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JP6537432B2 - スペーサ - Google Patents

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JP6537432B2
JP6537432B2 JP2015205845A JP2015205845A JP6537432B2 JP 6537432 B2 JP6537432 B2 JP 6537432B2 JP 2015205845 A JP2015205845 A JP 2015205845A JP 2015205845 A JP2015205845 A JP 2015205845A JP 6537432 B2 JP6537432 B2 JP 6537432B2
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Description

本発明は、スペーサに関する。
例えば、頚椎脊椎症性脊髄症や、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症、椎間板ヘルニア等に対する治療として、正中縦割式頚椎拡大椎弓形成術、片側侵入片開き式脊柱管拡大術が行われている。
正中縦割式拡大椎弓形成術の場合では、棘突起の正中部(中央部)を切断し、正中部を境にして、両側の椎弓を、ヒンジのようにして開くことにより、脊柱管を拡大する。この際、棘突起を切断して形成された間隙(骨欠損部)には、スペーサが挿入される(例えば、特許文献1参照。)。
このスペーサは、自家骨を収納するための収納部を備え、椎弓または棘突起の切断端部と、スペーサが有する一対の当接面とが接触するように前記間隙に挿入され、前記当接面の縁部から突出して設けられた係止部にスクリューを挿通した状態で、前記切断部に前記スクリューを固定することで、間隙内に固定される。
しかしながら、このスペーサを用いた方法では、間隙に挿入されるスペーサ本体に対して、係止部が設けられるため、スペーサの大型化を招くとともに、スペーサ本体に対して遠位において固定されるため、スペーサを安定的に固定することができないという問題が生じる。
特開2004−121851号公報
本発明の目的は、スペーサの大型化を招くことなく、間隙に設置されたスペーサを強固に固定することができるスペーサを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()に記載の本発明により達成される。
(1) 椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙に挿入して、脊柱管を拡大するのに使用されるスペーサであって、
少なくとも一部が前記間隙に挿入され、当該間隙に挿入された状態で、脊柱管側に位置する前面と、該前面に対向して位置する後面と、前記椎弓または棘突起の切断端部にそれぞれ当接する一対の当接面とを備える本体部を有し、
前記本体部は、前記後面で開口する第1の開口部と、前記各当接面で開口する第2の開口部とを備える中空からなる、骨を収納する収納部を有し、
前記第1の開口部と、前記収納部と、前記第2の開口部とは、スクリューを挿通して当該スペーサを前記間隙に固定するための挿通孔として機能し、
前記第2の開口部および前記収納部は、前記スクリューのネジ部が挿通される挿通孔を構成することを特徴とするスペーサ。
これにより、スペーサの大型化を招くことなく、間隙に設置されたスペーサを強固に固定し得るスペーサとすることができる。
また、第2の開口部および収納部は、スクリューのネジ部が挿通される挿通孔を構成することにより、第1の開口部および第2の開口部と収納部とで構成される挿通孔に挿通した状態で、スクリューを、切断端部にネジ止めすることで、スペーサを間隙内に確実に固定することができる。
(2) 前記第1の開口部は、その縁部において、前記スクリューのネジ頭と固定状態で当接する上記(1)に記載のスペーサ。
これにより、第1の開口部および第2の開口部と収納部とで構成される挿通孔に挿通した状態で、スクリューを、前記切断端部にネジ止めすることで、スペーサを間隙内に確実に固定することができる。
) 前記前面には、少なくとも一方の前記当接面側の縁部に、前記スクリューを挿通する方向に案内する第1のガイド部が形成されている上記(1)または(2)に記載のスペーサ。
これにより、スクリューを、固定すべき前記切断端部に確実に案内することができるため、スクリューを、前記切断端部に対して容易に固定することができる。
