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JP6508448B2 - 検出器、センシング装置及び制御システム - Google Patents

検出器、センシング装置及び制御システム Download PDF

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Description

本発明は、検出器、センシング装置及び制御システムに係り、更に詳しくは、物体を検出するための検出器、該検出器を有するセンシング装置、及び該センシング装置を備える制御システムに関する。
近年、省エネのために電子機器の電源制御が注目されている。そして、該電源制御を自動的に行うため、人体より放射される遠赤外線を受光して人の有無や位置を検出するためのセンサの開発が進められている。このセンサは、複数の受光部を有するアレイ型光検出器、及び複数の受光部に遠赤外線を導くための集光素子を有している。
例えば、特許文献1には、遠赤外線を集光する集光手段と、集光された遠赤外線を検出する検出手段とを含む遠赤外線検出装置が開示されている。
近年、遠赤外線を受光して人の有無や位置を検出するためのセンサの検出感度に対する更なる向上が要求されている。しかしながら、特許文献1に記載の検出装置では、検出感度のばらつきが大きいという不都合があり、上記要求に応えるのは困難であった。
本発明は、物体を検出するための検出器であって、第1の方向に沿って配列された複数の受光素子を有する受光器と、入射側または射出側の少なくとも一方の面が、少なくとも前記第1の方向に直交する第2の方向に関して曲率を有する屈折面を有し、前記物体からの光の一部を前記受光器に導く光学素子と、前記光学素子を通過し、前記受光器から外れた光の一部を反射して前記受光器に導く反射面を有する反射部材とを備え、前記反射部材は少なくとも2つの反射面を有し、該少なくとも2つの反射面は、傾斜角度が異なり、形状が凹型の反射面であり、前記第2の方向に関して、前記反射部材の反射面上の任意の2点における法線は、前記受光器の中心線から外れた位置に交点を有する検出器である。
本発明の検出器によれば、検出感度のばらつきを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る制御システムとしての機器制御システム1000の概略構成を説明するための図である。 人とセンサ装置10Aとの位置関係を説明するための図である。 図3(A)及び図3(B)は、それぞれ人から発せられる遠赤外線を説明するための模式図である。 センサ装置10Aの構成を説明するための図である。 遠赤外線センサ20を説明するための図である。 図5のA−A断面図である。 図5のB−B断面図である。 受光器21を説明するための図(その1)である。 受光器21を説明するための図(その2)である。 受光器21のセンサ基板22への取り付け状態を説明するための図である。 集光レンズ24を説明するための図である。 図11のA−A断面図である。 図11のB−B断面図である。 図14(A)は、上下方向の検出範囲を説明するための図であり、図14(B)は、水平方向の検出範囲を説明するための図である。 各受光素子で受光される光の入射傾斜角と受光光量との関係のシミュレーション結果を説明するための図である。 入射傾斜角が−21.875°の光が受光素子RL1で受光され、入射傾斜角が−3.125°の光が受光素子RL4で受光される様子を説明するための図である。 パッケージ部材23に設けられた凹面部230を説明するための図(その1)である。 パッケージ部材23に設けられた凹面部230を説明するための図(その2)である。 パッケージ部材23に設けられた凹面部230を説明するための図(その3)である。 凹面部230にコーティングされた反射部材25を説明するための図(その1)である。 凹面部230にコーティングされた反射部材25を説明するための図(その2)である。 反射面M(i,j)を説明するための図である。 反射面の作用を説明するための図である。 反射面で反射された光線の交点を説明するための図である。 角度光量分布の重なりを説明するための図である。 XZ断面に関して、受光素子に入射する遠赤外線の角度光量分布を説明するための図である。 機器制御装置での「検知」判断を説明するための図である。 集光レンズ24の変形例1を説明するための図である。 集光レンズ24の変形例2を説明するための図である。 図29のA−A断面図である。 図29のB−B断面図である。 変形例2の集光レンズ24に対応してパッケージ部材23に設けられた凹面部230を説明するための図(その1)である。 変形例2の集光レンズ24に対応してパッケージ部材23に設けられた凹面部230を説明するための図(その2)である。 