図面を参照して実施例のハイブリッド車を説明する。図1に、実施例のハイブリッド車2の電気系統のブロック図を示す。本実施例のハイブリッド車2は、エンジン61の動力を利用して走行したり、メインバッテリ4の電力を利用して走行したりするハイブリッド車である。メインバッテリ4の電力を利用して走行する場合、ハイブリッド車2は、メインバッテリ4から供給される電力により第2モータ8を駆動し、第2モータ8の動力によって駆動輪(図示せず)を回転させる。エンジン61を利用して走行する場合には、ハイブリッド車2は、第1モータ6をセルモータとして使用しエンジン61を始動させる。
そして、ハイブリッド車2は、動力分割機構62によって、エンジン61が発生させた動力の一部を駆動輪に伝達する一方で、その残りの動力を第1モータ6に伝達させて第1モータ6に発電させる。第1モータ6で発電した電力は、第2モータ8に供給して駆動輪の回転に利用したり、メインバッテリ4に充電したりすることもできる。
尚、エンジン61を利用して走行している際に、さらにメインバッテリ4からも第2モータ8に電力を供給して、駆動輪を回転させることも可能である。また、メインバッテリ4から電力を供給することなく、第2モータ8で発電した電力だけで第1モータ6を駆動して走行することも可能である(バッテリレス走行)。
メインバッテリ4は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池である。本実施例では、メインバッテリ4は、所定の高電圧(例えば、約200V(ボルト))を出力する。ハイブリッド車2は、エンジンの動力で第1モータ6を発電し、発電したその電力をメインバッテリ4に充電する。走行中のハイブリッド車2が減速する場合には、第2モータ8で回生発電し、その回生電力をメインバッテリ4に充電する。メインバッテリ4には、メインバッテリ4の電圧VBを測定する電圧センサ4aが取り付けられている。メインバッテリ4は、メイン電源配線10を介して、電力制御ユニット(PCU)12に接続されている。メイン電源配線10は、メインバッテリ4の正極端子に接続された正極線10aと、メインバッテリ4の負極端子に接続された負極線10bを備えている。
PCU12は、メインバッテリ4と、第1モータ6及び第2モータ8との間に設けられている。PCU12は、平滑コンデンサ14、コンバータ16及びインバータ18を備えている。平滑コンデンサ14は、メイン電源配線10の電圧を平滑化する。コンバータ16は、メインバッテリ4から供給される電力の電圧を、必要に応じて第1モータ6や第2モータ8の駆動に適した電圧まで昇圧する。加えてコンバータ16は、第1モータ6や第2モータ8が発電した電力の電圧を、メインバッテリ4への充電に適した電圧まで降圧させたりもする。本実施例では、第1モータ6や第2モータ8の駆動に用いる電圧は約600Vである。インバータ18は、メインバッテリ4から供給される直流電力を第1モータ6や第2モータ8を駆動するための三相交流電力に変換する。また、第1モータ6や第2モータ8が発電した三相交流電力をメインバッテリ4へ充電するための直流電力に変換する。
メインバッテリ4とPCU12の間には、システムメインリレー(SMR)20が設けられている。SMR20は、メイン電源配線10の正極線10aの導通と非導通を切り換えるスイッチ20aと、メイン電源配線10の負極線10bの導通と非導通を切り換えるスイッチ20bを備えている。すなわち、SMR20は、メイン電源配線10の導通と非導通を切り換える。尚、非導通は、遮断と称される場合もある。
ハイブリッド車2は、メインバッテリ4よりも電圧が低いサブバッテリ22を備えている。サブバッテリ22は、典型的には、鉛蓄電池で構成される二次電池である。サブバッテリは、補機バッテリと称される場合もある。本実施例では、サブバッテリ22の電圧は約13Vである。サブバッテリ22は、サブ電源配線24を介して、パワーステアリングやエアーコンディショナなどの補機26に接続されている。サブバッテリ22には、サブバッテリ22の電圧VSを測定する電圧センサ22aが取り付けられている。サブ電源配線24は、サブバッテリ22の正極端子に接続された正極線24aと、サブバッテリ22の負極端子に接続された負極線24bを備えている。サブ電源配線24の負極線24bは、典型的には、接地電位(基準電位)である。
SMR20よりもPCU12側のメイン電源配線10とサブ電源配線24とは、第1DC−DCコンバータ28を介して接続されている。図1では、「第1DC−DCコンバータ」を「DDC1」と略記している。第1DC−DCコンバータ28は、メイン電源配線10からサブ電源配線24へ降圧して電力を供給する降圧動作を行い、またサブ電源配線24からメイン電源配線10へ昇圧して電力を供給する昇圧動作を行う。第1DC−DCコンバータ28は、いわゆる双方向DC−DCコンバータ(昇降圧DC−DCコンバータ)である。ハイブリッド車2では、第1DC−DCコンバータ28が降圧動作を行うことで、SMR20の導通/非導通に関わらず、第1モータ6や第2モータ8が発電した電力をサブバッテリ22に充電することができる。また、ハイブリッド車2では、第1DC−DCコンバータ28が昇圧動作を行うことで、SMR20の導通/非導通に関わらず、サブバッテリ22の電力を利用して第1モータ6や第2モータ8を駆動することができる。
SMR20よりもメインバッテリ4側のメイン電源配線10とサブ電源配線24とは、第2DC−DCコンバータ30を介して接続されている。図1では、「第2DC−DCコンバータ」を「DDC2」と略記している。第2DC−DCコンバータ30は、メイン電源配線10からサブ電源配線24へ降圧して電力を供給する降圧動作を行う。第2DC−DCコンバータ30は、いわゆる単方向DC−DCコンバータ(降圧DC−DCコンバータ)である。
