以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の貯湯式給湯装置35を示す図である。図1に示すように、本実施の形態1の貯湯式給湯装置35は、タンクユニット33、HP(ヒートポンプ)ユニット7、及びリモコン装置44を備える。HPユニット7とタンクユニット33との間は、HP往き配管14とHP戻り配管15と図示しない電気配線とを介して接続されている。タンクユニット33には、制御装置36が内蔵されている。タンクユニット33及びHPユニット7が備える各種弁類、ポンプ類等の作動は、これらと電気的に接続された制御装置36により制御される。
リモコン装置44は、運転動作指令及び設定値の変更などに関する使用者の操作を受け付ける機能を有する。リモコン装置44は、操作端末またはユーザーインターフェース装置の例である。制御装置36とリモコン装置44の間は、有線または無線により、双方向にデータ通信可能に接続されている。リモコン装置44には、図示を省略するが、貯湯式給湯装置35の状態等の情報を表示する表示部、使用者が操作するスイッチ等の操作部、スピーカ、マイク等が搭載されている。リモコン装置44は、台所に設置されてもよい。リモコン装置44は、浴室に設置されてもよい。貯湯式給湯装置35は、複数台のリモコン装置44を備えてもよい。リモコン装置44は、使用者に情報を音声、音等で報知してもよい。
HPユニット7は、水を加熱する加熱手段の例である。HPユニット7は、圧縮機1、水冷媒熱交換器3、膨張弁4、空気熱交換器6を冷媒配管5にて環状に接続した冷媒回路を備える。HPユニット7は、この冷媒回路によりヒートポンプサイクルの運転を行う。水冷媒熱交換器3では、圧縮機1で圧縮された冷媒と、タンクユニット33から導かれた水との間で熱を交換することで、水が加熱される。圧縮機1で圧縮された冷媒と、水道等の水源から直接供給される水とを水冷媒熱交換器3で熱交換させることができる構成を備えてもよい。
タンクユニット33には、以下の各種部品及び配管などが内蔵されている。貯湯タンク8は、湯水を貯留する。貯湯タンク8の内部では、温度による水の密度の差によって、上側が高温で下側が低温になる温度成層を形成することができる。貯湯タンク8は、図示のような単一のタンクで構成されるものに限らず、直列に接続された複数のタンクを備えるものでもよい。以下の説明で、貯湯タンク8における高さ方向すなわち上下方向の位置に関して言及するが、貯湯タンク8が直列に接続された複数のタンクを備えるものである場合には、最上位のタンクから最下位のタンクまでの全体の階層において、上下方向の位置が特定されるものとする。
貯湯タンク8の下部に設けられた水導入口8aには、第三給水配管9cが接続されている。水道等の水源から第一給水配管9aを通って供給される水は、減圧弁31で所定圧力に調圧された上で、第三給水配管9cを通って貯湯タンク8内に流入する。貯湯タンク8の上部には、貯湯タンク8内に貯留された湯を貯湯式給湯装置35の外部へ供給するための温水導入出口8dと、HP戻り配管15に連通可能な温水導入出口8eとが設けられている。貯湯タンク8の表面には、複数の貯湯温度センサ41,42,43が高さを変えて取り付けられている。貯湯温度センサ41は、中温水導入出口8fと同じ高さの位置、または中温水導入出口8fに近い高さの位置にある。貯湯温度センサ42は、貯湯温度センサ41より高い位置にある。貯湯温度センサ43は、貯湯温度センサ41より低い位置にある。これらの貯湯温度センサ41,42,43で貯湯タンク8内の湯水の温度分布を検出することにより、貯湯タンク8内の残湯量または蓄熱量を把握できる。
