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JP6648695B2 - 半透膜分離装置の運転方法 - Google Patents

半透膜分離装置の運転方法 Download PDF

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JP6648695B2 JP2016535184A JP2016535184A JP6648695B2 JP 6648695 B2 JP6648695 B2 JP 6648695B2 JP 2016535184 A JP2016535184 A JP 2016535184A JP 2016535184 A JP2016535184 A JP 2016535184A JP 6648695 B2 JP6648695 B2 JP 6648695B2
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Description

本発明は、海水や、塩分を含む河川水、地下水、湖水、廃水処理水などの原水を用いて、低濃度の透過水を生産水として得るための半透膜分離装置の運転方法に関するものであり、さらに詳しくは、半透膜の透水性能と阻止性能とを適切に維持し、省エネと生産水質を両立させることができる半透膜分離装置の運転方法に関するものである。
近年、水資源の枯渇が深刻になりつつあり、これまで利用されてこなかった水資源の活用が検討されている。特に、もっとも身近でそのままでは利用できなかった海水から飲料水を製造する技術、いわゆる“海水淡水化”や、さらには、下廃水を浄化し、処理水を淡水化する再利用技術が注目されてきている。
海水淡水化は、従来、水資源が極端に少なく、かつ、石油による熱資源が非常に豊富である中東地域で蒸発法を中心に実用化されてきている。一方、熱源が豊富でない中東以外の地域ではエネルギー効率の高い逆浸透法が採用されており、最近では、逆浸透法の技術進歩による信頼性の向上やコストダウンが進み、中東を含む多くの地域において、逆浸透法海水淡水化プラントが建設され、世界的な展開を見せつつある。
下廃水再利用は、内陸や海岸沿いの都市部や工業地域で、淡水源がないようなところや排水規制のために放流量が制約されているようなところに適用され始めている。特に、水源が乏しい島国のシンガポールでは、国内で発生する下水を処理後、海に放流せずに貯留し、逆浸透膜で飲料できるレベルの水にまで再生し、水不足に対応している。
このような海水淡水化や下廃水再利用に適用される逆浸透法は、塩分などの溶質を含んだ水を浸透圧以上の圧力をもって半透膜を透過させることで、脱塩された水を製造するものである。この技術は例えば海水、かん水、有害物を含んだ水から飲料水を得ることも可能であるし、また、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などにも用いられてきた。
逆浸透膜による淡水化装置を安定運転させるためには、取水する原水水質に応じた前処理が必要である。前処理が不十分だと、逆浸透膜を劣化させたりファウリング(膜面汚れ)させることがあり、安定運転が困難になりやすい。特に、逆浸透膜を劣化させる化学物質が逆浸透膜に侵入した場合、洗浄によっても回復不能な致命的な状況に陥る可能性がある。すなわち、逆浸透膜の機能層(逆浸透機能を発現する部分)が分解し、水と溶質の分離性能、言い換えると、溶質の阻止性能が低下する。
海水淡水化や下廃水再利用などの用途に逆浸透膜を用いる場合、このような逆浸透膜の機能層の分解を100%生じないようにすることは非常に難しく、特に、逆浸透膜の主流であるポリアミドは、酸化劣化を生じやすい(非特許文献1)。また、ある程度の耐久性は有するものの強い酸やアルカリにさらされた場合も、機能層の分解が起こりやすい。
このような分解が起こった場合、水処理用逆浸透膜として一般的なアニオン荷電を有する半透膜の場合には、アニオン荷電による荷電排除効果によって阻止可能な無機電解質の分離除去よりも、中性分子の除去への悪影響が大きく、特に中性分子の阻止率が悪くなる。具体的には、中性領域で解離していないシリカやホウ素、糖類などの水質悪化が著しくなる。
必要な阻止性能を失った逆浸透膜は、通常、新品と交換しなければならなくなるため、当然処理コストの増加につながる。
このため、長年にわたって、逆浸透膜の阻止性能を回復させる技術の開発が進められており、ビニル系ポリマーを接触、反応させる方法(特許文献1、2)、ポリエチレングリコールを逆浸透膜に接触させて阻止率、特に非イオン性溶質に対する阻止率を向上させる方法(特許文献3、4)、透過流束が増加したアニオン荷電を有する逆浸透膜に対し、ノニオン系界面活性剤を膜面に接触させる方法(特許文献5)、酸化還元電位が300mV以上であるヨウ素及び/またはヨウ素化合物を接触させる方法(特許文献6)、燐酸、亜燐酸、硫酸等の強鉱酸水溶液と接触させて昇温した後、加水分解性タンニン酸などの阻止性能向上剤に接触させる方法(特許文献6)など、数々の逆浸透膜の阻止性能回復方法やそのための回復剤が提案されている。
しかしながら、これらの阻止性能回復処理は、様々な技術課題を抱えている。
すなわち、逆浸透膜の種類や状態(汚れ、劣化)、水温などの処理環境、処理を実施するときの条件(処理液の温度、濃度、処理時間など)によって阻止性能向上処理効果が変わったり、阻止性能向上処理の副作用とも言える透水性能低下も変化する。また、阻止率向上後の長期性能持続効果などもまちまちであり、阻止性能向上処理後の造水運転において水質が不十分であったり、運転圧力が不足したり、困難を伴う場合が少なくない。
2000年代になってから急速に建設され稼働開始している大型の海水淡水化や下水再利用プラントでは、逆浸透膜を多数使用していることや海水など自然環境中の原水を処理するため、たとえ前処理をしても、季節、潮の満ち引き、赤潮その他、天候や自然環境の影響を受けながら逆浸透膜の運転がなされることとなる。すなわち、逆浸透膜の状態も同じプラントの中でも様々であり、技術課題も様々である。
また、阻止性能向上処理のためには、一旦通常の造水処理を停止した後、薬液洗浄ラインを通して、運転時の被処理原水に変えて阻止性能向上剤に置き換える。そのため、稼働率が低下する、手間が煩雑である、また、処理終了後に、再度、被処理原水を通水して通常運転条件で阻止性能や透水性能も測定しなければ最終的な効果が判らないなど、多くの問題を抱えている。
これらの問題に対し、逆浸透膜の状態の違いによる処理効果への影響を解決するためには、例えば、特許文献8に例示されるように、逆浸透膜を薬液洗浄した後に阻止性能向上処理を施す技術が一般的に適用されている。また、特許文献9に示すように高温水で洗浄してから阻止性能向上剤に接触させるといった前処理も提案されている。
阻止性能向上処理の効果を判断する方法としては、阻止性能向上剤に標識となる物質を添加し、透過水中の標識物質の濃度を検出することによって処理効果を確認する方法(特許文献10)が提案されている。
阻止率向上処理が飽和に達し、それ以上無駄な回復処理時間を要することがないように、阻止性能向上剤の供給濃度と排出濃度を監視して、処理の終了を判定する方法も提案されている(特許文献11)。
