以下、添付図面に従って本発明に係る内視鏡の好ましい実施形態について詳説する。
図1は、本発明の実施形態に係る内視鏡10を備えた内視鏡システム12の構成図である。内視鏡システム12は、内視鏡10、プロセッサ装置14、光源装置16及びディスプレイ18を備える。なお、図1には、内視鏡システム12にて使用される処置具56も図示されている。
内視鏡10は、操作部材である起立操作レバー20を備えた操作部22と、操作部22の先端側に設けられた挿入部24と、を備える。
また、挿入部24の先端部26の構成を示した図2及び図3の斜視図の如く、挿入部24の先端部26には、先端部材28が設けられ、先端部材28には後述する起立台30が取り付けられる。図2は、起立台30が倒伏位置に位置された先端部材28の斜視図であり、図3は、起立台30が起立位置に位置された先端部材28の斜視図である。
なお、以下の説明において、上方向とは図1及び図2のZ(+)方向を指し、下方向とは図1及び図2のZ(−)方向を指す。また、右方向とは図2のX(+)方向を指し、左方向とは図2のX(−)方向を指す。さらに、図1及び図2のY(+)方向は、先端部材28の先端側方向を指し、図1及び図2のY(−)方向は、先端部材28の基端側方向を指す。
図1に戻り、操作部22は、起立操作レバー20が設けられた操作部本体32と、操作部本体32に連接された把持部34と、把持部34から先端側に向かって延出された延設部36とを有し、延設部36の先端側に挿入部24の基端部が折れ止め管38を介して設けられている。なお、把持部34は、内視鏡10の操作時に術者が把持する部分である。
延設部36とは、後述する可動部材96(図6参照)及び起立操作機構120(図9及び図10)の構成要素の一部を設けるために、把持部34の先端部から先端側に向けて延設された非把持領域の部分である。具体的には、把持部34に設けられた処置具導入口42の凸状のマウント部44の先端部44Aから折れ止め管38の基端部38Aまでの領域Aが、延設部36に相当する。なお、延設部36の領域に延管状のフランジ40が設けられている。
操作部22の操作部本体32には、ユニバーサルコード46が備えられる。ユニバーサルコード46の先端側には、光源コネクタ50が設けられ、この光源コネクタ50には電気コネクタ48が分岐して設けられており、電気コネクタ48がプロセッサ装置14に、光源コネクタ50が光源装置16に接続される。
挿入部24は、先端側から基端側に向かって先端部26、湾曲部52及び軟性部54が連結されて構成される。
挿入部24の内部には、以下の内容物が設けられる。すなわち、図1の処置具56の先端部56Aを、図2の先端部材28に導く処置具チャンネル58と、先端部材28から導出される処置具56の先端部56Aの導出方向を変更する操作を行うための起立操作ワイヤ60(以下、ワイヤ60と称する。)と、ワイヤ60の先端部を先端部材28に導く起立操作ワイヤチャンネル62(以下、ワイヤチャンネル62と称する。)と、図1の光源装置16から供給される照明光を、図2の先端部材28に導くライトガイド(不図示)と、送気送水チューブ(不図示)と、アングルワイヤ(不図示)と、信号ケーブル(不図示)等の内容物が設けられている。
図1に戻り、操作部22は、全体として略円筒状に構成されており、Y(+)−Y(−)方向に沿った円筒軸Bを有している。操作部22の円筒軸Bを含む上下方向の断面を境として一方側の側面22Aには、湾曲部52を湾曲操作する一対のアングルノブ64、64が配置される。一対のアングルノブ64、64は、同軸上で回動自在に設けられる。
湾曲部52は、複数のアングルリング(不図示)が相互に回動可能に連結されてなる構造体を有する。湾曲部52は、この構造体の外周に金属線で編んだ筒状の網体を被覆し、この網体の外周面にゴム製の筒状の外皮を被覆することによって構成される。このように構成された湾曲部52からアングルノブ64、64にかけて、例えば4本のアングルワイヤ(不図示)が配設されており、アングルノブ64、64の回動操作によって、これらのアングルワイヤを押し引き操作することにより湾曲部52が上下左右に湾曲される。
また、操作部22の操作部本体32には、送気送水ボタン66と吸引ボタン68とが並設されている。送気送水ボタン66を操作することによって、図2の先端部材28に設けられた送気送水ノズル70からエアと水を噴出することができる。また、図1の吸引ボタン68を操作することによって、図2の先端部材28に設けられた処置具導出口72を兼ねる吸引口から血液等の体液を吸引することができる。
さらに、図1の操作部22の把持部34には、処置具56を導入する処置具導入口42が設けられる。処置具導入口42から先端部56Aを先頭にして導入された処置具56は、挿入部24に挿通された図2の処置具チャンネル58に挿通されて、先端部材28に設けられた処置具導出口72から外部に導出される。
また、図1の操作部22の一方の側面22Aには、アングルノブ64、64と同軸上に起立操作レバー20が回転自在に設けられる。起立操作レバー20は、把持部34を把持する術者の手によって回転操作される。起立操作レバー20が回転操作されると、起立操作レバー20の回転操作に連動して動作する起立操作機構120(図9及び図10参照)によって、図2のワイヤ60が押し引きされて、ワイヤ60の先端側に連結された起立台30の姿勢が、図3の起立位置と図2の倒伏位置との間で変更される。上述の起立操作機構120については後述する。
なお、図1に示した軟性部54は、弾性を有する薄い金属製の帯状板を螺旋状に巻回してなる螺旋管(不図示)を有する。軟性部54は、この螺旋管の外側に、金属線で編んだ筒状の網体を被覆し、この網体の外周面に樹脂からなる筒状の外皮を被覆することによって構成される。
上記の如く構成された実施形態の内視鏡10は、十二指腸鏡として用いられる側視内視鏡であり、挿入部24が口腔を介して被検体内に挿入される。挿入部24は、食道から胃を経て十二指腸まで挿入されて、所定の検査又は治療等の処置が行われる。
実施形態では、処置具56として、先端部56Aに生体組織を採取可能なカップを有する生検鉗子を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、他の処置具として、造影チューブ又はEST(Endoscopic Sphincterotomy:内視鏡的乳頭切開術)用ナイフ等の処置具が使用される。
次に、挿入部24の先端部26について説明する。
図2の如く、挿入部24の先端部26は、先端部材28と、先端部材28に着脱自在に装着されるキャップ76と、から構成される。キャップ76は、先端側が封止された略筒状に構成され、その外周面の一部には、略矩形状の開口窓76Aが形成されている。キャップ76が先端部材28に装着されると、キャップ76の開口窓76Aが先端部材28の処置具導出口72に連通される。これにより、処置具導出口72から導出された処置具56の先端部56Aが開口窓76Aから外部に導出される。
キャップ76は、弾性力のある材質、例えばフッ素ゴム又はシリコンゴム等のゴム材料、ポリサルフォン、又はポリカーボネイト等の樹脂材料から構成されており、その基端側には、先端部材28に形成された溝(不図示)に係合する係合部(不図示)を有し、この係合部を先端部材28の溝に係合することにより先端部材28に装着される。また、キャップ76は、内視鏡10の処置が終了すると、先端部材28から取り外されて洗浄消毒されるか、もしくはディスポーザブルとして廃棄される。
先端部材28は、耐食性を有する金属材料で構成される。また、先端部材28には、先端側に向けて突設された隔壁78と、隔壁78に対向する隔壁80とが一体に設けられている。隔壁78と隔壁80との間には、起立台30を収容する起立台収容室82が形成される。この起立台収容室82の基端側に、処置具56を外部に導出させる処置具導出口72が形成され、この処置具導出口72に処置具チャンネル58の先端部が接続されている。
処置具チャンネル58は、図1の挿入部24の内部に挿通される。処置具チャンネル58の基端部は、操作部22の内部に設けられた分岐管200(図10参照)の先端管202に接続される。
この分岐管200は、周知な構造であり、基端部が二つの管路204、206に分岐され、一方の管路204の基端に処置具導入口42が形成される。よって、処置具導入口42から管路204を介して処置具チャンネル58に導入された処置具56の先端部56Aは、処置具チャンネル58に挿通されて、図2の処置具導出口72から起立台収容室82に導出される。そして、起立台収容室82に導出された処置具56の先端部56Aは、起立台収容室82に配置された起立台30の起立位置と倒伏位置との間の姿勢に応じて導出方向が変更される。また、図10に示した分岐管200の他方の管路206の基端には、血液等の体液を吸引する吸引管208の先端が接続されている。
