以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の光学装置、画像表示装置及び表示装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の光学装置、画像表示装置及び表示装置)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(実施例1の別の変形)
5.実施例4(実施例3の変形)
6.実施例5(実施例1〜実施例4の変形)
7.実施例6(実施例1〜実施例4の別の変形)
8.実施例7(実施例1〜実施例6の変形)
9.実施例8(実施例1〜実施例7の変形)
10.実施例9(実施例8の変形)
11.実施例10(実施例8〜実施例9の変形)
12.実施例11(実施例8〜実施例10の変形)
13.実施例12(実施例11の変形)
14.実施例13(実施例1〜実施例12の変形)
15.その他
〈本開示の光学装置、画像表示装置及び表示装置、全般に関する説明〉
本開示の光学装置等において、吸湿部材は、第2基板の第1面に配置されている形態とすることができる。そして、この場合、吸湿部材は、第2基板の第1面の全面に貼り合わされている形態とすることができる。
上記の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、吸湿部材は、第1基板の第1面の偏向手段が配された領域以外の領域に配置されている形態とすることができる。即ち、吸湿部材は、偏向手段を取り囲むように、額縁状に配置されている形態とすることができる。吸湿部材と偏向手段との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
あるいは又、本開示の光学装置等において、吸湿部材は、
第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、
第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、
第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、及び、第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、
に配置されている形態とすることができる。吸湿部材と封止部材との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
あるいは又、本開示の光学装置等においては、偏向手段を覆うように、第2基板の第2面の外側に遮光部材が配置されている構成とすることができる。そして、この場合、第2基板への偏向手段の正射影像は、第2基板への遮光部材の正射影像に含まれる構成とすることができるし、これらの場合、第2基板への遮光部材の正射影像内の領域であって、
第2基板の第1面の領域、又は、
第1基板の第1面の偏向手段が配された領域以外の領域、又は、
第2基板の第1面の領域、及び、第1基板の第1面の偏向手段が配された領域以外の領域、
に吸湿部材が配置されている構成とすることができる。吸湿部材と第1偏向手段との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の光学装置等において、偏向手段は、吸水性を有する材料から成る構成とすることができる。具体的には、偏向手段は、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜から構成されていることが好ましい。そして、これらの場合、第2基板に面した偏向手段の面には保護膜が配されている構成とすることができ、更には、吸湿部材と保護膜とは同じ材料から成る構成とすることができ、更には、この場合、吸湿部材の厚さt1は保護膜の厚さt2よりも厚い構成とすることができる。具体的には、
t2≦10μm
t2<t1≦1mm
好ましくは、
1×10-7m≦t1≦3×10-4m
より好ましくは、
1×10-6m≦t1≦1×10-4m
更に好ましくは、
1×10-6m≦t1≦1×10-5m
を満足することが好ましい。保護膜で覆うことによって、偏向手段に損傷が生じることを防止することができる。
あるいは又、本開示の光学装置等において、
偏向手段は、第1偏向手段及び第2偏向手段から構成されており、
第1偏向手段は、第1基板に入射された光が第1基板の内部で全反射されるように、第1基板に入射された光を偏向させ、
第2偏向手段は、第1基板の内部を全反射により伝播した光を第1基板から出射させるために、第1基板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の光学装置等を、便宜上、『本開示の光学装置−A』と呼ぶ。
本開示の光学装置−Aにおいて、第1基板は導光板として機能する。即ち、画像形成装置から入射された光は、第1基板(導光板)内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射される。また、第2偏向手段によって光学装置の虚像形成領域が構成される。尚、「全反射」という用語は、内部全反射、あるいは、第1基板(導光板)内部における全反射を意味する。
本開示の光学装置−Aにおいて、吸湿部材は、第2基板の第1面に配置されている形態とすることができる。そして、この場合、吸湿部材は、第2基板の第1面の全面に貼り合わされている形態とすることができる。
このような形態を含む本開示の光学装置−Aにおいて、吸湿部材は、第1基板の第1面の第1偏向手段及び第2偏向手段が配された領域以外の領域に配置されている形態とすることができる。更には、吸湿部材は、第1偏向手段から第2偏向手段へと光が導光される第1基板の領域(第1基板の導光領域)以外の領域に配置されていることが好ましい。即ち、吸湿部材は、第1偏向手段、第2偏向手段及び第1基板の導光領域を取り囲むように、額縁状に配置されている形態とすることができる。吸湿部材と偏向手段との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
あるいは又、本開示の光学装置−Aにおいて、吸湿部材は、
第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、
第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、
第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、及び、第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、
に配置されている形態とすることができる。吸湿部材と封止部材との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
あるいは又、本開示の光学装置−Aにおいて、第1偏向手段を覆うように、第2基板の第2面の外側に遮光部材が配置されている構成とすることができる。そして、この場合、第2基板への第1偏向手段の正射影像は、第2基板への遮光部材の正射影像に含まれる構成とすることができる。更には、これらの場合、
第2基板への遮光部材の正射影像内の領域であって、
第2基板の第1面の領域、又は、
第1基板の第1面の第1偏向手段が配された領域以外の領域、又は、
第2基板の第1面の領域、及び、第1基板の第1面の第1偏向手段が配された領域以外の領域、
に吸湿部材が配置されている構成とすることができる。吸湿部材と第1偏向手段との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
また、本開示の表示装置において、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域には、光学装置への外光の入射を遮光する遮光部材が配置されている構成とすることができる。画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域に、光学装置への外光の入射を遮光する遮光部材を配置することで、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域には外光が入射しないので、不所望の迷光等が発生し、表示装置における画像表示品質が低下するといったことが無い。尚、遮光部材の光学装置への正射影像内に、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域が含まれる形態とすることが好ましい。
具体的には、遮光部材は、光学装置の画像形成装置が配された側とは反対側に、光学装置と離間して配されている構成とすることができる。このような構成の表示装置あるいは本開示の光学装置−Aにあっては、遮光部材を、例えば、不透明なプラスチック材料から作製すればよい。そして、このような遮光部材は、画像表示装置の筐体から一体に延び、あるいは又、画像表示装置の筐体に取り付けられ、あるいは又、フレームから一体に延び、あるいは又、フレームに取り付けられている形態とすることができる。あるいは又、遮光部材は、光学装置に取り付けられ、あるいは又、画像形成装置が配された側とは反対側の光学装置の部分に取り付けられ、あるいは又、配されている構成とすることができるし、遮光部材は、後述する調光装置に配されている構成とすることもできる。尚、不透明な材料から成る遮光部材を、例えば、光学装置の面上に物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)に基づき形成してもよいし、印刷法等によって形成してもよいし、不透明な材料(プラスチック材料や金属材料、合金材料等)から成るフィルムやシート、箔を貼り合わせてもよい。遮光部材の光学装置への正射影像内に、後述する調光装置の端部の光学装置への正射影像が含まれる構成とすることが好ましい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の光学装置−Aにおいて、第1偏向手段及び第2偏向手段の少なくとも一方は、吸水性を有する材料から成る構成とすることができる。具体的には、例えば、第1偏向手段は、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜から構成されており、第2偏向手段は、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜から構成されていることが好ましい。そして、これらの場合、第2基板に面した第1偏向手段の面及び第2偏向手段の面には保護膜が配されている構成とすることができ、更には、吸湿部材と保護膜とは同じ材料から成る構成とすることができ、更には、この場合、吸湿部材の厚さt1は保護膜の厚さt2よりも厚い構成とすることができる。具体的には、
t2≦10μm
t2<t1≦1mm
好ましくは、
1×10-7m≦t1≦3×10-4m
より好ましくは、
1×10-6m≦t1≦1×10-4m
更に好ましくは、
1×10-6m≦t1≦1×10-5m
を満足することが好ましい。保護膜で覆うことによって、偏向手段に損傷が生じることを防止することができる。
第1偏向手段がホログラム回折格子膜から構成されている場合、第1偏向手段は、第1基板(導光板)に入射された光を回折反射し、第2偏向手段は、第1基板の内部を全反射により伝播した光を、複数回に亙り、回折反射する。ホログラム回折格子膜は、反射型のホログラム回折格子膜から成る構成とすることができるし、あるいは又、透過型のホログラム回折格子膜から成る構成とすることができるし、あるいは又、一方のホログラム回折格子膜は反射型のホログラム回折格子膜から成り、他方のホログラム回折格子膜は透過型のホログラム回折格子膜から成る構成とすることができる。尚、反射型のホログラム回折格子膜として、反射型の体積ホログラム回折格子膜を挙げることができる。反射型の体積ホログラム回折格子膜から成る第1偏向手段を、便宜上、『第1回折格子部材』と呼び、反射型の体積ホログラム回折格子膜から成る第2偏向手段を、便宜上、『第2回折格子部材』と呼ぶ場合がある。
あるいは又、第1偏向手段が第1基板(導光板)に入射された光の全てを反射する場合、第1偏向手段は、例えば、合金を含む金属から構成され、第1基板に入射された光を反射させる光反射膜(一種のミラー)から構成することができる。また、第1偏向手段が第1基板に入射された光の一部を反射する場合、第1偏向手段は、例えば、誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体、ハーフミラー、偏光ビームスプリッター、回折格子(例えば、ホログラム回折格子膜)から構成することができる。一方、第2偏向手段においては、第1基板の内部を全反射により伝播した平行光が複数回に亙り反射又は回折され、第1基板から平行光の状態で出射される。第2偏向手段は、誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体や、ハーフミラー、偏光ビームスプリッター、ホログラム回折格子膜から構成することができる。但し、これらの場合においても、第1偏向手段及び第2偏向手段の少なくとも一方は、吸水性を有する材料から成る。また、場合によっては、第1偏向手段及び第2偏向手段の一方は、第1基板の内部に配設されてもよい。
更には、以上に説明した各種の好ましい構成、形態、本開示の光学装置−Aを含む本開示の光学装置等において、吸湿部材の吸水率は、偏向手段を構成する材料の吸水率よりも高い形態とすることができる。但し、これに限定するものではない。吸水率は、例えば、JIS K 7209:2000「プラスチック−吸水率の求め方」に基づき、測定することができる。あるいは又、吸湿部材は、ポリビニルアルコール(PVA)から成る形態とすることができる。PVAは、残留有機溶剤の揮発が無く、後述するフォトポリマー材料へのダメージが少なく、高い透明度を有する好ましい材料である。あるいは又、吸湿部材は、ナノポーラスシリカ、モレキュラシーブ、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、珪藻土、モンモリロナイト及びベントナイトから構成された群から選択された少なくとも1種類の材料から成る形態とすることができるが、吸湿性がある限り、無機材料、有機材料を問わない。物理的吸湿剤は、例えば、ナノサイズ(通常、0.1nm乃至10nm)の微細な細孔が存在するハニカム構造であり、この細孔が水分子をトラップして吸湿作用を示す。細孔の径は、例えば、鋳型となる界面活性剤の分子構造を変更する等の方法により、適宜、調節することができ、その結果、吸湿性も適宜調節することができる。特に好ましい物理的吸湿剤として、ナノポーラスシリカ、モレキュラシーブ及びゼオライトを挙げることができる。あるいは又、吸湿部材は、光透過率が50%以上の樹脂製フィルムから成る形態とすることができる。樹脂製フィルムを構成する材料として、具体的には、エチレン、ポリプロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン系樹脂(PO)、シクロペンタジエン及びその誘導体、ジシクロペンタジエン及びその誘導体、ノルボルナジエン及びその誘導体等の環状ポリオレフィンといった非晶質ポリオレフィン樹脂(COP)又は共重合体樹脂(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリサルホン樹脂(PS)、ポリエーテルサルホン樹脂(PES)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリビニルブチラート樹脂(PVB)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、エチレン(プロピレン)−四フッ化エチレン共重合体樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(FEP)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)、パーフルオロエチレン−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル−共重合体樹脂(EPA)、四フッ化エチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル−六フッ化プロピレン共重合体樹脂(EPE)、ポリクロロ三フッ化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン−クロロ三フッ化エチレン共重合体樹脂(ECTFE)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)等を挙げることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい構成、形態、本開示の光学装置−Aを含む本開示の光学装置等において、第1基板及び第2基板は、透明基板から成る形態とすることができる。
第1基板(導光板)は、第1基板の軸線(長手方向、水平方向であり、X軸方向に該当する)と平行に延びる2つの平行面(第1面及び第2面)を有している。尚、第1基板の幅方向(高さ方向、垂直方向)はY軸方向に該当する。光が入射する第1基板の面を第1基板入射面、光が出射する第1基板の面を第1基板出射面としたとき、第2面によって第1基板入射面及び第1基板出射面が構成されていてもよいし、第1面によって第1基板入射面が構成され、第2面によって第1基板出射面が構成されていてもよい。ホログラム回折格子膜の干渉縞は、概ねY軸方向と平行に延びる。第1基板や第2基板を構成する材料として、石英ガラスやBK7等の光学ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラスを含むガラスや、プラスチック材料(例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂の積層構造、シクロオレフィンポリマー、非晶性のポリプロピレン系樹脂、AS樹脂を含むスチレン系樹脂)を挙げることができる。第1基板及び第2基板の形状は、平板に限定するものではなく、湾曲した形状を有していてもよい。
