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JP6973220B2 - アスファルト用消臭剤 - Google Patents

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Description

本発明は、アスファルトを加熱する際に発生する不快臭を効果的にマスキングするアスファルト用消臭剤に関する。
アスファルト、油脂加工品、ゴム加工品等の製造工場では、加熱工程を伴うことにより、様々な臭気が発生している。特にアスファルトプラントでは、アスファルトと骨材を150℃〜170℃で加熱混合してアスファルト混合物を製造するが、アスファルトは高温で加熱されると、アスファルト中に含まれる硫黄系成分や炭化水素化合物が酸化劣化して、カルボン酸やアルデヒドといった異臭成分が発生する。特に改質系のアスファルトの場合は、アスファルト中のゴムやプラスチックの劣化物により更に異臭が強くなる。
このように、アスファルトプラントは、加熱工程を伴うため臭気が発生しやすく隣接地域に大きな影響を及ぼしている。またダンプトラックによるアスファルト混合物の運搬時、及びアスファルトを用いる道路舗装等の施工現場でも臭気の問題が生じる場合がある。
このような臭気対策として、香料等を含有した液状の芳香添加剤をアスファルトに混合することで、悪臭・異臭をマスキング(遮蔽)し、感覚的にそれらの臭気を抑制する手法がとられている(特許文献1)。この技術は、アスファルトタンクローリーのハッチから芳香添加剤を導入し輸送中にアスファルトと混合したり、あるいはアスファルトプラントにおけるアスファルト貯蔵タンク又はミキサー内のアスファルトに芳香添加剤を直接添加して一緒に混合したりすることが可能であり、簡便に実施できることから、一般的に使用されている技術である。
また、シリカゲル等の無機物を香料の保持基材として香料と混合したアスファルト用防臭組成物により、高温でも消臭効果を持続させるなどの試みがある(特許文献2)。
特開2003−342908号公報 特開2007−137922号公報
しかし、上記特許文献1に記載された液状の芳香添加剤は、揮発性が高く、加熱下でアスファルトに添加すると短時間で香料成分が揮発して消臭効果が持続しないことがある。また、上記特許文献2に記載された防臭組成物は、香料の含有量が多いにもかかわらずアスファルト特有の不快臭を十分に解消することが困難である。
そこで本発明は、アスファルトを加熱する際に生じる不快な臭いをマスキングすることを可能とするアスファルト用消臭剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の香料成分を含有するアスファルト用消臭剤を用いることで、アスファルト加熱時に生じる不快な臭いを効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の[1]〜[3]を提供するものである。
[1]ジヒドロミルセノール及びアリルアミルグリコレートから選ばれる少なくとも1種の特定香料成分を含有することを特徴とするアスファルト用消臭剤。
[2]さらに油剤を含有する、上記[1]に記載のアスファルト用消臭剤。
[3]さらにフローラル系香料を含有する、上記[1]又は[2]に記載のアスファルト用消臭剤。
本発明のアスファルト用消臭剤は、少量でも、アスファルト加熱時に生じる不快な臭いを効果的にマスキングでき、アスファルト混合物製造時及び道路舗装時などの作業環境を改善することが出来る。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは90以下」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10以上90以下」とすることができる。また、例えば、「好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90」という記載においても、同様に「10〜90」とすることができる。
[特定香料成分]
本発明のアスファルト用消臭剤は、ジヒドロミルセノール及びアリルアミルグリコレートから選ばれる少なくとも1種の特定香料成分を含有する。このような特定香料成分を含有することにより、アスファルト加熱時の不快な臭いを効果的にマスキングすることができる。
特定香料成分としては、ジヒドロミルセノール及びアリルアミルグリコレートのいずれかを単独で用いてもよいし、両方を組み合わせて用いてもよい。アスファルト加熱時の不快な臭いをより効果的にマスキングする観点から、ジヒドロミルセノール及びアリルアミルグリコレートの両方を組み合わせて用いることが好ましい。
ジヒドロミルセノール及びアリルアミルグリコレートを組み合わせて用いる場合、ジヒドロミルセノールとアリルアミルグリコレートとの質量比(ジヒドロミルセノール/アリルアミルグリコレート)は特に制限を受けないが、好ましくは20/1〜1/2、より好ましくは15/1〜1/1、さらに好ましくは10/1〜3/1である。このような質量比とすることにより、アスファルト加熱時の不快な臭いをより効果的にマスキングすることができる。
特定香料成分の含有量は特に限定されないが、アスファルト用消臭剤全量基準で、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、0.5質量%以下である。
[他の香料成分]
本発明のアスファルト用消臭剤は、特定香料成分以外の他の香料成分を含有してもよい。他の香料成分としては特に制限を受けず、例えば、酢酸エチル(パイナップル臭)、リモネン(オレンジ臭)、ペンタン酸ペンチル(リンゴ臭)等の果実臭の香料成分、フローラル系香料、ムスク系香料、シトラス系香料などが挙げられる。他の香料成分を用いる場合は、消臭剤全量基準に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
上記した他の香料成分の中でも、フローラル系香料が好ましい。本発明の特定香料成分、及びフローラル系香料を組み合わせることにより、アスファルト加熱時の不快な臭いをより効果的にマスキングすることができる。
また、本発明の特定香料成分とフローラル系香料を組み合わせる場合、アスファルト加熱時の不快な臭いをより長時間抑制する観点から、ジヒドロミルセノール及びフローラル系香料の組み合わせが好ましく、ジヒドロミルセノール、アリルアミルグリコレート、及びフローラル系香料の3成分を組み合わせて使用することがより好ましい。
特定香料成分に対するフローラル系香料の量(フローラル系香料/特定香料成分)は、1〜30であることが好ましく、3〜20であることが好ましい。
[油剤]
本発明のアスファルト用消臭剤は、油剤を含有することが好ましい。油剤を含有することにより、特定香料成分、及び必要に応じて配合されるその他の香料成分の分散性が向上し、揮発を防止し易くなる。
油剤の種類は特に限定されないが、例えば、脂肪酸モノエステル、脂肪酸ジエステル、脂肪酸トリエステル、脂肪酸テトラエステル、ポリアルキレングリコールなどが挙げられ、脂肪酸ジエステル、脂肪酸トリエステル、脂肪酸テトラエステルが好ましい。中でも、2価以上の多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した構造を有する油剤が好ましい。
