JP6860093B2 - 低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法 - Google Patents
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Description
本開示は、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法に関する。
分子量数千から数十万の低分子量ポリテトラフルオロエチレン(「ポリテトラフルオロエチレンワックス」や「ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダー」とも呼ばれる)は、化学的安定性に優れ、表面エネルギーが極めて低いことに加え、フィブリル化が生じにくいので、滑り性や塗膜表面の質感を向上させる添加剤として、プラスチックス、インク、化粧品、塗料、グリース等の製造に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法としては、重合法、放射線分解法、熱分解法等が知られている。放射線分解法では、従来、空気雰囲気下で高分子量ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得るのが一般的である。
本開示は、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩を生成させにくい低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、高分子量ポリテトラフルオロエチレンと、
フッ素原子以外のハロゲン原子を有するハロゲン化ポリマーと、
を酸素不存在下で密閉容器に投入する工程(1)、及び、
上記高分子量ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、380℃における溶融粘度が1.0×102〜7.0×105Pa・sである低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程(2)
を含むことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法に関する。
フッ素原子以外のハロゲン原子を有するハロゲン化ポリマーと、
を酸素不存在下で密閉容器に投入する工程(1)、及び、
上記高分子量ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、380℃における溶融粘度が1.0×102〜7.0×105Pa・sである低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程(2)
を含むことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法に関する。
上記ハロゲン化ポリマーは、塩素原子を有するポリマーであることが好ましい。
工程(2)において、上記密閉容器内に実質的に酸素が存在しないことが好ましい。
上記高分子量ポリテトラフルオロエチレンは、標準比重が2.130〜2.230であることが好ましい。
上記高分子量ポリテトラフルオロエチレン及び上記低分子量ポリテトラフルオロエチレンがいずれも粉末であることが好ましい。
工程(1)の前に、更に、上記ポリテトラフルオロエチレンを、その一次融点以上に加熱することにより成形品を得る工程(3)を含み、上記成形品は、比重が1.0g/cm3以上であることが好ましい。
本開示によれば、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩を生成させにくい低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法を提供することができる。
以下、本開示を具体的に説明する。
本開示は、高分子量ポリテトラフルオロエチレンと、フッ素原子以外のハロゲン原子を有するハロゲン化ポリマーと、を酸素不存在下で密閉容器に投入する工程(1)、及び、上記高分子量ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、380℃における溶融粘度が1.0×102〜7.0×105Pa・sである低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程(2)を含むことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法に関する。
従来の照射条件で高分子量PTFEに放射線を照射すると、高分子量PTFEよりも溶融粘度が大きい低分子量PTFEが生成すると同時に、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸又はその塩が生成する。これらの化合物には、自然界には存在せず分解され難い物質であり、更には、生物蓄積性が高いことが指摘されている炭素数が8のパーフルオロオクタン酸又はその塩、炭素数が9のパーフルオロノナン酸又はその塩、及び炭素数が10、11、12、13、14の、それぞれパーフルオロデカン酸パーフルオロウンデカン酸、パーフルオロドデカン酸、パーフルオロトリデカン酸、パーフルオロテトラデカン酸、又はそれぞれの塩が含まれている。
従来の照射条件で高分子量PTFEに放射線を照射した場合、炭素数が8のパーフルオロオクタン酸又はその塩が25ppb以上生成してしまう。
本開示の製造方法では、酸素不存在下で上記高分子量PTFEに放射線を照射することから、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩が生成しにくい。また、通常、酸素不存在下で照射を行うと低分子量PTFEを得ることが容易ではないが、本開示の製造方法においては、上記ハロゲン化ポリマーの存在下に照射を行うことで、酸素不存在下であっても、低分子量PTFEを得ることができる。更に、上記ハロゲン化ポリマーは取り扱いが容易であるため、安全かつ簡便に低分子量PTFEを得ることができる。
また、本開示の製造方法によれば、炭素数6〜14のパーフルオロスルホン酸及びその塩も生成しにくい。
本開示は、高分子量ポリテトラフルオロエチレンと、フッ素原子以外のハロゲン原子を有するハロゲン化ポリマーと、を酸素不存在下で密閉容器に投入する工程(1)、及び、上記高分子量ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、380℃における溶融粘度が1.0×102〜7.0×105Pa・sである低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程(2)を含むことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法に関する。
