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JP6658675B2 - 水性インクジェットインキ - Google Patents

水性インクジェットインキ Download PDF

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JP6658675B2
JP6658675B2 JP2017114503A JP2017114503A JP6658675B2 JP 6658675 B2 JP6658675 B2 JP 6658675B2 JP 2017114503 A JP2017114503 A JP 2017114503A JP 2017114503 A JP2017114503 A JP 2017114503A JP 6658675 B2 JP6658675 B2 JP 6658675B2
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真広 杉原
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Description

本発明は、難吸収性基材等の印刷基材上において、インキの濡れ性不足に起因する白抜け、及び、色相の異なるインキ液滴の合一に起因する色境界にじみや凝集むらのない、高品質な印刷物を作成可能であり、かつ、保存安定性や、インクジェットノズルからの吐出性に優れた水性インクジェットインキに関する。
デジタル印刷は、オフセット印刷等の従来の有版印刷とは違い、版を必要としないことから、コスト削減や省スペース化が実現可能である。中でもインクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出、付着させて文字や画像を得るものである。この方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性やカラー化が容易であり、かつ記録部材として紙基材を使用することができるという利点があるため、オフィスや家庭での出力機として広く用いられている。
またインクジェット技術の向上により、産業用途においてもデジタル印刷の出力機としての利用が期待され、実際にポリ塩化ビニル、PET等のプラスチック基材に対し、溶剤インキやUVインキを印刷する装置が市販されている。しかし近年、環境や人に対する有害性への配慮・対応といった点から、溶剤やモノマーに対する使用規制が進められており、代わりとして水性インキの需要が高まっている。
インクジェット用の水性インキとして、特許文献1、2、3のように、普通紙や写真光沢紙のような専用紙を印刷対象としたものの開発が古くからなされている。一方近年では、インクジェット記録方式の用途拡大が期待されており、アート紙、コート紙、微塗工紙のような難吸収性基材への直接印刷のニーズが高まっている。
しかし、水性インキの主溶媒である水は表面張力が高いため、上記のような難吸収性基材上では濡れ広がりにくく、また基材中への浸透もしにくいことから、難吸収性基材上に印刷を行う際、濡れ広がりが不十分であることに起因する白抜け、及び、色相の異なる未乾燥のインキ液滴同士が合一することに起因する色境界にじみや凝集むらが発生し、画質の低下につながっていた。
一般に、濡れ広がり性の改善には界面活性剤が用いられる。例えば特許文献4には、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用することで、フェザリング等の画像欠陥を抑制し画質を改善するとともに、インクジェットノズルからの吐出特性の低下を抑制したインキが開示されている。確かにこの方法によれば、上記特許文献4で用いられているXEROX社製4200紙等の吸水性の高い基材に対しては、フェザリング抑制効果は見られるものの、本発明において課題としている、コート紙等の難吸収性基材に対しては、白抜け、色境界にじみや凝集むらを抑えることができない。上記界面活性剤では、インキを十分に濡れ広がらせることができず、また、乾燥性不足に起因するインキ液滴同士の合一が生じやすいためだと考えられる。
以上のように従来は、特に難吸収性基材に対し、白抜け、色境界にじみや凝集むらのない、高品質な印刷物を作成可能であり、かつ、インクジェットノズルからの吐出性に優れた水性インクジェットインキは存在しない状況であった。
特開2001−354888号公報 特開2004−210996号公報 特開2008−247941号公報 特開2012−211260号公報
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、難吸収性基材等の印刷基材上において、インキの濡れ性不足に起因する白抜け、及び、色相の異なるインキ液滴の合一に起因する色境界にじみや凝集むらのない、高品質な印刷物を作成可能であり、かつ、保存安定性や、インクジェットノズルからの吐出性に優れた水性インクジェットインキを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね、特定のHLB値を有する有機溶剤と界面活性剤を併用することを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち本発明は、少なくとも、顔料、顔料分散樹脂、バインダー樹脂、水溶性有機溶剤、および、界面活性剤(A)を含む水性インクジェットインキであって、
前記バインダー樹脂が、酸価1〜80mgKOH/gである水溶性樹脂であり、
前記水溶性有機溶剤としてグリフィン法によるHLB値が8以下である水溶性有機溶剤を水性インクジェットインキ全量に対し10〜50重量%含有し、
前記界面活性剤(A)が、グリフィン法によるHLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)を含有し、
前記HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量が、水性インクジェットインキ全量に対し0.5〜5.0重量%であることを特徴とする、水性インクジェットインキに関する。
また本発明は、前記界面活性剤(A)が、更にグリフィン法によるHLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)を含有することを特徴とする、上記記載の水性インクジェットインキに関する。
また本発明は、前記界面活性剤(A)が、更にグリフィン法によるHLB値が8〜20であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)を含有することを特徴とする、上記記載の水性インクジェットインキに関する。
また本発明は、前記HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)の含有量と、前記HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量との比が、0.2:1.0〜3.3:1.0であることを特徴とする、上記記載の水性インクジェットインキに関する。
また本発明は、前記HLB値が8以上20以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)の含有量と、前記HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量との比が、0.1:1.0〜2.0:1.0であることを特徴とする、上記記載の水性インクジェットインキに関する。
また本発明は、前記HLB値が8以下である水溶性有機溶剤が、ポリオール系溶剤を含むことを特徴とする、上記記載の水性インクジェットインキに関する。
