[超音波診断装置の構成]
図1は、超音波診断装置9の構成を示した概略図である。図1に示すように、超音波診断装置9は、被検体内の被観察部位(例えば肺末梢、膵管、及び胆管等の細径の管腔内)の超音波画像を取得する。超音波診断装置9は、内視鏡10と、ガイドシース11と、超音波プローブ12と、スキャナ13と、観測装置14と、モニタ15と、を備えている。
内視鏡10は、例えば被観察部位が肺末梢である場合、気管支鏡が用いられる。この内視鏡10は、先端と基端とを有する挿入部18と、挿入部18の基端側に連設され且つ術者が把持して各種操作を行う操作部19と、操作部19に連設されたユニバーサルコード(不図示)と、を有する。
挿入部18は、被検体内に挿入されるため、全体が細径で長尺状に形成されている。この挿入部18は、基端側から先端側に向けて順に可撓性を有する軟性部22と、操作部19の操作により湾曲可能な湾曲部23と、不図示の撮像素子等が内蔵される先端部24と、が連設されて構成される。また、挿入部18内には、後述のガイドシース11及び超音波プローブ12が挿通される処置具挿通路25が設けられている。この処置具挿通路25の基端側は操作部19の処置具導入口25aに接続し、処置具挿通路25の先端側は先端部24の先端面内で開口した処置具導出口25b(図4参照)に接続している。
操作部19には、湾曲部23の湾曲操作に用いられる湾曲操作部(不図示)と、吸引操作用の吸引ボタン(不図示)と、が設けられている。また、操作部19には、前述の処置具挿通路25に連通する処置具導入口25aが設けられている。
ユニバーサルコード(不図示)は、内視鏡10を不図示のプロセッサ及び光源装置にそれぞれ接続するための接続コードである。これにより、内視鏡10からプロセッサへ被観察部位の撮像信号が出力されると共に、光源装置から内視鏡10へ照明光が供給される。
ガイドシース11は、後述の超音波プローブ12の他に、不図示の生検鉗子及び細胞診ブラシ等を含む各種の処置具を被検体内の被観察部位までガイドする。このガイドシース11は、可撓性のチューブ33と、処置具ポート34とを備える。
チューブ33は先端と基端とを有し、処置具挿通路25内に挿通可能な外径で且つ長尺状に形成されている。チューブ33は、その先端側から処置具導入口25aを経て処置具挿通路25内に挿通され、先端部24の先端面に設けられた処置具導出口25b(図4参照)から導出される。
処置具ポート34は、チューブ33の基端側に接続されている。この処置具ポート34は、処置具導入口25aよりも外径が大きく形成された略管体であり、超音波プローブ12等の先端をチューブ33の内部へ導く案内路(不図示)を有している。これにより、術者は、超音波プローブ12等を処置具ポート34からチューブ33内に挿通させ、超音波プローブ12等をチューブ33の先端から導出させることができる。
[超音波プローブの全体構成]
超音波プローブ12は、先端と基端とを有する長尺且つ可撓性のシース35と、超音波振動子36と、チューブ37と、コネクタ38と、折れ止め部材39と、を備える。
シース35は、ポリエーテルブロックアミド重合体(例えばアルケマ社の商品名Pebax)で形成されている。このシース35は、シース先端部40とシース本体部41とを有する。
シース先端部40は、シース35の先端から約50mm位の領域を構成し、先端が閉塞されている。一方、シース本体部41は、シース先端部40の基端側に設けられており、後述のチューブ37を介してコネクタ38に接続固定(保持)される。
図2は、シース先端部40の拡大図である。図2に示すように、超音波振動子36は、シース先端部40内に設けられている。この超音波振動子36は、バッキング層44と、圧電振動子45と、音響レンズ46と、これら各部を収納するハウジング47と、を備える。また、図示は省略するが、シース35内には、超音波を伝搬する水又は流動パラフィン等の音響媒体が充填されている。
バッキング層44は、ハウジング47内に接着固定され、超音波を減衰させる。圧電振動子45は、バッキング層44上に設けられている。この圧電振動子45は、電気信号(駆動信号)の印加により振動して超音波を出射する。また、圧電振動子45は、被検体内で反射された超音波エコーを受信して、電気信号(エコー信号)に変換する。音響レンズ46は、圧電振動子45上に設けられ、圧電振動子45から出射される超音波を収束させる。
このような超音波振動子36の構造及び駆動方法は公知であるので、具体的な説明は省略する。また、超音波振動子36は図2に示した構造を有するものに限定されず、公知の各種の構造を有するものを用いることができる。
ハウジング47には、可撓性を有する長尺且つ管状の密着ばね49(フレキシブルシャフト又はドライブシャフトともいう)の先端が接続されている。密着ばね49はシース35内に挿通されている。この密着ばね49の基端は後述のコネクタ38に接続されている。また、密着ばね49内には、可撓性を有する長尺の信号ケーブル50が挿通されている。この信号ケーブル50の先端は圧電振動子45に電気的に接続されると共に、基端は後述のコネクタ38に電気的に接続される。これら密着ばね49及び信号ケーブル50は、本発明の挿通部材に相当する。