更には、以上に説明した各種の好ましい構成、形態、本開示の光学装置−Aを含む本開示の光学装置等において、第2基板の第2面側に調光装置が配されている形態とすることができる。
調光装置は、例えば、
調光装置用第1基板、
調光装置用第1基板と対向する調光装置用第2基板、
調光装置用第2基板と対向する調光装置用第1基板の対向面に設けられた第1透明電極、
調光装置用第1基板と対向する調光装置用第2基板の対向面に設けられた第2透明電極、及び、
第1透明電極と第2透明電極とによって挟まれた調光層、
から成る形態とすることができる。そして、この場合、例えば、
第1透明電極は、第1の方向に延びる複数の帯状の第1透明電極セグメントから構成されており、
第2透明電極は、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる複数の帯状の第2透明電極セグメントから構成されており、
第1透明電極セグメントと第2透明電極セグメントの重複領域(調光装置の遮光率が変化する最小単位領域)に対応する調光装置の部分の遮光率の制御は、第1透明電極セグメント及び第2透明電極セグメントに印加する電圧の制御に基づき行われる形態とすることができる。即ち、遮光率の制御を単純マトリクス方式に基づき行うことができる。第1の方向と第2の方向とは直交している形態を例示することができる。
あるいは又、調光装置の遮光率が変化する最小単位領域の遮光率の制御のために、最小単位領域のそれぞれに薄膜トランジスタ(TFT)を設けてもよい。即ち、遮光率の制御をアクティブマトリクス方式に基づき行ってもよい。あるいは又、第1透明電極及び第2透明電極の少なくとも一方を所謂ベタ電極(パターニングされていない電極)とすることもできる。
第2基板は調光装置用第1基板を兼ねている構成とすることができ、このような構成とすることで、表示装置全体の重量の減少を図ることができ、表示装置の使用者に不快感を感じさせる虞が無い。調光装置用第2基板は調光装置用第1基板よりも薄い構成とすることができる。調光装置を備えた表示装置にあっては、画像形成装置において画像を表示するための信号に基づき、調光装置の実際に調光する領域の大きさ及び位置を決定する。調光装置の大きさは、光学装置と同じ大きさでもよいし、大きくてもよいし、小さくともよい。要は、調光装置の正射影像内に第2偏向手段(虚像形成領域)が位置していればよい。
調光装置の最高光透過率は50%以上であり、調光装置の最低光透過率は30%以下である構成とすることができる。尚、調光装置の最高光透過率の上限値として99%を挙げることができるし、調光装置の最低光透過率の下限値として1%を挙げることができる。ここで、
(光透過率)=1−(遮光率)
の関係にある。
場合によっては、調光装置を通過する光は、調光装置によって所望の色に着色される構成とすることができる。そして、この場合、調光装置によって着色される色は可変である形態とすることができるし、あるいは又、調光装置によって着色される色は固定である形態とすることができる。尚、前者の場合、例えば、赤色に着色される調光装置と、緑色に着色される調光装置と、青色に着色される調光装置とを積層する形態とすればよい。また、後者の場合、調光装置によって着色される色として、限定するものではないが、茶色を例示することができる。
更には、場合によっては、調光装置が着脱自在に配設されている形態とすることができる。調光装置を着脱自在に配設するためには、例えば、透明なプラスチックから作製されたビスを用いて調光装置を例えばフレームに取り付け、あるいは又、フレームに溝を切っておき、この溝に調光装置を係合させ、あるいは又、フレームに磁石を取り付けることで調光装置をフレームに取り付けることができるし、フレームにスライド部を設け、このスライド部に調光装置を嵌め込んでもよい。また、調光装置にコネクタを取り付け、調光装置の遮光率(光透過率)を制御するための制御回路(例えば、画像形成装置を制御するための制御装置に含まれている)にこのコネクタ及び配線を介して調光装置を電気的に接続すればよい。調光装置を湾曲させてもよい。
調光装置を備えた本開示の表示装置において、表示装置の置かれた環境の照度を測定する環境照度測定センサを更に備えており、環境照度測定センサの測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御する形態とすることができる。あるいは又、表示装置の置かれた環境の照度を測定する環境照度測定センサを更に備えており、環境照度測定センサの測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御する形態とすることができる。これらの形態を組み合わせてもよい。
あるいは又、調光装置を備えた本開示の表示装置において、外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する透過光照度測定センサを更に備えており、透過光照度測定センサの測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御する形態とすることができる。あるいは又、外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する透過光照度測定センサを更に備えており、透過光照度測定センサの測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御する形態とすることができる。尚、透過光照度測定センサは、光学装置よりも観察者側に配置されている形態とすることが望ましい。透過光照度測定センサを、少なくとも2つ、配置し、高遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定、低遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定を行ってもよい。これらの形態を組み合わせてもよい。更には、これらの形態と、上記の環境照度測定センサの測定結果に基づき制御を行う形態とを組み合わせてもよい。
環境照度測定センサ、透過光照度測定センサは、周知の照度センサから構成すればよいし、環境照度測定センサ、透過光照度測定センサの制御は周知の制御回路に基づき行えばよい。
光学装置は半透過型(シースルー型)である。具体的には、少なくとも観察者の眼球(瞳)に対向する光学装置の部分を半透過(シースルー)とし、光学装置のこの部分(及び、調光装置が配されている場合には、更に、調光装置)を通して外景を眺めることができる。本開示の表示装置は、画像表示装置を1つ備えていてもよいし(片眼型)、2つ備えていてもよい(両眼型)。調光装置が配されている場合、両眼型にあっては、画像を表示するための信号に基づき、両方の画像表示装置において調光装置の一部の領域の光透過率を変化させてもよいし、一方の画像表示装置において調光装置の一部の領域の光透過率を変化させてもよい。
本明細書において、「半透過」という用語を用いる場合があるが、入射する光の1/2(50%)を透過し、あるいは反射することを意味するのではなく、入射する光の一部を透過し、残部を反射するといった意味で用いている。
第1基板の第1面と第2基板の第1面とは、外縁部において封止部材によって封止され、接着されている。シール剤とも呼ばれる封止部材として、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の各種樹脂を用いることができる。
本開示における画像表示装置によって、単色(例えば、緑色)の画像表示を行うことができる。そして、この場合、例えば、画角を例えば二分割(より具体的には、例えば二等分割)して、第1偏向手段は、二分割された画角群のそれぞれに対応する2枚のホログラム回折格子膜が積層されて成る構成とすることができる。あるいは又、第1基板の第1面及び第2面のそれぞれに第1偏向手段を配してもよい。また、カラーの画像表示を行う場合、第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材を、異なるP種類(例えば、P=3であり、赤色、緑色、青色の3種類)の波長帯域(あるいは、波長)を有するP種類の光の回折反射に対応させるために、P層の反射型の体積ホログラム回折格子膜が積層されて成る構成とすることができる。各ホログラム回折格子膜には1種類の波長帯域(あるいは、波長)に対応する干渉縞が形成されている。あるいは又、異なるP種類の波長帯域(あるいは、波長)を有するP種類の光の回折反射に対応するために、1枚のホログラム回折格子膜にP種類の干渉縞が形成されている構成とすることもできる。あるいは又、例えば、第1導光板に、赤色の波長帯域(あるいは、波長)を有する光を回折反射させる反射型の体積ホログラム回折格子膜を配し、第2導光板に、緑色の波長帯域(あるいは、波長)を有する光を回折反射させる反射型の体積ホログラム回折格子膜を配し、第3導光板に、青色の波長帯域(あるいは、波長)を有する光を回折反射させる反射型の体積ホログラム回折格子膜を配し、これらの第1導光板、第2導光板及び第3導光板を隙間を開けて積層する構造を採用してもよい。第1導光板又は第3導光板が第1基板に相当する。あるいは又、画角を例えば三等分して、第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材を、各画角に対応するホログラム回折格子膜が積層されて成る構成とすることができる。そして、これらの構成を採用することで、各波長帯域(あるいは、波長)を有する光が第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材において回折反射されるときの回折効率の増加、回折受容角の増加、回折角の最適化を図ることができる。
回折格子部材を構成する材料として、フォトポリマー材料を挙げることができる。反射型の体積ホログラム回折格子膜から成る第1回折格子部材及び第2回折格子部材の構成材料や基本的な構造は、従来の反射型の体積ホログラム回折格子膜の構成材料や構造と同じとすればよい。反射型の体積ホログラム回折格子膜とは、+1次の回折光のみを回折反射するホログラム回折格子膜を意味する。回折格子部材には、その内部から表面に亙り干渉縞が形成されているが、係る干渉縞それ自体の形成方法は、従来の形成方法と同じとすればよい。具体的には、例えば、回折格子部材を構成する部材(例えば、フォトポリマー材料)に対して一方の側の第1の所定の方向から物体光を照射し、同時に、回折格子部材を構成する部材に対して他方の側の第2の所定の方向から参照光を照射し、物体光と参照光とによって形成される干渉縞を回折格子部材を構成する部材の内部に記録すればよい。第1の所定の方向、第2の所定の方向、物体光及び参照光の波長を適切に選択することで、回折格子部材の表面における干渉縞の所望のピッチ、干渉縞の所望の傾斜角(スラント角)を得ることができる。干渉縞の傾斜角とは、回折格子部材の表面と干渉縞の成す角度を意味する。第1回折格子部材及び第2回折格子部材を、P層の反射型の体積ホログラム回折格子膜の積層構造から構成する場合、このようなホログラム回折格子膜の積層は、P層のホログラム回折格子膜をそれぞれ別個に作製した後、P層のホログラム回折格子膜を、例えば、紫外線硬化型接着剤を使用して積層(接着)すればよい。また、粘着性を有するフォトポリマー材料を用いて1層のホログラム回折格子膜を作製した後、その上に順次粘着性を有するフォトポリマー材料を貼り付けてホログラム回折格子膜を作製することで、P層のホログラム回折格子膜を作製してもよい。作製されたホログラム回折格子膜に、必要に応じてエネルギー線を照射することで、ホログラム回折格子膜の物体光及び参照光の照射時に重合せずに残ったフォトポリマー材料中のモノマーを重合させて、定着させる。また、必要に応じて、熱処理を行い、安定化させる。
以上に説明した各種好ましい形態、構成を含む本開示における画像表示装置において、画像形成装置は、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する形態とすることができる。尚、このような画像形成装置の構成を、便宜上、『第1構成の画像形成装置』と呼ぶ。
第1構成の画像形成装置として、例えば、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;透過型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;有機EL(Electro Luminescence)、無機EL、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ素子等の発光素子から構成された画像形成装置を挙げることができるが、中でも、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置とすることが好ましい。空間光変調装置として、ライト・バルブ、例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の透過型あるいは反射型の液晶表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を挙げることができ、光源として発光素子を挙げることができる。更には、反射型空間光変調装置は、液晶表示装置、及び、光源からの光の一部を反射して液晶表示装置へと導き、且つ、液晶表示装置によって反射された光の一部を通過させて光学系へと導く偏光ビームスプリッターから成る構成とすることができる。光源を構成する発光素子として、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができるし、あるいは又、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子から出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得てもよい。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。画素の数は、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、854×480、1024×768、1920×1080等を例示することができる。
あるいは又、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示における画像表示装置において、画像形成装置は、光源、及び、光源から出射された平行光を走査する走査手段を備えた形態とすることができる。尚、このような画像形成装置の構成を、便宜上、『第2構成の画像形成装置』と呼ぶ。
第2構成の画像形成装置における光源として発光素子を挙げることができ、具体的には、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができるし、あるいは又、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子から出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得てもよい。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。第2構成の画像形成装置における画素(仮想の画素)の数も、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素(仮想の画素)の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、854×480、1024×768、1920×1080等を例示することができる。また、カラーの画像表示を行う場合であって、光源を赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子から構成する場合、例えば、クロスプリズムを用いて色合成を行うことが好ましい。走査手段として、光源から出射された光を水平走査及び垂直走査する、例えば、二次元方向に回転可能なマイクロミラーを有するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)やガルバノ・ミラーを挙げることができる。
第1構成の画像形成装置あるいは第2構成の画像形成装置において、光学系(出射光を平行光とする光学系であり、『平行光出射光学系』と呼ぶ場合があり、具体的には、例えば、コリメート光学系やリレー光学系)にて複数の平行光とされた光を第1基板(導光板)に入射させるが、このような、平行光であることの要請は、これらの光が第1基板へ入射したときの光波面情報が、第1偏向手段と第2偏向手段を介して第1基板から出射された後も保存される必要があることに基づく。尚、複数の平行光を生成させるためには、具体的には、例えば、平行光出射光学系における焦点距離の所(位置)に、例えば、画像形成装置の光出射部を位置させればよい。平行光出射光学系は、画素の位置情報を光学装置の光学系における角度情報に変換する機能を有する。平行光出射光学系として、凸レンズ、凹レンズ、自由曲面プリズム、ホログラムレンズを、単独、若しくは、組み合わせた、全体として正の光学的パワーを持つ光学系を例示することができる。平行光出射光学系と第1基板との間には、平行光出射光学系から不所望の光が出射されて第1基板に入射しないように、開口部を有する遮光部を配置してもよい。
以上に説明した各種好ましい形態、構成を含む本開示の表示装置において、フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部を備えている。尚、各テンプル部の先端部にはモダン部が取り付けられている。フロント部はリムを有していてもよい。画像表示装置はフレームに取り付けられているが、具体的には、例えば、画像形成装置をテンプル部に取り付ければよい。また、フロント部と2つのテンプル部とが一体となった構成とすることもできる。即ち、本開示の表示装置の全体を眺めたとき、フレームは、概ね通常の眼鏡と略同じ構造を有する。パッド部を含むフレームを構成する材料は、金属や合金、プラスチック、これらの組合せといった、通常の眼鏡を構成する材料と同じ材料から構成することができる。更には、フロント部にノーズパッドが取り付けられている構成とすることができる。即ち、本開示の表示装置の全体を眺めたとき、フレーム(リムを含む場合がある)及びノーズパッドの組立体は、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。ノーズパッドも周知の構成、構造とすることができる。