また本発明は、前記水溶性樹脂が、炭素数8〜36のアルキル鎖を有することを特徴とする、上記記載の水性インクジェットインキに関する。

また本発明は、前記水溶性樹脂の含有量が、水性インクジェットインキ全量に対し0.5〜10重量%であることを特徴とする、上記記載の水性インクジェットインキに関する。
また本発明は、上記記載の水性インクジェットインキが、基材上に印刷されてなる印刷物に関する。
本発明により、難吸収性基材等の印刷基材上において、インキの濡れ性不足に起因する白抜け、及び、色相の異なるインキ液滴の合一に起因する色境界にじみや凝集むらのない、高品質な印刷物を作成可能であり、かつ、保存安定性や、インクジェットノズルからの吐出性に優れた水性インクジェットインキを提供することが可能となった。
以下に、本発明のインクジェットインキ(以下、単に「インキ」とも記載する)の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される変形例も含まれる。また、特に断りのない限り、「部」「%」は、「重量部」「重量%」を表す。
従来技術でも説明した通り、水性インキの主溶媒である水は表面張力が高く、基材に対し濡れ広がりにくい特性を有しており、白抜け、色境界にじみや凝集むらといった画像品質の悪化の原因となる。画像品質を向上させるためには、インキの表面張力を低下させることが有効であり、一般的に、界面活性剤や疎水性水溶性溶剤がインキ中に添加され、表面張力の低下が図られている。しかしながらただ表面張力を低下させただけでは、濡れ広がったインキ液滴同士が合一することで、やはり色境界にじみや凝集むらが発生してしまい、画像品質の改善にはつながらない。また上記材料を過剰に使用すると、インキ中の顔料が凝集し保存安定性の低下につながったり、インクジェットノズルからインキが溢れてしまったりすることで吐出性が悪化してしまうといった、他の問題も生じてしまう。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討した結果、特定のHLB値を有する有機溶剤と界面活性剤を併用することで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明では、グリフィン法によるHLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)を使用することを特徴の一つとする。HLB値は材料の親水・疎水性を表す指標であり、HLB値が特に小さいアセチレンジオール系界面活性剤(a1)は、記録媒体上に着弾後、数十マイクロ秒以下という極微小の時間でインキ液滴表面に配向し、インキの濡れ性を著しく向上させるとともに、着弾直後〜初期における液滴同士の合一を抑制しているものと考えられる。また、インキ液滴が素早く濡れ広がることで表面積が大きくなり、乾燥や基材への浸透の効率を向上させることで、やはりインキ液滴の合一抑制に寄与していると考えられる。
一方、上記のようにHLBが小さい、すなわち疎水性が強い材料を水性インキに使用すると、経時による分離や、他の材料に影響を及ぼすことによる保存安定性の悪化といった問題が生じてしまう。そこで本発明では、更にHLB値が8以下である水溶性有機溶剤を一定量添加し、上記問題点の解決を図っている。中程度の疎水性である水溶性有機溶剤を併用することで、上記のアセチレンジオール系界面活性剤(a1)がインキ中に相溶化し、分離することなく安定に存在できるとともに、他の材料への影響も最小限となり、結果として保存安定性や吐出性が改善するものと考えられる。
以上のように、白抜け、色境界にじみ、凝集むらのない、高品質な印刷物を作成可能であり、かつ、保存安定性や吐出性に優れるインキを得るためには、特定のHLB値を有する有機溶剤と界面活性剤を併用することが必須不可欠である。なお、上記のメカニズムは推論であり、何ら本発明を限定するものではない。
以下に本実施形態の主要となる各成分について述べる。
<アセチレンジオール系界面活性剤(a1)>
上記の通り、本発明ではグリフィン法によるHLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)を使用することを特徴の一つとする。なお好ましいHLB値は1.0以上2.9以下であり、より好ましくは2.0以上2.8以下である。上記の通り、HLB値が3以下のアセチレンジオール界面活性剤(a1)は、インキ液滴表面への配向速度に優れることから、濡れ性を良化させるとともに液滴の合一を抑制することができると考えられる。また、HLB値が8以下の水溶性有機溶剤と併用することで、インキの保存安定性や吐出性を好適なレベルのまま維持することが可能となる。
なお、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値とは
、材料の親水・疎水性を表すパラメータの一つである。HLB値の算出方法にはグリフィン法、デイビス法、川上法等種々の方法があるが、本発明ではグリフィン法を用いてHLB値の算出を行う。
一般にグリフィン法は、非イオン性の材料において用いられ、その親水・疎水性の程度を表すものとして知られており、対象の材料の分子量を用いて、下記式(1)のようにして求められる。なお、HLB値は小さいほど材料の疎水性が高く、大きいほど材料の親水性が高い。
一般式(1):
HLB値=20×(親水性部分の分子量の総和)÷(材料の分子量)
HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の添加量は、インキ全量に対し0.5重量%以上5.0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.7重量%以上4重量%以下、更に好ましくは1.0重量%以上、3.0%重量%以下である。0.5重量%以上であれば、界面活性剤としての機能を十分に発現させることができ、また5.0重量%以下であれば、インキの保存安定性や吐出性を好適なレベルに維持することが可能となる。
本発明において使用できる、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の具体例として、例えば2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、ヘキサデカ−8−イン−7,10−ジオール、4,7−ジプロピル−デカ−5−イン−4,7−ジオール、6,9−ジメチル−テトラデカ−7−イン−6,9−ジオール、3,6−ジイソプロピル−2,7−ジメチルオクタ−4−イン−3,6−ジオール、オクタデカ−9−イン−8,11−ジオール、7,10−ジメチルヘキサデカ−8−イン−7,10−ジオール、5,8−ジブチルドデカ−6−イン−5,8−ジオール、4,7−ジイソブチル−2,9−ジメチル−デカ−5−イン−4,7−ジオール、5,14−ジエチル−8,11−ジメチルオクタデカ−9−イン−8,11−ジオール等を挙げることができる。中でも、水性インキとの相溶性の観点から、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、ヘキサデカ−8−イン−7,10−ジオール、6,9−ジメチル−テトラデカ−7−イン−6,9−ジオールを用いることが好ましい。なお、上記の化合物は1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また上記の化合物は、公知の合成方法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
<ポリシロキサン系界面活性剤>
本発明では、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)に加え、ポリシロキサン系界面活性剤を併用することが好ましい。一般にポリシロキサン系界面活性剤は、アセチレンジオール系界面活性剤に比べ、液体表面への配向速度が遅く、また色境界にじみや凝集むらを更に改善できることから好ましい。また、ポリシロキサン系界面活性剤を用いることで、印刷物に撥水性や耐摩擦性を付与するとともに、インキの表面張力や吐出性を制御することもでき、前記観点からも好ましく使用される。
