JP6991312B2 - インラインミキサーとハイドロサイクロンを統合したモジュールを複数用いて抗体を細胞培養液から連続的に製造する装置および当該装置を用いた抗体の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕インラインミキサーとサイクロンを結合したモジュールを用いて、タンパク質を細胞培養液から連続的に精製する装置であって、
(a) 第一のモジュール(A:反応モジュール)のインラインミキサー(6)の導入口に、培養槽(1)または細胞分離装置(D)と第一のモジュールとを結ぶ配管(3)と、第第一の貯留槽(2)と第一のモジュールとを結ぶ配管(4)が分岐バルブ(5)を介して接続され、前記インラインミキサー(6)の排出口はハイドロサイクロン(7)の導入口に接続され、ハイドロサイクロン(7)の下部排出口には、第一の反応モジュールと第二のモジュールを結ぶ配管(8)が結合し、ハイドロサイクロン(7)の上部排出口には配管(9)が結合している第一のモジュールと、
(b) 第二のモジュール(B:溶出モジュール)のインラインミキサー(13)の導入口には、第一のモジュールと第二のモジュールを結ぶ配管(8)と、第二の貯留槽(10)と第二のモジュールを結ぶ配管(11)が分岐バルプ(12)を介して接続され、前記インラインミキサー(13)の排出口とハイドロサイクロン(14)の導入口は接続され、ハイドロサイクロン下部の排出口には第二のモジュールと他のモジュールとを結ぶ配管(15)が結合し、ハイドロサイクロン(14)上部排出口には、配管(16)が結合している第二のモジュールから構成される装置に関する。
〔2〕他のモジュールが、第三のモジュール(C:再生モジュール)として、インラインミキサー(20)の導入口に、第二のモジュール(B)と第三のモジュールを結ぶ配管(15)と、第三の貯留槽(17)と第三のモジュールを結ぶ配管(18)とが分岐バルプ(19)を介して接続され、前記インラインミキサー(20)の排出口とハイドロサイクロン(21)の導入口は接続され、ハイドロサイクロン(21)の下部排出口には第三のモジュールと第一の貯留槽(2)とを結ぶ配管(23)が結合し、ハイドロサイクロン(21)の上部排出口には配管(22)が結合している第三のモジュールである〔1〕に記載の装置に関する。
〔3〕 細胞分離装置(D)が、培養槽(1)と細胞分離装置とを結ぶ配管(24)がハイドロサイクロン(25)の導入口と結合し、当該ハイドロサイクロン(25)の下部排出口は細胞分離装置と培養槽(1)とを結ぶ配管(26)と結合し、上部排出口は細胞培養装置と第一のモジュールとを結ぶ配管(3)から構成される細胞分離ユニットであることを特徴とする〔1〕または〔2〕記載の装置に関する。
〔4〕〔1〕記載の第一のモジュール(A)と第二のモジュール(B)を結ぶ配管(8)の間に洗浄用の第四のモジュール(E:洗浄モジュール)を1または2個挿入することを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の装置、および
〔5〕第四のモジュールが、第四のモジュール(E)のインラインミキサー(30)の導入口には、第一のモジュールと第四のモジュールを結ぶ配管(8)と、第四の貯留槽(27)と第四のモジュールを結ぶ配管(28)が分岐バルプ(29)を介して接続され、前記インラインミキサー(30)の排出口とハイドロサイクロン(31)の導入口は接続され、ハイドロサイクロン下部の排出口には第二のモジュールまたは新たな洗浄用モジュールへ接続する配管(8)が結合し、ハイドロサイクロン(31)上部排出口には、洗浄液を排出口へ移送する配管(32)が結合している請求項4に記載の装置に関する。
〔6〕インラインミキサーとサイクロンを結合したモジュールを複数用いて、タンパク質を細胞培養液から連続的に製造する方法であって、
(a)第一のモジュールのインラインミキサーへ、培養槽から移送されたタンパク質を含有する細胞培養液と第一の貯留槽から移送された樹脂を含むスラリーを混合し、細胞培養液中のタンパク質をスラリー中の樹脂と結合させ、タンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーを生成する工程、
(b)前記第一のモジュールのインラインミキサーによる混合工程で得たタンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーを、サイクロンへ移送し、タンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーと細胞培養液に分離する工程、
