以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の第1実施形態である失禁パッド10(以下、単に「失禁パッド10」ともいう。)の斜視図が示されている。図2(a)は、図1のII−II線拡大断面図である。
失禁パッド10は、図1及び図2に示すように、肌当接面を形成する液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備する。液不透過性は、液難透過性を含む。失禁パッド10は、縦長の形状を有し、長手方向X及び幅方向Yを有している。長手方向Xは、失禁パッド10を着用したときの着用者の前後方向と一致し、幅方向Yは、失禁パッド10の平面視において、長手方向Xと直交する方向である。
表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の周縁から延出している。失禁パッド10の裏面シート3側の面(非肌当接面)には、該失禁パッド10をショーツ等の下着に固定するための粘着部(図示略)が設けられている。肌当接面は、吸収性物品又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌当接面は、吸収性物品又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側(通常、下着側)に向けられる面である。
失禁パッド10の吸収体4は、吸収性コア40と、その表面の概ね全域を被覆するコアラップシート45とから構成されている。吸収性コア40は、例えばパルプ等の吸液性繊維の積繊体や、該吸液性繊維と吸収性ポリマーとの混合積繊体から構成することができる。吸収性コア40を構成する吸液性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロール系の親水性繊維が挙げられる。セルロール系の親水性繊維に加えて、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル及びポリアミド等の縮合系繊維等を含んでいてもよい。吸収性ポリマーとしては例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等が挙げられる。繊維及び吸収性ポリマーは、それぞれ一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。吸収性コア40を被覆するコアラップシート45としては、例えばティッシュペーパーや不織布などの液透過性の繊維シートが好適に用いられる。またコアラップシート45は、一枚のシートで吸収性コア40の全体を被覆していてもよいし、2枚以上のコアラップシートで吸収性コア40の全体を被覆していてもよい。例えば、吸収性コア40の肌当接面側と非肌当接面側とを別々のシートで被覆していてもよい。
裏面シート3の形成材料としては、吸収性物品の裏面シートに従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等を用いることができる。
失禁パッド10の肌当接面側における幅方向Yの両側部の位置には、長手方向に延びる防漏カフ8がそれぞれ設けられている。防漏カフ8は、長手方向にそれぞれ延びる自由端8a及び固定域8bを有している。固定域8bは表面シート2上に位置している。そして防漏カフ8は、固定域8bにおいて表面シート2と固定されている。また防漏カフ8の固定域8bは幅方向Yの外方へ延出しており、その延出部位と、裏面シート3の幅方向延出部位とが接合されてサイドフラップ7を形成している。防漏カフ8においては、自由端8a又はその近傍の位置に、長手方向Xに沿って延びる弾性部材8cが伸長状態で取り付けられている。弾性部材8cは、互いに概ね平行に複数本配されている。それら複数本の弾性部材8cが取り付けられた部位は、面状弾性領域8dを形成している。面状弾性領域8dは、幅方向Yに沿って所定の長さを有し、少なくとも着用者の排泄部対向部位の位置に長手方向Xに沿って延びている。そして面状弾性領域8dは、長手方向Xに沿って伸縮可能になっている。弾性部材8cが収縮することで、防漏カフ8は、その自由端8aと固定域8bとの間の位置が、着用者の身体側に向けて略L字状に起立して、面状弾性領域8dが着用者の肌に当接し、液の横漏れを阻止するようになっている。
第1実施形態の失禁パッド10における表面シート2は、図2(a)及び図2(b)に示すように、失禁パッド10の長手方向Xに延びる筋状の凸条部13及び凹条部14が失禁パッド10の幅方向Yに交互に形成された凹凸構造の不織布1(上層不織布)と、凹条部14の底部に形成された接合部14sにおいて該不織布1と接合されている下側シート6とから形成されており、凸条部13は中空構造を有している。
表面シート2を構成する凹凸構造の不織布1においては、凸条部13及び凹条部14が延びる「一方向」は、失禁パッド10の長手方向Xと同方向であり、不織布1において、凸条部13及び凹条部14が延びる「一方向」をX方向とも表記する。
不織布1は、図2(a)及び図3に示すように、表裏両面a,bの断面形状がともに厚み方向(Z方向)の上方に向かって凸状をなす複数の凸条部13と、隣り合う凸条部13,13どうしの間に位置する凹条部14とを有している。凹条部14は、表裏両面a,bの断面形状がともに不織布の厚み方向(Z方向)の上方に向かって凹状をなしている。言い換えれば、凹条部14は、表裏両面a,bの断面形状がともに不織布の厚み方向(Z方向)の下方に向かって凸状をなしている。そして、複数の凸条部13は、それぞれ、不織布1の一方向(X方向)に連続して延びており、複数の凹条部14も、不織布1の一方向Xに連続して延びる溝状をなしている。凸条部13及び凹条部14は、互いに平行であり、前記一方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に交互に配されている。
不織布1は、後述するように、繊維シート1aに、互いに噛み合う一対の凹凸ロール401,402を用いて凹凸加工を施して製造されたものである。上述した不織布1の一方向(X方向)とは、繊維シート1aに凹凸加工を施して不織布1を製造する際の機械方向(MD,流れ方向)と同じ方向であり、上述した不織布1の一方向(X方向)に直交する方向(Y方向)とは、前記機械方向(MD,流れ方向)に直交する直交方向(CD,ロール軸方向)と同じ方向である。
不織布1は、図3に示すように不織布1を厚み方向Zに沿って断面視したとき、頂部域13a、底部域13b、及びこれらの間に位置する側部域13cとから構成される。頂部域13a、底部域13b及び側部域13cは、不織布1の一方向(X方向)に連続して延びている。
頂部域13a、底部域13b及び側部域13cは、不織布1を厚み方向Zに沿って断面視したとき、不織布1のZ方向の厚みT(図3参照)を3等分して、厚み方向Zの上方の部位を頂部域13a、中央の部位を側部域13c、下方の部位を底部域13bとして区別する。
図3及び図4に示すとおり、不織布1をその厚み方向Zに沿って観察したとき、側部域13cの繊維密度は、頂部域13aの繊維密度及び底部域13bの繊維密度よりも低くなっている。繊維密度とは、不織布1の断面における単位面積当たりの繊維の本数のことである。したがって、側部域13cは、頂部域13a及び底部域13bに比べて繊維の本数が少ない(繊維間距離の大きい)、疎な領域になっている。このような繊維密度を側部域13cに付与するには、後述する製造方法に従い不織布1を製造すればよい。
