本開示に係るショーケースを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1から図10を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1はショーケースの全体構成を模式的に示す図である。図2はショーケース背面側の風路構成を模式的に示す図である。図3はショーケースの制御系統の構成を示すブロック図である。図4はショーケースの動作例を示すフロー図である。図5はショーケースの構成の変形例を模式的に示す図1相当図である。図6から図9は、それぞれショーケースの構成の別の変形例を模式的に示す図2相当図である。図10はショーケースの動作の別例を示すフロー図である。
この実施の形態に係るショーケース100は、スーパー、コンビニエンスストア等に設置されて飲料や食品等を貯蔵陳列するクローズド(リーチイン)ショーケースである。なお、ショーケース100は、貯蔵室を開閉する戸を備えないオープンショーケースであってもよい。
図1に示すように、ショーケース100は、筐体1を備えている。筐体1は、全体として直方体の箱状を呈する。筐体1には、貯蔵室3及び機械室2が形成されている。貯蔵室3は、筐体1における上側に配置されている。筐体1の下側は、機械室2になっている。なお、ここで説明する構成例は、1つの筐体1に貯蔵室3及び機械室2が設けられているいわゆる一体型のショーケースと呼ばれるものである。しかし、この構成に限られず、貯蔵室3と機械室2とが、それぞれ別の筐体に設けられていてもよい。
貯蔵室3は、その内部に冷却対象となる飲料、生鮮食品等の貯蔵物を収納可能な空間である。貯蔵室3には、生鮮食品等を陳列するための複数の陳列棚4が、上下方向に配列されて取り付けられている。貯蔵室3の少なくとも1つの面には、開口が形成されている。そして、この開口を通じて陳列棚4上に食品を出し入れできる。ここで説明する構成例では、貯蔵室3の前面に開口がある。すなわち、貯蔵室3は、筐体1の前面で開口されている。貯蔵室3の前面には、開口を開閉する戸5が設けられている。
ショーケース100は、冷媒回路を備えている。図1に示すように、冷媒回路は、圧縮機11、凝縮器12、膨張弁13及び蒸発器60が、この順序で循環的に冷媒配管17により接続されて構成されている。冷媒配管17等を含む冷媒回路には、冷媒が封入されている。
冷媒回路に封入される冷媒は、地球温暖化係数(GWP)の小さいものを用いることが地球環境保護上の観点からいって望ましい。また、冷媒回路に封入される冷媒は可燃性である。この冷媒は空気よりも平均分子量が大きい。すなわち、冷媒は、空気よりも密度が大きく、大気圧下で空気より重い。したがって、冷媒は、空気中では重力方向の下方へと沈んでいく性質を持っている。
このような冷媒として、具体的に例えば、テトラフルオロプロペン(CF3CF=CH2:HFO−1234yf)、ジフルオロメタン(CH2F2:R32)、プロパン(R290)、プロピレン(R1270)、エタン(R170)、ブタン(R600)、イソブタン(R600a)、1.1.1.2−テトラフルオロエタン(C2H2F4:R134a)、ペンタフルオロエタン(C2HF5:R125)、1.3.3.3−テトラフルオロ−1−プロペン(CF3−CH=CHF:HFO−1234ze)、二酸化炭素(CO2:R744)等の中から選ばれる1つ以上の冷媒からなる(混合)冷媒を用いることができる。
圧縮機11は、冷媒を圧縮して当該冷媒の圧力及び温度を高める。圧縮された冷媒は、圧縮機11から吐出される。圧縮機11は、例えば、ロータリ圧縮機、スクロール圧縮機、レシプロ圧縮機等を用いることができる。
凝縮器12は、圧縮機11から吐出された冷媒と周囲の空気との間で熱交換させ、冷媒を放熱させて凝縮させる。凝縮器ファン15は、凝縮器12により加熱された空気を送り出すとともに、凝縮器12の周囲に新たな空気を送り込むことで、凝縮器12における熱交換を促進する。
膨張弁13は、凝縮器12で凝縮された冷媒を膨張させ、当該冷媒を減圧する。ここで説明する構成例では、膨張弁13は、リニア電子膨張弁(LEV:Linear Electric expansion Valve)である。したがって、膨張弁13を閉じることで、冷媒の流通を阻止できる。
