上記の圧縮器の一例である固体高分子電解質膜(以下、電解質膜)による電気化学式水素ポンプでは、アノードに供給する水素含有ガスなどのアノード流体中の水素(H2)をプロトン化してカソードに移動させ、プロトン(H+)をカソードで水素(H2)に戻すことで水素が高圧化される。このとき、一般に、電解質膜は、高温および高加湿の条件(例えば、電解質膜に供給する水素含有ガスの温度および露点が約60℃程度)で、プロトン伝導率が上がり、電気化学式水素ポンプの水素圧縮動作の効率が向上する。これに対して、電気化学式水素ポンプのカソードから排出される高圧の水素ガス(以下、カソードガス)を水素貯蔵器に貯蔵する際のカソードガス中の水分量は、上記のとおり、例えば、約5ppm程度以下まで低減することが望まれているが、このようなカソードガス中の水分を効率的に除去することが困難な場合が多い。
例えば、特許文献1および特許文献2に開示された吸着塔の如く、水素中の水分をゼオライトなどの多孔質吸着材により吸着させことができる。しかしながら、吸着材の水分吸着性能には、限界がある。吸着塔の運転時間は、吸着塔に送られる水の量で決まるので、水素中の水分量が多い条件で吸着塔を使用する場合、吸着塔の大型化が必要とある。また、吸着塔内には、高圧水素ガスが流通するので、吸着塔の容器を高圧に耐え得るような構成にする必要性があり、吸着塔の更なる大型化を招く恐れがある。なお、特許文献2の如く、圧力スイング吸着式の精製器を用いて吸着材の充填量を低減することは可能である。しかし、この場合、水素が流れる流路を構成する部材の複雑化、吸着材の再生時に、吸着材で水分とともに吸着した水素の取り扱いが必要になるという問題など、改善の余地がある。
そこで、本開示者らは、以下の如く鋭意検討を行った結果、電気化学式水素ポンプのカソードから排出されるカソードガス中の水分を、水透過膜を用いることでカソードガスから効率的に除去できることを見出した。なお、特許文献1では、水電解装置から排出される水素ガス中の水分を気液分離器により水素ガスから分離することが提案されているが、気液分離器に上記の水透過膜を設けることは検討されていない。
そこで、以下の測定装置において、水透過膜を装置内に組み込み、水透過膜の水透過性について評価した。
<測定装置>
図1は、水透過膜の水透過性を評価するための測定装置の一例を示す図である。
測定装置のセル800は、低圧側の収納部800Lと、高圧側の収納部800Hと、水透過膜805と、を備える。
収納部800Lおよび収納部800Hはそれぞれ、円柱状に構成されており、平面視において円形のセパレーターおよびガス拡散層が積層されている。なお、セパレーターはチタン金属で構成され、収納部800Lのガス拡散層は、チタン粉末焼結体で構成され、収納部800Hのガス拡散層は、チタン繊維焼結体で構成されている。
水透過膜805は、収納部800Lおよび収納部800Hのそれぞれのガス拡散層によって挟まれており、これらのガス拡散層に接触するセパレーターの主面にはそれぞれ、サーペンタイン状の流路(以下、サーペンタイン流路)が形成されている。なお、収納部800Lのサーペンタイン流路の出入口と、収納部800Hのサーペンタイン流路の出入口とが90°ずれるように、これらのセパレーターを配置した。また、水透過膜805およびガス拡散層は、セパレーターの主面に形成された溝内のOリングでシールされている。
また、本測定装置では、水透過膜805として、Nafion(登録商標、デュポン社製)を用いた。具体的には、厚みが51μmのNafion NRE−212(製品名、以下、「N212膜」と略記)および厚みが127μmのNafion 115(製品名、以下、「N115膜」と略記)を使用した。
なお、図示を省略するが、セル800には、収納部800Lおよび収納部800Hのそれぞれのセパレーターの外側に端板が設けられ、セル800の各部材を貫通するボルトおよびネジで、セル800の各部材が端板とともに締結されている。また、端板にはそれぞれ、シーズヒータが埋め込まれている。これにより、セル800を適温にまで加熱することができる。
本測定装置は、高圧の水(液体)から常圧状態の水素含有ガスへの水透過膜805の水透過性(Liquid-vapor permeation;以下、LVP)および高圧の水(液体)から常圧状態の水(液体)への水透過膜805の水透過性(Liquid-liquid permeation;以下、LLP)の両方を測定可能に構成されている。
具体的には、セル800における収納部800Hの流入口(サーペンタイン流路の入口)には、約2MPaGから約100MPaGまで水圧をかけることができる手動式の水圧ポンプ804が接続されている。また、セル800の収納部800Hの流出口(サーペンタイン流路の出口)には、二方弁903が接続されている。これにより、セル800の収納部800Hに存在する水に対して所望の水圧を付与することができる。
ここで、水透過膜805のLLPの測定が開始される際には、セル800の収納部800Lの流入出口(サーペンタイン流路の出入口)のそれぞれと接続された三方弁901、902の弁操作により、図1の実線で示すように、収納部800Lの流入口(サーペンタイン流路の入口)が、水ポンプ801が設けられた水配管と連通するとともに、収納部800Lの流出口(サーペンタイン流路の出口)が、天秤806が設けられた水配管と連通する。
これに対して、水透過膜805のLVPの測定が開始される際には、セル800の収納部800Lの流入出口(サーペンタイン流路の出入口)のそれぞれと接続された三方弁901、902の弁操作により、図1の点線で示すように、収納部800Lの流入口(サーペンタイン流路の入口)が、マスフローコントローラ802およびバブラー803が設けられた水素配管と連通するとともに、収納部800Lの流出口(サーペンタイン流路の出口)が、鏡面式露点計807が設けられた水素配管と連通する。
なお、以上の測定装置は例示であって、本例に限定されない。
<水透過膜805のLLPの測定手順および測定結果>
以下、水透過膜805のLLPの測定手順および測定結果について説明する。
まず、セル800の温度が、約50℃程度となるように上記のシーズヒータを制御した。
次に、水圧ポンプ804を動作させ、セル800の収納部800Hを水で満たすとともに、二方弁903を閉めることで、収納部800Hの流出口を封止した。同時に、水ポンプ801を動作させ、セル800の収納部800Lを水で満たすとともに、図示しない封止弁を閉めることで、収納部800Lの流入口を封止した。
このとき、収納部800Hに存在する水の水圧が約2MPaGになるように、水圧ポンプ804の動作を制御した。そして、収納部800Lの流出口から流出する一定時間あたりの水量を天秤806で測定することで、水透過膜805における水の透過流束(透過速度)を導出した。
なお、以上の水透過膜805の水の透過流束の導出は、収納部800Hに存在する水の水圧が、約5MPaG、約10MPaG、約15MPaGおよび約20MPaGのそれぞれである場合についても行われた。
また、セル800の温度が、約65℃および約70℃の場合について、上記と同様の測定が行われた。
図2Aは、水透過膜のLLPの測定結果の一例を示す図である。図2Aの縦軸は、水透過膜805における水の透過流束(mol/m2/s)が示され、横軸は、収納部800Hに存在する水の水圧(MPaG)が示されている。
図2Aには、水透過膜805として、N212膜およびN115膜に関するLLPの測定データが示されている。具体的には、図2Aには、セル800の温度が約50℃の場合における水透過膜805のLLPの測定値(黒菱形および白菱形)、同温度が約65℃の場合における水透過膜805のLLPの測定値(黒四角および白四角)、および、同温度が約70℃の場合における水透過膜805のLLPの測定値(黒三角および白三角)がプロットされている。
なお、以上の測定手順および測定結果は例示であって、本例に限定されない。
<水透過膜805のLVPの測定手順および測定結果>
以下、水透過膜805のLVPの測定手順および測定結果について説明する。
まず、セル800の温度が、約50℃程度となるように上記のシーズヒータを制御した。
次に、水圧ポンプ804を動作させ、セル800の収納部800Hを水で満たすとともに、二方弁903を閉めることで、収納部800Hの流出口を封止した。同時に、マスフローコントローラ802を動作させ、セル800の収納部800Lをセル温度基準で相対湿度が約38%の水素含有ガスで満たすように、バブラー803の水温を調整した。そして、相対湿度が約38%の水素含有ガスを所望の流量(例えば、約500−1000ml/min)で収納部800Lを流通させ、収納部800Lの流出口から流出する水素含有ガスの露点を鏡面式露点計807で測定した。
次に、収納部800Hに存在する水の水圧が約2MPaGになるように、水圧ポンプ804の動作を制御した。そして、鏡面式露点計807の測定値が安定した時点で、収納部800Lの流出口から流出する水素含有ガスの露点を鏡面式露点計807で測定することで、水透過膜805における水の透過流束(透過速度)を導出した。
なお、以上の水透過膜805の水の透過流束の導出は、収納部800Hに存在する水の水圧が、約5MPaG、約10MPaG、約15MPaGおよび約20MPaGのそれぞれである場合についても行われた。
また、セル800の温度が、約65℃および約75℃の場合について、上記と同様の測定が行われた。
図2Bは、水透過膜のLVPの測定結果の一例を示す図である。図2Bの縦軸は、水透過膜805の水の透過流束(mol/m2/s)が示され、横軸は、収納部800Hに存在する水の水圧(MPaG)が示されている。
図2Bには、水透過膜805として、N212膜およびN115膜に関するLVPの測定データが示されている。具体的には、図2Bには、セル800の温度が約50℃の場合における水透過膜805のLVPの測定値(黒菱形および白菱形)、同温度が約65℃の場合における水透過膜805のLVPの測定値(黒四角および白四角)、および、同温度が約75℃の場合における水透過膜805のLVPの測定値(黒丸および白丸)がプロットされている。
なお、以上の測定手順および測定結果は例示であって、本例に限定されない。
<対比>
図2Aおよび図2Bから理解できるとおり、セル800の全ての温度において、水透過膜805のLLP(水の透過流束)は、水透過膜805のLVP(水の透過流束)に比べて圧力依存性が大きかった。例えば、水透過膜805がN212膜であると、このような傾向が顕著に現れており、N212膜のLLP(水の透過流束)は、収納部800Hに存在する水の水圧の増加とともに大幅に増加して、N212のLVP(水の透過流束)の約2.7〜約5倍であった。例えば、セル800の温度が約70℃において、N212膜のLLP(水の透過流束)は、約0.15(mol/m2/s)にも達した。
なお、ここでは、湿潤状態の水素含有ガスから乾燥状態の水素含有ガスへの水透過膜805における水蒸気の透過性については評価しなかった。しかし、「M. Adachi et al., J. Electrochem. Soc., 156 (2009) B782;以下、非特許文献」には、厚みが56μmのNafionに関する水蒸気の透過性(Vapor-vapor permeation;VVP)が検討されており、例えば、温度が70℃で、相対湿度が96%の湿潤側から相対湿度が38%の乾燥側(化学ポテンシャル差が3.4kJ/mol)への水蒸気の透過性(VVP)のデータとして、0.02(mol/m2/s)が報告されている。
以上の水透過膜805のLLPおよびLVPの測定データは、収納部800Hに存在する水の水圧が所定の圧力まで増加すると、水透過膜805のLLPが、水透過膜805のLVPに比べて高くなることを意味する。
また、以上の水透過膜805のLLPおよびLVPの測定データ、ならびに、上記の非特許文献の報告は、収納部800Hに存在する水の水圧が所定の圧力まで増加すると、水透過膜805のLLPが、水透過膜805のLVPおよびVVPに比べて高くなることを意味する。
すなわち、本開示の第1態様の水素システムは、このような知見に基づいて案出されたものであり、アノードに供給するアノード流体から取り出されたプロトンが、電解質膜を介してカソードに移動し、圧縮された水素が生成される圧縮器と、水透過膜、水透過膜の一方の主面上に設けられ、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスが流通するカソードガス流路、および水透過膜の他方の主面上に設けられ、カソードガスより低圧の液体が満ちている収容部を含み、カソードガスに含まれる水分を除去する第1の除去器と、を備える。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去を従来よりも効率的に行い得る。具体的には、カソードガスよりも低圧の液体を水透過膜の他方の主面に設けられた収容部に満たすことで、この収容部に低圧のガスを満たす場合に比べて、水透過膜の水の透過流束を高くすることができる。そして、このような本態様の水素システムの作用効果は、水の水圧が所定の圧力まで増加するとき、水透過膜のLLPが水透過膜のLVPに比べて高くなるという、図2Aおよび図2Bの測定データからも検証されている。
ここで、本開示の第2態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、第1の除去器に収容部内の液体を排出する排出路を備えてもよい。
また、本開示の第3態様の水素システムは、第1態様または第2態様の水素システムにおいて、収容部は、液体が流れる流路であってもよい。
本開示の第4態様の水素システムは、第1態様から第3態様のいずれか一つの水素システムにおいて、液体の温度は、第1の除去器に流入するカソードガスの温度よりも低くてもよい。例えば、液体の温度は、第1の除去器に流入するカソードガスの露点よりも低くてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスから凝縮した高圧の凝縮水が水透過膜を用いて効率的に除去される。
具体的には、液体の温度が第1の除去器に流入するカソードガスの温度よりも低いので、水透過膜を介したカソードガスと液体との間の熱交換により、第1の除去器をカソードガスが通過する際にカソードガスが冷却される。ここで、第1の除去器において、液体の温度が第1の除去器に流入するカソードガスの露点よりも低い場合、カソードガス中の水蒸気から凝縮水が発生しやすい。すると、水透過膜に接触する高圧の凝縮水が、水透過膜に接触する低圧の液体へ水透過膜を介して効率的に透過し得る。例えば、水透過膜による水分離において、カソードガス中の水蒸気を、水透過膜を介して水蒸気としてカソードガスから回収する場合、水蒸気の水透過膜への吸着過程、水透過膜を透過した水の蒸発過程などが水透過膜の水透過性の律速条件になり得ると考えられる。これに対して、カソードガスから凝縮した高圧の凝縮水を、水透過膜を介して液体の水としてカソードガスから回収する場合、上記の過程が存在しないので、前者の場合に比べて水透過膜の水の透過流束を高くすることが可能であると考えられ、その結果、第1の除去器において、カソードガス中の水分の除去を効率的に行うことができる。
そして、以上のような本態様の水素システムの作用効果は、水の水圧が所定の圧力まで増加するとき、水透過膜のLLPが水透過膜のLVPおよびVVPに比べて高くなるという、図2Aおよび図2Bの測定データならびに非特許文献の報告からも検証されている。
本開示の第5態様の水素システムは、第1態様から第4態様のいずれか一つの水素システムにおいて、液体が、水を含んでもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1の除去器の収容部内の液体に、熱容量が大きく、入手が容易な水を用いることで、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去を簡易かつ効果的に行うことができる。
