JP6853005B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Description
本発明の目的(課題)は、ビスフェノールC等の従来のビスフェノールAとは異なる特定の構造を有する芳香族ジヒドロキシ化合物を用いたポリカーボネート樹脂において、爪での耐傷付き性に優れ、鉛筆硬度試験における低硬度での僅かな傷付きも解消する、耐擦傷性に優れ、さらに流動性や外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品を提供することにある。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物および成形品を提供する。
[3]グラフト共重合体(B)が、少なくともポリエチレン系重合体セグメント50〜95質量%およびビニル系重合体セグメント5〜50質量%からなるグラフト共重合体である上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4]グラフト共重合体(B)が、さらにポリオルガノシロキサンセグメントを、0.5〜30質量%含有する含有するグラフト共重合体である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]グラフト共重合体(B)が、JIS K7121に準拠し示差走査熱量計(DSC)により測定される吸熱ピークを100℃以下に有する上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6]さらに、黒色化剤(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部を含有する上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[7]黒色化剤(C)が、黒色染料及び/又はカーボンブラックである上記[6]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[8]さらに、ガラス繊維(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、10〜100質量部を含有する上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[9]ガラス繊維(D)が、その長径/短径比で示される扁平率が1.5〜8である扁平ガラス繊維を含有する上記[8]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物の成形品。
そして、このような効果を有する本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、特に車輌内装部品、電子電気機器やOA機器、情報端末機器のハウジング部材等に好適に使用できる。
ポリカーボネート樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリカーボネート樹脂である。
また、Xは、アルキレン基又はアルキリデン基であるが、アルキレン基としては炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。その例としては、メチレン、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,6−へキシレン等を挙げることができる。
アルキリデン基としては、炭素数2〜10のアルキリデン基が好ましく、例えばエチリデン、2,2−プロピリデン、2,2−ブチリデン、3,3−ヘキシリデン等を挙げることができる。
Xは、アルキリデン基であるのが好ましく、2,2−プロピリデン基(即ち、イソプロピリデン基)が特に好ましい。
イ)2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造単位を有するもの、即ち、R1がメチル基、R2とR3が水素原子、Xがイソプロピリデン基である構造単位を有するもの、
ロ)2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造単位、即ちR1がメチル基、R2とR3がメチル基、Xがイソプロピリデン基である構造単位を有するもの、
上記のうち、特に上記イ)のポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)がビスフェノールA由来のカーボネート構造単位を共重合成分として含有する場合、そのビスフェノールA由来の成分は50モル%未満であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、中でも10質量%以下、特には5質量%以下であることが好ましい。
[η]=1.23×10−4Mv0.83
これは一般式(2)で表される構造単位以外の他のジヒドロキシ化合物由来の構造単位を有する共重合体であってもよく、その例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル等に由来する単位が好ましく挙げられる。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物はポリエチレン系重合体を主鎖としビニル系重合体セグメントを側鎖とするグラフト共重合体(B)を含有する。このグラフト共重合体(B)は、ポリエチレン系重合体がグラフト共重合体の主鎖となり、ビニル系単量体を重合したセグメントはグラフト共重合体の側鎖となる。
エチレン以外の他のα−オレフィンとしては炭素原子数が通常3〜20、好ましくは3から12のα−オレフィンであり、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が好ましく挙げられる。
ポリエチレン系重合体が共重合体の場合のα−オレフィン単位の量は、通常0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらには0〜10質量%であることが好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が好ましく挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等が好ましく挙げられる。
不飽和ニトリル系単量体としては、アクリロニトリルが好ましく挙げられる。
また、ポリオルガノシロキサンとしては、ビニル基を含有するシロキサンを構成成分として含有するものが好ましい。ビニル基を含有するシロキサンは、よく知られており、ビニル基を含有し、これにオルガノシロキサンがシロキサン結合を介して結合したものである。
また、さらにポリオルガノシロキサンセグメントを含有する場合の含有量は、0.5〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量%であり、さらに好ましくは2〜10質量%である。但し、ポリオルガノシロキサンセグメントを含有する場合には、ポリエチレン系重合体セグメント、ビニル系重合体セグメント及びポリオルガノシロキサンセグメントを合わせて100質量%とする。
なお、グラフト共重合体(B)の吸熱ピークは複数あってもよく、複数ある場合でも100℃以下に吸熱ピークを有することが好ましい。吸熱ピーク温度は好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下であり、その下限は通常60℃以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、黒色化剤(C)を含有することも好ましい。ポリカーボネート樹脂組成物による成形品は、その色バリエーションや高級品感の醸成のため、黒色化剤を配合して黒色に、特にピアノブラックといわれる漆黒色調に調色することがよく行われる。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、グラフト共重合体(B)を含有するが、これに黒色化剤(C)を組み合わせることでピアノブラック性が著しく向上するという特徴を有する。例えば、グラフト共重合体(B)の代わりにポリテトラフルオロエチレンでは透明性が著しく低下し、黒色化剤で調色してもとてもピアノブラックといえるレベルには到達しない。