調光装置が備えられている場合、調光装置はフロント部に配設されている形態とすることができる。また、光学装置は調光装置に取り付けられている形態とすることができる。尚、光学装置は、密着した状態で調光装置に取り付けられていてもよいし、隙間を開けた状態で調光装置に取り付けられていてもよい。また、調光装置はリムに嵌め込まれている形態とすることができる。あるいは又、調光装置用第1基板及び調光装置用第2基板の少なくとも一方を、例えば、フレームに取り付けてもよい。但し、これらに限定するものではない。観察者側から、光学装置、調光装置の順に配してもよいし、調光装置、光学装置の順に配してもよい。
本開示の表示装置にあっては、デザイン上、あるいは、装着の容易性といった観点から、1つあるいは2つの画像形成装置からの配線(信号線や電源線等)が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部から外部に延び、制御装置(制御回路あるいは制御手段)に接続されている形態とすることが望ましい。更には、各画像形成装置はヘッドホン部を備えており、各画像形成装置からのヘッドホン部用配線が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部からヘッドホン部へと延びている形態とすることもできる。ヘッドホン部として、例えば、インナーイヤー型のヘッドホン部、カナル型のヘッドホン部を挙げることができる。ヘッドホン部用配線は、より具体的には、モダン部の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部へと延びている形態とすることが好ましい。また、フロント部の中央部分や端部、テンプル部に撮像装置が取り付けられている形態とすることもできる。撮像装置は、具体的には、例えば、CCDあるいはCMOSセンサーから成る固体撮像素子とレンズから構成されている。撮像装置からの配線は、例えば、フロント部を介して、一方の画像表示装置(あるいは画像形成装置)に接続すればよく、更には、画像表示装置(あるいは画像形成装置)から延びる配線に含ませればよい。
あるいは又、本開示の表示装置を両眼型とする場合、
第1基板(導光板)は、全体として画像形成装置よりも観察者の顔の中心側に配置されており、
2つの画像表示装置を結合する結合部材を更に有し、
結合部材は、観察者の2つの瞳の間に位置するフレームの中央部分の観察者に面する側に取り付けられており、
結合部材の射影像は、フレームの射影像内に含まれる構成とすることができる。
このように、結合部材が、観察者の2つの瞳の間に位置するフレームの中央部分に取り付けられている構造とすることによって、即ち、画像表示装置は、フレームに、直接、取り付けられた構造とはなっていなければ、観察者がフレームを頭部に装着したとき、テンプル部が外側に向かって広がった状態となり、その結果、フレームが変形したとしても、係るフレームの変形によって、画像形成装置あるいは第1基板の変位(位置変化)が生じることがないか、生じたとしても、極僅かである。それ故、左右の画像の輻輳角が変化してしまうことを確実に防止することができる。しかも、フレームのフロント部の剛性を高める必要がないので、フレームの重量増加、デザイン性の低下、コストの増加を招くことがない。また、画像表示装置は、フレームに、直接、取り付けられていないので、観察者の嗜好によってフレームのデザインや色等を自由に選択することが可能であるし、フレームのデザインが受ける制約も少なく、デザイン上の自由度が高い。加えて、結合部材は、観察者とフレームとの間に配置されており、しかも、結合部材の射影像は、フレームの射影像内に含まれる。云い換えれば、観察者の正面から頭部装着型ディスプレイを眺めたとき、結合部材はフレームによって隠されている。従って、高いデザイン性、意匠性を頭部装着型ディスプレイに与えることができる。
尚、結合部材は、観察者の2つの瞳の間に位置するフロント部の中央部分(通常の眼鏡におけるブリッジの部分に相当する)の観察者に面する側に取り付けられている構成とすることが好ましい。
結合部材によって2つの画像表示装置が結合されているが、具体的には、結合部材の各端部に、画像形成装置が、取付け状態調整可能に取り付けられている形態とすることができる。そして、この場合、各画像形成装置は、観察者の瞳よりも外側に位置している構成とすることが好ましい。更には、このような構成にあっては、一方の画像形成装置の取付部中心とフレームの一端部(一方の智、ヨロイ)との間の距離をα、結合部材の中心からフレームの一端部(一方の智)までの距離をβ、他方の画像形成装置の取付部中心とフレームの一端部(一方の智)との間の距離をγ、フレームの長さをLとしたとき、0.01×L≦α≦0.30×L、好ましくは、0.05×L≦α≦0.25×L、0.35×L≦β≦0.65×L、好ましくは、0.45×L≦β≦0.55×L、0.70×L≦γ≦0.99×L、好ましくは、0.75×L≦γ≦0.95×Lを満足することが望ましい。結合部材の各端部への画像形成装置の取付けは、具体的には、例えば、結合部材の各端部の3箇所に貫通孔を設け、貫通孔に対応した螺合部を画像形成装置に設け、各貫通孔にビスを通し、画像形成装置に設けられた螺合部に螺合させる。ビスと螺合部との間にはバネを挿入しておく。こうして、ビスの締め付け状態によって、画像形成装置の取付け状態(結合部材に対する画像形成装置の傾き)を調整することができる。
ここで、画像形成装置の取付部中心とは、画像形成装置が結合部材に取り付けられている状態において、画像形成装置及びフレームを仮想平面に射影したときに得られる画像形成装置の射影像が、フレームの射影像の重なっている部分のフレームの軸線方向に沿った二等分点を指す。また、結合部材の中心とは、結合部材がフレームに取り付けられている状態において、結合部材がフレームに接している部分のフレームの軸線方向に沿った二等分点を指す。フレームの長さとは、フレームが湾曲している場合、フレームの射影像の長さである。尚、射影方向は、観察者の顔に対して垂直な方向とする。
あるいは又、結合部材によって2つの画像表示装置が結合されているが、具体的には、結合部材が、2つの第1基板を結合している形態とすることもできる。尚、2つの第1基板が一体的に作製されている場合があり、このような場合、係る一体的に作製された第1基板に結合部材が取り付けられているが、係る形態も、結合部材が2つの第1基板を結合している形態に包含される。一方の画像形成装置の中心とフレームの一端部との間の距離をα’他方の画像形成装置の中心とフレームの一端部との間の距離をγ’としたとき、α’,γ’の値も上述したα,γの値と同様とすることが望ましい。尚、画像形成装置の中心とは、画像形成装置が第1基板に取り付けられている状態において、画像形成装置及びフレームを仮想平面に射影したときに得られる画像形成装置の射影像が、フレームの射影像の重なっている部分のフレームの軸線方向に沿った二等分点を指す。
結合部材の形状は、結合部材の射影像がフレームの射影像内に含まれる限りにおいて、本質的に任意であり、例えば、棒状、細長い板状を例示することができる。結合部材を構成する材料も、金属や合金、プラスチック、これらの組合せを挙げることができる。
本開示の表示装置にあっては、画像表示装置において画像を表示するための信号(光学装置において虚像を形成するための信号)を外部から受け取る形態とすることができる。このような形態にあっては、画像表示装置において表示する画像に関する情報やデータは、例えば、所謂クラウドコンピュータやサーバーに記録、保管、保存されており、表示装置が通信手段、例えば、携帯電話機やスマートフォンを備えることによって、あるいは又、表示装置と通信手段とを組み合わせることによって、クラウドコンピュータやサーバーと表示装置との間での各種情報やデータの授受、交換を行うことができるし、各種情報やデータに基づく信号、即ち、画像表示装置において画像を表示するための信号(光学装置において虚像を形成するための信号)を受け取ることができる。あるいは又、画像表示装置において画像を表示するための信号(光学装置において虚像を形成するための信号)は表示装置に記憶されている形態とすることができる。尚、画像表示装置において表示される画像には、各種情報や各種データが含まれる。あるいは又、表示装置は撮像装置を備えており、撮像装置によって撮像された画像を通信手段を介してクラウドコンピュータやサーバーに送出し、クラウドコンピュータやサーバーにおいて撮像装置によって撮像された画像に該当する各種情報やデータを検索し、検索された各種情報やデータを通信手段を介して表示装置に送出し、検索された各種情報やデータを画像表示装置において画像を表示してもよい。
撮像装置によって撮像された画像を通信手段を介してクラウドコンピュータやサーバーに送出する際、撮像装置によって撮像される画像を画像表示装置において表示し、光学装置において確認してもよい。具体的には、撮像装置によって撮像される空間領域の外縁を調光装置において枠状に表示する形態とすることができる。あるいは又、撮像装置によって撮像される空間領域に対応する調光装置の領域の遮光率を、撮像装置によって撮像される空間領域の外側に対応する調光装置の領域の遮光率よりも高くする形態とすることができる。このような形態にあっては、観察者には、撮像装置によって撮像される空間領域は、撮像装置によって撮像される空間領域の外側よりも暗く見える。あるいは又、撮像装置によって撮像される空間領域に対応する調光装置の領域の遮光率を、撮像装置によって撮像される空間領域の外側に対応する調光装置の領域の遮光率よりも低くする形態とすることもできる。このような形態にあっては、観察者には、撮像装置によって撮像される空間領域は、撮像装置によって撮像される空間領域の外側よりも明るく見える。そして、これによって、撮像装置が外部のどこを撮像するかを観察者は、容易に、且つ、確実に認識することができる。
撮像装置によって撮像される空間領域に対応する調光装置の領域の位置を校正することが好ましい。具体的には、表示装置が、例えば、携帯電話機やスマートフォンを備えることによって、あるいは又、表示装置と携帯電話機やスマートフォン、パーソナルコンピュータとを組み合わせることによって、携帯電話機やスマートフォン、パーソナルコンピュータにおいて、撮像装置によって撮像された空間領域を表示することができる。そして、携帯電話機やスマートフォン、パーソナルコンピュータにおいて表示された空間領域と、撮像装置によって撮像される空間領域に対応する調光装置の領域との間に差異が存在する場合、調光装置の遮光率(光透過率)を制御するための制御回路(携帯電話機やスマートフォン、パーソナルコンピュータによって代用することもできる)を用いて、撮像装置によって撮像される空間領域に対応する調光装置の領域を移動・回転させ、あるいは、拡大/縮小することで、携帯電話機やスマートフォン、パーソナルコンピュータにおいて表示された空間領域と、撮像装置によって撮像される空間領域に対応する調光装置の領域との間の差異を無くせばよい。
以上に説明した種々の変形例を含む本開示の表示装置は、例えば、電子メールの受信・表示、インターネット上の種々のサイトにおける各種情報等の表示、各種装置等の観察対象物の運転、操作、保守、分解時等における各種説明や、記号、符号、印、標章、図案等の表示;人物や物品等の観察対象物に関する各種説明や、記号、符号、印、標章、図案等の表示;動画や静止画の表示;映画等の字幕の表示;映像に同期した映像に関する説明文やクローズド・キャプションの表示;芝居や歌舞伎、能、狂言、オペラ、音楽会、バレー、各種演劇、遊園地(アミューズメントパーク)、美術館、観光地、行楽地、観光案内等における観察対象物に関する各種説明、その内容や進行状況、背景等を説明するための説明文等の表示に用いることができるし、クローズド・キャプションの表示に用いることができる。芝居や歌舞伎、能、狂言、オペラ、音楽会、バレー、各種演劇、遊園地(アミューズメントパーク)、美術館、観光地、行楽地、観光案内等にあっては、適切なタイミングで観察対象物に関連した画像としての文字を表示装置において表示すればよい。具体的には、例えば、映画等の進行状況に応じて、あるいは又、芝居等の進行状況に応じて、所定のスケジュール、時間配分に基づき、作業者の操作によって、あるいは、コンピュータ等の制御下、画像制御信号が表示装置に送出され、画像が表示装置にて表示される。また、各種装置、人物や物品等の観察対象物に関する各種説明の表示を行うが、撮像装置によって各種装置、人物や物品等の観察対象物を撮影(撮像)し、表示装置において撮影(撮像)内容を解析することで、予め作成しておいた各種装置、人物や物品等の観察対象物に関する各種説明の表示を表示装置にて行うことができる。
画像形成装置への画像信号には、画像信号(例えば、文字データ)だけでなく、例えば、表示すべき画像に関する輝度データ(輝度情報)、又は、色度データ(色度情報)、又は、輝度データ及び色度データを含めることができる。輝度データは、光学装置を通して眺めた観察対象物を含む所定の領域の輝度に対応した輝度データとすることができるし、色度データは、光学装置を通して眺めた観察対象物を含む所定の領域の色度に対応した色度データとすることができる。このように、画像に関する輝度データを含めることで、表示される画像の輝度(明るさ)の制御を行うことができるし、画像に関する色度データを含めることで、表示される画像の色度(色)の制御を行うことができるし、画像に関する輝度データ及び色度データを含めることで、表示される画像の輝度(明るさ)及び色度(色)の制御を行うことができる。画像表示装置を通して眺めた観察対象物を含む所定の領域の輝度に対応した輝度データとする場合、画像表示装置を通して眺めた観察対象物を含む所定の領域の輝度の値が高くなるほど、画像の輝度の値が高くなるように(即ち、画像がより明るく表示されるように)、輝度データの値を設定すればよい。また、画像表示装置を通して眺めた観察対象物を含む所定の領域の色度に対応した色度データとする場合、画像表示装置を通して眺めた観察対象物を含む所定の領域の色度と、表示すべき画像の色度とが、おおよそ補色関係となるように色度データの値を設定すればよい。補色とは、色相環(color circle)で正反対に位置する関係の色の組み合わせ指す。赤色に対しての緑色、黄色に対しての紫色、青色に対しての橙色など、相補的な色のことでもある。或る色に別の色を適宜の割合で混合して、光の場合は白、物体の場合は黒というように、彩度低下を引き起こす色についても云うが、並列した際の視覚的効果の相補性と混合した際の相補性は異なる。余色、対照色、反対色ともいう。但し、反対色は補色が相対する色を直接に指示するのに対し、補色の指示する範囲はやや広い。補色同士の色の組み合わせは互いの色を引き立て合う相乗効果があり、これは補色調和といわれる。
本開示の表示装置によって、例えば、頭部装着型ディスプレイ(HMD,Head Mounted Display)を構成することができる。そして、これによって、表示装置の軽量化、小型化を図ることができるし、表示装置装着時の不快感を大幅に軽減させることが可能となり、更には、製造コストダウンを図ることも可能となる。あるいは又、車両や航空機のコックピット等に備えられるヘッドアップディスプレイ(HUD)に本開示の表示装置を適用することができる。具体的には、画像形成装置から出射された光に基づき虚像が形成される虚像形成領域が車両や航空機のコックピット等のフロントガラスに配されたHUDにおいて、あるいは又、画像形成装置から出射された光に基づき虚像が形成される虚像形成領域を有するコンバイナが車両や航空機のコックピット等のフロントガラスに配されたHUDにおいて、調光装置を備えている場合、係る虚像形成領域やコンバイナを調光装置の少なくとも一部分と重ならせればよい。あるいは又、本開示の表示装置は、立体視ディスプレイ装置として用いることもできる。この場合、必要に応じて、光学装置に偏光板や偏光フィルムを着脱自在に取り付け、あるいは、光学装置に偏光板や偏光フィルムを貼り合わせればよい。
実施例1は、本開示の光学装置、具体的には、本開示の光学装置−Aに関し、更には、本開示の画像表示装置及び本開示の表示装置に関する。実施例1の画像表示装置の概念図を図1に示し、実施例1の表示装置(具体的には、頭部装着型ディスプレイ,HMD)を上方から眺めた模式図を図5に示し、側方から眺めた模式図を図6Aに示し、画像表示装置を構成する第1基板(導光板)における光の伝播状態を図6Bに模式的に示す。更には、実施例1の表示装置における反射型の体積ホログラム回折格子膜の一部を拡大して示す模式的な断面図を図7に示す。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の表示装置は、より具体的には、頭部装着型ディスプレイ(HMD)であり、
(イ)観察者20の頭部に装着されるフレーム10(例えば、眼鏡型のフレーム10)、及び、
(ロ)フレーム10に取り付けられた画像表示装置100,200,300,400,500、
を備えている。尚、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の表示装置を、具体的には、2つの画像表示装置を備えた両眼型としたが、1つ備えた片眼型としてもよい。画像形成装置111,211は、例えば、単色(例えば、緑色)の画像(虚像)を表示する。そして、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13における画像表示装置100,200,300,400,500は、
(A)画像形成装置111,211、及び、
(B)画像形成装置111,211から出射された光が入射され、出射される光学装置120,320,520,530、
