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JP6570051B2 - 表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法 - Google Patents

表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法 Download PDF

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JP6570051B2 JP2014208652A JP2014208652A JP6570051B2 JP 6570051 B2 JP6570051 B2 JP 6570051B2 JP 2014208652 A JP2014208652 A JP 2014208652A JP 2014208652 A JP2014208652 A JP 2014208652A JP 6570051 B2 JP6570051 B2 JP 6570051B2
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Description

本発明は、表面改質カーボンブラック水分散体および表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法に関する。
機能性色材や定着用樹脂などを含む機能性液体であるインクジェットインク組成物を用いたインクジェットプリンターは、非接触型画像形成装置として、家庭用、業務用、産業用等の分野において広く使用されるようになっている。上記インクジェットインク組成物としては、特に家庭用やビジネス用途において、臭気を抑制し安全性を向上させることを目的として、分散媒として有機溶媒に代えて水溶媒を用いた水性インクジェットインク組成物が必要不可欠になっている。
インク組成物が知られているが、カーボンブラックは疎水性で水に対する濡れ性が低いために水中に高濃度で安定して分散させることは極めて困難である。これは水分子等の水性媒体との親和性が高い親水性官能基、例えばカルボキシル基やヒドロキシル基等の酸性水酸基のカーボンブラック表面における存在量が極めて少ないことに起因する。
そこで、カーボンブラックを酸化処理して表面に親水性官能基を付与することによりカーボンブラックの水中への分散性能を改良することが古くから試みられており、例えば、カーボンブラックを次亜ハロゲン酸塩の水溶液で酸化処理したり(特許文献1(特開昭48−18186号公報))、カーボンブラックを低温酸素プラズマによって酸化処理する(特許文献2(特開昭57−159856号公報))方法により、表面に酸性官能基を付与した酸化カーボンブラックが提案されている。
特開昭48−18186号公報 特開昭57−159856号公報
ところで、水性インクジェットインク組成物を用いて印刷する場合、特に写真印刷等吐出インク量が多い印刷においては、インク組成物中の水分に起因して印刷基材である記録紙が印刷面と反対側に反るカール現象が生じやすく、このカール現象は高速印刷や両面印刷時など頻繁に記録紙を送る印刷装置において、安定した記録紙搬送を阻害する要因になったり、裏写りの原因になる。
上記カール現象を抑制する水性インクジェットインク組成物として、多価アルコールやアミド化合物等の親水性溶剤を添加して、水分含有量を低下させたものが考えられる。
しかしながら、親水性カーボンブラックとして、従来から提案されてきた、表面に形成した酸性官能基と、酸性官能基と対になるアルカリ金属で中和処理された自己分散性カーボンブラックを使用する場合、親水性溶剤の含有割合の高いインク組成物においては、粘度や吐出性等の安定性が低下し易くなる。
このため、親水性カーボンブラックとして、表面に形成した酸性官能基と、酸性官能基と対になる第4級アンモニウム塩で中和された自己分散性カーボンブラックを使用することも考えられるが、この自己分散性カーボンブラックは、記録紙への顔料浸透度合いが高いために黒色度が低下して充分な画像濃度が得られ難い。
また、上記カール現象を抑制する水性インクジェットインク組成物として、有機アミンを含む各種アルカリ化合物を複数種類組み合わせたものを添加することにより、カーボンブラック粒子の分散性を向上させ、水分含有量を低下させたものも考えられるが、カーボンブラック粒子表面の酸性官能基を中和させる塩基の量が、用いる塩基の強度によって異なるため、適切な中和状態に導くことが困難である。
このような状況下、本発明は、インクジェットインク組成物等の水性インク組成物に使用されたときに、水分含有量を低減させて印刷時のカール現象の発生を抑制しつつ、優れた画像濃度および分散安定性を示す表面改質カーボンブラック水分散体と、当該表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記技術課題を解決すべく、鋭意検討を重ねたところ、カーボンブラック粒子表面の酸性官能基の少なくとも一部がアンモニアおよび有機アミンで中和された表面改質カーボンブラックを含むことを特徴とする表面改質カーボンブラック水分散体により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部を、水中において90〜100℃の処理温度でアンモニアで中和して対イオン化した後、精製処理し、次いで、当該対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換することにより、
酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部がアンモニアおよび有機アミンで中和された表面改質カーボンブラックを含む表面改質カーボンブラック水分散体を製造すること
を特徴とする表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法、
(2)前記対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換する処理の処理温度が、90〜100℃である上記(1)に記載の表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法、
(3)前記対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換する処理の処理時間が、2〜5時間である上記(1)または(2)に記載の表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法、および
(4)前記対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換した後、さらに精製処理する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、水性インクジェットインク組成物等の水性インク組成物に使用されたときに、水分含有量を低減させて印刷時のカール現象を抑制しつつ、優れた画像濃度および分散安定性を示す表面改質カーボンブラック水分散体と、当該表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法を提供することができる。
先ず、本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体について説明する。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体は、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部がアンモニアおよび有機アミンで中和された表面改質カーボンブラックを含むことを特徴とするものである。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子を構成するカーボンブラック粒子としては、特に制限はなく、オイルファーネス法で作製されるファーネスブラック粒子、チャンネル法で製造されるチャンネルブラック粒子、チャンネル法の代替手法により製造されるガスブラック、アセチレン法で製造されるアセチレンブラック粒子、サーマル法で製造されるサーマルブラック粒子等いずれも適用することができ、中でも、粒子径を精密に制御することができるファーネスブラック粒子や、カルボキシル基や水酸基などの酸性官能基を表面に有しているチャンネルブラック粒子やガスブラック粒子が、好適である。
