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JP6667309B2 - 排水処理用触媒およびこれを用いた排水の処理方法 - Google Patents

排水処理用触媒およびこれを用いた排水の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、排水処理用触媒およびこれを用いた排水の処理方法に関する。
従来、排水の処理方法として、生物学的処理、燃焼処理、及びチンマーマン法などが知られている。
生物学的処理としては、活性汚泥法、生物膜法などの好気性処理、メタン醗酵法などの嫌気性処理、及び好気性処理と嫌気性処理の併用処理が従来用いられている。特に微生物を用いた好気性処理は排水の処理方法として広く採用されているが、好気性微生物処理は、細菌、藻類、原生動物などが複雑に作用し合っており、高濃度の有機物や窒素化合物などが含有されている排水を好気性微生物処理に供する場合、微生物の生育に適した環境にするために排水の希釈やpHの調整などが必要なため、装置や運転が複雑であり、しかも余剰汚泥が生じるため、さらに余剰汚泥を処理しなければならず、全体として処理コストが高くなるという問題を有している。
燃焼処理は、燃料費等のコストがかかるため、大量の排水を処理すると処理コストが著しく高くなるという問題を有している。また燃焼による排ガス等による二次公害を生じる恐れがある。
チンマーマン法は高温高圧下で排水を酸素含有ガスの存在下に処理するものであるが、一般的に処理効率が低く、さらに二次処理設備が必要であった。
特に近年、被処理排水に含まれる汚濁物質は多岐に渡り、しかも高レベルな処理水質が求められているため、上述したような従来技術では十分に対応ができなかった。
そこで排水処理効率が高く、しかも高レベルな処理水を得ることを目的として様々な排水処理方法が提案されている。例えば固体触媒を用いた湿式酸化法(以下、「触媒湿式酸化処理法」と略記する)は高レベルな処理水質を得ることができ、しかも優れた経済性を有しているため注目されている。この様な触媒湿式酸化処理法の処理効率および処理能力を向上させるために様々な触媒が提案されている。例えば、特許文献1には、パラジウム、白金等の貴金属類をアルミナ、シリカアルミナ、シリカゲル、活性炭等の担体に担持した触媒が提案されている。
しかしながら、一般に排水に含まれている成分は単一ではなく、有機物以外に窒素化合物、硫黄化合物、有機ハロゲン化合物等が含まれていることが多く、この様な種々の汚濁物質を含む排水の処理に上記触媒を用いてもこれらの成分を充分に処理することができなかった。
このような問題を解決しうる触媒として、特許文献2では、高い耐久性を有し、しかも 優れた触媒活性を有する触媒が提案されている。
また、従来、特許文献3などに記載のように、排水処理用触媒の担体(または触媒そのもの)のBET比表面積は20〜70m/gの範囲にあることが好ましいことが知られている。
さらに、特許文献4には、A成分として鉄とチタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、B成分として銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素とを含み、B成分の少なくとも70質量%がA成分の酸化物の外表面から1000μm以内に存在し、B成分の平均粒子径が0.5〜20nmであり、かつA成分の酸化物の固体酸量が0.20mmol/g以上であることを特徴とする排水処理用触媒が開示されている。
特開昭49−44556号公報 特開平5−138027号公報 国際公開第2008/120588号パンフレット 国際公開第2011/77955号パンフレット
本発明者らが検討を行ったところ、特許文献1〜4に開示されている排水処理用触媒では、触媒の耐久性や排水の処理効率が依然として十分ではないことが判明した。
そこで本発明は、より優れた耐久性を有し、排水の処理効率がいっそう改善された排水処理用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、チタン含有化合物(A)と、ジルコニウム等の所定の元素群から選択される元素の単体または化合物(B)と、白金等の貴金属群から選択される元素の単体または化合物(C)と、を含有する排水処理用触媒において、上記(B)成分を触媒粒子の表層に偏在させるとともに、触媒中の硫黄含有量を所定の範囲内の値に制御することで上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態によれば、チタン含有化合物(A)と、鉄、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選択される1種または2種以上の助触媒元素の単体または化合物(B)と、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物(C)とを含有し、排水の処理に用いられる排水処理用触媒が提供される。そして、当該触媒は、前記(B)成分の助触媒元素について、触媒の外表面から深さ方向に500μm以内の領域における存在割合をX質量%とし、触媒の外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以内の領域における存在割合をY質量%としたときに、X/Yの値が1.1以上であり、かつ、硫黄化合物をSO換算で0.03〜6質量%含有する点に特徴がある。
本発明に係る排水処理用触媒は高い機械的強度(特に、優れた耐摩耗性)を有し、特に排水の湿式酸化処理に際して長期間優れた活性および耐久性を維持することができる。このため、本発明の触媒を用いて排水を処理(好ましくは、湿式酸化処理)すると、高レベルに浄化された処理水を得ることができる。
酸化処理工程の一つとして湿式酸化処理を採用した場合の排水の処理装置の一実施態様を示す概略図である。 実施例で得られた触媒(A−2)における(B)成分であるジルコニウム(Zr)の分布状態についてEPMA(電子プローブマイクロ分析)により分析した結果を示すグラフである。 実施例で得られた触媒(A−2)における(C)成分であるルテニウム(Ru)の酸化状態についてRu−K吸収端XANESにより分析した結果を示すグラフである。 実施例で得られた触媒(A−3)における(C)成分である白金(Pt)の酸化状態についてPt−LIII吸収端XANESにより分析した結果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための具体的な形態について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の形態のみには限定されない。
本発明の一形態によれば、排水の処理に用いられる排水処理用触媒であって、チタン含有化合物(A)と、鉄、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選択される1種または2種以上の助触媒元素の単体または化合物(B)と、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物(C)とを含有し、かつ、前記(B)成分の助触媒元素について、触媒の外表面から深さ方向に500μm以内の領域における存在割合をX質量%とし、触媒の外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以内の領域における存在割合をY質量%としたときに、X/Yの値が1.1以上であり、かつ、硫黄化合物をSO換算で0.03〜6質量%含有することを特徴とする、排水処理用触媒が提供される。
[(A)成分]
本発明に係る排水処理用触媒は、(A)成分として、チタン含有化合物を含む。また、好ましい実施形態において、(A)成分は、後述する(B)成分および(C)成分を担持するための触媒基材(担体)として用いられる。以下では、このような実施形態についてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような実施形態のみに限定されるわけではない。