密着ばね49及び信号ケーブル50は、双方の長手軸A(中心軸)を中心とする長手軸周り(以下、単に長手軸A周りという)に回転自在にコネクタ38に保持されている。そして、密着ばね49及び信号ケーブル50は、後述のスキャナ13によりコネクタ38を介して長手軸A周りに回転される。これにより、超音波振動子36も長手軸A周りに回転されるため、超音波振動子36によるラジアル走査が可能となる。
シース先端部40は、光透過性及び超音波透過性を有し且つシース本体部41よりも柔らかい材料(ポリエーテルブロックアミド重合体)で形成されている。このようにシース先端部40が光透過性を有している場合、シース先端部40内での超音波振動子36の位置、具体的にはシース先端部40(シース35)の先端から超音波振動子36までの距離LSを容易に把握することができる。また、既述の音響媒体に含まれる気泡等が超音波振動子36に付着しているか否かを外部から容易に把握することができる。
また、シース先端部40が超音波透過性を有しているので、シース先端部40内の超音波振動子36は、被観察部位への超音波の出射と被観察部位からの超音波エコーの受信とを行うことができる。なお、シース先端部40をシース本体部41よりも柔らかくしているのは、被検体内の体壁等との接触を考慮したことによる。
図1に戻って、シース本体部41は、本実施形態では光透過性を有さない材料(ポリエーテルブロックアミド重合体)で形成されている。なお、シース本体部41についても光透過性を有していてもよい。
チューブ37は、シース本体部41と同じ材料であるポリエーテルブロックアミド重合体で形成されており、詳しくは後述するが、シース本体部41の基端側に外嵌されて、シース本体部41の基端側の外面を覆っている。また、チューブ37の基端側はコネクタ38に接続固定(保持)されている。
コネクタ38は、詳しくは後述するが、後述のスキャナ13を介して観測装置14と超音波振動子36とを電気的に接続すると共に、スキャナ13からの回転駆動力を密着ばね49及び信号ケーブル50へ伝達して超音波振動子36を長手軸A周りに回転させる。
コネクタ38の先端側には、シース35内等を挿通された密着ばね49及び信号ケーブル50の基端側と、チューブ37の基端側とがそれぞれ接続されている。なお、詳しくは後述するが、このコネクタ38には、密着ばね49及び信号ケーブル50を前述の長手軸A周りに回転自在に保持する回転保持部73(図8参照)が設けられている。このため、密着ばね49の基端側は回転保持部73に保持(接続)され、信号ケーブル50の基端側は回転保持部73に電気的に接続されている。
また、コネクタ38の先端側には、管状(略円錐筒形状)の折れ止め部材39が接続されている。この折れ止め部材39の内部には、コネクタ38に接続されるシース35及びチューブ37が挿通される。折れ止め部材39は、チューブ37及びシース35の双方の基端側を覆って、これらの折れ曲がりを防止する。
一方、コネクタ38の基端側には、スキャナ13を回転保持部73に電気的且つ一体的に接続させるための接続口であるスキャナ接続口71(図8参照)が開口している。なお、スキャナ接続口71は、コネクタ38に設けられたキャップ55で開閉可能になっており、超音波プローブ12の不使用時にはキャップ55で覆われる。
スキャナ13は、スキャナ接続口71を介して、コネクタ38内の回転保持部73に電気的且つ一体的に接続される。このスキャナ13は、回転保持部73を回転駆動するモータ等の回転駆動部(不図示)を有しており、回転保持部73を回転駆動する。これにより、密着ばね49及び信号ケーブル50が前述の長手軸A周りに回転され、さらにこれに伴い超音波振動子36が長手軸A周りに回転される。
また、スキャナ13は、観測装置14と電気的に接続されている。これにより、スキャナ13、コネクタ38(回転保持部73)、及び信号ケーブル50を介して、観測装置14と超音波振動子36とが電気的に接続される。
観測装置14は、スキャナ13による回転保持部73の回転駆動を制御することで、超音波振動子36の長手軸A周りの回転を制御する。また、観測装置14は、スキャナ13、コネクタ38、及び信号ケーブル50を介して、超音波振動子36に対して電気信号(駆動信号)を送信すると共に、超音波振動子36から出力された電気信号(エコー信号)を受信する。そして、観測装置14は、超音波振動子36から受信した電気信号(エコー信号)に基づき、被観察部位の超音波画像を生成してモニタ15へ出力する。これにより、モニタ15により被観察部位の超音波画像が表示される。なお、超音波画像の生成については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
[シース及びチューブの構成]
図3は、シース35及びチューブ37の各々の断面図と側面図である。なお、図中の矢印V1はシース35及びチューブ37の基端から先端に向かう先端方向を示し、矢印V2はシース35及びチューブ37の先端から基端に向かう基端方向を示す。
<シースの構成>
図3に示すように、シース35は、シース本体部41の先端側にシース先端部40を熱溶着により固定した構造である。すなわち、シース35は、シース先端部40とシース本体部41とが熱溶着部56を介してシームレスに(継ぎ目なく)一体化された構造を有する。これにより、シース本体部41からのシース先端部40の脱落を確実に防止することができる。