制御装置36は、貯湯タンク8内の残湯量または蓄熱量に応じて、HPユニット7による貯湯タンク8内の湯水の沸上運転の開始及び停止などを制御する。沸上運転では、以下のようになる。貯湯タンク8の下部から流出する低温水は、HP往き配管14を経由してHPユニット7に導かれ、水冷媒熱交換器3において加熱され、高温水となる。この高温水は、HP戻り配管15を経由して、貯湯タンク8の上部の温水導入出口8eから貯湯タンク8内に流入する。このような沸上運転が実行されることで、貯湯タンク8の内部では、上層部から高温水が貯えられていき、この高温水層が徐々に厚くなっていく。制御装置36は、貯湯温度センサ41,42,43により把握される貯湯タンク8内の貯湯量または蓄熱量が所定量を超えると、沸上運転を終了する。
タンクユニット33には、第一循環ポンプ12及び風呂用熱交換器20が内蔵されている。第一循環ポンプ12は、各種配管に湯水を循環させるためのポンプであり、第一送水配管13a上に設けられている。風呂用熱交換器20は、貯湯タンク8から供給されるタンク水と、浴槽30からの浴水との間で熱を交換する。風呂用熱交換器20は、浴槽30に接続されている風呂往き配管27及び風呂戻り配管28の途中に設置されている。風呂往き配管27の途中には、風呂用熱交換器20から流出する浴水の温度を検出するための風呂往き温度センサ37が設置されている。風呂戻り配管28の途中には、浴水を循環させるための第二循環ポンプとしての風呂循環ポンプ29と、浴槽30から出た浴水の温度を検出するための風呂戻り温度センサ38と、浴槽30内の水位レベルを検出するための水位センサ46と、風呂戻り配管28における水の循環を検出するためのフロースイッチ47とが設置されている。
三方弁11は、入口となるaポート及びbポートと、出口となるcポートとを有する流路切替手段である。三方弁11は、a−c、b−cの2つの経路の間で流路切替可能に構成されている。
四方弁16は、入口となるaポート及びbポートと、出口となるcポート及びdポートとを有する流路切替手段である。四方弁16は、a−c、a−d、b−c、b−dの4つの経路の間で流路切替可能に構成されている。
四方弁18は、入口となるaポートと、出口となるbポート、cポート、及びdポートとを有する流路切替手段である。四方弁18は、a−b、a−c、a−dの3つの経路の間で流路切替可能に構成されている。
タンクユニット33は、低温配管10、第一送水配管13a、第一温水配管17a、第二温水配管17b、第三温水配管19a、第四温水配管19b、及び第五温水配管19cを有している。低温配管10は、貯湯タンク8の下部に設けられた水導出口8bと三方弁11のaポートとを接続する。第一送水配管13aは、三方弁11のcポートと第一循環ポンプ12の入口とを接続する。HP往き配管14は、第一循環ポンプ12の出口と、HPユニット7の入口とを接続する。HP戻り配管15は、HPユニット7の出口と四方弁16のbポートとを接続する。第一温水配管17aは、四方弁16のdポートと、四方弁18のaポートとを接続する。第二温水配管17bは、四方弁16のcポートと、貯湯タンク8の下部に設けられた水導入口8cとを接続する。第三温水配管19aは、四方弁18のbポートと、貯湯タンク8上部の温水導入出口8eとを接続する。第四温水配管19bは、四方弁18のdポートと、貯湯タンク8の上部に設けられた温水導入出口8dとを接続する。第五温水配管19cは、四方弁18のcポートと、貯湯タンク8の上部から中間部の間に設けられた温水導入口8gとを接続する。
第一タンク循環配管20aは、温水導入出口8eと、風呂用熱交換器20のタンク水の入口とを接続する。第二タンク循環配管20cは、風呂用熱交換器20のタンク水の出口と、三方弁11のbポートとを接続する。第二送水配管13bは、HP往き配管14における第一循環ポンプ12とHPユニット7の入口との間から分岐し、四方弁16のaポートに接続される。