蒸発器60は、膨張弁13で減圧された冷媒と周囲の空気との間で熱交換させ、冷媒に吸熱させて蒸発させる。この際、冷媒と熱交換を行った空気は冷却される。すなわち、蒸発器60は冷却器として働く。蒸発器ファン16は、冷却器としての蒸発器60により冷却された空気を送り出すとともに、蒸発器60の周囲に新たな空気を送り込むことで、蒸発器60における熱交換を促進する。
以上のように構成された冷媒回路を冷媒が循環することで、蒸気圧縮冷凍サイクルが実現される。この冷媒回路により実現された冷凍サイクルは、蒸発器60側と凝縮器12側との間で熱を移動させるヒートポンプとして働く。なお、蒸発器ファン16及び凝縮器ファン15は、例えばプロペラファン、ラインフローファン(登録商標)、シロッコファン等である。
機械室2の内部には、圧縮機11、凝縮器12、凝縮器ファン15及び膨張弁13が収容されている。機械室2には、給気口及び排気口が形成されている。給気口は、機械室2内に外気を導入するための開口である。排気口は、凝縮器12を通過した空気を機械室2外に排出するための開口である。ここで説明する構成例では、給気口は、貯蔵室3の開口と同じ側、すなわち、筐体1の前面に配置されている。排気口は、給気口の反対側、すなわち、筐体1の背面に配置されている。
機械室2の内部には、給気口から排気口まで通じる機械室風路が形成されている。凝縮器12及び凝縮器ファン15は、この機械室風路中に配置されている。そして、凝縮器ファン15は、機械室風路中に凝縮器12を通過する空気流を生成するファンである。
貯蔵室3内には吹出口22及び吸込口21が形成されている。筐体1には、吸込口21から吹出口22に至る貯蔵室風路70が設けられている。この貯蔵室風路70は、仕切り部材6により貯蔵室3とは区画されている。貯蔵室風路70中には、蒸発器60及び蒸発器ファン16が収容されている。すなわち、蒸発器60は、吹出口22を介して貯蔵室3の内部と通じた貯蔵室風路70中に配置されている。そして、蒸発器ファン16は、貯蔵室風路70中に蒸発器60を下から上に通過する向きの空気流を生成する。図示の構成例では、蒸発器ファン16は、貯蔵室風路70中における蒸発器60の上方に配置されている。
蒸発器ファン16が駆動されると、蒸発器60を通過して生成された冷気が吹出口22から貯蔵室3内に吹き出される。吹出口22は、貯蔵室3の上側の内壁面の前端部において、貯蔵室3に臨むようにして下側に向かって開口している。吹出口22から吹き出された冷気は、戸5に沿って降下する。これにより、貯蔵室3の開口には、冷気のエアカーテンが形成される。貯蔵室3内の空気の一部は、吸込口21から吸い込まれる。吸込口21から吸い込まれた空気は、貯蔵室風路70を通る際に蒸発器60で冷却されて、吹出口22から再び貯蔵室3内に吹き出される。
この実施の形態のショーケース100は、逆止弁18を備えている。逆止弁18は、蒸発器60と圧縮機11との間の冷媒配管17に設けられている。逆止弁18は、一方向のみ冷媒の流通が可能である。この実施の形態では、冷媒は、蒸発器60から圧縮機11へのみ冷媒の流通が可能である。すなわち、逆止弁18は、蒸発器60から圧縮機11へと向かう冷媒の流通を許可する。そして、逆止弁18は、圧縮機11から蒸発器60へと向かう冷媒の流通を禁止する。このような逆止弁18を備えることで、圧縮機11の動作が停止して、冷媒回路内の冷媒の流れが停止していても、圧縮機11から蒸発器60へと冷媒は流れない。
前述したように、膨張弁13を閉じることで冷媒の流通を阻止できる。すなわち、膨張弁13は、冷媒の流通を阻止可能な阻止手段を構成している。より詳しく言えば、この実施の形態においては、膨張弁13は阻止手段を兼ねている。阻止手段としての膨張弁13は、凝縮器12と蒸発器60との間の冷媒配管17に設けられている。なお、阻止手段として、膨張弁13とは別の閉止弁を凝縮器12と蒸発器60との間の冷媒配管17に設けてもよい。
図2に示すように、蒸発器60は、伝熱管61及びフィン62を備えている。伝熱管61は冷媒配管17と例えば溶接等により接続されている。伝熱管61の内部には、冷媒配管17を通じて冷媒が流通する。伝熱管61は、蒸発器60の両側において折り返されている。伝熱管61は、直状部63、第1U字状部64及び第2U字状部65を備えている。直状部63は、直線状を呈する。直状部63は、複数設けられる。複数の直状部63は、互いに平行に、かつ、鉛直方向に並べられて配置される。それぞれの直状部63は、その長手方向が水平となるように配置されている。
