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JP6579519B2 - 冠動脈流模擬装置及び冠動脈流模擬方法、並びにこれらに用いるローラポンプ - Google Patents

冠動脈流模擬装置及び冠動脈流模擬方法、並びにこれらに用いるローラポンプ Download PDF

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Description

本発明は、冠動脈に用いられるステント等の医療機器や医療用材料の試験を人体と同一の冠動脈の血流環境下で行う際に用いられる冠動脈流模擬装置及び冠動脈流模擬方法、並びにこれらに用いるローラポンプに関する。
人体の心臓から拍出された血液は、大動脈を通り、当該大動脈から全身に分岐する各種動脈に行き渡り、対応する各種静脈から大静脈に合流して心臓に戻る体循環が行われている。ここで、大動脈から分岐する動脈としては、心筋に張り巡らされた冠動脈があり、この冠動脈は、大動脈の基部から大静脈の基部に戻るように血液を循環させ、心臓にエネルギーや酸素を供給している。このような冠動脈による血液の循環は、冠循環と呼ばれている。
ところで、動脈硬化等によって冠動脈が狭窄、閉塞すると、心筋梗塞と呼ばれる心筋壊死が発生する。このような冠動脈の狭窄、閉塞に対する治療法としては、薬物療法の他、カテーテル療法、及び冠動脈バイパス手術療法が知られている。カテーテル療法は、狭窄した冠動脈内でバルーンを膨らませることで狭くなった血流路を拡張し、その拡張部位にステントと呼ばれる血管拡張具を留置することで、血流路の拡張状態を維持するものである。
ステントとしては、これまでの金属製ステントの他に、近時、血管留置後数か月から数年間で生体内に吸収されて消失する生体吸収性ステントが出現し、現在、臨床試験が行われている。国際標準化機構(ISO)の規格では、当該生体吸収性ステントを含む心臓血管内吸収性インプラントに対しては、力学的評価、繰り返し疲労耐久性、分解の物理的特性、及び材料の組成評価の4項目を生体外で非臨床的に評価すべきとの指針がある。ところが、各評価項目の具体的試験法は未だ確立されておらず、当該具体的試験法の確立が広く要請されている。そこで、本発明者らは、生体吸収性ステントに特有となる評価の一つとして、冠循環環境下において、人工材料によって模擬的に作製された狭窄血管モデル内に留置した生体吸収性ステントの経時的な分解状態と強度低下の関係に着目し、当該関係の評価試験を人工的環境で行うための装置を開発した。
ところで、特許文献1には、冠動脈ステントを動的環境下で性能評価するための性能評価シミュレータが開示されている。
特許第4166905号公報
実際の人体の冠動脈流は、1周期中、前記収縮期に流量がゼロになる時があり、しかも、血流量のピークが2箇所存在する山2つの流量波形となる。この現象は、大動脈弁の近傍で冠動脈が大動脈から分岐する体内構造に起因して生じると考えられる。すなわち、大動脈弁が開放する心臓の収縮期には、当該大動脈弁により、冠動脈の入口部分が塞がれて冠動脈に血液が流入し難くなり、冠動脈の血流量が減少する。その一方、大動脈弁が閉塞する心臓の拡張期には、冠動脈の入口部分が大動脈弁で塞がれなくなって冠動脈に血液が流入し易くなり、冠動脈の血流量が増加する。
前記特許文献1の性能評価シミュレータにあっては、その構造上、心臓の収縮期に相当する状態のときでも、冠動脈の血流量がゼロとなる時が存在しない。また、前述したように、本発明者らが行う生体吸収性ステントの試験では、経時的な分解状態と強度低下の関係についての評価を目的としているため、試験装置を長期間稼働させる必要がある。しかしながら、前記性能評価シミュレータは、所定の周期で空気を流出入することで拍動流を生じさせる拍動流ポンプを利用しており、且つ、装置構成が大掛かりである等の理由から、当該性能評価シミュレータを生体吸収性ステントの性能評価試験に用いた場合、拍動流ポンプの正確な駆動状態や流路内の流れ状態の制御を長期間維持し難くなる。このため、試験中、装置の稼働状態の監視や調整を度々行う作業が必要となり、当該作業は、長期間の試験を行う上で煩雑になる。