) 前記第1のガイド部は、前記スクリューを挿通する方向に突出形成された、少なくとも1つの舌片で構成される上記()に記載のスペーサ。
第1のガイド部を、このような、スクリューを挿通する方向に突出する舌片とすることで、スクリューを、固定すべき前記切断端部により確実に案内することができる。
) 前記後面には、前記第1の開口部の縁部に、前記スクリューを挿通する方向に案内する第2のガイド部が形成されている上記(1)ないし()のいずれかに記載のスペーサ。
これにより、スクリューを、固定すべき前記切断端部に確実に案内することができるため、スクリューを、前記切断端部に対して容易に固定することができる。
) 前記第2のガイド部は、前記スクリューを挿通する方向に突出形成された、少なくとも1つの舌片で構成される上記()に記載のスペーサ。
第2のガイド部を、このような、スクリューを挿通する方向に突出する舌片とすることで、スクリューを、固定すべき前記切断端部により確実に案内することができる。
) 当該スペーサは、金属材料または高分子材料を主材料として構成される上記(1)ないし()のいずれかに記載のスペーサ。
金属材料と高分子材料は、優れた強度と弾性を有しているため、スペーサに優れた強度と弾性を付与して、間隙に挿入された際に、拡大された椎弓の状態を保持することができる。
) 当該スペーサは、頸椎、胸椎および腰椎のうちの少なくとも1種の前記脊柱管を拡大するのに使用される上記(1)ないし()のいずれかに記載のスペーサ。
本発明のスペーサは、頸椎、胸椎および腰椎のうちの少なくとも1種の前記脊柱管を拡大するスペーサとして好ましく適用される。
本発明によれば、骨を収納するための収納部が備える開口部を、スクリューを挿通させるための挿通孔として用いることができる。そのため、椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙に挿入されるスペーサの本体部自体において、スペーサを、椎弓または棘突起の切断端部に対して固定することができることから、スペーサの大型化を招くことなく、スペーサを間隙において強固に固定することができる。
本発明のスペーサの第1実施形態を示す図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 本発明のスペーサの第2実施形態を示す図である。 本発明のスペーサの第3実施形態を示す図である。
以下、本発明のスペーサを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下では、本発明のスペーサを正中縦割式拡大椎弓形成術に用いられる椎弓スペーサに適用した場合を一例に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のスペーサの第1実施形態を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)側面図)、図2〜図5は、それぞれ、正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。
<<正中縦割式拡大椎弓形成術>>
まず、本発明のスペーサの第1実施形態を説明するのに先立って、図2〜図5を参照して、正中縦割式拡大椎弓形成術について説明する。なお、図2〜図5中の上側が背側、下側が腹側、である。
図2に示すように、椎骨100は、椎体110と、椎体110の後方(図2中の上側)に延び、脊柱管(椎孔)140を形成する椎弓120と、椎弓120の中央部から後方に突出する棘突起130とを有している。
[1] まず、図2に示すように、椎骨100における棘突起130を、椎弓120から切断線131において切離(切断)する。
[2] 次に、図3に示すように、椎弓120の中央部(正中部)を、例えばエアドリル等を用いて切断する。
また、正中面200を境にして椎弓120の根元部の外側に、例えばエアドリル等を用いて溝121a、121bを形成する。
この溝121a、121bの深さは、外板のみ削り、内板を削らない程度とする。この溝121a、121bを形成した部位は、ヒンジ部(蝶番)122a、122bとなる。
[3] 次に、図4に示すように、ヒンジ部122a、122bを中心に、椎弓120を回動させ、椎弓120の切断した部分を広げる。これにより、切断端部(骨)120a、120b同士の間に間隙150が形成される。
