JP7015452B2 - アルミニウム有機構造体、それを用いた吸着材料、及びそれらの製造方法 - Google Patents
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該Al3+に配位している、下記一般式(1):
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子、並びに、下記一般式(2):
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子と、
からなることを特徴とするものである。
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物と、下記一般式(2):
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物と、を溶媒中で混合し、得られた混合物に加熱処理を施すことを特徴とする方法である。
先ず、本発明のアルミニウム有機構造体について説明する。本発明のアルミニウム有機構造体は、Al3+と、
該Al3+に配位している、下記一般式(1):
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子、並びに、下記一般式(2):
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子と、
からなるものである。前記式(1)で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体(フマル酸系化合物)に由来する第一の配位子と、前記式(2)で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びにそれらのアルカリ金属塩(アスパラギン酸系化合物)に由来する第二の配位子と、を併用してAl3+に配位させることによって、高い水蒸気最大吸着量と低圧側での高い水蒸気取出可能量とを有するアルミニウム有機金属構造体を得ることができる。
本発明のアルミニウム有機構造体において、アルミニウムイオンAl3+は、6個の酸素原子と配位結合しており、八面体構造を形成している。また、本発明のアルミニウム有機構造体においては、このようなアルミニウムイオンAl3+に後述する第一及び第二の配位子が配位することによって、Al3+、COO-、OH-からなる一次元鎖が形成される。第一及び第二の配位子が、巨視的には、この一次元鎖を架橋し、三次元構造体(Al-FA構造を基本骨格とする構造体)を形成している。
本発明のアルミニウム有機構造体においては、前記式(1)で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子と前記式(2)で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子とがアルミニウムイオンAl3+に配位している。具体的には、本発明のアルミニウム有機構造体においては、第一の配位子中の2個のCOO-基のうちの一方のCOO-基中の2個の酸素原子が1個の八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位しており、他方のCOO-基中の2個の酸素原子が異なる八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位している。また、第二の配位子中の2個のCOO-基のうちの一方のCOO-基中の2個の酸素原子が1個の八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位しており、他方のCOO-基中の2個の酸素原子が異なる八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位している。その結果、本発明のアルミニウム有機構造体においては、複数の八面体構造が第一の配位子と第二の配位子とによって結合(架橋)された三次元構造が形成される。
本発明に係るフマル酸系化合物は、前記式(1)で表されるフマル酸(R1がいずれも水素原子)及びフマル酸誘導体(R1の少なくともいずれかが水素原子以外)からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上の混合物であってもよい。
本発明に係るアスパラギン酸系化合物は、前記式(2)で表されるアスパラギン酸(R2及びR3がいずれも水素原子)及びアスパラギン酸誘導体(R2及びR3の少なくともいずれかが水素原子以外)、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上の混合物であってもよい。
次に、本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法について説明する。本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法は、アルミニウム化合物と、下記一般式(1):
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物と、下記一般式(2):
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物と、を溶媒中で混合し、得られた混合物に加熱処理を施す方法である。
本発明に用いられるアルミニウム化合物としてはアルミニウム原子を含有するものであれば特に制限はないが、有機溶媒への溶解性が高いという観点から、アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム)が好ましく、有機溶媒への溶解性、目的とするアルミニウム有機構造体の腐食性、純度、及び収率の観点から、硫酸アルミニウムが特に好ましい。また、これらのアルミニウム化合物は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられるフマル酸系化合物は、前述のとおり、前記式(1)で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フマル酸(FA)が特に好ましい。
本発明に用いられるアスパラギン酸系化合物は、前述のとおり、前記式(2)で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アスパラギン酸、3-ヒドロキシアスパラギン酸、N-メチル-アスパラギン酸、及びアスパラギン酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、D体、L体、又はDL体のアスパラギン酸(AA)であることが特に好ましく、経済性の観点からはL体のアスパラギン酸(AA)であることが好ましい。
本発明のアルミニウム有機構造体は多孔質であり、そのまま吸着材料として使用することも可能であるが、前記アルミニウム有機構造体の細孔内には、製造時に使用した溶媒や未反応の前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物が残存し、結晶構造の欠陥が生じている場合がある。このため、本発明のアルミニウム有機構造体には、このアルミニウム有機構造体に対する貧溶媒中で加熱処理を施すことが好ましい。これにより、細孔内の溶媒や未反応の前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物が除去されるとともに、アルミニウム有機構造体中の結晶構造の欠陥が減少し、本発明のアルミニウム有機構造体からなる吸着特性に優れた吸着材料を得ることができる。
硫酸アルミニウム18水和物を8.00g(12.0mmol)と、フマル酸(FA)を1.25g(10.8mmol)と、L-アスパラギン酸(AA)を0.16g(1.20mmol)と[フマル酸(FA)とアスパラギン酸(AA)との仕込モル比(FA/AA)=90/10]、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)を5mLと、をナスフラスコに入れ、オイルバスの温度を調整して反応液の温度を129~135℃の範囲内に維持しながら3時間撹拌し、白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物をろ過により回収し、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)の粉末を得た。なお、「F90A10」はFA/AA=90:10(仕込モル比)を意味する(以下、同様)。
フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で1.11/0.32、モル比で80/20となるように、フマル酸(FA)及びL-アスパラギン酸(AA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F80A20)からなる吸着材料を得た。
フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で0.97/0.48、モル比で70/30となるように、フマル酸(FA)及びL-アスパラギン酸(AA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F70A30)からなる吸着材料を得た。