ファーネスブラック粒子としては一般に入手可能なグレードであれば特に制限されず、カーボンブラック粒子の窒素吸着比表面積やDBP吸収量で示されるストラクチャーの指標などから、目的に応じて適宜選択すればよい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、上記カーボンブラック粒子のDBP吸収量は、50cm/100g以上であることが好ましく、100〜180cm/100gであることがより好ましく、120〜150cm/100gであることがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、カーボンブラック粒子のDBP吸収量が50cm/100g以上であることにより、優れた黒色度(印字濃度)を発揮することができる。
なお、本出願書類において、DBP吸収量は、JIS K6217−4に規定される「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第4部、オイル吸収量の求め方」に従って測定した値を意味する。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、上記カーボンブラック粒子の窒素吸着比表面積(NSA)は、25〜300m/gであることが好ましく、100〜300m/gであることがより好ましく、100〜180m/gであることがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、カーボンブラック粒子の窒素吸着比表面積(NSA)が上記範囲内にあることにより、分散液の粘度を低く保つことができると共に、沈降成分の生成を抑制することができる。
なお、本出願書類において、NSAは、JIS K 6217−2に規定される「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第2部、比表面積の求め方−窒素吸着法、単点法」に従って測定した値を意味する。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、上記カーボンブラック粒子の体積平均粒径は30nm〜250nmであることが好ましく、50nm〜150nmであることがより好ましく、60nm〜100nmであることがさらに好ましい。
上記カーボンブラック粒子の体積平均粒径が上記範囲内にあることにより、得られる表面改質カーボンブラック粒子水分散体をインクジェットプリンター用インキ等の水性黒色インキに用いたときに、優れた吐出性および黒色度(印字濃度)を発揮し易くなる。
なお、本出願書類において、カーボンブラック粒子の体積平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された、体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(平均粒径D50)を意味する。
上記カーボンブラック粒子として、具体的には、トーカブラック#4500、トーカブラック#8500、トーカブラック#8500F、トーカブラック#7550SB、トーカブラック#7550F(以上東海カーボン(株)製)、#650、#750、MA600、#44B、#44、#45B、MA7、MA11、#47、#45、#33、#45L、#47、#50、#52、MA77、MA8(以上三菱化学(株)製)、FW200、FW2V、FWI、FW18PS、NIpex180IQ、FW1、Special Black6、S160、S170(以上オリオン・エンジニアドカーボンズ社製)、Black Pearls 1000M、Black Pearls 800、Black Pearls 880、Monarch 1300、Monarch 700、Monarch 880、CRX 1444、Regal 330R、Regal 660R、Regal 660、Regal 415R、Regal 415、Black Pearls 4630、Monarch 4630(以上Cabot社製)、Raven 7000、Raven 3500、Raven 5250、Raven 5750、Raven 5000ULTRAII、HV 3396、Raven 1255、Raven 1250、Raven 1190、Raven 1000、Raven 1020、Raven 1035、Raven 1100ULTRA、Raven 1170、Raven 1200(以上BirlaColumbian社製)、DB1305(以上KOSCO社製)、SUNBLACK700、705、710、715、720、725、300、305、320、325、X25、X45(以上旭カーボン(株)製)、N220、N110、N234、N121(以上Sid Richardson社製)、ニテロン#300(以上新日化カーボン(株)製)、ショウブラックN134、N110、N220、N234、N219(以上キャボットジャパン社製)等があげられる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体においては、上記カーボンブラック粒子を、単独でまたは複数種を混合して使用することができる。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子は、上記カーボンブラック粒子の表面に酸性官能基を付与してなるものである。
カーボンブラック粒子は、その製造履歴に応じて表面に種々の官能基を有しており、例えばチャンネルブラック粒子の表面にはファーネスブラック粒子の表面に比べて多量の官能基が存在している。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、カーボンブラック粒子の製造過程でその表面に酸性水酸基が所望量付与されている場合には、該カーボンブラック粒子を酸化カーボンブラック粒子とみなすものとし、カーボンブラック粒子表面に所望量の酸性水酸基が存在しない場合は、別途酸化処理してカーボンブラック粒子表面に所望量の酸性水酸基を付与したものを酸化カーボンブラック粒子とするものとする。
カーボンブラック粒子を酸化処理して酸化カーボンブラック粒子を得る方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、カーボンブラック粒子を酸化剤水性溶液中に撹拌混合して液相酸化する液相酸化法や、カーボンブラック粒子を酸化性ガスと接触させて気相酸化する気相酸化法を挙げることができる。
液相酸化法に用いる酸化剤としては、特に制限されないが、例えば、次亜塩素酸、過硫酸や過炭酸、過リン酸などの過酸や、これ等の酸の塩類などを挙げることができ、塩類としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩あるいはアンモニア塩などが挙げられる。
上記酸化剤のうち、精製時に重金属が残留し難いことから、過酸が好適であり、過酸としては、工業的に入手し易い、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸の塩が好適である。
また、上記酸化剤を分散する溶媒としては、水性媒体が好ましく、水性媒体としては水や水溶性の有機溶媒を挙げることができるが、経済性や安全性の面から水、特にイオン交換樹脂を用いてイオン交換させたイオン交換水や、逆浸透膜を用いて濾過した逆浸透水や、求められる純度に応じて更に高度に異物除去を行なった超純水等も好適に使用することができる。
液相酸化の程度は、酸化剤水性溶液中の酸化剤濃度、酸化剤水性溶液に混合するカーボンブラック粒子の添加量の比、酸化処理温度、処理時間、攪拌速度等を調整することにより制御することができる。
上記液相酸化は、例えば、水中に酸化剤を完全に溶解させた後にカーボンブラック粒子を加え、撹拌してスラリーとした後、適宜温度を掛けて所定時間維持して、カーボンブラック粒子の表面に酸性官能基を生成することにより行うことができる。
例えば、濃度調整した酸化剤水性溶液中にカーボンブラック粒子を適宜な量比で添加、混合して、室温〜90℃程度、好ましくは60〜90℃の温度条件下で1〜20時間、好ましくは3〜10時間攪拌してスラリー化することにより行うことができる。
酸化剤として過硫酸ナトリウムを用いる場合は、40〜90℃で3〜10時間攪拌して酸化処理することが好ましい。酸化処理温度が40℃未満では酸化剤による活性化が不十分で表面修飾が進行し難く、90℃を超えると一気に反応が進行してしまい温度制御し難くなる。