本実施例の第2DC−DCコンバータ30は、第1DC−DCコンバータ28を駆動可能な直流電力を供給し得る内部電源ユニット55(図3参照)を備えており、両DC−DCコンバータ28、30は、電源ライン29により電気的に接続されている。これにより、第1DC−DCコンバータ28の制御回路42(図2参照)は、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55から供給される直流電力を受けて駆動する。電源ライン29は、ECU60などの他のECU、例えば、第1モータ6や第2モータ8を制御するMGECU(不図示)にも接続されている。
ハイブリッド車2では、SMR20の導通時に、第1DC−DCコンバータ28が降圧動作を行い、かつ第2DC−DCコンバータ30が降圧動作を行う。これにより、メインバッテリ4からの電力や、第1モータ6や第2モータ8が発電した電力を、第1DC−DCコンバータ28と第2DC−DCコンバータ30の両方を介して、サブバッテリ22に充電する。この場合、第1DC−DCコンバータ28と第2DC−DCコンバータ30のいずれか一方を介してサブバッテリ22に充電する場合に比べて、サブバッテリ22に供給される電流が大きくなる。そのため、サブバッテリ22の充電に要する時間が短くなる。
ハイブリッド車2は、電子制御ユニット(ECU)60を備えている。ECU60には、電圧センサ4a、22aなど、ハイブリッド車2に搭載された各種のセンサの計測データが入力される。また、車内LANを介して、他のECU(例えば、エンジン制御用のECU(エンジンECU))から各種の制御情報などを取得する。本実施例では、電圧センサ4aからメインバッテリ4の電圧VBの計測データが入力され、電圧センサ22aからサブバッテリ22の電圧VSの計測データが入力される。これにより、ECU60は、PCU12、SMR20、第1DC−DCコンバータ28、第2DC−DCコンバータ30など、ハイブリッド車2の電気系統を構成する各構成要素の動作を制御する。またECU60は、ハイブリッド車2の走行中などにおけるメインバッテリ4やサブバッテリ22の充電時及び放電時の電圧VB、VSの情報を充放電履歴としてログファイル(半導体メモリ)などに記録する。これにより、メインバッテリ4やサブバッテリ22の出力電圧を監視することが可能になる。
図2に、第1DC−DCコンバータ28の構成例を示す。以下の説明では、第1DC−DCコンバータ28に関しメイン電源配線10側(PCU12側)を一次側といい、サブ電源配線24側(サブバッテリ22側)を二次側という。
第1DC−DCコンバータ28は、一次側フィルタ32、一次側回路34、トランス36、二次側回路38、二次側フィルタ40及び制御回路42を備えている。第1DC−DCコンバータ28は、トランス36を介する絶縁型DC−DCコンバータである。本実施例では、一次側フィルタ32、一次側回路34、トランス36、二次側回路38、二次側フィルタ40及び制御回路42は、筐体57内に収容されている。
一次側フィルタ32は、コンデンサ32aで構成されており、第1DC−DCコンバータ28のメイン電源配線10側でのノイズの発生を抑制する。一次側回路34は、スイッチング素子34a、34b、34c、34dと、これらのスイッチング素子34a−34dに夫々並列に接続された還流ダイオード34e、34f、34g、34hを備えている。スイッチング素子34a−34dは、典型的には、パワーMOSFETやIGBTなどの電力用の半導体スイッチであり、オンオフ動作を制御可能に制御端子が制御回路42に接続されている。
本実施例では、スイッチング素子34aとスイッチング素子34bは直列に接続されており、またスイッチング素子34cとスイッチング素子34dも直列に接続されている。これらの直列接続されたスイッチング素子34a、34b及びスイッチング素子34c、34dは、一次側フィルタ32のコンデンサ32aに並列に接続されている。一次側回路34は、スイッチング回路と称される場合もある。
トランス36は、一次側コイル36aと二次側コイル36bを備えている。これらのコイルは所定の巻線比でコアに巻回されている。この巻線比に応じて、トランス36では、一次側コイル36aから二次側コイル36bへ降圧して電力を供給し、また二次側コイル36bから一次側コイル36aへ昇圧して電力を供給する。一次側コイル36aの一端(始端又は終端)は、スイッチング素子34aとスイッチング素子34bの間に接続されており、また一次側コイル36aの他端(終端又は始端)は、スイッチング素子34cとスイッチング素子34dの間に接続されている。
二次側回路38は、スイッチング素子38a、38b、38c、38dと、これらのスイッチング素子38a−38dに並列に接続された還流ダイオード38e、38f、38g、38h、並びにチョークコイル38i及びコンデンサ38jを備えている。チョークコイルは、インダクタと称したり、単にコイルと称したりする。スイッチング素子38a−38dも、スイッチング素子34a−34dと同様に、典型的には、パワーMOSFETやIGBTなどの電力用の半導体スイッチであり、オンオフ動作を制御可能に制御端子が制御回路42に接続されている。