図4は、起立台30の拡大斜視図である。図4の如く、起立台30の上面にはガイド面30Aが備えられる。このガイド面30Aに沿って、図1の処置具56の先端部56Aが、図2のキャップ76の開口窓76Aから外部に導出される。
図4の如く、起立台30は、その基部30Bの両側面に回動軸84、86が備えられる。この回動軸84、86の軸方向は、起立台30が先端部材28に取り付けられた場合に、図2のX(+)−X(−)方向に設定される。
図5は、先端部材28に対する起立台30の取り付け構造を示した要部断面図である。図5の如く、回動軸84、86の軸は、起立台30の基部30Bを介して同軸上に配置され、回動軸84が隔壁78の凹状の軸受部78Aに回動自在に嵌合され、回動軸86が隔壁80の凹状の軸受部80Aに回動自在に嵌合されている。また、回動軸84、86は、それぞれ軸受部78A、80Aに対して回動軸84、86の軸方向に所定のガタ量xをもって装着されている。このガタ量xを利用して回動軸84、86を一方側に片寄せしたときに、軸受部78A、80Aのうち一方の軸受部の一部が露出され、その露出部にブラシを容易に挿入することができるので、軸受部78A、80Aの洗浄性が向上されている。
図2及び図3の如く、隔壁78の内部には、光学系収容室88が備えられる。光学系収容室88の上部には、照明窓90と観察窓92とが隣接して配設され、また、観察窓92に向けられた送気送水ノズル70が先端部材28に設けられる。送気送水ノズル70は、挿入部24に挿通された送気送水チューブ(不図示)を介して不図示の送気送水装置に接続され、図1に示した操作部22の送気送水ボタン66を操作することによって、エア又は水が送気送水ノズル70から観察窓92に向けて噴射される。これにより、観察窓92が洗浄される。
また、光学系収容室88の内部には、照明部(不図示)と撮影部(不図示)とが収容される。照明部は、照明窓90の内側に設置された照明レンズ(不図示)と、この照明レンズに先端面が臨むように配置されたライトガイド(不図示)とを備えている。ライトガイドは、内視鏡10の挿入部24から操作部22を介してユニバーサルコード46に配設され、その基端が光源コネクタ50を介して光源装置16に接続される。これにより、光源装置16からの照射光がライトガイドを介して伝達され、照明窓90から外部に照射される。
前述の撮影部は、観察窓92の内側に配設された撮影光学系(不図示)とCMOS(complementary metal oxide semiconductor)型又はCCD(charge coupled device)型の撮像素子(不図示)とを備えている。撮像素子は、図1の挿入部24に挿通された信号ケーブル(不図示)を介してプロセッサ装置14に接続される。この撮影部によって得られた被写体像の撮像信号は、信号ケーブルを介してプロセッサ装置14に出力されて画像処理された後、ディスプレイ18に被写体像として表示される。
先の説明と重複するが、まず、ワイヤ60について説明すると、ワイヤ60は、図2及び図3の如く、ワイヤ60の先端側が導出口74の外部に配置され起立台30に連結される。また、ワイヤ60の基端側は、図6に示すように操作部22に設けられた導入口94の外側に配置され、可動部材96(図10参照)に連結される。導出口74は、本発明の先端開口の一例であり、導入口94は、本発明の基端開口の一例である。
図6は、操作部22の斜視図であり、図1に示した操作部22の一方の側面22Aに対向する他方の側面22Bを図示した斜視図である。
図6によれば、導入口94は、操作部22の延設部36に設けられている。導入口94から外側に配置されたワイヤ60の基端には、取付部材98が設けられており、この取付部材98が、可動部材96の係合穴(後述)に着脱自在に装着されている。
操作部22には、可動部材96が設けられている。可動部材96は、操作部22の外部に露出して配置されており、後述の起立操作機構120により起立操作レバー20の操作に連動して動作する。また、実施形態では、可動部材96は、アングルノブ64、64が設けられている一方の側面22Aと対向する他方の側面22Bに回転自在に配置されているが、操作部22に対する可動部材96の配置位置は限定されるものではなく、操作部22の所定の位置に回転自在に配置されていればよい。また、可動部材96は、起立操作レバー20の回転操作に連動して回転する従動型のレバーである。
起立操作機構120は、操作部22の内部に配置され、起立操作レバー20の操作に連動して可動部材96を動作させる。したがって、起立操作レバー20を操作すると、可動部材96が起立操作機構120を介して動作し、可動部材96に連結されているワイヤ60(図2参照)が押し引きされる。起立操作機構120については後述する。
次に、ワイヤ60の先端を起立台30に係脱自在に係合する係合構造について説明する。
図2及び図3に戻り、ワイヤ60は、先端に係合部材100が設けられる。また、起立台30には、係合部材100と係脱自在に係合される収容溝102であって、X(+)方向側に開口104が形成された収容溝102が設けられる。これにより、ワイヤ60の先端に設けられた係合部材100を、開口104を介して収容溝102に収容させることによって、ワイヤ60の先端が起立台30に連結される。
実施形態では、係合部材100は球体であり、収容溝102は球体の係合部材100を収容する球面状凹部である。なお、係合部材100及び収容溝102の形状は上記の形状に限定されるものではないが、係合部材100を球体とし、収容溝102を球面状凹部とすることにより、ワイヤ60の押し引き操作によって生じる係合部材100と収容溝102との間の摺動抵抗を低減することができる。よって、ワイヤ60の押し引き操作を円滑に行うことができる。
また、先端部材28には、図3の起立位置において収容溝102に連設される係合用誘導部106が備えられる。係合用誘導部106は、導出口74から導出された係合部材100を、収容溝102の開口104に誘導する機能を備えている。導出口74は、先端部材28に設けられており、挿入部24の内部に設けられたワイヤチャンネル62を介して導入口94(図6参照)に連通されている。
このような係合用誘導部106を有する内視鏡10によれば、導入口94からワイヤ60を、係合部材100を先頭に導入していくと、係合部材100はワイヤチャンネル62(図2参照)に挿通されて、導出口74から外部に導出される。そして、係合部材100は、継続するワイヤ60の導入操作によって、係合用誘導部106により起立台30の収容溝102の開口104に向けて誘導されていき、開口104から収容溝102に係合される。これにより、実施形態の内視鏡10によれば、ワイヤ60の導入操作のみで、ワイヤ60の係合部材100を起立台30の収容溝102に係合させることができる。
図7は、係合用誘導部106を介して係合部材100が収容溝102に係合された拡大斜視図である。図8は、係合部材100が係合用誘導部106に誘導されて収容溝102に係合されるまでの動作を継時的に示した説明図である。
図7及び図8の如く、係合用誘導部106は、導出口74から導出された係合部材100を、収容溝102の開口104まで誘導する係合用誘導路108と、係合用誘導路108内で収容溝102の開口104に連設された変形発生部110と、を備える。変形発生部110は、係合用誘導路108内を開口104に向けてY(+)方向に進む係合部材100に接触して、係合部材100をY(+)方向に誘導しつつX(+)方向に誘導する。
これにより、ワイヤ60の先端側は、係合部材100が係合用誘導路108に沿って開口104に近づくのに従って、開口104からしだいに遠ざかる方向(X(+)方向)に弾性変形する。係合用誘導路108内を進む係合部材100は、変形発生部110を通過した場合に、ワイヤ60の復元力によりX(−)方向に移動して、開口104から収容溝102に係合される。
係合用誘導路108は、先端部材28の周面28Aの一部を凹状に切り欠くことにより形成されており、導出口74からY(+)方向に向けてX(+)方向に漸次傾斜した面である。この係合用誘導路108の先端側に変形発生部110が形成されている。
また、係合用誘導部106には、係合部材100が収容溝102に係合された場合に、ワイヤ60の先端側を没入させて逃がす溝112が形成されている。また、起立台30の収容溝102の基端側にも、係合部材100が収容溝102に係合された場合に、ワイヤ60の先端側を没入させて逃がす溝114が形成されている。図8の紙面に直交する方向の溝112の幅寸法は、ワイヤ60の直径よりも大きく、且つ変形発生部110を通過する係合部材100が溝112に没入しないように、係合部材100の直径よりも小さい。また、図8の紙面に直交する方向の溝114の幅寸法は、ワイヤ60の直径よりも大きく、且つ収容溝102に係合された係合部材100がY(−)方向に抜けないように、係合部材100の直径よりも小さい。
