以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である複素環化合物について説明する。
本実施の形態で示す複素環化合物は、窒素を含む環構造と、カルバゾール骨格を含む複素環基とが、アリーレン基を介して結合することを特徴とする複素環化合物である。なお、本実施の形態で説明する、複素環化合物は、下記一般式(G1)で表される構造を有する複素環化合物である。
一般式(G1)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1乃至3はNを表し、それ以外はCHを表す。なお、Y1〜Y4のいずれか2または3がNの場合のN同士は、隣り合わないこととする。また、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。すなわち、Ar1は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Ar2は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。また、Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、カルバゾール骨格は、Ar1およびAr2にそれぞれ直接結合する。すなわち、Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz1が含むカルバゾール骨格は、Ar1に直接結合し、Cz2が含むカルバゾール骨格は、Ar2に直接結合する。
なお、上記構成の一般式(G1)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1乃至3がNの場合の環Aの具体例としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンなどが挙げられる。
また、別の構成としては、上記一般式(G1)で表される複素環化合物において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1または2はNを表し、それ以外はCHを表す。なお、Y1〜Y4のいずれか2がNの場合、Y1およびY3はNである。また、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。すなわち、Ar1は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Ar2は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。また、Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、カルバゾール骨格は、Ar1およびAr2にそれぞれ直接結合する。すなわち、Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz1が含むカルバゾール骨格は、Ar1に直接結合し、Cz2が含むカルバゾール骨格は、Ar2に直接結合する。
なお、上記構成の一般式(G1)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1または2はNを表し、それ以外がCHを表す場合の環Aの具体例としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジンなどが挙げられる。
また、本発明の一態様である複素環化合物の別の構成は、下記一般式(G2)で表される構造を有する複素環化合物である。
一般式(G2)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1乃至3はNを表し、それ以外はCHを表す。なお、Y1〜Y4のいずれか2または3がNの場合のN同士は、隣り合わないこととする。また、Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、前記カルバゾール骨格は、フェニル基にそれぞれ直接結合する。すなわち、Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz1が含むカルバゾール骨格およびCz2が含むカルバゾール骨格は、それぞれ異なるフェニル基に直接結合する。R1〜R16はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基のいずれか一を表す。
なお、上記構成の一般式(G2)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1乃至3がNの場合の環Aの具体例としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンなどが挙げられる。
また、別の構成としては、上記一般式(G2)で表される複素環化合物において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1または2はNを表し、それ以外はCHを表す。なお、Y1〜Y4のいずれか2がNの場合、Y1およびY3はNである。Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、前記カルバゾール骨格は、フェニル基にそれぞれ直接結合する。すなわち、Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz1が含むカルバゾール骨格およびCz2が含むカルバゾール骨格は、それぞれ異なるフェニル基に直接結合する。R1〜R16はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基のいずれか一を表す。
なお、上記構成の一般式(G2)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1または2はNを表し、それ以外がCHを表す場合の環Aの具体例としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジンなどが挙げられる。
また、本発明の一態様である複素環化合物の別の構成は、下記一般式(G3)で表される構造を有する複素環化合物である。
一般式(G3)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、カルバゾール骨格は、Ar1およびAr2にそれぞれ直接結合する。すなわち、Ar1は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Ar2は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、前記Cz1が含むカルバゾール骨格は、前記Ar1に直接結合し、前記Cz2が含むカルバゾール骨格は、前記Ar2に直接結合する。
また、本発明の一態様である複素環化合物の別の構成は、下記一般式(G4)で表される構造を有する複素環化合物である。
一般式(G4)において、Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、カルバゾール骨格は、フェニル基にそれぞれ直接結合することとする。すなわち、Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz1が含むカルバゾール骨格およびCz2が含むカルバゾール骨格は、それぞれ異なるフェニル基に直接結合する。R1〜R16はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基のいずれか一を表す。
また、本発明の一態様である複素環化合物の別の構成は、下記一般式(G5)で表される構造を有する複素環化合物である。
一般式(G5)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。すなわち、Ar1は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Ar2は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表す。また、Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、カルバゾール骨格は、Ar1およびAr2にそれぞれ直接結合する。すなわち、Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz1が含むカルバゾール骨格は、Ar1に直接結合し、Cz2が含むカルバゾール骨格は、Ar2に直接結合する。
また、本発明の一態様である複素環化合物の別の構成は、下記一般式(G6)で表される構造を有する複素環化合物である。
一般式(G6)において、Cz1およびCz2は、それぞれ独立にカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、カルバゾール骨格は、フェニル基にそれぞれ直接結合していることとする。すなわち、Cz1は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz2は、カルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基を表し、Cz1が含むカルバゾール骨格およびCz2が含むカルバゾール骨格は、それぞれ異なるフェニル基に直接結合する。R1〜R16はそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基のいずれかを表す。
なお、上記各構成の一般式(G1)、一般式(G3)、および一般式(G5)において、ビフェニルジイル基としては、具体的にはビフェニル−3,3’−ジイル基、ビフェニル−4,4’−ジイル基、ビフェニル−3,4’−ジイル基等が挙げられる。
また、上記各構成において、一般式(G1)〜一般式(G6)が有するカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基は、下記一般式(α)で表される構造であることが好ましい。
一般式(α)において、R41〜R48は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、ビニル基、または炭素数6〜12のアリール基のいずれか一を表す。またR41〜R48のいずれか隣り合う置換基同士が互いに結合して環を形成しても良い。
また、上記各構成において、一般式(G1)〜一般式(G6)が有するカルバゾール骨格を含む置換もしくは無置換の複素環基としては、具体的には、置換または無置換のカルバゾリル基等が挙げられる。なお、カルバゾリル基の具体例としては、N−カルバゾリル基、9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル基、9−フェニル−9H−カルバゾール−2−イル基が挙げられ、N−カルバゾリル基が特に好ましい。
なお、上記各構成の一般式(G1)〜一般式(G6)において、複素環基が置換基を有する場合の置換基の一例としては、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、ビニル基、または炭素数6〜12のアリール基などが挙げられる。また、これらのいずれか隣り合う置換基同士が互いに結合して環を形成しても良い。
また、上記各構成の一般式(G2)、一般式(G4)、および一般式(G6)において、R1〜R16の一例としては、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、ビニル基、または炭素数6〜12のアリール基などが挙げられる。
なお、上記炭素数1乃至6のアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
また、上記炭素数1〜6のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
また、上記炭素数6〜12のアリールアミノ基の具体例としては、フェニルアミノ基、o−トリルアミノ基、m−トリルアミノ基、p−トリルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ビフェニル−2−イルアミノ基、ビフェニル−3−イルアミノ基、ビフェニル−4−イルアミノ基などが挙げられる。
また、上記炭素数6〜12のアリール基の具体例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ビフェニル−2−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基などが挙げられる。例えば、前記アリール基が、置換基として9位に二つのフェニル基を有する2−フルオレニル基である場合、該フェニル基が互いに結合し、スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル基となっても良い。より具体的には、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基などが挙げられる。
また、上記各構成の一般式(α)において、R41〜R48の一例としては、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルファニル基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、ビニル基、または炭素数6〜12のアリール基などが挙げられる。また、これらのいずれか隣り合う基同士が互いに結合して環を形成しても良い。
次に、上述した本発明の一態様である複素環化合物の具体的な構造式(100)〜(110)、(200)〜(205)、(300)〜(301)を下記に示す。ただし、本発明はこれらに限定されることはない。
次に、本発明の一態様であり、下記一般式(G1)で表される複素環化合物の合成方法の一例について説明する。
なお、一般式(G1)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1乃至3は、Nを表し、それ以外はCHを表す。なお、Y1〜Y4のいずれか2または3がNの場合は、前記N同士が隣り合わないこととする。また、Ar1は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Ar2は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Cz1は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表し、Cz2は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。
