以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるプラグ側コネクタ(以下「第一コネクタ」という)とこれに嵌合接続されるレセプタクル側コネクタ(以下「第二コネクタ」という)と有するコネクタ組立体の嵌合接続前を示す外観斜視図であり、図2は嵌合接続後の状態を示す外観斜視図である。ここで、プラグ側とは雄型の端子を、レセプタクル側とはこれに嵌合する雌型の端子を有する側を示している。図3は図1の第一コネクタをその姿勢が上下反転している状態で、図4は図1の第二コネクタをその姿勢が上下反転している状態でそれぞれ示す外観斜視図である。また、図5は図1の両コネクタの内部を示す図1に対応の嵌合接続前の断面斜視図であり、図6は図2に対応する嵌合接続後の断面斜視図である。さらに、図7は第二コネクタに用いられる規制金具の斜視図であり、(A)は一方の面から、(B)は他方の面から見た図である。
第一コネクタ1は、雄型の第一端子(第一コネクタを構成する端子そしてハウジングには「第一」を付すこととし、第二コネクタ2については「第二」を付すこととする。)10と、該第一端子10を保持する電気絶縁材製の第一ハウジング20と、該第一ハウジング20に保持される規制金具30とを有している。該第一ハウジング20は、回路基板(図示せず)に対し第一端子10を介し取り付けられる固定ハウジング21と該固定ハウジング21に対して可動な可動ハウジング26とを有している。上記第一コネクタ1は、その第一ハウジング20が回路基板に平行な面で長手方向と短手方向に延び略直方体外形をなしていて、該第一ハウジング20の長手方向に二列をなして上記第一端子10が配列されている。二列の第一端子10は、上記長手方向に対して直角な短手方向(コネクタ幅方向)で互いに対称な向きで対向している。
固定ハウジング21は、回路基板に対し垂立し長手方向に延びる側壁22と短手方向に延びる端壁23とで周壁24を形成し、該周壁24の内方は上下に貫通していて上方から可動ハウジング26を収める中央空間24Aを形成している。上記側壁22は、長手方向にて端子配列範囲にわたり、外壁面に第一端子10の保持のための突出壁22Aが設けられ、該側壁22の内壁面は内方そして下方に向け開口された固定側凹部22B(図5参照)が形成されている。該固定側凹部22Bは、後述の第一端子10の弾性部を収める収容空間の一部を形成する。上記突出壁22Aそして固定側凹部22Bについては、後に第一端子10との関連で詳述する。
固定ハウジング21の側壁22は、上記突出壁22Aを除き、該側壁22の大部分における下面が可動ハウジング26の底壁29の下面よりも上方に位置している。図1や図5に見られるように、該側壁22のコネクタ長手方向での両端部(端子配列範囲外に位置する部分)の下面は、規制面22Cをなしている。該規制面22Cは、可動ハウジング26の後述する被規制突部26Cの上方に位置し、該被規制突部26Cと当接することにより可動ハウジング26の上方(コネクタ抜出方向)へ向けた移動ひいては第一端子10の上方への弾性変位を所定範囲内に規制するようになっている。
上記固定ハウジング21の端壁23には、規制金具30が端壁23の厚み内で保持されるようにして設けられている。固定ハウジング21は、該規制金具30に形成された後述の脚片状の実装部35が半田により回路基板へ強固に固定取付されることにより、既述した第一端子10のみならず該規制金具30を介しても回路基板(図示せず)に対して取り付けられている。
上記固定ハウジング21の端壁23には、上記規制金具30の後述する被固定部を保持するための保持溝23Aが該端壁23の厚み範囲内で、コネクタ幅方向で離間した二位置に、上下に貫通したスリット孔をなして形成されているとともに、上記二つの保持溝23Aの間には、上記規制金具30の後述の被支持部を支持するための上下に貫通したスリット孔をなす支持溝23Bが形成されていて、上記保持溝23Aの内面には、後述の規制金具30に形成された窓状の切欠部に係止する突起部23Dが設けられている。また、上記端壁23にはその底面側に、上記二つの保持溝23Aそして両保持溝23A間に位置する支持溝23Bを連通する横溝23Cも形成されている。