係合用誘導部106は、起立台30を起立位置に位置させた状態で係合部材100を収容溝102に係合させる場合に適した形態である。つまり、収容溝102は、図7の如く、起立台30が起立位置に位置した状態で、導出口74に対向した位置に配置されている。よって、導出口74から係合部材100を直進させることにより、起立位置に位置した起立台30の収容溝102に係合部材100を、係合用誘導部106を介して係合させることができる。
次に、起立台30の収容溝102に係合されたワイヤ60の係合部材100を、収容溝102から離脱させるための離脱構造について説明する。
先端部材28には、離脱用誘導面116が備えられており、この離脱用誘導面116は、隔壁80の上面に備えられている(図2参照)。この離脱用誘導面116は、X(+)方向に向けてZ(−)方向に傾斜したガイド面(図2、図3参照)である。また、離脱用誘導面116は、収容溝102に係合部材100が係合されて起立台30が倒伏位置に位置した状態で、ワイヤ60がさらに押し込み操作された場合に、収容溝102内から開口104の外へ係合部材100が離脱する方向にワイヤ60を誘導する面として機能する。
このように構成された離脱構造によれば、可動部材96の係合穴(後述)から、ワイヤ60の基端に設けられた取付部材(後述)を取り外し、その後、延設部36の導入口94からワイヤ60を押し込み操作して、起立台30を図3の起立位置から図2の倒伏位置に位置させる。この後、ワイヤ60をさらに押し込み操作すると、先端部材28の離脱用誘導面116によって、収容溝102内から開口104の外へ係合部材100が離脱するX(+)方向にワイヤ60が誘導される。これにより、ワイヤ60の復元力によって係合部材100が、収容溝102内から開口104の外へ容易に離脱する。
次に、図9及び図10に示した起立操作機構120について説明する。
図9は、起立操作機構120の全体構成を示した構成図である。また、図10は、図9の起立操作機構120の側面図である。なお、図9及び図10では、操作部22の外装ケース(不図示)を省略し、操作部22の内部を示している。
図9及び図10に示すように、起立操作機構120は、操作部22の内部に設けられる。
また、起立操作機構120は、起立操作レバー20と可動部材96とを連結し、起立操作レバー20の回転動作を可動部材96に伝達する動力伝達機構である。
起立操作機構120は、起立操作レバー20の回転運動を直線運動に変換する第1変換機構124と、第1変換機構124によって直線状に運動されるワイヤ126と、ワイヤ126の直線運動を回転運動に変換して可動部材96を回転させる第2変換機構128と、を備える。ワイヤ126は、本発明の駆動部材の一例である。
第1変換機構124は、起立操作レバー20に基端が連結されたクランク部材130と、クランク部材130の先端に基端が連結された第1スライダ132と、第1スライダ132の先端に基端が連結された第2スライダ134と、を備えている。
ワイヤ126は、ワイヤ126の基端が第2スライダ134の先端に接続され、ワイヤ126の先端が減速機構を含む第2変換機構128に接続されている。
上記の如く構成された第1変換機構124によれば、起立操作レバー20が回転操作されると、それに連動してクランク部材130、第1スライダ132及び第2スライダ134が円筒軸Bに沿って直線運動する。これにより、ワイヤ126が円筒軸Bに沿って直線運動し、その直線運動が第2変換機構128に伝達される。
第2変換機構128は、レバー136と、第1ギア138と、第2ギア140と、第3ギア142と、第4ギア144と、を備える。第1ギア138と、第2ギア140と、第3ギア142と、第4ギア144とによって減速機構が構成されている。
レバー136は、ブラケット146に軸148を介して回転自在に支持され、ワイヤ126の先端が連結されている。よって、レバー136は、ワイヤ126の直線運動によって軸148を中心に回転される。
第1ギア138は、レバー136と一体に設けられ、軸148を中心に回転される。第2ギア140は、第1ギア138と噛合され、軸150を介してブラケット146に回転自在に支持されている。第3ギア142は、第2ギア140と一体に設けられ、且つ第2ギア140と同軸上に設けられている。第4ギア144は、可動部材96の駆動軸152と同軸上に設けられ、可動部材96とともに駆動軸152を介してブラケット146に回転自在に支持されている。この第4ギア144には、第3ギア142が噛合されている。
したがって、上記の如く構成された第2変換機構128によれば、ワイヤ126の直線運動がレバー136に伝達されると、レバー136とともに第1ギア138が回転操作され、第1ギア138の回転動作が第2ギア140及び第3ギア142を介して第4ギア144に伝達されて、第4ギア144が回転される。これにより、第4ギア144と一体の可動部材96が駆動軸152を中心に回転される。
よって、上記の如く構成された起立操作機構120によれば、起立操作レバー20の回転操作を第1変換機構124と、ワイヤ126と、第2変換機構128と介して可動部材96に伝達することができる。これによって、可動部材96が駆動軸152を中心に回転される。
また、起立操作機構120によれば、減速機構を含む第2変換機構128によって、起立操作レバー20の回転動作を減速して可動部材96に伝達している。つまり、起立操作レバー20の操作によって動作するレバー136の回転角に対して可動部材96の脚部162、164の回転角が小さくなる。これにより、起立操作レバー20を操作するのに必要な力をより小さくすることができ、起立操作レバー20による起立台30の起立倒伏姿勢制御が容易になる。
また、実施形態では、図9及び図10の如く、起立操作機構120の駆動部材の一例としてワイヤ126を例示している。駆動部材としてワイヤ126を使用することにより、以下の利点がある。すなわち、第2スライダ134の直線運動をレバー136の回転運動に変換する際に、ワイヤ126は、曲線的な動き(弛み)ができるので、リンク機構を設置しないで済み、スペースの制約が減る。また、第2スライダ134とレバー136とをリンク機構で連結した場合、起立操作機構120において力の逃げ場が少なくなるが、ワイヤ126を使用することにより、ワイヤ126が弛むことによって、力を逃がすことができるので、起立操作機構120にかかる負荷を低減することができる。そのため、操作部22の外部に露出している可動部材96に外部から何らかの力が加わった場合でも、ワイヤ126が緩むことによって、力を逃がすことができるので、起立操作機構120にかかる負荷を低減することができる。
ここで、可動部材96の形状について説明する。可動部材96は、後述の図15及び図16に示すように、平板状の梁部160と、梁部160の両端に設けられた脚部162、164とを備え、全体としてU字形状に構成されている。そして、図9及び図10の如く、脚部162側に設けられた駆動軸152がOリング166を介して操作部22の外装ケース(不図示)に回動自在に支持され、脚部164側に設けられた従動軸168がOリング(不図示)を介して外装ケース(不図示)に回動自在に支持されている。これらのOリング166によって操作部22は水密性が保持されている。
また、可動部材96の駆動軸152及び従動軸168の回転軸は、ワイヤ60の軸線方向に垂直な方向(X(+)−X(−)方向)に設定されている。つまり、可動部材96は、ワイヤ60の軸線方向に垂直な方向を回転軸として回転自在に設けられているので、ワイヤ60を円滑に押し引きすることができる。
次に、図11から図15を参照して、ワイヤ60の基端と可動部材96とを連結する第1実施形態の連結構造170について説明する。
図11は、操作部22の他方の側面22Bから連結構造170を見た斜視図である。また、図12は、図11に示した連結構造170を左側から見た斜視図である。
また、図13は、ワイヤ60とワイヤ60の基端に設けられた取付部材98と備えたワイヤ組立体172の斜視図であり、図14は、取付部材98の正面図であり、図15は、導入口94と可動部材96とを示した延設部36の斜視図である。
上記の図11から図15は、連結構造170を説明するための説明図であり、そのうちの図11及び図12には、ワイヤ60の基端と可動部材96とが連結構造170によって連結された図が示され、図13から図15には、連結構造170を構成する取付部材98と可動部材96とが示されている。図13に示されるように、ワイヤ60は、先端側に設けられた係合部材100と、係合部材100に先端部が固定された導電性のワイヤ60Aと、基端側に設けられた基端係止部60Eと、基端係止部60Eに基端部が固定された絶縁性のワイヤ60Cと、を備える。ワイヤ60は、導電性のワイヤ60Aの基端部と絶縁性のワイヤ60Cの先端部とを連結する連結部材60Bを備えている。