ただし、第1の除去器の収容部内の液体は、このような水には限定されない。例えば、高分子量で水透過膜の細孔を通過しない液体であって、かつ水素結合を形成する水酸基を含む液体を選定することも可能である。なお、水の分子量が小さいので、様々な膜の細孔を水が通過するが、仮に、何らかの要因で、第1の除去器のカソードガス流路(高圧)と液体流路(低圧)との圧力の大小関係が逆転することで、水透過膜を介してカソードガス内に水が混入しても、カソードガス中の水分量が増加する以外の悪影響を与えない。
本開示の第6態様の水素システムは、第1態様から第5態様のいずれか一つの水素システムにおいて、第1の除去器から排出された液体を、再び第1の除去器に供給するためのリサイクル流路を備えてもよい。
第1の除去器において、カソードガス中の水素が水透過膜を透過すると、第1の除去器から排出された液体中に水素を含む場合がある。この場合、第1の除去器から排出された液体を外部に放出する際に、液体中の水素の後処理を適切に行う必要がある。そこで、本態様の水素システムは、第1の除去器から排出された液体を、リサイクル流路を通じてリサイクルすることで、このような不都合を軽減することができる。
本開示の第7態様の水素システムは、第1態様から第4態様および第6態様のいずれか一つの水素システムにおいて、液体は水を含み、アノード流体は水素含有ガスであり、第1の除去器から排出された液体をアノードに供給される水素含有ガスに供給する供給路を備えてもよい。
第1の除去器において、カソードガス中の水素が水透過膜を透過すると、第1の除去器から排出された水中に水素を含む場合がある。そこで、本態様の水素システムは、供給路を通じて第1の除去器から排出された水を水素含有ガスに供給することで、かかる水を圧縮器のアノードに供給される水素含有ガスの加湿に利用することができる。また、水に溶存する水素を、圧縮器のアノードからカソードに移動させ、かつ圧縮することができる。
本開示の第8態様の水素システムは、第1態様から第7態様のいずれか一つの水素システムにおいて、水透過膜が、スルホン酸基を含む高分子膜であってもよい。
高分子膜のスルホン酸基は親水性を発現し得るので、上記の高分子膜において、水のパスを形成することができる。よって、本態様の水素システムは、以上の構成により、第1の除去器において、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去機能を有効に発揮させることができる。
本開示の第9態様の水素システムは、第1態様から第8態様のいずれか一つの水素システムにおいて、水透過膜に通電をしなくてもよい。
水透過膜がプロトン伝導性の電解質膜で構成される場合、仮に、水透過膜の両側に電気化学的な水素酸化反応、水素発生反応を促進する物質(例えば、白金など)を含む電極を設けて、水透過膜の電極間に電流を流すと、電流に応じて水透過膜内をプロトンが移動するとともに、例えば、水透過膜で低圧の液体(例えば、水)の電気分解が発生する可能性がある。そこで、本態様の水素システムは、水透過膜に対して通電しないように構成することで、このような可能性を低減することができる。
本開示の第10態様の水素システムは、第1態様から第9態様のいずれか一つの水素システムにおいて、第1の除去器内の液体が流れる流路(以下、液体流路)に、第1の多孔性構造体が設けられていてもよい。また、本開示の第11態様の水素システムは、第1態様から第10態様のいずれか一つの水素システムにおいて、カソードガス流路に、水透過膜と接するように第2の多孔性構造体が設けられていてもよい。
仮に、第1の除去器の液体流路に第1の多孔性構造体を設けない場合、第1の除去器のカソードガス流路(高圧)と液体流路(低圧)との差圧によって、液体流路を閉塞する方向に、水透過膜が変形する。例えば、このような差圧によって、水透過膜が液体流路を構成する第1の除去器の部材に接触する恐れがある。すると、液体流路内の液体の流れが困難になる恐れがあるが、本態様の水素システムは、第1の多孔性構造体を液体流路に設けているので、このような問題が軽減される。なお、水透過膜を透過した水は、第1の多孔性構造体の細孔を通じて、液体流路の液体とともに効率的に第1の除去器外に排水され得る。
また、仮に、第1の除去器のカソードガス流路に、第2の多孔性構造体を設けない場合、本カソードガス流路内のカソードガスの流れは層流になりやすい。この場合、カソードガス中の水分は、カソードガスに同伴して流れるので、例えば、水透過膜から離れた位置に存在するカソードガス中の水分は水透過膜と接触する確率が低い。つまり、この場合、水透過膜を透過する水分は、水透過膜の主面近傍に沿って流れるカソードガス中の水分に限定される恐れがある。
これに対して、本態様の水素システムは、第2の多孔性構造体をカソードガス流路に設けることにより、本カソードガス流路内のカソードガスの流れを強制的にランダムな方向に変えることができる。この場合、カソードガス流路内の様々な位置に存在するカソードガス中の水分が水透過膜と接触できる可能性がある。これにより、本態様の水素システムは、第2の多孔性構造体をカソードガス流路に設けない場合に比べて、カソードガス中の水分と水透過膜とが接触する確率が高くなる。そして、カソードガス中の水分が水透過膜と接触すると、第1の除去器のカソードガス流路(高圧)と液体流路(低圧)との差圧によって、水透過膜に接触する高圧の水分が、水透過膜に接触する低圧の液体へ水透過膜を介して効率的に透過し得る。これにより、第1の除去器において、カソードガスに含まれる水分の除去を促進することができる。
また、仮に、第2の多孔性構造体を水透過膜と接するように設けない場合、第2の多孔性構造体と水透過膜との間の空隙をカソードガスが通過しやすくなる。すると、例えば、第1の除去器のカソードガス流路(高圧)と液体流路(低圧)との差圧の大小などによって上記の空隙の大きさが変化する場合、カソードガスの流通状態がカソードガス流路内で変化する。これにより、水透過膜における水透過性に影響を与えるので、カソードガスに含まれる水分の除去を安定的に行うことが困難になる。しかし、本態様の水素システムは、第2の多孔性構造体を水透過膜と接するように設けることで、両者間の接触界面を安定に保つことができるので、以上の問題が軽減される。
また、本態様の水素システムは、第2の多孔性構造体を水透過膜と接するように設けることで、第2の多孔性構造体が、カソードガス流路を流れるカソードガス冷却のための熱伝導体として機能する。よって、カソードガスがカソードガス流路を通過する際にカソードガスが効果的に冷却される。これにより、本態様の水素システムは、第1の除去器において、第2の多孔性構造体を水透過膜と接するように設けない場合に比べて、カソードガス中の水蒸気からの凝縮水発生を促進させることができる。
本開示の第12態様の水素システムは、第1態様から第11態様のいずれか一つの水素システムにおいて、圧縮器が、カソード、電解質膜、およびアノードを含むセルを備える積層体であり、第1の除去器が積層体と一体で積層されていてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、圧縮器および第1の除去器を積層することでシステム構成を簡素化することができる。例えば、圧縮器および第1の除去器では、高圧のカソードガスが流通する。よって、仮に、圧縮器および第1の除去器が別体で設けられる場合、圧縮器および第1の除去器をそれぞれ固定するための高剛性の端板が必要であることが多い。
そこで、本態様の水素システムは、第1の除去器を上記の積層体と一体で積層することにより、例えば、圧縮器および第1の除去器に使用する端板を共用化することができるので、システム構成が簡素化する。
ところで、電解質膜などの水透過膜の水の浸透は、水透過膜の両側の水の化学ポテンシャルの差によって引き起こされる。ここで、高圧における水蒸気の化学ポテンシャルは、本開示者らの知る限り報告されていない。このため、例えば、65℃および20MPaGにおける水の化学ポテンシャル(Uliq_338)を、65℃および常圧における公知の水の化学ポテンシャル(U0 liq_338)と、「Job G. et. al., Eur. J. Phys., 27 353 (2006)」で報告された以下の式とによって計算するとともに、このような水の化学ポテンシャル(Uliq_338)から、公知の手法に基づいて65℃および20MPaGにおける水蒸気の化学ポテンシャルを算出した。
Uliq_338 = U0 liq_338+δ × [P(z)−PSTD]
上記の式において、δは「1.990 J mol−1 atm−1」であり、P(z)は水に対する加圧力であり、PSTDは、常圧である。
そして、水蒸気の相対湿度(%)を横軸にとり、65℃および20MPaGにおける水蒸気の化学ポテンシャルを、65℃および常圧の水蒸気の化学ポテンシャルと比較すると、これらの化学ポテンシャル図(図3)が得られた。
水透過膜の水の浸透は、上記のとおり、水透過膜の両側の化学ポテンシャルの差によって引き起こされる。よって、水透過膜の低圧側の領域にガスをフル加湿(相対湿度:100%)で供給しても、水透過膜の両側の化学ポテンシャルが等しくなるまで、水透過膜の高圧側の領域における相対湿度が低下する方向に、水透過膜に対して水の浸透駆動力が働く。例えば、図3に示す例では、水透過膜の20MPaGの領域における相対湿度がH1になるまで、水透過膜に対して水の浸透駆動力が働く。
ここで、図3から理解できるとおり、水透過膜の常圧領域における相対湿度が100%未満のガスを供給するとき、水透過膜の20MPaGの領域における相対湿度が上記のH1よりも低下する方向に、水透過膜に対して水の浸透駆動力が働く。例えば、相対湿度が80%のガスを水透過膜の常圧の領域に供給するとき、水透過膜の20MPaGの領域における相対湿度がH2(H2<H1)になるまで、水透過膜に対して水の浸透駆動力が働く。
すなわち、本開示の第13態様の水素システムは、このような知見に基づいて案出されたものであり、第1態様から第12態様の水素システムにおいて、水透過膜の一方の主面に第1の除去器を通過したカソードガスを流通させ、他方の主面にカソードガスよりも、ガス中に含まれる水蒸気の化学ポテンシャルが低い気体を流通させる第2の除去器を備えもよい。
第1の除去器の収容部では、水透過膜の低圧側に液体(例えば、水)が満たされるので、図3の相対湿度が100%の化学ポテンシャルのデータから理解できるように、水透過膜の高圧側の領域を流通するカソードガスの相対湿度の低減に自ずと限界がある。つまり、第1の除去器のみを用いて、カソードガスの水分量が所望の低濃度まで低減するように、カソードガス中の水分を除去することが困難な場合がある。
そこで、本態様の水素システムは、第2の除去器を用いて、水透過膜の他方の主面に、カソードガスよりも、ガス中に含まれる水蒸気の化学ポテンシャルが低い気体を流通させている。これにより、本態様の水素システムは、第1の除去器のみでカソードガス中の水分を除去する場合に比べて、カソードガスの水分量を低濃度まで低減することができる。
本開示の第14態様の水素システムは、第1態様から第12態様の水素システムにおいて、第1の除去器を通過したカソードガス中の水分を除去する吸着材を含む第3の除去器を備えてもよい。
上記のとおり、第1の除去器のみを用いて、カソードガスの水分量が所望の低濃度まで低減するように、カソードガス中の水分を除去することが困難な場合がある。
そこで、本態様の水素システムは、上記の構成により、第1の除去器を通過したカソードガス中の水分を第3の除去器の吸着材を用いて簡易に除去している。
また、本態様の水素システムは、第1の除去器により除去できなかったカソードガスに含まれる水分のみを第3の除去器の吸着材で吸着除去すればよい。これにより、本態様の水素システムは、第1の除去器でカソードガス中の水分を除去しない場合に比べて、吸着材で吸着する単位時間あたりの水分量を減らすことができる。すると、第3の除去器内の吸着材の充填量を少なくしても、第3の除去器の吸着材の水分吸着性能を所望の期間、適切に維持することができるので、第3の除去器の小型化、低コスト化を図ることができる。
本開示の第15態様の水素システムの運転方法は、アノードに供給するアノード流体から取り出されたプロトンが、電解質膜を介してカソードに移動し、圧縮された水素が生成されるステップと、圧縮された水素を含むカソードガスから水分を、水透過膜を介して収容部内に満ちている低圧の液体に移動させるステップと、を備える。
これにより、本態様の水素システムの運転方法は、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去を従来よりも効率的に行い得る。なお、本態様の水素システムの運転方法が奏する作用効果の詳細は、第1態様の水素システムが奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
ここで、本開示の第16態様の水素システムの運転方法は、第15態様の水素システムの運転方法において、収容部内の液体を排出するステップを備えてもよい。
また、本開示の第17態様の水素システムの運転方法は、第15態様または第16態様の水素システムの運転方法において、収容部は、液体が流れる流路であってもよい。
本開示の第18態様の水素システムの運転方法は、第15態様から第17態様のいずれか一つの水素システムの運転方法において、液体の温度は、カソードガスの温度よりも低くてもよい。
これにより、本態様の水素システムの運転方法は、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスから凝縮した高圧の凝縮水が水透過膜を用いて効率的に除去される。なお、本態様の水素システムの運転方法が奏する作用効果の詳細は、第4態様の水素システムが奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本開示の第19態様の水素システムの運転方法は、第15態様から第18態様のいずれか一つの水素システムの運転方法において、液体が、水を含んでもよい。
これにより、本態様の水素システムの運転方法は、収容部内の液体に、熱容量が大きく、入手が容易な水を用いることで、圧縮器のカソードから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去を簡易かつ効果的に行うことができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の各態様の具体例について説明する。
以下で説明する具体例は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、本態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。また、以下で説明する運転方法においては、必要に応じて、各ステップの順序などを変更できる。また、必要に応じて、他の公知のステップを追加できる。
(第1実施形態)
以下の実施形態では、上記の圧縮器の一例である電気化学式水素ポンプを備える水素システムの構成および水素システムの運転方法について説明する。
[装置構成]
図4は、第1実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図4に示す例では、水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、第1の除去器300と、を備える。
電気化学式水素ポンプ100は、アノードANに供給するアノード流体から取り出されたプロトン(H+)を、電解質膜11を介してカソードCAに移動し、圧縮された水素が生成される装置である。なお、アノード流体として、例えば、水素含有ガス、水などを用いることができる。