また、気相酸化法に用いる酸化性ガスとしては、オゾンガスや、酸素ガス、NOxガス、SOxガス等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
酸化剤により酸化処理して得られた酸化カーボンブラック粒子は、適宜、脱塩精製処理することが好ましい。
脱塩精製処理は、遠心分離法や膜処理法等により行うことができるが、限外濾過膜、逆浸透膜、電気透析膜などを使用して行うことが好ましく、所要処理時間の関係から、限外濾過膜を使用して行うことがより好ましい。限外濾過膜の分画分子量としては、カーボンブラック粒子が通過せず、水および水の溶解したイオンが通過する分画分子量であれば制限無く使用することができる。
上記脱塩精製処理は、精製の度合いが、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下の電動度になるまで行うことが好ましい。
上記脱塩精製処理によって酸化処理時に生じた酸性残塩を除去することにより、カーボンブラック粒子の分散性を向上させることができ、かつカーボンブラック粒子の再凝集を抑制することができる。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子は、カーボンブラック粒子の表面に酸性官能基が直接形成されてなるものであり、上記酸性官能基としては、ヒドロシル基(−OH)およびカルボキシル基(−COOH)から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子のヒドロキシル基量は、カーボンブラックの単位重量あたり、50〜300μmol/gであることが好ましく、70〜250μmol/gであることが好ましく、100〜200μmol/gであることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、酸化カーボンブラック粒子のヒドロキシル基(−OH)量は、以下の方法で算出された値を意味する。
すなわち、2、2′−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)を四塩化炭素中に溶解して、5×10−4mol/l溶液を作製する。該溶液に酸化カーボンブラック粒子を0.1〜0.6g添加し、60℃の恒温槽中にて6時間攪拌した後、濾別し、濾液を紫外線吸光光度計で測定して吸光度からヒドロキシル基量を求め、得られたヒドロキシル基量をカーボンブラック粒子の質量で除すことにより、カーボンブラックの単位重量あたりのヒドロキシル基量(μmol/g)を算出する。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子のカルボキシル基量は、カーボンブラックの単位重量あたり、150〜1200μmol/gであることがより好ましく、300〜1200μmol/gであることがより好ましく、400〜1000μmol/gであることがさらに好ましく、400〜900μmol/gであることが一層好ましく、500〜900μmol/gであることがより一層好ましく、500〜700μmol/gであることが特に好ましい。
なお、本出願書類において、酸化カーボンブラック粒子のカルボキシル基量は、以下の方法で算出された値を意味する。
すなわち、濃度0.976Nの炭酸水素ナトリウム水溶液に酸化カーボンブラック粒子を約2〜5g添加して6時間程振とうした後、濾別し、濾液に0.05N塩酸水溶液を加えたのち、pHが7.0になるまで0.05N水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定試験を行ってカルボキシル基量を求め、得られたカルボキシル基量をカーボンブラック粒子の質量で除すことにより、カーボンブラックの単位重量あたりのカルボキシル基量(μmol/g)を算出する。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子のヒドロキシル基量およびカルボキシル基量が上記範囲内にあることにより、水媒体中で良好な分散性を容易に発揮することができる。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基量(全酸性官能基量)は、カーボンブラックの単位重量あたり、200〜1500μmol/gであることが好ましく、300〜1000μmol/gであることが好ましく、400〜800μmol/gであることがさらに好ましい。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基量(全酸性官能基量)は、カーボンブラック粒子の表面に形成される各酸性官能基量の和から求めることができる。
本発明の表面改質酸化カーボンブラック水分散体において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部がアンモニアおよび有機アミンで中和されたものである。
上記有機アミンとしては、一級、二級または三級の有機アミンから選ばれる一種以上であることが好ましい。
上記一級有機アミンとしては、脂肪族一級アミンもしくは芳香族一級アミンから選ばれる一種以上を挙げることができ、このうち脂肪族一級アミンが好ましく、炭素数1〜8の脂肪族一級アミンがより好ましい。
上記脂肪族一級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、2−アミノエタノール、2−アミノ−2−メチルエタノール、2−アミノ−2−エチルエタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等から選ばれる一種以上が好ましい。
また、芳香族一級アミンとしてはアニリン等が挙げられる。
上記二級有機アミンとしては、例えば、脂肪族二級アミンもしくは芳香族二級アミンから選ばれる一種以上を挙げることができ、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記三級有機アミンとしては、例えば、脂肪族三級アミンもしくは芳香族三級アミンから選ばれる一種以上を挙げることができ、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
この他、上記有機アミンとしては、環状アミンとして、モルホリン、ピリジン、ピペラジン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部がアンモニアおよび有機アミンで中和されたものである。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の陰イオンモル数を100%とした場合に、その50〜100%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの50〜100モル%が)アンモニアおよび有機アミンで中和されたものであることが好ましく、その60〜90%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの60〜90モル%が)アンモニアおよび有機アミンで中和されたものであることがより好ましく、その60〜80%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの60〜80モル%が)アンモニアおよび有機アミンで中和されたものであることがさらに好ましい。
酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の中和量が上記範囲内にあることにより、カーボンブラック粒子同士の静電反発を好適に維持して、充分な分散性を容易に得ることができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の陰イオンモル数を100%とした場合に、その25〜60%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの25〜60モル%が)アンモニアで中和されていることが好ましく、その30〜60%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの30〜60モル%が)アンモニアで中和されていることがより好ましく、その40〜60%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの40〜60モル%が)アンモニアで中和されていることがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の陰イオンモル数を100%とした場合に、その10〜40%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの10〜40モル%が)有機アミンで中和されていることが好ましく、その15〜40%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの15〜40モル%が)有機アミンで中和されていることがより好ましく、その20〜40%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの20〜40モル%が)有機アミンで中和されていることがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を中和するアンモニア量が、100〜600μmol/gであることが好ましく、150〜500μmol/gであることがより好ましく、200〜400μmol/gであることがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を中和する有機アミン量が、100〜600μmol/gであることが好ましく、150〜500μmol/gであることがより好ましく、200〜400μmol/gであることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、アンモニアおよび有機アミンの中和量は、中和後の液体試料を分取後、10mM塩酸水溶液用いて抽出したものを、分画分子量50,000のフィルターで濾過して得られた濾液を測定供試液として、以下の方法で測定した値を意味する。
すなわち、キャピラリー電気泳動装置として、アジレント・テクノロジー社製キャピラリー電気泳動システム「Agilent Technologies CEシステム」、キャリラリーにはフュームドシリカ(104cm)、泳動液にはイミダゾール系溶液をpH4.5にて使用し、また、印加電圧は正にて、検出方法は間接吸光吸光度法にて定量した値を意味する。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体は、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基がアンモニアおよび有機アミンの両者で中和された表面改質カーボンブラックを含む。
表面改質カーボンブラックが、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の一部がアンモニアで中和されたものであることにより、酸化カーボンブラック粒子の分散性を向上させることができ、また、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の一部が有機アミンで中和されたものであることにより、酸化カーボンブラック粒子の分散性を向上させるとともに、水性インク組成物を調製したときに、水溶媒とともに添加する有機溶媒との相溶性を向上させることができる。
このため、本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体を用いて水性インク組成物を調製したときに、表面改質カーボンブラックを水および有機溶媒に高度に分散させることができ、上記水性インク組成物中の水の含有割合が低く、インクの液滴が紙等の印刷基材に着弾したときに水が揮散してインク中の有機溶媒濃度が高くなった場合においても、黒色顔料であるカーボンブラック粒子の分散性が維持されるため、黒色度を高く保ち、優れた画像濃度を発揮することができると考えられる。
従って、本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体は、インクジェットインク組成物等の水性インク組成物に使用されたときに、水分含有量を低減させて印刷時のカール現象を抑制しつつ、優れた画像濃度および分散安定性を示すことができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体は、固形分として、上記表面改質カーボンブラックを、1〜25質量%含有することが好ましく、5〜20質量%含有することがより好ましく、10〜20質量%含有することがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の固形分濃度が上記範囲内にあることにより、水性インクジェットインク組成物等の所望の水性インク組成物を容易に調製することができる。
上記固形分濃度が1質量%未満である場合には、所望濃度のカーボンブラックを含有する水性インク組成物を調製し難くなる。
上記固形分濃度が25質量%を超える場合には、表面改質カーボンブラックが凝集体を形成し易くなることから、水性インク組成物の分散性(分散安定性)を長期に亘って維持し難くなる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体は、インクジェットインク組成物等の水性インク組成物に使用されたときに、水分含有量を低減させて印刷時のカール現象を抑制しつつ、優れた画像濃度および分散安定性を発揮することができる。
次に、本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法について説明する。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法は、本発明の表面改質カーボンブラック水分散体を製造する方法であって、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部を、水中においてアンモニアで中和して対イオン化した後、当該対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換することを特徴とするものである。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法において、酸化カーボンブラックや当該酸化カーボンブラックを調製する方法の詳細は、上述したとおりである。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法においては、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を、水中においてアンモニアで中和して対イオン化する。
酸性カーボンブラック粒子表面の酸性官能基をアンモニアで中和する場合、酸化カーボンブラックの水スラリーと所望濃度のアンモニア水を混合することが好ましい。
中和時に分散媒として使用する水としては、イオン交換樹脂を用いてイオン交換させたイオン交換水や、逆浸透膜を用いて濾過した逆浸透水や、求められる純度に応じて更に高度に異物除去を行なった超純水等を挙げることができる。
上記アンモニア水の濃度や混合量は、中和しようとする酸性官能基量に応じて適宜決定すればよいが、アンモニア水混合後の酸化カーボンブラックの水スラリーのpHが、7.0〜11.0になるように混合することが好ましく、7.5〜10.5になるように混合することがより好ましく、8.0〜10.0程度になるように混合することがさらに好ましい。
アンモニアによる中和処理は、常温でも徐々に進行するが、希釈した中和剤を反応槽中のスラリーに加えて、適度に加温すると、完全に中和が進行するため好ましい。
中和処理時の処理温度は、90〜100℃が好ましく、95〜100℃がより好ましく、97〜100℃がより好ましく、中和処理時の処理時間は2〜5時間が好ましい。
中和処理が完了したことは、加温を続けてもそれ以上pHが変動しなくなったことにより確認することができる。
酸化カーボンブラック粒子表面に付与された酸性官能基がヒドロシル基(−OH)である場合には、アンモニアで処理することにより、酸化カーボンブラック粒子が、
CB−O:NH4+
(式中、CBはカーボンブラック粒子を示す。)
の形態に中和される(アンモニアにより対イオン化される)。
また、酸化カーボンブラック粒子表面に付与された酸性官能基がカルボキシル基(−COOH)である場合には、アンモニアで処理することにより、酸化カーボンブラック粒子が、
