以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(及びその変形例)に係る蓄電素子及び蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、寸法等は必ずしも厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
また、以下の説明及び図面中において、1つの蓄電素子における電極端子(つまり、正極端子及び負極端子)の並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、2つの拘束部材の並び方向をX軸方向と定義する。また、蓄電素子の並び方向、エンドプレートの並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、当該容器の厚さ方向、または、拘束部材の延設方向をY軸方向と定義する。また、蓄電素子の容器本体と蓋との並び方向、蓄電素子の容器の短側面の長手方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
(実施の形態)
[1 蓄電装置10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置10は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置10は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体の駆動用またはエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。
図1に示すように、蓄電装置10は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、5つの蓄電素子100)と、2つのエンドプレート200と、蓄電素子100を拘束する2つの拘束部材300とを備えている。なお、蓄電装置10は、蓄電素子100同士を電気的に接続するバスバー、蓄電素子100間に配置されるスペーサ、蓄電素子100の外方に配置される外装体、バスバーの位置決めを行うバスバーフレーム、蓄電素子100の充電状態や放電状態を監視するための回路基板やリレー等の電気機器なども備えていてもよいが、これらの図示は省略し、詳細な説明も省略する。
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な直方体形状(角型)の形状を有しており、本実施の形態では、5個の蓄電素子100がY軸方向に配列されている。
なお、蓄電素子100の個数は5個に限定されず、1個、または、5個以外の複数個数であってもよい。また、蓄電素子100の接続形態は特に限定されず、全てが直列接続されていてもよいし、いずれかの蓄電素子100が並列接続されていてもよい。また、本実施の形態では、直方体形状(角型)の蓄電素子100を図示しているが、蓄電素子100の形状は、直方体形状には限定されず、直方体形状以外の多角柱形状であってもよいし、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。また、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子100は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子100は、固体電解質を用いた電池であってもよい。この蓄電素子100の構成の詳細な説明については、後述する。
エンドプレート200及び拘束部材300は、複数の蓄電素子100の並び方向(Y軸方向)において、蓄電素子100を外方から圧迫する部材である。つまり、エンドプレート200及び拘束部材300は、複数の蓄電素子100を当該並び方向の両側から挟み込むことで、複数の蓄電素子100に含まれるそれぞれの蓄電素子100を両側から圧迫する。
具体的には、エンドプレート200は、複数の蓄電素子100のY軸方向両側に配置された平板状部材(挟持部材)であり、複数の蓄電素子100を、当該複数の蓄電素子100の並び方向(Y軸方向)の両側から挟み込んで保持する。エンドプレート200は、強度の観点等から、例えば鋼やステンレス等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、これに限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。なお、エンドプレート200が金属等の導電性の部材で形成されている場合には、腐食防止等の観点から、エンドプレート200に絶縁処理を施したり、エンドプレート200と蓄電素子100との間に絶縁部材を配置したりしてもよい。
拘束部材300は、両端がエンドプレート200に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する長尺状かつ平板状の部材(拘束バー)である。つまり、拘束部材300は、当該複数の蓄電素子100を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子100に対してこれらの並び方向(Y軸方向)における拘束力を付与する。本実施の形態では、X軸方向において複数の蓄電素子100の両側方に2つの拘束部材300が配置されており、当該2つの拘束部材300のそれぞれが、Y軸方向両端部において、2つのエンドプレート200のX軸方向端部に取り付けられている。これにより、2つの拘束部材300は、複数の蓄電素子100をX軸方向の両側及びY軸方向の両側から挟み込んで拘束する。
