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JP6955645B1 - 摩擦帯電不織布、および、その製造方法 - Google Patents

摩擦帯電不織布、および、その製造方法 Download PDF

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JP6955645B1 JP2021545840A JP2021545840A JP6955645B1 JP 6955645 B1 JP6955645 B1 JP 6955645B1 JP 2021545840 A JP2021545840 A JP 2021545840A JP 2021545840 A JP2021545840 A JP 2021545840A JP 6955645 B1 JP6955645 B1 JP 6955645B1
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Abstract

発明が解決しようとする課題は、構成樹脂の異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布であって、薄手であると共に、強度に優れる摩擦帯電不織布を提供することである。本発明の摩擦帯電不織布は、構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布であって、厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高い。また、本発明の摩擦帯電不織布の製造方法は、構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布の製造方法であって、(1)構成樹脂の異なる2種類以上の繊維が混在したウェブを用意する工程、(2)前記ウェブへ水流絡合処理を施して、水流絡合ウェブを調製する工程、(3)前記水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させると共に、前記厚さ方向に変形させた後の水流絡合ウェブに対し前記厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させることで、前記水流絡合ウェブの構成繊維同士を擦り合せる工程、を有する。

Description

本発明は、摩擦帯電不織布、および、その製造方法に関する。
従来からエアフィルタやマスクには、圧力損失が低く通気性に優れると共に、大気塵やPM2.5などの塵埃ならびに花粉などの捕集効率に優れるという性能が求められている。この相反する性能を共に満足するため、摩擦帯電不織布を備えるエアフィルタやマスクが検討されてきた。
このような摩擦帯電不織布として、特開2006−218342(特許文献1)には、構成樹脂の異なる2種類以上の繊維(以降、摩擦帯電繊維と称することがある)が混在したウェブへニードルパンチ処理を行い、摩擦帯電繊維同士を擦り合せることで帯電させてなる摩擦帯電不織布が開示されている。具体的に特許文献1の実施例には、水流絡合処理を施したウェブへニードルパンチ処理を行うことで、摩擦帯電繊維同士を擦り合せ摩擦帯電不織布を調製できることが開示されている。
特開2006−218342
本願出願人は、厚さや形状などが様々であるエアフィルタやマスクのニーズに応えることができるように、薄手の摩擦帯電不織布の提供を試みた。
しかしながら、ニードルパンチ処理によって摩擦帯電繊維同士を擦り合せることで帯電させるという従来技術を用いる限り、薄手の摩擦帯電不織布を提供することは困難であった。その理由として、後述する本願の実施例中の記載からも明らかである通り、摩擦帯電繊維同士を擦り合せるため摩擦帯電繊維が混在したウェブへニードルパンチ処理を行うと、当該ウェブの厚さが倍増するためである。そのため、薄手の摩擦帯電不織布(例えば、厚さが1.2mm以下の摩擦帯電不織布)を提供するためには、摩擦帯電繊維が混在したウェブの目付を軽くする必要があった。
しかし、摩擦帯電繊維が混在した目付が軽いウェブへニードルパンチ処理を行うことで調製された摩擦帯電不織布は、薄手ではあるものの、ニードルパンチ処理によってウェブに貫通孔などのニードル処理由来の穴が形成されるためか、強度が大きく低下しているものであった。このような強度が弱い摩擦帯電不織布(例えば、最大点強度が43.0N/50mm以下の摩擦帯電不織布)では、例えば、張力を作用させた状態で打ち抜く、プリーツなど立体形状を有するように加工するなどエアフィルタやマスクへ加工する際に、破断や亀裂が発生して、調製したエアフィルタやマスクの濾過性能を低下させる原因となる恐れがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、構成樹脂の異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布であって、薄手であると共に、強度に優れる摩擦帯電不織布を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を続けた結果、薄手であると共に強度に優れる摩擦帯電不織布の実現に成功した。具体的には「厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高い」という物性を有する摩擦帯電不織布の実現に成功した。
また、本発明者らは、摩擦帯電繊維を含むウェブへ水流絡合処理を施して調製した水流絡合ウェブを、摩擦帯電繊維同士を擦り合せ帯電させる工程へ供する摩擦帯電不織布の製造方法において、水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させると共に、厚さ方向に変形させた後の水流絡合ウェブに対し厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させた。本工程を有する製造方法によって、ニードルパンチ処理を用いなくとも水流絡合ウェブの構成繊維同士を効率良く擦り合せることができ、はじめて、薄手であると共に強度に優れる摩擦帯電不織布を実現できることを見出した。具体的には、本発明にかかる摩擦帯電不織布の製造方法によって、「厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高い」という物性を有する摩擦帯電不織布の実現に成功した。
すなわち、第一の本発明は、構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布であって、厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高い、摩擦帯電不織布
である。
また、第二の本発明は、構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布の製造方法であって、
(1)構成樹脂の異なる2種類以上の繊維が混在したウェブを用意する工程、
(2)前記ウェブへ水流絡合処理を施して、水流絡合ウェブを調製する工程、