変形例2の集光レンズ24に対応してパッケージ部材23に設けられた凹面部230を説明するための図(その3)である。 変形例2の集光レンズ24に対応した反射面を説明するための図(その1)である。 変形例2の集光レンズ24に対応した反射面を説明するための図(その2)である。 変形例2の集光レンズ24に対応した反射面を説明するための図(その3)である。 変形例2の集光レンズ24に対応した反射面の作用を説明するための図である。 変形例2の集光レンズ24及び対応する反射面を用いたときの角度光量分布の重なりを説明するための図である。 変形例2の集光レンズ24及び対応する反射面を用いたときの、XZ断面に関して、受光素子に入射する遠赤外線の角度光量分布を説明するための図である。 変形例2の集光レンズ24及び対応する反射面を用いた遠赤外線センサ20を説明するための図(その1)である。 変形例2の集光レンズ24及び対応する反射面を用いた遠赤外線センサ20を説明するための図(その2)である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図27に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る制御システムとしての機器制御システム1000の概略構成が示されている。
この機器制御システム1000は、4つの機器(101、102、103、104)、3つのセンサ装置(10A、10B、10C)、及び機器制御装置200などを有している。
そして、機器101とセンサ装置10AはルームAに設置されている。また、機器102と機器103とセンサ装置10BはルームBに設置されている。さらに、機器104とセンサ装置10CはルームCに設置されている。
各機器は、電源のオン/オフを外部からも行うことが可能な機器であり、例えば、デジタル複合機(MFP:Multi−Function Printer)などが考えられる。
各センサ装置は、所定のタイミング毎に人の有無を検知し、その検知結果(「未検知」又は「検知」)を機器制御装置200に通知する。
機器制御装置200は、各センサ装置の出力に基づいて各機器の電源を制御する。例えば、機器制御装置200は、機器101の電源がオン状態のときに、センサ装置10Aからの通知が「未検知」であれば、機器101の電源をオフ状態にする。一方、機器101の電源がオフ状態のときに、センサ装置10Aからの通知が「検知」であれば、機器101の電源をオン状態にする。
また、機器制御装置200は、機器102及び機器103の電源がオン状態のときに、センサ装置10Bからの通知が「未検知」であれば、機器102及び機器103の電源をオフ状態にする。一方、機器102及び機器103の電源がオフ状態のときに、センサ装置10Bからの通知が「検知」であれば、機器102及び機器103の電源をオン状態にする。
さらに、機器制御装置200は、機器104の電源がオン状態のときに、センサ装置10Cからの通知が「未検知」であれば、機器104の電源をオフ状態にする。一方、機器104の電源がオフ状態のときに、センサ装置10Cからの通知が「検知」であれば、機器104の電源をオン状態にする。
ここで、各センサ装置について説明する。なお、各センサ装置は、いずれも同じ構成を有しているため、ここでは、代表として、センサ装置10Aについて説明する。本明細書では、一例として図2に示されるように、XYZ3次元直交座標系において、床面に直交する方向をY軸方向として説明する。そして、以下では、便宜上、センサ装置10Aは、検出対象である人Pの−Z側であって、Y軸方向に関しては人Pの頭の位置とほぼ同じ位置に配置されているものとする。
人Pからは、一例として図3(A)及び図3(B)に模式図的に示されるように、あらゆる方向に遠赤外線が放出されている。センサ装置10Aは、この遠赤外線を受光すると「検知」と判断する。
センサ装置10Aは、一例として図4に示されるように、遠赤外線センサ20、増幅器50、及び物体情報取得部60などを有している。遠赤外線センサ20は、人Pに対して十分に小さい。
遠赤外線センサ20は、一例として図5〜図7に示されるように、受光器21、センサ基板22、パッケージ部材23、集光レンズ24、反射部材25などを有している。そして、これらは、ウエハレベルパッケージ(WLP)によって製造されている。なお、図6は、図5のA−A断面図であり、図7は、図5のB−B断面図である。
受光器21は、集光レンズ24の焦点位置近傍に配置されている。受光器21は、Y軸方向に沿って配列された複数の受光素子を有している。ここでは、一例として図8に示されるように、受光器21は、8つの受光素子を有しているものとする。