さらに、タンクユニット33は、中温配管79、第一給水配管9a、第二給水配管9b、第三給水配管9c、第四給水配管9d、給湯用混合弁22、風呂用混合弁23、中温水切替弁78、給湯配管24、風呂配管25、戻り配管20b、及び逆止弁50を有している。
中温水切替弁78は、入口となるaポート及びbポートと、出口となるcポートとを有する流路切替手段である。中温水切替弁78は、a−c、b−cの2つの経路の間で流路切替可能に構成されている。
給湯用混合弁22は、第一入口、第二入口、及び出口を備える混合手段である。風呂用混合弁23は、第一入口、第二入口、及び出口を備える混合手段である。
第一給水配管9aの一端は水道等の水源に接続される。第一給水配管9aの他端には減圧弁31を介して第二給水配管9b及び第三給水配管9cが接続される。第二給水配管9bは、中温水切替弁78のaポートに接続されている。中温配管79は、貯湯タンク8の中間部に設けられた中温水導入出口8fと中温水切替弁78のbポートとを接続している。戻り配管20bは、第二タンク循環配管20cの途中から分岐して、中温配管79の途中に接続されている。逆止弁50は、戻り配管20b上に設置されている。逆止弁50は、貯湯タンク8の中間部から貯湯タンク8の下部へ向かう流れを阻害する。これにより、貯湯タンク8の中間部から貯湯タンク8の下部への熱の流出を確実に防止できる。第四給水配管9dの一端は、中温水切替弁78のcポートに接続されている。第四給水配管9dの他端は、給湯用混合弁22及び風呂用混合弁23のそれぞれの第一入口に接続されている。高温配管21の一端は、貯湯タンク8の温水導入出口8dに連通する。高温配管21の他端は、給湯用混合弁22及び風呂用混合弁23のそれぞれの第二入口に接続されている。
中温水切替弁78は、第二給水配管9bと第四給水配管9dとが連通する第一流路状態と、中温配管79と第四給水配管9dとが連通する第二流路状態の2つの流路状態を切替えて使用する。中温水切替弁78を第一流路状態にすると、水源から供給される低温水が、第二給水配管9b及び第四給水配管9dを通って、給湯用混合弁22及び風呂用混合弁23へ供給される状態になる。中温水切替弁78の第一流路状態は、「低温水使用状態」に相当する。中温水切替弁78を第二流路状態にすると、貯湯タンク8から中温配管79を通って供給される中温水が、第四給水配管9dを通って、給湯用混合弁22及び風呂用混合弁23へ供給される状態になる。中温水切替弁78の第二流路状態は、「中温水使用状態」に相当する。
給湯用混合弁22は、貯湯タンク8から高温配管21を通って供給される高温水と、第四給水配管9dから供給される低温水もしくは中温水との流量比を調整することにより、使用者がリモコン装置44にて設定した設定温度の湯を生成し、給湯配管24に流入させる。給湯用混合弁22で温度調整された湯は、給湯配管24から給湯栓34を経由して、使用者が使用するシャワー、カラン等の蛇口(図示省略)に供給される。
風呂用混合弁23は、貯湯タンク8から高温配管21から供給される高温水と、第四給水配管9dから供給される低温水もしくは中温水との流量比を調整することにより、使用者がリモコン装置44にて設定した設定温度の湯を生成可能である。風呂用混合弁23で設定温度に調整された湯は、風呂用流量センサ45、風呂用電磁弁26、風呂往き配管27、風呂戻り配管28を経て、浴槽30へ流入する。
制御装置36は、風呂用流量センサ45及び水位センサ46により検出される情報に基づいて湯張りの完了を判定することにより、湯張り完了時の浴槽30内の浴水の量である湯張り湯量が、使用者がリモコン装置44にて設定した湯量に等しくなるように制御できる。本実施の形態の貯湯式給湯装置35は、風呂自動運転を実行可能なものでもよい。リモコン装置44にて風呂自動運転が設定されると、制御装置36は、湯張りの完了後、浴槽30内の浴水の温度及び量が、リモコン装置44で設定された温度及び量に維持されるように、必要に応じて、浴水の昇温、冷却、たし湯、さし水を行う。