本発明では、HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)、及び/またはHLB値が8以上20以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)を、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)とともに用いることが好ましい。なお、上記ポリシロキサン系界面活性剤のHLB値もグリフィン法を用いて算出される。
HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)は、ポリシロキサン系界面活性剤の中でもインキ中での配向が早く、また表面張力低下能に優れているため、インキの濡れ性を向上させる効果を有している。一方、HLB値が8以上20以下であるポリシロキサン界面活性剤(a3)は、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)や、HLB値が4以下のポリシロキサン系界面活性剤(a2)と比べ、特に優れた液滴合一抑制効果を有する。上記より本発明では、HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)、及びHLB値が8以上20以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)をともに使用することが特に好ましい。
本発明において好適に用いられるポリシロキサン系界面活性剤は、下記一般式(2)または一般式(4)で表される化合物である。
一般式(2):
Figure 0006658675
一般式(2)中、pは0以上の整数、及びqは1以上の整数である。またR1は下記一般式(3)で、R2は炭素数1〜6のアルキル基で示される。
一般式(3):
Figure 0006658675
一般式(3)中、mは1〜6の整数、nは0〜50の整数、oは0〜50の整数であり、n+oは1以上の整数で示される。R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または(メタ)アクリル基である。
一般式(4):
Figure 0006658675
一般式(4)中、rは1〜80の整数を示す。またR1は上記一般式(3)で示される。
上記一般式(2)で表される化合物は、インキの表面張力、濡れ性や吐出性の調整への寄与が大きい。また一般式(4)で表される化合物は、基材上でのインキ液滴同士の合一抑制性やインキの保存安定性(表面張力の安定性)を増す効果がある。本発明では、HLB値も加味したうえで、上記材料を適宜選択し、使用することができる。
上記一般式(2)、(4)で示したポリシロキサン系界面活性剤は、公知の合成方法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。一般式(2)で表される化合物の市販品の例として、東レ・ダウコーニング社製のSF8428,FZ−2162,8032ADDITIVE,SH3749,FZ−77,L−7001,L−7002,FZ−2104,FZ−2110,F−2123,SH8400,SH3773M;ビックケミー社製のBYK−345,BYK−346,BYK−347,BYK−348,BYK−349;エボニックデグサ社製のTegowet250,Tegowet260,Tegowet270,Tegowet280;信越化学工業社製のKF−351A,KF−352A,KF−353,KF−354L,KF355A,KF−615A,KF−640,KF−642,KF−643;日信化学工業社のシルフェイスSAGシリーズ等が挙げられる。
また一般式(4)で表される化合物の市販品の例として、東レ・ダウコーニング社製のBY16−201,SF8427;ビックケミー社製のBYK−331,BYK−333,BYK−UV3500;エボニックデグサ社製のTegoglide410,Tegoglide432,Tegoglide435,Tegoglide440,Tegoglide450等が挙げられる。
<HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)>
HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)は、上記の通り、主にインキの濡れ性に寄与するものであり、そのHLB値は、2.0以上3.8以下であることが好ましく、より好ましくは2.4以上3.6以下である。
HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)の添加量は、インキ全重量に対し、0.1重量%以上4.0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上3.0重量%以下、更に好ましくは1.0重量%以上2.5重量%以下である。含有量を上記範囲に収めることにより、基材に対する優れた濡れ性を有し、また、吐出性、及び保存安定性の優れたインキを得ることができる。
また、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量を1としたときの、HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)の含有量の比は、0.2〜3.3が好ましく、0.4〜2.5がより好ましく、特に好ましくは0.5〜1.5である。一般に複数の界面活性剤を併用した場合、各界面活性剤の水性インキ中への相溶性が変化していると考えられ、含有量の比を上記範囲に収めることにより、各界面活性剤の相溶性が好適なものとなると考えられる。
本発明のHLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)は、上記の通りインキの濡れ性に寄与する材料であることから、インキの表面張力に対する寄与の大きい一般式(2)で表される構造を有することが特に好ましい。
<HLB値が8以上20以下であるポリシロキサン界面活性剤(a3)>
HLB値が8以上20以下であるポリシロキサン界面活性剤(a3)は、主に基材上での液滴同士の合一を抑制するために用いられるものであり、そのHLB値は、10以上18以下であることがより好ましく、更に好ましくは12以上16以下である。
HLB値が8以上20以下であるポリシロキサン界面活性剤(a3)の添加量としては、インキ全重量に対し、0.05重量%以上1.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上0.8重量%以下、更に好ましくは0.2重量%以上0.7重量%以下である。含有量を上記範囲に収めることにより、基材上でのインキ液滴の合一が生じにくく、かつ、保存安定性、及び吐出性の優れたインキを得ることができる。
また、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量を1としたときの、HLB値が8以上20以下であるポリシロキサン界面活性剤(a3)の含有量の比は、0.1〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.15〜1.5であり、更に好ましくは0.2〜1.0である。含有量の比を上記範囲に収めることにより、各界面活性剤の相溶性が好適なものとなると考えられる。
本発明のHLB値が8以上20以下であるポリシロキサン界面活性剤(a3)は、上記の通り基材上でのインキ液滴同士の合一抑制性に寄与する材料であり、一般式(4)で表される構造を有することが特に好ましい。