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、拍動流ポンプを用いない比較的簡単な構成で冠動脈の血流状態を模擬することができ、冠動脈流下における医療機器や医療用材料等の長期間の評価試験を簡単に行える冠動脈流模擬装置及び冠動脈流模擬方法、並びにこれらに用いるローラポンプを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、主として、所定の試験用流体を循環させる流体回路により構成され、当該流体回路の途中に所定の試験対象物を設置し、前記試験用流体に人体の冠動脈の血流状態を模擬した流れを与えて前記試験対象物の試験を行うための冠動脈流模擬装置であって、前記試験用流体が一方向に流れるように構成された流路と、当該流路の途中に設けられるとともに、前記流路内で前記試験用流体の流れを生成するローラポンプとを備え、前記ローラポンプは、前記流路に沿って回転しながら当該流路を押圧して押し潰すことにより前記流れを生成する押圧ローラを備え、前記押圧ローラは、前記流路に対して押圧しているときの当該流路に対する押し潰し量を周期的に変化可能に構成され、当該押し潰し量の周期的な変化により、前記冠動脈流を模擬した前記試験用流体の流れ状態を前記流路内に生成する、という構成を採っている。
本発明によれば、単純な構造のローラポンプを用い、構成要素の少ない簡易な一巡回路によって冠動脈の血流状態を正確に模擬することができ、長期間の試験を行う場合であっても、装置の稼働状態の監視や調整を行う作業を軽減でき、生体吸収性ステントの性能評価試験等、経時的な性状変化を考慮した医療機器や医療用材料等の冠循環環境下の評価試験を簡単かつ確実に行うことができる。
本実施形態に係る冠動脈流模擬装置の構成を表す概念図。 押圧ローラの概略平面図。 (A)は、第1のローラが流路を押し潰している状態を表す概念図であり、(B)は、第2のローラが流路を押し潰している状態を表す概念図である。 (A)は、第1の変形例に係る押圧ローラの概略平面図であり、(B)は、第2の変形例に係る押圧ローラの概略平面図である。 第3の変形例に係る押圧ローラの概略平面図。 (A)は、第4の変形例に係る押圧ローラの概略平面図であり、(B)は、同押圧ローラの概略分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係る冠動脈流模擬装置の構成を表す概念図が示されている。この図において、前記冠動脈流模擬装置10は、人体の冠動脈の血流状態を模擬した流体回路により構成され、当該流体回路の一部に試験対象物を配置して所定の試験用流体を循環させることで、前記試験対象物の経時的な性能評価試験を行うための装置である。ここで、試験対象物としては、例えば、生体吸収性ステント等の各種ステントが挙げられる。また、試験用流体としては、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等が挙げられる。
前記冠動脈流模擬装置10は、空気非接触の状態で試験用流体が一方向に循環する環状の流路11と、流路11の途中に設けられた試験対象物の留置部12と、流路11内で試験用流体の流れを生成するローラポンプ13と、流路11内の試験用流体の圧力を調整する圧力調整手段15と、留置部12の入口側における試験用流体の入口圧を計測する圧力計17と、留置部12の入口側における試験用流体の流量を計測する流量計18とを備えている。
前記流路11は、特に限定されるものではないが、樹脂製等の弾性チューブからなり、ローラポンプ13の駆動とその近傍に設けられた逆流防止弁20とにより、試験用流体を図1中時計周りとなる一方向に循環させるように構成されている。
前記留置部12は、流路11に対して着脱自在に設けられており、例えば、樹脂等の人工材料によって模擬的に作製されて内部空間が流路11に繋がる狭窄血管モデルが挙げられる。当該狭窄血管モデル内には、試験対象物として拡張した状態の生体吸収性ステント(図示省略)が留置され、流路11を循環する試験用流体を生体吸収性ステントに流すことで、当該生体吸収性ステントの経時的な性能評価試験が行われる。
前記ローラポンプ13は、流路11に沿って回転しながら一定間隔で流路11を押圧可能な押圧ローラ22を備え、押圧ローラ22で周期的に流路11を押し潰しながら扱くことにより、試験用流体をローラポンプ13の上流側から下流側に送る構造になっている。本発明においては、押圧ローラ22の構造を除き、公知のローラポンプの構成が採用されており、押圧ローラ22を除くローラポンプの装置構成については、本発明の本質的要素ではないため、説明を省略する。