各受光素子は、X軸方向に関する長さDxが100μm、Y軸方向に関する長さDyが50μmである。また、Y軸方向に関して、隣接する2つの受光素子の中心間距離Drは70μmである。なお、8つの受光素子を区別する必要があるときは、+Y方向に向かって、受光素子RL1、受光素子RL2、受光素子RL3、受光素子RL4、受光素子RL5、受光素子RL6、受光素子RL7、受光素子RL8という。
各受光素子は、Z軸方向に直交する矩形形状の受光面を、+Z側と−Z側とに有している。以下では、便宜上、図9に示されるように、+Z側の受光面を「第1受光面」ともいい、−Z側の受光面を「第2受光面」ともいう。
この受光器21は、一例として図10に示されるように、梁構造体28を介してセンサ基板22に保持(中空保持)されている。
また、センサ基板22には、信号増幅回路やノイズ除去回路などを含む電子回路群が実装されている。
図6に戻り、パッケージ部材23は、センサ基板22の−Z側に設けられ、接合部材(図示省略)によって、センサ基板22に接合されている。なお、図6における符号27は、貫通配線である。ここでは、パッケージ部材23として、TSV(シリコン貫通ビア)付基板を用いている。また、パッケージ部材23として、貫通電極付のガラス基板やLTCC(低温同時焼成セラミックス)基板の間にTSV基板を1層追加したものも用いることができる。
集光レンズ24は、センサ基板22の+Z側に設けられている。そして、集光レンズ24とセンサ基板22とパッケージ部材23とによって空隙(キャビティ)が形成され、該空隙内に受光器21が封入されている。この空隙内は、熱の影響を抑制するため、真空状態とされている。
集光レンズ24の材料として、ここでは、遠赤外線を透過させるシリコン(Si)を用いている。なお、高価ではあるがゲルマニウム(Ge)も集光レンズ24の材料として好適である。
ところで、受光器21の各受光素子は、遠赤外線を吸収し熱に変換するSiO層を有し、その熱による回路要素の特性変化を出力する。そのため、各受光素子では熱を長く留めておく必要がある。仮に、上記空隙内に空気があると、その空気が熱を伝達し、空隙を構成する壁面や、集光レンズ24、パッケージ部材23に熱を逃がすおそれがある。また、逆に、遠赤外線による熱ではない外界の熱を各受光素子に伝えるおそれがある。これらは、受光器21におけるS/Nの低下を引き起こす。
一例として図11〜図13に、集光レンズ24の形状が示されている。なお、図12は、図11のA−A断面図であり、図13は、図11のB−B断面図である。集光レンズ24は、+Z側の面が入射側の面であり、−Z側の面が射出側の面である。なお、以下では、煩雑さを避けるため、入射側の面を「入射光学面」ともいい、射出側の面を「射出光学面」ともいう。
入射光学面は、単一の凸型の円弧形状あるいは非球面形状である。ここでは、集光レンズ24と受光器21との距離が、集光レンズ24の原材料となるウエハ基板の厚さの2倍程度と極めて短いため、入射光学面の形状は、レンズの収差を極力抑えた非球面形状が好ましい。射出光学面は、Z軸方向に直交する単一の平面形状である。すなわち、集光レンズ24はいわゆる平凸レンズである。なお、平凸レンズの平坦面を入射側に設けた構成でも、同様の集光効果を期待することができる。
以下では、YZ断面において、集光レンズ24の入射光学面に入射する遠赤外線の範囲θ1(図14(A)参照)を「上下方向における検出範囲」といい、XZ断面において、集光レンズ24の入射光学面に入射する遠赤外線の範囲θ2(図14(B)参照)を「水平方向における検出範囲」という。ここでは、θ1=θ2=50°としている。
そして、受光器21では、8つの受光素子がY軸方向に沿って配置されている。すなわち、上下方向における検出範囲を8つの受光素子で監視していることとなる。そこで、1つの受光素子が監視する範囲はθ1÷8(ここでは、50÷8=6.25°)である。なお、ここでは、便宜上、Z軸方向に対する遠赤外線の入射方向の傾斜角を「入射傾斜角」という。
集光レンズ24の入射光学面は、遠赤外線のYZ断面での入射傾斜角と受光器21の第1受光面での受光光量との関係が、図15に示されるような関係となるように、YZ断面での曲率が設定されている。また、入射光学面の面形状は、集光レンズ24の原材料となるウエハ基板の厚さで決まる焦点距離に対して、光利用効率が最大となるように、設計されている。なお、本明細書では、集光レンズ24に入射する光線数に対する受光素子に到達する光線数の割合を光量(規格化値)としている。入射光学面の具体的な面形状は、シミュレーションによって決定することができる。
