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JP7015452B2 - アルミニウム有機構造体、それを用いた吸着材料、及びそれらの製造方法 - Google Patents

アルミニウム有機構造体、それを用いた吸着材料、及びそれらの製造方法 Download PDF

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JP7015452B2 JP2018071354A JP2018071354A JP7015452B2 JP 7015452 B2 JP7015452 B2 JP 7015452B2 JP 2018071354 A JP2018071354 A JP 2018071354A JP 2018071354 A JP2018071354 A JP 2018071354A JP 7015452 B2 JP7015452 B2 JP 7015452B2
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Description

本発明は、アルミニウム有機構造体、それを用いた吸着材料、及びそれらの製造方法に関する。
金属有機構造体(MOF:Metal Organic Frameworks)は均一な細孔と非常に大きな比表面積を有する多孔質の構造体であり、近年、炭化水素(HC)等を吸蔵するガス吸蔵材や、二酸化炭素(CO)及びHCの混合ガスからCOを選択的に吸着除去するガス分離材、加湿雰囲気からから水分を選択的に吸着除去する水分離材としての応用が期待されている。
このような金属有機構造体としては、例えば、Al3+にフマル酸(FA)由来の配位子が配位しているアルミニウム有機構造体(例えば、RSC Advances、2014年、4、p.24073-24082(非特許文献1)に記載の「μp-AF」)等が知られている。
RSC Advances、2014年、4、p.24073-24082
しかしながら、Al3+にフマル酸(FA)由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(例えば、非特許文献1に記載の「μp-AF」)は、水蒸気最大吸着量が必ずしも十分なものではなく、また、低い相対圧力域における水蒸気取出可能量も必ずしも十分なものではなかった。さらに、配位子の種類を変更することによって、金属有機構造体の機能を改善したり、新たな機能を付与することが可能であるが、金属有機構造体の基本骨格を変化させずに、機能を改善したり、新たに付与したりすることは容易ではなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、前記μp-AFの基本骨格であるAl-FA構造(Al3+にフマル酸(FA)由来の配位子のみが配位している構造)を基本骨格として有し、高い水蒸気最大吸着量と低圧側での高い水蒸気取出可能量とを有するアルミニウム有機構造体、それを用いた吸着材料、及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、Al-FA構造を基本骨格として有するアルミニウム有機構造体において、配位子としてフマル酸及びその誘導体のうちの少なくとも1種に由来する第一の配位子と、アスパラギン酸及びその誘導体、並びに、それらの塩のうちの少なくとも1種に由来する第二の配位子と、を併用してAl3+に配位させることによって、基本骨格としてAl-FA構造を維持しながら、高い水蒸気最大吸着量と低圧側での高い水蒸気取出可能量とを有するアルミニウム有機構造体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルミニウム有機構造体は、Al3+と、
該Al3+に配位している、下記一般式(1):
Figure 0007015452000001
[式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子、並びに、下記一般式(2):
Figure 0007015452000002
[式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子と、
からなることを特徴とするものである。
このような本発明のアルミニウム有機構造体において、第一の配位子と第二の配位子との含有モル比としては、第一の配位子:第二の配位子=99:1~60:40であることが好ましく、また、前記アスパラギン酸系化合物としては、アスパラギン酸、3-ヒドロキシアスパラギン酸、N-メチル-アスパラギン酸、及びアスパラギン酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の吸着材料は、前記本発明のアルミニウム有機構造体からなる多孔体であることを特徴とするものである。
さらに、本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法は、アルミニウム化合物と、下記一般式(1):
Figure 0007015452000003
[式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物と、下記一般式(2):
Figure 0007015452000004
[式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物と、を溶媒中で混合し、得られた混合物に加熱処理を施すことを特徴とする方法である。
さらに、本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法としては、前記溶媒が極性溶媒であることが好ましい。また、本発明の吸着材料の製造方法は、前記本発明の製造方法によりアルミニウム有機構造体を調製し、得られたアルミニウム有機構造体に、該アルミニウム有機構造体に対する貧溶媒中で加熱処理を施すことを特徴とする方法である。