を備えている。更には、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の表示装置にあっては、
(C)画像形成装置111,211から出射された光を平行光とする光学系(平行光出射光学系)112,254、
を備えており、光学系112,254にて平行光とされた光束が光学装置120,320,520,530に入射され、出射される。
尚、画像表示装置100,200,300,400,500は、フレーム10に、固定して取り付けられていてもよいし、着脱自在に取り付けられていてもよい。ここで、光学系112,254は、画像形成装置111,211と光学装置120,320,520,530との間に配置されている。そして、光学系112,254にて平行光とされた光束が、光学装置120,320,520,530に入射され、出射される。また、光学装置120,320,520,530は半透過型(シースルー型)である。具体的には、少なくとも観察者20の両眼に対向する光学装置の部分(より具体的には、第1基板121,321、第2基板122,322、及び、後述する第2偏向手段142,342)は、半透過(シースルー)である。
そして、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の光学装置120,320は、
第1面121A,321A、及び、第1面121A,321Aと対向した第2面121B,321Bを有する第1基板121,321、
第1面122A,322A、及び、第1面122A,322Aと対向した第2面122B,322Bを有し、第1面122A,322Aが第1基板121,321の第1面121A,321Aと対向して配設された第2基板122,322、
第1基板121,321の第1面に配された偏向手段141,142,341,342、
第1基板121,321の第1面121A,321Aの外縁部と第2基板122,322の第1面122A,322Aの外縁部を封止する封止部材124、並びに、
第1基板121,321と第2基板122,322と封止部材124とによって囲まれた空間内に配置された吸湿部材130、
を備えている。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の光学装置において、第1基板121,321は導光板として機能する。即ち、画像形成装置111,211から入射された光は、第1基板121,321(導光板)の内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射される。光学ガラスやプラスチック材料から成る第1基板121,321は、第1基板121,321の内部全反射による光伝播方向(X軸)と平行に延びる2つの平行面(第1面121A,321A及び第2面121B,321B)を有している。第1面121A,321Aと第2面121B,321Bとは対向している。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例4の光学装置において、
偏向手段は、第1偏向手段141,341及び第2偏向手段142,342から構成されており、
第1偏向手段141,341は、第1基板121,321に入射された光が第1基板121,321の内部で全反射されるように、第1基板121,321に入射された光を偏向させ、
第2偏向手段142、342は、第1基板121、321の内部を全反射により伝播した光を第1基板121、321から出射させるために、第1基板121、321の内部を全反射により伝播した光を偏向させる。即ち、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例4の光学装置は、本開示の光学装置−Aである。そして、第2偏向手段142,342によって光学装置120,320の虚像形成領域が構成される。
即ち、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例4の表示装置は、
(B−1)画像形成装置111,211から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者20に向けて出射される第1基板(導光板)121,321、
(B−2)第1基板(導光板)121,321に入射された光が第1基板121,321の内部で全反射されるように、第1基板121,321に入射された光を偏向させる第1偏向手段141,341、及び、
(B−3)第1基板(導光板)121,321の内部を全反射により伝播した光を第1基板121,321から出射させるために、第1基板121,321の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる第2偏向手段142,342、
から成る光学装置120,320を備えており、
第2偏向手段142,342によって光学装置の虚像形成領域が構成される。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例4において、画像形成装置111,211の中心から出射され、光学系112,254の画像形成装置側節点を通過した光線(中心光線CL)の内、光学装置120,320に垂直に入射する中心入射光線が光学装置120,320に入射する点を光学装置中心点Oとし、光学装置中心点Oを通過し、光学装置120,320の軸線方向と平行な軸線をX軸、光学装置中心点Oを通過し、光学装置120,320の法線と一致する軸線をZ軸とする。尚、第1偏向手段141,341の中心点が、光学装置中心点Oである。即ち、図6Bに示すように、画像表示装置100,200,300,400において、画像形成装置111,211の中心から出射され、光学系112,254の画像形成装置側節点を通過した中心入射光線CLは、第1基板121,321に垂直に衝突する。云い換えれば、中心入射光線CLは、第1基板121,321へ、入射角0度で入射する。そして、この場合、表示される画像(虚像)の中心は、第1基板121,321の第1面121A,321Aの垂線方向に一致する。
実施例1において、第1偏向手段141及び第2偏向手段142は、第1基板121の第1面121Aに配設されている(貼り合わされている)。そして、第1偏向手段141は、第2面121Bから第1基板121に入射された平行光が第1基板121の内部で全反射されるように、回折反射する。第2偏向手段142は、第1基板121の内部を全反射により伝播した光を、複数回に亙り、回折反射し、第1基板121から平行光のまま第2面121Bから出射する。ここで、第1偏向手段141及び第2偏向手段142の少なくとも一方は、具体的には、実施例1にあっては、第1偏向手段141及び第2偏向手段142のそれぞれは、吸水性を有する材料(フォトポリマー材料)から成る。即ち、第1偏向手段141及び第2偏向手段142のそれぞれは、具体的には、樹脂材料から作製された1枚のホログラム回折格子膜、より具体的には、1枚の反射型の体積ホログラム回折格子膜から成る。以下の説明において、反射型の体積ホログラム回折格子膜から成る第1偏向手段141を、便宜上、『第1回折格子部材141』と呼び、反射型の体積ホログラム回折格子膜から成る第2偏向手段142を、便宜上、『第2回折格子部材142』と呼ぶ。尚、フォトポリマー材料から成る各反射型の体積ホログラム回折格子膜には、1種類の波長帯域(あるいは、波長)に対応する干渉縞が形成されており、従来の方法で作製されている。反射型の体積ホログラム回折格子膜に形成された干渉縞のピッチは一定であり、干渉縞は直線状であり、Y軸に平行である。尚、第1回折格子部材141及び第2回折格子部材142の軸線はX軸と平行であり、法線はZ軸と平行である。
図7に反射型の体積ホログラム回折格子膜の拡大した模式的な一部断面図を示す。反射型の体積ホログラム回折格子膜には、傾斜角(スラント角)φを有する干渉縞が形成されている。ここで、傾斜角φとは、反射型の体積ホログラム回折格子膜の表面と干渉縞の成す角度を指す。干渉縞は、反射型の体積ホログラム回折格子膜の内部から表面に亙り、形成されている。干渉縞は、ブラッグ条件を満たしている。ここで、ブラッグ条件とは、以下の式(A)を満足する条件を指す。式(A)中、mは正の整数、λは波長、dは格子面のピッチ(干渉縞を含む仮想平面の法線方向の間隔)、Θは干渉縞へ入射する角度の余角を意味する。また、入射角ψにて回折格子部材に光が侵入した場合の、Θ、傾斜角φ、入射角ψの関係は、式(B)のとおりである。
m・λ=2・d・sin(Θ) (A)
Θ=90°−(φ+ψ) (B)
第1基板121にあっては、平行光が内部を全反射により伝播した後、出射される。このとき、第1基板121が薄く第1基板121の内部を進行する光路が長いため、各画角によって第2回折格子部材142に至るまでの全反射回数は異なっている。より詳細に述べれば、第1基板121に入射する平行光のうち、第2回折格子部材142に近づく方向の角度をもって入射する平行光の反射回数は、第2回折格子部材142から離れる方向の角度をもって第1基板121に入射する平行光の反射回数よりも少ない。これは、第1回折格子部材141において回折反射される平行光であって、第2回折格子部材142に近づく方向の角度をもって第1基板121に入射する平行光の方が、これと逆方向の角度をもって第1基板121に入射する平行光よりも、第1基板121の内部を伝播していく光が第1基板121の内面と衝突するときの第1基板121の法線と成す角度が小さくなるからである。また、第2回折格子部材142の内部に形成された干渉縞の形状と、第1回折格子部材141の内部に形成された干渉縞の形状とは、第1基板121の軸線に垂直な仮想平面に対して対称な関係にある。
実施例1あるいは後述する実施例3において、画像形成装置111は、第1構成の画像形成装置であり、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する。具体的には、画像形成装置111は、反射型空間光変調装置150、及び、白色光を出射する発光ダイオードから成る光源153から構成されている。各画像形成装置111全体は、筐体113(図1では、一点鎖線で示す)内に納められており、係る筐体113には開口部(図示せず)が設けられており、開口部を介して光学系(平行光出射光学系、コリメート光学系)112から光が出射される。反射型空間光変調装置150は、ライト・バルブとしてのLCOSから成る液晶表示装置(LCD)151、及び、光源153からの光の一部を反射して液晶表示装置151へと導き、且つ、液晶表示装置151によって反射された光の一部を通過させて光学系112へと導く偏光ビームスプリッター152から構成されている。液晶表示装置151は、2次元マトリクス状に配列された複数(例えば、640×480個)の画素(液晶セル)を備えている。偏光ビームスプリッター152は、周知の構成、構造を有する。光源153から出射された無偏光の光は、偏光ビームスプリッター152に衝突する。偏光ビームスプリッター152において、P偏光成分は通過し、系外に出射される。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター152において反射され、液晶表示装置151に入射し、液晶表示装置151の内部で反射され、液晶表示装置151から出射される。ここで、液晶表示装置151から出射した光の内、「白」を表示する画素から出射した光にはP偏光成分が多く含まれ、「黒」を表示する画素から出射した光にはS偏光成分が多く含まれる。従って、液晶表示装置151から出射され、偏光ビームスプリッター152に衝突する光の内、P偏光成分は、偏光ビームスプリッター152を通過し、光学系112へと導かれる。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター152において反射され、光源153に戻される。光学系112は、例えば、凸レンズから構成され、平行光を生成させるために、光学系112における焦点距離の所(位置)に画像形成装置111(より具体的には、液晶表示装置151)が配置されている。
フレーム10は、観察者20の正面に配置されるフロント部11と、フロント部11の両端に蝶番12を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部13と、各テンプル部13の先端部に取り付けられたモダン部(先セル、耳あて、イヤーパッドとも呼ばれる)14から成る。また、ノーズパッド(図5には図示せず)が取り付けられている。即ち、フレーム10及びノーズパッドの組立体は、基本的には、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。更には、各筐体113が、取付け部材19によって、着脱自在にテンプル部13に取り付けられている。フレーム10は、金属又はプラスチックから作製されている。尚、各筐体113は、取付け部材19によってテンプル部13に着脱できないように取り付けられていてもよい。また、眼鏡を所有し、装着している観察者に対しては、観察者の所有する眼鏡のフレーム10のテンプル部13に、各筐体113を取付け部材19によって着脱自在に取り付けてもよい。各筐体113を、テンプル部13の外側に取り付けてもよいし、テンプル部13の内側に取り付けてもよい。あるいは又、フロント部11に備えられたリムに、第1基板121,321を嵌め込んでもよい。
更には、一方の画像形成装置111Aから延びる配線(信号線や電源線等)15が、テンプル部13、及び、モダン部14の内部を介して、モダン部14の先端部から外部に延び、制御装置(制御回路、制御手段)18に接続されている。更には、各画像形成装置111A,111Bはヘッドホン部16を備えており、各画像形成装置111A,111Bから延びるヘッドホン部用配線16’が、テンプル部13、及び、モダン部14の内部を介して、モダン部14の先端部からヘッドホン部16へと延びている。ヘッドホン部用配線16’は、より具体的には、モダン部14の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部16へと延びている。このような構成にすることで、ヘッドホン部16やヘッドホン部用配線16’が乱雑に配置されているといった印象を与えることがなく、すっきりとした表示装置とすることができる。
配線(信号線や電源線等)15は、上述したとおり、制御装置(制御回路)18に接続されている。制御装置18には、例えば、画像情報記憶装置18Aが備えられている。そして、制御装置18において画像表示のための処理がなされる。制御装置18、画像情報記憶装置18Aは周知の回路から構成することができる。
フロント部11の中央部分11’に、CCDあるいはCMOSセンサーから成る固体撮像素子とレンズ(これらは図示せず)とから構成された撮像装置17が、適切な取付部材(図示せず)によって取り付けられている。撮像装置17からの信号は、撮像装置17から延びる配線(図示せず)を介して制御装置(制御回路)18に送出される。
図1に示すように、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の光学装置において、吸湿部材130は、第2基板122,322の第1面122A,322Aに配置されている。具体的には、吸湿部材130は、第2基板122,322の第1面122A,322Aの全面に貼り合わされている。また、吸湿部材130の吸水率は、偏向手段141,142,341,342を構成する材料の吸水率よりも高い。吸湿部材130は、フィルム状あるいはスポンジ状のポリビニルアルコール(PVA)から成る。偏向手段141,142,341,342は、フォトポリマー材料から成る。尚、吸湿部材130は、ナノポーラスシリカ、モレキュラシーブ、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、珪藻土、モンモリロナイト及びベントナイトから構成された群から選択された少なくとも1種類の材料、具体的には、例えばナノポーラスシリカとすることもできる。このような固形状の吸湿部材は、第2基板122,322の第1面122A,322Aに、例えば、接着剤を用いて固定すればよい。あるいは又、吸湿部材130は、光透過率が50%以上の樹脂製フィルム、具体的には、例えばPVAとすることもでき、第2基板122,322の第1面122A,322Aに、例えば、接着剤を用いて固定すればよいし、転写法に基づき固定することもできる。
第1基板121,321及び第2基板122,322は、透明基板から成る。具体的には、第1基板121,321は、例えばシクロオレフィンポリマーから成り、第2基板122,322は、例えばポリカーボネート樹脂、又は、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂の積層構造から成る。また、封止部材124は、例えばエポキシ系樹脂から成る。光が入射する第1基板121,321の面を第1基板入射面、光が出射する第1基板121,321の面を第1基板出射面としたとき、第2面121B,321Bによって第1基板入射面及び第1基板出射面が構成されている。
あるいは又、図2の(A)及び(B)、並びに、図3の(A)及び(B)に示すように、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の光学装置において、吸湿部材130は、第1基板121,321の第1面121A,321Aの第1偏向手段141,341及び第2偏向手段142,342が配された領域以外の領域に配置されていてもよい。尚、図2の(A)及び図3の(A)に示した例では、第1基板121,321の第1面121A,321Aの封止部材124の一部の内側に沿った領域に配されている。一方、図2の(B)及び図3の(B)に示した例では、吸湿部材130は、第1偏向手段141,341から第2偏向手段142,342へと光が導光される第1基板121,321の領域(第1基板の導光領域)以外の領域にも配置されている。即ち、吸湿部材130は、第1偏向手段141,341、第2偏向手段142,342及び第1基板121,321の導光領域を取り囲むように、額縁状に配置されている。吸湿部材130と偏向手段141,341,142,342との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。尚、図2の(A)及び(B)に示した例では、第2基板122,322の第1面122A,322Aには吸湿部材130が配置されていない。一方、図3の(A)及び(B)に示した例では、第2基板122,322の第1面122A,322Aに吸湿部材130が配置されている。
