以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、図1は運転支援装置の概略構成図、図2は自動運転モードにおける車線変更実行判定ルーチンを示すフローチャート、図3は車線変更許可判定サブルーチンを示すフローチャート、図4,5は車線変更を行う際に設定される目標走行経路を例示する説明図、図6は車線変更時におけるハンドル角の時間変化を例示する説明図、図7は操舵速度の閾値を示すマップ、図8は各運転モードへの遷移図である。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1に示す運転支援装置1は、自動車等の車両(自車両)に搭載されている。この運転支援装置1は、車外の走行環境を認識するためのセンサユニット(走行環境認識手段)として、ロケータユニット11及びカメラユニット21を有し、これらの両ユニット11,21が互いに依存することのない完全独立の多重系を構成している。また、運転支援装置1は、走行制御ユニット(以下、「走行_ECU」と称す)22と、エンジン制御ユニット(以下「E/G_ECU」と称す)23と、パワーステアリング制御ユニット(以下「PS_ECU」と称す)24と、ブレーキ制御ユニット(以下「BK_ECU」と称す)25と、を備え、これら各制御ユニット22〜25が、ロケータユニット11及びカメラユニット21とともに、CAN(Controller Area Network)等の車内通信回線10を介して接続されている。
ロケータユニット11は、道路地図上の自車位置を推定するものであり、自車位置を推定するロケータ演算部12を有している。
このロケータ演算部12の入力側には、自車両の前後加速度を検出する前後加速度センサ13、前後左右各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ14、自車両の角速度或いは角加速度を検出するジャイロセンサ15、複数の測位衛星から発信される測位信号を受信するGNSS受信機16等、自車両の位置(自車位置)を推定するに際し、必要とするセンサ類が接続されている。
また、ロケータ演算部12には、記憶手段としての高精度道路地図データベース18が接続されている。高精度道路地図データベース18はHDD等の大容量記憶媒体であり、高精度な道路地図情報(ダイナミックマップ)が記憶されている。この高精度道路地図情報は、自動運転を行う際に必要とする車線データとして、車線幅データ、車線中央位置座標データ、車線の進行方位角データ、制限速度等を保有している。この車線データは、道路地図上の各車線に数メートル間隔で格納されている。
ロケータ演算部12は、自車位置を推定する自車位置推定部12a、地図情報取得部12bを備えている。
地図情報取得部12bは、例えばドライバが自動運転に際してセットした目的地に基づき、現在地から目的地までのルート地図情報を高精度道路地図データベース18に格納されている地図情報から取得する。また、地図情報取得部12bは、取得したルート地図情報(ルート地図上の車線データ)を自車位置推定部12aへ送信する。自車位置推定部12aは、GNSS受信機16で受信した測位信号に基づき自車両の位置座標を取得する。また、自車位置推定部12aは、取得した位置座標をルート地図情報上にマップマッチングして、道路地図上の自車位置を推定すると共に走行車線を特定し、道路地図データに記憶されている走行車線中央の道路曲率を取得する。
更に、自車位置推定部12aは、トンネル内走行等のようにGNSS受信機16の感度低下により測位衛星からの有効な測位信号を受信することができない環境では、車輪速センサ14で検出した車輪速に基づき求めた車速、ジャイロセンサ15で検出した角速度、前後加速度センサ13で検出した前後加速度に基づいて自車位置を推定する自律航法に切換えて、道路地図上の自車位置を推定する。
カメラユニット21は、車室内前部の上部中央に固定されており、車幅方向中央を挟んで左右対称な位置に配設されているメインカメラ21a及びサブカメラ21bからなる車載カメラ(ステレオカメラ)と、画像処理ユニット(IPU)21c、及び走行環境認識部21dとを有している。
IPU21cは、両カメラ21a,21bで撮像した自車両前方の前方走行環境画像情報を所定に画像処理し、対応する対象の位置のズレ量から求めた距離情報を含む前方走行環境画像情報(距離画像情報)を生成する。
走行環境認識部21dは、IPU21cから受信した距離画像情報等に基づき、自車両が走行する進行路(自車進行路)の左右を区画する区画線の道路曲率[1/m]、及び左右区画線間の幅(車幅)を求める。この道路曲率、及び車幅の求め方は種々知られているが、例えば、走行環境認識部21dは、道路曲率は前方走行環境画像情報に基づき輝度差による二値化処理にて、左右の区画線を認識し、最小二乗法による曲線近似式等にて左右区画線の曲率を所定区間毎に求め、更に、両区画線間の曲率の差分から車幅を算出する。