また、拘束部材300は、Z軸方向に並ぶ複数の固定部310によって、エンドプレート200に固定されている。本実施の形態では、固定部310は、拘束部材300を貫通してエンドプレート200に接合されるボルトである。なお、拘束部材300のエンドプレート200への取り付けは、ボルトによる固定には限定されず、溶接や接着等で接合されていてもかまわない。また、拘束部材300は、エンドプレート200と同様に、強度の観点等から、例えば鋼やステンレス等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、これに限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。なお、拘束部材300が金属等の導電性の部材で形成されている場合には、拘束部材300に絶縁処理を施したり、拘束部材300と蓄電素子100との間に絶縁部材を配置したりしてもよい。
また、蓄電装置10は、蓄電装置10の外部に配置される外部部材400に載置されて、固定部500によって固定される。外部部材400は、例えば、蓄電装置10を搭載する車の車体、蓄電装置10を冷却(例えば水冷)する冷却装置、蓄電装置10を載置する設備の外装体等である。外部部材400は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、これに限定されず、例えば樹脂等の絶縁性の部材で形成されていてもよい。また、固定部500は、エンドプレート200を外部部材400に固定する部材であって、それぞれのエンドプレート200に対してX軸方向に2つの固定部500が並んで配置されている。本実施の形態では、固定部500は、エンドプレート200を貫通して外部部材400に接合されるボルトである。なお、エンドプレート200の外部部材400への取り付けは、ボルトによる固定には限定されず、溶接や接着等で接合されていてもかまわない。
[2 蓄電素子100の詳細な説明]
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子100の外観を示す斜視図である。
図2に示すように、蓄電素子100は、容器110と、2つの電極端子120(正極端子及び負極端子)と、絶縁シート130とを備えている。また、容器110の内方には、電極体、集電体(正極集電体及び負極集電体)、及び電解液(非水電解質)等が収容されているが、これらの図示は省略する。なお、当該電解液としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。また、容器110(後述の蓋体112)と電極端子120との間、及び、容器110(後述の蓋体112)と集電体との間には、絶縁性及び気密性を高めるためにガスケット等が配置され、集電体の側方等にスペーサが配置されているが、これらの図示も省略する。
容器110は、開口が形成された容器本体111と、容器本体111の開口を閉塞する蓋体112とを有する直方体形状(角型)の容器である。容器本体111は、容器110の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Z軸方向マイナス側に第一壁部111aを有し、X軸方向両側の側面に2つの第二壁部111bを有し、Y軸方向両側の側面に2つの第三壁部111cを有している。
具体的には、第一壁部111aは、容器110の底面を形成する矩形状かつ板状の底面部である。第二壁部111bは、容器110の短側面を形成する矩形状かつ板状の短側面部である。言い換えれば、第二壁部111bは、第一壁部111a及び第三壁部111cに隣接し、第三壁部111cよりも表面積(外面の面積)が小さい壁部である。本実施の形態では、第二壁部111bは、第一壁部111a及び第三壁部111cよりも表面積が小さい(最も表面積が小さい)壁部である。第三壁部111cは、容器110の長側面を形成する矩形状かつ板状の長側面部である。言い換えれば、第三壁部111cは、第一壁部111a及び第二壁部111bに隣接し、第二壁部111bよりも表面積(外面の面積)が大きい壁部である。本実施の形態では、第三壁部111cは、第一壁部111a及び第二壁部111bよりも表面積が大きい(最も表面積が大きい)壁部である。
蓋体112は、容器110の蓋部を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体111のZ軸方向プラス側に配置されている。つまり、蓋体112は、第一壁部111aに対向し、かつ、第二壁部111b及び第三壁部111cに隣接する壁部(以下、第四壁部ともいう)である。また、蓋体112には、容器110内方の圧力が上昇した場合に当該圧力を開放するガス排出弁113、及び、容器110内方に電解液を注液するための注液部114等も設けられている。
