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JP7046401B1 - 敏感肌の遺伝的素因の判定方法 - Google Patents

敏感肌の遺伝的素因の判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】個人の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を正確かつ簡便に判定する手段を提供すること。【解決手段】被験者から採取したDNA含有試料について、rs77016918で特定される一塩基多型(SNP)、又は該SNPと連鎖不平衡の関係にあるSNPのアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が、化粧品に対する敏感肌になり易いと判定する工程を含む、化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を判定する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、敏感肌の遺伝的素因の判定方法に関する。より詳しくは、化粧品に対する敏感肌に関連する一塩基多型(SNP)を検出することによる、化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の判定方法、及び該方法に用いるキットに関する。
敏感肌とは、紫外線や化粧品、ハウスダスト等、多くの人が刺激にならない物質に対して肌トラブルを起こしやすい肌のことを言う。具体的には、敏感肌の人は、入浴後、洗顔後、化粧品使用時等において、肌がチクチクする、ヒリヒリする、つっぱる、かゆくなる等の軽微な症状を伴う肌トラブルが現れる。敏感肌に明確な定義はないが、「普段から化粧品や紫外線、外気等で皮膚トラブルを起こしやすく、多くの人では反応しない物質に対して特異的に反応する、アレルギー性物質や刺激性物質に体質的に過敏な肌」が敏感肌と認識されている(非特許文献1)。
これまでに、敏感肌の評価方法としては、角層細胞間脂質におけるオルソロンビック構造の存在比率を指標とした敏感肌の評価方法(特許文献1)、角層細胞の配列規則性を指標とした敏感肌の評価方法(特許文献2)、MMP1遺伝子、ASIP遺伝子、Filaggrin遺伝子、及びSPINK5遺伝子の遺伝子型を指標とした敏感肌のリスクの評価方法(特許文献3)等が知られている。しかしながら、特許文献1、2は現在の肌状態を評価するものであるため、被験者が本来的に有している敏感肌のなり易さを評価するものではない。また、特許文献3は、特定の遺伝子の遺伝型により敏感肌のリスクを予測するものであるが、乾燥から生じるトラブル肌を敏感肌と定義しており、乾燥以外の要因による敏感肌を評価することができなかった。
敏感肌の予防、改善策を講じるには、いずれの要因に起因するタイプの敏感肌であるかを判定することが重要であるが、その中でも化粧品に対する敏感肌を予測できる一塩基多型(SNP)の探索は行われていない。
特開2017-161328号公報 特開2010-194267号公報 特開2013-226096号公報
Fragrance Journal,22, 25-34, 1994
本発明の課題は、個人の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を正確かつ簡便に判定する手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、rs77016918及びそれと連鎖不平衡の関係にあるSNPが化粧品に対する敏感肌のなり易さを特異的に予測できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1] 被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)又は(a2)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が化粧品に対する敏感肌になり易いと判定する工程を含む、化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を判定する方法。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)
(a2) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)と連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNP
[2] 前記(a2)の配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)と連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPが、配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs60969883で特定されるSNP)、又は配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs9799057で特定されるSNP)である、[1]に記載の方法。
[3] [1]又は[2]に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の程度に応じた化粧品に対する敏感肌の予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
[4] 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)、若しくは該SNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPを含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)、若しくは該SNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPを含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を判定するためのキット。
