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JP6761561B1 - ポリオレフィン樹脂分散液及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂分散液及びその製造方法 Download PDF

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JP6761561B1 JP2020541600A JP2020541600A JP6761561B1 JP 6761561 B1 JP6761561 B1 JP 6761561B1 JP 2020541600 A JP2020541600 A JP 2020541600A JP 2020541600 A JP2020541600 A JP 2020541600A JP 6761561 B1 JP6761561 B1 JP 6761561B1
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Abstract

【課題】 ポリオレフィン微粒子の分散性及び分散安定性に優れる主分散媒が有機溶媒である分散液及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】メジアン径が3〜100μmのポリオレフィン粉末とグリコールエーテル系溶媒の混合スラリーをビーズミルにより粉砕処理する工程を含むことを特徴とする、ポリオレフィン樹脂分散液の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂分散液及びその製造方法に関する。
ポリオレフィン樹脂の水性分散体は、コーティングや接着剤等の用途で広く用いられている。近年、乾燥塗膜の耐水性等を改善するため界面活性剤を含まない水性分散体が提案されている。これらの水性分散体においては、多くの場合、無水マレイン酸等で変性したポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基の一部または全部を塩基性化合物で中和することにより、生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。
一方、水での処理が好ましくない基材に対して適用可能とし、また、水への溶解性が低い有機溶媒等と混合可能とするため、ポリオレフィン樹脂の水性分散液を用いて、主分散媒が有機溶媒であるポリオレフィン分散液を製造することが開示されている(特許文献1参照)。
国際公開第2017/57276号パンフレット
しかし、ポリオレフィン樹脂の水性分散液に有機溶媒を添加した後、減圧濃縮又は遠心分離により水を除去する製造方法では、カルボキシルアニオン間の電気反発力が失われるため、有機溶媒の種類や水の除去プロセスによっては溶媒中でポリオレフィン粒子が凝集し、分散安定性が低下する。
また、水性分散液に含まれる界面活性剤や塩基性物質により、その適用対象の耐水性や絶縁性等が損なわれる可能性もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、主分散媒が有機溶媒であり、ポリオレフィン樹脂微粒子の分散性及び分散安定性に優れるポリオレフィン樹脂分散液及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、メジアン径が3〜100μmのポリオレフィン粉末とグリコールエーテル系溶媒の混合スラリーをビーズミルで粉砕または分散処理することにより得られた分散液が、非ニュートン流体であり、チキソトロピー性があることに着目した。すなわち、ビーズミルで高速処理すると粘度が下がって分散しやすくなり、得られた分散液は静置状態では高粘度を保つため長期にわたって分離しない分散液を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]メジアン径が3〜100μmのポリオレフィン粉末とグリコールエーテル系溶媒の混合スラリーをビーズミルにより粉砕または分散処理する工程を含むことを特徴とする、ポリオレフィン樹脂分散液の製造方法。
[2]前記グリコールエーテル系溶媒が、下記一般式(1):
−O−(R−O)−R (1)
(上記式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数6〜10のアリール基を示し、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。但し、R及びRのうち少なくとも何れか一方は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数6〜10のアリール基である。)
で表されるグリコールエーテルを主成分とする溶媒である、[1]記載のポリオレフィン樹脂分散液の製造方法。
[3]メジアン径が0.1〜50μmの湿式粉砕されたポリオレフィン粒子がグリコールエーテル系溶媒に分散してなる、ポリオレフィン樹脂分散液。
[4]界面活性剤を実質的に含まない、[3]記載のポリオレフィン樹脂分散液。
[5]塩基性物質を実質的に含まない、[3]記載のポリオレフィン樹脂分散液。
に関する。
本発明によれば、ポリオレフィン微粒子が有機溶媒に安定的に分散したポリオレフィン樹脂分散液を作製することができる。
以下、本発明のポリオレフィン樹脂分散液及びその製造方法について説明する。
<ポリオレフィン粉末>
本明細書において、ポリオレフィン粉末とは、微細な粒子状のポリオレフィン系樹脂を意味する。ポリオレフィン粉末を構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、未変性ポリオレフィン樹脂や、酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