以下に、一般式(G1)で表される複素環化合物の合成スキーム(A)を示す。すなわち、下記合成スキーム(A)において、一般式(G1)で表される複素環化合物は、環状化合物である化合物1と、カルバゾール骨格を有する化合物2、カルバゾール骨格を有する化合物3とを鈴木・宮浦反応によりカップリングさせることで得ることができる。
上記合成スキーム(A)において、環AにおけるY1〜Y4のいずれか1乃至3は、Nを表し、それ以外はCHを表す。なお、Y1〜Y4のいずれか2または3がNの場合は、前記N同士が隣り合わないこととする。また、Ar1は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Ar2は、置換もしくは無置換のビフェニルジイル基を表し、Cz1は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表し、Cz2は、置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。B1およびB2は、それぞれ独立にボロン酸またはボロン酸エステルのいずれかを表す。また、X1およびX2はハロゲン又はトリフラート基のいずれかを表す。
なお、上記合成スキーム(A)において、化合物2と化合物3が異なる場合は、化合物1と化合物2をカップリングさせたのち、その反応物と化合物3をさらにカップリングさせることにより、目的化合物を収率・純度良く得ることができる。
また、合成スキーム(A)に用いるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド等が挙げられるが、これらに限られるものでは無い。なお、上記パラジウム触媒の配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリフェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられるが、これらに限られるものでは無い。
また、合成スキーム(A)に用いる塩基としては、ナトリウムtert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられるが、これらに限られるものでは無い。さらに、合成スキーム(A)に用いる溶媒としては、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等のアルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類とt−ブチルアルコール等のアルコールの混合溶媒などが挙げられる。ただし、溶媒はこれらに限られるものでは無い。また、トルエンと水、又はトルエンとエタノールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類とt−ブチルアルコール等のアルコールの混合溶媒がより好ましい。
合成スキーム(A)では、化合物2、化合物3は有機ホウ素化合物であり、鈴木・宮浦カップリング反応により反応を行うが、化合物2、化合物3を有機アルミニウム化合物や、有機ジルコニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機スズ化合物等とし、クロスカップリング反応を用いて目的物を合成してもよい。しかし、これらに限定されるものではない。
また、合成スキーム(A)において、化合物1をジボロン酸化合物とし(X1およびX2をボロン酸またはボロン酸エステルにする)、化合物2および化合物3をハロゲン化合物またはトリフラート化合物(B1及びB2をハロゲン又はトリフラート基にする)として反応させても良い。
以上、本発明の一態様である複素環化合物の合成方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、他のどのような合成方法によって合成されても良い。
なお、上述した本発明の一態様である複素環化合物は、発光物質(ゲスト)や、その他の有機化合物等と組み合わせや単独での利用により、発光素子に適用することができる。
また、本発明の一態様である複素環化合物を用いることで、発光効率の高い発光素子、または長寿命な発光素子を実現することできる。さらに、効率の高い発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。また、消費電力の低い発光素子、発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。また、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、発光素子に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。また、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子以外のものに適用してもよい。また、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子に適用しなくてもよい。例えば、本発明の一態様として、複素環化合物を用いた場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光素子について図1を用いて説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、一対の電極(第1の電極(陽極)101と第2の電極(陰極)103)間に発光層113を含むEL層102が挟まれており、EL層102は、発光層113の他に、正孔(または、ホール)注入層111、正孔(または、ホール)輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115などを含んで形成される。
このような発光素子に対して電圧を印加すると、第1の電極101側から注入された正孔と第2の電極103側から注入された電子とが、発光層113において再結合し、それにより生じたエネルギーに起因して、発光層113に含まれる有機金属錯体などの発光物質が発光する。
なお、EL層102における正孔注入層111は、正孔輸送層112または発光層113に対して正孔を注入することができる層であり、例えば、正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質により形成することができる。この場合、アクセプター性物質によって正孔輸送性の高い物質から電子が引き抜かれることにより正孔(ホール)が発生する。従って、正孔注入層111から正孔輸送層112を介して発光層113に正孔が注入される。なお、正孔注入層111には、正孔注入性の高い物質を用いることもできる。例えば、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等によっても正孔注入層111を形成することができる。
以下に本実施の形態に示す発光素子を作製する上での具体例について説明する。
第1の電極(陽極)101および第2の電極(陰極)103には、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、酸化インジウム−酸化スズ(Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)の他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、マグネシウム(Mg)、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金、その他グラフェン等を用いることができる。なお、第1の電極(陽極)101および第2の電極(陰極)103は、例えばスパッタリング法や蒸着法(真空蒸着法を含む)等により形成することができる。
正孔注入層111、および正孔輸送層112に用いる正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の有機化合物を用いることができる。具体的には、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。また、正孔輸送性の高い物質を用いてなる層は、単層だけでなく、二層以上の積層であってもよい。以下に、正孔輸送性の物質として用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、DNTPD、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。その他にも、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14から42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。また、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
さらに、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
また、正孔注入層111、および正孔輸送層112に用いるアクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物を挙げることができる。特に、HAT−CNのように複素原子を複数有する縮合芳香環に電子吸引基が結合している化合物が、熱的に安定であり好ましい。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
発光層113は、発光物質を含む層である。なお、発光物質としては、蛍光性の発光物質と燐光性の発光物質とが挙げられる。また、燐光性の発光物質としては、具体的には有機金属錯体が用いられる。なお、発光層113において、有機金属錯体(ゲスト材料)を用いる場合には、この有機金属錯体よりも三重項励起エネルギーの大きい物質をホスト材料として含むことが好ましい。また、発光層113は、発光物質に加えて、発光層113におけるキャリア(電子及びホール)の再結合の際に励起錯体(エキサイプレックスとも言う)を形成することができる組み合わせとなる2種類の有機化合物(上記ホスト材料のいずれかであってもよい)を含む構成としてもよい。なお、効率よく励起錯体を形成するためには、電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)と、正孔を受け取りやすい化合物(正孔輸送性を有する材料)とを組み合わせることが特に好ましい。このように電子輸送性を有する材料と、正孔輸送性を有する材料とを組み合わせて励起錯体を形成するホスト材料とする場合、電子輸送性を有する材料及び正孔輸送性を有する材料の混合比率を調節することで、発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することが容易となる。発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することにより、発光層中で電子と正孔の再結合が起こる領域が偏ることを抑制できる。再結合が起こる領域の偏りを抑制することで、発光素子の信頼性を向上させることができる。
なお、上記励起錯体を形成する上で用いることが好ましい電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)などのポリアゾール骨格を有する複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス〔3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル〕ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジン骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
また、上記励起錯体を形成するために用いる上で好ましい正孔を受け取りやすい化合物(正孔輸送性を有する材料)としては、π電子過剰型複素芳香族(例えばカルバゾール誘導体やインドール誘導体)又は芳香族アミンなどを好適に用いることができる。具体的には、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)、NPB、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、BSPB、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、PCzPCA1、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、DNTPD、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、PCzPCA2、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、CBP、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、9−フェニル−9H−3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)カルバゾール(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
なお、発光層113において、上述した有機金属錯体(ゲスト材料)とホスト材料とを含んで形成することにより、発光層113からは、発光効率の高い燐光発光を得ることができる。
また、発光層113は、発光素子において図1(A)に示す単層構造だけに限らず、図1(B)に示すような2層以上の積層構造であってもよい。但し、この場合には、積層された各層からそれぞれの発光が得られる構成とする。例えば、1層目の発光層113(a1)からは、蛍光発光が得られる構成とし、1層目に積層される2層目の発光層113(a2)からは燐光発光が得られる構成とすればよい。なお、積層順については、この逆であってもよい。また、燐光発光が得られる層においては、励起錯体からドーパントへのエネルギー移動による発光が得られる構成とするのが好ましい。また、発光色については、一方の層から得られる発光色と、他方の層から得られる発光色とが同一であっても異なっていてもよいが、異なっている場合には、例えば、一方の層から青色発光が得られる構成とし、他方の層からは橙色発光または黄色発光などが得られる構成とすることができる。また、各層において、複数種のドーパントが含まれる構成としてもよい。
なお、発光層113が積層構造を有する場合には、一重項励起エネルギーを発光に変える発光物質、または三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質等を各々単独または組み合わせて用いることができる。この場合には、例えば、以下のようなものが挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、例えば、蛍光を発する物質(蛍光性化合物)が挙げられる。