そして、YZ断面での入射傾斜角が−21.875°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL1が配置され、YZ断面での入射傾斜角が−15.625°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL2が配置され、YZ断面での入射傾斜角が−9.375°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL3が配置され、YZ断面での入射傾斜角が−3.125°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL4が配置されている。
また、YZ断面での入射傾斜角が3.125°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL5が配置され、YZ断面での入射傾斜角が9.375°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL6が配置され、YZ断面での入射傾斜角が15.625°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL7が配置され、YZ断面での入射傾斜角が21.875°±3.125°の遠赤外線の集光位置に受光素子RL8が配置されている。
図16には、YZ断面に関して、集光レンズ24に入射する遠赤外線に含まれる入射傾斜角が−21.875°の遠赤外線が受光素子RL1の第1受光面で受光され、入射傾斜角が−3.125°の遠赤外線が受光素子RL4の第1受光面で受光される様子が示されている。
このように、YZ断面での入射傾斜角と受光素子とが対応していることを、以下では、「角度分離」ともいう。
また、Z軸方向に関する射出光学面と第1受光面との距離を、集光レンズ24と受光器21のギャップ距離ともいう。ここでは、該ギャップ距離は405μmである。
入射光学面及び射出光学面の少なくとも一方には、反射防止膜がコーティングされている。この場合、遠赤外線の透過率を高めることができ、遠赤外線センサの感度を向上させることができる。反射防止膜の材料としては、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などを用いることができる。
一例として図17〜図19に示されるように、パッケージ部材23は、+Z側の面の中央部に、複数の凹面からなる凹面部230を有している。この凹面部230は、Y軸方向に関して受光素子の数と同数(ここでは、8個)の凹面を有し、X軸方向に関して2つの凹面を有している。
そして、この凹面部230には、図20及び図21に示されるように、反射部材25がコーティングされている。反射部材25としては、遠赤外線を強く反射するものであれば良く、アルミニウム(Al)や金(Au)を用いることができる。なお、以下では、反射部材25の表面を「反射面」ともいう。
そこで、パッケージ部材23は、Y軸方向に関して受光素子の数と同数(ここでは、8個)の反射面を有し、X軸方向に関して2つの反射面を有することとなる。そして、反射面を区別する必要があるときは、図22に示されるように、反射面M(i,j)(i=1〜8、j=1〜2)で表記する。反射部材25の厚み(膜厚)は非常に薄いので、反射面の形状は凹面部230の凹面と同じである。
ところで、集光レンズ24に用いることができる遠赤外線に対して透明な材料は一般的に屈折率が高い。例えば、シリコン(Si)であれば、屈折率は3.4〜3.5である。そのため、YZ断面での入射傾斜角の絶対値が大きい遠赤外線(具体的には、17°以上の光)を第1受光面に導くのは困難である。すなわち、第1受光面での受光光量は、YZ断面での入射傾斜角に依存する。
本実施形態では、XZ断面に関しては、一例として図23に示されるように、入射傾斜角の絶対値が小さい遠赤外線は、対応する受光素子の第1受光面に入射し、入射傾斜角の絶対値が大きくて、対応する受光素子の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面で反射され、対応する受光素子の第2受光面に入射する。
具体的には、YZ断面での入射傾斜角が−21.875°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL1の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(1,1)及び反射面M(1,2)で反射され、受光素子RL1の第2受光面に向かう。
また、YZ断面での入射傾斜角が−15.625°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL2の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(2,1)及び反射面M(2,2)で反射され、受光素子RL2の第2受光面に向かう。