触媒基材(担体)に含まれるチタン含有化合物は特に制限されず、触媒基材としての機能を有し、チタンを含有する化合物であればよい。好ましい実施形態において、チタン含有化合物は、チタンの酸化物(チタニア;TiO)またはチタンの酸化物を含む混合酸化物もしくは複合酸化物である。ここで、チタンの酸化物(TiO)を含む複合酸化物として、触媒の機械的強度や耐久性の観点から、例えば、TiO−ZrO、TiO−Fe、TiO−SiO、TiO−Alなどが挙げられる。なかでも、触媒基材は、チタンの酸化物と、チタンおよびジルコニウムの複合酸化物との組み合わせ、チタンの酸化物と、鉄の酸化物と、チタンおよび鉄の複合酸化物との組み合わせ、並びにチタンの酸化物のいずれかであることが特に好ましい。なお、触媒基材がチタン以外の金属元素を含有するものである場合、触媒基材を構成する金属元素に占めるチタンの含有比率は、TiO換算で、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
触媒基材に含まれるチタン含有化合物の結晶構造については特に限定されず、アナターゼ型結晶構造を有していてもよく、あるいはアナターゼ型結晶構造以外の結晶構造を有していてもよいが、アナターゼ型結晶構造を有している触媒基材が好ましい。また、触媒基材の形状としては、例えば、ペレット状、粒状、球状、リング状、ハニカム状など、目的に応じた形状を適宜選択すればよく、特に限定されない。さらに、触媒基材の細孔容積については特に限定されないが、好ましくは0.20ml/g以上であり、より好ましくは0.25ml/g以上である。一方、細孔容積の上限値としては、好ましくは0.50ml/g以下であり、より好ましくは0.45ml/g以下である。触媒基材の細孔容積が0.20ml/g以上であれば、触媒活性成分を触媒基材に十分に担持することができ、十分な活性作用を確保することができる。一方、触媒基材の細孔容積が0.50ml/g以下であれば、触媒の耐久性の低下やこれによる触媒の崩壊を抑制することができる。
[(B)成分および(C)成分]
本発明に係る排水処理用触媒は、(B)成分として、鉄、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選択される1種または2種以上の助触媒元素の単体または化合物を含む。また、本発明に係る排水処理用触媒は、(C)成分として、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物を含む。上述した好ましい実施形態である(A)成分が触媒基材として用いられる実施形態において、(B)成分および(C)成分は、触媒基材である(A)成分に担持されて、触媒活性成分として機能する。ここで、「触媒活性成分」とは、排水に含まれる有機化合物や窒素化合物などの被酸化物に対する酸化・分解反応速度を増大させる作用(活性作用)を有する成分である。以下では、このような実施形態についてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような実施形態のみに限定されるわけではない。
(B)成分は、鉄、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選択される1種または2種以上の助触媒元素の単体または化合物である。これらの助触媒元素の化合物としては、これらの助触媒元素の酸化物や、これらの助触媒元素を含む複合酸化物などが挙げられる。好ましい実施形態において、(B)成分の助触媒元素を含有する化合物は、(B)成分の助触媒元素の酸化物または当該酸化物を含む混合酸化物もしくは複合酸化物である。ここで、(B)成分の助触媒元素の酸化物としては、Fe、SiO、Al、ZrO、CeOが挙げられる。また、(B)成分の助触媒元素の酸化物を含む複合酸化物としては、Fe−ZrO、SiO−Alなどが挙げられる。
また、(C)成分は、金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物を含むものである。これらの(C)成分を触媒活性成分として含む触媒は排水の湿式酸化において特に優れた活性作用を発揮するため、好ましい。なかでも好ましくは、白金、パラジウムまたはルテニウムが触媒活性成分として用いられる。
触媒活性成分が上記貴金属を含む化合物の形態で使用される場合、触媒活性成分の原料としては、上記から選ばれる貴金属を含むものであれば特に限定されないが、好ましくは水溶性化合物、より好ましくは無機化合物である。またエマルジョンタイプ、スラリー、コロイド状の化合物であってもよく、触媒の調製方法や触媒基材の種類に応じて適宜適した化合物を用いればよい。このことは、(B)成分についても同様である。
例えば、(C)成分の原料として、金を触媒活性成分とする場合には、塩化金酸、シアン化金カリウム、シアン化第二金カリウムなどを用いることができる。また、白金を触媒活性成分とする場合には、白金黒、酸化白金、塩化第一白金、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸ソーダ、亜硝酸白金カリウム、ジニトロジアンミン白金、ヘキサアンミン白金、ヘキサヒドロキシ白金酸、シス−ジクロロジアンミン白金、テトラアンミン白金ジクロライド、テトラアンミン白金水酸塩、ヘキサアンミン白金水酸塩、テトラクロロ白金酸カリウムなどを用いることができる。また、パラジウムを触媒活性成分とする場合には、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、ジニトロジアンミンパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムジクロライド、シス−ジクロロジアンミンパラジウム、パラジウム黒、酸化パラジウム、テトラアンミンパラジウム水酸塩などを用いることができる。また、イリジウムを触媒活性成分とする場合には、塩化イリジウムなどを用いることができる。また、ルテニウムを触媒活性成分とする場合には、例えば塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、ヘキサカルボニル−μ−クロロジクロロジルテニウム、酸化ルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、酢酸ルテニウム、ルテニウム酸カリウム、ヘキサクロロルテニウム酸カリウム、ヘキサアンミンルテニウム三塩化物、テトラオキソルテニウム酸カリウムなどを用いることができる。さらに、(B)成分の原料についても特に制限はなく、例えば、硝酸ジルコニル、硫酸鉄(II)、硫酸アルミニウム、硫酸セリウムなどを用いることができる。
使用する化合物は特にこれらに限定されないが、当業者であれば、上記の化合物から適宜選択して、例えば実施例に記載の方法に従って本発明の触媒を製造することができる。
なお、本発明に係る排水処理用触媒において、(B)成分および(C)成分の原料は上記例示に限定されるものではなく、他の元素やその化合物を任意に組み合わせてさらに含有してもよい。例えば、触媒活性成分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または他の遷移金属をさらに含有してもよい。アルカリ金属としては、Na、KおよびCsが好ましく、アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、SrおよびBaが好ましく、他の遷移金属としては、La、Ce、PrおよびYが好ましい。これらの元素を加えることは、貴金属成分の高分散担持に寄与するため、好ましい。