従来の照射条件で高分子量PTFEに放射線を照射すると、高分子量PTFEよりも溶融粘度が大きい低分子量PTFEが生成すると同時に、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸又はその塩が生成する。これらの化合物には、自然界には存在せず分解され難い物質であり、更には、生物蓄積性が高いことが指摘されている炭素数が8のパーフルオロオクタン酸又はその塩、炭素数が9のパーフルオロノナン酸又はその塩、及び炭素数が10、11、12、13、14の、それぞれパーフルオロデカン酸パーフルオロウンデカン酸、パーフルオロドデカン酸、パーフルオロトリデカン酸、パーフルオロテトラデカン酸、又はそれぞれの塩が含まれている。
従来の照射条件で高分子量PTFEに放射線を照射した場合、炭素数が8のパーフルオロオクタン酸又はその塩が25ppb以上生成してしまう。
本開示の製造方法では、酸素不存在下で上記高分子量PTFEに放射線を照射することから、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩が生成しにくい。また、通常、酸素不存在下で照射を行うと低分子量PTFEを得ることが容易ではないが、本開示の製造方法においては、上記ハロゲン化ポリマーの存在下に照射を行うことで、酸素不存在下であっても、低分子量PTFEを得ることができる。更に、上記ハロゲン化ポリマーは取り扱いが容易であるため、安全かつ簡便に低分子量PTFEを得ることができる。
また、本開示の製造方法によれば、炭素数6〜14のパーフルオロスルホン酸及びその塩も生成しにくい。
上記ハロゲン化ポリマーは、フッ素原子以外のハロゲン原子を有する。上記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
上記ハロゲン化ポリマーは、フッ素原子以外のハロゲン原子とともに、フッ素原子を有していてもよい。
上記ハロゲン化ポリマーは、フッ素原子以外のハロゲン原子とともに、フッ素原子を有していてもよい。
炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩が一層生成しにくく、一層容易に低分子量PTFEが得られる点で、上記ハロゲン化ポリマーは、塩素原子を有するポリマーであることが好ましい。上記塩素原子を有するポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等が挙げられる。なかでも、PVC、PCTFEが好ましく、PCTFEがより好ましい。
上記PCTFEとしては、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)単独重合体、並びに、クロロトリフルオロエチレン単位(「CTFE単位」)及びCTFEと重合可能な単量体(β)単位を含む共重合体が挙げられる。
上記PCTFEは、融点が150〜230℃であることが好ましく、180〜217℃であることがより好ましい。上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
上記PCTFEは、フロー値が1×10−4〜5×10−1(cc/sec)であることが好ましい。上記フロー値は、高下式フローテスターCFT−500D(島津製作所社製)にて230℃で溶融し、荷重100kgで、ノズル径1mmφから1秒間あたりに押し出された樹脂の体積である。
上記PCTFEは、CTFE単位が90〜100モル%であることが好ましく、CTFE単位が98〜100モル%であることがより好ましく、CTFE単位が99〜100モル%であることが更に好ましい。
上記単量体(β)としては、CTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン、エチレン、ビニリデンフルオライド、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ヘキサフルオロエチレン等が挙げられる。
上記PCTFEにおける各単量体の含有量は、NMR、元素分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
上記ハロゲン化ポリマーの投入量は、上記高分子量PTFEに対して0.001〜15質量%であることが好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が更により好ましく、3質量%以上が特に好ましい。また、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、6質量%以下が特に好ましい。
工程(1)においては、上記高分子量PTFE及び上記ハロゲン化ポリマーを、酸素不存在下で密閉容器に投入する。ここで、酸素不存在下で密閉容器に投入するとは、投入後の密閉容器内の雰囲気中の酸素濃度が0.1体積%以下であることを意味する。
上記酸素濃度は、上記密閉容器内の気層部分をガスクロマトグラフィーにて分析する方法や、上記密閉容器内に設置した酸素検知剤の色調を調べることにより測定できる。
上記酸素濃度は、上記密閉容器内の気層部分をガスクロマトグラフィーにて分析する方法や、上記密閉容器内に設置した酸素検知剤の色調を調べることにより測定できる。
上記高分子量PTFE及び上記ハロゲン化ポリマーを酸素不存在下で密閉容器に投入する方法としては、例えば、上記高分子量PTFE及び上記ハロゲン化ポリマーと、不活性ガス及び酸素吸着剤からなる群より選択される少なくとも1種とを密閉容器に投入する方法が挙げられ、上記高分子量PTFE及び上記ハロゲン化ポリマーと、不活性ガスとを密閉容器に投入する方法が好ましい。
上記密閉容器内に上記の各物質を投入する方法としては、例えば、上記密閉容器内に上記高分子量PTFE及び上記ハロゲン化ポリマーを設置した後、上記密閉容器内を上記不活性ガスで満たす方法が挙げられる。また、上記酸素吸着剤を使用する場合は、空気中で上記密閉容器内に上記高分子量PTFE、上記ハロゲン化ポリマー及び上記酸素吸着剤を設置した後、上記密閉容器を密閉する方法や、上記密閉容器内に上記高分子量PTFE、上記ハロゲン化ポリマー及び上記酸素吸着剤を設置した後、上記密閉容器内を上記不活性ガスで満たす方法、上記密閉容器内に上記高分子量PTFE、上記ハロゲン化ポリマー及び上記酸素吸着剤を設置した後、上記密閉容器内を真空引きする方法等が挙げられる。