図13の如く、連結部材60Bは、略筒型の形状を有している。連結部材60Bには、導電性のワイヤ60Aを挿入するための開口及び収容する空間が画定されている。同様に、連結部材60Bには、絶縁性のワイヤ60Cを挿入するための開口及び収容する空間が画定されている。実施形態では、連結部材60Bの内部に、導電性のワイヤ60Aの空間と、絶縁性のワイヤ60Cの空間とを仕切る隔壁60Gを備える。隔壁60Gは、導電性のワイヤ60A、及び絶縁性のワイヤ60Cを連結部材60Bに挿入した際の、位置決め部材として機能する。
連結部材60Bはステンレス等の金属製の部材で構成される。導電性のワイヤ60Aと連結部材60Bとは、例えば、ろう接部を形成することにより固定することができる。また、導電性のワイヤ60Aと連結部材60Bとは、連結部材60Bを加圧変形させてカシメ部を形成することにより固定することができる。ろう接、又はカシメによる導電性のワイヤ60Aと連結部材60Bとの固定を示したが、特に、これらに限定されない。
絶縁性のワイヤ60Cと連結部材60Bとは、例えば、連結部材60Bを加圧変形させてカシメ部を形成することにより固定することができる。
絶縁性のワイヤ60Cの基端において、絶縁性のワイヤ60Cと金属製の基端留金60Fとが、基端留金60Fを加圧変形させてカシメ部を形成することにより固定することができる。
基端係止部60Eは、真鍮等の金属製の部材で構成され、略筒型の形状を有している。基端係止部60Eには、少なくとも、絶縁性のワイヤ60Cを挿入するための開口及び収容する空間が画定されている。基端係止部60Eの内部には縮径部60Hが形成されている。縮径部60Hは、絶縁性のワイヤ60Cを基端係止部60Eに挿入した際の、位置決め部材として機能する。
基端係止部60Eと基端留金60Fとは、例えば、ろう付け、又は半田付け等によるろう接部を形成することにより固定することができる。また、基端係止部60Eと基端留金60Fとは、基端係止部60Eを加圧変形させてカシメ部を形成することにより固定することができる。基端係止部60Eと絶縁性のワイヤ60Cとは、基端留金60Fを介して固定される。但し、基端係止部60Eと絶縁性のワイヤ60Cとが固定できれば、基端留金60Fを用いなくてもよい。ワイヤ60は基端係止部60Eにより取付部材98に固定される(図19参照)。
カシメとは、工具等により締め付けて部材を変形させて固定する方法である。また、ろう接とは、ろう付け、又は半田付けによる固定を意味する。
絶縁性のワイヤ60Cは、連結部材60B及び基端係止部60Eにより固定されている部分以外は、露出されている。図13の如く、絶縁性のワイヤ60Cの露出する外周が、絶縁性のワイヤ60Cに並置された絶縁性の管形状部材60Dにより被覆されている。管形状部材60Dは、絶縁性のワイヤ60Cの露出する部分の全てを覆う必要はない。並置とは、単に並べて配置されていることを意味する。なお、ワイヤ60の作用については後述する。
図15に示すように、可動部材96には、取付部材98がワンタッチで着脱自在に係合される係合穴174が備えられる。係合穴174は、可動部材96の梁部160の長手方向に沿って形成されており、梁部160の表裏面を貫通した貫通穴によって構成される。この係合穴174に取付部材98の一対の係合部176、176(図14参照)がワンタッチで着脱自在に係合される。すなわち、取付部材98は、可動部材96にワンタッチで着脱自在に係合する。これにより、第1実施形態の連結構造170によれば、ワイヤ60の基端と可動部材96とが操作部22の外部で連結される。なお、係合穴174は、梁部160の表裏面を貫通していない凹状の非貫通穴でもよい。
なお、本明細書において、「ワンタッチで着脱自在に係合」とは、他の固定具(例えば、ネジ、ボルト、又はナット等)を用いることなく、取付部材98を可動部材96に取り付けるための動作と、取付部材98を可動部材96から離脱するための動作とを、それぞれ可動部材96に対する取付部材98の相対的な動作のみで行えることを意味する。後述する他の実施形態についても同様である。
図14に示す取付部材98は、略三角形状の板状体であり、中央部の芯部178にワイヤ60の基端が連結される穴部180が形成される。取付部材98の係合部176、176は、芯部178の両側にスリット状の切欠き182を介して設けられ、且つ係合穴174に弾性変形して係合する一対の弾性変形部184が設けられている。弾性変形部184には、係合穴174の長手方向の両側の縁部175、175(図15及び図16参照)に係止する一対の爪部186が形成される。この一対の爪部186は、係合穴174と係合部176とを係合または係合解除する際に、一対の弾性変形部184の弾性変形により互いに近づける方向に変位される。
次に、第1実施形態の連結構造170による、ワイヤ60の基端と可動部材96との連結手順について図16から図18を参照して説明する。
ワイヤ60の基端と可動部材96とを連結する前に、まず、ワイヤ60の先端を起立台30に連結する。
図16には、導入口94からワイヤ60を、係合部材100(図13参照)を先頭にして挿入している図が示されており、このワイヤ60の挿入操作によってワイヤ60の先端を起立台30に連結する。
すなわち、起立台30を起立位置に位置させた状態(図3参照)で、図16の如く、導入口94からワイヤ60を、係合部材100を先頭に導入していくと、係合部材100はワイヤチャンネル62(図2参照)を介して導出口74から外部に導出される。そして、係合部材100は、継続するワイヤ60の導入操作によって、図3の係合用誘導部106により起立台30の収容溝102の開口104に向けて誘導されていき、開口104から収容溝102に係合される。これにより、ワイヤ60の先端が起立台30に連結される。
図17は、ワイヤ60の先端が起立台30に連結された状態における取付部材98の状態が示されている。この状態において、係合穴174の両側の縁に、爪部186の下部のテーパ部187を当接して押し込む。この動作によって、爪部186、186の間が狭くなり、爪部186、186が係合穴174の両側の縁部175、175に係止し、図18に示す連結図の如く、可動部材96に取付部材98を連結する。
これにより、第1実施形態の連結構造170によれば、取付部材98を可動部材96に取り付けるための動作を、可動部材96に対する取付部材98の相対的な動作のみで行うことができる。すなわち、第1実施形態の連結構造170によれば、取付部材98を可動部材96にワンタッチで係合することができる。
なお、取付部材98を可動部材96に装着するに当たり、取付部材98の一対の係合部176、176を手指で摘まんで爪部186、186の間を、係合穴174の長手方向の寸法より小さくなるように狭めることもできる。すなわち、一対の弾性変形部184を弾性変形により互いに近づける方向に変位させる。そして、爪部186、186を係合穴174に挿入した後、手指の力を緩めて爪部186、186の間を広げることで、爪部186、186を係合穴174の両側の縁部175、175に係止させる。これにより、取付部材98が可動部材96にワンタッチで係合する。
また、実施形態では、可動部材96に係合穴174を形成し、取付部材98に係合部176を形成したが、可動部材96に係合部176を形成し、取付部材98に係合穴174を形成してもよい。すなわち、可動部材96と取付部材98とのいずれか一方には係合穴174が設けられ、他方には係合穴174にワンタッチで着脱自在に係合する係合部176が設けられていればよい。さらに、爪部186は、可動部材96の梁部160の長手方向側でなく、短手方向側に設けてもよい。さらにまた、係合穴174は、梁部160の長手方向に互いに離間して形成された二つの係合穴であってもよい。
ところで、内視鏡10は、各種の検査又は処置に使用される。その後において、内視鏡10を洗浄する場合には、以下の作業を実施する。
まず、図2に示したキャップ76を先端部材28から取り外す。次に、可動部材96の係合穴174(図15参照)から、取付部材98の係合部176、176を取り外し、可動部材96からワイヤ60を取り外す。次に、延設部36の導入口94からワイヤ60を押し込み操作して、起立台30を図3の起立位置から図2の倒伏位置に位置させる。この後、ワイヤ60をさらに押し込み操作すると、係合部材100が、収容溝102内から開口104の外へ離脱する。この作業により、ワイヤ60の先端が起立台30から取り外される。次に、ワイヤ60を導入口94から引き出してワイヤチャンネル62を空にする。その後、先端部材28、起立台30、及びワイヤ60のワイヤチャンネル62の洗浄を実施する。
ワイヤ60の先端を起立台30から取り外す作業において、第1実施形態の連結構造170は、操作部22の外部で可動部材96に取付部材98が連結されているので、可動部材96から取付部材98を容易に取り外すことができる。具体的には、取付部材98の一対の係合部176、176を手指で摘まんで爪部186、186の間を、係合穴174の長手方向の寸法より小さくなるように狭める。この後、係合穴174から爪部186、186を引き抜く。