なお、上記(C)成分と触媒基材としての(A)成分との組み合わせは、好ましくは、Pt−TiO、Pd−TiO、Ru−TiO、Pt−Pd−TiO、Pt−Rh−TiO、Pt−Ir−TiO、Pt−Au−TiO、Pt−Ru−TiO、Pd−Rh−TiO、Pd−Ir−TiO、Pd−Au−TiO、Pd−Ru−TiO、Pt−TiO−ZrO、Pd−TiO−ZrO、Ru−TiO−ZrO、Pt−Pd−TiO−ZrO、Pt−Rh−TiO−ZrO、Pt−Ir−TiO−ZrO、Pt−Au−TiO−ZrO、Pt−Ru−TiO−ZrO、Pd−Rh−TiO−ZrO、Pd−Ir−TiO−ZrO、Pd−Au−TiO−ZrO、Pd−Ru−TiO−ZrO、Pt−Fe−TiO、Pd−Fe−TiO、Ru−Fe−TiO、Pt−Pd−Fe−TiO、Pt−Ir−Fe−TiO、Pt−Au−Fe−TiO、Pt−Ru−Fe−TiO、Pd−Rh−Fe−TiO、Pd−Ir−Fe−TiO、Pd−Au−Fe−TiO、Pd−Ru−Fe−TiO、Pt−TiO−SiO、Pd−TiO−SiO、Ru−TiO−SiO、Pt−Pd−TiO−SiO、Pt−Rh−TiO−SiO、Pt−Ir−TiO−SiO、Pt−Au−TiO−SiO、Pt−Ru−TiO−SiO、Pd−Rh−TiO−SiO、Pd−Ir−TiO−SiO、Pd−Au−TiO−SiO、Pd−Ru−TiO−SiO、Pt−TiO−Al、Pd−TiO−Al、Ru−TiO−Al、Pt−Pd−TiO−Al、Pt−Rh−TiO−Al、Pt−Ir−TiO−Al、Pt−Au−TiO−Al、Pt−Ru−TiO−Al、Pd−Rh−TiO−Al、Pd−Ir−TiO−Al、Pd−Au−TiO−Al、Pd−Ru−TiO−Alなどであることが好ましい。ここで、Pt−TiO等の表記は、触媒中にPtおよびTiOの組成が含まれることを意味する。なお、上記組み合わせ例において、貴金属以外の元素は一般的に安定な酸化物とし、また貴金属は金属としたものを例示したのみであり、本発明の触媒活性成分の組み合わせをこれらに限定する趣旨ではない。
排水中の汚濁物質と空気中の酸素とを触媒上で効率よく接触させて湿式酸化反応を促進させるという観点からは、触媒上に触媒活性成分が微粒子の状態で高分散していることが推奨される。この観点から、触媒に含まれている触媒活性成分の平均粒子径は、好ましくは0.5nm以上であり、より好ましくは0.7nm以上であり、さらに好ましくは1nm以上である。また、触媒に含まれている触媒活性成分の平均粒子径は、好ましくは20nm以下であり、より好ましくは18nm以下であり、さらに好ましくは17nm以下である。触媒活性成分の粒子径が0.5nm以上であれば、触媒活性成分の凝集が抑制され、耐久性の低下が防止される。また、触媒活性成分の粒子径が20nm以下であれば、十分な処理性能を確保することができる。触媒に含まれている触媒活性成分の平均粒子径の測定方法としては、TPD分析(昇温脱離法、Temperature Programmed Desorption)を採用し、COパルス法により化学吸着量を測定して算出するものとする。また、触媒活性成分の個々の粒子径については、触媒表層部を削り取り、透過型電子顕微鏡を用いて10〜100万倍の倍率で観察して確認することもできる。
本発明に係る排水処理用触媒に含まれる各成分の含有量について特に制限はないが、好ましい含有量の一例として、(A)成分の含有量が59〜99.86質量%であり、(B)成分の含有量が0.01〜30質量%であり、(C)成分の含有量が0.01〜5質量%である。また、より好ましい含有量の一例として、(A)成分の含有量が63.3〜99.66質量%であり、(B)成分の含有量が0.2〜28質量%であり、(C)成分の含有量が0.05〜3質量%である。さらに、特に好ましい含有量の一例として、(A)成分の含有量が65.6〜99.28質量%であり、(B)成分の含有量が0.5〜27質量%であり、(C)成分の含有量が0.07〜2質量%である。この際、(A)成分の含有量は、触媒全体の質量から(B)成分および(C)成分並びに後述する硫黄化合物の含有量を減算した残部であり、また、(A)成分と(B)成分との合計は89〜99.96質量%である。なお、(A)成分および(B)成分の含有量については、酸化物の質量に換算した値であり、(C)成分の含有量については、金属単体に換算した値である。
本発明に係る排水処理用触媒は、前記(B)成分の助触媒元素(2種以上の助触媒元素が用いられる場合には、その合計量)について、触媒の外表面から深さ方向に500μm以内の領域における存在割合をX質量%とし、触媒の外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以内の領域における存在割合をY質量%としたときに、X/Yの値が1.1以上である点に特徴の1つを有するものである(特徴1)。
ここで、X/Yの値については、後述する実施例の欄に記載の手法(EPMA(電子プローブマイクロ分析))を用いて算出することができる(後述する図2も参照)。また、X/Yの値は、1.1以上であることが必須であるが、本発明の効果をよりいっそう顕著に発現させるという観点からは、好ましくは1.2以上であり、より好ましくは1.3以上である。なお、X/Yの値の上限値について特に制限はないが、極度に表層に偏在する場合には(B)成分を含有する部分の厚みが薄くなり、十分な効果が得られないという理由から、好ましくは10以下であり、より好ましくは7以下であり、さらに好ましくは4以下である。このように、(B)成分が触媒の表層に偏在することで、(B)成分が触媒の表層を保護する機能が発揮され、触媒の耐摩耗性が向上することにより、触媒性能の向上に寄与するものと考えられる。また、(B)成分自体が助触媒としても機能することで、触媒性能のよりいっそうの向上効果も得られていると考えられる。
さらに、上記X/Yの値を算出する対象としての、(B)成分の助触媒元素について、触媒の外表面から触媒の中心部までの領域における存在割合をZ質量%としたとき、X/Zの値は1.0より大きいことが好ましい。
同様に、(C)成分についても表層に偏在することによって、(B)成分の助触媒としての効果が促進されるという利点がある。かような観点から、(C)成分の触媒活性成分についてのX/Yの値を上記(B)成分と同じ範囲で算出したときに、(C)成分のX/Yについても1.1以上であることが好ましい。
また、本発明に係る排水処理用触媒は、硫黄化合物をSO換算で0.03〜6質量%含有する点にも特徴がある(特徴2)。従来、上述した特徴1を備える排水処理用触媒は知られていたが(例えば、特許文献4など)、本発明者らの検討によれば、当該特徴1を備えていたとしても、硫黄化合物の含有量が上記特徴2で規定される所定の範囲内にない場合には、依然として初期および耐久後の触媒性能が低下してしまうことが判明した。これに対し、上述した特徴1を備えたうえで、硫黄化合物をSO換算で0.03〜6質量%含有することにより、初期および耐久後の触媒性能を十分高い値に維持することが可能となる。なお、特徴2を備えていたとしても特徴1を備えていなければ、やはり耐久後の触媒性能が大きく低下してしまい、さらには触媒の耐摩耗性も低下してしまうため、好ましくない。
本発明に係る排水処理用触媒に含まれる硫黄化合物は、当該(A)成分の製造原料が硫酸チタニルである場合や、(B)成分を含む製造原料として硫酸塩を用いる場合などに、これらの塩に由来して触媒中に含まれることもありうる。これにさらに硫黄添加物(硫酸、亜硫酸、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウムなど)を添加することができる。また、これ以外の場合、例えば(A)成分の製造原料が四塩化チタンである場合や、(B)成分の製造原料が硝酸塩である場合など、硫黄化合物が触媒原料に含まれない場合は、上記の硫黄添加物を添加することによって硫黄を含有させることができる。この際、触媒中に含まれる硫黄化合物の形態としては、硫酸根([SO2−)や亜硫酸根([SO2−)といった形態が挙げられる。このような硫黄化合物が上記所定の含有量で含まれることで触媒性能が向上するメカニズムは完全には明らかではないが、硫黄化合物がある程度含まれることで(A)成分の酸性質が変化して(B)成分を含む水溶液の浸透速度が影響を受け、上述した(B)成分が触媒粒子の表層に偏在することで(つまり、上記X/Yの値が大きくなることで)、触媒の強度が向上し、触媒性能の向上に寄与するものと考えられる。また、硫黄化合物が存在することで(A)成分の強度も高められ、このことが耐摩耗性のよりいっそうの向上に寄与していることも考えられる。