また、YZ断面での入射傾斜角が−9.375°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL3の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(3,1)及び反射面M(3,2)で反射され、受光素子RL3の第2受光面に向かう。
また、YZ断面での入射傾斜角が−3.125°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL4の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(4,1)及び反射面M(4,2)で反射され、受光素子RL4の第2受光面に向かう。
また、YZ断面での入射傾斜角が3.125°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL5の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(5,1)及び反射面M(5,2)で反射され、受光素子RL5の第2受光面に向かう。
また、YZ断面での入射傾斜角が9.375°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL6の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(6,1)及び反射面M(6,2)で反射され、受光素子RL6の第2受光面に向かう。
また、YZ断面での入射傾斜角が15.625°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL7の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(7,1)及び反射面M(7,2)で反射され、受光素子RL7の第2受光面に向かう。
また、YZ断面での入射傾斜角が21.875°±3.125°の遠赤外線であって、受光素子RL8の第1受光面から外れた遠赤外線は、反射面M(8,1)及び反射面M(8,2)で反射され、受光素子RL8の第2受光面に向かう。
そして、反射面の形状は、一例として図24に示されるように、X軸方向に関して、反射面上の任意の2点における法線が、受光器21の中心線から外れた位置に交点を有するように設定されている。これにより、第1受光面に直接入射する遠赤外線の角度光量分布と反射面を介して第2受光面に入射する遠赤外線の角度光量分布とは、一部が重なり合うこととなる。
ここでは、一例として図25に示されるように、第1受光面に直接入射する遠赤外線の角度光量分布曲線と反射面M(i,1)を介して第2受光面に入射する遠赤外線の角度光量分布曲線とが交差する入射傾斜角A1での光量(規格化値)、及び第1受光面に直接入射する遠赤外線の角度光量分布曲線と反射面M(i,2)を介して第2受光面に入射する遠赤外線の角度光量分布曲線とが交差する入射傾斜角A2での光量(規格化値)が、最大値Mの半分となるように、凹面部230が設定されている。
この場合は、一例として図26に示されるように、XZ断面に関して、受光素子に入射する遠赤外線の角度光量分布はフラットトップとなる。また、XZ断面での角度光量分布における裾野は、反射面が無い場合よりも急峻な形状になる。なお、光量(規格値)が最大値の1/e倍となるところの裾野の幅を「裾野の大きさ」σという。
本実施形態では、上述したような反射面が設けられているため、YZ断面での入射傾斜角の絶対値が大きい遠赤外線であっても、対応する受光素子に導くことが可能となる。この場合、YZ断面での入射傾斜角の絶対値が大きくても、受光素子の出力レベルの低下が抑制される。そこで、検出対象物の相対位置に依らず検出感度をほぼ一定とすることができる。すなわち、検出感度のばらつきを低減することができる。
なお、凹面部230の具体的な面形状は、シミュレーションによって決定することができる。
ここで、遠赤外線センサ20の製造方法について簡単に説明する。
集光レンズ24は、入射光学面を、フォトリソグラフィとドライエッチングにより作製する。例えば、微小な開口をもつマスクパターンに拡散光を照射することによりレジストパターンの高さに階調をもたせるグレースケール露光法を用い、レンズ形状の基になるレジストパターンを形成する。その後、六フッ化硫黄(SF)をベースとしたエッチングガスにより、レジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行う。なお、集光レンズ24の原材料となるウエハ基板の初期厚さは800μmである。
センサ基板22は、受光器21及び電子回路群を同一基板上に設けたものであり、フォトリソグラフィにより作製する。受光器21に対する熱ノイズの影響を避けるために、受光器21が設けられた領域の外周部を掘り抜いた中空構造を細い梁で支持した構造とする必要があり、該構造は、集光レンズ24と同様にSFをエッチングガスとしたドライエッチングにより形成される。
