層は、既述のように透明基材と対向する面とは反対側の面について、粗化面である粗化めっき層であることが好ましい。そして、黒化層を成膜する際に黒化めっき液のpHや、電流密度を調整することで、黒化層が含有する結晶の形状や、サイズを選択することができる。例えばめっき液のpHを高くしたり、成膜時の電流密度を高くすることで針状結晶が生じやすくなり、めっき液のpHを低くしたり、成膜時の電流密度を低くすることで粒状結晶が生じやすくなる。
このため、例えば予備試験を行い、所望の形状、サイズの結晶を含む黒化層となるように、条件を選択することができる。
黒化めっき液については既述のため、説明を省略する。
本実施形態の導電性基板の製造方法においては、上述の工程に加えてさらに任意の工程を実施することもできる。
例えば透明基材と金属層との間に密着層を形成する場合、透明基材の金属層を形成する面上に密着層を形成する密着層形成工程を実施することができる。密着層形成工程を実施する場合、金属層形成工程は、密着層形成工程の後に実施することができ、金属層形成工程では、本工程で透明基材上に密着層を形成した基材に金属薄膜層を形成できる。
密着層形成工程において、密着層の成膜方法は特に限定されるものではないが、乾式めっき法により成膜することが好ましい。乾式めっき法としては例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法や蒸着法等を好ましく用いることができる。密着層を乾式法により成膜する場合、膜厚の制御が容易であることから、スパッタリング法を用いることがより好ましい。なお、密着層には既述のように炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる1種類以上の元素を添加することもでき、この場合は反応性スパッタリング法をさらに好ましく用いることができる。
本実施形態の導電性基板の製造方法で得られる導電性基板は例えばタッチパネル等の各種用途に用いることができる。そして、各種用途に用いる場合には、本実施形態の導電性基板に含まれる金属層、及び黒化層がパターン化されていることが好ましい。なお、密着層を設ける場合は、密着層についてもパターン化されていることが好ましい。金属層、及び黒化層、場合によってはさらに密着層は、例えば所望の配線パターンにあわせてパターン化することができ、金属層、及び黒化層、場合によってはさらに密着層は同じ形状にパターン化されていることが好ましい。
このため、本実施形態の導電性基板の製造方法は、金属層、及び黒化層をパターン化するパターニング工程を有することができる。なお、密着層を形成した場合には、パターニング工程は、密着層、金属層、及び黒化層をパターン化する工程とすることができる。
パターニング工程の具体的手順は特に限定されるものではなく、任意の手順により実施することができる。例えば図1Aのように透明基材11上に金属層12、黒化層13が積層された導電性基板10Aの場合、まず黒化層13上の表面Aに所望のパターンを有するレジストを配置するレジスト配置ステップを実施することができる。次いで、黒化層13上の表面A、すなわち、レジストを配置した面側にエッチング液を供給するエッチングステップを実施できる。
エッチングステップにおいて用いるエッチング液は特に限定されるものではない。ただし、本実施形態の導電性基板の製造方法で形成する黒化層は金属層とほぼ同様のエッチング液への反応性を示す。このため、エッチングステップにおいて用いるエッチング液は特に限定されるものではなく、一般的に金属層のエッチングに用いられるエッチング液を好ましく用いることができる。
エッチング液としては例えば、硫酸、過酸化水素(過酸化水素水)、塩酸、塩化第二銅、及び塩化第二鉄から選択された1種類以上を含む混合水溶液を好ましく用いることができる。エッチング液中の各成分の含有量は、特に限定されるものではない。
エッチング液は室温で用いることもできるが、反応性を高めるため加温して用いることもでき、例えば40℃以上50℃以下に加熱して用いることもできる。
また、図1Bのように透明基材11の一方の面11a、他方の面11bに金属層12A、12B、黒化層13A、13Bを積層した導電性基板10Bについてもパターン化するパターニング工程を実施できる。この場合例えば黒化層13A、13B上の表面A、及び表面Bに所望のパターンを有するレジストを配置するレジスト配置ステップを実施できる。次いで、黒化層13A、13B上の表面A、及び表面B、すなわち、レジストを配置した面側にエッチング液を供給するエッチングステップを実施できる。