上記密閉容器内で、上記ハロゲン化ポリマーは、混合等により上記高分子量PTFEと直接接触した状態で配置されてもよいし、上記高分子量PTFEと直接接触しないが、放射線照射による上記高分子量PTFEの分解反応には寄与し得る状態で配置されてもよい。後者のように配置する方法としては、例えば、上記高分子量PTFE及び上記ハロゲン化ポリマーの一方を密閉されていない(通気性のある)容器に入れて上記密閉容器内に配置し、他方を上記密閉容器内の、上記密閉されていない容器の外に配置する方法が挙げられる。
上記不活性ガスは、放射線照射による低分子量PTFEの生成反応に対して不活性なガスであることが必要である。上記不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスが挙げられる。なかでも、窒素が好ましい。
上記不活性ガスは、酸素の含有量が0.1体積%以下であることが好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。上記不活性ガス中の酸素の含有量が上記範囲内にあると、工程(2)において上記高分子量PTFEに放射線を照射した際に、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩が一層生成しにくくなる。
上記酸素の含有量は、ガスクロマトグラフィーでの分析の他、酸素検知紙により確認できる。
上記酸素の含有量は、ガスクロマトグラフィーでの分析の他、酸素検知紙により確認できる。
上記酸素吸着剤は、酸素を吸着する機能を有するものであれば特に限定されず、鉄系、亜鉛系、ハイドロサルファイト系等の無機系の酸素吸着剤、アスコルビン酸系、多価アルコール系、活性炭系等の有機系の酸素吸着剤等の、公知の酸素吸着剤を使用することができる。上記酸素吸着剤は、酸素との反応時に水分を必要とする水分依存型であっても、水分を必要としない自力反応型であってもよいが、自力反応型であることが好ましい。上記酸素吸着剤としては、鉄系の自力反応型酸素吸着剤、生石灰等が好ましく、なかでも、鉄系の自力反応型酸素吸着剤が好ましい。
上記酸素吸着剤の投入量は、上記密閉容器内の酸素濃度を上述の範囲内とすることができる量であることが好ましい。
上記密閉容器とは、上記密閉容器内の酸素濃度を調整できるように密閉が可能な容器をいう。従って、上記不活性ガスを吸排気したり、上記密閉容器内のガスを排気したりするための配管が接続されていてもよく、放射線照射時には開放しない配管、蓋、バルブ、フランジ等が接続されていてもよい。また、その形状は特に限定されず、円柱状、角柱状、球状等であってよく、内容積可変な袋であってもよい。また、その素材も特に限定されず、金属、ガラス、ポリマー等であってよい。上記密閉容器は、放射線を透過し、かつ放射線の照射によって劣化しない材質・構造のものである必要があるが、耐圧容器である必要はない。
工程(2)において、上記高分子量PTFEへの上記放射線の照射は、例えば以下の方法及び条件により行うことができる。なお、工程(2)は、工程(1)の後に実施される工程である。
工程(2)においては、上記密閉容器内に実質的に酸素が存在しないことが好ましい。「実質的に酸素が存在しない」とは、上記密閉容器内の雰囲気中の酸素濃度が0.1体積%以下であることを意味する。
上記酸素濃度は、上記密閉容器内の気層部分をガスクロマトグラフィーにて分析する方法や、上記密閉容器内に設置した酸素検知剤の色調を調べることにより測定できる。
上記酸素濃度は、上記密閉容器内の気層部分をガスクロマトグラフィーにて分析する方法や、上記密閉容器内に設置した酸素検知剤の色調を調べることにより測定できる。
上記密閉容器内に実質的に酸素が存在しない状態は、上記密閉容器に投入する上記不活性ガス及び上記酸素吸着剤からなる群より選択される少なくとも1種の量を適宜調整することにより実現できる。
上記放射線としては、電離性放射線であれば特に限定されず、電子線、ガンマ線、X線、中性子線、高エネルギーイオン等が挙げられるが、電子線又はガンマ線が好ましい。
上記放射線の照射線量としては、1〜2500kGyが好ましく、1000kGy以下がより好ましく、750kGy以下が更に好ましい。また、10kGy以上がより好ましく、50kGy以上が更に好ましい。
上記放射線の照射温度としては、5℃以上、高分子量PTFEの融点以下であれば特に限定されない。融点近傍付近では高分子量PTFEの分子鎖が架橋することも知られており、低分子量PTFEを得る上では、320℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、260℃以下が更に好ましい。経済的には常温で照射することが好ましい。
本開示の製造方法は、工程(1)の前に、更に、上記高分子量PTFEを、その一次融点以上に加熱することにより成形品を得る工程(3)を含むこともできる。この場合、工程(3)で得られた成形品を工程(1)における上記高分子量PTFEとして使用することができる。
上記一次融点としては、300℃以上が好ましく、310℃以上がより好ましく、320℃以上が更に好ましい。
上記一次融点は、未焼成の高分子量PTFEを示差走査熱量計で測定した場合に、結晶融解曲線上に現れる吸熱カーブの最大ピーク温度を意味する。上記吸熱カーブは、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件で昇温させて得られたものである。
上記一次融点としては、300℃以上が好ましく、310℃以上がより好ましく、320℃以上が更に好ましい。
上記一次融点は、未焼成の高分子量PTFEを示差走査熱量計で測定した場合に、結晶融解曲線上に現れる吸熱カーブの最大ピーク温度を意味する。上記吸熱カーブは、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件で昇温させて得られたものである。
工程(3)における上記成形品は、比重が1.0g/cm3以上であることが好ましく、1.5g/cm3以上であることがより好ましく、また、2.5g/cm3以下であることが好ましい。上記成形品の比重が上記範囲内にあると、表面の細孔や凸凹が小さくなり、結果的に比表面積の小さい低分子量PTFEを得ることが出来る。
上記比重は、水中置換法により測定することができる。
本開示の製造方法は、工程(3)の後に、更に、上記成形品を粉砕して、上記PTFEの粉末を得る工程を含むこともできる。上記成形品を粗く粉砕してから、更に小さく粉砕してもよい。
上記比重は、水中置換法により測定することができる。
本開示の製造方法は、工程(3)の後に、更に、上記成形品を粉砕して、上記PTFEの粉末を得る工程を含むこともできる。上記成形品を粗く粉砕してから、更に小さく粉砕してもよい。
本開示の製造方法は、工程(2)の後に、更に、上記低分子量PTFEを粉砕して、低分子量PTFEの粉末を得る工程を含むこともできる。