頂部域13aでの繊維密度(D13a)、又は底部域13bでの繊維密度(D13b)に対する側部域13cの繊維密度(D13c)の比率(D13c/D13a,D13c/D13b)は、好ましくは0.15以上0.9以下、更に好ましくは0.2以上0.8以下である。具体的に、不織布1の繊維密度の具体的な値は、頂部域13aでの繊維密度(D13a)は、好ましくは90本/mm2以上200本/mm2以下、更に好ましくは100本/mm2以上180本/mm2以下である。また、底部域13bでの繊維密度(D13b)は、好ましくは80本/mm2以上200本/mm2以下、更に好ましくは90本/mm2以上180本/mm2以下である。また、側部域13cの繊維密度(D13c)は、好ましくは30本/mm2以上80本/mm2以下、更に好ましくは40本/mm2以上70本/mm2以下である。繊維密度の測定方法は以下のとおりである。
〔頂部域13a、底部域13b及び側部域13cでの繊維密度の測定方法〕
フェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀(株)製)を用いて不織布を厚み方向Zに沿って切断する。頂部域13aでの繊維密度に関しては、不織布の切断面の厚みをZ方向に3等分した際の上方の部位である頂部域13aを、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30〜60本程度計測できる倍率に調整;150〜500倍)し、一定面積当たり(0.5mm2程度)の前記切断面によって切断されている繊維の断面数を数える。次に1mm2当たりの繊維の断面数に換算し、これを頂部域13aでの繊維密度とする。測定は3箇所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とする。同様に、底部域13bでの繊維密度に関しては、不織布の切断面の厚みをZ方向に3等分した際の下方の部位を測定して求める。同様に、側部域13cの繊維密度に関しては、不織布の切断面の厚みをZ方向に3等分した際の中央の部位を測定して求める。なお、走査電子顕微鏡としては、日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いる。
表面シート2においては、凸条部13の頂部が、不織布1の頂部域13aから形成され、凹条部14の底部が、不織布1の底部域13bから形成されており、凸条部13の側壁部が、不織布1の側部域13cから形成されている。したがって、凸条部13の側壁部を構成する不織布1の側部域13cの繊維密度が、凸条部の頂部を形成する頂部域13aの繊維密度及び凹条部14の底部を形成する底部域13bの繊維密度より低くなっている。
また、本実施形態における表面シート2は、図3に示すように、凸条部13の高さHが、幅方向Yにおける凸条部13の間隔P3よりも大きくなっている。
本実施形態の失禁パッド10によれば、着用中に、着用者の動作、例えば立ち座りの動作や横になる動作、歩行動作等に起因して失禁パッド10が幅方向Yに沿って移動した場合、表面シート2の凸条部13が中空構造を有し、凸条部13の側壁部が、繊維密度が低い不織布1の側部域13cから形成されて曲がり易いため、凸条部13の頂部付近が、着用者の肌に追従して失禁パッド10の幅方向に沿って移動し、着用者の肌と表面シート2との擦れを緩和する。
また凸条部13の頂部付近は、表面シート2の厚み方向に対する加圧に対して良好なクッション性を示す。
しかも、本実施形態の失禁パッド10によれば、凸条部13の高さHが高く、それにより可動領域が大きくなり、肌との擦れを緩和する効果が高くなる。また、厚み方向のクッション性が向上するといった有利な効果も得られる。しかし、その反面、凸条部13の高さHを単に高くすると、凸条部13が根元から倒れやすくなり、それにより、凸条部13の頂部付近を、擦れの緩和効果が発現されやすい状態に肌に当接させることが難しくなる。この点、本実施形態においては、凸条部13の間隔P3が、凸条部13の高さHより小さくして、凸条部13どうしを互いを支え合わせて倒れにくくすることで、斯かる弊害を防止しつつ、肌との擦れ緩和効果や厚み方向のクッション性を向上させることができる。
肌との擦れ緩和効果や厚み方向のクッション性向上の観点から、凸条部13の高さHは、凸条部13の前記間隔P3の、1.1倍以上であることが好ましく、より好ましくは1.5倍以上であり、また、凸条部の倒れ防止の観点から、好ましくは5倍以下、より好ましくは3倍以下であり、肌との擦れ緩和効果や厚み方向のクッション性向上と凸条部の倒れ防止とを両立させる観点から、1.1倍以上5倍以下が好ましく、より好ましくは1.5倍以上3倍以下である。
同様の観点から、凸条部13の高さHは、好ましくは1.1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは12mm以下、より好ましくは9mm以下であり、また好ましくは1.1mm以上12mm以下、より好ましくは1.5mm以上9mm以下である。同様の観点から、不織布1の厚みT(凹凸構造部の厚み、図3参照)は、好ましくは1.1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは12mm以下、より好ましくは9mm以下であり、また好ましくは1.1mm以上1.5mm以下、より好ましくは12mm以上9mm以下である。
同様の観点から、凸条部13の前記間隔P3は、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下であり、また好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは1.5mm以上8mm以下である。
また、本実施形態における表面シート2は、図3に示すように、凸条部13の裏側の空間内に、下側シート6の一部60が入り込んでおり、該空間内に入り込んでいる部分60の最大高さh6が、凸条部13の高さHの1/5以上2/3以下である。凸条部13の裏側の空間とは、不織布1の凸条部13を形成している部分の裏面b側に形成された空間であり、該空間は、その内部に下側シート6が入り込んでいるか否かに拘わらずに空間と呼ぶ。他方、凸条部13が中空構造を有するか否かについては、下側シート6の前記空間内に入り込んでいる部分60の最大高さh6(図3参照)が、凸条部13の高さHの2/3超である場合には凸条部13が中空構造を有しないと判断し、同最大高さh6が、凸条部13の高さHの2/3以下である場合は凸条部13が中空構造を有すると判断する。ただし、凸条部13の高さHの2/3超である場合であっても、上層不織布1と下側シート6の間に、高さが、凸条部の高さHの10%以上の、繊維が存在しない空間が存在する場合には、その凸条部は、中空構造を有するものとする。
なお、凸条部13の高さH及び前記部分60の最大高さh6は、図3に示すように、何れも、凹条部14の底部における不織布1と下側シート6との境界部の高さ位置Bから、最も高い位置13t,6tまでの距離とする。
凸条部13の裏側の空間内に下側シート6の一部60が入り込んでいることによって、凸条部13の根元が補強されて凸条部13が倒れにくくなる。それにより、凸条部13の頂部付近を、擦れの緩和効果が発現されやすい状態で肌に当接させることが一層容易となる。
斯かる観点から、下側シート6の、凸条部13の裏側の空間内に入り込んでいる部分60(以下、凸条部内部分60ともいう)の最大高さh6は、凸条部13の高さHの、1/5以上であることが好ましく、より好ましくは1/4以上、更に好ましくは1/3以上であり、また、2/3以下であることが好ましく、また、更に好ましくは1/3以上2/3以下である。