ここで、触媒中の硫黄化合物の含有量については、後述する実施例の欄に記載の装置(蛍光X線分析装置)を用いて測定することができる。また、硫黄化合物の含有量は、SO換算で、好ましくは0.09〜5.7質量%であり、より好ましくは0.15〜5.4質量%である。
本発明に係る排水処理用触媒の好ましい実施形態においては、(C)成分(貴金属成分)の酸化状態もまた、規定される。具体的には、当該(C)成分(貴金属成分)が、金属の単体(例えば、金属Ruや金属Pt)と当該金属の酸化物(例えば、RuOやPtO)との混合物を含むことが好ましい。かような構成とすることで、触媒の初期および耐久後の触媒活性、並びに触媒の耐摩耗性をともにバランスよく向上させることが可能となる。
ここで、(C)成分(貴金属成分)の酸化状態については、後述する実施例の欄に記載の手法を用いてX線吸収微細構造(XAFS:X−ray Absorption Fine Structure)の測定を行い、このうちのX線吸収近傍構造(XANES:X−ray Absorption Near Edge Structure)部分を解析することにより、把握することができる。当該解析によれば、後述する実施例において測定しているような図3や図4に示すグラフが得られる。Ruの酸化状態について解析している図3を例に挙げて説明すると、Ru金属(ゼロ価)およびRuO(4価)のXANESスペクトルをそれぞれの状態の存在割合により重み付けして足し合わせた合成波が、触媒のXANESスペクトルと一致するようにカーブフィット計算を行うことで、触媒中のRu原子全体に占めるRu金属の割合を算出することができる。貴金属の酸化状態は還元条件(処理温度など)によって影響を受けることから、貴金属がすべて金属単体の状態で存在すると貴金属は不安定となり、触媒の耐久性がやや低下することにつながり、一方で、貴金属がすべて酸化物の状態で存在すると、初期の触媒活性がやや低下してしまう。なお、(C)成分の全量に占める金属単体(ゼロ価)での存在割合は、好ましくは4〜98原子%であり、より好ましくは5〜95原子%であり、さらに好ましくは10〜90原子%である。
触媒のサイズについては特に限定されないが、例えば触媒が粒状の場合(以下、「粒状触媒」とも称する)、平均粒子径は2mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上である。平均粒子径が2mm以上であれば、粒状触媒を反応塔に充填した際の圧力損失の増加が防止され、触媒層が排水に含まれる懸濁物によって閉塞される虞が低減される。また、粒状触媒の平均粒子径は10mm以下であることが好ましく、より好ましくは7mm以下である。平均粒子径が10mm以下であれば、粒状触媒について充分な幾何学的表面積を確保することができ、被処理水との接触効率の低下やこれに伴う処理能力の低下の虞が低減される。
触媒の好ましい比表面積は、20m/g以上であり、より好ましくは25m/g以上であり、最も好ましくは30m/g以上である。一方、触媒の比表面積は、好ましくは70m/g以下であり、より好ましくは60m/g以下であり、最も好ましくは55m/g以下である。触媒の比表面積が70m/g以下であれば、触媒の崩壊や活性の低下が抑制される。なお、「触媒の比表面積」の測定方法としては、窒素の吸着を解析するBET法を採用するものとする。
また、例えば触媒をペレット状とした場合(以下、「ペレット状触媒」とも称する)、平均径は2mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上であり、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは6mm以下である。また、上記ペレット状触媒の長手方向の長さは2mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上であり、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下である。ペレット状触媒の平均径が2mm以上、または長手方向の長さが2mm以上であれば、ペレット状触媒を反応塔に充填した際の圧力損失の増加が防止され、触媒層が排水に含まれる懸濁物によって閉塞される虞が低減される。また、ペレット状触媒の平均径が10mm以下、または長手方向の長さが15mm以下であれば、ペレット状触媒について充分な幾何学的表面積を確保することができ、被処理水との接触効率の低下やこれに伴う処理能力の低下の虞が低減される。
本発明に係る排水処理用触媒の製造方法については、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。(A)成分を触媒基材として用い、当該触媒基材に触媒活性成分としての(B)成分および(C)成分を担持する場合、担持方法としては、例えば混練法、含浸法、吸着法、スプレー法、イオン交換法、析出沈殿法等が挙げられる。また、(B)成分および(C)成分を含むスラリーを触媒基材に塗布する方法が用いられてもよい。
また、触媒基材に触媒活性成分としての(B)成分および(C)成分を担持する方法としては、これらの成分を同時に含浸する方法や、逐次的に含浸する方法を適宜選択して実施することができる。このうち、(B)成分を含浸した後に(C)成分を逐次的に含浸させる方法が好ましい。
次いで、含浸後の触媒を乾燥、焼成および/または還元することで、触媒基材としての(A)成分に(B)成分および(C)成分を担持させた触媒を得ることができる。なお、上記触媒の焼成温度は、好ましくは300〜800℃であり、より好ましくは300〜700℃であり、さらに好ましくは400〜700℃である。また、焼成工程に引き続いて、さらに水素または窒素雰囲気下で還元処理を施すことも好ましい。この際、還元温度は、好ましくは100〜600℃であり、より好ましくは150〜600℃であり、さらに好ましくは200〜500℃である。また、還元時間は、好ましくは1〜5時間、より好ましくは2〜5時間、さらに好ましくは2〜4時間である。
以下、本発明に係る排水処理用触媒を使用して排水を処理する実施形態について、排水を湿式酸化処理によって処理する場合を例に挙げて説明する。
本発明に係る排水処理用触媒を用い、湿式酸化処理で処理される排水の種類については、有機化合物、窒素化合物、および硫黄化合物のいずれか1種以上を含有する排水であれば効果的に処理できるが、これらに限定されない。このような排水としては、化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、写真設備等の各種産業プラントから排出される排水や、火力発電や原子力発電などの発電設備などから排出される排水、具体的にはEOG製造設備、メタノール、エタノール、高級アルコールなどのアルコール製造設備から排出される排水、特にアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの脂肪族カルボン酸やそのエステル、あるいはテレフタル酸、テレフタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸エステルの製造プロセスから排出される有機物含有排水などが例示される。またアミンやイミン、アンモニア、ヒドラジン等の窒素化合物を含有している排水でもよい。また、紙・パルプ、繊維、鉄鋼、エチレン・BTX、石炭ガス化、食肉、薬品等の多岐にわたる産業分野の工場より排出される硫黄化合物を含有する排水でもよい。ここでいう硫黄化合物としては、硫化水素、硫化ソーダ、硫化カリ、水硫化ソーダ、チオ硫酸塩、亜硫酸塩等の無機硫黄化合物やメルカプタン類、スルホン酸類等の有機硫黄化合物が例示される。また例えば下水やし尿などの生活排水であってもよい。あるいはジオキサン、ダイオキシン類やフロン類、フタル酸ジエチルヘキシル、ノニルフェノールなどの有機ハロゲン化合物や環境ホルモン化合物等の有害物質を含有している排水でもよい。