前記押圧ローラ22は、流路11に対して押圧しているときの流路11に対する押し潰し量を周期的に変化可能に構成されている。すなわち、押圧ローラ22は、図2及び図3に概念的に示されるように、相互に異なる態様で流路11を周面で押し潰すための第1及び第2のローラ24,25からなる。これら第1及び第2のローラ24,25は、平面視ほぼL字状の支持体27の端部にそれぞれ支持されることによって、一定の間隔で配置されている。また、この押圧ローラ22は、支持体27の屈曲部位付近を回転中心Cとして、図示しないモータからの動力で全体的に回転するようになっている。以上の押圧ローラ22の構成により、第1及び第2のローラ24,25で流路11の一部が一定周期で押圧されることになる。具体的には、押圧ローラ22が1回転する間において、第1のローラ24のみで流路11を押し潰す第1の時間帯と、第2のローラ25のみで流路11を押し潰す第2の時間帯と、第1及び第2のローラ24,25の何れも流路11を押し潰していない第3の時間帯とが生じるように設計されている。なお、第1及び第2のローラ24,25の双方で流路11を押し潰す第4の時間帯が生じるように、押圧ローラ22の形状を設計することも可能である。また、押圧ローラ22は、支持体27の屈曲部位の内角側において、第1のローラ24よりも第2のローラ25が先行する回転方向(図中矢印方向)に回転する。
前記第1のローラ24は、支持体27の形状により、第2のローラ25に比べて回転中心Cからの距離が長くなっており、図3に示されるように、第2のローラ25に比べて流路11の押し潰し量が多くなるように設計されている。このため、第1のローラ24のみで流路11を押し潰したときと、第2のローラ25のみで流路11を押し潰したときとでは、ローラポンプ13の出口側のピーク流量の大きさが異なり、押圧ローラ22が1回転する間において、実際の冠動脈流のように、流路11を流れる試験用流体に大小2つの流量ピークを発生させることが可能になる。すなわち、押し潰し量が多い方の第1のローラ24は、心臓の拡張期に見られる冠動脈流の大きい方の流量ピークを模擬するために構成されたものであり、当該第1のローラ24の周面は、心臓の拡張期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための拡張期用押圧領域29を構成する。一方、押し潰し量が少ない方の第2のローラ25は、心臓の収縮期に見られる冠動脈流の小さい方の流量ピークを模擬するために構成されたものであり、当該第2のローラ25の周面は、心臓の収縮期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための収縮期用押圧領域30を構成する。また、第1及び第2のローラ24,25は、一周期中、瞬間的に試験対象物に流れる試験用流体の流量がゼロになるように調整されている。つまり、回転中心Cから各ローラ24,25までの距離や、各ローラ24,25間の離間距離等を含めた押圧ローラ22の全体の形状及びサイズは、実際の冠動脈流における流量の周期的な変化状態に相当させるように設定される。例えば、支持体27の屈曲部位の内角となる拡張期用押圧領域29と収縮期用押圧領域30との間の離間角度を調整することで、前述の大小2つの流量ピークの間の時間調整が可能になる。
前記圧力調整手段15は、図1に示されるように、留置部12とローラポンプ13の上流側との間に配置されたコンプライアンスチューブ32(コンプライアンス部)と、留置部12とローラポンプ13の下流側との間に配置された容量増加用チューブ35と、留置部12の下流側でコンプライアンスチューブ32との間に配置された抵抗付与部36とを備えている。
前記コンプライアンスチューブ32は、その内部を通過する試験用流体の圧力変化に応じて内径が拡縮可能に弾性変形する弾性チューブにより形成されており、流路11を構成するチューブよりも大きな内径となっている。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態のコンプライアンスチューブ32は、シリコーン製のものが用いられている。このコンプライアンスチューブ32では、次の圧力調整作用を奏するようになっている。すなわち、ローラポンプ13において押圧ローラ22での流路11の押圧が解除されたタイミングで、ローラポンプ13側に真空吸引力(陰圧)が発生するが、その際に、コンプライアンスチューブ32の弾性によってその内径が収縮することで、前記真空吸引力の発生による試験用流体の圧力低下が抑制され、人体の冠動脈流における血圧幅を模擬した試験用流体の圧力変動幅を再現可能になる。
前記容量増加用チューブ35は、流路11を構成するチューブよりも内径が大きくなっており、流路11を流れる試験用流体を一時的に溜め込むリザーバとして機能する。