図2は、図1に示す貯湯式給湯装置35における中温水使用状態の回路構成図である。給湯栓34から給湯する時の、中温水を使用する時の中温水切替弁78の動作について説明する。中温水導入出口8fと同じ高さの位置、または中温水導入出口8fに近い高さの位置にある貯湯温度センサ41で検出される温度は、貯湯タンク8から中温配管79へ流出する中温水の温度に等しいとみなすことができる。以下の説明では、貯湯温度センサ41で検出される温度を単に「中温水の温度」と称する。制御装置36は、中温水を使用して給湯する場合、中温水の温度が、使用者によって設定された設定温度よりも低い場合には、中温水使用可能と判断する。制御装置36は、中温水を使用する場合は、中温水切替弁78を中温水使用状態に切り替える。制御装置36は、中温水の温度が、使用者によって設定された設定温度よりも高い場合には、中温水の使用を許可しない。制御装置36は、中温水の使用を許可しない場合には、中温水切替弁78を低温水使用状態に切り替える。図2では、給湯用混合弁22へ中温水を供給する場合を示したが、風呂用混合弁23へ中温水を供給する場合も、上記と同様である。
本実施の形態の貯湯式給湯装置35は、浴槽30内の浴水の熱を回収する風呂熱回収のための熱回収運転を実行可能である。図3は、図1に示す貯湯式給湯装置35における熱回収運転のときの回路構成図である。熱回収運転のときには、以下のようになる。三方弁11は、aポートとcポートとが連通し、bポートが閉状態となるように制御される。これにより、低温配管10と第一送水配管13aとが連通するとともに、第二タンク循環配管20cへの流路が遮断される。四方弁16は、aポートとdポートとが連通し、bポートとcポートとが閉状態となるように制御される。これにより、第二送水配管13bと第一温水配管17aとが連通するとともに、第二温水配管17b側を閉として貯湯タンク8の下部への流路が遮断される。四方弁18は、aポートとbポートとが連通し、cポートとdポートとが閉状態となるように制御される。これにより、第一温水配管17aと第三温水配管19aとが連通するとともに、第四温水配管19b及び第五温水配管19c側を閉として貯湯タンク8の中間部への流路が遮断される。
熱回収運転は、風呂循環ポンプ29が動作を開始することで浴水の循環が開始された後に、上記のように三方弁11、四方弁16、及び四方弁18が制御された状態で、第一循環ポンプ12の運転を開始することにより実行される。その結果、貯湯タンク8の水導出口8bから低温配管10を通って流出した低温のタンク水は、三方弁11、第一送水配管13a、第二送水配管13b、四方弁16、第一温水配管17a、四方弁18、第三温水配管19a、及び第一タンク循環配管20aを通って、風呂用熱交換器20に流入する。風呂用熱交換器20内で、タンク水は、浴槽30からの浴水の熱により加熱され、浴槽30内の浴水の温度に近い温度になる。この加熱されたタンク水を以下「熱回収温水」と称する。熱回収温水は、風呂用熱交換器20から、戻り配管20b、逆止弁50、及び中温配管79を通って、中温水導入出口8fから貯湯タンク8内に流入する。このようにして熱回収運転が実施されると、貯湯タンク8内の中温水導入出口8fの近くに、熱回収温水が貯留される。