CB−COO:NH4+
(式中、CBはカーボンブラック粒子を示す。)
の形態に中和される(アンモニアにより対イオン化される)。
酸化カーボンブラック粒子表面に付与された酸性官能基を構成する全てをアンモニアで中和処理する場合等においては、理論量よりも過剰量のアンモニアを混合して中和処理することが好ましく、中和処理後に生じた余剰のアンモニアは、遠心分離や膜処理などを用いて除去することが好ましく、限外濾過膜、逆浸透膜、電気透析膜などを使用して除去することが好ましい。
余剰のアンモニアの除去は、所要処理時間等の関係から、限外濾過膜を使用して行うことが好ましく、限外濾過膜の分画分子量としては、カーボンブラック粒子が通過せず、水及び水の溶解したイオンが通過する分画分子量であれば特に制限されない。
この際、上記余剰のアンモニアの除去は、精製の度合いが、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下の電動度になるまで行うことが好ましい。
酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部をアンモニアで中和処理することで、酸化カーボンブラック粒子(表面改質カーボンブラック)の分散性を効果的に向上させることができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法においては、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部を、水中においてアンモニアで中和した後、上記アンモニアの一部を有機アミンで置換する。
有機アミンとしては、一級有機アミン、二級有機アミンまたは三級有機アミンから選ばれる一種以上であることが好ましく、有機アミンの具体例の詳細は、上述したとおりである。
酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基を中和したアンモニアの一部を有機アミンにより置換する場合、少なくとも一種の有機アミンを含む水溶液を、アンモニアで中和した酸化カーボンブラックスラリーに添加して行うことが好ましい。
上記有機アミンを含む水溶液中の有機アミンの濃度や添加量は、得ようとする表面改質カーボンブラックを構成する有機アミン量(有機アミンによる置換量)に基づいて適宜決定すればよい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の陰イオンモル数を100%とした場合に、その50〜100%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの50〜100モル%が)アンモニアおよび有機アミンで中和されることが好ましく、その60〜90%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの60〜90モル%が)アンモニアおよび有機アミンで中和されることがより好ましく、その60〜80%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの60〜80モル%が)アンモニアおよび有機アミンで中和されることがさらに好ましい。
酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の中和量が上記範囲内にあることにより、カーボンブラック粒子同士の静電反発を好適に維持して、充分な分散性を容易に発揮することができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の陰イオンモル数を100%とした場合に、その25〜60%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの25〜60モル%が)アンモニアで中和されることが好ましく、その30〜60%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの30〜60モル%が)アンモニアで中和されることがより好ましく、その40〜60%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの40〜60モル%が)アンモニアで中和されることがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法において、表面改質カーボンブラックは、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の陰イオンモル数を100%とした場合に、その10〜40%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの10〜40モル%が)有機アミンで中和されることが好ましく、その15〜40%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの15〜40モル%が)有機アミンで中和されることがより好ましく、その20〜40%が(酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を構成する全陰イオンの20〜40モル%が)有機アミンで中和されることがさらに好ましい。
有機アミンによる置換処理は、常温でも徐々に進行するが、希釈した有機アミンを反応槽中のスラリーに加えて、適度に加温すると、置換が進行し易いため好適である。
置換処理時の処理温度は、90〜100℃が好ましく、置換処理時の処理時間は2〜5時間が好ましい。
置換処理が完了したことは、加温を続けてもそれ以上pHが変動しなくなったことにより確認することができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法においては、酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を、先ず水中においてアンモニアで中和して対イオン化し、酸化カーボンブラック粒子の水中での分散性を十分に確保した上で、上記対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換していることから、対イオンしたアンモニアおよび有機アミンによって、カーボンブラック粒子の分散性安定性と、インク溶媒との親和性を十分に確保することができる。
酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基を、先ず有機アミンで中和し、次いで対イオン化した有機アミンの一部をアンモニアで置換しようとした場合には、酸化カーボンブラック粒子が十分に分散していない状態でアンモニアと反応させることになることから、目的とする表面改質カーボンブラック水分散体の製造が困難になる。
有機アミンによる置換処理で余剰の有機アミンが生じた場合には、置換処理後に、遠心分離や膜処理などを用いて除去することが好ましく、限外濾過膜、逆浸透膜、電気透析膜等を用いて除去することが好ましい。
余剰の有機アミンの除去は、所要処理時間等の関係から、限外濾過膜を使用して行うことが好ましく、限外濾過膜の分画分子量としては、カーボンブラック粒子が通過せず、水及び水の溶解したイオンが通過する分画分子量であれば特に制限されない。
この際、上記余剰の有機アミンの除去は、精製の度合いが、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下の電動度になるまで行うことが好ましい。
有機アミンによる置換処理(および場合により余剰の有機アミンの除去処理)が終了した後、適宜分級処理して粗大粒子を除去することが好ましい。
有機アミンによる置換処理(または余剰の有機アミンの除去処理)して得られるカーボンブラック分散液中の未分散塊や粗大粒子を除去することは、インクジェットプリンターのノズル閉塞を防止するために重要であり、遠心分離や濾過などの方法により分級除去することができる。
分級処理を遠心分離により行う場合、横型デカンター、ローター式高速遠心分離機、分離板式分離機、シャープレス型縦型遠心分離機等を使用することにより分級処理する方法が挙げられる。
分級処理を濾過により行う場合、デプスフィルター、プリーツフィルター、メンブレンフィルター等を使用したり、更にそれらの多段使用等により効果的に分級処理することができる。