上記粉砕の方法としては特に限定されないが、粉砕機で粉砕する方法が挙げられる。上記粉砕機には、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の衝撃式や、回転刃と外周ステーターが凹凸による剪断力で粉砕するカッターミル等の摩砕式等がある。
粉砕温度は−200℃以上、50℃未満であることが好ましい。冷凍粉砕では通常−200〜−100℃であるが、室温付近の温度(10〜30℃)で粉砕してもよい。冷凍粉砕では一般に液体窒素を使用するが、設備が膨大で粉砕コストも高くなる。工程が簡素となる点、粉砕コストを抑えることができる点で、10℃以上、50℃未満で粉砕することがより好ましく、10〜40℃で粉砕することが更に好ましく、10〜30℃で粉砕することが特に好ましい。
上記粉砕の後、微粒子や繊維状粒子を気流分級により除去した後に、更に分級により粗粒子を除去してもよい。
気流分級においては、粉砕された粒子が減圧空気により円柱状の分級室に送られ、室内の旋回気流により分散され、遠心力によって微粒子が分級される。微粒子は中央部からサイクロン及びバグフィルターへ回収される。分級室内には、粉砕粒子と空気が均一に旋回運動を行うために円錐状のコーン、ローター等の回転体が設置されている。
分級コーンを使用する場合には、分級点の調節は二次エアーの風量と分級コーン間の隙間を調節することにより行う。ローターを使用する場合には、ローターの回転数により分級室内の風量を調節する。
粗粒子の除去方法としては、メッシュによる気流分級、振動篩、超音波篩等が挙げられるが、気流分級が好ましい。
次に、本開示の製造方法の工程(2)において放射線を照射する高分子量PTFE、及び、放射線を照射した後に得られる低分子量PTFEについて説明する。
上記低分子量PTFEは、380℃における溶融粘度が1.0×102〜7.0×105Pa・sである。本開示において、「低分子量」とは、上記溶融粘度が上記の範囲内にあることを意味する。
上記溶融粘度は、1.5×103Pa・s以上であることが好ましく、また、3.0×105Pa・s以下であることが好ましく、1.0×105Pa・s以下であることがより好ましい。
上記溶融粘度は、1.5×103Pa・s以上であることが好ましく、また、3.0×105Pa・s以下であることが好ましく、1.0×105Pa・s以下であることがより好ましい。
上記溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定した値である。
上記放射線を照射する上記PTFEは、標準比重(SSG)が2.130〜2.230であることが好ましい。上記標準比重(SSG)はASTM D 4895に準拠し、測定した値である。
上記PTFEは、上記低分子量PTFEよりも溶融粘度が極めて高く、その正確な溶融粘度を測定することは困難である。他方、低分子量PTFEの溶融粘度は測定可能であるが、低分子量PTFEからは、標準比重の測定に使用可能な成形品を得ることが難しく、その正確な標準比重を測定することが困難である。従って、本開示では、放射線を照射する上記PTFEの分子量の指標として、標準比重を採用し、上記低分子量PTFEの分子量の指標として、溶融粘度を採用する。なお、上記PTFE及び上記低分子量PTFEのいずれについても、直接に分子量を特定できる測定方法は知られていない。
上記低分子量PTFEは、融点が320〜340℃であることが好ましく、324〜336℃であることがより好ましい。
上記融点は、示差走査熱量計(DSC)を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、低分子量PTFE約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250〜380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とする。
本開示の製造方法において、上記PTFEの形状は特に限定されず、粉末であってもよいし、上記PTFEの成形品であってもよいし、上記PTFEの成形品を切削加工した場合に生じる切削屑であってもよい。上記PTFEが粉末であると、上記低分子量PTFEの粉末を容易に得ることができる。
また、本開示の製造方法によって得られる低分子量PTFEの形状は、特に限定されないが、粉末であることが好ましい。
本開示の製造方法によって得られる低分子量PTFEが粉末である場合、比表面積が0.5〜20m2/gであることが好ましい。
低分子量PTFE粉末としては、比表面積が0.5m2/g以上、7.0m2/g未満の比表面積の低いタイプと、比表面積が7.0m2/g以上、20m2/g以下の比表面積の高いタイプがそれぞれ求められている。
比表面積の低いタイプの低分子量PTFE粉末は、例えば塗料等のマトリクス材料に容易に分散する利点がある一方、マトリクス材料への分散粒径が大きく、微分散に劣る。
比表面積の低いタイプの低分子量PTFE粉末の比表面積は、1.0m2/g以上が好ましく、5.0m2/g以下が好ましく、3.0m2/g以下がより好ましい。マトリクス材料としては、プラスチック、インクの他、塗料等も好適に用いられる。
比表面積の高いタイプの低分子量PTFE粉末は、例えば塗料等のマトリクス材料に分散させた場合、マトリクス材料への分散粒径が小さく、塗膜表面の質感を向上させる等、表面を改質する効果が高く、吸油量も多くなるが、マトリクス材料への分散に必要な時間が長い等容易に分散しないおそれがあり、また、塗料等の粘度が上昇するおそれもある。
比表面積の高いタイプの低分子量PTFE粉末の比表面積は、8.0m2/g以上が好ましく、25m2/g以下が好ましく、20m2/g以下がより好ましい。マトリクス材料としては、オイル、グリース、塗料の他、プラスチック等も好適に用いられる。
低分子量PTFE粉末としては、比表面積が0.5m2/g以上、7.0m2/g未満の比表面積の低いタイプと、比表面積が7.0m2/g以上、20m2/g以下の比表面積の高いタイプがそれぞれ求められている。
比表面積の低いタイプの低分子量PTFE粉末は、例えば塗料等のマトリクス材料に容易に分散する利点がある一方、マトリクス材料への分散粒径が大きく、微分散に劣る。
比表面積の低いタイプの低分子量PTFE粉末の比表面積は、1.0m2/g以上が好ましく、5.0m2/g以下が好ましく、3.0m2/g以下がより好ましい。マトリクス材料としては、プラスチック、インクの他、塗料等も好適に用いられる。
比表面積の高いタイプの低分子量PTFE粉末は、例えば塗料等のマトリクス材料に分散させた場合、マトリクス材料への分散粒径が小さく、塗膜表面の質感を向上させる等、表面を改質する効果が高く、吸油量も多くなるが、マトリクス材料への分散に必要な時間が長い等容易に分散しないおそれがあり、また、塗料等の粘度が上昇するおそれもある。