(3)前記水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させると共に、前記厚さ方向に変形させた後の水流絡合ウェブに対し前記厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させることで、前記水流絡合ウェブの構成繊維同士を擦り合せる工程、
を有する、摩擦帯電不織布の製造方法
である。
本発明によれば、薄手であると共に強度に優れる摩擦帯電不織布を得ることができる。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。なお、本発明で説明する各種測定は特に記載や規定のない限り、常圧のもと25℃温度条件下で測定を行った。そして、本発明で説明する各種測定結果は特に記載や規定のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、当該値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、小数第一位までが求める値である場合、測定によって小数第二位まで値を求め、得られた小数第二位の値を四捨五入することで小数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。また、本発明で例示する各上限値および各下限値は、任意に組み合わせることができる。
本発明にかかる摩擦帯電不織布は、構成樹脂が異なる2種類以上の帯電した繊維が混在して構成された、帯電している不織布である。ここでいう「構成樹脂が異なる2種類以上の繊維」とは、摩擦帯電不織布中に2種類以上の繊維が混在しており、当該2種類以上の繊維において、1種類目の繊維の表面(両端部を除く)の構成樹脂と、他の繊維の表面(両端部を除く)の構成樹脂が異なっていることを意味する。以降、本発明にかかる摩擦帯電不織布を構成する当該繊維を、摩擦帯電繊維と称することがある。
また、ここでいう「構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在」しているとは、上述した2種類以上の摩擦帯電繊維同士が互いに絡み合って存在していることを意味する。例えば、2種類以上の摩擦帯電繊維を均一に混ぜ合わせカード機へ供することで調製されたウェブでは、構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在しており、当該ウェブを用いることで本発明にかかる摩擦帯電不織布を調製できる。
摩擦帯電不織布は通気性を有すると共に構成繊維同士がランダムに存在していることで、空隙率が高く孔径が均一となり、圧力損失が低く通気性と捕集効率に優れたエアフィルタやマスクを提供できる。
摩擦帯電繊維の種類は、互いに擦り合せることで帯電する繊維の組み合わせであればよく適宜選択できる。1種類目の摩擦帯電繊維と2種類目の摩擦帯電繊維との組み合わせとして、例えば、ポリオレフィン系繊維とアクリル系繊維との組合せ;フッ素系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維との組合せ;ウレタン系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維との組合せ;塩化ビニル系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維との組合せ;ポリオレフィン系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維との組合せ;アクリル系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維の組合せ;ビニロン系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維との組合せ;ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維との組合せ;アセテート系繊維とポリアミド系繊維、羊毛、ガラス系繊維、絹又はレーヨン系繊維との組合せ;ポリオレフィン系繊維とポリエステル系繊維との組合せなどを挙げることができる。
これらの中でも、ポリオレフィン系繊維とアクリル系繊維との組合せであると、摩擦帯電繊維同士を擦り合せることで帯電量を多くすることができ、捕集効率に優れたエアフィルタやマスクを提供可能な摩擦帯電不織布を実現でき好ましい。
ポリオレフィン系繊維の構成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、又は、これら樹脂の一部をニトリル基やシアノ基あるいはハロゲンで置換した樹脂などを挙げることができ、ポリオレフィン系繊維はこれら構成樹脂1種類、又は2種類以上からなる複合繊維であることができる。例えば、芯鞘型複合繊維であり、鞘成分がポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系繊維であってもよい。
また、ポリオレフィン系繊維の構成樹脂は、リン系添加剤やイオウ系添加剤を含有しているのが好ましい。リン系添加剤やイオウ系添加剤を含有していることによって帯電量を多くすることができ、初期捕集効率が向上できる。なお、リン系添加剤やイオウ系添加剤に加えて、更に、フェノール系、アミン系などの他の添加剤が含まれていてもよい。なお、これら添加剤の合計量が多くなると、紡糸性が悪くなる恐れがあるため、添加剤の合計量がポリオレフィン系繊維の5質量%以下であるのが好ましく、2質量%以下であるのがより好ましく、1質量%以下であるのが更に好ましい。
リン系添加剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6,ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ビス(ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェノキシ)ホスフィノ)などのリン系酸化防止剤を挙げることができる。このリン系添加剤はポリオレフィン系繊維中、0.01質量%以上含有しているのが好ましく、0.2質量%以上含有しているのがより好ましく、0.3質量%以上含有しているのが更に好ましく、0.6質量%以上含有しているのが更に好ましい。イオウ系添加剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスなどのイオウ系酸化防止剤などが好適に使用できる。このイオウ系添加剤はポリオレフィン系繊維中、0.01質量%以上含まれているのが好ましく、0.1質量%以上含まれているのがより好ましい。
アクリル系繊維としては、アクリロニトリルを主成分(85%以上)とするポリアクリロニトリル系繊維と、アクリロニトリルを35%以上85%未満含むモダクリル系繊維のいずれであっても使用できる。また、ポリアクリロニトリル系繊維は有機系溶媒を用いて紡糸したものと、無機系溶媒を用いて紡糸したものの2種類があるが、いずれのポリアクリロニトリル系繊維であってもよい。
摩擦帯電繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から1種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