(c)前記第一のモジュールのサイクロンによる分離工程で得たタンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーを第二のモジュールに移送し、細胞培養液を第一の貯留槽へ移送する工程、
(d)第二のモジュールのインラインミキサー中で、前記工程で得たタンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーと、第二の貯留槽から移送された溶出液を混合し、溶出用スラリーを生成する工程、および
(e)前記第二のモジュールのインラインミキサーによる混合工程で得た溶出用スラリーをサイクロンへ移送し、タンパク質と、タンパク質と結合していない樹脂を含むスラリーに分離する工程を含む方法、
〔7〕〔6〕に記載の工程bと工程cの間に、第三のモジュールを用いた洗浄工程を入れることを特徴とする方法、
〔8〕〔7〕に記載の洗浄方法が、第三のモジュールのインラインミキサー中で、タンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーと、第四の貯留槽から移送された洗浄液を混合し、洗浄後の混合液をサイクロンに移送し分離する工程であることを特徴とする方法。
〔9〕第一のモジュールのインラインミキサーへ培養槽からタンパク質を含有する細胞培養液を移送する工程において、サイクロンを介して細胞とタンパク質を含有する細胞培養液とを分離し、分離した細胞は培養槽へ移送し、純化したタンパク質を含有する細胞培養液を、第一のモジュールのインラインミキサーに移送することを特徴とする〔6〕~〔8〕のいずれかひとつに記載の方法および
〔10〕樹脂がアフィニティ樹脂であることを特徴とする〔6〕~〔9〕のいずれかひとつに記載の方法に関する。
本発明はまた、
〔11〕インラインミキサーとサイクロンを結合したモジュールを複数用いて、タンパク質を細胞培養液から連続的に精製する装置、
〔12〕〔1〕記載の装置が、インラインミキサーにより細胞培養液と樹脂を含むスラリーを混合し、細胞培養液中のタンパク質をスラリー中の樹脂と結合させ、タンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーを生成させ、サイクロンにより樹脂を含んだスラリーと樹脂を含まない細胞培養液に分離する機能を持つ反応モジュールと、タンパク質と結合した樹脂を含むスラリーと溶出液をインラインミキサーにて混合し、ハイドロサイクロンによりタンパク質と樹脂スラリーに分離する溶出モジュールから構成される装置、
〔13〕培養槽から流出するタンパク質を含む細胞培養液中に存在する細胞をハイドロサイクロンにより分離し、採取された細胞を培養槽へ移送し、当該細胞を除いたタンパク質を含む細胞培養液を、次の精製手段に移送する細胞分離装置を装着した〔11〕または〔12〕に記載の装置、
〔14〕 タンパク質と結合した樹脂を含むスラリーと洗浄液をインラインミキサーにて混合し、サイクロンによりタンパク質と結合した樹脂を含むスラリーと廃液に分離する洗浄モジュールを装着した〔11〕~〔13〕のいずれかひとつに記載の装置。
〔15〕 反応モジュールと溶出モジュールを組み合わせた〔12〕~〔14〕のいずれかひとつに記載の装置において、当該装置の溶出モジュールで排出する樹脂スラリーを反応モジュールまたは樹脂スラリーの貯留槽に移送して、樹脂スラリーのサイクル利用を可能にした装置、および
〔16〕〔11〕~〔15〕のいずれか1項に記載の装置を用いたタンパク質の製造方法に関する。
本発明は更に、
〔17〕 インラインミキサーとサイクロンを結合したモジュールを用いて、タンパク質を細胞培養液から連続的に精製する装置であって、 タンパク質を含有する細胞培養液と樹脂を含むスラリーを混合して前記タンパク質が前記樹脂に結合されたスラリーを生成する第一のモジュール(反応モジュール)と、 該第一のモジュールにより精製されたスラリーと溶出液とを混合して、前記スラリーから前記タンパク質を溶出する第二のモジュール(溶出モジュール)とを有することを特徴とするタンパク質精製装置、
〔18〕 前記第二のモジュールで前記タンパク質が分離したスラリーと再生液とを混合して樹脂を含む再生樹脂スラリーを生成する第三のモジュール(再生モジュール)とを有することを特徴とする請求項17に記載のタンパク質精製装置、
〔19〕 培養槽から供給される細胞培養液から細胞を分離して前記第一のモジュールに前記タンパク質を含有する細胞培養液を供給する細胞分離モジュールを有することを特徴とする請求項17に記載のタンパク質精製装置、
