[go: up one dir, main page]

JP6939045B2 - 電気デバイス - Google Patents

電気デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP6939045B2
JP6939045B2 JP2017085159A JP2017085159A JP6939045B2 JP 6939045 B2 JP6939045 B2 JP 6939045B2 JP 2017085159 A JP2017085159 A JP 2017085159A JP 2017085159 A JP2017085159 A JP 2017085159A JP 6939045 B2 JP6939045 B2 JP 6939045B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
positive electrode
capacity
active material
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017085159A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018185890A (ja
Inventor
伊藤 淳史
淳史 伊藤
渡邉 学
学 渡邉
上田 直毅
直毅 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2017085159A priority Critical patent/JP6939045B2/ja
Publication of JP2018185890A publication Critical patent/JP2018185890A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6939045B2 publication Critical patent/JP6939045B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、電気デバイスに関する。詳細には、本発明は、エネルギー密度が高く、サイクル特性に優れた電気デバイスに関する。
近年、電子機器や車両走行用などの駆動電源として、繰りかえし充放電しても性能が低下しないようなサイクル特性に優れた電気デバイスの開発が進められている。特に、リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いことから、電気自動車などの駆動電源として注目を集めている。
例えば、特許文献1には、LiとNiとMnとを含有し、層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極に用いた非水電解質二次電池が開示されている。そして、特許文献1では、正極の電位が4.5V(vs.Li/Li)に達するまで充電した際の正極と負極の対向充電容量比が1.0〜1.15となるように構成することで、非水電解質二次電池の熱的安定性及び安全性を高くすることができるとされている。
特開2007−95433号公報
しかしながら、正極活物質として固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極活物質としてケイ素含有合金を用いた場合については調査されていない。また、市場の要望により、さらにエネルギー密度が高く、サイクル特性に優れた電気デバイスが望まれている。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、エネルギー密度が高く、サイクル特性に優れた電気デバイスを提供することにある。
本発明の態様に係る電気デバイスは、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含む正極と、20質量%以上のケイ素を含有するケイ素含有合金を含む負極と、を備え、正極の容量に対する負極の容量の比が所定の範囲内である。
本発明によれば、エネルギー密度が高く、サイクル特性に優れた電気デバイスを提供することができる。
本実施形態に係る電気デバイスの一例を模式的に表す断面図である。 固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を正極として用いたハーフセル1、及びケイ素含有合金を負極活物質として用いたハーフセル2のそれぞれの充放電曲線、並びにハーフセル1とハーフセル2の電位差を示すグラフである。 正極の容量に対する負極の容量の比を変化させた場合の充放電曲線を示すグラフである。 図3で示したハーフセル1とハーフセル2の電位差を示すグラフである。 正極の容量に対する負極の容量の比、並びに、負極活物質層の膨張率及び負極活物質層の0サイクル目の厚さの関係をそれぞれ示すグラフである。 正極の容量に対する負極の容量の比と正極利用率の関係を示すグラフである。 正極の容量に対する負極の容量の比とエネルギー密度との関係を示すグラフである。 正極の容量に対する負極の容量の比と放電容量維持率との関係を示すグラフである。
以下、図面を用いて本実施形態に係る電気デバイスについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[電気デバイス]
本実施形態の電気デバイスでは、正極活物質は固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含み、負極活物質は20質量%以上のケイ素を含有するケイ素含有合金を含む。そして、正極の容量に対する負極の容量の比が1.1超1.6未満である。そのため、エネルギー密度が高く、サイクル特性に優れた電気デバイスを提供することができる。
本実施形態では、正極活物質は所定の組成式を有する固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含む。このような固溶体リチウム含有遷移金属酸化物は、一般的に用いられている遷移金属酸化物などと比較し、容量、エネルギー密度及び結晶構造の安定性が高く、サイクル特性にも優れている。
また、本実施形態では、負極活物質は20質量%以上のケイ素を含有するケイ素含有合金を含む。ケイ素含有合金は、炭素材料などと比較して、容量が大きく、サイクル特性に優れている。
しかしながら、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物とケイ素含有合金を組み合わせた電気デバイスでは、想定された程のエネルギー密度及びサイクル特性が得られない場合がある。例えば、正極の容量に対する負極の容量の比を同じにした場合、すなわち正極の容量に対する負極の容量の比を1.0とした場合、想定された程のエネルギー密度及びサイクル特性が得られない
その理由は定かではないが、正極の容量に対する負極の容量の比が小さいため、繰り返し充放電すると、リチウムイオンがケイ素含有合金に吸収しきれなくなって、ケイ素含有合金の表面にリチウム金属として析出しまうことが一因と考えられる。また、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の電圧降下の挙動は、ケイ素含有合金の電圧降下の挙動と一致していないため、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物が本来有する容量を十分利用できていないことも一因と考えられる。
そこで、本実施形態では、正極の容量に対する負極の容量の比を1.1超としている。そのため、充放電を繰り返してもケイ素含有合金の容量の比率が大きいため、リチウム金属が析出しにくく、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の本来の特性をより活用することができる。そのため、電気デバイスのサイクル特性を向上させることができる。
一方、正極の容量に対する負極の容量の比を大きくしすぎると、充放電の反応に関与しないケイ素含有合金が増加するため、エネルギー密度が低下してしまう。また、ケイ素含有合金は炭素材料と比較して、容量が大きいものの、リチウムの吸蔵によって膨張しやすい性質を有する。そのため、単にケイ素含有合金の単位面積当たりの質量を増やした場合、充電時にバインダの降伏応力を超えて膨張しやすくなることから、放電時にケイ素含有合金からリチウムイオンが放出されても、負極活物質層が膨張して元の厚さに戻りにくくなる傾向にある。そのため、正極の容量に対する負極の容量を大きくしすぎると、電気デバイスのエネルギー密度は、より一層低下する傾向にある。
したがって、本実施形態においては、正極の容量に対する負極の容量の比を1.6未満としている。そのため、ケイ素含有合金の増加や負極活物質層の膨張によるエネルギー密度及びサイクル特性の低下を抑制することができる。
このように、本実施形態の電気デバイスは、正極の容量に対する負極の容量の比を所定の範囲内としている。そのため、本実施形態の電気デバイスによれば、金属リチウムの析出を抑制し、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の利用率を向上させると共に、ケイ素含有合金の膨張を考慮して負極利用率を向上させることができる。このようなエネルギー密度とサイクル特性の向上の課題は、正極活物質として固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極活物質としてケイ素含有合金を用いた場合に特有な課題である。