日本国特開昭55−114306号公報 日本国特開昭59−30123号公報 日本国特開2007−289922号公報 日本国特開2008−132421号公報 日本国特開2008−86945号公報 日本国特開2011−161435号公報 日本国特開平2−68102号公報 日本国特開2008−36522号公報 日本国特開2009−22888号公報 日本国特開2008−155123号公報 日本国特開2008−183488号公報
植村忠廣ら、複合逆浸透膜の退園組成と塩素劣化による膜構造、膜分離特性の変化、日本海水学会誌、第57巻、第3号(2003) M.Taniguchiら、Boron Reduction performance of reverse osmosis seawater desalination process、ジャーナル・オブ・メンブレン・サイエンス、183、259−267(2000)
しかし、上記の方法はいずれも、阻止性能向上の代償として、透水性能が低下し、運転圧力が増大することが避けられなかった。
そこで本発明は、ナノろ過膜や逆浸透膜などの半透膜を用いた半透膜分離装置に対し、半透膜の阻止性能、特に非イオン性物質の阻止性能を向上させることができる阻止性能向上工程とファウリングによる性能低下を回復させる洗浄工程を効率的に併用することで、省エネと生産水質を安定的に両立させる半透膜分離装置の運転方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は次の構成をとる。
(1) 被処理水を半透膜ユニットに供給して、透過水側に分離処理された生産水を得る半透膜分離装置の運転方法であって、
前記半透膜ユニットの前記被処理水側に阻止性能向上剤を含有する液体を加圧供給し、前記半透膜ユニットにおける半透膜の膜面に前記阻止性能向上剤を接触付着させることによって、前記半透膜の阻止性能を向上させる工程A、及び
前記半透膜に付着した前記阻止性能向上剤を、除去剤を含有する液体で剥離除去することによって、前記半透膜の透水性能を向上させる工程B
を断続的に実施しながら生産水を得る、半透膜分離装置の運転方法。
(2) 得られる生産水の水質が基準値を上回る場合、前記半透膜の溶質透過係数が基準値を上回る場合、及び、前記被処理水の水温が基準値を上回る場合から選ばれる少なくともいずれか1の場合に前記工程Aを実施し、
運転圧力が基準値を上回る場合、得られる生産水の流量が基準値を下回る場合、前記半透膜の純水透過係数が基準値を下回る場合、及び、前記被処理水の水温が基準値を下回る場合から選ばれる少なくともいずれか1の場合に前記工程Bを実施する、前記(1)に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(3) 前記工程A及び前記工程Bの少なくともいずれか一方を実施する前に、前記半透膜の洗浄を実施する、前記(1)または(2)に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(4) 前記工程A及び前記工程Bの少なくともいずれか一方の実施と同時に、前記半透膜の洗浄を実施する、前記(1)または(2)に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(5) 前記工程Bの実施と同時に、前記半透膜の洗浄を実施する、前記(4)に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(6) 前記工程Aを前記被処理水の水温が最低水温期から最高水温期の間である水温上昇期に行うとともに、前記工程Bを前記被処理水の水温が前記最高水温期から前記最低水温期の間である水温低下期に行う、前記(1)〜(5)のいずれか1に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(7) 前記工程Aにおける前記阻止性能向上剤を含有する液体として、前記被処理水に前記阻止性能向上剤を添加した液体を用い、生産水を得ながら前記工程Aを行う、前記(1)〜(6)のいずれか1に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(8) 前記工程Aにおける前記阻止性能向上剤がポリアルキレングリコール鎖を有する化合物を含有し、かつ、前記工程Bにおいて、(i)前記除去剤が界面活性剤である、(ii)前記除去剤がピリジン環、アルキルアミン鎖及びピペリジン環から選ばれる少なくともいずれか1を有する化合物を含む、及び(iii)前記除去剤を含有する液体がアルカリ性を示す、からなる群より選ばれる少なくとも1を満たす、前記(1)〜(7)のいずれか1に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(9) 前記工程Bの実施中に、前記半透膜ユニットの前記透過水側から前記被処理水側に水を透過させる、前記(1)〜(8)のいずれか1に記載の半透膜分離装置の運転方法。
(10) 前記透過水側から前記被処理水側への水の透過が正浸透によるものである、前記(9)に記載の半透膜分離装置の運転方法。
本発明の半透膜分離装置の運転方法によれば、ナノろ過膜や逆浸透膜などの半透膜を用いた半透膜分離装置に対し、半透膜の阻止性能、特に非イオン性物質の阻止性能を向上させることができる阻止性能向上工程とファウリングによる性能低下を回復させる洗浄工程を効率的に併用し、省エネと生産水質を安定的に両立させながら淡水を製造することが可能となる。
図1は、本発明における半透膜の阻止性能向上方法(工程A)を適用可能な半透膜造水装置(半透膜分離装置)のプロセスフローの一例である。 図2は、本発明における半透膜の阻止性能向上方法(工程A)を半透膜に対して逆流で適用可能な半透膜造水装置(半透膜分離装置)のプロセスフローの一例である。 図3は、本発明における半透膜の阻止性能向上方法(工程A)を半透膜に対して逆流切替で適用可能な半透膜造水装置(半透膜分離装置)のプロセスフローの一例である。 図4は、本発明における半透膜の阻止性能向上方法(工程A)の実施例採取に用いた試験装置のプロセスフローである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を用いて説明する。ただし、本発明の範囲がこれらに限られるものではない。
本発明に係る半透膜分離装置の運転方法は、被処理水を半透膜ユニットに供給して、透過水側に分離処理された生産水を得る運転方法であって、
前記半透膜ユニットの前記被処理水側に阻止性能向上剤を含有する液体を加圧供給し、前記半透膜ユニットにおける半透膜の膜面に前記阻止性能向上剤を接触付着させることによって、前記半透膜の阻止性能を向上させる工程A、及び
前記半透膜に付着した前記阻止性能向上剤を、除去剤を含有する液体で剥離除去することによって、前記半透膜の透水性能を向上させる工程B
を断続的に実施しながら生産水を得ることを特徴とする。
工程Aとして、本発明の半透膜の阻止性能向上方法を適用可能な半透膜分離装置の一例を図1に示す。
図1に示す半透膜造水装置を造水運転する場合、被処理水ライン1を通って被処理水が、被処理水槽2に一旦貯留された後、必要に応じて、被処理水供給ポンプ3で前処理ユニット4に送液され、前処理される。
前処理水は、中間水槽5、前処理水供給ポンプ6、保安フィルター7を経て、昇圧ポンプ8で昇圧された後、半透膜モジュールから構成される半透膜ユニット9で透過水と濃縮水に分離する。