有機アミンによる置換処理(および場合により余剰の有機アミンの除去処理または分級処理)が終了した後、適宜濃度調整を行うことが好ましい。
濃度調整を行う方法は特に制限されないが、例えば、限外濾過膜を用いて水を除去したり、逆に水を添加することにより行うことができる。
濃縮処理は、固形分として、上記表面改質カーボンブラックが、1〜25質量%になるように行うことが好ましく、5〜20質量%になるように行うことがより好ましく、10〜20質量%になるように行うことがさらに好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法において、得られる表面改質カーボンブラック水分散体の詳細は、上述したとおりである。
本発明に係る製造方法によれば、インクジェットインク組成物等の水性インク組成物に使用されたときに、水分含有量を低減させて印刷時のカール現象を抑制しつつ、優れた画像濃度および分散安定性を発揮する表面改質カーボンブラック水分散体を簡便に製造することができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体または本発明に係る製造方法で得られた表面改質カーボンブラック水分散体は、さらに他の成分を加えることにより、水性インク組成物を調製することができる。
水性インク組成物としては、例えば水性インクジェットインク組成物を挙げることができる。
この場合、インクジェットインク組成物等の水性インク組成物中のカーボンブラックの含有割合は、特に限定されないが、1〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、3〜8質量%であることがさらに好ましい。
また、水性インクジェットインク組成物等の水性インク組成物中の水の含有割合は、20〜70質量%であることが好ましく、25〜65質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましく、35〜55質量%であることが一層好ましく、40〜50質量%であることがより一層好ましい。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体または本発明に係る製造方法で得られた表面改質カーボンブラック水分散体は、水溶媒や、水溶媒とともに添加される各種有機溶剤に対し高い相溶性を発揮し得ることから、水分含有割合が低減された水性インク組成物中においても高い分散性を発揮することができ、このために、印刷時のカール現象を効果的に抑制することができる。
本発明に係る表面改質カーボンブラック水分散体または本発明に係る製造方法で得られた表面改質カーボンブラック水分散体を用いて水性インクジェットインク組成物を調製する場合、他の成分として、例えば、水性有機溶媒、浸透剤、防腐剤、キレート剤、粘度調整剤、界面活性剤、樹脂等を必要に応じて添加する。
水溶性有機溶媒としては、グリセリン、ジエチレングリコールやトリエチレングリコールなどのエチレングリコール化合物、ジエチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
水性インクジェットインク組成物中の水性有機溶媒の含有割合は、1〜50質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。
水性インクジェットインク組成物が水性有機溶媒を含むことにより、上述した紙基材のカール現象の発生を抑制したり、ノズル部分におけるインキの乾燥やインキの固化を抑制し、インク組成物を噴射を安定化させ、保存時のノズルの乾燥を容易に抑制することができる。
一方、インク塗膜の乾燥を促進したい場合には、水性有機溶媒としてメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類を使用することが好ましい。
浸透剤としては、表面張力を低下させるような界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、インク組成物が浸透剤を含有することにより、特に被印刷物が紙のような浸透性のある材料である場合に、被印刷物へのインク組成物の浸透を速め、見掛けの乾燥性を促進することができる。
水性インクジェットインク組成物中の浸透剤の含有割合は、1.0質量%を超え5質量%以下であることが好ましく、1.5〜5.0質量%であることがより好ましく、2.0〜5.0質量%であることがさらに好ましい。
浸透剤の含有割合が、1.0質量%以下である場合には所望の効果を発揮し難く、5質量%よりも多い場合には、印刷物の滲み、紙抜け(プリントスルー)等を生じ易くなる。
防黴剤としては、ジヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
インク組成物が防燻剤を含むことにより、インク組成物中への黴の発生を抑制することができる。
水性インクジェットインク組成物中の防黴剤の含有割合は、0.05〜1.0質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましく、0.05〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
キレート剤としては、エチレンジアミンテトラアセイックアシド、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのナトリウム塩、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのテトラアンモニウム塩等から選ばれる一種以上が挙げられる。
インク組成物がキレート剤を含むことにより、ノズル部での金属の析出やインク組成物中での不溶解性物の析出などを抑制することができる。
水性インクジェットインク組成物中のキレート剤の含有割合は、0.005〜0.5質量%であることが好ましく、0.005〜0.25質量%であることがより好ましく、0.005〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
また、水性インクジェットインク組成物等の水性インク組成物は、インキの循環、移動、あるいはインキの製造時の泡の発生を抑制するために消泡剤を含有することもでき、また、その他の添加剤として、尿素、ジメチル尿素、チオ尿素等を含有することもできる。
本発明によれば、水性インクジェットインク組成物等の水性インク組成物に使用されたときに、水分含有量を低減させて印刷時のカール現象を抑制しつつ、優れた画像濃度および分散安定性を示す表面改質カーボンブラック水分散体と、当該表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法を提供することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何ら制約されるものではない。
(実施例1)
(1)酸化カーボンブラックの調製
ステンレス鋼で出来た反応槽にイオン交換水50kgを入れ、そこに三菱ガス化学(株)製過硫酸ナトリウムを5kg加えた後、撹拌機(ステンレス鋼)にて完全に溶解するまで撹拌した。溶け残りが無いことを確認して、東海カーボン(株)製カラー用カーボンブラック「トーカブラック#7550F(比表面積135m/g)」を2.5kg加え、顔料が水に濡れ、均一になるまで撹拌を継続した。
反応槽を60℃まで加熱して5時間保持し、自然放冷させた後、サンプルを取り出し、旭化成ケミカルズ(株)製限外濾過膜「AHV−3010」を用いて水を加えながら酸性残塩の除去を行ない、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下まで脱塩精製処理を行なうことにより、酸化カーボンブラック粒子含有液を調製した。
得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、水酸基量が100μmol/g、カルボキシル基量が450μmol/gであった。
(2)アンモニアによる中和処理
上記酸化カーボンブラック粒子含有液に対し、アンモニア水を加えてpHを9.0に調整し、97℃で3時間撹拌して加熱することにより中和処理を行った。
自然放冷後、旭化成ケミカルズ(株)製限外濾過膜「AHV−3010」を用いて水を加えながら塩基性残塩の除去を行なった。
上記処理によって酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基がアンモニウムイオンにより中和され、対イオン化された割合(アンモニウムイオンによる対イオン化割合)を、下記式により算出した。