比表面積の高いタイプの低分子量PTFE粉末の比表面積は、8.0m2/g以上が好ましく、25m2/g以下が好ましく、20m2/g以下がより好ましい。マトリクス材料としては、オイル、グリース、塗料の他、プラスチック等も好適に用いられる。
上記比表面積は、表面分析計(商品名:BELSORP−miniII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、キャリアガスとして窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却に液体窒素を用いて、BET法により測定する。
本開示の製造方法によって得られる低分子量PTFEが粉末である場合、平均粒子径が0.5〜200μmであることが好ましく、50μm以下がより好ましく、25μm以下が更に好ましく、10μm以下が特に好ましい。このように、平均粒子径が比較的小さい粉末であることで、例えば、塗料の添加剤として用いた場合等に、より優れた表面平滑性を有する塗膜を形成することができる。
上記平均粒子径は、日本電子株式会社製レーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS&RODOS)を用いて、カスケードは使用せず、分散圧力3.0barで測定を行い、粒度分布積算の50%に対応する粒子径に等しいとする。
本開示の製造方法では、工程(2)を実施した後に、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩を実質的に含まない低分子量PTFEを得ることができる。本開示の製造方法により得られる低分子量PTFEは、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩の総量が質量基準で50ppb以下であることが好ましく、25ppb未満であることがより好ましく、15ppb以下であることがより好ましく、10ppb以下であることが更により好ましく、5ppb以下であることが特に好ましく、5ppb未満であることが最も好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。
上記パーフルオロカルボン酸及びその塩の量は、液体クロマトグラフィーにより測定できる。
また、本開示の製造方法により得られる低分子量PTFEは、パーフルオロオクタン酸及びその塩を実質的に含まない点にも特徴がある。本開示の製造方法により得られる低分子量PTFEは、パーフルオロオクタン酸及びその塩の量が質量基準で25ppb未満であることが好ましい。15ppb以下であることがより好ましく、10ppb以下であることが更に好ましく、5ppb以下であることが更により好ましく、5ppb未満であることが特に好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。
上記パーフルオロオクタン酸及びその塩の量は、液体クロマトグラフィーにより測定できる。
また、本開示の製造方法により得られる低分子量PTFEは、炭素数6〜14のパーフルオロスルホン酸及びその塩を実質的に含まない点にも特徴がある。本開示の製造方法により得られる低分子量PTFEは、炭素数6〜14のパーフルオロスルホン酸及びその塩の量が質量基準で25ppb未満であることが好ましい。15ppb以下であることがより好ましく、10ppb以下であることが更に好ましく、5ppb以下であることが更により好ましく、5ppb未満であることが特に好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。
上記パーフルオロスルホン酸及びその塩の量は、液体クロマトグラフィーにより測定できる。
上記低分子量PTFEは、分子鎖末端に主鎖炭素数106個あたり5個以下のカルボキシル基を有していることが好ましい。上記カルボキシル基は、主鎖炭素数106個あたり4個以下がより好ましく、3個以下が更に好ましい。下限は特に限定されず、検出限界未満の量であってよい。上記カルボキシル基は、例えば、上記PTFEに酸素存在下で上記放射線を照射することにより、上記低分子量PTFEの分子鎖末端に生じる。
上記カルボキシル基の数は、下記方法により測定した値である。この測定方法による検出限界は0.5個である。
(測定方法)
特開平4−20507号公報記載の末端基の分析方法に準拠し、以下の測定を行う。
低分子量PTFE粉末をハンドプレスにて予備成形し、およそ0.1mm厚みのフィルムを作製する。作製したフィルムについて赤外吸収スペクトル分析する。PTFEにフッ素ガスを接触させて作製した末端を完全フッ素化したPTFEの赤外吸収スペクトル分析も行い、両者の差スペクトルから次式により末端カルボキシル基の個数を算出する。
末端カルボキシル基の個数(炭素数106個あたり)=(l×K)/t
l:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚み(mm)
カルボキシル基の吸収周波数は3560cm−1、補正係数は440とする。
上記カルボキシル基の数は、下記方法により測定した値である。この測定方法による検出限界は0.5個である。
(測定方法)
特開平4−20507号公報記載の末端基の分析方法に準拠し、以下の測定を行う。
低分子量PTFE粉末をハンドプレスにて予備成形し、およそ0.1mm厚みのフィルムを作製する。作製したフィルムについて赤外吸収スペクトル分析する。PTFEにフッ素ガスを接触させて作製した末端を完全フッ素化したPTFEの赤外吸収スペクトル分析も行い、両者の差スペクトルから次式により末端カルボキシル基の個数を算出する。
末端カルボキシル基の個数(炭素数106個あたり)=(l×K)/t
l:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚み(mm)
カルボキシル基の吸収周波数は3560cm−1、補正係数は440とする。
上記低分子量PTFEの分子鎖末端には、上記PTFEの重合反応において使用された重合開始剤又は連鎖移動剤の化学構造に由来する不安定末端基が生じていてもよい。上記不安定末端基としては特に限定されず、例えば、−CH2OH、−COOH、−COOCH3等が挙げられる。
上記低分子量PTFEは、不安定末端基の安定化を行ったものであってもよい。上記不安定末端基の安定化の方法としては特に限定されず、例えば、フッ素含有ガスに曝露することにより末端をトリフルオロメチル基〔−CF3〕に変化させる方法等が挙げられる。
上記低分子量PTFEはまた、末端アミド化を行ったものであってもよい。上記末端アミド化の方法としては特に限定されず、例えば、特開平4−20507号公報に開示されているように、フッ素含有ガスに曝露する等して得られたフルオロカルボニル基〔−COF〕をアンモニアガスと接触させる方法等が挙げられる。