なお、正極の容量に対する負極の容量の比が1.2以上1.5以下であることがより好ましい。容量比をこのような範囲とすることにより、エネルギー密度及びサイクル特性をより向上させることができるためである。また、正極の容量に対する負極の容量の比が1.2以上1.4以下であることがさらに好ましい。容量比をこのような範囲とすることにより、サイクル特性をさらに向上させることができるためである。
正極の容量は、正極として固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含む正極活物質を用い、負極として金属リチウムを用いて作製した電気デバイスの容量とすることができる。また、負極の容量は、正極として金属リチウムを用い、負極としてケイ素含有合金を含む負極活物質を用いて作製した電気デバイスの容量とすることができる。正極の容量及び負極の容量は、例えば、室温下(25℃)で最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電し、4.6Vから最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電した時の放電容量とすることができる。なお、正極の容量に対する負極の容量の比は、負極の容量を正極の容量で割った値である。
以下、本実施形態の電気デバイスの構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1では、本実施形態の電気デバイス100の一例として、リチウムイオン二次電池を挙げて説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電気デバイス100は、正極10と、負極20と、セパレータ30と、を備える。
(正極10)
正極10は、正極集電体11と、正極集電体11の表面に配置された正極活物質層12と、を含む。正極活物質層12は、正極集電体11の少なくとも一方の面に配置されていればよい。
(正極集電体11)
正極集電体11は、後述する正極タブ60などと接続され、電気デバイス100の外部と電子の受け渡しをする。正極集電体11を形成する材料は特に限定されないが、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタン、及びこれらの合金などの金属が挙げられる。正極集電体11を形成する材料は、上述した金属単体、上述した金属を組み合わせた合金、上述した金属の組み合わせのめっき材などを用いることができる。なかでも、正極集電体11を形成する材料は、電子伝導性や電池作動電位の観点から、アルミニウムを含むことが好ましい。正極集電体11の厚さは特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
(正極活物質層12)
正極活物質層12は80質量%〜98質量%の正極活物質を含有する。正極活物質層12の膜厚は特に限定されないが、20μm〜80μmであることが好ましく、20μm〜50μmであることがより好ましい。正極活物質層12は、正極活物質に加え、正極用導電助剤や正極用バインダをさらに含むことができる。
正極活物質は、化学式Li1.5[NiCoMn[Li]]Oで表される固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含む。なお、上記化学式中、a,b,c及びdは、a+b+c+d=1.5、1.1≦a+b+c≦1.4、0.1≦d≦0.4の関係を満たす。また、上記化学式中、zは原子価を満足する酸素数である。すなわち、上記化学式において、zは、a,b,c及びdの値により定まる数であり、酸素以外の元素数が定まることにより一義的に定まる数値である。zは例えば3などの値をとる。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定することができる。
このような固溶体リチウム含有遷移金属酸化物は、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、コバルト酸リチウム(LiCoO)及び三元系複合酸化物(Li[NiCoMn]O)よりも、エネルギー密度、結晶構造の安定性、サイクル特性などの点においてバランスが取れている。
すなわち、正極活物質としては、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、三元系複合酸化物などが知られている。しかし、これらの正極活物質は、それぞれ以下のような特長と共に、欠点を有している。
ニッケル酸リチウムは、比較的容量が大きいものの、高温で結晶構造中酸素が脱離しやすい傾向にあるため、発火や爆発を誘発するおそれがあり、安全性が高いとはいえない。また、ニッケル酸リチウムは、平均電圧が3.5Vと放電作動電圧が低く、サイクル特性が低い傾向にある。
マンガン酸リチウムは、過電圧に強く、発火する危険性が低いため、安全性が高く、平均電圧3.8Vと放電作動電圧も高い。また、マンガン酸リチウムは、資源が豊富であるため、供給量が安定している。しかし、マンガン酸リチウムは比較的容量が小さく、エネルギー密度も低い。また、マンガン酸リチウムは、マンガン自体が高温で溶解しやすい性質を有するため、サイクル特性や保存性が低い傾向にある。
コバルト酸リチウムは、ニッケル酸リチウムに次いで高容量で、平均電圧3.7Vと放電作動電圧も高い。また、コバルト酸リチウムは、2.5V〜4.3Vといった電圧域では良好な可逆性を示し、サイクル特性とレート特性のバランスが比較的優れている。しかし、充電時に多量のリチウムが放出されると、結晶構造が維持できなくなるため、理論容量の全てを使用できず、実際に使用できる容量はその半分程度となってしまう。さらに、コバルトは資源量が乏しく、希少性が高いため、コスト増加の原因となってしまう。
三元系複合酸化物は、容量及びレート特性に優れている。しかし、ニッケル酸リチウムの特性が強く反映されているため、コバルト酸リチウムに比べ、初期の充放電効率やサイクル特性が低いといった欠点がある。
しかしながら、本実施形態では、上記のような固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用いる。そのため、容量、エネルギー密度及び結晶構造の安定性が高く、サイクル特性にも優れている。
なお、上記化学式において、a,b,c及びdは、0<a<1.4、0≦b<1.4、0<c<1.4、0.1≦d≦0.4、a+b+c+d=1.5、1.1≦a+b+c≦1.4の関係を満たすことが好ましい。また、上記化学式において、a、b、c及びdは、0<a<1.35、0≦b<1.35、0<c<1.35、0.15<d≦0.35、a+b+c+d=1.5、1.15≦a+b+c<1.35の関係を満たすことがより好ましい。また、上記化学式において、a、b、c及びdは、0<a<1.3、0≦b<1.3、0<c<1.3、0.15<d≦0.35、a+b+c+d=1.5、1.2≦a+b+c<1.3の関係を満たすことがさらに好ましい。このような固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含む正極活物質を用いた場合、電気デバイス100の容量を向上させることができる。
正極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点から、1μm〜30μmであることが好ましく、5μm〜20μmであることがより好ましい。なお、正極活物質の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて実測した数〜数十個の粒子の最大粒子径における平均値とすることができる。
正極活物質は、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物と、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の表面に配置され、Al、Zr及びTiからなる群より選択される少なくとも1種以上の金属の酸化物により形成された被覆層と、を含むことが好ましい。このような被覆層を配置することにより、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の結晶構造が安定するため、遷移金属の溶出や酸素の離脱が抑制され、サイクル特性が向上する。
被覆層を形成する金属酸化物は特に限定されないが、Al、ZrO及びTiOからなる群より選択される少なくとも1以上の金属酸化物であることが好ましい。なお、被覆層には、Nb、Sn、W、Mo及びVからなる群より選択される少なくとも1種以上の金属酸化物がさらに含まれていてもよい。
被覆層を形成する金属の酸化物の含有量は、正極活物質全体の0.1質量%〜3.0質量%であることが好ましい。被覆層の含有量をこのような範囲とすることにより、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の結晶構造が安定するため、遷移金属の溶出や酸素の離脱が抑制され、サイクル特性が向上する。