これにより、第1実施形態の連結構造170によれば、取付部材98を可動部材96から離脱するための動作を、可動部材96に対する取付部材98の相対的な動作のみで行うことができる。すなわち、第1実施形態の連結構造170によれば、可動部材96から取付部材98がワンタッチで離脱する。
以上説明したように、連結構造170によれば、ワイヤ60の先端を起立台30に連結させた後、操作部22の外部において、可動部材96の係合穴174に、取付部材98の係合部176、176を係合させるだけで、ワイヤ60の基端と可動部材96とを連結することができる。また、内視鏡10の洗浄時において、可動部材96からワイヤ60の基端を取り外す場合には、操作部22の外部において、可動部材96の係合穴174から取付部材98を取り外すだけで、可動部材96からワイヤ60の基端を取り外すことができる。
よって、連結構造170によれば、接続具に対するワイヤの基端の着脱作業を操作部の内部で行う特許文献1の内視鏡、及びケーブルコードの先端をコレット及びナットに着脱自在に装着した特許文献2の内視鏡と比較して、可動部材96に対するワイヤ60の基端の着脱操作を容易に行うことができる。
なお、前述の実施形態では、ワイヤ60を導入口94から引き出すとしたが、先端部材28の導出口74からワイヤ60を引き出してもよい。この場合、ワイヤ60の引き出しに先立って、ワイヤ60の基端から取付部材を取り外せば、導出口74からワイヤ60を引き出すことができる。
次に起立操作レバー20、可動部材96、取付部材98、ワイヤ60、及び起立台の動作について説明する。
図1の起立操作レバー20を操作すると、図12に示す可動部材96の動作説明図の如く、可動部材96が矢印C又は矢印D方向に動作する。そして、可動部材96の動作に連動して、ワイヤ60が取付部材98を介して可動部材96に押し引き操作される。これにより、起立台30(不図示)が起立位置と倒伏位置との間で回動される。
可動部材96が矢印C方向に動作すると、可動部材96に装着された取付部材98も矢印C方向に動作する。この動作に伴い、ワイヤ60が先端側に押し込まれ、起立台30が倒伏位置に回動する。これを押込み操作と称する。
可動部材96が矢印D方向に動作すると、可動部材96に装着された取付部材98も矢印D方向に動作する。この動作に伴い、ワイヤ60が基端側に引っ張られ、起立台30が起立位置に回動する。これを引張り操作と称する。
最初に引張り操作について説明する。図13の如く、ワイヤ60が構成されているので、引張り操作において、基端係止部60Eを介して絶縁性のワイヤ60Cに基端方向の張力が加えられる。次いで、絶縁性のワイヤ60Cからの張力が、連結部材60B、導電性のワイヤ60A、及び起立台30の順に加えられる。起立台30が起立位置に回動する。
起立台30の起上には、太径の処置具を起上させるために強い力が求められる。よって、絶縁性のワイヤ60Cに比較的大きな張力が加えられる。絶縁性のワイヤ60Cが張力により伸びてしまうと、起立台30の起立角度が低くなる懸念があるので、引張り操作において、張力に対して絶縁性のワイヤ60Cの伸びが小さいことが好ましい。また、引張り操作において、予期しない大きさの張力が加えられた際に、絶縁性のワイヤ60Cが破断することを回避するため、絶縁性のワイヤ60Cの引っ張り強度は高いことが好ましい。
例えば、絶縁性のワイヤ60Cは、100N以上の破断強度を有することが好ましく、かつ、50Nで引っ張った際に5%以下の伸び率であることが好ましい。破断強度は引張試験で測定できる。絶縁性のワイヤ60Cの両端を留金で固定し、両端留金を引張り、破壊した際の強度が破断強度になる。伸び率は、両端留金を50Nで引張り、100×(伸びた長さ)/(元の長さ)で求めることができる。伸びた長さは、(引っ張られた後の長さ)−(元の長さ)で求めることができる。
絶縁性のワイヤ60Cは、線状の部材であって、単線であっても、撚り線であってもよい。絶縁性のワイヤ60Cとして、例えば、液晶ポリエステル繊維(KBセーレン社製、「ゼクシオン」(登録商標))等を使用することができる。
図13の如く、管形状部材60Dは、絶縁性のワイヤ60Cに並置されているが、連結部材60B、及び基端係止部60Eに固定されていない。引張り操作において、張力が管形状部材60Dに加えられない構造としている。引張り操作による伸び、及び破断等が、管形状部材60Dに影響を及ぼさないようにできる。
管形状部材60Dが、連結部材60B、及び基端係止部60Eに固定されていない場合、以下の利点を有する。
仮に、絶縁性のワイヤ60Cを被覆する管形状部材60Dの上から連結部材60B、及び基端係止部60Eで固定した場合、引張り操作において、引張り時の強度部材であるワイヤ60Cと連結部材60Bとの間に管形状部材60Dを介すると滑りの懸念がある。一方で、図13に示す実施形態の構造では、ワイヤ60Cと連結部材60Bとの間に管形状部材60Dを介在させず、直接固定しているので、滑りの懸念を回避することができる。
次に押込み操作について説明する。図13の如く、ワイヤ60が構成されているので、押込み操作において、基端係止部60Eを介して絶縁性のワイヤ60Cに先端方向の圧力が加えられる。しかしながら、絶縁性のワイヤ60Cは撓みやすいため、圧力を連結部材60Bに伝えることが難しくなる。
一方、管形状部材60Dは、絶縁性のワイヤ60Cと比較して撓みにくい特性を備えている。したがって、圧力が、基端係止部60Eを介して管形状部材60Dに加えられる。次いで、管形状部材60Dから圧力が、連結部材60B、導電性のワイヤ60A、及び起立台30の順で加えられる。起立台30が倒伏位置に回動する。
管形状部材60Dが撓んでしまうと、起立台30の回動に必要な圧力を加えることが難しくなる懸念がある。管形状部材60Dには、適度な硬度が必要となる。例えば、管形状部材60Dが、起立操作レバー20の押込み操作により起立台30が最大倒伏位置に到達するまで、管形状部材60Dに加えられる圧力も高い座屈強度を有することが好ましい。管形状部材60Dが座屈することを回避できる。
座屈強度の判定は、絶縁性のワイヤ60Cの露出部を管形状部材60Dで被覆し、押込み操作を実行し、起立台30が最大倒伏位置に到達しない場合に「座屈強度なし」と、起立台30が最大倒伏位置に到達した場合に「座屈強度あり」と判定される。
管形状部材60Dを構成する材料として、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)、ポリエチレン(PE:polyethylene)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)等の絶縁性の樹脂を適用することができる。
上述したように、ワイヤ60において、引張り操作では絶縁性のワイヤ60Cが主として利用され、押込み操作では管形状部材60Dが主として利用される。引張り操作、及び押込み操作に適した材料を選択することができる。
また、管形状部材60Dは絶縁性のワイヤ60Cを被覆し、絶縁性のワイヤ60Cが内視鏡10の内部部品により擦り切れたり、解れたりすることを防止できる。
管形状部材60DにPTFEを使用した場合等、管形状部材60Dに潤滑機能を持たせることができる。管形状部材60Dは、ワイヤ60の円滑な移動を促進し、潤滑剤を不要にできる。
図19は、導入口94に弁体95を装着した状態を示す断面図である。実施形態では、ワイヤ60の基端を導入口94の外部に配置したので、弁体95を導入口94に装着することが好ましい。これにより、先端部材28の導出口74からワイヤチャンネル62を介して逆流してきた体腔内液が導入口94から漏出することを防止することができる。
図19に示されるように、ワイヤ60のワイヤ露出領域Lが、導入口94から外部に露出される。ここで、ワイヤ露出領域Lとは、可動部材96が導入口94から最も離間して位置する状態で、導入口94から外部に露出されるワイヤ60の領域を意味する。
ワイヤ60は、ワイヤ露出領域Lにおいて、絶縁性のワイヤ60Cと絶縁性の管形状部材60Dとにより構成される。したがって、高周波処置具を使用した際に、ワイヤ露出領域Lから電流が外部に漏出することを防止できる。
電流が外部に漏出することを確実に防止するためには、絶縁性のワイヤ60C、及び管形状部材60Dの長さは、長い方が好ましい(図13参照)。図1の如く、ワイヤ60は、導入口94から、軟性部54及び湾曲部52を経由して先端部26の起立台30(不図示)に係合される。その際、連結部材60Bを湾曲部52に位置させないことが好ましく、軟性部54の内部に配置することが好ましい。湾曲部52の角度を安定させるためである。連結部材60Bを軟性部54の内部に配置する場合、軟性部54の先端側であることが好ましい。絶縁性のワイヤ60C、及び管形状部材60Dの長さを長くすることができる。具体的には、係合部材100から連結部材60Bの基端までの長さは80mm以上を確保することにより、連結部材60Bを軟性部54に配置させることが可能となる。