上層不織布1を、頂部域13a、側部域13c及び底部域13bに区分する際に3等分する不織布の厚みTと、凸条部13の高さH、凸条部13の間隔P3及び凸条部内部分60の最大高さh6、それぞれ、以下の方法により測定することができる。
上層不織布1と下側シート6とを一体的にフェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀(株)製)を用いて厚み方向Zに沿って切断する。断面をキーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−900により約20倍程度に拡大し、測定する。
本実施形態の失禁パッド10においては、図3及び図4に示すとおり、不織布1と同様に、下側シート6も、繊維集合体から形成されており、下側シート6における、不織布1の凸条部の裏側の空間内に入り込んでいる部分である凸条部内部分60の繊維密度が、前述した不織布1の側部域13cにおける繊維密度よりも高い。即ち、下側シート6の断面における単位面積当たりの繊維の本数が、不織布1の断面における単位面積当たりの本数よりも多くなっており、下側シート6の凸条部内部分60は、不織布1の側部域13cに比べて繊維の本数が多く、繊維間距離の小さい密な領域になっている。この繊維密度の大小関係は、後述する表面シート2の製造方法において、繊維シート1aの延伸倍率を調整して、側部域13cにおける繊維密度を、凸条部内部分60の繊維密度より低くすればよい。なお、下側シート6を形成する繊維集合体には、不織布、不織布化されていない繊維ウエブ、それらの積層体等が含まれる。
なお、図3及び図4には、下側シート6の構成繊維が下側シート6の全域に亘って、不織布1の構成繊維より密に示されているが、これは、不織布1と下側シート6とを区別するための便宜的なものである。
凸条部内部分60の繊維密度が、不織布1の側部域13cの繊維密度よりも高いことによって、不織布1の頂部域13aの追従変形性を維持しながら、凸条部13の根元を効率的に補強することができ、凸条部13の頂部付近を、擦れの緩和効果が発現されやすい状態で肌に当接させることが一層容易となる。また、不織布1の側部域13cから凸条部内部分60への繊維の粗密勾配により、表面シート2を介した吸収体4への液の引き込み性が向上する。
このような観点から、側部域13cの繊維密度(D13c)に対する下側シート6の凸条部内部分60の繊維密度(D16)の比率(D16/D13c)は、好ましくは1.1以上8.3以下、更に好ましくは1.3以上5.5以下である。具体的な値としては、凸条部内部分60の繊維密度(D13c)は、好ましくは40本/mm2以上250本/mm2以下、更に好ましくは80本/mm2以上220本/mm2以下である。
下側シート6の凸条部内部分60の繊維密度の測定方法は、以下のとおりである。
〔凸条部内部分60の繊維密度の測定方法〕
フェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀(株)製)を用いて表面シート2を厚み方向Zに沿って切断して得た凸条部内部分60の切断面を、前述した頂部域13a等の繊維密度の測定方法におけるのと同様に顕微鏡観察し、同様にして、切断面1mm2当たりの繊維の断面数(3箇所の平均値)を求めて、それを凸条部内部分60の繊維密度とする。
なお、凸条部内部分60の繊維密度を計測する際には、表面シート2の厚み方向に沿う凸条部内部分60の断面における、不織布1の側部域13cと同じ高さ範囲に位置する部分の断面から、該部分における繊維密度を求める。凸条部内部分60が不織布1の側部域13cと同じ高さまで入り込んでいない場合は、凸条部内部分60の頂部における繊維密度を求める。
また、凸条部内部分60が、図5(b)に示すように、不織布1に近い外側部分と、不織布1から遠い内側部分を有する場合は、外側部分の繊維密度を求める。
図5(a)及び図5(b)は、下側シート6に凸条部内部分60を形成する方法の一例である第1方法の説明図である。第1方法においては、後述する表面シート2の製造方法の延伸工程により凸条部13及び凹条部14を有する凹凸形状に変形させた不織布1を、その凹条部14の底部において、上層繊維層61及び下層繊維層62を有する積層シートからなる下側シート6と接合した後、該下側シート6における下層繊維層62を熱収縮させることにより、上層繊維層61側を凸条部13の裏側空間方向へ突出させて、凸条部内部分60を形成する。
下層繊維層62は、熱処理により収縮させるために、熱収縮性繊維を含んでおり、上層繊維層61は、熱収縮性繊維の収縮開始温度では収縮しない非熱収縮性繊維を含んでいる。
下層繊維層62に含まれる熱収縮性繊維としては、公知のものを特に制限無く用いることができ、潜在捲縮性繊維を用いることがより好ましい。潜在捲縮性繊維は、熱処理により螺旋状の捲縮を発現して収縮するものであり、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許2759331号明細書に記載のものが挙げられる。収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料の例としては、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体(EP)とポリプロピレン(PP)との組み合わせが好適に挙げられる。下層繊維層62は熱収縮性繊維100%から構成されていてもよく、他の繊維を含んでいてもよい。他の繊維が含まれる場合、熱収縮性繊維の量は、下層繊維層62の質量に対して50質量%以上、特に70〜90質量%であることが好ましい。
上層繊維層61に含まれる非熱収縮性繊維は、熱収縮性を示さない繊維、及び熱収縮性は示すが、下層繊維層に含まれる熱収縮性繊維の熱収縮開始温度以下で実質的に熱収縮しない繊維の双方を含む。また上層繊維層61には、下層繊維層62に含まれる熱収縮性繊維の熱収縮開始温度TSより高い融点TMを有する熱融着樹脂を含む熱融着繊維が含まれていることが好ましい。熱融着繊維は、該熱融着樹脂の質量基準で、上層繊維層61の質量に対して好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含まれている。最も好ましくは、上層繊維層61を構成する非熱収縮性繊維は、前記熱融着繊維100質量%からなる。
また上層不織布1も、同様に、下層繊維層62に含まれる熱収縮性繊維の熱収縮開始温度TSより高い融点TMを有する熱融着樹脂を含む熱融着繊維が含まれていることが好ましい。熱融着繊維は、該熱融着樹脂の質量基準で、上層不織布1の質量に対して好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含まれている。最も好ましくは、上層不織布1を構成する非熱収縮性繊維は、前記熱融着繊維100質量%からなる。
第1方法の表面シート2の製造方法においては、下層繊維層62の熱収縮に伴い、上層不織布1と下側シート6との接合部14s,14s間の距離が減少するため、凸条部13の前記間隔P3に対して凸条部13の高さHの倍率が大きい凸条部13が得られやすくなる。
特に、不織布1の側部域13cの繊維密度が、頂部域13aの繊維密度よりも低いにも拘わらずに、凸条部13の高さHが凸条部13の間隔P3より大きい表面シート2が容易に得られる利点がある。
図3に示す表面シート2における凸条部13は、Ω字状の断面形状を有している。Ω字状の断面形状とは、図4に示すように、凸条部13の高さ方向の頂部側に、根元側の狭幅部よりも幅方向Yの長さが長い広幅部を有する形状である。凸条部13の断面形状がΩ字状の表面シート2は、肌への追従性が向上し、肌との擦れを緩和する等の利点を有しており、例えば、この第1方法により製造することができる。