蛍光を発する物質としては、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン、(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)などが挙げられる。
三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、例えば、燐光を発する物質(燐光性化合物)や熱活性化遅延蛍光(TADF)を示すTADF材料(熱活性化遅延蛍光性化合物)が挙げられる。なお、TADF材料における遅延蛍光とは、通常の蛍光と同様のスペクトルを持ちながら、寿命が著しく長い発光をいう。その寿命は、10−6秒以上、好ましくは10−3秒以上である。
燐光を発する物質としては、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:[Ir(CF3ppy)2(pic)])、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)3])、ビス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)2(acac)])、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:[Tb(acac)3(Phen)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)2(acac)])、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(dpo)2(acac)])、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(p−PF−ph)2(acac)])、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bt)2(acac)])、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−a]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(btp)2(acac)])、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−Me)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−iPr)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(acac)])、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(dpm)])、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)2(acac)])、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)3(Phen)])、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)3(Phen)])などが挙げられる。
また、TADF材料としては、例えば、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。さらに、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(PIC−TRZ)等のπ電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物を用いることもできる。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強くなり、S1とT1のエネルギー差が小さくなるため、特に好ましい。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質(電子輸送性化合物ともいう)を含む層である。電子輸送層114には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、BeBq2、BAlq、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などの金属錯体を用いることができる。また、PBD、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、TAZ、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(ピリジン−2,5−ジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層114として用いてもよい。
また、電子輸送層114は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層された構造としてもよい。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層115には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層115にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。なお、上述した電子輸送層114を構成する物質を用いることもできる。
また、電子注入層115に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層114を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、印刷法(例えば、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法、平版印刷法、孔版印刷法等)、インクジェット法、塗布法等の方法を単独または組み合わせて用いて形成することができる。また、上述した、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、及び電子注入層115には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
以上により、一対の電極間にEL層を挟んでなる発光素子を作製することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様であり、EL層を複数有する構造の発光素子(以下、タンデム型発光素子という)について説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図2(A)に示すように一対の電極(第1の電極201および第2の電極204)間に、電荷発生層205を介して複数のEL層(第1のEL層202(1)、第2のEL層202(2))を有するタンデム型発光素子である。
本実施の形態において、第1の電極201は、陽極として機能する電極であり、第2の電極204は陰極として機能する電極である。なお、第1の電極201および第2の電極204は、実施の形態2と同様な構成を用いることができる。また、複数のEL層(第1のEL層202(1)、第2のEL層202(2))は、実施の形態2で示したEL層と両方とも同様な構成であっても良いが、いずれか一方が同様の構成であっても良い。すなわち、第1のEL層202(1)と第2のEL層202(2)は、同じ構成であっても異なる構成であってもよく、同じ構成である場合は、実施の形態2を適用することができる。
また、複数のEL層(第1のEL層202(1)、第2のEL層202(2))の間に設けられている電荷発生層205は、第1の電極201と第2の電極204に電圧を印加したときに、一方のEL層に電子を注入し、他方のEL層に正孔を注入する機能を有する。本実施の形態の場合には、第1の電極201に第2の電極204よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層205から第1のEL層202(1)に電子が注入され、第2のEL層202(2)に正孔が注入される。
なお、電荷発生層205は、光の取り出し効率の点から、可視光に対して透光性を有する(具体的には、電荷発生層205の可視光の透過率が、40%以上)ことが好ましい。また、電荷発生層205は、第1の電極201や第2の電極204よりも低い導電率であっても機能する。
電荷発生層205は、正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体(アクセプター)が添加された構成であっても、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体(ドナー)が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体が添加された構成とする場合において、正孔輸送性の高い有機化合物としては、実施の形態2で正孔注入層111、および正孔輸送層112に用いる正孔輸送性の高い物質として示した物質を用いることができる。例えば、NPBやTPD、TDATA、MTDATA、BSPBなどの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
一方、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体が添加された構成とする場合において、電子輸送性の高い有機化合物としては、実施の形態2で電子輸送層114に用いる電子輸送性の高い物質として示した物質を用いることができる。例えば、Alq、Almq3、BeBq2、BAlqなど、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができる。また、この他、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、PBDやOXD−7、TAZ、BPhen、BCPなども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子供与体としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第2、第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
なお、上述した材料を用いて電荷発生層205を形成することにより、EL層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。また、電荷発生層205の形成方法としては、蒸着法(真空蒸着法を含む)、印刷法(例えば、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法、平版印刷法、孔版印刷法等)、インクジェット法、塗布法等の方法を単独または組み合わせて用いて形成することができる。
本実施の形態では、EL層を2層有する発光素子について説明したが、図2(B)に示すように、n層(ただし、nは、3以上)のEL層(202(1)〜202(n))を積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数のEL層を有する場合、EL層とEL層との間にそれぞれ電荷発生層(205(1)〜205(n−1))を配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での発光が可能である。電流密度を低く保てるため、長寿命素子を実現できる。
また、それぞれのEL層の発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つのEL層を有する発光素子において、第1のEL層の発光色と第2のEL層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色の光を互いに混合すると、白色発光を得ることができる。具体的には、第1のEL層から青色発光が得られ、第2のEL層から黄色発光または橙色発光が得られる組み合わせが挙げられる。この場合、青色発光と黄色発光(または橙色発光)が両方とも同じ蛍光発光、または燐光発光である必要はなく、青色発光が蛍光発光であり、黄色発光(または橙色発光)が燐光発光である組み合わせや、その逆の組み合わせとしてもよい。
また、3つのEL層を有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1のEL層の発光色が赤色であり、第2のEL層の発光色が緑色であり、第3のEL層の発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。
なお、上記発光装置は、パッシブマトリクス型の発光装置でもアクティブマトリクス型の発光装置でもよい。また、本実施の形態に示す発光装置には、他の実施形態で説明した発光素子を適用することが可能である。
本実施の形態では、まずアクティブマトリクス型の発光装置について図3を用いて説明する。
なお、図3(A)は発光装置を示す上面図であり、図3(B)は図3(A)を鎖線A−A’で切断した断面図である。本実施の形態に係るアクティブマトリクス型の発光装置は、素子基板301上に設けられた画素部302と、駆動回路部(ソース線駆動回路)303と、駆動回路部(ゲート線駆動回路)304a及び304bと、を有する。画素部302、駆動回路部303、及び駆動回路部304a及び304bは、シール材305によって、素子基板301と封止基板306との間に封止されている。
また、素子基板301上には、駆動回路部303、及び駆動回路部304a及び304bに外部からの信号(例えば、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子を接続するための引き回し配線307が設けられる。ここでは、外部入力端子としてFPC(フレキシブルプリントサーキット)308を設ける例を示している。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図3(B)を用いて説明する。素子基板301上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、ソース線駆動回路である駆動回路部303と、画素部302が示されている。
駆動回路部303はFET309とFET310とを組み合わせた構成について例示している。なお、駆動回路部303は、単極性(N型またはP型のいずれか一方のみ)のトランジスタを含む回路で形成されても良いし、N型のトランジスタとP型のトランジスタを含むCMOS回路で形成されても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に駆動回路を形成することもできる。