本実施例では、スイッチング素子38aとスイッチング素子38bは直列に接続されており、またスイッチング素子38cとスイッチング素子38dも直列に接続されている。チョークコイル38iとコンデンサ38jは、トランス36側から見てL型のローパスフィルタを構成するように接続されており、これらは、直列接続されたスイッチング素子38a、38b及びスイッチング素子38c、38dに対して、並列に接続されている。二次側コイル36bの一端は、スイッチング素子38aとスイッチング素子38bの間に接続されており、また二次側コイル36bの他端は、スイッチング素子38cとスイッチング素子38dの間に接続されている。二次側回路38は、スイッチング回路と称される場合もある。
二次側フィルタ40は、第1DC−DCコンバータ28のサブ電源配線24側でのノイズの発生を抑制する。本実施例では、二次側フィルタ40は、二次側回路38から見て、チョークコイル40aとコンデンサ40bによりL型のローパスフィルタを構成している。
制御回路42は、前述のECU60(図1参照)と通信可能である。制御回路42は、ECU60からの指示(制御コマンド)に従って、一次側回路34のスイッチング素子34a、34b、34c、34dと、二次側回路38のスイッチング素子38a、38b、38c、38dの動作を制御する。
第1DC−DCコンバータ28の動作について説明する。第1DC−DCコンバータ28が降圧動作をする場合には、一次側回路34において直流電力から交流電力に変換し、トランス36において降圧して、二次側回路38において交流電力から直流電力に変換する。この場合、二次側回路38ではスイッチング素子38a−38dは動作することなく、還流ダイオード38e−38hによる整流と、チョークコイル38i及びコンデンサ38jによる平滑化がなされる。これにより、メイン電源配線10からサブ電源配線24へ降圧して電力を供給する。この際、制御回路42が一次側回路34のスイッチング素子34a−34dのオン/オフのタイミングを調整することで、第1DC−DCコンバータ28が降圧動作をするときのデューティ比を調整することが可能になる。第1DC−DCコンバータ28の降圧動作においては、デューティ比が大きくなるほどメイン電源配線10(PCU12)からサブ電源配線24へ供給される電力が増加する。
逆に、第1DC−DCコンバータ28が昇圧動作をする場合には、二次側回路38において直流電力から交流電力に変換し、トランス36において昇圧して、一次側回路34において交流電力から直流電力に変換する。この場合には、一次側回路34ではスイッチング素子34a−34dは動作することなく、還流ダイオード34e−34hにより整流されて一次側フィルタ32において平滑化される。これにより、サブ電源配線24からメイン電源配線10へ昇圧して電力を供給する。この際、制御回路42が二次側回路38のスイッチング素子38a−38dのオン/オフのタイミングを調整することで、第1DC−DCコンバータ28が昇圧動作をするときのデューティ比を調整することが可能になる。第1DC−DCコンバータ28の昇圧動作においては、デューティ比が大きくなるほどサブ電源配線24からメイン電源配線10(PCU12)へ供給される電力が増加する。
尚、図2に示した第1DC−DCコンバータ28の一次側フィルタ32、一次側回路34、二次側回路38、二次側フィルタ40の具体的な回路構成はあくまでも一例である。そのため、第1DC−DCコンバータ28としては、メイン電源配線10からサブ電源配線24へ降圧して電力を供給する降圧動作と、サブ電源配線24からメイン電源配線10へ昇圧して電力を供給する昇圧動作が可能であれば、どのような構成のものを用いてもよい。
次に、第2DC−DCコンバータ30の構成などを説明する。図3に、第2DC−DCコンバータ30の構成例を示す。図4に、内部電源ユニット55の通常動作時の電力供給経路を示す。図5に、内部電源ユニット55のブースト動作時の電力供給経路を示す。以下の説明では、第2DC−DCコンバータ30に関しメイン電源配線10側(メインバッテリ4側)を一次側といい、サブ電源配線24側(サブバッテリ22側)を二次側という。
図3に示すように、第2DC−DCコンバータ30は、一次側フィルタ44、一次側回路46、トランス48、二次側回路50、二次側フィルタ51、出力スイッチ52、内部電源ユニット55及び制御回路56を備えている。第2DC−DCコンバータ30は絶縁型DC−DCコンバータである。一次側フィルタ44、一次側回路46、トランス48、二次側回路50、二次側フィルタ51、出力スイッチ52、内部電源ユニット55及び制御回路56は、筐体58内に収容されている。
一次側フィルタ44は、コンデンサ44aで構成されており、第2DC−DCコンバータ30のメイン電源配線10側でのノイズの発生を抑制する。一次側回路46は、スイッチング素子46a、46b、46c、46dと、これらのスイッチング素子46a−46dに並列に接続された還流ダイオード46e、46f、46g、46hを備えている。スイッチング素子46a−46dも、スイッチング素子34a−34dと同様に、典型的には、パワーMOSFETやIGBTなどの電力用の半導体スイッチであり、オンオフ動作を制御可能に制御端子が制御回路56に接続されている。
本実施例では、スイッチング素子46aとスイッチング素子46bは直列に接続されており、またスイッチング素子46cとスイッチング素子46dも直列に接続されている。これらのスイッチング素子46a、46b及びスイッチング素子46c、46dは、一次側フィルタ44のコンデンサ44aに並列に接続されている。一次側回路46は、スイッチング回路と称される場合もある。
トランス48は、一次側コイル48aと二次側コイル48bを備えている。これらのコイルは所定の巻線比でコアに巻回されている。この巻線比に応じて、トランス48では、一次側コイル48aから二次側コイル48bに降圧して電力を供給する。一次側コイル48aの一端は、スイッチング素子46aとスイッチング素子46bの間に接続されており、一次側コイル48aの他端は、スイッチング素子46cとスイッチング素子46dの間に接続されている。