風呂往き配管27及び風呂戻り配管28を通る循環回路を流れる浴水の流量を以下「浴水流量」と称する。制御装置36は、風呂循環ポンプ29の回転速度を調整可能である。風呂循環ポンプ29の回転速度が高いほど、浴水流量が高くなる。制御装置36は、第一循環ポンプ12及び風呂循環ポンプ29を同時に動作させる第一運転と、第一循環ポンプ12を動作させることなく風呂循環ポンプ29を動作させる第二運転とを制御モードとして有する。制御装置36は、第一運転での風呂循環ポンプ29の回転速度が、第二運転での風呂循環ポンプ29の回転速度よりも低くなるように風呂循環ポンプ29を制御する。本実施の形態においては、熱回収運転が上記「第一運転」に相当する。また、浴槽30内の浴水を攪拌可能な攪拌運転が上記「第二運転」に相当する。
制御装置36は、リモコン装置44に対するユーザー操作に応じて風呂熱回収を開始してもよい。例えば、リモコン装置44の所定のボタンが押下された場合に制御装置36が風呂熱回収を開始してもよい。または、風呂熱回収を開始する時刻をユーザーが予約できるように構成し、その予約された時刻に応じて、制御装置36が風呂熱回収を開始してもよい。
貯湯温度センサ43は、貯湯タンク8内の下部の水温(以下、「タンク下部温度」と称する)を検出する下部温度検出手段に相当する。風呂戻り温度センサ38は、風呂用熱交換器20に流入する浴水の温度(以下、「浴水入口温度」と称する)を検出する浴水入口温度検出手段に相当する。制御装置36は、タンク下部温度が浴水入口温度よりも低いときに熱回収運転を実行可能であると判定してもよい。制御装置36は、タンク下部温度が浴水入口温度以上であるとき、あるいはタンク下部温度と浴水入口温度との差が基準値に比べて小さいときには、熱回収運転を実行不能と判定し、熱回収運転を実行しないように制御してもよい。
熱回収運転のときには、以下のようになる。浴槽30内の浴水は、風呂戻り配管28に引き込まれ、風呂用熱交換器20内に流入する。風呂用熱交換器20内で、浴水は、タンク水との熱交換により冷却され、温度が低下する。この比較的低温の浴水は、風呂往き配管27を通り、浴槽30内に流入する。温度差による水の比重の違いにより、浴槽30内では、まだ熱交換していない比較的高温の上層側の浴水と、風呂用熱交換器20から戻った比較的低温の下層側の浴水との間に温度境界層が生成される。風呂戻り配管28と浴槽30との接続位置を以下「浴水引き込み位置」と称する。浴槽30内の温度境界層は、徐々に上に移動する。温度境界層が浴水引き込み位置よりも上になると、一度冷却された比較的低温の浴水が再び風呂用熱交換器20に流入するようになることから、熱回収効率が悪化する。
本実施の形態であれば、制御装置36が熱回収運転の後に攪拌運転を行うことで、上記のような熱回収効率の悪化を防止できる。攪拌運転では、以下のようになる。第一循環ポンプ12は停止される。すなわち、タンク水は風呂用熱交換器20内に循環しない。風呂循環ポンプ29は、熱回収運転のときよりも高い回転速度で動作する。これにより、浴水流量が熱回収運転のときよりも高くなり、風呂往き配管27から浴槽30内に流入する噴流の流速が熱回収運転のときよりも高くなる。このような比較的高い流量及び流速の噴流が浴槽30内に流入することで、温度境界層が壊され、浴槽30内が全体的に攪拌される。その結果、比較的高温の上層側の浴水と、比較的低温の下層側の浴水とが混ざり合い、浴槽30内の浴水全体の温度が均等化する。この際、第一循環ポンプ12が停止しているので、風呂用熱交換器20内で浴水が冷却されることがない。よって、風呂往き配管27から浴槽30内に流入する噴流の温度が低くなることを防止できる。その結果、浴槽30内の浴水全体の温度が均等化するまでに要する時間を短縮できる。第一循環ポンプ12の消費電力を節約することもできる。
攪拌運転後の浴水引き込み位置の浴水の温度は、攪拌運転前の浴水引き込み位置の浴水の温度よりも高くなる。このため、攪拌運転後に再び熱回収運転を行うことで、風呂用熱交換器20に流入する浴水の温度を高くすることができ、熱回収効率が向上する。