フィン62は、複数設けられる。それぞれのフィン62は、平板状の金属板である。複数のフィン62は、間隔をあけて互いに平行になるように並べて配置される。それぞれのフィン62は、その長手方向が鉛直となるように配置されている。伝熱管61の直状部63は、これら複数のフィン62を貫通して設けられる。
第1U字状部64及び第2U字状部65は、U字状に屈曲している。第1U字状部64及び第2U字状部65は、隣合う直状部63の端部同士を接続している。第1U字状部64は、直状部63の一端側に設けられる。直状部63と第1U字状部64との接続部分は、例えば、ろう付けにより接合されている。すなわち、直状部63と第1U字状部64との接合部は、ろう付け部である。第2U字状部65は、直状部63の他端側に設けられる。第2U字状部65は、1本の管がU字状に屈曲されることで2つの隣り合う直状部63と一続きに形成されている。
図2に示すように、貯蔵室風路70の蒸発器60を通過する部分は、第1風路71と、第2風路72とに分岐している。第1風路71は、蒸発器60における伝熱管61の直状部63を通過する風路である。第2風路72は、蒸発器60における伝熱管61のU字状部を通過する風路である。図示の構成例では、第2風路72は、伝熱管61のU字状部のうちの特に第1U字状部64を通過するように形成されている。
第2風路72は、蒸発器60の第1U字状部64が設けられた側の側方における、蒸発器60の下端から上端にわたって配置されている。蒸発器60の下端部分における第1U字状部64の側の側方には、第2風路72の入口開口部73が形成されている。また、蒸発器60の上端部分における第1U字状部64の側には、遮蔽板80が設けられている。そして、遮蔽板80には、第2風路72の出口開口部81が形成されている。
蒸発器ファン16が駆動されると、貯蔵室3内の空気の一部が、吸込口21か貯蔵室風路70内に吸い込まれる。貯蔵室風路70内に吸い込まれた空気は、蒸発器60の下側において、第1風路71を通るものと第2風路72を通るものとに分かれる。第1風路71を通る空気流は、蒸発器60における伝熱管61の直状部63及びフィン62を通過する際に冷却される。第2風路72を通る空気流は、蒸発器60における伝熱管61の第1U字状部64及びその側方を通過する。第1風路71を通った空気流と第2風路72を通った空気流とは、蒸発器60の上側において合流する。そして、合流した空気流は、冷気として吹出口22から貯蔵室3内に吹き出される。
この実施の形態のショーケース100は、冷媒センサ40を備えている。図1及び図2に示すように、冷媒センサ40は、貯蔵室風路70中における伝熱管61の第1U字状部64の上方に配置されている。これらの図に示す構成例では、遮蔽板80は、貯蔵室風路70中における伝熱管61の第1U字状部64の上方にまで延びて箱状に配置されている。出口開口部81は、箱状の上面にあたる遮蔽板80に形成されている。そして、冷媒センサ40は、遮蔽板80により箱状に囲われた空間の内側すなわち出口開口部81の下方で、かつ、第1U字状部64の直上に配置されている。
冷媒センサ40は、少なくとも、冷媒配管17及び伝熱管61に封入されたものと同種の冷媒を検知可能である。冷媒センサ40は、例えば、接触燃焼式、半導体式、熱伝導式、低電位電解式及び赤外線式などの各方式のセンサを用いることができる。また、冷媒センサ40として酸素センサを用いることもできる。酸素センサを用いた場合には、センサ出力に基づいて酸素濃度を求め、酸素濃度の低下分は流入ガスによるものであるとして流入ガスの濃度を逆算することで、流入ガスすなわち冷媒の濃度を間接的に検出することができる。酸素センサとしては、例えば、ガルバニ電池式、ポーラロ式及びジルコニア式等の各方式を用いることができる。
この実施の形態に係るショーケース100の制御系統の構成を図3に示す。同図に示すように、この実施の形態に係るショーケース100は、制御装置50を備えている。制御装置50は、ショーケース100の動作制御に係る信号を処理し、ショーケース100の運転動作全般を制御する。具体的には、制御装置50は、圧縮機11、凝縮器ファン15及び蒸発器ファン16の動作を制御する。さらに、制御装置50は、前述した阻止手段としての膨張弁13の動作も制御する。
制御装置50は、ハードウェアとして、例えば、プロセッサ及びメモリを備えたコンピュータから構成されている。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、又は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