このような構成により、容器110は、電極体等を容器本体111の内方に収容後、容器本体111と蓋体112とが溶接等によって接合されることにより、内部が密封される構造となっている。なお、容器110(容器本体111及び蓋体112)の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能(接合可能)な金属であるのが好ましい。
電極端子120は、集電体を介して、電極体の正極板及び負極板に電気的に接続される端子(正極端子及び負極端子)である。つまり、電極端子120は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。なお、電極端子120は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などで形成されている。
電極体は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。ここで、電極体が有する正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。また、負極板は、銅または銅合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。また、正極活物質層に用いられる正極活物質、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。また、集電体は、電極端子120と電極体とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材(正極集電体及び負極集電体)である。なお、正極集電体は、正極板の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成され、負極集電体は、負極板の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。
絶縁シート130は、容器110の外面に配置され、容器110の外面を覆う絶縁性のシート状部材である。絶縁シート130の材質は、蓄電素子100に必要な絶縁性を確保できるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁性の樹脂、エポキシ樹脂、カプトン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリイソプレン、及びポリ塩化ビニルなどを例示することができる。
具体的には、絶縁シート130は、容器110の第一壁部111aの全面と、第二壁部111b及び第三壁部111cのほぼ全面と、蓋体112(第四壁部)の一部とを覆うように配置された1枚の絶縁シートである。つまり、絶縁シート130は、第一壁部111aの角部111dを覆うように配置されている。角部111dは、第一壁部111aの四隅の角部である。具体的には、角部111dは、第一壁部111a、第二壁部111b及び第三壁部111cの互いに隣り合う3つの壁部が形成する頂点に対応する位置に形成される部位である。本実施の形態では、角部111dは、当該隣り合う3つの壁部が交差する頂点の位置に形成されるドーム状に(立体的に、または、三次元的に)湾曲した部位である。つまり、第一壁部111aは、平面視で多角形状を有しており、当該多角形状の頂点に対応する位置に、角部111dが配置されている。
さらに、絶縁シート130は、蓋体112(第四壁部)の角部111eを露出させた状態で、容器110の外面に配置されている。具体的には、絶縁シート130は、端部が、蓋体112の角部111e以外の外縁に沿って配置されている。これにより、絶縁シート130は、蓋体112の四隅の角部111e、ガス排出弁113、注液部114及び電極端子120を露出させた状態で、容器110の外面に配置されている。なお、角部111eは、蓋体112の四隅の角部であり、角部111dと同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
また、絶縁シート130は、1枚の絶縁シートが折り曲げられて、容器110の外面に接着材料(図示せず)で接着されて固定されている。例えば、絶縁シート130の表面に、接着材料として、粘着層が形成されていたり、接着剤が塗布されたり、両面テープが貼り付けられたりする等によって、絶縁シート130が容器110の外面に貼り付けられる。または、容器110の外面に接着材料を配置してから、絶縁シート130を容器110の外面に貼り付けることにしてもよい。このように、蓄電素子100は、絶縁シート130と容器110の外面とを接着する接着材料を備えている。なお、絶縁シート130は、全面が容器110の外面に貼り付けられていなくてもよく、例えば、絶縁シート130の外周部分が容器110の外面に貼り付けられていることにしてもよいし、絶縁シート130の他の一部が容器110の外面に貼り付けられていることにしてもよい。
このような構成により、絶縁シート130は、第二壁部111bにおいて2層または3層に重なる部分が生じる。つまり、絶縁シート130は、第三壁部111cにおいては、重ならずに0層または1層となり、第二壁部111bにおいては、重ならずに0層または1層となる部分と、2層または3層に重なった部分とが形成される。このことについて、以下に詳細に説明する。