<チューブの構成>
チューブ37は、シース35の先端から基端側にずれた位置を基準位置Pとした場合、シース35(シース本体部41)の基準位置Pよりも基端側(矢印V2方向側)の外面を覆うように、シース本体部41に外嵌されている。このチューブ37は、基準位置P側に位置するチューブ37の先端領域R1と、シース35の基端側を覆うチューブ37の基端領域R2とにおいて、シース本体部41の外面に固定される。また、チューブ37の基端領域R2は、シース本体部41の基端よりも矢印V2方向(本発明の基端方向)に延在した延在部57を有している。
チューブ37の先端領域R1には、シース本体部41の外面に熱溶着で固定される熱溶着部である第1固定部58が設けられている。また、チューブ37の基端領域R2には、シース35(シース本体部41)の外面に熱溶着で固定される熱溶着部である第2固定部59が設けられている。このようにチューブ37は、第1固定部58と第2固定部59との2箇所でシース35の外面に熱溶着されている。なお、第1固定部58、第2固定部59、及び前述の熱溶着部56の長手軸A方向の長さは約10mmである。
第1固定部58は、熱溶着によって基端側(矢印V2方向側)に向かって外径が漸増する略テーパ形状を有する。一方、第2固定部59は、図示は省略するが、熱溶着によって窪んだ形状を有する。
ここで、既述の通りチューブ37はシース本体部41と同じ材料からなる。これにより、第1固定部58及び第2固定部59は、熱溶着によってシース本体部41と一体化するので、シース本体部41からの第1固定部58及び第2固定部59の双方の剥離が防止される。
なお、先端領域R1内での第1固定部58の位置、及び基端領域R2内での第2固定部59の位置は、図中に示した位置に限定されるものではなく、チューブ37の先端側或いは基端側にずれていてもよい。
この際に、以下の理由により、基端領域R2内での第2固定部59の位置は、シース35の基端よりも先端側(矢印V1方向側)にずれていることが好ましい。第1の理由は、チューブ37内のシース35の基端位置に正確に合わせて第2固定部59を設けることが困難であることによる。また、第2の理由は、熱溶着時に誤って延在部57を加熱して変形させてしまうと、詳しくは後述するが、延在部57をコネクタ38に接続する際に支障をきたすおそれがあることによる。
本実施形態では、シース35の基準位置Pよりも基端側をチューブ37で覆うため、シース35の基準位置Pよりも基端側の部分の見かけ上の厚みを、シース35の厚みとチューブ37の厚みとを合算した厚みに増加させることができる。その結果、シース35の基準位置Pよりも基端側の機械的強度を増加させ、対座屈性を確保することができる。以下、シース35の基準位置Pよりも基端側の部分を、チューブ37で補強されたチューブ補強部分という。
図4は、基準位置Pを説明するための説明図である。なお、図4において処置具挿通路25及びガイドシース11は簡略化して図示している。図4に示すように、シース35の先端から基準位置Pまでの距離LPは、少なくとも処置具挿通路25の通路長L1よりも長くなるように、この通路長L1に基づき決定される。
通路長L1は、シース35が処置具導入口25aから処置具挿通路25内に挿入されて処置具導出口25bに到達するまでの長さであり、例えば気管支鏡では650mm〜700mmである。なお、ガイドシース11の全長L2は例えば1050mmであり、シース35の全長L3は例えば2000mm〜2220mm(シース先端部40の長さは例えば50mm)である。また、超音波検査時にガイドシース11の先端が処置具導出口25bから導出する導出長さL4は最長約200mmである。また、図示は省略するが、チューブ37の全長は約1135mmであり、その延在部57の長さは約45mmである。
ここで上述の距離LPの長さを長くし過ぎると、超音波検査時にシース本体部41の中で処置具導入口25aよりも基端側(矢印V2方向側)に位置し且つチューブ37で覆われていない部分(以下、1層部分という)の長さが長くなり、この1層部分で座屈等が発生するおそれがある。このため、シース本体部41の1層部分の長さを制限することが好ましい。従って、処置具挿通路25の通路長L1、ガイドシース11の最大の導出長さL4、及びガイドシース11の先端からシース35の先端が導出する導出長さ等に基づき、距離LPの長さを決定する。具体的に、これらの各パラメータを考慮して、本発明者は距離LPの長さとして800mm〜1200mmが好ましいことを見出した。
図3に戻って、チューブ37は第1固定部58と第2固定部59との2箇所でシース本体部41の外面に熱溶着で固定されるため、このチューブ37の第1固定部58と第2固定部59との間には、シース本体部41の外面に対し非固定となる非固定部60(本発明の相対移動可能部に相当)が設けられている。これにより、シース本体部41のチューブ補強部分を湾曲させる場合に、チューブ37の非固定部60がシース本体部41に対して相対移動可能になる、すなわちシース35に対して非固定部60が滑り性を有する。