また、画素部302はスイッチング用FET(図示せず)と、電流制御用FET312とを有し、電流制御用FET312の配線(ソース電極又はドレイン電極)は、発光素子317aおよび発光素子317bの第1の電極(陽極)(313a、313b)と電気的に接続されている。また、本実施の形態においては、画素部302に2つのFET(スイッチング用FET、電流制御用FET312)を用いて構成する例について示したが、これに限定されない。例えば、3つ以上のFETと、容量素子とを組み合わせる構成としてもよい。
FET309、310、312としては、例えば、スタガ型や逆スタガ型のトランジスタを適用することができる。FET309、310、312に用いることのできる半導体材料としては、例えば、13族半導体、14族(ケイ素等)半導体、化合物半導体、酸化物半導体、有機半導体材料を用いることができる。また、該半導体材料の結晶性については、特に限定されず、例えば、非晶質半導体膜、または結晶性半導体膜を用いることができる。特に、FET309、310、311、312としては、酸化物半導体を用いると好ましい。なお、酸化物半導体としては、例えば、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Ga、Y、Zr、La、Ce、HfまたはNd)等が挙げられる。FET309、310、312として、例えば、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体材料を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
また、第1の電極(313a、313b)には、光学調整のための導電膜(320a、320b)を積層した構造を含む。例えば、図3(B)に示すように発光素子317aと発光素子317bとで取り出す光の波長が異なる場合には、導電膜320aと導電膜320bとの膜厚は異なる。また、第1の電極(313a、313b)の端部を覆って絶縁物314が形成されている。ここでは、絶縁物314として、ポジ型の感光性アクリル樹脂を用いることにより形成する。また、本実施の形態においては、第1の電極(313a、313b)を陽極として用いる。
また、絶縁物314の上端部または下端部に曲率を有する曲面を形成するのが好ましい。絶縁物314の形状を上記のように形成することで、絶縁物314の上層に形成される膜の被覆性を良好なものとすることができる。例えば、絶縁物314の材料として、ネガ型の感光性樹脂、或いはポジ型の感光性樹脂のいずれかを使用することができ、有機化合物に限らず無機化合物、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン等を使用することができる。
第1の電極(313a、313b)上には、EL層315及び第2の電極316が積層形成される。EL層315は、少なくとも発光層が設けられており、第1の電極(313a、313b)、EL層315及び第2の電極316からなる発光素子(317a、317b)は、EL層315の端部が、第2の電極316で覆われた構造を有する。また、EL層315の構成については、実施の形態2や実施の形態3に示す単層構造または積層構造と同様であっても異なっていてもよい。さらに、発光素子ごとに異なっていてもよい。
なお、第1の電極313、EL層315及び第2の電極316に用いる材料としては、実施の形態2に示す材料を用いることができる。また、発光素子(317a、317b)の第1の電極(313a、313b)は、領域321において、引き回し配線307と電気的に接続されFPC308を介して外部信号が入力される。さらに、発光素子(317a、317b)の第2の電極316は、領域322において、引き回し配線323と電気的に接続され、ここでは図示しないが、FPC308を介して外部信号が入力される。
また、図3(B)に示す断面図では発光素子317を2つのみ図示しているが、画素部302において、複数の発光素子がマトリクス状に配置されているものとする。すなわち、画素部302には、2種類(例えば(B、Y))の発光が得られる発光素子だけでなく、3種類(例えば(R、G、B))の発光が得られる発光素子や、4種類(例えば(R、G、B、Y)または(R、G、B、W)等)の発光が得られる発光素子等をそれぞれ形成し、フルカラー表示可能な発光装置を形成することができる。なお、この時の発光層の形成には、発光素子の発光色などに応じて異なる材料を用いた発光層を形成(いわゆる塗り分け形成)してもよいし、複数の発光素子が同じ材料を用いて形成された共通の発光層を有し、カラーフィルタと組み合わせることによってフルカラー化を実現させてもよい。このように数種類の発光が得られる発光素子を組み合わせることにより、色純度の向上、消費電力の低減等の効果が得ることができる。さらに、量子ドットとの組み合わせにより発光効率を向上させ、消費電力を低減させた発光装置としてもよい。
さらに、シール材305で封止基板306を素子基板301と貼り合わせることにより、素子基板301、封止基板306、およびシール材305で囲まれた空間318に発光素子317a、317bが備えられた構造になっている。
また、封止基板306には、有色層(カラーフィルタ)324が設けられており、隣り合う有色層の間には、黒色層(ブラックマトリクス)325が設けられている。なお、黒色層(ブラックマトリクス)325と一部重なるように隣り合う有色層(カラーフィルタ)324の一方または両方が設けられていてもよい。なお、発光素子317a、317bで得られた発光は、有色層(カラーフィルタ)324を介して外部に取り出される。
なお、空間318には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材305で充填される構成も含むものとする。また、シール材を塗布して貼り合わせる場合には、UV処理や熱処理等のいずれか、またはこれらを組み合わせて行うのが好ましい。
また、シール材305にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板306に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。シール材としてガラスフリットを用いる場合には、接着性の観点から素子基板301及び封止基板306はガラス基板であることが好ましい。
なお、発光素子と電気的に接続されるFETの構造は、図3(B)とはゲート電極の位置が異なる構造、すなわち図3(C)に示すFET326、FET327、FET328に示す構造としてもよい。また、封止基板306に設けられる有色層(カラーフィルタ)324は、図3(C)に示すように黒色層(ブラックマトリクス)325と重なる位置でさらに隣り合う有色層(カラーフィルタ)324とも重なるように設けられていてもよい。
以上のようにして、アクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
また、本発明の一態様である発光装置としては、上述したアクティブマトリクス型の発光装置のみならずパッシブマトリクス型の発光装置とすることもできる。
図4(A)(B)にパッシブマトリクス型の発光装置を示す。図4(A)には、パッシブマトリクス型の発光装置の上面図、図4(B)には、断面図をそれぞれ示す。
図4(A)(B)に示すように、基板401上には、第1の電極402と、EL層(403a、403b、403c)と、第2の電極404とを有する発光素子405が形成される。なお、第1の電極402は、島状であり、一方向(図4(A)では、横方向)にストライプ状に複数形成されている。また、第1の電極402上の一部には、絶縁膜407が形成されている。絶縁膜407上には絶縁材料を用いてなる隔壁406が設けられる。隔壁406の側壁は、図4(B)に示すように基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなるような傾斜を有する。
なお、絶縁膜407は、第1の電極402上の一部に形成されるため、EL層(403a、403b、403c)および第2の電極404を第1の電極402上に所望の形状に分離形成することができる。図4(A)および図4(B)には、メタルマスク等のマスクと絶縁膜407上の隔壁406とを組み合わせてEL層(403a、403b、403c)および第2の電極404を形成する例を示す。また、EL層403a、EL層403b、EL層403cは、それぞれ異なる発光色(例えば、赤、緑、青、黄、橙、白等)を呈する場合の例を示す。
また、EL層(403a、403b、403c)を形成した後、第2の電極404が形成される。従って、第2の電極404は、EL層(403a、403b、403c)上に第1の電極402と接することなく形成される。
なお、封止の方法については、アクティブマトリクス型の発光装置の場合と同様に行うことができるので、説明は省略する。
以上のようにして、パッシブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
例えば、本明細書等において、様々な基板を用いて、トランジスタまたは発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流供給能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタまたは発光素子を形成してもよい。または、基板とトランジスタまたは発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、トランジスタまたは発光素子は耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の有機樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いてトランジスタまたは発光素子を形成し、その後、別の基板にトランジスタまたは発光素子を転置し、別の基板上にトランジスタまたは発光素子を配置してもよい。トランジスタまたは発光素子が転置される基板の一例としては、上述したトランジスタまたは発光素子を形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置を適用して完成させた様々な電子機器や自動車の一例について、説明する。
発光装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図5に示す。
図5(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7103が組み込まれている。表示部7103により、映像を表示することが可能であり、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。なお、本発明の一態様である発光装置を表示部7103に用いることができる。また、ここでは、スタンド7105により筐体7101を支持した構成を示している。
テレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キー7109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作機7110から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図5(B)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む。なお、コンピュータは、本発明の一態様である発光装置をその表示部7203に用いることにより作製することができる。また、表示部7203は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。
図5(C)は、スマートウオッチであり、筐体7302、表示部7304、操作ボタン7311、7312、接続端子7313、バンド7321、留め金7322、等を有する。
ベゼル部分を兼ねる筐体7302に搭載された表示部7304は、非矩形状の表示領域を有している。表示部7304は、時刻を表すアイコン7305、その他のアイコン7306等を表示することができる。また、表示部7304は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。
なお、図5(C)に示すスマートウオッチは、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。
また、筐体7302の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。なお、スマートウオッチは、発光装置をその表示部7304に用いることにより作製することができる。
図5(D)は、携帯電話機(スマートフォンを含む)の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に、表示部7402、マイク7406、スピーカ7405、カメラ7407、外部接続部7404、操作用ボタン7403などを備えている。また、本発明の一態様に係る発光素子を、可撓性を有する基板に形成して発光装置を作製した場合、図5(D)に示すような曲面を有する表示部7402に適用することが可能である。
図5(D)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部7402の画面のほとんどにキーボード又は番号ボタンを表示させることが好ましい。
また、携帯電話機7400内部に、ジャイロセンサや加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯電話機7400の向き(縦か横か)を判断して、表示部7402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部7402を触れること、又は筐体7401の操作用ボタン7403の操作により行われる。また、表示部7402に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部7402の光センサで検出される信号を検知し、表示部7402のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部7402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部7402に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
さらに、携帯電話機(スマートフォンを含む)の別の構成として、図5(D’−1)や図5(D’−2)のような構造を有する携帯電話機に適用することもできる。
なお、図5(D’−1)や図5(D’−2)のような構造を有する場合には、文字情報や画像情報などを筐体7500(1)、7500(2)の第1面7501(1)、7501(2)だけでなく、第2面7502(1)、7502(2)に表示させることができる。このような構造を有することにより、携帯電話機を胸ポケットに収納したままの状態で、第2面7502(1)、7502(2)などに表示された文字情報や画像情報などを使用者が容易に確認することができる。