<その他の界面活性剤>
本発明では、上記効果を阻害しない範囲で、上記以外の界面活性剤を用いることもできる。界面活性剤としては用途に合わせて様々なものが知られているが、インキの表面張力を好適なものに保持し、濡れ性や吐出性を確保する観点、及び、親水性材料と安定に共存できる点から、上記以外のアセチレン系、グリコールエーテル系、フッ素系等の界面活性剤を使用することができる。
<水溶性有機溶剤>
上記のように、本発明ではHLB値が8以下である水溶性有機溶剤を、インキ全量に対し10〜50重量%含有することを特徴とする。上記HLB値が8以下である水溶性有機溶剤は、併用するHLB値の小さい界面活性剤を水中に相溶させる機能を有していると考えられる。従って、親水性を損なわない範囲内でHLB値が小さいものを用いることが好ましい。具体的には、HLB値が1以上7.8以下であることが好ましく、2以上7.6以下であることが特に好ましい。なお、上記水溶性有機溶剤のHLB値もグリフィン法を用いて算出される。
また水溶性有機溶剤の沸点は、1気圧下において180℃以上250℃以下の範囲内であることが好ましく、180℃以上230℃以下である水溶性有機溶剤を含むことが更に好ましい。沸点が180℃以上である水溶性有機溶剤を使用することで、インクジェットヘッドのノズル界面で外気と接しているインキの乾燥を抑制でき、結果としてインキの吐出安定性が向上する。また、沸点を250℃以下とすることで、印刷基材上での乾燥を好適なものに維持し、色境界にじみや凝集むらといった画像品質の低下を更に抑えることができる。
本発明で好適に用いることができる、HLB値が8以下である水溶性有機溶剤の具体例として、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオール系溶剤;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノエーテル系溶剤;
プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコールジエーテル系溶剤;3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のメトキシブタノール系溶剤等が挙げられる。上記の中でも、1気圧下における沸点が180℃以上250℃以下である溶剤である、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましく用いられる。
本発明では、上記に例示した好ましく用いられる溶剤のうち、ポリオール系溶剤を選択することが特に好ましい。HLB値が8以下であるポリオール系溶剤を使用したインキは、他のHLB値が8以下である水溶性有機溶剤を使用したときに比べ、保存安定性や吐出性が特に優れている。推測ではあるが、ポリオール系溶剤はヒドロキシル基を複数有しており、併用するアセチレンジオール系界面活性剤が有するヒドロキシル基や、ポリシロキサン系界面活性剤が有する酸素原子との間に水素結合を形成することで、前記界面活性剤と水との相溶効果を更に高めているものと考えられる。
更に、前記ポリオール系溶剤として1,2−アルカンジオールを使用することが最も好ましい。1,2−アルカンジオールは親水性ユニットであるヒドロキシル基と疎水性ユニットであるアルキル基とが局在化しており、水に対する親和性が高い一方、インキの表面張力を好適な範囲まで低下させることができ、インキの濡れ性を向上させ、画像品質に優れた印刷物が得られると考えられる。上記例示した化合物中、本発明において最も好ましく用いられる、HLB値が8以下である1,2−アルカンジオールとして1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールを挙げることができる。
HLB値が8以下である水溶性有機溶剤の含有量としては、上記の通り、インキ全量に対し10重量%以上50重量%以下である必要があり、好ましくは15重量%以上40重量%以下、更に好ましくは20重量%以上30重量%以下である。10重量%以上とすることで、HLB値の小さい界面活性剤を十分に相溶化させることができ、保存安定性や吐出性を確保できる。また50重量%以下とすることで、インキ粘度を好適な範囲に収めることができ、吐出性を良好なものとできるため好ましい。
また、HLB値が8以下である水溶性有機溶剤は、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)を相溶化させる材料であることから、本発明においては、両者の含有比も重要なポイントとなる。HLB値が8以下である水溶性有機溶剤の含有量は、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量を1としたとき、5〜100であることが好ましく、10〜70であることがより好ましく、15〜40であることが特に好ましい。両者の含有比率を上記範囲内に納めることで、HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)をインキ中に好適に溶解させることができる。
なお、本発明の効果が小さくならない程度の好適な含有量の範囲であれば、上記以外の水溶性有機溶剤を単独もしくは複数併用することが可能である。具体的には、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルブチルエーテル、グリセリン、2−ピロリドン、N−メチルオキサゾリジノン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<水溶性樹脂>
本発明では、印刷物の塗膜耐性を向上させる点から、バインダー樹脂を添加することが好ましい。一般にインクジェットインキに使用されるバインダー樹脂としては、水溶性樹脂と樹脂微粒子が知られている。このうち樹脂微粒子は水溶性樹脂と比較して高分子量であること、また樹脂微粒子はインキ粘度を低くすることができ、より多量の樹脂をインキ中に含有することができることから、印刷物の耐性を高めるのに適している。樹脂微粒子として使用される樹脂の種類としては、アクリル系、スチレンアクリル系、ウレタン系、スチレンブタジエン系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系等が挙げられる。中でも、インキの保存安定性、印刷物の耐性の面を考慮するとアクリル系、スチレンアクリル系の樹脂微粒子が好ましく使用される。
ただし、インキ中のバインダー樹脂が樹脂微粒子である場合は、前記樹脂微粒子の最低造膜温度(MFT)を考慮する必要がある。MFTの低い樹脂微粒子を使用した場合、インキ中に添加される水溶性有機溶剤によって樹脂微粒子のMFTがさらに低下し、室温であっても樹脂微粒子が融着や凝集を起こす結果、インクジェットヘッドノズルの目詰まりが発生することがある。樹脂微粒子の場合、一度成膜してしまうとインキに再溶解しないため、固着した樹脂成分によって吐出性が損なわれてしまう。前記問題を回避するためには、樹脂微粒子を構成する単量体を調整することにより、前記樹脂微粒子のMFTを60℃以上にすることが好ましい。なお上記MFTは、例えばテスター産業社製MFTテスターによって測定することができる。
本発明では、樹脂自身に溶解性があるためインクジェットヘッドノズルでの目詰まりが起きにくく吐出性に優れる点、構成材料を選択することでHLB値の低い界面活性剤の相溶化剤として機能させることができる点を考慮すれば、バインダー樹脂として水溶性樹脂を使用することが好ましい。
中でも、前記水溶性樹脂が疎水ユニットであるアルキル鎖を有し、その炭素数が8〜36であることが特に好ましい。前記疎水ユニットを有する水溶性樹脂は、上記のようにHLB値の低い界面活性剤の相溶化剤として機能させることができ、印刷時の画質やインキの保存安定性がさらに向上するためである。