あるいは又、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例13の光学装置において、吸湿部材130を、
第2基板122,322の第1面122A,322Aの封止部材124の内側に沿った領域、又は、
第1基板121,321の第1面121A,321Aの封止部材124の内側に沿った領域、又は、
第2基板122,322の第1面122A,322Aの封止部材124の内側に沿った領域、及び、第1基板121,321の第1面121A,321Aの封止部材124の内側に沿った領域、
に配置することもできる。この場合にも、吸湿部材130と封止部材124との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
また、図4に示すように、第2基板122,322に面した第1偏向手段141,341の面及び第2偏向手段142,342の面には保護膜132を配することもできる。吸湿部材130と保護膜132とを、同じ材料、具体的には、PVAから構成とすることもできる。そして、この場合、吸湿部材130の厚さt1は保護膜132の厚さt2よりも厚いことが好ましい。具体的には、
t2≦10μm
t2<t1≦1mm
を満足することが好ましい。より具体的には、
t1=5μm
t2=2.5μm
とした。
以上のとおり、実施例1の光学装置、画像表示装置を構成する光学装置、表示装置を構成する光学装置においては、吸湿部材が第1基板と第2基板と封止部材とによって囲まれた空間内に配置されているので、偏向手段の光学特性に対する水分の影響を充分に抑制することができる。即ち、表示装置の軽量化を図りつつ、フォトポリマー材料の吸湿に起因した偏向手段の膨潤等によって、偏向手段の特性の変化、例えば、干渉縞のピッチ、干渉縞の傾斜角(スラント角)に変化が生じるといった問題の発生を確実に回避することができ、安定した特性を有する表示装置を提供することができる。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置200の概念図を図8に示すように、実施例2において、画像形成装置211は第2構成の画像形成装置から構成されている。即ち、光源251、及び、光源251から出射された平行光を走査する走査手段253を備えている。より具体的には、画像形成装置211は、
光源251、
光源251から出射された光を平行光とするコリメート光学系252、
コリメート光学系252から出射された平行光を走査する走査手段253、及び、
走査手段253によって走査された平行光をリレーし、出射するリレー光学系254、
から構成されている。尚、画像形成装置211全体が筐体213(図8では、一点鎖線で示す)内に納められており、係る筐体213には開口部(図示せず)が設けられており、開口部を介してリレー光学系254から光が出射される。そして、各筐体213が、取付け部材19によって、着脱自在に、テンプル部13に取り付けられている。
光源251は、白色を発光する発光素子から構成されている。そして、光源251から出射された光は、全体として正の光学的パワーを持つコリメート光学系252に入射し、平行光として出射される。そして、この平行光は、全反射ミラー256で反射され、マイクロミラーを二次元方向に回転自在とし、入射した平行光を2次元的に走査することができるMEMSから成る走査手段253によって水平走査及び垂直走査が行われ、一種の2次元画像化され、仮想の画素(画素数は、例えば、実施例1と同じとすることができる)が生成される。そして、仮想の画素からの光は、周知のリレー光学系から構成されたリレー光学系(平行光出射光学系)254を通過し、平行光とされた光束が光学装置120に入射する。
リレー光学系254にて平行光とされた光束が入射され、導光され、出射される光学装置120は、実施例1にて説明した光学装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。また、実施例2の表示装置も、上述したとおり、画像形成装置211が異なる点を除き、実質的に、実施例1の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例3も実施例1の変形である。実施例3の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置300の概念図を図9に示す。実施例3において、画像形成装置111は、実施例1と同様に、第1構成の画像形成装置から構成されている。また、光学装置320は、第1偏向手段341の構成、構造が異なる点を除き、基本的な構成、構造は、実施例1の光学装置120と同じである。
実施例3あるいは実施例4において、第1偏向手段341は、第1基板(導光板)321に入射された光を反射する。即ち、第1偏向手段341においては、第1基板321に入射された平行光が第1基板321の内部で全反射されるように、第1基板321に入射された平行光が反射される。実施例3あるいは後述する実施例4において、第1偏向手段341は、第1基板321の内部に配設された反射鏡、より具体的には、アルミニウム(Al)から成り、第1基板321に入射された光を反射させる光反射膜(一種のミラー)から構成されている。第1偏向手段341は、第1基板321の第1偏向手段341を設ける部分を切り出すことで、第1基板321に第1偏向手段341を形成すべき斜面を設け、係る斜面に光反射膜を真空蒸着した後、第1基板321の切り出した部分を第1偏向手段341に接着すればよい。
一方、第2偏向手段342は、第1基板321の内部を全反射により伝播した光を、複数回に亙り、反射回折する。即ち、第2偏向手段342においては、第1基板321の内部を全反射により伝播した平行光が複数回に亙り反射回折され、第1基板321から平行光の状態で、観察者20の瞳21に向かって出射される。第2偏向手段342は、実施例1の第2偏向手段142と同様に、反射型の体積ホログラム回折格子膜から成る。
実施例3の表示装置は、上述したとおり、光学装置320が異なる点を除き、実質的に、実施例1の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例4は、実施例3の変形である。実施例4の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置の概念図を図10に示す。実施例4の画像表示装置400における光源251、コリメート光学系252、走査手段253、平行光出射光学系(リレー光学系254)等は、実施例2と同じ構成、構造(第2構成の画像形成装置)を有する。また、実施例4における光学装置320は、実施例3における光学装置320と同じ構成、構造を有する。実施例4の表示装置は、以上の相違点を除き、実質的に、実施例2の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例5は、実施例1〜実施例4における画像表示装置の変形である。実施例5の表示装置を正面から眺めた模式図を図11に示し、上方から眺めた模式図を図12に示し、画像表示装置の概念図を図13に示す。
実施例5において、画像表示装置500を構成する光学装置520は、画像形成装置111A,111Bから出射された光が入射される導光部材521、及び、導光部材521によって導光された光を観察者20の瞳21に向かって出射させる半透過ミラー522から構成されている。画像形成装置は、実施例2において説明した画像形成装置211とすることもできる。半透過ミラー522は、平面状であってもよいし、凹面状であってもよい。
導光部材521は、第1面121A、及び、第1面121Aと対向した第2面121Bを有する第1基板121、
第1面122A、及び、第1面122Aと対向した第2面122Bを有し、第1面122Aが第1基板121の第1面121Aと対向して配設された第2基板122、
第1基板121の第1面121Aに配された偏向手段523、
第1基板121の第1面121Aの外縁部と第2基板122の第1面122Aの外縁部を封止する封止部材124、並びに、
第1基板121と第2基板122と封止部材124とによって囲まれた空間内に配置された吸湿部材130、
を備えている。
即ち、導光部材521は、実施例1の光学装置120の第1偏向手段141の側、半分から、実質的に構成されている。また、実施例1の光学装置120の第2偏向手段142の側、半分は、半透過ミラー522に置き換えられている。導光部材521と半透過ミラー522とは、接着剤によって接着されている。
ここで、偏向手段523は、吸水性を有する材料から成り、具体的には、実施例1の第1偏向手段141と同様に、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜から構成されている。
そして、吸湿部材130は、第2基板122の第1面122Aに配置されている。具体的には、吸湿部材130は、第2基板122の第1面122Aの全面に貼り合わされている。
尚、吸湿部材130は、実施例1の図2の(A)及び(B)、並びに、図3の(A)及び(B)に示したと同様に、第1基板121の第1面121Aの偏向手段523が配された領域(場合によっては、加えて、第1基板の導光領域)以外の領域に配置されていてもよい。即ち、吸湿部材130は、偏向手段523(場合によっては、加えて、第1基板の導光領域)を取り囲むように、額縁状に配置されていてもよい。吸湿部材130と偏向手段523との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。あるいは又、吸湿部材130は、
第2基板122の第1面122Aの封止部材124の内側に沿った領域、又は、
第1基板121の第1面121Aの封止部材124の内側に沿った領域、又は、
第2基板122の第1面122Aの封止部材124の内側に沿った領域、及び、第1基板121の第1面121Aの封止部材124の内側に沿った領域、
に配置されていてもよい。吸湿部材130と封止部材124との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
また、実施例1の図4に示したと同様に、第2基板122に面した偏向手段523の面には保護膜132が配されていてもよい。そして、この場合、実施例1と同様に、吸湿部材130と保護膜132とは同じ材料から成り、吸湿部材130の厚さt1は保護膜132の厚さt2よりも厚い形態とすることができる。具体的には、
t2≦10μm
t2<t1≦1mm
を満足することが好ましい。
各画像形成装置111A,111Bは、フロント部11に、例えば、ビスを用いて取り付けられている。また、導光部材521が各画像形成装置111A,111Bに取り付けられている。実施例5の表示装置は、以上の相違点を除き、実質的に、実施例1〜実施例4の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例6も、実施例1〜実施例4における画像表示装置の変形である。実施例6の表示装置を上方から眺めた模式図を図14に示す。尚、図14において撮像装置17の図示は省略した。また、実施例6の表示装置における光学装置の一部分の概念図を図15に示す。
実施例6において、画像表示装置500を構成する光学装置530は、画像形成装置111A,111Bから出射された光が入射される虚像形成部材531から構成されている。
虚像形成部材531は、第1面121A、及び、第1面121Aと対向した第2面121Bを有する第1基板121、
第1面122A、及び、第1面122Aと対向した第2面122Bを有し、第1面122Aが第1基板121の第1面121Aと対向して配設された第2基板122、
第1基板121の第1面121Aに配された偏向手段533、
第1基板121の第1面121Aの外縁部と第2基板122の第1面122Aの外縁部を封止する封止部材124、並びに、
第1基板121と第2基板122と封止部材124とによって囲まれた空間内に配置された吸湿部材130、
を備えている。
ここで、偏向手段533は、吸水性を有する材料から成り、具体的には、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜、より具体的には、反射型のホログラム回折格子膜から成る。
そして、吸湿部材130は、第2基板122の第1面122Aに配置されている。具体的には、吸湿部材130は、第2基板122の第1面122Aの全面に貼り合わされている。
尚、吸湿部材130は、実施例1の図2の(A)及び(B)、並びに、図3の(A)及び(B)に示したと同様に、第1基板121の第1面121Aの偏向手段533が配された領域以外の領域に配置されていてもよい。即ち、吸湿部材130は、偏向手段533を取り囲むように、額縁状に配置されていてもよい。吸湿部材130と偏向手段533との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。あるいは又、吸湿部材130は、
第2基板122の第1面122Aの封止部材124の内側に沿った領域、又は、
第1基板121の第1面121Aの封止部材124の内側に沿った領域、又は、
第2基板122の第1面122Aの封止部材124の内側に沿った領域、及び、第1基板121の第1面121Aの封止部材124の内側に沿った領域、
に配置されていてもよい。吸湿部材130と封止部材124との間には、1μm以上、隙間が空いていることが望ましい。
また、実施例1の図4に示したと同様に、第2基板122に面した偏向手段533の面には保護膜132が配されていてもよい。そして、この場合、実施例1と同様に、吸湿部材130と保護膜132とは同じ材料から成り、吸湿部材130の厚さt1は保護膜132の厚さt2よりも厚い形態とすることができる。具体的には、
t2≦10μm
t2<t1≦1mm
を満足することが好ましい。
各画像形成装置111A,111Bは、フロント部11に、例えば、ビスを用いて取り付けられている。また、虚像形成部材531が各画像形成装置111A,111Bに取り付けられている。画像形成装置は、実質的に、実施例2において説明した画像形成装置211とすることができる。実施例6の表示装置は、以上の相違点を除き、実質的に、実施例1〜実施例4の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例6において、筐体213内に配置された光源251から出射された光は、図示しない光ファイバの内部を伝播して、例えば、ノーズパッド近傍のフレーム10の部分11’に取り付けられた走査手段253に入射し、走査手段253によって走査された光は偏向手段533に入射する。あるいは又、筐体213内に配置された光源251から出射された光は、図示しない光ファイバの内部を伝播して、例えば、両眼のそれぞれに対応するフレーム10の部分の上方に取り付けられた走査手段253に入射し、走査手段253によって走査された光は偏向手段533に入射する。あるいは又、筐体213内に配置された光源251から出射され、筐体213内に配置された走査手段253に入射し、走査手段253によって走査された光は、偏向手段533に、直接、入射する。そして、反射型のホログラム回折格子膜から成る偏向手段533によって反射された光が観察者の瞳に入射する。
実施例7は、実施例1〜実施例6の変形である。画像表示装置の概念図を図16に示し、表示装置を上方から眺めた模式図を図17に示し、側方から眺めた模式図を図18に示すように、実施例7の表示装置にあっては、第1偏向手段141,341あるいは偏向手段523を覆うように、第2基板122の第2面122Bの外側に遮光部材601が配置されており、あるいは又、設けられている。ここで、第2基板122への第1偏向手段141,341あるいは偏向手段523の正射影像は、第2基板122への遮光部材601の正射影像に含まれる。更には、第2基板122への遮光部材601の正射影像内の領域であって、
第2基板122の第1面122Aの領域、又は、
第1基板121の第1面121Aの第1偏向手段141,341あるいは偏向手段523が配された領域以外の領域、又は、
第2基板122の第1面122Aの領域、及び、第1基板121の第1面121Aの第1偏向手段141,341あるいは偏向手段523が配された領域以外の領域、
に吸湿部材130が配置されている。尚、第1基板の第1基板の導光領域には吸湿部材130は配置されていない。
具体的には、例えば、画像形成装置111A,111Bから出射された光が入射される光学装置120の領域、具体的には、第1偏向手段141が設けられた領域に、光学装置120への外光の入射を遮光する遮光部材601が配されている。ここで、遮光部材601の光学装置120への射影像内に、画像形成装置111A,111Bから出射された光が入射される光学装置120の領域が含まれる。遮光部材601は、光学装置120の画像形成装置111A,111Bが配された側とは反対側に、光学装置120と離間して配されている。遮光部材601は、例えば、不透明なプラスチック材料から作製されており、遮光部材601は、画像形成装置111A,111Bの筐体113から一体に延び、あるいは又、画像形成装置111A,111Bの筐体113に取り付けられ、あるいは又、フレーム10から一体に延び、あるいは又、フレーム10に取り付けられ、あるいは又、光学装置120に取り付けられている。尚、図示した例では、遮光部材601は、画像形成装置111A,111Bの筐体113から一体に延びている。このように、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域には、光学装置への外光の入射を遮光する遮光部材が配されているので、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域、具体的には、第1偏向手段141には外光が入射しないので、不所望の迷光等が発生し、表示装置における画像表示品質の低下を招くことが無い。