ここで、例えばチューブ37の全面をシース本体部41に熱溶着で固定した場合には、チューブ37の可撓性が低下すると共に、チューブ37とシース本体部41とが相対移動不能に一体化される。このため、シース35のチューブ補強部分の可撓性(柔軟性、湾曲性)が低下して、超音波プローブ12の操作性が低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、シース本体部41のチューブ補強部分を湾曲させる場合に、チューブ37の非固定部60とシース35とが相対移動することで、非固定部60内でのシース本体部41の自由な湾曲変形が許容される。このため、シース本体部41のチューブ補強部分の機械的強度をチューブ37により増加させたとしても、チューブ補強部分の適度な可撓性を確保することができる。その結果、超音波プローブ12の操作性の低下を防止することができる。特にシース本体部41のチューブ補強部分もガイドシース11内(処置具挿通路25内)に挿通させる場合、挿入部18が湾曲している状態でも処置具挿通路25に対するチューブ補強部分の形状の追従性が発揮されるため、シース35(シース本体部41)の挿入操作性が低下することが防止される。
図5は、チューブ37の非固定部60を拡大した断面図である。図5に示すように、本実施形態では、シース35(シース先端部40及びシース本体部41)の内径φ1Aが例えば1.15mmであり、外径φ1Bが例えば1.4mmである。また、チューブ37の内径φ2Aが例えば1.5mmであり、外径φ2Bが例えば1.9mmである。
このようにチューブ37の内径φ2Aは、シース35の外径φ1Bよりも大きく形成されている。このため、シース本体部41の外面とチューブ37の非固定部60の内面との間には、約0.05mmの隙間63(空気層)が存在している。これにより、シース本体部41のチューブ補強部分を湾曲させる場合に、非固定部60とシース本体部41とがより相対移動し易くなるので、シース本体部41のチューブ補強部分の適度な可撓性をより確実に確保することができる。
<シース外面の粗面>
図3に戻って、シース本体部41の外面の一部には粗面65が形成されている。この粗面65には、シボの形成面(シボ面:crimped surface)、微小凹凸(微小突起)の形成面、梨地(satin finished surface)の形成面、及び非光沢面などの被接触物に対する接触面積を減らす各種構造が含まれる。なお、粗面65の形成方法については後述する。
図6は、シース本体部41の外面上での3パターンの粗面65の形成範囲を説明するための説明図である。図6の上段に示す第1パターンにおいて、粗面65は、シース先端部40の基端40a(シース本体部41の先端)から既述の基準位置Pまでの範囲W1内のシース本体部41の外面、すなわちシース本体部41のチューブ37で覆われていない外面(以下、露出外面という)に形成されている。
このようにシース本体部41の露出外面に粗面65を形成することで、この露出外面と被検体内の体壁等との摺動抵抗、及びこの露出外面とガイドシース11の内面との摺動抵抗が減少する。これにより、ガイドシース11内及び被検体内への超音波プローブ12の挿入操作性が向上する。
また、特に上述の摺動抵抗が高いと、超音波検査終了後に術者が超音波プローブ12の引き抜き操作を行った場合に、シース35(シース本体部41)が既述の長手軸A方向(図2参照)に伸びて塑性変形し、元の長さに戻らなくなるおそれがある。その結果、既述の図2に示したシース先端部40内での超音波振動子36の位置(距離LS)が変化して、場合によっては超音波振動子36の位置がシース本体部41内にずれるおそれがある。このため、シース本体部41の露出外面に粗面65を形成して体壁等との摺動抵抗を減らすことで、シース35の伸びを防止すると共に、超音波振動子36の位置ずれを防止することができる。
なお、シース35の全長L3の中でシース先端部40の長さ(50mm)が占める割合は僅かであるので、シース先端部40の外面に粗面65を形成しなくとも、上記効果は得られる(以下の第2パターン及び第3パターンでも同様)。
図6の中段に示す第2パターンにおいて、粗面65は、シース先端部40の基端40a(シース本体部41の先端)からシース本体部41の基端までの範囲W2内のシース本体部41の外面、すなわちシース本体部41の外面の全面に形成されている。これにより、既述の第1パターンと同様の効果が得られる。
さらに、この場合には、チューブ37の非固定部60の内面と、この内面に対向するシース本体部41の外面との摺動抵抗を減らすことができる。特にシース本体部41のチューブ補強部分を湾曲させた場合には、たとえ上述の隙間63が存在していたとしても湾曲部分の外側が非固定部60の内面に接触するおそれがあるが、この場合でも非固定部60とシース本体部41とがより相対移動し易くなるので、シース本体部41のチューブ補強部分の適度な可撓性をより確実に確保することができる。
図6の下段に示す第3パターンにおいて、粗面65は、シース先端部40の基端40a(シース本体部41の先端)から範囲W3内のシース本体部41の外面に形成されている。この第3パターンはガイドシース11を用いずに処置具挿通路25内に超音波プローブ12を挿通させる場合を想定したものである。従って、範囲W3の基端、すなわち粗面65の形成領域の基端は、処置具挿通路25の通路長L1(図4参照)に基づき決定される。