制御装置50のメモリには、ソフトウェアとしてのプログラムが記憶される。そして、制御装置50は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実施し、ハードウェアとソフトウェアとが協働した結果として、後述する機能を実現する。
なお、制御装置50の回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。制御装置50の回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、かつ、当該回路にプロセッサ及びメモリが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
ショーケース100は、通常の冷蔵又は冷凍運転(以下、単に「通常運転」ともいう)が可能である。通常運転とは、貯蔵室3内の貯蔵物を冷却する運転である。通常運転を行う時には、制御装置50は、膨張弁13を開き、圧縮機11、凝縮器ファン15及び蒸発器ファン16を動作させる。
この実施の形態に係るショーケース100は、冷媒センサ40の検知結果を利用して、蒸発器60からの冷媒漏洩の発生を検知する。前述したように、冷媒センサ40は、直接的又は間接的に冷媒配管17及び伝熱管61に封入された冷媒を検知可能である。そして、冷媒センサ40は、検知した冷媒の濃度に応じた検知信号を出力する。
冷媒センサ40から出力された検知信号は、制御装置50に入力される。制御装置50は、冷媒センサ40からの検知信号の示す冷媒濃度が基準値以上であるか否かを判定する。基準値は、予め設定された値である。予め設定された基準値は、例えば制御装置50のメモリに記憶されている。制御装置50は、基準値と冷媒センサ40からの検知信号の示す冷媒濃度とを比較して判定を行う。そして、冷媒センサ40からの検知信号の示す冷媒濃度が基準値以上である場合、制御装置50は、蒸発器60から冷媒漏洩が発生したと判定する。
以上のように構成されたショーケース100において、蒸発器60の伝熱管61から冷媒が漏洩した場合を考える。前述したように、ここで用いられる冷媒は、空気より平均分子量が大きく、すなわち、大気圧下において空気より密度が大きい。よって、この冷媒は、空気中で鉛直下方に沈降していく性質を持っている。したがって、冷媒漏洩の発生箇所の周囲に空気流がなければ、漏洩した冷媒は、漏洩箇所から鉛直下方へと流れていく。
ここで、伝熱管61の折り返し部である第1U字状部64及び第2U字状部65には曲げ応力が加わるため、伝熱管61の破損等による冷媒漏洩が発生しやすい。さらに、特にろう付け部がある第1U字状部64では、ろう付け部の不良により、ろう付け部からの冷媒漏洩が発生しやすい。ろう付け部の不良により冷媒が漏洩する場合、冷媒漏洩が生じる孔の大きさが大きくなりやすく、冷媒の漏洩速度が速くなる傾向がある。
この実施の形態のショーケース100においては、貯蔵室風路70は、蒸発器60の伝熱管61の直状部63を通過する第1風路71だけでなく、第1U字状部64を通る第2風路72を含んでいる。したがって、蒸発器ファン16を動作中には、第1風路71内に下から上に向かう空気流が存在するとともに、第2風路72内にも下から上に向かう空気流が存在する。すなわち、第1U字状部64の周囲に下から上に向かう空気流が存在する。このため、蒸発器ファン16を動作中に第1U字状部64で冷媒漏洩が発生した場合、漏洩した冷媒は空気より重いにもかかわらず第2風路72内の空気流により漏洩箇所から上方に運ばれる。そして、この実施の形態のショーケース100においては、冷媒センサ40が伝熱管61の第1U字状部64の上方に配置されている。したがって、第2風路72内の空気流により運ばれた漏洩冷媒は、第1U字状部64の直上に配置された冷媒センサ40に至り、冷媒センサ40はこの漏洩冷媒を検知する。そして、冷媒センサ40が検知した冷媒濃度が前述した基準値以上になると、制御装置50により蒸発器60から冷媒漏洩が発生したと判定される。