〔20〕 前記第一のモジュールと前記第二のモジュールとの間に介在されて、前記第一のモジュールにより生成されたタンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーと洗浄液を混合して、タンパク質と結合した樹脂スラリーを洗浄する第四のモジュール(洗浄モジュール)を有することを特徴とする請求項17記載のタンパク質精製装置、
〔21〕 前記第一のモジュールは、細胞培養液と樹脂を含むスラリーを混合し、細胞培養液中のタンパク質をスラリー中の樹脂と結合させ、タンパク質と結合した樹脂を含んだスラリーを生成させる第一のインラインミキサーと、樹脂を含んだスラリーと樹脂を含まない細胞培養液に分離する第一のハイドロサイクロンとを有することを特徴とする請求項17記載のタンパク質精製装置、
〔22〕 前記第二のモジュールは、タンパク質と結合した樹脂を含むスラリーと溶出液を混合する第二のインラインミキサーと、タンパク質と樹脂スラリーに分離する第二のハイドロサイクロンとを有することを特徴とする請求項17に記載のタンパク質精製装置、
〔23〕 前記樹脂を含むスラリーを貯留する貯留槽を備え、
前記第三のモジュールは、前記再生樹脂スラリーを前記貯留槽に移送することを特徴とする請求項18記載のタンパク質精製装置、
〔24〕 前記細胞分離モジュールは、培養槽から流出するタンパク質を含む細胞培養液中に存在する細胞を分離して、採取された細胞を培養槽へ移送し、当該細胞を除いたタンパク質を含む細胞培養液を前記第一のモジュールに移送するハイドロサイクロンを有することを特徴とする請求項19記載の装置、および
〔25〕 前記第四のモジュールは、前記タンパク質と結合した樹脂を含むスラリーと前記洗浄液を混合する第四のインラインミキサーと、タンパク質と結合した樹脂を含むスラリーと廃液に分離する第四のハイドロサイクロンとを有することを特徴とする請求項20に記載の装置。
(1)本発明により動物細胞の培養液から細胞や細胞破片或いは沈殿物などを高度に分離除去すること無く抗体分子など目的タンパク質を連続的に分離することが出来る。
(2)本発明により従来用いられてきた分離材を充填したクロマトグラフィーカラムを用いること無く連続的にタンパク質の分離を行うことが出来る。
(3)本発明によりホローファイバーや連続遠心機などを用いること無く動物細胞の灌流培養が可能になり、抜き出した培養液からろ過フィルターやクロマトグラフィーカラムを用いず目的タンパク質を連続的に分離することが出来る。
(4)本発明の装置を用いることで大型の膜分離装置やクロマトグラフィー装置、大型クロマトグラフィーカラムなどの設備を用いること無く連続でタンパク質の分離が出来る。
(5)本発明の装置を用いることで装置の流路内で吸着分離剤の再生洗浄を行い循環させることが出来ることから少量の吸着分離剤で連続したタンパク質などの分離を繰り返すことが出来る。
(6)本発明は吸着分離剤をカラムに充填することが無く装置の流路内でスラリー状の吸着分離剤と反応させて不純物と分離したのち短時間の内に目的タンパク質を解離させることで目的タンパク質などの吸着による構造的変性を抑制することが出来る。
(7)本発明は吸着分離剤をカラムなどの容器に充填すること無く、スラリー状態で目的タンパク質などと反応させ、スラリー状態で洗浄を行うことが出来ることから宿主タンパク質や宿主DNA或いはRNAなど不純物との不必要な吸着を避けることで純度の高い目的タンパク質などを得ることが出来る。
これらのハイドロサイクロンは通常ロート状の形状をしており、ロート型の上部壁面に分離を行う混合物の導入口、ロート型の上部天井部に分離され純化された物質の上部排出口、ロート型の下端部に純化された物質を除いた混合物の下部排出口がある。
プロテインA等アフィニティークロマトグラフィーに用いるリガンドと結合した樹脂の場合は、溶出液のpHを5以下、好ましくはpH4~pH2、とりわけ好ましくはpH2.5~pH2にすることが好ましい。媒体としては、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、或いはリン酸や塩酸等の希薄溶液を用いる。イオン交換クロマトグラフィーに用いるリガンドと結合した樹脂の場合は、溶出液の塩濃度を増加することが好ましく、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を用いて、塩濃度を1M以下、好ましくは0.1M~0.5M、とりわけ好ましくは0.1M~0.3Mにして用いる。媒体としては、トリス塩酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液等を用いる。