水溶性樹脂骨格内に有するアルキル基は、直鎖であっても分岐していても差し支えないが、直鎖状のものがより好ましい。直鎖のアルキル基としてはラウリル基(C12)、ミリスチル基(C14)、セチル基(C16)、ステアリル基(C18)、アラキル基(C20)、ベヘニル基(C22)、リグノセリル基(C24)、セロトイル基(C26)、モンタニル基(C
28)、メリッシル基(C30)、ドトリアコンタノイル基(C32)、テトラトリアコンタ
ノイル基(C34)、ヘキサトリアコンタノイル基(C36)等が挙げられる。またアルキル基の炭素数として、好ましくは炭素数10〜30であり、更に好ましくは炭素数18〜24である。
アルキル鎖を有する水溶性樹脂の種類としては、アクリル系、スチレンアクリル系、ウレタン系、ポリオレフィン系等が挙げられる。中でも、インキの保存安定性、印刷物の耐性の面も考慮すると、上記樹脂微粒子の場合と同様、アクリル系、スチレンアクリル系の水溶性樹脂が好ましく使用される。なお本発明では、水溶性樹脂として公知の合成方法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。またその構成についても特に制限はなく、例えばランダム構造、ブロック構造、櫛形構造、星型構造等を任意に用いることができる。
バインダー樹脂として水溶性樹脂を使用する場合、重量平均分子量が5,000以上50,000以下の範囲内である事が好ましく、10,000以上40,000以下の範囲内である事がより好ましい。重量平均分子量を5,000以上とすることで、印刷物の塗膜耐性を良好なものとすることができ、重量平均分子量を50,000以下とすることで、インクジェットヘッドからの吐出安定性を良好なものにできる。
なお、バインダー樹脂の重量平均分子量は常法によって測定することができる。例えば、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量として測定される値である。
水溶性樹脂を選択する際には酸価も重要であり、酸価が1〜80mgKOH/gである事が好ましく、5〜50mgKOH/gである事がより好ましい。酸価を1mgKOH/g以上とすることで、インキが固化してしまった後でも再度溶解させることが可能となり、インクジェットヘッドノズル上での目詰まりを抑制し、印刷安定性が向上する。また酸価が80mgKOH/g以下であれば、耐水性に優れた印刷物が得られるため好ましい。
水溶性樹脂の添加量は、インキ全量に対し0.5重量%以上10重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%以上8重量%以下、更に好ましくは2重量%以上6重量%以下である。水溶性樹脂添加量が0.5重量%以上であれば、HLB値の低い界面活性剤を十分に相溶化させることができ、インキの保存安定性を向上させることができる。また10重量%以下であれば、インキ粘度を好適な範囲内に抑えることができるとともに、吐出性に優れたインキとすることができる。
<顔料>
本発明では、顔料として、無機顔料、及び有機顔料のいずれも使用できる。無機顔料の一例として、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、及びコバルトバイオレット、等が挙げられる。
また有機顔料として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
具体的にカラーインデックスで例示すると、シアン顔料としてはC.I.Pigment Blue 1、2、3、15:1、15:3、15:4、15:6、16、21、22、60、64等が挙げられる。
またマゼンタ顔料としてはC.I.Pigment Red 5、7、9、12、31、48、49、52、53、57、97、112、120、122、146、147、149、150、168、170、177、178、179、184、188、202、206、207、209、238、242、254、255、264、269、282、C.I.Pigment Violet 19、23、29、30、32、36、37、38、40、50等が挙げられる。
またイエロー顔料としてはC.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213等が挙げられる。
またブラック顔料としては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックが挙げられる。例えば、これらのカーボンブラックであって、一次粒子径が11〜40nm、BET法による比表面積が50〜400m2/g、揮発分が0.5〜10重量%、pH値が2〜10等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品として、例えば、No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(以上、三菱化学製)、RAVEN1255(コロンビアンカーボン製)、REGA330R、400R、660R、MOGUL L、ELFTEX415(以上、キャボット製)、Nipex90、Nipex150T、Nipex160IQ、Nipex170IQ、Nipex75、Printex85、Printex95、Printex90、Printex35、PrintexU(以上、エボニックデグサ製)等があり、いずれも好ましく使用することができる。
カーボンブラックのほかにも、本発明で使用することができるブラック顔料としては、例えば、アニリンブラック、ルモゲンブラック、アゾメチンアゾブラック等が挙げられる。また、上記のシアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料や、下記のブラウン顔料、オレンジ顔料等の有彩色顔料を複数使用し、ブラック顔料とすることもできる。
また、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック以外の顔料としてはC.I.Pigment Green 7、10、36、C.I.Pigment Brown 3、5、25、26、C.I.Pigment Orange 2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、62、63、64、71等が挙げられる。
本発明における顔料の含有率は、インキ全量に対して0.1重量%以上15重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上10重量%以下であり、1重量%以上8重量%以下が特に好ましい。
<顔料分散樹脂>
長期間のインキの安定性を維持するため、上記の顔料はインキ中に分散して使用される。顔料の分散方法には、顔料を酸化処理や樹脂被覆等により顔料を表面改質し、分散剤なしで分散させる方法や、界面活性剤や樹脂を分散剤として使用し分散させる方法があるが、本発明では印刷物の光沢を向上させるとともに、より保存安定性や吐出性に優れたインキとするために、顔料分散樹脂を使用して顔料を分散することが好ましい。
顔料分散樹脂の種類としては特に制限はないが、例えば、アクリル系、スチレンアクリル系、マレイン酸系、スチレンマレイン酸系、ウレタン系、エステル系、アミド系、イミド系樹脂等が挙げられる。中でも、顔料の吸着を強固にし、顔料分散体を安定化させるという観点から、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂から選択される1種以上の樹脂を用いることが好ましい。またその構成についても特に制限はなく、例えばランダム構造、ブロック構造、櫛形構造、星型構造等を任意に用いることができる。