攪拌運転のときの風呂循環ポンプ29の回転速度は、浴槽30内の浴水を撹拌可能な所定回転速度以上である。例えば、攪拌運転のときの浴水流量が8L/minであれば、浴槽30内の浴水を十分に撹拌可能である。よって、制御装置36は、攪拌運転のときの浴水流量が、8L/minまたは8L/min以上となるように、風呂循環ポンプ29の回転速度を制御してもよい。また、3L/min程度の浴水流量では浴槽30内の浴水を効率良く攪拌することができない。
制御装置36は、浴槽30内の浴水の温度が均等化するように予め設定された時間、攪拌運転の実行を継続してもよい。例えば、8L/minの浴水流量で攪拌運転を行った場合には、制御装置36は、攪拌運転の実行を5分間継続してもよい。
制御装置36は、熱回収運転と攪拌運転とを交互に実行してもよい。これにより、熱回収量をさらに向上することが可能となる。例えば、以下のようにしてもよい。制御装置36は、攪拌運転の設定時間が経過すると、風呂循環ポンプ29を一時的に停止させるとともに、停止させていた第一循環ポンプ12の運転を再開させる。第一循環ポンプ12の運転が開始した後、風呂循環ポンプ29の運転を開始させる制御を行うことで、熱回収運転を再開させる。再び熱回収運転が実行されることで、浴槽30内の浴水に温度境界層が再び生成される。このため、制御装置36は、第一循環ポンプ12を停止し、風呂循環ポンプ29を高速で運転させる攪拌運転を再び行う。
制御装置36は、風呂戻り温度センサ38または風呂往き温度センサ37により、攪拌運転の開始時の浴水温度と、当該攪拌運転の終了時の浴水温度とをそれぞれ検出し、この両者の温度差が基準値以内になったときには、次回の熱回収運転を実施することなく、風呂熱回収を完了してもよい。これにより、より効率良く熱回収することが可能となる。
フロースイッチ47は、風呂用熱交換器20につながる浴水の流路内の浴水の流れの有無を検出する流れ検出手段に相当する。フロースイッチ47が流れを検出可能な流量には下限がある。ここでは、フロースイッチ47が流れを検出可能な下限流量が3L/minであると仮定する。この場合、下限流量である3L/minよりも浴水流量が低くなるような回転速度で風呂循環ポンプ29が運転されていると、浴水が正常に循環しているかどうかをフロースイッチ47によって確認することができないため、好ましくない。以上の観点から、制御装置36は、熱回収運転での風呂循環ポンプ29の回転速度が、フロースイッチ47が流れを検出可能な下限の回転速度、すなわち浴水流量が上記下限流量となるような回転速度に等しくなるように制御することが望ましい。これにより、フロースイッチ47による浴水循環の確認を確実に可能としつつ、風呂用熱交換器20による熱交換能力をさらに向上させることが可能となる。
制御装置36は、熱回収運転の実行中に、風呂往き温度センサ37で検出される浴水出口温度の時間当たりの変化量が基準値以下になると、熱回収運転から攪拌運転に移行するように制御してもよい。これにより、熱回収効率の低下をより確実に防ぐことが可能となる。この場合において、制御装置36は、熱回収運転を開始してから所定時間が経過した後に、攪拌運転に移行するかどうかを判断することが望ましい。これにより、熱回収運転から攪拌運転に移行するタイミングが早すぎてしまうことを確実に防止できる。
制御装置36は、攪拌運転の実行が継続された時間が上限時間を超えると、攪拌運転から熱回収運転に移行するように制御してもよい。この場合において、制御装置36は、浴槽30の湯張り湯量が比較的多いときの上限時間が、湯張り湯量が比較的少ないときの上限時間に比べて、長くなるように制御してもよい。湯張り湯量が比較的多いときには、湯張り湯量が比較的少ないときに比べて、攪拌運転によって浴槽30内の浴水の温度を均等化するために要する時間が長くなる傾向がある。このため、上記のように制御することで、湯張り湯量に応じて、攪拌運転を継続する時間をより適切に制御できる。