透過水は、生産水ライン10aを経て生産水タンク12に貯留される。濃縮水は、必要に応じてエネルギー回収ユニット13で圧力エネルギーを回収した後、濃縮水排出ライン11aを経由して系外へ放流される。
造水運転中は、供給水バルブ16a、透過水バルブ17a、濃縮水バルブ18aは開かれ、供給薬液バルブ16b、透過薬液バルブ17b、濃縮薬液バルブ18bは閉じられている。
本発明における阻止性能向上処理(工程A)および、除去剤を用いて阻止性能向上剤を半透膜から剥離除去する処理(工程B)を適用する際には、薬液循環ラインを用いることが出来る。
薬液循環ラインは、薬液槽15、薬液供給ポンプ19、薬液添加ユニット20aからなり、薬液供給ライン14から半透膜ユニット9に供給され、透過した薬液(薬液の種類によっては溶質が全て阻止されるので、その場合は溶媒のみ)が、透過水ライン10、透過薬液ライン10bを経由して、また、透過しなかった濃縮薬液は、濃縮水ライン11、濃縮薬液ライン11bを通って、薬液槽15に還流する。
半透膜の阻止性能向上処理中は、供給水バルブ16a、透過水バルブ17a、濃縮水バルブ18aは閉じられ、供給薬液バルブ16b、透過薬液バルブ17b、濃縮薬液バルブ18bは開かれている。
なお、この薬液循環ラインは、酸、アルカリ、洗剤などを用いて半透膜を循環洗浄する場合にも利用することができる。
本発明においては、半透膜ユニットにおける半透膜の一次側(被処理水側)に阻止性能向上剤を含有する液体を加圧供給し、半透膜の膜面に前記阻止性能向上剤を接触付着させることによって、前記半透膜の阻止性能を向上させる工程Aと、半透膜に付着した前記阻止性能向上剤を、除去剤を含有する液体で剥離除去することによって、前記半透膜の透水性能を向上させる工程Bを断続的に実施しながら、生産水を得ることによって、生産水に要求される水質(生産水質)を満足させながら、半透膜の透水性能低下を最小限に抑えることが可能になる。
具体的には、得られる生産水質が要求水質(水質基準値)を上回るような状況では、工程Aを処方し、半透膜の阻止性能を改善させる。工程Aを処方する条件としては、生産水質が基準値を上回った場合、もしくは、上回ることが想定される場合である。
また、半透膜の溶質透過係数もしくは、溶質透過係数をもとに算出したパラメータをもとに処方を決定することも出来る。パラメータとしては、生産水質の予測値、標準性能などが挙げられる。
さらには、半透膜の透過性能を大きく左右する条件として、被処理水の水温が挙げられる。
すなわち、得られる生産水の水質が基準値を上回る場合、前記半透膜の溶質透過係数が基準値を上回る場合、及び、前記被処理水の水温が基準値を上回る場合から選ばれる少なくともいずれか1の場合に前記工程Aを実施することが好ましい。
これらの中で、被処理水の水温は、生産水質に最も大きな影響を及ぼすとともに、測定が容易であるため、該水温に基づいて工程Aを処方することも好ましい。
すなわち、被処理水の水温が基準値より上がった場合の他に、被処理水の性状変動によって生産水流量が増えたり、生産水量一定で運転している場合に運転圧力が低下しエネルギー的に余裕が出来た場合に、生産水流量や運転圧力に基づいて、工程Aを処方することも出来るし、半透膜の純水透過係数や純水透過係数を元に算出したパラメータをもとに工程Aを処方すると決定することもできる。パラメータとしては、生産水流量や運転圧力の予測値、標準性能などが挙げられる。
このような制御は、廃水処理、修景用水など、水質のみならず水量が重要視される場合に適している。
工程Bに関しても同様である。すなわち、運転圧力が基準値を上回る場合、得られる生産水の流量が基準値を下回る場合、前記半透膜の純水透過係数が基準値を下回る場合、及び、前記被処理水の水温が基準値を下回る場合から選ばれる少なくともいずれか1の場合に前記工程Bを実施することが好ましい。
運転圧力が基準値を上回る場合とは、生産水質が基準値を下回った場合(基準内にある場合)等が挙げられるまた、生産水の流量や半透膜の純水透過係数として、半透膜の溶質透過係数もしくは、半透膜の溶質透過係数をもとに算出したパラメータを元に処方を決定することが出来る。
工程A又は工程Bに移行するための条件設定方法としては、特に制約はないが、工程Aが生産水質の改善、工程Bが生産水量(もしくは運転圧力)の改善に寄与する工程であるため、生産水質を指標とし、生産水質が基準値を超える場合に工程Aを処方し、生産水量が基準値を下回った場合(もしくは運転圧力が基準値を上回った場合)に、工程Bを処方することが好ましい。ただし、生産水質重視の場合は、生産水流量が基準値を下回ったり、運転圧力が基準値を上回った場合でも、生産水質が基準値を下回っていない限りは、生産水流量の低下を許容できる範囲で工程Bを処方しないような制御をすることが好ましい。生産水質および生産水流量のいずれも基準値を満足できない状況の場合は、半透膜の洗浄を施すことも出来るが、洗浄によって水質が改善しない場合は、半透膜を新品に交換することが必要となる。
なお、本発明を適用する半透膜の特性上、被処理水の水温が高い高水温期には、相対的に溶質の透過係数が大きくなる、すなわち、生産水質が悪化する傾向にある。一方で、被処理水の水温が低い低水温期には、水の透過係数が相対的に低下するため、生産水流量を維持するためには、運転圧力を高くする必要がある。
この点を鑑み、本発明者らが検討した結果、工程Aを、今後水温が上がると予想される時期(最低水温期から最高水温期の間である水温上昇期)に実施し、工程Bを、今後水温が下がると予想される時期(最高水温期から最低水温期の間である水温低下期)におおよその条件設定で実施すると簡便で好ましい。
具体的には、気候によって異なるものの、例えば春期(水温が低い冬期から水温が高い夏期への移行期)として、例えば4月第1週に工程Aを処方し、秋期(水温が高い夏期から水温が低い冬期への移行期)として、例えば10月第1週に工程Bを処方するという運転を行うことが好ましい。
また、時期と温度を併用して処方を決定することも好ましい。例えば、単純に水温が上昇傾向にある時期、2月以降8月までの期間に20℃以上になったときに、工程Aを1度実施し、その後、9月から1月までの期間に20℃以下になったときに、工程Bを1度実施するというような方法である。
このような方法は、特に、規模が小さな装置の場合や、水質や温度などを綿密に採取するのが容易でない場合において、特に好適な運転方法である。
工程Aの具体的な方法としては、背景技術に示すような阻止性能向上方法を適用することが出来る。また、阻止性能向上処理を実施するときは、下記のように、阻止性能向上剤の種類と半透膜の状態によって溶質の種類およびその濃度を選択することも可能である。
[ケースA:向上剤L+溶質L]
半透膜での阻止率が低い阻止性能向上剤(以下、向上剤L)を用いる場合、阻止性能が低い溶質(以下、溶質L)を含有するもしくは浸透圧が低い液体を用いると、半透膜ユニットの入口から出口まで透過水が分離させることによって生じる濃縮による阻止性能向上剤の濃縮も浸透圧上昇もともに起こりにくく、入口から出口まで半透膜の全体にわたって均等な阻止率向上剤の接触を得ることができる。すなわち、半透膜の阻止性の向上処理が均一に行われやすいことを意味している。