[3 絶縁シート130の構成の詳細な説明]
以下に、絶縁シート130の構成について、さらに詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る絶縁シート130の構成を示す平面図である。また、図4は、本実施の形態に係る絶縁シート130を折り曲げた場合の絶縁シート130の形状を示す斜視図である。なお、図4では、説明の便宜のため、容器110は省略して図示している。また、図5は、本実施の形態に係る絶縁シート130を容器110の外面に配置した場合の絶縁シート130同士の重なりを示す側面図である。
まず、図3に示すように、絶縁シート130は、第一シート部130aと、4つの第二シート部130bと、2つの第三シート部130cと、2つの第四シート部130dと、4つの第五シート部130eと、4つの第六シート部130fと、2つの第七シート部130gとを有している。また、絶縁シート130には、頂点部分が湾曲した略三角形状に凹んだ4つの第一凹部130hと、略半長円形状(U字状)に凹んだ4つの第二凹部130iとが形成されている。つまり、絶縁シート130は、矩形状のシート状部材の上下左右対称の位置に第一凹部130hと第二凹部130iとが形成されて、上下左右の中心線に対して線対称、及び、中心位置に対して点対称となる形状となっている。
具体的には、第一シート部130aは、容器110の第一壁部111aに対向し、第一壁部111aの全面を覆う矩形状の部位である。第三シート部130cは、第三壁部111cに対向し、第三壁部111cのほぼ全面を覆う矩形状の部位であり、第一シート部130aの両側に配置されている。第二シート部130bは、第二壁部111bに対向し、第二壁部111bのほぼ全面を覆う部位であり、それぞれの第三シート部130cの両側に配置されている。ここで、第二シート部130bは、第一凹部130hが形成されることで、第四シート部130d側の端縁が傾斜した形状となっている。
第四シート部130dは、第二壁部111bの下部(Z軸方向マイナス側の部分)に対向し、第二壁部111bの下部を覆う矩形状の部位であり、第一シート部130aの両側、かつ、2つの第二シート部130bに挟まれる位置に配置されている。なお、第四シート部130dは、幅(図3における上下方向の幅)が、第一シート部130aの当該幅(つまり第一壁部111aの幅)よりも短くなるように形成されている。
第五シート部130eは、第二壁部111bの下部のY軸方向端部に対向し、第二壁部111bの当該下部の端部を覆う部位であり、第四シート部130dの両側に配置されている。ここで、第五シート部130eは、略三角形状で先端がR形状の第一凹部130hが形成されることで、外縁が湾曲した形状となっている。
第六シート部130f及び第七シート部130gは、蓋体112の外周部分に対向し、当該外周部分を覆う矩形状の部位であり、第二シート部130b及び第三シート部130cの端部から延設されて配置されている。なお、第二凹部130iが形成されることで、蓋体112の角部111eは露出した状態となる。
このような構成の絶縁シート130において、図4の(a)に示すように、まず、第一シート部130aに対して、第三シート部130cが折り曲げられる。つまり、第一シート部130aが第一壁部111aに対向して配置された状態で、第三シート部130cが折り曲げられて、第三壁部111cに対向した状態となる。これにより、第一シート部130aが第一壁部111aに貼り付けられ、第三シート部130cが第三壁部111cに貼り付けられる。
そして、第三シート部130cに対して第二シート部130bが開く方向に折り曲げられるとともに、第一シート部130aに対して第四シート部130dが折り曲げられて、第四シート部130dが第二壁部111bに対向した状態となる。これにより、第四シート部130dが第二壁部111bに貼り付けられる。なお、この時点で、第二シート部130bと第五シート部130eとが重なった状態となり、第二シート部130bと第五シート部130eとが貼り付けられる。
そして、図4の(b)に示すように、第二シート部130b及び第五シート部130eが折り曲げられて、第二壁部111bに対向した状態となる。これにより、一方の第二シート部130bが、他方の第二シート部130bと重なったり、第四シート部130dと重なったりする。また、第二シート部130bと第五シート部130eとが重なった部分が、第四シート部130dと重なる。つまり、第二シート部130bが、第二壁部111bに貼り付いたり、第四シート部130dに貼り付いたり、第二シート部130b同士で貼り付いたりする。なお、絶縁シート130の内面に接着材料が配置されている場合には、第二シート部130bと第五シート部130eとが重なった部分は、第四シート部130dには貼り付かないが、当該重なった部分は非常に小さいため、貼り付かない部分を小さくすることができている。
このようにして、図5に示すように、第二壁部111b上に、1層の絶縁シート130からなる一層部131a及び131bと、2層の絶縁シート130からなる二層部132a及び132bと、3層の絶縁シート130からなる三層部133a及び133bとが形成される。なお、第二壁部111b上の角部111eが露出した部分においては、絶縁シート130が0層となっている。