第1方法を含めた表面シート2の好ましい製造方法については後述する。
表面シート2を構成する不織布1の好ましい構成について、図3及び図6を参照して説明する。
不織布1の構成繊維11は、高伸度繊維が含まれている。ここで、構成繊維11が含む高伸度繊維とは、原料の繊維の段階で高伸度である繊維のみならず、製造された不織布1の段階でも高伸度である繊維を意味する。「高伸度繊維」としては、弾性(エラストマー)を有して伸縮する伸縮性繊維を除き、例えば特開2010−168715号公報の段落[0033]に記載のように低速で溶融紡糸して複合繊維を得た後に、延伸処理を行わずに加熱処理及び/又は捲縮処理を行うことにより得られる加熱により樹脂の結晶状態が変化して長さの延びる熱伸長性繊維、或いは、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂を用いて比較的紡糸速度を低い条件にして製造した繊維、又は、結晶化度の低い、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、若しくはポリプロピレンに、ポリエチレンをドライブレンドし紡糸して製造した繊維等が挙げられる。それらの繊維の内でも高伸度繊維は、熱融着性のある芯鞘型複合繊維であることが好ましい。芯鞘型複合繊維は、同心の芯鞘型でも、偏心の芯鞘型でも、サイド・バイ・サイド型でも、異形型でもよいが、特に同心の芯鞘型であることが好ましい。繊維がどのような形態をとる場合であっても、柔軟で肌触り等のよい不織布等を製造する観点からは、高伸度繊維の繊度は、原料の段階で、1.0dtex以上10.0dtex以下が好ましく、2.0dtex以上8.0dtex以下であることがより好ましい。
不織布1の構成繊維11は、高伸度繊維に加えて、他の繊維を含んで構成されていてもよいが、高伸度繊維のみから構成されていることが好ましい。他の繊維としては、例えば融点の異なる2成分を含み且つ延伸処理されてなる非熱伸長性の芯鞘型熱融着性複合繊維、或いは、本来的に熱融着性を有さない繊維(例えばコットンやパルプ等の天然繊維、レーヨンやアセテート繊維など)等が挙げられる。不織布1が高伸度繊維に加えて他の繊維も含んで構成されている場合、該不織布1における高伸度繊維の割合は、好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以上100質量%以下である。
高伸度繊維である熱伸長性繊維は、原料の段階で、未延伸処理又は弱延伸処理の施された複合繊維であり、例えば、芯部を構成する第1樹脂成分と、鞘部を構成する、ポリエチレン樹脂を含む第2樹脂成分とを有しており、第1樹脂成分は、第2樹脂成分より高い融点を有している。第1樹脂成分は該繊維の熱伸長性を発現する成分であり、第2樹脂成分は熱融着性を発現する成分である。第1樹脂成分及び第2樹脂成分の融点は、示差走査型熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC6200)を用い、細かく裁断した繊維試料(サンプル重量2mg)の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、各樹脂の融解ピーク温度を測定し、その融解ピーク温度で定義される。第2樹脂成分の融点がこの方法で明確に測定できない場合、その樹脂を「融点を持たない樹脂」と定義する。この場合、第2樹脂成分の分子の流動が始まる温度として、繊維の融着点強度が計測できる程度に第2樹脂成分が融着する温度を軟化点とし、これを融点の代わりに用いる。
鞘部を構成する第2樹脂成分としては、上述の通りポリエチレン樹脂を含んでいる。該ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。特に、密度が0.935g/cm3以上0.965g/cm3以下である高密度ポリエチレンであることが好ましい。鞘部を構成する第2樹脂成分は、ポリエチレン樹脂単独であることが好ましいが、他の樹脂をブレンドすることもできる。ブレンドする他の樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。ただし、鞘部を構成する第2樹脂成分は、鞘部の樹脂成分中の50質量%以上が、特に70質量%以上100質量%以下が、ポリエチレン樹脂であることが好ましい。また、該ポリエチレン樹脂は、結晶子サイズが10nm以上20nm以下であることが好ましく、11.5nm以上18nm以下であることがより好ましい。
芯部を構成する第1樹脂成分としては、鞘部の構成樹脂であるポリエチレン樹脂より融点が高い樹脂成分を特に制限なく用いることができる。芯部を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂を除く)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂等が挙げられる。更に、ポリアミド系重合体や樹脂成分が2種以上の共重合体等も使用することができる。複数種類の樹脂をブレンドして使用することもでき、その場合、芯部の融点は、融点が最も高い樹脂の融点とする。不織布の製造が容易となることから、芯部を構成する第1樹脂成分の融点と、鞘部を構成する第2樹脂成分の融点との差(前者−後者)が、20℃以上であることが好ましく、また150℃以下であることが好ましい。
高伸度繊維である熱伸長性繊維における第1樹脂成分の好ましい配向指数は、用いる樹脂により自ずと異なるが、例えば第1樹脂成分がポリプロピレン樹脂の場合は、配向指数が60%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下であり、更に好ましくは25%以下である。第1樹脂成分がポリエステルの場合は、配向指数が25%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下であり、更に好ましくは10%以下である。一方、第2樹脂成分は、その配向指数が5%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以上であり、更に好ましくは30%以上である。配向指数は、繊維を構成する樹脂の高分子鎖の配向の程度の指標となるものである。
第1樹脂成分及び第2樹脂成分の配向指数は、特開2010−168715号公報の段落〔0027〕〜〔0029〕に記載の方法によって求められる。また、熱伸長性複合繊維における各樹脂成分が前記のような配向指数を達成する方法は、特開2010−168715号公報の段落〔0033〕〜〔0036〕に記載されている。
また、高伸度繊維の伸度は、原料の段階で、100%以上800%以下であることが好ましく、より好ましくは200%以上500%以下、更に好ましくは250%以上400%以下である。この範囲の伸度を有する高伸度繊維を用いることで、該繊維が延伸装置内で首尾よく引き伸ばされて、先に述べた小径部から大径部への変化点が融着部に隣接され、肌触りが良好となる。
高伸度繊維の伸度はJISL−1015に準拠し、測定環境温湿度20±2℃、65±2%RH、引張試験機のつかみ間隔20mm、引張速度20mm/minの条件での測定を基準とする。なお、既に製造された不織布から繊維を採取して伸度を測定するときを始めとして、つかみ間隔を20mmにできない場合、つまり測定する繊維の長さが20mmに満たない場合には、つかみ間隔を10mm又は5mmに設定して測定する。
高伸度繊維における第1樹脂成分と第2樹脂成分との比率(質量比、前者:後者)は、原料の段階で、10:90〜90:10、特に20:80〜80:20、とりわけ50:50〜70:30であることが好ましい。高伸度繊維の繊維長は、不織布の製造方法に応じて適切な長さのものが用いられる。不織布を例えば後述するようにカード法で製造する場合には、繊維長を30〜70mm程度とすることが好ましい。