細胞分離工程
図6のタンパク質の製造装置において、培地を供給するための貯留槽(102)を備えた培養槽(101)は、当該培養槽で生産した細胞培養液を精製するため、細胞培養液を循環使用するための細胞分離機(103)と接続されている。細胞分離機においては細胞培養液から細胞のみが分離され培養槽(101)へ送られ、細胞が分離したタンパク質を含む細胞培養液はキャプチャリング工程に用いるモジュールAの インラインミキサー(105)ヘ移送される。
キャプチャリング工程
キャプチャリング工程とは複数の精製手段を用いてタンパク質の製造を行う場合に、初期の精製工程を言う。
一方、モジュールBのサイクロン(109)の下部排出口はモジュールCのインラインミキサー(116)と接続され、当該インラインミキサーは樹脂再生液貯留槽(117)とも接続されているため、モジュールBのサイクロン(109)下部排出口から排出された樹脂(A)はモジュールCのインラインミキサー(116)中で再生液と混合され、当該インラインミキサーと接続しているモジュールCのサイクロン(118)中で再生液と分離する。分離した樹脂AはモジュールCのサイクロン下部排出口から配管(119)を介して樹脂(A)用貯留槽(104)へ送られる。
ポリッシング工程とは複数の精製手段を用いてタンパク質の製造を行う場合に、中期工程以降の精製工程を言う。
ポリッシング工程1
モジュールDのインラインミキサー(111)は配管(110)により前記キャプチャリング工程のモジュールBのサイクロンおよびイオン交換樹脂等の樹脂(B)貯留槽(123)と接続しているため、キャプチャリング工程で得られたタンパク質と樹脂(B)は当該インラインミキサー中で混合され、タンパク質と結合した樹脂(B)のスラリーが形成される。モジュールDのインラインミキサー(111)排出口はモジュールDのサイクロン(112)の導入口と接続しているため、モジュールDのサイクロン(112)中でタンパク質と結合した樹脂(B)のスラリーと残余の溶液は分離され、廃液は上部排出口からタンパク質と結合した樹脂(B)のスラリーは下部排出口から排出される。モジュールDのサイクロン(112)下部排出口はモジュールEのインラインミキサー(121)に接続し、当該インラインミキサーは樹脂(B)用溶出液貯留槽(124)とも接続しているため、当該インラインミキサー中でタンパク質と結合した樹脂(B)スラリーは溶出液と混合され、タンパク質は樹脂(B)と遊離する。モジュールEのインラインミキサー(121)排出口とモジュールEのサイクロン(122)の導入口とは接続しているため、当該サイクロン中でタンパク質と樹脂(B)は分離される。タンパク質はモジュールEのサイクロン(122)の上部排出口から、樹脂(B)は下部排出口から排出される。タンパク質は配管(115)を介してポリッシング工程2を遂行するモジュールEのインラインミキサーに移送される。当該サイクロン下部排出口から排出された樹脂(B)スラリーは配管(125)を介して樹脂(B)用貯留槽に移送され再利用される。
モジュールFのインラインミキサー(113)は配管(115)により前記ポリッシング工程1のモジュールEのサイクロンおよび疎水性樹脂等の樹脂(C)貯留槽(133)と接続しているため、ポリッシング工程1で得られた粗精製タンパク質と樹脂(C)は当該インラインミキサー中で混合され、タンパク質と結合した樹脂(C)のスラリーが形成される。モジュールFのインラインミキサー(113)の排出口はモジュールFのサイクロン(114)の導入口と接続しているため、モジュールFのサイクロン(114)中でタンパク質と結合した樹脂(C)のスラリーと残余の溶液は分離され、廃液は上部排出口から、タンパク質と結合した樹脂(C)のスラリーは下部排出口から排出される。モジュールFのサイクロン(114)下部排出口はモジュールGのインラインミキサー(131)に接続し、当該インラインミキサーは樹脂(C)用溶出液貯留槽(134)とも接続しているため、モジュールGのインラインミキサー中でタンパク質と結合した樹脂(C)スラリーは溶出液と混合され、タンパク質は樹脂(C)と遊離する。モジュールGのインラインミキサー(131)排出口とモジュールGのサイクロン(132)の導入口とは接続しているため、当該サイクロン中でタンパク質と樹脂(B)は分離される。得られた精製タンパク質はモジュールGのサイクロン(132)の上部排出口から配管(120)を介してウイルス濾過、UF/DF膜等の高度精製工程を経て精製タンパク質となる。モジュールGのサイクロン(132)下部排出口から排出された樹脂(C)スラリーは配管(135)を介して樹脂(C)用貯留槽に移送され再利用される。