また、発光装置を適用した電子機器として、図6(A)〜(C)に示すような折りたたみ可能な携帯情報端末が挙げられる。図6(A)には、展開した状態の携帯情報端末9310を示す。また、図6(B)には、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の携帯情報端末9310を示す。さらに、図6(C)には、折りたたんだ状態の携帯情報端末9310を示す。携帯情報端末9310は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。
表示部9311はヒンジ9313によって連結された3つの筐体9315に支持されている。なお、表示部9311は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。また、表示部9311は、ヒンジ9313を介して2つの筐体9315間を屈曲させることにより、携帯情報端末9310を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。本発明の一態様の発光装置を表示部9311に用いることができる。表示部9311における表示領域9312は折りたたんだ状態の携帯情報端末9310の側面に位置する表示領域である。表示領域9312には、情報アイコンや使用頻度の高いアプリやプログラムのショートカットなどを表示させることができ、情報の確認やアプリなどの起動をスムーズに行うことができる。
また、発光装置を適用した自動車を図7(A)(B)に示す。すなわち、発光装置を、自動車と一体にして設けることができる。具体的には、図7(A)に示す自動車の外側のライト5101(車体後部も含む)、タイヤのホイール5102、ドア5103の一部または全体などに適用することができる。また、図7(B)に示す自動車の内側の表示部5104、ハンドル5105、シフトレバー5106、座席シート5107、バックミラー5108
等に適用することができる。その他、ガラス窓の一部に適用してもよい。
以上のようにして、本発明の一態様である発光装置を適用して電子機器や自動車を得ることができる。なお、適用できる電子機器や自動車は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野において適用することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光素子を適用して作製される照明装置の構成について図8を用いて説明する。
図8(A)、(B)、(C)、(D)には、照明装置の断面図の一例を示す。なお、図8(A)、(B)は基板側に光を取り出すボトムエミッション型の照明装置であり、図8(C)、(D)は、封止基板側に光を取り出すトップエミッション型の照明装置である。
図8(A)に示す照明装置4000は、基板4001上に発光素子4002を有する。また、基板4001の外側に凹凸を有する基板4003を有する。発光素子4002は、第1の電極4004と、EL層4005と、第2の電極4006を有する。
第1の電極4004は、電極4007と電気的に接続され、第2の電極4006は電極4008と電気的に接続される。また、第1の電極4004と電気的に接続される補助配線4009を設けてもよい。なお、補助配線4009上には、絶縁層4010が形成されている。
また、基板4001と封止基板4011は、シール材4012で接着されている。また、封止基板4011と発光素子4002の間には、乾燥剤4013が設けられていることが好ましい。なお、基板4003は、図8(A)のような凹凸を有するため、発光素子4002で生じた光の取り出し効率を向上させることができる。
また、基板4003に代えて、図8(B)の照明装置4100のように、基板4001の外側に拡散板4015を設けてもよい。
図8(C)の照明装置4200は、基板4201上に発光素子4202を有する。発光素子4202は第1の電極4204と、EL層4205と、第2の電極4206とを有する。
第1の電極4204は、電極4207と電気的に接続され、第2の電極4206は電極4208と電気的に接続される。また第2の電極4206と電気的に接続される補助配線4209を設けてもよい。また、補助配線4209の下部に、絶縁層4210を設けてもよい。
基板4201と凹凸のある封止基板4211は、シール材4212で接着されている。また、封止基板4211と発光素子4202の間にバリア膜4213および平坦化膜4214を設けてもよい。なお、封止基板4211は、図8(C)のような凹凸を有するため、発光素子4202で生じた光の取り出し効率を向上させることができる。
また、封止基板4211に代えて、図8(D)の照明装置4300のように、発光素子4202の上に拡散板4215を設けてもよい。
なお、本実施の形態で示すEL層4005、4205に、本発明の一態様である有機金属錯体を適用することができる。この場合、消費電力の低い照明装置を提供することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置を適用した応用品である照明装置の一例について、図9を用いて説明する。
図9は、発光装置を室内の照明装置8001として用いた例である。なお、発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8002を形成することもできる。本実施の形態で示す発光装置に含まれる発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に照明装置8003を備えても良い。
なお、上記以外にも室内に備えられた家具の一部に発光装置を適用することにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のように、発光装置を適用した様々な照明装置が得られる。なお、これらの照明装置は本発明の一態様に含まれるものとする。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態においては、本発明の一態様の発光素子または本発明の一態様の発光装置を有するタッチパネルについて、図10〜図14を用いて説明を行う。
図10(A)(B)は、タッチパネル2000の斜視図である。なお、図10(A)(B)において、明瞭化のため、タッチパネル2000の代表的な構成要素を示す。
タッチパネル2000は、表示パネル2501とタッチセンサ2595とを有する(図10(B)参照)。また、タッチパネル2000は、基板2510、基板2570、及び基板2590を有する。
表示パネル2501は、基板2510上に複数の画素及び該画素に信号を供給することができる複数の配線2511を有する。複数の配線2511は、基板2510の外周部にまで引き回され、その一部が端子2519を構成している。端子2519はFPC2509(1)と電気的に接続する。
基板2590には、タッチセンサ2595と、タッチセンサ2595と電気的に接続する複数の配線2598とを有する。複数の配線2598は、基板2590の外周部に引き回され、その一部は端子2599を構成する。そして、端子2599はFPC2509(2)と電気的に接続される。なお、図10(B)では明瞭化のため、基板2590の裏面側(基板2510と対向する面側)に設けられるタッチセンサ2595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ2595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
まず、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合について、図10(B)を用いて説明する。なお、投影型静電容量方式の場合には、指等の検知対象の近接または接触を検知することができる、様々なセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ2595は、電極2591と電極2592とを有する。電極2591と電極2592は、複数の配線2598のうちそれぞれ異なる配線と電気的に接続する。また、電極2592は、図10(A)(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で配線2594により、一方向に接続される形状を有する。電極2591も同様に複数の四辺形が角部で接続される形状を有するが、接続される方向は、電極2592が接続される方向と交差する方向となる。なお、電極2591が接続される方向と、電極2592が接続される方向とは、必ずしも直交する関係にある必要はなく、0度を超えて90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
なお、配線2594の電極2592との交差部の面積は、できるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のバラツキを低減できる。その結果、タッチセンサ2595を透過する光の輝度のバラツキを低減することができる。
なお、電極2591及び電極2592の形状はこれに限定されず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極2591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極2592を複数設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの電極2592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
次に、図11を用いて、タッチパネル2000の詳細について説明する。図11は、図10(A)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図に相当する。
タッチパネル2000は、タッチセンサ2595と表示パネル2501とを有する。
タッチセンサ2595は、基板2590に接して千鳥格子状に配置された電極2591及び電極2592と、電極2591及び電極2592を覆う絶縁層2593と、隣り合う電極2591を電気的に接続する配線2594とを有する。なお、隣り合う電極2591の間には、電極2592が設けられている。
電極2591及び電極2592は、透光性を有する導電材料を用いて形成することができる。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。また、グラフェン化合物を用いることもできる。なお、グラフェン化合物を用いる場合は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法やレーザーを照射する方法等を挙げることができる。
電極2591及び電極2592の形成方法としては、例えば、透光性を有する導電性材料を基板2590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去することで形成することができる。
絶縁層2593に用いる材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることができる。
また、絶縁層2593の一部に形成された配線2594により、隣接する電極2591が電気的に接続される。なお、配線2594に用いる材料は、電極2591及び電極2592に用いる材料よりも導電性の高い材料を用いることにより電気抵抗を低減することができるため好ましい。
また、配線2598は、電極2591または電極2592と電気的に接続される。なお、配線2598の一部は、端子として機能する。配線2598には、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
また、端子2599により、配線2598とFPC2509(2)とが電気的に接続される。なお、端子2599には、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
また、配線2594に接して接着層2597が設けられる。すなわち、タッチセンサ2595は、接着層2597を介して、表示パネル2501に重なるように貼り合わされる。なお、接着層2597と隣り合う表示パネル2501の表面は、図11(A)に示すように基板2570を有していてもよいが、必ずしも必要ではない。
接着層2597は、透光性を有する。例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン系樹脂を用いることができる。
図11(A)に示す表示パネル2501は、基板2510と基板2570との間にマトリクス状に配置された複数の画素と駆動回路とを有する。また、各画素は発光素子と、発光素子を駆動する画素回路とを有する。
図11(A)には、表示パネル2501の画素の一例として、画素2502Rを示し、駆動回路の一例として走査線駆動回路2503gを示す。
画素2502Rは、発光素子2550Rと、発光素子2550Rに電力を供給することができるトランジスタ2502tとを有する。
トランジスタ2502tは、絶縁層2521で覆われている。なお、絶縁層2521は、先に形成されたトランジスタ等に起因する凹凸を平坦化するための機能を有する。また、絶縁層2521に不純物の拡散を抑制できる機能を付与してもよい。この場合、不純物の拡散によるトランジスタ等の信頼性の低下を抑制できるので好ましい。
発光素子2550Rは、トランジスタ2502tと配線を介して電気的に接続される。なお、配線と直接接続されるのは、発光素子2550Rの一方の電極である。なお、発光素子2550Rの一方の電極端部は、絶縁体2528で覆われている。
発光素子2550Rは、一対の電極間にEL層を有してなる。また、発光素子2550Rと重なる位置に着色層2567Rが設けられており、発光素子2550Rが発する光の一部は、着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向に射出される。また、着色層の端部に遮光層2567BMが設けられており、発光素子2550Rと着色層2567Rとの間には、封止層2560を有する。
なお、発光素子2550Rからの光を取り出す方向に封止層2560が設けられている場合には、封止層2560は、透光性を有するのが好ましい。また、封止層2560は、空気より大きい屈折率を有すると好ましい。
走査線駆動回路2503gは、トランジスタ2503tと、容量素子2503cとを有する。なお、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。従って、画素回路のトランジスタ2502tと同様に、駆動回路(走査線駆動回路2503g)のトランジスタ2503tも絶縁層2521で覆われている。