なお、本発明のアルミニウム有機構造体によって、水蒸気最大吸着量及び低圧側での水蒸気取出可能量が増大する理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のアルミニウム有機構造体は、配位子として、前記式(1)で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体(フマル酸系化合物)に由来する第一の配位子と、前記式(2)で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びにそれらのアルカリ金属塩(アスパラギン酸系化合物)に由来する第二の配位子と、の両者を含むものである。前記アスパラギン酸系化合物は、前記フマル酸系化合物に比べて次式:-NR で表される基を有している分だけ水蒸気と親和性が高いため、このようなアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子で前記フマル酸系化合物に由来する第一の配位子の一部を置換することによって、低圧側での水蒸気取出可能量が増大すると推察される。
本発明によれば、Al-FA構造を基本骨格として有し、高い水蒸気最大吸着量と低圧側での高い水蒸気取出可能量とを有するアルミニウム有機構造体及びそれを用いた吸着材料を得ることが可能となる。
実施例1及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体の粉末X線回折(PXRD)パターンを示すグラフである。 実施例1~3及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体の水蒸気吸着等温線を示すグラフである。 比較例1、3、4で得られたアルミニウム有機構造体の粉末X線回折(PXRD)パターンを示すグラフである。 比較例1、3、4で得られたアルミニウム有機構造体の窒素吸着等温線を示すグラフである。 比較例3で得られたアルミニウム有機構造体の水蒸気吸着等温線を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
<アルミニウム有機構造体>
先ず、本発明のアルミニウム有機構造体について説明する。本発明のアルミニウム有機構造体は、Al3+と、
該Al3+に配位している、下記一般式(1):
Figure 0007015452000005
[式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子、並びに、下記一般式(2):
Figure 0007015452000006
[式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子と、
からなるものである。前記式(1)で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体(フマル酸系化合物)に由来する第一の配位子と、前記式(2)で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びにそれらのアルカリ金属塩(アスパラギン酸系化合物)に由来する第二の配位子と、を併用してAl3+に配位させることによって、高い水蒸気最大吸着量と低圧側での高い水蒸気取出可能量とを有するアルミニウム有機金属構造体を得ることができる。
(アルミニウムイオン)
本発明のアルミニウム有機構造体において、アルミニウムイオンAl3+は、6個の酸素原子と配位結合しており、八面体構造を形成している。また、本発明のアルミニウム有機構造体においては、このようなアルミニウムイオンAl3+に後述する第一及び第二の配位子が配位することによって、Al3+、COO、OHからなる一次元鎖が形成される。第一及び第二の配位子が、巨視的には、この一次元鎖を架橋し、三次元構造体(Al-FA構造を基本骨格とする構造体)を形成している。
(配位子)
本発明のアルミニウム有機構造体においては、前記式(1)で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子と前記式(2)で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子とがアルミニウムイオンAl3+に配位している。具体的には、本発明のアルミニウム有機構造体においては、第一の配位子中の2個のCOO基のうちの一方のCOO基中の2個の酸素原子が1個の八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位しており、他方のCOO基中の2個の酸素原子が異なる八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位している。また、第二の配位子中の2個のCOO基のうちの一方のCOO基中の2個の酸素原子が1個の八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位しており、他方のCOO基中の2個の酸素原子が異なる八面体構造中の隣接する2個のアルミニウムイオンAl3+にそれぞれ配位している。その結果、本発明のアルミニウム有機構造体においては、複数の八面体構造が第一の配位子と第二の配位子とによって結合(架橋)された三次元構造が形成される。
〔フマル酸系化合物〕
本発明に係るフマル酸系化合物は、前記式(1)で表されるフマル酸(Rがいずれも水素原子)及びフマル酸誘導体(Rの少なくともいずれかが水素原子以外)からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上の混合物であってもよい。