2価以上の多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有する油剤における、2価以上の多価アルコールは、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の2価のアルコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価以上のアルコールが挙げられる。
2価以上の多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有する油剤における、脂肪酸としては、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよいし、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。脂肪酸の炭素数は、特に限定されないが好ましくは6〜30、より好ましくは9〜24である。脂肪酸の具体例としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸等の飽和脂肪酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸(オレイン酸を含む)、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、ペンタコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン酸、ノナコセン酸、トリアコンテン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
これらの中でも、3価以上の多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した構造を有する油剤が好ましい。このような油剤の中でも、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールテトラオレートがより好ましく、ペンタエリスリトールテトラオレートが更に好ましい。
油剤の含有量は特に限定されないが、アスファルト用消臭剤全量基準に対して好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは94質量%以上であり、更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは99.98質量%以下であり、より好ましくは99.95質量%以下であり、更に好ましくは99.9質量%以下である。
本発明のアスファルト用消臭剤は、アスファルトに添加してアスファルト加熱時に生じる不快な臭いを効果的にマスキングすることができる。アスファルトの種類は特に限定されず、例えば、ストレートアスファルト、アスファルト混合物などが挙げられる。アスファルト混合物は、一般的には、ストレートアスファルトと、砕石、砂利、石粉等からなる骨材とを含み、さらに必要に応じてゴム、熱可塑性エラストマー等の改質剤、その他の添加剤を含むものである。
本発明のアスファルト用消臭剤のアスファルトに対する使用量は特に限定されるものではないが、アスファルトに対して好ましくは10〜10000ppmであり、より好ましくは50〜1000ppmであり、更に好ましくは100〜500ppmであり、特に好ましくは100〜300ppmである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(消臭剤の調製)
表1にアスファルト用消臭剤に使用する香料成分(特定香料成分、他の香料成分)、及び油剤の組合せを示す。香料成分と油剤を混合し、十分に攪拌して消臭剤を調製した。調製した各消臭剤を用いて、下記実施例、比較例により消臭剤の官能試験を行った。
Figure 0006973220
<実施例1>
(1)ストレートアスファルトに対する官能試験
加熱したストレートアスファルト60/80(昭和シェル石油株式会社製)500gをガラス容器に移し温度を170℃に保ちつつ、アスファルト用消臭剤(A−1)を125mg(ストレートアスファルトに対して250ppm)添加した。素早く攪拌し消臭剤を分散させた後、添加直後、添加1分後及び添加30分後のアスファルトの臭いを嗅ぎ、マスキングの評価(官能試験)を行った。結果を表2に示す。
(2)アスファルト混合物に対する官能試験
加熱したアスファルト混合物(アスファルト5%含有)2kgを耐熱バットに移し温度を170℃に保ちつつ、アスファルト用消臭剤(A−1)を25mg(アスファルト含有量に対して250ppm)添加した。スコップを用いて消臭剤を十分になじませた後、添加直後及び添加1分後のアスファルト混合物の臭いを嗅ぎ、マスキングの評価(官能試験)を行った。結果を表2に示す。
[官能試験]
官能試験は、計8人のパネラーに対象となるアスファルトの臭いを嗅いでもらい、下記評価基準による4段階に分けて評価を行った。
(評価基準)
◎:アスファルト臭をほとんど感じない
○:アスファルト臭より香料の香りを強く感じる
△:香料の香りよりアスファルト臭を強く感じる
×:アスファルト臭しか感じない
<実施例2〜6、比較例1〜3>
アスファルト用消臭剤の種類を表2のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして官能試験を行った。結果を表2に示す。
<比較例4>
アスファルト用消臭剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして官能試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006973220
表2に官能試験の結果を示す。実施例1〜2より、特定香料成分であるジヒドロミルセノールあるいはアリルアミルグリコレートを含有する消臭剤を添加した場合、少量でも良好に不快臭をマスキングすることができた。
実施例3〜4では、さらに香料成分としてフローラルを含有することで添加直後のマスキングが優れていた。
また、実施例5では、ジヒドロミルセノール及びアリルアミルグリコレートを併用したところ、実施例1〜2よりも個々の特定香料成分を少なくしてもマスキングが可能であり、添加直後のマスキングが優れていた。実施例6では、実施例5の消臭剤の組成にさらにフローラルを含むことで最もマスキングに優れていた。
比較例1〜3では、果実臭の香料からなる消臭剤を用いたことから、少量ではアスファルトの臭いを十分にマスキングすることが出来なかった。
比較例4では、香料を含む添加剤を加えていないことから、アスファルトの臭いを強く感じた。

Claims (2)

  1. ジヒドロミルセノール及びアリルアミルグリコレートから選ばれる少なくとも1種の特定香料成分0.1質量%以上と油剤98〜99.9質量%を含有することを特徴とするアスファルト用消臭剤であって、
    前記油剤が2価以上の多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有する油剤であり、前記2価以上の多価アルコールがペンタエリスリトールで、かつ前記脂肪酸が炭素数9〜24の脂肪酸であるアスファルト用消臭剤
  2. さらにフローラル系香料を含有する、請求項1に記載のアスファルト用消臭剤。
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