このように、この実施の形態に係るショーケース100によれば、ショーケース100の通常運転時すなわち蒸発器ファン16の動作時に、蒸発器60における伝熱管61の第1U字状部64から空気より重い冷媒が漏洩した場合であっても、第2風路72内に存在する下から上に向かう空気流により、漏洩した冷媒は第1U字状部64の直上の冷媒センサ40に短時間で到達する。したがって、ショーケース100の通常運転時に、蒸発器60における伝熱管61の折り返し部分で発生した冷媒漏洩を迅速に検知することが可能である。
なお、第2風路72の出口開口部81の風路断面積は、第2風路72の入口開口部73の風路断面積よりも小さくするとよい。前述したように、基本的に第1風路71を通る空気流と蒸発器60との間で熱交換が行われ、第2風路72を通る空気流は蒸発器60と熱交換を行わない。そこで、第2風路72の出口開口部81を入口開口部73より狭くすることで、第2風路72の圧力損失を大きくし、通常運転時における第2風路72を通過する風量を低減し、第1風路71を通過する風量を増加させることができる。このため、通常運転時における熱交換効率の低下を抑制しつつ、蒸発器60の第1U字状部64で冷媒漏洩が発生した場合に、第2風路72内の空気流により漏洩した冷媒を冷媒センサ40にまで導くことができる。
また、遮蔽板80を第1U字状部64の上方にまで延ばして箱状に配置することで、蒸発器60の第1U字状部64で漏洩した冷媒を箱状に配置された遮蔽板80の内側に滞留させやすくできる。そして、冷媒センサ40を、遮蔽板80の出口開口部81より下方すなわち箱状に配置された遮蔽板80の内側に配置することで、冷媒センサ40により漏洩した冷媒を検知しやすくすることが可能である。
さらに、この実施の形態のショーケース100は、前述した通常運転に加えて回収運転が可能である。回収運転とは、冷媒回路中の冷媒を、冷媒回路の機械室2側に回収する運転である。回収運転においては、制御装置50は、まず、前述の阻止手段により冷媒の流通を阻止させる。ここで説明する構成例では、制御装置50は膨張弁13を閉止させる。そして、制御装置50は圧縮機11を動作させる。これにより、貯蔵室3の蒸発器60側の冷媒は、圧縮機11に吸い出される。
圧縮機11から吐出された高温の気相の冷媒は、凝縮器12を通過して空気と熱交換される。この熱交換により気相の冷媒は液化する。液化した冷媒は凝縮器12を抜け、膨張弁13に到達する。この時、膨張弁13は閉止されているため、液相の冷媒は、主に、圧縮機11と凝縮器12との間の冷媒配管17内、凝縮器12と膨張弁13との間の冷媒配管17内、及び、凝縮器12に回収される。
そして、制御装置50は、回収運転を開始してから予め設定した基準時間が経過した場合に、圧縮機11の動作を停止させて当該回収運転を終了させる。この際の基準時間は、冷媒回路に封入された冷媒の充填量及び圧縮機11の能力等のショーケース100の仕様に基づいて、冷媒を機械室2側に移動させるために必要な時間を考慮することで決定できる。
前述したように、ここで説明した構成例では逆止弁18が設けられている。このため、回収運転の終了後に圧縮機11を停止したままにしても、圧縮機11から蒸発器60に冷媒が逆流しない。なお、圧縮機11の内部には、逆流を防止する弁等の構造が備えられていることが一般的である。したがって、そのような場合には逆止弁18を省略してもよい。ただし、より確実に機械室2側に回収した冷媒の逆流を防止するという観点からは、逆止弁18を設けることが望ましい。
この実施の形態のショーケース100においては、制御装置50は、蒸発器60から冷媒漏洩が発生したと判定した場合に、ショーケース100の通常運転を停止させる。そして、制御装置50は、冷媒の回収運転を行う。このようにすることで、蒸発器60からの冷媒漏洩が発生した際に、蒸発器60側の冷媒量を少なくすることができ、冷媒漏洩量の低減を図ることが可能である。なお、この場合、専門の保守員等による点検、補修作業が完了するまでは、制御装置50は、ショーケース100を通常運転に復帰させないようにするとよい。
次に、この実施の形態におけるショーケース100の動作の一例を図4のフロー図を参照しながら説明する。ショーケース100の通常運転が開始されると、まず、ステップS11において、制御装置50は、蒸発器ファン16及び凝縮器ファン15を運転させる。続くステップS12において、制御装置50は、冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が前述した基準値以上であるか否かを判定する。冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が基準値以上でない場合、制御装置50はステップS11に戻って処理を継続する。一方、冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が基準値以上である場合、制御装置50は次にステップS13の処理を行う。ステップS13においては、制御装置50は、蒸発器60で冷媒漏洩が発生したと判定する。ステップS13の処理が完了すると、一連の動作は終了となる。