以下、アノード流体として水素含有ガスを用いる場合の水素システム200の構成について説明する。
電気化学式水素ポンプ100は、電解質膜11による電気化学式の圧縮装置であれば、どのような構成であってもよい。
図4に示す例では、電気化学式水素ポンプ100には、アノードANに水素含有ガスを供給させるためのアノードガス導入経路29と、アノードANから水素含有ガスを排出させるためのアノードガス導出経路31と、カソードCAからカソードガスを排出させるためのカソードガス導出経路26と、が設けられている。なお、カソードガスは、例えば、カソードCAから排出される水蒸気を含む高圧の水素含有ガスである。
第1の除去器300は、水透過膜115と、水透過膜115の一方の主面に設けられ、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスが流通する流路(以下、カソードガス流路114)と、水透過膜115の他方の主面上に設けられ、カソードガスより低圧の液体が満ちている収容部と、を含み、カソードガスに含まれる水分を除去する装置である。なお、カソードガス中の水分は、カソードガス中に含まれる液水を含む。第1の除去器300で除去される水分は、例えば、カソードガスから凝縮した凝縮水を含む。この凝縮水は、カソードガス導出経路26のうちの電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから第1の除去器300までの流路、または、第1の除去器300内のカソードガス流路114で生成される。
第1の除去器300は、カソードガスに含まれる水分の除去が可能な膜式の除去装置であれば、どのような構成であってもよい。
例えば、図4に示すように、第1の除去器300は、カソードガス流路114と、低圧の液体が流通する流路113(以下、液体流路113)と、これらの流路113、114の間に設けられた水透過膜115と、を備えてもよい。つまり、この場合、液体流路113が、上記の収容部に相当する。収容部の他の例は、第4実施形態で説明する。
なお、第1の除去器300には、カソードガス流路114にカソードガスを流通させるためのカソードガス導出経路26と、液体流路113に液体を流通させるための液体導入経路111および液体導出経路112と、が設けられている。
水透過膜115は、カソードガス中の水素(H2)の透過性が低く、カソードガス中の水分を透過させる膜であれば、どのような構成であってもよい。
例えば、水透過膜115は、スルホン酸基を含む高分子膜で構成されていてもよい。これにより、カソードガス中の液体の水だけでなく、水蒸気を透過する機能を水透過膜115に付与することができる。なお、高分子膜のスルホン酸基は親水性を発現し得るので、高分子膜において、水のパスを形成することができる。よって、本実施形態の水素システム200は、以上の構成により、第1の除去器300において、電気化学式水素ポンプ100のカソードから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去機能を有効に発揮させることができる。
ここで、本実施形態の水素システム200では、第1の除去器300に流入する液体の温度が、第1の除去器300に流入するカソードガスの温度よりも低い。例えば、第1の除去器300に流入する液体の温度は、第1の除去器300に流入するカソードガスの露点よりも低い。そこで、本実施形態の水素システム200では、液体導入経路111の適所に冷却器(図示せず)が設けられていてもよい。
なお、以上の電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300が一体的に構成された水素システム200の一例は第3実施例で説明する。
[動作]
以下、第1実施形態の水素システム200の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の動作は、例えば、図示しない制御器の演算回路が、制御器の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。また、以下では、アノード流体として水素含有ガスを用いる場合の水素システム200の動作について説明する。
まず、電気化学式水素ポンプ100のアノードANに低圧の水素含有ガスが供給されるとともに、電圧印加器(図4では図示せず)の電圧が電気化学式水素ポンプ100に印加される。すると、電気化学式水素ポンプ100において、アノードANに供給する水素含有ガスから取り出されたプロトンが、電解質膜11を介してカソードCAに移動し、圧縮された水素が生成されるステップ(水素圧縮動作)が行われる。具体的には、アノードANのアノード触媒層において、酸化反応で水素分子が水素イオン(プロトン)と電子とに分離する(式(1))。プロトンは電解質膜11内を伝導してカソード触媒層に移動する。電子は電圧印加器を通じてカソード触媒層に移動する。そして、カソード触媒層において、還元反応で水素分子が再び生成される(式(2))。なお、プロトンが電解質膜11中を伝導する際に、所定量の水が、電気浸透水としてアノードANからカソードCAにプロトンと同伴して移動することが知られている。
アノード:H2(低圧)→2H++2e− ・・・(1)
カソード:2H++2e−→H2(高圧) ・・・(2)
電気化学式水素ポンプ100のカソードCAで生成された水素は、水蒸気を含むカソードガスとして、カソードCAで圧縮される。例えば、図示しない流量調整器を用いて、カソードガス導出経路26の圧損を増加させることにより、カソードCAでカソードガスを圧縮することができる。なお、流量調整器として、例えば、カソードガス導出経路26に設けられた背圧弁、調整弁などを挙げることができる。
次に、流量調整器の圧損を低下させると、カソードガスが、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAからカソードガス導出経路26を通じて電気化学式水素ポンプ100外に排出される。
すると、第1の除去器300において、圧縮された水素を含むカソードガスから水分を、水透過膜115を介して液体流路113内に満ちている低圧の液体に移動させるステップが行われる。具体的には、第1の除去器300では、水透過膜115の一方の主面に、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスが流通する。よって、第1の除去器300において、水透過膜115の他方の主面にカソードガスより低圧の液体を流通させることで、カソードガスに含まれる水分の除去動作が行われる。このとき、上記の水分は、カソードガス中に含まれる液水を含む。この水分は、例えば、カソードガスから凝縮した凝縮水を含む。この凝縮水は、カソードガス導出経路26のうちの電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから第1の除去器300までの流路、または、第1の除去器300内のカソードガス流路114で生成される。また、第1の除去器300に流入する液体の温度は、第1の除去器300に流入するカソードガスの温度よりも低くてもよい。
以上により、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去を従来よりも効率的に行い得る。具体的には、水透過膜115の他方の主面に低圧の液体を流通させることで、この主面に低圧のガスを流通させる場合に比べて、水透過膜115の水の透過流束を高くすることができる。そして、このような本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法の作用効果は、水の水圧が所定の圧力まで増加するとき、水透過膜のLLPが水透過膜のLVPに比べて高くなるという、図2Aおよび図2Bの測定データからも検証されている。
例えば、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスから凝縮した高圧の凝縮水が水透過膜115を用いて効率的に除去される。
具体的には、第1の除去器300に流入する液体の温度が第1の除去器300に流入するカソードガスの温度よりも低いので、水透過膜115を介したカソードガスと液体との間の熱交換により、第1の除去器300をカソードガスが通過する際にカソードガスが冷却される。ここで、第1の除去器300において、第1の除去器300に流入する液体の温度が第1の除去器300に流入するカソードガスの露点よりも低い場合、カソードガス中の水蒸気から凝縮水が発生しやすい。すると、水透過膜115に接触する高圧の凝縮水が、水透過膜115に接触する低圧の液体へ水透過膜115を介して効率的に透過し得る。例えば、水透過膜115による水分離において、カソードガス中の水蒸気を、水透過膜115を介して水蒸気としてカソードガスから回収する場合、水蒸気の水透過膜115への吸着過程、水透過膜115を透過した水の蒸発過程などが水透過膜115の水透過性の律速条件になり得ると考えられる。これに対して、カソードガスから凝縮した高圧の凝縮水を、水透過膜115を介して液体の水として水素含有ガスから回収する場合、上記の過程が存在しないので、前者の場合に比べて水透過膜115の水の透過流束を高くすることが可能であると考えられ、その結果、第1の除去器300において、カソードガス中の水分の除去を効率的に行うことができる。
そして、以上のような本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法の作用効果は、水の水圧が所定の圧力まで増加するとき、水透過膜のLLPが水透過膜のLVPおよびVVPに比べて高いという、図2および図3の測定データならびに非特許文献の報告からも検証されている。
なお、ここでは、図示を省略しているが、本実施形態の水素システム200の水素圧縮動作において必要となる部材および機器は適宜、設けられる。
例えば、水素システム200には、例えば、電気化学式水素ポンプ100の温度を検出する温度検出器、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAで圧縮されたカソードガスの圧力を検出する圧力検出器などが設けられていてもよい。また、水素システム200には、アノードガス導入経路29、アノードガス導出経路31、カソードガス導出経路26、液体導入経路111および液体導出経路112の適所において、これらの経路を開閉するための弁などが設けられていてもよい。
以上の水素システム200の構成は例示であって、本例に限定されない。例えば、電気化学式水素ポンプ100は、アノードガス導出経路31を設けずに、アノードガス導入経路29を通してアノードANに供給する水素含有ガス中の水素(H2)を全量、カソードCAで圧縮するデッドエンド構造が採用されてもよい。
また、水素含有ガスは、例えば、純水素ガスであってもよいし、純水素ガスよりも水素濃度の低いガスであってもよい。後者の水素含有ガスは、例えば、水の電気分解により生成する水素ガスであってもよいし、水素を含む改質ガスであってもよい。
(第1実施例)
図5は、第1実施形態の第1実施例の水素システムの一例を示す図である。
図5に示す例では、水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、第1の除去器300と、リサイクル流路140と、供給路130と、水素源700と、を備える。
ここで、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300は、第1実施形態の水素システム200と同様であるので説明を省略する。
本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法では、第1の除去器300に流通する液体は水を含む。これにより、本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法は、第1の除去器300を流通する液体に、熱容量が大きく、入手が容易な水を用いることで、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去を簡易かつ効果的に行うことができる。
ただし、第1の除去器300に流通する液体は、このような水には限定されない。例えば、高分子量で水透過膜115の細孔を通過しない液体であって、かつ水素結合を形成する水酸基を含む液体を選定することも可能である。なお、水の分子量が小さいので、様々な膜の細孔を水が通過するが、仮に、何らかの要因で、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との圧力の大小関係が逆転することで、水透過膜115を介してカソードガス内に水が混入しても、カソードガス中の水分量が増加する以外の悪影響を与えない。
また、本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法では、電気化学式水素ポンプ100のアノードANに供給されるアノード流体は、水素源700からの水素含有ガスである。なお、水素源700で生成される水素含有ガスとして、例えば、メタンガスなどの改質反応により発生する改質ガス、水の電気分解により発生する水素ガスなどを挙げることができる。
ここで、リサイクル流路140は、第1の除去器300から排出された水を、再び第1の除去器300に供給するための流路である。供給路130は、第1の除去器300から排出された水を電気化学式水素ポンプ100のアノードANに供給される水素含有ガスに供給する流路である。つまり、本例では、液体導出経路112が、リサイクル流路140と供給路130とに分岐部で分岐するとともに、リサイクル流路140の下流端は、液体導入経路111に接続しており、供給路130の下流端は、アノードガス導入経路29に接続している。
なお、図5の水素システム200において、リサイクル流路140および供給路130を流れる水の流量を制御する流量制御器(図示せず)が設けられていてもよい。流量制御器は、このような水の流量を制御することができれば、どのような構成であってもよい。流量制御器として、例えば、流量制御弁などを挙げることができる。このような流量制御弁は、例えば、リサイクル流路140と供給路130との接続部(上記の分岐部)に設けられた、分流比が制御可能な三方弁であってもよいし、三方切替弁であってもよい。また、流量制御弁は、供給路130上、および、リサイクル流路140上のいずれか一方、または、両方に設けられた、弁開度が制御可能な2方弁であってもよいし、オンオフ弁であってもよい。さらに、図5の水素システム200において、リサイクル流路140を流れる水を冷却する冷却器(図示せず)が設けられていてもよい。冷却器は、上記の水を冷却する冷却機能を備える装置であれば、どのような構成であってもよい。冷却器は、例えば、空冷式の冷却器でもよいし、冷却液を用いる冷却器でもよい。前者の冷却器は、例えば、冷却ファン、冷却フィンなどを備える。後者の冷却器は、例えば、冷却液が流れる流路部材を備える。冷却液として、例えば、冷却水、不凍液などを用いることができる。
以下、本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法の作用効果について説明する。
第1の除去器300において、カソードガス中の水素が水透過膜115を透過すると、第1の除去器300から排出された水中に水素を含む場合がある。この場合、第1の除去器300から排出された水を外部に放出する際に、水に溶存する水素の後処理を適切に行う必要がある。
そこで、本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法は、第1の除去器300から排出された水を、リサイクル流路140を通じてリサイクルすることで、このような不都合を軽減することができる。