前記抵抗付与部36は、流路11に絞り抵抗を付与するクランプ等によって構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、同様の作用を奏する限りにおいて、弁等の種々の機器を代替的に採用することができる。
以上の圧力調整手段15においては、圧力計17で計測される留置部12の入口圧について、人体の冠動脈流に近似する圧力波形と最高圧力及び最低圧力の大きさが得られるように、ローラポンプ13の駆動条件に対応して、コンプライアンスチューブ32及び容量増加用チューブ35の長さ及び内径が設定されるともに、抵抗付与部36により流路11に所定の流れ抵抗が付加される。
なお、前記押圧ローラ22としては、前記実施形態の構成に限定されず、種々のタイプのものを採用することができる。そこで、押圧ローラ22の変形例について以下に説明するが、当該説明において、前記実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
第1の変形例に係る押圧ローラ22としては、図4(A)に示されるように、前記実施形態の押圧ローラ22に対して、前記第1及び第2のローラ24,25の周囲に押圧部38を更に設け、流路11に対する押圧領域を増やしたタイプのものを採用することができる。前記押圧部38は、第2のローラ25の反対側となる第1のローラ24の外側に配置されて平面視扇型をなす第1の押圧部38Aと、第1及び第2のローラ24,25の間に配置されて平面視扇型をなす第2の押圧部38Bとからなる。
前記第1の押圧部38Aは、回転中心Cから第1のローラ24の先端までの距離とほぼ同一となる半径を有する扇型形状となっている。一方、前記第2の押圧部38Bは、回転中心Cから第2のローラ25の先端までの距離よりやや短い長さの半径を有する扇型形状となっている。従って、第1の押圧部38Aにおける円弧状の外周面は、第1のローラ24の周面とともに、流路11に接触したときに押し潰し量が多い方となり、心臓の拡張期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための拡張期用押圧領域29を構成する。また、第2の押圧部38Bにおける円弧状の外周面は、第2のローラ25の周面とともに、流路11に接触したときに押し潰し量が少ない方となり、心臓の収縮期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための収縮期用押圧領域30を構成する。
以上の第1の変形例に係る押圧ローラ22では、前記実施形態の押圧ローラ22に対して、拡張期用押圧領域29及び収縮期用押圧領域30が共に拡張されることになり、本発明者らの実験結果によれば、試験対象物に流れる試験用流体の経時的な圧力波形をよりなだらかな波形にすることが可能になる。
第2の変形例に係る押圧ローラ22としては、図4(B)に示されるように、同図(A)の第1の変形例に係る押圧ローラ22に対して、第1及び第2のローラ24,25、第1及び第2の押圧部38A,38B、及び支持体27の領域を一体的にして全体形状を調整したプレート状に設けられ、その外周面の所定領域に、一連の前記拡張期用押圧領域29及び前記収縮期用押圧領域30が形成される。
第3の変形例に係る押圧ローラ22は、図5に示されるように、前記第2の変形例に係る押圧ローラ22に対して、外周面形状を変えたものである。すなわち、本変形例の押圧ローラ22は、外側に突出する6箇所の第1〜第6の突出部41〜46を備えており、当該各突出部41〜46が、前記流路11(図1等参照)に対する前記押圧領域となる。これら突出部41〜46は、平面視それぞれ半円弧状の外周面形状をなし、同図中左端2箇所の第1及び第2の突出部41,42(第1の部分)は、それらの円弧の中心Pと押圧ローラ22の回転中心Cとの間の距離が相互に同一となるL1に設定されている。また、第2の突出部42の同図中右隣3箇所に位置する第3、第4及び第5の突出部43,44,45(第2の部分)は、それらの円弧の中心Pと前記回転中心Cとの間の距離が相互に同一となるL2に設定されている。更に、第5の突出部45の同図中右隣に位置する第6の突出部46(第3の部分)は、その円弧の中心Pと前記回転中心Cとの距離がL3に設定されている。これら距離L1,L2,L3は、L1が最大、L2が最小となるサイズ、すなわち、L1>L3>L2となるサイズに設定されている。また、本変形例においては、第1及び第2の突出部41,42が、前記拡張期用押圧領域29を構成し、第3〜第6の突出部43〜46が、前記収縮期用押圧領域30を構成する。なお、図5中の1点鎖線は、距離L1,L2,L3を説明するための仮想的な線分である。