摩擦帯電繊維の繊度は、本発明の目的を達成できるのであれば特に限定されるものではない。圧力損失が低く通気性と捕集効率に優れたエアフィルタやマスクを提供可能な摩擦帯電不織布となるよう、摩擦帯電繊維の繊度は0.1〜10dtexであるのが好ましく、0.3〜7dtexであるのが好ましく、0.6〜5dtexであるのが好ましく、0.8〜3dtexであるのが最も好ましい。なお、「繊度」はJIS L1015:2010、8.5.1(正量繊度)に規定されているA法により得られる。
なお、摩擦帯電不織布を構成している、互いに絡み合って存在している2種類以上の摩擦帯電繊維について、効率よく摩擦帯電繊維同士を擦り合せて帯電量を多くできることから、各種摩擦帯電繊維の繊度は近い方が好ましい。具体的には、一方の種類の摩擦帯電繊維の繊度に対する、もう一方の種類の摩擦帯電繊維の繊度の百分率が、250%以下であるのが好ましく、220%以下であるのがより好ましく、130%以下であるのが更に好ましい。理想的には、各種摩擦帯電繊維の繊度が同じ(すなわち、上記百分率が100%)であるのが最も好ましい。
なお、摩擦帯電不織布が3種類以上の摩擦帯電繊維を含んでいる場合には、存在する質量割合が多い2種類の摩擦帯電繊維に対し上記の通り繊度を確認する。
摩擦帯電繊維の繊維長は、本発明の目的を達成できるのであれば特に限定されるものではなく、短繊維や長繊維あるいは連続繊維であってもよい。しかし、摩擦帯電繊維同士がランダムに存在してなる摩擦帯電不織布を実現できることで、空隙率が高く孔径が均一となり、圧力損失が低く通気性と捕集効率に優れたエアフィルタやマスクを提供可能な摩擦帯電不織布となることから、繊維長は3〜150mmであるのが好ましく、10〜100mmであるのがより好ましく、30〜80mmであるのが更に好ましい。
なお、「繊維長」は、JIS L1015:2010、8.4.1[補正ステープルダイヤグラム法(B法)]により得られる。
摩擦帯電不織布が含有している複数種類の摩擦帯電繊維について、各摩擦帯電繊維の混合比率は適宜調整するものである。例えば、摩擦帯電不織布に2種類の摩擦帯電繊維(摩擦帯電繊維Aと摩擦帯電繊維B)が含有されている場合、摩擦帯電繊維Aと摩擦帯電繊維Bの混合比率は5質量%:95質量%〜95質量%:5質量%であることができ、15質量%:85質量%〜85質量%:15質量%であることができ、25質量%:75質量%〜75質量%:25質量%であることができる。
摩擦帯電不織布は摩擦帯電繊維以外の繊維を含有していてもよい。摩擦帯電不織布を構成している繊維の質量に占める、摩擦帯電繊維の質量の百分率は適宜調整できるが、圧力損失が低く通気性と捕集効率に優れたエアフィルタやマスクを提供可能な摩擦帯電不織布であるよう、50質量%以上であるのが好ましく、65質量%以上であるのがより好ましく、80質量%以上であるのが更に好ましく、摩擦帯電不織布を構成している繊維が摩擦帯電繊維のみであるのが最も好ましい。
摩擦帯電不織布を構成している繊維は油剤を含んでいてもよい。油剤の種類は適宜選択でき、親水性油剤や非親水性油剤を採用できる。なお、ここでいう親水性油剤とは、繊維表面の親水性を高める処理剤を指すものであり、公知の成分や配合を用いることができる。例えば、鉱物油や合成油などの潤滑剤に、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤などの湿潤剤を含有させたものが挙げられる。また、非親水性油剤とは、繊維表面の親水性を低下させる処理剤を指すものであり、公知の成分や配合を用いることができる。例えば、界面活性剤の種類や量を調整したものや、鉱物油や合成油などの潤滑剤にフッ素系やシリコーン系の成分を含有させたものが挙げられる。
なお、油剤の種類は、摩擦帯電不織布を構成している繊維から後述するようにして抽出した油剤を、FT−IR(ATR法)など公知の分析装置へ供することで確認できる。
なお、摩擦帯電不織布における含水率の上昇を防止して、摩擦帯電繊維同士の擦り合せによる帯電量を多くして、捕集効率に優れる摩擦帯電不織布を実現できることから、摩擦帯電不織布は構成繊維として、非親水性油剤が付与された摩擦帯電繊維を含んでいるのが好ましい。
摩擦帯電不織布の構成繊維が含む油剤の百分率は適宜調整できるが、当該繊維質量に占める油剤質量の百分率は、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上であるのがより好ましく、0.08質量%以上であるのが更に好ましく、0.10質量%以上であるのがより更に好ましく、0.11質量%以上であるのが特に好ましい。上限値は適宜調整できるが、1質量%以下であるのが現実的である。なお、摩擦帯電不織布を構成している繊維が含む油剤質量の百分率(単位:質量%)は、まず採取した試験片をJIS L−1015化学ステープル試験方法に記載されているメタノール抽出方法へ供し、測定された質量から試験片に含まれていた油剤の質量を求める。次いで、1m辺りの試験片に含まれている油剤の質量(g/m)に換算した換算値を求め、更に、試験片を構成する繊維質量(g/m)に占める上記換算値の百分率を算出して、当該算出値を油剤質量の百分率(単位:質量%)とする。
摩擦帯電不織布を構成している繊維は、バインダや繊維接着によって繊維同士が一体化されている状態であってもよい。しかし、本発明にかかる帯電方法において摩擦帯電繊維同士が効率良く擦れ合うことで帯電量の多い摩擦帯電不織布を提供できること、及び、摩擦帯電不織布を気体が通過する間も摩擦帯電不織布の構成繊維同士が効率良く擦れ合うことで摩擦帯電繊維の帯電が維持されることから、捕集効率に優れたエアフィルタやマスクを提供可能な摩擦帯電不織布を提供できる。そのため、摩擦帯電不織布を構成している繊維はバインダや繊維接着によって繊維同士が一体化されておらず、繊維同士がただ絡合してなる摩擦帯電不織布であるのが好ましい。また、繊維同士がただ絡合してなる摩擦帯電不織布であると、コンタミネーションが発生し難く、また、風合いが劣化し難い摩擦帯電不織布を提供でき好ましい。
摩擦帯電不織布は、一方向(例えば、搬送方向と平行を成す方向)へ繊維が配向している繊維層(繊維層A、例えば一方向ウェブ由来の繊維層)と、上記一方向と異なる方向へ繊維が配向している繊維層(繊維層B、例えばクロスレイウェブ由来の繊維層)とが積層してなる構造を有するのが好ましい。具体例として、摩擦帯電繊維を含んだ一方向ウェブを繊維配向が相違するように積層したクロスレイウェブを用いてなる繊維層や、摩擦帯電繊維を含んだ一方向ウェブおよびクロスレイウェブが積層しているクリスクロスウェブを用いてなる繊維層であるのが好ましい。このような層構造を有する摩擦帯電不織布であることによって、本発明にかかるウェブの構成繊維同士を擦り合せる工程において、不織布あるいはウェブに対しその搬送方向へ張力を作用させた際に、繊維層Bの繊維配向が搬送方向と平行に近づくように移動する。その結果、繊維層B中の摩擦帯電繊維同士が強く擦れると共に、繊維層Aと繊維層Bが擦れることで層間に存在する摩擦帯電繊維同士がより強く擦れ、帯電量に富み捕集効率に優れる摩擦帯電不織布を実現でき好ましい。