また、本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法は、供給路130を通じて第1の除去器300から排出された水を水素含有ガスに供給することで、かかる水を電気化学式水素ポンプ100のアノードANに供給される水素含有ガスの加湿に利用することができる。また、水に溶存する水素を、電気化学式水素ポンプ100のアノードANからカソードCAに移動させ、かつ圧縮することができる。
本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法は、上記の特徴以外は、第1実施形態と同様であってもよい。
(第2実施例)
本実施例の水素システム200は、第1の除去器300内の液体流路113に、第1の多孔性構造体が設けられること、および、第1の除去器300内のカソードガス流路114に、水透過膜115と接するように第2の多孔性構造体が設けられること以外、第1実施形態の水素システム200と同様である。なお、第1の多孔性構造体は、第1の除去器300の水透過膜115と接するように第1の除去器300内の液体流路113に設けられていてもよい。
第1の多孔性構造体は、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧で発生する水透過膜115の変位、変形を抑制可能な高剛性であることが望ましい。例えば、第1の多孔性構造体は、金属製であってもよい。金属製の第2の多孔性構造体は、例えば、金属焼結体であってもよい。金属焼結体として、例えば、ステンレス製またはチタン製の金属粉焼結体、金属繊維焼結体などを挙げることができる。
第2の多孔性構造体は、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧で発生する水透過膜115の変位、変形に適切に追従するような弾性を備える方が望ましい。例えば、第2の多孔性構造体として、炭素繊維を含む弾性体で構成されていてもよい。このような弾性体として、例えば、カーボン繊維が積層されるカーボンフェルトなどを挙げることができる。
以下、第1の除去器300の液体流路113に、上記の第1の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設ける場合の本実施例の水素システム200の作用効果について説明する。
仮に、第1の除去器300の液体流路113に第1の多孔性構造体を設けない場合、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧によって、液体流路113を閉塞する方向に、水透過膜115が変形する。例えば、このような差圧によって、水透過膜115が、液体流路113を構成する第1の除去器300の部材に接触する恐れがある。すると、液体流路113内の液体の流れが困難になる恐れがあるが、本実施例の水素システム200は、第1の多孔性構造体を液体流路113に設けているので、このような問題が軽減される。なお、水透過膜115を透過した水は、第1の多孔性構造体の細孔を通じて、液体流路113の液体とともに効率的に第1の除去器300外に排水され得る。
また、仮に、第1の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けない場合、例えば、液体流路113を構成する第1の除去器300の部材のエッジ部で、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧に基づく水透過膜115への曲げ応力が発生する場合がある。すると、このような曲げ応力によって水透過膜115が破損する恐れがあるが、本実施例の水素システム200は、第1の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けているので、このような問題が軽減される。
また、仮に、第1の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けない場合、例えば、第2の多孔性構造体と水透過膜115との間の空隙を液体が通過しやすくなる。
すると、例えば、カソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧の大小などによって上記の空隙の大きさが変化する場合、液体の流通状態が液体流路113内で変化する。これにより、水透過膜115の水透過性に影響を与えるので、カソードガスに含まれる水分の除去を安定的に行うことが困難になる。しかし、本実施例の水素システム200は、第1の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けることで、両者間の接触界面を安定に保つことができるので、以上の問題も軽減される。
次に、第1の除去器300のカソードガス流路114に、上記の第2の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設ける場合の本実施例の水素システム200の作用効果について説明する。
仮に、第1の除去器300のカソードガス流路114に、第2の多孔性構造体を設けない場合、本カソードガス流路114内のカソードガスの流れは層流になりやすい。この場合、カソードガス中の水分は、カソードガスに同伴して流れるので、例えば、水透過膜115から離れた位置に存在するカソードガス中の水分は水透過膜115と接触する確率が低い。つまり、この場合、水透過膜115を透過する水分は、水透過膜115の主面近傍に沿って流れるカソードガス中の水分に限定される恐れがある。
これに対して、本実施例の水素システム200は、第2の多孔性構造体をカソードガス流路114に設けることにより、本カソードガス流路114内のカソードガスの流れを強制的にランダムな方向に変えることができる。この場合、カソードガス流路114内の様々な位置に存在するカソードガス中の水分が水透過膜115と接触できる可能性がある。これにより、本実施例の水素システム200は、第2の多孔性構造体をカソードガス流路114に設けない場合に比べて、カソードガス中の水分と水透過膜115とが接触する確率が高くなる。そして、カソードガス中の水分が水透過膜115と接触すると、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧によって、水透過膜115に接触する高圧の水分が、水透過膜115に接触する低圧の液体へ水透過膜115を介して効率的に透過し得る。これにより、第1の除去器300において、カソードガスに含まれる水分の除去を促進することができる。
また、仮に、上記の第2の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けない場合、第2の多孔性構造体と水透過膜との間の空隙をカソードガスが通過しやすくなる。すると、例えば、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧の大小などによって上記の空隙の大きさが変化する場合、カソードガスの流通状態がカソードガス流路114内で変化する。これにより、水透過膜115における水透過性に影響を与えるので、カソードガスに含まれる水分の除去を安定的に行うことが困難になる。しかし、本実施例の水素システム200は、第2の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けることで、両者間の接触界面を安定に保つことができるので、以上の問題が軽減される。
また、本実施例の水素システム200は、第2の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けることで、第2の多孔性構造体が、カソードガス流路114を流れるカソードガス冷却のための熱伝導体として機能する。よって、カソードガスがカソードガス流路114を通過する際にカソードガスが効果的に冷却される。これにより、本実施例の水素システム200は、第1の除去器300において、第2の多孔性構造体を水透過膜115と接するように設けない場合に比べて、カソードガス中の水蒸気からの凝縮水発生を促進させることができる。
次に、第1の多孔性構造体および第2の多孔質構造体をそれぞれ、金属材料および弾性材料のそれぞれで構成する場合の本実施例の水素システム200の作用効果について説明する。
本実施例の水素システム200は、第1の多孔性構造体を金属材料で構成することで、第1の多孔性構造体の剛性を適切に確保することができる。すると、カソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧によって水透過膜115が変形しにくくなるので、第1の多孔性構造体と水透過膜115との間の接触界面、および、第2の多孔性構造体と水透過膜115との間の接触界面を安定的に保つことができる。これにより、本実施例の水素システム200は、カソードガスに含まれる水分の除去を安定化させることができる。
本実施例の水素システム200は、第2の多孔性構造体を弾性材料で構成することで、第2の多孔性構造体の弾性変形を適切に生じさせることができる。これにより、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧が発生しても、第2の多孔性構造体と水透過膜115との間の接触界面を安定的に保つことができる。
例えば、上記の差圧の発生により、水透過膜115が液体流路113を閉塞する方向に変形した場合、または、カソードガス流路114を構成する部材(以下、流路部材)が外側に変形した場合、第2の多孔性構造体と水透過膜115との間の接触界面を安定的に保つことが難しい。すると、上記のとおり、水透過膜115における水透過性に影響を与えるので、カソードガスに含まれる水分の除去を安定的に行うことが困難になる。しかし、本実施例の水素システム200は、第2の多孔性構造体を弾性材料で構成することで、水透過膜115の上記変形および流路部材の上記変形に対して、第2の多孔性構造体と水透過膜115との間の接触を維持する方向に、第2の多孔性構造体の弾性変形を追従させ得る。例えば、流路部材の凹部に、第2の多孔性構造体を収容する構成を取る場合、水透過膜115および流路部材のそれぞれの変形量相当分以上、第2の多孔性構造体を予め圧縮させて流路部材の凹部に収容するとよい。
本実施例の水素システム200は、上記の特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例の水素システム200と同様であってもよい。
(第3実施例)
図6、図7および図8は、第1実施形態の第3実施例の水素システムの一例を示す図である。本実施例の水素システム200では、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300が一体的に構成されている。
なお、図6には、平面視において水素システム200の中心と、カソードガス通過マニホールド50の中心と、カソードガス導出マニホールド51の中心と、を通過する直線を含む垂直断面が示されている。図7には、平面視において水素システム200の中心と、アノードガス導入マニホールド40の中心と、アノードガス導出マニホールド41の中心と、を通過する直線を含む垂直断面が示されている。図8には、平面視において水素システム200の中心と、液体導入マニホールド60の中心と、液体導出マニホールド61の中心と、を通過する直線を含む垂直断面が示されている。
[電気化学式水素ポンプの構成]
以下、図面を参照しながら、電気化学式水素ポンプ100の構成の一例を説明する。
図6、図7および図8に示すように、水素システム200は、少なくとも一つの電気化学式水素ポンプ100の水素ポンプユニット100Aを備える。
なお、電気化学式水素ポンプ100には、複数の水素ポンプユニット100Aが積層されていてもよい。つまり、図6、図7および図8に示す例では、1個の水素ポンプユニット100Aが示されているが、水素ポンプユニット100Aの個数は、本例に限定されない。水素ポンプユニット100Aの個数は、例えば、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAで圧縮する水素量などの運転条件をもとに適宜の数に設定することができる。
水素ポンプユニット100Aは、電解質膜11と、アノードANと、カソードCAと、カソードセパレーター16と、アノードセパレーター17と、絶縁体21と、を備える。なお、水素ポンプユニット100Aでは、アノード触媒層およびカソード触媒層が電解質膜11に一体的に接合された触媒層付き膜CCM(Catalyst Coated Membrane)が使用されることも多い。
アノードANは、電解質膜11の一方の主面に設けられている。アノードANは、アノード触媒層と、アノードガス拡散層とを含む電極である。ここで、電解質膜11として、上記の触媒層付き膜CCMを使用する場合は、触媒層付き膜CCMに接合されたアノード触媒層の主面に、上記のアノードガス拡散層が設けられている。なお、アノード触媒層の周囲を囲むように、図示しない環状のシール部材が設けられ、アノード触媒層が、かかるシール部材で適切にシールされている。
カソードCAは、電解質膜11の他方の主面に設けられている。カソードCAは、カソード触媒層と、カソードガス拡散層とを含む電極である。ここで、電解質膜11として、上記の触媒層付き膜CCMを使用する場合は、触媒層付き膜CCMに接合されたカソード触媒層の主面に、上記のカソードガス拡散層が設けられている。なお、カソード触媒層の周囲を囲むように環状のシール部材が設けられ、カソード触媒層が、かかるシール部材で適切にシールされている。
以上により、水素ポンプユニット100Aでは、アノード触媒層およびカソード触媒層のそれぞれが接触するようにして、電解質膜11がアノードANとカソードCAとによって挟持されている。なお、カソードCA、電解質膜11およびアノードANを含むセルを膜−電極接合体(以下、MEA:Membrane Electrode Assembly)といい、電気化学式水素ポンプ100は、カソードCA、電解質膜11およびアノードANを含む、少なくとも1個以上のセルを備える積層体であってもよい。
電解質膜11は、プロトン伝導性を備える。電解質膜11は、プロトン伝導性を備えていれば、どのような構成であってもよい。例えば、電解質膜11として、フッ素系高分子電解質膜、炭化水素系高分子電解質膜を挙げることができるが、これらに限定されない。具体的には、例えば、電解質膜11として、Nafion(登録商標、デュポン社製)、Aciplex(登録商標、旭化成株式会社製)などを用いることができる。
アノード触媒層は、電解質膜11の一方の主面に設けられている。アノード触媒層は、触媒金属として、例えば、白金を含むが、これに限定されない。
カソード触媒層は、電解質膜11の他方の主面に設けられている。カソード触媒層は、触媒金属として、例えば、白金を含むが、これに限定されない。
カソード触媒層およびアノード触媒層の触媒担体としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉体、導電性の酸化物粉体などが挙げられるが、これらに限定されない。
なお、カソード触媒層およびアノード触媒層では、触媒金属の微粒子が、触媒担体に高分散に担持されている。また、これらのカソード触媒層およびアノード触媒層中には、電極反応場を大きくするために、水素イオン伝導性のイオノマー成分を加えることが一般的である。