例えば、本実施形態では通路長L1が既述の通り650mm〜700mmである。このため、粗面65は、シース先端部40の基端40aから少なくとも650mm内の範囲内に形成されていることが好ましい。これにより、シース35の外面と処置具挿通路25の内面との摺動抵抗、及びシース35の外面と体壁等との摺動抵抗を減らすことができるので、上記第1パターンと同様の効果が得られる。
図7は、図6に示した第1パターンから第3パターンの粗面65の形成範囲の変形例を説明するための説明図である。図6に示した各パターンではシース先端部40の基端40aから基端側に向けて粗面65を形成しているが、図7に示すように、シース先端部40の外面にも粗面65を形成してもよい。
具体的には、粗面65を、第1パターンではシース35(シース先端部40)の先端から基準位置Pまでの範囲W1Aでシース35の外面に形成し、第2パターンではシース35の先端から基端までの範囲W2Aでシース35の外面の全面に形成し、第3パターンではシース35の先端から少なくとも650mm内の範囲内(範囲W3A内)に形成する。これにより、シース先端部40の外面と既述の体壁等との摺動抵抗も減らすことができるので、シース35の伸び及び超音波振動子36の位置ずれをより確実に防止することができる。
<コネクタの構造>
図3に戻って、チューブ37の延在部57は、コネクタ38(図8参照)に接続される。これにより、シース35は、シース35よりも太径のチューブ37を介してコネクタ38に保持される。
図8は、コネクタ38及び折れ止め部材39の断面図である。図9は、図8中の点線内の拡大図である。なお、図8及び図9では、図面の煩雑化を防止するため、第2固定部59を図3等とは異なりドット表示で表している。図8及び図9に示すように、コネクタ38は、略筒状の配管具69(接続管ともいう)と、配管具保持部70と、スキャナ接続口71を有する収納部72と、回転保持部73と、を備える。
配管具69は、配管具保持部70よって、配管具保持部70の先端側(矢印V1方向側)であって且つ長手軸A上に位置するように保持されている。この配管具69の先端側には、さらに先端側に向かって突出した挿入筒部69aが形成されている。挿入筒部69aは、その先端部が先端側に向かって先細りとなる形状を有している。また、挿入筒部69aの先端部とは異なる本体部分の外径は、既述のチューブ37の内径φ2Aよりも僅かに大きく形成されている。
挿入筒部69aは、チューブ37の延在部57の基端側の開口から延在部57の内部に挿入される。この挿入は、延在部57の基端面が配管具69の突き当て面69bに突き当たるまで継続され、その結果、配管具69に対してチューブ37が長手軸A方向に位置決めされる。ここで延在部57の長手軸A方向の長さは、挿入筒部69aの長手軸A方向の長さ(例えば6mm)よりも長く形成されていることが好ましい。このように、延在部57の基端側を挿入筒部69aに外嵌させる(被せる)ことにより、チューブ37が配管具69に接続固定(保持)され、さらにチューブ37を介してシース35が配管具69に保持される。
このようにチューブ37の延在部57を配管具69に外嵌して接続固定することにより、チューブ37よりも細径のシース35を配管具69に外嵌して接続固定する場合と比較して、接続固定作業(組立作業)を簡単に行うことができると共に、リジットに固定することができる。また、延在部57を配管具69に外嵌して接続固定することで、既述の図2に示した超音波振動子36の位置調整(距離LSの調整)を容易に行うことができる(図10参照)。
図10は、超音波振動子36の位置調整を説明するための説明図である。図10に示すように、延在部57の長手軸A方向の長さを短くすると、シース先端部40内での超音波振動子36の位置が相対的に先端側(矢印V1方向側)に変位する。なお、延在部57の長手軸A方向の長さは、挿入筒部69aの先端がシース35の基端に当接する長さまで短くすることができる。また逆に、延在部57の長さを長くすると、シース先端部40内での超音波振動子36の位置が相対的に基端側(矢印V2方向側)に変位する。このため、延在部57の長さ調整を行うだけで超音波振動子36の位置調整を簡単に行うことができる。
図8及び図9に戻って、配管具保持部70は、その先端側において既述の配管具69を長手軸A上に保持する。また、配管具保持部70の内部には、長手軸Aに沿って挿通穴70aが形成されている。この挿通穴70aには、チューブ37の延在部57の基端からさらに基端側(矢印V2方向)に延びた密着ばね49及び信号ケーブル50が挿通される。これら密着ばね49及び信号ケーブル50の基端は、回転保持部73に保持(接続)される。
収納部72は、略円筒形状を有しており、配管具保持部70の基端側に接続されている。この収納部72の内部には、回転保持部73が長手軸A周りに回転自在に収納されている。また、収納部72の基端側には、既述のスキャナ13(図1参照)を回転保持部73に電気的且つ一体的に接続させるためのスキャナ接続口71が開口している。