具体的には、例えば、半透膜の劣化が被処理供給水温度のように入口から出口まで半透膜に与える影響の変化が小さい場合は、向上剤L+溶質Lの組み合わせが適している。
[ケースB:向上剤H+溶質H]
半透膜での阻止率が高い阻止性能向上剤(以下、向上剤H)を用いる場合、阻止性能が高い溶質(以下、溶質H)を含有するもしくは浸透圧が高い液体を用いると、半透膜ユニットの入口から出口まで透過水が分離させることによって生じる濃縮によって向上剤Hの濃度が出口に行くほど高くなる。しかし、併せて溶質Hの濃度も高くなる。その結果、入口から出口まで透過流束は減少し、結果として、入口では、阻止性能向上剤が低濃度、かつ、透過流束は大きく、出口では、阻止性能向上剤が高濃度、かつ、透過流束は小さいため、接触する阻止性能向上剤は、入り口から出口までバランスがよくなるため好ましい。また、運転条件によっては、入口の方における効果発現速度を相対的にやや大きくしたり、相対的にやや低くすることも可能である。
具体的には、ケースAの場合と同様、例えば、半透膜の劣化が被処理供給水温度のように入口から出口まで半透膜に与える影響の変化が小さい場合、もしくは、半透膜に与える影響の変化がいくらかある場合、向上剤H+溶質Hの組み合わせが適している。
[ケースC:向上剤L+溶質H]
向上剤Lの場合、半透膜による阻止性能が相応に高く浸透圧を生じさせる溶質(以下、溶質H)を含有させれば、半透膜ユニットの入口近傍では透過流束が大きくなり阻止性能向上剤による効果発現速度は大きく、出口近傍に行くにつれて溶質濃縮に伴う浸透圧増加によって透過流束が減少し、阻止性能向上剤の効果発現速度は低下する。すなわち、入り口に近い方で大きな阻止性能向上が必要な場合は、好ましい実施方法である。
具体的には、例えば、海水淡水化のように、半透膜ユニット入口近傍では、出口近傍に比べて、造水中の透過流束が大きく、ファウリングしやすい、また、酸化剤が半透膜に侵入した場合は、入口近傍の方が酸化剤の影響が大きく、半透膜の劣化も相対的に大きい。したがって、このような場合は、向上剤L+溶質Hの組み合わせによって、入口近傍を積極的に処理する方法が適している。海水淡水化の場合は、溶質Hとして海水を用いることができるため、この方法が特に適している。
[ケースD:向上剤H+溶質L]
向上剤Hの場合、阻止性能向上剤濃度が出口に近くなるほど濃縮される。一方、溶質の濃縮による浸透圧の上昇は小さいので、阻止性能向上剤の効果速度は、入口から出口に行くほど大きくなる。このような方法は、半透膜が出口近傍でよりダメージを受けた場合、例えば、スケールの析出が生じた場合に効果的である。
さらに、阻止性能向上処理にあたって、半透膜への供給方向を逆にすることによって、図2に示すように、例えば、薬液供給ライン14と濃縮薬液ライン11bとを接続すること等により、前記ケースCとケースDを逆にする、すなわち、向上剤L+溶質Hによって造水時の出口近傍を優先的に性能向上させたり、向上剤H+溶質Lによって造水時の入口近傍を優先的に性能向上させることができる。もちろん、図3に例示するように、薬液供給ライン14と濃縮薬液ライン11bとを切り替えできるようにすることも好ましいし、間欠的に逆流させることも差し支えない。
ここで、本発明に用いる阻止性能向上剤に含有する成分としては、ビニル系ポリマーやポリアルキレングリコール鎖を有する化合物類が代表的であり、ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物を含有することが好ましい。
ビニル系ポリマーとしては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−エチレン共重合体、ボリピエルアルコール、酢酸ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、Nビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体などを例示することができる。
ポリアルキレングリコール鎖としては、例えば、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、ポリトリメチレングリコール鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖などを挙げることができる。これらのグリコール鎖は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフランなどの開環重合により形成することができる。
さらに、本発明に適用する阻止性能向上剤は、他の溶質を含有することが求められるが、その成分として、特に限定されるものではないが、半透膜の性能に影響を与える酸化剤や濁質、膜に吸着し、性能低下を生じさせるような界面活性剤などの化合物、有機溶剤や油分等の成分が含まれていないことに留意する必要がある。この観点から、ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物を、ポリアミドを主成分とする半透膜に適用すると、効果が大きく、特に好ましい。
本発明のポリアルキレングリコール鎖を有する化合物として、ポリアルキレングリコール鎖にイオン性基が導入された化合物を用いることができる。
イオン性基として、例えばスルホ基、カルボキシ基、ホスホ基、アミノ基、第4級アンモニウム基などを挙げることができる。これらのイオン性基を導入することにより、アニオン性やカチオン性の特性を有する水溶性の高分子化合物が得られる。
本発明におけるポリアルキレングリコール鎖としては、とくに、ポリエチレングリコール鎖であることが好ましい。ポリエチレングリコール鎖を有する化合物は、水溶性が大きいので阻止率向上剤として取り扱いやすく、複合膜表面に対する親和性が高いので、処理後の経時的な性能低下が少ない。
この中で、向上剤Lや溶質Lとしては、適用する半透膜の阻止性能が50%以下であるものが好ましく、より好ましくは阻止性能が20%以下のものである。逆に向上剤Hや溶質Hとしては、半透膜の阻止性能が70%以上のものが好ましく、より好ましくは90%以上のものである。
本発明を適用するポリマーとしては、半透膜の性能や阻止性能を向上させたい成分に応じて適宜選択することができる。例えば、具体的には、塩化ナトリウムの除去率が90%以上の逆浸透膜の場合、ポリアルキレングリコールを阻止性能向上剤として用いる場合は、好ましくは重量平均分子量が6,000以上100,000以下であり、より好ましくは7,500〜50,000である。ポリアルキレングリコール鎖の重量平均分子量が6,000未満であると、半透膜の阻止率が十分に向上せず、処理後の定着性も低くなる場合がある。重量平均分子量を100,000以内に抑えることで、極端な透過流束低下を抑制すると共に、水への良好な溶解性を維持し、簡便な取り扱いを行うことができる。
さらに、半透膜で非常に除去しにくい非解離のホウ素などの阻止性能を高めたい場合は、重量平均分子量が2,000以下の阻止性能向上剤が好ましく、重量平均分子量2,000以下のポリアルキレングリコール鎖を含有するとより効果的である。この方法に好適な半透膜としては、2,000mg/L塩化ナトリウムの除去率が99.5%以上が好ましく、特に好ましくは99.8%以上発現する高除去率膜に適用すると特に効果的である。