高伸度繊維の繊維径は、10μm以上35μm以下、特に15μm以上30μm以下のものを用いることが好ましい。前記の繊維径は、次の方法で測定される。
〔繊維の繊維径の測定〕
繊維の繊維径として、繊維の直径(μm)を、走査電子顕微鏡(日本電子(株)社製JCM−5100)を用いて、繊維の断面を200倍〜800倍に拡大観察して測定する。繊維の断面は、フェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀(株)製)を用い、繊維を切断して得る。抽出した繊維1本について円形に近似したときの繊維径を5箇所測定し、それぞれ測定した値5点の平均値を繊維の直径とする。
原料の段階で、高伸度繊維である熱伸長性繊維としては、上述の熱伸長性繊維の他に、特許第4131852号公報、特開2005−350836号公報、特開2007−303035号公報、特開2007−204899号公報、特開2007−204901号公報及び特開2007−204902号公報等に記載の繊維を用いることもできる。
不織布1は、図6に示すように、不織布1の構成繊維11の内の1本の構成繊維11に着目して、該構成繊維11が、隣り合う融着部12,12どうしの間に、繊維径の小さい2個の小径部16,16に挟まれた繊維径の大きい大径部17を有している。具体的には、図6に示すように、不織布1の構成繊維11の内の1本の構成繊維11に着目して、他の構成繊維11との交点を熱融着して形成された融着部12から、繊維径の小さい小径部16が略同じ繊維径で延出して形成されている。そして、該1本の構成繊維11に着目して、隣り合う融着部12,12それぞれから延出する小径部16,16どうしの間に、小径部16よりも繊維径の大きい大径部17が略同じ繊維径で延出して形成されている。詳述すると、不織布1は、1本の構成繊維11に着目して、隣り合う融着部12,12の内の一方の融着部12から他方の融着部12に向かって、一方の融着部12側の小径部16、1個の大径部17、他方の融着部12側の小径部16の順に配されている構成繊維11を有している。
上述したように不織布1の剛性が高まる融着部12に隣り合うように低剛性の小径部16が存在することにより、不織布1の柔軟性が向上し、肌触りが良好になる。また、大径部17を複数備える、言い換えると構成繊維11に低剛性の小径部16が多く存在するほど、不織布1の柔軟性が更に向上し、肌触りが更に良好になる。
不織布1は、斯かる構成を有することで、着用者の肌の幅方向Yへの移動時に、凸条部13(凸部)が幅方向Yに一層容易に曲がるようになり、肌への追従変形性が向上し、着用中における違和感の発生等が一層防止される。
不織布1は、図6に示すように、不織布1の構成繊維11の内の1本の構成繊維11に着目して、隣り合う融着部12,12どうしの間に、大径部17を複数(不織布1においては2個)備える構成繊維11を有している。詳述すると、不織布1は、1本の構成繊維11に着目して、隣り合う融着部12,12の内の一方の融着部12から他方の融着部12に向かって、一方の融着部12側の小径部16、1個目の大径部17、小径部16、2個目の大径部17、他方の融着部12側の小径部16の順に配されている構成繊維11を有している。不織布1は、1本の構成繊維11に着目して、隣り合う融着部12,12どうしの間に、大径部17を、肌触り向上の観点と不織布強度低下の観点から、好ましくは1個以上5個以下備え、更に好ましくは1個以上3個以下備えている。
大径部17の繊維径(直径L17)に対する小径部16の繊維径(直径L16)の比率(L16/L17)は、好ましくは0.5以上0.8以下、更に好ましくは0.55以上0.7以下である。具体的に、小径部16の繊維径(直径L16)は、肌触り向上の観点から、好ましくは5μm以上28μm以下、更に好ましくは6.5μm以上20μm以下、特に好ましくは7.5μm以上16μm以下である。大径部17の繊維径(直径L17)は、肌触り向上の観点から、好ましくは10μm以上35μm以下、更に好ましくは13μm以上25μm以下、特に好ましくは15μm以上20μm以下である。
小径部16及び大径部17の繊維径(直径L16,L17)は、上述した繊維の繊維径の測定と同様にして測定する。
また、不織布1は、不織布1の構成繊維11のうちの1本の構成繊維11に着目して、融着部12に隣接する小径部16から大径部17への変化点18が、該融着部12から隣り合う融着部12,12どうしの間隔Tの1/3の範囲内に配されていることが好ましい。ここで、不織布の変化点18とは、小さい繊維径で延出する小径部16から、小径部16よりも繊維径の大きい繊維径で延出する大径部17へ、連続的に漸次変化する部位或いは連続的に複数段階に亘って変化する部位を含まず、極端に一段で繊維径が変化する部位を意味する。また、前記1本の構成繊維11が熱伸長性複合繊維の場合には、本発明の不織布の変化点18とは、芯部を構成する第1樹脂成分と、鞘部を構成する第2樹脂成分との間で剥離することによって繊維径が変化する状態を含まず、あくまで、延伸により繊維径が変化している部位を意味する。
また、変化点18が、融着部12から隣り合う融着部12,12どうしの間隔Tの1/3の範囲内に配されているとは、不織布1の構成繊維11をランダムに抽出し、該構成繊維11を、図6に示すように、走査電子顕微鏡として日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いて構成繊維11の隣り合う融着部12、12間が観察できるように(100倍〜300倍)に拡大する。次いで、隣り合う融着部12,12の中心どうしの間隔Tを3等分して、一方の融着部12側の領域AT、他方の融着部12側の領域BT、中央の領域CTに区分する。そして、変化点18が、前記領域AT又は前記領域BTに配されていることを意味する。また、変化点18が、該融着部12から隣り合う融着部12,12どうしの間隔Tの1/3の範囲内に配されている不織布1とは、不織布1の構成繊維11を20本ランダムに抽出した際に、変化点18を前記領域AT又は前記領域BTに配している構成繊維11が、20本の構成繊維11の内に少なくとも1本以上ある不織布を意味する。具体的に、肌触り向上の観点から、好ましくは1本以上、更に好ましくは5本以上、特に好ましくは10本以上である。
また、本実施形態の不織布1は、側部域13cを構成する構成繊維における、変化点を有する繊維の本数が、頂部域13aを構成する構成繊維における、変化点18を有する繊維の本数、及び底部域13bを構成する構成繊維における、変化点18を有する繊維の本数よりも多く形成されている。頂部域13aを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数(N13a)、又は底部域13bを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数(N13b)に対する側部域13cを構成する構成繊維における変化点を有する繊維の本数(N13c)の比率(N13c/N13a,N13c/N13b)は、好ましくは2以上20以下、更に好ましくは5以上20以下である。具体的に、不織布1の変化点18を有する繊維の本数の具体的な値に関し、頂部域13aを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数(N13a)は、好ましくは1本以上15本以下、更に好ましくは5本以上15本以下である。また、底部域13bを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数(N13b)は、好ましくは1本以上15本以下、更に好ましくは5本以上15本以下である。また、側部域13cを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数(N13c)は、好ましくは5本以上20本以下、更に好ましくは10本以上20本以下である。変化点18を有する繊維の本数の測定方法は以下のとおりである。