そして、走行環境認識部21dは、この左右区間線の曲率と車線幅とに基づき車線中央の道路曲率を求め、更に、車線中央を基準とする自車両の横位置偏差、正確には、車線中央から自車両の車幅方向中央までの距離である自車横位置偏差Xdiffを算出する。なお、本実施形態では、上述の車線中央の道路曲率を「カメラ曲率」と称する。
また、走行環境認識部21dは、距離画像情報に対して所定のパターンマッチング等を行い、道路に沿って存在するガードレールや縁石、及び、立体物の認識を行う。ここで、走行環境認識部21dにおける立体物の認識では、例えば、立体物の種別、立体物までの距離、立体物の速度、立体物と自車両との相対速度等の認識が行われる。
さらに、カメラユニット21は、自車両の左右側後方を撮像するための側後方カメラ21l,21rを有する。これら側後方カメラ21l,21rによって撮像された自車両の側方走行環境画像情報がIPU21cに入力されると、IPU21cは、エッジ検出等の所定の画像処理を行う。さらに、走行環境認識部21dは、IPU21cにおいて検出されたエッジ情報に対して所定のパターンマッチング等を行い、自車両の側方に存在する並走車や後方に存在する後続車等の立体物の認識を行う。
ロケータ演算部12の自車位置推定部12aで推定した自車位置、カメラユニット21の走行環境認識部21dで求めた自車横位置偏差Xdiff及び立体物情報等は、走行_ECU22で読込まれる。また、走行_ECU22の入力側には、各種スイッチ・センサ類として、ドライバが自動運転(運転支援制御)のオン/オフ切換を行う自動運転スイッチ31と、ドライバがステアリングを保舵(把持)しているときオンするハンドルタッチセンサ32と、ドライバによる運転操作量としての操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ33と、ドライバによる運転操作量としてのブレーキ踏込量を検出するブレーキセンサ34と、が接続されている。
走行_ECU22には、運転モードとして、手動運転モードと、第1の運転支援モードと、第2の運転支援モードと、退避モードと、が設定されている。
ここで、手動運転モードは、ドライバによる保舵を必要とする要保舵運転モードであり、例えば、ドライバによるステアリング操作、アクセル操作、及び、ブレーキ操作等の運転操作に従って、自車両を走行させる運転モードである。
また、第1の運転支援モードも同様に、ドライバによる保舵を必要とする要保舵運転モードである。すなわち、第1の運転支援モードは、ドライバによる運転操作を反映しつつ、例えば、E/G_ECU23、PS_ECU24、BK_ECU25等の制御を通じて、主として、先行車追従制御(Adaptive Cruise Control)と、車線維持(Lane Keep Assist)制御や車線逸脱防止(Lane Departure Prevention)制御とを組み合わせて行うことにより、目標走行経路に沿って自車両を走行させる、いわば半自動運転モードである。
また、第2の運転支援モードは、ドライバによる保舵を必要とすることなく、例えば、E/G_ECU23、PS_ECU24、BK_ECU25等の制御を通じて、主として、先行車追従制御(Adaptive Cruise Control)と、車線維持(Lane Keep Assist)制御や車線逸脱防止(Lane Departure Prevention)制御とを組み合わせて行うことにより、目標走行経路に沿って自車両を走行させる自動運転モードである。
退避モードは、例えば、第2の運転支援モードによる走行中に、当該モードによる走行が継続不能となり、且つ、ドライバに運転操作を引き継ぐことができなかった場合(すなわち、手動運転モード、或いは、第1の運転支援モードに遷移できなかった場合)に、自車両を路側帯等に自動的に停止させるためのモードである。
このように設定された各運転モードは、走行_EUC22において選択的に切換可能となっている。
このモード切換に際し、走行_ECU22は、自車位置推定部12aで推定した自車位置の道路地図上の車線中央からの横位置と、走行環境認識部21dで求めた自車横位置とを常時比較する。そして、その差分の絶対値が予め設定した閾値を超えている場合、自車位置推定部12aで推定した自車位置と走行環境認識部21dで求めた自車横位置との何れかの信頼度が低下していると判定し、自動運転を行うためのシステム条件が成立していないと判断する。そして、走行_ECU22は、上述のシステム条件の成否についての判定結果、及び、各種スイッチ・センサ類からの入力情報に基づき、実行すべき運転モードの切換制御を行う。