なお、本発明における「排水」は、上記したような産業プラントから排出される、いわゆる工業排水に限定されるものではなく、要するに有機化合物、窒素化合物、および硫黄化合物のいずれか1種以上が含まれている液体であれば全て包含され、そのような液体の供給源(発生源)は特に限定されない。
また、本発明に係る排水処理用触媒は、排水の湿式酸化処理に好適に用いられるが、特に排水を加熱し、かつ該排水が液相を保持する圧力下で触媒湿式酸化処理する際に用いることが推奨される。
以下、図1に示す処理装置を用いて排水を処理する方法について説明する。図1は、酸化処理工程の一つとして湿式酸化処理を採用した場合の排水の処理装置の一実施態様を示す概略図であるが、本発明で用いられる装置をこれに限定する趣旨ではない。
排水供給源から供給される排水は、排水供給ライン6を通して排水供給ポンプ5に供給され、さらに加熱器3に送られる。この際の空間速度は特に限定されず、触媒の処理能力によって適宜決定すればよい。
本発明に係る排水処理用触媒を用いた場合、湿式酸化処理は酸素含有ガスの存在下または不存在下のいずれの条件でも行うことができるが、排水中の酸素濃度を高めると排水中に含まれる被酸化物の酸化・分解効率を向上させることができるので、排水に酸素含有ガスを混入させることが好ましい。
酸素含有ガスの存在下に湿式酸化処理を行う場合には、例えば酸素含有ガスを酸素含有ガス供給ライン8から導入し、コンプレッサー7で昇圧した後、排水が加熱器3に供給される前に排水に混入することが好ましい。本発明において「酸素含有ガス」とは、分子状酸素および/またはオゾンを含有するガスであり、そのようなガスであれば純酸素、酸素富化ガス、空気、過酸化水素水、他のプラントで生じた酸素含有ガス等でもよく、酸素含有ガスの種類は特に限定されないが、経済的観点からこれらの中でも空気を用いることが推奨される。
酸素含有ガスを排水へ供給する場合の供給量は特に限定されず、排水中の被酸化物を酸化・分解処理する能力を高めるのに有効な量を供給すればよい。酸素含有ガスの供給量は、例えば酸素含有ガス流量調節弁9を酸素含有ガス供給ライン8上に設けることによって排水への供給量を適宜調節することができる。好ましい酸素含有ガスの供給量は、排水中の被酸化物の理論酸素要求量の0.5倍以上、より好ましくは0.7倍以上であり、好ましくは5.0倍以下、より好ましくは 3.0倍以下とすることが推奨される。
なお、本発明において「理論酸素要求量」とは、排水中の有機化合物や窒素化合物などの被酸化物を窒素、二酸化炭素、水、灰分にまで酸化および/または分解するのに必要な酸素量のことであり、本発明では化学的酸素要求量(COD(Cr))によって理論酸素要求量を示す。
加熱器3に送られた排水は予備加熱された後、電気ヒーター2を備えた反応塔1に供給される。排水を高温にしすぎると反応塔内で排水がガス状態となるため、触媒表面に有機物などが付着し、触媒の活性が劣化することがある。従って高温下でも排水が液相を保持できるように反応塔内に圧力を加えることが推奨される。また他の条件にも影響されるが、反応塔内で排水の温度が370℃を超えた場合、排水の液相状態を保持するために高い圧力を加えなければならず、このような場合、設備が大型化することがあり、またランニングコストが上昇することがあるので、反応塔内での排水の温度はより好ましくは270℃以下、さらに好ましくは230℃以下、よりさらに好ましくは170℃以下である。一方、排水の温度が80℃未満では排水中の被酸化物の酸化・分解処理を効率的に 行うことが困難になることがあるので、反応塔内での排水の温度は好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。
なお、排水を加熱する時期は特に限定されず、上述した通り予め加熱した排水を反応塔内に供給してもよいし、あるいは、排水を反応塔内に供給した後に加熱してもよい。また排水の加熱方法についても特に限定されず、加熱器、熱交換器を用いてもよく、また反応塔内にヒーターを設置して排水を加熱してもよい。さらに蒸気などの熱源を排水に供給してもよい。
また、湿式酸化処理装置の排ガス出口側に圧力調整弁を設け、反応塔内で排水が液相を保持できるように処理温度に応じて圧力を適宜調節することが好ましい。例えば、処理温度が80℃以上、95℃未満の場合には、大気圧下においても排水は液相状態であり、経済性の観点から大気圧下でもよいが、処理効率を向上させるためには加圧することが好ましい。また処理温度が95℃以上の場合、大気圧下では排水が気化することが多いため、処理温度が95℃以上、170℃未満の場合、0.2〜1MPa(Gauge)程度の圧力、処理温度が170℃以上、230℃未満の場合、1〜5MPa(Gauge)程度の圧力、また処理温度が230℃以上の場合、5MPa(Gauge)超の圧力を加え、排水が液相を保持できる様に圧力を制御することが好ましい。
なお、本発明で用いられる湿式酸化処理において、反応塔の数、種類、形状等は特に限定されず、通常の湿式酸化処理に用いられる反応塔を単数で、または複数組合せて用いることができ、例えば単管式の反応塔や多管式の反応塔などを用いることができる。また複数の反応塔を設置する場合、目的に応じて反応塔を直列または並列にするなど任意の配置とすることができる。
排水の反応塔への供給方法としては、気液上向並流、気液下向並流、気液向流など種々の形態を用いることができ、また複数の反応塔を設置する場合はこれらの供給方法を2以上組合せてもよい。
反応塔内での湿式酸化処理に上述した触媒を用いると、排水中に含まれる有機化合物、窒素化合物、および硫黄化合物のいずれか1種以上等の被酸化物の酸化・分解処理効率が向上するとともに、長期間優れた触媒活性、触媒耐久性を維持し、しかも排水は高レベルに浄化された処理水として得ることができる。
反応塔内に充填する触媒の充填量は特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。通常は、触媒層あたりの空間速度で0.1hr−1〜10hr−1、より好ましくは0.2hr−1〜5hr−1、さらに好ましくは0.3hr−1〜3hr−1となるように触媒の充填量を調整することが推奨される。空間速度が0.1hr−1以上であれば、触媒の処理量を確保することができ、設備の大型化を回避することができる。また、空間速度が10hr−1以下であれば、反応塔内での排水の酸化・分解処理を十分に行うことができる。
複数の反応塔を用いる場合、それぞれ別の触媒を用いてもよく、また触媒を充填した反応塔と、触媒を用いない反応塔とを組合せることもでき、本発明の触媒の使用方法は特に限定されるものではない。充填する触媒の形状は特に限定されないが、ハニカム状触媒またはペレット状触媒を用いることが好ましい。また、反応塔内には気液の攪拌、接触効率の向上、気液の偏流低減等を目的として、種々の充填物、内作物などを組み込んでもよい。
排水中の被酸化物は反応塔内で酸化・分解処理されるが、本発明において「酸化・分解処理」とは、酢酸を二酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を二酸化炭素とメタンにする脱炭酸分解処理、硫化物や水硫化物、亜硫酸塩、チオ硫酸塩を硫酸塩にする酸化処理、ジメチルスルホキシドを二酸化炭素、水、硫酸イオンなどの灰分にする酸化および酸化分解処理、尿素をアンモニアと二酸化炭素にする加水分解処理、アンモニアやヒドラジンを窒素ガスと水にする酸化分解処理、ジメチルスルホキシドをジメチルスルホンやメタンスルホン酸にする酸化処理などが例示され、即ち易分解性の被酸化物を窒素ガス、二酸化炭素、水、灰分などにまで分解する処理や、難分解性の有機化合物や窒素化合物を低分子量化する分解処理、もしくは酸化する酸化処理など種々の酸化および/または分解を含む意味である。
なお、湿式酸化処理を経て得られた処理液中には、被酸化物のうち難分解性の有機化合物が低分子化されて残存していることが多く、低分子化された有機化合物としては低分子量の有機酸、特に酢酸が残留していることが多い。