なお、必要に応じて、椎弓120の間隙150に臨む切断端部120a、120bを整形する。
[4] 次に、図5に示すように、間隙150に、本発明のスペーサ1を挿入した後、スペーサ1が備える挿通孔として機能する開口部31、32にスクリュー(ボルト)4を、挿通した状態で切断端部120a、120bの側面125a、125bにネジ止めすることで、スペーサ1を間隙150内に固定する。これにより、患者の椎弓120と、スペーサ1とで、拡大された椎弓160が形成される。
なお、スペーサ1を切断端部120a、120bにスクリュー4でネジ止めし、スペーサ1を間隙150内に固定する構成とすることにより、術後早期に、スペーサ1が椎弓120に対して位置ズレするのを防止することができ、切断端部120a、120bとスペーサ1との間における骨癒合を確実に生じさせることができる。
また、スペーサ1が備える開口部31、32にスクリュー4を挿通した状態で側面125a、125bにネジ止めするという単純な作業で、スペーサ1を間隙150内に容易に固定することができる。
さらに、スペーサ1が備える収納部39には、自家骨等の骨が収納され、これにより、スペーサ1と側面125a、125bとを、早期に骨癒合により接合することができるが、この収納部39への骨の収納は、前記工程[4]の間隙150へのスペーサ1の挿入に先立って行ってもよいし、前記工程[4]の間隙150へのスペーサ1のスクリュー4による固定の後に行ってもよい。
なお、前記工程[1]において切離された棘突起130を、スペーサ1の第2の面12の中央(正中)に戻し、スペーサ1に糸等により固定してもよいし、収納部に収納する自家骨として使用するようにしてもよい。
また、棘突起130を椎弓120から切離することなく、前記工程[2]において、棘突起130ごと正中面200に沿って切断してもよい。
<<スペーサ>>
次に、本発明のスペーサの第1実施形態について、図1および図5を参照して説明する。
なお、以下の説明では、特に断らない限り、スペーサ1を患者の施術部位(間隙150)に挿入(装着)した状態を基本として方向を特定する。すなわち、患者の腹側(脊柱管140側)を「前」、背側(脊柱管140と反対側)を「後」といい、患者の頭側を「上」、患者の脚側を「下」という。
図1および図5に示すように、スペーサ1は、収納部39を備え、間隙150に挿入して椎弓120を拡大する本体部2と、スクリュー4を挿通する方向に案内するガイド部(第1のガイド部)5とを有している。
本体部(ブロック体)2は、第1の面11と、第2の面12と、第3の面13と、第4の面14とを有し、図1(b)に示す平面視で、これらで囲まれて形成された台形形状をなしている。
第1の面11、第2の面12、第3の面13および第4の面14は、ともに、ほぼ平面(平坦面)をなしている。
第1の面11は、第2の面12より短く形成されている。また、第3の面13は、第4の面14とほぼ同様の長さに形成されている。さらに、第3の面13および第4の面14は、ともに、第1の面11と鈍角をなし、第2の面12と鋭角をなすように形成されている。これにより、本体部2は、上記の通り、図1(b)に示す平面視で、台形形状とされる。
このスペーサ1は、図5に示すように、間隙150に挿入された状態で、正中面200に対して、ほぼ線対称な形状をなしている。また、第1の面11は、この状態で、拡大された椎弓160の内側(脊柱管140)に臨む面(前面)を構成し、第2の面12は、第1の面11に対向する位置で、拡大された椎弓160の外側に臨む面(後面)を構成する。
また、図5に示すように、椎弓120が切断された切断端部120aの側面125aは、第3の面13に当接し、切断端部120bの側面125bは、第4の面14に当接する。すなわち、第3の面13および第4の面14は、それぞれ、側面125a、125bに当接する一対の当接面を構成する。
また、スペーサ1は、第1の面11と、第2の面12と、第3の面13と、第4の面14とで囲まれた領域を、その上側および下側で封止する、第5の面15と、第6の面16とを有しており、図5に示すように、間隙150に挿入された状態で、第5の面15は、頭側に位置する上面を構成し、第6の面16は、脚側に位置する下面を構成する。
かかる構成のスペーサ1は、本実施形態では、図1(c)に示すように、第1の面11と、第2の面12と、第5の面15と、第6の面16とで囲まれた領域の内側が中空をなし、この中空の領域により、自家骨等の骨を収納する収納部39が構成され、第3の面13および第4の面14は、そのほぼ全面で開口しており、これにより、第3の面13および第4の面14に、収納部39がスペーサ1の外側に開放する開口部(第2の開口部)32が形成されている。