図7は本発明のモジュールである。インラインミキサー(201、外径8mm、内径5mm、全長145mm、製品名 スタティックミキサーN40-172-0、株式会社ノリタケカンパニーリミテッド製)の導入口に三方継手(202)を接続し、インラインミキサーで混合する2種類の流体が他の2つの継手を介して導入される。インラインミキサーの導出口は接続チューブ(203)を介してハイドロサイクロン(204、外径8mm、内径5mm、全長190mm、自作)の導入口に接続されている。サイクロン下部には分離したスラリーの排出用と洗浄液の排出用の2つの流路に接続可能な三方コック(205)が接続され、サイクロン上部の排出口には、液体の流量を調整する流量調整装置(206、エアーコントロールバスブ、シングルタイプ、アズージャパン社製)が装着されている。
図8は細胞分離ユニットを装着した反応モジュールである。細胞分離ユニットのハイドロサイクロン(301、外径16mm、内径13mm、全長150mm、ポリアクリル製、自作)は培養槽からの細胞培養液を注入するための導入口(302)が設けられており、下端には、細胞を再び培養槽に循環させるための導出口と廃液の導出口に切り替えられる三方継手(303)が接続されている。ハイドロサイクロン上部の導出口は接合部(304)を介して、反応モジュールへ培養上清液を移送するパイプ(305)と接続されている。反応モジュールのインラインミキサー(307、外径8mm、内径5mm、全長145mm、製品名 スタティックミキサーN40-172-0、株式会社ノリタケカンパニーリミテッド製)はその導入口に三方継手(306)を接続し、インラインミキサーで混合する細胞上清液とゲルスラリーの2種類の流体が前記三方継手(306)を介して導入される。インラインミキサーの導出口は接続チューブ(308)を介してハイドロサイクロン(309、外径8mm、内径5mm、全長190mm、自作)の導入口に接続されている。ハイドロサイクロン下部には分離したスラリーの排出用と洗浄液の排出用の2つの流路に接続可能な三方継手(310)が接続され、サイクロン上部の排出口には、液体の流量を調整する流量調整装置(311、エアーコントロールバスブ、シングルタイプ、アズージャパン社製)が装着されている。
本実施例では、樹脂スラリー液からハイドロサイクロンにより樹脂を濃縮分離できることを確認した。図9はその時に用いたモジュールの模式図である。樹脂としては、平均粒径が50μmのシリカゲル(大阪ソーダ社)を用いた。その樹脂250mLと溶媒(純水)750mLとを混合することで25%スラリー液を調整した。このスラリー液をポンプ(株式会社イワキ製モデルRD-05)を用いてハイドロサイクロンの導入口に注入し、一定時間の間にハイドロサイクロンの上部導出口、下部導出口から流出してくるスラリー液を回収し、それに含まれる、樹脂、および、溶媒(純水)の体積を測定することにより、樹脂の分離の度合いを確認した。実験の状況はビデオ撮影し、実験後にそれを解析して各作業にかかった時間を求めた。ハイドロサイクロンとしては、全長75mm、および、100mmのものを用い、ポンプの強度を変えることにより流速を調整し、サイクロンのサイズや流速による分離の度合いの違いを確認した。分離の度合いはハイドロサイクロン下部排出口および上部排出口における樹脂および溶媒の流速と、樹脂の割合を指標とした。表1Aに全長75mmのハイドロサイクロンの結果を、表1Bに全長100mmのハイドロサイクロンの結果を示す。
本実施例では、ハイドロサイクロンを2台連結し、上流の第1サイクロンの下部導出口から流出してくるスラリー液と、溶媒(純水)とを、エジェクター(旭有機材工業社製モデル:DAEJH18012)を介して混合し、それを下流の第2サイクロンに送り込んで、そこで樹脂の分離ができることを確認した。図10はその時に用いたモジュールの模式図である。樹脂スラリー液としては、実施例3と同じく、シリカゲル(大阪ソーダ社)の25%スラリー液を用いた。第1サイクロンに樹脂スラリーを供給するためのポンプの強度を最大に設定し、第2サイクロンに溶媒(純水)を供給するためのポンプの強度も最大に設定して送液を行い、一定時間の間に第2サイクロンの上部導出口、下部導出口から流出してくるスラリー液を回収し、それに含まれる、樹脂、および、溶媒(純水)の体積を測定することにより、樹脂の分離の度合いを確認した。実験の状況はビデオ撮影し、実験後にそれを解析して各作業にかかった時間を求めた。第1サイクロン上部排出液、第2サイクロン下部排出液、第2サイクロン上部排出液における樹脂の流速、溶媒の流速および樹脂の割合を算出しその結果を、表2に示した。