可動ハウジング26は、後述するように第一端子10の弾性部14の弾性変形により固定ハウジング21に対して可動となっている。該可動ハウジング26は、図5にみられるように、上記固定ハウジング21の中央空間24A内に貫入して位置する貫入部26Aと、上記中央空間24Aから上方へ突出して位置する突出部26Bとを有している。該可動ハウジング26は、上記突出部26Bから貫入部26Aに及ぶ範囲に相手接続部材、例えば相手コネクタとしての第二コネクタを受け入れる受入凹部27が上方に開口して形成さ
れている。該受入凹部27内には、可動ハウジング26の底壁29から立ち上がる第一端子10の保持のための中央突壁29Aが設けられている。さらに、可動ハウジング26の貫入部26Aの外面には、上記固定ハウジング21の固定側凹部22Bに対向するように可動側凹部26Dが下方に開口して形成されている。該可動側凹部26Dは上記固定側凹部22Bとともに、後述の第一端子10の上記弾性部を収容する収容空間20Aを形成する。本実施形態では、可動ハウジング26の中央突壁29Aが第一端子10を保持していることとしたが、該中央突壁29Aは必須ではなく、例えば、中央突壁29Aが設けられることなく、第一端子10の後述の可動側柱部11のみが受入凹部27内で起立するようにしてもよい。
また、可動ハウジング26は、図5によく見られるように、コネクタ長手方向での両端部(端子配列範囲外に位置する部分)の下端部からコネクタ幅方向外方へ突出する角柱状の被規制突部26Cを有している(図1をも参照)。該被規制突部26Cはコネクタ幅方向で固定ハウジング21の側壁22の範囲まで延びており、該被規制突部26Cの先端部が該側壁22の端部の平坦な下面(既述した規制面22C)の下方に位置している。第一端子10の弾性部14が自由状態にあるとき、被規制突部26Cの平坦な上面は、図1や図5に見られるように、側壁22の規制面22Cとの間に隙間をもって位置している。そして、上記弾性部14の弾性変形により可動ハウジング26が上方へ移動したとき、該被規制突部26Cが側壁22の規制面22Cに当接することにより、可動ハウジング26の移動ひいては第一端子10の上方への弾性変位が所定範囲内に留められる。換言すると、固定ハウジング21の規制面22Cおよび可動ハウジング26の被規制突部26Cは、互いに当接することで第一端子10の上方への弾性変形範囲について限界を定める第一規制手段を構成している。
また、本実施形態では、被規制突部26Cの上面および規制面22Cは、全域が平坦面をなしており、この平坦面同士で当接するが、全域が平坦面であることは必須ではなく、例えば、被規制突部26Cの上面および規制面22Cの一方に突出部分を設けて、該突出部分で他方に当接するようになっていてもよい。
また、可動ハウジング26は、図3によく見られるように、コネクタ長手方向での両端位置での底壁29の底面(図3では上面として表われている)に、規制金具30の後述する板片状の規制部34の板厚の少なくとも一部を収める没入部29Cが略台形の平面形状をなして形成されている。第一端子10の弾性部14が自由状態にあるとき、上記規制部34を収める没入部29Cの底面は規制金具30の規制部34との間に隙間をもって位置している。そして、上記弾性部14の弾性変形により可動ハウジング26が下方へ移動したとき、該没入部29Cが規制部34に当接することにより、可動ハウジング26が移動、すなわち、第一端子10が下方への弾性変位して該規制部34の板厚の少なくとも一部が所定範囲内に留められる。また、図5に見られるように、可動ハウジング26の底壁29の下面には、コネクタ幅方向中央域で下方へ向けて突出するとともにコネクタ長手方向で端子配列範囲全域にわたって延びる下突部29Dが形成されている。