また、樹脂骨格内に炭素数10〜36のアルキル基を有する顔料分散樹脂を用いる事が、インキの保存安定性の観点、及びHLB値の小さい界面活性剤との相溶性の観点から好ましい。なお、アルキル基を有する樹脂を合成する方法として、基本となる樹脂骨格がもつカルボン酸等の官能基へアルキル基を有するアルコールやアミンを縮合させる方法や、樹脂合成時にアルキル基を有するモノマーを使用することでアルキル基を有する樹脂を合成する方法が挙げられる。
顔料分散樹脂の分子量は、重量平均分子量が1,000以上100,000以下の範囲内である事が好ましく、5,000以上50,000以下の範囲である事がより好ましい。重量平均分子量を前記範囲とすることにより、顔料を水中で安定的に分散することができるとともに、吐出安定性を良好なものとできるため好ましい。なお、顔料分散樹脂の重量平均分子量は、上記のバインダー樹脂の場合と同様に測定することができる。
また顔料分散樹脂の酸価は、50〜400mgKOH/gであることが好ましい。酸価が50mgKOH/g以上であれば、顔料分散樹脂が水に対し溶解しやすくなり、分散体の粘度も低く抑えることができる。また、400mgKOH/g以下であれば、界面活性剤との相互作用を好適なものとすることができ、インキの粘度の上昇を防ぐことができる。顔料分散樹脂の酸価は、好ましくは100〜350mgKOH/gであり、更に好ましくは150〜300mgKOH/gである。
また顔料分散樹脂は水への溶解度を上げるために、樹脂中の酸基を塩基で中和してあることが好ましい。塩基としてはアンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基や水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基等を使用することができる。
顔料と顔料分散樹脂との重量比率は2/1〜100/1であることが好ましい。顔料分散樹脂の比率を上記範囲に収めることで、顔料分散体やインキの粘度を低く保つことができるとともに、分散性や、粘度、分散等の安定性が向上する。顔料と顔料分散樹脂の比率としてより好ましくは20/9〜50/1、更に好ましくは5/2〜25/1であり、最も好ましくは20/7〜20/1である。
<水>
本発明のインキに含まれる水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。本発明の水の含有量は、インキ全量に対し20〜90重量%の範囲であることが好ましい。
<その他の成分>
また本発明のインキは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインキとするために、消泡剤、防腐剤等の添加剤を適宜に添加することができる。これらの添加剤の添加量としては、インキの全重量に対して、0.01重量%以上10重量%以下が好適である。
<記録媒体>
本実施形態のインキは、難吸収性基材に特に好適に用いることができる。難吸収性基材とは、水を吸収し難い、もしくは吸収速度が遅い記録媒体のことであり、具体的には、ブリストー法(J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87)により測定した、水に対する吸収係数が0〜0.6ml/m2msec1/2であるものを指す。なお上記の吸収係数は、例えば熊谷理機工業社製自動走査吸液計を用いることで測定することができる。具体的には上記装置と水を使用し、接触時間100〜1000ミリ秒の間で得られた水の吸液量(ml/m2)と接触時間の平方根(msec1/2)の関係図から、最小二乗法により求められる直線の勾配を吸収係数とする。
難吸収性基材の具体例として、例えばコート紙、アート紙、キャスト紙、微塗工紙、合成紙の様な紙基材;ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET等のプラスチック基材;アルミ、ステンレス等の金属基材;ガラス等が挙げられるがこれらに限定されない。なお、本実施形態のインクジェットインキは、普通紙、布帛、木材等の難吸収性基材以外のものにも好適に用いることができる。
<印刷方法>
本発明のインクジェットインキを印刷する方法として、インクジェットヘッドのノズルからインキを吐出させ、印刷基材上にインキ液滴を付着させる方法が用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の記載において、「部」「%」及び「比率」とあるものは特に断らない限り重量基準である。
<シアン顔料分散液1の製造例>
顔料としてLIONOGEN BLUE FG−7358G(C.I.PigmentBlue15:3、トーヨーカラー社製)を20部、顔料分散樹脂としてスチレンアクリル樹脂(スチレン:アクリル酸:ベヘニルメタクリレート=35:30:35(重量比)のランダム重合体、分子量:16000、酸価:250)の水性化溶液(不揮発分20%)を15部、水65部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて本分散を行い、シアン顔料分散液1を得た。
<イエロー顔料分散液2の製造例>
顔料をLIONOL YELLOW TT−1405G(C.I.PigmentYellow14、トーヨーカラー社製)に変えた以外は、シアン顔料分散液と同様の方法で、イエロー顔料分散液2を得た。
<マゼンタ顔料分散液3の製造例>
顔料をFASTOGEN Super Magenta RTS(C.I.PigmentRed122、DIC社製)に変えた以外は、シアン顔料分散液と同様の方法で、マゼンタ顔料分散液3を得た。
<ブラック顔料分散液4の製造例>
顔料をPrinteX85(カーボンブラック、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)に変えた以外は、シアン顔料分散液と同様の方法で、ブラック顔料分散液4を得た。
<水溶性樹脂1の製造例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱し、重合性モノマーとしてスチレン20部、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート70部、および重合開始剤としてV−601(和光純薬製)9部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.9部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、樹脂1の溶液を得た。前記顔料分散樹脂の重量平均分子量を測定したところ、約12000であった。
さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノールを37.1部添加し中和したのち、水を100部添加し水性化した。その後100℃以上に加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去したのち、固形分が50%になるように調整することで、水溶性樹脂1の水性化溶液(固形分50%)を得た。
<水溶性樹脂2〜4の製造例>
重合性モノマーとして、表1記載の材料及び量を用いた以外は、水溶性樹脂1と同様の合成方法を用いることで、水溶性樹脂2〜4の水性化溶液(固形分50%)を得た。
表1
Figure 0006658675
<アセチレンジオール系界面活性剤の合成>