また、トランジスタ2503tに信号を供給することができる配線2511が設けられている。なお、配線2511と接して端子2519が設けられる。また、端子2519は、FPC2509(1)と電気的に接続されており、FPC2509(1)は、画像信号及び同期信号等の信号を供給する機能を有する。なお、FPC2509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
図11(A)において示す表示パネル2501には、ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合について示したが、トランジスタの構造はこれに限られることはなく様々な構造のトランジスタを適用することができる。また、図11(A)に示す、トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tには、酸化物半導体を含む半導体層をチャネル領域として用いることができる。その他、アモルファスシリコンを含む半導体層や、レーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコンを含む半導体層をチャネル領域として用いることができる。
また、図11(A)において示すボトムゲート型のトランジスタとは異なるトップゲート型のトランジスタを表示パネル2501に適用する場合の構成について、図11(B)に示す。なお、トランジスタの構造が変わった場合でも、チャネル領域に用いることができるバリエーションについては同様とする。
図11(A)で示したタッチパネル2000は、図11(A)に示すように画素からの光が外部に射出される側の表面に、少なくとも画素と重なるように反射防止層2567pを有するのが好ましい。なお、反射防止層2567pとして、円偏光板等を用いることができる。
図11(A)で示した基板2510、基板2570、基板2590としては、例えば、水蒸気の透過率が1×10−5g/(m2・day)以下、好ましくは1×10−6g/(m2・day)以下である可撓性を有する材料を好適に用いることができる。または、これらの基板の熱膨張率が、およそ等しい材料を用いることが好ましい。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは1×10−5/K以下である材料が挙げられる。
次に、図11に示すタッチパネル2000と構成の異なるタッチパネル2000’について、図12を用いて説明する。なお、タッチパネル2000’もタッチパネル2000と同様に適用することができる。
図12には、タッチパネル2000’の断面図を示す。図12に示すタッチパネル2000’は、図11に示すタッチパネル2000と、表示パネル2501に対するタッチセンサ2595の位置が異なる。ここでは異なる構成についてのみ説明し、同様の構成を用いることができる部分は、タッチパネル2000の説明を援用することとする。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。また、図12(A)に示す発光素子2550Rからの光は、トランジスタ2502tが設けられている方向に射出される。すなわち、発光素子2550Rからの光(一部)は、着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向に射出される。なお、着色層2567Rの端部には遮光層2567BMが設けられている。
また、タッチセンサ2595は、表示パネル2501の発光素子2550Rから見てトランジスタ2502tが設けられている側に設けられている(図12(A)参照)。
また、接着層2597は、表示パネル2501が有する基板2510と接しており、図12(A)に示す構造の場合には、表示パネル2501とタッチセンサ2595とを貼り合わせている。但し、接着層2597により貼り合わされる表示パネル2501とタッチセンサ2595との間に基板2510を設けない構成としてもよい。
また、タッチパネル2000の場合と同様にタッチパネル2000’の場合も表示パネル2501には、様々な構造のトランジスタを適用することができる。なお、図12(A)においては、ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合について示したが、図12(B)に示すようにトップゲート型のトランジスタを適用してもよい。
次に、タッチパネルの駆動方法の一例について、図13を用いて説明を行う。
図13(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図13(A)では、パルス電圧出力回路2601、電流検出回路2602を示している。なお、図13(A)では、パルス電圧が与えられる電極2621をX1−X6として、電流の変化を検知する電極2622をY1−Y6として、それぞれ6本の配線で例示している。また、図13(A)は、電極2621と、電極2622とが重畳することで形成される容量2603を示している。なお、電極2621と電極2622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路2601は、X1−X6の配線に順にパルスを印加するための回路である。X1−X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量2603を形成する電極2621と電極2622との間に電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量2603の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
電流検出回路2602は、容量2603での相互容量の変化による、Y1−Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
次に、図13(B)には、図13(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図13(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行うものとする。また図13(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なおY1−Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示している。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6の配線の電圧変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。
また、図13(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量2603のみを設けるパッシブ型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを備えたアクティブ型のタッチセンサとしてもよい。図14にアクティブ型のタッチセンサに含まれる一つのセンサ回路の例を示している。
図14に示すセンサ回路は、容量2603と、トランジスタ2611と、トランジスタ2612と、トランジスタ2613とを有する。
トランジスタ2613はゲートに信号G2が与えられ、ソースまたはドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量2603の一方の電極およびトランジスタ2611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ2611は、ソースまたはドレインの一方がトランジスタ2612のソースまたはドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧VSSが与えられる。トランジスタ2612は、ゲートに信号G1が与えられ、ソースまたはドレインの他方が配線MLと電気的に接続する。容量2603の他方の電極には電圧VSSが与えられる。
次に、図14に示すセンサ回路の動作について説明する。まず信号G2としてトランジスタ2613をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ2611のゲートが接続されるノードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次に、信号G2としてトランジスタ2613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量2603の相互容量が変化することに伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
読み出し動作は、信号G1にトランジスタ2612をオン状態とする電位を与える。ノードnの電位に応じてトランジスタ2611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が変化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することができる。
トランジスタ2611、トランジスタ2612、及びトランジスタ2613としては、酸化物半導体層をチャネル領域が形成される半導体層に用いることが好ましい。とくにトランジスタ2613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnにVRESを供給しなおす動作(リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
≪合成例1≫
本実施例では、本発明の一態様である複素環化合物、9,9’−[ピリミジン−4,6−ジイルビス(ビフェニル−3,3’−ジイル)]ビス(9H−カルバゾール)(略称:4,6mCzBP2Pm)(構造式(100))の合成方法について説明する。なお、4,6mCzBP2Pmの構造を以下に示す。
<4,6mCzBP2Pmの合成>
0.54g(2.3mmol)の2,4−ジブロモピリミジンと、1.8g(5.0mmol)の3−(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)フェニルボロン酸と、69mg(0.23mmol)のトリス(2−メチルフェニル)ホスフィンを50mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。
この混合物に4.9mLの2M炭酸カリウム水溶液と12mLのトルエンと4mLのエタノールを加え、減圧下で攪拌することにより脱気した。この混合物に10mg(0.045mmol)の酢酸パラジウム(II)を加え、窒素気流下、90℃で16時間攪拌した。撹拌後、この混合物に水を加え、水層をトルエンで抽出した。
得られた抽出液と有機層を合わせ、水と、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=5:1ついでクロロホルム:酢酸エチル=50:1)により精製した。得られたフラクションを濃縮し、油状物を得た。この油状物にクロロホルムを加え、セライト、アルミナを通して吸引濾過し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物を高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒:クロロホルム)により精製した。
得られたフラクションを濃縮し油状物を得た。この油状物をトルエン/ヘキサンで再結晶したところ、目的物である白色固体を収量1.0g、収率63%で得た。
さらに、得られた白色固体0.99gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.7Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色固体を320℃で加熱して行った。昇華精製後、淡黄色固体を収量0.91g、回収率92%で得た。上記の合成方法を示す合成スキームを下記式(A−1)に示す。
なお、上記合成方法で得られた淡黄色固体の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図15(A)(B)に示す。なお、図15(B)は、図15(A)に対して横軸(δ)を7(ppm)から10(ppm)の範囲とした拡大図である。この結果から、本実施例において、本発明の一態様である複素環化合物4,6mCzBP2Pm(構造式(100))が得られたことがわかった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.30(td、J=7.2Hz、1.2Hz、4H)、7.39−7.50(m、8H)、7.59−7.66(m、4H)、7.72(t、J=7.8Hz、2H)、7.78−7.83(m、4H)、7.89(s、2H)、8.13−8.20(m、7H)、8.45(s、2H)、9.34(sd、J=1.2Hz、1H)。
次に、4,6mCzBP2Pmのトルエン溶液と薄膜の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを室温にて測定した。4,6mCzBP2Pmのトルエン溶液のスペクトル測定は、溶液を石英セルに入れて測定した。4,6mCzBP2Pmの薄膜のスペクトル測定は、4,6mCzBP2Pmを石英基板に蒸着して作製したサンプルを用いて測定した。また、吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。得られたトルエン溶液の吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図16(A)に、薄膜の吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図16(B)に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。図16(A)に示す吸収スペクトルは、得られた吸収スペクトルから、トルエンおよび石英セルの吸収スペクトルを差し引くことで得た。なお、図16(B)に示す吸収スペクトルは、得られた吸収スペクトルから石英基板の吸収スペクトルを差し引くことで得た。
上記の測定において、本発明の一態様である複素環化合物、4,6mCzBP2Pmのトルエン溶液は、339nm付近、および291nm付近に吸収ピークを有し、347nm付近に発光ピークを有していた。また4,6mCzBP2Pmの薄膜は、342nm付近、および293nm付近、および245nm付近に吸収ピークを有し、422nm付近に発光ピークを有していた。このように4,6mCzBP2Pmは非常に短波長な領域に吸収および発光を示すことがわかった。従って、短波長の発光を示すドーパントと組み合わせて用いるホスト材料として好適であることがわかる。