雄端子をなす第一端子10は、図5に見られるように、金属板の平坦面を維持したまま形状づけられている。この第一端子10は、同一形状の端子がコネクタ幅方向で左右対称となるようにして同方向で対向して対をなして配置されており、コネクタ長手方向で複数対が配列されている。対をなして図示されている二つの第一端子10は、左右対称に配置されてはいるものの同一形状であるので、以下、一方の第一端子10(図5にて右側に位置する第一端子10)について説明する。
第一端子10は、図5に見られるように、コネクタ幅方向で対向する相手方となる第二端子40に近接する位置で垂立し可動ハウジング26により保持される可動側柱部11と
、該可動側柱部11に対し上記コネクタ幅方向で、反対側に位置して垂立する固定側柱部12と、固定側柱部12の下端から横方向に延びる接続部13と、可動側柱部11と固定側柱部12の間に位置する弾性部14とを一体に有している。
上記可動側柱部11は、その上半部が第二コネクタ2の雌型の第二端子40と接触する接触部11Aをなし、下半部が可動ハウジング26に固定保持される可動側被保持部11Bをなしている。接触部11Aはその先端(上端)が上記第二端子40への嵌入を容易とするように面取りされており、可動側被保持部11Bは可動ハウジング26に係止するためにその側縁に係止突起11B−1が設けられている。
上記可動側被保持部11Bは、可動ハウジング26の底壁29に形成された保持溝29Bに下方から圧入されて該保持溝29Bで保持される。その際、上記係止突起11B−1が該保持溝29Bの対応内面に喰い込み係止が強固になる。
上記固定側柱部12は、その下端側の基部12Aよりも上方部分が固定側被保持部12Bとして形成されている。該固定側被保持部12Bには、固定ハウジング21に係止するための係止突起12B−1が設けられている。該固定側被保持部12Bは、固定ハウジング21の側壁22の外壁面で突出した突出壁22Aの厚み内に上下貫通して形成された保持溝22A−1に下方から圧入されて該保持溝22A−1で保持される。その際、上記係止突起12B−1が該保持溝22A−1の対応内面に喰い込み係止が強固になる。
上記固定側柱部12の基部12Aの下端からは固定ハウジング21の下面に沿って横方向に延び固定ハウジング21外へ向け突出する接続部13が設けられている。
上記第一端子10は、上記可動側被保持部11Bと固定側被保持部12Bとの間に位置する部分に弾性部14を有している。該弾性部14は、左方へは、上記可動側被保持部11Bの下端から横方向に延びる可動側移行部15を経て上記可動側被保持部11Bと連結され、右方へは、上記固定側被保持部12Bの下方の基部12Aから横方向に延びる固定側移行部16を経て上記固定側被保持部12Bに連結されている。
上記弾性部14は、上記可動側移行部15と固定側移行部16とから立ち上がり、略M字状をなして屈曲されて一つの連続した帯状部をなしている。略M字状をなす該弾性部14は、可動側被保持部11Bそして固定側被保持部12Bよりも細い幅の帯状をなしており、上部に弯曲形状の二つの屈曲部14A,14Cと下部に弯曲形状の一つの屈曲部14Bを有するとともに、屈曲部14Aと屈曲部14Bを結ぶ内側直状部14Dそして屈曲部14Cと屈曲部14Bを結ぶ内側直状部14E、さらには、上記屈曲部14Aと屈曲部14Cのそれぞれから外側に延びる外側直状部14F,14Gを有し、二つの逆U字状の波形部の間に一つのU字状の波形部を位置させて全体として略M字状をなすように三つの波形部を連続した波形をなしていて弾性変形を可能としている。かくして、三つの波形部のそれぞれは、屈曲部と直状部とを有している。三つの波形部において、各直状部14D,14E,14F,14Gは、屈曲部14Aと14Cあるいは14Bから遠くになるにしたがい波形の開き幅を広くするように傾斜した拡幅部分を形成している。