また、収納部39は、第2の面12の中央部に、本体部2の長手方向に延びる長円状をなす開口部(第1の開口部)31を有している。
このように、中空が骨を収納する収納部39を構成することにより、スペーサ1を間隙150に挿入するのに際し、骨芽細胞が切断端部120a、120bや骨(自家骨)から増殖し、新生骨を産生する。その結果、切断端部120a、120bと骨との間において骨癒合が生じ、スペーサ1を椎弓120に対して、より確実かつ早期に固定することができるようになる。
また、本実施形態のように、骨を収納する収納部を、第3の面13から第4の面14に貫通する構成とすると、本体部2の大型化を伴うことなく、収納部の容積を十分に大きくすることができる。これにより、切断端部120a、120bとの早期の骨癒合を期待できるだけ十分な量の骨を、収納部に収納することができる。
ここで、自家骨には、例えば、正中縦割式拡大椎弓形成術において除去された棘突起130や、他の部位の骨(例えば骨盤)等から採取した骨切片(骨断片)等を用いることができる。
また、これらの骨切片は、そのまま収納部39に収納するようにしてもよいが、砕いた状態(骨チップ)として用いるのが好ましい。
さらに、骨(自家骨)は、2つの開口部32から露出する程度に、収納部39内に収納して用いるのが好ましい。これにより、骨と切断端部120a、120bとが直接接触するようになり、より早期の骨癒合を図ることができる。
また、収納部39のように、第2の面12で開放する開口部31を有することにより、収納部39を本体部2の後方に開放する構成とすることができる。かかる構成とすることで、スペーサ1の間隙150への挿入の後であっても、この開口部31を介して、収納部39の内部に骨を収納することができる。さらに、例えば、手術の手技として、切離された棘突起130を元の位置に戻す場合には、棘突起130と骨との早期の骨癒合を図ることができ、その結果、棘突起130を、本体部2(スペーサ1)を介して確実かつ早期に椎弓120に固定することもできる。なお自家骨に代えて、ハイドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム系化合物のような骨代替物を骨として収納してもよい。
開口部31、32を備える収納部39は、上述の通り、早期のスペーサ1の椎弓120に対する固定を実現するために、骨を収納するための収納部として機能する他、以下のような機能を有する。
すなわち、開口部31、32と収納部39とは、図5に示すように、スクリュー4を挿通してスペーサ1(本体部2)を間隙150に固定するための挿通孔として機能する。
かかる構成とすることで、間隙150に挿入されるスペーサ1の本体部2自体(すなわち、本体部2の近位)において、スペーサ1を、切断端部120a、120bの側面125a、125bに対して固定することができる。そのため、スペーサ1の大型化を確実に防止することができるとともに、スペーサ1を間隙150において強固に固定することができる。
このような開口部31、32と収納部39とで構成される挿通孔では、開口部(第1の開口部)31の縁部と、スクリュー4が備えるネジ頭とが固定状態で当接している。すなわち、開口部(第1の開口部)31の縁部が、ネジ頭を係止する係止部を構成する。そして、開口部(第2の開口部)32および収納部39は、スクリュー4が備えるネジ部が挿通される挿通孔を構成している。これにより、開口部31、32と収納部39とで構成される挿通孔に挿通した状態で、スクリュー4を、側面125a、125bにネジ止めすることで、スペーサ1を間隙150内に確実に固定することができる。
なお、本実施形態では、開口部31は、第2の面12において、本体部2の長手方向に延びる長円状に開口して形成され、開口部32は、第3の面13および第4の面14において、そのほぼ全面で開口して形成されている。このような開口部31、32を備える挿通孔とすることで、スクリュー4を固定する位置の自由度が高くなるため、スクリュー4を、側面125a、125bに対して容易にネジ止めすることが可能となる。
このような本体部2において、第1の面11の長さ(図1中のL)、第2の面12の長さ(図1中のL)および第1の面11と第2の面12との距離(図1中のL)、各面の厚さ等の各寸法は、頸椎、胸椎、腰椎のような椎体の種類や、症例に応じて適宜決定されるが、概ね、以下に示すような範囲内に設定される。