あるいは又、図19に示すように、遮光部材602は、画像形成装置111A,111Bが配された側とは反対側の光学装置120の部分に配されている。具体的には、不透明なインクを、光学装置120(具体的には、第2基板122の第2面122B)に印刷することで、遮光部材602を形成することができる。尚、遮光部材601と遮光部材602とを組み合わせることもできる。遮光部材602を、第2基板122の第1面122Aに形成してもよい。
実施例8は、実施例1〜実施例7の変形である。実施例8の画像表示装置の概念図を図20に示し、実施例8の表示装置を上方から眺めた模式図を図21に示し、側方から眺めた模式図を図22Aに示す。また、光学装置及び調光装置の模式的な正面図を図22Bに示し、調光装置の模式的な断面図を図23Aに示し、調光装置の模式的な平面図を図23Bに示す。
ここで、実施例8にあっては、第2基板122,322の第2面側に調光装置700が配されている。調光装置700は、外部から入射する外光の光量を調整する。そして、光学装置120,320,520の虚像形成領域は調光装置700と重なっており、画像形成装置111,211から出射される光に基づき虚像形成領域の一部分において虚像が形成されるとき、調光装置700への虚像の投影像が含まれる調光装置700の虚像投影領域711の遮光率が、調光装置700の他の領域712の遮光率よりも高くなるように、調光装置700が制御される。尚、調光装置700において虚像投影領域711の位置は固定されたものでなく、虚像の形成位置に依存して変化し、また、虚像投影領域711の数も、虚像の数(あるいは一連の虚像群の数、ブロック化された虚像群の数等)に依存して変化する。
調光装置700の動作時、調光装置700の他の領域712の遮光率は、調光装置700への虚像の投影像が含まれる調光装置700の虚像投影領域の遮光率を「1」としたとき、例えば、0.95以下である。あるいは又、調光装置700の他の領域の遮光率は、例えば、30%以下である。一方、調光装置700の動作時、調光装置700の虚像投影領域711の遮光率は、35%乃至99%、例えば、80%とされる。このように、虚像投影領域711の遮光率は、一定であってもよいし、後述するように、表示装置の置かれた環境の照度に依存して変化させてもよい。
実施例8あるいは後述する実施例9〜実施例10において、光学装置120,320,520の画像形成装置111,211が配された側とは反対側には、外部から入射する外光の光量を調整する一種の光シャッタである調光装置700が配設されている。そして、第2基板122,322は、調光装置700の調光装置用第1基板701を兼ねており、これによって、表示装置全体の重量の減少を図ることができ、表示装置の使用者に不快感を感じさせる虞が無い。また、調光装置用第2基板703を第2基板122よりも薄くすることができる。実施例9〜実施例10においても同様とすることができる。但し、これに限定するものではなく、第2基板122,322と調光装置700の調光装置用第1基板701とを、別の部材から構成することもできる。調光装置700の大きさは、第2基板122,322と同じであってもよいし、大きくてもよいし、小さくてもよい。要は、調光装置700の射影像内に虚像形成領域(第2偏向手段142,342)が位置すればよい。調光装置700は、観察者20とは反対側の光学装置120,320,520の領域に配置されている。即ち、観察者側から、光学装置120、調光装置700の順に配されているが、調光装置700、光学装置120,320の順に配してもよい。調光装置700にコネクタ(図示せず)を取り付け、調光装置700の遮光率を制御するための制御回路(具体的には、制御装置18)にこのコネクタ及び配線を介して調光装置700を電気的に接続する。
実施例8あるいは後述する実施例9〜実施例10において、調光装置700は、模式的な断面図を図23Aに示し、模式的な平面図を図23Bに示すように、
調光装置用第1基板701、
調光装置用第1基板701と対向する調光装置用第2基板703、
調光装置用第2基板703と対向する調光装置用第1基板701の対向面に設けられた第1透明電極702、
調光装置用第1基板701と対向する調光装置用第2基板703の対向面に設けられた第2透明電極704、及び、
第1透明電極702と第2透明電極704とによって挟まれた調光層705、
から成る。そして、
第1透明電極702は、第1の方向に延びる複数の帯状の第1透明電極セグメント702Aから構成されており、
第2透明電極704は、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる複数の帯状の第2透明電極セグメント704Aから構成されており、
第1透明電極セグメント702Aと第2透明電極セグメント704Aの重複領域(調光装置の遮光率が変化する最小単位領域708)に対応する調光装置の部分の遮光率の制御は、第1透明電極セグメント702A及び第2透明電極セグメント704Aに印加する電圧の制御に基づき行われる。即ち、遮光率の制御を単純マトリクス方式に基づき行われる。第1の方向と第2の方向とは直交しており、具体的には、第1の方向は横方向(X軸方向)に延び、第2の方向は縦方向(Y軸方向)に延びる。
調光装置用第2基板703はプラスチック材料から成る。また、第1透明電極702及び第2透明電極704は、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)から構成された透明電極から成り、スパッタリング法といったPVD法とリフトオフ法との組合せに基づき形成されている。第2透明電極704と調光装置用第2基板703の間には、SiN層、SiO2層、Al2O3層、TiO2層あるいはこれらの積層膜から成る保護層706が形成されている。保護層706を形成することで、イオンの行き来を阻止するイオン遮断性、防水性、防湿性及び耐傷性を調光装置700に付与することができる。また、第2基板122(調光装置用第1基板701)と調光装置用第2基板703とは、外縁部において、紫外線硬化型エポキシ樹脂や、紫外線と熱とによって硬化するエポキシ樹脂といった紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂から成る封止材707によって封止されている。第1透明電極702及び第2透明電極704は、図示しないコネクタ、配線を介して制御装置18に接続されている。
調光装置700の遮光率(光透過率)は、第1透明電極702及び第2透明電極704に印加する電圧によって制御することができる。具体的には、例えば、第1透明電極702を接地した状態で、第2透明電極704に電圧を印加すると、調光層705の遮光率が変化する。第1透明電極702と第2透明電極704との間の電位差を制御してもよいし、第1透明電極702に印加する電圧と第2透明電極704に印加する電圧とを独立に制御してもよい。
尚、調光装置700における虚像形成領域(第2偏向手段142,342)の横方向の画素数をM0、縦方向の画素数をN0としたとき、調光装置700の遮光率が変化する最小単位領域708の数M1×N1は、例えば、M0=M1,N0=N1である。但し、これに限定するものではなく、M1/M0=k,N1/N0=k’としたとき(但し、k,k’は正の整数)、1.1≦k、好ましくは1.1≦k≦1.5、より好ましくは1.15≦k≦1.3、1.1≦k’、好ましくは1.1≦k’≦1.5、より好ましくは1.15≦k’≦1.3を満足する形態とすることができる。kの値とk’の値とは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、実施例においては、k=k’=1とした。
実施例8あるいは後述する実施例9〜実施例10において、調光装置700は、エレクトロクロミック材料の酸化還元反応によって発生する物質の色変化を応用した光シャッタから成る。具体的には、調光層はエレクトロクロミック材料を含む。より具体的には、調光層は、第2透明電極側から、WO3層705A/Ta2O5層705B/IrXSn1-XO層705Cの積層構造を有する。WO3層705Aは還元発色する。また、Ta2O5層705Bは固体電解質を構成し、IrXSn1-XO層705Cは酸化発色する。
IrXSn1-XO層中では、IrとH2Oとが反応して、水酸化イリジウムIr(OH)nとして存在する。第2透明電極704に負の電位を、第1透明電極702に正の電位を加えると、IrXSn1-XO層からTa2O5層へのプロトンH+の移動、第1透明電極702への電子放出が生じ、次の酸化反応が進んで、IrXSn1-XO層は着色する。
Ir(OH)n → IrOX(OH)n-X(着色) + X・H+ + X・e-
一方、Ta2O5層中のプロトンH+がWO3層中へ移動し、第2透明電極704から電子がWO3層に注入され、WO3層では、次の還元反応が進んでWO3層は着色する。
WO3 + X・H+ + X・e- → HXWO3(着色)
これとは逆に、第2透明電極704に正の電位を、第1透明電極702に負の電位を加えると、IrXSn1-XO層では、上記と逆向きに還元反応が進み、消色し、WO3層では、上記と逆向きに酸化反応が進み、消色する。尚、Ta2O5層にはH2Oが含まれており、第1透明電極、第2透明電極に電圧を印加することで電離し、プロトンH+、OH-イオンの状態が含まれ、着色反応及び消色反応に寄与している。
実施例8あるいは後述する実施例9〜実施例10において、例えば、図24に示すような外界を、遮光率の低い状態の調光装置700及び光学装置120,320,520を通して観察者が眺めていたとする。そして、観察者は、例えば、「駅にどうやって行けばよいか」の情報の入手を欲したとする。
この場合、画像表示装置100,200,300,400,500において表示する画像に関する情報やデータ、あるいは又、受信装置が受け取るべき信号は、例えば、所謂クラウドコンピュータやサーバーに記録、保管、保存されており、表示装置が通信手段(送受信装置)、例えば、携帯電話機やスマートフォンを備えることによって、あるいは又、制御装置(制御回路、制御手段)18に通信手段(受信装置)を組み込むことで、通信手段を介してクラウドコンピュータやサーバーと表示装置との間での各種情報やデータ、信号の授受、交換を行うことができるし、各種情報やデータに基づく信号、即ち、画像表示装置100,200,300,400,500において画像を表示するための信号を受け取ることができるし、受信装置は信号を受け取ることができる。
具体的には、観察者が、携帯電話機やスマートフォンに、入手すべき情報としての「駅に関する情報」を要求する旨の入力を行うと、携帯電話機やスマートフォンは、クラウドコンピュータやサーバーにアクセスし、「駅に関する情報」をクラウドコンピュータやサーバーから入手する。こうして、制御装置18は、画像表示装置100,200,300,400,500において画像を表示するための信号を受け取る。制御装置18にあっては、この信号に基づいて周知の画像処理を行い、画像形成装置111,211に「駅に関する情報」を画像として表示する。この「駅に関する情報」を画像は、光学装置120,320,520において、画像形成装置111,211から出射される光に基づき、制御装置18によって制御された所定の位置に虚像として表示される。即ち、虚像形成領域(第2偏向手段142,342)の一部分において虚像が形成される。そして、調光装置700への虚像の投影像が含まれる調光装置700の虚像投影領域711の遮光率が、調光装置700の他の領域712の遮光率よりも高くなるように、調光装置700が制御される(図25B参照)。具体的には、制御装置18によって、第1透明電極702及び第2透明電極704に印加される電圧を制御する。ここで、画像形成装置111,211において画像を表示するための信号に基づき、調光装置700の虚像投影領域711の大きさ及び位置が決定される。
場合によっては、画像表示装置100,200,300,400,500において画像を表示するための信号が、表示装置(具体的には、制御装置18、より具体的には、画像情報記憶装置18A)に記憶されていてもよい。
あるいは又、表示装置に備えられた撮像装置17によって撮像された画像を通信手段を介してクラウドコンピュータやサーバーに送出し、クラウドコンピュータやサーバーにおいて撮像装置17によって撮像された画像に該当する各種情報やデータを検索し、検索された各種情報やデータを通信手段を介して表示装置に送出し、検索された各種情報やデータを画像表示装置100,200,300,400,500において画像を表示してもよい。また、このような形態と「駅に関する情報」の入力を併用すれば、例えば、観察者のいる場所等や観察者がどの方向を向いているか等の情報を加重することができるので、一層高い精度で、「駅に関する情報」を画像形成装置111,211において表示することができる。
画像形成装置111,211から出射された光に基づき光学装置120,320,520に虚像が形成される(図25B参照)前に、調光装置700の虚像投影領域711の遮光率が増加される(図25A参照)形態を採用してもよい。調光装置700の虚像投影領域711の遮光率が増加されてから虚像が形成されるまでの時間として、0.5秒乃至30秒を例示することができるが、この値に限定するものではない。このように、予め、虚像が光学装置のどの位置に、いつ、形成されるかを観察者は知ることができるので、観察者の虚像視認性の向上を図ることができる。調光装置700の虚像投影領域711の遮光率は、時間の経過に従い、順次、増加する形態とすることができる。即ち、所謂フェードイン状態とすることができる。
虚像が形成されていない場合、調光装置700全体の遮光率を、調光装置700の他の領域の遮光率と同じ値とすればよい。虚像の形成が終了し、虚像が消滅したとき、調光装置700への虚像の投影像が含まれていた調光装置700の虚像投影領域711の遮光率を、直ちに、調光装置700の他の領域の遮光率と同じ値としてもよいが、経時的に(例えば、3秒間で)調光装置700の他の領域の遮光率と同じ値となるように制御してもよい。即ち、所謂フェードアウト状態とすることができる。
画像形成装置111,211から出射された光に基づき光学装置120,320,520に一の虚像が形成され、次いで、一の虚像と異なる次の虚像が形成される場合を想定する。この場合、一の虚像に対応する調光装置700の虚像投影領域711の面積をS1、次の虚像に対応する調光装置700の虚像投影領域711の面積をS2としたとき、
S2/S1<0.8、又は、1<S2/S1の場合、次の虚像が形成される調光装置700の虚像投影領域711は、調光装置700への次の虚像の投影像が含まれる調光装置700の領域であり(図26A、図26B及び図26C参照)、
0.8≦S2/S1≦1の場合、次の虚像が形成される調光装置700の虚像投影領域711は、調光装置700への一の虚像の投影像が含まれた調光装置700の領域である形態とすることができる。即ち、一の虚像の形成から次の虚像の形成において、虚像投影領域の面積が0%減乃至20%減の場合には、一の虚像に対応した虚像投影領域を保持する形態とすることができる(即ち、図26Aに示した状態のままとする)。
また、図27に示すように、光学装置120,320,520に形成される虚像に外接する仮想矩形142A,342Aを想定したとき、調光装置700の虚像投影領域711は、仮想矩形142A,342Aよりも大きい構成とすることができる。そして、この場合、光学装置120,320,520に形成される虚像に外接する仮想矩形142A,342Aの横方向及び縦方向の長さをL1-T及びL1-Lとし、調光装置700の虚像投影領域711の形状を、横方向及び縦方向の長さがL2-T及びL2-Lの矩形形状としたとき、
1.0≦L2-T/L1-T≦1.5
1.0≦L2-L/L1-L≦1.5
を満足することが好ましい。尚、図27においては、虚像として、「ABCD」が形成されている状態を示す。
調光装置700は、常時、動作状態にあってもよいし、観察者の指示(操作)によって動作/不動作(オン/オフ)状態が規定されてもよいし、通常は不動作状態にあり、画像表示装置100,200,300,400,500において画像を表示するための信号に基づき、動作を開始してもよい。観察者の指示(操作)によって動作/不動作状態を規定するためには、例えば、表示装置はマイクロフォンを更に備えており、マイクロフォンを介した音声入力によって、調光装置700の動作の制御を行えばよい。具体的には、観察者の肉声に基づく指示によって、調光装置700の動作/不動作の切替えを制御すればよい。あるいは又、入手すべき情報を音声入力によって入力してもよい。あるいは又、表示装置は、赤外線入出射装置を更に備えており、赤外線入出射装置によって、調光装置700の動作の制御を行えばよい。具体的には、赤外線入出射装置によって、観察者の瞬きを検出することで、調光装置700の動作/不動作の切替えを制御すればよい。
以上のとおり、実施例8の表示装置にあっては、画像形成装置から出射される光に基づき虚像形成領域の一部分において虚像が形成されるとき、調光装置への虚像の投影像が含まれる調光装置の虚像投影領域の遮光率が調光装置の他の領域の遮光率よりも高くなるように調光装置が制御されるので、観察者が観察する虚像に高いコントラストを与えることができ、しかも、高遮光率の領域が調光装置全体ではなく、調光装置への虚像の投影像が含まれる調光装置の虚像投影領域といった狭い領域のみが高遮光率の領域となるので、表示装置を使用する観察者は外部環境を、確実に、且つ、安全に認識することができる。
フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部、及び、ノーズパッドを備えており;調光装置700はフロント部に配設されている形態とすることができる。また、光学装置は調光装置700に取り付けられている形態とすることができる。尚、光学装置は、密着した状態で調光装置700に取り付けられていてもよいし、隙間を開けた状態で調光装置700に取り付けられていてもよい。更には、これらの場合、前述したとおり、フロント部はリムを有し;調光装置700がリムに嵌め込まれている形態とすることができるし、あるいは又、第2基板122(調光装置用第1基板701)及び調光装置用第2基板703の少なくとも一方がリムに嵌め込まれている形態とすることができるし、調光装置700及び第1基板121,321がリムに嵌め込まれている形態とすることができるし、第1基板121,321がリムに嵌め込まれている形態とすることができる。