前記式(1)において、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。
で示されるアルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数が1~6であることが好ましく、炭素数が1~3であることがより好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基が挙げられ、炭素数1~2であることがさらに好ましい。また、前記アルキル基としては、無置換であっても1以上の置換基で置換されていてもよく、該アルキル基に置換していてもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。このような「置換基を有していてもよいアルキル基」としては、嵩高いとミクロ細孔容積が減少して水蒸気吸着量が減少してしまう傾向にある観点から、嵩が高くないものであることが好ましく、メチル基、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、及びヨウ化メチル基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
で示されるアルコキシ基としては、アルキル基の部分が直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数が1~6であることが好ましく、炭素数が1~3であることがより好ましい。また、前記アルコキシ基としては、無置換であっても1以上の置換基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に置換していてもよい置換基としては、前記Rで示されるアルキル基の置換基として挙げたものが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。このような「置換基を有していてもよいアルコキシ基」としては、メトキシ基及びエトキシ基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中でも、Rとしては、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、水素原子、メチル基、及びメトキシ基からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。中でも、本発明に係るフマル酸系化合物としては、前記式(1)中のRがいずれも水素原子であるフマル酸(FA)であることが特に好ましい。
〔アスパラギン酸系化合物〕
本発明に係るアスパラギン酸系化合物は、前記式(2)で表されるアスパラギン酸(R及びRがいずれも水素原子)及びアスパラギン酸誘導体(R及びRの少なくともいずれかが水素原子以外)、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上の混合物であってもよい。
前記式(2)において、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。
で示される炭素数1~3のアルキル基としては、炭素数が3の場合には分岐鎖状であってもよく、無置換であっても1以上の置換基で置換されていてもよく、該炭素数1~3のアルキル基に置換していてもよい置換基としては、前記Rで示されるアルキル基の置換基として挙げたものが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。このような「置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
で示される炭素数1~3のアルコキシ基としては、炭素数が3の場合にはアルキル基の部分が分岐鎖状であってもよく、無置換であっても1以上の置換基で置換されていてもよく、該炭素数1~3のアルコキシ基に置換していてもよい置換基としては、前記Rで示されるアルキル基の置換基として挙げたものが挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。このような「置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びイソプロポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中でも、Rとしては、それぞれ独立に、水素原子及びヒドロキシ基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、分子の回転運動が起こりやすく、前記フマル酸系化合物と同じ配置で配位(置換配位)しやすいという観点から、嵩の小さいものであることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
また、Rとしては、それぞれ独立に、水素原子及びメチル基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、分子の回転運動が起こりやすく、前記フマル酸系化合物と同じ配置で配位(置換配位)しやすいという観点から、嵩の小さいものであることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
本発明に係るアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体としては、カルボキシイオン(COO基)の対カチオンが、前記式(2)に示すようにプロトン(H)である酸であっても、プロトン以外の対カチオンである塩であってもよい。このような対カチオンがプロトン以外である塩としては、アルカリ金属塩であることが必要である。前記アルカリ金属塩を形成する対カチオンとしては、K、Na等が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。これらの中でも、水中で電解してイオンになり易いイオン化の観点からは、Kであることが好ましい。