上記三つの波形部のうち、左側に位置する波形部は、外側直状部14Fから下方に延びて上下方向で屈曲部14Bよりも下方位置で下方に向け内側(図5にて右側)に傾斜する傾斜部14Hを有しており、これに対し、右側に位置する波形部は、上記外側直状部14Gから下方に延びて下方の屈曲部14Bよりも下方位置で下方に向け内側(図5にて左側)に傾斜する傾斜部14Iを有している。かくして、上記傾斜部14Hと傾斜部14Iとが、下方に向け内側に傾斜することで、上記下方の屈曲部14Bよりも下方の範囲で、互いの間隔を狭めている。
規制金具30は、図3、図7(A),(B)、特に図7(A),(B)に良く見られるように、金属板部材を板厚方向に屈曲して作られており、上記固定ハウジング21の端壁23に形成された保持溝23Aに圧入される腕状の被固定部31と、支持溝23Bへ圧入もしくは挿入される被支持部32と、横溝23Cに挿入される横部33と、該横部33から屈曲されて可動ハウジング26の没入部29Cに収まる規制部34と、回路基板(図示せず)へ半田により取り付けられる実装部35とを有している。
上記被固定部31、被支持部32そして横部33は、図7(A),(B)にて、垂立する一つの面上に位置し、横部33の両端から被固定部31が上方に延び、両被固定部31の間の中央位置から被支持部32が上方に延びている。
上記被固定部31は、上記被支持部32よりも高い位置まで延びていて、その上部に窓状の切欠部31Aが形成されている。該切欠部31Aは、強度上、窓状が好ましいが、上縁部が設けられていれば、一方の側縁が切り落された形状であってもよい。また、上記被固定部31は、その側縁に係止突起31B,31Cが設けられている。該被固定部31はその上端部が板厚方向と幅方向にテーパ状をなし保持溝23Aへ圧入しやすくなっている。二つの被固定部31はその下部同士が横部33により連結されており、この横部33の横方向中央位置から被支持部32が上方に延びている。この被支持部32も、上記被支持部32も、上記被固定部31と同様に、上端部が板厚方向と幅方向にテーパ状をなし支持溝23Bへ挿入しやすくなっている。
上記横部33の横方向中央位置には、上記被支持部32の幅よりも広い幅の基部を有する規制部34が上記横部33に対し直角方向に屈曲されて延びている。該規制部34は、屈曲位置の基部から先方へ向け先細りの略三角形状をなしている。
さらに、横部33の横方向両端に位置する被固定部31の下端位置からは、上記規制部34とは逆方向に向け屈曲されて延びる実装部35が設けられている。
このような規制金具30は、固定ハウジング21の底面側から、すなわち図1では下方から、そして図3では上方から、被固定部31が固定ハウジング21の保持溝23Aへ圧入もしくは挿入され、被支持部32が支持溝23Bへ挿入され、そして横部33が横溝23Cは挿入されることで、固定ハウジング21へ取り付けられる。上記被固定部31は、その係止突起31B,31Cが保持溝32Aの内壁に喰い込んで、規制金具30の取付け位置が定まるとともに、該規制金具30の抜けが防止される。この取付完了状態では、上記規制部34は該没入部29Cの底面と隙間を形成しつつ対面している。
また、上記実装部35は、固定ハウジング21の端壁23の下面に面して位置し、回路基板への半田付けによる実装が可能となっている。
また、本実施形態では、上記規制部34は、可動ハウジング26の没入部29Cに対し、全域で平坦面をなして没入部29Cに当接するが、全域が平坦面であることは必須ではなく、例えば、没入部29Cの上面側に局部突出部分を設け、また、没入部29Cには、この局部突出部分に相当する位置にさらに没入する段状局部没入部を形成し、該局部突出部分が上記局部段状没入部に収まるようにして、規制部34と没入部29Cとが当接可能とするようにしてもよい。