本発明の方法によれば、被験者の生体試料に存在するゲノム由来のDNAに含まれる一塩基多型(SNP)のアレルを検出することにより、該被験者における化粧品に対する敏感肌のなり易さを正確かつ簡便に判定することができる。よって、この判定結果に基づき、化粧品に対する敏感肌の予防や改善のための対策を早期に講じることができる。
1.化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の判定方法
本発明の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の判定方法は、個人の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因と関連する特定の一塩基多型(SNP)又は当該SNPと連鎖不平衡にあるSNPを用いて、化粧品に対する敏感肌になり易いかを予測するものである。本発明において、「化粧品に対する敏感肌」とは、慢性的又は一時的に、外用剤の特定成分(例えば、界面活性剤、防腐剤、香料等)に対して過敏に反応し、容易に肌トラブルが起こる肌をいう。肌トラブルには、限定はされないが、チクチクする、ヒリヒリする、つっぱる、かゆくなる、かぶれる、カサカサする等の症状をいう。
上記の「連鎖不平衡」とは、2つの対立遺伝子がそれぞれ独立に遺伝する場合よりも大きな頻度で互いに連鎖して遺伝することをいう。このような連鎖不平衡を示す一群の対立遺伝子のことをハプロタイプと称する。本発明では、連鎖不平衡係数r2が0.8以上、好ましくは0.9以上、より好ましくは0.95以上、最も好ましくは1であるSNPを用いることができる。特定のSNPと連鎖不平衡にあるSNPは、例えば、Ensembl Genome Browser(https://asia.ensembl.org/index.html)やHapMapデータベース(http://www.hapmap.org/index.html.ja)等を用いて同定することができる。あるいは、複数人(通常は20~40人程度)から採取したDNAをシークエンサーにて配列解析し、連鎖不平衡にあるSNPを探索することにより同定することもできる。
本発明の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の判定方法は、被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)又は(a2)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が化粧品に対する敏感肌になり易いと判定する工程を含む。
(a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)
(a2) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)と連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNP
上記(a2)のrs77016918で特定されるSNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPとしては、rs60969883、rs9799057等で特定されるSNPが挙げられる。
上記の化粧品に対する敏感肌のなり易さと関連するSNP、及び該SNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPを含む塩基配列([]内はSNPを表す)を表1に示す。
Figure 0007046401000001
後述の実施例の結果に示すように、上記rs77016918、rs60969883、rs9799057のSNPは、化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因と統計学的に関連が証明されたものである。上記のSNPは1種でも化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の判定が可能であるが、2種以上を組み合わせることにより判定精度を高めること、また、判定の種類のパターンを増やすことができる。
一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP、以下、「SNP」と記載する場合がある)とは、一般的には、遺伝子の塩基配列が1箇所だけ異なる状態及びその部位をいう。また、多型とは、一般的には、母集団中1%以上の頻度で存在する2以上の対立遺伝子(アレル)をいう。本発明における「SNP」は、当業者が自由に利用可能な公開されたデータベースである米国国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information :NCBI)のSNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)に登録されたSNPであって、そのリファレンス番号であるrs番号により特定できる。
本明細書において「アレル」とは、あるSNP部位において取りうる、互いに異なる塩基を有するそれぞれの型をいう。また、本明細書において「遺伝型」とは、あるSNP部位において、対立するアレルの組み合わせをいう。あるSNP部位において、前記組み合わせである遺伝型には3つの型があり、同じアレルの組み合わせをホモ型とよび、異なるアレルの組み合わせをヘテロ型という。例えば、rs77016918で特定されるSNPにおいて対立するアレルの組み合わせである遺伝型には、A/A型、A/C型、C/C型の3つの型が存在する。