二次側回路50は、ダイオード50a、50b、50c、50d、インダクタ50e、及びコンデンサ50fを備えている。ダイオード50a−50dは、トランス48の二次側コイル48bから出力される交流電圧を直流電圧に整流し得るブリッジ回路を構成している。インダクタ50eとコンデンサ50fは、トランス48側から見てL型のローパスフィルタを構成するように接続されており、これらは、整流回路としてブリッジ接続されたダイオード50a−50dに対して、並列に接続されている。
二次側フィルタ51は、第2DC−DCコンバータ30のサブ電源配線24側でのノイズの発生を抑制する。本実施例では、二次側フィルタ51は、二次側回路50から見て、インダクタ51aとコンデンサ51bによりL型のローパスフィルタを構成している。
出力スイッチ52は、サブ電源配線24の正極線24aが接続される第2DC−DCコンバータ30の出力端子と、二次側フィルタ51の出力端との間に設けられるスイッチングデバイスである。典型的には、パワーMOSFETやIGBTなどの電力用の半導体スイッチである。出力スイッチ52は、そのオンオフ動作が制御回路56により制御され得るように制御端子が制御回路56に接続されている。制御回路56は、第2DC−DCコンバータ30が降圧動作を行う場合には出力スイッチ52がオン状態を維持するように制御する。
内部電源ユニット55は、内部電源回路53及びブースト回路54を備えている。内部電源回路53は、トランス53cを中心にその一次側に、スイッチング素子53a、これに逆並列に接続された還流ダイオード53b、ダイオード53d及びコンデンサ53eを備え、またトランス53cの二次側に、ダイオード53f及びコンデンサ53gを備えている。トランス53cは、一次側コイル53c1と二次側コイル53c2を備えている。前述のトランス36、48と同様に、これらのコイルは所定の巻線比でコアに巻回されており、この巻線比に応じて、一次側コイル53c1から二次側コイル53c2へ降圧して電力を供給する。
トランス53cの一次側回路、つまり内部電源回路53の入力側は、トランス53cの一次側コイル53c1の一端側とIGCT端子との間に、順方向を一次側コイル53c1側に向けたダイオード53dが接続されており、また一次側コイル53c1の他端側とグランドの間に、還流ダイオード53bを並列接続したスイッチング素子53aが接続されている。ダイオード53dのカソード側とグランドの間には平滑用のコンデンサ53eが接続されている。IGCT端子には、ハイブリッド車2のパワー(イグニッション)スイッチのオンに伴って、例えば、サブバッテリ22から所定電圧が供給される。
このような一次側回路に対して、トランス53cの二次側回路、つまり内部電源回路53の出力側は、二次側コイル53c2の一端側と、内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iとの間に、順方向を出力端子側に向けたダイオード53fが接続されており、また同他端側がグランドに接続されている。ダイオード53fのカソード側とグランドの間には平滑用のコンデンサ53gが接続されている。内部電源回路53は、IGCT端子からダイオード53dを介して入力される直流電圧を制御回路56の駆動電圧Vppに降圧して内部電源ライン53hや外部電源ライン53iに出力する。
ブースト回路54は、スイッチング素子54a、これに逆並列に接続された還流ダイオード54b、コイル54c、ダイオード54d及びコンデンサ54eを備えている。コイル54cは、トランス53cの二次側コイル53c2に対して巻回数が少なくかつ磁気結合するように構成されている。これにより、ブースト回路54のコイル54cがトランス53cの、もう一つの一次側回路の一次側コイルとして機能することによって、トランス53cは、ブースト回路54の出力電圧(当該一次側回路の入力電圧)を昇圧して内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iに出力する。
トランス53cのもう一つの一次側回路として機能するブースト回路54は、コイル54cの一端側にカソード側が向くダイオード54dが直列に接続されており、またコイル54cの他端側とグランドの間に、還流ダイオード54bを並列接続したスイッチング素子54aが接続されている。ダイオード54dのカソード側とグランドの間には平滑用のコンデンサ54eが接続されている。ダイオード54dのアノード側は、サブ電源配線24の正極線24aが接続される第2DC−DCコンバータ30の出力端子に接続されている。
スイッチング素子53a、54aは、スイッチング素子46a−46dと同様に、典型的には、パワーMOSFETやIGBTなどの電力用の半導体スイッチである。スイッチング素子53a、54aの制御端子は、不図示の制御回路に接続されてその制御回路によりオンオフ動作を制御することができるように構成されている。
尚、ブースト回路54のスイッチング素子54a及び上記の不図示の制御回路は、内部電源回路53のスイッチング素子53aや制御回路56に比べて、最低動作可能電圧が低い電気的仕様に構成されている。例えば、IGCT端子から供給される駆動電圧の約50%の電圧でも動作することが可能である。そのため、IGCT端子から供給される駆動電圧が制御回路56や制御回路42が動作することが困難な低電圧領域にある場合にも、不図示の制御回路は、ブースト回路54のスイッチング素子54aを正常に制御することが可能である。