黒色化剤(C)が、カーボンブラックの場合には、カーボンブラックは、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部を含有することが好ましく、0.05〜2質量部を含有することがより好ましく、0.1〜1質量部を含有することがさらに好ましい。上記下限未満であると漆黒感が得られにくく、上記上限値を超えると加熱時の熱分解による分子量低下や機械特性の低下が生じ難くなるため好ましい。
黒色化剤(C)として、カーボンブラックと黒色染料を併せて用いる場合には、上記した通り、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部含有するように調整する。
アンスラキノン系染料としては、Solvent Red 52、Solvent
Red 111、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 151、Solvent Red 168、Solvent
Red 191、Solvent Red 207、Disperse Red 22、Disperse Red 60、Disperse Violet 31、Solvent Blue 35、Solvent Blue 36、Solvent Blue
63、Solvent Blue 78、Solvent
Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Green 3、Solvent
Green 20、Solvent Green 28、Disperse Violet 28、Solvent Violet 13、Solvent Violet 14、Solvent Violet 36等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
Orange 78、Solvent Orange90、 Solvent Violet 29、Solvent Red 135、Solvent Red162、Solvent Red 179等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
Orange7、F Orange240、F Red305、F Red339、F
Yellow83等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
28、Solvent Black 31、Solvent Orange37、
Solvent Orange 40、 Solvent Orange 45等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、ガラス繊維(D)を含有することも好ましい。ガラス繊維を含有することで本発明のポリカーボネート樹脂組成物の剛性を著しく向上させることができる。
ガラス繊維(D)の平均繊維長は特に限定されないが、例えば0.1〜20mmの範囲で選ぶことが好ましく、0.3〜5mmであることがより好ましい。平均繊維長が0.1mm未満であると、補強効果が十分に発現しない恐れがあり、20mmを超えると、得られるポリカーボネート樹脂組成物の成形が困難になる恐れがある。
ガラス繊維(D)の平均繊維径は特に制限されないが、例えば1〜100μmの範囲で選ぶことが好ましく、より好ましくは2〜50μm、更に好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmである。平均繊維径が1μm未満のガラス繊維は、製造が容易でなく、コスト高になる恐れがあり、一方100μmを超えると、ガラス繊維の引張強度が低下する恐れがある。
また、表面処理剤として、ノボラック型等のエポキシ樹脂、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂等も好ましく挙げられる。中でも、ノボラック型のエポキシ樹脂がより好ましい。
シラン系表面処理剤とエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
ガラス繊維(D)の含有量がこのような範囲にあって、かつポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)をそれぞれ所定の量で含有することで、流動性が向上し、さらに成形品表面へのガラス浮きを低減できるとともに、爪での耐傷付き性や、鉛筆硬度試験における低硬度での僅かな傷付きを大幅に改良するとすることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、安定剤(E)を含有することが好ましい。本発明における安定剤(E)とは、酸化防止剤、熱安定剤が上げられる。本発明においては、酸化防止剤または熱安定剤の単独での使用でも構わないが、酸化防止剤と熱安定剤の両方を併用することが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に適用可能な酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。これらは1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に適用可能な熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、株式会社ADEKA製「アデカスタブ(登録商標、以下同じ)1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業株式会社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASFジャパン株式会社製「イルガフォス(登録商標)168」等が挙げられる。
なお、熱安定剤は、1種のみで含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤を含有することも好ましい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が上記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が上記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外のその他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、上記した樹脂以外の樹脂やエラストマー、上記した以外の各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
溶融混練の温度は特に制限されないが、240〜320℃の範囲であることが好ましく、特に240〜300℃が好ましい。
上記したポリカーボネート樹脂組成物(ペレット)は、各種の成形法で成形して成形品とされる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
中でも、成形は射出成形法により行われることが好ましく、例えば、射出成形機、超高速射出成形機、射出圧縮成形機等の公知の射出成形機を用いて射出成形される。射出成形時における射出成形機のシリンダー温度は、好ましくは240〜320℃であり、より好ましくは、250〜300℃、さらに好ましくは260〜280℃である。また、射出成形時の射出速度は、好ましくは10〜1,000mm/秒であり、より好ましくは10〜500mm/秒である。