上記低分子量PTFEが上述の不安定末端基の安定化又は末端アミド化を行ったものであると、塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー、プラスチックス等の相手材への添加剤として用いる場合に、相手材となじみやすく、分散性を向上させることができる。
上記PTFEは、テトラフルオロエチレン(TFE)単位のみからなるホモPTFEであってもよいし、TFE単位及びTFEと共重合可能な変性モノマーに基づく変性モノマー単位を含む変性PTFEであってもよい。本開示の製造方法において、ポリマーの組成は変化しないので、上記低分子量PTFEは、上記PTFEが有する組成をそのまま有する。
上記変性PTFEにおいて、上記変性モノマー単位の含有量は、全単量体単位の0.001〜1質量%であることが好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、また、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。本明細書において、上記変性モノマー単位とは、変性PTFEの分子構造の一部分であって変性モノマーに由来する部分を意味し、全単量体単位とは、変性PTFEの分子構造における全ての単量体に由来する部分を意味する。上記変性モノマー単位の含有量は、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)等の公知の方法により求めることができる。
上記変性モノマーとしては、TFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕等のパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン〔VDF〕等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロアルキルエチレン;エチレン等が挙げられる。また、用いる変性モノマーは1種であってもよいし、複数種であってもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(1)
CF2=CF−ORf (1)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
CF2=CF−ORf (1)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(1)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜5である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕が好ましい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、更に、上記一般式(1)において、Rfが炭素数4〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rfが下記式:
(式中、mは、0又は1〜4の整数を表す。)で表される基であるもの、Rfが下記式:
(式中、nは、1〜4の整数を表す。)で表される基であるもの等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンとしては特に限定されず、例えば、(パーフルオロブチル)エチレン(PFBE)、(パーフルオロヘキシル)エチレン、(パーフルオロオクチル)エチレン等が挙げられる。
上記変性PTFEにおける変性モノマーとしては、HFP、CTFE、VDF、PPVE、PFBE及びエチレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、HFP及びCTFEからなる群より選択される少なくとも1種である。
本開示の製造方法により得られる低分子量PTFEは、成形材料、インク、化粧品、塗料、グリース、オフィスオートメーション機器用部材、トナーを改質する添加剤、複写機の有機感光体材料、めっき液への添加剤等として好適に使用することができる。上記成形材料としては、例えば、ポリオキシベンゾイルポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。上記低分子量PTFEは、特に、グリース用粘稠剤として好適である。
上記低分子量PTFEは、成形材料の添加剤として、例えば、コピーロールの非粘着性・摺動特性の向上、家具の表層シート、自動車のダッシュボード、家電製品のカバー等のエンジニアリングプラスチック成形品の質感を向上させる用途、軽荷重軸受、歯車、カム、プッシュホンのボタン、映写機、カメラ部品、摺動材等の機械的摩擦を生じる機械部品の滑り性や耐摩耗性を向上させる用途、エンジニアリングプラスチックの加工助剤等として好適に用いることができる。
上記低分子量PTFEは、塗料の添加剤として、ニスやペンキの滑り性向上の目的に用いることができる。上記低分子量PTFEは、化粧品の添加剤として、ファンデーション等の化粧品の滑り性向上等の目的に用いることができる。
上記低分子量PTFEは、更に、ワックス等の撥油性又は撥水性を向上させる用途や、グリースやトナーの滑り性を向上させる用途にも好適である。
上記低分子量PTFEは、二次電池や燃料電池の電極バインダー、電極バインダーの硬度調整剤、電極表面の撥水処理剤等としても使用できる。
上記低分子量PTFEと潤滑油とを使用してグリースを調製することもできる。上記グリースは、上記低分子量PTFEと潤滑油とを含有することを特徴とすることから、潤滑油中に上記低分子量PTFEが均一かつ安定に分散しており、耐荷重性、電気絶縁性、低吸湿性等の特性に優れている。
上記潤滑油(基油)は、鉱物油であっても、合成油であってもよい。上記潤滑油(基油)としては、例えば、パラフィン系やナフテン系の鉱物油、合成炭化水素油、エステル油、フッ素オイル、シリコーンオイルのような合成油等が挙げられる。耐熱性の観点からはフッ素オイルが好ましく、上記フッ素オイルとしては、パーフルオロポリエーテルオイル、三フッ化塩化エチレンの低重合物等が挙げられる。三フッ化塩化エチレンの低重合物は、重量平均分子量が500〜1200であってよい。