本実施例では、内部電源回路53の出力側である外部電源ライン53iは、外部の電源ライン29に接続されている。この電源ライン29は、前述したように、第1DC−DCコンバータ28に接続されており、第1DC−DCコンバータ28の制御回路42は、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55から供給される直流電力を受けて駆動する(図2参照)。
制御回路56及び不図示の制御回路は、ECU60(図1参照)と通信可能である。ECU60からの指示(制御コマンド)に従って、制御回路56は一次側回路46のスイッチング素子46a−46d、内部電源回路53のスイッチング素子53aや出力スイッチ52の動作を制御し、また不図示の制御回路はブースト回路54のスイッチング素子54aを制御する。
第2DC−DCコンバータ30の動作を説明する。第2DC−DCコンバータ30が降圧動作をする場合、一次側回路46において直流電力から交流電力に変換し、トランス48において降圧して、二次側回路50において交流電力から直流電力に変換する。この場合、二次側回路50ではダイオード50a−50dによる整流と、インダクタ50e及びコンデンサ50fによる平滑化がなされる。これにより、メイン電源配線10からサブ電源配線24へ降圧して電力を供給する。この際、出力スイッチ52がオン(導通)状態である。この状態において、制御回路56が一次側回路46のスイッチング素子46a−46dのオン/オフのタイミングを調整することで、第2DC−DCコンバータ30が降圧動作をするときのデューティ比を調整することが可能になる。第2DC−DCコンバータ30の降圧動作においては、デューティ比が大きくなるほどメイン電源配線10(メインバッテリ4)からサブ電源配線24へ供給される電力が増加する。
尚、第2DC−DCコンバータ30としては、一次側回路46がスイッチング素子46a−46dを備えており、制御回路56が一次側回路46の動作を制御する構成に限られない。例えば、二次側回路50がスイッチング素子を備えており、制御回路56が二次側回路50の動作を制御する構成にしてもよい。また、一次側回路46と二次側回路50の夫々がスイッチング素子を備えており、制御回路56が一次側回路46と二次側回路50のそれぞれの動作を制御する構成にしてもよい。また図3に示した第2DC−DCコンバータ30の一次側フィルタ44、一次側回路46、二次側回路50、二次側フィルタ51などの具体的な回路構成はあくまでも一例であって、第2DC−DCコンバータ30としては、メイン電源配線10からサブ電源配線24へ降圧して電力を供給する降圧動作が可能であれば、どのような構成のものを用いてもよい。
このような降圧動作に加えて、第2DC−DCコンバータ30では、内部電源ユニット55によって、制御回路56や第1DC−DCコンバータ28の制御回路42に直流電力を供給する。図4に示すように、内部電源ユニット55がIGCT端子から供給される直流電圧を降圧して内部電源回路53や外部電源ライン53iに出力する場合(通常動作を行う場合)には、トランス53cの一次側回路において直流電力から交流電力に変換し、トランス53c(一次側コイル53c1及び二次側コイル53c2)において降圧して、同二次側回路において交流電力から直流電力に変換する。この場合、二次側回路のダイオード53fによる整流とコンデンサ53gによる平滑化がなされる。これにより、内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iに制御回路56や制御回路42に適した直流電力を出力して、これら制御回路56、42に供給する(図4に示す太い実線の経路)。尚、通常動作時は、出力スイッチ52はオン(導通)状態であり、またブースト回路54は動作していない(スイッチング素子54aをオフ(遮断)状態を維持する)。
一方、IGCT端子から供給される直流電圧が所定電圧を下回ると(所定電圧未満)、制御回路56や内部電源回路53のスイッチング素子53aが適正に動作することが困難になる。このような場合、図5に示すように、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55がブースト動作を行う。
第2DC−DCコンバータ30がブースト動作をする場合には、まず出力スイッチ52をオフ(遮断)状態に設定することにより、第2DC−DCコンバータ30の二次側フィルタ51の出力側とサブバッテリ22の正極線24aとの電気的な接続が切断されてブースト動作が可能になる。ブースト動作では、この状態において、不図示の制御回路がスイッチング素子54aを所定周期でオンオフを繰り返すスイッチング制御を行う。これにより、コイル54c及びスイッチング素子54aを経由して、オン状態においてはサブバッテリ22の正極線24aからグランドに電流が流れ、オフ状態においてはその逆方向に電流が流れる(図5に示す太い実線の経路)。
すなわち、スイッチング素子54aをオンオフ制御すると、コイル54cに交番電流が流れることから、コイル54cに磁気結合しているトランス53cの二次側コイル53c2には誘導起電力が生じる。本実施例では、コイル54cの巻回数は、二次側コイル53c2に対して巻回数が少ない(二次側コイル53c2の巻回数は、コイル54cに対して巻回数が多い)。そのため、二次側コイル53c2の出力側にダイオード53fを介して接続される内部電源回路53や外部電源ライン53iに発生する電圧は、サブ電源配線24の(サブバッテリ22)の電圧よりも高くなる。これにより、サブバッテリ22よりも高い電圧(所定電圧相当)を、内部電源ライン53hを介して制御回路56に供給することが可能になり、また外部電源ライン53i及び電源ライン29を介して第1DC−DCコンバータ28の制御回路42に供給することが可能になる(図5に示す太い破線の経路)。