被覆層の平均厚みは特に限定されないが、上述したような固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の特性を向上させるという観点からは、2〜20nmであることが好ましい。被覆層の平均厚みは、例えば、SEMやTEMにより観察することができる。また、被覆層の平均厚みは、被覆層を含む固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の平均粒子径から、被覆層を有しない固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の平均粒子径を差し引いた値とすることもできる。なお、上記平均粒子径は、例えばレーザー回折法により測定した体積基準における粒度分布の累積値が50%の時の粒子径とすることができる。
(正極用導電助剤)
正極用導電助剤は、正極活物質層12の内部における電子ネットワークを効果的に形成し、電気デバイス100の放電容量を大きくすることができる。正極活物質層12中に含まれる正極用導電助剤の含有量は特に限定されないが、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜6質量%がより好ましい。正極用導電助剤の含有量をこのような範囲とすることにより、正極活物質層12の導電性を向上させることができる。
(正極用バインダ)
正極用バインダは、正極活物質同士又は正極活物質と正極用導電助剤を結合させることができる。正極用バインダを形成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)などのエラストマーが挙げられる。これらの正極用バインダは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、バインダとしての接着性や耐熱性が優れていることから、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。正極活物質層12中に含まれる正極用バインダの含有量は特に限定されないが、0.5質量%〜15質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
(負極20)
負極20は、負極集電体21と、負極集電体21の表面に配置された負極活物質層22と、を含む。負極活物質層22は、負極集電体21の少なくとも一方の面に配置されていればよい。
(負極集電体21)
負極集電体21は、後述する負極タブ65などと接続され、電気デバイス100の外部と電子の受け渡しをする。負極集電体21を形成する材料は特に限定されないが、例えば、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属が好ましい。これらの中でも、負極集電体21を形成する材料として、銅(Cu)を用いることが好ましい。負極集電体21の厚さは特に限定されないが、通常は1μm〜100μm程度である。
(負極活物質層22)
負極活物質層22は40質量%〜98質量%の負極活物質を含有する。負極活物質層22の膜厚は特に限定されないが、放電前において、20μm〜80μmであることが好ましく、20μm〜50μmであることがより好ましく、28μm〜39μmであることがさらに好ましく、29μm〜36μmであることが特に好ましい。負極活物質層22の膜厚をこのような範囲とすることにより、電気デバイス100のエネルギー密度及びサイクル特性を向上させることができる。負極活物質層22は、負極活物質に加え、負極用導電助剤や負極用バインダをさらに含むことができる。
(負極活物質)
負極活物質は、20質量%以上のケイ素を含有するケイ素含有合金を含む。ケイ素含有合金は、充電の際にリチウムイオンと合金化するため、炭素系の負極活物質などと比較して負極活物質の質量当たりの放電容量を大きくすることができる。そのため、本実施形態の電気デバイス100は、ケイ素含有合金を用いることで、電気デバイス100の放電容量を大きくすることができる。また、ケイ素含有合金のケイ素含有量を20質量%以上とすることにより、アモルファス−結晶の相転移を抑えることができる。そのため、電気デバイス100のサイクル特性を向上させることができる。
本実施形態において、ケイ素含有合金は、Si、Sn及びMの元素を含み、Mは、遷移元素、B,C,Mg,Al及びZnからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。なお、遷移元素は、第3族元素から第11族元素の間にある元素をいう。このようなケイ素含有合金を用いることで、電気デバイス100のサイクル特性を高くすることができる。
なお、Mは、B,C,Mg,Al,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Zr,Nb,Mo及びTaからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることがより好ましい。また、Mは、C,Al,Ti,V及びZnからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることがさらに好ましい。さらに、Al又はTiの少なくともいずれか一方であることが最も好ましい。ケイ素含有合金がこのような元素を含むことにより、放電容量を維持しつつ、サイクル特性をより向上させることができる。
なお、Si、Sn及びMの元素を含むケイ素含有合金には、不可避不純物が含まれていてもよい。不可避不純物とは、原料中に存在したり、製造工程において不可避的に混入したりするものを意味する。不可避不純物は、本来は不要なものであるが、微量であり、ケイ素含有合金の特性に影響を及ぼさないため、許容されている不純物である。不可避不純物の含有量は、ケイ素含有合金全体に対して0.5質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましく、0.01質量%未満であることがさらに好ましい。
ケイ素含有合金の一般式は、Si−Sn−Mであることが好ましく、Si−Sn−Ti又はSi−Sn−Ti−Alであることがより好ましい。ここで、一般式Si−Sn−Tiにおいて、Snの含有量が7質量%以上30質量%以下、Tiの含有量が0質量%超え37質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることが好ましい。又は、一般式Si−Sn−Tiにおいて、Snの含有量が30質量%以上51質量%以下、Tiの含有量が0質量%超え35質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることが好ましい。また、一般式Si−Sn−Tiにおいて、Snの含有量が7質量%以上30質量%以下、Tiが7質量%超え37質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることがより好ましい。又は、Snの含有量が30質量%以上51質量%以下、Tiの含有量が7質量%超え35質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることがより好ましい。また、一般式Si−Sn−Tiにおいて、Snの含有量が7質量%以上30質量%以下、Tiの含有量が18質量%以上37質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることがさらに好ましい。又は、一般式Si−Sn−Tiにおいて、Snの含有量が30質量%以上51質量%以下、Tiの含有量が7質量%超え20質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることがさらに好ましい。さらに、一般式Si−Sn−Tiにおいて、Snの含有量が7質量%以上21質量%以下、Tiの含有量が24質量%以上37質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることが最も好ましい。各元素の含有量を上記範囲内とすることで、サイクル耐久性に優れた電気デバイス100を提供することができる。
一般式Si−Sn−Ti−Alにおいては、Snの含有量が2質量%以上10質量%以下、Tiの含有量が25質量%以上35質量%以下、Alの含有量が0.3質量%以上3質量%以下、残部がSi及び不可避不純物であることが好ましい。各元素の含有量を上記範囲内とすることで、電気デバイス100のサイクル耐久性を向上させることができる。なお、Snの含有量は、3質量%以上がさらに好ましい。また、Snの含有量は、9質量%以下がより好ましく、8.5質量%以下がさらに好ましい。また、Tiの含有量は、28質量%以上がより好ましく、29質量%以上がさらに好ましい。また、Tiの含有量は、34質量%以下がより好ましく33質量%以下がさらに好ましく、32質量%以下が特に好ましく、31質量%以下が最も好ましい。また、Alの含有量は、0.35質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましい。また、Alの含有量は、2.5質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好ましい。なお、Siの含有量は、58質量%以上が好ましく、58.5質量%以上がより好ましく、59質量%以上がさらに好ましい。Siの含有量は、70質量%以下が好ましく、68質量%以下がより好ましく、67質量%以下がさらに好ましく、66質量%以下が特に好ましい。