〔頂部域13a、底部域13b又は側部域13cを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数の測定方法〕
頂部域13aを構成する構成繊維11における変化点18を有する繊維の本数に関しては、不織布の厚みTをZ方向に3等分した際の上方の部位である頂部域13aの頂点付近を、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30〜60本程度計測できる倍率に調整;50〜500倍)し、頂部域13aを構成する構成繊維11を20本ランダムに抽出し、20本の構成繊維11の内に変化点18を有する繊維数を数える。これを頂部域13aを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数とする。測定は3箇所行い、平均してそのサンプルの頂部域13aを構成する構成繊維における変化点18を有する繊維の本数とする。同様に、底部域13bを構成する構成繊維11における変化点18を有する繊維の本数に関しては、不織布の厚みをZ方向に3等分した際の下方の部位である底部域13bの底点付近を測定して求める。同様に、側部域13cを構成する構成繊維11における変化点18を有する繊維の本数に関しては、不織布の厚みをZ方向に3等分した際の中央の部位を測定して求める。なお、走査電子顕微鏡としては、日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いる。
また不織布1の坪量は、シート全体の平均値で15g/m2以上50g/m2以下が好ましく、20g/m2以上40g/m2以下がより好ましい。
また、不織布1の構成繊維11の表面には、原料の段階で、繊維着色剤、静電気防止特性剤、潤滑剤、親水剤等の繊維処理剤が、少量付着されていてもよい。
繊維処理剤を構成繊維11の表面に付着させる方法としては、各種公知の方法を特に制限なく採用することができる。例えば、スプレーによる塗布、スロットコーターによる塗布、ロール転写による塗布、繊維処理剤への浸漬等が挙げられる。これらの処理は、ウエブ化する前の繊維に対して行ってもよいし、繊維を各種の方法でウエブ化した後に行ってもよい。ただし、後述する熱風吹き付け処理よりも前に処理を行う必要がある。繊維処理剤が表面に付着した繊維は、例えば、熱風送風式の乾燥機により、ポリエチレン樹脂の融点より十分に低い温度(例えば120℃以下)で乾燥される。
表面シート2と吸収体4との間、吸収体4と裏面シート3との間は、それぞれ、接着剤で接合されていることが好ましい。各部材間を、接着剤で接合する場合、スロットコーター等によるべた塗りでも良いが、パターン塗工が好ましい。パターン塗工の塗工パターンの好ましい例としては、スパイラルパターン、ドットパターン、ストライプパターン(縞状パターン)、格子パターン、市松模様状のパターン等が挙げられる。
上述した不織布1及び下側シート6を備えた表面シート2は、高伸度繊維を含む繊維ウエブの構成繊維同士の交点を融着部にて熱融着して繊維シートを形成する融着工程と、前記繊維シートを一方向に延伸する延伸工程と、前記不織布に下側シート6を接合させる複合化工程と、下側シートの一部を上層不織布に形成した凸条部の裏側空間内に導入する導入工程とによって製造される。
表面シート2の製造工程について、図5及び図7を参照して説明する。図7には、表面シート2の製造方法に用いられる好ましい製造装置100が模式的に示されている。製造装置100は、エア−スルー不織布の製造及びそれを用いた表面シートの製造に好適に用いられるものである。製造装置100は、製造工程の上流側から下流側に向けて、ウエブ形成部200、熱風処理部300、延伸部400、及び下側シート接合部500をこの順で備えている。
ウエブ形成部200には、図7に示すように、ウエブ形成装置201が備えられている。ウエブ形成装置201としては、カード機が用いられている。カード機としては、吸収性物品の技術分野において通常用いられているものと同様のものを特に制限なく用いることができる。不織布1の具体的な用途に応じ、カード機に代えて、他のウエブ製造装置、例えばエアレイド装置を用いることもできる。
熱風処理部300は、図7に示すように、フード301を備えている。フード301内では、エアスルー方式で熱風を吹き付けることができるようになっている。また、熱風処理部300は、通気性ネットからなる無端状のコンベアベルト302を備えている。コンベアベルト302は、フード301内を周回している。コンベアベルト302は、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂、或いは金属から形成されている。
フード301内にて吹き付けられる熱風の温度及び熱処理時間は、繊維ウエブ1bの構成繊維11の含む高伸度繊維の交点が熱融着するように調整することが好ましい。より具体的には、熱風の温度は、繊維ウエブ1bの構成繊維11の内の最も融点が低い樹脂の融点に対して、0℃〜30℃高い温度に調整することが好ましい。熱処理時間は、熱風の温度に応じて、1秒〜5秒に調整することが好ましい。また、構成繊維11同士の更なる交絡を促す観点から、熱風の風速は0.3m/秒〜1.5m/秒程度であることが好ましい。また、搬送速度は、5m/min〜100m/min程度であることが好ましい。
延伸部400は、図7,図8に示すように、互いに噛み合いが可能になっている一対の凹凸ロール401,402を備えている。一対の凹凸ロール401,402は、加熱可能に形成されており、それぞれ、大径凸部403,404と小径凹部(図示せず)とがロール軸方向に交互に配されて形成されている。凹凸ロール401,402は加熱してもしなくても良いが、凹凸ロール401,402を加熱する場合の加熱温度は、後述する繊維シート1aの構成繊維11の含む高伸度繊維を延伸し易くする観点から、高伸度繊維内の最もガラス転移点が高い樹脂のガラス転移点以上、高伸度繊維内の最も融点が低い樹脂の融点以下にすることが好ましい。より好ましくは繊維のガラス転移点より10℃高い温度以上、融点よりも10℃低い温度以下であり、更に好ましくは繊維のガラス転移点より20℃高い温度以上、融点よりも20℃低い温度以下である。例えば、繊維に芯/鞘構造の繊維として、ガラス転移点67℃、融点258℃のPET(芯)/ガラス転移点−20℃、融点135℃のPE(鞘)を用いた際に加熱する場合には、67℃以上、135℃以下が好ましく、より好ましくは77℃以上、125℃以下、更に好ましくは87℃以上、115℃以下に加温する。
また、製造装置100においては、図8に示すように、凹凸ロール401のロール軸方向に隣り合う大径凸部どうし403,403の間隔(ピッチ)、及び凹凸ロール402のロール軸方向に隣り合う大径凸部どうし404,404の間隔(ピッチ)が同じ間隔(ピッチ)wであり、間隔(ピッチ)wは、繊維シート1aの構成繊維11の含む高伸度繊維が延伸装置内で首尾よく引き伸ばされて、先に述べた小径部から大径部への変化点が融着部に隣接され、肌触りが良好となる観点から、好ましくは1mm以上10mm以下であり、特に好ましくは1.5mm以上8mm以下である。同様の観点から、図8に示すように、一対の凹凸ロール401,402の押し込み量t(ロール軸方向に隣り合う大径凸部403の頂点と大径凸部404の頂点との間隔)は、好ましくは1.1mm以上12mm以下であり、特に好ましくは1.5mm以上9mm以下である。そして機械延伸倍率は、同様の観点から、好ましくは2倍以上12倍以下であり、特に好ましくは2.4倍以上10倍以下である。