図1に具体的にその処理例を示すが、排水は反応塔で酸化・分解処理された後、処理液ライン10から処理液として取り出され、必要に応じて冷却器4で適度に冷却された後、気液分離器11によって気体と液体に分離される。その際、液面コントローラーLCを用いて液面状態を検出し、液面制御弁13によって気液分離器内の液面が一定となるように制御することが好ましい。また、圧力コントローラーPCを用いて圧力状態を検出し、圧力制御弁12によって気液分離器内の圧力が一定となるように制御することが好ましい。
あるいは、排水を酸化・分解処理した後、処理液を冷却せずに、冷却器である程度冷却した後に、圧力制御弁を介して排出し、その後で、気液分離器によって気体と液体に分離してもよい。
ここで、気液分離器内の温度は、特に限定されないが、反応塔で排水を酸化・分解処理して得られた処理液中には二酸化炭素が含有されているため、例えば気液分離器内の温度を高くして排水中の二酸化炭素を放出させたり、あるいは気液分離器で分離した後の液体を空気等のガスでバブリング処理したりすることにより液体中の二酸化炭素を放出することが好ましい。
処理液の温度制御には、処理液を気液分離器11に供給する前に熱交換器(図示せず)、冷却器4などの冷却手段によって冷却してもよく、あるいは気液分離後に熱交換器(図示しない)や冷却器(図示しない)などの冷却手段を設けて処理液を冷却してもよい。
気液分離器11で分離して得られた液体(処理液)は、処理液排出ライン15から排出される。排出された液体はさらに生物処理や膜分離処理など種々の公知の工程に付してさらに浄化処理を施してもよい。さらに湿式酸化処理を経て得られた処理液の一部を、湿式酸化処理に付す前の排水に直接戻したり、あるいは排水供給ラインの任意の位置から排水に供給したりして湿式酸化処理に付してもよい。例えば湿式酸化処理を経て得られた処理液を排水の希釈水として用いて、排水のTOD濃度やCOD濃度を低下させてもよい。また、気液分離器11で分離して得られた気体は、ガス排出ライン14から外界に排出される。なお、排出された排ガスをさらに別の工程に付すこともできる。また、本発明で用いられる湿式酸化処理を行うに当たり、加熱器および冷却器には熱交換器を用いることもでき、これらを適宜組合せて使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明の実施形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例に限定して解釈されるべきではない。
ここではまず、触媒調製例および比較調製例における、各種分析方法を以下に示す。
<(B)成分および(C)成分の分布状態の測定>
触媒内部に存在する(B)成分および(C)成分の量の割合については、EPMA(電子プローブマイクロ分析)を用いて測定を行った。例えば(B)成分の場合、EPMAにより触媒断面における(B)成分の量を線分析し、触媒全体における(B)成分の面積に対する、触媒表面から深さ500μm以内の領域に存在する(B)成分の面積が占める割合をX質量%とし、深さ500μmを超えて1000μm以内の領域に存在する(B)成分の面積が占める割合をY質量%として求め、XをYで除することにより、X/Yの値を算出することができる。
分析装置:島津製作所製EPM−810
X線ビーム直径:1μm
加速電圧:20kV
試料電流:0.1μm
試料スキャン速度:200μm/分。
<触媒中の主成分量の測定>
触媒中の(A)成分、(B)成分、(C)成分、並びに硫黄の含有量の測定については、蛍光X線分析装置 S8 TIGER(BRUKER社製)を用いて行った。
<(C)成分の酸化状態の評価>
財団法人高輝度光科学研究センター 大型放射光施設 SPring−8等の放射光施設を利用して、X線吸収微細構造(XAFS:X−ray Absorption Fine Structure)の測定を行い、このうちのX線吸収近傍構造(XANES:X−ray Absorption Near Edge Structure)部分を解析することにより、(C)成分の酸化状態の評価を行った。
例えばRuの場合、Ru金属(ゼロ価)およびRuO(4価)のK吸収端におけるXANESスペクトルに割合をかけて足し合わせた合成波と、触媒のXANESスペクトルとが一致するようにカーブフィット計算を行うことで、Ru全体に占めるRu金属の割合を求めることができる。
[実施例1]
(触媒調製例1)
触媒調製には、硫黄を含まないチタンの酸化物(チタニア)のペレット状成形担体を用いた。該担体は平均直径5mm、平均長さ6mm、比表面積はBET法で50m/g、該成形担体のチタンの酸化物の結晶構造はアナターゼ型であった。
該担体を常時動かしながら、硝酸ルテニウムと硝酸ジルコニル(ZrO(NO・2HO)と硫酸アンモニウムとの混合水溶液を吹き付けて担持させた後、90℃の熱風気流中で回転させながら1時間乾燥し、空気中300℃で3時間焼成を行い、水素と窒素との混合ガス(水素:5体積%)中、300℃で3時間水素還元を行うことで触媒(A−1)を得た。
得られた触媒(A−1)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Ru:SO=93.7:3.5:1.3:1.5であった。
(触媒調製例2)
触媒調製例1で使用した担体を用い、該担体を常時動かしながら、硝酸ジルコニルと硫酸アンモニウムとの混合水溶液を吹き付けて担持させた後、90℃の熱風気流中で回転させながら1時間乾燥し、空気中600℃で3時間焼成を行った。次いで、同様に硝酸ルテニウム水溶液を吹き付けて担持させた後、90℃の熱風気流中で回転させながら1時間乾燥し、水素と窒素との混合ガス(水素:5体積%)中、300℃で3時間水素還元を行うことで触媒(A−2)を得た。
得られた触媒(A−2)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Ru:SO=93.7:3.5:1.3:1.5であった。なお、触媒(A−2)における(B)成分であるジルコニウム(Zr)の分布状態についてEPMAにより分析した結果を図2に示す。また、触媒(A−2)における(C)成分であるルテニウム(Ru)の酸化状態についてRu−K吸収端XANESにより分析した結果を図3に示す。カーブフィット計算の結果、触媒(A−2)中のルテニウム(Ru)全体に占める、金属状態のルテニウム(Ru)の割合は90質量%であった。
(触媒調製例3)
硝酸ルテニウムの代わりに硝酸白金を使用したこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−3)を得た。
得られた触媒(A−3)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pt:SO=93.7:3.5:1.3:1.5であった。なお、触媒(A−3)における(C)成分である白金(Pt)の酸化状態についてPt−LIII吸収端XANESにより分析した結果を図4に示す。カーブフィット計算の結果、触媒(A−3)中の白金(Pt)全体に占める、金属状態の白金(Pt)の割合は70質量%であった。
(触媒調製例4)
硝酸ジルコニルの代わりに硫酸鉄(II)を使用し、硝酸ルテニウムの代わりに硝酸パラジウムを使用したこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−4)を得た。
得られた触媒(A−4)の主成分およびその質量比はTiO:Fe:Pd:SO=91.0:3.5:1.3:4.2であった。
(触媒調製例5)
硝酸ジルコニルの代わりに硫酸アルミニウムと硫酸セリウムとの混合物を使用し、硝酸ルテニウムの代わりに塩化金酸を使用したこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−5)を得た。
得られた触媒(A−5)の主成分およびその質量比はTiO:Al:CeO:Au:SO=89.8:1.75:1.75:1.3:5.4であった。
(触媒調製例6)