尚、図3に示したブースト回路54のスイッチング素子54a、コイル54cなどの具体的な回路構成はあくまでも一例であって、ブースト回路54としては、トランス53cの二次側コイル53c2に誘導起電力を発生させることが可能であれば、どのような構成のものを用いてもよい。また、トランス53cと別体に設けられるチョークコイル(インダクタ)をトランス53cの二次側コイル53c2に磁気的に結合させて二次側コイル53c2に誘導起電力を発生させる構成を用いてもよい。
本実施例のハイブリッド車2は、メインバッテリ4が所定の高電圧を出力しなくなった場合、例えば、サブバッテリ22から供給される電力だけで、操舵系などの特定の補機26を制御する。しかし、このような場合に、サブバッテリ22の充電容量が十分でなかったり、バッテリセルの一部が劣化していたりすると、前述したように、IGCT端子から供給される直流電圧が所定電圧を下回るだけでなく、操舵などの運転操作において不都合が生じ得る。そのため、本実施例のハイブリッド車2では、ECU60がメインバッテリ4の出力電圧を監視する所定制御において、図6に示す制御処理を実行することにより、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55によるブースト動作を可能にしている。図6に、ハイブリッド車2のECU60がメインバッテリ4を監視する際に実行する制御処理の流れを示す。
本制御処理では、ECU60は、まずステップS2により、電圧センサ4aで計測されるメインバッテリ4の電圧VBやメインバッテリ4の充放電状態の履歴情報(充放電履歴)などを取得する。そして、ステップS3によりメインバッテリ4の状態判定を行う。この判定は、例えば、SOC(State Of Charge)の最大値や出力電圧の最高値などに基づいて行われる。尚、SOCは、充電率と称される場合もあり、満充電を100%とした場合におけるメインバッテリ4の充電割合(単位%)のことである。
ステップS3により、メインバッテリ4の状態が正常であると判定した場合には(S3;正常)、当該ハイブリッド車2においては、操舵などの運転操作に不都合が生じる蓋然性が低いことから、本制御処理を終了する。これに対して、メインバッテリ4の状態が異常であると判定した場合には(S3;異常)、当該ハイブリッド車2は、操舵などの運転操作において不都合が生じる可能性がある。そのため、ECU60は、ステップS4に処理を移行して、第2DC−DCコンバータ30の出力スイッチ52をオフにする。すなわち、ECU60は、第2DC−DCコンバータ30の制御回路56に対して、出力スイッチ52をオフ状態にする制御コマンドを送る。これにより、第2DC−DCコンバータ30は、前述の内部電源ユニット55によるブースト動作が可能になる。
続くステップS5では、ECU60は、ハイブリッド車2のエンジン61の情報(エンジン情報)を取得する。エンジン情報は、例えば、エンジンECUから取得する。そして、ステップS6によりそのエンジン情報に基づいて、エンジン61の現在の状態を判定する。エンジン61が現在も動作している場合には(S6;動作中)、ステップS7に処理を移行して、第1DC−DCコンバータ28による降圧動作を開始する。すなわち、当該ハイブリッド車2では、エンジン61が発生させた動力の一部により第1モータ6が発電しているため、その交流電圧をPCU12によりメインバッテリ4への充電に適した直流電圧に変換かつ降圧し、さらにそれを第1DC−DCコンバータ28によって、サブバッテリ22の充電や補機26に適した電圧Vxに降圧する。これにより、操舵系などの特定の補機26の制御が可能になる。
一方、エンジン61が現在停止している場合には(S6;停止中)、ステップS8に処理を移行して電圧センサ22aで計測されるサブバッテリ22の電圧VSの情報を取得する。そして、次のステップS9により、電圧センサ22aの現在の電圧VSが、補機26に適した電圧Vx未満(IGCT端子から供給される電圧が所定電圧未満)であるか否かを判定する。
ステップS9の判定処理によって、電圧センサ22aの現在の電圧VSが補機26に適した電圧Vx未満でないと判定された場合には(S9;NO)、ステップS11に処理を移行して、第1DC−DCコンバータ28による昇圧動作を行い、さらにステップS12により第1モータ6によるエンジン61のクランキングを開始する。これにより、エンジン61及び操舵系による退避走行が可能になる。なお、退避走行とは、車両システムに異常が生じたとき、なるべく長く走行できるように、モータの出力を制限して走行を継続するモードのことである。
これに対して、ステップS9の判定処理によって、電圧センサ22aの現在の電圧VSが補機26に適した電圧Vx未満であると判定された場合には(S9;YES)、続くステップS10により第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55によるブースト動作を開始する。すなわち、ECU60は、第2DC−DCコンバータ30の不図示の制御回路に対して、内部電源ユニット55のブースト回路54のスイッチング素子54aをオンオフ制御する制御コマンドを送る。これにより、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55が前述のブースト動作を開始することから、内部電源ライン53hや外部電源ライン53iを介して、制御回路56や第1DC−DCコンバータ28の制御回路42に駆動電力を供給することが可能になる。