下側シート接合部500は、凹凸ロール402と表面平滑なフラットロール501とを備えており、凹凸ロール402の大径凸部404とフラットロール501の周面との間で、凹凸形状とされた不織布1と下側シート6とを、加熱及び加圧することにより接合する。
前述した第1方法を実施する際には、下側シート接合部500より下流に、前述した熱風処理部300と同様の構成を有する第2の熱風処理部(図示せず)を配置する。
以上の構成を有する製造装置100を用いた表面シート2の製造方法(第1方法)について説明する。
先ず、図7に示すように、ウエブ形成部200にて、高伸度繊維である熱伸長性複合繊維を有する短繊維状の構成繊維11を原料として用い、カード機であるウエブ形成装置201によって繊維ウエブ1bを形成する(ウエブ形成工程)。ウエブ形成装置201によって製造された繊維ウエブ1bは、その構成繊維11どうしが緩く絡合した状態にあり、シートとしての保形性を獲得するには至っていない。
次いで、図7に示すように、高伸度繊維を含む繊維ウエブ1bの構成繊維11どうしの交点を融着部12にて熱融着して繊維シート1aを形成する(融着工程)。具体的には、繊維ウエブ1bは、コンベアベルト302上に搬送され、熱風処理部300にて、フード301内を通過する間に、熱風がエアスルー方式で吹き付けられる。このようにエアスルー方式で熱風が吹き付けられると、繊維ウエブ1bの構成繊維11どうしが更に交絡すると同時に、絡合した繊維の交点が熱融着して(図9(a)参照)、シート状の保形性を有する繊維シート1aが製造される。
次いで、図8に示すように、融着された繊維シート1aを一方向に延伸する(延伸工程)。具体的には、シートとしての保形性を有する融着された繊維シート1aを、一対の凹凸ロール401,402の間に搬送して、図9(a)〜図9(c)に示すように、繊維シート1aを延伸して、隣り合う融着部12,12どうしの間の1本の構成繊維11に、繊維径の小さい2個の小径部16,16に挟まれた繊維径の大きい大径部17を形成するとともに、該小径部16から該大径部17への変化点18を、該融着部12から隣り合う該融着部12,12どうしの間隔Tの1/3の範囲内に形成する。詳述すると、図9(a)に示すような、構成繊維11どうしの交点が融着部12にて熱融着している繊維シート1aを、一対の凹凸ロール401,402の間に搬送して、繊維シート1aを、機械方向(MD,流れ方向)に直交する直交方向(CD,ロール軸方向)に延伸する。繊維シート1aが直交方向(CD,ロール軸方向)に延伸される際には、図9(a)に示す、構成繊維11どうしを固定している隣り合う該融着部12,12どうしの間の領域が、直交方向(CD,ロール軸方向)に積極的に引き伸ばされる。特に、図9(b)に示すように、構成繊維11どうしを固定している各融着部12の近傍で、先ず局部収縮が起こり易く、隣り合う融着部12,12どうしの間の1本の構成繊維11に関しては、両端に2個の小径部16,16が形成され、該2個の小径部16,16に挟まれた部分が大径部17となり、2個の小径部16,16に挟まれた大径部17が形成される。このように、各融着部12の近傍で、先ず局部収縮が起こり易いので、小径部16から大径部17への変化点18が、該融着部12から隣り合う該融着部12,12どうしの間隔Tの1/3の範囲内に形成される。
そして、一部の隣り合う融着部12,12どうしの間の1本の構成繊維11に関しては、図9(c)に示すように、伸長できる余地(伸びしろ)を残した状態で、更に直交方向(CD,ロール軸方向)に延伸され、該隣り合う融着部12,12どうしの間の大径部17が延伸され、大径部17の中に小径部16が複数形成されるようになる。
延伸工程においては、高伸度繊維から小径部16及び大径部17が形成されるのと同時に、繊維シート1aのうち、凹凸ロール401の大径凸部403と、凹凸ロール401の大径凸部404との間に位置する部分が、他の部分よりも引き延ばされる。この場合、繊維シート1aの構成繊維は高伸度繊維なので、引き伸ばしを受けても切断せず、首尾よく引き伸ばしが行われる。繊維シート1aのうち、凹凸ロール401の大径凸部403と、凹凸ロール401の大径凸部404との間に位置する部分は、目的とする不織布1における凸条部13の側部域13cであるから、前記の引き伸ばしによって側部域13cでは繊維が切断されることなく繊維間距離が延伸前に比べて増加する。その結果、側部域13cの繊維密度が他の部位よりも低下して、凸条部13が側部域13cで変形し易くなり、頂部域13aの着用者の肌に対する追従変形性が向上する。しかも、側部域13cを構成する繊維に切断は生じていないので、凸条部13の強度が高いレベルに維持される。その結果、凸条部13に荷重が加わっても、該凸条部13が潰れにくくなる。
以上のように、製造装置100を用いた表面シート2の製造方法によれば、図6に示す構成繊維11を備える不織布1を連続的に効率よく製造することができる。また、製造された不織布1は、凹凸ロール402によって、凹凸形状に変形された状態のまま、下側シート接合部500のシート合流部に搬送される。シート合流部には、ロール状巻回物6’から巻き出された下側シートとして使用される帯状の下側シート6が供給されており、凹凸形状の不織布1は、帯状の下側シート6と重ねた状態とされて、凹凸ロール402とフラットロール501との間に導入される。第1方法においては、帯状の下側シート6として、図5に示す、上層繊維層61及び下層繊維層62を備えた積層シートを用いる。凹凸ロール402とフラットロール501との間においては、凹凸形状の不織布1における凹条部部分と帯状の下側シート6とが、凹凸ロール402の大径凸部404とフラットロール501の周面との間で加熱及び加圧されて接合する(複合化工程)。
これにより、図5(a)に示すような表面シート製造中間体2’が得られる。表面シート製造中間体2’は、凹凸構造を有する不織布1が、凹条部14において下側シート6に接合された構成を有している。そして、第2の熱風処理部(図示せず)により、表面シート製造中間体2’を熱処理すると、下側シート6における下層繊維層62が熱収縮し、それにより、図5(b)に示すように、不織布1における凸条部13の間隔P3が短くなるとともに、下側シート6における上層繊維層61側が凸条部13の裏側空間方向へ突出して凸条部内部分60を形成する(導入工程)。
第2の熱風処理部による熱処理の温度は、下層繊維層62に含まれる熱収縮性繊維の収縮開始温度よりも高く、凹凸ロール401,402を加熱する場合の加熱温度よりも低いことが好ましい。第2の熱風処理部における熱処理は、熱風を貫通させたり吹き付けたりする熱風処理であっても良いし、下側シート6の下層繊維層62に、加熱ロールを当接させる処理等であっても良い。このようにして、図3や図5(b)に示す形態の帯状の表面シート2が得られる。帯状の表面シート2は、巻き取った後に、失禁パッド10の製造ラインに導入されるか、巻き取ることなく、失禁パッド10の製造ラインに導入される。
表面シート2の製造方法としては、熱収縮性繊維を含む下側シート6を用いる第1方法に代えて、熱伸長性繊維を含む下側シート6を用いる第2方法、下側シート接合部500に導入する下側シート6として起毛処理を行ったものを用いる第3方法、下側シート接合部500に導入する下側シート6として、熱風処理により嵩や厚みを増大させた不織布や繊維ウエブを用いる第4方法等を用いることもできる。