ケイ素含有合金は、非晶質又は低結晶性のケイ素を主成分とする母相と、上記母相中に分散され、遷移金属のケイ化物を含有するシリサイド相と、を含むことが好ましい。ケイ素含有合金がこのような母相とシリサイド相とを含むことで、サイクル特性に優れた放電容量の大きい電気デバイス100を提供することができる。なお、ここでいう主成分は、母相中、非晶質又は低結晶性のケイ素を50質量%以上含むという意味である。
ケイ素を主成分とする母相は、電気デバイス100を充放電した際に、リチウムイオンの吸蔵及び放出に関与する相である。そのため、ケイ素を主成分とする母相が、ケイ素のみからなる単相である場合、多くのリチウムイオンを吸蔵・放出することが可能であるため好ましい。
ケイ素を主成分とする母相は、シリサイド相よりもアモルファス化していることが好ましい。このようにすることで、電気デバイス100の放電容量をより大きくすることができる。ケイ素を主成分とする母相が、シリサイド相よりもアモルファス化していることは、電子線回折分析により得られる電子線回折像で確認することができる。なお、単結晶相の電子線回折像は二次元点配列のネットパターン(格子状のスポット)であり、多結晶相の電子線回折像はデバイシェラーリング(回折環)であり、アモルファス相の電子線回折像はハローパターンである。
シリサイド相は、例えばTiSiなどの遷移金属のケイ化物を含むことにより、ケイ素を主成分とする母相との親和性を向上させることができる。そのため、電気デバイス100の充電により、ケイ素含有合金が体積膨張した場合であっても、母相とシリサイド相の間で割れが生じるのを抑制することができる。さらに、シリサイド相は、母相よりも電子伝導性及び硬度が高い傾向にあるため、ケイ素含有合金の電子伝導性を改善し、かつ、充放電時のケイ素含有合金の膨張を抑制する役割をも有する。
シリサイド相は、例えばMSi及びMSiなど、ケイ素の組成比が異なる複数の相を有していてもよく、異なる遷移金属元素とのケイ化物を含む複数の相が存在していてもよい。シリサイド相に含まれる遷移金属元素は、Ti、Zr、Ni、Cu及びFeからなる群より選択される少なくとも1つの元素が好ましく、Ti及びZrの少なくともいずれか一方の元素がより好ましく、Tiがさらに好ましい。これらの遷移金属元素とのケイ化物は、電子伝導性及び硬度が高いため、ケイ素含有合金の電子伝導性を改善し、かつ、充放電時のケイ素含有合金の膨張を抑制することができる。特に、Tiとのケイ化物であるTiSiは、電子伝導性が非常に高いため好ましい。なお、シリサイド相が、TiSiを含むケイ素の組成比が異なる複数の相を有し、遷移金属元素MがTiである場合、シリサイド相全体に対するTiSiの割合は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。また、この割合は、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
シリサイド相の大きさは、特に限定されないが、0nm超え50nm以下であることが好ましい。シリサイド相の大きさをこのような範囲とすると、電気デバイス100の放電容量が大きくなるため好ましい。
CuKα1線を用いてケイ素含有合金をX線回折測定した場合に、2θ=24°〜33°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度に対する、2θ=37°〜45°の範囲における上記ケイ化物の回折ピーク強度の比が0.41以上であることが好ましい。回折ピーク強度の比を0.41以上とすることにより、SiとLiとが合金化する際のアモルファス−結晶の相転移が抑制され、ケイ素含有合金の膨張収縮が抑制されることから、サイクル特性が向上するため好ましい。なお、この回折ピーク強度比の値は、0.89以上であることがより好ましく、2.55以上がさらに好ましく、7.07以上が特に好ましい。
ここで、2θ=24°〜33°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度は、以下のようにして求めることができる。
まず、X線回折分析により得られた回折スペクトルにおいて、2θ=24°における垂線と回折スペクトルとが交わる点をaとする。同様に、2θ=33°における垂線とX線路回折スペクトルとが交わる点をbとする。ここで、線分abをベースラインとし、Siの(111)面の回折ピーク(2θ=約28.5°)における垂線と上記ベースラインとが交わる点をcとする。そして、Siの(111)面の回折ピーク(2θ=約28.5°)の頂点dと点cとを結ぶ線分cdの長さを、Siの(111)面の回折ピーク強度とすることができる。
同様に、2θ=37°〜45°の範囲におけるケイ化物の回折ピーク強度は、以下のようにして求めることができる。以下では、遷移金属のケイ化物がTiSiである場合を例に挙げて説明する。
まず、X線回折分析により得られた回折スペクトルにおいて、2θ=37°における垂線と回折スペクトルとが交わる点をeとする。同様に、2θ=45°における垂線とX線路回折スペクトルとが交わる点をfとする。ここで、線分efをベースラインとし、TiSiの回折ピーク(2θ=約39°)における垂線と上記ベースラインとが交わる点をgとする。そして、TiSiの回折ピーク(2θ=約39°)の頂点hと点gとを結ぶ線分ghの長さを、TiSiの回折ピーク強度とすることができる。
ケイ素含有合金の平均粒子径は特に制限されないが、0.1μm〜20μmであることが好ましく0.2μm〜10μmであることがより好ましい。なお、ケイ素含有合金の平均粒子径は、体積基準における粒度分布の累積値が50%の時の粒子径を表し、例えば、レーザー回折・散乱法により測定することができる。
負極活物質は上記ケイ素含有合金以外の負極活物質を含んでいてもよい。ただし、放電容量及びサイクル特性の観点より、負極活物質におけるケイ素含有合金の含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
(負極用導電助剤)
負極用導電助剤は、負極活物質層22の内部における電子ネットワークを効果的に形成することができる。負極用導電助剤を形成する材料としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。これらの負極用導電助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。負極活物質層22における負極用導電助剤の含有量は特に限定されないが、1質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜8質量%がより好ましい。負極用導電助剤の含有量をこのような範囲とすることにより、負極活物質層22の導電性を向上させることができる。
(負極用バインダ)
負極用バインダは、負極活物質同士又は負極活物質と負極用導電助剤を結合させることができる。負極用バインダを形成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)などのエラストマーが挙げられる。これらの負極用バインダは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、負極用バインダとしての接着性や耐熱性が優れていることから、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。負極活物質層22における負極用バインダの含有量は特に限定されないが、0.5質量%〜15質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
(セパレータ30)
セパレータ30は、正極10と負極20との間に配置される。セパレータ30は、正極10と負極20とを隔離し、リチウムイオンの移動を仲介する。セパレータ30の膜厚は、内部抵抗を低減させる観点から、1μm〜100μmが好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましい。セパレータ30には、非水電解質を含めることができる。非水電解質としては、イオン伝導性ポリマーにリチウム塩が溶解したゲル状又は固体状のポリマー電解質、並びに有機溶媒にリチウム塩が溶解した液体電解質を多孔質基体層に保持させて用いることができる。
ポリマー電解質に用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、へキサフルオロプロピレン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びこれらの共重合体等が挙げられる。
液体電解質に用いられる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)等のカーボネート類が挙げられる。