(アンモニアの中和量(μmol/g)/酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された水酸基量とカルボキシル基量の和(μmol/g))×100
上記式により算出される、酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された全酸性官能基量(水酸基量とカルボキシル基量の和)に対するアンモニアの中和量の割合(モル%)、すなわち、アンモニウムイオンによる対イオン化割合は、81.8モル%であった。
(3)有機アミンによる置換処理
次いで、トリエチルアミン200gを水に溶解させた状態でゆっくりと加え、同様に97℃で3時間撹拌して熱処理を行なった。
再度自然放冷後、日立工機(株)製ローター式高速遠心分離機「CR22GII」を用いて、回転数10,000rpmにて定速で分級処理を行ない、上記と同じ限外濾過膜を用いてカーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下まで塩基性残塩並びにカーボンブラック表面に定着していないトリエチルアミンを除去した。
その後、20質量%まで濃縮した後、PALL社製カートリッジフィルター「ProfileII」を用いて濾過を行なうことにより、表面改質カーボンブラックを20質量%含むカーボンブラック分散液1を得た。
上記処理によって酸化カーボンブラック表面の酸性官能基を対イオン化したアンモニアの一部が有機アミンで置換された割合(有機アミンによる置換割合)を、下記式により算出した。
(有機アミンの中和量(μmol/g)/酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された水酸基量とカルボキシル基量の和(μmol/g))×100
上記式により算出される、酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された全酸性官能基量(水酸基量とカルボキシル基量の和)に対する有機アミンの中和量の割合(モル%)、すなわち、有機アミンによる対イオン化割合は、28.4モル%であった。
このため、得られた表面改質カーボンブラックにおいて、アンモニウムイオンによる酸性官能基の対イオン化割合は、53.4モル%であり、有機アミンによる対イオン化割合は、28.4モル%であった。
(実施例2)
実施例1において、トリエチルアミンに代えてジエチルアミンを用いた以外は、同様の方法で処理することにより、表面改質カーボンブラックを20質量%含むカーボンブラック分散液2を得た。
このとき、(1)酸化カーボンブラックの調製工程で得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、水酸基量が100μmol/g、カルボキシル基量が450μmol/gであった。
また、(2)アンモニアによる中和処理工程による中和処理によって、酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基がアンモニウムイオンにより中和され、対イオン化された割合(アンモニウムイオンによる対イオン化割合)は、81.8モル%であった。
(3)有機アミンによる置換処理工程で得られた表面改質カーボンブラックにおいて、アンモニウムイオンによる酸性官能基の対イオン化割合は、46.4モル%であり、有機アミンによる対イオン化割合(酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された全酸性官能基量(水酸基量とカルボキシル基量の和)に対する有機アミンの中和量の割合)は、35.4モル%であった。
(実施例3)
実施例1において、トリエチルアミンに代えて2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いた以外は、同様の方法で処理することにより、表面改質カーボンブラックを20質量%含むカーボンブラック分散液3を得た。
このとき、(1)酸化カーボンブラックの調製工程で得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、水酸基量が100μmol/g、カルボキシル基量が450μmol/gであった。
また、(2)アンモニアによる中和処理工程による中和処理によって、酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基がアンモニウムイオンにより中和され、対イオン化された割合(アンモニウムイオンによる対イオン化割合)は、81.8モル%であった。
(3)有機アミンによる置換処理工程で得られた表面改質カーボンブラックにおいて、アンモニウムイオンによる酸性官能基の対イオン化割合は、55.1モル%であり、有機アミンによる対イオン化割合(酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された全酸性官能基量(水酸基量とカルボキシル基量の和)に対する有機アミンの中和量の割合)は、26.7モル%であった。
(実施例4)
実施例1において、トリエチルアミンに代えてトリエチルアミンとジエチルアミンの均等混合物(体積割合が50:50であるもの)を用いた以外は、同様の方法で処理することにより、表面改質カーボンブラックを20質量%含むカーボンブラック分散液4を得た。
このとき、(1)酸化カーボンブラックの調製工程で得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、水酸基量が100μmol/g、カルボキシル基量が450μmol/gであった。
また、(2)アンモニアによる中和処理工程による中和処理によって、酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基がアンモニウムイオンにより中和され、対イオン化された割合(アンモニウムイオンによる対イオン化割合)は、81.8モル%であった。
(3)有機アミンによる置換処理工程で得られた表面改質カーボンブラックにおいて、アンモニウムイオンによる酸性官能基の対イオン化割合は、52.5モル%であり、有機アミンによる対イオン化割合(酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された全酸性官能基量(水酸基量とカルボキシル基量の和)に対する有機アミンの中和量の割合)は、29.3モル%であった。
(比較例1)
(1)酸化カーボンブラックの調製
ステンレス鋼で出来た反応槽にイオン交換水50kgを入れ、そこに三菱ガス化学(株)製過硫酸ナトリウムを5kg加えた後、撹拌機(ステンレス鋼)にて完全に溶解するまで撹拌した。溶け残りが無いことを確認して、東海カーボン(株)製カラー用カーボンブラック「トーカブラック#7550F(比表面積135m/g)」を2.5kg加え、顔料が水に濡れ、均一になるまで撹拌を継続した。
反応槽を60℃まで加熱して5時間保持し、自然放冷させた後、サンプルを取り出し、旭化成ケミカルズ(株)製限外濾過膜「AHV−3010」を用いて水を加えながら酸性残塩の除去を行ない、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下まで脱塩精製処理を行なうことにより、酸化カーボンブラック粒子含有液を調製した。
得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、水酸基量が100μmol/g、カルボキシル基量が450μmol/gであった。
(2)アンモニアによる中和処理
上記酸化カーボンブラック粒子含有液に対し、アンモニア水を加えてpHを9.0に調整し、97℃で3時間撹拌して加熱することにより中和処理を行った。
自然放冷後、日立工機(株)製ローター式高速遠心分離機「CR22G II」を用いて、回転数10,000rpmにて定速で分級処理を行ない、上記と同じ限外濾過膜を用いてカーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下まで塩基性残塩並びにカーボンブラック表面に定着していないアンモニアを除去した。
その後、20質量%まで濃縮した後、PALL社製カートリッジフィルター「Profile II」を用いて濾過を行なうことにより、表面改質カーボンブラックを20質量%含む比較カーボンブラック分散液1を得た。