本実施例では、抗体サンプル溶液と精製用クロマト樹脂をインラインミキサーで混ぜた後ハイドロサイクロンで樹脂を分離回収することにより抗体を回収できることを確認した。図11はその時に用いたモジュールの模式図である。本実施例では、抗体サンプル液としてリン酸バッファーで希釈した抗体溶液(1mg/mL)、抗体精製用のクロマト樹脂としてプロテインAを固定化したシリカゲル(平均粒径50μm、大阪ソーダ社)を用いた。抗体サンプル液(1mg/mL:1L)と樹脂スラリー液(25%樹脂:1L)は、三方継手で合流させた後、インラインミキサーに導入して十分にミキシングしてから分離用のハイドロサイクロンの導入口に流入するようにした。各溶液が定常的に流れるようになった後、ハイドロサイクロンの上部導出口、下部導出口から流出してくるスラリー液それぞれを、約16秒間回収した。下部導出口から流出してくるスラリー液に関しては、流出後直ちにフィルター濾過により迅速に樹脂と溶媒(抗体サンプル液)とを分離し、樹脂のみを回収した。回収した樹脂をリン酸バッファー100mLにより2回洗浄した後、溶出バッファー(0.1Mグリシン塩酸、pH2.5)100mLを投入して吸着していた抗体を溶出した。この操作を7回繰り返し、溶出されてくる抗体を回収し、280nmの吸光度を測定することにより抗体を定量した。実験の状況はビデオ撮影し、実験後にそれを解析して各作業にかかった時間を求めた。ただし、本実施例では、インラインミキサーとして、上部導出口を塞いだハイドロサイクロンを上下逆向きに設置したものを用いた。また、分離用ハイドロサイクロンの上部導出口にピンチコックをセットすることにより、上部導出口からの溶液の流出を抑制した。
本実施例では、図11に示したモジュールを用いて、培養上清(抗体発現細胞培養液から細胞除去した上清)から抗体を精製できることを確認した。培養上清としては抗体濃度が1.16mg/mLの培養上清を、精製用のクロマト樹脂としては実施例5と同じプロテインA固定化シリカゲルを用いた。実験は実施例5と同様に行ったが、回収した樹脂の洗浄は、リン酸バッファー200mLにより5回行い、洗浄後の溶出は溶出バッファー200mLで5回行った。ハイドロサイクロン導入前のポンプによるスラリー溶液の流速、サイクロン下部排出口、上部排出口の樹脂の流速、溶液の流速、樹脂の割合を表5に示した。
本実施例では、図13に示したモジュールを用いて、培養液(抗体発現細胞を含む)から抗体を精製できることを確認した。培養液としては、抗体濃度が3.15g/L、細胞数が34X106細胞/mLの培養液を精製用のクロマト樹脂としては実施例5と同じプロテインA固定化シリカゲルを用いた。実験は実施例5と同様に行ったが、回収した樹脂の洗浄は、リン酸バッファー300mLにより12回行い、洗浄後の溶出は溶出バッファー100mLで7回行い、回収定量した。ハイドロサイクロン導入前のポンプによるスラリー溶液の流速、サイクロン下部排出口、上部排出口の樹脂の流速、溶液の流速、樹脂の割合を表7に示した。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。
Claims (10)
- インラインミキサーとサイクロンを結合したモジュールを複数用いて、抗体をCHO細胞の培養液から連続的に製造する方法であって、
(a)第一のモジュールのインラインミキサーへ、培養槽から移送された抗体を含有する細胞培養液と第一の貯留槽から移送されたアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含むスラリーを混合し、細胞培養液中の抗体をスラリー中のアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂と結合させ、抗体と結合したアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含んだスラリーを生成する工程、
(b)前記第一のモジュールのインラインミキサーによる混合工程で得た抗体と結合したアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含んだスラリーを、サイクロンへ移送し、抗体と結合したアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含んだスラリーと細胞培養液に分離する工程、