このため、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55から供給される駆動電力を、電源ライン29を介して第1DC−DCコンバータ28が受けることにより、当該第1DC−DCコンバータ28は、正常な昇圧動作を行うことが可能になる。これにより、その後、ステップS11に処理を移行し、第1DC−DCコンバータ28による昇圧動作を行った後、さらにステップS12により第1モータ6によるエンジン61のクランキングを開始する。これにより、エンジン61及び操舵系による退避走行が可能になる。
このようにステップS7、S12などによる処理が完了すると、本制御処理を終える。尚、ステップS3において、メインバッテリ4の状態が異常であると判定した場合には(S3;異常)、当該ハイブリッド車2のインスツルメントパネル(不図示)にメインバッテリ4が故障している(又は異常である)内容の警告表示を出力してもよい。これにより、当該ハイブリッド車2の運転者に対して、メインバッテリ4の故障などを知らせることが可能になる。
以上のとおり、本実施例のハイブリッド車2では、サブバッテリ22から入力される直流電圧をスイッチング素子53aとトランス53c(一次側コイル53c1、二次側コイル53c2)を介して変圧し第1DC−DCコンバータ28及び第2DC−DCコンバータ30に直流電力を供給する内部電源回路53と、サブ電源配線24とグランドの間に接続されて内部電源回路53のトランス53cの二次側コイル53c2に磁気結合するコイル54c及びこのコイル54cに流れる電流をオンオフ制御するスイッチング素子54aを有するブースト回路54と、を備えている。
これにより、ブースト回路54のスイッチング素子54aをオンオフ制御すると、コイル54cに交番電流が流れることから、内部電源回路53のスイッチング素子53aがオンオフ制御されなくても、内部電源回路53のトランス53cの二次側コイル53c2に誘導起電力が生じて、第1DC−DCコンバータ28及び第2DC−DCコンバータ30に必要な直流電圧が内部電源回路53から出力される。そのため、このような必要な直流電圧をサブバッテリ22から得ることが困難な場合であっても、ブースト回路54の動作により、内部電源回路53からこれらのDC−DCコンバータ28、30に直流電力が供給される。したがって、サブバッテリ22の出力電圧が不足する場合であっても、第1DC−DCコンバータ28及び第2DC−DCコンバータ30を駆動することができ、エンジン61のクランキングが可能になる。
また、本実施例のハイブリッド車2では、第2DC−DCコンバータ30の内部電源回路53を構成するトランス53c及びその二次側回路(二次側コイル53c2、ダイオード53f及びコンデンサ53g)をブースト回路54の二次側回路として用いた。これにより、第2DC−DCコンバータ30の既存回路の一部を共用するので、部品点数の削減によりブースト回路54の製品コストや体格の増大を抑制することが可能になる。
尚、第2DC−DCコンバータ30においては、図7に示すような他の構成を採用してもよい。図7に、他の構成例の第2DC−DCコンバータ130の回路図を示す。この第2DC−DCコンバータ130は、内部電源回路153の二次側回路の構成が、前述の第2DC−DCコンバータ30の内部電源回路53と異なる。そのため、図7においては、図3に示す第2DC−DCコンバータ30と実質的に同一の構成部分については同一符号を付して、それらの説明を省略する。
第2DC−DCコンバータ130では、その二次側回路の出力側に切換えスイッチ53sを設けることにより、出力先として、内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iと、補機用のバックアップ電源ライン53jと、のいずれかを選択することができるようにしている。切換えスイッチ53sは、例えば、パワーMOSFETやIGBTなどの電力用の半導体スイッチを複数組み合わせて構成される。切換えスイッチ53sは、ブースト回路54のスイッチング素子54aを制御する不図示の制御回路が制御する。
例えば、内部電源ユニット55がIGCT端子から所定電圧の供給を受けて内部電源回路53が通常動作を行っている場合(図4参照)、不図示の制御回路は、切換えスイッチ53sを制御し、内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iとトランス53cを接続する(図7に示す実線の切換えスイッチ53s)。また、内部電源回路53がブースト動作を行っておりそれにより得られた直流電力を第2DC−DCコンバータ30と第1DC−DCコンバータ28に供給する場合(図5参照)、不図示の制御回路は、切換えスイッチ53sを制御し、内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iとトランス53cを接続する(図7に示す実線の切換えスイッチ53s)。
これに対して、例えば、サブ電源配線24の正極線24aや補機26が、バックアップ配線59を介してバックアップ電源ライン53jの出力端子に接続されている場合には、不図示の制御回路は、切換えスイッチ53sを制御し、バックアップ電源ライン53jをトランス53cと接続する(図7に示す破線の切換えスイッチ53s)。この切り換えにより、内部電源回路53のブースト動作により得られた直流電力をサブバッテリ22や補機26に供給することが可能になる。これにより、補機26の駆動電力が不足している場合に、内部電源回路53のブースト動作により得られた直流電力を直接、当該補機26に供給することが可能になる。