一層部131aは、第二壁部111b上に、1枚の第二シート部130bが配置された部位である。具体的には、一層部131aは、第二壁部111bの上端縁(Z軸方向プラス側の端縁)から下部(Z軸方向の中央部よりも下方の部分)までに亘ってZ軸方向に延設された長尺状かつ矩形状の部位であり、第二壁部111bのY軸方向両側に2つの一層部131aが配置されている。また、一層部131bは、第二壁部111b上に、1枚の第四シート部130dが配置された部位である。具体的には、一層部131bは、第二壁部111bの下部から下端縁(Z軸方向マイナス側の端縁)までに亘ってY軸方向に広がる略三角形状の部位である。
また、二層部132aは、第二壁部111b上に、2枚の第二シート部130bが重ねられて配置された部位である。具体的には、二層部132aは、2つの一層部131aの間において、第二壁部111bの上端縁から下部までに亘ってZ軸方向に延設された長尺状かつ矩形状の部位である。また、二層部132bは、第二壁部111b上に、1枚の第二シート部130bと1枚の第四シート部130dとが重ねられて配置された部位である。具体的には、二層部132bは、第一壁部111aに対して傾斜した直線と曲線とで囲まれた部位であり、第二壁部111bの下部かつY軸方向両側において、2つの一層部131aの下方に2つの二層部132bが配置されている。
三層部133aは、第二壁部111b上に、2枚の第二シート部130bと1枚の第四シート部130dとが重ねられて配置された部位である。具体的には、三層部133aは、第二壁部111bの下部において二層部132aと一層部131bとの間に配置され、Z軸方向マイナス側に向けてY軸方向に狭まる逆三角形状の部位である。また、三層部133bは、第二壁部111b上に、1枚の第二シート部130bと1枚の第五シート部130eと1枚の第四シート部130dとが重ねられて配置された部位である。具体的には、三層部133bは、第一壁部111aに対して傾斜した直線と曲線とで囲まれた部位であり、第二壁部111bの下部かつY軸方向両側において、2つの二層部132bの下方に2つの三層部133bが配置されている。
なお、これらの第二壁部111b上の各部のうち、二層部132aが最大の面積を有しているが、2つの一層部131aの面積を合計すると、最も厚みが薄くなる当該2つの一層部131aが最大の面積を有することとなる。また、第二壁部111bの下部においては、最も厚みが薄い一層部131bが、最大の面積を有している。さらに、最も厚みが厚くなる三層部133a及び三層部133bについては、第二壁部111b上の各部のうち、最小の面積を有する程度の小さな部位となっている。
このような構成により、一層部131aと二層部132aとの間に、第一壁部111aに直交する直線状の境界線134が形成される。また、第二シート部130bの端縁が傾斜した形状を有しているため、二層部132bと三層部133aとの間には、第一壁部111aに対して傾斜した直線状の境界線135が形成される。同様に、一層部131bと二層部132bとの間には、第一壁部111aに対して傾斜した直線状の境界線136が形成される。また、一層部131bと三層部133bとの間には、第一壁部111aに対して傾斜した直線状の境界線137が形成される。さらに、第五シート部130eの外縁が湾曲した形状を有しているため、二層部132bと三層部133bとの間には、曲線状の境界線138が形成される。
このように、絶縁シート130は、第二壁部111b上に、絶縁シート130同士の積層数が1層と2層以上との境界線であって、第一壁部111aに対して傾斜した境界線(境界線136、137)を有している。また、絶縁シート130は、第二壁部111b上に、絶縁シート130同士の積層数が2層と3層との境界線であって、曲線状の境界線(境界線138)を有している。なお、境界線134~137は、曲線状の境界線であってもよい。以上のように、絶縁シート130は、絶縁シート130同士の積層数(重なり)が、第二壁部111bにおいては3層以下(3重以下)であって、第三壁部111cにおいては1層以下(1重以下、つまり重なっていない状態)である。
また、最後に、第六シート部130f及び第七シート部130gが折り曲げられて、蓋体112の外周部分に対向した状態となり、当該外周部分に貼り付けられる。これにより、蓋体112のX軸方向両側の外周部分において、第六シート部130f及び第七シート部130gの一部が重ねられる。このため、絶縁シート130は、蓋体112における絶縁シート130同士の積層数が2層以下となる。
[4 拘束部材300の突出部320についての説明]
また、図6に示すように、拘束部材300は、一層部131aに対向する位置に、突出部320を有している。図6は、本実施の形態に係る拘束部材300の構成を示す斜視図である。
図6に示すように、拘束部材300には、一層部131aに向けて突出する突出部320が形成されている。突出部320は、一層部131aに対応する形状に形成された、矩形状かつZ軸方向に延びる突出部である。具体的には、突出部320は、隣り合う2つの蓄電素子100が有する隣り合う2つの一層部131aに対応する形状に形成されている。なお、突出部320は、それぞれの一層部131aに個別に対応して形成されていてもよい。