本発明の判定方法において、「一塩基多型(SNP)のアレルを検出する」とは、そのSNPのアレルの塩基の種類を同定することを意味し、「一塩基多型(SNP)のアレルを検出する」の態様には、当該SNPの一方のアレルを検出すること、当該SNPの両方のアレルを検出すること、当該SNPの遺伝型を同定することを含むものとする。
本発明の判定方法においては、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が、化粧品に対する敏感肌になり易い遺伝的素因を有すると判定する。例えば、rs77016918又はrs77016918と連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPであるrs60969883、rs9799057において、下記表2に示すリスクアレルが、少なくとも一方のアレルにおいて検出されれば、該リスクアレルが検出されない場合と比較して、化粧品に対する敏感肌になり易いと判定できる。
例えば、rs77016918で特定されるSNPの場合は、その遺伝型がC/C型であることが、A/C型又はA/A型である場合よりも化粧品に対する敏感肌になり易いことを示し、その遺伝型がA/C型であることが、A/A型である場合よりも化粧品に対する敏感肌になり易いことを示す。すなわち、C/C型、A/C型、A/A型の順で、化粧品に対する敏感肌のなり易さが高いことを示す。
Figure 0007046401000002
本発明の判定方法において、被験者の人種は、特に限定はされないが、好ましくは東アジア人、より好ましくは日本人である。ここで、東アジア人とは、日本、朝鮮、中国、台湾及びモンゴルの人々のいずれかを起源に持つ人をいう。
本発明の判定方法において用いるDNA含有試料としては、被験者より採取されたDNAを含有する生体試料であれば、特に限定されない。DNA含有試料に含まれるDNAは、ゲノムDNAであることが好ましいが、検出するSNPが、プロモーター等の非転写領域や、イントロン等のRNAスプライシングにより除かれる領域以外の、mRNA中に存在する領域に位置するSNPである場合には、ゲノムDNAの代わりにmRNAやtotal RNAを含む生体試料を使用してもよい。DNA含有試料としては、例えば、ゲノムDNAを採取可能な任意の体液、分泌液、組織、細胞、組織や細胞の培養物等を使用することができ、具体的には、被験者の唾液、血液、尿、喀痰、咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液、口腔(内頬)粘膜ぬぐい液、涙腺分泌液、汗、毛髪、爪、皮膚、粘膜、皮膚付着後に剥がしたテープストリップ等が挙げられるが、容易性及び低侵襲性の点から、唾液が好ましい。当該試料は、一般的な臨床検査で行われている方法に従って採取し、公知の抽出方法、精製方法を用いて調製することができる。その際、市販のゲノムDNA抽出キットを使用することができる。
SNPの検出及びSNPの型の判定(SNPタイピング)の方法は、特に制限されず、例えばアレル特異的プライマー(及びプローブ)を用い、PCR法等により増幅し、増幅産物の多型を蛍光又は発光によって検出する方法等、公知の方法により行うことができる。例えば、PCR-RFLP (restriction fragment length polymorphism)法、PCR-SSCP(single-strand conformation polymorphism)法、PCR-SSO (sequence specific oligonucleotide)法、ダイレクトシークエンス(direct sequencing)法、ASO(Allele Specific Oligonucleotide)ハイブリダイゼーション法、ASP-PCR(Allele Specific Primer-PCR)法、Snapshot法、ARMS(Amplification Refracting Mutation System)法、TaqMan PCR法、インベーダー法、MALDI-TOF/MS法、RNase A切断法、DOL(Dye-labeled Oligonucleotide Ligation)法、TDI(Template-directed Dye-terminator Incorporation)等が挙げられる。上記方法はいずれも当業者に周知の方法であり、また、SNPの型の判定のための試薬やキットも市販されており、例えば、TaqMan SNP Genotyping Assays (Thermo Fisher Scientific社製)等を用いることができる。
上記の判定方法により得られた結果は、被験者が化粧品に対する敏感肌の予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を選択する上で有用な指標となり、例えば、化粧品に対する敏感肌になり易い遺伝的素因を有すると判定された被験者に対して、化粧品に対する敏感肌を予防及び/又は改善する対策を推奨できる。よって、本発明の別の側面によれば、上記の判定方法により得られた結果に基づいて、被験者の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の程度に応じた化粧品に対する敏感肌の予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法もまた提供される。個人の敏感肌のなり易さを知っておくことで、刺激を与えやすい成分(例えば、アルコール、合成香料、合成着色料、防腐剤、石油系界面活性剤等)を配合しないか、あるいは配合量を低減した化粧料及び/又は飲食品の選択、あるいは、敏感肌に有効とされる保湿作用、抗炎症作用、皮脂分泌作用、抗酸化作用等を有する成分を配合した化粧料及び/又は飲食品を積極的にとり入れることにより、化粧品に対する敏感肌を効率的に予防及び/又は改善することができる。
2.化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の判定用キット
上記のSNPの検出及びタイピング方法では、各方法に応じたプローブやプライマーが使用される。このようなプローブやプライマーもまた本発明の範囲に包含され、キットとして提供できる。