第4の変形例に係る押圧ローラ22は、図6に示されるように、前記第3の変形例に係る第1〜第6の突出部41〜46に代えて、第1〜第6の回転軸51〜56を取り付けた構造となっている。すなわち、本変形例に係る押圧ローラ22は、同図(B)に示されるように、図示しないモータからの動力によって回転され、前記回転中心Cとなる軸部材58と、当該軸部材58の延出方向両端側に固定された一対の円盤部材59,59と、当該円盤部材59,59間に架け渡されるように、ベアリング60を介して自転可能に円盤部材59,59に取り付けられた円柱状の第1〜第6の回転軸51〜56とにより構成されている。これら回転軸51〜56の外周面は、円盤部材59に相対的に回転可能に設けられ、流路11を扱く際の当該流路11に対する摩擦抵抗を減らしながら流路11を押圧する押圧領域となる。ここで、同図(A)中左端2箇所の第1及び第2の回転軸51,52(第1の部分)は、それらの回転中心Pと押圧ローラ22全体の回転中心Cとの間の距離が相互に同一となるL1に設定されている。また、第2の回転軸52の同図中右隣3箇所に位置する第3、第4及び第5の回転軸53,54,55(第2の部分)は、それらの回転中心Pと前記回転中心Cとの間の距離が相互に同一となるL2に設定されている。更に、第5の回転軸55の同図中右隣に位置する第6の回転軸56(第3の部分)は、その回転中心Pと前記回転中心Cとの距離がL3に設定されている。これら距離L1,L2,L3は、前記第3の変形例に係る各突出部41〜46の関係と同様に、L1が最大、L2が最小となるサイズ、すなわち、L1>L3>L2となるサイズに設定されている。本変形例においては、第1及び第2の回転軸51,52が、前記拡張期用押圧領域29を構成し、第3〜第6の回転軸53〜56が、前記収縮期用押圧領域30を構成する。なお、図6(A)中の1点鎖線は、距離L1,L2,L3を説明するための仮想的な線分である。
前記各変形例に係る押圧ローラ22にあっても、実際の冠動脈流における流量や圧力の周期的な変化状態に相当させるように各種サイズや形状が設定され、この限りにおいて、本発明に係る押圧ローラ22としては、前述の他の種々の構造や形状を採用することができる。例えば、第3及び第4の変形例において、距離L2の大きさを調整することで、前述した大小2つの流量ピークの間の流量低下量を可変にすることができる。また、距離L1に相当する直線部分と距離L3に相当する直線部分との間でなす角度、すなわち、拡張期用押圧領域29と収縮期用押圧領域30との間の最大離間角度を調整することで、前述の大小2つの流量ピークの間の時間調整が可能になる。
なお、前記冠動脈流模擬装置10では、ローラポンプ13に対して、形状やサイズの異なる押圧ローラ22を選択的に装着可能な態様とすることで、所望の冠循環環境の調整や選択を行うこともできる。
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
10 冠動脈流模擬装置
11 流路
12 留置部
13 ローラポンプ
15 圧力調整手段
22 押圧ローラ
29 拡張期用押圧領域
30 収縮期用押圧領域
32 コンプライアンスチューブ(コンプライアンス部)
41 第1の突出部(第1の部分)
42 第2の突出部(第1の部分)
43 第3の突出部(第2の部分)
44 第4の突出部(第2の部分)
45 第5の突出部(第2の部分)
46 第6の突出部(第3の部分)
51 第1の回転軸(第1の部分)
52 第2の回転軸(第1の部分)
53 第3の回転軸(第2の部分)
54 第4の回転軸(第2の部分)
55 第5の回転軸(第2の部分)
56 第6の回転軸(第3の部分)

Claims (9)

  1. 所定の試験用流体を循環させる流体回路により構成され、当該流体回路の途中に所定の試験対象物を設置し、前記試験用流体に人体の冠動脈の血流状態を模擬した流れを与えて前記試験対象物の試験を行うための冠動脈流模擬装置であって、
    前記試験用流体が一方向に流れるように構成された流路と、当該流路の途中に設けられるとともに、前記流路内で前記試験用流体の流れを生成するローラポンプとを備え、
    前記ローラポンプは、前記流路に沿って回転しながら当該流路を押圧して押し潰すことにより前記流れを生成する押圧ローラを備え、
    前記押圧ローラは、前記流路に対して押圧しているときの当該流路に対する押し潰し量を周期的に変化可能に構成され、当該押し潰し量の周期的な変化により、前記冠動脈の血流状態を模擬した前記試験用流体の流れ状態を前記流路内に生成することを特徴とする冠動脈流模擬装置。