エッチングステップで形成するパターンについては特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。例えば図1Aに示した導電性基板10Aの場合、既述のように金属層12、黒化層13を複数の直線や、ぎざぎざに屈曲した線(ジグザグ直線)を含むようにパターンを形成することができる。
また、図1Bに示した導電性基板10Bの場合、金属層12Aと、金属層12Bとでメッシュ状の配線となるようにパターンを形成することができる。この場合、黒化層13Aは、金属層12Aと同様の形状に、黒化層13Bは金属層12Bと同様の形状になるようにそれぞれパターン化を行うことが好ましい。
また、例えばパターニング工程で上述の導電性基板10Aについて金属層12等をパターン化した後、パターン化した2枚以上の導電性基板を積層する積層工程を実施することもできる。積層する際、例えば各導電性基板の金属層のパターンが交差するように積層することにより、メッシュ状の配線を備えた積層導電性基板を得ることもできる。
積層した2枚以上の導電性基板を固定する方法は特に限定されるものではないが、例えば接着剤等により固定することができる。
以上の本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板は、透明基材の少なくとも一方の面上に形成された金属層上に、黒化層を積層した構造を有している。そして、黒化層はニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有しているため、既述の様に、金属層と、黒化層とをエッチングによりパターン化する際、黒化層を容易に所望の形状にパターン化することができる。
また、黒化層は、透明基材と対向する面とは反対側の面が粗化面である粗化めっき層となっている。このため、レジストとの密着性が高く、サイドエッチングの発生を抑制できる。
また、本実施形態の導電性基板の製造方法により得られる導電性基板に含まれる黒化層は、金属層表面における光の反射を十分に抑制し、反射率を抑制した導電性基板とすることができる。このため、例えばタッチパネル等の用途に用いた場合にディスプレイの視認性を高めることができる。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(評価方法)
以下の実験例において作製した試料について以下の方法により評価を行った。
(1)黒化層の成分分析
黒化層の成分分析は、X線光電子分光装置(PHI社製、形式:QuantaSXM)により行った。なお、X線源には単色化Al(1486.6eV)を使用した。
後述のように、以下の各実験例では、図1Aの構造を有する導電性基板を作製した。そこで、図1Aにおける黒化層13の外部に露出した表面AをArイオンエッチングし、最表面から10nm内部のNi 2Pスペクトル、及びCu LMMスペクトルを測定した。得られたスペクトルから、黒化層に含まれるニッケルの原子数を100とした場合の、銅の原子数の比率を算出した。なお、表1中では結果を金属成分の比として示している。
また、Ni 2Pスペクトルのピーク分離解析により、黒化層に含まれる、金属ニッケルの原子数を100としたときのニッケル酸化物となっているニッケルの原子数、及びニッケル水酸化物となっているニッケルの原子数を算出した。なお、表1中では結果をニッケル成分比として示している。
(2)反射率測定
測定は、紫外可視分光光度計(株式会社 島津製作所製 型式:UV-2600)に反射率測定ユニットを設置して行った。
後述のように各実験例では図1Aに示した構造を有する導電性基板を作製した。このため、反射率測定は図1Aに示した導電性基板10Aの黒化層13の表面Aに対して入射角5°、受光角5°として、波長400nm以上700nm以下の光を波長1nm間隔で照射して正反射率を測定し、その平均値を該導電性基板の反射率(平均反射率)とした。
(3)エッチング特性
まず、以下の実験例において得られた導電性基板の黒化層表面にドライフィルムレジスト(日立化成RY3310)をラミネート法により貼り付けた。そして、フォトマスクを介して紫外線露光を行い、さらに1%炭酸ナトリウム水溶液によりレジストを溶解して現像した。これにより、3.0μm以上10.0μm以下の範囲で0.5μm毎にレジスト幅が異なるパターンをもつサンプルを作製した。すなわち、レジスト幅が3.0μm、3.5μm、4.0μm・・・9.5μm、10.0μmと、0.5μm毎に異なる15種類の線状のパターンを形成した。