特開2002−356451号明細書、実施例1記載の方法を利用し、原料ケトンとしてメチルイソアミルケトンを用いることで、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールを合成した。なお、前記化合物のHLB値は2.7である。また同様にして、原料ケトンとしてジ−n−プロピルケトン(4−ヘプタノン)を用いることで4,7−ジプロピル−デカ−5−イン−4,7−ジオール(HLB値=2.7)を、メチルヘキシルケトン(2−オクタノン)を用いることで、7,10−ジメチルヘキサデカ−8−イン−7,10−ジオール(HLB値=2.4)を、メチルイソブチルケトンを用いることで、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(HLB値=3.0)を合成した。
なお実施例では、市販品であるサーフィノール440(エアープロダクツ社製、HLB値=8.0)、及びサーフィノール465(エアープロダクツ社製、HLB値=13.0)もアセチレンジオール系界面活性剤として使用した。
<ポリシロキサン系界面活性剤1の合成例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、エチレングリコールアリルメチルエーテル360gと、塩化白金酸の0.5重量%トルエン溶液0.5gとを仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を70℃に加熱したのち、シロキサン鎖の両末端が水素原子であるヘキサデカメチルオクタシロキサン480gを30分かけて滴下した。次いで、反応容器内を110℃まで加熱し、攪拌しながら3時間保持することで、上記材料を反応させた。反応終了後、低沸分を減圧下で留去することで、ポリエーテル変性シロキサン1を得た。なお前記ポリエーテル変性シロキサン1は、一般式(4)の構造で表され、r=6であり、またR1は一般式(3)においてm=3、n=1、o=0、R3=CH3のものである。また前記化合物のHLB値は3.8である。
<ポリシロキサン系界面活性剤2の合成例>
エチレングリコールアリルメチルエーテルの添加量を180gとし、またヘキサデカメチルオクタシロキサンの代わりに、中心のケイ素原子に水素原子が1個結合しているヘプタメチルトリシロキサンを200g用いた以外は、ポリシロキサン系界面活性剤1と同様の方法により、ポリシロキサン系界面活性剤2を得た。なお前記ポリエーテル変性シロキサン1は、一般式(2)の構造で表され、p=0、q=1、R2=CH3であり、またR1
は一般式(3)においてm=3、n=1、o=0、R3=CH3のものである。また前記化合物のHLB値は4.6である。
<ポリシロキサン系界面活性剤3の合成例>
エチレングリコールアリルメチルエーテルの代わりに、ジエチレングリコールアリルメチルエーテルを500g用い、またヘキサデカメチルオクタシロキサンの代わりに、シロキサン鎖の両末端が水素原子であるヘキサメチルトリシロキサンを180g用いた以外は、ポリシロキサン系界面活性剤1と同様の方法により、ポリシロキサン系界面活性剤3を得た。なお前記ポリエーテル変性シロキサン3は、一般式(4)の構造で表され、r=1であり、またR1は一般式(3)においてm=3、n=2、o=0、R3=CH3のもので
ある。また前記化合物のHLB値は19.5である。
なお実施例では、市販品であるTegowet280(エボニックデグサ社製、HLB値=3.5)、Tegoglide440(エボニックデグサ社製、HLB値=13.5)及びBYK−333(ビックケミー社製、HLB値=10.1)もポリシロキサン系界面活性剤として使用した。
<インキ1C、1M、1Y、1Kの製造例>
シアン顔料分散液1を20部、1,2−ブタンジオール25部、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール1部、を混合容器に順次投入したのち、インキ全体で100部になるように水を加えて調整し、ディスパーで十分に均一になるまで攪拌した。その後、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インキ1Cを作製した。
なお、上記シアン顔料分散液1に代えて、イエロー顔料分散液2、マゼンタ顔料分散液3ブラック顔料分散液4をそれぞれ用いる以外は上記インキ1Cの場合と同様にして、インキ1Y、1M、1Kを作製した。
<インキ2〜49の製造例>
表2〜4記載の原料を用いてインキ1Cの製造例と同様にして、インキ2〜49(それぞれC、Y、M、Kの4色)の作製を行った。
Figure 0006658675
Figure 0006658675
Figure 0006658675
<実施例1〜45、比較例1〜4>
作製したインキ1〜49を用いて以下の評価を行った。なお、評価結果は表2〜4に示す通りである。
<評価1:ベタ部の白抜けの評価>
京セラ社製ヘッド(QA06NTB)を搭載したインクジェット吐出装置により、周波数20kHz、600×600dpiの印字条件で、上記1C〜49Cのシアンインキを吐出し、印字率100%のベタ印刷を行った。なお、印刷基材としてUPM Finess Gloss紙(コート紙)を用いた。印刷後、50℃エアオーブンを用いて印刷物を3分間乾燥させ、印刷物の白抜け度合をルーペ及び目視で確認することで、白抜けの評価を行った。評価基準は下記のとおりであり、◎、○、△評価が実用可能領域である。
◎:ルーペ及び目視で白抜けが見られなかった
○:ルーペでは僅かに白抜けが見られたが、目視で白抜けが見られなかった
△:目視で僅かに白抜けが見られた
×:目視で明らかに白抜けが見られた
<評価2:色間の境界にじみの評価>
京セラ社製ヘッド(QA06NTB)を4個、印刷基材の搬送方向に並べて設置したインクジェット吐出装置を準備し、上流側から、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインキを充填した。続いて、評価1と同じ印刷基材を準備し、前記ヘッドの下部を一定速度で通過させた。その際、周波数20kHz、600×600dpiの印字条件で、各ヘッドからインキを吐出させ、1cm×1cmの100%ベタパッチを、各色が隣り合うように印刷した。印刷後、50℃エアオーブンを用いて印刷物を3分間乾燥させ、ベタの色間の境界にじみの度合をルーペ及び目視で確認することで、境界にじみを評価した。評価基準は下記のとおりであり、◎、○、△評価が実用可能領域である。
◎:ルーペ及び目視で色間の境界にじみが見られなかった
○:ルーペでは僅かに色間の境界にじみが見られたが、目視では見られなかった
△:目視で僅かに色間の境界にじみが見られた
×:目視で明らかに色間の境界にじみが見られた
<評価3:凝集むらの評価>
評価1と同様の印刷基材、及び印字条件で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色について、印字率10%から100%まで10%刻みとなるように、グラデーションパターンを印刷した。印刷後、50℃エアオーブンを用いて印刷物を3分間乾燥させ、印字率20%、50%、80%の印刷部分の凝集むらの度合をルーペ及び目視で確認することで、凝集むらの評価を行った。評価基準は下記のとおりであり、◎、○、△評価が実用可能領域である。なお表2〜4には、評価を行った4色のうち、最も結果の悪かった色の結果のみを示した。
◎:印字率20、50、80%のいずれの箇所においても、ルーペ及び目視で凝集む
らが見られなかった
○:印字率20、50、80%のいずれか1箇所以上において、ルーペでは凝集むら
が見られたが、目視では見られなかった
△:印字率20、50、80%のいずれか1箇所以上において、目視で僅かに凝集む
らが見られた
×:印字率20、50、80%のいずれか1箇所以上において、目視で明らかに凝集
むらが見られた
<評価4:吐出性の評価>