また、突出部320は、拘束部材300が内面側に樹脂部材を有している場合には、当該樹脂部材に形成され、拘束部材300が金属等の1つの部材で形成されている場合には、当該1つの部材の内面に形成されている。また、図6では、X軸方向マイナス側の拘束部材300に2つの突出部320しか図示されていないが、突出部320は、Y軸方向に並ぶ複数の蓄電素子100に対応する数が形成され、また、X軸方向プラス側の拘束部材300にも同様に形成されている。
また、突出部320の突出高さは、特に限定されないが、突出部320が比較的面積の大きい一層部131aに当接できるように、一層部131aと二層部132aとの厚みの差以上の突出高さを有しているのが好ましい。
ここで、拘束部材300は、蓄電素子100の第二壁部111bに対向して配置される対向配置部材の一例である。また、一層部131aと、二層部132aまたは三層部133aとは、第一部と、第一部よりも絶縁シート130同士の積層数が多い第二部との一例である。なお、突出部320は、二層部132aに向けて突出して形成されていてもよく、この場合には、二層部132aと三層部133aとが、第一部と第二部との一例となる。
[5 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100によれば、絶縁シート130は、容器110の第一壁部111aの角部111dを覆い、かつ、絶縁シート130同士の積層数が、第二壁部111bにおいては3層以下であって、第三壁部111cにおいては1層以下である。つまり、蓄電素子100において、絶縁シート130同士の積層数が、表面積が小さい方の第二壁部111bにおいては3層以下であって、表面積が大きい方の第三壁部111cにおいては1層以下である。このように、表面積が小さい方の第二壁部111bで絶縁シート130を重ねているため、蓄電素子100の厚みが厚くなるのを抑制することができる。このため、蓄電素子100の厚み方向における省スペース化を図ることができる。また、蓄電素子100を厚み方向に複数配列して蓄電装置10を構成していることから、当該厚み方向における蓄電装置10の長さが長くなるのを抑制することができるため、蓄電装置10の省スペース化を図ることもできる。
また、蓄電素子100の容器110が膨張した際には、表面積が小さい第二壁部111bの方が、表面積が大きい第三壁部111cよりも変形が小さくなるため、第二壁部111bにおいて絶縁シート130を重ねた方が、絶縁シート130の重なりが剥がれにくい。これにより、絶縁シート130同士を強固に接合する必要がないため、例えば、熱溶着を強固に行うことで厚い部分が生じたり、接着を強固に行うために接着剤を厚く塗布したりする必要がない。したがって、絶縁シート130の重なり部分の厚みが厚くなるのを抑制することができるため、これによっても、省スペース化を図ることができる。
なお、外部部材400が金属製(導電性)の部材で形成されている場合には、容器110の第一壁部111aが当該金属製の部材と接触することになるため、第一壁部111aの角部111dまで絶縁シート130で覆うことで、第一壁部111aと当該金属製の部材との絶縁性を確保することができる。
また、蓄電素子100において、絶縁シート130は、第二壁部111b上に、絶縁シート130同士の積層数が1層と2層以上との境界線であって、第一壁部111aに対して傾斜した境界線(境界線136、137)を有している。ここで、絶縁シート130に傾斜が付いていない場合には、絶縁シート130を折り重ねると、第二壁部111bでは重なりが2層以上となるが、絶縁シート130に傾斜をつける(傾斜した境界線を形成する)ことで、第二壁部111b上に絶縁シート130が1層の箇所をつくることができる。これにより、絶縁シート130の厚みが厚くなるのを抑制し、省スペース化を図ることができる。
また、蓄電素子100において、絶縁シート130は、第二壁部111b上に、絶縁シート130同士の積層数が2層と3層との境界線であって、曲線状の境界線(境界線138)を有している。つまり、絶縁シート130のうちの第二壁部111bと重なる2つの面(第二シート部130b及び第四シート部130d)の間に曲線状の凹部(第一凹部130h)を形成して、絶縁シート130を折り重ねると、第二壁部111bでは2層と3層との境界線が曲線状となる。そして、当該曲線状の凹部を形成することで、当該2つの面の間が、絶縁シート130を切断する際や貼り直す際等に破れにくいため、蓄電素子100を製造する際に、絶縁シート130が損傷するのを抑制することができている。このように、第二壁部111b上の絶縁シート130の重なりが2層と3層との境界線が曲線状であることで、絶縁シート130の損傷を抑制することができている。
また、蓄電素子100において、絶縁シート130と容器110の外面とが接着材料で接着されている。ここで、絶縁シート130を容器110の外面に、例えば熱溶着で貼り付ける場合には、熱溶着部分の厚みが不均一になって厚い部分が生じるおそれがある。また、絶縁シート130を容器110の外面に、熱収縮で貼り付けたりしても、容器110の角部111dにうまく密着できなかったり、しわができたり、絶縁シート130の厚みが不均一になったりすることで、絶縁シート130の厚みが厚くなるおそれがある。このため、絶縁シート130を容器110の外面に接着材料で接着することで、絶縁シート130の厚みが厚くなるのを抑制し、容易に、絶縁シート130を容器110の外面に貼り付けることができる。これにより、省スペース化を図ることができる。