このようなアスパラギン酸系化合物としては、アスパラギン酸、3-ヒドロキシアスパラギン酸、N-メチル-アスパラギン酸、及びアスパラギン酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、L体であってもD体であってもよい。このようなアスパラギン酸系化合物としては、例えば、DL-アスパラギン酸(下記式(2-1))、3-ヒドロキシアスパラギン酸(下記式(2-2))、N-メチル-D-アスパラギン酸(下記式(2-3))、L-アスパラギン酸カリウム(下記式(2-4))、L-アスパラギン酸(下記式(2-5))、及びD-アスパラギン酸(下記式(2-6))が挙げられる。これらの中でも、水蒸気最大吸着量及び低圧側での水蒸気取出可能量がより増大するという観点から、D体、L体、又はDL体のアスパラギン酸(AA)であることが特に好ましく、経済性の観点からはL体のアスパラギン酸(AA)であることが好ましい。
Figure 0007015452000007
本発明のアルミニウム有機構造体において、第一の配位子と第二の配位子との含有モル比としては、第一の配位子:第二の配位子で、99:1~60:40が好ましく、99:1~70:30がより好ましく、99:1~80:20がさらに好ましい。第二の配位子の割合が前記下限未満になる(すなわち、第一の配位子の割合が前記上限を超える)、或いは、前記上限を超える(すなわち、第一の配位子の割合が前記下限未満になる)と、水蒸気最大吸着量及び低圧側での水蒸気取出可能量の増加割合が小さくなる傾向にある。
<アルミニウム有機構造体の製造方法>
次に、本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法について説明する。本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法は、アルミニウム化合物と、下記一般式(1):
Figure 0007015452000008
[式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物と、下記一般式(2):
Figure 0007015452000009
[式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物と、を溶媒中で混合し、得られた混合物に加熱処理を施す方法である。
〔アルミニウム化合物〕
本発明に用いられるアルミニウム化合物としてはアルミニウム原子を含有するものであれば特に制限はないが、有機溶媒への溶解性が高いという観点から、アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム)が好ましく、有機溶媒への溶解性、目的とするアルミニウム有機構造体の腐食性、純度、及び収率の観点から、硫酸アルミニウムが特に好ましい。また、これらのアルミニウム化合物は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
〔フマル酸系化合物〕
本発明に用いられるフマル酸系化合物は、前述のとおり、前記式(1)で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フマル酸(FA)が特に好ましい。
〔アスパラギン酸系化合物〕
本発明に用いられるアスパラギン酸系化合物は、前述のとおり、前記式(2)で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される化合物であり、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アスパラギン酸、3-ヒドロキシアスパラギン酸、N-メチル-アスパラギン酸、及びアスパラギン酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、D体、L体、又はDL体のアスパラギン酸(AA)であることが特に好ましく、経済性の観点からはL体のアスパラギン酸(AA)であることが好ましい。
本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法においては、先ず、前記アルミニウム化合物と、前記フマル酸系化合物と、前記アスパラギン酸系化合物と、を溶媒中で混合する。このとき、前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物の割合は、これらの合計量100mol%に対して、それぞれ99~60mol%及び1~40mol%(フマル酸系化合物/アスパラギン酸系化合物=99/1~60/40)とすることが好ましく、それぞれ90~70mol%及び10~30mol%(フマル酸系化合物/アスパラギン酸系化合物=90/10~70/30)とすることがより好ましい。前記フマル酸系化合物の割合が前記下限未満になる(すなわち、前記アスパラギン酸系化合物の割合が前記上限を超える)と、第二の配位子の割合が少なく(すなわち、第一の配位子の割合が多く)なり、得られるアルミニウム有機構造体における水蒸気最大吸着量及び低圧側での水蒸気取出可能量の増加割合が小さくなる傾向にある。他方、前記フマル酸系化合物の割合が前記上限を超える(すなわち、前記アスパラギン酸系化合物の割合が前記下限未満になる)と、第二の配位子の割合が多く(すなわち、第一の配位子の割合が少なく)なり、Al-FA骨格の剛直性が低下したり、得られるアルミニウム有機構造体における水蒸気最大吸着量及び低圧側での水蒸気取出可能量の増加割合が小さくなる傾向にある。