例えば、図8に示す制御処理を実行することにより、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55を、バックアップ電源の代替として用いることが可能になる。図8に、ECU60の他の制御処理の流れを示す。図8において、図7に示すECU60の制御処理の流れと実質的に同一の情報処理部分については同一符号を付して、それらの説明を省略する。尚、図8には図示されていないが、切換えスイッチ53sは、初期設定として、内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iの側に切り換えられている。
本制御処理では、ECU60は、ステップS16によりエンジン情報に基づいて、エンジン61の現在の状態を判定する。エンジン61が現在も動作している場合には(S16;動作中)、ステップS18に処理を移行して、第1DC−DCコンバータ28による降圧動作を開始する。すなわち、当該ハイブリッド車2では、エンジン61が発生させた動力の一部により第1モータ6が発電しているため、その交流電圧をPCU12によりメインバッテリ4への充電に適した直流電圧に変換かつ降圧し、さらにそれを第1DC−DCコンバータ28によって補機26に適した電圧Vxに降圧する。これにより、操舵系などの特定の補機26の制御が可能になる。
一方、エンジン61が現在停止してはいるものの、第1モータ6がエンジン61をクランキングするセルモータとして機能することが可能である場合には(S16;停止中・クランキング可)、ステップS17に処理を移行して、第1モータ6によるエンジン61のクランキングを開始する。これにより、エンジン61が動作を開始すれば、エンジン61の動力の一部を受けて今度は第1モータ6が発電するため、ステップS18により第1DC−DCコンバータ28による降圧動作を開始することで、上記のように操舵系などの特定の補機26の制御が可能になる。
他方、エンジン61が現在停止しており、かつ第1モータ6がエンジン61をクランキングするセルモータとして機能することが不可能である場合には(S16;停止中・クランキング不可)、ステップS19に処理を移行して電圧センサ22aで計測されるサブバッテリ22の電圧VSの情報を取得する。そして、次のステップS20により、電圧センサ22aの現在の電圧VSが、補機26に適した電圧Vx未満であるか否かを判定する。
ステップS20の判定処理によって、電圧センサ22aの現在の電圧VSが補機26に適した電圧Vx未満でないと判定された場合には(S20;NO)、当該電圧センサ22aから供給される電力により特定の補機26を制御することが可能である。
これに対して、ステップS20の判定処理によって、電圧センサ22aの現在の電圧VSが補機26に適した電圧Vx未満であると判定された場合には(S20;YES)、続くステップS21により、第2DC−DCコンバータ30の不図示の制御回路に対して、切換えスイッチ53sをバックアップ電源ライン53jの側に切り換える制御コマンドを送る。これにより、第2DC−DCコンバータ30の出力先が、内部電源ライン53h及び外部電源ライン53iからバックアップ電源ライン53jに変更される。
続くステップS22により第2DC−DCコンバータ30によるブースト動作を開始する。すなわち、ECU60は、内部電源ユニット55のブースト回路54のスイッチング素子54aをオンオフ制御する制御コマンドを送る。これにより、第2DC−DCコンバータ30の内部電源ユニット55が前述のブースト動作を開始することから、バックアップ電源ライン53jとバックアップ配線59を介して、サブバッテリ22や補機26に直流電力(補機26の駆動電力)を供給することが可能になる。このようにステップS18、S22などによる処理が完了すると、本制御処理を終える。
本実施例のハイブリッド車2では、図3−図5、図7に示すように、第2DC−DCコンバータ30、130内にブースト回路54などを設ける構成を採用した。つまり、第2DC−DCコンバータ30、130として、その筐体58内に、出力スイッチ52、内部電源ユニット55、155のブースト回路54を構成した。しかしこれに限られることなく、ブースト回路54のコイル54cが第2DC−DCコンバータ30のトランス53cの二次側コイル53c2と磁気結合可能であれば、第2DC−DCコンバータ30、130の外部(別体)に、出力スイッチ52やブースト回路54を設けるように構成してもよい。このように本実施例では、ブースト回路54などを筐体58内に設けているが、第2DC−DCコンバータ30、130が、出力スイッチ52及びブースト回路54を除いた「一次側フィルタ44、一次側回路46、トランス48、二次側回路50、二次側フィルタ51、内部電源回路53、制御回路56など」により構成されると理解することにより、出力スイッチ52及びブースト回路54が第2DC−DCコンバータ30とは別に設けられていることがわかる。
実施例技術に関する留意点を述べる。第1モータ6がモータの一例に相当する。PCU12が電力制御ユニットの一例に相当する。SMR20のスイッチ20aがスイッチの一例に相当する。内部電源回路53、153が電源回路の一例に相当する。スイッチング素子53aが電源回路のスイッチング回路の一例に相当する。一次側コイル53c1及び二次側コイル53c2を有するトランス53cが電源回路のトランスの一例に相当する。スイッチング素子54aがブースト回路のスイッチング素子の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。