リチウム塩としては、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiAsF、LiTaF、LiClO、LiCFSO等の化合物が挙げられる。
多孔質基体層を形成する材料は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。多孔質基体層の空孔率は、特に限定されないが、40%〜85%であることが好ましい。空孔率を40%以上とする場合、十分なイオン伝導性を得ることができる。一方、空孔率を85%以下とする場合、多孔質基体層の強度を良好に維持することができる。
本実施形態の電気デバイス100は、正極10、負極20及びセパレータ30の他、必要に応じて、図1に示すように、正極タブ60、負極タブ65及び外装体70などをさらに備えていてもよい。
なお、図1に示すように、正極10、負極20及びセパレータ30を備える単電池層40を、複数積層して電気的に並列に配置させたものを発電要素50とすることもできる。また、本実施形態の電気デバイス100は、図1のような形態に限定されず、例えば、集電体の一方の面に正極活物質層を配置し、集電体のもう一方の面に負極活物質層を配置したような双極型電極を含む双極型電池としてもよい。また、図1の実施形態のような積層型の電気デバイスに限定されず、巻回型の電気デバイスとしてもよい。
(正極タブ60及び負極タブ65)
正極タブ60は、正極集電体11と、電気デバイス100の外部の機器とを電気的に接続することができる。また、負極タブ65は、負極集電体21と、電気デバイス100の外部の機器とを電気的に接続することができる。正極タブ60及び負極タブ65を形成する材料は特に限定されず、例えばアルミニウム、銅、チタン、ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つの金属を用いることができる。なお、正極タブ60及び負極タブ65を形成する材料は、同一であっても異なっていてもよい。
(外装体70)
外装体70は、単電池層40又は発電要素50を収容することができる。外装体70は、例えば、缶や、フィルムにより形成されたものが挙げられる。また、外装体70の形状は、特に限定されず、円筒型、角型、シート型とすることができる。特に限定されないが、小型化及び軽量化などの観点より、外装体70はフィルムにより形成されていることが好ましい。なかでも、高出力化や冷却性能の観点からは、フィルムはラミネートフィルムであることが好ましく、ラミネートフィルムはアルミニウムを含むことが好ましい。また、電気デバイス100は扁平積層型リチウムイオン二次電池であることが好ましい。このようなリチウムイオン二次電池は、放電容量及び放熱性能を高くすることができるため、車両に搭載する場合に最適である。アルミニウムを含むラミネートフィルムの一例としては、PP/アルミニウム/ナイロンの3層ラミネートフィルムが挙げられる。
本実施形態の電気デバイス100は、正極10と、負極20と、正極10と負極20との間に配置されたセパレータ30と、を備える。正極10は、正極集電体11と、正極集電体11の表面に配置された正極活物質層12と、を含む。負極20は、負極集電体21と、負極集電体21の表面に配置された負極活物質層22と、を含む。正極活物質層12は80質量%〜98質量%の正極活物質を含有し、正極活物質は化学式Li1.5[NiCoMn[Li]]Oで表される固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含む。なお、上記化学式中、a,b,c及びdは、a+b+c+d=1.5、1.1≦a+b+c≦1.4、0.1≦d≦0.4の関係を満たし、zは原子価を満足する酸素数である。負極活物質層22は40質量%〜98質量%の負極活物質を含有し、負極活物質は、20質量%以上のケイ素を含有するケイ素含有合金を含む。そして、正極10の容量に対する負極20の容量の比が1.1超1.6未満である。
本実施形態の電気デバイス100では、正極10の容量に対する負極20の容量の比が所定の範囲内であるため、充放電の繰り返しによる金属リチウムの析出を少なくすることができ、サイクル特性を向上させることができる。また、正極10の容量に対する負極20の容量の比が所定の範囲内であるため、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物が本来有する容量を有用に活用することができる。また、正極10の容量に対する負極20の容量の比が所定の範囲内であるため、ケイ素含有合金の増加や負極活物質層22の膨張によるエネルギー密度及びサイクル特性の低下を抑制することができる。
本実施形態の電気デバイス100の用途は特に限定されないが、上述のように、エネルギー密度が高く、サイクル特性に優れている。そのため、車両用として好適に用いることができる。具体的には、本実施形態の電気デバイス100は、車両用の駆動電源などに好適に用いることができる。
[電気デバイスの製造方法]
本実施形態に係る電気デバイスの製造方法は特に限定されないが、一例として、リチウムイオン二次電池の製造方法を挙げて説明する。リチウムイオン二次電池の製造方法は、例えば電極の作製工程と、組立工程と、を備える。
(電極の作製工程)
電極の作製工程は、例えば、活物質スラリーを調整し、活物質スラリーを集電体上に塗布、乾燥、プレスして活物質層を形成することにより作製することができる。活物質スラリーは、上述した活物質の他、バインダ、導電助剤及び溶媒を含めることができる。なお、電極は正極10及び負極20を含む。正極10を作製する場合は正極活物質が用いられ、負極20を作製する場合は負極活物質が用いられる。
活物質スラリーの溶媒としては、特に制限されず、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、シクロヘキサン、ヘキサン、水などを用いることができる。
活物質スラリーを集電体に塗布する方法は特に限定されず、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、フローコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法などの公知の方法を使用することができる。
活物質スラリーの上記乾燥方法は、特に制限されず、用いる活物質スラリーの特性などに応じて適宜調整すればよい。また、上記プレス工程は特に限定されず、例えばカレンダーロール、平板プレスなどを用いることができる。
(組立工程)
上述のようにして作製された正極10及び負極20との間に、セパレータ30を介して積層することにより、単電池層40を作製することができる。また、必要に応じ、単電池層40を複数積層させることにより、発電要素50を作製してもよい。このようにして得られた単電池層40又は発電要素50を、外装体70内に封止することにより、リチウムイオン二次電池を作製することができる。
なお、本実施形態の電気デバイスの製造方法は、サイクル特性などを向上させるため、エージング処理、ガス除去処理、活性化処理などを実施してもよい。
エージング処理は特に限定されないが、以下のように実施することが好ましい。まず、25℃にて定電流充電法で0.05C、4時間の充電(SOC約20%)を行う。次いで、25℃にて0.1Cで4.45Vまで充電した後、充電を止め、その状態(SOC約70%)で約48時間保持する。
ガス除去処理は、外装体70の一部を開封して圧縮などすることにより、外装体70内のガスを除去することができる。外装体70内のガスを除去した後は、開封した外装体70の一部を密着させて、単電池層40又は発電要素50を密封することができる。ガス除去処理は、エージング処理後及び活性化処理後の少なくともいずれか一方で実施することができる。
活性化処理は、特に限定されず、例えば以下のような電気化学前処理を実施することができる。まず、25℃にて、定電流充電法で0.1Cで電圧が4.45Vとなるまで充電した後、0.1Cで2.0Vまで放電するサイクルを2回行う。同様に、25℃にて、定電流充電法で0.1Cで4.55Vとなるまで充電した後、0.1Cで2.0Vまで放電するサイクルを1回、0.1Cで4.65Vとなるまで充電した後、0.1Cで2.0Vまで放電するサイクルを1回行う。更に、25℃にて、定電流充電法で、0.1Cで4.75Vとなるまで充電した後、0.1Cで2.0Vまで放電するサイクルを1回行えばよい。なお、上記の例では、充電方式を定電流充電法としたが、定電流定電圧充電法を用いてもよい。また、上記の例では、終止条件を電圧としたが、電圧に代えて電荷量や時間としてもよい。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(正極の作製)
硫酸マンガン一水和物(分子量169.01g/mol)28.61gと硫酸ニッケル六水和物(分子量262.85g/mol)17.74gとを純水200gに加え、攪拌して溶解し、混合溶液を調整した。
次に、この混合溶液がpH7になるまでアンモニア水を滴下した。そして、この混合溶液のpHが7の状態で維持されるようにアンモニア水を滴下しながら、2mol/LのNaCO水溶液を滴下し、複合炭酸塩を沈殿させた。
そして、得られた沈殿物を吸引濾過した後、十分に水洗し、乾燥オーブンにて120℃、5時間乾燥した。次に、得られた乾燥物を乳鉢で粉砕した後、500℃、5時間仮焼成を行った。仮焼成した粉末に、水酸化リチウム一水和物(分子量41.96g/mol)10.67gを加え、乳鉢で30分間程度混練した。