例えば、図8に示すように、走行_ECU22は、現在の運転モードが手動運転モードである場合において、システム条件が成立し、且つ、ドライバにより自動運転スイッチ31がオンされた場合には、第1の運転支援モードに遷移すべき旨の判定を行う。
また、走行_ECU22は、現在の運転モードが第1の運転支援モードである場合において、システム条件の成立、及び、自動運転スイッチ31のオン状態が維持されていることを前提として、ドライバによるステアリングホイールからの手放し状態が設定時間以上継続し、且つ、ドライバによるブレーキ操作が行われていない状態が設定時間以上継続している場合には、第2の運転支援モードに遷移すべき旨の判定を行う。
また、走行_ECU22は、現在の運転モードが第1の運転支援モードである場合において、システム条件が不成立となった場合、ドライバにより自動運転スイッチ31がオフされた場合、ドライバにより設定閾値Pbth1よりも大きなブレーキ踏込量によるブレーキ操作が行われた場合、或いは、ドライバにより設定閾値Psth1よりも大きな操舵トルクによる操舵が行われた場合には、手動運転モードに遷移すべき旨の判定を行う。
また、走行_ECU22は、現在の運転モードが第2の運転支援モードである場合において、システム条件の成立、及び、自動運転スイッチ31のオン状態が維持されていることを前提として、ドライバにより設定閾値Pbth2(ただし、設定閾値Pbth2>設定閾値Pbth1)よりも大きなブレーキ踏込量によるブレーキ操作が設定時間以上継続して行われた場合、或いは、ドライバにより設定閾値Psth2(ただし、設定閾値Psth2>Psth1)よりも大きな操舵トルクによる操舵が設定時間以上継続して行われた場合には、第1の運転支援モードに遷移すべき旨の判定を行う。
また、走行_ECU22は、現在の運転モードが第2の運転支援モードである場合において、ドライバにより自動運転スイッチ31がオフされた場合、ドライバにより設定閾値Pbth3(ただし、設定閾値Pbth3>設定閾値Pbth2)よりも大きなブレーキ踏込量によるブレーキ操作が設定時間以上継続して行われた場合、或いは、ドライバにより設定閾値Psth3(ただし、設定閾値Psth3>Psth2)よりも大きな操舵トルクによる操舵が設定時間以上継続して行われた場合には、手動運転モードに遷移すべき旨の判定を行う。
また、走行_ECU22は、現在の運転モードが第2の運転支援モードである場合において、自動運転スイッチ31のオン状態が維持されていることを前提として、システム条件が不成立となった場合には、自動退避モードに移行すべき旨の判定を行う。
ここで、上述の第1,第2の運転支援モードを実現するため、走行_ECU22は、走行環境認識部21d等において自車進行路上の前方に先行車が認識されている場合には、例えば、先行車の走行軌跡等に基づいて目標走行経路を設定する。また、走行_ECU22は、先行車を認識しない場合には、例えば、自車進行路等に基づいて目標走行経路を設定する。
この場合において、走行_ECU22は、例えば、渋滞或いは自車進行路の前方に存在する工事区間や落下物等の障害物を回避すべく、自車走行車線から隣接車線への車線変更を行う必要が生じた場合等には、車線変更を行うための車線変更用経路を過渡的な目標走行経路として設定する。
このような車線変更用経路の設定に際し、走行_ECU22は、例えば、車速に応じた所定距離前方の隣接車線上の地点に、目標地点を設定する(例えば、図4参照)。そして、走行_ECU22は、例えば、自車両100を設定時間かけて目標地点に到達させるための車幅方向の目標移動量や目標加速度等を所定時間毎に区切って算出し、これらに基づいて車線変更用経路を設定する。
その際、例えば、図5に示すように、障害物102に対して自車両100が接近した場合、走行_ECU22は、自車両100と障害物102との接触等を回避すべく、当該障害物等との相対距離等に応じて車線変更用経路を適宜補正する。すなわち、図5に示す例では、図4に示した目標地点よりも自車両100側に目標地点を補正し、自車両100を設定時間かけて目標地点に到達させるための車線変更用経路を設定する。なお、本実施形態において、障害物等には、比較的低速で走行する先行車も含むものとする。
そして、走行_ECU22は、車線変更先の隣接車線に並走車等が存在しないことを確認し、並走車等が存在しない場合には、車線変更用経路に基づく操作制御を伴う車線変更制御を行う。
但し、車線変更制御を行うに際し、走行_ECU22は、車線変更用経路に沿って自車両を走行させるための操舵制御において行うべき操舵の最大速度である最大操舵速度が、予め設定された閾値以上である場合には、車線変更制御の実行を禁止する。