あるいは、繊維層中の摩擦帯電繊維同士が強く擦れることから、様々な方向に繊維が配向している繊維層(例えば、ランダムウェブ由来の繊維層)を備える不織布であるのが好ましい。
なお、摩擦帯電不織布が有する繊維層における繊維の配向は、目視あるいは繊維層の表面や断面を撮影した顕微鏡写真により確認できる。また、摩擦帯電不織布の製造工程が判明している場合には、その製造工程で使用したウェブの種類から、繊維層における繊維の配向を判断できる。
摩擦帯電不織布の目付は特に限定するものではないが、後述する最大点強度など剛性が優れる摩擦帯電不織布を調製できるよう、15〜200g/mであるのが好ましく、25〜150g/mであるのがより好ましく、30〜100g/mであるのが更に好ましい。なお、「目付」は1mあたりの質量であり、JIS L1085:1998、6.2「単位面積当たりの質量」に規定する方法により得られる。
本発明にかかる摩擦帯電不織布の厚さは1.2mm以下であり、厚さや形状などが様々であるエアフィルタやマスクのニーズに応えることができる。摩擦帯電不織布の厚さは1.2mm以下であれば、その値はニーズに合せ適宜調整できるが、厚さや形状などが様々であるエアフィルタやマスクのニーズにより広く応えられる(例えば、厚いエアフィルタが求められている場合であっても、厚さの薄い帯電不織布であれば、当該厚さの薄い帯電不織布を複数積層することでニーズに応えることができる)ように、1.1mm以下であるのが好ましく、1.0mm以下であるのがより好ましく、0.9mm以下であるのが更に好ましく、0.8mm以下であるのが特に好ましい。下限値も適宜調整できるものであるが、0.1mm以上であるのが現実的である。
本発明における「厚さ」は、基材の主面に対して、面積5cmあたり厚さ方向へ0.98N(=100gf)を荷重して行う荷重領域における厚さの測定を、無作為に選択した5カ所で実施し、それら厚さを算術平均した値を意味する。このような厚さの測定は、例えば、高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ社製、ライトマチック(登録商標))により実施できる。
本発明にかかる摩擦帯電不織布の見掛け密度が低いほど、圧力損失が低く通気性に優れるエアフィルタやマスクを実現できる。そのため、摩擦帯電不織布の見掛け密度は、0.15g/cm以下であることができるが、0.15g/cm未満であることが好ましく、0.14g/cm以下であることがより好ましく、0.13g/cm以下であることが更に好ましく、0.12g/cm以下であることが特に好ましい。
下限値は適宜調整することができるが、強度に富むことで圧力損失の低下が生じ難いエアフィルタやマスクを実現できることから、0g/cmより高い値であって、0.04g/cm以上であるのが好ましい。なお、摩擦帯電不織布の見掛け密度(g/cm)は、摩擦帯電不織布の目付(g/m)を厚さ(mm)で割り算出できる。
本発明にかかる摩擦帯電不織布は、厚さが1.2mm以下であるにも関わらず剛性に富み、その最大点強度が43.0N/50mmよりも高いことを特徴としている。本発明にかかる摩擦帯電不織布は、最大点強度が43.0N/50mmよりも高いため、例えば、張力を作用させた状態で打ち抜く、プリーツなど立体形状を有するように加工するなどエアフィルタやマスクへ加工する際に破断や亀裂が発生するのが防止されており、調製したエアフィルタやマスクの濾過性能を低下させ難い。摩擦帯電不織布の最大点強度は43.0N/50mmよりも高いのであれば、その値は当該ニーズによって適宜調整できる。50N/50mm以上であるのが好ましく、60N/50mm以上であるのがより好ましく、70N/50mm以上であるのが更に好ましく、80N/50mm以上であるのがより更に好ましく、90N/50mm以上であるのが特に好ましい。上限値も適宜調整できるものであるが、300N/50mm以下であるのが現実的である。なお、本発明でいう最大点強度とは、測定対象物を以下の測定方法へ供し得られた値である。
(最大点強度の測定方法)
測定対象物から機械方向(製造時の搬送方向)と長辺方向が一致するようにして、試験片(形状:長方形、長辺:後述する定速伸長型引張試験機により測定可能な長さであって100mmより長い、短辺:50mm)を採取した。そして、採取した試験片を、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、初期つかみ間隔:100mm、引張速度:300mm/分)へ供し、試験片が破断するまで試験片の長辺方向へ引っ張った。試験片が破断するまでに測定された測定強度のうち最大値を、測定対象物の最大点強度(単位:N/50mm)とした。
また、長辺方向の長さが100mmよりも小さい測定対象物については、その構成繊維のうち、長繊維を除く最も繊維長の長い短繊維の繊維長よりも、初期つかみ間隔を長く調整した定速伸長型引張試験機へ当該測定対象物から採取した試験片を供し、同様の測定により測定対象物の最大点強度(単位:N/50mm)を求める。なお、構成繊維が長繊維のみで構成されている場合には、初期つかみ間隔を10mm以上確保し、同様の測定により測定対象物の最大点強度(単位:N/50mm)を求めることができる。
なお、測定対象物の機械方向が不明である場合には、測定対象物の様々な方向から試験片(形状:長方形、長辺:上述した定速伸長型引張試験機により測定可能な長さであって100mmより長い、短辺:50mm)を複数採取する。そして、採取した各試験片を上述した測定方法へ供する。そして、測定された各試験片における測定強度の最大値のうち、最も高い値を測定対象物の最大点強度(単位:N/50mm)とみなす。
なお、短辺方向の長さが50mmよりも小さい測定対象物については、当該測定対象物から採取した試験片(形状:長方形、長辺:上述した定速伸長型引張試験機により測定可能な長さであって100mmより長い、短辺:50mmよりも小さい)を上述した方法と同様に定速伸長型引張試験機へ供し、同様にして測定により測定対象物における短辺の長さ当たりの最大点強度を求める。そして得られた、測定対象物における短辺の長さ当たりの最大点強度を、測定対象物における短辺の長さ50mm当たりの最大点強度に換算することで、測定対象物の最大点強度(単位:N/50mm)を算出できる。具体的には、短辺の長さが10mmの試験片を定速伸長型引張試験機へ供し、測定により得られた測定対象物における短辺の長さ10mm当たりの最大点強度が1Nであった場合、換算することで、測定対象物の最大点強度は5N/50mmであると算出できる。
上述した各値を求めるため、エアフィルタやマスクから摩擦帯電不織布(試験片)を採取できる。その際、プリーツ折りを開くなどして平板形状としたエアフィルタやマスクにおける溶着部分以外の箇所から切片を採取する。次いで、当該切片からカバー材などの不要な構成物を取り除くことで、各値を求めるために用いる試験片を採取できる。
本発明にかかる摩擦帯電不織布では、摩擦帯電繊維同士の擦れ合った箇所がプラスあるいはマイナスに帯電する。つまり、摩擦帯電繊維の表面上にプラスに帯電した箇所やマイナスに帯電した箇所がランダムに分布し存在するものとなる。一方、コロナ帯電処理へ供し得られた帯電不織布では、構成繊維における帯電不織布の一方の主面側の表面上にプラスに帯電した箇所が偏在しており、帯電不織布のもう一方の主面側の表面上にマイナスに帯電した箇所が偏在している。そのため、本発明にかかる摩擦帯電不織布とコロナ帯電処理へ供し得られた帯電不織布とでは、構成繊維における帯電状態が異なるものである。