この粉末を500℃で2時間仮焼成した後、900℃で12時間焼成してLi1.5[Ni0.45Mn0.85[Li]0.20]Oの組成を有する固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を得た。
上述のようにして得られた固溶体リチウム含有遷移金属酸化物10.0gと硝酸アルミニウム九水和物(分子量375.13g/mol)0.37gとを純水100gに加え、攪拌して混合し、混合溶液を調整した。
次に、この混合溶液を攪拌しながら5%アンモニア水をpH7〜8になるまで徐々に滴下し、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の粒子表面に水酸化アルミニウムを析出させ、この混合溶液をさらに5時間攪拌した。
その後、沈殿物を吸引濾過し、十分に水洗した後、乾燥オーブンにて100℃、1時間乾燥した。乾燥した粉末を乳鉢で粉砕した後、450℃、5時間焼成して、Alにより形成された被覆層を含む固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を得た。なお、被覆層を含む固溶体リチウム含有遷移金属酸化物全体に対し、Alの含有量は0.5質量%であった。また、被覆層を含む固溶体リチウム含有遷移金属酸化物の平均粒子径は8μmであった。
次に、正極用スラリーを作製するため、NMPを溶媒とした20質量%バインダ溶液1.5質量部に、さらに溶媒(NMP)4.0質量部を加えた。そして、これらの混合溶液を、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製 自転公転ミキサーあわとり錬太郎AR−100)で1分間攪拌してバインダ希釈溶液を作製した。次に、このバインダ希釈溶液に、導電助剤0.3質量部と被覆層を有する固溶体リチウム含有遷移金属酸化物9.4質量部、及び溶媒(NMP)2.6質量部を加え、攪拌脱泡機で3分間攪拌して固形分濃度が55質量%である正極用スラリーを作製した。
このようにして得られた正極用スラリーを、20μm厚のアルミニウムで形成された集電体の一方の面に、乾燥後の正極活物質層の膜厚が50μmとなるように、ドクターブレード(テスター産業株式会社製 PI−1210自動塗工装置)で塗布した。次に、この正極用スラリーを塗布した集電体を、ホットプレート上に置き、正極活物質層に残留するNMP量を0.02質量%以下となるように100℃〜110℃で30分間乾燥させた。このように乾燥して得られたものを、ローラープレスで圧縮成形し、切断した。
次に、得られた切断物を、真空乾燥機内に設置して、室温(25℃)にて1.33×10Pa(100mmHg)まで減圧した。続いて、窒素ガスを100cm/分で流通させながら、昇温速度10℃/分で120℃まで昇温させた。その後、120℃で1.33×10Pa(100mmHg)に減圧した状態で12時間保持した後、室温(25℃)まで降温させた。このようにして得られた乾燥物を正極とした。
(負極の作製)
まず、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製P−6)を用いて、メカニカルアロイ法により金属粉末を合金化処理及び粉砕処理した。具体的には、質量比で、Si:Sn:Ti=80:10:10となるように調整した金属粉末と、ジルコニア製粉砕ボールとを、ジルコニア製容器に投入した。その後、ジルコニア製容器を固定する台座を、600rpmで24時間回転させて、金属粉末を合金化した。その後、台座を400rpmで1時間回転させ、合金を粉砕処理した。なお、得られたケイ素含有合金の平均粒子径は0.3μmであった。
このようにして得られたケイ素含有合金の組織構造を電子回折法により分析した。その結果、シリサイド相(TiSi)の結晶性を示す回折スポット及びハローパターンが観察され、母相であるアモルファスSi相中に結晶性のシリサイド相が分散した組織構造を有することが確認できた。
また、このようにして得られたケイ素含有合金の組織構造を、X線回折測定法により分析した。X線回折測定法に用いた装置及び条件は以下の通りである。
装置名:株式会社リガク製、X線回折装置(SmartLab9kW)
電圧:45kV
電流:200mA
X線波長:CuKα1
X線回折測定法による分析の結果、2θ=24°〜33°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度に対する、2θ=37°〜45°の範囲における前記ケイ化物の回折ピーク強度の比は0.41であった。なお、X線回折測定法による分析により、ケイ素含有合金に含まれるTiはすべてシリサイド(TiSi)相に存在していることも確認された。
このようにして得られた負極活物質80質量部と、導電助剤5質量部と、バインダ15質量部とをN−メチルピロリドン100質量部に分散させ、脱泡混練機(株式会社Thinky製 AR−100)内で混合し、負極スラリーを得た。なお、導電助剤はカーボンブラック、バインダはポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を用いた。
このようにして得られた負極用スラリーを、10μm厚の電解銅集電体の一方の面に、乾燥後の負極活物質層の膜厚が30.00μmとなるように、ドクターブレード(テスター産業株式会社製 PI−1210自動塗工装置)で塗布した。次に、この負極用スラリーを塗布した負極集電体を、ホットプレート上に置き、負極活物質層に残留するNMP量が0.02質量%以下となるように100℃〜110℃で30分間乾燥させた。このように乾燥して得られたものを、ローラープレスで圧縮成形し、切断した。
次に、得られた切断物を、真空乾燥機内に設置して、室温(25℃)にて1.33×10Pa(100mmHg)まで減圧した。続いて、窒素ガスを100cm/分で流通させながら、昇温速度10℃/分で325℃まで昇温させた。その後、325℃で1.33×10Pa(100mmHg)に減圧した状態で24時間保持した後、室温(25℃)まで降温させた。このようにして得られた乾燥物を負極とした。
(リチウムイオン二次電池の作製)
まず、上述のようにして得られた正極を、正極活物質層の面積が縦2.5cm×横2.0cmになるように2枚切り取り、正極活物質層側が外側になるように、2枚の正極を重ね合わせ、正極集電体側の外周部をスポット溶接した。その後、正極集電体にアルミニウム製の正極タブを溶接した。
次に、上述のようにして得られた負極を、負極活物質層の面積が縦2.7cm×横2.2cmになるように2枚切り取った。その後、負極集電体に電解銅製の負極タブを溶接した。
そして、正極と負極の活物質層がそれぞれ向かいあうように、正極の両面に負極を配置し、正極と負極との間にそれぞれセパレータを配置して発電要素を作製した。セパレータは、縦3.0cm、横2.5cm、厚さ25μm、空孔率55%の多孔質ポリプロピレンを用いた。このようにして得られた積層型の発電要素は、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の各層が順番に積層されている。
そして、得られた発電要素の両面に、アルミニウムラミネートフィルム(縦3.5cm×横3.5cm)を配置し、アルミニウムラミネートフィルムの3辺をヒートシールして発電要素をアルミニウムラミネートフィルムの外装体に収容した。
次に、ヒートシールされていない開封された辺から、外装体の内部に以下のようにして調整した電解液を0.8cm注入し、開封された辺をヒートシールした。なお、本実施例の発電要素は2つのセルを有するため、1セル当たりの電解液の量は0.4cmである。そして、電解液を電極細孔内に十分に浸透させるため、面圧が0.5Mpaとなるように、25℃で24時間加圧し続け、リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液は以下のようにして調整した。まず、エチレンカーボネート(EC)30体積%とジエチルカーボネート(DEC)70体積%の混合溶媒に、1.0MのLiPF(電解質)を溶解した。その後、得られた溶媒に、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)を1.8質量%とメチレンメタンジスルホン酸(MMDS)1.5質量%を溶解したものを電解液として用いた。
なお、上述のようにして得られた正極及び負極について、対極をリチウム金属としたハーフセルを作製して、それぞれ正極と負極の容量を測定したところ、正極の容量に対する負極の容量の比は1.2であった。なお、正極の容量に対する負極の容量の比の測定方法は後述する。
[実施例2]
負極活物質層の厚さを32.50μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.3とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例3]
負極活物質層の厚さを35.00μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.4とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例4]