その際、車線変更が予め設定した緊急性を伴うものであるとき、閾値を基準値である第1の閾値(閾値1)よりも高い第2の閾値(閾値2)に変更する(図7参照)。
ここで、閾値1は、例えば、急激なヨーモーメント等の発生を防止してドライバや乗員等に対して不安を与えることなく車線変更を実現するための操舵速度の上限値であり、自車速Vが速くなるほど小さくなるよう設定されている。また、閾値2は、例えば、緊急避難的な操舵を行う際に許容される操舵速度の上限値であり、閾値1よりも相対的に大きく、且つ、自車速Vが速くなるほど小さくなるよう設定されている。なお、これらの閾値1及び閾値2は、実験やシミュレーション等に基づいて設定されるものである。
すなわち、走行_ECU22は、車線変更制御による経路の設定にあたっては、操舵制御において行うべき操舵の最大操舵速度が閾値を超えないように操舵速度に制限を設ける。この場合において、走行_ECU22は、自車走行路の前方における渋滞、或いは、工事区間や落下物等のような障害物の存在により、車線変更を行う緊急性が高いと判断したときは、最大操舵速度の閾値を、緊急性が高くないと判断したときの最大操舵速度の閾値である閾値1よりも大きな閾値2に変更する。そして、走行_ECU22は、車線変更制御により経路の設定にあたって最大操舵速度が閾値2を超える場合に車線変更の実行を抑制または禁止する。
このように、本実施形態において、走行_ECU22は、目標走行経路設定手段、走行制御手段、車線変更用経路設定手段、車線変更制御手段、及び、車線変更緊急性判定手段としての各機能を実現する。
E/G_ECU23の出力側には、スロットルアクチュエータ26が接続されている。このスロットルアクチュエータ26は、エンジンのスロットルボディに設けられている電子制御スロットルのスロットル弁を開閉動作させるものであり、E/G_ECU23からの駆動信号によりスロットル弁を開閉動作させて吸入空気流量を調整することで、所望のエンジン出力を発生させる。
PS_ECU24の出力側には、電動パワステモータ27が接続されている。この電動パワステモータ27はステアリング機構にモータの回転力で操舵トルクを付与するものであり、自動運転では、PS_ECU24からの駆動信号により電動パワステモータ27を制御動作させることで、現在の走行車線の走行を維持させる車線維持制御、及び自車両を隣接車線へ移動させる車線変更制御(追越制御等のための車線変更制御)が実行される。
BK_ECU25の出力側には、ブレーキアクチュエータ28が接続されている。このブレーキアクチュエータ28は、各車輪に設けられているブレーキホイールシリンダに対して供給するブレーキ油圧を調整するもので、BK_ECU25からの駆動信号によりブレーキアクチュエータ28が駆動されると、ブレーキホイールシリンダにより各車輪に対してブレーキ力が発生し、強制的に減速される。
次に、走行_ECU22において実行される、車線変更実行判定制御について、図2に示す車線変更実行判定ルーチンのフローチャートに従って説明する。このルーチンは、第2の運転支援モード(自動運転モード)の実行中において、設定時間毎に繰り返し実行されるものであり、ルーチンがスタートすると、走行_ECU22は、先ず、ステップS101において、ロケータユニット11及びカメラユニット21等から自車両の走行環境情報を取得する。
続くステップS102において、走行_ECU22は、自車両が現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更を行う必要が生じているか否かの判定を行う。ここで、走行_ECU22は、例えば、現在地から目的地までのルート地図情報に基づいて自車両を走行させるために車線変更が必要な場合、或いは、自車走行路の前方に存在する障害物等との衝突を回避する必要がある場合等に、車線変更を行う必要があると判定する。
そして、ステップS102において、車線変更を行う必要がないと判定した場合、走行_ECU22は、現在設定されている目標走行経路に従って自車両の走行制御を維持したまま、ルーチンを抜ける。
一方、ステップS102において、車線変更を行う必要が生じたと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS103に進み、現在の自車走行車線からの車線変更を許可すべきか否かの判定を行う。
この車線変更許可判定は、例えば、図3に示す車線変更許可判定サブルーチンのフローチャートに従って行われるものであり、サブルーチンがスタートすると、走行_ECU22は、ステップS201において、ロケータユニット11及びカメラユニット21等からの走行環境情報に基づき、自車走行車線の隣に車線変更可能な隣接車線が存在するか否かを調べる。