グレースケール露光法を用いて、パッケージ部材23に凹面部230を形成する。そして、凹面部230に反射部材25を蒸着、スパッタリングあるいはCVDによってコーティングする。
集光レンズ24、センサ基板22及びパッケージ部材23を、ガラスフリット接合法を用いて接合し、受光器21を真空封止する構造を形成する。なお、ガラスフリット接合法とは、ペースト状のガラス剤をスクリーン印刷し、焼結、ガラス化して接合する方法である。
このように、集光レンズ24、センサ基板22及びパッケージ部材23を、ウエハ状態のままで(個片化せずに)接合し、これを個片化(ダイシング)することで数千個/1ウエハの遠赤外線センサ20が製造される。これは、ウエハレベルパッケージと呼ばれている。なお、センサ基板22は、パッケージ部材23の貫通配線を通して外部と導通がとれ(配線され)、回路基板等に実装することが可能である。
このようなウエハレベルパッケージでは、集光レンズ24の最大厚さは原材料のウエハ基板の初期厚さに依存して決定される。そして、この集光レンズ24の最大厚さにおいて、集光レンズ24と受光器21の上記ギャップ距離が設定される。ギャップ距離が定まると、角度分離が適切に行われるように集光レンズ24の面形状が設定される。
なお、集光レンズ24とセンサ基板の接合方法として、金(Au)などの金属による共晶結合を利用しても良い。代表的な例として、Au−Si共晶接合を説明する。AuをSi上に成膜し、共晶点以上の温度に加熱すると、共晶反応によってAuがSi内部に拡散し、合金を形成することにより、強力に接合される。この反応を2枚のSi基板の間に進行させることにより、基板同士を接合することができる。実際には、一方のSi基板表面に、クロム(Cr)/白金(Pt)/Auなどの膜を形成する。Crは密着層として機能し、PtはAuの拡散を止めるバリア層として機能する。そして、他方のSi基板にAuを成膜して共晶反応を進めることにより、Si基板同士が接合される。
Au−Si共晶接合のほかにも、Au−Sn共晶接合などもある。これは、半田と同様の反応である。但し、通常の電極端子に用いる半田のような金属混合物ではなく、組成を合わせた膜を形成し、共晶反応により合金化させる。
また、Si基板とガラス基板を接合するには「陽極接合」を用いることもできる。これは、ガラス基板を加熱した状態で数100Vの強電界をかけることにより、ガラス基板中のNaイオンをSi側へ移動させ、静電引力により界面に共有結合が形成され、基板同士が強固に接合される。
図4に戻り、増幅器50は、遠赤外線センサ20の受光器21の各受光素子から出力される信号をそれぞれ増幅する。なお、以下では、増幅器50から出力される信号を「増幅信号」ともいう。
物体情報取得部60は、所定のタイミング毎に、増幅器50からの増幅信号に基づいて、人の有無を判断する。この判断結果は、機器制御装置200に通知される。ここでは、互いに隣接する3つ以上の受光素子に対応する増幅信号のレベルが閾値を超えたときに「検知」と判断する(図27参照)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る遠赤外線センサ20によって本発明の検出器が構成され、センサ装置によって本発明のセンシング装置が構成され、機器制御システム1000によって本発明の制御システムが構成されている。そして、集光レンズ24によって本発明の検出器の光学素子が構成され、パッケージ部材23によって本発明の検出器の反射部材が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る遠赤外線センサ20は、受光器21、センサ基板22、パッケージ部材23、及び集光レンズ24などを有している。
パッケージ部材23は、受光素子の第1受光面を外れた入射傾斜角の絶対値が大きい遠赤外線が対応する受光素子の第2受光面で受光されるような反射面を有している。そして、反射面の形状は、X軸方向に関して、反射面上の任意の2点における法線が、受光器21の中心線から外れた位置に交点を有するように設定されている。
この場合、XZ断面に関して、第1受光面に直接入射する遠赤外線の角度光量分布と反射面を介して第2受光面に入射する遠赤外線の角度光量分布とは、一部が重なり合う。これにより、XZ断面に関して、受光素子に入射する遠赤外線の角度光量分布のフラットトップ化を図ることが可能となる。そして、検出対象物の相対位置に依らず検出感度をほぼ一定とすることができる。すなわち、検出感度のばらつきを低減することができる。
また、受光器21は、Y軸方向に沿って配列された8つの受光素子を有し、集光レンズ24の入射光学面は、YZ断面形状が角度分離に適切な曲面形状を有している。
そして、各センサ装置は、遠赤外線センサ20を有しているため、人の有無を精度良く検知することができる。