上記グリースは、更に、増稠剤を含むものであってもよい。上記増稠剤としては、金属石けん、複合金属石けん、ベントナイト、フタロシアニン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物、イミド化合物等が挙げられる。上記金属石けんとしては、例えばナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん等が挙げられる。また上記ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物及びウレタン化合物としては、例えばジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、その他のポリウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。
上記グリースは、上記低分子量PTFEを0.1〜60質量%含むことが好ましく、0.5質量%以上含むことがより好ましく、5質量%以上含むことが更に好ましく、50質量%以下含むことがより好ましい。上記低分子量PTFEの量が多すぎると、グリースが硬くなりすぎて、充分な潤滑性を発揮できないおそれがあり、上記低分子量PTFEの量が少なすぎると、シール性が発揮できないおそれがある。
上記グリースは、固体潤滑剤、極圧剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤等を含むこともできる。
次に実施例を挙げて本開示を更に詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
溶融粘度
ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定を行った。
ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定を行った。
パーフルオロオクタン酸及びその塩(PFOA)の含有量
液体クロマトグラフ質量分析計(Waters, LC−MS ACQUITY UPLC/TQD)を用い、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量の測定を行った。測定粉末1gにアセトニトリル5mlを加え、60分間の超音波処理を行い、パーフルオロオクタン酸を抽出した。得られた液相について、MRM(Multiple Reaction Monitoring)法を用いて測定した。移動相としてアセトニトリル(A)と酢酸アンモニウム水溶液(20mmol/L)(B)を、濃度勾配(A/B=40/60−2min−80/20−1min)で送液した。分離カラム(ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm)を使用し、カラム温度は40℃、注入量は5μLとした。イオン化法はESI(Electrospray ionization) Negativeを使用し、コーン電圧は25Vに設定し、プリカーサーイオン分子量/プロダクトイオン分子量は413/369を測定した。パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量は外部標準法を用い、算出した。この測定における検出限界は5ppbである。
液体クロマトグラフ質量分析計(Waters, LC−MS ACQUITY UPLC/TQD)を用い、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量の測定を行った。測定粉末1gにアセトニトリル5mlを加え、60分間の超音波処理を行い、パーフルオロオクタン酸を抽出した。得られた液相について、MRM(Multiple Reaction Monitoring)法を用いて測定した。移動相としてアセトニトリル(A)と酢酸アンモニウム水溶液(20mmol/L)(B)を、濃度勾配(A/B=40/60−2min−80/20−1min)で送液した。分離カラム(ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm)を使用し、カラム温度は40℃、注入量は5μLとした。イオン化法はESI(Electrospray ionization) Negativeを使用し、コーン電圧は25Vに設定し、プリカーサーイオン分子量/プロダクトイオン分子量は413/369を測定した。パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量は外部標準法を用い、算出した。この測定における検出限界は5ppbである。
炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩(PFC)の含有量
液体クロマトグラフ質量分析計(Waters, LC−MS ACQUITY UPLC/TQD)を用い、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩を測定した。溶液はパーフルオロオクタン酸の測定にて抽出した液相を使用し、MRM法を用いて測定した。測定条件はパーフルオロオクタン酸の測定条件から、濃度勾配を変更し(A/B=10/90−1.5min−90/10−3.5min)、プリカーサーイオン分子量/プロダクトイオン分子量は、パーフルオロヘキサン酸(炭素数6)は313/269、パーフルオロヘプタン酸(炭素数7)は363/319、パーフルオロオクタン酸(炭素数8)は413/369、パーフルオロノナン酸(炭素数9)は463/419、パーフルオロデカン酸(炭素数10)は513/469、パーフルオロウンデカン酸(炭素数11)は563/519、パーフルオロドデカン酸(炭素数12)は613/569、パーフルオロトリデカン酸(炭素数13)は663/619、パーフルオロテトラデカン酸(炭素数14)は713/669を測定した。
炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩の合計量は、上記測定より得られたパーフルオロオクタン酸の含有量(X)から下記式を用いて算出した。この測定における検出限界は5ppbである。
(AC6+AC7+AC8+AC9+AC10+AC11+AC12+AC13+AC14)/AC8×X
AC6:パーフルオロヘキサン酸のピーク面積
AC7:パーフルオロヘプタン酸のピーク面積
AC8:パーフルオロオクタン酸のピーク面積
AC9:パーフルオロノナン酸のピーク面積
AC10:パーフルオロデカン酸のピーク面積
AC11:パーフルオロウンデカン酸のピーク面積
AC12:パーフルオロノデカン酸のピーク面積
AC13:パーフルオロトリデカン酸のピーク面積
AC14:パーフルオロテトラデカン酸のピーク面積
X:MRM法を用いた測定結果から外部標準法を用いて算出したパーフルオロオクタン酸の含有量