未変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィンの単独重合体や共重合体、エチレン、プロピレンを主成分とするオレフィンとその他のα−オレフィンとの共重合体が挙げられ、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体が挙げられる。これらは単独または2種類以上を混合して用いてもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、未変性ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の酸無水物等の酸基含有単量体をグラフト共重合させて変性したものを使用することができる。
不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の酸無水物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
また、ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、本発明のポリオレフィン樹脂分散液を塗料やインク用の添加剤として使用する場合、耐摩耗性や分散性等の観点から、400〜40,000程度が好ましく、1,000〜20,000がより好ましい。好ましいのは、3,000〜15,000であり特に好ましいのは4,000〜13,000である。
本発明で用いるポリオレフィン粉末のメジアン径は、3μm〜100μmであるが、分散性等の観点から5μm〜50μmであることが好ましく、7μm〜30μmであることがより好ましく、8μm〜20μmであることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、メジアン径とは、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、累積値が50%となる点の粒子径(d50)を意味し、ポリオレフィン粉末のメジアン径は、CILAS社のレーザー回折式平均粒子径装置CILAS1090を使用し、イソプロピルアルコール中で測定した。
ポリオレフィン粉末の製造方法は特に限定されないが、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン、低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒などの触媒を用いて重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィンを、ジェットミルまたは機械粉砕機等で細かく粉砕することによって、または溶融物から噴霧法によって製造することができる。
<グリコールエーテル系溶媒>
本明細書において、グリコールエーテル系溶媒とは、グリコールが有する2つのヒドロキシ基のうちの少なくとも1つがエーテルを形成しているグリコールエーテルを主成分とする溶媒を意味し、グリコールとは、脂肪族炭化水素の2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換してなる化合物を意味する。該脂肪族炭化水素は、直鎖脂肪族炭化水素、分岐鎖脂肪族炭化水素、又は環式脂肪族炭化水素の何れであってもよいが、鎖状脂肪族炭化水素が好ましい。
なお、本明細書において、主成分とは、全量に対して70質量%以上を占める成分を意味する。
グリコールエーテル系溶媒には、下記一般式(1)で表される化合物が主成分として、すなわち70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含まれる。
−O−(R−O)−R (1)
(上記式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数6〜10のアリール基を示し、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素基を示し、nは1〜10、好ましくは1〜5の整数を示す。但し、R及びRのうち少なくとも何れか一方は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数6〜10のアリール基である。)
グリコールエーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独または2種類以上を混合して用いてもよい。
グリコールエーテル系溶媒の粘度は、ポリオレフィン樹脂分散液の分散安定性の観点で好ましくは1〜20mPa・s(20℃)、より好ましくは2〜15mPa・s(20℃)、さらに好ましくは3〜13mPa・s(20℃)、特に好ましくは4〜10mPa・s(20℃)である。
なお、本明細書において、グリコールエーテル系溶媒の粘度は、BROOKFIELD社製 LVDV−IにてローターNo.2を用い、20℃、回転数60rpmで測定したものである。
<混合スラリー>
ポリオレフィン粉末とグリコールエーテル系溶媒の混合スラリーを作製する方法は特に限定されないが、グリコールエーテル系溶媒にポリオレフィン粉末を混合して撹拌するだけでもよいし、公知の分散機、例えばホモミキサー、コロイドミル等を用いてもよい。分散状態となっているかどうかは濁った状態かどうかで判断することができる。