すなわち、第1の面11の長さ(図1中のL)は、好ましくは6mm以上25mm以下程度、より好ましくは8mm以上22mm以下程度に設定される。
また、第2の面12の長さ(図1中のL)は、好ましくは10mm以上25mm以下程度、より好ましくは16mm以上21mm以下程度に設定される。
さらに、第1の面11と第2の面12との(最大)距離(図1中のL)は、好ましくは6mm以上15mm以下程度、より好ましくは9mm以上12mm以下程度に設定される。
また、第1の面11、第2の面12、第5の面15および第6の面16の厚さは、好ましくは0.1mm以上2.0mm以下程度、より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下程度に設定される。
本体部2における各部の寸法を上述した範囲内に設定することにより、本体部2に優れた機械的強度をより確実に付与することができる。
また、本体部2は、その全体に亘って、角部が丸みを帯びた形状をなしている(R付けがなされている)。かかる構成とすることにより、スペーサ1(本体部2)を間隙150に挿入する際に、周辺組織を傷付けるのを防止することができるという利点が得られる。
なお、本実施形態では、第1の面11、第2の面12、第5の面15および第6の面16は、それぞれ、ほぼ平面になっているが、これに限定されず、平面になっておらず、湾曲面で構成されていてもよい。
また、図1および図5に示すように、本体部2には、スクリュー4を挿通する方向に案内するガイド部(第1のガイド部)5が設けられている。これにより、開口部31、32と収納部39とで構成される挿通孔にスクリュー4を挿通する際に、スクリュー4を、固定すべき切断端部120aの側面125a、125bに確実に案内する(方向付けする)ことができるため、スクリュー4を、側面125a、125bに対して容易に固定することができる。
ガイド部5は、図1に示すように、第1の面11の第3の面13および第4の面14側の双方の縁部に、形成されており、このガイド部5は、スクリュー4を挿通する方向に突出して形成された、2つの舌片51で構成されている。ガイド部5を、このような、スクリュー4を挿通する方向に突出する舌片51とすることで、スクリュー4を、固定すべき切断端部120aの側面125a、125bにより確実に案内することができる。
また、本実施形態では、第1の面11の第3の面13および第4の面14側の双方の縁部に、それぞれ、2つの舌片51が設けられており、スクリュー4は、2つの舌片51の間の空隙に沿うようにして、切断端部120aの側面125a、125bに案内される。これにより、スクリュー4の側面125a、125bへの案内の精度をより向上させることができる。
さらに、これら2つの舌片51は、図1に示す構成の他、2つの舌片51の間の空隙に沿って案内されるスクリュー4の形状に対応(追従)するように、第1の面11に対して傾斜して設けられていてもよい。すなわち、2つの舌片51同士が若干対向するように傾斜して設けられていてもよい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
舌片51の長さは、0.5mm以上5mm以下程度であるのが好ましく、1.5mm以上2.5mm以下程度であるのがより好ましい。また、舌片51の幅は、0.25mm以上2.5mm以下程度であるのが好ましく、0.7mm以上1.2mm以下程度であるのがより好ましい。
なお、舌片51の個数は、それぞれ、図示の構成に限定されないことは言うまでもなく、1つ以上であればよい。
このようなスペーサ1は、特に限定されないが、金属材料または高分子材料を主材料として構成されたものが好ましい。金属材料と高分子材料は、優れた強度と弾性を有しているため、スペーサ1に優れた強度と弾性を付与して、間隙150に挿入された際に、拡大された椎弓160の状態を保持することができる。
金属材料としては、各種のものが挙げられるが、特に、チタンまたはチタン合金であるのが好ましい。チタンまたはチタン合金は、生体適合性が高く、また、優れた強度を有することからスペーサ1の構成材料として好ましく用いられる。なお、チタン合金としては、特に限定されないが、例えば、Ti−6Al−4Vや、Ti−29Nb−13Ta−4.6ZrのようなTiを主成分とし、Al、Sn、Cr、Zr、Mo、Ni、Pd、Ta、Nb、V、Pt等が添加されたものが挙げられる。