一方、塩化ナトリウムの除去率が50%以下であるようなルースRO膜(逆浸透膜)やナノろ過膜の場合は、阻止率向上剤としてポリアルキレングリコールの重量平均分子量を10,000以上に100,000以下すると、効果的である。とくに、ルースRO膜やナノろ過膜のような1価イオンを除去せずに2価イオンの除去をしたいような場合には重量平均分子量が20,000以上のポリアルキレングリコールを用いると、1価イオンの阻止性能をなるべく上げずに2価イオンの除去性能を上げることができるためより好ましい。
重量平均分子量は、ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物の水溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分析し、得られたクロマトグラムからポリエチレンオキシド標準品の分子量に換算することにより求めることができる。
さらに、海水淡水化用の半透膜を用いる場合、本発明の阻止性能向上剤として、半透膜の阻止性能の高さから、阻止性能向上剤Hを用いることが好ましい。
海水淡水化用の半透膜の場合は、重量平均分子量が2,000以上50,000以下であることが好ましく、2,000以上20,000以下であると特に好ましい。また、海水淡水化よりも阻止性能が小さな低圧逆浸透膜、ルース逆浸透膜(RO膜)もしくは、ナノろ過膜のような半透膜の場合は、重量平均分子量が6,000以上100,000以下であることが好ましい。
阻止性能向上剤を含有する液体を半透膜に接触処理するときには、透過流束が0.01〜2.0m/日となるように行うと半透膜の内部にまで阻止性能向上剤が作用しやすく好ましい。透過流束が0.01m/日以下では処理効果が低く、2.0m/日以上では過剰な運転圧力により複合半透膜がダメージを受ける危険が生じる場合がある。
阻止性能向上剤の濃度は、特に制限されるものではないが、高濃度すぎると、膜全体への均質な阻止性能向上が得られにくい場合があり、また、局所的に阻止性能向上剤が蓄積するため、局所的な透水性低下が生じる場合がある。逆に濃度が低すぎると、阻止性能向上の速度が小さくなり、処理時間が大きくなる場合がある。
具体的には、0.5μmol/L以上100μmol/L以下であることが好ましく、さらには、1μmol/L以上50μmol/L以下であることがより好ましい。
さらに、処理の効果や時間効率を高めるために、阻止性能向上処理中の透過流束をモニタリングしながら濃度を徐々に増加および減少させていくことができる。処理中の透過流束を測定することで、濃度が低すぎて阻止率向上の効果が出なかった場合や時間あたりの効果が大きすぎて、均一な処理ができにくいと判断されるときは、すぐに処理濃度を上げたり下げたりすることが可能となり、特に水処理プラントなどの大きい規模で処理する場合には有効である。
また、阻止性能向上剤を含有する液体を加温して供給することによって半透膜への拡散・接触速度を高めることができるため、好ましい。具体的には、半透膜の造水時の運転温度であり、かつ、半透膜の熱による劣化を防止する意味から造水時の最高温度以上かつ60℃以下が好ましく、より好ましくは、35℃以上45℃以下の温度である。
本発明においては、阻止性能向上処理の後に、高温水を接触させることによって阻止性能向上剤を半透膜から脱着しにくくする方法をとることも好ましい。具体的な方法としては、雰囲気温度を上げる方法をとることも可能であるが、阻止性能向上処理後に、造水時の供給水、濃縮水、透過水、その他系外の水を造水運転時の最高温度以上の温度で半透膜の供給側に通水することによって、実施することができる。
具体的な温度は、造水運転時の最高温度以上、かつ、半透膜の劣化を防ぐ意味から60℃以下とすることが好ましく、さらに好ましくは、35℃以上45℃以下である。
その時の流量やpH等の条件は特に限定されないが、半透膜や阻止性能向上処理結果に悪影響を及ぼさないマイルドな流量、pHであることが好ましい。また、このときの圧力も造水時の運転圧以下であることが好ましい。なお、このときの温水として、阻止性能向上剤を含有する液体(阻止性能向上液)を加温してそのまま通水することも可能ではあるが、加温による処理加速効果があるため、処理終了よりも早く加温通水し、加温しない場合に比べて阻止性能向上処理を速めに終了しなければならなくなるので注意が必要である。
本発明における阻止性能処理効果を高める方法として、処理中の被処理液側、すなわち、一次側の圧力を一時的に変化させることも効果的である。具体的には、処理中に圧力を0.05MPa/s以上の変化率で10秒以上圧力を変動させることが好ましい。また、その回数は限定されるものではなく、効果を監視しながら間欠的に実施することも好ましい。
同様の効果を透過流量の変化によって得ることも可能である。この場合は、前述のように一次側の圧力変化でも達成することができるが二次側の圧力変化でも達成することが可能である。
さらに、本発明に示す溶質の濃度を変化させることにより膜面浸透圧を変化させることによっても透過流束を変化させることが可能である。このような場合は、造水時の原水が海水である場合、薬品コストをかけずに浸透圧を大きく変動させることができるので好ましい。ここで、透過流束の変化は、変化させる前の0.8倍以下、もしくは1.2倍以上変動させると効果的であるが、急激な変動は半透膜への負荷をかけることになるため、より好ましくは、0.6倍以上0.8倍以下、もしくは、1.2倍以上1.5倍以下とするのがより好ましい。
阻止性能向上剤を含有する液体を通水する時間は、本発明によって適宜決定することができるが、なるべく0.5〜24時間が好ましく、1〜12時間であることがより好ましい。前述のように処理時間が短すぎると均一な処理が困難になる場合があり、長すぎると設備の稼働時間を失うことになる場合がある。
阻止性能向上処理(工程A)を行う場合には、接触処理前に半透膜表面の膜汚染物質を事前に取り除く事によって、より持続性が高い回復効果を得ることができる。すなわち、工程Aを実施する前に、半透膜の洗浄を実施することが好ましい。
膜汚染物質を取り除く方法としては一般的にこれらの膜の洗浄薬品として用いられる薬品が使用できる。膜表面に付着した鉄やマンガンなどの金属類はクエン酸、シュウ酸、塩酸、硫酸等の酸性溶液での洗浄が、より効果があることから好ましく、pHを3以下で使用することで洗浄効果をさらに高めることができる。
また、有機物や微生物が膜表面に付着している場合には苛性ソーダやエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムなどのアルカリ溶液による洗浄が効果的で、pHを10以上で使用することで洗浄効果を高めることができる。
これらの洗浄薬品による洗浄は、それぞれの薬品を用いて単独に洗浄する方法でも、複数の薬品を交互に用いて洗浄する方法でもよい。また、洗浄薬品を阻止性能向上剤と混合して、洗浄と工程Aを同時に実施することも可能である。
本発明の阻止性能向上剤を含有する液体を加圧供給する場合、薬液槽15に予め阻止性能向上剤と溶質を添加した液体を準備することもできれば、図1に示すように、例えば、薬液添加ユニット20aによって阻止性能向上剤を添加し、薬液添加ユニット20bによって溶質を添加することもできる。
さらに、本発明の溶質として、半透膜供給水や半透膜濃縮水の含有溶質を適用することも好ましい。