そして、走行_ECU22は、ステップS201において、車線変更可能な隣接車線が存在すると判定した場合にはステップS202に進み、車線変更可能な隣接車線が存在しないと判定した場合にはステップS204に進む。
ステップS201からステップS202に進むと、走行_ECU22は、車線変更可能な隣接車線上に自車両と併走する並走車が存在するか否かを調べる。
そして、ステップS202において、並走車が存在しないと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS207に進む。
一方、ステップS202において、自車両100と併走する並走車101(例えば、図4参照)が存在すると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS203に進み、並走車101を自車両100よりも前方に相対移動させるべく、自車両100に対する減速指示を行った後、ステップS204に進む。
ステップS201或いはステップS203からステップS204に進むと、走行_ECU22は、自車両の目標走行経路の前方の設定距離以内に障害物が存在するか否かを調べる。
そして、ステップS204において、自車両の目標走行経路の前方の設定距離以内に障害物が存在しないと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS216に進む。
一方、ステップS204において、自車両100の目標走行経路の前方の設定距離以内に障害物102(例えば、図4参照)が存在すると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS205に進み、障害物102に対する減速指示を必要に応じて行った後、ステップS206に進む。
ステップS205からステップS206に進むと、走行_ECU22は、例えば、自車両100と前方の障害物102との相対距離を相対速度で除して算出される衝突予測時間TTC(Time To Collision)が、予め設定した閾値Tth以下であるか否かを調べる。
そして、ステップS206において、衝突予測時間TTCが閾値Tthよりも大きいと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS216に進む。
一方、ステップS206において、衝突予測時間TTCが閾値Tth以下であると判定した場合、走行_ECU22は、自車両100がこのまま走行を継続すると障害物102と衝突する可能性が高いと判断してステップS215に進む。
ステップS202からステップS207に進むと、走行_ECU22は、現在の目標走行経路(すなわち、自車走行車線)の前方の設定距離以内に障害物が存在するか否かを調べる。
そして、走行_ECU22は、ステップS207において、目標走行経路の前方の設定距離以内に障害物が存在しないと判定した場合にはステップS208に進み、目標走行経路の前方の設定距離以内に障害物が存在すると判定した場合にはステップS211に進む。
ステップS207からステップS208に進むと、走行_ECU22は、自車両が現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更を行うための過渡的な目標走行経路である車線変更用経路を算出する。
そして、ステップS209に進むと、走行_ECU22は、車線変更用経路に従って行うべき車線変更のための操舵の最大操舵速度に対する閾値として、障害物等を回避するための車線変更を行う緊急性が高くないと判断した場合の閾値である閾値1(基準値:図7参照)を設定する。この閾値1としては、例えば、操舵により発生するヨーモーメント等が乗車フィーリングに影響を与えない範囲内となる操舵速度であり、且つ、自車両を安全に車線変更させることが可能な範囲内の操舵速度が設定される。
続くステップS210において、走行_ECU22は、車線変更用経路に従って行うべき操舵の最大操舵速度が閾値1未満であるか否かを調べる。
そして、走行_ECU22は、ステップS210において、最大操舵速度が閾値1未満であると判定した場合にはステップS217に進み、最大操舵速度が閾値1以上であると判定した場合にはステップS216に進む。
また、ステップS207からステップS211に進むと、走行_ECU22は、車線変更に必要な最小距離Lcが、現在の自車両から障害物までの距離Lb未満であるか否かを調べる。なお、最小距離Lcは、例えば、自車速Vが速くなるほど長くなるよう予め実験車シミュレーション等に基づいて設定された距離である。
そして、走行_ECU22は、ステップS211において、最小距離Lcが障害物までの距離Lb未満であると判定した場合にはステップS215に進み、最小距離Lcが障害物までの距離Lb以上であると判定した場合にはステップS212に進む。