混合スラリーにおけるポリオレフィン粉末の濃度は、5〜40質量%の範囲であることが好ましく、10〜20質量%の範囲であることがより好ましい。ポリオレフィン粉末の濃度を5質量%以上とすると、生産効率の観点から好ましい。一方で40質量%以下とすると、粘度が低くなり、ビーズとポリオレフィン粒子との摩擦による混練りが主体となり、過大な動力と発熱が発生しにくく、生産安定性からも好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲で、混合スラリーに水やグリコールエーテル系溶媒以外の有機溶媒を混合使用することができる。
使用できる有機溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、t−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチルグリセリン、トリメチルグリセリン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でもまたは2種以上を混合して用いてもよい。
水や他の有機溶媒を用いる場合の添加量は特に制限されないが、グリコールエーテル系溶媒100質量部に対して0〜20質量部であることが好ましい。
<ビーズミル>
本発明において、ポリオレフィン粒子の分散に使用するビーズミルは、直径が2.0mm以下のビーズを用いることができるビーズミルを用いる。ビーズミルは、メディアであるビーズが充填されたベッセルと呼ばれる中空円筒形状の容器と、該容器内に配置され、原料スラリーとビーズを撹拌するための部材であるアジテータを備える。アジテータとしては、例えば、該容器と同軸に配置され、中空円筒形状もしくは羽根車形状を有するものを使用することができる。
ビーズミルの運転方式にはバッチ式、パス式および循環式があり、対象物の性質や粒子径、前後工程の設備によって選択されるが、好ましくは、循環式ビーズミルが使用される。循環式ビーズミルは、原料スラリーをタンクからビーズミルへと送液してビーズミルで分散処理した後、ビーズ分離手段によってビーズから分離してタンクへと戻し、これを、粒子が所望の粒子径になるまで繰り返す。ビーズを分離する手段としては、遠心分離装置、ギャップセパレータ及び分離スクリーンがあり、好ましくは遠心分離装置が使用される。
このようなビーズミルとしては、特に限定されないが、アイメックス株式会社竪型「アルファミル」、横型「ニュービスコミル NVM型」、「ウルトラビスコミル UVM型」、WAB社製「DYNO−MILL」、株式会社広島メタル&マシナリー社製 「ウルトラアスペックスミル」、日本コークス工業株式会社製「マイミル」、アシザワ・ファインテック株式会社「スターミル」などが挙げられるが、大流量での運転が可能な循環式のアシザワ・ファインテック社製「スターミル」が好ましい。
ビーズミルに使用するビーズは、特に制限はないが、例えばガラスビーズ、低アルカリガラスビーズ、無アルカリガラスビーズ、ジルコニア・シリカ系セラミックビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、高純度アルミナビーズなどがあるが、好ましくは硬度が高いアルミナビーズ、ジルコニアビーズが好ましい。またビーズ径に関しては、目標の粒子径に合わせてビーズを選択するが、溶剤に分散させ液層と分離しないためには1.0mm以下のビーズを使うことが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8mmのビーズ径が好ましい。
<ポリオレフィン樹脂分散液>
前記混合スラリーをビーズミルにより湿式粉砕することにより、ポリオレフィン微粒子が溶媒に安定的に分散したポリオレフィン樹脂分散液を作製することができる。ポリオレフィン樹脂分散液におけるポリオレフィン粒子のメジアン径は、分散安定性等の観点から0.1μm〜50μmであることが好ましく、0.5μm〜30μmであることがより好ましく、1μm〜10μmであることが更に好ましい。ポリオレフィン樹脂分散液におけるポリオレフィン粒子の含有量は、5〜40質量%の範囲であることが好ましく、10〜20質量%の範囲であることがより好ましい。
混合スラリーをビーズミルで湿式粉砕することによりポリオレフィン微粒子が溶媒に安定的に分散する理由は明らかではないが、粉砕によって新しい表面が形成される際にいわゆるメカノケミカル効果により炭素−炭素結合や炭素−水素結合が切断されてカルボカチオンが生じ、グリコールエーテルの電子対が引き寄せられ、一部が反応して安定化していることが考えられる。ここで、メカノケミカル効果とは、固体物質に対して衝撃、圧縮、せん断、摩擦等の機械的エネルギーを加えて粉砕処理を行うことで、処理の過程で局所的に生じる高いエネルギーを利用して、処理対象の固体物質に相転位や非晶化、固溶反応等の化学反応を生じさせる効果をいう。
本発明のポリオレフィン樹脂分散液は、用途、目的等に応じて、ポリオレフィン粒子やグリコールエーテル系溶媒以外の成分を含んでもよい。該成分としては例えば、水性アクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、低級アルコール類、低級ケトン類、低級エステル類、防腐剤、消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、金属塩、酸類等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン樹脂分散液を耐水性や絶縁性が求められる用途に適用する場合、界面活性剤や塩基性物質を実質的に含まないことが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。塩基性物質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アンモニウム化合物、アミン化合物;アルカリ金属の酸化物、水酸化物、弱酸塩、水素化物等のアルカリ金属化合物;アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、弱酸塩、水素化物等のアルカリ土類金属化合物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドなどが挙げられる。ここで、「実質的に含まない」とは、ポリオレフィン樹脂分散液に対し、10ppm以下であることを意味し、好ましくは1ppm以下、より好ましくは0ppmである。本発明のポリオレフィン樹脂分散液は、原料としてポリオレフィン粉末を用いているため、水性ポリオレフィンに由来する界面活性剤や塩基性物質を含まない。