制御装置36は、攪拌運転の実行中に、風呂往き温度センサ37で検出される浴水出口温度の時間当たりの変化量が基準値以下になると、熱回収運転に移行するか、または風呂熱回収のための運転を完了してもよい。これにより、攪拌運転の実行が継続された時間が上限時間に達する前に、熱回収運転に移行するか、または風呂熱回収のための運転を完了できるため、風呂循環ポンプ29の消費電力を削減可能となる。
制御装置36は、熱回収運転の実行中に、風呂戻り温度センサ38により検出される浴水入口温度が上昇した場合には、風呂熱回収のための運転を完了してもよい。熱回収運転において浴水入口温度が風呂用熱交換器20に流入するタンク水の温度がよりも低くなると、タンク水によって加熱された浴水が浴槽30に流入し、その浴水が再び風呂戻り温度センサ38へ流れることで、浴水入口温度が上昇する。よって、風呂戻り温度センサ38により検出される浴水入口温度が上昇した場合には、浴槽30内の浴水の温度が、風呂用熱交換器20に流入するタンク水の温度がよりも低くなったと考えられるため、風呂熱回収のための運転を完了してもよいと判定できる。
制御装置36は、熱回収運転の実行中に、風呂往き温度センサ37で検出される浴水出口温度が、風呂戻り温度センサ38により検出される浴水入口温度よりも高くなった場合には、風呂熱回収のための運転を完了してもよい。浴水出口温度が浴水入口温度よりも高くなった場合には、浴槽30内の浴水の温度が、風呂用熱交換器20に流入するタンク水の温度がよりも低くなったと考えられるため、風呂熱回収のための運転を完了してもよいと判定できる。
次に、本実施の形態における追焚運転について説明する。追焚運転のときには、以下のようになる。第一循環ポンプ12及び風呂循環ポンプ29が運転される。貯湯タンク8の温水導入出口8eから流出した高温のタンク水が、第一タンク循環配管20aを通って、風呂用熱交換器20に流入する。風呂用熱交換器20内でタンク水が浴水を加熱する。風呂用熱交換器20内で温度低下したタンク水は、第二タンク循環配管20c、三方弁11、第一送水配管13a、第一循環ポンプ12、第二送水配管13b、四方弁16、第二温水配管17b、及び水導入口8cを通り、貯湯タンク8内に流入する。あるいは、風呂用熱交換器20内で温度低下したタンク水は、第二タンク循環配管20c、三方弁11、第一送水配管13a、第一循環ポンプ12、第二送水配管13b、四方弁16、第一温水配管17a、四方弁18、第五温水配管19c、及び温水導入口8gを通り、貯湯タンク8内に流入する。
上述した実施の形態では、熱回収運転が「第一運転」に相当するものとして説明した。本発明では、追焚運転が「第一運転」に相当してもよい。この場合、以下の効果が得られる。追焚運転での風呂循環ポンプ29の回転速度は、攪拌運転での風呂循環ポンプ29の回転速度よりも低くなる。これにより、追焚運転のときの浴水流量が攪拌運転での浴水流量に比べて低くなるので、追焚運転における風呂用熱交換器20での熱交換効率を向上できる。また、追焚運転における風呂循環ポンプ29の消費電力を低減できる。浴水流量の低い高効率の追焚運転を行うと、浴槽30内に温度境界層が生成される可能性がある。温度境界層が生成された場合には、攪拌運転を行うことで、浴槽30内の浴水の温度を均等化できる。この攪拌運転においては、第一循環ポンプ12が停止しているので、第一循環ポンプ12の電力消費を抑制できるとともに、貯湯タンク8内の熱量を消費することもない。