次いで、サンプルを、硫酸を10重量%、過酸化水素を3重量%含む30℃のエッチング液に、40秒間浸漬した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でドライフィルムレジストを剥離、除去した。
得られたサンプルを200倍の顕微鏡で観察し、導電性基板に残存する金属配線の配線幅の最小値を求めた。
レジストを剥離した後、導電性基板に残存する金属配線の配線幅の最小値が小さいほど、また形成した金属配線の周囲に溶け残りが少ないほど、銅層と、黒化層とのエッチング液に対する反応性がより同一に近いことを意味する。そこで、残存する金属配線の配線幅の最小値が3μm以上10μm以下であり、かつ形成した金属配線の周囲に溶け残りがみられない場合に〇と評価した。また、残存する金属配線の最小値が3μm以上10μm以下ではあるが、形成した金属配線の周囲に実用上支障がない程度ではあるが一部溶け残りがみられる場合には△と評価した。エッチング液に溶解せず、配線幅が10μm以下の金属配線を形成できなかった場合、不合格として×と評価した。○、または△の場合には同時にエッチングできる金属層と黒化層とを備えた導電性基板であるといえ、合格と評価することができる。
なお、表2では評価結果である、○、△、×を示している。
(4)黒化層が含有する結晶の形状、サイズ
黒化層の粗化面となる、透明基材と対向する面とは反対側の面、具体的には図1Aの表面Aについて、走査型電子顕微鏡により観察を行い、黒化層が含有する結晶の形状、サイズについて評価を行った。
評価に当たってまず、黒化層の粗化面上の任意の位置において領域を50000倍に拡大した。そして、該観察領域に存在する結晶の形状の観察を行った。粒状の結晶が観察された場合には粒状、針状の結晶が観察された場合には針状として表2の結晶形状の欄に示している。
そして、粒状結晶が観察された場合には、評価の対象となる粒状結晶20個を選択し、平均結晶粒サイズ、および標準偏差σを測定、算出した。なお、粒状結晶の結晶粒サイズとは粒状結晶の測定を行う粒状結晶を完全に包摂する最小サイズの円の直径を意味する。
また、針状結晶が観察された場合には、評価の対象となる針状結晶20個を選択し、平均長さ、平均幅、平均アスペクト比、および標準偏差σを測定、算出した。
粒状結晶を評価した場合、その結晶粒サイズの平均値、標準偏差は表2中の「結晶粒サイズ/長さ」の欄に記載している。
針状結晶を評価した場合、その長さの平均値、標準偏差は表2中の「結晶粒サイズ/長さ」の欄に記載しており、幅、アスペクト比の平均値、標準偏差は、それぞれ表2中の「幅」、「アスペクト比」の欄に記載している。
各パラメータについては既に説明したため、ここでは説明を省略する。
(5)サイドエッチング量
まず、以下の実験例において得られた導電性基板の黒化層表面にドライフィルムレジスト(日立化成RY3310)をラミネート法により貼り付けた。そして、フォトマスクを介して紫外線露光を行い、さらに1%炭酸ナトリウム水溶液によりレジストを溶解して現像した。これにより黒化層上に、互いに平行な複数の直線状のパターンのレジストを有するサンプルを作製した。
次いで、サンプルを、硫酸を10重量%、過酸化水素を3重量%含有する30℃のエッチング液に浸漬した。
得られたサンプルについて、レジストを剥離させることなく、導電性基板の各層の積層方向と平行であって、かつレジストの直線状のパターンと垂直な断面を観察した。この場合、図5に示したように、透明基材51上に、パターン化した金属層52、パターン化した黒化層53、レジスト54が積層された断面形状が観察される。そして、レジストの幅方向の端部54aと、パターン化した金属層52の幅方向の端部52aとの間の距離Lをサイドエッチング量として測定した。
なお、エッチング液への浸漬を開始してから、60秒後、120秒後、180秒後のそれぞれで導電性基板をエッチング液から取り出し、洗浄後、上述のようにサイドエッチング量の評価を行った。
(試料の作製条件)
以下に説明する条件で導電性基板を作製し、上述の評価方法により評価を行った。実験例1~実験例10のいずれもが実施例となる。
[実験例1]
図1Aに示した構造を有する導電性基板を作製した。
(金属層形成工程)