また、本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法において、前記溶媒中で混合するときの前記アルミニウム化合物と、前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物との割合としては、前記アルミニウム化合物をAl3+換算で1molに対して、前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物の合計を、0.5~2.0molとすることが好ましく、0.8~1.4molとすることがより好ましい。前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物の合計が前記範囲を外れると、未反応の配位子の量が増加する傾向にある。
また、前記溶媒としては、前記アルミニウム化合物、前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物を溶解できるものであれば特に制限はないが、極性溶媒であることが好ましい。前記極性溶媒としては、水(イオン交換水、精製水、滅菌水等)、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’-ジエチルホルムアミド(DEF)等が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。本発明のアルミニウム有機構造体の製造方法においては、前記溶媒として水を用いても有機溶媒を用いたときと同様に本発明のアルミニウム有機構造体を得ることができる。
次に、このようにして得られた混合物に加熱処理を施し、必要に応じて洗浄処理及び乾燥処理を施すことによって、前記本発明のアルミニウム有機構造体を得ることができる。前記加熱処理における温度としては、90~150℃が好ましい。加熱温度が90℃未満になると、製造に要する時間が長くなる(5日を超過する)傾向にあり、他方、前記上限を超えると、有機溶媒を使用した場合に還流設備が必要となり、製造コストが高くなる傾向にある。また、アルミニウム有機構造体を比較的短時間(5時間以内)かつ高収率で製造できるという観点から、110~145℃がより好ましく、120~135℃が特に好ましい。さらに、加熱処理時に撹拌することによって、目的とするアルミニウム有機構造体を量産することができる。
<吸着材料及びその製造方法>
本発明のアルミニウム有機構造体は多孔質であり、そのまま吸着材料として使用することも可能であるが、前記アルミニウム有機構造体の細孔内には、製造時に使用した溶媒や未反応の前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物が残存し、結晶構造の欠陥が生じている場合がある。このため、本発明のアルミニウム有機構造体には、このアルミニウム有機構造体に対する貧溶媒中で加熱処理を施すことが好ましい。これにより、細孔内の溶媒や未反応の前記フマル酸系化合物及び前記アスパラギン酸系化合物が除去されるとともに、アルミニウム有機構造体中の結晶構造の欠陥が減少し、本発明のアルミニウム有機構造体からなる吸着特性に優れた吸着材料を得ることができる。
前記貧溶媒としては、前記本発明のアルミニウム有機構造体が溶解しにくい溶媒(難溶性溶媒)、好ましくは溶解しない溶媒(不溶性溶媒)であれば特に制限はないが、例えば、水、アセトニトリル、ヘキサン、エタノールが挙げられる。これらの貧溶媒は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらの貧溶媒のうち、前記本発明のアルミニウム有機構造体が、水蒸気を可逆的に脱吸着することができ、かつ、耐水性に優れており、さらに、安全性と作業性の観点から、水が好ましい。
このような貧溶媒中での加熱温度としては、30~80℃が好ましく、50~80℃がより好ましい。加熱温度が前記下限未満になると、結晶構造の欠陥が減少せず、吸着材料の吸着特性が向上しにくい傾向にあり、他方、加熱温度が前記上限を超えると、加水分解の可能性があり、結晶が崩壊する場合がある。
このような本発明の吸着材料は、低圧側で高い水蒸気取出可能量を有するものである。例えば、吸着式ヒートポンプの低温化を目的とした場合の水蒸気吸脱着に好適な相対圧力域であるP/P=0.17~0.27における水蒸気取出可能量が0.05g/g以上となる傾向にある。また、このような相対圧力域P/P=0.17~0.27における水蒸気取出可能量としては0.10g/g以上がより好ましく、0.15g/g以上が特に好ましい。これにより、吸着材料の量を低減することができ、本発明の吸着材料は、例えば、吸着式ヒートポンプの吸着材料として車載する場合に有利である。なお、前記水蒸気取出可能量は水蒸気吸着等温線の吸着枝から算出されるものである。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
硫酸アルミニウム18水和物を8.00g(12.0mmol)と、フマル酸(FA)を1.25g(10.8mmol)と、L-アスパラギン酸(AA)を0.16g(1.20mmol)と[フマル酸(FA)とアスパラギン酸(AA)との仕込モル比(FA/AA)=90/10]、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)を5mLと、をナスフラスコに入れ、オイルバスの温度を調整して反応液の温度を129~135℃の範囲内に維持しながら3時間撹拌し、白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物をろ過により回収し、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)の粉末を得た。なお、「F90A10」はFA/AA=90:10(仕込モル比)を意味する(以下、同様)。
このアルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)をイオン交換水1600mLに分散させ、80℃で約2時間撹拌して細孔内のDMFを除去し、ろ過により回収して室温で風乾させ、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)からなる白色粉末状の吸着材料を得た。
(実施例2)
フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で1.11/0.32、モル比で80/20となるように、フマル酸(FA)及びL-アスパラギン酸(AA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F80A20)からなる吸着材料を得た。
(実施例3)
フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で0.97/0.48、モル比で70/30となるように、フマル酸(FA)及びL-アスパラギン酸(AA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F70A30)からなる吸着材料を得た。
(実施例4)
N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)5mに代えてイオン交換水17.5mLを用い、撹拌時間を5時間にしたこと以外は実施例1と同様にして、白色沈殿物としてアルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)の粉末を得た。このアルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)をイオン交換水50mLに分散させて、温度を129~135℃の範囲内に維持しながら5分間撹拌して未反応のフマル酸(FA)及びL-アスパラギン酸(AA)を除去し、ろ過により回収して室温で風乾させ、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F90A10)からなる吸着材料を得た。
(比較例1)
L-アスパラギン酸(AA)を用いず、フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で1.39/0、モル比で100/0となるように、フマル酸(FA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F100A0)からなる吸着材料を得た。
(比較例2)
フマル酸(FA)を用いず、フマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA)が質量(g)比で0/1.59、モル比で0/100となるように、L-アスパラギン酸(AA)の仕込量を変更したこと以外は実施例1と同様にして合成反応を行なったが、アルミニウム有機構造体は得られなかった。
実施例1~4及び比較例1~2におけるフマル酸(FA)とL-アスパラギン酸(AA)との仕込比(FA/AA、質量比及びモル比)、並びに、用いた溶媒を下記の表1に示す。
Figure 0007015452000010
<粉末X線回折測定>
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)の粉末X線回折(PXRD)パターンを、粉末X線回折装置(Rigaku社製「RINT-TTR」)を用い、CuKα線をX線源として室温で測定した。図1には、実施例1及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体のPXRDパターンを示す。図1に示した結果から明らかなように、Al3+にFA由来の配位子とAA由来の配位子とが配位している本発明のアルミニウム有機構造体(実施例1)のPXRDパターンは、FA由来の配位子のみが配位している比較例1で得られたアルミニウム有機構造体(RSC Advances、2014年、4、p.24073-24082(非特許文献1)に記載のアルミニウム有機構造体「μp-AF」に相当するもの)のPXRDパターンと良好に一致したことから、本発明のアルミニウム有機構造体は、Al-MOF-F100A0が有する結晶構造(Al-FA構造)、すなわち、Al3+にフマル酸由来の配位子が配位している結晶構造と同様の骨格を基本骨格として有するものであることが確認された。
H-NMR分析>
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)を2M水酸化ナトリウム重水溶液に溶解して調製した溶液(アルミニウム有機構造体濃度:5質量%)を用いて、室温において、各アルミニウム有機構造体のH-NMRスペクトルをフーリエ変換核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製「JNM-ECA500」)により測定した。得られたH-NMRスペクトルに基づいて、FAのCHに由来するピークとAAのCH及びCHに由来するピークとの強度比から、各アルミニウム有機構造体(吸着材料)におけるFAとAAとの含有比(FA/AA(モル比))を求めた。実施例1~4及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体におけるフマル酸(FA)とアスパラギン酸(AA)との含有比(FA/AA、モル比)の実測値を下記の表2に示す。
<比表面積及び細孔容積の測定>