本実施の形態であれば、さらに、以下の効果が得られる。貯湯タンク8内の中温水導入出口8fの近くに熱回収温水が貯留されるので、中温水使用状態で給湯すれば、熱回収温水が中温配管79を通して給湯用混合弁22または風呂用混合弁23へ供給される。このため、熱回収温水を給湯に確実に利用できる。その結果、貯湯タンク8の上部の高温水の使用量が低減し、湯切れが起きづらくなるとともに、システム効率が向上し、省エネルギー性が高まる。
熱回収温水の温度は、浴槽30内の浴水の温度以下である。このため、多くの場合、熱回収温水の温度は、使用者によって設定された設定温度以下となる。よって、貯湯タンク8内の中温水導入出口8fの近くに熱回収温水が貯留された状態は、多くの場合、中温水を使用可能な状態に該当する。そこで、制御装置36は、熱回収運転の開始後、中温水使用状態になるように中温水切替弁78を制御してもよい。熱回収運転の開始後、中温水使用状態で中温水切替弁78を待機させることで、熱回収温水をより確実に給湯に利用することができる。
制御装置36は、貯湯温度センサ41により検出される中温水の温度が、使用者によって設定された設定温度よりも高い場合には、中温水切替弁78を中温水使用状態から低温水使用状態に切り替える。これにより、使用者によって設定された温度の湯を安定して供給することができる。
本実施の形態では、戻り配管20bが中温配管79の途中の位置に連通している。これにより、以下の効果が得られる。中温配管79とは別の位置で戻り配管20bが貯湯タンク8に接続される構成に比べて、貯湯タンク8への配管接続箇所を減らすことができるので、装置構成を簡単にできる。また、貯湯タンク8から戻り配管20bへの熱の流出を確実に抑制できる。
本実施の形態では、第一循環ポンプ12により貯湯タンク8からタンク水を風呂用熱交換器20へ供給するときに、第一循環ポンプ12の回転速度を調整することで、風呂用熱交換器20を通過するタンク水の流量を調整可能である。
戻り配管20bに取り付けた温度センサ48により、戻り配管20bを流れる熱回収温水の温度を検出してもよい。戻り配管20bを流れる熱回収温水の温度を以下「戻り温度」と称する。制御装置36は、熱回収運転の実行中に中温配管79から給湯用混合弁22または風呂用混合弁23へ温水が流れる場合には、温度センサ48で検出される戻り温度が貯湯温度センサ41で検出される中温水の温度に近づくように、第一循環ポンプ12の運転を制御してもよい。例えば、制御装置36は、戻り温度が中温水の温度より低い場合には第一循環ポンプ12の回転速度を遅くするように補正し、戻り温度が中温水の温度より高い場合には第一循環ポンプ12の回転速度を速くするように補正してもよい。上記のようにすることで、以下の効果が得られる。熱回収運転の実行中に中温配管79から給湯用混合弁22または風呂用混合弁23へ温水が流れる場合には、貯湯タンク8から中温水が給湯用混合弁22または風呂用混合弁23へ流れるだけでなく、戻り配管20bからの熱回収温水が給湯用混合弁22または風呂用混合弁23へ流れる可能性がある。戻り温度が中温水の温度に近づくように制御することで、戻り配管20bからの熱回収温水が給湯用混合弁22または風呂用混合弁23へ流れた場合においても、給湯用混合弁22または風呂用混合弁23から流出する湯の温度の変動を確実に低減できる。
前述したように、本実施の形態では、戻り配管20bが中温配管79の途中の位置に連通している。すなわち、戻り配管20bは中温配管79と同じ位置で貯湯タンク8に連通する。このような構成に代えて、戻り配管20bが、中温配管79とは別に、中温水導入出口8fと同じ高さの位置で、貯湯タンク8に接続されてもよい。そのような構成においても、本実施の形態による効果に類似した効果が得られる。または、戻り配管20bが、中温水導入出口8fより低く、かつ、水導出口8bより高い位置で、貯湯タンク8に連通するようにしてもよい。そのような構成においても、本実施の形態による効果に類似した効果が得られる。