回転保持部73は、挿通穴70aの内面に設けられたOリング76と、挿通穴70aの内面に設けられたベアリング77とを介して、収納部72内において長手軸A周りに回転自在に保持されている。なお、Oリング76により、挿通穴70a内の音響媒体が回転保持部73(後述の密着ばね保持部79)側へ流出しないように密封している。回転保持部73は、密着ばね49及び信号ケーブル50を前述の長手軸A周りに回転自在に保持する。この回転保持部73は、密着ばね保持部79と、信号ケーブル保持部80とを備える。
密着ばね保持部79は、回転保持部73の先端側に設けられている。密着ばね保持部79は略筒形状を有している。また、この密着ばね保持部79の先端側には、密着ばね49の基端を嵌合保持する略穴形状の嵌合保持部79aが設けられている。これにより、密着ばね49の基端は、嵌合保持部79a内に挿入されてその基端側の端面に突き当てられる。このように密着ばね保持部79は、嵌合保持部79aにより密着ばね49を保持する。その結果、密着ばね保持部79は、密着ばね49と一体的に長手軸A周りに回転する。なお、嵌合保持部79a内の基端側の端面には、信号ケーブル50を挿通可能なケーブル挿通穴が形成されており、このケーブル挿通穴を通して信号ケーブル50は信号ケーブル保持部80に接続される。
信号ケーブル保持部80は、密着ばね保持部79の基端側に設けられている。この信号ケーブル保持部80は、長手軸A上に設けられた接続端子80aと、この接続端子80aを収納するスキャナ接続部80bと、を備える。
接続端子80aの先端側には、密着ばね49の基端からさらに基端側(矢印V2方向)に延びた信号ケーブル50が電気的に接続される。一方、接続端子80aの基端側には、スキャナ13の信号ケーブル(不図示)が電気的に接続される。
スキャナ接続部80bは、先端側が閉塞されて接続端子80aを長手軸A上に保持し、且つ基端側が開放された有底筒形状を有している。また、スキャナ接続部80bの先端側には、密着ばね保持部79の基端側が接続固定されている。このスキャナ接続部80bには、その基端側からスキャナ接続口71を通してスキャナ13の回転駆動部(不図示)が一体的に接続される。そして、スキャナ接続部80bは、スキャナ13の回転駆動部(不図示)からの回転駆動力を受けて、接続端子80a及び密着ばね保持部79と一体的に長手軸A周りに回転する。これにより、密着ばね49及び信号ケーブル50が長手軸A周りに回転され、さらにこれに伴い超音波振動子36が長手軸A周りに回転される。
また、スキャナ接続部80bにスキャナ13の回転駆動部(不図示)が接続されると、スキャナ13の信号ケーブル(不図示)が接続端子80aに電気的に接続される。これにより、既述の超音波振動子36と観測装置14とが、コネクタ38及び信号ケーブル50を介して電気的に接続される。これにより、超音波振動子36と観測装置14との間での電気信号(駆動信号及びエコー信号)の送受信が可能となる。
折れ止め部材39は、配管具保持部70の先端側に接続されている。この折れ止め部材39は、既述の通り、略円錐筒形状を有しており、その内部にシース35及びチューブ37が挿通される。この折れ止め部材39は、チューブ37の少なくとも延在部57及び第2固定部59を覆うように、長手軸A方向の長さが調整されている。
このように折れ止め部材39により延在部57を覆うことで、チューブ37の中でシース本体部41と重複している部分よりも機械的強度が低くなる延在部57の折れ曲がり及び座屈等を防止することができる。また、第2固定部59は、図示は省略するが熱溶着により窪み状に形成されるため、折れ止め部材39により第2固定部59を覆うことで、第2固定部59(窪み)を隠すことができる。
[本実施形態の効果]
以上のように上記構成の超音波プローブ12では、シース本体部41のチューブ補強部分をチューブ37で覆うことでこのチューブ補強部分の適度な機械的強度を確保し、且つこのチューブ37を、非固定部60を間に挟んで第1固定部58及び第2固定部59のみでシース35に固定することで、チューブ補強部分の適度な可撓性を確保することができる。その結果、超音波プローブ12のシース35の適度な機械的強度の確保と適度な可撓性の確保とを両立することができる。これにより、シース本体部41のチューブ補強部分の座屈、及び回転保持部73の回転駆動時のチューブ補強部分の捩れ等を防止しつつ、超音波プローブ12の操作性を確保することができる。
また、上記構成の超音波プローブ12では、既述の図6及び図7に示したようにシース35の外面に粗面65を形成することで、被検体内の体壁、ガイドシース11の内面、及び処置具挿通路25の内面等と、シース35との摺動抵抗(摩擦)を低減させることができる。その結果、超音波プローブ12の挿入操作性を向上させると共に、引き抜き操作時にシース35が伸びて塑性変形することが防止される。
さらに、特にシース本体部41の外面の全面に粗面65を形成することで、チューブ37の非固定部60の内面と、この内面に対向するシース本体部41の外面との摺動抵抗を減らすことができるので、シース35のチューブ補強部分の適度な可撓性をより確実に確保することができる。