カソードガス拡散層は、カソード触媒層上に設けられている。また、カソードガス拡散層は、多孔性材料で構成され、導電性およびガス拡散性を備える。さらに、カソードガス拡散層は、電気化学式水素ポンプ100の動作時にカソードCAおよびアノードAN間の差圧で発生する構成部材の変位、変形に適切に追従するような弾性を備える方が望ましい。なお、本実施例の電気化学式水素ポンプ100では、カソードガス拡散層として、カーボン繊維で構成した部材が用いられている。例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルトなどの多孔性のカーボン繊維シートでもよい。なお、カソードガス拡散層の基材として、カーボン繊維シートを用いなくもよい。例えば、カソードガス拡散層の基材として、チタン、チタン合金、ステンレススチールなどを素材とする金属繊維の焼結体、これらを素材とする金属粉体の焼結体などを用いてもよい。
アノードガス拡散層は、アノード触媒層上に設けられている。また、アノードガス拡散層は、多孔性材料で構成され、導電性およびガス拡散性を備える。さらに、アノードガス拡散層は、電気化学式水素ポンプ100の動作時にカソードCAおよびアノードAN間の差圧で発生する構成部材の変位、変形を抑制可能な高剛性であることが望ましい。
なお、本実施例の電気化学式水素ポンプ100では、アノードガス拡散層として、チタン粉体焼結体の薄板で構成した部材が用いられているが、これに限定されない。つまり、アノードガス拡散層の基材として、例えば、チタン、チタン合金、ステンレススチールなどを素材とする金属繊維の焼結体、これらを素材とする金属粉体の焼結体を用いることができる。また、アノードガス拡散層の基材として、例えば、エキスパンドメタル、金属メッシュ、パンチングメタルなどを用いることもできる。
アノードセパレーター17は、アノードANのアノードガス拡散層上に設けられた部材である。カソードセパレーター16は、カソードCAのカソードガス拡散層上に設けられた部材である。
そして、カソードセパレーター16およびアノードセパレーター17のそれぞれの中央部には、凹部が設けられている。これらの凹部のそれぞれに、カソードガス拡散層およびアノードガス拡散層がそれぞれ収容されている。
このようにして、カソードセパレーター16およびアノードセパレーター17で上記のMEAを挟むことにより、水素ポンプユニット100Aが形成されている。
なお、アノードガス拡散層と接触するアノードセパレーター17の主面には、平面視において、例えば、複数のU字状の折り返す部分と複数の直線部分とを含むサーペンタイン状のアノードガス流路(図示せず)が設けられている。但し、このようなアノードガス流路は、例示であって、本例に限定されない。例えば、アノードガス流路は、複数の直線状の流路により構成されていてもよい。
また、導電性のカソードセパレーター16およびアノードセパレーター17の間には、平面視においてMEAの周囲を囲むように設けられた環状かつ平板状の絶縁体21が挟み込まれている。これにより、カソードセパレーター16およびアノードセパレーター17の短絡が防止されている。
ここで、図6、図7および図8に示すように、水素システム200は、水素ポンプユニット100Aのアノードセパレーター17に設けられたアノード給電板22Aと、水素ポンプユニット100Aのカソードセパレーター16に設けられたカソード給電板22Cと、電圧印加器102と、を備える。
電圧印加器102は、アノード触媒層とカソード触媒層との間に電圧を印加する装置である。具体的には、電圧印加器102の高電位が、アノード触媒層に印加され、電圧印加器102の低電位が、カソード触媒層に印加されている。電圧印加器102は、アノード触媒層およびカソード触媒層間に電圧を印加できれば、どのような構成であってもよい。例えば、電圧印加器102は、アノード触媒層およびカソード触媒層間に印加する電圧を調整する装置であってもよい。具体的には、電圧印加器102は、バッテリ、太陽電池、燃料電池などの直流電源と接続されているときは、DC/DCコンバータを備え、商用電源などの交流電源と接続されているときは、AC/DCコンバータを備える。
また、電圧印加器102は、例えば、水素ポンプユニット100Aに供給する電力が所定の設定値となるように、アノード触媒層およびカソード触媒層間に印加される電圧、アノード触媒層およびカソード触媒層間に流れる電流が調整される電力型電源であってもよい。
図6、図7および図8に示す例では、電圧印加器102の低電位側の端子が、カソード給電板22Cに接続され、電圧印加器102の高電位側の端子が、アノード給電板22Aに接続されている。本例では、カソード給電板22Cは、カソードセパレーター16と電気的に接触するとともに、アノード給電板22Aは、アノードセパレーター17と電気的に接触している。なお、図示を省略するが、電気化学式水素ポンプ100において、カソードCA、電解質膜11およびアノードANを含むセルが複数個、積層される場合、アノード給電板22Aは、これらの部材の積層方向において一方の端に位置するアノードセパレーター17と電気的に接触するとともに、カソード給電板22Cは、これらの部材の積層方向において他方の端に位置するカソードセパレーター16と電気的に接触する。
[第1の除去器の構成]
以下、図面を参照しながら、第1の除去器300の構成の一例を説明する。
図6、図7および図8に示すように、水素システム200は、アノード給電板22Aおよびカソード給電板22Cのそれぞれを介して、水素ポンプユニット100Aを挟むように設けられた上下で一対の第1の除去器300の第1の除去ユニット300Aを備える。
なお、図6、図7および図8に示す例では、第1の除去器300のそれぞれには、1個の第1の除去ユニット300Aが示されているが、第1の除去ユニット300Aの個数は、本例に限定されない。また、上下で一対の第1の除去器300のそれぞれは、同一構成の第1の除去ユニット300Aを備える。
第1の除去ユニット300Aは、水透過膜115と、第1の多孔質構造体113Aと、第2の多孔質構造体114Aと、セパレーター18と、セパレーター19と、絶縁体20と、を備える。
水透過膜115は、上記のとおり、カソードガス中の水素(H2)の透過性が低く、カソードガス中の水分を透過させる膜であれば、どのような構成であってもよい。なお、このような水透過膜115として、例えば、電解質膜11と同様の材料により構成されるプロトン(H+)を透過可能なプロトン伝導性の高分子膜を用いることができる。つまり、水透過膜115として、例えば、プロトン伝導性の高分子膜に使用可能な、フッ素系高分子膜、炭化水素系高分子膜などを挙げることができるが、これらに限定されない。
第1の多孔質構造体113Aは、水透過膜115と接するように液体流路113内に設けられている。第1の多孔質構造体113Aは、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧で発生する水透過膜115の変位、変形を抑制可能な高剛性であることが望ましい。なお、このような第1の多孔質構造体113Aの基材は、例えば、アノードガス拡散層と同様の金属材料で構成されていてもよい。
第2の多孔質構造体114Aは、水透過膜115と接するようにカソードガス流路114内に設けられている。第2の多孔質構造体114Aは、第1の除去器300のカソードガス流路114(高圧)と液体流路113(低圧)との差圧で発生する水透過膜115の変位、変形に適切に追従するような弾性を備える方が望ましい。なお、このような第2の多孔質構造体114Aの基材は、例えば、カソードガス拡散層と同様の金属材料で構成されていてもよい。
セパレーター18は、第2の多孔質構造体114A上に設けられた部材である。セパレーター19は、第1の多孔質構造体113A上に設けられた部材である。
そして、セパレーター18およびセパレーター19のそれぞれの中央部には、凹部が設けられている。これらの凹部のそれぞれに、第2の多孔質構造体114Aおよび第1の多孔質構造体113Aがそれぞれ収容されている。なお、本実施例では、セパレーター18およびセパレーター19のそれぞれの凹部と水透過膜115とで区画された領域が、第1の除去器300のカソードガス流路114および液体流路113のそれぞれを構成する。
また、セパレーター18およびセパレーター19の間には、平面視においてMEAの周囲を囲むように設けられた環状かつ平板状の絶縁体20が挟み込まれている。
このように、第1の除去ユニット300Aは、上記の水素ポンプユニット100Aと同様のセル構造で構成されていてもよい。
[電気化学式水素ポンプおよび第1の除去器の締結構成]
以下、図面を参照しながら、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300の締結構成の一例を説明する。
図6、図7および図8に示すように、水素システム200は、アノード絶縁板23Aおよびアノード端板24Aと、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cと、締結器25と、を備える。
ここで、アノード絶縁板23Aおよびアノード端板24Aはこの順番に、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aにおける積層方向の一方の端に設けられている。カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cはこの順番に、上記の積層方向の他方の端に設けられている。
締結器25は、水素ポンプユニット100Aの各部材および第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、アノード絶縁板23A、アノード端板24A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cを上記の積層方向に締結する部材である。締結器25は、このような各部材を上記の積層方向に締結することができれば、どのような構成であってもよい。
例えば、締結器25として、ボルトおよび皿ばね付きナットなどを挙げることができる。
このとき、締結器25のボルトは、アノード端板24Aおよびカソード端板24Cのみを貫通するように構成してもよいが、本実施例の水素システム200では、かかるボルトは、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、アノード絶縁板23A、アノード端板24A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cを貫通している。そして、上記の積層方向において一方の端に位置するセパレーター19の端面、および、上記の積層方向において他方の端に位置するセパレーター18の端面をそれぞれ、アノード絶縁板23Aおよびカソード絶縁板23Cのそれぞれを介して、アノード端板24Aおよびカソード端板24Cのそれぞれで挟むようにして、締結器25により水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aに所望の締結圧が付与されている。
以上により、本実施例の電気化学式水素ポンプ100では、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aが、上記の積層方向において、締結器25の締結圧により積層状態で適切に保持されるとともに、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去ユニット300Aの各部材を締結器25のボルトが貫通しているので、これらの各部材の面内方向における移動を適切に抑えることができる。
[カソードガスの流路構成]
以下、図6を参照しながら、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300におけるカソードガスの流路構成の一例を説明する。なお、図6では、カソードガスの流れの模式図が細い一点鎖線の矢印で示されている。
図6に示すように、水素システム200は、カソードガス通過マニホールド50と、カソードガス導出マニホールド51と、を備える。
カソードガス通過マニホールド50は、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22Aおよびカソード給電板22Cのそれぞれの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。そして、カソードガス通過マニホールド50は、カソードセパレーター16に設けられた第1カソードガス通過経路54を介してカソードCAのカソードガス拡散層と連通するとともに、セパレーター18に設けられた第2カソードガス通過経路55を介してカソードガス流路114とも連通している。
カソードガス導出マニホールド51は、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。つまり、カソード端板24Cの連通孔には、カソードガス導出経路26(図4参照)が接続され、これにより、カソードガス導出経路26とカソードガス導出マニホールド51とが連通している。カソードガス導出経路26は、カソードガスが流通する配管で構成されていてもよい。そして、カソードガス導出マニホールド51は、セパレーター18に設けられた第3カソードガス通過経路56を介してカソードガス流路114と連通している。
以上の構成により、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAで圧縮された高圧のカソードガスは、図6の一点鎖線の矢印で示す如く、第1カソードガス通過経路54、カソードガス通過マニホールド50、第2カソードガス通過経路55、カソードガス流路114、第3カソードガス通過経路56およびカソードガス導出マニホールド51をこの順番に流通する。その後、カソードガスは、カソードガス導出経路26を通じて水素システム200外へ排出される。このとき、カソードガスが第1の除去ユニット300Aのカソードガス流路114を通過する際に、第1の除去ユニット300Aにおいてカソードガスに含まれる水分の除去が行われる。
なお、平面視の部材間の適所において、カソードガス通過マニホールド50およびカソードガス導出マニホールド51を囲むように、環状のシール部材(図示せず)が設けられ、カソードガス通過マニホールド50およびカソードガス導出マニホールド51が、かかるシール部材で適切にシールされている。
[水素含有ガスの流路構成]
以下、図7を参照しながら、水素ポンプユニット100AのアノードANに供給するアノード流体が水素含有ガスである場合における水素含有ガスの流路構成の一例を説明する。なお、図7では、水素含有ガスの流れの模式図が細い一点鎖線の矢印で示されている。
図7に示すように、水素システム200は、アノードガス導入マニホールド40と、アノードガス導出マニホールド41と、を備える。
アノードガス導入マニホールド40は、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、アノード絶縁板23Aおよびアノード端板24Aの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。アノード端板24Aの連通孔には、アノードガス導入経路29(図4参照)が接続され、これにより、アノードガス導入経路29とアノードガス導入マニホールド40とが連通している。アノードガス導入経路29は、アノードANに供給される水素含有ガスが流通する配管で構成されていてもよい。そして、アノードガス導入マニホールド40は、アノードセパレーター17に設けられた第1アノードガス通過経路45を介してアノードANのアノードガス拡散層と連通している。例えば、第1アノードガス通過経路45と、アノードセパレーター17に設けられたサーペンタイン状のアノードガス流路(図示せず)の一方の端部とが接続していてもよい。