本発明にかかる摩擦帯電不織布は、上述した帯電状態の摩擦帯電繊維を有していることによって、塵埃ならびに花粉などが当該摩擦帯電繊維の表面上に均一的に捕集される傾向がある。その結果、捕集効率に優れるエアフィルタやマスクを実現できる。
次いで、本発明に係る摩擦帯電不織布を製造可能な、摩擦帯電不織布の製造方法について説明する。なお、上述において説明した構成については、説明を省略する。
本製造方法は
(1)構成樹脂の異なる2種類以上の繊維が混在したウェブを用意する工程を有している。
構成樹脂の異なる2種類以上の繊維は、本発明にかかる摩擦帯電不織布を構成する複数種類の摩擦帯電繊維、あるいは、複数種類の摩擦帯電繊維と摩擦帯電繊維以外の繊維である。これらの繊維が混在したウェブを調製する方法は適宜選択できるが、各繊維を求める配合比で混綿しカード装置へ供しウェブを調製する方法、求める配合比の各繊維をエアレイ装置へ供し堆積させてウェブを調製する方法、あるいは、メルトブロー不織布やスパンボンド不織布や静電紡糸不織布などの直接紡糸を用いることで各繊維が求める配合比で混在してなるウェブを調製する方法などを採用できる。
ウェブの目付や厚さなどの各種値は、本発明にかかる摩擦帯電不織布を調製できるよう適宜調整する。なお、ウェブにはバインダや接着繊維を含んでいてもよいが、本発明にかかる帯電方法において摩擦帯電繊維同士が効率良く擦れ合うことで帯電量の多い摩擦帯電不織布を提供できるように、ウェブにはバインダや接着繊維が含まれていないのが好ましく、構成繊維のみ(より好ましくは摩擦帯電繊維のみ)で構成されたウェブであるのが好ましい。
また、当該繊維は親水性油剤や非親水性油剤が付与されているのが好ましい。油剤を含んだウェブであることによって、後述の工程(3)の構成繊維同士を擦り合せる工程において、繊維切れなどの発生を防止できる。その結果、帯電量が低下するのを防止して、捕集効率に優れたエアフィルタやマスクを提供可能な摩擦帯電不織布を提供できる。特に、非親水性油剤が付与された摩擦帯電繊維を採用することで、含水率の上昇を防止して、摩擦帯電繊維同士の擦り合せによる帯電量を多くすることができ好ましい。
本製造方法は(2)ウェブへ水流絡合処理を施して、水流絡合ウェブを調製する工程を有している。
ウェブへ施す水流絡合処理における、水流の強さや水流を放射するノズルの間隔や配置などは適宜調整する。また、水流絡合処理に使用する水の種類は適宜選択できるが、例えば、工業用水、上水、蒸留水、純水などであることができる。なお、水流絡合処理に使用した後の水(繊維から脱落した油剤などが含まれていることがある)を繰り返し、水流絡合処理に使用してもよい。
繊維同士の絡み合いを促進して剛性に優れると共に薄手の摩擦帯電不織布を調製できるように、プレシャワーを除く、ノズル1本あたりの平均水圧を2MPa以上とするのが好ましく、3MPa以上とするのがより好ましく、4MPa以上とするのが更に好ましい。一方、平均水圧が高過ぎると、構成繊維同士の絡み合いが強固になり過ぎてしまい、空隙率が意図せず低くなり圧力損失が低いエアフィルタやマスクを提供するのが困難となる恐れがあることから、25MPa以下とするのが好ましく、20MPa以下とするのがより好ましく、18MPa以下とするのが更に好ましく、16MPa以下とするのが最も好ましい。
なお、本工程において、ウェブの一方の主面のみへ水流絡合処理を施しても、ウェブの両主面へ水流絡合処理を施してもよい。また水流絡合処理の回数は、一回であっても複数回であってもよい。
なお、このようにして調製された水流絡合ウェブは、水流絡合処理によって湿潤した状態のまま次の工程へ供してもよいが、より効率良く摩擦帯電が成されるように、乾燥した水流絡合ウェブを次の工程へ供するのが好ましい。水流絡合処理によって湿潤した水流絡合ウェブを乾燥する方法は適宜選択できるが、加熱装置へ供する方法、大気圧下あるいは減圧下へ曝すことで加熱することなく乾燥させる方法などを採用できる。加熱装置の種類は適宜選択でき、例えば、ローラにより加熱または加熱加圧する装置、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機、赤外線を照射し加熱できる装置などを用いた方法を採用できる。加熱装置による加熱温度は適宜選択するが、水分を蒸発可能であると共に、構成繊維などの構成成分が意図せず分解や変性しない温度であるように適宜調整する。なお、ウェブにバインダや接着繊維などの接着成分や架橋可能な樹脂が存在する場合は、加熱処理へ供することでバインダ接着や繊維接着を行っても、当該架橋可能な樹脂を架橋させてもよい。
本製造方法は(3)水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させると共に、厚さ方向に変形させた後の水流絡合ウェブに対し、厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させることで、水流絡合ウェブの構成繊維同士を擦り合せる工程を有している。
本発明にかかる摩擦帯電不織布の製造方法では、水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させることで、水流絡合ウェブに含まれている摩擦帯電繊維同士を擦り合せ、水流絡合ウェブを帯電できる。水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させる方法は適宜選択できるが、水流絡合ウェブへローラを作用させる方法、水流絡合ウェブを厚さ方向に変形可能なクリアランスへ供する方法などを採用できる。
具体例として、
・水流絡合ウェブの厚さよりも薄いクリアランスを有するように調整した、二本のローラ間へ水流絡合ウェブを供する態様、
・水流絡合ウェブの厚さと当該水流絡合ウェブを搬送する部材(例えば、搬送コンベア)の厚さを足した厚さよりも、薄いクリアランスを有するように調整した二本のローラ間へ、当該部材ごと水流絡合ウェブを供する態様、
・水流絡合ウェブの厚さよりも薄いクリアランスを有するように調整した、板や棒、搬送コンベアなどの部材と一本のローラなどが成すクリアランスへ水流絡合ウェブを供する態様、
・水流絡合ウェブの厚さと当該水流絡合ウェブを搬送する部材(例えば、搬送コンベア)の厚さを足した厚さよりも、薄いクリアランスを有するように調整した、板や棒、搬送コンベアなどの部材と一本のローラなどが成すクリアランスへ水流絡合ウェブを供する態様、
などを挙げることができる。
クリアランスの長さは水流絡合ウェブを厚さ方向に変形可能であればよく、その長さは適宜調整できるが、水流絡合ウェブの厚さの100%未満であるのが好ましく、80%以下であるのが好ましく、60%以下であるのが好ましく、40%以下であるのが好ましい。なお、本工程において、ゴムローラやポリウレタンコンベアなど表面に弾性部材を備えた変形容易な部材を用いて水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させる場合には、クリアランスは0であってもよい。