本発明のポリオレフィン樹脂分散液は、インキの耐摩耗剤、フィルムなどの離型剤、アンチブロッキング剤、金属、フィルム、紙用などの曲げ加工性向上剤、繊維用途などの柔軟性、活性付与、艶消し効果など塗料添加剤、防錆用添加剤、電池用添加剤、絶縁用コーティング、フロアポリッシュ用添加剤、蓄熱剤などに使用できる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら制限されるものではない。
実施例1
ポリオレフィン粉末として酸化ポリエチレンワックス(ハネウェル社製「ACumist 1812」、メジアン径:9μm)を75gと、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業(株)製「ハイソルブDM」)425gをステンレス製の1L釜に仕込み、錨羽の撹拌機で150rpm、5分間プレミックスしたのちに、アシザワ・ファインテック社製ビーズミル、「スターミルLMZ015」にビーズ径0.5mmのジルコニアビーズを使用し周速8m/s、流量0.2L/minで20分間循環させたのち釜出し、ポリオレフィン樹脂分散液1を得た。収量は450gであった。
実施例2
ビーズミルでの処理時間を40分間とした以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂分散液2を得た。収量は450gであった。
実施例3
ジエチレングリコールモノメチルエーテルをトリエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業(株)製「ハイモールTM」)とした以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂分散液3を得た。収量は450gであった。
実施例4
ジエチレングリコールモノメチルエーテルをポリエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業(株)製「ハイモールPM」、エチレンオキサイドの平均付加モル数:4.3)とした以外は実施例2と同様にして、ポリオレフィン樹脂分散液4を得た。収量は450gであった。
実施例5
ビーズ径0.5mmのジルコニアビーズをビーズ径0.5mmのアルミナビーズとした以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂分散液5を得た。収量は450gであった。
実施例6
ビーズ径0.5mmのジルコニアビーズをビーズ径0.3mmのアルミナビーズとした以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂分散液6を得た。収量は430gであった。
実施例7
酸化ポリエチレンワックスを未変性ポリエチレンワックス(ハネウェル社製「ACumist B−12」、メジアン径:12μm)とした以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂分散液7を得た。収量は450gであった。
実施例8
酸化ポリエチレンワックスを未変性ポリプロピレンワックス(ハネウェル社製「ACumist P−10」、メジアン径:10μm)とした以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン樹脂分散液8を得た。収量は450gであった。
比較例1
酸化ポリエチレンワックス(ハネウェル社製「ACumist 1812」、メジアン径:9μm)300gを株式会社アイシンナノテクノロジーズ社製高圧式ジェットミル「ナノジェットマイザーNJ−50型」を使用して衝突圧1.3MPaで粉砕し5μmのマイクロパウダーA270gを得た。
次に1Lのガラスビーカーにジエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業(株)製「ハイソルブDM」)425gを仕込み、新東科学株式会社製スリーワンモーター「HEIDON BL600」を用いて200rpmで撹拌をした。その後、マイクロパウダーA75gをだまにならないように少しずつ添加し全量仕込み、仕込み終了後30分間撹拌し続けた。できた分散液を150メッシュの金網で濾過し比較樹脂分散液1を得た。収量は460gであった。
比較例2
酸化ポリエチレンワックス(ハネウェル社製「ACumist 1812」、メジアン径:9μm)を同栄商事製高圧ホモジナイザー15Mに75g、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業(株)製「ハイソルブDM」)425gを仕込み、300kg/cmの圧力で20分循環させて後、150メッシュの金網で濾過し比較樹脂分散液2を得た。収量は450gであった。
比較例3
水系ポリエチレン分散体(三井化学株式会社製「ケミパールW−700」、固形分40%)を500mlのナスフラスコに100g、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業(株)製「ハイソルブDM」)を60g入れ、BUCHI社製ローターリーエバポレーター R−215を用いて、ウォーターバスの温度60℃、回転数60rpm、100〜120Torrの条件で脱水、濃縮し比較樹脂分散液3を得た。