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)の窒素吸着等温線を、比表面積・細孔分布測定装置(Quantachrome社製「AUTOSORB-1」)を用い、-196℃で測定した。なお、各アルミニウム有機構造体には前処理として140℃で2時間の真空乾燥を施した。得られた窒素吸着等温線から、各アルミニウム有機構造体のBET比表面積及びミクロ細孔容積を求めた。実施例1~4及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体におけるBET比表面積[m/g]及びミクロ細孔容積[ml/g]を下記の表2に示す。なお、ミクロ細孔容積は相対圧P/P=0.2における窒素吸着量に基づいて算出した。
Figure 0007015452000011
表2に示した実測値から明らかなように、各アルミニウム有機構造体において、FAとAAとの含有比(FA/AA、モル比)におけるAAの割合は、仕込比(FA/AA、モル比)におけるAAの割合に対して10~30%であった。
また、表2に示した結果から明らかなように、Al3+にFA由来の配位子とAA由来の配位子とが配位している本発明のアルミニウム有機構造体(実施例1~4)は多孔構造を有していることが確認された。さらに、FA由来の配位子のみが配位している比較例1で得られたアルミニウム有機構造体Al-MOF-F100A0よりも小さいBET比表面積及びミクロ細孔容積を有しており、AAの含有割合が0~5mol%の範囲では、AAの割合の増加とともに、BET比表面積及びミクロ細孔容積は比例的に減少することがわかった。これは、FAの一部をNH基を有するAAで置換したため、MOF骨格の重量増加と細孔容積の減少に繋がったことによると考えられる。
<水蒸気吸着量測定>
得られた各アルミニウム有機構造体(吸着材料)の水蒸気吸着等温線を、自動水蒸気吸着量測定装置(マイクロトラックベル株式会社製「BELSORP-18」)を用い、25℃で測定した。なお、各アルミニウム有機構造体には前処理として室温で2時間の真空乾燥を施した。実施例1~3及び比較例1で得られたアルミニウム有機構造体の水蒸気吸着等温線を図2に示す。また、吸着式ヒートポンプの低温化を目的とした場合における水蒸気吸脱着に好適な相対圧力域は約0.17~0.27である。そこで、図2に示した結果に基づいて、相対圧力域0.17~0.27における水蒸気取出可能量を求めた。その結果を下記の表3に示す。
Figure 0007015452000012
図2に示した結果から明らかなように、Al3+にFA由来の配位子とAA由来の配位子とが配位している本発明のアルミニウム有機構造体(実施例1~3)の水蒸気吸着等温泉は、FA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(比較例1)に比べて低相対圧側にシフトすることが確認された。これは、FAの一部を水蒸気と親和性が高い窒素原子を有するAAで置換したためと考えられる。
また、表3に示した結果から明らかなように、Al3+にFA由来の配位子とAA由来の配位子とが配位している本発明のアルミニウム有機構造体(実施例1~3)は、FA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(比較例1)に比べて、相対圧力域0.17~0.27における水蒸気取出可能量が多く、特に、FA由来の配位子とAA由来の配位子とがFA/AA=97/3~95/5の含有モル比で配位している本発明のアルミニウム有機構造体(実施例1~3)は、FA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(比較例1)に比べて、相対圧力域0.17~0.27における水蒸気取出可能量が最大で約67%増大することがわかった。
(比較例3)
L-アスパラギン酸(AA)に代えてイソフタル酸(IA)を用い、フマル酸(FA)及びイソフタル酸(IA)の仕込み量をフマル酸(FA)とイソフタル酸(IA)との仕込比(FA/IA)がモル比で50/50となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F50I50)からなる吸着材料を得た。なお、「F50I50」はFA:IA=50:50(仕込モル比)を意味する(以下、同様)。
(比較例4)
フマル酸(FA)を用いず、フマル酸(FA)とイソフタル酸(IA)との仕込比(FA/IA)がモル比で0/100となるように、イソフタル酸(IA)の仕込量を変更したこと以外は比較例3と同様にして、アルミニウム有機構造体(Al-MOF-F0I100)からなる吸着材料を得た。
図3には、比較例1、3、4で得られたアルミニウム有機構造体について上記の粉末X線回折測定を実施して得られたPXRDパターンを示す。また、図4には、比較例1、3、4で得られたアルミニウム有機構造体について上記の比表面積及び細孔容積の測定を実施して得られた窒素吸着等温線を示す。さらに、図5には、比較例3で得られたアルミニウム有機構造体について上記の水蒸気吸着量測定を実施して得られた水蒸気吸着等温線を示す。
図3に示した結果から明らかなように、比較例3で得られたアルミニウム有機構造体のPXRDパターンは、FA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(比較例1)のPXRDパターンにおけるピークとIA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(比較例4)のPXRDパターンにおけるピークとの両者を含んでいることがわかった。
また、図4に示した結果から明らかなように、比較例3で得られたアルミニウム有機構造体の窒素吸着等温線は、FA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(比較例1)の窒素吸着等温線とIA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体(比較例4)の窒素吸着等温線との間の中間的なものであることがわかった。