評価1と同様の印刷基材、及び印字条件で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色について、印字率100%のベタ印刷を行った。印刷後、25℃の環境下で一定時間インクジェット吐出装置を待機させた後、再度、同様の印刷基材、及び印字条件で、印字率100%のベタ印刷を行った。その際、ベタの打ち始めの部分が印刷されているか目視及びルーペで確認を行うことで、吐出性の評価を行った。評価基準は下記のとおりであり、◎、○、△評価が実用可能領域である。なお表2〜4には、評価を行った4色のうち、最も結果の悪かった色の結果のみを示した。
◎:3時間待機させた後に印刷しても、打ち始めの部分に欠けが見られなかった
○:3時間待機させた後に印刷すると、打ち始めの部分に欠けが見られたが、2時間
待機時には欠けが見られなかった
△:2時間待機させた後に印刷すると、打ち始めの部分に欠けが見られたが、2時間
待機時には欠けが見られなかった
×:1時間待機させた後に印刷しても、打ち始めの部分に欠けが見られた
<評価5:乾燥性の評価>
評価2と同様の吐出装置、印刷基材、及び印字条件で、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの印字率100%ベタを掛け合わせ、印字率300%ベタを印刷した。50℃エアオーブンを用いて、所定の時間加熱させた後、印刷物を指で触ることで、印刷物の乾燥性の評価を行った。評価基準は下記のとおりであり、◎、○、△評価が実用可能領域である。
◎:オーブン投入から1分後、指で触ってもインキが付着しなかった
○:オーブン投入から1分後には指にインキが付着したが、2分後は付着しなかった
△:オーブン投入から2分後には指にインキが付着したが、3分後は付着しなかった
×:オーブン投入から3分後でも、指にインキが付着した
<評価6:インキの保存安定性の評価>
インキ1〜49の各色について、E型粘度計(東機産業社製TVE−20L)を用いて、25℃、回転数50rpmという条件で粘度を測定した。このインキを密閉容器に入れ、70℃の恒温機に保存し、経時促進させた後、再度上記装置を用いて粘度を測定し、経時前後でのインキの粘度変化を算出することで、インキの保存安定性を評価した。基準は下記のとおりであり、◎、○、△評価が実用可能領域である。なお表2〜4には、評価を行った4色のうち、最も結果の悪かった色の結果のみを示した。
◎:4週間保存後の粘度変化率が±5%未満
○:2週間保存後の粘度変化率が±5%未満
△:1週間保存後の粘度変化率が±5%未満
×:1週間保存後の粘度変化率が±5%以上
<実施例および比較例の評価結果>
比較例1は、HLB値が8以下である水溶性有機溶剤の含有量が10重量%未満であった系であり、HLB値が3以下のアセチレンジオール系界面活性剤(a1)として2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールを使用することで、印刷物のベタの白抜け、凝集むら等は実用可能領域であったが、インキの吐出性、保存安定性が悪い結果となった。HLB値が8以下の溶剤である1,2−ブタンジオールの含有量が少なく、前記界面活性剤のインキに対する相溶性が不十分であったためと考えられる。
一方比較例2は、HLB値が3以下のアセチレンジオール系界面活性剤(a1)を使用する代わりに、HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)、及びHLB値が8〜20であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)を使用した系であり、印刷物において凝集むらが観察された。また比較例3、4は、HLB値が3よりも大きいアセチレンジオール系界面活性剤を使用した系であり、印刷物において色境界にじみ、凝集むら、ベタ部の白抜けが観察された。
実施例1〜43は、HLB値が8以下である水溶性有機溶剤を水性インクジェットインキ全量に対し10〜50重量%含有し、かつHLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)を含有した系であり、印刷物の白抜け、色境界にじみ、凝集むら、及び、インキの吐出性、乾燥性、保存安定性の全てが実用可能領域であった。中でも、実施例39、40、42、43,44は、界面活性剤として、更にHLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)、及びHLB値が8〜20であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)を併用し、かつ、炭素数8〜36のアルキル鎖を有する水溶性樹脂を含有する系であり、全ての評価項目で非常に優れた評価結果となることが確認された。
本発明の水性インクジェットインキ、及び印刷物の製造方法は、コート紙等の難吸収基材においても高画質な画像を得ることができるものであり、特に前記基材を用いた商業印刷向けの高速・高記録解像度のインクジェット印刷において、好適に利用することができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも、顔料、顔料分散樹脂、バインダー樹脂、水溶性有機溶剤、および、界面活性剤(A)を含む水性インクジェットインキであって、
    前記バインダー樹脂が、酸価1〜80mgKOH/gである水溶性樹脂であり、
    前記水溶性有機溶剤としてグリフィン法によるHLB値が8以下である水溶性有機溶剤を水性インクジェットインキ全量に対し10〜50重量%含有し、
    前記界面活性剤(A)が、グリフィン法によるHLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)を含有し、
    前記HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量が、水性インクジェットインキ全量に対し0.5〜5.0重量%であることを特徴とする、水性インクジェットインキ。
  2. 前記界面活性剤(A)が、更にグリフィン法によるHLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)を含有することを特徴とする、請求項1記載の水性インクジェットインキ。
  3. 前記界面活性剤(A)が、更にグリフィン法によるHLB値が8〜20であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)を含有することを特徴とする、請求項1または2記載の水性インクジェットインキ。
  4. 前記HLB値が4以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a2)の含有量と、前記HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量との比が、0.2:1.0〜3.3:1.0であることを特徴とする、請求項2記載の水性インクジェットインキ。
  5. 前記HLB値が8以上20以下であるポリシロキサン系界面活性剤(a3)の含有量と、前記HLB値が3以下であるアセチレンジオール系界面活性剤(a1)の含有量との比が、0.1:1.0〜2.0:1.0であることを特徴とする、請求項3記載の水性インクジェットインキ。
  6. 前記HLB値が8以下である水溶性有機溶剤が、ポリオール系溶剤を含むことを特徴とする、請求項1〜いずれか記載の水性インクジェットインキ。
  7. 前記水溶性樹脂が、炭素数8〜36のアルキル鎖を有することを特徴とする、請求項1〜いずれか記載の水性インクジェットインキ。
  8. 前記水溶性樹脂の含有量が、水性インクジェットインキ全量に対し0.5〜10重量%であることを特徴とする、請求項1〜いずれか記載の水性インクジェットインキ。
  9. 請求項1〜いずれか記載の水性インクジェットインキが、基材上に印刷されてなる印刷物。
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