第2方法においては、例えば、帯状の下側シート6として、上層繊維層61及び下層繊維層62を有する積層シート(図5(a)参照)であって、上層繊維層61に加熱により繊維が長手方向に延びる熱伸長性繊維を含み、下層繊維層62に非熱伸長性繊維を含むものを用いる。そして、延伸工程により凹凸構造を付与した不織布1と、その下側シート6とを不織布1の凹条部の底部において接合して、図5(a)に示すような表面シート製造中間体2’を得た後、その表面シート製造中間体2’を熱処理して、熱伸長性繊維を含む上層繊維層61を、凸条部13の裏側空間方向へ突出させて、凸条部内部分60を有する凸条部13を形成させる。これにより、下側シート6の一部が凸条部13の裏側空間内に入り込んだ表面シート2が得られる。熱伸長性繊維としては、例えば、特開2010−150686号公報に記載のもの等を用いることができる。
第3方法においては、各種公知の方法により、不織布1側に向けられる面を起毛した単層又は多層構造の不織布を、帯状の下側シート6として下側シート接合部500に導入し、延伸工程により凹凸構造を付与した後の不織布1と、その下側シート6とを不織布1の凹条部の底部において接合する。それにより、下側シート6の起毛面又は起毛した毛が、凸条部13の裏側空間内に入り込んだ表面シートが得られる。起毛させて下側シートとして用いる不織布としては、スパンボンド不織布や、メルトブロー不織布、これらの積層体からなる多層不織布等が挙げられる。また、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、ヒートエンボス不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、レジンボンド不織布等を用いることもできる。
起毛方法としては、凹凸表面を有するローラーで、不織布の表面を擦る方法等があるが、そのような方法に制限されない。
第4方法においては、例えば熱風を貫通させるエアスルー方式の熱処理により嵩を回復させた、単層若しくは多層の不織布、繊維ウエブ、それらの積層シート等、帯状の下側シート6として下側シート接合部500に導入し、延伸工程により凹凸構造を付与した後の不織布1と、その下側シート6とを不織布1の凹条部の底部において接合する。これにより、下側シート6の一部が凸条部13の裏側空間内に入り込んだ表面シートが得られる。
図10には、本発明の第2実施形態に係る失禁パッド10Aの図2(a)相当図が示されている。失禁パッド10Aにおける表面シート2Aは、失禁パッド10の不織布1と同一構成の不織布1(上層不織布)と、2層以上の多層構造を有する下側シート6Aを備えている。下側シート6Aは、長手方向Xに延びる下層凸条部65と下層凹条部66とを幅方向Yに交互に有する第1シート64と、平坦な形状の第2シート67とを備えている。失禁パッド10Aの表面シート2Aにおける凸条部13も、中空構造を有し、その高さHが、幅方向Yにおける凸条部13の間隔P3よりも大きくなっている。また、下側シート6Aの一部である、第1シート64の下層凸条部65が、不織布1Aの凸条部13の裏側側の空間内に入り込んでいる。
そのため、第2実施形態の失禁パッド10Aによれば、上述した失禁パッド10と同様の効果が奏される。
第2実施形態における表面シート2Aは、例えば、凹凸ロール間で加圧又は加熱及び加圧して断面波形の立体形状を付与した第1シート64を、その下層凹条部66において第2シート67に接合して複合シートとした後、該複合シートを、帯状の下側シート6Aとして、下側シート接合部500に導入し、延伸工程により凹凸構造を付与した後の不織布1と、その下側シート6Aとを不織布1の凹条部14の底部において接合することにより得られる。
上記の各実施形態において、吸収体4の厚みは、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは1mm以上15mm以下、更に好ましくは2mm以上10mm以下である。
吸収体4の厚みは、下記方法により測定される。
厚みTの測定には、2つの平行な加圧面(固定加圧面と可動加圧面)を持つマイクロメーターであるピーコック式精密測定器(型式R1−C)を用い、測定子可動加圧面の直径は5mm、圧力は100kPa以下で測定し、測定用試験片の大きさは、下記プレートの大きさ以上とする。試験片上に20mm×20mmのプレート(重量5.4g)を置き、測定子可動加圧面を2mm/sの速度で操作し、該プレートに当て、安定直後の値を読み取る。加圧面間(試験片に加わる圧力)の圧力は1.3kPa以下になる。
本発明の吸収性物品は、上述した本実施形態に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、接合部14sの平面視形状は、長辺が長手方向Xに沿う縦長矩形状に限られず、正方形や、円形、三角形、四角形、楕円形等の任意の形状することができる。また、接合部14sの配置は、図2(b)に示すように、複数の接合部14sが長手方向Xに直列に間欠配置された接合部列が、幅方向に多列に形成された配置であることが好ましいが、隣り合う接合部列中の個々の接合部14sの位置は、図2(b)に示すように同じ位置に限られず、長手方向Xにずれていても良い。例えば、全体として千鳥配置となるように半ピッチ分ずれていても良い。
下側シートは、単層構造でも2層以上の多層構造でも良い。また単層及び多層のいずれも場合も各層は、それぞれ、不織布であっても不織布化されていない繊維ウエブであっても良い。
また、本発明の吸収性物品は、失禁パッドに代えて、生理用ナプキンやパンティライナーであっても良い。また、それらの吸収性物品は、防漏カフ8を備えていないものであっても良い。また、液排泄部対向部の両側にウイング部を備えたものであっても良い。また下側シート6は、吸収性物品の長手方向X及び幅方向Yの一方又は双方における長さが上層不織布としての不織布1と同一であっても短くても良い。
また、本発明における吸収体は、吸収性コアのみからなり、コアラップシートを有しないものであっても良い。例えば、吸収体は、図11に示す、吸収性シート46から構成された吸収性コアのみからなるものであっても良い。図11に示す吸収体は、吸収性シート46が2層以上に積層された積層体からなる。2層以上の積層体は、一枚の吸収性シートを折り畳むと共にそれらの層間を接着して積層体としたものであっても良いし、枚葉の吸収性シートを複数枚貼り合わせて積層したものでも良い。また、2層以上の積層体の層間や片面上に追加の吸収性シートを配して一部が肉厚とされた吸収体としても良い。吸収性シートとしては、繊維材料及び吸水性ポリマーを含む吸収性シートが好ましく用いられる。また吸収性シートとしては、湿潤状態の吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と吸水性ポリマーとの間を結合させてシート状としたもの等を好ましく用いることができる。また、吸収性シートとして、特開平8−246395号公報記載の方法にて製造された吸収性シート、気流に乗せて供給した粉砕パルプ及び吸水性ポリマーを堆積させた後、接着剤(例えば酢酸ビニル系の接着剤、PVA等)で固めた乾式シート、紙や不織布の間にホットメルト接着剤等を塗布した後高吸水性ポリマーを散布して得られた吸収性シート、スパンボンド又はメルトブロー不織布製造工程中に高吸水性ポリマーを配合して得られた吸収性シート等を用いることもできる。これらの吸収性シートは、2層以上に積層せずに単層構造の吸収体として用いることもできる。また積層する場合の層間は接着しなくても良い。