本実施形態では、既述したように、第一端子10の上下方向での弾性変形範囲は、上方での限界が第一規制手段(固定ハウジング21の規制面22Cおよび可動ハウジング26の被規制突部26C)によって定められ、下方での限界が第二規制手段(規制金具30の
規制部34および可動ハウジング21の没入部29C)によって定められている。本実施形態では、この弾性変形範囲の上下方向寸法は、該弾性変形範囲内での弾性部14のばね力が、コネクタ嵌合状態における第一端子10の接触部11Aと後述する第二コネクタ2の第二端子40の接触部44Aとの間のコネクタ挿抜方向における摩擦にもとづく保持力よりも小さくなるように設定されている。換言すると、上記弾性変形範囲内では、弾性部14の最大弾性変形量におけるばね力(以下、「最大ばね力」という)が上記保持力よりも小さくなっている。
次に、第二コネクタ2は、図1,2,3,4,5,6に見られるように、雌型の第二端子40と、該第二端子40を保持する電気絶縁材製の第二ハウジング50と、該第二ハウジング50に保持される取付金具60とを有しており、第二ハウジング50が回路基板(図示せず)に対し上記第二端子40を介して取り付けられている。該第二ハウジング50は、第一コネクタ1の第一ハウジング20における長手方向そして短手方向をそれぞれ該第二ハウジング50の長手方向そして短手方向とする略直方体外形をなしていて、該第二ハウジング50の長手方向に二列をなして上記第二端子40が配列されている。二列の第二端子40は、上記長手方向に対して直角な短手方向(コネクタ幅方向)で互いに対向している。なお、図1、図2、図5、図6では、上記第二コネクタ2は下方に位置する第一コネクタ1に対する嵌合方向を向く姿勢で示されているが、第二コネクタ2単体を示す図4では、上下方向で反転した姿勢で描かれている。
第一コネクタ1の相手方たる第二コネクタ2の第二ハウジング50は、回路基板(図示せず)に対して取り付けられる取付ブロック部51と、該取付ブロック部51から第一コネクタ1への嵌合方向に突出する嵌合ブロック部52とを有し、ともに第一コネクタ1の長手方向そして短手方向をそれぞれ同じく長手方向そして短手方向とする略直方体外形をなしている。上記第二ハウジング50は、図1そして図5で上方から見て取付ブロック51の中央で、上部側に上部没入部53Aそして下部側に上部没入部53Aよりも幅狭で深い下部没入部53Bが形成されていて、該上部没入部53Aと下部没入部53Bの間の部分に、中央壁部54が形成されており、上記上部没入部53Aと下部没入部53Bの内壁に沿って延び上記中央壁部54を貫通する端子溝55が形成されている。該端子溝55には後に詳述する第二端子40が圧入保持されている。
上記取付ブロック部51の長手方向に延びる側壁56の外面(図4参照)は、該長手方向中央部にて、短手方向に没した凹壁部56Aが形成されていて、ここに後に詳述する第二端子40の接続部42が位置しており、回路基板へのこの接続部42の半田接続そしてその接続確認を容易としている。
上記第二ハウジング50の端壁57には、その外面位置にL型の取付金具60が設けられていて、コネクタ長手方向外方へ延出する取付片61にて半田により回路基板に強固に固定取付される。なお、該取付金具60は第二ハウジング50の回路基板への取付けに際し、必須なものではなく、上記第二端子40の回路基板への半田接続による取付強度が十分確保できるときには、該取付金具60は不要である。