アノードガス導出マニホールド41は、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。カソード端板24Cの連通孔には、アノードガス導出経路31(図4参照)が接続され、これにより、アノードガス導出経路31とアノードガス導出マニホールド41とが連通している。アノードガス導出経路31は、アノードANから排出される水素含有ガスが流通する配管で構成されていてもよい。そして、アノードガス導出マニホールド41は、アノードセパレーター17に設けられた第2アノードガス通過経路46を介してアノードANのアノードガス拡散層と連通している。例えば、第2アノードガス通過経路46と、アノードセパレーター17に設けられたサーペンタイン状のアノードガス流路(図示せず)の他方の端部とが接続していてもよい。
以上の構成により、アノードガス導入経路29からの水素含有ガスは、図7の一点鎖線の矢印で示す如く、アノードガス導入マニホールド40、第1アノードガス通過経路45、アノードAN、第2アノードガス通過経路46およびアノードガス導出マニホールド41をこの順番に流通する。その後、水素含有ガスは、アノードガス導出経路31を通じて水素ポンプユニット100A外へ排出される。このとき、水素含有ガスが水素ポンプユニット100AのアノードANを通過する際に、水素含有ガスの一部が、電解質膜11に供給されることで、水素ポンプユニット100Aにおいて水素含有ガス中の水素の圧縮が行われる。
なお、平面視の部材間の適所において、アノードガス導入マニホールド40およびアノードガス導出マニホールド41を囲むように、環状のシール部材(図示せず)が設けられ、アノードガス導入マニホールド40およびアノードガス導出マニホールド41が、かかるシール部材で適切にシールされている。
[冷却水の流路構成]
以下、図8を参照しながら、第1の除去ユニット300Aの液体流路113に供給する液体が冷却水である場合における冷却水の流路構成の一例を説明する。なお、図8では、冷却水の流れの模式図が細い一点鎖線の矢印で示されている。
図8に示すように、水素システム200は、液体導入マニホールド60と、液体導出マニホールド61と、を備える。
液体導入マニホールド60は、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、アノード絶縁板23Aおよびアノード端板24Aの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。アノード端板24Aの連通孔には、液体導入経路111(図4参照)が接続され、これにより、液体導入経路111と液体導入マニホールド60とが連通している。液体導入経路111は、液体流路113に供給される冷却水が流通する配管で構成されていてもよい。そして、液体導入マニホールド60は、セパレーター19に設けられた第1液体通過経路65を介して液体流路113と連通している。
液体導出マニホールド61は、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。カソード端板24Cの連通孔には、液体導出経路112(図4参照)が接続され、これにより、液体導出経路112と液体導出マニホールド61とが連通している。液体導出経路112は、液体流路113から排出される冷却水が流通する配管で構成されていてもよい。そして、液体導出マニホールド61は、セパレーター19に設けられた第2液体通過経路66を介して液体流路113と連通している。
以上の構成により、液体導入経路111からの冷却水は、図8の一点鎖線の矢印で示す如く、液体導入マニホールド60、第1液体通過経路65、液体流路113、第2液体通過経路66および液体導出マニホールド61をこの順番に流通する。その後、冷却水は、液体導出経路112を通じて第1の除去ユニット300A外へ排出される。
なお、平面視の部材間の適所において、液体導入マニホールド60および液体導出マニホールド61を囲むように、環状のシール部材(図示せず)が設けられ、液体導入マニホールド60および液体導出マニホールド61が、かかるシール部材で適切にシールされている。
なお、以上の電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300の一体的な構成は例示であって、本例に限定されない。
以上のとおり、本実施例の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100が、カソードCA、電解質膜11、およびアノードANを含むセルを備える積層体であり、第1の除去器300の第1の除去ユニット300Aがこの積層体と一体で積層されている。
これにより、本実施例の水素システム200は、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aを積層することでシステム構成を簡素化することができる。例えば、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aでは、高圧のカソードガスが流通する。よって、仮に、水素ポンプユニットおよび第1の除去ユニットが別体に設けられる場合、水素ポンプユニットおよび第1の除去ユニットをそれぞれ固定するための高剛性の端板が必要であることが多い。
そこで、本実施例の水素システム200は、第1の除去ユニット300Aを上記の積層体と一体で積層することにより、例えば、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aに使用する端板を、アノード端板24Aおよびカソード端板24Cとして共用化することができるので、システム構成が簡素化する。
ところで、図6、図7および図8に示すように、本実施例の水素システム200では、上下で一対の第1の除去ユニット300Aがそれぞれ、水素ポンプユニット100Aを上下から挟むように積層されている。これにより、本実施例の水素システム200は、水素ポンプユニット100Aの部材間の接触抵抗の増加を簡易かつ適切に抑制し得る。この理由は、以下のとおりである。
仮に、第1の除去ユニットを水素ポンプユニット100Aの下方または上方のみから一体に積層する場合、第1の除去ユニットが積層されていない側の端板(アノード端板24Aまたはカソード端板24C)に対して、水素ポンプユニット100AのカソードCAで圧縮されるカソードガスの圧力が直接的に作用する。このとき、端板の剛性が十分でないと、第1の除去ユニットが積層されていない側の端板が外側に膨らむように変形する可能性がある。すると、このような変形に対して、カソードガス拡散層の弾性変形が追従できない場合、水素ポンプユニット100Aの部材間に隙間が発生することで、これらの部材間の接触抵抗が増加する場合がある。
これに対して、本実施例の水素システム200では、上下で一対の第1の除去ユニット300Aをそれぞれ、水素ポンプユニット100Aの下方および上方のそれぞれから一体に積層しているので、上記の不都合を軽減することができる。つまり、図6に示すように、水素ポンプユニット100AのカソードCAで圧縮されたカソードガスが、第1カソードガス通過経路54、カソードガス通過マニホールド50および第2カソードガス通過経路55を通じて、上下で一対の第1の除去ユニット300Aのそれぞれのカソードガス流路114に供給される。このため、これらのカソードガス流路114内のガス圧が、水素ポンプユニット100AのカソードCA内のガス圧とほぼ同等の高圧になる。すると、カソードガス流路114内のカソードガスによって水素ポンプユニット100Aの各部材に付与される荷重は、カソードCA内のガス圧に起因するこれらの部材の変形(たわみ)を上下から抑え込むように作用する。
よって、本実施例の水素システム200は、第1の除去ユニット300Aを水素ポンプユニット100Aの下方または上方のみから一体に積層する場合に比べて、水素ポンプユニット100Aの部材間の隙間が発生しにくくなるので、これらの部材間の接触抵抗の増加を簡易かつ適切に抑制することができる。
なお、図6、図7および図8に示すように、本実施例の水素システム200では、水透過膜115に通電をしていない。つまり、水透過膜115には、アノード絶縁板23Aおよびカソード絶縁板23Cの存在により、電圧印加器102による電圧が印加されない。ここで、水透過膜115がプロトン伝導性の電解質膜11で構成される場合、仮に、水透過膜115の両側に電気化学的な水素酸化反応、水素発生反応を促進する物質(例えば、白金など)を含む電極を設けて、水透過膜115の電極間に電流を流すと、電流に応じて水透過膜115内をプロトンが移動するとともに、例えば、水透過膜115で低圧の液体(例えば、水)の電気分解が発生する可能性がある。
そこで、本実施例の水素システム200は、水透過膜115に対して通電しないように構成することで、このような可能性を低減することができる。
本実施例の水素システム200は、上記の特徴以外は、第1実施形態および第1実施形態の第1実施例−第2実施例のいずれかの水素システム200と同様であってもよい。
(第2実施形態)
[装置構成]
図9は、第2実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図9に示す例では、水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、第1の除去器300と、第2の除去器400と、を備える。
ここで、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300は、第1実施形態の水素システム200と同様であるので説明を省略する。
第2の除去器400は、水透過膜125の一方の主面に第1の除去器300を通過したカソードガスを流通させ、他方の主面にカソードガスよりも、ガス中に含まれる水蒸気の化学ポテンシャルが低い気体を流通させる装置である。なお、このような気体として、乾燥状態の空気などを挙げることができるが、これに限定されない。
第2の除去器400は、カソードガスに含まれる水分の除去が可能な膜式の除去装置であれば、どのような構成であってもよい。
図9に示す例では、第2の除去器400は、第1の除去器300を通過した高圧のカソードガスが流通する流路124(以下、カソードガス流路124)と、低圧の気体が流通する流路123(以下、気体流路123)と、これらの流路123、124の間に設けられた水透過膜125と、備える。なお、第2の除去器400には、カソードガス流路124にカソードガスを流通させるためのカソードガス導出経路26と、気体流路123に気体を流通させるための気体導入経路121および気体導出経路122と、が設けられている。
水透過膜125は、カソードガス中の水素(H2)の透過性が低く、カソードガス中の水分を透過させる膜であれば、どのような構成であってもよい。水透過膜125は、例えば、第1の除去器300の水透過膜115と同様のスルホン酸基を含む高分子膜で構成されていてもよい。
なお、図9の電気化学式水素ポンプ100、第1の除去器300および第2の除去器400が一体的に構成された水素システム200の一例は実施例で説明する。
[動作]
以下、第2実施形態の水素システム200の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の動作は、例えば、図示しない制御器の演算回路が、制御器の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。また、以下では、アノード流体として水素含有ガスを用いる場合の水素システム200の動作について説明する。
まず、電気化学式水素ポンプ100のアノードANに低圧の水素含有ガスが供給されるとともに、電圧印加器(図9では図示せず)の電圧が電気化学式水素ポンプ100に印加される。すると、電気化学式水素ポンプ100において、アノードANに供給する水素含有ガスから取り出されたプロトンが、電解質膜11を介してカソードCAに移動し、圧縮された水素が生成される水素圧縮動作が行われる。
なお、このような水素圧縮動作は、第1実施形態の電気化学式水素ポンプ100の動作と同様であるので詳細な説明を省略する。
電気化学式水素ポンプ100のカソードCAで生成された水素は、水蒸気を含むカソードガスとして、カソードCAで圧縮される。例えば、図示しない流量調整器を用いて、カソードガス導出経路26の圧損を増加させることにより、カソードCAでカソードガスを圧縮することができる。なお、流量調整器として、例えば、カソードガス導出経路26に設けられた背圧弁、調整弁などを挙げることができる。
次に、流量調整器の圧損を低下させると、カソードガスが、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAからカソードガス導出経路26を通じて電気化学式水素ポンプ100外に排出される。
すると、第1の除去器300では、水透過膜115の一方の主面に、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスが流通する。よって、第1の除去器300において、水透過膜115の他方の主面にカソードガスより低圧の液体を流通させることで、カソードガスに含まれる水分の除去動作が行われる。なお、このとき、第1の除去器300に流入する液体の温度は、第1の除去器300に流入するカソードガスの温度よりも低くてもよい。
第2の除去器400では、水透過膜125の一方の主面に第1の除去器300を通過したカソードガスが流通する。よって、第2の除去器400において、水透過膜125の他方の主面にカソードガスよりも、ガス中に含まれる水蒸気の化学ポテンシャルが低い気体を流通させることで、カソードガス中の水分の除去動作が行われる。
以上により、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガス中の水分の除去を従来よりも効率的に行い得る。なお、第1の除去器300によるカソードガスに含まれる水分の除去の作用効果は、第1実施形態の水素システム200と同様であるので説明を省略する。
ここで、第1の除去器300では、液体流路113に液体(例えば、水)が流通するので、図3の相対湿度が100%の化学ポテンシャルのデータから理解できるように、カソードガス流路114を流通するカソードガスの相対湿度の低減に自ずと限界がある。つまり、第1の除去器300のみを用いて、カソードガスの水分量が所望の低濃度まで低減するように、カソードガス中の水分を除去することが困難な場合がある。
そこで、本実施形態の水素システム200は、第2の除去器400を用いて、水透過膜125の他方の主面に、カソードガスよりも、ガス中に含まれる水蒸気の化学ポテンシャルが低い気体を流通させている。これにより、本実施形態の水素システム200は、第1の除去器300のみでカソードガス中の水分を除去する場合に比べて、カソードガスの水分量を低濃度まで低減することができる。
本実施形態の水素システム200は、上記の特徴以外は、第1実施形態および第1実施形態の第1実施例−第3実施例のいずれかの水素システム200と同様であってもよい。例えば、本実施形態の水素システム200は、第1実施形態の第1実施例の水素システム200と同様に、電気化学式水素ポンプ100、第1の除去器300および第2の除去器400の他、リサイクル流路140、供給路130および水素源700(図5参照)を備えてもよい。また、例えば、本実施形態の水素システム200は、第1実施形態の第2実施例の水素システム200と同様に、第2の除去器400内の気体流路123に、上記の第1の多孔性構造体を設けてもよいし、第2の除去器400内のカソードガス流路124に、水透過膜125と接するように第2の多孔性構造体を設けてもよい。
(実施例)
図10および図11は、第2実施形態の実施例の水素システムの一例を示す図である。本実施例の水素システム200では、電気化学式水素ポンプ100、第1の除去器300および第2の除去器400が一体的に構成されている。