ステップSS211からステップS212に進むと、走行_ECU22は、自車両が現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更を行うための過渡的な目標走行経路である車線変更用経路を算出する。
そして、ステップS213に進むと、走行_ECU22は、車線変更用経路に従って行うべき車線変更のための操舵の最大操舵速度に対する閾値として、閾値2(>閾値1:図7参照)を設定する。すなわち、走行_ECU22は、前方障害物等を回避するための緊急性が高いと判断した場合の操舵の最大速度に対する閾値である第2の閾値を設定する。この閾値2としては、例えば、操舵により発生するヨーモーメント等により乗車フィーリングに影響を与える虞があるものの、自車両を安全に車線変更させることが可能な範囲内の操舵速度が設定される。
続くステップS214において、走行_ECU22は、車線変更用経路に従って行うべき操舵の最大操舵速度が閾値2未満であるか否かを調べる。
そして、走行_ECU22は、ステップS214において、最大操舵速度が閾値2未満であると判定した場合にはステップS217に進み、最大操舵速度が閾値1以上であると判定した場合にはステップS215に進む。
ステップS206、ステップS211、或いは、ステップS214からステップS215に進むと、走行_ECU22は、運転モードを、現在選択されている第2の運転支援モードから自動退避モードへと切り換える旨の判断を行った後、サブルーチンを抜ける。
また、ステップS204、ステップS206、或いは、ステップS210からステップS216に進むと、走行_ECU22は、現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更を禁止する旨の判断を行った後、サブルーチンを抜ける。
また、ステップS210、或いは、ステップS214からステップS217に進むと、走行_ECU22は、現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更を許可する旨の判断を行った後、サブルーチンを抜ける。
図2のメインルーチンにおいて、ステップS103からステップS104に進むと、走行_ECU22は、上述の車線変更許可判定において車線変更を許可する旨の判断がなされたか否かを調べる。
そして、ステップS104において、車線変更を許可する旨の判断がなされている場合、走行_ECU22は、ステップS105に進み、ステップS208或いはステップS212において設定した車線変更用経路に従って、現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更制御を実行した後、ルーチンを抜ける。これにより、例えば、車線変更可能な隣接車線が存在する場合であって、且つ、自車走行路の前方の設定距離以内に障害物等が存在せず、車線変更の緊急性が高くないと判断された場合において、算出された車線変更用経路に沿って自車両を走行させるための操舵制御において行うべき操舵の最大操舵速度が、閾値1未満の場合には、現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更制御が実行される。また、例えば、車線変更可能な隣接車線が存在する場合であって、且つ、自車走行路の前方の設定距離以内に存在する障害物等に起因して車線変更の緊急性が高いと判断された場合において、算出された車線変更用経路に沿って自車両を走行させるための操舵制御において行うべき操舵の最大操舵速度が、閾値1よりも大きな閾値2未満の場合には、現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更制御が実行される。
一方、ステップS104において、車線変更を許可する旨の判断がなされていない場合、走行_ECU22は、ステップS106に進み、上述の車線変更許可判定において、並走車或いは前方障害物に対する減速指示がなされているか否かを調べる。
そして、ステップS106において、減速指示がなされていると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS107に進み、並走車或いは前方障害物に対する減速制御を実行した後、ルーチンを抜ける。
一方、ステップS106において、減速指示がなされていないと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS108に進み、上述の車線変更許可判定において、運転モードを第2の運転支援モードから自動退避モードへと切り換える旨の判断がなされたか否かを調べる。