雌端子をなす第二端子40は、既述の第一端子10と対応してコネクタ嵌合接続前の状態を示す図5に見られるように、金属帯状部材を板厚方向に屈曲して形状づけられている。この第二端子40は、第一端子10と同様に同一形状の端子がコネクタ幅方向で左右対称となるようにして同方向で対向して対をなして配置されており、コネクタ長手方向で複数対が配列されている。図5では、複数対の第二端子40のうち、一対のみが第二ハウジング50から抽出された状態で図示されている。対をなして図示されている二つの第二端子40は、左右対称に配置されてはいるものの同一形状であるので、以下、一方の第二端子40(図5にて右側に位置する第二端子40)について説明する。
上記第二端子40は、図5にて、該第二端子40の中間部の位置で上記第一端子10の板面に対し直角方向な板面をなす平帯状の被保持部41と、該被保持部41よりも上端側で該被保持部41の板面に対して直角に屈曲された接続部42と、上記被保持部41よりも下方での中間位置に断面がU字状をなす中間基部43と、該中間基部43よりもさらに下側で、フィンガ状に延びる一対の接触片44Aから成る接触部44とを有している。
上記被保持部41は平帯状をなし両側縁には、第二ハウジング50の端子溝55の対応面に喰い込む係止突起41Aが設けられている。
上記中間基部43は、くびれた連結部45を介して上記被保持部41と連結されており、上記被保持部41の板面を下方に延長した板面状の底面部と、該底面部の両側縁から該底面部の板面に対して直角をなしていて図5にて紙面に対し手前側と奥側との二つの側面部を有し、上記底面部と両側の側面部とでU字状をなしている。
上記接触部44は、上記中間基部43の両側の側面部の下端からそれぞれ下方へ向けフィンガ状に延びる一対の接触片44Aを図5で紙面に対し直角方向で対向させることで形成されている。この一対の接触片44Aは下方に向けその間隔を次第に狭めて互いに近接する方向に傾斜し、下端近傍で上記間隔を最小とし、再び下端に向け広がり、この間隔が最小の部分で喉部44A−1を形成している。該喉部44A−1における両接触片44Aの間隔は既述の第一端子10の接触部11Aの板厚よりも小さく、上記喉部44A−1で該接触部11Aを挟圧して弾性接触するようになっている。
かかる形状の第二端子40は、図1、図2、図5、図6において第二ハウジング50の端子溝55へ上方から圧入される(第二コネクタ2を図1、図2、図5、図6に対して上下反転して示す図4にあっては下方から圧入される)。上記端子溝55は、図5において、上記第二端子40が上方から圧入される関係上、上記中央壁部54には、上記第二端子40の最大外周形、すなわち、断面がU字状をなす中間基部43の外周形状に相当する内周形状の四角筒孔54Aが該中央壁部54を上下に貫通して形成されていて、上記中間基部43の通過を可能としている。一方、四角筒孔54A及び上部没入部53Aの内壁面には、上記断面がU字状の中間基部43が上記中央壁部54の上記四角筒孔54Aを通過した後に、該上部没入部53Aの内壁面に位置する平帯状の被保持部41を収める溝部55Aが該被保持部41の板厚に相当する深さの溝として形成されており、被保持部41の係止突起41Aが該被保持部41の溝部55Aへの圧入の際、この溝部55Aの内面へ喰い込んで、第二ハウジング50により保持され抜けが防止される。また、上記中央壁部54よりも下方(図4では上方)の下部没入部53Bの内壁面には上記第二端子40を所定位置に圧入組立てされた際に上記中間基部43と接触部44とを収める溝部55Bが形成されている。上記溝部55Bは、上記中間基部43に対しては、該溝部55Bの溝底面が上記中間基部43の底面部43Aと接触しあるいは間隙を形成し、溝側面が側面部43Bに対し間隙を形成しており、また接触部44に対しては、一対の接触片44Aの弾性変形を可能とする空間を形成している。
かかる構成の本実施形態の回路基板用電気コネクタの使用要領を、主として図1、図5、図6にもとづき以下に説明する。