なお、図5に示すように、箱状に配置された遮蔽板80の一部を、貯蔵室3と貯蔵室風路70とを仕切る仕切り部材6と兼用にしてもよい。図5に示す構成例では、仕切り部材6に、窓部7及び扉8が設けられている。仕切り部材6の窓部7は、遮蔽板80により箱状に囲われた空間の内側と通じている。扉8は、窓部7を開閉する。前述したように、冷媒センサ40は、遮蔽板80により箱状に囲われた空間の内側に設けられている。図5に示す構成例によれば、保守作業者等は、窓部7を通じて冷媒センサ40に容易にアクセスできるため、冷媒センサ40の検査、交換作業の効率向上を図ることが可能である。
なお、この場合、冷媒センサ40は、箱状に配置された奥側、もしくは、右側又は左側の遮蔽板80に設置するとよい。貯蔵室3は筐体1の手前側にあり、貯蔵室風路70は筐体1の奥側にあることから、窓部7は、遮蔽板80により箱状に囲われた空間の手前側に配置される。したがって、冷媒センサ40を、箱状に配置された奥側、右側又は左側の遮蔽板80に設置することで、手前側の窓部7から冷媒センサ40に容易にアクセスできる。
図6から図9に示すのは、この実施の形態のショーケース100の変形例である。まず、図6を参照しながら、この実施の形態のショーケース100の第1の変形例を説明する。図1及び図2に示す構成例では、第2風路72の出口開口部81を、箱状の上面にあたる遮蔽板80に形成していた。これに対し、この第1の変形例では、出口開口部81を、箱状の側面にあたる遮蔽板80に形成している。そして、冷媒センサ40は、遮蔽板80により箱状に囲われた空間の内側で、出口開口部81の側方又は上方、かつ、第1U字状部64の直上に配置されている。このような第1の変形例によっても、図1及び図2に示す構成例と同様に、通常運転時に第2風路72を通過する風量を抑制して、熱交換効率の低下を抑制しつつ、蒸発器60の第1U字状部64で冷媒漏洩が発生した場合には、第2風路72内の空気流により漏洩した冷媒を冷媒センサ40にまで導いて検知することができる。
次に、図7を参照しながら、この実施の形態のショーケース100の第2の変形例を説明する。図1及び図2に示す構成例では、遮蔽板80を、第1U字状部64の上方にまで延ばして箱状に配置していた。これに対し、この第2の変形例では、遮蔽板80を蒸発器60の上端部分から第1U字状部64の側に水平に延ばして配置している。遮蔽板80には、第2風路72の出口開口部81が設けられている。そして、冷媒センサ40は、遮蔽板80の出口開口部81の直上に配置されている。このような第2の変形例によっても、図1及び図2に示す構成例と同様に、通常運転時に第2風路72を通過する風量を抑制して、熱交換効率の低下を抑制しつつ、蒸発器60の第1U字状部64で冷媒漏洩が発生した場合には、第2風路72内の空気流により漏洩した冷媒を冷媒センサ40にまで導いて検知することができる。また、遮蔽板80の構成を簡潔にすることが可能である。
次に、図8を参照しながら、この実施の形態のショーケース100の第3の変形例を説明する。この第3の変形例でも、図1及び図2に示す構成例と同じく、遮蔽板80を第1U字状部64の上方にまで延ばして配置している。ただし、第3の変形例は、図1及び図2に示す構成例のように箱状に遮蔽板80を配置するのではなく、出口開口部81に近づくにつれて次第に風路断面積が小さくなるテーパ状に遮蔽板80を配置している。そして、冷媒センサ40は、遮蔽板80の出口開口部81の直上に配置されている。このような第3の変形例によっても、図1及び図2に示す構成例と同様に、通常運転時に第2風路72を通過する風量を抑制して、熱交換効率の低下を抑制しつつ、蒸発器60の第1U字状部64で冷媒漏洩が発生した場合には、第2風路72内の空気流により漏洩した冷媒を冷媒センサ40にまで導いて検知することができる。また、遮蔽板80をテーパ状に配置することで、蒸発器60の第1U字状部64で漏洩した冷媒を、より円滑に冷媒センサ40にまで導くことが可能である。