調光層705を、液晶表示装置から成る光シャッタから構成することもできる。この場合、具体的には、調光層705を、例えば、TN(ツイステッド・ネマチック)型液晶材料やSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型液晶材料から成る液晶材料層から構成することができる。第1透明電極702及び第2透明電極704はパターニングされており、調光装置700の一部の領域712の遮光率(光透過率)を、他の領域の遮光率とは異なった状態に変化させることができる。あるいは又、第1透明電極702及び第2透明電極704のいずれか一方をパターニングされていない所謂ベタ電極とし、他方をパターニングし、他方をTFTに接続する。そして、調光装置700の遮光率が変化する最小単位領域708の遮光率の制御をTFTによって行う。即ち、遮光率の制御をアクティブマトリクス方式に基づき行ってもよい。アクティブマトリクス方式に基づく遮光率の制御は、実施例8あるいは後述する実施例9〜実施例10において説明する調光装置700に適用することができることは云うまでもない。
また、エレクトロウェッティング現象によって遮光率(光透過率)を制御する光シャッタを用いることもできる。具体的には、第1透明電極及び第2透明電極を設け、第1透明電極と第2透明電極との間は、絶縁性の第1の液体、及び、導電性の第2の液体で満たされている構造とする。そして、第1透明電極と第2透明電極との間に電圧を印加することで、第1の液体と第2の液体によって形成される界面の形状が、例えば、平面状から湾曲した状態に変化することで、遮光率(光透過率)を制御することができる。あるいは又、金属(例えば、銀粒子)の可逆的な酸化還元反応によって発生する電着・解離現象に基づく電着方式(エレクトロデポジション・電界析出)を応用した光シャッタを用いることもできる。具体的には、有機溶剤中にAg+及びI-を溶解しておき、電極に適切な電圧を印加することで、Ag+を還元してAgを析出させることで、調光装置の遮光率(光透過率)を低くし、一方、Agを酸化してAg+として溶解させることで、調光装置の遮光率(光透過率)を高くする。
場合によっては、調光装置を通過する光を、調光装置によって所望の色に着色する構成とすることができ、この場合、調光装置によって着色される色を可変とすることができる。具体的には、例えば、赤色に着色される調光装置と、緑色に着色される調光装置と、青色に着色される調光装置とを積層すればよい。
光学装置の光が出射される領域に、調光装置が着脱自在に配設されていてもよい。このように、調光装置を着脱自在に配設するためには、例えば、透明なプラスチックから作製されたビスを用いて調光装置を光学装置に取り付け、調光装置の光透過率を制御するための制御回路(例えば、画像形成装置を制御するための制御装置18に含まれている)にコネクタ及び配線を介して接続すればよい。
実施例9は、実施例8の変形である。実施例9の表示装置を上方から眺めた模式図を図28Aに示す。また、環境照度測定センサを制御する回路の模式図を図28Bに示す。
実施例9の表示装置は、表示装置の置かれた環境の照度を測定する環境照度測定センサ721を更に備えており、環境照度測定センサ721の測定結果に基づき、調光装置700の遮光率を制御する。併せて、あるいは、独立して、環境照度測定センサ721の測定結果に基づき、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度を制御する。周知の構成、構造を有する環境照度測定センサ721は、例えば、光学装置120,320の外側端部や、調光装置700の外側端部に配置すればよい。環境照度測定センサ721は、図示しないコネクタ及び配線を介して制御装置18に接続されている。制御装置18には、環境照度測定センサ721を制御する回路が含まれる。この環境照度測定センサ721を制御する回路は、環境照度測定センサ721からの測定値を受け取り、照度を求める照度演算回路、照度演算回路によって求められた照度の値を標準値の比較する比較演算回路、比較演算回路によって求められた値に基づき、調光装置700及び/又は画像形成装置111,211を制御する環境照度測定センサ制御回路から構成されているが、これらの回路は周知の回路から構成することができる。調光装置700の制御にあっては、調光装置700の遮光率の制御を行い、一方、画像形成装置111,211の制御にあっては、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度の制御を行う。尚、調光装置700における遮光率の制御と画像形成装置111,211における画像の輝度の制御は、それぞれ、独立して行ってもよいし、相関を付けて行ってもよい。
例えば、環境照度測定センサ721の測定結果が所定値(第1の照度測定値)以上になったとき、調光装置700の遮光率を所定の値(第1の遮光率)以上とする。一方、環境照度測定センサ721の測定結果が所定値(第2の照度測定値)以下になったとき、調光装置700の遮光率を所定の値(第2の遮光率)以下とする。ここで、第1の照度測定値として10ルクスを挙げることができるし、第1の遮光率として99%乃至70%のいずれかの値を挙げることができるし、第2の照度測定値として0.01ルクスを挙げることができるし、第2の遮光率として49%乃至1%のいずれかの値を挙げることができる。
尚、実施例9における環境照度測定センサ721を、実施例1〜実施例7において説明した表示装置に適用することができる。また、表示装置が撮像装置17を備えている場合、撮像装置17に備えられた露出測定用の受光素子から環境照度測定センサ721を構成することもできる。
実施例9あるいは次に述べる実施例10の表示装置にあっては、環境照度測定センサの測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御し、また、環境照度測定センサの測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御し、また、透過光照度測定センサの測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御し、また、透過光照度測定センサの測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御するので、観察者が観察する虚像に高いコントラストを与えることができるだけでなく、表示装置の置かれた周囲の環境の照度に依存して虚像の観察状態の最適化を図ることができる。
実施例10も、実施例8の変形である。実施例10の表示装置を上方から眺めた模式図を図29Aに示す。また、透過光照度測定センサを制御する回路の模式図を図29Bに示す。
実施例10の表示装置は、外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する、即ち、環境光が調光装置を透過して所望の照度まで調整されて入射しているかを測定する透過光照度測定センサ722を更に備えており、透過光照度測定センサ722の測定結果に基づき、調光装置700の遮光率を制御する。併せて、あるいは、独立して、また、透過光照度測定センサ722の測定結果に基づき、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度を制御する。周知の構成、構造を有する透過光照度測定センサ722は、光学装置120,320,520よりも観察者側に配置されている。具体的には、透過光照度測定センサ722は、例えば、筐体113,213の内側面や、第1基板121,321の観察者側の面に配置すればよい。透過光照度測定センサ722は、図示しないコネクタ及び配線を介して制御装置18に接続されている。制御装置18には、透過光照度測定センサ722を制御する回路が含まれる。この透過光照度測定センサ722を制御する回路は、透過光照度測定センサ722からの測定値を受け取り、照度を求める照度演算回路、照度演算回路によって求められた照度の値を標準値の比較する比較演算回路、比較演算回路によって求められた値に基づき、調光装置700及び/又は画像形成装置111,211を制御する透過光照度測定センサ制御回路から構成されているが、これらの回路は周知の回路から構成することができる。調光装置700の制御において、調光装置700の遮光率の制御を行い、一方、画像形成装置111,211の制御において、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度の制御を行う。尚、調光装置700における遮光率の制御と画像形成装置111,211における画像の輝度の制御は、それぞれ、独立して行ってもよいし、相関を付けて行ってもよい。更に、透過光照度測定センサ722の測定結果が環境照度測定センサ721の照度から鑑みて所望の照度まで制御できていない場合、即ち、透過光照度測定センサ722の測定結果が所望の照度になっていない場合、若しくは、更に一層の微妙な照度調整が望まれる場合には、透過光照度測定センサ722の値をモニターしながら調光装置の遮光率を調整すればよい。透過光照度測定センサを、少なくとも2つ、配置し、高遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定、低遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定を行ってもよい。
尚、実施例10における透過光照度測定センサ722を、実施例1〜実施例7において説明した表示装置に適用することができる。あるいは又、実施例10における透過光照度測定センサ722と実施例9における環境照度測定センサ721とを組み合わせてもよく、この場合、種々の試験を行い、調光装置700における遮光率の制御と画像形成装置111,211における画像の輝度の制御を、それぞれ、独立して行ってもよいし、相関を付けて行ってもよい。右眼用の調光装置と左眼用の調光装置のそれぞれにおいて、第1透明電極及び第2透明電極に印加する電圧を調整することで、右眼用の調光装置における遮光率及び左眼用の調光装置における遮光率の均等化を図ることができる。第1透明電極と第2透明電極との間の電位差を制御してもよいし、第1透明電極に印加する電圧と第2透明電極に印加する電圧とを独立に制御してもよい。右眼用の調光装置における遮光率及び左眼用の調光装置における遮光率は、例えば、透過光照度測定センサ722の測定結果に基づき、制御することができるし、あるいは又、観察者が、右眼用の調光装置及び光学装置を通過した光の明るさ及び左眼用の調光装置及び光学装置を通過した光の明るさを観察し、観察者が、スイッチやボタン、ダイアル、スライダ、ノブ等を操作することで手動にて制御、調整することもできる。
実施例11は、実施例8〜実施例13の変形であり、実施例11にあっては、調光層を電気泳動分散液から構成した。以下、電気泳動分散液の調製方法を説明する。
先ず、最初に、電気泳動粒子としてのカーボンブラック(三菱化学株式会社製#40)の10グラムを純水1リットルに加えて攪拌した後、37質量%の塩酸1cm3及び4−ビニルアニリン0.2グラムを加えて溶液−Aを調製した。一方、亜硝酸ナトリウム0.3グラムを純水10cm3に溶解させた後、40゜Cまで加熱して、溶液−Bを調製した。そして、溶液−Aに溶液−Bをゆっくり加えて、10時間攪拌した。その後、反応により得られた生成物を遠心分離して固形物を得た。次いで、固形物を純水で洗浄し、更に、アセトン中に分散させた後、遠心分離するといった方法で洗浄した。その後、固形物を、温度50゜Cの真空乾燥機で一晩乾燥させた。
次いで、窒素パージ装置、電磁攪拌棒及び還流カラムが取り付けられた反応フラスコ中に、固形物5グラムと、トルエン100cm3と、メタクリル酸2−エチルヘキシル15cm3と、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.2グラムとを入れて混合した。そして、攪拌しながら反応フラスコを窒素ガスで30分間パージした。その後、反応フラスコを油浴に投入し、連続攪拌しながら80゜Cまで徐々に加熱し、この状態を10時間維持した。その後、室温まで冷却し、固形物を遠心分離し、固形物をテトラヒドロフラン(THF)及び酢酸エチルと一緒に遠心分離するといった操作を3回行って固形物を洗浄した後、固形物を取り出して50゜Cの真空乾燥機で一晩乾燥した。これにより、茶色の電気泳動粒子4.7グラムを得た。
一方、絶縁性液体である分散液(分散媒)として、N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、1,2−ヒドロキシオクタデカン酸及びメトキシスルホニルオキシメタン(日本ルーブリゾール株式会社製ソルスパース17000)を0.5%含むと共にソルビタントリオレエート(スパン85)を1.5%含むアイソパーG(エクソンモービル有限会社社製)溶液を準備した。そして、分散媒9.9グラムに電気泳動粒子0.1グラムを加えて、ビーズミルで5分間攪拌した。その後、混合液を遠心分離機(回転速度=2000rpm)で5分間、遠心分離した後、ビーズを取り除いた。こうして、電気泳動分散液を得ることができた。尚、電気泳動粒子は正に帯電している。
実施例11における調光装置700にあっては、第2基板122(調光装置用第1基板701)及び調光装置用第2基板703の間の間隔を50μmとした。第1透明電極702及び第2透明電極704は、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)から構成されており、スパッタリング法といったPVD法とリフトオフ法との組合せに基づき形成されている。第1透明電極702は、櫛形電極状にパターニングされている。一方、第2透明電極704はパターニングされておらず、所謂ベタ電極である。第1透明電極702及び第2透明電極704は、図示しないコネクタ、配線を介して制御装置18に接続されている。
調光装置700の遮光率(光透過率)は、第1透明電極702及び第2透明電極704に印加する電圧によって制御することができる。具体的には、第1透明電極702に相対的に正の電圧を印加し、第2透明電極704に相対的に負の電圧を印加すると、正に帯電している電気泳動粒子は第2透明電極704を覆うように泳動する。従って、調光装置700における遮光率は高い値となる。一方、これとは逆に、第1透明電極702に相対的に負の電圧を印加し、第2透明電極704に相対的に正の電圧を印加すると、電気泳動粒子は第1透明電極702を覆うように泳動する。従って、調光装置700における遮光率は低い値となる。第1透明電極702及び第2透明電極704に印加する電圧は制御装置18に設けられた制御ノブを観察者が操作することにより行うことができる。即ち、光学装置120,320からの虚像を観察者が観察し、調光装置700の遮光率を調整することで、虚像のコントラスト向上を図ればよい。
実施例12は、実施例11の変形である。実施例11にあっては、調光装置700によって着色される色を、黒色の固定色とした。一方、実施例12にあっては、調光装置を通過する光は、調光装置によって所望の色に着色され、しかも、調光装置によって着色される色は可変である。具体的には、調光装置は、赤色に着色される調光装置と、黄色に着色される調光装置と、青色に着色される調光装置とが積層されて成る。ここで、赤色に着色される調光装置における電気泳動分散液は、電気泳動粒子として、スチレン系樹脂とC.I.Pigment Red 122とをヘンシェルミキサーにより予備混合した後、二軸押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いで、ジェットミルを用いて微粉砕した粒子を、N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、1,2−ヒドロキシオクタデカン酸及びメトキシスルホニルオキシメタン(日本ルーブリゾール株式会社製ソルスパース17000)を0.5%含むと共にソルビタントリオレエート(スパン85)を1.5%含むアイソパーG(エクソンモービル有限会社社製)溶液に分散させて得られた分散液から構成されている。また、黄色に着色される調光装置における電気泳動分散液は、電気泳動粒子として、スチレン系樹脂とC.I.Pigment Yellow 12とをヘンシェルミキサーにより予備混合した後、二軸押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いで、ジェットミルを用いて微粉砕した粒子を、N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、1,2−ヒドロキシオクタデカン酸及びメトキシスルホニルオキシメタン(日本ルーブリゾール株式会社製ソルスパース17000)を0.5%含むと共にソルビタントリオレエート(スパン85)を1.5%含むアイソパーG(エクソンモービル有限会社社製)溶液に分散させて得られた分散液から構成されている。更には、青色に着色される調光装置における電気泳動分散液は、電気泳動粒子として、スチレン系樹脂とC.I.Pigment Blue 1とをヘンシェルミキサーにより予備混合した後、二軸押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いで、ジェットミルを用いて微粉砕した粒子を、N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、1,2−ヒドロキシオクタデカン酸及びメトキシスルホニルオキシメタン(日本ルーブリゾール株式会社製ソルスパース17000)を0.5%含むと共にソルビタントリオレエート(スパン85)を1.5%含むアイソパーG(エクソンモービル有限会社社製)溶液に分散させて得られた分散液から構成されている。そして、各調光装置における電極への電圧の印加を制御することで、3層の調光装置から出射される外光に所望の色を着色することができる。