硝酸ジルコニルと硫酸アンモニウムとの混合水溶液の代わりにケイ酸ナトリウム水溶液を使用し、硝酸ルテニウムの代わりに硫酸イリジウムを使用したこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−6)を得た。
得られた触媒(A−6)の主成分およびその質量比はTiO:SiO:Ir:SO=95.05:3.5:1.3:0.15であった。
(触媒調製例7)
純水4Lに硝酸ジルコニル(ZrO(NO)2・2HO)1.29kgを溶解させ、81.6質量%(TiO換算)メタチタン酸(HTiO ;3質量%のSO を含有)1.11kgを加えて均一に混合しつつ80℃で乾燥した。得られたゲルを600℃まで5時間かけて昇温した後、その温度(600℃)に5時間保持した。さらに、720℃まで8時間かけて昇温した後、その温度(720℃)に2時間保持した。生成した焼成物をハンマーミルにて粉砕し、Ti−Zr複合酸化物粉体1を調製した。調製されたTi−Zr複合酸化物粉体1に成形助剤および適量の純水を加え、ニーダーを用いて混練した後、直径5mm、長さ6mmの円柱状に押出成形した。その後、150℃で乾燥し、さらに450℃で5時間焼成してペレット状担体を得た。
得られたペレット状担体を常時動かしながら、硝酸鉄(III)水溶液を吹き付けて担持させた後、90℃の熱風気流中で回転させながら1時間乾燥し、空気中、600℃で3時間焼成を行った。次いで、硝酸白金と硝酸パラジウムとの混合水溶液を吹き付けて担持させた後、90℃の熱風気流中で回転させながら1時間乾燥し、水素と窒素との混合ガス(水素:5体積%)中、300℃で3時間水素還元を行うことで触媒(A−7)を得た。
得られた触媒(A−7)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Fe:Pt:Pd:SO=73.7:20:3.5:0.65:0.65:1.5であった。
(比較調製例1)
硫酸アンモニウムを添加しなかったこと以外は、上述した触媒調製例1と同じ方法で触媒(B−1)を調製した。
得られた触媒(B−1)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Ru=95.2:3.5:1.3(硫黄は含有せず)であった。
(比較調製例2)
硫酸アンモニウムを添加しなかったこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(B−2)を調製した。得られた触媒(B−2)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Ru=95.2:3.5:1.3(硫黄は含有せず)であった。
(比較調製例3)
硫黄を含まないチタニア粉体に、硝酸ジルコニル水溶液、硫酸アンモニウム、成形助剤、および適量の純水を加え、ニーダーを用いて混練した後、直径5mm、長さ6mmの円柱状に押出成形した。その後、150℃で乾燥し、さらに600℃で5時間焼成してペレット状担体を得た。
得られたペレット状担体を常時動かしながら、硝酸ルテニウム水溶液を吹き付けて担持させた後、90℃の熱風気流中で回転させながら1時間乾燥し、水素と窒素との混合ガス(水素:5体積%)中、300℃で3時間水素還元を行うことで触媒(B−3)を得た。
得られた触媒(B−3)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Ru:SO=93.7:3.5:1.3:1.5であった。
(比較調製例4)
硫黄を含まないチタニア粉体に、硝酸ルテニウム水溶液、硝酸ジルコニル水溶液、硫酸アンモニウム、成形助剤、および適量の純水を加え、ニーダーを用いて混練した後、直径5mm、長さ6mmの円柱状に押出成形した。その後、150℃で乾燥し、さらに600℃で5時間焼成した後、水素と窒素との混合ガス(水素:5体積%)中、300℃で3時間水素還元を行うことで触媒(B−4)を得た。
得られた触媒(B−4)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Ru:SO=93.7:3.5:1.3:1.5であった。
上記で得られた触媒(A−1)〜(A−7)、および(B−1)〜(B−4)について、EPMAにより測定した(B)成分の分布状態(X/Yの値)の測定結果、および触媒のBET比表面積の測定結果を下記の表1に示す。また、代表的なサンプルについては、(C)成分の分布状態についても同様にX/Yの値を測定したことから、これらの結果も併せて下記の表1に示す。なお、触媒(A−5)および(A−7)の(B)成分の面積比X/Yは、全ての(B)成分の合計量から求めた値である。
[触媒の評価]
上記の触媒調製例および比較調製例で得られた触媒を用い、図1に示す装置を使用して、下記の条件で5000時間、排水の処理を行い、触媒の性能を評価した。
まず、反応塔(内径26mm、長さ3000mmの円筒状)内部に触媒を1.2L充填した。処理に供した排水は、化学プラントから排出された、主に1,4−ジオキサン、および酢酸を含有する排水で、COD(Cr)は40g/Lであった。この排水を、排水供給ライン6を通して排水供給ポンプ5に供給し、3.5L/hの流量で昇圧供給した後、加熱器3で260℃に加熱して反応塔1の底部から供給した。また、空気を酸素含有ガス供給ライン8から供給し、コンプレッサー7で昇圧した後、O/COD(Cr)((1時間当たりの供給ガス中の酸素量)/(1時間当たりの排水の化学的酸素要求量))=1.25となるように酸素含有ガス流量調節弁9で流量を制御し、加熱器3の手前で排水に混入した。なお、反応塔1では気液上向並流で処理を行った。反応塔1では、電気ヒーター2を用いて排水の温度を260℃に保温し、酸化・分解処理を実施した。得られた処理液は処理液ライン10を経て気液分離器11に送り気液分離した。この際、気液分離器11の内部において液面コントローラーLCを用いて液面を検出し、一定の液面を保持するように液面制御弁13から処理液を排出した。また、圧力制御弁12の圧力を、圧力コントローラーPCを用いて検出し、8.2MPa(Gauge)の圧力を保持するように制御した。
この評価では、下記の数式1に従い、「COD(Cr)除去率」を算出し、これを処理率として評価した。この「COD(Cr)除去率」は、処理前の排水のCOD(Cr)40g/Lのうち、触媒による処理によって除去された割合を百分率で示したものである。また、「COD(Cr)除去率」は、排水の処理直後および5000時間後の双方について測定した。得られた結果を下記の表2に示す。
また、この評価では、下記の数式2に従い、触媒の「摩耗減少率」を算出した。この「摩耗減少率」は、処理に用いた触媒の質量のうち、5000時間の排水処理反応後に摩耗によって減少した質量の割合を百分率で示したものである。なお、「反応後質量」は、5000時間の排水処理反応後の触媒を純水で洗浄した後、150℃で15時間以上乾燥した後に測定した質量である。得られた結果を下記の表2に示す。
表2に示す結果から、(B)成分の分布状態を示すX/Yの値、および硫黄含有量を所定の範囲内の値とすることで、5000時間後の処理率(COD(Cr)除去率)がきわめて高い値に維持されることがわかる。また、各触媒調製例で得られた触媒の摩耗減少率の値は、各比較調製例で得られた触媒の摩耗減少率の値よりも格段に小さいことから、各触媒調製例の触媒を用いた場合に長期にわたって処理率(COD(Cr)除去率)が高い値に維持されているのは、触媒自体の耐摩耗性(耐久性)が向上していることによるものと考えられる。
また、触媒(B−4)については、初期の処理率が明らかに低いことから、(C)成分の分布状態は主に初期の処理性能に大きく影響するものと考えられる。
[実施例2]
次に、(B)成分の含有量による影響の比較を目的として、以下のような実験を行った。
(触媒調製例8)
硝酸ジルコニルの添加量を少なくしたこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−8)を得た。
得られた触媒(A−8)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pt:SO=96.7:0.5:1.3:1.5であった。