次に、図9を参照しながら、この実施の形態のショーケース100の第4の変形例を説明する。この第4の変形例でも、図1及び図2に示す構成例と同じく、遮蔽板80を第1U字状部64の上方にまで延ばして箱状に配置している。ただし、第4の変形例は、遮蔽板80に出口開口部81が形成されていない。すなわち、この第4の変形例では、筐体1内に、第2風路72に代えて分岐風路74が形成されている。分岐風路74は、前述した風路の蒸発器60を通過する部分の上流側で分岐され、伝熱管61の第1U字状部64を通過する風路である。そして、この分岐風路74は、伝熱管61の第1U字状部64の上方において閉塞されている。また、冷媒センサ40は、分岐風路74中における第1U字状部64の上方に配置されている。このような第4の変形例では、分岐風路74が第1U字状部64の上方において閉塞されているため、通常運転時において分岐風路74に流入する空気流量が抑制される。したがって、第4の変形例によっても、図1及び図2に示す構成例と同様に、通常運転時に分岐風路74に流入する空気流量を抑制して、熱交換効率の低下を抑制しつつ、蒸発器60の第1U字状部64で冷媒漏洩が発生した場合には、分岐風路74内の空気流により漏洩した冷媒を冷媒センサ40にまで導くとともに、漏洩した冷媒を分岐風路74内に滞留させて冷媒センサ40で検知できる。
この実施の形態のショーケース100においては、前述したように、冷媒センサ40の検知結果に基づいて、蒸発器60で冷媒漏洩が発生しているかを判定している。この冷媒センサ40の検知結果に基づく冷媒漏洩の判定についての別例を次に説明する。この別例においては、制御装置50は、冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度が第1基準値以上の場合、まず、蒸発器ファン16の動作を停止させる。第1基準値は、予め設定された値である。冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度が前述の第1基準値以上となって蒸発器ファン16を停止させてから予め設定された判定時間の経過後に、制御装置50は再び冷媒センサ40の検知結果を取得する。
そして、制御装置50は、前述した判定時間が経過した後に冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度を、今度は第2基準値と比較する。第2基準値は、前述した第1基準値以下の値に予め設定されている。制御装置50は、前述した判定時間が経過した後に冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度が前述した第2基準値以下になった場合に、蒸発器60で冷媒漏洩が発生したと判定する。一方、制御装置50は、前述した判定時間が経過した後に冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度が前述した第2基準値以下にならなかった場合には、冷媒センサ40の劣化であると判定する。
冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度が第1基準値以上になった場合に、蒸発器ファン16の動作を停止させると、第2風路72内の空気流は消失する。したがって、実際に蒸発器60の第1U字状部64で冷媒漏洩が発生していれば、漏洩した冷媒が冷媒センサ40に運ばれにくくなるため、冷媒センサ40により検知される冷媒濃度が低下すると考えられる。そこで、冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度が第1基準値以上になっても直ちに冷媒漏洩であると判定せずに、蒸発器ファン16の動作を一旦停止させ、その後の冷媒センサ40の検知結果が冷媒濃度低下を示すものであれば、冷媒センサ40は正常であって、蒸発器60で冷媒漏洩が発生したと判定する。
一方、冷媒センサ40の劣化等による誤検知であれば、蒸発器ファン16の動作を停止させても冷媒センサ40の検知結果は冷媒濃度が高い状態を示し続けると考えられる。そこで、蒸発器ファン16の動作を停止させても冷媒センサ40の検知結果が冷媒濃度低下を示さなければ、冷媒センサ40の劣化等による誤検知であると判定する。このようにすることで、冷媒センサ40の劣化等による誤検知を抑制できる。