なお、図10には、平面視において水素システム200の中心と、第1カソードガス通過マニホールド150Aの中心と、第2カソードガス通過マニホールド150Bの中心と、を通過する直線を含む垂直断面が示されている。図11には、平面視において水素システム200中心と、気体導入マニホールド160の中心と、気体導出マニホールド161の中心と、を通過する直線を含む垂直断面が示されている。
ここで、平面視において水素システム200の中心と、アノードガス導入マニホールドの中心と、アノードガス導出マニホールドの中心と、を通過する直線を含む垂直断面の図示は、第1実施形態の第3実施例で説明した図7の図示内容を参酌することで、容易に理解できるので省略する。つまり、図7の水素システム200では、アノードガス導出マニホールド41が、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されているが、本実施例の水素システム200では、アノードガス導出マニホールドが、上記の部材の連通孔とともに、第2の除去器400の各部材の適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。
同様に、平面視において水素システム200の中心と、液体導入マニホールドの中心と、液体導出マニホールドの中心と、を通過する直線を含む垂直断面の図示は、第1実施形態の第3実施例で説明した図8の図示内容を参酌することで、容易に理解できるので省略する。つまり、図8の水素システム200では、液体導出マニホールド61が、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されているが、本実施例の水素システム200では、液体導出マニホールドが、上記の部材の連通孔とともに、第2の除去器400の各部材の適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。
さらに、本実施例の水素システム200の電気化学式水素ポンプ100の構成、第1の除去器300の構成は、第1実施形態の第3実施例の水素システム200と同様であるので説明を省略する。また、電気化学式水素ポンプ100、第1の除去器300および第2の除去器400の締結構成、電気化学式水素ポンプ100における水素含有ガスの流路構成、および、第1の除去器300における冷却水の流路構成は、第1実施形態の第3実施例で説明した内容の参酌により、容易に理解できるので説明を省略する。
[第2の除去器の構成]
以下、図面を参照しながら、第2の除去器400の構成の一例を説明する。
図10および図11に示すように、水素システム200は、第2の除去器400の第2の除去ユニット400Aを備える。
なお、図10および図11に示す例では、第2の除去器400には、1個の第2の除去ユニット400Aが示されているが、第2の除去ユニット400Aの個数は、本例に限定されない。また、第2の除去ユニット400Aが、カソード絶縁板23Cと上方の第1の除去ユニット300Aとの間に設けられているが、第2の除去ユニット400Aの配置は、本例に限定されない。第2の除去ユニットは、例えば、アノード絶縁板23Aと下方の第1の除去ユニット300Aとの間に設けられていてもよい。
第2の除去ユニット400Aは、水透過膜125と、第1の多孔質構造体123Aと、第2の多孔質構造体124Aと、セパレーター118と、セパレーター119と、絶縁体120と、を備える。
水透過膜125は、上記のとおり、カソードガス中の水素(H2)の透過性が低く、カソードガス中の水分を透過させる膜であれば、どのような構成であってもよい。なお、このような水透過膜125として、例えば、電解質膜11と同様の材料により構成されるプロトン(H+)を透過可能なプロトン伝導性の高分子膜を用いることができる。つまり、水透過膜125として、例えば、プロトン伝導性の高分子膜に使用可能な、フッ素系高分子膜、炭化水素系高分子膜などを挙げることができるが、これらに限定されない。
第1の多孔質構造体123Aは、水透過膜125と接するように気体流路123内に設けられている。第1の多孔質構造体123Aは、第2の除去器400のカソードガス流路124(高圧)と気体流路123(低圧)との差圧で発生する水透過膜125の変位、変形を抑制可能な高剛性であることが望ましい。なお、このような第1の多孔質構造体123Aの基材は、例えば、アノードガス拡散層と同様の金属材料で構成されていてもよい。
第2の多孔質構造体124Aは、水透過膜125と接するようにカソードガス流路124内に設けられている。第2の多孔質構造体124Aは、第2の除去器400のカソードガス流路124(高圧)と気体流路123(低圧)との差圧で発生する水透過膜125の変位、変形に適切に追従するような弾性を備える方が望ましい。なお、このような第2の多孔質構造体124Aの基材は、例えば、カソードガス拡散層と同様の金属材料で構成されていてもよい。
セパレーター118は、第2の多孔質構造体124A上に設けられた部材である。セパレーター119は、第1の多孔質構造体123A上に設けられた部材である。
そして、セパレーター118およびセパレーター119のそれぞれの中央部には、凹部が設けられている。これらの凹部のそれぞれに、第2の多孔質構造体124Aおよび第1の多孔質構造体123Aがそれぞれ収容されている。なお、本実施例では、セパレーター118およびセパレーター119のそれぞれの凹部と水透過膜125とで区画された領域が、第2の除去器400のカソードガス流路124および気体流路123のそれぞれを構成する。
また、セパレーター118およびセパレーター119の間には、平面視においてMEAの周囲を囲むように設けられた環状かつ平板状の絶縁体120が挟み込まれている。
このように、第2の除去ユニット400Aは、上記の水素ポンプユニット100Aと同様のセル構造で構成されていてもよい。
[カソードガスの流路構成]
以下、図10を参照しながら、電気化学式水素ポンプ100、第1の除去器300および第2の除去器400におけるカソードガスの流路構成の一例を説明する。なお、図10では、カソードガスの流れの模式図が細い一点鎖線の矢印で示されている。
図10に示すように、水素システム200は、第1カソードガス通過マニホールド150Aと、第2カソードガス通過マニホールド150Bと、カソードガス導出マニホールド151と、を備える。
第1カソードガス通過マニホールド150Aは、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット300Aの各部材、アノード給電板22Aおよびカソード給電板22Cのそれぞれの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。そして、第1カソードガス通過マニホールド150Aは、カソードセパレーター16に設けられた第1カソードガス通過経路54を介してカソードCAのカソードガス拡散層と連通するとともに、セパレーター18に設けられた第2カソードガス通過経路55を介してカソードガス流路114とも連通している。
第2カソードガス通過マニホールド150Bは、水素ポンプユニット100A、第1の除去ユニット300Aおよび第2の除去ユニット400Aの各部材、アノード給電板22Aおよびカソード給電板22Cのそれぞれの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。そして、第2カソードガス通過マニホールド150Bは、セパレーター18に設けられた第3カソードガス通過経路56を介してカソードガス流路114と連通するとともに、セパレーター118に設けられた第4カソードガス通過経路57を介してカソードガス流路124とも連通している。
カソードガス導出マニホールド151は、水素ポンプユニット100Aのセパレーター118、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。カソード端板24Cの連通孔には、カソードガス導出経路26(図10参照)が接続され、これにより、カソードガス導出経路26とカソードガス導出マニホールド151とが連通している。カソードガス導出経路26は、カソードガスが流通する配管で構成されていてもよい。そして、カソードガス導出マニホールド151は、セパレーター118に設けられた第5カソードガス通過経路58を介してカソードガス流路124と連通している。
なお、図10に示す例では、第1カソードガス通過マニホールド150Aの中心と、カソードガス導出マニホールド151の中心とが同一の直線上を通るように、第1カソードガス通過マニホールド150Aおよびカソードガス導出マニホールド151が、セパレーター119および絶縁体120を介して設けられているが、これらの配置は、本例に限定されない。
以上の構成により、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAで圧縮された高圧のカソードガスは、図10の一点鎖線の矢印で示す如く、第1カソードガス通過経路54、第1カソードガス通過マニホールド150A、第2カソードガス通過経路55、カソードガス流路114、第3カソードガス通過経路56および第2カソードガス通過マニホールド150Bをこの順番に流通する。その後、カソードガスは、第4カソードガス通過経路57、カソードガス流路124、第5カソードガス通過経路58およびカソードガス導出マニホールド151を流通した後、カソードガス導出経路26を通じて水素システム200外へ排出される。このとき、カソードガスが、第1の除去ユニット300Aのカソードガス流路114および第2の除去ユニット400Aのカソードガス流路124をこの順に通過する際に、第1の除去ユニット300Aおよび第2の除去ユニット400Aにおいてカソードガス中の水分の除去が行われる。
なお、平面視の部材間の適所において、第1カソードガス通過マニホールド150A、第2カソードガス通過マニホールド150Bおよびカソードガス導出マニホールド151を囲むように、環状のシール部材(図示せず)が設けられ、第1カソードガス通過マニホールド150A、第2カソードガス通過マニホールド150Bおよびカソードガス導出マニホールド151が、かかるシール部材で適切にシールされている。
[気体の流路構成]
以下、図11を参照しながら、第2の除去ユニット400Aの気体流路123に供給する気体(例えば、乾燥した空気)の流路構成の一例を説明する。なお、図11では、気体の流れの模式図が細い一点鎖線の矢印で示されている。
図11に示すように、水素システム200は、気体導入マニホールド160と、気体導出マニホールド161と、を備える。
気体導入マニホールド160は、水素ポンプユニット100A、第1の除去ユニット300Aおよび第2の除去ユニット400Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、アノード絶縁板23Aおよびアノード端板24Aの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。アノード端板24Aの連通孔には、気体導入経路121(図9参照)が接続され、これにより、気体導入経路121と気体導入マニホールド160とが連通している。気体導入経路121は、気体流路123に供給される気体が流通する配管で構成されていてもよい。そして、気体導入マニホールド160は、セパレーター119に設けられた第1気体通過経路67を介して気体流路123と連通している。
気体導出マニホールド161は、水素ポンプユニット100A、第1の除去ユニット300Aおよび第2の除去ユニット400Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、カソード絶縁板23Cおよびカソード端板24Cの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。カソード端板24Cの連通孔には、気体導出経路122(図9参照)が接続され、これにより、気体導出経路122と気体導出マニホールド161とが連通している。気体導出経路122は、気体流路123から排出される気体が流通する配管で構成されていてもよい。そして、気体導出マニホールド161は、セパレーター119に設けられた第2気体通過経路68を介して気体流路123と連通している。
以上の構成により、気体導入経路121からの気体は、図11の一点鎖線の矢印で示す如く、気体導入マニホールド160、第1気体通過経路67、気体流路123、第2気体通過経路68および気体導出マニホールド161をこの順番に流通する。その後、気体は、気体導出経路122を通じて第2の除去ユニット400A外へ排出される。
なお、平面視の部材間の適所において、気体導入マニホールド160および気体導出マニホールド161を囲むように、環状のシール部材(図示せず)が設けられ、気体導入マニホールド160および気体導出マニホールド161が、かかるシール部材で適切にシールされている。
なお、以上の電気化学式水素ポンプ100、第1の除去器300および第2の除去器400の一体的な構成は例示であって、本例に限定されない。
以上のとおり、本実施例の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100が、カソードCA、電解質膜11、およびアノードANを含むセルを備える積層体であり、第1の除去器300の第1の除去ユニット300Aおよび第2の除去器400の第2の除去ユニット400Aが、この積層体と一体で積層されている。
これにより、本実施例の水素システム200は、水素ポンプユニット100A、第1の除去ユニット300Aおよび第2の除去ユニット400Aを積層することでシステム構成を簡素化することができる。例えば、水素ポンプユニット100Aおよび第2の除去ユニット400Aでは、高圧のカソードガスが流通する。よって、仮に、水素ポンプユニットおよび第2の除去ユニットが別体に設けられる場合、水素ポンプユニットおよび第2の除去ユニットをそれぞれ固定するための高剛性の端板が必要であることが多い。
そこで、本実施例の水素システム200は、第2の除去ユニット400Aを上記の積層体と一体で積層することにより、例えば、水素ポンプユニット100Aおよび第2の除去ユニット400Aに使用する端板を、アノード端板24Aおよびカソード端板24Cとして共用化することができるので、システム構成が簡素化する。
なお、図10および図11に示すように、本実施例の水素システム200では、水透過膜115および水透過膜125に通電をしていない。つまり、水透過膜115および水透過膜125には、アノード絶縁板23Aおよびカソード絶縁板23Cの存在により、電圧印加器102による電圧が印加されない。かかる構成の理由は、第1実施形態の第3実施例で説明した内容と同様である。
本実施例の水素システム200は、上記の特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例−第3実施例および第2実施形態のいずれかの水素システム200と同様であってもよい。
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図12に示す例では、水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、第1の除去器300と、第3の除去器500と、を備える。
ここで、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器300は、第1実施形態の水素システム200と同様であるので説明を省略する。