その場合、例えば、まず、薬液槽15に半透膜供給水、半透膜濃縮水、半透膜透過水のいずれかを造水運転中もしくは、造水運転前後に供給し貯留する。それと同時、もしくは、貯留作業完了後に、薬液添加ユニット20aから阻止性能向上剤を所定濃度になるように添加する。これによって、系外から本発明の液体用の溶質・溶媒を調達する必要が無く、また、目的に応じた浸透圧の液体を準備することが可能となる。また、半透膜透過水を溶媒とし、溶質を系外から、すなわち、薬液添加ユニット20bによって供給してもよい。
中でも、造水運転条件において、阻止性能向上剤を含有する液体が、被処理水に阻止性能向上剤を添加した液体を用い、生産水を得ながら工程Aを行う、すなわち、被処理水に阻止性能向上剤を添加しながら、造水と阻止性能向上処理(工程A)を同時に実施すると、特に効率的である。すなわち、被処理原水を前処理し、前処理水に阻止性能向上剤を添加することによって、処理と造水を同時に行うことが可能である。
特にこの方法の場合は、造水運転をしながら実施することになるので、造水運転圧力、造水量、透過水質をリアルタイムでモニタリングできるため、制御の観点からは非常に好ましい。すなわち、例えば、透過水質、阻止率、及び/又は溶質透過係数が設定した濃度よりも悪化した場合に、阻止性能向上剤を添加し、阻止性能が許容値に収まったら添加を止めるという方法をとることもできるため、非常に好ましい。ただし、この場合、万一の場合生産水に阻止性能向上剤が混入するリスクが生じる。そのため、透過水をさらに処理するプロセスを設けて阻止性能向上剤が生産水に混入しないようにしたり、用途に対して安全性が確認された阻止性能向上剤を用いたり、透過水中の阻止性能向上剤の濃度を厳格に監視し、即座に造水を停止するなどの対応が求められる。
工程Bにおいても工程Bの前に、半透膜の洗浄を行っても行わなくとも差し支えないが、半透膜面の膜汚染物質を事前に取り除くと、工程Bをより効果的に実施できる場合がある。
さらに、工程Bによって半透膜の膜面に付着させた阻止性能向上剤を取り除くと同時に膜汚染物質を取り除くことがさらに好ましい。すなわち、工程Bと同時に、半透膜の洗浄を実施することがさらに好ましい。
工程Bの前又は同時に半透膜の洗浄を行うに際し、工程Aに用いる阻止性能向上剤がポリアルキレングリコール鎖を有する化合物を含有する場合、工程Bにおける除去剤として、(i)界面活性剤や、(ii)ピリジン環、アルキルアミン鎖及びピペリジン環から選ばれる少なくともいずれか1を有する化合物を含む除去剤、を用いることが好ましい。さらに、(iii)除去剤を含有する液体がアルカリ性であると、除去効果が高く、好ましい。すなわち、上記(i)〜(iii)の少なくともいずれか1を満たすことが好ましい。
中でも、上記(iii)としての場合、除去剤を高いアルカリ性の液体とすれば、半透膜のアルカリ洗浄と工程Bを同時に行うことができるため、非常に好ましい実施態様である。
さらに、工程Bは、半透膜の被処理水側に付着した阻止性能向上剤を剥離除去することが目的であるため、工程Bを実施中に、半透膜ユニットの透過水側から被処理水側に水もしくは溶液を透過させると効果的である。この方法としては、透過水側から被処理水側に圧力をかける方法の他、被処理水側の除去剤含有液体よりも浸透圧が低い水を接触させ、正浸透で水を透過させる方法を好ましくとることもできる。
本発明に適用可能な半透膜の素材には酢酸セルロース系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマーなどの高分子素材を使用することができる。またその膜構造は、膜の少なくとも片面に緻密層を持ち、緻密層から膜内部あるいはもう片方の面に向けて徐々に大きな孔径の微細孔を有する非対称膜や、支持膜の上に別の素材で形成された非常に薄い分離機能層を有する複合半透膜を用いることができる。
特に、本発明に適した半透膜は、高耐圧性と高透水性、高溶質除去性能を兼ね備え、優れた性能を有する、ポリアミドを分離機能層とした複合逆浸透膜、あるいはナノ濾過膜が好ましい。
海水を被処理水とするような場合には、複合半透膜に浸透圧以上の圧力をかける必要があり、実質的には少なくとも5MPaの操作圧力が負荷されることが多い。この圧力に対して、高い透水性と阻止性能を維持するためにはポリアミドを分離機能層とし、それを微多孔性膜や不織布からなる支持体で保持する構造のものが適している。
ただし、複合膜である場合、前述のように工程Bにおいて、透過水側から被処理水側へ水等を透過させる場合に流れ込む流量や圧力が大きすぎると、機能層が剥離するなど膜の損傷を引き起こす恐れがある。そのため、透過水側からの流量や圧力を適切にコントロールし、複合膜の剥離を防止することが重要である。
ポリアミド半透膜としては、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応により得られる架橋ポリアミドの分離機能層を有してなる複合半透膜が好ましい。さらに、複合半透膜は、分離機能層の量が少ないため、阻止性能向上剤が阻止性能を発現する機能層部分に効果的に作用する点からも好ましい。
このような水処理用の半透膜は、一般的な被処理原水のpHは中性領域であり、その領域では天然性有機物の吸着を防ぐために膜表面が負に帯電している。すなわち、膜表面電位がマイナスであることから、弱酸性領域で等電点、すなわち、膜の表面電位が0になるのが一般的である。
本発明に係る阻止性能向上処理に非荷電性もしくは弱荷電性の阻止性能向上剤を用いる場合は、半透膜の表面電位を中性にすることによって処理効果の持続性を高めることができる。そのため、処理を弱酸性領域、具体的にはpH4以上pH7以下とすることが好ましく、より好ましくは、pH5.5以上pH6.8以下である。
本発明では半透膜を実際に使用するために形態化した半透膜エレメントとして使用することができる。半透膜の膜形態が平膜の場合は、スパイラル、チューブラー、プレート・アンド・フレームのモジュールに組み込んで使用することができる。スパイラル形状を用いる場合、その構造上、阻止性能向上剤が片側端面から反対側端面への一方流れになり、また、供給水側流路材、透過水側流路材などの部材が組み込まれているため、阻止性能向上剤が膜面に均一に作用しやすく、本発明を適用する半透膜エレメントとして特に好ましく用いられる。
その中でも、阻止性能向上剤を含有する液体が通液される供給水側流路材については、その厚みが0.6mm以上1.0mm以下が好ましく、とくに0.7m以上0.9mm以下が好ましい。また、空隙率についても0.8以上であるスパイラルエレメントに適用すると、処理液体が万遍なく接触しやすいため好ましい。
本発明の阻止性能向上方法(工程A)は、阻止性能向上剤を含有する液体を半透膜に接触付着させることで半透膜の阻止率を向上させるが、それに伴い透過流束が低下する。そのため、阻止性能の向上効果を十分に活かしつつ、透水性能低下による過剰な運転圧力増加を防止するために、阻止性能処理前後の透水性能および阻止性能に対して監視、管理することが非常に重要である。