液体クロマトグラフ質量分析計(Waters, LC−MS ACQUITY UPLC/TQD)を用い、炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩を測定した。溶液はパーフルオロオクタン酸の測定にて抽出した液相を使用し、MRM法を用いて測定した。測定条件はパーフルオロオクタン酸の測定条件から、濃度勾配を変更し(A/B=10/90−1.5min−90/10−3.5min)、プリカーサーイオン分子量/プロダクトイオン分子量は、パーフルオロヘキサン酸(炭素数6)は313/269、パーフルオロヘプタン酸(炭素数7)は363/319、パーフルオロオクタン酸(炭素数8)は413/369、パーフルオロノナン酸(炭素数9)は463/419、パーフルオロデカン酸(炭素数10)は513/469、パーフルオロウンデカン酸(炭素数11)は563/519、パーフルオロドデカン酸(炭素数12)は613/569、パーフルオロトリデカン酸(炭素数13)は663/619、パーフルオロテトラデカン酸(炭素数14)は713/669を測定した。
炭素数6〜14のパーフルオロカルボン酸及びその塩の合計量は、上記測定より得られたパーフルオロオクタン酸の含有量(X)から下記式を用いて算出した。この測定における検出限界は5ppbである。
(AC6+AC7+AC8+AC9+AC10+AC11+AC12+AC13+AC14)/AC8×X
AC6:パーフルオロヘキサン酸のピーク面積
AC7:パーフルオロヘプタン酸のピーク面積
AC8:パーフルオロオクタン酸のピーク面積
AC9:パーフルオロノナン酸のピーク面積
AC10:パーフルオロデカン酸のピーク面積
AC11:パーフルオロウンデカン酸のピーク面積
AC12:パーフルオロノデカン酸のピーク面積
AC13:パーフルオロトリデカン酸のピーク面積
AC14:パーフルオロテトラデカン酸のピーク面積
X:MRM法を用いた測定結果から外部標準法を用いて算出したパーフルオロオクタン酸の含有量
密閉容器内の酸素濃度
密閉容器内の気層部分をガスクロマトグラフィーにて分析することにより測定した。更に、密閉容器内に同封した酸素検知紙の色調が青色から桃色に変化することで、酸素濃度が0.1体積%以下(酸素不在)であることを確認した。
密閉容器内の気層部分をガスクロマトグラフィーにて分析することにより測定した。更に、密閉容器内に同封した酸素検知紙の色調が青色から桃色に変化することで、酸素濃度が0.1体積%以下(酸素不在)であることを確認した。
実施例1
バリアナイロン製の袋にPTFEファインパウダー(ASTM D 4895に準拠し、測定した標準比重:2.175、PFC及びPFOAの濃度は検出限界以下である)を47.5g計量し、ハロゲン化ポリマーとしてPCTFE(ダイキン工業社製PCTFE M−400H)2.5gを添加した。次いで、袋内を窒素ガスで10回置換し、袋内を窒素雰囲気にした後、ヒートシールを用いて、密封した。置換後の密閉袋内の酸素濃度は50ppmであった。
更に、袋内に予め設置しておいた酸素検知紙により、袋内が酸素不在であることを確認した後に、袋内のPTFEファインパウダーに室温にてコバルト−60γ線を200kGy照射し、低分子量PTFE粉末を得た。
得られた低分子量PTFE粉末の各種物性を測定した。結果を表1に示す。
バリアナイロン製の袋にPTFEファインパウダー(ASTM D 4895に準拠し、測定した標準比重:2.175、PFC及びPFOAの濃度は検出限界以下である)を47.5g計量し、ハロゲン化ポリマーとしてPCTFE(ダイキン工業社製PCTFE M−400H)2.5gを添加した。次いで、袋内を窒素ガスで10回置換し、袋内を窒素雰囲気にした後、ヒートシールを用いて、密封した。置換後の密閉袋内の酸素濃度は50ppmであった。
更に、袋内に予め設置しておいた酸素検知紙により、袋内が酸素不在であることを確認した後に、袋内のPTFEファインパウダーに室温にてコバルト−60γ線を200kGy照射し、低分子量PTFE粉末を得た。
得られた低分子量PTFE粉末の各種物性を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
PTFEファインパウダーの量を45gに、PCTFEの量を5gに変更した点以外は実施例1と同様にして、低分子量PTFE粉末を得た。
得られた低分子量PTFE粉末について、実施例1と同様に各種物性を測定した。結果を表1に示す。
PTFEファインパウダーの量を45gに、PCTFEの量を5gに変更した点以外は実施例1と同様にして、低分子量PTFE粉末を得た。
得られた低分子量PTFE粉末について、実施例1と同様に各種物性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
PTFEファインパウダーを50g用い、PCTFEを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、低分子量PTFE粉末を得た。
得られた低分子量PTFE粉末について、実施例1と同様に各種物性を測定した。結果を表1に示す。
PTFEファインパウダーを50g用い、PCTFEを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、低分子量PTFE粉末を得た。
得られた低分子量PTFE粉末について、実施例1と同様に各種物性を測定した。結果を表1に示す。
Claims (6)
- 高分子量ポリテトラフルオロエチレンと、
フッ素原子以外のハロゲン原子を有するハロゲン化ポリマーと、
を酸素不存在下で密閉容器に投入する工程(1)、及び、
前記高分子量ポリテトラフルオロエチレンに放射線を照射して、380℃における溶融粘度が1.0×102〜7.0×105Pa・sである低分子量ポリテトラフルオロエチレンを得る工程(2)
を含むことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法。 - 前記ハロゲン化ポリマーは、塩素原子を有するポリマーである請求項1記載の製造方法。
- 工程(2)において、前記密閉容器内に実質的に酸素が存在しない請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記高分子量ポリテトラフルオロエチレンは、標準比重が2.130〜2.230である請求項1、2又は3記載の製造方法。
- 前記高分子量ポリテトラフルオロエチレン及び前記低分子量ポリテトラフルオロエチレンがいずれも粉末である請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
- 工程(1)の前に、更に、前記ポリテトラフルオロエチレンを、その一次融点以上に加熱することにより成形品を得る工程(3)を含み、前記成形品は、比重が1.0g/cm3以上である請求項1、2、3、4又は5記載の製造方法。
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