なお、ローラやコンベアなどの水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させるため使用する加圧部材(以降、加圧部材と称することがある)の材質や、その表面の硬度など諸物性は、効率よく摩擦帯電不織布を製造できるよう、適宜選択する。
また、他の具体例として、
・ローラの表面に水流絡合ウェブを接触させると共に、ローラに接触する前の水流絡合ウェブの搬送方向と、ローラに接触した後の水流絡合ウェブの搬送方向を変化させることで、当該接触している部分において水流絡合ウェブの厚さ方向へ力が作用するようにする態様、などを挙げることができる。
なお、効率よく摩擦帯電不織布を製造できるよう本工程において、ローラの表面に接触している水流絡合ウェブにおけるローラ側と反対側の主面に対し、別のローラや搬送コンベアなどを用いて圧力を作用させてもよい。また、当該ローラが水流絡合ウェブを搬送する速度と、当該別のローラや当該搬送コンベアが水流絡合ウェブを搬送する速度との間に、速度差を設けてもよい。
ローラの、回転の有無や回転速度、ならびに、回転方向は適宜選択できる。例えば、二本のローラ間へ水流絡合ウェブを供する場合、両ローラ間で回転の有無や回転速度、ならびに、回転方向は互いに異なる組み合わせであってもよい。また、搬送コンベアが水流絡合ウェブを搬送する速度は適宜調整できる。
なお、水流絡合ウェブの厚さ方向へ作用させる圧力や、搬送する際に水流絡合ウェブへ作用している張力の大きさは、求める摩擦帯電不織を製造できるよう適宜調整するが、水流絡合ウェブに亀裂や破断あるいは意図しない物性の変化が発生しないよう適宜調整する。
本発明にかかる摩擦帯電不織布の製造方法では、厚さ方向に変形させた後の水流絡合ウェブに対し、水流絡合ウェブの厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させる。本工程によって、水流絡合ウェブに含まれている摩擦帯電繊維同士をさらに擦り合せ、水流絡合ウェブをより帯電できる。なお、本発明でいう「厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させる」とは、水流絡合ウェブが加圧部材と接触する前の水流絡合ウェブへ作用している、水流絡合ウェブの厚さ方向と垂直を成す方向へ作用している張力よりも、水流絡合ウェブが加圧部材と接触した後に水流絡合ウェブへ作用している、水流絡合ウェブの厚さ方向と垂直を成す方向へ作用している張力の方が大きいことを意味する。
加圧部材と接触した後の水流絡合ウェブに対し、厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させる方法は適宜選択できる。例えば、
・加圧部材と接触している時点での水流絡合ウェブの搬送速度よりも、高速で搬送可能な速度で回転する別のローラや搬送コンベアにより、加圧部材に接触した後の水流絡合ウェブを搬送あるいは巻取る方法、
・加圧部材に接触した後の水流絡合ウェブへ、水流絡合ウェブの厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させた状態のまま、水流絡合ウェブを打ち抜くなど次の工程へ供する方法、
などを採用できる。
なお、加圧部材を作用させるまでの水流絡合ウェブの搬送方向と、加圧部材を作用させた後の水流絡合ウェブの搬送方向は、同一方向であっても異なる方向であってもよいが、互いに異なる方向であると水流絡合ウェブの厚さ方向や厚さ方向と垂直を成す方向へ、より効果的に張力を作用でき、帯電量に富む摩擦帯電不織布を製造でき好ましい。
なお、加圧部材に接触した後の水流絡合ウェブに対し作用させる張力の大きさは、求める摩擦帯電不織布を製造できるよう適宜調整するが、水流絡合ウェブに亀裂や破断あるいは意図しない物性の変化が発生しないよう適宜調整する。
本発明の製造方法により、構成繊維である摩擦帯電繊維同士が厚さ方向(Z軸方向である1次元)のみならず、厚さ方向と搬送方向(Z軸方向とX軸方向)の2次元方向、あるいは、厚さ方向と搬送方向ならびに厚さ方向と垂直をなす搬送方向以外の方向(Z軸方向とX軸方向ならびにY軸方向)の3次元方向で、摩擦帯電繊維同士が互いに効率よく擦れ合い摩擦帯電がなされる。そのため、厚さが1.2mm以下と薄手であるにも関わらず帯電量に富みフィルタ性能に優れる摩擦帯電不織布を実現できる。
なお、本発明者らが検討を行った結果、ニードルパンチ処理を行うことで調製した摩擦帯電不織布をカレンダー処理へ供し厚さを薄くすることを試みたが、一時的に厚さは薄くできるもののカレンダー処理では繊維の絡合状態が変わらないため経時と共に厚さが元に戻るものであった。
このようにして製造した摩擦帯電不織布は単体でフィルタ材として使用可能であるが、摩擦帯電不織布にカバー材や支持体、および/または、プレフィルタやバックアップフィルタなどを積層してフィルタ材を構成してもよい。カバー材や支持体、および/または、プレフィルタやバックアップフィルタは公知のものを採用でき、例えば、布帛あるいは多孔フィルムや通気性発泡体などを採用できる。なお、例示したものと摩擦帯電不織布とをただ重ね合わせてなる積層フィルタ材であっても、バインダやホットメルトウェブあるいは繊維接着によって、ヒートシールや超音波溶着などの接着処理へ供することによって層間接着してなる積層フィルタ材であってもよい。
また、摩擦帯電不織布および摩擦帯電不織布を備えてなるフィルタ材の外形は適宜調整でき、特に限定するものではないが、例えば、二次元的なシート形状、三次元的なコルゲート形状やプリーツ形状、円筒形状などであることができる。なお、摩擦帯電不織布および摩擦帯電不織布を備えてなるフィルタ材は切り抜き部、打ち抜き部、又は切れ込み部を有することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における評価方法は次の通りである。
(参考例)
表1中に記載した構成を有するポリプロピレン繊維70質量%とアクリル系繊維30質量%とを均一に混ぜ合わせ、カード機へ供することで一方向ウェブとクロスレイウェブを調製した。そして、一方向ウェブとクロスレイウェブを積層してクリスクロスレイウェブを調製した。
クリスクロスレイウェブの一方の主面側(A)からもう一方の主面側(B)へ向け水流絡合処理(水圧:3MPa、工程搬送速度:5m/min)を施した。その後、同条件で再度、クリスクロスレイウェブのもう一方の主面側(B)から一方の主面側(A)へ向け水流絡合処理(水圧:3MPa、工程搬送速度:5m/min)を施した。そして、水流絡合処理を施したクリスクロスレイウェブをオーブンドライヤー(加熱温度:80℃)へ供することで、クリスクロスレイウェブ中に含まれている水を除去した。
このようにして水流絡合ウェブを調製した。なお、調製した水流絡合ウェブは、一方向へ繊維が配向している繊維層Aと、上記一方向と異なる方向へ繊維が配向している繊維層Bとが積層してなるウェブであった。
(比較例1)
参考例で調製した水流絡合ウェブに対し、一方の主面側(A)からもう一方の主面側(B)へ向け、針密度50本/cmの条件下でニードルパンチ処理を施し、摩擦帯電した。
このようにして、摩擦帯電不織布を調製した。