なお、前述した判定時間が経過した後に冷媒センサ40により検知された冷媒の濃度が前述した第2基準値以下にならず、冷媒センサ40の劣化であると判定した場合、制御装置50は、ショーケース100を通常運転に復帰させ、蒸発器ファン16の動作を再開させるようにしてもよい。このようにすることで、冷媒センサ40の劣化等による誤検知の際に、貯蔵室3内の温度が上昇して収納された食品等の品質が低下してしまうことを抑制できる。
次に、この別例におけるショーケース100の動作の一例を図10のフロー図を参照しながら説明する。ショーケース100の通常運転が開始されると、まず、ステップS21において、制御装置50は、蒸発器ファン16及び凝縮器ファン15を運転させる。続くステップS22において、制御装置50は、冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が前述した第1基準値以上であるか否かを判定する。冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が第1基準値以上でない場合、制御装置50はステップS21に戻って処理を継続する。一方、冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が第1基準値以上である場合、制御装置50は次にステップS23の処理を行う。
ステップS23においては、制御装置50は、蒸発器ファン16を停止させる。続くステップS24において、制御装置50は、前述の判定時間以上が経過したか否かを判定する。前述の判定時間以上が経過していなければ、制御装置50はステップS23に戻って処理を継続する。一方、前述の判定時間以上が経過すれば、制御装置50は、次にステップS25の処理を行う。
ステップS25においては、制御装置50は、冷媒センサ40の検知結果を再度取得し、冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が前述した第2基準値以下にまで低下したか否かを判定する。冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が第2基準値以下に低下した場合、制御装置50は次にステップS26の処理を行う。ステップS26においては、制御装置50は、蒸発器60で冷媒漏洩が発生したと判定する。ステップS26の処理が完了すると、一連の動作は終了となる。
一方、ステップS25で冷媒センサ40により検知された冷媒濃度が第2基準値以下に低下してない場合、制御装置50は次にステップS27の処理を行う。ステップS27においては、制御装置50は、冷媒センサ40が劣化していると判定する。ステップS27の処理が完了すると、一連の動作は終了となる。
なお、以上においては、第1U字状部64の側に第2風路72を設ける場合について説明したが、第2U字状部65の側に第2風路72に相当する同様の風路を設けてもよい。この場合、第2U字状部65の側にも冷媒センサ40を設けてもよいし、第2U字状部65の側から第1U字状部64の側の冷媒センサ40に漏洩冷媒を誘導するガイドを設けてもよい。このようにすることで、ろう付け部がある第1U字状部64だけでなく、第2U字状部65からの冷媒漏洩も検知できる。
また、第2風路72の入口開口部73に、下から上に通過する向きの空気流を許容し、上から下に通過する向きの空気流を禁止する弁を設けてもよい。この弁としては、例えば、入口開口部73を挟む上側と下側との圧力差により開閉する圧力弁、蒸発器ファン16の動作に連動して開閉する電磁弁等を用いることが考えられる。このような弁を入口開口部73に設けることで、蒸発器ファン16の停止時には入口開口部73が閉じられる。したがって、第1U字状部64で冷媒の漏洩が発生した場合に、漏洩した冷媒は第2風路72内に滞留し、この滞留した冷媒を冷媒センサ40により検知できる。このため、蒸発器ファン16の運転中のみならず停止中にも、第1U字状部64での冷媒漏洩発生を検知することが可能である。
なお、以上で説明したショーケース100の各構成例において、膨張弁13として通電が無い場合に閉止する電磁弁としてもよい。これにより、停電時に冷媒回路の貯蔵室3側で冷媒漏洩が発生した場合に、膨張弁13及び逆止弁18よりも機械室2側の冷媒回路中の冷媒が漏洩することを阻止し、蒸発器60に折損や腐食等が発生すると、冷媒回路内の冷媒が全量漏洩してしまうが、無通電時に閉止する電磁弁を設置することで、漏洩する冷媒量の低減を図ることができる。