負極活物質層の厚さを37.50μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.5とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例1]
負極活物質層の厚さを27.50μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.1とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例2]
負極活物質層の厚さを40.00μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.6とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例3]
負極活物質層の厚さを42.50μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.7とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例4]
負極活物質層の厚さを45.00μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.8とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例5]
負極活物質層の厚さを47.50μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.9とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例6]
負極活物質層の厚さを50.00μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を2.0とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例7]
負極活物質層の厚さを25.00μmとして正極の容量に対する負極の容量の比を1.0とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
[評価]
(正極の容量に対する負極の容量の比)
正極の容量に対する負極の容量の比は、以下のようにして評価した。まず、ハーフセル1及びハーフセル2を以下のようにして作製した。次に、各ハーフセルの容量を以下のようにして測定した。そして、ハーフセル1の容量を正極の容量、ハーフセル2の容量を負極の容量とし、負極の容量を正極の容量で割ることにより正極の容量に対する負極の容量の比を算出した。
(ハーフセル1の作製)
負極を金属リチウムに代えた以外は実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
(ハーフセル2の作製)
正極を金属リチウムに変えた以外は実施例1と同様の方法によりリチウムイオン二次電池を作製した。
(容量)
室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した。そして、4.6Vから最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電した時の放電容量を容量とした。
(終端電位)
正極終端電位及び負極終端電位は、以下のようにして求めた。まず、上述のようにして作製したハーフセル1及びハーフセル2を、室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した。次に、これらのハーフセルを、4.6Vから最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電した。そして、これらのハーフセルの放電時の電位差が2.5Vとなった時のハーフセル1の電位を正極終端電位とした。同様に、これらのハーフセルの放電時の電位差が2.5Vとなった時のハーフセル2の電位を負極終端電位とした。
(正極利用率)
正極利用率は、以下のようにして求めた。まず、上述のようにして作製したハーフセル1を、室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した。そして、このハーフセル1を、4.6Vから最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電した。そして、放電直前の容量を100%とし、放電直前の容量に対する正極終端電位まで放電した時の容量の百分率(%)を正極利用率とした。
(負極利用率)
負極利用率は、上述のようにして測定したハーフセル2の容量をハーフセル1の容量で割ったときの百分率である。すなわち、負極利用率は、負極の容量を正極の容量で割ったときの百分率(%)である。
(負極活物質層の厚さ)
負極活物質層の厚さは、上述のようにして得られた負極の厚さから負極集電体の厚さを引いて算出した。負極の厚さ及び負極集電体の厚さはシックネスゲージで測定した。0サイクル目の負極活物質層の厚さは、充放電前における負極活物質層の厚さである。100サイクル目の負極活物質層の厚さは、室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電する充放電サイクルを、100サイクル行った後の負極活物質層の厚さである。
(負極活物質層の膨張率)
負極活物質層の膨張率は、100サイクル目の負極活物質層の厚さを、0サイクル目の負極活物質層の厚さで割った時の百分率(%)である。
(エネルギー密度)
エネルギー密度は、以下のようにして算出した。まず、室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した。そして、4.6Vから最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電した時の放電容量を容量とした。上記のようにして測定した容量に平均電圧を乗じて、電気デバイスの外装体を含む体積で割ることにより体積エネルギー密度(Wh/L)を算出した。そして、比較例7の電気デバイスの体積エネルギー密度を100%とした時の、各実施例及び比較例の体積エネルギー密度の百分率をエネルギー密度(%)として算出した。
(放電容量維持率)
放電容量維持率は、以下のようにして測定した。まず、室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電する充放電サイクルを、100サイクル行った。そして、1サイクル目と100サイクル目において、4.6Vから2.0Vまで放電した時の放電容量を測定し、100サイクル目の放電容量に対する1サイクル目の放電容量の百分率を放電容量維持率(%)とした。
上記のようにして作製した実施例及び比較例のリチウムイオン二次電池の評価結果を表1に示す。
Figure 0006939045
表1に示すように、実施例1〜実施例4のリチウムイオン二次電池は、正極の容量に対する負極の容量の比が所定の範囲内であるため、エネルギー密度が108%以上、放電容量維持率が80%以上となり、エネルギー密度が高く、サイクル特性も優れていた。
一方、比較例1〜比較例7のリチウムイオン二次電池は、正極の容量に対する負極の容量の比が所定の範囲外であったため、実施例1〜実施例4と比較して、エネルギー密度及びサイクル特性が十分でなかった。
図2は、正極の容量に対する負極の容量の比が1.0である比較例7の正極と負極をそれぞれ用いたハーフセル1とハーフセル2の充放電曲線、並びにハーフセル1とハーフセル2の電位差を示すグラフである。図2に示すように、比較例7では、ケイ素含有合金特有の負極電位の低下により、正極の電位が高い状態で正極終端電位と負極終端電位の電位差が2.5Vとなる。このことから、正極の容量に対する負極の容量の比が1.0の場合は、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物において利用できていない容量があることが分かる。
図3は、正極の容量に対する負極の容量の比を変化させた場合の充放電曲線を示すグラフである。図中、容量比1.0〜1.5は、それぞれ比較例7及び実施例1〜4で用いた負極に相当する。図3で示すように、正極の容量に対する負極の容量の比を大きくしていくと、負極の電位が下がりにくくなるため、正極終端電位が低くなり、正極利用率が向上することが分かる。
図4は、図3で示したハーフセル1とハーフセル2の電位差を示すグラフである。図4のグラフより、正極の容量に対する負極の容量の比を大きくするに従い、リチウムイオン二次電池の容量が向上していることが分かる。
一方、表1及び図5に示すように、正極の容量に対する負極の容量の比を大きくした場合、負極活物質層の目付量が増加するため、負極活物質層の0サイクル目の厚さが厚くなってしまう。そして、正極の容量に対する負極の容量の比を大きくすると、負極活物質層の膨張率が低下する。したがって、正極の容量に対する負極の容量の比を大きくするに従って、充放電反応に利用されない負極活物質の割合が増加することが分かる。
すなわち、表1及び図6に示すように、正極の容量に対する負極の容量の比を大きくすると、正極利用率が増加し、金属リチウムの析出が少なくなる一方、負極利用率が低下する傾向にある。