具体的には、少なくとも、阻止性能向上処理前に、阻止性能向上処理剤を含有しない以外の成分が同じ液体を用いて逆浸透膜に通水し、その時の供給水、透過水及び濃縮水のうち、少なくとも2つの流量および濃度、水温を測定し、それらから初期透水性能として純水透過係数A、および、阻止性能として溶質透過係数Bを算出する。その後、阻止性能向上処理液を逆浸透膜の供給、通水しながら、その時の供給水、透過水及び濃縮水のうち、少なくとも2つの流量および濃度、水温を測定し、それらから初期透水性能として純水透過係数A、および、阻止性能として溶質透過係数Bを算出する。そして、A/Aの値がRA1以下となったときのB/Bの値が、予め定められた値R以下であれば、阻止性能向上処理を終了し、B/Bの値がRを超えていた場合は、阻止性能向上処理を継続してB/Bの値がR以下になるか、A/Aの値がRA2まで低下した時点で、阻止性能向上処理を停止するという方法をとることが好ましい。なお、さらに具体的には、前記RA1が0.9以下、かつ、RA2が0.7以上であるようにするとともに、Rが0.3以上0.7以下であるように阻止性能向上処理を施すことがさらに好ましい。
本発明における純水透過係数A、および溶質透過係数Bは、下記の方法によって求めることができる。
Jv=A(ΔP−π(Cm)) ・・・(1)
Js=B(Cm−Cp) ・・・(2)
(Cm−Cp)/(Cf−Cp)=exp(Jv/k) ・・・(3)
Cp=Js/Jv ・・・(4)
A=α×A25×μ25/μ ・・・(5)
B=β×B25×μ25/μ×(273.15+T)/(298.15) ・・・(6)
Cf :供給水濃度 [mg/l]
Cm :膜面濃度 [mg/l]
Cp :透過水濃度 [mg/l]
Js :溶質透過流束 [kg/m/s]
Jv :純水透過流束 [m/m/s]
k :物質移動係数 [m/s]
A :純水透過係数 [m/m/Pa/s]
A25 :25℃での純水透過係数 [m/m/Pa/s」
B :溶質透過係数 [m/s]
B25 :25℃での溶質透過係数 [m/m/Pa/s]
T :温度 [℃]
α :運転条件による変動係数 [−]
β :運転条件による変動係数 [−]
ΔP :運転圧力 [Pa]
μ :粘度 [Pa・s]
μ25 :25℃での粘度 [Pa・s]
π :浸透圧 [Pa]
すなわち、Jv、Cf、Cp及びTの値を実測し、k、その他の物性値を上記式(1)〜(4)に代入することによって実測条件での純水透過係数Aと溶質透過係数Bを求めることができる。
さらに、予め得られている係数α、βの値に基づけば、25℃における純水透過係数A25と溶質透過係数B25を、それぞれ、式(5)、(6)から求めることができ、さらには、式(5)、(6)を用いて任意の温度Tの純水透過係数と溶質透過係数も得ることができる。
また、半透膜エレメントの性能を算出する場合は、半透膜エレメントの長さ方向に物質収支を計算しながら数値積分することによって求めることができる。
この計算方法の詳細は、非特許文献(M.Taniguchiら、Behavior of a reverse osmosis plant adopting a brine conversion、ジャーナル・オブ・メンブレン・サイエンス、183、p249−257(2000))に示されている。
純水透過係数A、溶質透過係数Bを算出し、監視するにあたっては、いずれも同じ温度に補正した値であることも好ましいが、透水性にとって最も厳しい、すなわち純水透過係数Aが最も低下する半透膜の最低運転温度T、および阻止性能にとって最も厳しい、すなわち溶質透過係数Bが最も大きくなる半透膜の最高運転温度Tにおける値に補正すると、それぞれの性能が許容範囲になるかどうかがわかりやすいため非常に好ましい。
本発明において、工程Aを行うには、例えば、半透膜を圧力容器に装填した状態で阻止性能向上剤を含む液体を圧力容器に通水し、半透膜と接触させ処理する方法が挙げられる。半透膜を圧力容器に装填した状態で薬品洗浄を施す設備が有る場合には、その洗浄設備を使用して阻止性能向上剤を含む液体を圧力容器に通水し半透膜に接触させ処理することができる。
阻止性能向上剤を含む水溶液を複合半透膜に接触処理するときの圧力は特に制限はなく、半透膜の耐圧性、阻止性能向上効果と透水性への影響を鑑みつつ、適宜決定することができる。その中でも半透膜に被処理水を通水し、造水運転するときの圧力以下であることが好ましく、さらに、前述の薬液洗浄設備がある場合には、その洗浄設備の圧力範囲内で実施すると専用設備を設けることなく阻止性能向上処理が施せるため、より好ましい。
阻止性能向上剤を含有する液体を半透膜に接触付着処理するときには、透過流束が0.01〜2.0m/日となるように行うと半透膜の内部にまで阻止性能向上剤が作用しやすく好ましい。透過流束が0.01m/日以下では処理効果が低く、2.0m/日以上では過剰な運転圧力により複合半透膜がダメージを受ける場合がある。
また、本発明の阻止性能向上方法(工程A)は、同じ水処理設備で同じ半透膜に対して、繰り返し効果のある阻止率の改善を実施できることから、定期的に本発明の処理方法を実施することで、長期間、一定の除去率を維持することができる。特に、膜の荷電による排除効果がある無機電解質よりも非荷電物質除去率の改善効果が大きい。非荷電物質としては、例えば非電解質有機物質や中性領域では乖離していない物質(例えばホウ素やシリカ)などが挙げられる。これらは、海水や地下水に多く含まれることから、これらの原水を処理する造水プラントに本発明の方法を適用することでより安定な運転を継続することが可能となる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<性能評価>
<新膜性能>
非特許文献2におけるFig.1と同様の平膜評価セルを半透膜ユニットとした評価装置を使用した。図4にそのフローを示す。
図4に示す装置は、被処理水槽2、被処理水供給ポンプ3、前処理ユニット4として、活性炭を充填したUFろ過モジュール、前処理水供給ポンプ6、保安フィルター7、昇圧ポンプ8、半透膜ユニット9、濃縮水バルブ18、温度調節ユニット21からなり、被処理水は、前処理ユニット4と温度調節ユニット21を循環することで、清澄な温度調節された被処理水として維持される。
この装置を用い、東レ製芳香族ポリアミド逆浸透膜を用い、32,000[mg/L−NaCl]、25℃、pH=7の水溶液を評価供給水(被処理水)として、運転圧力5.5[MPa]、供給流量3.5[L/分]で循環加圧透過させたときの透過流束は0.98[m/日]、透過水NaCl濃度は60mg/Lであった。この後、供給水温を40℃に上げ、透過流束が同じになるように運転圧力を調整した結果、運転圧力は4.85MPa、透過水NaCl濃度は85mg/Lとなり、新品膜の状態で、100mg/Lを下回った。続いて、供給水温を10℃まで下げたところ、運転圧力は6.86MPaまで上昇し、透過水質は40mg/Lとなった。
<劣化膜性能>
上記<新膜性能>で用いた膜と同じ膜を、次亜塩素酸100mg/L水溶液に2時間浸漬して化学劣化させた後、評価供給水を45℃、7MPaで膜に供給することで、物理劣化させた劣化膜を作製した。この膜を、再度同じ40℃の条件で、透過流束が同じになるように運転圧力を調整した結果、運転圧力5.16MPa、そのときの透過水NaCl濃度は150mg/Lとなり、100mg/Lを超過した。逆に、水温を10℃に下げたところ、運転圧力は6.23MPa、透過水質は70mg/Lとなった。
<向上処理膜性能>