また、高分子材料としては、各種のものが挙げられるが、特に、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸のようなポリ乳酸が好ましい。これにより、スペーサ1を、生体吸収性を備えるものとすることができ、切断端部120a、120bと骨との骨癒合の形成の後にスペーサ1を生体内に吸収させることが可能となる。この他にも、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレートなど臨床で使用されているものが挙げられる。
また、上記のような構成のスペーサ1は、例えば、シート状をなす金属製の緻密体を用意し、この緻密体を、スペーサ1を展開した形状、大きさ等に成形した後、折り込むことで容易に得ることができる。
この緻密体の成形には、例えば、レーザーカット、ウォータージェット、放電ワイヤー加工、超音波切断のような薄片切断加工法を用いることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のスペーサの第2実施形態について説明する。
図6は、本発明のスペーサの第2実施形態を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)側面図)である。
以下、第2実施形態のスペーサ1について、前記第1実施形態のスペーサ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図6に示すスペーサ1は、本体部2が備える開口部31およびガイド部5の構成が異なる以外は、図1に示すスペーサ1と同様である。
すなわち、第2実施形態のスペーサ1において、開口部31は、第2の面12に、本体部2の長手方向に沿って、2つ形成されている。
そして、ガイド部(第2のガイド部)5は、図6に示すように、第2の面12の各開口部31の中央側の縁部に、形成されており、このガイド部5は、収納部39内部において、スクリュー4を挿通する方向に突出して形成された、1つの舌片52で構成されている。ガイド部5を、このような、収納部39内部において、スクリュー4を挿通する方向に突出する舌片52とすることによっても、スクリュー4を、固定すべき切断端部120aの側面125a、125bにより確実に案内することができる。
さらに、この1つの舌片52は、図6に示す構成の他、舌片52に沿って案内されるスクリュー4の形状に対応(追従)するように、その中心部で長手方向に沿って屈曲していてもよい。これにより、スクリュー4の側面125a、125bへの案内の精度をより向上させることができる。
なお、舌片52の個数は、舌片51の個数と同様に、図示の構成に限定されないことは言うまでもなく、1つ以上であればよい。
このような第2実施形態のスペーサ1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、各部の寸法は、前記第1実施形態のスペーサ1と同様である。
<第3実施形態>
次に、本発明のスペーサの第3実施形態について説明する。
図7は、本発明のスペーサの第3実施形態を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)側面図)である。
以下、第3実施形態のスペーサ1について、前記第1実施形態のスペーサ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7に示すスペーサ1は、本体部2が備える開口部32の構成が異なり、さらにガイド部5の形成が省略されていること以外は、図1に示すスペーサ1と同様である。
すなわち、第3実施形態のスペーサ1において、第3の面13および第4の面14は、ともに、その全面では開口しておらず、開口部32は、第3の面13および第4の面14に、それぞれ、挿通すべきスクリュー4のネジ部の形状に対応して形成されている。
かかる形状の開口部32をスクリュー4のネジ部を挿通することで、このネジ部が向かう方向が規制されることから、スクリュー4を、固定すべき切断端部120aの側面125a、125bに確実に案内することができる。すなわち、開口部32に、スクリュー4を挿通する方向に案内するガイド部(案内部)としての機能をも付与することができる。
したがって、かかる構成の本体部2には、ガイド部5の形成を省略することができる。
なお、本実施形態では、第3の面13および第4の面14には、開口部32が形成されている領域とは異なる領域に、収納部39に連通(収納部39を開放)する開口部(第3の開口部)33が形成されている。この開口部33を介して、側面125a、125bと収納部39に収納された骨とが直接接触することとなり、その結果、側面125a、125bと骨との間で骨癒合がなされることとなる。