さらに、機器制御システム1000は、センサ装置を備えているため、精度良く機器を制御することができる。
なお、上記実施形態では、集光レンズ24の射出光学面が平面の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図28に示されるように、射出光学面が凹面であっても良い。この場合、集光レンズ24は、上記実施形態よりも広い範囲の入射傾斜角の遠赤外線を通過させることが可能となる。
また、上記実施形態では、集光レンズ24の入射光学面が単一の凸型の円弧形状あるいは非球面形状の場合について説明したが、これに限定されることなく、集光レンズ24の入射光学面が複数の屈折面からなっていても良い。
一例として、集光レンズ24の入射光学面が3つの屈折面(Sl、Sc、Sr)からなる場合が、図29〜図31に示されている。なお、図30は図29のA−A断面図であり、図31は図29のB−B断面図である。
ここでは、屈折面Slのレンズ曲率と屈折面Srのレンズ曲率とは等しく、屈折面Scのレンズ曲率と、屈折面Sl及び屈折面Srのレンズ曲率とは異なっている。また、各屈折面の頂点における法線は、互いに平行である。
この場合の凹面部230が、図32〜図34に示されている。そして、この凹面部230に反射部材25がコーティングされ、反射面が形成される。この場合も、図35〜図37に示されるように、Y軸方向に関して受光素子の数と同数(ここでは、8個)の反射面を有し、X軸方向に関して2つの反射面を有している。
反射面のYZ断面形状は上記実施形態と同様である。一方、反射面のXZ断面形状は直線である。XZ断面に関して、反射面M(i,1)は、X軸方向に対して時計回りに傾斜し、反射面M(i,2)は、X軸方向に対して反時計回りに傾斜している。反射面M(i,1)の傾斜角の絶対値と反射面M(i,2)の傾斜角の絶対値とは等しい。この場合、上記実施形態よりも凹面部230の作製が容易である。
そして、XZ断面に関して、屈折面Scを通過した入射傾斜角の絶対値が小さい遠赤外線は受光素子の第1受光面に入射し、屈折面Slを通過した入射傾斜角の絶対値が大きい遠赤外線は反射面M(i,1)を介して第2受光面に入射し(図38参照)、屈折面Srを通過した入射傾斜角の絶対値が大きい遠赤外線は反射面M(i,2)を介して第2受光面に入射する。
また、屈折面Scを通過した遠赤外線の第1受光面での集光スポットの大きさが、屈折面Sl及び屈折面Srを通過した遠赤外線の第2受光面での集光スポットの大きさと同じとなるように設定されている。すなわち、XZ断面に関して、屈折面Scの曲率に対して、屈折面Sl及び屈折面Srの曲率が緩やかで焦点距離が長くなるように設定されている。
そして、図39に示されるように、屈折面Scを通過し受光素子の第1受光面に直接入射する遠赤外線の角度光量分布曲線と屈折面Srを通過し反射面M(i,2)を介して受光素子の第2受光面に入射する遠赤外線の角度光量分布曲線とが交差する入射傾斜角A1での光量(規格化値)が最大値Mの半分となり、屈折面Scを通過し受光素子の第1受光面に直接入射する遠赤外線の角度光量分布曲線と屈折面Slを通過し反射面M(i,1)を介して受光素子の第2受光面に入射する遠赤外線の角度光量分布曲線とが交差する入射傾斜角A2での光量(規格化値)が最大値Mの半分となるように、凹面部230が設定されている。
すなわち、第1受光面に直接入射する遠赤外線の角度光量分布と反射面を介して第2受光面に入射する遠赤外線の角度光量分布とは、一部が重なり合っている。
この場合は、一例として図40に示されるように、XZ断面に関して、受光素子に入射する遠赤外線の角度光量分布はフラットトップとなる。また、XZ断面での角度光量分布における裾野を、反射面が無い場合よりも急峻な形状にすることができる。
この遠赤外線センサ20のYZ断面が図41に示され、XZ断面が図42に示されている。この遠赤外線センサ20は、上記実施形態と同様な効果を有している。
なお、XZ断面に関して、集光レンズ24の入射光学面がN個(Nは3以上の整数)の屈折面からなる場合、Nが奇数のときは反射面の数はN−1個となり、Nが偶数のときは反射面の数はN個となる。
また、上記実施形態では、受光器21が8つの受光素子を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、「上下方向における検出範囲」が50°の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、「水平方向における検出範囲」が50°の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、「上下方向における検出範囲」と「水平方向における検出範囲」とが等しい場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、センサ装置の遠赤外線センサ20、増幅器50、及び物体情報取得部60が1チップ化されていても良い。