ワイヤ60の絶縁性のワイヤ60Cとして、伸びが少なく、先端部に弾性力を有する絶縁材料を利用することが望ましい。しかしながら、このような条件を満たす絶縁材料がほとんどない。そこで、ワイヤ60の先端側に導電性のワイヤ60Aを用い、絶縁性のワイヤ60Cと導電性のワイヤ60Aとを連結部材60Bで連結することにより、ワイヤ60の絶縁性を確保している。弾性を有する導電性のワイヤ60Aを用いることにより、図7及び図8に示す如く、ワイヤ60を弾性変形、及び復元させることで、係合部材100を収容溝102に容易に係合させることができる。
図19に示されるように、実施形態では、操作部22は、導入口94を形成する開口形成部材97を有している。実施形態では開口形成部材97とチューブ61とによりワイヤチャンネル62が形成され、ワイヤ60がワイヤチャンネル62及び開口形成部材97に挿通される。起立操作レバー20(不図示)の操作により可動部材96が回転動作する。可動部材96に取り付けられた取付部材98を介してワイヤ60が押し引き操作される。この操作により、ワイヤ60がワイヤチャンネル62内で移動する。ワイヤ60の管形状部材60Dとワイヤチャンネル62とのクリアランスは、例えば、0.1mm程度が好ましい。クリアランスが狭いとワイヤ60を挿入する際の抵抗が大きくなり、また、クリアランスが広いとワイヤ60の遊びにつながるからである。
なお、図19に示されるように、開口形成部材97の全体を絶縁体で構成することができる。絶縁体を構成する材料としては、m−PPE (modified Poly Phenylene Ether:変性ポリフェニレンエーテル)、及びPC(polycarbonate:ポリカーボネイト)等の樹脂材料を挙げることができる。
図21に示されるように、ワイヤ60が基端係止部60Eにより取付部材98に固定される。例えば、取付部材98を絶縁体で構成することができる。
取付部材98を構成する絶縁体の材料としては、POM(polyoxymethylene:ポリオキシメチレン)等の樹脂材料を挙げることができる。
図20乃至図22は、ワイヤ60の第二態様の形態を示す図であり、基端係止部60E、及び絶縁性のワイヤ60Cの基端側の拡大図である。図20乃至22の如く、絶縁性のワイヤ60Cの基端側において、絶縁性のワイヤ60Cが基端留金60Fに固定される。絶縁性の棒形状部材60Jが絶縁性のワイヤ60Cに並置される。棒形状部材60Jの外周が、絶縁性のワイヤ60Cにより覆われている。棒形状部材60Jには、棒形状部材60Jの長手軸方向に直交する貫通孔60Kが基端側に形成されている。基端留金60Fには、棒形状部材60Jの長手軸方向に直交する貫通孔60Lが、先端側に形成されている。
貫通孔60Kと貫通孔60Lとが位置合わせされた状態で、抜け止めピン60Mが、貫通孔60Kと貫通孔60Lとを貫通するように挿入される。絶縁性のワイヤ60Cと棒形状部材60Jとが、基端係止部60Eに固定される。
絶縁性のワイヤ60Cの先端側において、図示しないが、絶縁性のワイヤ60Cと棒形状部材60Jとが、図20乃至図22と同様の方法で、連結部材60Bに固定される。
図20乃至図22のワイヤ60の動作について説明する。引張り操作において、基端留金60Fの貫通孔60Lと抜け止めピン60Mとの間に隙間が存在するので、張力は絶縁性のワイヤ60Cに加えられ、棒形状部材60Jに加えられない。絶縁性のワイヤ60Cに加えられた張力が最終的に起立台30に加えられ、起立台30が起立位置に回動する。
押込み操作において、基端留金60Fの貫通孔60Lと抜け止めピン60Mとが接すると、圧力が棒形状部材60Jに加わる。棒形状部材60Jに加えられた圧力が最終的に起立台30に加えられ、起立台30が倒伏位置に回動する。
図23乃至図24は、ワイヤ60の第三態様の形態を示す図であり、基端係止部60E、及び絶縁性のワイヤ60Cの基端側の拡大図である。図23至図24の如く、絶縁性のワイヤ60Cの基端側において、絶縁性のワイヤ60Cが基端留金60Fに固定される。絶縁性の棒形状部材60Jが絶縁性のワイヤ60Cに並置される。棒形状部材60Jは、その基端側において基端留金60Fに固定される。絶縁性のワイヤ60Cと棒形状部材60Jとは、離間した状態で配置される。
絶縁性のワイヤ60Cの先端側において、図示しないが、絶縁性のワイヤ60Cと棒形状部材60Jとが、図23乃至図24と同様の方法で、連結部材60Bに固定される。
図23乃至図24のワイヤ60の動作について説明する。引張り操作において、基端留金60Fに絶縁性のワイヤ60Cと棒形状部材60Jとが固定されているので、絶縁性のワイヤ60Cと棒形状部材60Jとに張力が加わる。棒形状部材60Jと絶縁性のワイヤ60Cと同時に伸び始める。棒形状部材60Jが弾性変形を始める前に、絶縁性のワイヤ60Cが最大伸長に達するよう構成されている。張力が大きくなった場合、張力は絶縁性のワイヤ60Cに加わり、棒形状部材60Jに加わらなくなる。絶縁性のワイヤ60Cは、棒形状部材60Jが変形することを回避できる。絶縁性のワイヤ60Cに加えられた張力が最終的に起立台30に加えられ、起立台30が起立位置に回動する。
押込み操作において、圧力が、基端留金60Fを介して棒形状部材60Jに加わる。棒形状部材60Jに加えられた圧力が最終的に起立台30に加えられ、起立台30が倒伏位置に回動する。
図20乃至図24に示すワイヤ60において、引張り操作では絶縁性のワイヤ60Cが主として利用され、押込み操作では棒形状部材60Jが主として利用される。引張り操作、及び押込み操作に適した材料を選択することができる。なお、棒形状部材60Jは、管形状部材60Dより、キンクに対し高い耐性を有する。キンクとは、圧力を加えた際、折れ曲がり元の状態に戻り難いことを意味する。棒形状部材60Jは、PTFE等の樹脂材料で構成されることが好ましい。
図25は、図11から図18に示した連結構造170の変形例を示した斜視図である。
図25に示す変形例の連結構造170Aを説明するに当たり、図11から図18に示した連結構造170と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
可動部材96に形成された係合穴174Aは、円形の貫通穴である。また、取付部材98Aの係合部176Aは、係合穴174Aに嵌挿される筒状部177を有している。また、取付部材98Aの弾性変形部は、筒状部177の先端部に設けられたすり割り部184Aによって構成され、すり割り部184Aの外周面には爪部186Aが形成されている。
上記の如く構成された連結構造170Aによれば、筒状部177のすり割り部184Aを係合穴174Aに嵌挿する際に、すり割り部184Aが弾性変形により縮径する。これにより、すり割り部184Aが係合穴174Aを通過していき、その後、すり割り部184Aが係合穴174Aを通過したときに、すり割り部184Aが元の直径に復帰する。これによって、図26に示す連結構造170Aの断面図の如く、すり割り部184Aの爪部186Aが、可動部材96の梁部160の裏面160Aに係合するので、可動部材96に取付部材98Aがワンタッチで係合する。
この連結構造170Aにおいても、連結構造170と同様に可動部材96に対する取付部材98Aの着脱作業を操作部22の外部にて行うものである。その装着作業は、係合穴174Aに係合部176Aを挿入するだけでよい。この装着作業によって、ワイヤ60の基端を、取付部材98Aを介して可動部材96に容易に連結することができる。
また、可動部材96から取付部材98Aを取り外す場合には、すり割り部184Aを指で摘まみ、すり割り部184Aを縮径させる。この後、すり割り部184Aを係合穴174Aから引き抜く。
これにより、変形例の連結構造170Aにおいても、連結構造170と同様に、取付部材98Aを可動部材96に取り付けるための動作と、取付部材98Aを可動部材96から離脱するための動作とを、それぞれ可動部材96に対する取付部材98Aの相対的な動作のみで行うことができる。すなわち、連結構造170Aによれば、可動部材96に取付部材98Aがワンタッチで着脱自在に係合する。
次に、別の連結構造について説明する。但し、以下の説明では絶縁コート、及び熱収縮チューブを構成する第1絶縁体を省略し説明する。図27から図29を参照して、別の連結構造210について説明する。
図27は、連結構造210の斜視図であり、図28は、連結構造210の組立斜視図であり、図29は、連結構造210の要部断面図である。なお、連結構造210を説明するに当たり、図11から図18に示した連結構造170と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
連結構造210は、可動部材96と取付部材212とから構成される。