また、蓄電素子100において、絶縁シート130は、容器110の第一壁部111aに対向する蓋体112(第四壁部)の角部111eを露出させた状態で、容器110の外面に配置されている。つまり、蓋体112の角部111eまでは絶縁シート130で覆う必要がないため、角部111e近傍で絶縁シート130の重なりが出ないように、角部111eを露出させている。これにより、蓋体112の角部111e近傍の絶縁シート130の厚みが厚くなるのを抑制し、省スペース化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10によれば、蓄電素子100の第二壁部111bに対向する対向配置部材(拘束部材300)が、絶縁シート130同士の積層数が少ない第一部(一層部131a)に向けて突出する突出部320を有している。つまり、第二壁部111bの第一部は、絶縁シート130同士の重なりが少ないため、厚みが薄くなっており、第二壁部111bに対向して対向配置部材を配置すると、第一部と対向配置部材との間に隙間が生じる。このため、対向配置部材に、第一部に向けて突出する突出部320を形成することで、当該隙間を埋めることができる。これにより、例えば、対向配置部材で蓄電素子100を押さえる場合には、しっかりと押さえることができる。また、対向配置部材で蓄電素子100を押さえる場合に、絶縁シート130同士の積層数が少ない部分を押さえる方が絶縁シート130の厚みの変化が少ないため、第一部に向けて突出部320を突出させて突出部320で第一部を押さえることで、蓄電素子100を精度良く押さえることができる。また、対向配置部材の、第一部に対向する部分の厚みが厚くなるため、第二部(二層部132aまたは三層部133a)に対向する部分の厚みを薄くしても、対向配置部材の強度を確保することができる。これにより、蓄電素子100をしっかりと精度良く押さえつつ、蓄電装置10の省スペース化を図ることができる。
[6 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電素子及び蓄電装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、第一壁部111aは容器110の底面部であり、第二壁部111bは容器110の短側面部であり、第三壁部111cは容器110の長側面部であることとした。しかし、異なる組み合わせでもかまわない。例えば、第一壁部111aは、容器110の短側面部であり、第二壁部111bは容器110の底面部であり、第三壁部111cは容器110の長側面部であることにしてもよく、その他の組み合わせでもよい。
また、上記実施の形態では、絶縁シート130は、容器110の第一壁部111aの全面を覆うように配置されていることとした。しかし、絶縁シート130は、第一壁部111aの一部しか覆っていない構成でもよい。また、同様に、絶縁シート130は、第二壁部111b及び第三壁部111cの一部しか覆っていない構成でもよい。また、絶縁シート130は、蓋体112上には設けられていないことにしてもよい。
また、上記実施の形態では、絶縁シート130は、第一壁部111aの全ての角部111dを覆うように配置されていることとした。しかし、絶縁シート130は、いずれかの角部111dを露出させた状態で配置されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、絶縁シート130は、蓋体112の角部111eを露出させた状態で配置されていることとした。しかし、絶縁シート130は、角部111eも覆うように配置されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、絶縁シート130は、第二壁部111b上に、第一壁部111aに対して傾斜した境界線135~137を有していることとした。しかし、境界線135~137のうちのいずれかは、第一壁部111aに対して平行または垂直な境界線であることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、絶縁シート130は、第二壁部111b上に、曲線状の境界線138を有していることとした。しかし、境界線138は、直線状の境界線であることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、絶縁シート130は、容器110の外面に、接着材料で固定されていることとした。しかし、絶縁シート130は、当該接着材料での固定に加えて、または、当該接着材料での固定に代えて、熱溶着等で固定することにしてもよい。
また、上記実施の形態では、拘束部材300が突出部320を有していることとしたが、拘束部材300は、突出部320を有していない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明は、このような蓄電素子100及び蓄電装置10として実現することができるだけでなく、蓄電素子100が備える絶縁シート130、及び、蓄電装置10が備える対向配置部材(拘束部材300)としても実現することができる。