また、上記構成の超音波プローブ12では、チューブ37の延在部57をコネクタ38に接続固定することで、接続固定作業(組立作業)を簡単に行うことができると共に、リジットに固定することができる。さらにこの延在部57の長さ調整を行うことで、既述の図10に示したようにシース先端部40内での超音波振動子36の位置調整を容易に行うことができる。
[粗面を有するシースの製造方法]
次に、外面に粗面65を有するシース35の製造方法について説明する。ここでは、既述の図6に示したように、外面に粗面65を有するシース本体部41の製造方法を例に挙げて説明を行う。なお、既述の図7に示したような外面に粗面65を有するシース先端部40についても同様の方法で製造することができる。
図11は、光沢面化されているシース本体部41の外面、紙やすりにより粗面化されたシース本体部41の外面、及び粗面65が形成された本実施形態のシース本体部41の外面を説明するための説明図である。
図11の上段に示すシース本体部41の光沢面化された外面を粗面化する方法として、紙やすりを用いる方法及びサンドブラスト法などの物理的に粗面化する方法が知られている。例えば、図11の中段に示すように、シース本体部41の光沢面化された外面を紙やすり#600(JIS R 6010 研磨布紙用研磨材の粒度による規定参照)で擦ることにより、この外面を粗面化することができる。ただし、シース本体部41の外面を紙やすり等で粗面化した場合、この粗面化された外面が脆くなり、被検体内で外面に剥離が生じたり、紙やすり等に用いられている研磨剤が残留したりするおそれがある。
そこで、本実施形態では、例えば特許5166393号公報に記載されているような押出成形法を用いて、図11の下段に示すような外面に粗面65を有するシース本体部41を製造する。
図12は、本実施形態のシース本体部41を製造する押出成形機90の概略図である。図12に示すように、押出成形機90は、供給部91と、金型部92と、冷却部93と、を備える。
供給部91は、加熱されて溶融状態となったポリエーテルブロックアミド重合体を金型部92へ供給する。金型部92は、溶融状態のポリエーテルブロックアミド重合体を、図示しないダイの成形穴に通して管状に押出成形する。冷却部93は、金型部92にて押出成形されたポリエーテルブロックアミド重合体を冷却してシース本体部41を製造する。
この際に、ポリエーテルブロックアミド重合体は押出成形時の冷却速度を変えることで、発熱量と吸熱量とに差が生じて結晶状態(結晶構造)が変化することが知られている(International Journal of Material Forming April 2008, Volume 1, Supplement 1, pp 587-590)。従って、冷却部93は、金型部92等を冷却することにより、押出成形されるポリエーテルブロックアミド重合体の結晶状態を変化(結晶化)させて、シース本体部41の体積を減少させる。これにより、シース本体部41の外面に皺が形成されて外面に粗面65が形成される。
しかしながら、ポリエーテルブロックアミド重合体は、押出成形時の温度差を利用する方法では粗面65を安定して形成し難いという問題がある。このため、従来ではポリエーテルブロックアミド重合体に代えてポリアミドエラストマーにポリウレタン等の添加物を別途に添加することで、外面が粗面化されたシース本体部41を製造していたが、この場合、被検体内でのポリウレタン等の剥離という問題が生じる。
そこで本発明者は、押出成形時の温度条件(溶融状態のポリエーテルブロックアミド重合体、金型部92等の冷却温度)を変えながら鋭意実験を行うことにより、ポリエーテルブロックアミド重合体に何らの添加物を添加することなく、粗面65を有するシース本体部41を安定して製造可能な温度条件を見出した。これにより、通常の押出成形機90を用いてポリエーテルブロックアミド重合体単体で、粗面65を有するシース本体部41を製造することができる。
図13は、シース本体部41の外面に形成されている粗面65の写真であり、図14は図13に示した粗面65の一部を拡大した拡大図である。なお、図13は外径φ1B(1.4mm)のシース本体部41をレンズ倍率50倍で撮影したものであり、図14はシース本体部41をレンズ倍率150倍で撮影したものである。また、両図中の点線円は、図13及び図14の撮影倍率の違いを明確にするために、両図中の同一の指標(約0.05mm)を示したものである。
図13及び図14に示すように、上述の製造方法にて製造されたシース本体部41の粗面65は、ポリエーテルブロックアミド重合体を押出成形しながら急速冷却することにより、長手軸A方向のヘアライン(細線又は筋目ともいう)と、微小凹凸とが複合した形状を有している。
このように粗面65が長手軸A方向のヘアラインを有しているので、シース本体部41の長手軸A方向の挿入操作時又は引き抜き操作時の摺動抵抗(摩擦)を低減させることができる。さらに本実施形態の粗面65は、ヘアラインに微小突起を複合形成することができる。なお、既述の紙やすり(#600)によりシース本体部41の外面を粗面化する方法ではヘアラインは形成可能であるが、本実施形態の粗面65のようにヘアラインに微小突起を複合形成することはできない。
[粗面の効果]