また、4,6mCzBP2Pmの燐光発光測定を行った。測定には、顕微PL装置 LabRAM HR−PL ((株)堀場製作所)を用い、測定温度は10K、励起光としてHe−Cdレーザー(325nm)を用い、検出器にはCCD検出器を用いた。試料の薄膜は石英基板上に厚さ約50nmで成膜し、その石英基板に対し、窒素雰囲気中で、蒸着面側から別の石英基板を貼り付けた後、測定に用いた。測定結果を図17に示す。この結果より、4,6mCzBP2Pmの燐光発光スペクトルにおける最も短波長側のピークは452nm付近に存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。
また、4,6mCzBP2Pmを液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。LC/MS分析は、ウォーターズ社製Acquity UPLC(登録商標)およびウォーターズ社製Xevo G2 Tof MSを用いて行った。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ionization、略称:ESI)によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。さらに、以上の条件でイオン化された成分を衝突室(コリジョンセル)内でアルゴンガスに衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンに衝突させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は70eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z=100〜1200とした。
測定結果を図18に示す。図18の結果から、本発明の一態様である複素環化合物、4,6mCzBP2Pm(構造式(100))は、主としてm/z=715付近、m/z=548付近およびm/z=166付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図18に示す結果は、4,6mCzBP2Pmに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる4,6mCzBP2Pmを同定する上での重要なデータであるといえる。
次に、4,6mCzBP2Pmについて、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定を行った。CV測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。
また、CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;227056−12)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(electrochemical grade、和光純薬工業(株)製造元コード:043999、CAS.NO:1923−70−2)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象を2mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製し、電気化学用セルに加え、各電極をセットした後、アルゴンバブリングで約30分脱気した。また使用した電極には、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、Ptカウンター電極)を、参照電極としては非水溶媒系参照電極(ビー・エー・エス(株)製、RE‐7非水溶媒系参照電極(Ag/Ag+)をそれぞれ用いた。また、測定は室温(20〜25℃)とし、測定時のスキャン速度は、0.1V/secに統一した。なお、本実施例では、参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーを、−4.94eVであるとした。また、CV測定による還元反応特性の結果(イニシャル)を図19に示す。
ここでのCV測定では、参照電極に対する作用電極の電極電位を−1.76Vから−2.25Vまで負方向に掃引した後、−2.25Vから−1.76Vまで逆方向に掃引した。これらの掃引を1サイクルとし、100サイクルまで測定した。また、観測された還元ピークは100サイクル後でもイニシャルの93%の強度を保っていた。このことから、還元状態と中性状態の間の酸化還元の繰り返しに良好な特性を示すことがわかった。
4,6mCzBP2PmのCV測定の結果から、LUMO準位(還元電位)を求めた。酸化ピーク電位(還元側から中性間)Epc[V]と、還元ピーク電位(中性側から還元間)Epa[V]から半波電位(EpaとEpcの中間の電位)は、(Epa+Epc)/2[V](=−2.14eV)と算出された。さらに、参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギー(−4.94eV)から、この半波電位(−2.14eV)を差し引き、4,6mCzBP2PmのLUMO準位(還元電位)を−2.80eVとした。
≪合成例2≫
本実施例では、本発明の一態様である複素環化合物、9,9’−[ピリジン−3,5−ジイルビス(ビフェニル−3,3’−ジイル)]ビス(9H−カルバゾール)(略称:3,5mCzBP2Py)(構造式(200))の合成方法について説明する。なお、3,5mCzBP2Pyの構造を以下に示す。
<3,5mCzBP2Pyの合成>
0.71g(3.0mmol)の3,5−ジブロモピリジンと、2.2g(6.1mmol)の3−(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)フェニルボロン酸と、55mg(0.18mmol)のトリス(2−メチルフェニル)ホスフィンを50mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。
この混合物に3.0mLの2M炭酸カリウム水溶液と12mLのトルエンと3mLのエタノールを加え、減圧下で攪拌することにより脱気した。この混合物に50mg(0.22mmol)の酢酸パラジウム(II)を加え、窒素気流下、90℃で11時間攪拌した。撹拌後、この混合物に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。
得られた抽出液と有機層を合わせ、水と、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を自然濾過により濾別し、濾液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製した。得られたフラクションを濃縮し、固体を得た。得られた固体を高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)(展開溶媒:クロロホルム)で精製して固体を得た。
得られた固体にヘキサンを加えて超音波を照射し、固体を吸引ろ過により濾取したところ、目的物である白色固体を収量1.3g、収率62%で得た。
さらに、得られた白色固体1.3gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力3.0Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、白色固体を340℃で加熱して行った。昇華精製後、白色固体を収量1.1g、回収率85%で得た。上記の合成方法を示す合成スキームを下記式(B−1)に示す。
なお、上記合成方法で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図20(A)(B)に示す。なお、図20(B)は、図20(A)に対して横軸(δ)を7(ppm)から9(ppm)の範囲とした拡大図である。この結果から、本実施例において、本発明の一態様である複素環化合物3,5mCzBP2Py(構造式(200))が得られたことがわかった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.30(td、J=7.4Hz、0.9Hz、4H)、7.38−7.49(m、8H)、7.57−7.77(m、12H)、7.85(s、2H)、7.88(s、2H)、8.12−8.17(m、5H)、8.89(sd、J=2.1Hz、2H)。
次に、3,5mCzBP2Pyのトルエン溶液と薄膜の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを室温にて測定した。3,5mCzBP2Pyのトルエン溶液のスペクトル測定は、溶液を石英セルに入れて測定した。3,5mCzBP2Pyの薄膜のスペクトル測定は、3,5mCzBP2Pyを石英基板に蒸着して作製したサンプルを用いて測定した。また、吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。得られたトルエン溶液の吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図21(A)に、薄膜の吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図21(B)に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。図21(A)に示す吸収スペクトルは、得られた吸収スペクトルから、トルエンおよび石英セルの吸収スペクトルを差し引くことで得た。なお図21(B)に示す吸収スペクトルは、得られた吸収スペクトルから石英基板の吸収スペクトルを差し引くことで得た。
上記の測定において、本発明の一態様である複素環化合物、3,5mCzBP2Pyのトルエン溶液は、341nm付近、328nm付近、292nm付近、および285nm付近に吸収ピークを有し、360nm付近に発光ピークを有していた。また3,5mCzBP2Pyの薄膜は、348nm付近、335nm付近、295nm付近、および244nm付近に吸収ピークを有し、365nm付近および350nm付近に発光ピークを有していた。このように3,5mCzBP2Pyは非常に短波長な領域に吸収および発光を示すことがわかった。
また、3,5mCzBP2Pyの燐光発光測定を行った。測定には、顕微PL装置 LabRAM HR−PL ((株)堀場製作所)を用い、測定温度は10K、励起光としてHe−Cdレーザー(325nm)を用い、検出器にはCCD検出器を用いた。試料の薄膜は石英基板上に厚さ約50nmで成膜し、その石英基板に対し、窒素雰囲気中で、蒸着面側から別の石英基板を貼り付けた後、測定に用いた。測定結果を図22に示す。この結果より、3,5mCzBP2Pyの燐光発光スペクトルにおける最も短波長側のピークは450nm付近に存在し、大きなT1準位を有する物質であることが分かった。
また、3,5mCzBP2Pyを液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。LC/MS分析は、ウォーターズ社製Acquity UPLCおよびウォーターズ社製Xevo G2 Tof MSを用いて行った。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ionization、略称:ESI)によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は3.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。さらに、以上の条件でイオン化された成分を衝突室(コリジョンセル)内でアルゴンガスに衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンに衝突させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は70eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z=100〜1200とした。
測定結果を図23に示す。図23の結果から、本発明の一態様である複素環化合物、3,5mCzBP2Py(構造式(200))は、主としてm/z=715付近、m/z=689付近、m/z=547付近およびm/z=166付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図23に示す結果は、3,5mCzBP2Pyに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる3,5mCzBP2Pyを同定する上での重要なデータであるといえる。
次に、3,5mCzBP2Pyについて、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定を行った。CV測定は、実施例1で示したのと同じ方法で行うので説明は省略する。また、CV測定による還元反応特性の結果(イニシャル)を図24に示す。
ここでのCV測定では、参照電極に対する作用電極の電極電位を−1.80Vから−2.72Vまで負方向に掃引した後、−2.72Vから−1.80Vまで逆方向に掃引した。これらの掃引を1サイクルとし、100サイクルまで測定した。また、観測された還元ピークは100サイクル後でもイニシャルの93%の強度を保っていた。このことから、還元状態と中性状態の間の酸化還元の繰り返しに良好な特性を示すことがわかった。
3,5mCzBP2PyのCV測定の結果から、LUMO準位(還元電位)を求めた。酸化ピーク電位(還元側から中性間)Epc[V]と、還元ピーク電位(中性側から還元間)Epa[V]から半波電位(EpaとEpcの中間の電位)は、(Epa+Epc)/2[V](=−2.61eV)と算出された。さらに、参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギー(−4.94eV)から、この半波電位(−2.61eV)を差し引き、3,5mCzBP2PyのLUMO準位(還元電位)を−2.33eVとした。
本実施例では、本発明の一態様である複素環化合物、4,6mCzBP2Pm(構造式(100))を用いた発光素子1を作製した。また、比較として2Ph−4,6mCzBP2Pmを用いた比較発光素子2、および4,6mCzP2Pmを用いた比較発光素子3を作製した。なお、発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3の作製については、図25を用いて説明する。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3の作製≫
まず、ガラス製の基板900上に酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO−2)をスパッタリング法により成膜し、陽極として機能する第1の電極901を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、基板900上に発光素子1を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板900を30分程度放冷した。