図28の如く、可動部材96の梁部160には、係合穴214が設けられ、取付部材212には、係合穴214にワンタッチで着脱自在に係合する係合部216が設けられる。また、取付部材212は、摘まみ部218と、係合部216を構成する軸部220とから構成され、軸部220に形成された穴部222にワイヤ60の基端が連結されている。
ここで、係合穴214の形状について説明する。図30は、係合穴214の平面図であり、係合穴214の形状に係合部216の形状を重畳して示している。
係合穴214は、直径aを有する幅狭部224と、直径aよりも大きい直径bを有する幅広部226とを有する。実施形態では、本発明の第1幅を直径aで説明し、本発明の第2幅を直径bで示している。なお、図30に示すように、幅狭部224の中心と幅広部226の中心とを結ぶ線CLは、曲線である。線CLは、導入口94(不図示)を中心とする略円弧を構成する。幅狭部224と幅広部226との配置は、取付部材212を係合穴214に係合する際の操作を容易にしている。これについては後述する。
また、図28に示した取付部材212の係合部216は、図30の直径a以下の外径cを有する軸部220と、軸部220の先端に設けられた拡径部228とを有する。拡径部228は、直径aよりも大きく且つ直径bより小さい外径dを有している。この拡径部228は、幅狭部224から軸部220が、軸部220の軸方向に離脱することを規制する抜け止め部材として機能する。軸部220を安定して保持するため、直径aと外径cとの差が小さいことが好ましい。
係合操作について説明する。係合穴214の幅広部226が拡径部228より大きいので、取付部材212の係合部216は、容易に係合穴214に挿入できる。次いで、取付部材212は幅広部226から幅狭部224にスライドされる。その際、図27に示すように、取付部材212はワイヤ60に固定されているので、取付部材212は導入口94を中心とする略円弧の軌跡上を移動する。上述したように幅狭部224と幅広部226とは略円弧に配置されているので、取付部材212は幅狭部224と幅広部226との間を円滑にスライドできる。さらに、取付部材212が幅狭部224に位置した際、ワイヤ60に張力が付与できる。
また、係合穴214は、幅狭部224と幅広部226との間に摩擦抵抗部230を有する。この摩擦抵抗部230は、幅狭部224の開口入口部に設けられている。幅狭部224に挿入された軸部220が、幅狭部224から幅広部226に不用意にスライドすることを摩擦抵抗部230によって規制することができる。なお、摩擦抵抗部230は、係合穴214の互いに対向する壁面から突出するよう形成されている。
このように構成された連結構造210も連結構造170と同様に、可動部材96に対する取付部材212の着脱作業を操作部22の外部にて行うものである。その装着作業は、係合穴214の幅広部226に係合部216を挿入し、係合部216を幅狭部224に向けてスライドさせて、係合部216を幅狭部224に係合させるだけでよい。これにより、可動部材96に取付部材212がワンタッチで係合する。この装着作業によって、ワイヤ60の基端を、取付部材212を介して可動部材96に容易に連結することができる。
また、幅広部226から幅狭部224に向けて係合部216をスライドさせると、軸部220が摩擦抵抗部230に当接するが、係合部216をスライドさせる力によって係合部216を幅狭部224に問題なく係合させることができる。
また、係合部216を幅狭部224に係合させた状態において、幅狭部224から軸部220が、軸部220の軸方向に離脱することを拡径部228によって防止されている。また、軸部220が摩擦抵抗部230に当接することで、幅狭部224から幅広部226に係合部216がスライドすることが規制されている。これにより、取付部材212を可動部材96に確実に連結することができる。
一方、内視鏡10の洗浄時に、可動部材96から取付部材212を取り外す場合には、取付部材212の係合部216を幅狭部224から幅広部226にスライドさせて、幅広部226から係合部216を引き抜く。これにより、可動部材96から取付部材212がワンタッチで離脱する。
したがって、別の連結構造210によれば、前述した特許文献1、2の内視鏡と比較して、可動部材96に対するワイヤ60の基端の着脱操作を容易に行うことができる。
なお、図30では、摩擦抵抗部230を備えた係合穴214を例示したが、摩擦抵抗部230を備えていない係合穴214であってもよい。
次に、図31及び図32を参照して、別の連結構造232について説明する。
図31は、連結構造232の組立斜視図である。図32は、可動部材96に形成された係合穴214の平面図であり、係合穴214の形状に、取付部材234の係合部236の形状を重畳させて示している。なお、連結構造232を説明するに当たり、図27から図30に示した連結構造210と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
図32に示すように、係合穴214は、直径aを有する幅狭部224と、直径aよりも大きい直径bを有する幅広部226とを有する。幅狭部224と幅広部226とは、図30と同様に位置関係にある。
また、図31に示した取付部材234の係合部236は、直径a以下の外径cを有する軸部220と、軸部220の先端に設けられ、直径bよりも外径fが大きく且つ複数(例えば4本)のすり割り溝237(図31参照)が形成された拡径部238とを有している。拡径部238は、拡径部238が幅広部226に嵌挿される際に、複数のすり割り溝237によって弾性変形して縮径する。軸部220を安定して保持するため、直径aと外径cとの差が小さいことが好ましい。
このように構成された連結構造232も連結構造210と同様に、可動部材96に対する取付部材234の着脱作業を操作部22の外部にて行うものである。その装着作業は、まず、係合穴214の幅広部226に拡径部238を嵌装する。その際、拡径部238が複数のすり割り溝237によって弾性変形して縮径する。これにより、拡径部238が幅広部226を通過していき、その後、拡径部238が幅広部226を通過したときに、拡径部238が元の直径に復帰する。これによって、拡径部238が、可動部材96の梁部160の裏面160Aに係合するので、可動部材96からの取付部材234の抜けが防止される。
その後、係合部236を幅狭部224に向けてスライドさせて、係合部236を幅狭部224に係合させる。これにより、可動部材96に取付部材234がワンタッチで係合する。この装着作業によって、ワイヤ60の基端を、取付部材234を介して可動部材96に容易に連結することができる。
また、係合部236を幅狭部224に係合させた状態において、幅狭部224から軸部220が、軸部220の軸方向に離脱することを拡径部238によって防止されている。また、軸部220が摩擦抵抗部230に当接することで、幅狭部224から幅広部226に係合部236がスライドすることが規制されている。これにより、取付部材234を可動部材96に確実に連結することができる。
一方、内視鏡10の洗浄時に、可動部材96から取付部材234を取り外す場合には、取付部材234の係合部236を幅狭部224から幅広部226にスライドさせ、その後、拡径部238を指で摘まみ、拡径部238を縮径させて、拡径部238を幅広部226から引き抜く。これにより、可動部材96から取付部材234がワンタッチで離脱する。
したがって、別の連結構造232によれば、前述した特許文献1、2の内視鏡と比較して、可動部材96に対するワイヤ60の基端の着脱操作を容易に行うことができる。
なお、図32では、摩擦抵抗部230を備えた係合穴214を例示したが、摩擦抵抗部230を備えていない係合穴214であってもよい。
次に、図33及び図34を参照して、別の連結構造240について説明する。
図33は、連結構造240の斜視図であり、図34は、連結構造240の組立斜視図である。なお、連結構造240を説明するに当たり、図11から図18に示した連結構造170と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
連結構造240は、可動部材である可動部材242と取付部材244とから構成される。
可動部材242は、脚部162と、脚部164と、脚部162と脚部164とを連結する円筒体246と、から構成される。この円筒体246は、ワイヤ60の軸線方向に垂直な方向(X(+)−X(−)方向)に延在されている。また、図33及び図34において、脚部162と脚部164の上端部には、回転規制ストッパを構成するU字状の溝248、250が形成されている。
一方、取付部材244には、ワイヤ60の基端が連結されている。取付部材244は、円筒体246の外周に回転自在に係合する環状体252と、溝248、250とともに回転規制ストッパを構成するピン254、256と、から構成される。環状体252は、長手方向に直交する断面がC字形状に構成されており、長手方向に形成されているスリット253を円筒体246に押し付けることにより、拡径して円筒体246にワンタッチで係合する。