しかしながら、図7及び図8に示すように、実施例1〜実施例4のリチウムイオン二次電池は、正極の容量に対する負極の容量の比が所定の範囲内である。そのため、実施例1〜実施例4のリチウムイオン二次電池は、比較例1〜比較例7のリチウムイオン二次電池と比較し、エネルギー密度が高く、サイクル特性が優れている。
以上、本発明を実施例及び比較例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 正極
11 正極集電体
12 正極活物質層
20 負極
21 負極集電体
22 負極活物質層
30 セパレータ
100 電気デバイス

Claims (4)

  1. 正極集電体と、前記正極集電体の表面に配置された正極活物質層と、を含む正極と、
    負極集電体と、前記負極集電体の表面に配置された負極活物質層と、を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、を備え、
    前記正極活物質層は80質量%〜98質量%の正極活物質を含有し、
    前記正極活物質は化学式Li1.5[NiCoMn[Li]]Oで表される固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含み、前記化学式中、a,b,c及びdは、a+b+c+d=1.5、1.1≦a+b+c≦1.4、0.1≦d≦0.4の関係を満たし、zは原子価を満足する酸素数であり、
    前記負極活物質層は40質量%〜98質量%の負極活物質を含有し、
    前記負極活物質は、20質量%以上のケイ素を含有するケイ素含有合金を含み、
    前記正極の容量に対する前記負極の容量の比が1.1超1.6未満であり、
    前記正極の容量及び前記負極の容量は、25℃で最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電し、4.6Vから最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電した時の放電容量である電気デバイス。
  2. 前記正極の容量に対する前記負極の容量の比が1.2以上1.5以下である請求項1に記載の電気デバイス。
  3. 前記正極の容量に対する前記負極の容量の比が1.2以上1.4以下である請求項1又は2に記載の電気デバイス。
  4. 前記正極の容量に対する前記負極の容量の比が1.2以上1.3以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気デバイス。
JP2017085159A 2017-04-24 2017-04-24 電気デバイス Active JP6939045B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017085159A JP6939045B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 電気デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017085159A JP6939045B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 電気デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018185890A JP2018185890A (ja) 2018-11-22
JP6939045B2 true JP6939045B2 (ja) 2021-09-22

Family

ID=64356188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017085159A Active JP6939045B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 電気デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6939045B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3227797A1 (en) * 2021-10-05 2023-04-13 Byung Chun Park Lithium secondary battery
CN117747952A (zh) * 2021-11-15 2024-03-22 宁德时代新能源科技股份有限公司 锂离子电池、电池模块、电池包及用电装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6035689B2 (ja) * 2012-08-02 2016-12-07 日産自動車株式会社 非水系有機電解液二次電池の製造方法
KR20170084307A (ko) * 2014-12-17 2017-07-19 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 전기 디바이스

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018185890A (ja) 2018-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5175826B2 (ja) 活物質粒子およびその利用
CN101436659B (zh) 用于锂离子二次电池的正极、其制造方法及锂离子二次电池
US8178238B2 (en) Positive-electrode active material for lithium-ion secondary battery, positive electrode, manufacturing method thereof, and lithium-ion secondary battery
CN111758176B (zh) 负极活性物质的预掺杂方法、负极的制造方法、以及蓄电装置的制造方法
JP5704986B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極材料及び非水電解質二次電池
WO2011036759A1 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
CN105308777B (zh) 电气设备用负极活性物质、及使用其的电气设备
JP2009043477A (ja) 正極活物質、これを用いた正極および非水電解質電池
CN111758179A (zh) 正极、电极组及非水电解质电池
JP5831769B2 (ja) リチウムイオン二次電池及びその製造方法
JP7140125B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびこれを含むリチウムイオン二次電池
CN107112518B (zh) 电气设备用负极活性物质和使用其的电气设备
KR101859347B1 (ko) 리튬 이온 이차 전지용 부극 활물질, 리튬 이온 이차 전지용 부극 및 리튬 이온 이차 전지
US20230137413A1 (en) Lithium secondary battery and method for using same
JP6897228B2 (ja) 活物質、電極及びリチウムイオン二次電池
JP6969085B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2017091821A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法
JP7003775B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6939045B2 (ja) 電気デバイス
JP6488689B2 (ja) 電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス
JP6972671B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
WO2023053591A1 (ja) 二次電池用電極、二次電池用電極の製造方法、及び二次電池
JP6485028B2 (ja) 電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス
DE102021132903A1 (de) Vorlithiierte siliciumteilchen und verfahren zu deren herstellung
JP6848981B2 (ja) 電気デバイス用負極及びそれを用いた電気デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210816

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6939045

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151