以上の点を除き、実施例12の表示装置の構成、構造は、実施例11において説明した表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例13は、実施例1〜実施例12の変形である。実施例13にあっては、図30に示すように、第1基板121の第1面121Aに第1偏向手段A(141A)を配し、第1基板121の第2面121Bに第1偏向手段B(141B)を配し、第1基板121の第2面121Bを覆うように第3基板123を設ける。第1基板121の第2面121Bの外縁部と第3基板123の第1面123Aの外縁部を封止部材125によって封止する。また、第1基板121と第3基板123と封止部材125とによって囲まれた空間内に吸湿部材130を配置する。
具体的には、偏向手段は、第1偏向手段A(141A)、第1偏向手段B(141B)、第2偏向手段142から構成されており、
第1偏向手段A(141A)を構成する反射型の体積ホログラム回折格子膜の内部には、第1Aの干渉縞が形成されており、
第1偏向手段B(141B)を構成する反射型の体積ホログラム回折格子膜の内部には、第1Bの干渉縞が形成されており、
第2偏向手段142を構成する反射型の体積ホログラム回折格子膜の内部には、第2の干渉縞が形成されており、
φ1A<φ2<φ1B、及び、P1A=P2=P1B
の関係を満足する形態とすることができる。ここで、
φ1A:第1Aの干渉縞のスラント角
φ1B:第1Bの干渉縞のスラント角
φ2 :第2の干渉縞のスラント角
P1A:第1Aの干渉縞のピッチ
P1B:第1Bの干渉縞のピッチ
P2 :第2の干渉縞のピッチ
である。
あるいは又、
λ1A<λ2<λ1B
の関係を満足する形態とすることができる。
ここで、
λ1A:第1基板に入射され、第1偏向手段Aによって偏向される光のピーク波長
λ1B:第1基板に入射され、第1偏向手段Bによって偏向される光のピーク波長
λ2 :第1偏向手段A及び第1偏向手段Bによって偏向され、第1基板の内部を全反射により伝播し、第2偏向手段によって偏向される光のピーク波長
である。
以上の点を除き、このような実施例13の光学装置、あるいは、このような実施例13の光学装置を備えた実施例13の画像表示装置、実施例13の表示装置は、実施例1〜実施例12において説明した画像表示装置、表示装置と同様の構成、構造とすることができるので詳細な説明は省略する。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定するものではない。実施例において説明した表示装置(頭部装着型ディスプレイ)、画像表示装置、光学装置の構成、構造は例示であり、適宜変更することができる。例えば、第1基板(導光板)に表面レリーフ型ホログラム(米国特許第20040062505A1参照)を配置してもよい。光学装置120にあっては、偏向手段を透過型のホログラム回折格子膜から構成することもできるし、あるいは又、第1偏向手段及び第2偏向手段の内のいずれか一方を反射型のホログラム回折格子膜から構成し、他方を透過型のホログラム回折格子膜から構成する形態とすることもできる。あるいは又、偏向手段を、反射型ブレーズド回折格子膜とすることもできる。本開示の表示装置は、立体視ディスプレイ装置として用いることもできる。この場合、必要に応じて、光学装置に偏光板や偏光フィルムを着脱自在に取り付け、あるいは、光学装置に偏光板や偏光フィルムを貼り合わせればよい。
実施例においては、画像形成装置111,211は、単色(例えば、緑色)の画像を表示するとして説明したが、画像形成装置111,211はカラー画像を表示することもでき、この場合、光源を、例えば、赤色、緑色、青色のそれぞれを出射する光源から構成すればよい。具体的には、例えば、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子のそれぞれから出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得ればよい。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《光学装置》
第1面、及び、第1面と対向した第2面を有する第1基板、
第1面、及び、第1面と対向した第2面を有し、第1面が第1基板の第1面と対向して配設された第2基板、
第1基板の第1面に配された偏向手段、
第1基板の第1面の外縁部と第2基板の第1面の外縁部を封止する封止部材、並びに、
第1基板と第2基板と封止部材とによって囲まれた空間内に配置された吸湿部材、
を備えている光学装置。
[A02]吸湿部材は、第2基板の第1面に配置されている[A01]に記載の光学装置。
[A03]吸湿部材は、第2基板の第1面の全面に貼り合わされている[A02]に記載の光学装置。
[A04]吸湿部材は、第1基板の第1面の偏向手段が配された領域以外の領域に配置されている[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A05]吸湿部材は、第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域及び第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域に配置されている[A01]に記載の光学装置。
[A06]偏向手段を覆うように、第2基板の第2面の外側に遮光部材が配置されている[A01]に記載の光学装置。
[A07]第2基板への偏向手段の正射影像は、第2基板への遮光部材の正射影像に含まれる[A06]に記載の光学装置。
[A08]第2基板への遮光部材の正射影像内の領域であって、第2基板の第1面の領域、又は、第1基板の第1面の偏向手段が配された領域以外の領域、又は、第2基板の第1面の領域及び第1基板の第1面の偏向手段が配された領域以外の領域に、吸湿部材が配置されている[A06]又は[A07]に記載の光学装置。
[A09]偏向手段は、吸水性を有する材料から成る[A01]乃至[A08]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A10]偏向手段は、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜から構成されている[A09]に記載の光学装置。
[A11]第2基板に面した偏向手段の面には保護膜が配されている[A09]又は[A10]に記載の光学装置。
[A12]吸湿部材と保護膜とは同じ材料から成る[A11]に記載の光学装置。
[A13]吸湿部材の厚さは保護膜の厚さよりも厚い[A12]に記載の光学装置。
[A14]偏向手段は、第1偏向手段及び第2偏向手段から構成されており、
第1偏向手段は、第1基板に入射された光が第1基板の内部で全反射されるように、第1基板に入射された光を偏向させ、
第2偏向手段は、第1基板の内部を全反射により伝播した光を第1基板から出射させるために、第1基板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる[A01]に記載の光学装置。
[A15]吸湿部材は、第2基板の第1面に配置されている[A14]に記載の光学装置。
[A16]吸湿部材は、第2基板の第1面の全面に貼り合わされている[A15]に記載の光学装置。
[A17]吸湿部材は、第1基板の第1面の第1偏向手段及び第2偏向手段が配された領域以外の領域に配置されている[A14]乃至[A16]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A18]吸湿部材は、第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域、又は、第2基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域及び第1基板の第1面の封止部材の内側に沿った領域に配置されている[A14]に記載の光学装置。
[A19]第1偏向手段を覆うように、第2基板の第2面の外側に遮光部材が配置されている[A14]に記載の光学装置。
[A20]第2基板への第1偏向手段の正射影像は、第2基板への遮光部材の正射影像に含まれる[A19]に記載の光学装置。
[A21]第2基板への遮光部材の正射影像内の領域であって、第2基板の第1面の領域、又は、第1基板の第1面の第1偏向手段が配された領域以外の領域、又は、第2基板の第1面の領域及び第1基板の第1面の第1偏向手段が配された領域以外の領域に、吸湿部材が配置されている[A19]又は[A20]に記載の光学装置。
[A22]第1偏向手段及び第2偏向手段の少なくとも一方は、吸水性を有する材料から成る[A14]乃至[A21]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A23]第1偏向手段は、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜から構成されており、
第2偏向手段は、樹脂材料から成るホログラム回折格子膜から構成されている[A22]に記載の光学装置。
[A24]第2基板に面した第1偏向手段の面及び第2偏向手段の面には保護膜が配されている[A14]乃至[A23]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A25]吸湿部材と保護膜とは同じ材料から成る[A24]に記載の光学装置。
[A26]吸湿部材の厚さは保護膜の厚さよりも厚い[A25]に記載の光学装置。
[A27]吸湿部材の吸水率は、偏向手段を構成する材料の吸水率よりも高い[A01]乃至[A26]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A28]吸湿部材は、ポリビニルアルコールから成る[A01]乃至[A27]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A29]吸湿部材は、ナノポーラスシリカ、モレキュラシーブ、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、珪藻土、モンモリロナイト及びベントナイトから構成された群から選択された少なくとも1種類の材料から成る[A01]乃至[A27]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A30]吸湿部材は、光透過率が50%以上の樹脂製フィルムから成る[A01]乃至[A27]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A31]第1基板及び第2基板は、透明基板から成る[A01]乃至[A30]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A32]第2基板の第2面側に調光装置が配されている[A01]乃至[A31]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B01]光学装置は、画像形成装置から出射される光に基づき虚像が形成される虚像形成領域を有し、
光学装置の虚像形成領域は、調光装置と重なっており、
画像形成装置から出射される光に基づき、虚像形成領域の一部分において虚像が形成されるとき、調光装置への虚像の投影像が含まれる調光装置の虚像投影領域の遮光率が、調光装置の他の領域の遮光率よりも高くなるように、調光装置が制御される光学装置。
[B02]調光装置の動作時、調光装置の他の領域の遮光率は、調光装置への虚像の投影像が含まれる調光装置の虚像投影領域の遮光率を「1」としたとき、0.95以下である[B01]に記載の光学装置。
[B03]調光装置の動作時、調光装置の虚像投影領域の遮光率は、35%乃至99%である[B01]又は[B02]に記載の光学装置。
[B04]画像形成装置から出射された光に基づき光学装置に虚像が形成される前に、調光装置の虚像投影領域の遮光率が増加される[B01]乃至[B03]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B05]画像形成装置から出射された光に基づき光学装置に一の虚像が形成され、次いで、一の虚像と異なる次の虚像が形成されるときであって、一の虚像に対応する調光装置の虚像投影領域の面積をS1、次の虚像に対応する調光装置の虚像投影領域の面積をS2としたとき、
S2/S1<0.8、又は、1<S2/S1の場合、次の虚像が形成される調光装置の虚像投影領域は、調光装置への次の虚像の投影像が含まれる調光装置の領域であり、
0.8≦S2/S1≦1の場合、次の虚像が形成される調光装置の虚像投影領域は、調光装置への一の虚像の投影像が含まれた調光装置の領域である[B01]乃至[B04]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B06]光学装置に形成される虚像に外接する仮想矩形を想定したとき、調光装置の虚像投影領域は、仮想矩形よりも大きい[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B07]光学装置に形成される虚像に外接する仮想矩形の横方向及び縦方向の長さをL1-T及びL1-Lとし、調光装置の虚像投影領域の形状を、横方向及び縦方向の長さがL2-T及びL2-Lの矩形形状としたとき、
1.0≦L2-T/L1-T≦1.5
1.0≦L2-L/L1-L≦1.5
を満足する[B06]に記載の光学装置。
[B08]調光装置は、
調光装置用第1基板、
調光装置用第1基板と対向する調光装置用第2基板、
調光装置用第2基板と対向する調光装置用第1基板の対向面に設けられた第1透明電極、
調光装置用第1基板と対向する調光装置用第2基板の対向面に設けられた第2透明電極、及び、
第1透明電極と第2透明電極とによって挟まれた調光層、
から成る[B01]乃至[B07]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B09]第1透明電極は、第1の方向に延びる複数の帯状の第1透明電極セグメントから構成されており、
第2透明電極は、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる複数の帯状の第2透明電極セグメントから構成されており、
第1透明電極セグメントと第2透明電極セグメントの重複領域に対応する調光装置の部分の遮光率の制御は、第1透明電極セグメント及び第2透明電極セグメントに印加する電圧の制御に基づき行われる[B08]に記載の光学装置。
[B10]光学装置の置かれた環境の照度を測定する環境照度測定センサを更に備えており、
環境照度測定センサの測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御する[B01]乃至[B09]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B11]光学装置の置かれた環境の照度を測定する環境照度測定センサを更に備えており、
環境照度測定センサの測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御する[B01]乃至[B10]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B12]外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する透過光照度測定センサを更に備えており、
透過光照度測定センサの測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御する[B01]乃至[B11]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B13]外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する透過光照度測定センサを更に備えており、
透過光照度測定センサの測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御する[B01]乃至[B12]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B14]透過光照度測定センサは、光学装置よりも観察者側に配置されている[B12]又は[B13]に記載の光学装置。
[B15]調光装置を通過する光は、調光装置によって所望の色に着色される[B01]乃至[B14]のいずれか1項に記載の光学装置。
[B16]調光装置によって着色される色は可変である[B15]に記載の光学装置。
[B17]調光装置によって着色される色は固定である[B15]に記載の光学装置。
[C01]《画像表示装置》
(A)画像形成装置、及び、
(B)画像形成装置から出射された光が入射され、出射される光学装置、
を備えた画像表示装置であって、
光学装置は、
第1面、及び、第1面と対向した第2面を有する第1基板、
第1面、及び、第1面と対向した第2面を有し、第1面が第1基板の第1面と対向して配設された第2基板、
第1基板の第1面に配された偏向手段、
第1基板の第1面の外縁部と第2基板の第1面の外縁部を封止する封止部材、並びに、
第1基板と第2基板と封止部材とによって囲まれた空間内に配置された吸湿部材、
を備えている画像表示装置。
[D01]《表示装置》
(イ)観察者の頭部に装着されるフレーム、及び、
(ロ)フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えた表示装置であって、
画像表示装置は、
(A)画像形成装置、及び、
(B)画像形成装置から出射された光が入射され、出射される光学装置、
を備えており、
光学装置は、
第1面、及び、第1面と対向した第2面を有する第1基板、
第1面、及び、第1面と対向した第2面を有し、第1面が第1基板の第1面と対向して配設された第2基板、
第1基板の第1面に配された偏向手段、
第1基板の第1面の外縁部と第2基板の第1面の外縁部を封止する封止部材、並びに、
第1基板と第2基板と封止部材とによって囲まれた空間内に配置された吸湿部材、
を備えている表示装置。