比較例4
水系ポリエチレン分散体(三井化学株式会社製「ケミパールW−700」、固形分40%)を500mlのナスフラスコに30g入れ、イオン交換水60g、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業(株)製「ハイソルブDM」)を96g入れ、BUCHI社製ローターリーエバポレーター R−215を用いてよく撹拌させた後に、0.5N塩酸(関東化学株式会社製)6.0gを添加しウォーターバスの温度60℃、回転数60rpm、100〜120Torrの条件で脱水、濃縮し比較樹脂分散液4を得た。
比較例5
ポリオレフィン粉末として酸化ポリエチレンワックス(ハネウェル社製「A―C 330」、メジアン径:400μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較樹脂分散液5を得た。収量は430gであった。
比較例6
酸化ポリエチレンワックス(ハネウェル社製「ACumist 1812」、メジアン径:9μm)を75g、エタノール425gをステンレス製の1L釜に仕込み、錨羽の撹拌機で150rpm、5分間プレミックスしたのちに、アシザワ・ファインテック社製ビーズミル、「スターミルLMZ015」にビーズ径0.5mmのジルコニアビーズを使用し周速8m/s、流量0.2L/minで20分間循環させたのち釜出し、比較樹脂分散液6を得た。収量は450gであった。
比較例7
エタノールを三協化学株式会社製「キシロール」(混合キシレン)とした以外は比較例6と同様にして、比較樹脂分散液7を得た。収量は415gであった。
比較例8
エタノールを三協化学株式会社製「ブタノール」(ノルマルブチルアルコール)とした以外は比較例6と同様にして、比較樹脂分散液8を得た。収量は430gであった。
実施例1〜8、比較例1〜8で調整したポリオレフィン樹脂分散液の各評価項目の測定及び評価は、下記の方法により行った。結果を表1、表2に示す。
(1) 分散状態
ポリオレフィン樹脂分散液をガラス瓶に入れ、常温で静置し、1日目と1か月後の分散状態を目視で確認した。
◎:均一な白色
△:分散相である白色外観が大部分であるが溶剤相である透明外観が一部確認
×:分散相と溶剤相が完全に分離、またはエマルションが部分凝集している状態
(2) 揮発残分
秤量済のアルミカップに製造した分散液をスポイトにて約1gを秤量し、140℃、2時間、恒温乾燥機にて溶剤を完全に揮発させ以下の計算式で揮発残分(%)を算出する。
式1
(3) 粉体の平均粒子径計測
CILAS社のレーザー回折式平均粒子径装置CILAS1090を使用し、IPA溶媒中でメジアン径(d50)を測定した。
(4) 分散体の平均粒子径計測
マイクロトラック・ベル社のレーザー回折式平均粒子径装置MICROTRAC MT3300EXIIを使用し、溶媒中でメジアン径(d50)を測定した。
(5) 粘度測定
BROOKFIELD社製 LVDV−Iにて25℃、原液、ローターNo.2、回転数60rpmで測定した。
(6) 粒子観察
株式会社キーエンス社製、レーザー式顕微鏡 マイクロスコープ VHZ−600を使用し分散体を観察した。
試料は透明なガラス板にスポイトで1ml程度分散液を滴下し、スパチュラを使い、薄くなるように液を伸ばし観察を行った。写真は実施例2のサンプルを観察したものである。
表1から分かるように、メジアン径が3〜100μmのポリオレフィン粉末とグリコールエーテル系溶媒の混合スラリーをビーズミルにより粉砕又は分散処理をして得られた実施例1〜8のポリオレフィン分散液は、ポリオレフィン粒子の分散性及び分散安定性に優れていた。
一方、混合スラリーをビーズミル以外の手段で分散した比較例1、2のポリオレフィン分散液、水性ポリオレフィン分散液にグリコールエーテル系溶媒を加えた後、脱水処理を施して得られた比較例3、4のポリオレフィン分散液、ポリオレフィン粒子のメジアン径が100μmである比較例5のポリオレフィン分散液、グリコールエーテル系溶媒以外の溶媒を用いた比較例6〜8のポリオレフィン分散液は、実施例1〜8のポリオレフィン分散液と比較して、分散安定性に劣っていた。
ポリオレフィン樹脂分散液の顕微鏡写真(実施例2)

Claims (5)

  1. メジアン径が3〜100μmのポリオレフィン粉末とグリコールエーテル系溶媒の混合スラリーをビーズミルにより粉砕又は分散処理する工程を含むことを特徴とする、ポリオレフィン樹脂分散液の製造方法。
  2. 前記グリコールエーテル系溶媒が、下記一般式(1):
    −O−(R−O)−R (1)
    (上記式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数6〜10のアリール基を示し、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。但し、R及びRのうち少なくとも何れか一方は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数6〜10のアリール基である。)
    で表されるグリコールエーテルを主成分とする溶媒である、請求項1記載のポリオレフィン樹脂分散液の製造方法。
  3. メジアン径が0.1〜50μmの湿式粉砕されたポリオレフィン粒子がグリコールエーテル系溶媒に分散してなる、ポリオレフィン樹脂分散液。
  4. 界面活性剤を実質的に含まない、請求項3記載のポリオレフィン樹脂分散液。
  5. 塩基性物質を実質的に含まない、請求項3又は4記載のポリオレフィン樹脂分散液。
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