第一コネクタ1と第二コネクタ2は、それぞれ対応する回路基板(図示せず)へ半田接続により取り付けられる。すなわち、第一コネクタ1は、固定ハウジング21に保持されている第一端子10の接続部13と規制金具30とで半田され、第二コネクタ2は第二端子40の接続部42と取付金具60とで半田されることで、それぞれの回路基板へ取り付けられる。図1、図5、図6では、回路基板は図示が省略されているが、第一コネクタ1
はその下面で回路基板にそして第二コネクタ2はその上面で回路基板に取り付けられることとなる。
先ず、図1そして図5に見られるように、上面で回路基板に取り付けられている第二コネクタ2が、その嵌合ブロック部52を下向きとした姿勢で、上記第一コネクタ1の上方位置にもたらされる。しかる後、上記第二コネクタ2はそのままの姿勢で降下され、上記嵌合ブロック部52が第一コネクタ1の可動ハウジング26の受入凹部27へ進入し該可動ハウジング26に嵌合される(図2、図6参照)。
第二コネクタ2が第一コネクタ1に嵌合されると、第二コネクタ2の第二端子40は対をなすフィンガ状の接触片44Aから成る接触部44が第一コネクタ1の第一端子10の接触部11Aを挟圧して所定の保持力をもって該接触部11Aと弾性接触するようになる。
上記第二端子40の接触部44は、対をなす接触片44Aの下端近傍に喉部44A−1を有しているので、この喉部44A−1へ第一端子10の平帯状の接触部11Aが円滑に進入することで、該第一端子10の接触部11Aを弾性力をもって挟圧して該第一端子10との電気的接続がなされる。
かくして、第一コネクタ1と第二コネクタ2とは接続され、第一コネクタ1側の回路基板と第二コネクタ2側の回路基板は、第一端子10そして第二端子40を介して導通状態となる。
第二端子40の接触部44が第一端子10の接触部11Aを挟圧した状態(以下、「挟圧状態」という)は、コネクタ嵌合過程(途中)の段階から生じており、コネクタ嵌合過程が完了した後においてもその挟圧状態が維持されている。本実施形態では、既述したように、第一端子10の弾性部14の上下方向での弾性変形範囲内において、上記挟圧状態で生じる保持力は上記弾性部14の最大ばね力よりも大きくなっている。したがって、コネクタ嵌合過程にて、第一端子10の可動側柱部11は、該可動側柱部11の接触部11Aが第二端子40の接触部44によって上記保持力をもって挟圧されると、接触部44との接触位置(挟圧位置)を維持しつつ、すなわち接触部11Aと接触部44との摺動を生じさせることなく、第二端子40とともに下方へ移動する。該可動側柱部11の移動は弾性部14の下方への弾性変形により許容される。また、該可動側柱部11を圧入保持している可動ハウジング26も該可動側柱部11とともに下方へ移動する。
コネクタ嵌合過程における上述した可動ハウジング26の下方への移動は、該可動ハウジング26の没入部29Cが規制金具30の規制部34に当接するまで行われる。可動ハウジング26の没入部29Cが上記規制部34に当接すると、該可動ハウジング26はそれ以上の下方に向けた移動は規制部34により規制され、可動ハウジング26が回路基板に衝突することはない。上記当接の状態では、規制部34はその板厚の少なくとも一部が上記没入部29Cに収まっている。規制部34が没入部29Cに収まると、該規制部34の側端縁がその板厚面で没入部29Cの段状縁部に対向するので、没入部29Cの底面に平行となる横方向でも、上記没入部29Cの段状縁部が上記規制部34の側端縁に当接することで、フローティング量の規制がなされる。
規制金具30は、被固定部31が固定ハウジング21の保持溝23Aに圧入されているとともに係止突起31B,31Cが保持溝23Aの内面に喰い込んでいるので、固定ハウジング21に対して位置決めされているとともに、第二コネクタ2の挿抜時に力を受けても上記保持溝23Aから抜けることはない。また、被固定部31に形成された切欠部31Aが固定ハウジング21の保持溝23Aの内面に形成された突起部23Dに係止するので