このように構成された連結構造240も連結構造170、210と同様に、可動部材242に対する取付部材244の着脱作業を操作部22の外部にて行うものである。その装着作業は、取付部材244の環状体252のスリット253を、可動部材242の円筒体246に押し付ける。この作業によって取付部材244が可動部材242にワンタッチで係合する。これにより、ワイヤ60の基端を、取付部材244を介して可動部材242に確実に連結することができる。
また、環状体252が円筒体246に係合すると、これと同時に溝248にピン254が係合され、且つ溝250にピン256が係合されるので、可動部材242によるワイヤ60の押し引き操作時に、円筒体246に対して環状体252が相対回転することを防止することができる。これにより、ワイヤ60を円滑に押し引き操作することができる。
一方、内視鏡10の洗浄時に、可動部材242から取付部材244を取り外す場合には、溝248、250からピン254、256を取り外す方向に取付部材244を引っ張ると、環状体252が円筒体246から引っ張られて拡径し、環状体252が円筒体246から取り外される。これにより、可動部材242から取付部材244がワンタッチで離脱する。
したがって、別の連結構造240によれば、前述した特許文献1、2の内視鏡と比較して、可動部材242(起立操作機構)に対するワイヤ60の基端の着脱操作を容易に行うことができる。
なお、上記の実施形態では、可動部材242に円筒体246を設け、取付部材244に環状体252を設けたが、可動部材242と取付部材244とのいずれか一方に円筒体246を設け、他方に環状体252を設ければよい。
以上説明した実施形態では、図9及び図10の如く、起立操作機構120の駆動部材の一例としてワイヤ126を例示したが、ワイヤ126に代えてリンク機構を採用してもよい。
図35は、リンク機構であるリンク板金260によって第1スライダ132とレバー136とを連結した要部構造である。図36は、図35のリンク機構の動作説明図である。
図35及び図36に示すように、リンク板金260の先端が第1スライダ132の基端にピン262を介して回転自在に連結され、リンク板金260の基端がレバー136にピン264を介して回転自在に連結されている。
これにより、図9及び図10に示した起立操作レバー20を回転させると、第1スライダ132の直進運動がリンク機構であるリンク板金260を介してレバー136に伝達することができる。これにより、レバー136が図35から図36の回転範囲で回転し、その回転力を例えば図9及び図10に示した可動部材96に伝達することができる。
上記の実施形態では、内視鏡10として十二指腸鏡を例示して説明したが、挿入部の先端部に処置具の導出方向を調整する起立台を備える内視鏡であれば、超音波内視鏡等の各種内視鏡に本発明を適用することができる。
次に、ワイヤ60の構造に関して、その他の形態について説明する。図37は第四態様のワイヤ60の斜視図である。ワイヤ60は、先端側に設けられた係合部材100と、係合部材100に先端部が固定された絶縁性のワイヤ60Cと、基端側に設けられ絶縁性のワイヤ60Cの基端部が固定された基端係止部60Eと、を備える。絶縁性のワイヤ60Cの基端部と基端係止部60Eとは、図13と同様な構造により固定される。絶縁性のワイヤ60Cの先端部と係合部材100とは、カシメ部を形成することで固定される。
係合部材100は円柱形状である。係合部材100の軸線方向と絶縁性のワイヤ60Cの軸線方向とが直交する位置関係で、絶縁性のワイヤ60Cの先端部と係合部材100とは固定される。
図37に示されるように、絶縁性のワイヤ60Cは、係合部材100及び基端係止部60Eにより固定されている部分以外は、露出されている。絶縁性のワイヤ60Cの露出する外周が、絶縁性のワイヤ60Cに並置された絶縁性の管形状部材60Dにより被覆されている。
図38は、図37のワイヤ60が適用される内視鏡の先端部材28の斜視図である。図2と同様の構成には、同様の符号を付して説明を省略する場合がある。
図38の如く、隔壁80を挟んで起立台収容室82の反対側には、起立台起立レバー300を収容する起立レバー収容室302が設けられている。起立レバー収容室302は、保護板304が被せられることによって、起立レバー収容室302の気密性が保持され、外気から密閉される。
起立台起立レバー300の先端側に備えられた連結部306には、ワイヤ60の係合部材100が連結されている。
起立台起立レバー300の基端側には、回転軸308が備えられている。回転軸308は隔壁80を貫通し、起立台30の回動軸84、86(図5参照)と同軸線上に連結されている。
起立操作レバー20の操作により、ワイヤ60が押し引きされる。起立操作レバー20によりワイヤ60が引っ張られると、ワイヤ60が基端側に移動する。この動作により、起立台起立レバー300が、回転軸308を中心に、連結部306の側が基端側に移動する方向に回転する。回転軸308に連結された回動軸84、86が、回動軸308と同方向に回転するので、起立台30を起立位置に回動できる。
起立操作レバー20によりワイヤ60が押し込まれると、ワイヤ60が先端側に移動する。この動作により、起立台起立レバー300が、回転軸308を中心に、連結部306の側が先端側に移動する方向に回転する。回転軸308に連結された回動軸84、86が、回転軸308と同方向に回転するので、起立台30を倒伏位置に回動できる。
図37に示されるワイヤ60は、絶縁性のワイヤ60Cと絶縁性の管形状部材60Dで構成され、導電性のワイヤ60Aを含んでいない。したがって、高周波処置具を使用した際に、電流が外部に漏出することを防止できる。
図37に示されるワイヤ60においても、引張り操作では絶縁性のワイヤ60Cが主として利用され、押込み操作では管形状部材60Dが主として利用される。引張り操作、及び押込み操作に適した材料を選択することができる。
次に、ワイヤ60の構造に関して、その他の形態について説明する。図39は第五態様のワイヤ60の斜視図である。起立台30にワイヤ60が連結されている。
ワイヤ60は、先端側に設けられた係合部材100と、係合部材100に先端部が固定された絶縁性のワイヤ60Cと、基端側に設けられ絶縁性のワイヤ60Cの基端部が固定された基端係止部60Eと、を備える。絶縁性のワイヤ60Cの基端部と基端係止部60Eとは、図13と同様な構造により固定される。絶縁性のワイヤ60Cの先端部と係合部材100とは、カシメ部を形成することで固定される。
係合部材100は円柱形状である。係合部材100の軸線方向と絶縁性のワイヤ60Cの軸線方向とが平行する位置関係で、絶縁性のワイヤ60Cの先端部と係合部材100とは固定される。係合部材100の外径は、ワイヤ60の外径より大きい。
図39に示されるように、絶縁性のワイヤ60Cは、係合部材100及び基端係止部60Eにより固定されている部分以外は、露出されている。絶縁性のワイヤ60Cの露出する外周が、絶縁性のワイヤ60Cに並置された絶縁性の管形状部材60Dにより被覆されている。
起立台30には、ワイヤ60を挿通させるための貫通孔30Cが形成されている。貫通孔30Cの一方端側には、係合部材100より大きな空間である収容部30Dが形成されている。貫通孔30Cと収容部30Dとにより段差30Eが形成される。係合部材100が段差30Eに係合するので、ワイヤ60が起立台30に連結される。
図40は、図39のワイヤ60が適用される内視鏡の先端部材28の斜視図である。図2と同様の構成には、同様の符号を付して説明を省略する場合がある。
起立台30の貫通孔30Cに、ワイヤ60が挿通され、ワイヤ60の係合部材100が段差30Eと係合される。
起立操作レバー20の操作により、ワイヤ60が押し引きされる。起立操作レバー20によりワイヤ60が引っ張られると、ワイヤ60が基端側に移動する。この動作により、回動軸84、86を中心に、起立台30の先端が基端側に移動する方向に回転し、起立台30を起立位置に回動できる。
起立操作レバー20によりワイヤ60が押し込まれると、ワイヤ60が先端側に移動する。この動作により、回動軸84、86を中心に、起立台30の先端が先端側に移動する方向に回転し、起立台30を倒伏位置に回動できる。
図39に示されるワイヤ60は、絶縁性のワイヤ60Cと絶縁性の管形状部材60Dで構成され、導電性のワイヤ60Aを含んでいない。したがって、高周波処置具を使用した際に、電流が外部に漏出することを防止できる。
図39に示されるワイヤ60においても、引張り操作では絶縁性のワイヤ60Cが主として利用され、押込み操作では管形状部材60Dが主として利用される。引張り操作、及び押込み操作に適した材料を選択することができる。