プローブとしては、上記のSNP部位を含み、ハイブリダイズの有無によってSNP部位の塩基の種類を判別できるプローブが挙げられる。具体的には、配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)、又は該SNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPを含む10塩基以上の配列、好ましくは15塩基以上の配列又はその相補配列を有するプローブが挙げられる。プローブの長さは好ましくは15~40塩基、より好ましくは20~35塩基である。また、プローブは、適当な標識物質で標識されていてもよく、標識物質としては、例えば、酵素(ペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、蛍光物質(FITC、RITC、Cy3、Cy5等)、発光物質(ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニン等)、放射性同位元素(3H、14C、32P、125I、131I等)、ビオチン、ジゴキシゲニン、タグ配列を含むポリペプチド等が挙げられる。あるいは、蛍光物質の近傍に該蛍光物質の発する蛍光エネルギーを吸収するクエンチャー(消光物質)がさらに結合されていてもよい。
また、プローブは固相に固定されていてもよい(DNAアレイ)。DNAアレイは、同一平面上に配置した多数のプローブに対してサンプルDNAをハイブリダイズさせ、当該平面をスキャンすることによって、各プローブに対するハイブリダイズを同時に検出することが可能である。よって、多数のSNP部位を同時に解析するには、DNAアレイは有用である。アレイに搭載するプローブとなるオリゴヌクレオチドは、通常in situで合成される。例えば、リソグラフィー方式(Thermo Fisher Scientific社)、インクジェット方式(Agilent社)、ビーズアレイ方式(Illumina社)等によるオリゴヌクレオチドのin situ合成法が知られている。
また、プライマーとしては、上記SNP部位を増幅するためのPCRに用いることのできるプライマー、又は上記SNP部位を配列解析(シークエンシング)するために用いることのできるプライマーが挙げられる。具体的には、配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)、又は該SNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPを含む領域を増幅したり、シークエンシングしたりすることのできるプライマーが挙げられる。上記SNP部位を増幅するためのPCRに用いることのできるプライマーは、該SNP部位を含む領域のDNAを鋳型として、該SNP部位に向かって相補鎖合成を開始することができるオリゴヌクレオチドであればよく、このようなプライマーの長さは10~30塩基が好ましく、15~25塩基がより好ましい。プライマーは、SNP部位の上流又は下流の位置に設定することができる。
当業者であれば、SNP部位を含む周辺DNA領域の塩基配列情報を基に、解析手法に応じたプローブ及びプライマーを設計することができる。また、プローブ及びプライマーとなるオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの合成法として当技術分野で公知の方法、例えば、ホスホロアミダイト法、H-ホスホネート法等により、通常用いられるDNA自動合成装置を利用して合成することが可能である。
本発明のキットには、上記のプローブ及びプライマーとして用いるオリゴヌクレオチドを少なくとも含んでいればよい。また、当該キットには、必要に応じて、DNA抽出用試薬、PCR用緩衝液やDNAポリメラーゼ等のPCR用試薬、染色剤や電気泳動用ゲル等の検出用試薬、固定化担体、標識物質、標識の検出に用いられる基質化合物、陽性や陰性の標準試料、キットの使用方法を記載した指示書等を含めることもできる。なお、キット中の試薬は溶液でも凍結乾燥物でもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本試験を実施するにあたり、同意書、遺伝型判定等について、自社における倫理審査委員会によって承認を受けた。同意書のサインにて同意を受けたサンプル提供者よりサンプル採取を行い、遺伝型判定及び関連解析を行った。
(1) DNAサンプル
日本人女性被験者1108人(平均年齢49.1歳)から唾液を採取し、Maxwell RSC Stabilized Saliva DNA Kit(プロメガ社製)を使用してゲノムDNAを抽出し、DNAサンプルを得た。
(2) 解析したSNP
SNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)に登録されたSNPの内、rs77016918を解析の対象とした。さらに、Ensembl Genome Browser(https://asia.ensembl.org/index.html)を参考に、日本人における、rs77016918と連鎖不平衡の関係にあるSNP(連鎖不平衡係数r2≧0.8)であるrs60969883、rs9799057についても解析の対象とした(下記表3)。また、比較例として、乾燥による敏感肌を評価できることが報告されているSPINK5に関連するSNPであるrs2303067についても解析を行った。
Figure 0007046401000003
(3) 遺伝型の決定
(1)で得られたDNAサンプルについて、TaqMan SNP Genotyping Assays(Applied Biosystems社製)及びSsoAdvanced Universal Probes Supermix(Bio Rad社製)を用い、CFX384 Touch Real-Time PCR Detection System(Bio Rad社製)にて遺伝型の決定を行った。
(4) 表現型データ(化粧品に対する敏感肌)