上記処理によって酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基がアンモニウムイオンにより中和され、対イオン化された割合(アンモニウムイオンによる対イオン化割合)を、下記式により算出した。
(アンモニアの中和量(μmol/g)/酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された水酸基量とカルボキシル基量の和(μmol/g))×100
上記式により算出される、酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された全酸性官能基量(水酸基量とカルボキシル基量の和)に対するアンモニアの中和量の割合(モル%)、すなわち、アンモニウムイオンによる対イオン化割合は、81.8モル%であった(有機アミンによる対イオン化割合(酸化カーボンブラック粒子の表面に形成された全酸性官能基量(水酸基量とカルボキシル基量の和)に対する有機アミンの中和量の割合)は、0モル%であった)。
(比較例2)
比較例1において、アンモニア水に代えて水酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は、同様の方法で処理することにより、表面改質カーボンブラックを20質量%含む比較カーボンブラック分散液2を得た。
このとき、(1)酸化カーボンブラックの調製工程で得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、水酸基量が100μmol/g、カルボキシル基量が450μmol/gであった。
また、(2)水酸化ナトリウム水溶液による中和処理工程による中和処理によって、酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基がナトリウムイオンにより中和され、対イオン化された割合(ナトリウムイオンによる対イオン化割合)は、81.8モル%であった。
(比較例3)
比較例1において、アンモニア水に代えて水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いた以外は、同様の方法で処理することにより、表面改質カーボンブラックを20質量%含む比較カーボンブラック分散液3を得た。
このとき、(1)酸化カーボンブラックの調製工程で得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、水酸基量が100μmol/g、カルボキシル基量が450μmol/gであった。
また、(2)アンモニアによる中和処理工程による中和処理によって、酸化カーボンブラック粒子表面の酸性官能基が水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液により中和され、対イオン化された割合(テトラメチルアンモニウムイオンによる対イオン化割合)は、81.8モル%であった。
実施例1〜実施例4で得られたカーボンブラック分散液1〜カーボンブラック分散液4と、比較例1〜比較例3で得られた比較カーボンブラック分散液1〜比較カーボンブラック分散液3中のアンモニアおよび有機アミンの濃度を表1に示す。
また、各分散液において、粒子径、粘度(常温および70℃で4週間加温後のもの)および画像濃度を以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
(粒子径)
粒子径は、常温下において、日機装(株)の「UPA150EX」を用いた動的光散乱法により測定した。
(粘度)
常温下の粘度を、東機産業(株)製E型粘度計「TVE−22」にて測定した。
(画像濃度)
各分散液を純水でカーボンブラック濃度4質量%まで希釈し、常温下において、富士ゼロックス(株)製中性プリンター用紙「P」(坪量64g/m)に、バーコーターNo.6(膜厚13.7μm)を使って塗工し、自然乾燥させた後、エックスライト社製反射型光学濃度計「504」を用いて画像濃度を測定した。
Figure 0006570051
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実施例1〜実施例4で得られたカーボンブラック分散液1〜カーボンブラック分散液4と、比較例1〜比較例3で得られた比較カーボンブラック分散液1〜比較カーボンブラック分散液3に対し、各々、表3に示す配合になるようにジエチレングリコールジエチルエーテルおよび水を加えて、各分散液毎にインク組成物1〜インク組成物3を調製し、各インク組成物において、上述した方法により常温下における粘度を測定した。粘度測定結果を表4に示す。
Figure 0006570051
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表2より、実施例1〜実施例4で得られたカーボンブラック分散液1〜カーボンブラック分散液4は、優れた画像濃度を発揮し得るものであることが分かる。
また、表4より、実施例1〜実施例4で得られたカーボンブラック分散液1〜カーボンブラック分散液4を用いて各々調製されたインク組成物1〜インク組成物3は、水分含有量を低減させても粘度の上昇を抑制して優れた分散安定性を発揮し得るものであることが分かり、また、水分量を低減しても水性インク組成物として実用に供し得ることから印刷時のカール現象の発生を抑制できるものであることが分かる。
一方、表2より、比較例3で得られた比較カーボンブラック分散液3は、酸化カーボンブラック粒子として、表面に付与された酸性官能基が、アンモニアおよび有機アミンの両者で中和されていないものを使用していることから、画像濃度が低くなることが分かる。
また、表4より、比較例1および比較例2で得られた比較カーボンブラック分散液1および比較カーボンブラック分散液2も、酸化カーボンブラック粒子として、表面に付与された酸性官能基が、アンモニアおよび有機アミンの両者で中和されていないものを使用していることから、これ等の分散液を用いて各々調製されたインク組成物1〜インク組成物3も、水分含有量の低減とともに粘度が上昇して分散性が不安定化し、インク組成物として水分量を低減することができず印刷時のカール現象を抑制できないものであることが分かる。
本発明によれば、水性インクジェットインク組成物等の水性インク組成物に使用されたときに、水分含有量を低減させて印刷時のカール現象を抑制しつつ、優れた画像濃度および分散安定性を示す表面改質カーボンブラック水分散体と、当該表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部を、水中において90〜100℃の処理温度でアンモニアで中和して対イオン化した後、精製処理し、次いで、当該対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換することにより、
    酸化カーボンブラック粒子の表面に付与された酸性官能基の少なくとも一部がアンモニアおよび有機アミンで中和された表面改質カーボンブラックを含む表面改質カーボンブラック水分散体を製造すること
    を特徴とする表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法。
  2. 前記対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換する処理の処理温度が、90〜100℃である請求項1に記載の表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法。
  3. 前記対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換する処理の処理時間が、2〜5時間である請求項1または請求項2に記載の表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法。
  4. 前記対イオン化したアンモニアの一部を有機アミンで置換した後、さらに精製処理する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表面改質カーボンブラック水分散体の製造方法。
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