図15は、シース本体部41の外面の状態が異なる3種類のシース35(外径φ1B=1.4mm)を用いて、処置具挿通路25内に挿通されたガイドシース11からシース35の引き抜き操作を行った場合の引き抜き速度と引き抜き負荷との関係を示したグラフである。3種類のシース35は、シース本体部41の外面が光沢面化されているものと、シース本体部41の外面が紙やすり(#600)で粗面化されているものと、シース本体部41の外面に本実施形態の粗面65が形成されているものとからなる。
3種類のシース35ごとの引き抜き操作は、挿入部18の湾曲部23のアングル角度θ(図16参照)を90°にした状態において同一の条件(同一の装置又は同一の人)で行い、3種類のシース35ごとの引き抜き負荷の測定も同一の測定装置を用いて測定を行った。なお、実際の検査時の引き抜き操作を想定し、引き抜き速度50〜100cm/sは通常の引き抜き操作が行われた場合の速度であり、引き抜き速度30cm/sは慎重に引き抜き操作が行われた場合の速度である。
図15に示すように、シース本体部41の外面が光沢面化されている場合には、引き抜き速度を増加させることで、引き抜き負荷の大きさは、シース本体部41が長手軸A方向に伸びて塑性変形する8N(弾性限界)を超えてしまうことが確認された。
一方、シース本体部41の外面に本実施形態の粗面65が形成されている場合には、シース本体部41の外面が紙やすり(#600)で粗面化されている場合と同様に、引き抜き速度を増加させても引き抜き負荷の大きさが8N(弾性限界)を超えないことが確認された。これにより、本実施形態の粗面65をシース本体部41の外面に形成することで、シース本体部41の外面と、被検体内の体壁、ガイドシース11の内面、及び処置具挿通路25の内面等との摺動抵抗が低減することが確認された。
図16は、挿入部18の湾曲部23のアングル角度θを異なる複数の角度にそれぞれ調整した状態で、シース本体部41の外面に粗面65が形成されているシース35(外径φ1B=1.4mm)を、処置具挿通路25内のガイドシース11から引き抜き操作した場合の引き抜き速度と引き抜き負荷との関係を示したグラフである。なお、複数の角度(アングル角度θ)は、90°、135°、及び180°である。
各角度での引き抜き操作は同一の条件(同一の装置又は人)で行い、各角度での引き抜き負荷の測定も同一の測定装置を用いて測定を行った。
図16に示すように、シース本体部41の外面に粗面65が形成されている場合には、アングル角度θを180°まで増加させても引き抜き負荷の大きさが8N(弾性限界)を超えないことが確認された。これにより、粗面65をシース本体部41の外面に形成することで、上述の摺動抵抗が低減することが確認された。
図17は、シース本体部41の外面が光沢面化されているシース35と、シース本体部41の外面に本実施形態の粗面65が形成されているシース35とを用いて、引張強度試験[応力-ひずみ曲線(stress-strain curve)測定]を行った結果を示したグラフである。
各シース35の外径φ1Bは1.4mmであり、引張試験長(チャック間距離)を20mmとし、引っ張り速度を20mm/minとする条件で各シース35の引張強度試験を行った。
図17に示すように、応力-ひずみ曲線は、シース本体部41内の結晶の存在を示すものである。図17の上段に示すように、「外面が光沢面化されているシース本体部41」は結晶が少ないため、荷重11N付近で変位に対して荷重が増加しない延伸領域(点線円で表示)が大きくなる。これに対して、図17の下段に示すように、「外面に粗面65が形成されているシース本体部41」は結晶が多くなるので荷重11N付近での延伸領域(点線円で表示)が小さくなることが確認された。シース本体部41の粗面化は結晶が多い方がより進むので、図17に示した結果から上記の製造方法にてポリエーテルブロックアミド重合体が結晶化することにより、シース本体部41の外面が粗面化されることが確認された。
また、「外面が光沢面化されているシース本体部41」と「外面に粗面65が形成されているシース本体部41」との応力-ひずみ曲線の図中右肩上がり部分(変位が約20mmから約80mmの範囲)を比較すると、後者の方が前者よりも曲線の傾きが増加しているので、後者の方が前者よりも弾性率が向上していることが確認された。
[その他]
上記実施形態では、互いに異なる種類のポリエーテルブロックアミド重合体で形成されたシース先端部40とシース本体部41とを熱溶着してシース35を構成しているが、シース35全体を同一の材料(例えばポリエーテルブロックアミド重合体)で一体形成してもよい。
上記実施形態では、シース35のシース本体部41とチューブ37とを同一材料で形成しているが、チューブ37の第1固定部58及び第2固定部59を熱溶着によってシース本体部41に固定可能であれば、シース本体部41とチューブ37とを異なる材料で形成してもよい。
上記実施形態では、シース35の外面に粗面65を形成しているが、チューブ37の外面にも同様の粗面65を形成してもよい。
上記実施形態では、ポリエーテルブロックアミド重合体で形成されたシース35及びチューブ37を例に挙げて説明したが、医療用に使用可能な各種の材料で形成可能である。