N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)5mに代えてイオン交換水17.5mLを用い、撹拌時間を5時間にしたこと以外は実施例1と同様にして、白色沈殿物としてアルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)の粉末を得た。このアルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)をイオン交換水50mLに分散させて、温度を129~135℃の範囲内に維持しながら5分間撹拌して未反応のフマル酸(FA)及びL-アスパラギン酸(AA)を除去し、ろ過により回収して室温で風乾させ、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)からなる吸着材料を得た。
L-アスパラギン酸(AA)を用いず、フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で1.39/0、モル比で100/0となるように、フマル酸(FA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F100A0)からなる吸着材料を得た。
フマル酸(FA)を用いず、フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で0/1.59、モル比で0/100となるように、L-アスパラギン酸(AA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして合成反応を行なったが、アルミニウム有機構造体は得られなかった。
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)の粉末X線回折(PXRD)パターンを、粉末X線回折装置(Rigaku社製「RINT-TTR」)を用い、CuKα線をX線源として室温で測定した。図1には、実施例1及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体のPXRDパターンを示す。図1に示した結果から明らかなように、Al3+にFA由来の配位子とAA由来の配位子とが配位している本発明のアルミニウム有機構造体(実施例1)のPXRDパターンは、FA由来の配位子のみが配位している比較例1で得られたアルミニウム有機構造体(RSC Advances、2014年、4、p.24073-24082(非特許文献1)に記載のアルミニウム有機構造体「μp-AF」に相当するもの)のPXRDパターンと良好に一致したことから、本発明のアルミニウム有機構造体は、Al-MOF-F100A0が有する結晶構造(Al-FA構造)、すなわち、Al3+にフマル酸由来の配位子が配位している結晶構造と同様の骨格を基本骨格として有するものであることが確認された。
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)を2M水酸化ナトリウム重水溶液に溶解して調製した溶液(アルミニウム有機構造体濃度:5質量%)を用いて、室温において、各アルミニウム有機構造体の1H-NMRスペクトルをフーリエ変換核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製「JNM-ECA500」)により測定した。得られた1H-NMRスペクトルに基づいて、FAのCHに由来するピークとAAのCH及びCH2に由来するピークとの強度比から、各アルミニウム有機構造体(吸着材料)におけるFAとAAとの含有比(FA/AA(モル比))を求めた。実施例1~4及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体におけるフマル酸(FA)とアスパラギン酸(AA)との含有比(FA/AA、モル比)の実測値を下記の表2に示す。
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)の窒素吸着等温線を、比表面積・細孔分布測定装置(Quantachrome社製「AUTOSORB-1」)を用い、-196℃で測定した。なお、各アルミニウム有機構造体には前処理として140℃で2時間の真空乾燥を施した。得られた窒素吸着等温線から、各アルミニウム有機構造体のBET比表面積及びミクロ細孔容積を求めた。実施例1~4及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体におけるBET比表面積[m2/g]及びミクロ細孔容積[ml/g]を下記の表2に示す。なお、ミクロ細孔容積は相対圧P/P0=0.2における窒素吸着量に基づいて算出した。
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)の水蒸気吸着等温線を、自動水蒸気吸着量測定装置(マイクロトラックベル株式会社製「BELSORP-18」)を用い、25℃で測定した。なお、各アルミニウム有機構造体には前処理として室温で2時間の真空乾燥を施した。実施例1~3及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体の水蒸気吸着等温線を図2に示す。また、吸着式ヒートポンプの低温化を目的とした場合における水蒸気吸脱着に好適な相対圧力域は約0.17~0.27である。そこで、図2に示した結果に基づいて、相対圧力域0.17~0.27における水蒸気取出可能量を求めた。その結果を下記の表3に示す。
L-アスパラギン酸(AA)に代えてイソフタル酸(IA)を用い、フマル酸(FA)及びイソフタル酸(IA)の仕込み量をフマル酸(FA)とイソフタル酸(IA)との仕込比(FA/IA)がモル比で50/50となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F50I50)からなる吸着材料を得た。なお、「F50I50」はFA:IA=50:50(仕込モル比)を意味する(以下、同様)。
フマル酸(FA)を用いず、フマル酸(FA)とイソフタル酸(IA)との仕込比(FA/IA)がモル比で0/100となるように、イソフタル酸(IA)の仕込量を変更したこと以外は比較例3と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F0I100)からなる吸着材料を得た。
Claims (7)
- Al3+と、
該Al3+に配位している、下記一般式(1):
[式(1)中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子、並びに、下記一般式(2):
[式(2)中、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子と、
からなることを特徴とするアルミニウム有機構造体。 - 第一の配位子と第二の配位子との含有モル比が第一の配位子:第二の配位子=99:1~60:40であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム有機構造体。
- 前記アスパラギン酸系化合物が、アスパラギン酸、3-ヒドロキシアスパラギン酸、N-メチル-アスパラギン酸、及びアスパラギン酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム有機構造体。
- 請求項1~3うちのいずれか一項に記載のアルミニウム有機構造体からなる多孔質体であることを特徴とする吸着材料。
- アルミニウム化合物と、下記一般式(1):
[式(1)中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物と、下記一般式(2):
[式(2)中、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物と、を溶媒中で混合し、得られた混合物に加熱処理を施すことを特徴とするアルミニウム有機構造体の製造方法。 - 前記溶媒が極性溶媒であることを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム有機構造体の製造方法。
- 請求項5又は6に記載の製造方法によりアルミニウム有機構造体を調製し、得られたアルミニウム有機構造体に、該アルミニウム有機構造体に対する貧溶媒中で加熱処理を施すことを特徴とする吸着材料の製造方法。
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| CN104362306A (zh) | 2014-09-19 | 2015-02-18 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种链状双齿二羧酸-金属复合材料及其制备和应用 |
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2018
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Non-Patent Citations (1)
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|---|
| RSC Advances,2014年,Vol. 4,pp. 24073-24082,Electronic Supplementary Information |
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