そして、ステップS108において、自動退避モードに切り換える旨の判断がなされていると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS109に進み、運転モードを現在の第2の運転支援モードから自動退避モードへと切り換えた後、ルーチンを抜ける。これにより、例えば、車線変更可能な隣接車線が存在する場合であって、且つ、自車走行路の前方の設定距離以内に障害物等が存在せず、車線変更の緊急性が高くないと判断された場合において、算出された車線変更用経路に沿って自車両を走行させるための操舵制御において行うべき操舵の最大操舵速度が、閾値1以上の場合には、現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更制御の実行が抑制または禁止される。また、例えば、車線変更可能な隣接車線が存在する場合であって、且つ、自車走行路の前方の設定距離以内に存在する障害物等に起因して車線変更の緊急性が高いと判断された場合において、算出された車線変更用経路に沿って自車両を走行させるための操舵制御において行うべき操舵の最大操舵速度が、閾値1よりも大きな閾値2以上の場合には、現在の自車走行車線から隣接車線への車線変更制御の実行が抑制または禁止される。
なお、ドライバによる所定以上の操舵トルク或いはブレーキ踏込量が検出されている場合、走行_ECU22は、ドライバの意思を反映させるべく、第1の運転支援モード或いは手動運転モードへと切り換えることも可能である。
一方、ステップS108において、自動退避モードに切り換える旨の判断がなされていないと判定した場合、走行_ECU22は、そのままルーチンを抜ける。
このような実施形態によれば、第2の運転支援モードでの走行中に予め設定した条件に基づいて車線変更の必要性を判定したとき、自車走行車線から隣接車線に自車両を車線変更させるための車線変更用経路を設定し、車線変更用経路に基づいて操舵制御を伴う車線変更制御を行うに際し、車線変更が予め設定した緊急性を伴う場合には閾値を基準値である閾値1よりも高い閾値2に設定し、車線変更用経路に基づいて行うべき操舵の最大操舵速度が設定閾値以上である場合には車線変更制御の実行を抑制または禁止することにより、乗員に違和感を与えることなく適切な車線変更を行うことができる。
すなわち、例えば、目標走行経路の前方の設定距離以内に障害物等が存在しない場合のように、車線変更を行う緊急性が低い場合には最大操舵速度に対する閾値としてドライバの乗車フィーリングを優先した閾値1を設定することにより、ヨーモーメント等の発生を抑制した車線変更を実現することができる。
その一方で、例えば、目標走行経路の前方の設定距離以内に障害者等が存在する場合のように、車線変更を行う緊急性が高い場合には乗車フィーリングよりも車線変更を優先して、最大操舵速度に対する閾値として閾値1よりも高い閾値2することにより、車線変更を許容する領域を拡大することができ(すなわち、自動退避モードへの移行等を抑制することができ)、乗員に違和感を与えることなく適切な車線変更を行うことができる。
従って、緊急性を要する場合には、自車走行車線の隣接車線に並走車101が存在すること(例えば、図4参照)等を理由として、閾値1未満の最大操舵速度による車線変更が可能な適切なタイミングを逸した場合であっても、最大操舵速度が閾値2未満であれば、並走車101の通過(通過後の並走車を図5において符号「101’」で表示)を待って隣接車線への車線変更を行うことができる。
なお、図6(a)は、例えば、図4に示すタイミングにおいて、並走車101が存在せず、車線変更を開始できたと仮定したときのハンドル角θの時間変化を示したものであり、この場合の操舵速度(ハンドル角の微分値(dθ/dt))が閾値1未満であっても障害物102を横切るタイミングまでに車線変更を終了することができる。
一方、図6(b)は、例えば、図5に示すタイミングにおいて、車線変更を開始したときのハンドル角θの時間変化を示したものである。この場合、図6(b)中に破線で示すように、操舵速度を閾値1によって制限した場合には、障害物102を横切るタイミングまでに車線変更を終了することができないため車線変更を断念せざるを得ないが、操舵速度に対する閾値を閾値2に変更することにより、当該タイミングまでに車線変更を終了することができる(すなわち、車線変更を断念することなく実行できる)。
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。例えば、車線変更が緊急性を伴うケースとしては、目標走行経路の前方に障害物が存在するときに限定されることなく、歩行者が飛び出したケース等を含めることも可能である。