上記<劣化膜性能>で用いた劣化膜に対し、同じ平膜評価装置を用いて、純水に阻止性能向上剤として重量平均分子量8,000のポリエチレングリコールを2μmol/L添加した液体で、流量3.5L、25℃、0.45MPaの圧力で循環処理した。このとき、透過水と濃縮水はすべて循環使用した。処理中の平均透過流束は、0.16m/日であった。続いて、処理後に再び、32,000[mg/l−NaCl]、25℃、pH=7の水溶液を、供給流量3.5[L/分]、25℃の標準条件で透過流束が同じになるように運転圧力を調整した結果、運転圧力は6.4MPa、透過水質は70mg/Lとなり、運転圧力は7MPa以下、透過水質は100mg/L以下であった。続いて、40℃に上げたところ、運転圧力5.8MPa、透過水質は98mg/Lとなり、阻止性能向上処理によって、100mg/L以下に水質が改善した。しかし、水温を10℃に下げたところ、透過水質は45mg/Lで十分に良好になったが、運転圧力は7.5MPaまで上昇し、7MPaを超過した。
<剥離処理膜性能>
上記<向上処理膜性能>で用いた膜に対し、同じ平膜評価装置を用いて、pH12のNaOH水溶液を流量3.5L、25℃、0.05MPaの圧力で循環処理し、阻止性能向上剤除去処理を行った。このとき、透過水と濃縮水はすべて循環使用した。続いて、処理後に再び、32,000[mg/l−NaCl]、25℃、pH=7の水溶液を、供給流量3.5[L/分]、25℃の条件で透過流束が同じになるように運転圧力を調整した結果、運転圧力は5.7MPa、透過水質は94mg/Lとなり、運転圧力は7MPa以下、透過水質は100mg/L以下であった。続いて、水温を40℃に上げたところ、運転圧力5.3MPa、透過水質は140mg/Lとなり、除去処理によって、水質が100mg/Lを超えて悪化した。しかし、水温を10℃に下げたところ、透過水質は63mg/Lで十分に良好になり、運転圧力は6.3MPaとなり、7MPaよりも大きく低下した。
<実施例1>
以上の性能評価結果から、膜が劣化した状況において、1年の水温変動が10℃〜40℃と想定した場合、25℃以下から25℃を超える時期、すなわち、冬→春→夏にかけて、阻止性能向上処理を施し、逆に25℃以上から25℃を下回る時期、すなわち、夏→秋→冬にかけて、阻止性能向上剤除去処理を施せば、冬期(10℃)の最高圧力6.3MPa、夏期(40℃)の最大透過水質95mg/Lとなり、運転圧力7MPa以下の設備能力で、常に100mg/Lを維持することが出来ることが示唆された。
<比較例1>
同様に、上記性能評価結果から、性能劣化した膜では、高温期(夏期)に、透過水質が150mg/Lとなり、100mg/L以下を満足できないことが示唆された。
<比較例2>
さらに、阻止性能向上処理した膜では、低温期(冬期)に、運転圧力が7.5MPaまで上昇し、7MPaの小圧能力の設備では運転できないことが示唆された。
以上、実施例、比較例をまとめたものを表1に示す。
Figure 0006648695
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2015年4月27日出願の日本特許出願(特願2015−89987)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明は、ナノろ過膜や逆浸透膜などの半透膜を用いた半透膜分離装置に対し、半透膜の阻止性能、特に非イオン性物質の阻止性能を向上させることができる阻止性能向上工程とファウリングによる性能低下を回復させる洗浄工程を効率的に併用する半透膜分離装置の運転方法であって、これによって省エネと生産水質を安定的に両立させながら淡水を製造することが可能となる。
1:被処理水ライン
2:被処理水槽
3:被処理水供給ポンプ
4:前処理ユニット
5:中間水槽
6:前処理水供給ポンプ
7:保安フィルター
8:昇圧ポンプ
9:半透膜ユニット
10:透過水ライン
11:濃縮水ライン
12:生産水タンク
13:エネルギー回収ユニット
14:薬液供給ライン
15:薬液槽
16a:供給水バルブ
16b:供給薬液バルブ
17a:透過水バルブ
17b:透過薬液バルブ
18:濃縮水バルブ
18a:濃縮水バルブ
18b:濃縮薬液バルブ
19:薬液供給ポンプ
20a,20b:薬液添加ユニット
21:温度調節ユニット

Claims (8)

  1. 被処理水を半透膜ユニットに供給して、透過水側に分離処理された生産水を得る半透膜分離装置の運転方法であって、
    前記半透膜ユニットの前記被処理水側に阻止性能向上剤を含有する液体を加圧供給し、前記半透膜ユニットにおける半透膜の膜面に前記阻止性能向上剤を接触付着させることによって、前記半透膜の阻止性能を向上させる工程A、及び
    前記半透膜に付着した前記阻止性能向上剤を、除去剤を含有する液体で剥離除去することによって、前記半透膜の透水性能を向上させる工程B
    を断続的に実施し
    前記工程Aにおける前記阻止性能向上剤がポリアルキレングリコール鎖を有する化合物を含有し、かつ、前記工程Bにおいて、(i)前記除去剤が界面活性剤である、(ii)前記除去剤がピリジン環、アルキルアミン鎖及びピペリジン環から選ばれる少なくともいずれか1を有する化合物を含む、及び(iii)前記除去剤を含有する液体がアルカリ性を示す、からなる群より選ばれる少なくとも1を満たし、
    前記工程Aを前記被処理水の水温が最低水温期から最高水温期の間である水温上昇期に行うとともに、前記工程Bを前記被処理水の水温が前記最高水温期から前記最低水温期の間である水温低下期に行いながら生産水を得る、半透膜分離装置の運転方法。
  2. 得られる生産水の水質が基準値を上回る場合、前記半透膜の溶質透過係数が基準値を上回る場合、及び、前記被処理水の水温が基準値を上回る場合から選ばれる少なくともいずれか1の場合に前記工程Aを実施し、
    運転圧力が基準値を上回る場合、得られる生産水の流量が基準値を下回る場合、前記半透膜の純水透過係数が基準値を下回る場合、及び、前記被処理水の水温が基準値を下回る場合から選ばれる少なくともいずれか1の場合に前記工程Bを実施する、請求項1に記載の半透膜分離装置の運転方法。
  3. 前記工程A及び前記工程Bの少なくともいずれか一方を実施する前に、前記半透膜の洗浄を実施する、請求項1または2に記載の半透膜分離装置の運転方法。
  4. 前記工程A及び前記工程Bの少なくともいずれか一方の実施と同時に、前記半透膜の洗浄を実施する、請求項1または2に記載の半透膜分離装置の運転方法。
  5. 前記工程Bの実施と同時に、前記半透膜の洗浄を実施する、請求項4に記載の半透膜分離装置の運転方法。
  6. 前記工程Aにおける前記阻止性能向上剤を含有する液体として、前記被処理水に前記阻止性能向上剤を添加した液体を用い、生産水を得ながら前記工程Aを行う、請求項1〜のいずれか1項に記載の半透膜分離装置の運転方法。
  7. 前記工程Bの実施中に、前記半透膜ユニットの前記透過水側から前記被処理水側に水を透過させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の半透膜分離装置の運転方法。
  8. 前記透過水側から前記被処理水側への水の透過が正浸透によるものである、請求項に記載の半透膜分離装置の運転方法。
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