  2. 前記押圧ローラは、心臓の拡張期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための拡張期用押圧領域と、心臓の収縮期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための収縮期用押圧領域とを備え、
    前記拡張期用押圧領域は、前記収縮期用押圧領域よりも前記流路に対する押し潰し量が多くなるように構成されることを特徴とする請求項1記載の冠動脈流模擬装置。
  3. 前記拡張期用押圧領域と前記収縮期用押圧領域との間の離間角度を調整することで、前記各流量ピーク間の時間調整を可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載の冠動脈流模擬装置。
  4. 前記収縮期用押圧領域は、前記拡張期用押圧領域を構成する第1の部分よりも前記押圧ローラの回転中心からの距離が短い第2及び第3の部分により構成され、
    前記第2の部分は、前記第1及び第3の部分の間に配置されるとともに、前記第3の部分よりも前記距離が短く設定され、当該距離を調整することで、前記各流量ピーク間の流量低下量を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の冠動脈流模擬装置。
  5. 前記流路の途中には、前記試験用流体の圧力を調整する圧力調整手段が設けられ、
    前記圧力調整手段では、前記試験対象物に流れる前記試験用流体の圧力を人体の冠動脈流の状態に近似させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の冠動脈流模擬装置。
  6. 前記圧力調整手段は、前記ローラポンプの上流側と前記試験対象物との間に設けられたコンプライアンス部を含み、
    前記コンプライアンス部は、前記試験対象物に流れる前記試験用流体の最低圧力を前記冠動脈流の状態に模擬するように機能することを特徴とする請求項5記載の冠動脈流模擬装置。
  7. 前記コンプライアンス部は、前記流路よりも大径の弾性チューブにより構成され、前記ローラポンプへの吸引力が発生したときに縮径することで、前記試験対象物に流れる前記試験用流体の一時的な圧力低下を抑制することを特徴とする請求項6記載の冠動脈流模擬装置。
  8. 所定の試験用流体を一方向に循環させる流路の途中に所定の試験対象物を設置し、前記試験用流体に人体の冠動脈の血流状態を模擬した流れを与えて前記試験対象物の試験を行うための方法であって、
    前記流路に沿って回転しながら当該流路を押圧して押し潰すことにより、前記流路内で前記試験用流体の流れを生成するローラポンプを用い、前記流路に対して押圧しているときの当該流路に対する押し潰し量を周期的に変化させ、当該押し潰し量の周期的な変化により、前記冠動脈の血流状態を模擬した前記試験用流体の流れ状態を前記流路内に生成することを特徴とする冠動脈流模擬方法。
  9. 所定の試験用流体を一方向に循環させる流路の途中に所定の試験対象物を設置し、前記試験用流体に人体の冠動脈の血流状態を模擬した流れを与えて前記試験対象物の試験を行うための冠動脈流模擬装置に用いられ、前記流路の途中に設けられて前記試験用流体の流れを前記流路内に生成するローラポンプにおいて、
    前記ローラポンプは、前記流路に沿って回転しながら当該流路を押圧して押し潰すことにより前記流れを生成する押圧ローラを備え、
    前記押圧ローラは、心臓の拡張期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための拡張期用押圧領域と、当該拡張期用押圧領域よりも前記流路に対する押し潰し量が少なくなるように設定され、心臓の収縮期における冠動脈流の流量ピーク状態を模擬するための収縮期用押圧領域とを備え、前記拡張期用押圧領域のみで前記流路を押し潰す第1の時間帯と、前記収縮期用押圧領域のみで前記流路を押し潰す第2の時間帯と、前記拡張期用押圧領域及び前記収縮期用押圧領域の何れも前記流路を押し潰していない第3の時間帯とが周期的に発生するように設けられ、前記流路に対する押し潰し量を周期的に変化させることにより、前記冠動脈の血流状態を模擬した前記試験用流体の流れ状態を前記流路内に生成することを特徴とするローラポンプ。
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