長さ300m、幅250mm、厚さ100μmの長尺状のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製の透明基材の一方の面上に金属層として銅層を成膜した。なお、透明基材として用いたポリエチレンテレフタレート樹脂製の透明基材について、全光線透過率をJIS K 7361-1に規定された方法により評価を行ったところ97%であった。
金属層形成工程では、金属薄膜層形成工程と、金属めっき層形成工程と、を実施した。
まず、金属薄膜層形成工程について説明する。
金属薄膜層形成工程では、基材として上述の透明基材を用い、透明基材の一方の面上に金属薄膜層として、銅薄膜層を形成した。
金属薄膜層形成工程ではまず、予め60℃まで加熱して水分を除去した上述の透明基材を、スパッタリング装置のチャンバー内に設置した。
次に、チャンバー内を1×10-3Paまで排気した後、アルゴンガスを導入し、チャンバー内の圧力を1.3Paとした。
スパッタリング装置のカソードに予めセットしておいた銅ターゲットに電力を供給し、透明基材の一方の面上に銅薄膜層を厚さが0.7μmになるように成膜した。
次に、金属めっき層形成工程においては金属めっき層として銅めっき層を形成した。銅めっき層は、電気めっき法により銅めっき層の厚さが0.3μmになるように成膜した。
以上の金属薄膜層形成工程と、金属めっき層形成工程とを実施することで、金属層として厚さ1.0μmの銅層を形成した。
金属層形成工程で作製した、透明基材上に厚さ1.0μmの銅層が形成された基板を20g/Lの硫酸に30sec浸漬し、洗浄した後に以下の黒化層形成工程を実施した。
(黒化層形成工程)
黒化層形成工程では、黒化めっき液を用いて電解めっき法により、銅層の一方の面上に黒化層を形成した。
なお、黒化めっき液として、ニッケルイオン、銅イオン、アミド硫酸、水酸化ナトリウムを含有するめっき液を調製した。黒化めっき液には、硫酸ニッケル6水和物、硫酸銅5水和物を添加することで、ニッケルイオン、銅イオンを供給した。
そして、黒化めっき液中のニッケルイオンの濃度が5g/L、銅イオンの濃度が0.03g/L、アミド硫酸の濃度が11g/Lとなるように各成分を添加調製した。
また、水酸化ナトリウム水溶液を黒化めっき液に添加して、黒化めっき液のpHを4.9に調整した。
黒化層形成工程においては黒化めっき液の温度が40℃、電流密度が0.10A/dm2、めっき時間が400secの条件で電解めっきを行い、黒化層を形成した。
形成した黒化層の膜厚は110nmとなった。
以上の工程により得られた導電性基板について、既述の黒化層の成分分析、反射率、及びエッチング特性の評価を実施した。結果を表1、表2に示す。
[実験例2~実験例10]
各実験例において、黒化層を形成する際の黒化めっき液中のニッケルイオン濃度、銅イオン濃度、黒化層の成膜時の電流密度、及びめっき時間を表1に示したように変更した点以外は実験例1と同様にして導電性基板を作製し、評価を行った。結果を表1、表2に示す。
表2に示した結果によると、実験例1~実験例10はいずれも、黒化層は、ニッケルの単体と、ニッケル酸化物と、ニッケル水酸化物と、銅とを含有することが確認できた。
そして、表1に示した結果によるとエッチング特性についても評価結果は〇、または△であり、同時にエッチングできる金属層と黒化層とを備えた導電性基板であることが確認できた。
特に、黒化層中に含まれるニッケルと、銅とが、原子数の比率で、ニッケルを100とした場合に、銅が7以上90以下である実験例1~8については、エッチング特性が〇であり、反射率も10%以下であることが確認できた。このため、実験例1~実験例8の導電性基板は、特に、金属層と黒化層とのエッチング液に対する反応性が特に近く、また金属層表面での光の反射を特に抑制できる黒化層を備えていることが確認できた。
さらに、実験例1~実験例10では、黒化層は粒状または針状の結晶を有しており、サイドエッチングの発生も抑制できていることを確認できた。すなわち、黒化層は、透明基材と対向する面とは反対側の面が粗化面である粗化めっき層となっており、レジストとの密着性が高いことが確認できた。
以上に導電性基板を、実施形態および実施例等で説明したが、本発明は上記実施形態および実施例等に限定されない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本出願は、2017年4月17日に日本国特許庁に出願された特願2017-081591号に基づく優先権を主張するものであり、特願2017-081591号の全内容を本国際出願に援用する。