以上の結果(PXRDパターン及び窒素吸着等温線)から、比較例3で得られたアルミニウム有機構造体は、Al3+にFA由来の配位子とIA由来の配位子とが配位しているものではなく、Al3+にFA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体とAl3+にIA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体との物理的な混合物であることがわかった。したがって、Al3+にFA由来の第一の配位子と他の第二の配位子とが配位しているアルミニウム有機構造体において、第二の配位子としては、主鎖の炭素数が4の配位子が好ましいことがわかった。
さらに、図5に示した結果から明らかなように、比較例3で得られたアルミニウム有機構造体の水蒸気吸着等温線は、相対圧P/Pに対する水蒸気吸着量の立上りが2段階であることがわかった。これは、上述したように、比較例3で得られたアルミニウム有機構造体が、Al3+にFA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体とAl3+にIA由来の配位子のみが配位しているアルミニウム有機構造体との物理的な混合物であることによるものと考えられる。また、このような物理的な混合物であるアルミニウム有機構造体(比較例3)は、Al3+にFA由来の配位子とAA由来の配位子とが配位している本発明のアルミニウム有機構造体(実施例1~3)に比べて、吸着式ヒートポンプの低温化を目的とした場合の水蒸気吸脱着に好適な相対圧力域である約0.17~0.27の範囲内における水蒸気取出可能量が少ないことがわかった。したがって、水蒸気取出可能量の観点からも、Al3+にFA由来の第一の配位子と他の第二の配位子とが配位しているアルミニウム有機構造体において、第二の配位子としては、主鎖の炭素数が4の配位子が好ましいことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、Al-FA構造を基本骨格として有し、高い水蒸気最大吸着量と低圧側での高い水蒸気取出可能量とを有するアルミニウム有機構造体及びそれを用いた吸着材料を得ることが可能となる。したがって、本発明のアルミニウム有機構造体及び吸着材料は、吸着式ヒートポンプ等に用いられる吸着材として有用である。

Claims (7)

  1. Al3+と、
    該Al3+に配位している、下記一般式(1):
    Figure 0007015452000013
    [式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
    で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物に由来する第一の配位子、並びに、下記一般式(2):
    Figure 0007015452000014
    [式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
    で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物に由来する第二の配位子と、
    からなることを特徴とするアルミニウム有機構造体。
  2. 第一の配位子と第二の配位子との含有モル比が第一の配位子:第二の配位子=99:1~60:40であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム有機構造体。
  3. 前記アスパラギン酸系化合物が、アスパラギン酸、3-ヒドロキシアスパラギン酸、N-メチル-アスパラギン酸、及びアスパラギン酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム有機構造体。
  4. 請求項1~3うちのいずれか一項に記載のアルミニウム有機構造体からなる多孔質体であることを特徴とする吸着材料。
  5. アルミニウム化合物と、下記一般式(1):
    Figure 0007015452000015
    [式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
    で表されるフマル酸及びフマル酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種のフマル酸系化合物と、下記一般式(2):
    Figure 0007015452000016
    [式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~3のアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシ基、又は炭素数1~3のアルコキシ基を示す。]
    で表されるアスパラギン酸及びアスパラギン酸誘導体、並びに、それらのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種のアスパラギン酸系化合物と、を溶媒中で混合し、得られた混合物に加熱処理を施すことを特徴とするアルミニウム有機構造体の製造方法。
  6. 前記溶媒が極性溶媒であることを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム有機構造体の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の製造方法によりアルミニウム有機構造体を調製し、得られたアルミニウム有機構造体に、該アルミニウム有機構造体に対する貧溶媒中で加熱処理を施すことを特徴とする吸着材料の製造方法。
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