(比較例2)
使用するクリスクロスレイウェブの目付を増量したこと以外は、参考例と同様にして水流絡合ウェブを調製した。このようにして調製した水流絡合ウェブを使用したこと以外は比較例1と同様にして、摩擦帯電不織布を調製した。
(実施例1)
参考例で調製した水流絡合ウェブを、表面がポリウレタン素材からなり変形容易な搬送コンベア上に乗せた状態で、水流絡合ウェブを構成する繊維層Aの繊維配向と搬送方向が平行をなすようにして、搬送速度25.0m/minで搬送した。そして、水流絡合ウェブを当該搬送コンベアとのクリアランスを0mmに調整した金属ローラ(ローラの回転方向:水流絡合ウェブを搬送方向下流側へ搬送可能となる回転方向)と接触させることで、水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させ摩擦帯電した。このとき、水流絡合ウェブと接する搬送コンベアと金属ローラ間に速度差(搬送コンベアによる水流絡合ウェブの搬送速度:25.0m/min、金属ローラ表面における移動速度:24.5m/min)を設けることで、摩擦帯電繊維同士の摩擦をより促進した。
次いで、金属ローラに接触した後の水流絡合ウェブを、水流絡合ウェブの搬送方向における下流側に向けて搬送速度25.5m/minで搬送した。このようにして、水流絡合ウェブに対し厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させることで、水流絡合ウェブの構成繊維同士を擦り合せ、更に摩擦帯電した。
このようにして、摩擦帯電不織布を調製した。
(実施例2)
使用するウェブの目付を増量したこと以外は、参考例と同様にして水流絡合ウェブを調製した。このようにして調製した水流絡合ウェブを使用したこと以外は実施例1と同様にして、摩擦帯電不織布を調製した。
上述のようにして製造した、参考例の水流絡合ウェブと各摩擦帯電不織布の諸物性を表1に示す。なお、以降の表中では非親水性油剤であるアルキルリン酸エステルが付与されている繊維にはNH印を記載し、親水性油剤が付与されている繊維にはH印を記載した。また、水流絡合ウェブあるいは摩擦帯電不織布を構成している繊維が含む油剤質量の百分率を「油剤の百分率(質量%)」欄に記載した。
また、通気抵抗(単位:Pa)と捕集効率(単位:%)は、参考例の水流絡合ウェブと各摩擦帯電不織布を以下の測定方法へ供することで求めた。更に、求められた通気抵抗(単位:Pa)と捕集効率(単位:%)の値から、フィルタ性能を評価可能なQF値を算出した。
(通気抵抗と捕集効率の測定方法)
参考例の水流絡合ウェブと各摩擦帯電不織布の各々から、試験片を採取した。そして、採取した試験片を柴田科学株式会社製の測定装置「AP−9000」に装着して、捕集効率および通気抵抗を測定した。なお、測定に際し、試験片におけるウェブの一方の主面側(A)由来の主面側が、測定装置の上流側に面するようにして試験片を装着した。
まず、試験片の有効ろ過面積124cmあたり毎分40リットルとなるよう試験流量を調整(例えば、有効ろ過面積が12.4cmの試験片へ供給する試験流量は毎分4リットル)し、試験片における上流と下流との差圧を測定し、測定された差圧から試験片の通気抵抗(単位:Pa)を求めた。
次いで、試験片の有効ろ過面積124cmあたり毎分30リットルとなるよう試験流量を調整(例えば、有効ろ過面積が12.4cmの試験片へ供給する試験流量は毎分3リットル)すると共に、塩化ナトリウム粒子(粒径分布の中央値:0.06〜0.10μm、幾何標準偏差:1.8以下)が、濃度50mg/m以下(濃度変動:±15%以下)含有されている試験気流を、試験片の上流側へ供給した。そして、試験気流を1分間供給した後の、試験片における上流側と下流側に存在する当該塩化ナトリウム粒子の濃度を、光散乱式粉じん濃度計を用いて測定し、測定された両濃度から試験片に捕集されている塩化ナトリウム粒子の濃度を算出した。そして、試験片の上流側へ供給された塩化ナトリウム粒子の濃度に占める、試験片に捕集されている塩化ナトリウム粒子の濃度の百分率を算出し、その値を試験片の捕集効率(単位:%)とした。
なお、通気抵抗は低いほど、マスク用フィルタであれば呼吸が楽になり、エアフィルタであればエネルギーや設備負荷を小さくできるなど、フィルタ性能に富むことを意味する。そのため、通気抵抗は50Pa以下が好ましく、40Pa以下が好ましく、30Pa以下が好ましく、20Pa以下が好ましく、10Pa以下が好ましく、5Pa以下であるのが最も好ましい。下限値も適宜調整できるものであるが、0.5Pa以上が現実的である。
また、捕集効率は、高いほど大気塵や花粉などのろ過性能に優れることを意味する。そのため、捕集効率は50%以上が好ましく、60%以上が好ましく、70%以上が好ましく、80%以上が好ましく、90%以上が好ましく、95以上であるのが最も好ましい。
(QF値の算出方法)
上述のようにして算出された通気抵抗(単位:Pa)と捕集効率(単位:%)の値を次式へ代入することで、QF値(単位なし)を算出した。なお、QF値が高いほど、通気抵抗値の低さと捕集効率の高さのバランスに優れ、フィルタ性能に優れることを意味する。QF値=−Ln(1−A/100)/B
Ln:自然対数
A:捕集効率(単位:%)
B:通気抵抗(単位:Pa)
Figure 0006955645
参考例の水流絡合ウェブと比較例1で調製した摩擦帯電不織布の厚さを比較した結果から、摩擦帯電繊維同士を擦り合せるため摩擦帯電繊維が混在したウェブへニードルパンチ処理を行うと、当該ウェブの厚さが倍増することが判明した。更に、参考例の水流絡合ウェブと比較例1で調製した摩擦帯電不織布の最大点強度を比較した結果から、ニードルパンチ処理を行うと強度が大きく低下することが判明した。
なお、このような強度が弱い摩擦帯電不織布(例えば、最大点強度が43.0N/50mm以下の摩擦帯電不織布)では、例えば、張力を作用させた状態で打ち抜く、プリーツなど立体形状を有するように加工するなどエアフィルタやマスクへ加工する際に破断や亀裂が発生して、調製したエアフィルタやマスクの濾過性能を低下させる原因となる恐れがある。
そして、比較例1と比較例2で調製した摩擦帯電不織布を比較した結果から、薄手の摩擦帯電不織布(例えば、厚さが1.2mm以下の摩擦帯電不織布)を調製するためには、摩擦帯電繊維が混在したウェブの目付を軽くする必要があることが判明した。しかし、比較例1と比較例2で調製した摩擦帯電不織布の最大点強度を比較した結果から、摩擦帯電繊維が混在した目付が軽いウェブへニードルパンチ処理を行うことで調製された摩擦帯電不織布は、強度が大きく低下することが判明した。
以上から、構成樹脂の異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布において、従来技術を用いる限り、薄手(具体的には、厚さが1.2mm以下)であると共に強度に優れる(具体的には、最大点強度が43.0N/50mmよりも高い)摩擦帯電不織布を調製できないものであった。