(c)前記第一のモジュールのサイクロンによる分離工程で得た抗体と結合したアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含んだスラリーを第二のモジュールに移送し、細胞培養液を第一の貯留槽へ移送する工程、
(d)第二のモジュールのインラインミキサー中で、前記工程で得た抗体と結合したアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含んだスラリーと、第二の貯留槽から移送された溶出液を混合し、溶出用スラリーを生成する工程、および
(e)前記第二のモジュールのインラインミキサーによる混合工程で得た溶出用スラリーをサイクロンへ移送し、抗体と、抗体と結合していないアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含むスラリーに分離する工程を含む方法。 - 請求項1に記載の工程bと工程cの間に、第三のモジュールのインラインミキサー中で、抗体と結合したアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーに使用される樹脂を含んだスラリーと、第四の貯留槽から移送された洗浄液を混合し、洗浄後の混合液をサイクロンに移送し分離することにより洗浄工程を入れることを特徴とする方法。
- 第一のモジュールのインラインミキサーへ培養槽から抗体を含有する細胞培養液を移送する工程において、サイクロンを介してCHO細胞と抗体を含有する細胞培養液とを分離し、分離したCHO細胞は培養槽へ移送し、純化した抗体を含有する細胞培養液を、第一のモジュールのインラインミキサーに移送することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- アフィニティークロマトグラフィーに使用される樹脂がプロテインAガンドと結合した樹脂であり、溶出液がpHを5以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
- サイクロンがBradley型又はRietema型ハイドロサイクロンであることを特徴とする請求項1~4に記載の方法。
- 2つの流体を混合したものを一つの導入口に導入される形状を持ち駆動部の無い静的混合装置であるインラインミキサーの排出口とロート状の形状をし、ロート型の上部壁面に分離を行う混合物の導入口、ロート型の上部天井部に分離され純化された物質の上部排出口、ロート型の下端部に純化された物質を除いた混合物の下部排出口があるサイクロンの導入口を連結させた構造を持つモジュールが複数連結された装置において、インラインミキサーにより細胞培養液と樹脂を含むスラリーを混合し、細胞培養液中の抗体をスラリー中の樹脂と結合させ、抗体と結合した樹脂を含んだスラリーを生成排出させ、当該樹脂をサイクロンに導入することにより上部排出口から細胞培養液が、下部排出口から純化した抗体と結合した樹脂スラリーが分離排出される反応モジュールと反応モジュールで分離した抗体と結合した樹脂スラリーと溶出液をインラインミキサーにて混合し抗体と樹脂を分離排出させ、当該樹脂と抗体が分離したスラリーをサイクロンに導入することにより上部排出口から精製された抗体が、下部排出口から樹脂スラリーが分離排出される溶出モジュールの2種のモジュールから構成されることを特徴とする装置。
- 反応モジュールのインラインミキサーの導入口が、導入口が培養装置と連結され、培養槽から移送される培養液を上部排出口から排出される細胞培養液と下部排出口から排出され培養槽に移送される細胞に分離させる機能を持つサイクロンの上部排出口と連結されることを特徴とする請求項6記載の装置。
- 導入口が反応モジュールの下部排出口と連結され、抗体と結合したスラリーと洗浄液を
混合し、混合液を排出するインラインミキサーと、当該樹脂をサイクロンに導入することにより上部排出口から廃液が、下部排出口から洗浄された抗体と結合した樹脂スラリーが分離排出される洗浄モジュールを、装着することを特徴とする請求項6または7記載の装置。 - Bradley型またはRietema型ハイドロサイクロンを用いることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載された装置。
- インラインミキサーが可動部の無いスタティックミキサーまたは流動床型のミキサーであることを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載された装置。
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