このような第3実施形態のスペーサ1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、各部の寸法は、前記第1実施形態のスペーサ1と同様である。
以上、本発明のスペーサを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明のスペーサにおいて、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、本発明では、前記第1〜第3実施形態で示した任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、第1のガイド部と第2のガイド部とを両方とも設けるようにしてもよい。
さらに、前記実施形態のスペーサでは、いずれも本体部2の平面視での形状がほぼ台形状をなし、側面視での形状がほぼ長方形状のものについて示したが、本発明のスペーサは、かかる形状のものに限定されず、側面視での形状がほぼ円形状や、ほぼ台形状のものであってもよいし、平面視での形状が湾曲状をなすもの等であってもよい。また、正面視と平面視とがともに台形状のものであってもよい。
さらに、前記実施形態では、スペーサ1を正中縦割式拡大椎弓形成術に用いる場合について示したが、本発明では、スペーサを、椎弓の一方側(片側)を切断し、他方側をヒンジのようにして椎弓を開くことにより脊柱管を拡大する片側侵入片開き式脊柱管拡大術に用いるようにしてもよい。
1 スペーサ
2 本体部
4 スクリュー
5 ガイド部
11 第1の面
12 第2の面
13 第3の面
14 第4の面
15 第5の面
16 第6の面
31 第1の開口部
32 第2の開口部
33 第3の開口部
39 収納部
51、52 舌片
100 椎骨
110 椎体
120 椎弓
120a、120b 切断端部
121a、121b 溝
122a、122b ヒンジ部
125a、125b 側面
130 棘突起
131 切断線
140 脊柱管
150 間隙
160 拡大された椎弓
200 正中面
、L 長さ
距離

Claims (8)

  1. 椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙に挿入して、脊柱管を拡大するのに使用されるスペーサであって、
    少なくとも一部が前記間隙に挿入され、当該間隙に挿入された状態で、脊柱管側に位置する前面と、該前面に対向して位置する後面と、前記椎弓または棘突起の切断端部にそれぞれ当接する一対の当接面とを備える本体部を有し、
    前記本体部は、前記後面で開口する第1の開口部と、前記各当接面で開口する第2の開口部とを備える中空からなる、骨を収納する収納部を有し、
    前記第1の開口部と、前記収納部と、前記第2の開口部とは、スクリューを挿通して当該スペーサを前記間隙に固定するための挿通孔として機能し、
    前記第2の開口部および前記収納部は、前記スクリューのネジ部が挿通される挿通孔を構成することを特徴とするスペーサ。
  2. 前記第1の開口部は、その縁部において、前記スクリューのネジ頭と固定状態で当接する請求項1に記載のスペーサ。
  3. 前記前面には、少なくとも一方の前記当接面側の縁部に、前記スクリューを挿通する方向に案内する第1のガイド部が形成されている請求項1または2に記載のスペーサ。
  4. 前記第1のガイド部は、前記スクリューを挿通する方向に突出形成された、少なくとも1つの舌片で構成される請求項に記載のスペーサ。
  5. 前記後面には、前記第1の開口部の縁部に、前記スクリューを挿通する方向に案内する第2のガイド部が形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のスペーサ。
  6. 前記第2のガイド部は、前記スクリューを挿通する方向に突出形成された、少なくとも1つの舌片で構成される請求項に記載のスペーサ。
  7. 当該スペーサは、金属材料または高分子材料を主材料として構成される請求項1ないしのいずれか1項に記載のスペーサ。
  8. 当該スペーサは、頸椎、胸椎および腰椎のうちの少なくとも1種の前記脊柱管を拡大するのに使用される請求項1ないしのいずれか1項に記載のスペーサ。
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