第3の除去器500は、第1の除去器300を通過したカソードガス中の水分を除去する吸着材を含む装置である。第3の除去器500は、このような吸着材を使用した除去装置であれば、どのような構成であってもよい。第3の除去器500の吸着材は、カソードガス中の水蒸気などの水分を吸着除去する材料であれば、どのような材料で構成されていてもよい。吸着材の材料として、例えば、ゼオライト、シリカゲルなどの多孔質材料を挙げることができる。なお、このような吸着材が乾燥している間は水分の吸着が行われるが、やがて、吸着材の水分吸着性能が、水分が吸着することで低下するので、吸着材の交換または再生が必要となる。
上記のとおり、第1の除去器300のみを用いて、カソードガスの水分量が所望の低濃度(例えば、約5ppm程度)まで低減するように、カソードガス中の水分を除去することが困難な場合がある。
そこで、本実施形態の水素システム200は、第1の除去器300を通過したカソードガス中の水分を第3の除去器500の吸着材を用いて簡易に除去している。
また、本実施形態の水素システム200は、第1の除去器300により除去できなかったカソードガスに含まれる水分のみを第3の除去器500の吸着材で吸着除去すればよい。これにより、本実施形態の水素システム200は、第1の除去器300でカソードガス中の水分を除去しない場合に比べて、吸着材で吸着する単位時間あたりの水分量を減らすことができる。すると、第3の除去器500内の吸着材の充填量を少なくしても、第3の除去器500の吸着材の水分吸着性能を所望の期間、適切に維持することができるので、第3の除去器500の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態の水素システム200は、第3の除去器500で水分が除去されたカソードガス(水素)を貯蔵する水素貯蔵器(図示せず)が設けられていてもよい。水素貯蔵器として、例えば、水素タンクなどを挙げることができる。なお、水素貯蔵器に貯蔵された乾燥状態のカソードガス(水素)は、適時に、水素消費体に供給される。水素消費体として、例えば、燃料電池などを挙げることができる。
本実施形態の水素システム200は、上記の特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例−第3実施例、第2実施形態および第2実施形態の実施例のいずれかの水素システム200と同様であってもよい。例えば、本実施形態の水素システム200は、第1実施形態の第1実施例の水素システム200と同様に、電気化学式水素ポンプ100、第1の除去器300および第3の除去器500の他、リサイクル流路140、供給路130および水素源700(図5参照)を備えてもよい。また、例えば、本実施形態の水素システム200は、第1の除去器300と第3の除去器500との間に、第2実施形態で説明した第2の除去器400(図9参照)が設けられていてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態の水素システム200は、以下に説明する第1の除去器301の構成以外は、第1実施形態の水素システム200と同様である。
第1の除去器301は、水透過膜115と、水透過膜115の一方の主面に設けられ、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスが流通する流路(以下、カソードガス流路114)と、水透過膜115の他方の主面上に設けられ、カソードガスより低圧の液体が満ちている収容部と、を含み、カソードガスに含まれる水分を除去する装置である。なお、カソードガス中の水分は、カソードガスに含まれる液水を含む。第1の除去器301で除去される水分は、例えば、カソードガスから凝縮した凝縮水を含む。この凝縮水は、カソードガス導出経路26のうちの電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから第1の除去器301までの流路、または、第1の除去器301内のカソードガス流路114で生成される。
第1の除去器301は、カソードガスに含まれる水分の除去が可能な膜式の除去装置であれば、どのような構成であってもよい。
例えば、図13に示すように、第1の除去器301は、カソードガス流路114と、容器170と、カソードガス流路114および容器170の間に設けられた水透過膜115と、容器170内の液体を排出する排出路171と、を備えてもよい。つまり、この場合、容器170が、上記の収容部に相当する。そして、排出路171は、容器の内外を連通するように延伸している。
次に、本実施形態の水素システム200の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の動作は、例えば、図示しない制御器の演算回路が、制御器の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
まず、電気化学式水素ポンプ100のアノードANに低圧の水素含有ガスが供給されるとともに、電圧印加器(図13では図示せず)の電圧が電気化学式水素ポンプ100に印加される。すると、電気化学式水素ポンプ100において、アノードANに供給する水素含有ガスから取り出されたプロトンが、電解質膜11を介してカソードCAに移動し、圧縮された水素が生成されるステップ(水素圧縮動作)が行われる。なお、このような水素圧縮動作は、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
次に、カソードガス導出経路26に設けられた上記の流量調整器の圧損を低下させると、カソードガスが、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAからカソードガス導出経路26を通じて電気化学式水素ポンプ100外に排出される。
すると、第1の除去器301において、圧縮された水素を含むカソードガスから水分を、水透過膜115を介して容器170内の低圧の液体に移動させるステップが行われる。具体的には、第1の除去器301では、水透過膜115の一方の主面に、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスが流通する。よって、第1の除去器301において、カソードガスよりも低圧の液体を水透過膜115の他方の主面に設けられた容器170に満たすことで、カソードガスに含まれる水分の除去動作が行われる。このとき、上記の水分は、カソードガス中に含まれる液水を含む。この水分は、例えば、カソードガスから凝縮した凝縮水を含む。この凝縮水は、カソードガス導出経路26のうちの電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから第1の除去器301までの流路、または、第1の除去器301内のカソードガス流路114で生成される。また、液体の温度は、第1の除去器301に流入するカソードガスの温度よりも低くてもよい。また、排出路171において、容器170内の液体を排出するステップが行われてもよい。
なお、水素システム200の運転時には、容器170に液体が満ちてなく、容器170が空の状態であってもよい。例えば、水素システム200の運転が行われることで、凝縮水が、水透過膜115を介してカソードガスから容器170内に移動する。これにより、容器170内を満水状態にすることができる。
以上により、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスに含まれる水分の除去を従来よりも効率的に行い得る。
なお、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法が奏する作用効果は、第1実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法が奏する作用効果と同様であるので詳細な説明を省略する。
本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、上記の特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例−第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例および第3実施形態のいずれかと同様であってもよい。例えば、本実施形態の水素システム200は、第2実施形態で説明した第2の除去器400(図9参照)、第3実施形態で説明した第3の除去器500(図12参照)などが設けられていてもよい。
(実施例)
図14は、第4実施形態の実施例の水素システムの一例を示す図である。本実施例の水素システム200では、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器301が一体的に構成されている。
なお、図14には、平面視において水素システム200の中心と、排水マニホールド171Aの中心と、通過する直線を含む垂直断面が示されている。また、図14には、「上」および「下」が、同図の如く取られており、重力が、上から下に作用するものとする。
ここで、平面視において水素システム200の中心と、カソードガス通過マニホールド50の中心と、カソードガス導出マニホールド51の中心と、を通過する直線を含む垂直断面の図示は、第1実施形態の第3実施例で説明した図6の図示内容を参酌することで、容易に理解できるので省略する。
同様に、平面視において水素システム200の中心と、アノードガス導入マニホールド40の中心と、アノードガス導出マニホールド41の中心と、を通過する直線を含む垂直断面の図示は、第1実施形態の第3実施例で説明した図7の図示内容を参酌することで、容易に理解できるので省略する。
さらに、本実施例の水素システム200の電気化学式水素ポンプ100の構成は、第1実施形態の第3実施例の水素システム200と同様であるので説明を省略する。また、電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器301の締結構成、および、電気化学式水素ポンプ100におけるカソードガスおよび水素含有ガスの流路構成は、第1実施形態の第3実施例で説明した内容の参酌により、容易に理解できるので説明を省略する。
[第1の除去器の構成]
以下、図面を参照しながら、第1の除去器301の構成の一例を説明する。
図14に示すように、水素システム200は、アノード給電板22Aおよびカソード給電板22Cのそれぞれを介して、水素ポンプユニット100Aを挟むように設けられた上下で一対の第1の除去器301の第1の除去ユニット301Aを備える。
なお、図14に示す例では、第1の除去器301のそれぞれには、1個の第1の除去ユニット301Aが示されているが、第1の除去ユニット301Aの個数は、本例に限定されない。また、上下で一対の第1の除去器301のそれぞれは、同一構成の第1の除去ユニット301Aを備える。
第1の除去ユニット301Aは、水透過膜115と、第1の多孔質構造体170Aと、第2の多孔質構造体114Aと、セパレーター18と、セパレーター19と、絶縁体20と、を備える。
ここで、水透過膜115、第2の多孔質構造体114A、セパレーター18、絶縁体20は、第1実施形態の第3実施例と同様であるので説明を省略する。
本実施例の水素システム200では、セパレーター19の凹部と水透過膜115とで区画された領域(空間)が、容器170の内部に相当する。そして、この領域に、第1の多孔質構造体170Aが設けられている。なお、第1の多孔質構造体170Aの構成は、第1実施形態の第3実施例で説明した第1の多孔質構造体113Aと同様であるので説明を省略する。
以上の第1の除去器301の構成は、例示であって、本例に限定されない。例えば、セパレーター19の凹部と水透過膜115とで区画された領域に、多孔質構造体を設けなくてもよい。
[排出路の流路構成]
以下、図14を参照しながら、第1の除去ユニット301Aの容器170から排出される液体が水である場合における排出路171(排水路)の流路構成の一例を説明する。なお、図14では、水の流れの模式図が細い一点鎖線の矢印で示されている。
図14に示すように、水素システム200は、排水マニホールド171Aを備える。
排水マニホールド171Aは、水素ポンプユニット100Aおよび第1の除去ユニット301Aの各部材、アノード給電板22A、カソード給電板22C、アノード絶縁板23Aおよびアノード端板24Aの適所に設けられた連通孔の連なりによって構成されている。アノード端板24Aの連通孔には、排水経路172が接続され、これにより、排水経路172と排水マニホールド171Aとが連通している。排水経路172は、容器170から排水される水が流通する配管で構成されていてもよい。そして、排水マニホールド171Aは、セパレーター19に設けられた水通過経路171Bを介して容器170の内部と連通している。このような水通過経路171Bは、水透過膜115の他方の主面側に接触するセパレーター19の主面に設けられた連通溝で構成されていてもよい。
なお、平面視の部材間の適所において、排水マニホールド171Aを囲むように、環状のシール部材(図示せず)が設けられ、排水マニホールド171Aが、かかるシール部材で適切にシールされている。
以上の構成により、容器170内の水は、図14の一点鎖線の矢印で示す如く、水通過経路171Bおよび排水マニホールド171Aをこの順番に流通する。その後、水は、排水経路172を通じて水素システム200外へ排水される。例えば、水素システム200の運転が開始すると、カソードガス中の水蒸気から凝縮した凝縮水が、水透過膜115を介して容器170内に移動する。これにより、容器170内が満水状態になると、容器170内の水が、水通過経路171Bを通じて排水マニホールド171Aに送られる。すると、この水は、重力の作用により排水マニホールド171A内を下方に流れた後、排水経路172に移動する。このようにして、本実施例では、排水マニホールド171Aおよび水通過経路171Bが、容器170内の液体(水)を排出する排出路171を構成している。
なお、以上の電気化学式水素ポンプ100および第1の除去器301の一体的な構成は例示であって、本例に限定されない。
以上のとおり、本実施例の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100が、カソードCA、電解質膜11、およびアノードANを含むセルを備える積層体であり、第1の除去器301の第1の除去ユニット301Aがこの積層体と一体で積層されている。なお、本実施例の水素システム200が奏する作用効果の詳細は、第1実施形態の第3実施例の水素システム200が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本実施例の水素システム200は、上記の特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例−第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態および第4実施形態のいずれかの水素システム200と同様であってもよい。
第1実施形態、第1実施形態の第1実施例−第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の実施例、第3実施形態、第4実施形態および第4実施形態の実施例は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。
また、上記の説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記の説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その動作条件、組成、構造および/または機能を実質的に変更できる。例えば、水素システム200は、水電解装置などの他の圧縮器を備える場合であってもよい。