次に、第1の電極901が形成された面が下方となるように、基板900を真空蒸着装置内に設けられたホルダーに固定した。本実施例では、真空蒸着法により、EL層902を構成する正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914、電子注入層915が順次形成される場合について説明する。
真空装置内を10−4Paに減圧した後、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデンとを、DBT3P−II:酸化モリブデン=4:2(質量比)となるように共蒸着することにより、第1の電極901上に正孔注入層911を形成した。膜厚は60nmとした。なお、共蒸着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。
次に、9−フェニル−9H−3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)カルバゾール(略称:PCCP)を20nm蒸着することにより、正孔輸送層912を形成した。
次に、正孔輸送層912上に発光層913を形成した。なお、本実施例における発光層は、発光物質(ドーパント)と、ホスト材料とを少なくとも含み形成する。
発光素子1の場合は、PCCP、4,6mCzBP2Pm、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−diPrp)3])を、PCCP:4,6mCzBP2Pm:[Ir(mpptz−diPrp)3]=1:0.3:0.06(質量比)となるように共蒸着し、30nmの膜厚で形成した後、4,6mCzBP2Pm:[Ir(mpptz−diPrp)3]=1:0.06(質量比)となるよう共蒸着し、10nmの膜厚で形成することにより積層構造を有する発光層913を40nmの膜厚で形成した。
比較発光素子2の場合は、PCCP、9,9’−[(2−フェニル−ピリミジン−4,6−ジイル)ビス(ビフェニル−3,3’−ジイル)]ビス(9H−カルバゾール)(略称:2Ph−4,6mCzBP2Pm)、[Ir(mpptz−diPrp)3]を、PCCP:2Ph−4,6mCzBP2Pm:[Ir(mpptz−diPrp)3]=1:0.3:0.06(質量比)となるように共蒸着し、30nmの膜厚で形成した後、2Ph−4,6mCzBP2Pm:[Ir(mpptz−diPrp)3]=1:0.06(質量比)となるよう共蒸着し、10nmの膜厚で形成することにより積層構造を有する発光層913を40nmの膜厚で形成した。
比較発光素子3の場合は、PCCP、9,9’−(ピリミジン−4,6−ジイルジ−3,1−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)(略称:4,6mCzP2Pm)、[Ir(mpptz−diPrp)3]を、PCCP:4,6mCzP2Pm:[Ir(mpptz−diPrp)3]=1:0.3:0.06(質量比)となるように共蒸着し、30nmの膜厚で形成した後、4,6mCzP2Pm:[Ir(mpptz−diPrp)3]=1:0.06(質量比)となるよう共蒸着し、10nmの膜厚で形成することにより積層構造を有する発光層913を40nmの膜厚で形成した。
次に、発光層913上に、発光素子1の場合は4,6mCzBP2Pmを10nm蒸着した後、Bphenを15nm蒸着し、比較発光素子2の場合は2Ph−4,6mCzBP2Pmを10nm蒸着した後、Bphenを15nm蒸着し、比較発光素子3の場合は4,6mCzP2Pmを10nm蒸着した後、Bphenを15nm蒸着することにより、電子輸送層914を形成した。
さらに電子輸送層914上に、フッ化リチウムを1nm蒸着することにより、電子注入層915を形成した。
最後に、電子注入層915上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着し、陰極となる第2の電極903を形成し、発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3を得た。なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3の素子構造を表1に示す。
また、作製した発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3は、大気に曝されないように窒素雰囲気のグローブボックス内において封止した(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時にUV処理、及び80℃にて1時間熱処理)。
≪発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3の動作特性≫
作製した発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1、比較発光素子2および比較発光素子3の電流密度−輝度特性を図26、電圧−輝度特性を図27、輝度−電流効率特性を図28、電圧−電流特性を図29にそれぞれ示す。
また、1000cd/m2付近における発光素子1、比較発光素子2、および比較発光素子3の主な初期特性値を以下の表2に示す。
また、発光素子1、比較発光素子2、および比較発光素子3に25mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図30に示す。図30に示す通り、発光素子1、比較発光素子2、および比較発光素子3の発光スペクトルは476nm付近にピークを有しており、各発光素子のEL層に用いた有機金属錯体[Ir(mpptz−diPrp)3]の青色発光に由来していることが示唆される。
また、発光素子1、比較発光素子2、および比較発光素子3に対する信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図31に示す。図31において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、初期輝度を5000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で発光素子1、比較発光素子2、および比較発光素子3を駆動させた。
上記において、発光素子1は、本発明の一態様である4,6mCzBP2PmをEL層に用いており、4,6mCzBP2Pmは、ピリミジン骨格の4、6位に、合わせて2つの置換基(カルバゾール骨格を含む複素環基がアリーレン基を介して結合可能である置換基)が結合した構造を有する。なお、比較発光素子3のEL層に用いた4,6mCzP2Pmも同様であり、ピリミジン骨格に、合わせて2つの置換基が結合した構造とみることができる。これに対して、比較発光素子2のEL層に用いた2Ph−4,6mCzBP2Pmは、ピリミジン骨格に、合わせて3つの置換基が付いた構造を有する。
なお、図31に示す結果より、このような置換基の数の違いは、信頼性に影響すると解することができる。すなわち、4,6mCzBP2Pmや4,6mCzP2Pmのように合わせて2つの置換基を有する場合は、2Ph−4,6mCzBP2Pmのように合わせて3つの置換基を有する場合に比べて信頼性が向上することがわかる。
さらに、上記表2の結果より、ピリミジン骨格の4、6位にある置換基(カルバゾール骨格を含む複素環基がアリーレン基を介して結合可能である置換基)に含まれるアリーレン基は、フェニル構造よりもビフェニル構造とすることにより効率が向上することがわかる。すなわち、フェニル構造である4,6mCzP2PmをEL層に用いた比較発光素子3に比べて、ビフェニル構造である4,6mCzBP2PmをEL層に用いた発光素子1や、2Ph−4,6mCzBP2PmをEL層に用いた比較発光素子2の方が、効率が向上するという結果が得られている。
なお、アリーレン基の構造により効率に差が出ることは、これらの物質が、発光層において、ドーパントとの間でエキサイプレックスを形成しやすいか否かに起因すると思われる。ドーパントとのエキサイプレックスの形成しやすさは、各物質のLUMO準位(還元電位)で判断することができる。従って、本実施例における発光層では、ドーパントである[Ir(mpptz−diPrp)3]のLUMO準位との差が小さい方がエキサイプレックスを形成しやすいということになる。
従って、本実施例の発光素子1の発光層に用いた4,6mCzBP2PmのLUMO準位(還元電位)は、実施例1で示すように−2.8eV(比較発光素子2に用いた2Ph−4,6mCzBP2Pmも同様)であり、同様の方法で求めた比較発光素子3の発光層に用いた4,6mCzP2PmのLUMO準位(−2.88eV)に比べてドーパントとのエネルギー差が小さくなるためエキサイプレックスを形成しやすくなり、効率を高めることができる。
但し、比較発光素子3に用いた4,6mCzP2Pmのように還元電位が小さい場合には、発光素子の駆動電圧が小さくなるため、信頼性の向上が期待できる。従って、4,6mCzP2Pmを用いた比較発光素子3では、エキサイプレックスの形成に伴う効率向上よりも、信頼性の向上に少なからず好影響を与えているとみることができる。
なお、ここで述べたLUMO準位については、組み合わせて用いるドーパントのとの関係を考慮する必要があり、ドーパントのLUMO準位との差がドーパントの発光エネルギーよりも大きいことが好ましい。
さらに、上記の発光素子の一部を異なる材料に変えて、上記の発光素子とは発光色の異なる発光素子4および比較発光素子5を作製した。なお、発光素子4および比較発光素子5の作製については、発光層の材料および一部の膜厚が異なる以外は発光素子1および比較発光素子3と同様であるので説明を省略する。また、発光素子4および比較発光素子5の作製にのみ用いた材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子4および比較発光素子5の作製≫
本実施例で作製した発光素子4および比較発光素子5の素子構造を表3に示す。
また、作製した発光素子4および比較発光素子5は、大気に曝されないように窒素雰囲気のグローブボックス内において封止した(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時にUV処理、及び80℃にて1時間熱処理)。
≪発光素子4および比較発光素子5の動作特性≫
作製した発光素子の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子4および比較発光素子5の電流密度−輝度特性を図32、電圧−輝度特性を図33、輝度−電流効率特性を図34、電圧−電流特性を図35にそれぞれ示す。
また、1000cd/m2付近における発光素子4および比較発光素子5の主な初期特性値を以下の表4に示す。
また、発光素子4、および比較発光素子5に25mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図36に示す。図36に示す通り、発光素子4、および比較発光素子5の発光スペクトルは516nm付近にピークを有しており、各発光素子のEL層に用いた有機金属錯体[Ir(ppy)3]の緑色発光に由来していることが示唆される。
また、発光素子4、および比較発光素子5に対する信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図37に示す。図37において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、初期輝度を5000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で発光素子4、および比較発光素子5を駆動させた。
上記の表4の結果より、緑色の発光を呈する発光素子4、および比較発光素子5の比較においても、フェニル構造である4,6mCzP2PmをEL層に用いた比較発光素子5よりもビフェニル構造である4,6mCzBP2PmをEL層に用いた発光素子4の方が、効率が向上することがわかる。また、図37に示す結果から、発光素子4が比較発光素子5よりも信頼性が良いという結果が得られた。
本実施例では、本発明の一態様である複素環化合物、3,5mCzBP2Py(構造式(200))を用いた発光素子6を作製した。なお、発光素子6の作製については、一部の材料が異なる以外は実施例3と同様であるので省略する。また、本実施例に用いた材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子6の作製≫
本実施例で作製した発光素子6の素子構造を表5に示す。
また、作製した発光素子6は、大気に曝されないように窒素雰囲気のグローブボックス内において封止した(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時にUV処理、及び80℃にて1時間熱処理)。
≪発光素子6の動作特性≫
作製した発光素子6の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子6の電流密度−輝度特性を図38、電圧−輝度特性を図39、輝度−電流効率特性を図40、電圧−電流特性を図41にそれぞれ示す。
また、1000cd/m2付近における発光素子6の主な初期特性値を以下の表6に示す。
また、発光素子6に25mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図42に示す。図42に示す通り、発光素子6の発光スペクトルは476nm付近にピークを有しており、発光素子のEL層に用いた有機金属錯体[Ir(mpptz−diPrp)3]の青色発光に由来していることが示唆される。
また、発光素子6に対する信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図43に示す。図43において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、初期輝度を5000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で発光素子6を駆動させた。
上記において、発光素子6は、本発明の一態様である3,5mCzBP2PyをEL層に用いており、3,5mCzBP2Pyは、ピリジン骨格の4、6位に置換基(カルバゾール骨格を含む複素環基がアリーレン基を介して結合可能である置換基)がそれぞれ結合した構造を有する。また、4、6位の置換基は、ビフェニル構造であることから、実施例3で示した4,6mCzBP2PmをEL層に用いた発光素子1と同様に3,5mCzBP2PyをEL層に用いた発光素子6も高い効率をおよび高い信頼性を示すことが上記の結果からわかる。