化粧品に対する敏感肌に関するアンケート項目は、「敏感肌だと思いますか?」という質問に対して「1.思わない」、「2.やや思う」、「3.思う」の中から1つ、「1年間で化粧品が合わないと感じたことがありますか?」という質問に対して、「1.ない」、「2.時々ある」、「3.よくある」の中から1つ回答するものとした。
(5) 関連解析
表現型データに基づいて、「敏感肌だと思いますか?」の回答が「1.思わない」であり、かつ「1年間で化粧品が合わないと感じたことがありますか?」の回答が「1.ない」であった被験者609人をコントロール群(正常肌群)、「敏感肌だと思いますか?」の回答が「2.やや思う」又は「3.思う」であり、かつ「1年間で化粧品が合わないと感じたことがありますか?」の回答が「2.時々ある」又は「3.よくある」であった被験者102人をケース群(敏感肌群)とした。遺伝型データと敏感肌との関連性について、正常肌群若しくは敏感肌群のいずれであるかを目的変数、遺伝型データのマイナーアレルの本数を説明変数としたロジスティック回帰分析を行い、各SNPに対するp値を評価した。4種類のSNPを解析したため、第一種の過誤の増大を回避するためにボンフェローニ法により有意水準を補正し(0.05/4)、p値が0.0125(1.25E-02)未満の場合に有意な関連性があるものと判断した。
(6) 結果
解析を行った各SNPが存在する染色体番号、物理位置、アレル、マイナーアレル及びリスクアレルの塩基、オッズ比、p値を表4に示す。p値の欄において、それぞれのp値は10を底とする指数形式で表示され、符号Eの前後に記載された数値はそれぞれp値を指数形式で表示した際の仮数部と指数部を示す。
Figure 0007046401000004
その結果、rs77016918は化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因と有意な関連性があり、化粧品に対する敏感肌のなり易さを判定できるSNPとして確認できた。また、rs77016918と連鎖不平衡の関係にあるrs60969883、rs9799057についても同様の結果が得られたことから、rs77016918と連鎖不平衡の関係にあるSNPについても、化粧品に対する敏感肌のなり易さを判定できることが分かった。一方で、乾燥による敏感肌を評価できるrs2303067に関しては有意な関連性は認められなかった。
本発明の方法により、被験者が化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を有するかどうかを正確かつ簡便に判定することができる。よって、その判定結果に基づき、被験者にカスタマイズした敏感肌用の化粧品やサプリメントを提供すること、また敏感肌のケア方法に関するカウンセリングやアドバイスを行うことが可能となる。

Claims (4)

  1. 被験者から採取したDNA含有試料について、以下の(a1)又は(a2)の1種又は2種以上の一塩基多型(SNP)のアレルを検出する工程と、検出されるアレルの塩基の少なくとも一つがリスクアレルである場合に、該被験者が化粧品に対する敏感肌になり易いと判定する工程を含む、化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を判定する方法。
    (a1) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP、リスクアレルはC
    (a2) 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP、リスクアレルはC)と連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNP
  2. 前記(a2)の配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP、リスクアレルはC)と連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPが、配列番号2に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs60969883で特定されるSNP、リスクアレルはT)、又は配列番号3に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs9799057で特定されるSNP、リスクアレルはC)である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により判定された結果に基づいて、被験者の化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因の程度に応じた化粧品に対する敏感肌の予防及び/又は改善作用を有する化粧料及び/又は飲食品を該被験者に提供する、化粧料及び/又は飲食品の提供方法。
  4. 配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)、若しくは該SNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPを含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、及び/又は、配列番号1に示される塩基配列の101番目の塩基におけるSNP(SNP:ID rs77016918で特定されるSNP)、若しくは該SNPと連鎖不平衡係数r2≧0.8の関係にあるSNPを含む領域を増幅することのできるプライマーを含む、化粧品に対する敏感肌の遺伝的素因を判定するためのキット。
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Experimental Dermatology,2021年07月15日,Volume 30, Issue 12,pp. 1787-1793

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