また、上記実施形態では、機器制御システム1000が4つの機器を制御する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、機器制御システム1000が機器の電源を制御する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、物体情報取得部60が人の有無のみを取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、出力レベル量が閾値を超えた受光素子の配置位置から人の方向を取得することができる。この場合、機器制御装置200は、機器と人との相対的な位置関係を知ることができ、該位置関係に応じて機器を制御しても良い。
また、上記実施形態では、制御システムとして機器制御システムの場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態における反射面は、遠赤外線以外の光を利用するセンサにも好適である。
10A…センサ装置(センシング装置)、10B…センサ装置(センシング装置)、10C…センサ装置(センシング装置)、20…遠赤外線センサ(検出器)、21…受光器、22…センサ基板、23…パッケージ部材(反射部材)、24…集光レンズ(光学素子)、25…反射部材、50…増幅器、60…物体情報取得部、101…機器、102…機器、103…機器、104…機器、200…機器制御装置(制御装置)、230…凹面部、1000…機器制御システム(制御システム)、M(i,j)…反射面、P…人(物体)、RL1〜RL8…受光素子。
特開2012−198191号公報 特開2011−137744号公報

Claims (9)

  1. 物体を検出するための検出器であって、
    第1の方向に沿って配列された複数の受光素子を有する受光器と、
    入射側または射出側の少なくとも一方の面が、少なくとも前記第1の方向に直交する第2の方向に関して曲率を有する屈折面を有し、前記物体からの光の一部を前記受光器に導く光学素子と、
    前記光学素子を通過し、前記受光器から外れた光の一部を反射して前記受光器に導く反射面を有する反射部材とを備え、
    前記反射部材は少なくとも2つの反射面を有し、該少なくとも2つの反射面は、傾斜角度が異なり、形状が凹型の反射面であり、
    前記第2の方向に関して、前記反射部材の反射面上の任意の2点における法線は、前記受光器の中心線から外れた位置に交点を有する検出器。
  2. 前記反射部材は、前記第2の方向に関して、前記受光器の中心線に対し対称な反射面を有することを特徴とする請求項1に記載の検出器。
  3. 前記光学素子の屈折面は、前記第2の方向に沿って設けられた、少なくとも3つの屈折面からなり、
    前記反射部材は少なくとも2つの反射面を有し、該少なくとも2つの反射面の法線は、非平行であり、かつ、前記受光器に向かって間隔が狭くなることを特徴とする請求項1又は2に記載の検出器。
  4. 前記少なくとも3つの屈折面はN個の屈折面であり、前記Nが奇数の場合、前記反射部材はN−1個の反射面を有し、前記Nが偶数の場合、前記反射部材はN個の反射面を有することを特徴とする請求項に記載の検出器。
  5. 前記受光器の各受光素子は、一側の面及び他側の面にそれぞれ受光面を有し、
    前記光学素子を通過した光の一部を前記一側の面で直接受光し、前記光学素子を通過し前記反射部材で反射された光を前記他側の面で受光することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の検出器。
  6. 前記一側の面に形成される光スポットの大きさと、前記他側の面に形成される光スポットの大きさとは等しいことを特徴とする請求項に記載の検出器。
  7. 前記第2の方向に関して、前記一側の面で受光される光の角度光量分布と前記他側の面で受光される光の角度光量分布とは、一部が重なり合うことを特徴とする請求項又はに記載の検出器。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の検出器と、
    前記検出器における受光器の出力に基づいて、物体情報を取得する処理部とを備えるセンシング装置。
  9. 外部からの信号によって制御される機器と、
    請求項に記載のセンシング装置と、
    前記センシング装置からの物体情報に基づいて前記機器を制御する制御装置とを備える制御システム。
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