上述の知見に対し、実施例1〜2で調製した摩擦帯電不織布は、厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高いという物性を有する摩擦帯電不織布であった。この理由として、本願発明にかかる摩擦帯電不織布の製造方法では、ウェブへニードルパンチ処理を施すことなく、水流絡合ウェブの構成繊維同士を擦り合せて摩擦帯電できるため、薄手であると共に強度に優れる摩擦帯電不織布を実現できたものである。
(実施例3)
表2中に記載した構成を有するアクリル系繊維を採用したこと以外は、参考例と同様にして、水流絡合ウェブを調製した。このようにして調製した水流絡合ウェブを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、摩擦帯電不織布を調製した。
(実施例4)
表2中に記載した構成を有するポリプロピレン繊維を採用したこと以外は、参考例と同様にして、水流絡合ウェブを調製した。このようにして調製した水流絡合ウェブを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、摩擦帯電不織布を調製した。
上述のようにして製造した、各摩擦帯電不織布の諸物性を表2に示す。なお、表2では理解し易いよう、実施例1の結果も併せて記載した。
Figure 0006955645

実施例3〜4で調製した摩擦帯電不織布は、いずれも厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高いという物性を有する摩擦帯電不織布であった。このことから、本発明によって、繊度や繊維長が異なる様々な摩擦帯電繊維を採用した場合であっても、「厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高い」という物性を有する摩擦帯電不織布を実現できるものであった。
(実施例5)
表3中に記載した構成を有するポリプロピレン繊維とアクリル系繊維を採用したこと以外は、参考例と同様にして水流絡合ウェブを調製した。
そして水流絡合ウェブを、水流絡合ウェブを構成する繊維層Aの繊維配向と搬送方向が平行をなすようにして、表面が金属素材からなるカレンダーロール(回転方向:水流絡合ウェブを搬送方向下流側へ搬送可能となる回転方向、線圧100kg/cmの条件で水流絡合ウェブを加圧)へ供し、厚さ方向に変形させ摩擦帯電した。そして、カレンダーロールを通過した直後から、水流絡合ウェブを搬送方向に張力(1.7N/50mm)を掛けることで、摩擦帯電繊維同士の摩擦をより促進した。
このようにして、水流絡合ウェブに対し厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させることで、水流絡合ウェブの構成繊維同士を擦り合せ、更に摩擦帯電した。このようにして、摩擦帯電不織布を調製した。
(実施例6)
線圧60kg/cmの条件で水流絡合ウェブを加圧したこと以外は、実施例5と同様にして摩擦帯電不織布を調製した。
(実施例7)
表3中に記載した構成を有するポリプロピレン繊維70質量%とアクリル系繊維30質量%とを均一に混ぜ合わせ、カード機へ供することで一方向ウェブを調製した。
一方向ウェブの一方の主面側(A)からもう一方の主面側(B)へ向け水流絡合処理(水圧:3MPa、工程搬送速度:5m/min)を施した。その後、同条件で再度、一方向ウェブのもう一方の主面側(B)から一方の主面側(A)へ向け水流絡合処理(水圧:3MPa、工程搬送速度:5m/min)を施した。そして、水流絡合処理を施した一方向ウェブをオーブンドライヤー(加熱温度:80℃)へ供することで、一方向ウェブ中に含まれている水を除去した。
このようにして水流絡合ウェブを調製した。なお、調製した水流絡合ウェブは、一方向へ繊維が配向している繊維層Aのみからなるウェブであった。
このようにして調製した水流絡合ウェブを使用したこと以外は、実施例5と同様にして摩擦帯電不織布を調製した。
(実施例8)
表3中に記載した構成を有するポリプロピレン繊維とアクリル系繊維を採用したこと以外は、参考例と同様にして、水流絡合ウェブを調製した。このようにして調製した水流絡合ウェブを使用したこと以外は、実施例5と同様にして、摩擦帯電不織布を調製した。
上述のようにして製造した、各摩擦帯電不織布の諸物性を表3に示す。
Figure 0006955645

実施例5〜8で調製した摩擦帯電不織布は、いずれも厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高いという物性を有する摩擦帯電不織布であった。
更に、実施例5〜8を比較した結果から、以下のことが判明した。
・実施例5と実施例6を比較した結果から、見掛け密度が0.15g/cm未満(より好ましくは0.12g/cm以下)であることによって、通気抵抗が低い摩擦帯電不織布を提供できることが判明した。
・実施例5と実施例7を比較した結果から、一方向へ繊維が配向している繊維層Aと、上記一方向と異なる方向へ繊維が配向している繊維層Bとが積層してなる構造を有することによって、捕集効率に富む摩擦帯電不織布を提供できることが判明した。
・実施例5と実施例8を比較した結果から、摩擦帯電不織布を構成している摩擦帯電繊維が非親水性油剤を含んでいることによって、捕集効率に富む摩擦帯電不織布を提供できることが判明した。
なお、以上のようにして調製した実施例7以外の各摩擦帯電不織布は、一方向へ繊維が配向している繊維層Aと、上記一方向と異なる方向へ繊維が配向している繊維層Bとが積層してなる構造を有していた。また、ニードルパンチ処理を施すことなく製造されるため、各実施例で調製した摩擦帯電不織布は、ニードルパンチ処理による貫通孔などのニードル処理由来の穴を有していないものであった。
以上から、本発明にかかる摩擦帯電不織布およびその製造方法によって、厚さや形状などが様々であるエアフィルタやマスクのニーズに応えることができる。
本発明にかかる摩擦帯電不織布を用いることで、例えば、食品や医療品の生産工場用途、精密機器の製造工場用途、農作物の室内栽培施設用途、一般家庭用途あるいはオフィスビルなどの産業施設用途、空気清浄機用途やOA機器用途などの電化製品用途、自動車や航空機などの各種車両用途のエアフィルタを調製できる。更に、本発明にかかる摩擦帯電不織布を用いることで、マスクを調製できる。
また、本発明にかかる摩擦帯電不織布の製造方法によって、上述した摩擦帯電不織布を製造できる。

Claims (2)

  1. 構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布であって、
    厚さが1.2mm以下であり、最大点強度が43.0N/50mmよりも高い、
    摩擦帯電不織布。
  2. 構成樹脂が異なる2種類以上の繊維が混在した摩擦帯電不織布の製造方法であって、
    (1)構成樹脂の異なる2種類以上の繊維が混在したウェブを用意する工程、
    (2)前記ウェブへ水流絡合処理を施して、水流絡合ウェブを調製する工程、
    (3)前記水流絡合ウェブを厚さ方向に変形させると共に、前記厚さ方向に変形させた後の水流絡合ウェブに対し前記厚さ方向と垂直を成す方向へ張力を作用させることで、前記水流絡合ウェブの構成繊維同士を擦り合せる工程、
    を有する、摩擦帯電不織布の製造方法。
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