、第二コネクタ抜出時に、固定ハウジング21の上記抜出方向への力に確実に抗して該力による移動、損傷を防止する。
さらに規制金具30は、規制部34に対応する位置に被支持部32が設けられ、該被支持部32が固定ハウジング21の支持溝23Bで支持されているので、規制部34が可動ハウジング26の下方への移動を規制する際に可動ハウジング26から力を受けて横部33にねじれを生じようとしても、上記支持溝23Bで支持されている被支持部32がこのねじれの力を受けるので、横部33はねじれ変形が生じない。
上記可動ハウジング26の没入部29Cが規制金具30の規制部34に当接する時点において、該弾性部14は上記当接のもとではこれ以上下方へ弾性変形することがないので、弾性部14の下方への弾性変形量は弾性変形範囲にて最大となっている。したがって、没入部29Cと規制部34との当接後、第二コネクタ2が上方からさらに押し込まれると、第一端子10の可動側柱部11ひいては接触部11Aは移動せずに、第二端子40の接触部44のみが下方へ移動することにより、接触部11Aと接触部44とが摺動する。コネクタ嵌合過程は、上下二つの回路基板同士間に所定寸法を確保するために配されたスペーサ(図示せず)に該回路基板が当接した時点で完了して、その結果、コネクタ1,2同士がコネクタ嵌合状態となる。このコネクタ嵌合状態では、可動ハウジング26の被没入部29Cと規制金具30の規制部34とが当接した状態そして弾性部14が最大変形量をもって下方へ変形した状態が維持されている。また、可動ハウジング26の被規制突部26Cと固定ハウジング21の規制面22Cとの間には上下方向で隙間が形成されている(図2参照)。また、コネクタ嵌合状態において、第二コネクタ2の嵌合ブロック部52の下端は第一コネクタ1の受入凹部27の底面に当接しておらず、両者間に隙間が形成されている。
上記可動ハウジング26の没入部29Cが規制金具30の規制部34に当接する際、当接の状況により、没入部29Cが規制部34に軽く当接してその当接位置で停止する場合(前者)と、強く当接して規制部34を一時的に弾性変形させる場合(後者)とがある。前者の場合は、没入部29Cは規制部34に当接した位置で下方への移動が規制部34で規制されて該規制部34の位置で停止しそのまま留まる。一方、後者の場合、図8(A)に示されるような没入部29Cが規制部34に離間する状態から、図8(B)に示されるように規制部34に強く当接して図8(C)のごとく規制部34を回路基板Pに当接するまで下方に弾性撓みさせて没入部29C自体をその撓みの分だけ下方へ移動した後、規制部34の復元力により図8(B)の状態に戻り停止しその位置が維持される。なお、上記規制部34は、コネクタ嵌合前から可動ハウジングの下面に当接するように位置していてもよい。
次に、本実施形態の変形例を図9にもとづき説明する。既述の実施形態では、図3に見られるように、規制金具30の規制部34は略三角形状をなしていたが、これに限らず、図9のように四角形とすることができる。したがって、これに伴い、可動ハウジング26の没入部29Cも四角形状の底面を有している。この形態では、規制部が四角形状をなしているので、没入部29Cとの当接可能面積が広くなり、その強度が向上する。また、横方向でのフローティング量を規制する場合、規制部34の側端縁と没入部29Cの段状縁部の長さがいずれも大きくとれるので、横方向での規制力を大きく確保できる。
上記第一コネクタ1の第一端子10の弾性部14は、上下方向のみならず、コネクタ長手方向そしてコネクタ幅方向においても弾性変形可能なので、コネクタ嵌合過程そしてコネクタ嵌合状態において、第二コネクタ2が正規位置あるいは正規姿勢からコネクタ長手方向、コネクタ幅方向そして上下方向で多少ずれていても、上記弾性部14でそのずれを吸収することができる。