(触媒調製例9)
硝酸ジルコニルの添加量を多くしたこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−9)を得た。
得られた触媒(A−9)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pt:SO=72.2:25:1.3:1.5であった。
(比較調製例5)
硝酸ジルコニルを添加しなかったこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(B−5)を得た。
得られた触媒(B−5)の主成分およびその質量比はTiO:Pt:SO=97.2:1.3:1.5であった。
(比較調製例6)
硝酸ジルコニルの添加量をさらに多くしたこと以外は、上述した触媒調製例9と同じ方法で触媒(B−6)を得た。
得られた触媒(B−6)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pt:SO=62.2:35:1.3:1.5であった。

上記で得られた触媒(A−8)〜触媒(A−9)、並びに触媒(B−5)および触媒(B−6)について、触媒のBET比表面積の測定結果、触媒中の硫黄含有量、およびEPMAにより測定した(B)成分の分布状態(X/Yの値)の測定結果を、表1に記載の触媒(A−2)と対比する形で下記の表3に示す。なお、触媒中の(B)成分の含有量についても併せて下記の表3に示す。
さらに、上記で得られた触媒(A−8)〜触媒(A−9)、並びに触媒(B−5)および触媒(B−6)について、上述した実施例1と同じ方法で「初期処理率」「5000時間後処理率」および「摩耗減少率」を測定した。これらの測定結果を、表2に記載の触媒(A−2)の結果と対比する形で下記の表4に示す。
表4に示す結果から、触媒が(B)成分を含まない場合には触媒の耐久性が低いことがわかる。また、(B)成分の分布状態を示すX/Yの値および硫黄含有量が所定の範囲内の値であっても、(B)成分の含有量が多すぎる場合には初期および5000時間後の処理率がやや低下することから、(B)成分の含有量は、触媒の全質量に対して30質量以下が好ましいことがわかる。
[実施例3]
次に、(C)成分の酸化状態による影響の比較を目的として、以下のような実験を行った。
(触媒調製例10)
硝酸ルテニウムの代わりに硝酸白金を使用し、300℃で3時間水素還元を行う代わりに、300℃で3時間空気雰囲気下で処理を行ったこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−10)を得た。
得られた触媒(A−10)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pt:SO=93.7:3.5:1.3:1.5であった。
(触媒調製例11)
硝酸ルテニウムの代わりに硝酸白金を使用し、水素還元の温度を100℃に変更したこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−11)を得た。得られた触媒(A−11)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pt:SO=93.7:3.5:1.3:1.5であった。
(触媒調製例12)
硝酸ルテニウムの代わりに硝酸白金を使用し、水素還元の温度を600℃に変更したこと以外は、上述した触媒調製例2と同じ方法で触媒(A−12)を得た。得られた触媒(A−12)の主成分およびその質量比はTiO:ZrO:Pt:SO=94.0:3.5:1.3:1.2であった
上記で得られた触媒(A−10)〜触媒(A−12)について、触媒のBET比表面積の測定結果、触媒中の硫黄含有量、およびEPMAにより測定した(B)成分の分布状態(X/Yの値)の測定結果を、表1に記載の触媒(A−2)および触媒(A−3)と対比する形で下記の表5に示す。なお、触媒中の「金属状態である(C)成分の割合」についても併せて下記の表5に示す。
さらに、上記で得られた触媒(A−10)〜触媒(A−12)について、上述した実施例1と同じ方法で「初期処理率」「5000時間後処理率」および「摩耗減少率」を測定した。これらの測定結果を、表2に記載の触媒(A−2)および触媒(A−3)の結果と対比する形で下記の表6に示す。
表6に示す結果から、触媒(A−10)や触媒(A−12)のように、金属状態である(C)成分の割合が極端に少ないか、または極端に多い場合には、初期または耐久後の処理率が若干低下する傾向がみられる。ただし、(B)成分の分布状態を示すX/Yの値、および硫黄含有量が所定の範囲内の値であれば、(C)成分の酸化状態にかかわらず、5000時間後のCOD(Cr)除去率が良好な値に維持されることがわかる。
1…反応塔、
2…電気ヒーター、
3…加熱器、
4…冷却器、
5…排水供給ポンプ、
6…排水供給ライン、
7…コンプレッサー、
8…酸素含有ガス供給ライン、
9…酸素含有ガス流量調節弁、
10…処理液ライン、
11…気液分離器、
12…圧力制御弁、
13…液面制御弁、
14…ガス排出ライン、
15…処理液排出ライン、
LC…液面コントローラー、
PC…圧力コントローラー。

Claims (7)

  1. 固体触媒を用いた湿式酸化法による排水の処理に用いられる排水処理用触媒であって、
    チタン含有化合物(A)と、
    鉄、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびセリウムからなる群から選択される1種または2種以上の助触媒元素の単体または化合物(B)と、
    金、白金、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の元素の単体または化合物(C)と、
    を含有し、かつ、
    前記(B)成分の助触媒元素について、触媒の外表面から深さ方向に500μm以内の領域における存在割合をX質量%とし、触媒の外表面から深さ方向に500μmを超えて1000μm以内の領域における存在割合をY質量%としたときに、X/Yの値が1.1以上であり、かつ、
    硫酸根([SO 2− )または亜硫酸根([SO 2− )を有する硫黄化合物をSO換算で0.03〜6質量%含有し、
    平均粒子径が2〜10mmの粒状触媒であることを特徴とする、排水処理用触媒。
  2. 前記(C)成分が、金属の単体と当該金属の酸化物との混合物を含む、請求項1に記載の排水処理用触媒。
  3. 触媒の全質量に対して、前記(A)成分の含有量が59〜99.86質量%であり、前記(B)成分の含有量が0.1〜30質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.01〜5質量%である(ただし、成分Aと成分Bとの合計は89〜99.96質量%である)、請求項1または2に記載の排水処理用触媒。
  4. 比表面積が20〜70m/gである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水処理用触媒。
  5. 触媒組成に銅(Cu)を含まない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水処理用触媒。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の触媒を用いて、湿式酸化法により排水を処理する排水処理工程を含む、排水の処理方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の触媒を、触媒層あたり空間速度0.1〜10hr−1となるように反応塔に充填し、理論酸素要求量の0.5〜3.0倍の酸素含有ガスとともに排水を加熱して反応塔に供給し、反応塔を80〜370℃に加熱して触媒により排水を酸化・分解処理し、得られた処理液を気液分離することを含む、請求項6に記載の処理方法。
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