車輌内装部品としては、インナードアハンドル、センターパネル、インストルメンタルパネル、コンソールボックス、ラゲッジフロアボード、ドアポケット、カーナビゲーションなどのディスプレイハウジングなどが挙げられる。
以下の実施例及び比較例に使用した各原料成分は、以下の表1のとおりである。
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「BPC」と記す。)26.14モル(6.75kg)と、ジフェニルカーボネート26.79モル(5.74kg)を、撹拌機及び溜出凝縮装置付きのSUS製反応器(内容積10リットル)内に入れ、反応器内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下で220℃まで30分間かけて昇温した。
次いで、反応器内の反応液を撹拌し、溶融状態下の反応液にエステル交換反応触媒として炭酸セシウム(Cs2CO3)を、BPC1モルに対し1.5×10−6モルとなるように加え、窒素ガス雰囲気下、220℃で30分、反応液を撹拌醸成した。次に、同温度下で反応器内の圧力を40分かけて100Torrに減圧し、さらに、100分間反応させ、フェノールを溜出させた。
次に、反応器内を60分かけて温度を284℃まで上げるとともに3Torrまで減圧し、留出理論量のほぼ全量に相当するフェノールを留出させた。次に、同温度下で反応器内の圧力を1Torr未満に保ち、さらに60分間反応を続け重縮合反応を終了させた。このとき、撹拌機の攪拌回転数は38回転/分であり、反応終了直前の反応液温度は289℃、攪拌動力は0.75kWであった。
次に、溶融状態のままの反応液を2軸押出機に送入し、炭酸セシウムに対して4倍モル量のp−トルエンスルホン酸ブチルを2軸押出機の第1供給口から供給し、反応液と混練し、その後、反応液を2軸押出機のダイを通してストランド状に押し出し、カッターで切断してカーボネート樹脂のペレットを得た。
鉛筆硬度:2H
粘度平均分子量(Mv):22,000
BPC26.14モル(6.75kg)と、ジフェニルカーボネート26.79モル(5.74kg)を、撹拌機および溜出凝縮装置付きのSUS製反応器(内容積10リットル)内に入れ、反応器内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下で220℃まで30分間かけて昇温した。
次いで、反応器内の反応液を撹拌し、溶融状態下の反応液にエステル交換反応触媒として炭酸セシウム(Cs2CO3)を、BPC1モルに対し1.5×10−6モルとなるように加え、窒素ガス雰囲気下、220℃で30分、反応液を撹拌醸成した。次に、同温度下で反応器内の圧力を40分かけて100Torrに減圧し、さらに、100分間反応させ、フェノールを溜出させた。
次に、溶融状態のままの反応液を2軸押出機に送入し、炭酸セシウムに対して4倍モル量のp−トルエンスルホン酸ブチルを2軸押出機の第1供給口から供給し、反応液と混練し、その後、反応液を2軸押出機のダイを通してストランド状に押し出し、カッターで切断してポリカーボネート樹脂のペレットを得た。
鉛筆硬度:2H
粘度平均分子量(Mv):26,000
上記表1に記載した各成分を、下記の表2〜表4に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX30α)を用いて、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量25kg/hrにて押出機上流部のバレルより押出機にフィードし、溶融混練してポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。なお、ガラス繊維はサイドフィードにより供給した。
上記の方法で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥した後、JIS K7210付属書Cに記載の方法に準拠し、高架式フローテスターを用いて、280℃の温度、荷重160kgf/cm2の条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:×10−2cm3/sec)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
なお、表中、「Q値」と表記する。
上記と同様にして、平板状試験片(90mm×50mm×2mm厚)を作製した。この平板状試験片について、ISO 15184に準拠し、鉛筆硬度試験機(東洋精機株式会社製)を用いて、750g荷重にて測定した鉛筆硬度を求めた。
上記平板状試験片を用いて、3B〜3Hの各硬度の鉛筆による鉛筆硬度測定を行った際に、僅かな傷付きの発生の有無を目視および顕微鏡(50倍拡大)にて確認し、以下の基準で判定した。
◎:僅かな傷の発生が全く確認されない。
○:目視では僅かな傷が確認できないが、顕微鏡(50倍拡大)では僅かな傷の発生が僅かに確認される。
×:傷の発生が明らかに確認できる。
上記平板状試験片(90mm×50mm×2mm厚)の表面に、マニキュアなし無垢の爪の爪先を立てて擦り、以下の目視判定により、爪による傷付き性の評価を行った。
○:強く擦っても傷の発生が全く確認されない。
△:強く擦ると傷が発生することが確認される。
×:傷が発生していることが明らかに確認できる。
上記平板状試験片(90mm×50mm×2mm厚)の外観を、目視にて観察し、漆黒性の評価を行い、以下の基準で判定した。
○:高い光沢性と深い漆黒性を呈する。
△:光沢性や深い漆黒性が上記に比べやや劣る。やや白っぽい。
×:光沢性や漆黒性が著しく低い。
以上の評価結果を以下の表2〜表4に示す。
Claims (9)
- グラフト共重合体(B)が、ポリエチレン系重合体主鎖にスチレン系重合体セグメントを側鎖とするグラフト共重合体である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- グラフト共重合体(B)が、少なくともポリエチレン系重合体セグメント50〜95質量%およびビニル系重合体セグメント5〜50質量%からなるグラフト共重合体である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- グラフト共重合体(B)が、さらにポリオルガノシロキサンセグメントを、0.5〜30質量%含有するグラフト共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- グラフト共重合体(B)が、JIS K7121に準拠し示差走査熱量計(DSC)により測定される吸熱ピークを100℃以下に有する請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 黒色化剤(C)が、黒色染料及び/又はカーボンブラックである請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、ガラス繊維(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、10〜100質量部を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ガラス繊維(D)が、その長径/短径比で示される扁平率が1.5〜8である扁平ガラス繊維を含有する請求項7に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の成形品。
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